古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:トゥルシー・ギャバード

 古村治彦です。

 私はトゥルシー・ギャバード元連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)がロバート・F・ケネディ・ジュニアの副大統領候補にふさわしいと考える。このブログでも何度もトゥルシー・ギャバ―ドについて取り上げた。以下にいくつかを選んでご紹介する。是非お読みください。
robertfkennedyjrtulsigabbard001

※「20220319日 アメリカでウクライナ情勢に関して慎重な姿勢を示しているのが極右と極左ということに」

http://suinikki.blog.jp/archives/86057158.html

※「20211017日 共和党の大統領候補に民主党出身の副大統領候補?:頭を柔らかくするということ」

http://suinikki.blog.jp/archives/85594494.html

※「20191105日 トゥルシー・ギャバード連邦下院議員がヒラリー・クリントン元国務長官からの攻撃に鮮やかに反撃」

http://suinikki.blog.jp/archives/80518767.html

※「20190906日 注目するトゥルシー・ギャバードに関する記事をご紹介します」

http://suinikki.blog.jp/archives/80079707.html

 トゥルシー・ギャバードは民主党反主流派に属し、主流派に対抗してきたが、最近になって離党してしまった。連邦下院議員を辞めてからはメディアでコメンテイターとして活躍している。FOXニューズに出ているので、保守派だと思われがちだが、彼女は反エスタブリッシュメント、ポピュリズム(アメリカの民主から沸き起こる既存の政治に対する異議申し立て)を代表する人物である。FOXニューズはドナルド・トランプ前大統領をずっと応援しているが、トゥルシー・ギャバードは民主党側から出てきた「アメリカ・ファースト」、「アメリカ国内問題解決を最優先にする」「アメリカ国民の生活が第一」の人物ということになる。だから、ギャバードがFOXニューズに出ているのは可笑しくないのである。

 2024年アメリカ大統領選挙にロバート・F・ケネディ・ジュニアが出馬することは既にこのブログでも紹介した。ロバート・F・ケネディ・ジュニアもまた、民主党側からの「アメリカ・ファースト」の人物である。私はシンプルにして、明快な考えとして、「アメリカ・ファースト」同士、ケネディ・ジュニアとギャバードがタッグを組んで、民主党主流派、エスタブリッシュメント派に戦いを挑むべきだと考える。そして、ケネディ・ジュニアが民主党の大統領選挙指名候補となる時には、トゥルシー・ギャバードが副大統領候補になるのが良いと考える。

 ジョー・バイデンはなんとしても2期目当選を実現させたいので、あらゆる手段を使うだろう。合法・非合法、裏表、何でもやってくるだろう。そして、当選してしまうだろう。しかし、その結果として、アメリカという国そのものとアメリカン・デモクラシーは大きく傷つけられるだろう。そうした中で、ケネディ・ジュニアとギャバードが共闘して、それに抵抗を示すことはアメリカのポピュリズムに連なり、アメリカを救うことになると考える。

(貼り付けはじめ)

トゥルシー・ギャバ―ド:理性の声(Tulsi Gabbard: A voice of reason

ジョー・コンチャ筆

2022年10月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/3689785-tulsi-gabbard-a-voice-of-reason/

「私はもはや、現在の民主党にとどまることはできない。現在の民主党は、卑劣な覚醒に駆り立てられた戦争屋のエリート主義陰謀集団(elitist cabal of warmongers)の完全な支配下にあり、彼らはあらゆる問題を人種差別化し、反白人人種差別を煽ることで私たちを分断し、憲法に謳われている神から与えられた自由を損なおうと積極的に働いている」。

この発言はトゥルシー・ギャバ―ド元連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)が今週初めに民主党を離党した時にその理由を説明した声明の一部だ。民主党がギャバ―ドを捨てたという説明の方がより合理性が高いだろう。

一つだけ確かなことがある。それは、民主党は私たちの父親の時代の民主党ではないし、これからそれに戻ることは二だろうということだ。ジョンF・ケネディ大統領は、減税と軍備強化を掲げて、国民の支持を得た。ジミー・カーターは、生命を守り、神を畏れる人だった。そして、ビル・クリントンは、不法移民、犯罪、支出に関して保守的だった。

クリントンは、政府の規模を縮小し、福祉国家(welfare state)を終わらせ、ないものは使わないという点で、今日の民主党議員のほとんど誰も口にしないようなことを言った。偶然とは言え、クリントンはテレビ時代の民主党大統領の中で最も高い支持率で政権を去った。

しかしその後、党は左に傾き、ソーシャルメディア上で最も人気のある連邦議員たちは社会主義を受け入れている。ジョー・バイデン大統領をはじめ、ほとんどの民主党所属の議員たちは、何兆ドルも使うことがインフレを抑える最善の方法だと信じているようだ。持っていないものを使わないというのは、そういうことなのだ。

また、党内の一部の人々は、凶悪犯罪者を路上に出すことを可能にするキャッシュレス保釈法が犯罪を減らすと信じている。これは、かつてバイデンが支持した1994年の犯罪法案が取ったアプローチとは正反対だ。

また、クリントン大統領は国境警備の熱心な支持者だったが、バイデンは今年200万人以上の不法入国を許し、国境に危機があることさえ認めようとしない。

教育に関しては、ギャバードはロン・デサンティス知事(フロリダ州、共和党)の親権法(メディアは「ゲイと言うな」法案と偽っている)を支持する数少ない民主党議員の1人だった。

ギャバードの包括的なテーマは、今年初めに政権が試みた「情報統制委員会(Disinformation Governance Board)」の設置のような、権威主義的な手段を優先して基本的な自由が崩壊することを不安視しているということだ。

「独裁国家には必ずプロパガンダ部門があり、それは「真実省(Ministry of Truth)」と呼ばれる。バイデン政権は、いわゆる『情報統制委員会(Disinformation Governance Board)』を創設し、このような独裁国家の仲間入りをした」とギャバードはツイートし、この不穏な委員会の設置を、現在の民主党内でほぼ唯一批判してきた。

2020年の大統領選挙で民主党やメディアからいじめを受け、軽蔑された後、ギャバ―ドがもっと早く離党しなかったのは、率直に言って驚きでしかない。

CNNは選挙期間中、ギャバードに1時間のゴールデンタイムのタウンホール・ミーティングを行う機会を与えなかった。彼女より世論調査での支持率が低かった民主党のライヴァルたちがその機会を得たにもかかわらず、である。

ヒラリー・クリントンは、「ギャバードがロシアの手先かもしれない」と、証拠もなく示唆した。著名な民主党議員たちの中で、クリントンの無謀な暴言を非難した者はおらず、主要な新聞の編集委員会ももちろん非難しなかった。

