古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:デイヴィッド・コーク

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の保護主義的貿易政策に対して、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークのコーク兄弟は反対を表明しています。政府が経済活動に介入することに反対し、全てを市場に委ねるリバータリアニズムの信奉者であるコーク兄弟としては当然の反応です。これに対して、トランプ大統領はツイッター上でコーク兄弟を非難しています。その言葉が「グローバリスト(globalist)」です。

 

 グローバリストという言葉は副島隆彦先生によって日本に紹介されましたが、世界を一つの価値観でまとめ上げる、具体的にはアメリカの価値観でまとめ上げることを目的に動く勢力のことを指します。そのために外国に積極的に介入します。介入主義者(インターヴェンショニスト、interventionist)とも言います。

 

 リバータリアニズムを信奉するコーク兄弟は、アメリカが外国に介入することに反対します。ですから、チャールズ・コークは古くからヴェトナム戦争に反対し、ジョージ・W・ブッシュ政権下でネオコンが主導したイラク戦争にも強く反対しました。

 

 コーク兄弟は、共和党を支持していますが、これは「民主党は全くもって問題外だが、共和党はまだまし」ということです。共和党内でリバータリアニズムに基づいた政策を支持する政治家を増やそう、それでリバータリアニズムに基づいた政策を実施させようということになります。ネオコンや妥協的な政治家たちを支援しないということで、コーク兄弟は反主流派ともなっています。

 

 現在のトランプ大統領もまた共和党主流派、体制派ではなく、人々の怒りを集めて大統領になったこともあって反主流派ということになります。トランプ政権で閣僚になった人たちの多くがコーク兄弟と関係が深いということは以前本ブログでもご紹介しました。トランプの減税政策はコーク兄弟の利益にも合致するものです。しかし、コーク兄弟は、「大企業優遇の減税は経済システムを歪めるものだ」「一般の人々のためのものではない」と批判しています。

 

 コーク兄弟に関して、トランプ大統領の「グローバリスト」という批判は当てはまりません。コーク兄弟が信奉するリバータリアニズムとトランプ大統領が代表するポピュリズムはともに海外へのアメリカの介入には批判的です。ここでの問題は経済活動に対して政府が介入すべきかどうかということであり、トランプ大統領の関税政策は経済の邪魔になる、市場によってコントロールされている経済を人為的に歪めるというのがコーク兄弟の主張です。この点で両者は対立しています。トランプ大統領としては雇用を生み出すということを公約にして当選している以上、貿易戦争にまで突っ走ってしまうのは当然ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ、反保護主義掲げるコーク兄弟と対立 共和党支持組織を罵倒」

2018年7月31日 ロイター

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10707.php

 

米共和党の強力な支持組織として知られるコーク・ネットワークが、トランプ米大統領の貿易政策に批判的な姿勢を示し、大統領が組織を公然と批判する騒ぎに発展している。

 

トランプ氏は31日のツイッター投稿で、大富豪のチャールズとデービッドのコーク兄弟が創設したこの組織について「本物の共和党サークルではまったくの冗談と化したグローバリストのコーク兄弟が、強固な国境、強力な貿易に反対している。私は彼らのカネやひどいアイデアを必要としていないので、一度も彼らの支援を求めたことがない」と罵倒し、ネットワークは「過大評価されている」と続けた。

 

これはコーク・ネットワークの一部幹部が、大統領の貿易政策が景気後退を招くとの懸念を示し、共和党候補への支持を取り下げたい意向だと報じられたのを受けた投稿。

 

コーク側は概ね批判を受け流しており、広報担当者は「われわれはすべての人の生活を向上させる政策を支持する」との声明を出した。

 

コーク財閥は未公開の企業としては全米2位の大きさで、企業寄りの政策やリバタリアン(自由至上主義)思想で知られている。減税、規制緩和、自由貿易を強く主張し、主義主張の近い共和党候補にこれまで数百万ドルを献金してきた。

 

コーク財団とその他自由貿易を支持する団体は、トランプ大統領の進める保護主義的な政策を敬遠しており、11月の議会中間選挙を控え、トランプ氏に同調する共和党候補への支持を見送る可能性が出ている。

 

2016年の大統領選では、コーク兄弟はトランプ氏のイスラム教徒に関する発言などを理由に同氏と距離を置いていたが、トランプ氏の大統領就任後は税制改革法案の成立を支持するなど、和解したように見えていた。

 

しかしその後、コーク・ネットワークはトランプ氏の関税政策に反対する数百万ドル規模のキャンペーンを開始した。

 

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サンダースは、コーク兄弟が「全ての人々のためのメディケア」に賛成する主張をしてしまったことに感謝(Sanders thanks Koch brothers for accidentally making argument for 'Medicare for all'

 

ブルック・シーペル筆

2018年7月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/healthcare/399625-sanders-thanks-koch-brothers-for-accidentally-making-argument-for-medicare

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が火曜日、保守派の大口献金者であるチャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して、「全ての人々のためのメディケアに間違って賛成してしまった」ことに感謝を示した。コーク兄弟が資金を出した研究では単一支払者制度(single-payer health-care plan、訳者註:政府が保険料を徴収し、医療費の全てを支出する制度)のコストについて分析を行っている。

 

サンダースはツイッター上に掲載したヴィデオの中でコメントを発表した。サンダースは、ジョージメイソン大学メルカトスセンターのチャールズ・ブロハウスが発表した研究成果についてコメントをした。ジョージメイソン大学メルカトスセンターにはコーク兄弟が資金提供を行っている。

 

