古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ドナルド・トランプ大統領

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙は来年11月3日が本選挙の投開票日だ。約1年を残すのみとなった。共和党では現職のドナルド・トランプ大統領が2期目を目指して出馬している。民主党ではこのブログでもしつこいくらいに追いかけているが、ジョー・バイデン前副大統領とエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が争っている。来年2月3日から予備選挙(党員集会と予備選挙)が始まり、3月3日に多くの州で予備選挙が実施されるスーパーチューズデーがあり、7月には全国党大会があり、候補者が決まる。

 「トランプ大統領が再選されるのか、はたまた民主党がホワイトハウスを取り返すのか」ということが最大の関心事である。これまでの大統領選挙を見れば、現職大統領が敗れるということは少なかった。最近の例で言えば1992年の大統領選挙で、共和党のジョージ・HW・ブッシュが民主党のビル・クリントンに敗れたということがあった。この時はブッシュの支持率はもともと高かったのだが、経済指標が悪化したことで人気が下落してしまった。また、第三党の候補者として保守系のロス・ペローが人気を高めたこともあり、共和党表が分裂してしまった。大統領選挙ではその時の経済状態が非常に重要な要素となる。

 下の記事で紹介しているように、これまで2016年を除いたすべての大統領選挙で結果を正確に予測してきたムーディーズ・アナリティカ社の予測では、2020年の大統領選挙ではトランプ大統領の再選の可能性が高いという結果が出ているということだ。ムーディーズ社の分析は、「人々の自分たちの経済状態の認識」「株価の動き」「失業率の動き」を基盤としたモデルを3つ作り、予測を出している。現在の指標がそのまま続けばトランプ大統領が勝つという結果が出るようだ。

 ここで問題なのは、「経済に関する指標が現在のままで大きな変動がなければ」ということだ。逆に言えば、何か大きな出来事が起きてしまえば、この予測は外れてしまうということになる。もちろん、明日になって何が起きるかは分からない。多くの出来事や経済指標が予測可能になっているとは言え完璧ではない。

 これからの1年間で経済指標を下げてしまうような出来事、たとえば株式の下落や国際的大企業の破綻が起きれば、トランプ大統領の再選可能性は低くなる。彼が現在仕掛けている米中貿易戦争も終息させねばアメリカ経済に大きな影響が出る。農業分野では妥協が出来たようだが、共和党の支持基盤である農業州の中で変動があれば勝利は覚束ない。

 1992年の大統領選挙で、ビル・クリントン陣営は「It’s the economy, stupid(問題は経済なんだよ、間抜けが)」というスローガンを生み出して勝利した。経済状態は大統領選挙に大きな影響を与える。大統領選挙の状況を見ていく上では経済指標を見ていくことが必要だ。

(貼り付けはじめ)

これまで正確な予測を出してきた選挙モデルはトランプが再選の道を進んでいると示している(Historically accurate election model shows Trump on his way to reelection

タル・アクセルロッド筆

2019年10月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/466028-historically-accurate-election-model-shows-trump-on-way-to-easy-reelection

「ムーディーズ・アナリティクス(Moody’s Analytics)」社は大統領選挙の測定のために3つの異なった経済モデルを使ったところ、トランプ大統領が来年再選される可能性が高いという結果が出た。

ムーディーズ社のモデリングは1980年以来、1回を除いて全ての大統領選挙の予測を的中させている。トランプ大統領は、2016年のアメリカ大統領選挙本選挙で、選挙人数304対227で勝利を収めた。トランプ大統領は2020年にこの結果を容易に上回る可能性があると予測されている。

3つの異なったモデルでは、トランプ大統領の選挙人獲得数はそれぞれ、289、332、351で、相手を上回ることを示している。これらの結果は、消費者が自分たちの置かれている経済状況をどのように感じているか、トランプ政権かでの株式市場の株価増進、失業率の見込みがそれぞれ予測の基礎になっている。

ムーディーズ・アナリティクス社の首席エコノミストで報告書の共同執筆者であるマーク・ザンディはCNBCの取材に対して次のように答えた。「これから1年間の経済が現在と同じ、もしくはだいたい同じであるならば、現職であることの強みは大きく、トランプ大統領の選挙での勝利の確率は高い。特に民主党支持者たちが熱心ではなく、選挙に行かなければトランプ大統領の当選可能性は高まる。全ては投票率次第だ」。

これら3つの経済モデルの中で、「お財布」測定のモデルで最も良いパフォーマンスを示している。これは人々が自分たちの置かれている経済状態をどのように感じているかを測定するものだ。

報告書の中では次のように書かれている。「私たちの“お財布”モデルは3つの経済モデルの中で最も経済によって動かされるものだ。もし有権者が自分たちの経済状態を第一にして投票するならば、トランプ大統領は選挙戦で圧勝することになるだろう。これが示しているのは、次の選挙で勝利するためには家計レヴェルの経済に関する認識を高めることが重要ということになる」。

