古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:トランプ派

 古村治彦です。

 2022年11月の中間選挙まで残り約1カ月強となった。現在のところ、下の図が示しているように、連邦下院で共和党が過半数を握る可能性が高いと見られている。連邦上院で共和党が過半数を握る可能性もあるが、どのようになるか、先行きは不透明だ。4年ごとの大統領選挙の間に行われる連邦上下両院、各州の州知事の選挙は中間選挙(midterm elections)と呼ばれている。大統領を出している与党と大統領自身にとっての中間試験の意味合いが強い。これまでの中間選挙を見てみると、与党側に対して厳しい結果が出ることが多い。
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連邦上院の情勢
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連邦下院の情勢

 今回、2022年の中間選挙の各種選挙の、民主、共和両党の候補者を決める予備選挙(primaries)に関してはいくつかの特徴がある。まず、共和党側はドナルド・トランプ前大統領が支持した候補者たちが共和党の予備選挙で勝利し、各種選挙の共和党候補者となった。現職議員でもトランプから支持を得られなかった、もしくはトランプに敵対していると見られた人たちの多くが、共和党予備選挙で敗北した。その代表例が、このブログでも採算ご紹介してきたリズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)だ。共和党はトランプの意向に大きく影響される状態になっている。その共和党が連邦議会で過半数を占めるということになれば、アメリカの国政全体におけるトランプの影響力は大きくなるということになる。

 民主党側では進歩主義派が勢力を拡大しつつあるが、その勢いが少し衰えているようだ。2016年の米大統領選挙でのバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の躍進によって、民主党内に進歩主義派の勢力が拡大していった。サンダースの大統領選挙の選対に参加していたアレクサンドリア・オカシオ・コルテスが2018年の連邦下院議員選挙に当選し、アメリカ政界で大きな注目の的になっていることは日本でも報道されている。私も拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』で民主党内の進歩主義派の動きとエスタブリッシュメント派からの反発について取り上げている。今回の中間選挙の民主党予備選挙ではあまり勢力を伸ばすまでには至っていないが、すでに一定の勢力となっているのは確かだ。

 民主、共和両党でエスタブリッシュメント派は力を弱めているということになる。私がこれまでも述べてきたように、アメリカ政界を大きく見ると、民主、共和両党はそれぞれ、エスタブリッシュメント派対進歩主義派、エスタブリッシュメント派対トランプ派(MAGA派)に分裂している。進歩主義派とトランプ派はまったく相いれないようであるが、その根底には人々の既存の政治に対する怒りと不信からくるポピュリズム(Populism)がある。民主、共和両党の枠組みを取っ払えば、エスタブリッシュメント対ポピュリズムということになる。

 民主党エスタブリッシュメント派は、共和党側でトランプ派の候補者を増やして、自党の候補者に無党派層や共和党穏健派からの支持を集めようという戦略を採用したということだ。これが奏功すれば民主党が持ち直すことになるだろうが、今のところ、連邦下院では共和党が過半数を握るという状況では敵を招き入れてしまうという結果になるように思われる。

 連邦上下両院で民主党が過半数を失い、ポピュリズム派が勢力を拡大するということになると、ジョー・バイデン政権のかじ取りもますます難しくなる。バイデン政権が掲げる政策課題の実現も厳しくなる。これからの2年間でバイデンが支持率を上昇させるような大逆転を行えるとすれば、それはウクライナ戦争の停戦を実現することであるが、アメリカが進んで武器を供与している状況ではそれも難しい。アメリカ政治は手詰まり感がどんどんと深まっていくことになる。

(貼り付けはじめ)

重要な予備選挙の時期の5つの特徴(Five takeaways from a bruising primary season

マックス・グリーンウッド筆

2022年8月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3617430-five-takeaways-from-a-bruising-primary-season/

今週、フロリダとニューヨークで行われた予備選挙で、2022年最後の主要な指名争いが行われ、今後2年間の連邦議会の主導権を握ることを目指す連邦議会選挙(中間選挙)に関心が移りつつある。

今年3月から今週にかけて行われた民主、共和両党の予備選挙は、両党とその有権者、そして秋の選挙戦の行方を占う上で重要な示唆を与えることになった。

2022年の予備選挙から見える5つの特徴を見ていく。

(1)共和党は依然としてドナルド・トランプの政党であり2020年にまだこだわっている。

ドナルド・トランプ前大統領は1年半以上前にホワイトハウスを去ったけれども、今年の共和党予備選挙では、彼が依然として国内で最も影響力のある共和党員であることが証明された。

トランプからの支持の影響は明らかで、共和党の官衙や意見を形成し、予備選を混乱させ、共和党幹部の中には勝利はおぼつかないはずだと楽観視していた候補たちを予備選挙勝利に導いた。

トランプからの支持を得るために、20020年の大統領選挙の結果と、それが自分に不利に操作されているという彼の誤った主張ほど重要な問題はないということになる。共和党の候補者たちは選挙戦で頻繁にこの主張を繰り返し、中にはこの主張を中心に選挙戦を展開し、前大統領に気に入られることを狙う者たちも出た。