サンダースは次のように語った。「私はコーク兄弟、また、今回の研究に資金を出してくれた全ての方々に感謝したい。今回の研究では、全ての人々のためのメディケアは10年で2兆ドルものお金を浮かせることが出来るということであった」

 

ブロハウスは研究の中で、サンダースの主張する単一支払者制度では、2022年から2031年の期間、32兆6000億ドルもかかってしまうという結果を発表した。しかし、研究の中で、他の経済学者たちは同じ期間に2兆ドルのお金を浮かせることが出来るだろうという研究結果を発表している。

 

ヴィデオの中で、サンダースは、コーク兄弟が彼の主張している単一支払者制度でお金を浮かせることが出来ることを証明したことに謝意を示した。

 

全ての人々のためのメディケアはサンダースが2016年の大統領選挙で主要政策として主張したことで知られるようになった。全ての人々のためのメディケアは、自己負担や控除なしに全てのアメリカ国民の医療費を支払うことが出来るというものだ。

 

サンダースの提案は左派の人々から支持されている。しかし、その他の人々からは批判の対象になっている。批判者の中にはトランプ大統領も含まれている。トランプ大統領はかつて、単一支払者制度を「アメリカにとって呪い」となると批判した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 今回は、マイク・ポンぺオ国務長官についての記事をご紹介します。


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ポンぺオと金正恩 

 今年の3月に前任のレックス・ティラーソンが本人に事前通告なしに(トランプ大統領がツイッター上で発表)更迭され、マイク・ポンぺオCIA長官(当時)が後任となるにあたり、いくつかのメディアで出た記事には、ポンぺオとコーク兄弟の関係が取り上げられています。

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チャールズ(左)とデイヴィッド 

 コーク兄弟とは、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークの兄弟で、アメリカの大富豪で、大企業コーク・インダストリーズの経営者です。コーク・インダストリーズは非上場で株式の8割をこの2人の兄弟が所有しています。コーク・インダストリーズは石油関連事業を中心に様々な事業を展開している巨大企業です。

 

 コーク兄弟は豊富な資金を政治家に提供して、政治に影響を与えています。彼らは様々な草の根組織を作り、更には自分たちと同じような大富豪を組織して、資金提供ネットワークを構成しています。コーク兄弟については、拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)をお読みください。

 

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 アメリカの真の支配者 コーク一族


 マイク・ポンぺオは、2010年の中間選挙の連邦下院議員選挙でカンザス州第4選挙区から出馬し、当選しました。この時期、アメリカ政界に旋風を巻き起こした「ティーパーティー運動」の一員でした。ポンぺオはトランプ政権に入るまで連邦下院議員を務めました。過激な発言で人々の注目を集めました。

 

この選挙区にはカンザス州の最大都市ウィチタが含まれています。ウィチタにはコーク・インダストリーズの本社があり、総帥チャールズ・コークも居住しています。コーク兄弟はティーパーティー運動の資金源でした。ポンぺオはコーク兄弟のお膝元から政治家としてのキャリアをスタートさせています。そして、実際にポンぺオはコーク兄弟から多額の資金援助を受けています。

 

 しかし、コーク兄弟とポンぺオとのつながりはもっと昔に遡ることが出来ます。ポンぺオ(1963年生まれ)は陸軍士官学校をトップの成績で卒業し(1986年)、その後、1991年までアメリカ陸軍の機甲師団に勤務しました。1992年にハーヴァード大学法科大学院に入学しました。学内誌『ハーヴァード・ロー・レヴュー』誌の編集員を務めました。この経歴はバラク・オバマ前大統領と同じです。エリートということになります。

 

 1994年に法科大学院修了後、ポンぺオはワシントンDCにあるウィリアム・アンド・コノリー法律事務所に勤務しました。この法律事務所は200名以上の弁護士を抱える大規模な事務所です。そして、1998年にカンザス州ウィチタに移りました。ここで陸軍士官学校時代の友人たちと航空機の部品製造の会社を立ち上げました。この時にコーク・インダストリーズのヴェンチャービジネス投資専門の子会社から資金提供を受けました。この時に既にコーク兄弟との関係が出来たということになります。

 

 2017年1月から正式に発足したドナルド・トランプ政権にはコーク兄弟と関係の深い人々が多数入閣しています。その代表がポンぺオということになります。コーク兄弟は、リバータリアニズムという思想を信奉しています。リバータリアニズムは、アメリカが外国で戦争をすることに反対します(アメリカの領土に攻めてこられたら徹底的に戦うとしています)。

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 今回の米朝首脳会談から共同宣言へと進み、対話路線となったのにはトランプ大統領の意向が大きかったと思いますが、ポンぺオとコーク兄弟の関係、コーク兄弟の意向も働いたのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

コーク兄弟は自分たちのための国務長官を手に入れた(The Koch Brothers Get Their Very Own Secretary of State

-レックス・ティラーソンの後任として、トランプは大富豪の使い走りを据える

 

ジョン・ニコラス筆

2018年3月13日

『ザ・ネイション』誌

https://www.thenation.com/article/the-koch-brothers-get-their-very-own-secretary-of-state/

 

2010年の中間選挙において共和党が勝利を収めた。この時、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークがアメリカ政治における重要人物として登場した。この選挙で、コーク・インダストリーズから最大の寄付を受けたのがマイク・ポンぺオという名前の新人であった。8年前の連邦下院議員選挙の後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦議員」や「コークが送り込んだ連邦議員」と呼ばれた。

 

現在、ポンぺオはコーク兄弟の影響を受けた国務長官になるという立場に立っている。

 