「ヒラリー・クリントンのような強力な人物が私の評判を貶めようとし、私が愛する国に対する裏切り者だとほのめかした時、彼女がやろうとしたことは私の人生を奪うことだ」とギャバードは反論した。ヒラリー・クリントンが謝罪することはなかった。

ギャバードが離党を表明した直後、ツイッター上では「厄介払い(Good Riddence)」がトレンドになった。

もちろん、その通りだ。トゥルシー・ギャバードは現在の民主党にとって十分な貢献を行っていない。彼女は民主党にとって十分なほどに左派ではない。そして、多くの議員とは異なり、彼女はツイッター上の群衆に迎合しない。

しかし、彼女は、かつて自分がしっかりと受け入れていた党、そして彼女を受け入れるに十分な規模を持つ党に何が起こったのかを理解できるくらいに、原則を重視しながらも現実的な人物である。民主党はかつて小市民の擁護者であった。そして今、ギャバードによれば、エリートに迎合する政党となっている。

しかし、ギャバードは、最近の政治では珍しい、党派にとらわれない独立した思想を提供している。

※ジョー・コンチャ:メディア・政策コラムニスト。

(終わり)

bigtech5shawokaitaiseyo501
ビッグテック5社を解体せよ

akumanocybersensouwobidenseikengahajimeru001

 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 いよいよ3月10日の予備選挙が開始される。ミシガン州とワシントン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、アイダホ州、ノースダコタ州で予備選挙が行われる。配分されている代議員数が多いのはミシガン州、ワシントン州、ミズーリ州だ。現在のところ、各種世論調査で見る限り、ミシガン州とワシントン州ではバイデンがややリード、ミズーリ州とミシシッピ州では大量リード、アイダホ州では接戦、ノースダコタ州は不明ながら前回はサンダースがヒラリー・クリントンに大差で勝利、という状況だ。サンダースにとっては厳しい展開となっている。

 そうした中で、バイデンに対して、予備選挙で戦ったカマラ・ハリスとコーリー・ブッカーからの支持表明があった。バイデンによるサンダース包囲網は厚みを増している。ハリスはカリフォルニア州選出の上院議員で、カリフォルニア州での予備選挙が終わり、サンダースが勝利した後での支持表明となった。これでは予備選挙には役立たないが、ハリスとしてはスーパーチューズデー前に支持表明をすることで、サンダース派からの激しい攻撃を避けたかったということが考えられる。また、ハリスはバイデン自身も述べているように、バイデンが民主党の大統領選挙候補者になった場合の副大統領候補として名前が挙がっている。

 コーリー・ブッカーは「オバマの再来」と呼ばれる政治家だ。ブッカーももしかしたら副大統領候補を狙っているのも知れない。ブッカーはニュージャージー州選出の連邦上院議員でニュージャージー州と隣接するニューヨーク州で人気のある政治家だ。ブッカーのおかげでニューヨーク州を何とか押さえたいというのがバイデンの本音だろう。共に大統領予備選挙を戦ったカーステン・ギリブランド連邦上院議員とニューヨーク市長ビル・デブラシオはニューヨークでは人気がない。ギリブランドは今のところ誰にも支持表明していないが、デブラシオはサンダース支持を表明している。しかし、あまり大きな影響力はない。

 バイデンが足元を固めていく中で、焦点は副大統領選びに移っていく。これからどうなっていくか注目だ。

(貼り付けはじめ)

カマラ・ハリスがバイデンの大統領選挙を支持(Kamala Harris endorses Biden's presidential bid

ザック・バドリック筆

2020年3月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486480-kamala-harris-endorses-biden-presidential-bid

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が日曜日朝、ジョー・バイデンの大統領選挙を支持すると発表した。ハリスは、「ジョー・バイデンは、私たちの最良の部分を語り、私たちを理想に向かって進ませてくれる人物」と語った。

ハリスは声明の中で次のように述べた。「この激動の時代に、ジョー以上に私たちの国の舵取りをし、真実を取り戻し、抑制をもつ大統領になる準備ができている人は存在しません。彼は親切な人物であり、人々への心配りを忘れたことはありません。そして、アメリカ国民の声に真摯に耳を傾ける人です」。

ハリスは続けて次のように述べた。「彼はいつも何とか一生軒目に生活を支え、子供たちが学校で安全に過ごしているかを心配している母親たちと父親たちの経験を胸に刻んでいます。そして、自分たちの未来のためにくじけることなく気候変動問題に取り組んでいる若者たちの経験も胸に刻んでいます。私たちはそのことを彼の眼を見ることで分かります。公職でのキャリアを通じて、ジョーは様々な物事を成し遂げ、実現してきました」。

ハリスは昨年末に自身の大統領選挙運動を終えた。そして、彼女以外のほぼ全ての女性候補者たちも選挙戦から撤退した。エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)が先週選挙戦から撤退し、日曜日の時点で選挙戦を継続しているのはトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)だけだ。

ハリスは次の世に書いている。「私たちが考えなければならないことと未来について述べたいことは今言ったことです。しかし、私たちは党と国家のまとまりのために立ち上がらなければなりません。そのためにはアメリカ国民の謙虚さと尊厳を象徴し、最終的にドナルド・トランプを倒せる候補者を押し立てねばなりません」。

ツイッター上に投稿したヴィデオの中で、ハリスはバイデンへの支持を表明した。そして、「私たちにとって現在必要なことは、人々のことに本当に心を寄せ、その結果として人々をまとめることができる指導者です。私はジョーがそれらのことをできると確信しています」。

昨年夏、ハリスとバイデンは民主党予備選挙候補者討論会でやり合った。ハリスは、バイデンが人種差別撤廃に向けたバス通学に反対したことを取り上げて批判した。バイデンは、昨年12月にハリスが選挙戦から撤退した際に、彼女を副大統領候補として考えるだろうと述べた。

バイデンは「彼女はぶれない人物だ。彼女自身、将来大統領になることができる器だ。彼女は副大統領にもなれる。連邦最高裁判所判事にだってなれる。司法長官にも。彼女は才能あふれた人物だ」と述べた。

=====

コーリー・ブッカーがバイデン支持(Cory Booker endorses Biden

カイル・バラック筆

2020年3月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486552-cory-booker-endorses-biden

コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は月曜日朝にジョー・バイデン前副大統領支持を発表した。バイデンは予備選挙での対抗馬だった人々からの支持を集めている。

今年1月に選挙戦を止めたブッカーはツイートの中で次のように述べている。「憎悪と分断に対する答えは私たちの共通の目的の精神を再び目覚めさせることです」。

ブッカーは次のように述べた。「ジョー・バイデンはただ勝利するだけではありません。彼は私たちに分断ではなく、まとまりをもたらすでしょう。バイデンは大統領執務室に名誉を取り戻し、私たちが直面する厳しい課題に取り組むでしょう」。