最終結果は次のようになった。全米で注目を集めた共和党の予備選挙のほとんどで、有権者たちはトランプに味方した。

最も競争率の高い連邦上院議員選挙の共和党候補者全員が、予備選挙の前にトランプ前大統領の支持を受けていた。2021年1月6日の連邦議会議事堂進入事件に関与したトランプの弾劾に賛成投票した後に再選を目指した連邦下院共和党議員6人のうち、共和党の予備選挙で再選を勝ち取ったのは2人だけという結果になった。

そして、2020年の選挙結果に疑問を呈したり、真っ向から否定したりした候補者は、知事、連邦上院、連邦下院、州務長官の本選挙の党候補者指名を確保し、2022年11月の全米の投票用紙に名前が記載されることになる。

もちろん、いくつかの例外はある。たとえばジョージア州のブライアン・ケンプ知事は、トランプが支持する予備選挙の相手、デイヴィッド・パデュー元上院議員(ジョージア州選出、共和党)に地滑り的な勝利を収めた。また、サウスカロライナ州では、ナンシー・メイス連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)が、トランプ推薦のケイティ・アリントンを相手に予備選で勝利した。

それでも、2022年の共和党予備選挙で1つだけはっきりしたことがあるとすれば、それは共和党支持の有権者たちが依然として圧倒的にトランプを支持しているということだ。

(2)民主党は順当な勝ちが続いたが、進歩主義派がいくつかの重要な勝利を収めた(Democrats largely played it safe, but progressives scored some key wins

民主党の方向性をめぐる議論は続いているが、全米の有権者たちは予備選挙で穏健派や体制派を支持し、それが民主党にとって厳しい政治環境の中で勝利を収めるための最善策と考えたようだ。

例えば、オハイオ州では、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の大統領選挙キャンペーンで共同議長を務めた進歩主義派のニーナ・ターナー前オハイオ州上院議員が、党内のエスタブリッシュメント派の支持を受けたションテル・ブラウン連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)に2度目の敗北を喫した。

同様に、保守的なテキサス州南部出身のヘンリー・クエラー連邦下院議員(テキサス州選出)は、全米の注目を集めたレースで進歩主義的なジェシカ・シスネロスに僅差で勝利した。

それでも、民主党左派にとって悪いことばかりではなかった。

2つの重要な激戦州で、進歩主義的な人々が連邦上院議員選挙の民主党指名を勝ち取った。ペンシルヴァニア州では、ジョン・フェッターマン副知事が、郊外や農村部の有権者を取り込むのに有利な候補とされる穏健派のコナー・ラム連邦下院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)を破り、ウィスコンシン州のマンデラ・バーンズ副知事はロン・ジョンソン連邦上院議員(ウィスコンシン州選出、共和党)への対抗馬としてチャンスを得た。そして今週、フロリダ州中部地区の民主党は、ヴァル・デミングス連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)の後任として、サンダース支持の銃規制活動家マックスウェル・アレハンドロ・フロストを指名したばかりである。

しかし、今年の民主党予備選挙は、進歩主義的な人々が期待していたイデオロギーの転換点にはほど遠いものとなった。

(3)現職の連邦下院議員の多くにとって厳しい季節となった(It was a tough season for a lot of House incumbents

まだいくつかの予備選挙が残ってはいるが、2022年の予備選挙はこれまでの20年間で最も多くのアメリカ連邦下院の現職議員たちが党の再指名を得ることに失敗した年となる道筋をたどっている。

ウェブサイト「バロットピア」によると、今年に入って、15名の現職連邦下院議員たち、9名が共和党所属、6名が民主党所属であるが、連邦議会に帰る道を断たれることになった。「バロットピア」はこれらの敗北を追いかけている。

これらのケースの中には、議員たちの個人の力ではどうしようもない環境の変化のために起きた敗北もある。多くの場合、それは10年ごとの選挙区区割り変更のために起きた。

例えば今週、連邦下院議員歴30年のヴェテラン議員、キャロリン・マロニー連邦議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、マンハッタン区で行われた選挙区の区割りで選挙区が合併された結果、同じくヴェテランの現職のジェリー・ナドラー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)に民主党予備選挙で敗れた。最初から、現職議員2名のうちどちらかが負けることは決まっていた。

しかし、他の予備選挙では、現職議員が政治的選択、とりわけトランプ弾劾への投票によって苦境に立たされた。その決断は、リズ・チェイニー連邦議員(ワイオミング州選出、共和党)、トム・ライス(サウスカロライナ州選出、共和党)、ピーター・メイジャー連邦下院議員(ミシガン州選出、共和党)、ハイメ・ヘレラ・ブートラー連邦下院議員(ワシントン州選出、共和党)に終わりを告げた。これらの現職の共和党所属の連邦下院議員たちは、トランプ支持の予備選挙での挑戦者に敗れた。選挙期間中、議員たちは弾劾投票について激しい批判に晒された。

また、マディソン・コーソーン連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)のように、いくつもの論争の的になって予備選で敗退した現職議員たちもいる。