報告書では投票率が高くなれば民主党候補に有利に働き、歴史的に見て最高の投票率ならば民主党候補が僅差でトランプ大統領に勝つと示している。

今回の報告書はトランプ選対にとっては歓迎できるニュースである。トランプ選対は経済状況の良さを強調して、連邦下院が大統領弾劾のための調査を進めるなどその他の多くの問題を相殺しようとしている。

先週トランプ大統領は次のようにツイッター上に書きこんだ。「何を理由に弾劾をするというのか?私たちの国の歴史で最も偉大な経済を作り上げようとしているからか、アメリカ軍を最強にしようとしているからか、減税を進め過ぎたからか?」。

再選の可能性を高めるために、トランプ選対は資金集めマシーンとしても機能している。トランプ選対は火曜日、共同政治資金委員会と共和党全国委員会は2019年第三四半期で1億2570万ドルを集めたと発表した。

ムーディーズ社の使っている様々なモデルは1980年の大統領選挙にまで遡って各大統領選挙で勝利者を正しく予測してきた。しかし、2016年だけは例外だった。この時は僅差で民主党候補者ヒラリー・クリントンが僅差で勝利するとしていた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 日本時間の日曜日夜、アメリカのドナルド・トランプ大統領はアメリカ軍特殊部隊がシリア北部を急襲し、イスラミック・ステイト(ISIS)指導者アブー・バクール・アル=バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi、1971-2019年、48歳で死亡)を自爆に追い込み、死亡を確認したと発表した。
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バグダディ
ISISは2014年からシリアとイラクの一部を占領・実効支配し、イスラミック・ステイトの樹立を宣言した。その創設者にして指導者のバグダディが殺害されたということは大きなニュースとなった。

 バラク・オバマ政権下の2011年にはテロ組織アルカイーダの指導者オサマ・ビンラディンがパキスタンの潜伏先で同じく米軍特殊部隊の急襲を受け殺害された。今回も米軍特殊部隊の作戦によってテロ組織の指導者が殺害されるということになった。
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作戦の様子を見守るトランプ大統領

 アメリカをはじめ関係諸国が行方を追っていたバグダディであったが、シリア北部で米軍特殊部隊に追い詰められ、最後は洞窟の中で自分の子供3人と共に自爆をするに至った。バグダディに関しては身柄を拘束して裁判を受けさせる(国際法廷になるか、シリアやイラクの法廷になるかは分からない)ようにすべきであったが、バグダディは自爆したと発表されている。アメリカ軍特殊部隊の動きが降伏へと誘導するのではなく、自爆に誘い込むようなものであったとするならば問題である。また、バグダディに付き従った人間たちを「多数」殺害したというのも降伏や投降の意思を示した者までも殺害したとなるとこちらも問題だ。

 私はISISの肩を持たない。しかし、「正義をくだす」ためにはそれなりの手続きが重要であって、そこに瑕疵があれば正義とは言えなくなる危険性が高いということを言いたい。ただ殺害すれば済むという問題ではない。

 トランプ大統領の発表では作戦時の様子にも触れられていたが、非常に生々しい言葉遣いであった。また、バグダディと「犬」を結び付ける表演が複数回使われていた。バグダディは洞窟の中で犬に追い回された上に、「犬のように亡くなった(died like a dog)」「犬のようにクンクンと怯えて鳴いていた(whimpering)」とトランプ大統領は発言している。これは、トランプ大統領独特の言語感覚ということもあるが、バグダディは人間ではない、だから裁判なんてしちめんどくさい手続きなしで殺してもいいんだ、ということを聴衆に刷り込ませたいという意図があってのことだろう。

 トランプ大統領は、ロシア、シリア、トルコに対して作戦上の協力を感謝し、クルド人勢力からは軍事上の協力はなかったが有益な情報提供があったことを認めた。ここから考えられるのは、ロシア、シリア、トルコからら軍事上の支援と情報提供があったということだ。2つの協力があったから謝意が表され、クルド人勢力に関しては情報提供があったことを認めるということになったのだと思う。

 従って、今回の作戦はアメリカ軍単独ではなく、ロシア軍、シリア軍、トルコ軍の共同作戦で、アメリカ軍に華を持たせる形でバグダディの追跡が任されたということだと思う。アメリカ(トランプ大統領)は、ロシア、シリア、トルコに対して大きな恩義、借りを作ったということになるが、これはアメリカ軍がこの地域から撤退してももう大丈夫という正当化と、この地域なロシアに任せますよという意思表示であり、最後に華を持たせてもらって出ていきやすくなったということだと考えられる。アメリカは海外のことに関わらず、国内の問題解決を優先するという「アメリカ・ファースト」にかなっているということになる。

 今回の作戦がこの時期に実施されたのはアメリカ軍の撤退を正当化するためのものであり、かつロシアがこの地域の担任となることを認めることもあり、米露の利害が一致したために実行されたと考えられる。

(貼り付けはじめ)

トランプ大統領はアメリカ軍の急襲によってISIS指導者が死亡と発表(Trump announces death of ISIS leader in US raid

