古村治彦です。
私はトゥルシー・ギャバード元連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)がロバート・F・ケネディ・ジュニアの副大統領候補にふさわしいと考える。このブログでも何度もトゥルシー・ギャバ―ドについて取り上げた。以下にいくつかを選んでご紹介する。是非お読みください。
※「2022年03月19日 アメリカでウクライナ情勢に関して慎重な姿勢を示しているのが極右と極左ということに」
http://suinikki.blog.jp/archives/86057158.html※「2021年10月17日 共和党の大統領候補に民主党出身の副大統領候補?:頭を柔らかくするということ」
http://suinikki.blog.jp/archives/85594494.html※「2019年11月05日 トゥルシー・ギャバード連邦下院議員がヒラリー・クリントン元国務長官からの攻撃に鮮やかに反撃」
http://suinikki.blog.jp/archives/80518767.html※「2019年09月06日 注目するトゥルシー・ギャバードに関する記事をご紹介します」
http://suinikki.blog.jp/archives/80079707.html トゥルシー・ギャバードは民主党反主流派に属し、主流派に対抗してきたが、最近になって離党してしまった。連邦下院議員を辞めてからはメディアでコメンテイターとして活躍している。FOXニューズに出ているので、保守派だと思われがちだが、彼女は反エスタブリッシュメント、ポピュリズム(アメリカの民主から沸き起こる既存の政治に対する異議申し立て)を代表する人物である。FOXニューズはドナルド・トランプ前大統領をずっと応援しているが、トゥルシー・ギャバードは民主党側から出てきた「アメリカ・ファースト」、「アメリカ国内問題解決を最優先にする」「アメリカ国民の生活が第一」の人物ということになる。だから、ギャバードがFOXニューズに出ているのは可笑しくないのである。
2024年アメリカ大統領選挙にロバート・F・ケネディ・ジュニアが出馬することは既にこのブログでも紹介した。ロバート・F・ケネディ・ジュニアもまた、民主党側からの「アメリカ・ファースト」の人物である。私はシンプルにして、明快な考えとして、「アメリカ・ファースト」同士、ケネディ・ジュニアとギャバードがタッグを組んで、民主党主流派、エスタブリッシュメント派に戦いを挑むべきだと考える。そして、ケネディ・ジュニアが民主党の大統領選挙指名候補となる時には、トゥルシー・ギャバードが副大統領候補になるのが良いと考える。
ジョー・バイデンはなんとしても2期目当選を実現させたいので、あらゆる手段を使うだろう。合法・非合法、裏表、何でもやってくるだろう。そして、当選してしまうだろう。しかし、その結果として、アメリカという国そのものとアメリカン・デモクラシーは大きく傷つけられるだろう。そうした中で、ケネディ・ジュニアとギャバードが共闘して、それに抵抗を示すことはアメリカのポピュリズムに連なり、アメリカを救うことになると考える。
(貼り付けはじめ)
トゥルシー・ギャバ―ド:理性の声(Tulsi Gabbard: A voice of
reason)
ジョー・コンチャ筆
2022年10月16日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/opinion/campaign/3689785-tulsi-gabbard-a-voice-of-reason/
「私はもはや、現在の民主党にとどまることはできない。現在の民主党は、卑劣な覚醒に駆り立てられた戦争屋のエリート主義陰謀集団(elitist cabal of warmongers)の完全な支配下にあり、彼らはあらゆる問題を人種差別化し、反白人人種差別を煽ることで私たちを分断し、憲法に謳われている神から与えられた自由を損なおうと積極的に働いている」。
この発言はトゥルシー・ギャバ―ド元連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)が今週初めに民主党を離党した時にその理由を説明した声明の一部だ。民主党がギャバ―ドを捨てたという説明の方がより合理性が高いだろう。