ブッカーは「これが、私が誇りを胸にジョーを支持する理由です」と述べた。

先週火曜日のスーパーチューズデーでの印象的な勝利の後、バイデンは多くの支持表明を受けた。その中には、民主党予備選挙で対抗馬だったカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)も含まれている。

エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)とインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジはスーパーチューズデーの直前に選挙戦を終えて、バイデン支持を表明した。同じ穏健派の候補者たちからの支持は先週火曜日の15の州での予備選挙でのバイデンの躍進に貢献した可能性が高い。バイデンはミネソタ州での僅差の勝利はクロウブシャーの支持表明のおかげだと認めている。

ビトー・オローク前連邦下院議員(民主党)もスーパーチューズデー直前にバイデン支持を表明した。

スーパーチューズデー後に選挙戦を終えた進歩主義派のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、どの候補をすぐに支持するということはないと述べた。

バイデンは、獲得代議員数でバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を僅差でリーとしている。両候補は火曜日に6つの予備選挙に臨む。

(貼り付け終わり)

(終わり)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙は2020年3月10日からは三つ巴の戦いとなる。ジョー・バイデン、バーニー・サンダース、トゥルシー・ギャバードが現在選挙戦を継続中だ。しかし、実質的にはバイデン対サンダースの一騎打ちである。

3月10日にはアイダホ州、ミシガン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースダコタ州、ワシントン州で予備選挙と党員集会が実施される。合計で352名の代議員が配分される。代議員数ではミシガン州が125名、ワシントン州が89名、ミズーリ州が68名、ミシシッピ州が36名、アイダホ州が20名、ノースダコタ州が14名となっている。
2020democraticprimary20200310states001

現在の宣誓済み代議員数はバイデンが664名、サンダースが573名でその差は91名だ。サウスカロライナ州での予備選挙の前にはスーパーチューズデーを終えてサンダースが100名以上の差をつけているだろうという予測がなされていた。それが逆にバイデンが100名近い差をつけてリードしている。サウスカロライナ州での勝利は予測不可能なほどの効果を乗数的にもたらした。
2020democraticpresidentialprimary0303delegates001

 サンダースはここで引き離される訳にはいかない。実は3月17日には4つの州で合計577名の代議員が決まる。最大の州であるフロリダ州(219名)では現在のところ、バイデンが50ポイント近いリード(バイデンが61%、サンダースが12%)している。3月10日の結果次第では、サンダースがリードしているイリノイ州(155名)も分からない状況になる。3月10日でサンダースは何とか勢いを取り戻したいところだ。
2020democraticprimary20200317states001

 前回の結果などから、バイデンがミシシッピ州とミズーリ州、サンダースがアイダホ州とノースダコタ州で勝利する可能性が高い。各種世論調査を見ると、代議員数が多いミシガン州とワシントン州は大接戦である。ただ、各候補者の撤退があってからは、バイデンが勢いを伸ばしているという感触である。サンダースはできればミシガン州とワシントン州で大差をつけて勝利したい。しかし、それが難しい状況だ。下に掲載した世論調査の数字ではバイデンが一歩リードとなっている。

3月10日の選挙まで時間がない。ミシガン州では、彼の支持基盤である若い人々とヒスパニックよりも、トランプ大統領を当選にまで押し上げた白人労働者たちの方が人口も多く、投票率も高い。サンダースはこの人々に訴えていくしかない。そのための「メディケア・フォ・オール」だ。

2019年3月15日にはアリゾナ州フェニックスで民主党討論会が開催される。サンダースが乾坤一擲の大逆転を目指すならここである。3月17日の予備選挙で何とか勝負をするためにも、バイデンと一騎打ちになるこの機会を利用するしかない。ここで、バイデンは改めて「メディケア・フォ・オール」の優位性についてアピールをすべきだ。「国民皆保険」はアメリカ全体を守る手段なのだ、ということを新型コロナウィルス感染拡大が続くアメリカで訴える。これは説得力がある。

 ウイルスは全ての人が感染する可能性のあるものだ。大富豪であっても大統領であっても低所得者であっても誰でも感染可能性を持つ。その時に医療を受けられるかどうか、が非常に重要だ。金持ちだろうが貧乏人だろうが、医療を受けられる制度こそがアメリカを守る安全保障制度なのだ。ウイルスとの戦いには残念ながら世界一優秀なアメリカ軍の武力は役に立たない。金持ちにしても貧乏人の分を負担することになっても、社会を守り、ひいては自分を守ることになる国民皆保険は魅力的だと言える。

 サンダースが3月10日が終わり更に差を広げられているようだとそこで選挙戦は事実上の終焉となり、それからサンダースが選挙戦を続けても、バイデン勝利はほぼ確定ということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

ミニ・スーパーチューズデー:バイデンとサンダースの各種世論調査の結果はどのようになっているか(Mini-Super Tuesday: Where Biden and Sanders stand in polls

タル・アクセルロッド筆

2020年3月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486372-where-biden-sanders-stand-in-march-10-polls?rnd=1583533280

ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は今度の火曜日に6つの予備選挙と党員集会を迎える。今年のスーパーチューズデーでバイデンが10州で勝利を収めてから民主党予備選挙での動向が大きく変わってから1週間経って投開票が実施される。

バイデンはスーパーチューズデーでの勝利を受けて勢いを上げているが、サンダースは、ミシガンやその他の州でバイデンを破ることで、選挙の様相を再び変化させようと狙っている。

二人の候補者は、アイダホ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースダコタ州、そしてワシントン州で戦う。3月10日に予備選挙が実施される各州の代議員数を合計すると352名となる。

今度の火曜日に予備選挙が実施される各州での各種世論調査について見ていく。

●ミシガン州
2020democraticprimarymichiganpolls001

ミシガン州は今度の火曜日で予備選挙が実施される各州の中で最も多い代議員が配分されている。125名の代議員が配分されている。

バイデンとサンダースは、選挙の結果を左右する白人の労働者階級の有権者たちからの支持を集めようとミシガン州で激しい戦いを行っている。白人労働者階級の有権者たちは、2016年の大統領選挙本選挙で、ミシガン州とその他のラストベルトの各州で民主党優勢が覆され、トランプ大統領が勝利を収めることができた。

両候補は各種世論調査でリードを奪い合う展開となっている。ウィスコンシン大学とステイト・ジャーナルの共同世論調査の結果では、サンダースが9ポイントの差をつけた。デトロイト・ニュースとWDITテレビの共同世論調査ではバイデンが6ポイントの差をつけた。しかし、サンダースがリードという結果が出た世論調査は、バイデンがサウスカロライナ州とスーパーチューズデーで大きな勝利を収める前に実施された。

バイデンはミシガン州の政治家たちの多くから支持表明を受けている。ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー、元知事ジェニファー・グランホルム、デトロイト市長マイク・ダガン、そして複数の連邦下院議員たちがバイデンを支持している。