モーガン・チャルファント筆

2019年10月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/467620-trump-isis-leader

日曜日、トランプ大統領はイスラミック・ステイト(ISIS)の指導者アブー・バクール・アル=バグダディが北部シリアにおいてアメリカ軍の急襲によって殺害されたと発表した。

トランプ大統領はホワイトハウスのイーストルームにおいて声明を発表した。声明の中で大統領は「昨晩、アメリカ合衆国は世界ナンバーワンのテロリスト指導者に正義(の鉄槌)を下した。アブー・バクール・アル=バグダディは死亡した」と述べた。

アル=バグダディの死はテロリスト集団であるISISとの戦いにおける重要な象徴的な勝利を示すものであり、捕捉が難しいISIS指導者アル=バグダディを追跡するという数年間の努力が結実したことを意味する。アル=バグダディはこれまで何度か殺害されたと報じられたことがあった。

トランプ大統領は「危険かつ大胆な」作戦の詳細を説明した。バグダディはアメリカ軍特殊部隊によってトンネル内に追い詰められた。この時3人の子供を連れていた。そして、自爆用のヴェストを爆発させた。トランプ大統領は爆発後の残骸などを調査、テストし、バグダディが殺害されたことを示す証拠が出たと発言した。

トランプ大統領は「この極悪人は大変な恐怖の中で、完全なるパニックと恐怖の中で、最後の瞬間まで何とか他人になりすまそうともがいた。アメリカ軍が彼を完全に屈服させることに恐怖し続けた」と述べ、バグダディは「クンクンと情けない鳴き声を出しながら(whimpering)」死んでいったと発言した。

トランプ大統領はホワイトハウスのシチュエイション・ルームで作戦の「大部分」を見ていたと発言した。しかし、どこを見てどこを見なかったかの詳細については明らかにしなかった。ホワイトハウスは大統領の発表の後にその時の様子を撮影した写真を公開した。土曜日のシチュエイション・ルームの様子は、大統領の傍らにはマイク・ペンス副大統領、ロバート・オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官、マーク・エスパー国防長官と軍部の最高幹部たちが座っていた。

トランプ大統領はアメリカ軍の急襲は2時間ほどで終了し、アメリカ軍はISISに関連する「非常に重要な情報を含む取り扱いに注意を要する文書や物資」を押収したと発表した。トランプ大統領は作戦中にアメリカ軍に死者は出ず、アル=バグダディの追随者たちの多くが殺害されたと発表した。

トランプ大統領は今回の作戦のことを3日前から知らされていたと述べ、連邦議会の指導者たちには、「リークされる」という恐れから伝えなかったとも発言した。

トランプ大統領は「リークによって作戦に参加した米軍の人員全てが殺害されることもあるだろうと考えた」と発言した。しかし、作戦終了後の日曜日にリンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とリチャード・バー連邦上院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)と会談を持ったとも述べた。

今回の発表はトランプ大統領にとって追い風となるだろう。ここ数週間、トランプ大統領は北部シリアからの米軍の撤退という決断に対して様々な角度から検証されてきた。批判する人々は、米軍の撤退によって、アメリカが盟友関係を築いてきたクルド人勢力に対してトルコ軍の軍事作戦が推進されると主張している。アメリカ軍の撤退によってISISが勢力を回復するのではないかと多くの専門家が懸念を表明していた。

トランプ大統領は日曜日、「昨晩はアメリカ合衆国と世界にとって素晴らしい夜となった。多くの人々の困難や死の原因となった野蛮な殺人者は荒々しく消滅させられた。バグダディは犬のように死んだ。臆病者のようにして死んだ。世界はこれまでよりもより安全な場所になった。アメリカに神のご加護がありますように」と述べた。

アル=バグダディの死はISISに対して大きな一撃を与えた。ISISは既にアメリカが主導する連合諸国によって縮小させられている。しかし、バグダディの死がISISの完全なる消滅を意味するものではない。

トランプ大統領は、アル=バグダディの死は、アメリカの「各テロリスト集団の指導者に対する飽くなき追跡とISISやそのほかのテロリスト組織の完全な敗北を確かなものとするための努力」が証明されたものだと高らかに宣言した。

「アメリカ軍が北部シリアでアル=バグダディを標的にした急襲作戦を実行した、そして武装勢力の指導者は殺害されたものと考えられる」という内容の報道が出始めたのが土曜日の夜遅くだった。トランプ大統領は内容の発表をもったいぶり、ツイッター上に「何かとてつもなく大きなことが起きた!」とだけ書いた。

トランプ大統領は日曜日にアメリカ軍の人員が安全に帰還した後でツイッター上に書き込みを行ったが、それはニュースメディアを警戒してのことだったと述べた。

トランプ大統領はロシア、トルコ、シリア、そしてイラクに対して、作戦への協力を感謝した。また、クルド人勢力が有益な情報を提供したことを認識していると述べた。トランプ大統領は、クルド人勢力は作戦において軍事的な役割を果たすことはなかったと述べた。大統領は作戦に参加したアメリカ軍と情報・諜報機関の人員に謝意を表した。