ポンぺオはCIA長官としてトランプ大統領のイエスマンを1年ちょっと務めた。そして、トランプは無気力なレックス・ティラーソンの後任にポンぺオを据えた。

 

トランプ大統領とティラーソン国務長官はお互いが疎遠になっていった。ティラーソンは自身の解任を火曜日の朝にツイッターを通じて知ったことが明らかとなった。ティラーソンは側近からツイッターの画面を見せられ、トランプ大統領による更迭を教えられた。国務省が発表した声明は、ティラーソンが解任の理由について「知らない」ということを示唆している。

 

ティラーソンは、ロシアによるサイバー攻撃やサウジアラビアやカタールなどの国々に対する姿勢といった点でトランプとは別の方法を採用していた。

 

ポンぺオの政治的な寄付者に対する服従のパターンは、自己中心的なトランプ大統領には合うものである。ポンぺオはティラーソンに欠けていた外交上の立場を持ち込むことになるだろう。ポンぺオは外交政策に関してはタカ派で、イランとの核合意に強く反対し、アメリカ国内や海外に在住するイスラム教徒たちへの恐怖感を煽り、グアンタナモ基地の収容所の閉鎖に反対した。また、国家安全保障庁による憲法違反の調査プログラムを「素晴らしく重要な仕事」だと擁護した。ポンぺオはまた、NSAの内部告発者エドワード・スノーデンについて、「ロシアから連れて帰り、法的な処置を取るべきだ。そうすれば、適切な司法過程の結果として彼に死刑が宣告されるはずだと思う」という過激な発言を行った。

 

ポンぺオはプライヴァシー権や公民権を重視しない立場を公の場で見せている。また過激な言動や過激な政策を好む傾向にある。これは外交官に適しているとは言えない。過激な言動を好むポンぺオでは、レックス・ティラーソン国務長官よりもトラブルを引き起こす可能性が高い。ティラーソンは自分の世界観を持っているが、喧嘩をするような人物ではない。自分の影響力が低下している国務省のために喧嘩をするようなことはしない。

 

ポンぺオは短気であり、同時に闘争的な街であるワシントンにおいて最も闘争的な人物である。非上場で秘密主義の世界規模のビジネス帝国の支援のおかげで、ポンぺオは政治上のキャリアを上昇することが出来た。ポンぺオはカンザス州ウィチタ出身だ。ウィチタには石油と天然ガスを取り扱うコーク家のビジネス帝国が本部を置いている。ポンぺオはコーク・ヴェンチャー・キャピタルから設立資金の融資を受けて自身の会社を立ち上げた過去を持つ。

 

政治的により重要なことは、ポンぺオがビジネスの世界から政界に進出するにあたり、コーク兄弟とコーク・インダストリーズの従業員たちから大きな支援を受けた。カンザス大学政治学教授のバーデット・ルーミスは次のように語っている。「この点についてポンぺオは激しく反論するでしょうが、彼を“コークから送り込まれた連邦下院議員”と規定することは難しくありませんよ」。

 

実際のところ、「コークから送り込まれた」という特徴付けは、ドナルド・トランプが国務長官に据えようとしている人物にとっては適切なものである。コーク兄弟について考えてみると、彼らは漫画で描かれている姿よりもより繊細で抑制的である。『ジ・アメリカン・コンサヴァティヴ』誌のようなコーク兄弟を長年監視してきた人々や雑誌によれば、コーク兄弟から資金援助を受けてきた様々なプロジェクトは、激しい言葉遣いや戦闘的な保守主義とは一線を画するものばかりだ。しかしながら、コーク兄弟との資金と協力を得ている共和党の政治家の場合と同じく、それらのプロジェクトは、大富豪であるコーク兄弟と彼らの協力者たちの意向に沿った主張を行うものとなっている。多国籍企業に有利な国内向け、海外向けの政策を求める主張を行い、その点でポンぺオとそっくりなのだ。

 

非営利組織「センター・フォ・フード・セイフティ」は、食品表示問題でポンぺオと争った。食品表示問題は世界規模の農業ビジネスと食品小売りにとって大きな利益となる。「センター・フォ・フード・セイフティ」は2014年の文書の中で次のように書いている。

 

「マイク・ポンぺオ連邦下院議員は2010年の選挙においてコーク兄弟から最大の選挙資金の援助を受けた。コーク兄弟からの資金で選挙に当選した後、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに勤務していた弁護士を議員事務所運営のために雇い入れた。『ワシントン・ポスト』紙によると、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに有利になる法案を次々と提案し、コーク兄弟はロビイストたちを雇ってそれらの法案を支援した」。

 

2010年の中間選挙について、センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックスはつぎのように分析している。

 

「コーク・インダストリーズは、2010年のポンぺオ議員の選挙の時に投入した金額以上の資金を1人の候補者に提供したことはない。コーク・インダストリーズは総額で8万ドルをポンぺオに提供した。2012年の選挙ではポンぺオの選挙に11万ドルを提供した」。

 

2014年にポンぺオは再選を目指した。この時、ポンぺオはこちらもコーク家とつながりを持つライヴァルの共和党員と厳しい予備選挙を戦った。この時の選挙戦で流れを決定づけたのは、コーク家がポンぺオを支援するという姿勢を見せた時だ。 コーク・インダストリーズの政府・公共問題担当副会長のマーク・ニコラスは、『ポリティコ』誌の当時の取材に対して次のように答えた。「コーク政治活動委員会はマイク・ポンぺオを連邦議会に送ることを支援することに誇りを持っている。ポンぺオは市場を基礎とした政策と経済的自由を支持している。これらは社会全体に利益をもたらすものだ」。

 