(4)民主党側の足元固め(Democrats found their footing

今年の前半、民主党はいくつかの困難な問題に直面していた。連邦議会での立法課題はほとんど行き詰まり、インフレイションは過去数十年で最高レヴェルに達し、主要な政治的な成功はホワイトハウスには存在しなかった。

さらに悪いことは重なり、民主党は、「中間選挙では政権与党が必ず敗北する」という現実にも直面していた。

この事実は今も変わらないかもしれない。しかし、連邦最高裁判所がロウ対ウエイド判決を覆して以来、民主党の状況は著しく変化した。この判決は、性と生殖に関する権利(reproductive rights、リプロダクティブ・ライツ)の保護が損なわれることを恐れる有権者たちを結集するための強力なメッセージを民主党に与え、自己満足が懸念される中で民主党を再び活性化させるのに役立った。

民主党にとって最大の転機となったのはカンザス州だ。州憲法から中絶の権利を消去しようとする修正案が有権者に大差で否決されたのである。

それ以来、民主党はより明確なメッセージ戦略を打ち出し、共和党が連邦議会で過半数を占めることが性と生殖に関する権利にとって何を意味するかを警告し、大規模な税制・気候変動法案の成立を宣伝し、民主党には堅実な手腕があるとアピールするよう努めた。

もちろん、民主党の中間選挙の見通しはいくらか明るくなったように見えるが、依然として厳しい政治情勢と共和党に有利となる可能性のある強い歴史的逆風に直面していることに変わりはない。

(5)しかしながら共和党支持の有権者たちは活気づけられている(But Republican voters are still energized

民主党にとって見通しは明るくなったかもしれない。しかし、今年の予備選挙の結果を見ると、共和党の指導者たちが1年以上にわたって主張してきたことに依然として信憑性を与えている。共和党支持の有権者は活気づいてやる気になっている。

主要な激戦州の最重要選挙戦では、共和党の予備選投票率が民主党の投票率を何度も上回り、共和党の有権者が今年も熱心に投票に臨んでいることが明らかになっている。

ジョージア州の連邦上院補欠選挙では、共和党の投票者数が民主党の投票者数を50万人近く上回った。アリゾナ州では、複数の選挙での共和党予備選挙で20万人以上の有権者が投票を行った。ペンシルヴァニア、ウィスコンシン、ノースカロライナ、ネバダ、フロリダの各州でも共和党の投票率の優位性は保たれている。

確かに、共和党の投票率の高さは、有権者の熱意だけによるものではないかもしれない。例えばジョージア州では、共和党は州知事選挙の共和党予備選で熱戦を繰り広げたが、民主党のステイシー・エイブラムス候補は誰からも挑戦を受けずに民主党の候補者指名を勝ち取った。

ノースカロライナ州も同様で、共和党は引退するリチャード・バー連邦上院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)の後継を決める予備選挙でテッド・バッド連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)とパット・マクロリー前知事の二者択一の選択となった。一方、民主党は、シェリー・ビーズリーを候補者として、既にほぼまとまった形になっていた。

しかし、フロリダ州では民主党が最も競争の激しい予備選挙の選挙戦を展開し、ペンシルヴァニア州とウィスコンシン州では賛否両論の熱い戦いが繰り広げられた。

また、今年のこれまでの各種世論調査の結果、共和党支持者の方が民主党支持者よりも11月の中間選挙の本選挙投票に熱心であることが明らかになっている。しかし、民主党の見通しが良くなるにつれて、その熱意の差も縮まり始めている。

ウェブサイト「モーニング・コンサルと」が先週発表した世論調査によると、共和党支持者の65%が中間選挙での投票に「きわめて」または「非常に」熱心であることが分かった。一方、民主党支持者の62%も同様に答えている。

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アメリカでの共和党予備選挙でドナルド・トランプが支持した候補者たちが勝利を重ねる(Donald Trump-backed candidates prevail in US primaries

-ドナルド・トランプ前大統領が共和党の一部に影響を与え続けていることを示す5つの州の予備選挙の結果

コートニー・ウィーヴァ―筆

2022年8月3日

『フィナンシャル・タイムズ』紙

https://www.ft.com/content/a114b4f5-11aa-4f26-b6b6-7a99c89b11da

ドナルド・トランプが支持した複数の候補者たちが、火曜日にアメリカの5つの州で行われた共和党予備選挙で勝利し、トランプ前大統領が共和党の一部の地域を引き続き支配していることが浮き彫りになった。

ミシガン州では、トランプ政権元高官ジョン・ギブスが、元雇用主(トランプ)の推薦と民主党から外部資金支援を受けて、現職の共和党所属の連邦下院議員ピーター・メイジャーを追い落とした。メイジャー議員は昨年、16日の連邦議会議事堂進入事件でトランプの弾劾に賛成票を投じた。

ミズーリ州では、2020年の米大統領選挙結果を覆す訴訟を支持し、同選挙でトランプが推薦した2候補のうちの1人だったエリック・シュミット州司法長官が、連邦上院の議席をめぐる争い(共和党予備選挙)で勝利を収めた。