一つだけ確かなことがある。それは、民主党は私たちの父親の時代の民主党ではないし、これからそれに戻ることは二だろうということだ。ジョンF・ケネディ大統領は、減税と軍備強化を掲げて、国民の支持を得た。ジミー・カーターは、生命を守り、神を畏れる人だった。そして、ビル・クリントンは、不法移民、犯罪、支出に関して保守的だった。
クリントンは、政府の規模を縮小し、福祉国家(welfare state)を終わらせ、ないものは使わないという点で、今日の民主党議員のほとんど誰も口にしないようなことを言った。偶然とは言え、クリントンはテレビ時代の民主党大統領の中で最も高い支持率で政権を去った。
しかしその後、党は左に傾き、ソーシャルメディア上で最も人気のある連邦議員たちは社会主義を受け入れている。ジョー・バイデン大統領をはじめ、ほとんどの民主党所属の議員たちは、何兆ドルも使うことがインフレを抑える最善の方法だと信じているようだ。持っていないものを使わないというのは、そういうことなのだ。
また、党内の一部の人々は、凶悪犯罪者を路上に出すことを可能にするキャッシュレス保釈法が犯罪を減らすと信じている。これは、かつてバイデンが支持した1994年の犯罪法案が取ったアプローチとは正反対だ。
また、クリントン大統領は国境警備の熱心な支持者だったが、バイデンは今年200万人以上の不法入国を許し、国境に危機があることさえ認めようとしない。
教育に関しては、ギャバードはロン・デサンティス知事(フロリダ州、共和党)の親権法(メディアは「ゲイと言うな」法案と偽っている)を支持する数少ない民主党議員の1人だった。
ギャバードの包括的なテーマは、今年初めに政権が試みた「情報統制委員会(Disinformation
Governance Board)」の設置のような、権威主義的な手段を優先して基本的な自由が崩壊することを不安視しているということだ。
「独裁国家には必ずプロパガンダ部門があり、それは「真実省(Ministry of
Truth)」と呼ばれる。バイデン政権は、いわゆる『情報統制委員会(Disinformation
Governance Board)』を創設し、このような独裁国家の仲間入りをした」とギャバードはツイートし、この不穏な委員会の設置を、現在の民主党内でほぼ唯一批判してきた。
2020年の大統領選挙で民主党やメディアからいじめを受け、軽蔑された後、ギャバ―ドがもっと早く離党しなかったのは、率直に言って驚きでしかない。
CNNは選挙期間中、ギャバードに1時間のゴールデンタイムのタウンホール・ミーティングを行う機会を与えなかった。彼女より世論調査での支持率が低かった民主党のライヴァルたちがその機会を得たにもかかわらず、である。
ヒラリー・クリントンは、「ギャバードがロシアの手先かもしれない」と、証拠もなく示唆した。著名な民主党議員たちの中で、クリントンの無謀な暴言を非難した者はおらず、主要な新聞の編集委員会ももちろん非難しなかった。
「ヒラリー・クリントンのような強力な人物が私の評判を貶めようとし、私が愛する国に対する裏切り者だとほのめかした時、彼女がやろうとしたことは私の人生を奪うことだ」とギャバードは反論した。ヒラリー・クリントンが謝罪することはなかった。
ギャバードが離党を表明した直後、ツイッター上では「厄介払い(Good Riddence)」がトレンドになった。
もちろん、その通りだ。トゥルシー・ギャバードは現在の民主党にとって十分な貢献を行っていない。彼女は民主党にとって十分なほどに左派ではない。そして、多くの議員とは異なり、彼女はツイッター上の群衆に迎合しない。
しかし、彼女は、かつて自分がしっかりと受け入れていた党、そして彼女を受け入れるに十分な規模を持つ党に何が起こったのかを理解できるくらいに、原則を重視しながらも現実的な人物である。民主党はかつて小市民の擁護者であった。そして今、ギャバードによれば、エリートに迎合する政党となっている。
しかし、ギャバードは、最近の政治では珍しい、党派にとらわれない独立した思想を提供している。
※ジョー・コンチャ:メディア・政策コラムニスト。
(終わり)
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