コーク家はポンぺオを忠実に支援しているし、ポンぺオはコーク家に対して忠実だ。ポンぺオはコーク家が開催する非公開の集まりに定期的に出席している。また、コーク兄弟を擁護する発言をしている。ポンぺオは、「オバマ大統領と“ニクソン的な”民主党員たちは、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して不当な中傷を行っている」と発言した。

 

しかし、もちろん、巷間言われている悪口には、大富豪であるコーク兄弟が持つ影響力やコーク兄弟のアメリカの政治と統治に対する適切な疑問も含まれている。これは根拠のない疑念ではない。ポンぺオはアメリカ国内で最もコーク兄弟の支援を受けている政治家だと考えられている。ポンぺオは連邦下院議員になってわずか数週間後に、「コーク兄弟のビジネスの利益になるため」の法案を提出したと批判された。

 

『ワシントン・ポスト』紙は2011年に「その手段として、連邦下院で審議される連邦政府予算案におけるオバマ政権で始められた主要な2つのプログラムへの予算を大幅な削減が挙げられる。その2つのプログラムとは、安全ではない製品に対する消費者からの訴えを記録するデータベースと環境保護局による温室効果ガスを排出する企業や団体などの登録である」と報じている。この2つはコーク・インダストリーズにとって法律上重要なことである。公開された情報によると、コーク・インダストリーズはこれらに関して2008年から総計で3700万ドルの資金をロビー活動に投じている」。

 

「コモン・コウズ」のメリー・ボイルは「昔から変わらない。連邦議員が自身にとっての最大の資金提供者のために働くということは全く変わっていない」と非難している。

 

しかしながら、今回は全く別の内容の話になっている。ドナルド・トランプは「コークから送り込まれた連邦下院議員」を国務省の最高責任者に据えたいと考えている。更に考えると、アメリカ政府の世界との関わり方はコーク兄弟の利益となるようになるであろう。

 

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コーク兄弟のコントロールは像だし、16の連邦政府機関に拡大(Koch Brothers Growing Control Extends to 16 Federal Departments

―私たちの目に触れない裏側で、コークの力は増大している

 

2017年7月5日

『チェック・アンド・バランス』誌

https://checksandbalancesproject.org/koch-strength-increases/

 

アメリカはトランプ・サーカスによって立ち往生している。しかし、あまり知られていないが、コーク兄弟はより力を強めている。コーク兄弟は長年にわたり共和党内の経済哲学を軌道修正しようと努力してきた。そして、極端な、反政府的なリバータリアニズム哲学を信奉する組織を集めてきた。リバータリアニズム哲学はコーク兄弟に役立っている。

 

現在、コーク兄弟は16の政府機関の長官職を通じて政権をコントロールしている。長官職に就いている人々はコーク兄弟と長年にわたり緊密な関係を保ち、資金的な支援を受けてきた。

 

●コーク・インダストリーズのビジネスを守ることと成長

 

これまでの1年半、「チェックス・アンド・バランシズ・プロジェクト」はコーク・インダストリーズと私たちがコーク・アドヴォカシー・ネットワークと呼ぶネットワークについて詳しく調査を行ってきた。それで分かったことは、コーク・インダストリーズは、自分たちのビジネスを守り、成長させるために行動しているということだ。コーク兄弟の草の根団体ネットワークはコーク・インダストリーズを擁護し、成長させるために存在している。

 

コーク一族、その中でもチャールズとデイヴィッドはコーク・インダストリーズの株式の8割以上を保有し、1983年に反対派の株主たちから株式を買い取り、議決権株式の88%を取得した。コーク兄弟は複数の巨大な石油精製施設とパイプラインを所有しているが、コーク・インダストリーズは化石燃料を民生用の商品に加工して利益を得ている。

 

コーク・インダストリーズはアメリカの非上場企業では第2位の規模を誇る。60か国でビジネスを展開し、従業員数は12万以上である。2015年の年間の総売上は1150億ドル(約11兆5000億円)に達した。「ブルームバーグ・ビリオネア・インデックス」によると、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークの兄弟は2人合わせると世界で最も富裕な人たちということになる。彼らの資産は960億ドル(約10兆5000億円)である。

 

コーク兄弟は長年にわたり、アメリカ政界を支配するために努力してきた。しかし、マイク・ペンスがドナルド・トランプの副大統領候補に選ばれてから、コーク兄弟にとっての新たな機会が開かれるようになった。

 

●副大統領による保証

 

ペンスは、政権以降ティームの責任者となってトランプ政権の主要なポジションに人々を推薦した。そして、現在は副大統領となっている。そのためにコーク兄弟の力は強まっている。

 

本誌はトランプ政権の16の省と連邦機関の長官についての情報を集めた。この人々はコーク兄弟と関係を持っている。その中の数名をご紹介しよう。

 

中央情報局(CIA)長官マイク・ポンぺオ。2010年の中間選挙の連邦議会選挙で躍進を見せた時、コーク・インダストリーズから最も支援を受けた人物が新人連邦下院議員として当選したマイク・ポンぺオだ。選挙後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦下院議員」「こーうから送り込まれた連邦下院議員」と呼ばれた。ポンぺオは連邦下院議員時代に連邦下院情報委員会の委員を務めた。そして、連邦下院情報委員会と連邦上院情報委員会の20名以上の委員を差し置いて、CIA長官に抜擢された。

 

保健福祉長官トム・プライス。連邦下院議員(ジョージア州第六選挙区、6期)時代、コーク兄弟の主要な政治団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の立場を反映した法案への支持率は、2007年から2008年にかけては95%、2009年から2010年にかけては100%、2011年から2012年にかけては91%、2013年から2014年にかけては77%、2015年は100%であった。2016年のアメリカンズ・フォ・プロスペリティジョージア州支部の評価では、この数字は100%であった。