一方、まだ開票中のアリゾナ州の共和党予備選挙では、知事選挙と連邦上院議員選挙の候補者には、トランプ氏が支持する候補者2人が決まり、今年後半の本選挙で民主党の対抗馬に挑むことになった。

アリゾナ州の連邦上院議員選の共和党予備選挙では、トランプは、億万長者ピーター・ティールの会社の元社員で、かつてのハイテク企業の雇用主ティールから多額の資金援助を受けて立候補したブレイク・マスターズを支持した。

アリゾナ州知事選挙では、トランプは2020年の大統領選挙が盗まれたという主張に共感する元テレビ司会者のカリ・レイクを支持した。レイクは民主党に所属していた。火曜日の夜、まだ開票中にもかかわらず、レイクは共和党予備選挙で勝利したことを宣言した。

トランプ政権の元副大統領であるマイク・ペンスを含む共和党のエスタブリッシュメントの多くは、カリン・テイラー・ロブソンを知事候補として支持していた。ロブソンは2020年の大統領選挙で票が盗まれたかどうかについては明言を避けているが、トランプの疑惑に関する主張を支持するところまでは至っていなかった。

トランプが推薦したアリゾナ州務長官選挙の共和党予備選挙で、2020年の大統領選挙の結果を声高に否定するマーク・フィンチェムは、州の投票を監督する立場となる州務長官選挙で、共和党の候補者指名を確保した。

トランプは、今年の共和党予備選で、注目度の高い知事選挙、連邦上院議員選挙、連邦下院議員選挙、地方選挙などで200名以上の候補者を支持している。

ジョージア州のデイヴィッド・パデュー元連邦上院議員など、トランプ前大統領が推薦した候補者の中で失敗した人もいるが、多くは国内で最も争いの激しいレースで勝利を収めている。ただし、世論調査の結果や資金調達で苦戦している人たちもいる。

ミズーリ州の連邦上院議員選挙の共和党予備選挙で、トランプは2名の候補者を支持するように見えた。トランプは声明で「エリック」を支持すると述べたが、それが不祥事疑惑で2018年に辞任した物議を醸した前知事のエリック・グレイテンズなのか、前司法長官のエリック・シュミットなのかはっきりさせなかった。

トランプの周辺では、将来は義理の娘となるキンバリー・ギルフォイル(訳者註:2020年にエリック・トランプと婚約)などが、トランプにグレイテンズの支持を強く求めていたが、大統領に近い人たちは、今回の指名で共和党が確保している議席が危うくなると警告している。

共和党の予備選挙の多くで、トランプは、自分の再選運動が盗まれたあるいは不正によってゆがめられたという虚偽の主張を公に支持した候補者たちを支持し、ミシガン州のメイジャーのように支持しなかった候補者を罰することに重きを置いている。

民主党もミシガン州の選挙でトランプが支持する候補を支援するために資金を使った。これは、より右派的なギブスとの対決でミシガン州を取り返す可能性が高いと考えたからだ。

アリゾナ州を拠点とする共和党系のストラティジストであるローナ・ロメロ・ファーガソンは、2020年の大統領選挙に焦点を当て続けることは、アリゾナのような州では、党が本選挙に軸足を移すため、それらの候補者の一部には逆効果になる可能性があると述べた。

ロメロは次のように指摘した。「州全体で勝つためには、共和党はメッセージの幅を広げ、穏健派や共和党寄りの無党派層など、より多くの有権者を引きつける必要がある。再選を目指す民主党所属の連邦上院議員マーク・ケリーは、経済、ガソリン価格の引き下げ、警察への資金援助に焦点を当てた広告を何カ月もテレビに流している。それを見習うべきだ」。

ロメロは、「共和党はただ有権者にとって本当に重要な問題に集中すればよい」とも述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 本ブログの更新が滞りまして申し訳ございません。年度末ということ、更に5月末にアメリカ政治に関する単著を刊行することになり、その準備にも追われておりました。第一稿が完成しましたので、余裕を持つことができるようになりました。

 私の友人(というのはおこがましいのですが)の藤森かよこさんの最新刊が出ました。『優しいあなたが不幸になりやすいのは世界が悪いのではなく自業自得なのだよ』という、これまでの本よりもより過激なタイトルになっています。興味がある方は是非お読みください。

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優しいあなたが不幸になりやすいのは世界が悪いのではなく自業自得なのだよ

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 今回ご紹介するのは、アメリカの共和党内部の亀裂についての記事だ。具体的にはトランプ派対反トランプ派の戦いということになる。トランプはホワイトハウス退去後、比較的静かに過ごしている。しかし、その存在感は共和党内部で維持されている。トランプに協力的な議員たちは彼からの推薦支持(endorsement)を望んでいる。トランプがこれを与えることで2022年の選挙での勝利が近づくという計算がある。

