古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ドナルド・トランプ

 古村治彦です。

 全世界で新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している。日本でも東京都で深刻化の度合いが増し、東京都内の外出自粛要請、他県では東京への外出自粛要請が出された。こんな状況下では、今年アメリカで大統領選挙が実施されるということにはなかなか目が向けられない。現職のドナルド・トランプ大統領と現在の連邦議会は、新型コロナウイルス感染拡大に対して、後手後手に回ったという印象は否めない。しかし、一度やると決めたら、アメリカ流の大量の資金と資源を一気に投入するという形で対策を取る。

 日本では後手後手というのは一緒だが、資金や資源をちまちまと逐次的に投入し、失敗を重ねている。これは太平洋戦争の時と同じ手法であり、この「後手後手ちまちま」は日本の宿痾ということになるだろう。

 民主党予備選挙は4月になるまでない。既にいくつもの州で予備選挙実施費の延期を決定しているところも多い。選挙どころではない、ということだ。さすがに大統領選挙が延期されるということはないだろうが、投票方法は郵便やインターネット利用ということが検討されるだろう。しかし、その前に民主・共和両党の候補者を決める全国大会が予定されている。全国大会が通常通りに開催されるかどうか、もまだ不透明な状況だ。

 本ブログはここ最近の通常通り、民主党予備選挙について紹介する。少し古い記事になって申し訳ないのだが、民主党予備選挙で最有力候補となっているジョー・バイデン陣営の人事の変更が行われた。これまで、陣営を引っ張ってきた、アニタ・ダン、グレッグ・シュルツに代わり、ジェン・オマリー・ディロンという人物が選対の責任者となった。ダン、シュルツは陣営に引き続き残り、アドヴァイザーの仕事を行うということだ。

 ダン、シュルツ、オマリー・ディロンの共通点はバラク・オバマ前大統領の選対を経験し、ホワイトハウスで働いていた経験を持つ、更にはヒラリー・クリントンとの関係が薄いということだ。

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アニタ・ダン
  アニタ・ダン(Anita Dunn、1958年―、62歳)も若い時から民主党の政治家たちの選対本部に参加し、選挙の実務を学んだ。2008年のオバマ前大統領の初めての大統領選挙ではシニアアドヴァイザーを務めた。その後、ホワイトハウスの広報部長を務めた。グレッグ・シュルツ(Greg Schultz、1981年―、39歳)は2008年の大統領選挙では短期間ヒラリー・クリントン陣営で働いた。2012年の時には、オバマ陣営のオハイオ州責任者を務め、オバマ政権第2期には、バイデン副大統領の上級アドヴァイザーを務め、後にオバマ大統領の政治アドヴァイザーとなっている。

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グレッグ・シュルツ
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ジェン・オマリー・ディロン

ジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon、1976年―、43歳)は選挙運動のプロである。2000年の大統領選挙で民主党候補だったアル・ゴア陣営で働き、その後も連邦上院議員選挙や大統領選挙で選対スタッフとして働き、経験を積んだ。2008年の大統領選挙ではオバマ陣営で激戦州担当の部長を務めた。その後は民主党全国委員会の上級部長を務め、2012年の大統領選挙では陣営の副責任者を務めた。今回の大統領選挙では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の陣営で責任者として働いていた。

 民主党内におけるアフリカ系アメリカ人の影響力に対抗するためにヒスパニック系がバイデンに対して働きかけを行っている。「自分たちヒスパニック系も入れなければ選挙に勝てない」という半分懇請のような脅しのような訴えである。自分たちの存在感が薄れることを懸念しているから起きる訴えだ。

 バイデン陣営がオマリー・ディロンを責任者に迎えたことは大きい。彼女がオバマ系の人材であることもそうだが、テキサス州内に人脈を広げ(その中には当然ヒスパニック系も多く含まれる)、知識を得たということが大きい。これはバイデン陣営が本選挙でトランプ大統領と対峙する際に、テキサス州とフロリダ州で戦い、このどちらかを奪い取ることでトランプを追い落とすという戦略に合致する動きだ。私は今年の大統領選挙本選挙では、中西部の一州、南部の一州でバイデンが勝利すれば、トランプは負けることになると考えている。そのための戦術として、オマリー・ディロンをバイデンは陣営に迎えた。

(貼り付けはじめ)

バイデンはオローク選対の幹部だった人物を新しい選対責任者に起用(Biden appoints former O'Rourke aide as new campaign manager

タル・アクセルロッド筆

2020年3月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487254-biden-appoints-former-orourke-aide-as-new-campaign-manager

民主党予備選挙において先頭走者の位置を固めているジョー・バイデン前副大統領は、自身の選対本部の新しい責任者としてジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon)を起用した。バイデンは厳しい戦いとなるであろうトランプ大統領との本選挙に向かって準備をし始めた。

オマリー・ディロンの起用は木曜日に『ワシントン・ポスト』紙が最初に報じ、その後にバイデン選対が事実だと認めた。オマリー・ディロンは民主党の選挙対策の分野では有名な人物である。オマリー・ディロンは2012年のオバマ前大統領の再選の選対で副責任者を務めた。また、オバマ政権第一期の4年間では、民主党全国委員会の執行役員を務めた。

最近では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の大統領選挙を手伝ったが、オロークは最終的に選挙戦から撤退した。また、バイデン選対に対しての非公式のアドヴァイザーをしていた。

バイデン選対によって発表された声明の中で、オマリー・ディロンは次のように語った。「バイデンの人格と指導力のもとにまとまっている他の民主党員の多くと同じく、私はこの重要な時期にティームに参加できることに興奮しています。」

オマリー・ディロンは続けて次のように述べている。「バイデン前副大統領は記録的なレヴェルの有権者を投票所に向かわせています。そして、ドナルド・トランプが二期目を迎えないことを確実にするために必要な幅広い連合を形成しています。バイデンを46代目の大統領にする手助けができることは光栄であり、私は仕事を始める準備ができています」。

オマリー・ディロンはアニタ・ダンとグレッグ・シュルツのティームに参加することになる。ダンとシュルツは責任者としてバイデン選対の舵取りをしてきた。

先月のアイオワ州での党員集会での惨敗の後、ダンは選対を立て直した。シュルツはバイデンの出馬の準備に参加し、選対の初期の人事を担当し、代議員獲得に関する戦略を策定した。バイデン選対によると、シュルツは組織に関する計画と献金者と支持者へのアウトリーチといった仕事をこれから行うということだ。

バイデンは次のように語った。「私は、グレッグに対して私たちの選対が今日ある形にしてくれるために指導力を発揮し、献身してくれたことに感謝の意を表します。そして、彼がこれからも私たちの選対と選挙運動に継続して貢献してくれるだろうと確信しています。私はジェンが私たちのティームに彼女の素晴らしい才能と洞察をもたらしてくれるだろうことを楽しみにしています。この秋にドナルド・トランプと戦うための準備するにあたり、ジェンは選対と選挙運動を拡大し、強化させるための財産となってくれるでしょう」。