バイデンはミシガン州の重要な人口グループに関しても優位となっている。ミシガン州の人口では、バイデンのスーパーチューズデーでの勝利に貢献したアフリカ系アメリカ人有権者と白人の郊外居住者が大きな割合を占めている。

サンダースはヒスパニック系と若い有権者の間でより高い支持率を記録しているが、ミシガン州の人口においてはラティーノ系が占める割合は無視できるほどの小さなものである。また、サンダースが予期しているよりも、18歳から29歳までの有権者たちの得票数は小さいものとなっている。

サンダースは、2016年の時にはヒラリー・クリントンに僅差で勝利した。

●ミシシッピ州

ミシシッピ州の予備選挙に関しては、最近世論調査が行われていない。しかし、アフリカ系アメリカ人有権者の間でバイデンへの支持はかなり高い。

2016年の時にはクリントンがサンダースに65ポイント以上の差をつけて圧勝した。この火曜日にこれと同じような結果にならないということは考えにくい。

バイデンは、ミシシッピ州で唯一の民主党所属の連邦議会議員である、ベニー・トンプソン連邦下院議員から支持表明を受けた。

ミシシッピ州の予備選挙には36名の代議員が配分されている。

●ミズーリ州
2020democraticprimarymissouripolls001

今週エマーソン大学が発表した最新の世論調査によると、バイデンはサンダースに対して4ポイントの僅差をつけてリードしている。白人有権者たちの間での支持はバイデンとサンダースは同率であった。しかし、非白人の有権者たちの間では、バイデンが14ポイントの差をつけてリードしている。

ミズーリ州の予備選挙では68名の代議員が配分されている。2016年の時には、サンダースはクリントンに2000票以下の差をつけられて惜敗という結果だった。

●ワシントン州
2020democraticprimarywashingtonpolls001

サンダースはミシガン州に力を注いでいる。ミシガン州は大統領選挙本選挙において重要な激戦州である。しかし、サンダースが大勝を収めることができる可能性が最も高いのはここワシントン州である。

最近の2つの世論調査ではいずれもサンダースがリードという結果が出た。しかし、同州の予備選挙は世論調査の数字よりも厳しい戦いになるだろう。

エルウェイ・ポール社の世論調査ではサンダースが6ポイントの差をつけてリードしている。1月に発表されたキング・テレビとサーヴェイUSA社の世論調査ではサンダースが5ポイントの差をつけていた。しかし、2つの世論調査では、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグとエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)がそれぞれ2桁の支持率を記録していた。2つの世論調査は両候補が大統領選挙から撤退する前に実施された。

ブルームバーグがバイデンへ支持表明をし、木曜日にウォーレンが選挙戦から撤退したばかりだ。ウォーレンは誰を支持するかを決めていないと発言した。

その他の要素は何か?ワシントン州は2016年に党員集会を実施したが、今回から予備選挙形式に変更した。

サンダースは2016年の同州での党員集会では手際よく勝利を収めたが、予備選挙方式になればより厳しい戦いとなるだろう。

ワシントン州の予備選挙には89名の代議員が配分されている。これは3月10日に投開票が実施される中で2番目に大きな数字である。

●アイダホ州

アイダホ州の予備選挙に関して、世論調査は最近行われていない。アイダホ州には20名の代議員が配分されている。

サンダースは2016年にクリントンに55ポイント以上の差をつけて勝利した。

●ノースダコタ州

ノースダコタ州の党員集会に関して、世論調査は最近行われていない。ノースダコタ州には14名の代議員が配分されている。アメリカ本土にある州の中ではワイオミング州と並んで最小の代議員である。

2016年の時にはサンダースがクリントンに40ポイントの差をつけて勝利した。

(貼り付けはじめ)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 少し古い記事だが以下に3本を紹介する。重要な内容なので興味がある方は是非読んでいただきたい。スーパーチューズデーの結果分析の記事だ。

 今回のスーパーチューズデーでは投票参加者数が増加した。特に穏健派(moderates)と呼ばれる有権者グループの増加が目立った。この人々はサンダースの台頭を警戒し、中道派の候補者が絞られたことでバイデンへ投票した。「トランプを倒す、そのためにバイデンを選ぶ」という熱意が戻ってきたようだ。
2020supertuesdayturnoutslineintexas001
 一方で、サンダースが頼りにしてきた若い年齢層の有権者は期待ほど投票に行かなかったようだ。これではサンダースは勝てない。サンダースは狭い有権者グループ(若者とヒスパニック系)に働きかけ、熱心な支持者を作り出すことにできた。しかし、幅広いグループや層への浸透ができていなかった。わたしはこれを「縦に深く進むことはできているが、横へ薄く広がることはできなかった」と呼びたいと思う。このサンダースの熱心な支持者、特に若者を「バーニー・ブラザーズ(Bernie Bros)」と呼んでいる。こうした人々はインターネット上で他の候補者や支持者たちへの激しい個人攻撃を行っている。そのために多くの有権者が眉をひそめることになり、サンダースへの支持に広がりを欠くことになった。
berniebrosonlineattacks001

 投票者数が少なく(投票率が低い)、敵対する中道派内で有力立候補者が乱立状態、進歩主義派のライヴァルであるウォーレンの支持率が上がらないということであれば、サンダースに有利となるはずだった。サンダースの得票率が少なくても1位になって代議員の配分数が多くなるということが見込まれた。しかし、サンダース陣営の弱点である「横に広く」ができていないことを中道派に見透かされた。

それは南部サウスカロライナ州でのバイデンの予想外の圧勝で確信されたのだと思う。「あれ、なんでサンダースは何年も時間があったのに、アフリカ系アメリカ人有権者への支持拡大、浸透を図っていなかったのだろうか」と多くの人たちが思ったはずだ。

 サンダースの掲げる主張は低所得者の割合が大きいアフリカ系アメリカ人有権者にとって魅力的なはずだ。サンダース陣営は前回の大統領選挙の後から活発な活動を続け、若者とヒスパニック系からの支持拡大に成功した。しかし、民主党にとっては古くからの強固な支持基盤であるアフリカ系アメリカ人への浸透をなぜ行わなかったのか、もしくはなぜ失敗したのか、これから研究されるべき課題だろう。

 サンダースの失敗を見ていると、これは日本の現状に対する教訓を汲み取ることができる。日本の野党がまとまって幅広い人々に及ぶ、支持の連合体を構築でき、選挙に行かない無党派層に選挙に来てもらえれば、選挙に勝てるということだ。

サンダースの勝利の目論見は、今の自民党が勝利する理由とよく似ている。(1)投票者数・投票率が低いこと(組織票が大きな力を持つ;投票率が高くなってサンダースは負けた)、(2)多くの野党が分立していること(中道派の候補者が分立)、(3)支持基盤は狭いが強固(自民党は排外主義的な考えを持つ人々;サンダースは若者とヒスパニック系)ということになる。