トランプはまた北部シリアからの米軍の撤退という自身の決断を擁護し続けた。とることシリアの国境地帯に米軍を駐屯させ続けることはアメリカの利益にかなうものではないと主張した。

トランプ大統領は「私たちはこれから200年もシリアとトルコの間に米軍を駐屯させたいなどとは望まない。シリアとトルコはこれまで数百年もの間戦ってきた。(だから勝手にすれば良いが)私たちは出ていったのだ」と述べた。それでも油田がISISの武装勢力の手に落ちないようにするためその地域にアメリカ軍を残しているとも述べた。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 今回はウクライナ疑惑について、より短い記事をご紹介する。前回は長い記事を何本もご紹介したので読みにくいものとなってしまった。

  今回アメリカで大きな議論となっているウクライナ疑惑について、簡単に言うと、「今年の7月25日にトランプ大統領がウクライナ大統領に電話をして、自分の大統領選挙での再選にとって強敵となるジョー・バイデンと息子についての振りとなる情報を見つけるために捜査をして欲しいと述べた。そして、捜査をさせるための圧力として、アメリカがウクライナに与える国家安全保障援助を停止してみせた。これには大統領周辺の人物も絡んでおり、個人弁護士のルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長もウクライナに働きかけを行った。7月25日の通話記録は国家機密など含まれていなかったが、外に漏れることがないように、より厳しい管理をするようにホワイトハウス高官たちが働きかけた」というものだ。簡単に書いてもこのように長くなってしまう。

  ジョー・バイデンは副大統領としてウクライナに関わり、バイデンの次男ハンター・バイデンはウクライナの天然ガス会社ブリズマの取締役となった(2014―2018年)。これら「バイデン家」とウクライナとのかかわりの中で、ジョー・バイデンの選挙戦にとってマイナスの情報がないかをトランプ大統領がウクライナ政府に探させようとした、ということになる。これが事実ならば権力濫用であり、内政干渉であり、極めて重大な問題だ。

 内部告発者からの告発の書簡の公開をトランプ政権が拒否したことで、連邦下院民主党は弾劾に向けた調査を正式に開始すると発表した。その後、告発書と通話記録の要約が公開された。既に書いたように、弾劾が成立する可能性は今のところ低い。それでも民主党としては今回の話が筋の良いものであると考えているようだ。また、大統領選挙民主党予備選挙でトップを走っているバイデンを狙ったものということで、受けて立つということにもなったのだろう。

  トランプ大統領陣営がバイデンを大統領選挙で脅威に感じているということはあるだろうが、スキャンダル探しを外国政府に圧力をかけてまでやらせようとするだろうかということは前回も書いたが今でも疑問に思っている。

 バイデンの名前が出たことはバイデンにとっては痛手となる。日本のことわざで言えば「火のない所に煙は立たぬ」なのか「痛くもない腹を探られる」ということなのかは分からない。しかし、バイデンを支持しない人々(共和党支持者と民主党支持者で他の候補者を支持している人たち)には何かしらのイメージを与えることになる。

 バイデンのマイナスは民主党の他の候補者、特に三強を形成しているエリザベス・ウォーレンとバーニー・サンダースにとってはプラスとなる。トランプ大統領にとって誰が与(くみ)しやすしとなるかと言えば、ウォーレンかサンダースとなる。全く根拠のない想像での話でしかないが、トランプ自身がこのスキャンダルを仕掛けたのではないかとさえ思えてしまう。

 そして、私は、バイデン家とウクライナの関係の具体的内容について関心を持っている。このことについては近いうちに調べたことをご紹介できればと思う。

(貼り付けはじめ)

バイデンの2020年大統領選挙に対する家族の問題(Biden's 2020 family problem

マイク・アレン、マーガレット・タレヴ、アレクセイ・マクカマンドアップ筆

2019年9月27日

『アクシオス』誌

https://www.axios.com/joe-biden-family-hunter-ukraine-donald-trump-2020-93dec9f4-cd1b-4235-b538-7d902a81ba89.html

ジョー・バイデンの出馬を押しとどめていたのはジョー・バイデンの家族だった。現在、バイデンの家族がバイデンの足を引っ張る可能性が出ている。

何が問題か:エリザベス・ウォーレンが各種世論調査の支持率で追いつている中で、ジョー・バイデン前副大統領は家族に関する疑惑と論争について答えている。

父ジョー・バイデンが副大統領を務めていた時期、次男ハンター・バイデンはウクライナのガス会社の有給の取締役を務めた(現在は退任)。

民主党最高幹部たちはウクライナをめぐるスキャンダルがバイデンにとっての大きな妨げになることを懸念している。なぜならばバイデンが人々の間で不人気な問題とプロセスに関係することになり、ハンター・バイデンに関する質問も避けることはできないからだ。