バイデンは一連の勝利によって11月にトランプと対決する民主党候補者の最有力候補になった。バイデンはサウスカロライナ州で30ポイント近くの差をつけて圧勝し、先週のスーパーチューズデーでは14州のうち10州で勝利し、今週はじめのミシガン州で重要な勝利を収めた。バイデンが連勝を収めたことで、多額の献金が流れ込んできており、全国で選挙事務所を設置することができるようになっている。

トランプ大統領は、数百万ドルの寄付金を使って再選に向けた選対と選挙運動を加速させている。

=====

民主党内のヒスパニック系の人々は、サンダースのラティーノ支持獲得戦略はバイデンにとってのロードマップとなると考えている(Hispanic Democrats see Sanders's Latino strategy as road map for Biden

ラファエル・バーナル筆

2020年3月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487137-hispanic-democrats-see-sanderss-latino-strategy-as-road-map-for-biden

連邦議会ヒスパニック系議員連盟(CHC)所属の議員たちはジョー・バイデン前副大統領に対してバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の成功したアウトリーチ戦略を見習うように主張している。

このような要求は、バイデンがアフリカ系アメリカ人と穏健派、高齢の有権者たちからの支持を受けて南部諸州と中西部諸州で決定的な勝利を収めて民主党予備選挙のトップ走者となった時から出ている。

対して、サンダースはラティーノ系の有権者からの力強い支持を集めている。その結果として、カリフォルニア州とネヴァダ州といった西部諸州で勝利した。

ラティーノ系の人々はサンダース陣営が効果的なアウトリーチ戦略を採用し、選対の最高幹部の中にヒスパニック系の人を置いていることを評価している。そして、こうしたことをバイデンにも真似てもらいたいと考えている。

バイデン支持を表明し、連邦議会ヒスパニック系議員連盟の選挙部門の責任者を務めるトニー・カルデナス連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は次のように述べている。「次のアメリカ大統領、その次、その次、その次を狙う人は誰であっても、投票する権利、どの候補者を支持するかを決めるために情報を知る権利を持つ全てのアメリカ国民を考慮に入れて選挙運動を実施する必要があります。」

カルデナス議員は、サンダース陣営のトップアドヴァイザーであるチャック・ロカに言及しつつ次のように語った。「バーニー・サンダースの選対は、能力の高いラティーノもしくはラティーナを選対の最高幹部に据えた初めての全国レヴェルの選挙組織ということになります。これは選挙運動にとって良い決断となりました。その結果として、バーニー・サンダースはいくつかの州でラティーノ系有権者の支持を受けて良い結果を得ました」。

選挙コンサルタントで、連邦議会ヒスパニック系議員連盟所属の議員たちのためにも働いた経験を持つロカは、サンダース陣営が早い時期から重点州においてラティーノ系有権者の支持獲得のために資源を投入していたことを評価し、そのために予備選挙の初期段階でヴァーモント州選出のサンダース議員が予備選挙でトップに立った事実を強調した。

ロカは本誌に対して次のように述べた。「カルデナス議員は私たちラティーノ系共同体に対して常に政治に関心を持ち、参加するように訴えてきました。私はサンダース陣営の選挙運動に誇りに思っていますが、それはカルデナス議員の訴えに沿ったものだからです。私はただテーブルに座っているだけではなく、人々に会って行動しています」。

ロカの戦略はこれまで長い間ヒスパニック系共同体の指導者たちから出ていた要求に基づいたもので、文化的に有効なヒスパニック系有権者へのメッセージを早い段階から強く打ち出すということだった。ヒスパニック系に関してはこれまでいろいろな選対で軽視されてきた人々であった。

ロカは次のように語っている。「11月にドナルド・トランプを倒すために、十分な資金を投入した、文化的にも有効なラティーノ系の得票獲得作戦を実行する必要があります。民主党が“外に出て投票に行きましょう(GOTV)”作戦を実行する前にラティーノ系への働きかけを始動する必要があるということを私たちは証明したのです。ラティーノは選挙戦で働きかけを待つだけの存在ではなく、自分たちで実際に選挙戦を実行する存在になっていくことでしょう」。

連邦議会ヒスパニック系議員連盟にはカルデナス議員のようなバイデンを支持する穏健派の議員たちがいるし、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のようなサンダースを支持する進歩主義派の議員たちがいる。こうした人々は共にロカの発言内容に同意している。

オカシオ=コルテス議員は次のように語っている。「歴史的に見て、民主党と民主党関連の組織はラティーノ系の有権者たちへのアウトリーチについて苦闘してきましたが、正しくない方法を採用してきました。その結果として、ラティーノ系への政策も良いものを作り出すことに苦労しています。バイデン前副大統領は民主党内部の伝統的な組織に頼り切っています。そして、支持を勝ち取っています」。

オカシオ=コルテス議員は続けて次のように述べた。「しかしながら、このような伝統的な組織に頼っているのが現状です。これは民主党の強さと弱さの慣性ということです。民主党の弱さの一つはラティーノ系有権者へのアウトリーチです」。

バイデン陣営と緊密な関係を持っているカルデナスは、バイデン陣営は既にサンダース陣営と同様の対ラティーノ系有権者戦略を既に実行しているはずだと述べている。

バイデンは、フロリダ州、アリゾナ州、イリノイ州でのラティーノ系アウトリーチに新しい資源を投下している。バイデン陣営内部の議論に詳しいある人物によると、バイデン陣営はこれら各州内のラティーノ系有権者の間でサンダースと競り合えると考えているということだ。

カルデナスは、ヒスパニック系共同体の指導者たちが長年民主党に対して求めてきた、ヒスパニック系への関与戦略を初めて具体化した有力な大統領選挙候補者となったのがサンダースだと述べた。

カルデナスは次のように述べた。「ある有権者グループに働きかけを行わず、その人たちを後回しにし、選挙の投開票日当日前にこれらの人々にほとんど注意を向けなければ、得票率が低くなりますよね。その候補者グループの中で、そんな候補者もしくはその候補者の主張を受け入れる人の割合はおのずと低くなりますよね」。

カルデナスは続けて次のように語った。「私が今述べたことはこの予備選挙で全ての候補者の陣営が予備選挙開始前に行ったことです。そして、本当に働きかけを行って、ラティーノ系の有権者を動員したのは、バーニー・サンダースだけなんですよ」。

バイデンはラティーノ系に対して働きかけを全くやっていないということはない。

バイデン陣営のラティーノに関するアドヴァイザーであるクリストバル・アレックスは「ラティーノ・ヴィクトリー」から採用された。ラティーノ・ヴィクトリーはヒスパニック系の人々の声を吸い上げ主張する、良く知られた進歩主義的な政治組織である。

ラティーノ・ヴィクトリーは今年2月にバイデン支持を発表した。

バイデンはヴァージニア州とサウスカロライナ州でヒスパニック系有権者からの支持を獲得したが、南部諸州でサンダースがバイデンとの差を詰めることができないようになった。