 トランプ派はより具体的に言えばポピュリズムである。既成の政治の枠組みや汚れたワシントン政治に対する人々の怒りがその原動力だ。一方で反トランプ派は、バイデン政権との協力を目指している。その割には経済政策などでバイデン大統領とは対立しているが。

 共和党がトランプの党になるかどうか、だが、その支持基盤がどうなるかが影響する。つまり、有権者の動向が決めることだ。反トランプ派の議員たちが多く選挙で落選するということになれば、必然的にトランプの党になる。選挙が近づいて、「あの議員はよくない、落選させよう」という呼びかけが出ればそれだけで現職議員の敗北の可能性は高まる。トランプの力はいまだに健在なのだ。

(貼り付けはじめ)

トランプの早々の支持表明は共和党内部の亀裂を示している(Trump's early endorsements reveal GOP rift

アレクサンダー・ボルトン筆

2021年4月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/547483-trumps-early-endorsements-reveal-gop-rift

トランプ前大統領は最近、ロン・ジョンソン連邦上院議員(ウィスコンシン州選出、共和党)、ランド・ポール連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)、マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)に対する推薦支持(endorsement)を表明した。この出来事は、トランプ時代を過去のものにしたい共和党員(Republicans who want to leave the Trump era behind)と、勝利の方程式としてトランプの保守主義におけるポピュリストとしてのブランドを考えている共和党員(those who see his populist brand of conservatism as a winning formula)との間の亀裂を露わにしている。

中間選挙の投開票日までおよそ20カ月を前にして、トランプは一部の連邦上院議員たちに対して連続して支持表明を行った。このことによって、トランプは、共和党所属の連邦議員たちの議論に割って入ることになった。議員たちは党としての先行きをどのようにしたいか、バイデン大統領とどの程度の協力関係を築くかということを議論している。

トランプはまた来年の選挙で共和党内の予備選挙での挑戦者たちから同盟者である現職の議員たちを守ることができるのだというシグナルを送っているということになる。

共和党系のストラティジストであるジム・マクローリンは「挑戦者となるであろう人たちを排除するということは極めて有効な予防的措置となります」と述べた。また、マクローリンは、トランプが、連邦上院共和党選挙対策本部長のリック・スコット連邦上院議員(フロリダ州選出)との間で、「極めて良好な関係」を維持していると指摘した。

マクローリンは、2022年の選挙に早い段階で介入するということは、共和党員に対して、共和党はバイデンの政策に対して戦う必要があるというメッセージを送ることになると述べた。バイデンはトランプ前政権の政策を破棄することを目的としている。

スーザン・コリンズ(メイン州選出)、リサ・マコースキー(アラスカ州選出)、ミット・ロムニー(ユタ州選出)のような一部の共和党所属の連邦上院議員たちはバイデンとの協力を望んでいると公に発言している。今名前を挙げた議員たちは、今年の2月初めにバイデン大統領と会談を持った議員たちの一部だ。この議員たちは大統領との間で、新型コロナウイルス感染拡大対策における経済対策での妥協を模索してバイデンと会談を持った。しかし、バイデンは共和党議員たちの提案を全く不十分だとして即座に退けた。

その結果、共和党所属の連邦議員の中で、バイデンが提案した1兆9000億ドル規模の「アメリカン・レスキュー・プラン」に賛成票を投じた議員は一人も出なかった。

共和党所属の連邦議員たちの一部は、ホワイトハウスからトランプが追い出されたことについて、共和党連邦上院議員会で特に不人気だった特定の政策の破棄する機会となると考えている。連邦上院共和党の中で不人気だったトランプの政策派、貿易関連と外交政策関連のものだった。

共和党所属の連邦議員たちはトランプの貿易政策と関税を放棄するかどうか決定していない。そして、バイデンは現在のところトランプの政策を続けている。

外交政策については、バイデン政権のNATOの同盟諸国との関係改善を行うという決定について共和党連邦上院議員会から大きな反撃は出ていない。今年2月バイデンは「一国に対する攻撃は全加盟国対する攻撃である。これは私たちの確固たる誓いである」と宣言し、アメリカのNATOへの関与を再び強く推進するという決意を示した。

しかし、その他の共和党の政治家たちにとっては、トランプが大統領を退任したことで、自分たちのキャリアを伸ばし、労働者階級の有権者たちの間に共和党の支持基盤を拡大するための機会となる。共和党系のストラティジストたちは、ジョンソン、ポール、ルビオは全員がトランプからの推薦支持を得たいと望んでいた。

ジョシュ・ホーリー連邦上院議員(モンタナ州選出、共和党)はトランプのポピュリズムを支持し、ポピュリズムを共和党の将来に進むべき道だと考えている数少ない議員の一人だ。

ホーリーは今週中に「21世紀のためのトラスト解消のための政策提案」を行うと述べた。その主眼は「ジョージア州についてのバイデンの大きなウソを報じ続ける巨大企業」に集中したものだとしている。

そのような政策主張は保守派全員には受け入れがたいものだ。

共和党系のストラティジストであるブライアン・ダーリンは次のように語っている。「反自由市場(anti-free market)的な政策を主張するその心情は理解できます。共和党が抵抗すべき一点は自分たちとは同意できない巨大企業に反撃するために反トラスト法を使えと促すことです」。