事実確認記事や「確かな話」を掲載する記事が出ても、巻き添えで負ってしまう損害(collateral damage)を避けることはできないだろう。

今回大統領選挙には関係していないある民主党系ストラティジストは、ハンター・バイデンをめぐる問題は、ウクライナでの彼のビジネス活動に限定されているだけではなく、彼の全ての個人的、ビジネス上の問題に及んでいる、としている。

ハンター・バイデンに関しては全て7月に発行された『ニューヨーカー』誌に掲載されたアダム・エントスの記事で詳述されている。エントスはハンター・バイデンとバイデン選対から多大な協力を得ていた。エントスは記事の中で次のように書いている。「ハンター・バイデンは父の選挙運動を危機に晒すことになるのか?ジョー・バイデンの息子ハンターのビジネス上の取引と騒がしい個人生活について様々な調査がなされている」。

民主党系のストラティジストたちは口を揃えて、「トランプは冷酷に、ハンターに関するスキャンダルを歪めながら利用するだろう」と指摘している。

トランプの計算は心理学上の効果を狙ってのものだ。トランプ大統領はバイデンが彼の息子に関して懸念していることを分かっている。

バイデンにとってプラス面となるのは、トランプ大統領がこのように挑発的な言動をしているのは、トランプ大統領にとってバイデンが最も強大な脅威となっていることを裏付けているというものだ。

ヒラリー側からの視点:ヒラリー・クリントンの長年の側近フィリップ・レインズは本誌に対して、この光景は以前にも見たことがあると述べた。

レインズは次のように述べた。「これは経験、人生、過去の現実とは何も関係していない。人々は自分たちが望む形でイメージを作るものだ。これは誇張などを超えたものだ」。

バイデン選対の思惑:バイデンは何も悪いことをしていない。

バイデンの顧問の一人は私に対して、ウクライナスキャンダルからの巻き添えによる損害は小さいものとなるだろうと述べた。この人物はその理由として、バイデンは副大統領だったので、何も悪いことをしていなくてもこのようなスキャンダルに巻き込まれやすいものだ、と人々は考えるからだとしている。

バイデン選対は資金集めに関して、選挙運動開始2週間目以来最高の資金を今週集めたと発表した。

バイデンはこれからも医療制度、気候変動、銃規制について主張し続ける予定だが、トランプ大統領について無視することはない。

結論:弾劾に関する調査から最大の政治的利益を得るのはエリザベス・ウォーレンということになる。

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内部告発者は、トランプ大統領が権力を濫用して、外国への介入を強要したと告発した(Whistleblower alleges Trump abused power to solicit foreign interference

ザカリー・バス筆

2019年9月26日

『アクシオス』誌

https://www.axios.com/trump-ukraine-whistleblower-complaint-released-e2524316-fb2f-

418e-ae57-51892e709a4c.html

トランプ大統領とウクライナに関する論争の中心には内部告発者からの告発がある。内部告発者はトランプ大統領が「2020年の大統領選挙について外国からの介入を誘うために大統領としての権力を利用」したとし、ルディ・ジュリアーニとビル・バー司法長官もこの行為に関与しているようだと指摘している。

何故問題なのか:トランプ政権は最初告発書を後悔することを拒否した。その結果、ナンシー・ペロシ連邦下院議長は火曜日に正式に弾劾に向けての調査を開始するという決定を行うことになった。ペロシ議長の決定の発表からの圧力を受けて、トランプ政権は告発書とその前にトランプ大統領とウクライナ大統領のウォロディミル・ゼレンスキーとの間の7月の通話記録の要約を公開した。

要点:内部告発者は告発した行動を分類している。この行動について、政府高官たちは、「アメリカの国家安全保障に関しリスクを高め、アメリカの国政選挙に対する外国からの介入を防ぐためのアメリカ政府の努力を台無しにする」ものだと考えていると内部告発者に述べた。内部告発者は行動を4つに分類している。

1. 7月25日の大統領による電話:複数のホワイトハウス高官が内部告発者に語ったところによると、彼らはウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーとトランプ大統領との間の電話の内容を知り、「大いにショックを受けた」ということだ。通話の中で、トランプは「ウクライナ大統領が2020年の大統領選挙で再選を助けるような行動をとるように圧力をかけようと」した。

2.この通話の記録へのアクセスを制限する行動:内部告発者は次のように述べている。7月25日の電話の後、ホワイトハウス高官たちは「この通話に関する全記録、特に逐語的に文字起こしされたデータを“厳重に保管”するように介入した」。ホワイトハウスの弁護士たちは、ホワイトハウスのスタッフに対して電子データにした通話記録を、機密情報を含むデータを保管するために使われる別のシステムに移すように指示した。通話記録には国家安全保障に関連する内容は含まれていなかった。

告発書の脚注で言及されているところでは、「トランプ政権が“国家安全保障上微妙な情報を守るからではなく、政治的に微妙な情報を守ることを目的として”、別のシステムを利用しており、今回が初めてのことではない」ということであった。