バイデンは火曜日に予備選挙が実施されるフロリダ州で構造上の優位性を持っている。バイデンはフロリダ州でラティーノ系の重要な支持を集めている。フロリダ州は全米で第3位のヒスパニック系の人口を抱えている。

ダレン・ソト連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)は次のように語っている。ソト議員はプエルトリコ系としては初めてのフロリダ州選出の連邦議員である。「フロリダ州ではバイデンはラティーノ系の有権者の支持を掴んでいます。今朝発表された最新の各種世論調査の結果が物語っています。もちろん、フロリダ州には独自の状況があります。ヒスパニック系と言っても5つの異なったグループ分けができるほどですから、これらの動きでフロリダ州の選挙の結果は変わるんですよ」。

スーパーチューズデー後にバイデン支持を表明したソト議員は次のように語っている。「バイデンはヴァージニア州と東部のいくつかの州で良い結果を得ました。そしてヒスパニック系有権者からの投票に関してもそうです。サンダースは南西部諸州のヒスパニック系から多大な支持を得ました。これまでの選挙戦を見ていて、バイデンは東部諸州で勝利を収めることができる上昇気流に乗っています」。

カルデナスはバイデン陣営が予備選挙序盤の段階でヒスパニック系に働きかけを行うだけの資金を持っていなかったが、アフリカ系アメリカ人と郊外に住む白人の有権者たちの支持を得た。その結果として民主党予備選挙でトップに立つことができた。

カルデナスは次のように語った。「バイデン選対はサンダース陣営が行った規模での資源を投入しヒスパニック系有権者からの支援を得るということができませんでした。しかし、スーパーチューズデー後にすぐにバイデン陣営に連絡をしました。そして、選対がつかんでいる内容と知っておくべき内容を聞き、説明しました。全米のラティーノ系の有権者に主張を届けることの重要性とそのための資源を投入すべきだという話をしました」。

カルデナスは「もちろん、バイデン選対がラティーノ共同体、アメリカ全土のラティーノ系の有権者とのコミュニケーションに投資をしていないなどと信じる理由は存在しません」とも語っている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 少し古い記事だが、世論調査の結果、トランプ大統領再選だと考えている人が6割以上に上っているというものを紹介する。先週の世論調査で、調査に答えた人の6割以上がトランプ大統領は再選されると答えたという結果が出たそうだ。共和党支持者の9割、民主党支持でも3分の1がそのように考えているそうだ。
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CBSのウェブサイトから
 民主党予備選挙ではバーニー・サンダースがトップを走っている。2位以下は混戦という状態であるが、いよいよ3月3日のスーパーチューズデーからはマイケル・ブルームバーグが出てくる。2位争いが激化する。エイミー・クロウブシャーは選挙戦からの撤退を考えているだろう。
2020presidentialelectioncbsyougov002

CBSウェブサイトから
 「誰がトランプ大統領を倒せるか?(
Who can beat Trump?)」「誰が大統領選挙で当選可能性があるか?(electability)」ということが焦点となっている。「サンダースやウォーレンのような左派で進歩主義派の候補者では理想論ばかりで現実的ではないので、中道派のバイデンだ」ということが2019年を通して言われていたことだ。しかし、ここにきてサンダースへの支持が高まってきた。これはサンダースの「メディケア・フォ・オール」への関心が高まっていることが影響していると思う。「医療は権利(health care as a human right)」は、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染拡大が続くアメリカでアピールしていると思う。

 それでも多くの人々はトランプ大統領の再選だと思っている。現職大統領が2期目の挑戦に失敗したのは近い例では1992年のジョージ・HW・ブッシュ大統領(共和党、対抗馬はビル・クリントン)と1980年のジミー・カーター大統領(民主党、対抗馬はロナルド・レーガン)である。ブッシュ大統領の時は経済不況、カーター政権の時はイラン人質事件の救出失敗と長期化という大きな原因があった。アメリカ国民の多くは今のところ、トランプ大統領に大きな失政はなかったと考えているようだ。

ただ、新型コロナウイルスのアメリカ国内での感染拡大を受けて、ニューヨーク株式市場が暴落していることはトランプ大統領にとってはマイナスだ。トランプ大統領になって株価が上がった、ということがトランプ大統領の最大の強みだ。トランプ大統領としては、「ウイルスは俺のせいじゃないぞ」と怒っていると思うが、株式市場を何とかしなければならない。しかし、それには多少の時間がある。大統領選挙までは残り8カ月間ある。大統領選挙に近い時期までに何とかすればよい話である。

 新型コロナウイルスの感染拡大は厄介な話だ。新型コロナウイルスに関して医療保険に特例制度を設けるかもしれない。ウイルス封じ込めのためには誰もが最低限の医療を受けられるようにする(医療費を気にして医者に行かないということにさせない)ことは感染拡大を防ぐ方策である。

 サウスカロライナ州での民主党予備選挙の結果については後ほどやります。今のところ、バイデンが圧勝だ。得票率はバイデンが50%強、サンダースが15%強となっている。15%以上の得票率がなければ代議員獲得はできないので、サンダースが15%を守れるかどうかが注目点となる。

(貼り付けはじめ)

世論調査:10人のうち6人以上はトランプが再選されると考えている(More than 6 in 10 expect Trump to be reelected: poll

ジャスティン・コールマン筆

2020年2月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/484268-more-than-6-in-10-expect-trump-to-be-reelected-poll

日曜日に発表された最新の世論調査で、10人のうち6名以上の人々が、トランプ大統領が再選されると答えたという結果が出た。

CBSYouGovの世論調査によると、有権者の65%が「トランプ大統領は“確実に”もしくは“高い確率で”2020年の大統領選挙で勝利を収める」と答え、35%が「トランプ大統領は“確実に”もしくは“高い確率で”勝利できない」と答えた。

共和党員や共和党支持の有権者で見ると10名のうち9名以上はトランプが大統領職を続けることに確信を持ち、民主党員や民主党支持の有権者で見ると3分の1がこの考えに同意している。

世論調査に答えた民主党支持の有権者のうち、誰に投票するかを決めたと答えたのは4w%に過ぎず、有権者の10名のうち6名が民主党の指名候補が誰になるかもしくはトランプ大統領が翌年に何をやるかといったことに自分の投票行動が影響を受けないと答えた。

トランプ大統領と民主党予備選挙の有力候補6名それぞれとの一対一の架空の戦いの結果を見るといずれも接戦で、民主党予備選挙の立候補者たちと大統領との間のそれぞれの戦いでの差は3ポイント以上つかなかった。

しかし、「民主党のこの人ならトランプを倒せる」と考えると考える有権者の割合で25%以上の数字を獲得した民主党予備選挙の候補者は誰もいなかった。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は最も高い数字を獲得した。27%がサンダースはトランプを倒せると考えていると答えた。

民主党支持の有権者だけで見ると、49%がジョー・バイデン前副大統領はトランプ大統領を倒せると答え、46%がサンダースはトランプを倒せると答えた。両者に続いて、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグはトランプ大統領を倒せると答えたのはそれぞれ36%だった。