ホーリーは昨年、共和党連邦上院議員会での決定のほとんどに反対しその決定とは異なる行動をした。昨年12月連邦議会では9000億ドル規模の経済支援策、2000ドルの経済刺激のための小切手配布が決定した。共和党連邦上院議員会はこの妥協に反対したが、ホーリーは賛成に回った。トランプ大統領も2000ドルの小切手配布に賛成していたが、共和党の連邦議員たちの多くはこのアイディアに反対した。

もう一方の側にいるのがマコースキーだ。マコースキーは共和党がレーガン大統領時代の共和党のように「大きなテント(big tent)」のような政党に戻って欲しいと願っている。

マコースキーは今年1月、「共和党がトランプの党であり続けるなら、私は共和党に適しているかどうか自信を持つことはできません」と発言した。

金曜日、マコースキーは新たな支援を得た。連邦上院少数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)とつながっているスーパーPACの連邦上院リーダーシップ・ファンドは、2022年の選挙でのマコースキーの再選に推薦支持を表明した。

連邦上院リーダーシップ・ファンドの会長を務めているスティーヴン・ラーは「アラスカ州は経験豊富な代表を出す必要がある。リサ・マコースキーはアメリカ合衆国上院でその役割を担っている」と述べている。ラーは以前マコーネルの首席補佐官を務めた人物だ。

トランプがバイデンに敗れてから、マコーネルはトランプとの関係を切った。共和党の指導者であるマコーネルは昨年12月中頃にトランプと話すことを止め、今年2月、16日に連邦議員たちが選挙人の投票を承認しようとしているそのときにトランプ支持者たちが連邦議事堂に進入したが、この事件についてトランプの示唆があったと激しく非難した。

今年1月上旬にツイッター社から投稿禁止処分を受けて以降、トランプは比較的静かである。しかし、彼の大統領退任後の事務所と「セイヴ・アメリカ」PACからの一連の声明と支持表明が出されていることで、ここ最近、共和党政治において存在感が高まっているように感じられる。

「セイヴ・アメリカ」はトランプに忠実な政治家たちのために8500万ドルを集めている。このことは、トランプが政治の世界で力を持ち続ける意思があることを共和党員や共和党支持者たちに印象付けるものだ。

先週、トランプは、ジョンソン、ポール、ルビオへ支持表明を行った。この3名は連邦上院の中で最もとランプに忠実な議員たちで来年に再選のための選挙が控えている。ジョンソンは、ハンター・バイデンのウクライナのエネルギー企業に招聘されていたことについての調査を主導していた。このハンターの件はトランプの好むものであった。ジョンソン自身は3期目を目指すかどうかまだ発表していない。

トランプはジョンソンに対して、「出馬だ、ロン、出馬だ!」と促した。民主党側は、ジョンソンが共和党の候補者になれば民主党側の勝利の可能性が高まるだろうと考えている。

民主党系のストラティジストであるベン・ナックルスは2018年の選挙でウィスコンシン州知事トニー・エヴァースの勝利に貢献した人物である。ナックルスは次のように述べている。「ジョンソンに出馬して欲しいと願っています。そうすれば民主党側がより簡単に議席を奪取できますからね。ジョンソンは多くの問題について、あまりに急進的で、あまりにも無茶なことを言ってきました。もしジョンソンが出馬するならば、民主党が議席を奪取するのはより容易なことになるでしょう」。

ウィスコンシン州を地元して活動している共和党系ストラティジストであるブランドン・ショルツは、民主党側は2020年の選挙で使用した反トランプ戦術と言葉遣いを再び持ち出すだろうと述べている。

ショルツは、トランプからの支持は、2020年と同じ選挙を再現しようとしている民主党に有利に働くことになる、大統領選挙で反ドナルド・トランプ活動を展開したが、それを連邦上院議員選挙でもやり反ロン・ジョンソン活動をやろうとするだろうと述べた。

ショルツは、2020年の選挙で民主党はウィスコンシン州では課題や問題を取り上げることを中心の選挙戦を展開することはなく、トランプの性格や行動に焦点を当てて選挙活動を行った。

ショルツは「民主党はドナルド・トランプを憎悪していました。これが選挙活動の中心でした。私は、民主党がこの選挙活動を再現しようとしていると考えています」とお述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカが堅持してきた二大政党制が崩壊する可能性が高いと私は考えている。今回の大統領選挙をめぐるこれまでの動きの中で、共和党内に大きな亀裂が生まれている。民主党はエスタブリッシュメント対進歩主義派という対立構造があったが、「アメリカの敵・ドナルド・トランプとトランプ支持者たち(本当は民主党が助けなくてはいけない人たちのはずだが)」という共通の敵を作り上げて、今のところは一枚岩だ。