 

ネオミ・レオ情報規制局長官。レオはトランプ政権の規制に関しての最高責任者だ。約50名の部下を指揮して、コーク兄弟のお気に入りミック・マルヴァニーアメリカ合衆国行政管理予算局長官に報告をしている。ラオは連邦機関一つ一つが持つ規制に関する緩和計画を準備することになるだろう。レオは2015年9月にジョージメイソン大学行政学研究センターが創設され責任者になるまで、11年間ジョージメイソン大学ロースクール教授を務めた。ジョージメイソン大学ロースクールはアントニン・スカリア記念ロースクールと名付けられた。ジョージメイソン大学ロースクールは、コーク兄弟の慈善事業の最大の受益者となっている。2005年以降総額で4600万ドルがロースクールに提供された。

 

私たちの民主政治体制は世界で最も富裕な2人の兄弟に乗っ取られている。彼ら2人が持つ総資産の価値はビル・ゲイツを上回る。これまで彼ら2人のように私たちの政治システムと政府をコントロールした人物たちはほとんどいなかった。コーク兄弟の強さが増している中で、彼らの求める政策が既に実行されているのである。

 

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(終わり)



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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 今回は今年2018年にアメリカで行われる中間選挙に関する記事をご紹介します。私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社)の主人公チャールズ・コークとデイヴィッド・コークのコーク兄弟が主宰する献金ネットワークが400億円を中間選挙に投入するということです。

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デイヴィッド(弟)とチャールズ 

 中間選挙とは大統領選挙と大統領選挙の間に行われるもので、連邦下院の全議席と連邦上院の3分の1の議席が選挙となります。連邦下院の任期は2年で、連邦下院議員や候補者たちは常に選挙をやっているようなものです。大統領を握っている党にとっては中間テストのような意味合いを持ちます。

 

 現在のところ、民主党がリードしているという状況です。ただリードが少し縮まっているという印象があります。詳しくは以下のアドレスをご覧ください。

 

https://www.realclearpolitics.com/epolls/other/2018_generic_congressional_vote-6185.html

 

 コーク兄弟が率いるいくつかのグループが既に共和党とトランプ大統領が進めた税制改革について積極的に宣伝活動を行っているようです。

 

 民主党としてはここで共和党に大差で勝って次の大統領選挙につなげたいというところだと思いますし、それができるチャンスだと思われますが、勝利をしても大差での勝利でない限りは、共和党とトランプ政権が主流派マスコミで言われるほどに不人気ではないということが明らかになります。

 

 今年の秋の中間選挙までに政治や経済において様々なことが起きるでしょうそれを注視していくことが重要です。


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アメリカの真の支配者 コーク一族


 

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コーク率いるネットワークは2018年の中間選挙で4億ドルを投入(Koch network to spend $400 million during 2018 midterm election cycle

 

ジョナサン・イースリー筆

2018年1月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/371069-koch-network-to-spend-400-million-during-2018-midterm-election-cycle

 

カリフォルニア州インディアン・ウェルズ発。大富豪のチャールズ・コークとデイヴィッド・コークと関係の深い諸団体のネットワークは2018年の中間選挙において保守派の主張する政策と候補者たちのために4億ドル(約430億円)を使う見込みだ。

 

「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」会長ティム・フィリップスは土曜日、投入する金額はこれまでの選挙の時に比べて最大のものとなる、と述べた。2016年の選挙の時よりも60%増となる見込みだ。2016年の連邦議会選挙では逆風が吹く中で、共和党は連邦上下両院で過半数を守った。

 

ネットワークは、トランプ大統領と民主党候補者ヒラリー・クリントンとの間で戦われた2016年の大統領選挙には関与しなかった。しかし、連邦議会選挙の共和党の候補者たちと保守派の主張する政策のために資金の多くを投入した。

 

2018年の中間選挙のために使われる4億ドルの一部は共和党の候補者の勝利のために使われることになる。また、ネットワークは、共和党がコントロールしている政府によって達成された税制改革やその他の業績、復員兵事業に関する改革とトランプによる保守的な人物の最高裁判事登用を重点的に宣伝し、人々の支持を集めようという考えだ。

 

フィリップスは次のように述べた。「私たちは全てを投入する。2018年の政治状況は厳しい。はっきり言って今年は厳しい年となるだろう。

 

歴史的に見て、共和党は大統領を出している時の中間選挙では敗北している。

 

世論調査の結果では、下院議員選挙に関しては民主党が2桁以上リードしている。また、トランプ大統領は、1期目の大統領としては歴史的に見ても低い支持率を記録している。こうした状況では共和党にとってマイナスの結果となるだろう。

 

共和党が下院で過半数を維持できるか不透明な状況だ、現職議員たちの引退が相次ぎ、リベラル派が積極的に活動して共和党が議席を減らすのではないかという懸念が存在する。

 

それでも、共和党にとって資金集めは明るい材料となる。ポール・ライアン連邦下院議長(ウィスコンシン州選出、共和党)と共和党の候補者たちの当選を支援する外部団体は2017年に連邦下院での共和党の過半数確保するために巨額の資金を集めた。

 

コーク・ネットワークに参加している保守派の大口献金者たちは今週末、カリフォルニア州の砂漠地帯にある会員制のインディアン・ウェルズ・リゾートに集合し、2018年の中間選挙に向けた戦略作りを行った。

 