今回のCBSYouGovの世論調査は2020年2月20日から22日にかけて、有権者登録済の10000名を対象に実施された。そのうち民主党員もしくは民主党支持と答えたのは6498名だった。誤差は1.2ポイントだ。民主党予備選挙に参加する有権者の間での誤差は1.7ポイントだ。

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世論調査:2020年民主党予備選挙でサンダースが支持率28%でトップ、ウォーレンとバイデンが続く(Poll: Sanders leads 2020 Democratic field with 28 percent, followed by Warren and Biden

ザック・バドリク筆

2020年2月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/484271-poll-sanders-leads-2020-democratic-field-with-28-percent-followed-by

日曜日に発表されたCBSYouGovの世論調査で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は民主党予備選挙でトップに立ち、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が先週の討論会の力強いパフォーマンスを受けて2位に浮上した。

サンダースは支持率28%でトップとなった。続くウォーレンは19%だった。ジョー・バイデン前副大統領は17%、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグは13%だった。インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)はそれぞれ10%と5%だった。

世論調査に答えた人の50%が先週のラスヴェガスでの討論会で最も印象に残ったのはウォーレンだったと答えた。討論会でウォーレンはブルームバーグの性的な発言の歴史を攻撃した。先週の討論会はブルームバーグが参加条件をクリアして参加した最初のものであった。

今回の世論調査はまた、各候補者とトランプ大統領の一対一の架空の戦いについての調査も行われた。サンダースが最も良い結果を出した。サンダースは47%対44パーセントでリードした。バイデンは47%対45%、ウォーレンは46%対45%だった。ブティジェッジ対トランプは44%対44%でタイ、クロウブシャーの場合はトランプ大統領が45%対44%でリード、ブルームバークの場合は45%対42%でリードという結果だった。

しかしながら、有権者の65%はトランプ大統領が再選されるだろうと答えている。

今回の世論調査は2020年2月20日から22日にかけて1万人を対象に実施された。その中には民主党予備選挙に参加予定の民主党支持と無党派の有権者が含まれている。1万人対象の世論調査の誤差は1.2ポイントであり、民主党予備選挙参加予定の有権者対象の世論調査の誤差は1.7ポイントである。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 2020年2月22日に実施されたアメリカ大統領選挙民主党予備選挙・ネヴァダ州党員集会の結果はバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が圧勝という結果が出た。まだ最終結果が出ていないので、獲得代議員数は確定していない。2位にはジョー・バイデン前副大統領が入りそうだが、得票率ではサンダースの半分にも届かない状況だ。それでも持ち直したという評価になっているというのは、2019年を通じて隠し世論調査でトップを走ってきた候補者としては何とも情けない話だ。
berniesanders171

 サンダースの大躍進を苦々しく思っているのは、ドナルド・トランプ大統領や共和党側ではなく、民主党内の反サンダースの人々だ。民主党エスタブリッシュメント派と呼ばれる主流派の人々だ。

 2020年2月21日に『ワシントン・ポスト』紙が、アメリカ政府の情報機関が、2020年のアメリカ大統領選挙に介入するために、ドナルド・トランプ大統領とバーニー・サンダースを支援している、選挙介入をしている、と報じた。アメリカ大統領選挙の結果を、アメリカの有権者の考えではなく、ロシアの意向によって決められるなどということは、アメリカ国家の正当性の根幹を揺るがす大事件だ。

 ここで重要なのは、報道でサンダースの名前が挙がった点だ。「サンダースの大躍進の裏にはロシアの存在がある」と読み取る人も出てくるだろう。この報道は、トランプ大統領に対する攻撃であると同時に、サンダースへの攻撃ということになる。

 この報道に関しては、サンダースは、ロシアが選挙に介入しようとしているという情報を伝達されたことは認めたが、ロシアに対して「アメリカの選挙に手を触れようとするな」という警告を発した。

 アメリカはこれまで世界各国の選挙に介入したり、クーデターに関与したりしてきた。日本についても、自民党に選挙資金を提供したり、労働組合を懐柔したりすることで、安定的な一党支配体制を構築した。このことについては拙著『アメリカ政治の秘密』をお読みいただきたい。

 下の記事によると、サンダースはロシアの選挙介入に関する報道が出た後、それがワシントン・ポスト紙の報道だと知り、「good friends(本当に仲の良い友人たち)」と嫌味たっぷりに言い捨てたそうだ。これは、「ああ、なるほど、民主党内の私に反対する勢力が書かせたな、仲の良いワシントン・ポストを使ったな」というだ。そして、その後に、ロシアからの選挙介入を非難しつつ、民主・共和両党のエスタブリッシュメント派を名指しし、「あなたたちもロシア人と同じく、私たちを止めることはできない」とツイッター上で宣言した。
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 下の記事の著者クリス・シリーザは私の尊敬するアメリカの政治記者だが、彼は一連の動きに敏感に反応して、これはサンダースによる「宣戦布告」だと書いている。民主党内部の争いについてはこのブログでも何度も紹介しているが、私はシナリオによっては分裂もあると考える。象徴的な言葉を使えば、「オバマの党」と「サンダースの党」に分裂することになると考えている。世界中どこでもそうだが、急速な変化を望む人々(革命を求める人々をしておく)と漸進的な変化を望む人々(改良を求める人々としておく)がどうしても対立してしまう。

 今のアメリカは若者たち、ミレニアル世代(20代中盤くらいから30代後半くらいまで)とZ世代(18歳から20代中盤くらいまで)には、「自分たちは親や祖父母たちに比べて経済的、社会的に恵まれていない」「上の世代が決めた戦争の最前線に放り込まれるのは若い私たちだ」「アメリカの現制度はおかしいところが多い」という意識が強い。その現状への不満をうまく掬い取ったのがバーニー・サンダースだ。彼は1980年代から主要な主張は一切変わっていない。それを若者たちが「発見」したのだ。

 一方、1990年代に若者で今や中年になったX世代(現在の40歳から上くらい)は上の世代と同じく、穏健になっている。私もこの世代に属するが(日本で言えば団塊ジュニア世代となる)、1994年にアメリカ映画「リアリティ・バイツ」という映画が公開された。私は、主演の女優ウイノナ・ライダーに憧れたものだが、若者たちの日常の苦しさを描いた映画で、X世代を象徴する映画と当時言われた。「リアリティ・バイツ(Reality bites)」とは「日常が噛みついてくる」という意味だ。X世代はあれから25年経って、現実に噛み千切られて、すっかり丸くなった。世論調査を見ても、ジョー・バイデン支持の割合が高い。「何とかしようと思っても無駄さ、現実はとても厳しいものさ」という諦観があるのだと思う。民主党支持層には世代間の亀裂がある。大まかに言えば、若い人たちはサンダース支持、X世代から上は中道派ということになる。