3.継続される懸念:この通話がなされた後、駐ウクライナ米公使カート・ヴォルカーとEU駐在米大使ゴードン・ソンドランドはウクライナ政府高官たちと会談し、彼らに対してトランプ大統領からの要求にいかにして「対処」すべきかに関し助言を与えた。トランプ大統領の個人弁護士ルディ・ジュリアーニはマドリッドに飛びゼレンスキー大統領の補佐官と面会し、その他のウクライナ政府高官たちと接触し、7月25日の通話に関する「直接的な補足」を行った。

4.7月25日の大統領の通話に至るまでの状況:内部告発所の中で内部告発者が最も多く言及しているのは、ウクライナの検事総長ユーリー・ルツェンコ(2019年8月29日に退任)が2019年3月にジョー・バイデンを含むアメリカ政府高官たちに対する汚職事件の捜査をどのように遂行していたかの詳細だった。この告発が出た後に、ジュリアーニがルツェンコに2度面談し、2020年の大統領選挙でのトランプの再選に関連して捜査を求めるために5月にはウクライナを訪問する計画を立てていた、というニュースが出た。

複数のアメリカ政府高官たちは内部告発者に対して、ジュリアーニの国家安全保障政策決定プロセスを迂回していることに対して「深く憂慮」していると語ったと述べている。

複数のアメリカ政府高官たちはまた内部告発者に対して次のように語ったと述べている。「ウクライナ政府の高官たちは、トランプ大統領とゼレンスキー大統領との間で電話か会談が行われるかどうかは、ルツェンコとジュリアーニによって話し合われた諸問題について“協力”姿勢を見せるかどうかにかかっているということを信じるようになっていった」。

7月中旬、内部告発者はトランプ大統領が行政管理予算局に対してウクライナ向けの国家安全保障援助を全て一時停止するように命令した。行政管理予算局の高官たちはその命令の根拠については分かっていなかった。

明記すべきこと:内部告発者は今回の告発内容について自分で直接目撃していない。しかし、内部告発者に語った政府高官たちの言葉は正確だ、「それは、ほぼ全てのケースで、複数の高官たちが個別で話す内容はそれぞれ一貫していた」からだとも述べている。

情報機関の監察官マイケル・アトキンソンもまた内部告発の内容は信頼性があると述べている。

内部告発から新しい詳細が出ることでこの話は更新されている。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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決定版 属国 日本論

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 古村治彦です。 

 2019年9月14日にサウジアラビアの東部、ペルシア湾岸沿いのアブケイクの石油生産施設が攻撃された。サウジアラビアの1日当たりの産油量が半減する被害が出ているが、死傷者は出なかった。

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サウジアラビア・アブケイクの地図

  アメリカのドナルド・トランプ大統領とマイク・ポンぺオ国務長官は今回の攻撃はイランが実行、もしくは関与しているとして非難している。トランプ大統領は米軍が臨戦態勢にあるとまで発言した。また、サウジアラビア外務省は、イラン製の武器が使われたという声明を発表した。これに対して、イランは関与を完全否定しており、また中国は安易な決めつけをしないように懸念を表明した。

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攻撃後の様子 

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攻撃による被害の様子

  今回の攻撃について、イエメンの反体制勢力ホーシー派(Houthis、フーシ派)が攻撃を実行したという声明を発表した。ホーシー派にはイランが支援を行っている。ホーシー派はイエメン内戦の当事者であり、もう一方の当事者である現政権を支援しているサウジアラビアに対して、これまで数度攻撃を行っている。しかし、これほど重大な被害を与える攻撃となったのは初めてのことだ。 

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ホーシー派

  今回の攻撃については明確になっていないことが多い。誰が攻撃を実行したのか、どのような兵器が使われたのか、イランが実行もしくは関与したというのは真実か、サウジアラビアの自作自演の可能性はどうか、など疑問が次々と出てくる。

 アメリカ政府はイランの実行もしくは関与と決めつけている。また、サウジアラビアもイランを非難する声明を発表した。他の大国は抑制的に対応している。トランプ大統領は米軍が臨戦態勢にあると述べた。しかし、アメリカ軍がイランと直接戦うことは今のところ考えられない。 

 トランプ大統領は米軍の中東とアフガニスタンからの撤退を公約にして当選したことを考えると、来年大統領選挙を控えており、アメリカが新たな戦争をする可能性は低い。アメリカの脅威、圧力が低下する中で、世界規模で不安定さが増している。日韓関係の悪化もアメリカの存在感の低下が原因だ。 

 サウジアラビアとイランはペルシア湾をはさんで対峙している。ペルシア湾岸をはさんで直接戦火を交えることは、お互いが石油輸出を命綱としている以上、ペルシア湾岸を戦場にしたくはないだろう。サウジアラビアが単独でイランと戦うというのもサウジアラビアにとっては貧乏くじを引くようなもので、戦争によって国内が不安定になれば、サウジ王家の存続にまで影響が出る可能性もある。 

 イランにしてみれば、アメリカのトランプ大統領が強硬派のジョン・ボルトン国家安全保障問題担当補佐官を解任してくれ、交渉に前向きな姿勢を見せているのに、わざわざアメリカとの対立を激化させる危険な冒険をするとは考えにくい。