外国に敵を作って、皆でまとまろうという策謀と全く同じ構造だ。これで、「アメリカの融和」などと寝ぼけたことを言っているのは笑止千万だ。これに協力している、進歩主義派も結局、エスタブリッシュメント派の軍門に下り、ワシントンでの楽しい生活を謳歌している。私は大きく失望している。中世ヨーロッパの言葉に「都市の風は人間を自由にする」というものがあるが、それをもじって言えば、「ワシントンの風は人間を徹底的に堕落させる」ということなのだろう。進歩主義だ、貧しい人々のためだ、と意気揚々とワシントンに乗り込んでみたら、取り込まれて、堕落してしまう。その点で、ドナルド・トランプという人物は最後まで、ワシントンの「部外者(アウトサイダー)」だった。

 共和党に目を移せば、「エスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム」という対立構図になる。このブログでも紹介したが、共和党支持の有権者たちの間でのトランプ支持は根強い。この有権者たちにそっぽを向かれれば共和党の議員たちは落選して、ただの人となり、楽しいワシントンでの生活からオサラバしなければならない。

 2020年の選挙では連邦上院では共和党と民主党が50対50となり、連邦上院議長は副大統領が務めるので、民主党が過半数を握ることになった。連邦下院では民主党が過半数を維持したが、共和党が議席数を伸ばした。2022年の中間選挙では共和党が議席数を伸ばすことが見込まれている。

 共和党側は、民主党側に対して、「民主党は社会主義の方向に進んでいる」という宣伝戦略を展開している。2022年に向けてもこの戦略を採用しようとしている。これで消極的な民主党支持者たちを取り込もうとしている。民主党側では、進歩主義派の勢力が大きく、バイデン政権と連邦議会民主党執行部としても無視できない。そこで、「大きな政府」政策を実行すると、共和党側の宣伝戦略にはまってしまう。

 一方、共和党側でも「トランプ・ポピュリズム派」は、民主党側からの攻撃目標にされてしまうだろう。「あの連邦議事堂襲撃事件を起こしたトランプを支持する政治家たちを当選させてはいけない」という戦略で共和党攻撃を行うだろう。民主、共和両党はお互いの「急進派」を標的にして攻撃する戦略で2022年の中間選挙を戦うことになる。両党にとって、「急進派」は重要な存在である。そう簡単に切ることができない。このかじ取りが2022年の選挙の結果を左右することになるだろう。

(貼り付けはじめ)

共和党は2022年に連邦下院で過半数を獲得する道筋を見ている(GOP sees path to House majority in 2022

ジュリー・グレイス・ブラフケ筆

2020年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/526444-gop-sees-path-forward-to-house-majority

共和党は今週連邦議事堂に戻って来た。共和党は予想を裏切り、選挙投開票日に連邦下院での議席を増やして戻って来た。2022年の中間選挙で過半数を獲得する見通しを持っている。

共和党所属の連邦下院議員たちは木曜日、連邦下院少数党(共和党)院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)をはじめとする連邦下院共和党指導部をそのまま再任することで、その功績に報いた。共和党は、分裂した投票行動を行った有権者たちから支持を受けた。この有権者たちはトランプ大統領をホワイトハウスから追い出しながら、連邦上院と連邦下院の選挙の共和党の候補者たちを支持した。

選挙結果はアメリカ国民が捻じれた政府(訳者註:ホワイトハウスは民主党、議会は共和党)を認めたということであり、共和党側は2年後の中間選挙において連邦下院で過半数を奪還することができるという手ごたえをつかんでいる。中間選挙はこれまで、ホワイトハウスを掌握している政党が連邦議会で議席を減らすということになっている。

まだ結果が出ていない複数の州で共和党の候補者たちが優勢であり、それらを入れて、共和党は20議席近く増やそうとしている。共和党は今回の選挙結果でも過半数まで17議席足りないままである。しかし、民主党側から見れば、第二次世界大戦以降、最も議席差が少ない連邦下院ということになっている。

連邦下院少数党(共和党)幹事ステイ―ヴ・スカリス連邦下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は全米を駆け回って再選を目指す現職たちのために応援演説をしていた。スカリスは本誌の取材に次のように答えた。「今回の選挙で私たちは接戦の選挙区において多くの議席を獲得したことで、多くの人々に衝撃を与えることができました。しかし、私たちはこれからもやらねばならないことがたくさんありますが」。

スカリスは続けて「私たちが接戦で敗れた選挙区においても素晴らしい候補者たちがいるということを既に伝えられています」と述べた。

共和党指導部は2022年の中間選挙について楽観的になることを戒めていると述べている。彼らは現在の状況について良くなっていると感じているが、連邦下院で過半数を奪還するためにはこれからも戦い続けねばならないだろうと述べている。

トム・エマー連邦下院議員(ミネソタ州選出、共和党)は連邦下院共和党の選対委員長を務めたが、共和党は今回の選挙で予想を超える結果を得たが、連邦下院で過半数を奪還できなかったことについては「失望している」と述べた。

共和党全国選挙対策委員会(The National Republican Campaign CommitteeNRCC)委員長エマーは、議席増を当然のこととは考えておらず、過半数奪回に目を向ける必要があると述べている。また、2018年の中間選挙で民主党側の攻勢によって民主党が基盤を築いた選挙区での議席獲得のための道筋はあるとも述べている。