 民主党は分裂への動きも含みながら大統領選挙予備選挙を進めていくことになる。繰り返しになるが、予備選挙の結果次第では、民主党は分裂するのではないかと私考えている。私が考える最悪のシナリオは、6月までの民主党予備選挙で宣誓済み代い議員獲得数でサンダースが1位になるが過半数には至らない、そこで7月の民主党全国大会の代議員による党の指名候補選挙で1回目の投票では誰も過半数を得ることができず、2回目の投票ということになり、特別代議員も参加しての選挙で、サンダース以外の候補者が過半数を獲得して党の指名候補となり、それに憤激したサンダース支持者たちが暴れるというものだ。

 民主党にとってはサンダースがすんなりと宣誓済み代議員の過半数を獲得して民主党全国大会に進んで、1回目の投票でサンダースが党の指名候補になる方がまだ分裂の危険は少ないと思う。エスタブリッシュメント派も渋々従うだろうし、どうせサンダースでは選挙に勝てない、勝てなければ、「だから左に寄り過ぎては駄目なんだ」と言って、左派を追い出すか、おとなしくさせることができる。

 サンダースでは本選挙でトランプ大統領に勝てないというのは、よほどの失政がない限り、現職が有利ということもあるが、選挙の帰趨を決める重要な州であるフロリダ州で勝てないということもあるからだ。フロリダ州は2000年以降、勝利した側が全て取っている。フロリダ州の特徴は、成功して優雅な引退生活を送るために引っ越してきた老人たちが多いこと、キューバ革命の際にキューバから亡命してきた人々とその子孫が多く、反共意識が強いことがある。「社会主義」という言葉には反感を持つ。「資本主義自由市場経済」の勝利者であるアメリカで生まれ育ち、成功した人たちと、革命から逃れてきた人々、どちらもサンダースを支持する人たちは少ない。もちろん、これからのサンダースの選挙運動次第であるが、現在のところ、ひっくり返すところまで至っていない。また、中西部の五大湖周辺州では、共和党優位のインディアナ州と民主党優位のイリノイ州を除く、ペンシルヴァニア州(厳密には中西部には属さないが)、オハイオ州、ミシガン州、ウィスコンシン州の動向が重油だ。これらの州で勝利を収めねば、大統領への当選もない。今のところ、サンダースが固めているということもないようだ。こうしたことから、現在のところ、トランプ大統領の再選の可能性は高いということになる。

 民主党が勝手に内部闘争をしてくれている分には、トランプ大統領も「どうぞどうぞ好きなだけおやんなさい」ということになり、時々ちょっかいを出して、火に油を注ぐようなことをやればよい、高みの見物ということになる。

(貼り付けはじめ)

バーニー・サンダースが遂に民主党エスタブリッシュメント派に対して宣戦布告(Bernie Sanders just declared war on the Democratic establishment

クリス・シリーザ(CNN編集委員)筆Chris Cillizza

2020年2月22日

CNN

https://edition.cnn.com/2020/02/22/politics/bernie-sanders-2020/index.html

CNN発。金曜日の夜、バーニー・サンダースはこれまでの長年にわたる民主党エスタブリッシュメント派との戦いを公の場に暴露した。2020年の大統領選挙民主党予備選挙でのサンダースの勝利にロシアが貢献しようとしているというニュースが報じられて数時間後でありネヴァダ州での民主党党員集会の数時間前に、サンダースはツイートをしてエスタブリッシュメント派との戦いを宣言した。

金曜日の夜、サンダースはツイッターに次のように投稿(ツイート)した。「共和党エスタブリッシュメント派の皆さんへのニュースが入りました。民主党エスタブリッシュメント派の皆さんにもニュースがあります。そのニュースとは、彼ら(ロシア人)は私を止められない、というものです」。

なんてこった!

このツイートのタイミングは決して偶然ではないと思われる。

『ワシントン・ポスト』紙は金曜日午後、その支援がどれだけ明らかなのかは不明としながらも、サンダース選対はロシアがサンダースの勝利のために動いているというブリーフィングを受けたと報じた。

同日、サンダースは1カ月前にロシアの試みについて情報提供を受けたことを認めた。サンダースは次のように述べた。「ロシア、そしておそらく他の国々が、今回の大統領選挙に関与しようとしているという情報が私たちに伝えられました。私はロシアに対してメッセージを送ります。アメリカ国内のいかなる選挙にも手を出すな」。

サンダースは金曜日の夜のツイートの前に、選挙戦を取材している記者団に対して、ワシントン・ポスト紙の報道のタイミングには何かの意図があるのではないかという疑いを持っていると語った。彼はネヴァダ州の党員集会の直前だったことを指摘し、どのメディアが報じたのかと質問した。ワシントン・ポスト紙が報じたと知らされると、皮肉たっぷりに「誰かさんたちの素晴らしい友人たちだね」と言い残した。

その後、サンダースの広報担当マイク・キャスカはツイートの中で、トランプ政権の差し金を示唆した。キャスカは次のようにツイートした。「もしこのリークがバーニーを傷つけることを意図しないものだったなら、誰からも関心も集めることはなかっただろう。トランプ大統領が本選挙でバーニーと対決することに関して神経質になっているのは明らかだ」。

そして、サンダースは前述のようなツイートをした。これは明らかに、民主・共和両党のエスタブリッシュメント派と戦争状態にあるとサンダース自身が考えていることを明確にするものだった。予想通り、サンダースのツイートに対しては、多くの否定的な反応が、いわゆる党のエスタブリッシュメントから寄せられた。

長年にわたり民主党のストラティジストを務めているジョー・ロックハートは「民衆党のエスタブリッシュメント派は私たちに公民権、参政権、重火器所持の禁止、社会保障とメディケアを与えてくれました」とツイートし、更に「議員、あなたはこれまでにいったい何を成し遂げましたか?」と投降した。

サンダースの大統領選挙出馬に関する限り、今回だけではなく2016年の時もそうだったが、民主党エスタブリッシュメント派と、サンダース、サンダース選対、支持者たちとの間は戦争状態にあることは公言されていなかったが明らかだった。

2016年のアメリカ大統領選挙民主党予備選挙は憎悪を深めただけに終わった。民主党全国委員会からハッキングされて暴露されたEメールによって、民主党全国委員会の複数のスタッフがヒラリー・クリントンに有利になるように不正を働いていたことが明らかになった。最終的にサンダースはヒラリー・クリントン支持を表明したが、選挙戦を通じて生じた悪感情は消え去ることはなかった。

今年公開されたドキュメンタリー映画の中でヒラリー・クリントンはサンダースについて次のように語った。「彼を好きな人間なんていません。誰も彼と一緒に働きたいと思いません。彼はこれまでに何も成し遂げたことがないんですよ。彼は職業政治家で、他の仕事をしたことがありません。彼の話す内容は馬鹿げたことばかりで、それに引き込まれてしまう人たちのことをかわいそうに思います」。