ウィンター・セミナーの共同議長ブライアン・フックスは次のように述べている。「私たちは、人々の生活を向上させることに貢献できる候補者と政策立案者を探している」。

 

フックスは、「コーク率いるネットワークは共和党の税制改革法支援のために2000万ドルを使った。そして、更に2000万ドルを改革法による利益を宣伝のために使う」と述べた。

 

前出のフィリップスは次のように述べた。「私たちは希望を持っている。税制改革についての人々の受け止め方が報道されているが、給料が上がっていくだろうから、それにつれて人々の支持を高まるだろう」。

 

コーク率いるネットワークは、今回のウィンター・ミーティングにこれまでにない数の人々を集めた。全米各地から550名の保守運動活動家たちが終結した。そのうちの150名は初参加の人々だった。彼らもまた2018年の中間選挙に向けた戦略作りを行った。

 

ウィンター・セミナーの共同議長を務めたフックスは次のように述べた。「チャールズ・コークは私たちや他の参加者たちに対して、更に10倍の熱意を込めて活動するように求めた。そして、更に勢いをつけるようにと述べた。それこそ私たちがこれから取り組んでいくことだ」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 日本でも出版(紙媒体)の売り上げが年々減少、特に雑誌は厳しいということは報じられています。インターネットに記事や情報があふれ、しかもそれらが無料で手に入り、紙媒体自体の売り上げが減少、こうなると、雑誌などに広告を出している企業も広告を中止するということになり、雑誌が続けていけなくなり、廃刊ということになります。テレビ局もまた雑誌と同じで、広告や宣伝で食べているようなものですから、こちらも厳しい状況になっています。

 

 アメリカでも新聞が紙での発行を止めて電子版のみにするとか、記者が大量に解雇されるとか、そういうことが起きています。

 

こうした中で、老舗雑誌社であるタイム社がメレディス・コーポレイションに買収されることになりました。タイム社は世界的な雑誌ブランドである『タイム』(「今年の100人」といった企画で有名)や、日本のスポーツ雑誌『ナンバー』がそのままパクった『スポーツ・イラストレイティッド』といった雑誌を発行しています。しかし、これらの雑誌も当然のことながら売り上げが減少し、厳しい状況にあったようです。

 

 メレディス・コーポレイションは主婦向けの雑誌を発行している会社ですが、同時にアメリカ各州の地方テレビ局15社を所有している会社です。私が驚いたのは、今回のメレディス・コーポレイションのCEOの声明文の中にある、「地方テレビ局は記録的な売り上げを記録している」「広告宣伝の媒体としてこれまでにない機会を与えている」という言葉です。

 

 アメリカではケーブルテレビが発達し、いわゆる地上波のローカルテレビ局は厳しいのかと単純に思っていましたが、どうもそうではないようです。視聴者が多く、それが広告や宣伝収入につながっているようです。今回の買収で、コンテンツ創造力を手に入れたとメレディス・コーポレイションのCEOは述べていますから、雑誌のコンテンツ想像力とテレビの発信力を結び付けようとしているということになります。

 

 メレディス・コーポレイションにコーク兄弟が資金提供をしたという点も重要です。コーク兄弟については拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン、講談社、2015年)や『世界権力者図鑑2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2018年)をお読みいただきたいと思います。

 

 これは雑誌業界の再編というだけではなく、ディジタルとアナログの融合によって新たな何かが生まれる動きなのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

タイム社はコーク兄弟が支援する企業によって買収される(Time Inc. to be acquired by company backed by Koch brothers

 

ブレット・サミュエルズ筆

2017年11月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/media/361880-time-inc-near-sale-to-company-backed-by-koch-brothers-report

 

メレディス・コーポレイションは日曜日、タイム社を18億ドルで買収すると発表した、と複数のメディアが報じている。メレディス・コーポレイションは共和党の大口献金者であるチャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク兄弟が支援している出版社である。

 

ロイター通信によると、メレディス・コーポレイションはタイム社の株式の大部分を一株当たり18ドル50セントで購入すると発表した。

 

両社のそれぞれの取締役会で買収は全会一致で同意され、来年早々にも調印されるとAP通信が報じた。

 

ロイター通信は次のように報じている。メレディス・コーポレイションのスティーヴン・レイシーCEOは声明の中で、「私たちは、メディア産業界内で最強のブランドの持つ豊かなコンテンツ創造力を、力強い地方テレビ局ネットワークビジネスに加えることになりました。地方テレビ局ネットワークは現在、記録的な売り上げを記録しています。地方テレビ局はアメリカの成人視聴者に対しての浸透力と波及力で群を抜いた存在になっており、広告業界やマーケティング業界にこれまでにない機会を与えています」と語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は日曜日の早朝、買収の合意は月曜日までに発表されるだろうと報じた。同紙によると、コーク兄弟は、コーク・エクイティ・ディヴェロップメント社を通じて6億ドルをメレディス・コーポレイションに投入することになるということだ。

 

タイム社は、『タイム』『スポーツ・イラストレイティッド』『ピープル』の各誌を発行している。一方、メレディス・コーポレイションは『ファミリーサークル』『マーサ・スチュワート・リヴィング』『ベター・ホーム・アンド・ガーデンズ』の各誌を発行している。

 

メレディス・コーポレイションとタイム社は今年の初めから買収に関する交渉を行っていると報じられたが、4月の段階で合意はできない見込みだと言われていた。

 

コーク兄弟は大統領選挙期間中、トランプ大統領を支持することを拒絶したが、2017年になってコーク兄弟とトランプ政権の関係は改善しつつある。コーク兄弟はペンス副大統領をはじめとする政権の最高幹部たちと相次いで会談を行っている。