サンダースと自民党を比べるのはおかしいが、自民党の支持者(J-NSC)やネトウヨのインターネット上の書き込みとサンダース支持者(バーニー・ブラザーズ)のインターネット上での書き込みの内容が酷いというところも似ている。どちらも熱狂的なあまりにそうなる。

 次の3月10日に実施されるミシガン州での予備選挙でサンダースがどういう戦いを見せてくるかは興味深いが、残された時間は少ない。ウォーレン頼みということになるだろうが、こちらも難しいだろう。手っ取り早いのは若者に投票を訴えることだろう。

(貼り付けはじめ)

ウォーレンがスーパーチューズデーでの失望を受けて選挙運動を再分析評価へ(Warren reassessing campaign after disappointing Super Tuesday

リード・ウィルソン筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485898-warren-reassessing-campaign-after-disappointing-super-tuesday

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はスーパーチューズデーでの失望的な結果を受けて民主党の候補者指名を目指す道が残っているかどうかを分析評価するために1日を費やしている。彼女は勝負になるだけの代議員数を獲得することができなかった。

火曜日深夜、デトロイトでの集会を終えて、ウォーレンはボストンに飛行機で戻り帰宅した。水曜日には人前に出るイヴェントの予定はない。ウォーレン選対のある幹部は本誌の取材に対して、彼女は選対幹部たちと会って残っている可能性について判断することになるだろうと述べた。

この幹部は「エリザベスは選対の幹部たちに対して進む道について分析評価するようにと話しました」と述べた。

これまでの予備選挙でウォーレンが勝利を収めた州はない。2月に行われた諸州でもスーパーチューズデーで出の各州でも勝利を収めることはできなかった。地元であるマサチューセッツ州でも3位に終わるという屈辱を味わった。ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の後塵を拝する形になった。

火曜日が終わる段階で、ウォーレンの予想される獲得代議員数は、2月の予備選挙とスーパーチューズデーを合わせて50名程度となった。バイデンとサンダースが積み上げた数に比べて小さいものとなった。

スーパーチューズデーではバイデンは好結果を残した。15州と自治領のうち少なくとも9つで勝利を収めた。そして代議員数で大量リードする結果となった。バイデンは少なくとも453名の代議員を獲得し、サンダースの382名を上回った。カリフォルニア州やテキサス州のような州では票の集計作業が続いており、代議員の配分も続けられる。

ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグは、スーパーチューズデーに賭けていたがうまくいかず、選挙戦を停止した。彼は少なくとも44名の代議員を獲得したが、これはウォーレンの獲得した代議員数よりも2名多いものとなった。

=====

スーパーチューズデーでの勝者と敗者(Winners and losers from Super Tuesday

ナイオール・スタンジ筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485919-winners-and-losers-from-super-tuesday

民主党予備選挙の日程において火曜日は最大の日となった。全国の14州で投開票が実施され、多くの宣誓済み代議員が配分される。

誰が勝者もしくは敗者となったか?

●勝者

(1)ジョー・バイデン前副大統領

スーパーチューズデーはバイデンにとって素晴らしい夜となった。わずか3週間前にはニューハンプシャー州の予備選挙で5位に沈み、政治的には墓碑銘を書かれていたのに、戦争走者の位置を取り返した。

バイデンは、土曜日にサウスカロライナ州での予備選挙からの勢いの波をそのまま持続させてスーパーチューズデーに臨んだ。バイデンは14州のうち10州で勝利した。その中には水曜日にバイデンが勝者と認定されたメイン州も含まれている。

おそらく最も驚かれた勝利はテキサス州での勝利だ。バイデンの勝利は各種世論調査の結果を見ても、専門家の見解を聞いても予想できなかった。

同様に、バイデンは南部各州で大差をつけた。バイデンはアラバマ州で40ポイントを超える差、ヴァージニア州で約30ポイント差、アーカンソー州とノースカロライナ州でだいたい20ポイントの差をつけた。

アフリカ系アメリカ人有権者からの強力な支持が南部各州での彼の成功の基盤となった。

大差をつけての勝利によってバイデンは代議員獲得にとって重要な全てのレースで大きな成果を残すことができた。

代議員の最終的な配分はまだ確定していない。その中にはサンダースが優勢であり、重要なカリフォルニア州も含まれている。水曜日の午前中に出された『ニューヨーク・タイムズ』紙の予想によると、代議員数でバイデン対サンダースは351対280の結果になるとしている。

カリフォルニア州での結果が加算されても、サンダースはバイデンとの間についた差を縮められるだけだろう。しかし、ほんの数日前までは、左派のサンダースがスーパーチューズデーでほぼ逆転不可能な差をつけてリードする可能性が高いと見られていた。そのようなことはこれまで起きていない。

バイデンは急速に先頭走者の位置に返り咲いた。

バイデンの復活はここ数年の政治において最も大きな驚くべき逆転劇である。

(2)民主党エスタブリッシュメント派

帝国の逆襲だった。

サンダースの支持者たちは、「サンダースこそは今アメリカが必要としている創造的破壊者(disruptor)なのだ」とこれまで繰り返し訴えてきた。サンダースの支持者たちは、「サンダースのアウトサイダーからの主張に有権者は集まり、民主党エスタブリッシュメント派の呪縛から逃れることができる」と主張した。

そうした主張に対しては深刻な疑義が提示されている。党のエスタブリッシュメント派は、多くの人々が予測するよりも、より大きな復元力を持ち、より規律が保たれているということを示した。

ごく最近まで、親エスタブリッシュメント派、中道派の投票は絶望的に分散しているように見られていた。一方、サンダースは進歩主義派の投票をどんどん集め、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は消え去ってしまった。

実際、サンダースが民主党の大統領選挙候補者指名を獲得するであろうという見通しが現実味を増すことで、穏健派は刺激された。穏健派は11月の本選挙でサンダースがトランプ大統領を倒して大統領に当選することなどできないという恐怖感を持っている。バイデンがサウスカロライナ州で勝利した後、中道派は驚くべき速度でバイデンを軸に結集した。

民主党内の主要人物たちもまたバイデンに対する支持を表明した。連邦上院多数党(民主党)前院内総務ハリー・リード前連邦上院議員(ネヴァダ州選出、民主党)や元米国国連大使スーザン・ライスが支持表明を行った。

しかし、他にも物事が順調に進んだ。スーパーチューズデーの結果を見ると、民主党支持の有権者たちは、2016年に当時の候補者だったドナルド・トランプを党の指名候補に押し上げた共和党支持の有権者たちに比べて、党のエスタブリッシュメント派に対して反感を持っている訳ではないということが見て取れる。