サンダースは今年1月、ヒラリーからの攻撃をことさら軽いものとして扱おうとした。しかし、彼は自分自身の中に怒りを貯めこみ続けているのは明らかだ。

そして、物事が更に悪くなったのは運営がうまくいかなかったアイオワ州での党員集会時であった。投票集計が絶望的に遅くなったが、それよりもサンダースにとって良くなかったのは、一般得票数ではサンダースが勝利を得ながら、代議員獲得数ではインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジが勝利を収め、結果に分裂があったことだ。こうした結果によって、サンダース自身と彼の支持者たちの脳裏には何かのたくらみが進行しているという考えが浮かんだ。彼らは何が進行しているのか、その裏に何があるのかを明確に分かっていなかったし、現在も分かっていない。しかし、何が確かにあるのだということは確信を持っている。だからサンダースは民主党に頼らずに自力で選挙組織を作り、選挙運動を展開しているのだ。確かに、サンダースは民主党エスタブリッシュメント派に反対する組織を作り上げているのだ。

明確にしておきたい。サンダースの行動も発言も間違っているということではない!長きにわたって民主党に属している政治のプロたちで、民主社会主義者を自認する人物を民主党の大統領選挙本選挙候補者に指名することで民主党が秋の選挙で大敗を喫することになると考えている人たちは本当にたくさんいる。

大統領選挙民主党予備選挙を戦っているサンダースのライヴァルたちはサンダースと民主党との間の薄い関係を問題にしようとしている。ブティジェッジは水曜日の夜にラスヴェガスで開催された討論会で「本当に民主党に属している人物を前に出すようにしましょうよ」と述べた。

金曜日の夜にサンダースが発信したツイートによって、今回の予備選挙を動かしている大きな構造と動きがより明らかになった。戦いの中心にはサンダースがいて、民主党エスタブリッシュメント派とサンダースはどちらが生き残るかの戦いをしている。これが全てだ。サンダースは既に発言し、宣戦布告をしている。民主党エスタブリッシュメント派はサンダースからの攻撃に対して、反撃し、勝利することができるだろうか?

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
donaldtrumponkillingofsuleimani001

 年末年始はイラン革命防衛隊のカシーム・スレイマニ殺害によってイラン、中東情勢がどうなるかということで大きな不安が起きたが、現在は小康状態となっている。スレイマニはこれまで様々なテロ事件や攻撃に関わったとして、スレイマニ殺害を評価する主張がある一方で、中東情勢を不安定化するような決断を下したドナルド・トランプ大統領の安易な姿勢に対する批判も存在する。
funeralofsuleimani001

 アメリカもイランも全面戦争に突入することを避けたいという思惑は一致しているので、即座に戦争ということにはならなかったが、それでも何が起きるか分からない、不測の事態で開戦まで突き進むということは考えられた。第一次世界大戦は一発の銃声から始まったということを考えると、「悪い奴だから殺して当然」というのは単純すぎる主張である。

 少し古い記事になるが、アメリカ国民はイランとの戦争を望んでいない、ということを示す記事をここで紹介したい。著者はメリーランド大学教授で、2019年9月にトランプ政権の対イラン政策についての世論調査を実施した。ここで示された数字はどれも、アメリカがイランとの緊張関係を深刻化させるべきではない、戦争にまで進むべきではないというアメリカ国民の考えを浮き彫りにするものだ。

 そもそもトランプ大統領はアメリカの対外戦争には反対、アメリカが世界中に展開している状況に反対ということで当選した大統領だ。「アイソレーショニズム(Isolationism、国内問題解決優先主義)」「アメリカ・ファースト(America First、アメリカ国民の生活が第一)」という言葉は日本でも広く知られることになった。また、2020年は大統領選挙の年であり、トランプ大統領は再選を目指している。アメリカ国民の意向には特に敏感にならざるを得ない時期である。

そのような大統領の下で、戦争を起こすような出来事が起きるというのはおかしいということになる。「火遊び」にしてはその危険性はあまりにも大きい。ウクライナ疑惑から起きた弾劾から目を逸らさせるということも理由としてあっただろうが、連邦上院で否決される公算は高いので、そこまでする必要があるのかということになる。政権内のマイク・ペンス副大統領やマイク・ポンぺオ国務長官の差し金ということは大いに考えられる。危険な対外戦争を推進するというネオコン勢力がトランプ政権内にもかなり入っているのだろう。今回の件もこうした人々が絡んでのことだろう。
mikepompeo001

 トランプ大統領が自身の発言と矛盾するようなことを決定したというのは、大統領職の厳しさを浮き彫りにするものだと私は考える。大統領の周りには自分よりも頭が切れて、弁も立つ人物たちが揃っている。こうした人々が話す内容を全て理解することはできない。そして、大統領を説得して自分たちの望む政策をやらせようとしてくる。そのためにあらゆる権謀術数を駆使し、手練手管を繰り出してくる。それにフラフラっと乗せられてしまうということはどんな大統領にも起きることだろう。トランプ大統領が特別に弱いと彼以外だということはない。

 話は逸れてしまったが、トランプ大統領が上京を何とかコントロールできる範囲に収め、イラン側も復讐を「予告して」行うという抑制的な行動に出た。しかし、両国の最高首脳たちが全面戦争を望まなくても、全面戦争を望む勢力がどちらの側にもいるということを考えると、不測の出来事でどうなるかは分からない。事態の推移を注視しなくてはいけない。

(貼り付けはじめ)

アメリカ国民は現在もイランとの戦争を望んでいない(The U.S. Public Still Doesn’t Want War With Iran

―最新の世論調査のデータによると、アメリカ国民の過半数は、イランとの緊張関係を高める対イラン政策を批判している、スレイマニ殺害が起きてもそれは変化しないだろう

シブレイ・テルハミ筆

2020年1月3日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2020/01/03/killing-suleimani-iran-tension-trump-fault/

中東地域での戦争を嫌悪していると明言しているある大統領がイランのカシーム・スレイマニ将軍の殺害を命じた。ドナルド・トランプ米大統領はイランとの争いが軍事衝突に突き進むように政策を進めているが、その坂道を更に転げ落ちていくかもしれない。確かなことは、トランプ大統領がアメリカ国民に対してスレイマニがアメリカ国民の流血の原因になっていたと説得することは容易なことだ。しかし、説得を受けたからと言って、アメリカ国民はアメリカが戦争に進むことがアメリカの国益に最も適うと考えるようになるとは意味しない。

2019年9月にメリーランド大学が全国規模で世論調査を実施した。調査対象者は3016名だった。この世論調査の結果が示しているのはイランとの危機がエスカレートする中でトランプ大統領がアメリカ国民の意見とは異なることをして苦境に直面しているということだ。世論調査の結果には3つの特徴が出ている。共和党員と共和党支持者の過半数を含むアメリカ国民の4分の3がイランとの戦争は正当性がないであろうと答えている。多くの人々はトランプ政権がイランとの緊張を高めていることを非難し、トランプ政権の対イラン政策を認めていない。アメリカ国民はトランプのイランに関する目的を評価することについて分裂している。

アメリカ国民の大部分は、アメリカの国益がイランとの戦争を正当化するとは考えてない。世論調査に答えた人々の5分の1だけがアメリカはイランに関する目的を達成するために「戦争の準備をすべきだ」と答えたのに対し、4分の3がアメリカの目的は戦争を正当化しないと答えた。共和党員と共和党支持者の内、34%だけがアメリカの国益を守るために戦争を選択肢に入れるべきだと答えた。

●この中であなたの考えにより近いのはどれですか?