 アメリカが構築した戦後世界体制の緩みがでてきて、世界各地が不安定な状況になっている。アメリカからの距離感の遠近で、「ポスト・覇権国アメリカ」時代への移行期に、どれくらい影響を受けるかが違ってくるだろう。 

(貼り付けはじめ)

 サウジアラビアの石油生産施設に対する複数の攻撃についてあなたが知っておくべきこと(What You Need to Know About the Attacks on Saudi Oil Facilities)

―イランに責任があるとされる攻撃によってもアメリカとの間で軍事衝突には今のところ至っていない。 

ロビー・グラマー、エリス・グロール、エイミー。マキノン筆

2019年9月16日

『フォリーン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2019/09/16/what-you-need-to-know-about-the-attacks-on-saudi-oil-facilities-yemen-houthis-iran-who-attacked/

 土曜日にサウジアラビアの石油生産施設に対して攻撃があった。この攻撃によって、国際石油市場にショックを与え、イランとアメリカとの間の緊張を高めた。ドナルド・トランプ大統領は、アメリカ軍は反撃のために「臨戦態勢にある(locked and loaded)」と警告を発した。

 しかし、攻撃自体にはっきりしない点がまだ多く残っているのが現状だ。誰が攻撃を実行したのか、サウジアラビアの1日の石油生産量の半減させることに成功した発射体もしくはドローンはどこから飛んできたのか、ということをはじめ疑問は多く残っている。アメリカ政府高官たちはイランを非難しているが、イランは関与責任を否定している。

 サウジアラビア外務省は月曜日に発表した声明の中で、「初期調査の結果、攻撃に使用された武器はイラン製の兵器であることが示唆される。攻撃に使用された兵器や物質に関する調査は現在も継続中だ」と述べた。

 イランの支援を受けているイエメンの反体制勢力ホーシー派が攻撃を実行したことを認めた。しかし、専門家たちは、ホーシー派がこのような複雑なそして大胆な攻撃を実行出来るのかどうか、疑問に思っている。

 月曜日、この攻撃をイランが実行したか、もしくは関与したのか、どう考えるかと質問され、トランプ大統領は残された証拠はイランの関与を示していると発言した。大統領は「そのように考えられる。現在調査が続けられている」と述べた。

 アメリカ政府高官は攻撃直後の様子を撮影した衛星写真を後悔した、しかし、イランの関与が疑われる中で、それ以外の諜報関係の資料公表は行っていない。ヨーロッパ連合や中国といった諸大国は状況が不明確な状況で非難を行うことに対して慎重さと懸念を表明した。

 イランとアメリカとの間の対立が続くという重要な状況の中で、不確定な要素が多いが、重要な疑問について考えていきたい。

 ●攻撃はどのようにして実行されたか?

 攻撃がどのように実行されたかということの正確な全容は依然不明瞭だ。しかし、残された証拠などから、ミサイル攻撃、もしくはドローンによる攻撃、もしくはそれら2つを組み合わせたものであろうということだ。複数の攻撃によってサウジアラビアのアブケイクにある油田と石油精製施設が破壊された。

 アメリカ政府高官たちは施設には17か所の着弾があったと述べた。また、攻撃直後の衛星写真が示すところでは、17か所の着弾点は規則的にかつ正確に並んでいた。衛星写真では攻撃がどの地点から行われたことは明確にはなっていない。

●誰が実行者だと考えられているか?

 イランの支援を受けているイエメンの反体制組織ホーシー派は土曜日の攻撃を実行したと発表した。10機のドローンを送り施設を攻撃したと述べた、月曜日、ホーシー派はサウジアラビアの他の石油生産施設に対する更なる攻撃を行うと警告を発した。ホーシー派は所有兵器でサウジアラビア全土を攻撃できると述べた。

しかし、アメリカ政府はホーシー派の主張について疑念を抱いている。今回のような手際のよい攻撃を1つの反体制グループが実行できるだろうか、彼らの能力を超えているとアメリカ政府高官たちは考えている。

 マイク・ポンぺオ米国務長官はすぐにイランを名指しした。ポンぺオは同曜日にツイッターで「私たちは全世界の国々がイランによる攻撃を公式にかつ高らかに非難することを求める」と書いた。更に、イエメンからの攻撃であったことを示す証拠は存在しないと付け加えた。ポンぺオは彼の声明内容の正確性を担保する証拠は出していない。

 シンクタンクであるファンデーション・フォ・ディフェンス・オブ・デモクラシーズのイラン専門家ベウナム・ベン・タレブルは、ホーシー派はこれまでにもサウジアラビア国内の攻撃目標に対してミサイル攻撃やドローン攻撃を行ってきたが、そうした兵器や技術はイランから供与されたものだ、と指摘している。しかし、ホーシー派はこれまでこのようなサウジアラビア領土内深くに存在する重要施設の攻撃に成功したことなどなかった。