バイデンは民主党支持の有権者たちにとっては古くから馴染みのある政治家であり、ワシントンの流儀に従う漸進的な改良主義者だ。バイデンは、サンダースのような煽動的な政治家よりも民主党支持の有権者たちにとって受け入れやすい存在だったということだろう。

(3)支持表明者たち:エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、連邦下院多数党(民主党)幹事長ジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)

バイデンはサウスカロライナ州での予備選挙以降、必要なものをすべて手にすることができている。そして彼は重大な手助けを得ることができた。

エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)とインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ(民主党)は選挙戦から撤退し、バイデン支持を表明した。また、既に選挙戦から撤退していたビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)からも支持表明を受けた。

クロウブシャーの支持表明は今から振り返ってみると、特に重要なものであった。バイデンはクロウブシャーの地元ミネソタ州で勝利を得た。これは今回のスーパーチューズデーで起きたいくつかのサプライズの中の一つだ。

予備選挙の候補者だった人物たちからの支持表明と他の民主党の重要人物からの支持表明によって、バイデンは背中に追い風を感じながら戦えることになった。

スーパーチューズデーの結果は、サウスカロライナ州での予備選挙直前に連邦下院多数党(民主党)幹事長ジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)のバイデン支持の決心によってもたらされたものだ。クライボーンの支持表明はバイデンの驚くべき復活のために火をつけるものとなった。

●敗者

(1)バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)

サンダースの熱心な支持者たちは彼のカリフォルニア州での勝利を彼のアピールの証拠だと指摘するだろう。そして、一対一のレースとなった戦いで競争力を持ち、勝つことができると主張するだろう。

これらは正しいが、今回は全てが現実のものとはならなかった。スーパーチューズデーはサンダースにとってスーパーに失望をもたらすものとなった。

テキサスでの敗北はみぞおちに食らわされたパンチのようなものであった。サンダースはテキサスで活発に選挙運動を展開し、各種世論調査の結果からも彼の勝利が確実視されていた。サンダースは少なくとも2つの敗北が許されない州で敗北した。サンダースは、オクラホマ州とミネソタ州で4年前にヒラリー・クリントンを破った

今回の結果は、どれだけ多くの民主党員や民主党支持者たちが、根本的にサンダースが党の指名候補になるという考えに違和感を持ち反対しているかを示すものとなった。

南部諸州でのバイデンの勝利によって、サンダースのアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を得る能力について疑念は深まることになった。アフリカ系アメリカ人有権者からの支持の低さは2016年にヒラリー・クリントンに敗北した原因となった。

サンダースはまだ逆転可能だがそれはとても厳しい。火曜日の結果は予想外の、とても重たいパンチを彼に食らわせた。

(2)ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグ

水曜日の朝、ブルームバーグは選挙戦から撤退し、バイデン支持を表明した。

ブルームバーグは5億ドル以上の資金を投じながら大きな前進が得られなかった。これで彼にとっては撤退しか道がなくなってしまった。

ブルームバーグはいくつかの州でそこそこの結果しか得られなかった。良い結果となったのは小さな戦いだけだった。彼は自治領であるアメリカ領サモアでの党員集会で勝利を挙げただけであった。後はユタ州で2位に入ったくらいだった。

彼が選挙戦を続けることを正当化できるものは何も残っていなかった。

ブルームバーグの選挙戦は山登りのように大変なものだった。彼は自分のお金で党の指名を買おうとしているのが露骨に見え、厳しい批判を浴びた。

彼は討論会での失敗してしまって更に打撃を受けた。政治的な棺桶の蓋に打ち付けられた最後の蓋となったのは、バイデンのサウスカロライナ州での勝利だった。これによってバイデンは復活し、ブルームバーグの戦える余地は急速になくなっていった。

(3)エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)

ウォーレンにとってはまたも苦しい夜となった。ウォーレンは予備選挙全体を通じて期待を下回る結果しか残せていない。

ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わった。彼女は他のどの州でも上位2名を追い上げることもできなかった。それどころか、多くの州でバイデン、サンダース、ブルームバーグに続く4位という結果となった。

ウォーレン選対のある幹部は本誌のリード・ウィルソンの取材に対して、水曜日にウォーレンが「選対に対してこれからの選挙戦について分析評価するように話した」と述べた。このような言葉遣い(phraseology)は大抵の場合、即座の選挙からの撤退を意味するものだ。

サンダースの熱心な支持者たちもウォーレンが選挙戦から撤退し、サンダースに進歩主義派の支援を一本化させる機会を与えて欲しいと熱望している。

スーパーチューズデーが始まるまで、ウォーレン選対は今年7月にミルウォーキーで開催される民主党全国大会に向けて選挙戦を行うという考えを繰り返し強調していた。

スーパーチューズデーの結果は、ウォーレンが選挙戦を続けるいかなる理由も奪い去った。しかし、現時点ではウォーレンの選挙戦は続いている。

=====

スーパーチューズデーでの民主党予備選挙の投票者数は大きく増加(Democratic turnout surges on Super Tuesday

マックス・グリーンウッド筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485994-democratic-turnout-surges-on-super-tuesday

スーパーチューズデーにおける民主党の有権者の参加者数は伸びた。少なくとも10以上の州で2016年のレヴェルを超えた。そのうちの一つでは過去最高を記録した。

スーパーチューズデーで投開票が実施される各州の中で4番目に多い代議員が配分されているヴァージニア州では、130万以上の有権者が投票に参加した。2016年の時に比べて約70%の増加となった。2016年の民主党予備選挙では約78万3000人が参加した。今回の数字はこれまでの最高を記録した2008年の時も上回った。この時や100万に少し届かない数の人々が投票に参加した。

ノースカロライナ州では、2016年の時に比べて投票参加者数は約17%増加した。投票参加者に関する分析によると、テキサス州の場合には、4年前に比べて少なくとも45%以上も多い有権者が投票所に向かった。

コロラド州、メイン州、ミネソタ州、ユタ州といった今年から党員集会から予備選挙に形式を変更した各州でも、過去の選挙と今回の選挙の結果を比較することは難しいが、投票参加者数が大きく増加した。

今回の投票参加者数の増加は、民主党支持の有権者たちがトランプ大統領からホワイトハウスを奪還することについて熱意を持っていることを示す初期的な兆候と言える。

民主党系のストラティジストであるマイケル・スター・ホプキンズは次のように述べた。「今もし私がホワイトハウスで働いているか、トランプ選対にいるとして、選挙結果を見たら、心の底から恐怖を感じることでしょうね。ジョー・バイデンはどれほどの追い風を受けているのか分からなくなって、総投票数を見てしまうとね。トランプは選挙自体から逃げ出してしまうでしょうね」。