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2019年9月まで

出典:メリーランド大学

トランプ大統領にとってさらに懸念材料となるのは、世論調査の約半分が2019年9月14日より前に実施されたということだ。この日、サウジアラビアの油田地帯へ軍事攻撃が実施された。この攻撃についてアメリカはイランが攻撃を実施したと非難した。世論調査の残り半分はこうした事態を受けての国民の反応を示す稀有な機会になるこの攻撃はアメリカの国民の姿勢に対して影響を与えることはなかった。アメリカ国民の4分の3が開戦という選択肢は正当化されないと言い続けている。最近起きたイラク国内のアメリカ大使館への攻撃とスレイマニ殺害もまた同じ結果を生み出すことになるだろう。

●この中であなたの考えに近いのはどれですか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

メリーランド大学が2019年10月に実施した世論調査は、イランとの危機について4つの説明ができることを示している。イランの現政権の性質、イエメンでの戦争、2015年のイランとの核開発をめぐる合意の放棄、石油輸出を含むイランに対する新たな経済制裁である。これらの要素について調査対象者にランク付けするように問われた後、それぞれの説明の重要性は個別に証明されている。最も支持が少ない要素はイエメンでの戦争は5%がこれを原因に挙げている。イランの現政権の性質を原因に挙げているのは22%が理由に挙げている。69%はトランプ政権の政策を支持していない。イランとの合意の廃棄と新たに経済制裁を科すことへの賛成はそれぞれ35%、34%だ。重要なことは、共和党員の60%が危機の原因はトランプ政権の行動だと答えている。

●ペルシア湾における緊張関係について最も良く説明しているのはどれだと思いますか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

サウジアラビアの油田への攻撃前、トランプ政権のイラン政策への反対は51%だったが、攻撃後は57%に上昇している。アメリカ国民の開戦に対しての忌避とトランプ大統領の政策がペルシア湾岸地域の緊張関係の深刻化の原因だと考えていることを考慮すると、最近の一連の出来事についても同様の結果が出るだろうと考えられる。

●アメリカ政府のイランへの対処の方法について支持しますか、不支持ですか?

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2019年9月現在

出典:メリーランド大学

トランプ政権の対イラン政策の目的について評価すると次のようになる。30%(共和党員の53%)がイランの核兵器開発の阻止を挙げている。28%(共和党員の45%)がバラク・オバマ前米大統領の政策に戻すことを挙げている。9%がトランプ大統領はアメリカ国内で「強い大統領だ」と見られたいと考えている。そして、7%が中東地域のアメリカ同盟諸国を喜ばせるもしくはイランの態度を変化させるということを挙げている。

共和党員たちがトランプの対イラン政策の目的として望んでいるのはイランの核兵器開発の阻止だ。これはトランプ大統領にとって頭の痛い問題となるだろう。それは、ここ数カ月でイランが核開発プログラムを促進し、スレイマニ殺害の後に更に急速に促進することになるだろうからである。

●現在のトランプ政権の対イラン政策において最も重要な目的にすべき選択肢は何だと考えますか?

uofmarylandpollsoniran2019005

2019年9月現在

出典:メリーランド大学

この世論調査が示しているのは、スレイマニ殺害を受けてのアメリカとイランとの間の緊張関係の悪化は、トランプ大統領のアメリカ国民からの支持率を試すものとなるだろうということだ。もちろん、トランプ大統領は状況をコントロールする卓越した能力を持っていることを示している。特に彼の支持者たちの間ではそのように考えられている。トランプ大統領は自分の考えに同調する人たちを獲得することができるだろう。しかし、アメリカ国民の戦争に対する懸念は現実的なものだ。イランとの衝突によって流されるアメリカ国民の血というコストもまた現実的なものだ。トランプ大統領が政権前半で行ったイランとの合意の破棄と経済制裁の強化は結果として二国間の関係を断絶寸前に追い込む理由となったと民主党員も共和党員も考えている。トランプ大統領の政策がアメリカとイランとの対立を深刻化させると見られると、彼は国民からのより大きな反対に直面するようになるだろう。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 2020年の一般教書演説(State of the Union Address)はないような大したものは何もなかったが演説外では大変見どころの多いものとなった。ドナルド・トランプ大統領は翌日に連邦上院で弾劾についての評決が行われ、無罪評決となる可能性が高い中で、一般教書演説を行った。演説の中で弾劾について触れるか注目されたが、触れなかった。
2020stateoftheunionaddressdonaldtrump

 トランプ大統領は、昨年弾劾の調査を開始した連邦下院議会の議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)に対しては徹頭徹尾無視する態度に出た。大統領は演壇に進み、後ろの議長席に座るマイク・ペンス副大統領とペロシ下院議長に演説原稿を渡した。ペロシ議長はその際に手を差し伸べて握手しようとしたが、トランプ大統領は完全に無視した。ペロシ議長は笑顔ではあったが目を丸くし、驚愕の態度であった。

 その後も演説でトランプ大統領が自身の業績を誇り、議場で共和党側から大きな拍手を受ける時も首を振り、不同意の態度を示した。

 そして、演説が終わり、トランプ大統領がペロシ議長を無視して演壇から降りる際、笑顔で演説原稿を真っ二つに引き裂いた。演説中も民主党側からの抗議の声が出されることもあった。

 「State of the Union」の「Union」はアメリカという各州が集まって作っている国、まとまりの意味で、その状況を行政府の長である大統領が立法府である議会に説明する、ということだ。三権分立で等しく権力を持つ司法部からは連邦最高裁判所判事たちが出席する。この「Union」という言葉が虚しく響く一般教書演説となった。トランプ大統領は自身の選挙戦のためのサプライズをいくつも用意し、全米中継の中で得放映された。テレビ番組で何回も紹介されることになる。これで大統領を強固に支持する有権者を固めることができた。民主党予備選挙で集計に不手際があったこともあり、これもうまく利用できる形となった。

しかし、まとまりや団結を強調すればするほど、虚しく響くだけのこととなってしまった。連邦上院で弾劾に関する無罪評決が出た後の演説でもトランプ節が炸裂するだろう。これでアメリカの分裂を益々印象付けることになる。

 

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領による緊張を高めた一般教書演説の5つの特徴(Five takeaways from Trump's tense State of the Union address

ブレット・サミュエルズ、モーガン・チャルファント筆

2020年2月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/481555-five-takeaways-from-trumps-tense-state-of-the-union-address?__twitter_impression=true

党派間の激しい争いの中で一般教書演説が行われた。また、共和党が過半数を占める連邦上院における弾劾裁判でトランプ大統領に無罪評決を行われるであろうという時刻の24時間以内に演説が行われたことになる。