 

コーク・インダストリーズ社は非上場企業で、アメリカ国内の非上場企業では第2位の規模を誇る。年間売り上げは1150億ドルで、主力部門はエネルギーと化学である。

 

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米出版社タイムが身売り合意-メレディスに3100億円で

 

11/27() 9:29配信 Bloomberg

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171127-42594747-bloom_st-bus_all

 

米メディア企業のメレディスは、米出版社タイムを28億ドル(約3100億円)で買収することで合意した。金額には債務の継承分が含まれる。「フォーチュン」「スポーツイラストレイテッド」などの雑誌で知られるタイムは、インターネット時代到来による打撃を回避できなかった。

 

メレディスの26日付の発表資料によると、1株当たりの買収額は18.50ドルで、全額現金となる。同社は「ベターホームズ・アンド・ガーデンズ」などを出版する。タイム買収が実現すれば、広告の獲得でフェイスブックやグーグルなどと競争する上で必要な規模の拡大が可能になる。

 

チャールズ・コーク氏とデービッド・コーク氏の投資会社コーク・エクイティ・デベロップメント(KED)が6億5000万ドル相当の株式取得を通じて、メレディスによる買収を支援することに同意。KEDはメレディスに取締役を送らず、同社の編集や経営に対し影響力は行使しないという。

 

原題:Meredith Agrees to Buy Time Inc. With Koch Brothers Backing(抜粋)

 

Gerry Smith

 

(貼り付け終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

 拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、古村治彦訳、講談社、2015年)の主人公であるコーク兄弟について、日本でも少しは知られてきていますが、知名度はまだまだです。コーク兄弟は、今でも共和党にとって重要な資金源であり、トランプ政権になっても存在感は大きいのです。チャールズ・コーク(資産3兆円以上)は、2016年のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプを批判し、応援しないと明言しました。一方で、ヒラリー・クリントンについても応援しないということで、静観の構えということになりました。

americanoshinnoshihaishakochichizoku001
アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 コーク兄弟の最近の動きについては、本ブログの以下の記事でもご紹介しています。オバマケアと呼ばれるアメリカの現行の健康保険制度について、トランプ大統領と共和党は撤回と代替法案を連邦議会で可決させようとしています。まず下院で議論され、採決が行われることになったのですが、3月の時点で、下院で賛成票が足りないということで採決が見送られることになりました。後に、ぎりぎりで可決することができました。


 

これは、連邦下院共和党所属議員の中に「フリーダム・コーカス」という議員グループがあり、このグループが下院に提出されていた法案に反対したからです。「同じ共和党が提出した法案にどうして共和党の議員が反対するのか?日本だったら大変なことになる」と不思議に思われるところですが、フリーダム・コーカスは、法案が「改革内容が不十分」ということで反対しました。アメリカでは日本と違い、党議拘束はなく、議員は個人の考えで採決に参加します。

 

 このフリーダム・コーカスの議員たちに支援を約束していたのがコーク兄弟です。コーク兄弟が「改革が不徹底だ」として議員たちに反対させたということになります。最後は妥協して可決しましたが、コーク兄弟の力を思い知らされることになりました。

 

2017年4月2日付「トランプ大統領vsコーク兄弟」

http://suinikki.blog.jp/tag/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9

 

 今週末、コーク兄弟は、自分たちが率いる大口献金者ネットワークの会合のために、コロラド州を訪れていました。そして、同じくコロラド州訪問中であった、マイク・ペンス副大統領と会談を持ちました。ホワイトハウスは公式にはこの会談予定を発表していませんでした。ペンスはコーク兄弟とも親しい関係にあり、トランプ政権とコーク兄弟を繋ぐ存在になっています。また、トランプ政権にはコーク兄弟と関係を持つ人々が多く入っていたり、影響を与えたりしています。

 

 ペンス副大統領との会談後、コーク兄弟が資金援助をしているアメリカンズ・フォ・プロスペリティという団体の責任者が来年の中間選挙には4億ドルの資金を投入するという発表を行いました。これは、共和党、特に急進的な改革派に資金を提供する、そして、民主党の議席増を抑えるということです。

 

 コーク兄弟はトランプ大統領の発言などを批判していますが、彼が行おうとしている税制改革、健康保険改革、気候変動枠組からの離脱といったことは、コーク兄弟も主張していることで、方向性は同じです。ですから、共和党政権と連邦上下両院で共和党が過半数を握っている状態が存続すること、それから共和党を自分たちの思う方向に進めるということがコーク兄弟にとって大事になってきます。

 

 共和党としては、資金を提供してくれる大口献金者のネットワークを構築し、率いているコーク兄弟を無視することはできません。中間選挙に向けて存在感は大きくなっていくでしょう。

 

(貼りつけはじめ)

 

ペンスがコーク兄弟とコロラド州で会談(Pence meets with Koch brother in Colorado

 

リード・ウィルソン筆

2017年6月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/news/339283-pence-stops-by-koch-brothers-conference-in-colorado

 

金曜日、ペンス副大統領は保守派の政治活動家チャールズ・コークと会談を持った。この会談については公式に発表されなかった。会談は、コロラドスプリングスで開催されるコーク兄弟率いるネットワークの大口寄付者会議の前に行われた。

 

ペンスは、コーク・インダストリーズの会長であり、最高経営責任者であるチャールズ・コークと、コーク・ネットワークの主要なメンバーと会談を持った。ペンスはコロラドスプリングスでのキリスト教保守派グループ「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」の40周年記念式典に出席することになっていた。