共和党はマイアミで複数の議席を獲得し、失うと予想されていたテキサス州での複数の議席を維持した。しかし、エマーはアリゾナ州、ミシガン州、ニューハンプシャー州、ペンシルヴァニア州の各州で逆転できる可能性があったと述べている。

エマーは本紙の取材に対して次のように述べた。「今回の選挙で私たちがいささか成功したが、これは偶然の産物ではないということを共和党全体が理解しなければなりません。私たちは努力を続けたので、成功するだろうと言われていました。これからも挑戦は変わりません。より努力をしなければなりません」。

エマーは「人々がどんなことを言っても、簡単なことではないのです。世論調査の専門家や予言者の言うことなど聞きません。選挙の結果は全て候補者たち次第なのです。幸運は自分の力で引き寄せねばならないのです」と述べた。

エマーは、共和党が強力な、そして多様性のある候補者たちを登用したことと、民主党内の分裂によって、共和党が民主党の有名議員たちを落選させることができたと述べている。今回の選挙で民主党側は中道派の議員たちが多く落選した。エマーは、共和党全国選挙対策委員会の戦略として、民主党側の進歩主義的な政策を際立たせながら、接戦の選挙区に照準を定めるという戦略を採用するとしている。

エマーは「穏健派・中道派は残っていません。話は変わりますが、民主党がナンシー・ペロシを議長にとどめるならば、それは私たち共和党にとっては悪いことではありません」と述べた。

連邦下院民主党は水曜日、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)をこれからの任期2年間、民主党のトップに据え続けることに決定した。ペロシは1月の全連邦下院議員からの投票で、過半数の支持を必要としている。2019年の連邦下院議長選挙で、民主党所属の連邦下院議員15名が反対票を投じたが、来年の議会に戻ってくるのはそのうちの10名だ。民主党は議員の数を減らしている。それでも、ペロシの再選にとっては高いハードルにはならない。

民主党側で議席を失うことになる5から15議席の議員たちの中には、長年議員を務めたヴェテランや注目を集めつつあったスター議員たちが含まれている。それらの中には、マイアミ・デード郡の選挙区から出ており、クリントン政権で保健福祉長官を務めたドナ・シャレイラ連邦下院議員(フロリダ州選出)、スタテン島の一部が選挙区になっているマックス・ローズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)、共和党が優勢な選挙区で15期にわたって議員を務め、連邦下院農業委員会委員長を務めたコリン・ピーターソン連邦下院議員(ミネソタ州選出)が含まれている。

歴史的に見て、ホワイトハウスを握っていない側の政党は中間選挙で過半数を獲得している。民主党所属の連邦議員の中には、2022年中間選挙に向けて戦略を再検討する必要があると述べている。

ある民主党連邦議員は、共和党側の民主党と社会主義を結び付けるメッセージ戦略について、民主党はこれに対して戦わねばならず、ペロシ議長は、こうした攻撃のために劣勢に立つであろう民主党の議員たちの敗北に責任を持つことになる。

この議員は次のように述べた。「私が言いたいのは、2022年の中間選挙において私たちは良い立場にはいないということです。私たちは劣勢に立っているんですよ。ペロシ議長が議長職にとどまるというのは全くもって不公正なことです。彼女はこれから2年間議長職にとどまりますが、その後の2022年、私たちは大惨敗を喫する可能性が高いのです」。

「私たちが10から15議席を失うだけでなく、連邦下院民主党は過半数を失うことにもなるでしょう。2020年の中間選挙は、民主党側では共和党から議席を獲得し、過半数の議席数を拡大する機会にもなるはずでした。しかし、私たちはこの機会を無駄にしました。私たちは2022年に議席数の減少を阻止するための堤防を築くために、2020年の選挙がどれほど重要なのかはわかっていました」。

流れは共和党に有利な方向に流れているようではあるが、共和党は今回の選挙での躍進を当然のことだと思ってはならず、連邦下院での過半数奪回のためにはこれからいくつもの高いハードルを越えていくことになるだろうと気を引き締めている。

連邦下院共和党筆頭副幹事長ドリュー・ファーガソン(ジョージア州選出、共和党)は次のように語っている。「もし現在の流れについて考えるならば、私たちは歴史的な勝利を収めたと言えるでしょう。私たちは民主党の本性を明らかにしました。民主党はこの国を社会主義の方向に進めようとしているのです。しかし、私たちはいささか押し戻すことができました。人々は考えを変え、戦うために外に出ました。そして、僅差で多数となっている人々が、人々をまとめる方法を主張しています」。

ファーガソンは続けて次のようにも述べた。「従って、私たちはより一生懸命に努力しなければなりませんし、資金集め、良い政策作り、メッセージの発信など全てのことに注力し、これまでの2倍努力しなければなりません。私たちはそれができると確信しています。しかし、それはドアを通って歩いていけば自然に手に入るものではなく、私たちは勝ち取りに行かねばならないのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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