一般教書演説は、弾劾訴追に関する共和党が過半数を占める連邦上院で無罪判決が出る可能性が高い日の前日に行われた。

ここで5つの特徴を書いていく。

(1)トランプ・ペロシの緊張関係再び激化(Trump-Pelosi tensions boil over again

今回の一般教書演説は、昨年の10月に不調に終わったホワイトハウスでの会談以来、初めてトランプ大統領とペロシ連邦下院議長が同じ部屋にいる機会となった。10月の会談の後、ペロシ議長がそそくさと外に出て、トランプ大統領はペロシ議長を「三流」の政治家だとこき下ろした。

火曜日の夜、物事は改善しなかった。

トランプ大統領が登壇し、演説原稿をペロシ議長に渡した際、議長は大統領に手を差し伸べ握手をしようとした。しかし、大統領はペロシ議長の行為を無視したように見えた。演説が続く中、ペロシ議長は大統領に目を向けることはなかった。また、大統領が演説の中で健康保険制度と社会保障について話した際には、「ノー」を示すように頭を振った。

トランプ大統領が演説を終えた後、ペロシ議長は演説原稿を真っ二つに引き裂き、注目を集める瞬間を作った。

ペロシ議長は演説の後、記者団に対して、「選択肢を検討した上で行った礼儀にかなった行動です」と述べた。

トランプ大統領がペロシ議長の握手を無視したこと、ペロシ議長が演説原稿を破ったことという2つの場面は、水曜日にトランプへの無罪評決が連邦上院で行われようとしている中でケーブルテレビのニュースで繰り返されることになるだろう。

これら2つの場面は2020年が酷い年になるであろうという雰囲気を作り出すものだった。

(2)連邦議場は党派対立に包まれた―トランプ時代になっても(The chamber was polarized — even for the Trump era

連邦議場において演説の中で共和党側によるスタンディング・オヴェイションが何度も起きた。しかし、民主党側はトランプ大統領の演説時間のほとんどで嫌悪を示した。

そのような行動は一般教書演説ではそこまで珍しいことではない。しかし、この火曜日の一般教書演説では、民主党側はトランプ大統領に対しての否定的な感情を強く示したのは今回の演説が特異であった。

トランプ大統領は演説の中で低い失業率とアフリカ系アメリカ人の間での歴史的に見て低い失業率を自画自賛した。この時でも民主党側は椅子に座ったままだった。

大統領が数百万のアメリカ国民がフードスタンプを必要としなくなったと述べた時には民主党側からはブーイングが出た。大統領が処方薬の薬価を引き下げる法律の必要性を訴えた時、民主党側からは処方薬の薬価に関してペロシ議長が署名した法案である「HR3」を叫ぶ声が上がった。

トランプ大統領は、「急進左派」と「社会主義的」医療制度政策を批判し、不法移民を守る聖域都市(sanctuary cities)の拡大を非難することで厳しい雰囲気を議場にもたらした。

火曜日の夜を特徴づけることになった党派対立から、議場のギャラリー、招待者席も免れることはできなかった。2018年に学校内の銃撃事件で娘を亡くしたフレッド・ガッテンバーグはペロシ議長からの招待を受けてギャラリーにいた。ガッテンバーグは、トランプ大統領が銃保有の権利を守ると公言した際に抗議のために叫び声を上げたために議場から連れ出された。

(3)本領を発揮したトランプ大統領(Trump in his element

トランプ大統領は連邦議会に対する90分間の演説の間でメッセージを発信した。トランプ大統領は自身の政権下での経済、安全保障、移民政策を強調し、自分自身をアメリカの労働者と家族の擁護者だと定義した。

トランプ大統領は様々な方法で選挙戦での集会での発言内容を演説の中で繰り返した。民主党側からの批判はそこまで大きなものではなかった。トランプ大統領はまともだった演説の最初の部分で経済成長と低失業率、特にアフリカ系アメリカ人共同体の低失業率を強調した。

トランプ大統領は演説の最初で次のように述べた。「アメリカの敵は逃亡している。アメリカの幸運は上り調子であり、アメリカの将来は光り輝いている。経済後退の年月は終わった。私が決めていることは、労働者優先、家族優先、成長優先、何よりもアメリカ優先だ」。

トランプの発言は議場で共和党側の座る部分から賞賛され、演説中に弾劾について触れることは避けるようにと主張した共和党側はトランプ大統領の演説に満足した。トランプ大統領の一般教書演説は、2020年という選挙の年に入るにあたり共和党に勢いをつけるものとなった。

(4)トランプの「リアリティショー」だった一般教書演説(Trump’s reality show State of the Union

トランプ大統領はかつてリアリティーテレビ番組の司会者だったことがある。火曜日夜の演説の中で、大統領は彼らしさと司会者らしさを十分に示した。トランプ大統領はテレビが取り上げやすい場面をいくつも作った。

トランプ大統領は保守派のラジオ番組司会者ラッシュ・リンボウの業績を讃えた。リンボウは進行した肺癌と診断され、ホワイトハウスの招待客リストに遅れて加えられた。トランプ大統領は演説の中で、リンボウに大統領自由勲章を授与すると発表し、メラニア・トランプ大統領夫人が勲章をリンボウの首にかけた。

トランプ大統領は演説の中でタウンゼント・ウィリアムズ軍曹の家族に触れた。ウィリアム軍曹はアフガニスタンに派遣されて11か月が経過していた。トランプ大統領はウィリアムズ軍曹の妻と子供たちにサプライズをプレゼントした。大統領は軍曹が帰国し、家族に会うために議場に来ていると発表した。家族は再会を果たし、議場は「USA!」コールに包まれた。

学校選択法制について進めると強調する中で、トランプ大統領はフィラデルフィアに住む小学4年生ジャニア・デイヴィスに「オポチュニティ・スカラシップ」を与えると発表した。これによってジャニアは自分が選ぶ公立学校か私立学校に通えるようになる。

派手な身振りはトランプ大統領特有のもので、マスコミがトップで報じるようなものを作り出すものであった。しかし、同時に刺刺しい雰囲気を和らげるものでもあった。

(5)トランプ大統領は弾劾については別の日に取っておくことにした(Trump leaves impeachment for another day

トランプ大統領の長かった演説では事前にもそしてアドリブ的にも最大の関心事について触れられることはなかった。関心事とは弾劾と共和党が過半数を握る連邦上院で無罪評決が出る見通しについてであった。

ペロシ下院議長が弾劾に関する調査を行うと発表してからの4カ月、トランプ大統領はこれまで選挙集会や公式行事の場において、頻繁に連邦下院民主党が弾劾の調査を行ったことについて非難してきた。そのトランプ大統領が演説の中で弾劾について触れなかったのは驚きであった。

共和党内部には、トランプ大統領が連邦上院で無罪評決を受ける前に、事前の勝利宣言として一般教書演説を使うのではないかと懸念を持つ人々もいた。

共和党所属の連邦議員たちの多くは一般教書演説が近づく数日間は弾劾に集中すべきではないと主張していた。また、大統領に対して演説においては自身の業績を強調するように求めていた。

トランプ大統領は水曜日の午後に連邦上院で弾劾に関する判決の投票がなされた後で演説を行うと見られている。どのような判決になりどのような演説になるかはは明確ではない。

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