2016年に比べて投票参加者数を減らしたのはただ1州、オクラホマ州だった。火曜日の投票総数は30万4000だったが、4年前の約33万5000に比べて減少した。

もっとも、水曜日になってもいくつかの州では票の集計作業が続いている。カリフォルニア州では、およそ300万票が集計されたが、更に数百万票が集計を待っている状態だ。各郡の選挙の係員たちは木曜日までにどれだけの数の票が集計を待っているか報告しなければならない。

火曜日に投票者数が増えたことは穏健派の有権者がもたらしたものだ。穏健派の有権者たちはバイデンに重要な各州での勝利をもたらした。

バイデンの選挙運動は、土曜日のサウスカロライナ州の予備選挙での圧勝があってからの数日で勢いを取り戻した。サウスカロライナ州での勝利は、穏健派とアフリカ系アメリカ人有権者たちからの投票の結果だ。これらの有権者グループはサウスカロライナ州の民主党支持の有権者の過半数を占めている。

スーパーチューズデーでの勝利はインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)の選挙戦からの撤退も大きく貢献している。これによってバイデンは穏健派の有権者たちの支持を固めることができた。こうした有権者の大多数は、民主社会主義者を自認するバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に対する懸念を持ち続けていた。

出口調査の結果によると、テキサス州では、全投票参加者のうち43%が穏健派を自認する人々であった。この数字は2016年に比べ約10%も伸びた。2016年の時には34%だった。こうした動きは、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、アラバマ州、そしてマサチューセッツ州でも見られた。マサチューセッツ州ではバイデンは1位となったが、全くの予想外のことであった。

穏健派の投票参加者数の増加はサンダースの敗北の原因となった。サンダースはこれまで、高い投票率、特に若い人々の得票率こそは彼の選挙に勝利をもたらすと主張してきた。

しかし、こうした若い有権者たちは火曜日にサンダースが望んだほどには投票所に行かなかった。出口調査の結果では、スーパーチューズデーで予備選挙が実施された14州を通じて、サンダースは18歳から29歳までの有権者たちの間で圧倒的な支持を獲得した。しかし、この年代の有権者の全有権者に占める割合が前回に比べて増加した州は1つもなかった。

民主党系のストラティジストであるホプキンズは「大学生くらいの年齢の有権者に頼っている候補者は誰でもたいてい失望する結果に終わっています」と述べた。

ホプキンズは続けて「35歳から上、65歳から上の有権者、この人たちは投票しています。この人たちは投票所まで足を運び、列に並びます。これはサンダースがこれから長年にわたって抱えることになる問題になるでしょう」。

サンダースは4つの州で勝利を収めた。その中には地元のヴァーモント州とカリフォルニア州での大勝利が含まれている。カリフォルニア州には最大の代議員が配分されている。しかし、サンダースはまたいくつかの州で得票率の低下を目の当たりにした。こうした州では穏健派の有権者たちが選挙に参加した。

2016年の大統領選挙の際、オクラホマ州では、サンダースがヒラリー・クリントンに大差をつけて勝利した。今回はバイデンが13ポイントの差をつけてサンダースに勝利した。同時に、同州の予備選挙参加者の中で穏健派の割合が15%も増加している。出口調査の結果では、4年前は36%だったのが今年は51%になった。

火曜日にロサンゼルスで行った勝利演説の中で、バイデンは今回の予備選挙の結果は、自分が他喉のライヴァルよりもより幅広い人々をまとめた連合を構築してきたことを示す証拠であると述べた。また、スーパーチューズデーの投票参加者数の増加は勝利をもたらしてくれたとも述べた。

バイデンはサンダースと彼が発する政治革命のメッセージに対する皮肉を込めながら、「人々は革命について話します。一方で私たちは投票参加者数を増やしました。この人たちは私たちのために投票所に足を運んでくれたのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。
elizabethwarren501

 エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が選挙戦の停止を発表した。スーパーチューズデーでの結果が振るわなかった。地元マサチューセッツ州でバイデン、サンダースに続く3位に終わり、これ以上先はないという判断をしたようだ。しかし、選挙戦に残っている候補者たち(バーニー・サンダース、ジョー・バイデン、トゥルシー・ギャバード)の中から誰を支持するかについてはすぐには決めないと発言した。女性候補者としては残りはトゥルシー・ギャバード連邦下院議員だけとなった。
meenaharritweetfemalepresidentialcandidates001

上の写真が載っている三―ナ・ハリス(カマラ・ハリスの妹)のツイート
予備選挙に立候補した5名の女性の有力立候補者たち
 サンダースは早速秋波を送っている。ウォーレンの政策重視の選挙運動を称賛し、進歩主義派の指導者だと持ち上げている。ウォーレン支持者を取り込みたいところだろう。サンダースとバイデンは共にウォーレンに電話をかけているそうだが、どのよう話をしたかは明らかになっていない。

モーニング・コンサルト社がスーパーチューズデーの直前の2020年2月28日発表した世論調査の結果では、ウォーレン支持者に対して「ウォーレンの次に師事する候補者は誰か」という質問に対して、40%がサンダース、16%がバイデン、16%がブティジェッジ、12%がクロウブシャーと答えている。ウォーレン支持者の半分くらいはサンダースに流れるだろうが、半分はバイデンに流れると考えられる。

 しかし、ウォーレンからの支持表明はサンダースにとっては次のミシガン州で勝利するためには重要である。何が何でもということで積極的に行動するだろう。

(貼り付けはじめ)

ウォーレンは大統領選挙で誰かをすぐに支持表明するつもりはないと発言(Warren says she doesn't plan to immediately endorse in 2020 race

マックス・グリーンウッド筆

2020年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486145-warren-says-she-doesnt-plan-to-immediately-endorse-in-2020-race

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は木曜日、大統領選挙民主党予備選挙の候補者の支持表明を行わなかった。彼女は時間をかけて党の指名に向けて誰を支持するか決めたいと述べた。

スーパーチューズデーでの不振を受けウォーレンは選挙戦の停止を発表したが、支持表明に関する発言はその直後に出た。うオーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わった。

木曜日、マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅の前で会見に応じ、その中で、民主党予備選挙のライヴァルだった候補者のうちの1人に対してしばらくして支持表明を行うが、「今日に」ではないと述べた。

ウォーレンは「そのことについては、深呼吸をして、ちょっとの時間を使って考えてみることにします。今すぐに決める必要もないのですからね」と述べた。

ウォーレンの支持表明は予備選挙において極めて重要な意味を持つものとなるだろう。ここ数日、ウォーレンはジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)からたびたび電話を受けている。両者は予備選挙に残っているトップ2の候補者だ。しかし、どちらの候補者が実際に彼女に支持表明を行うように頼んだのかは明らかになっていない。

選挙戦を通じてウォーレンは進歩主義的な有権者の支持を集めようとしてきた。そして、そのため、選挙戦から撤退した今の段階では、サンダース支持を表明する可能性が高いと見られている。サンダースはウォーレンとイデオロギーが近い。