 

ホワイトハウスが木曜日夜に発表した副大統領の行動予定表に、コークとの会談は掲載されていなかった。

 

金曜日朝、副大統領の報道官は、本誌からの「ペンス副大統領はコーク兄弟が利いるネットワークの人々と会談を持つのか?」という質問に対して回答を拒否した。金曜日夜に報道官にコメントを求めたが返事はなかった。

 

コーク兄弟が率いるネットワークの報道担当ジェイムズ・デイヴィスは、ペンスとチャールズ・コークは税制改革や退役軍人省の改革などについて議論したと述べた。退役軍人省の改革については金曜日にトランプ大統領が署名した。デイヴィスは、会談は50分間にわたって行われたと述べた。

 

会談にはマーク・ショートとマーティー・オブストが同席した。ショートはホワイトハウス法律問題担当部長を務めており、ペンスが下院議員時代に首席スタッフを務めていた。オブストは長年にわたりペンスのアドヴァイザーを務め、大統領選挙においてペンスの政治行動員会の責任者を務めた。

 

コーク兄弟側の出席者は以下の通りだ。コーク・インダストリーズの上級顧問マーク・ホールデン、コーク兄弟が支援している団体「アメリカン・プロスペリティ」会長ティム・フィリップス、チャールズ・コーク財団とチャールズ・コーク研究所の会長ブライアン・フックス、そして、前述のデイヴィスだ。

 

トランプ大統領は、リバータリアニズム信奉者の大富豪コーク兄弟とほぼ関係を持っていないが、ペンスはチャールズ・コーク、デイヴィッド・コークとの間で長年にわたり関係を持っている。

 

アメリカンズ・フォ・プロスペリティはインディアナ州知事時代のペンスを支援した。ペンスの世論調査担当者だったケリアン・コンウェイはコーク兄弟率いるネットワークで働いた経験を持っている。コンウェイは現在、ホワイトハウスでトランプ大統領の上級顧問を務めている。ショートは現在のホワイトハウスの法律問題担当であり、ペンスの首席スタッフを務めた経験を持つ。ショートはコーク兄弟率いるネットワークの主要な構成団体であるフリーダム・パートナーズ商工会議所の運営責任者を務めていた。

 

ホワイトハウスが発表したスケジュールによると、コロラドスプリングス滞在中、ペンスはシュライヴァー空軍基地勤務の軍人たちと昼食を共にし、アメリカ宇宙防衛センターとシェイン・マウンテン空軍基地を訪問することになっている。

 

ペンスは、コロラドスプリングスのブロードモアホテルで開催される連邦上院議員コーリー・ガードナーの政治資金パーティーに出席する予定になっている。ガードナーは全国共和党所属連邦上院議員委員会の委員長を務めている。コーク兄弟率いるネットワークもまたブロードモアホテルで会議を開く予定になっている。ブロードモアホテルは豪華ホテルで、保守派の大富豪フィリップ・アンシュッツが所有している。

 

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2018年中間選挙でコーク兄弟は4億ドルを投じる(Koch brothers to spend $400 million in 2018 elections

 

オリヴィア・ビーヴァーズ筆

2017年6月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/339399-koch-brothers-to-spend-400-million-on-republican-candidates-in

 

今週土曜日、「チャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク率いる富豪たちの寄付ネットワークは2018年の中間選挙において、保守的な政策の実現のために4億ドル(約440億円)の資金を投じることになるだろう」、とネットワークの責任者がフォックスニュースに対して語った。

 

保守派の大富豪コーク兄弟から資金を受けている団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の責任者ティム・フィリップスは、「中間選挙では、私たちの政治信条や政策について、3億から4億ドルを投じることになる。金額の大きい方に近い額を出すことになるだろうと思う」と述べた。

 

「連邦上下両院の共和党所属議員たちに言いたいことは、大胆に、強く主張して行動して欲しいということだ」とフィリップは述べ、健康保険改革と税制改革を強調した。

 

フィリップは「そうすることで、2018年になった時に、共和党所属の議員たちが実績を誇る機会を与えることになる」と述べた。

 

政治と政策について資金を投入するという発表は、連邦上院の共和党が木曜日に、彼ら自身のオバマケア撤廃と新しい法案を木曜日に発表した。

 

保守派の多くはメディケイドの縮小や削減を望んでいる。メディケイドは、低所得の人々の多く、高齢者の一部と身体障碍者のための健康保険プログラムである。

 

チャールズ・コークと側近たちはコロラドスプリングスで大口寄付者たちと会合を持った。

 

彼らはメディアに対して、ホワイトハウスは、連邦上院の健康保険法案に対する彼らの情報や資金の投入を歓迎していると語った。今年の春に法案が可決される前に連邦下院で健康保険法案について議論がなされていた時期とは全く異なる対応だ。

 

コーク怯懦からの資源の投入という話では、コーク兄弟は、2018年に選挙を迎える下院議員で、連邦下院に提出された健康保険法案に反対する人々を支援していると報道された。

 

フィリップは続けて次のように述べている。「私たちが議員たちに覚えておいてもらいたいのは、これから行われる4回の選挙(2年おき)の間にオバマケアを撤廃するという約束をしたのだということだ。示威的な行動以上のことを行うことが重要だ」。

 

コーク兄弟と側近たちはオバマケアの撤廃と新しい法律可決よりも、見直しを望んでいる。同時に、彼らは健康保険法案についてトランプ政権と協力していると述べている。

 

連邦上院では共和党が過半数を占めている。そして、早ければ来週にも新しい健康保険法案について採決を行うことになる。

 

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(終わり)

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