しかし、ウォーレンとサンダースは今年1月に衝突した。2018年に交わした私的な会話の内容に関して矛盾する説明を2人は行った。ウォーレンは、サンダースが彼女に対して、女性が大統領になることは無いと確信していると述べたと主張した。サンダースはそのようなことは行っていないと否定している。

ウォーレンとバイデンのこれまでのやり取りも激しいものであった。両者は長年にわたり政策の違いで激しく批判し合った。バイデンがより妥協を容認する考えは、ウォーレンの政治と規制に関する変化を強く求める姿勢とは相いれないものであった。

木曜日の記者会見で行った発言の中で、ウォーレンはどの候補者を支持するかについて示唆することもなかった。彼女は、自身の予備選挙を通じての選挙運動は進歩主義、穏健のどちらかに分類されるものではないと述べた。

ウォーレンは次のように発言した。「私が選挙戦に出た時、そこには2つのレーンがあると言われました。しかし、私はどちらのレーンでも走らないことが可能だと考えました。全く別の種類の選挙運動をする余地はたくさん残っていました」。

=====

サンダースが「ウォーレンは選挙戦でいくつもの素晴らしい考えを訴えた」と発言(Sanders says Warren 'has run an extraordinary campaign of ideas'

レベッカ・クレアー筆

2020年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486152-sanders-says-warren-has-run-an-extraordinary-campaign-of-ideas-after-her

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は木曜日、予備選挙でライヴァルだったエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が選挙戦を停止すると発表したことを受け、彼女を称賛した。

サンダースとウォーレンは多くの政策で同じ考えを持っており、ウォーレンは進歩主義派の運動をより強いものとしてくれた指導者だと称賛した。

サンダースは次のようにツイートした。「エリザベス・ウォーレンは多くの取り残された人々のために行動し、そのために最も強力な大企業の既得権益と戦ってきました。彼女の存在がなければ、進歩主義派の運動は今日のように強いものとはなっていなかったでしょう。私は彼女がこの運動のための戦いを続けてくれると信じています。彼女がこれからも戦い続けてくれることに感謝します」。

サンダースは次のように続けた。「ウォーレン上院議員は選挙期間中にいくつもの素晴らしい公約を掲げました。富裕層の資産に見合った負担、ワシントンの腐敗の根絶、全国民への医療保険制度の保証、気候変動への対処、学生たちの抱える負債への対処、女性の諸権利の用語といったものです」。

スーパーチューズデーでの結果が失望に終わり、ウォーレンは木曜日に選挙戦を終えることを決めた。彼女は地元マサチューセッツ州で3位に終わった。

ウォーレンとサンダースは今年1月、2018年の私的な会話をめぐり、矛盾する説明を行い、その後攻撃し合うようになった。ウォーレンは、サンダースから女性は大統領になれないと言われたと主張し、サンダースはそんなことは行っていないと否定した。

ウォーレンは予備選挙に残っている候補者の誰かに対して直ちに支持表明を行うことはしないと述べた。

ここ数日、ウォーレンはサンダースとジョー・バイデン前副大統領から電話を受けている。2人は選挙戦に残ったトップ2の候補者だ。どちらが直接支持表明を行ってくれるようにウォーレンに頼んだのかは明らかになっていない。

=====

ウォーレンが大統領選挙から撤退(Warren drops out of presidential race

ジュリア・マンチェスター、エイミー・パーネス筆

2020年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485394-warren-drops-presidential-bid

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、大統領選挙民主党予備選挙での結果が不振だったことを受け、木曜日に選挙戦を終えることを決めた。

木曜日の朝、ウォーレンは選対のスタッフに対して発表を行い、その中で多くの公約に対して人々に関心を向けてもらうことで彼女の選挙戦は大きな成果を上げたと述べた。

ウォーレンはスタッフに対して次のように述べた。「私たちは目標を達成することはできませんでした。しかし、私たちが一緒に成し遂げたことはこれからも影響を与え続けるでしょう。私たちが実現したかった大きさの影響ではありませんが、影響が残るということが重要なのです。変化は長い時間をかけて伝わっていくでしょう」。

「私たちが成し遂げたこと、そして世界に向けて私たちが発した様々な考えは、今回の戦いで私たちが守った戦い方、私たちが築き上げた人々とのつながりは、この選挙の残りの期間も生き続けるでしょう。そして次の選挙でも、またその次の選挙でも」。

ウォーレンは記者会見を午後12時30分から開く予定となっている。

ウォーレンがその場で予備選挙をまだたかっている候補者の誰かに対して支持表明するかどうかは明らかになっていない。

選挙戦撤退のニュースは予備選挙の序盤、そしてスーパーチューズデーでの結果が振るわなかった後に発表された。ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わった。

ウォーレンは選挙戦を通じて多くの進歩主義的な提案を行った。有権者や記者たちから様々な問題について質問されると、「その問題について、私は解決するための計画を持っています。それは次の通りです」と答えるのが常だった。

ウォーレンの選挙戦は彼女が「アメリカの腐敗した金融システム」と名付けたものを攻撃することで進められた。

しかし、ウォーレンは同僚のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)と同じイデオロギーのレーンの中で選挙を戦った。そのために民主党の進歩主義的な有権者からの支持を分断することになった。両連邦上院議員は予備選挙序盤ではお互いに対する攻撃を控えていた。その代わりに両者が主張する「メディケア・フォ・オール」のようなリベラルな政策を共に訴えた。

こうした流れが変わったのは、サンダースがウォーレンに対して2018年に交わした私的な会話の中で、自分は女性が大統領になれるとは考えていないと発言した、とCNNが報道し、その内容をウォーレンが認めた時だ。サンダースはこの報道内容を否定した。

ウォーレンが予備選挙で最後に注目を浴びたのは、討論会の壇上で、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグを繰り返し攻撃したことだ。彼女はブルームバーグの超大富豪の地位と部下だった女性たちに対する過去の発言について攻撃した。

ウォーレンが選挙戦から撤退することで、予備選挙の有力候補はサンダースとジョー・バイデン前副大統領ということになる。トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)はまだ選挙戦を続けているが、トップ二人には大きく差をつけられている。

これからの予備選挙でウォーレンが誰に支持表明を行うかは明らかになっていない。彼女のイデオロギー上の姿勢はサンダースにより近いことを示しているが、両選対と両者の支持者たちの間の緊迫した関係は爆発寸前でここまできた。

水曜日、サンダースは自身の支持者たちが行ったウォーレンに対する発言を厳しく非難した。MSNBCのレイチェル・マドウに対して、ウォーレンに向けたインターネット上での罵詈雑言には「心から嫌悪」し、ただただ「愕然」としていると述べた。

サンダースは水曜日の午前中に同日の朝にウォーレンと電話で話したことを認めた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