 アメリカ政府高官は、衛星写真に写っている施設内部の着弾点から分かることは、攻撃は施設の北部もしくは北西部、イラン、イラク、もしくはペルシア湾から実施されたもので、イエメンからではないということだと述べている。しかし、日曜日に公表された複数の衛星写真にはオイルタンクの西側部分が損傷している様子が写っており、アメリカ政府高官の説明とは食い違っている。

 一つの説得力がありかつ好奇心をそそる可能性として、攻撃はサウジアラビア国内にいるホーシー派の協力者たちによって実行されたというものがある。ホーシー派は攻撃実行を認めた声明の中で、「サウジアラビア王国内の名誉ある人々との協力」に感謝すると述べた。サウジアラビア国内に協力者が存在したということになると、イエメンにいるホーシー派がどのようにして長距離攻撃を行ったのかという技術上の疑問や反対意見に対しての藩論ということになる。

 ●イラン国内の強硬派が独自に攻撃を実行した可能性があるのか?

 イスラム革命防衛隊のような改革派や強硬派のようなイラン国内の複数の派閥は長年にわたりイランの外交・安全保障政策に影響を与えようと張り合ってきた。特に2015年のアメリカとの核開発をめぐる合意において主導権を握ろうと張り合った。

 しかし、専門家たちはイラン国内の1つの派閥がこれらの攻撃を実行したのだろうかと疑問を抱いている。駐アラブ首長国連邦米国大使を務め、現在ワシントン近東政策研究所上級研究員バーバラ・リーフは次のように語っている。「この種の目標を攻撃する場合、イラン政府の指導者たちが承認した攻撃となるはずだと私は考える」。

 ブルッキング研究所の中東専門家スザンヌ・マロニーは、今回の攻撃にイランが関与していると述べるのは早計だと述べている。それでもマロニーは「攻撃の背後にイランがいたと仮定すると、確かに今回のような直接攻撃、しかも正確な攻撃がイランの最高指導者たちの賛意と認識がなければ起きなかったであろう」と述べている。

 ●攻撃はイラク国内から実行された可能性はあるのか?

 専門家やアメリカ政府関係者の中には、イランの代理勢力がイラクもしくはシリアから攻撃を実行した可能性を主張する人々も出てきている。アメリカ政府は5月にサウジアラビアに対して行われたドローンによる攻撃はイラクから発射されたものだと断定している。

 しかし、イラク政府は今回の攻撃がイラクの領土内から実行されたという報道の内容を強く否定している。月曜日、イラク政府は、ポンぺオ米国務長官がイラクのアデル・アブドゥル・マウディ首相と電話会談を行い、その中で、ポンぺオ長官がマウディ首相に対して、「イラクの領土は今回の攻撃に使用されていないこと」を示す情報を持っていると述べた、と発表した。米国務省はイラク政府からのこの発表についてまだコメントを発表していない。

 ●イランが自国領土内から攻撃を実行した可能性があるのか?

 イラン領土内からの攻撃だった可能性についてはアメリカ政府高官の中には可能性のあるシナリオだと述べている。そうだとすると、アメリカとイランの対立を激化させることになる。現役のアメリカ政府高官や元高官たちは、イランの通常のやり方はについて、他国にいる代理勢力を通じて攻撃を行い、自身の関与を見せかけでかつもっともらしく否定できるようにするものだと主張している。

 リーフは、「イランが攻撃に関与したとなると、これはイランの“グレーゾーン”を使う、もしくは後で否定が出来るような行動をとるというこれまでのやり方からは外れていることになる」と述べている。そして、もしそうだとすると、イラン対アメリカと中東地域の同盟諸国との間の対立の「激化のはしごを大きく上った」ことを示しているとしている。

 自国の領土内から軍事攻撃を行うと、イランは破滅的な反撃を受ける可能性に晒されてしまうことになる。イランは代理勢力に頼って自国の利益を守っているが、これは、イランが国防にあたり自国の通常の軍事力を使うことが出来ないためである。イラン領土内から対立国であるサウジアラビアにミサイルを発射することは、こうした代理戦略を放棄したことを意味する。

 シンクタンクであるインターナショナル・クライシス・グループでイラン・プロジェクトのリーダーを務めているアリ・ヴァエズは次のように述べている。「イランはこれまで非対称戦争の術に長けてきた。イランはこれまで自国が報復を受けないようにするために努力を重ねてきた」。

 ●アメリカはどのように対応するだろうか?

 トランプ政権下、アメリカとヨーロッパとアジアの同盟諸国との間で緊張が高まっている。しかし、どの国もペルシア湾岸諸国の石油生産施設に直接的な脅威を与えるようなあからさまな対立が起きることは望んでいない。それはイランも同じだ。ペルシア湾岸から算出される石油は国際エネルギー市場の基盤である。しかし、サウジアラビア外務省は声明の中で、サウジアラビア王国は、「国土と国民を防衛し、こうした侵略行為に対して武力で反応することが出来る能力を有している」と述べた。

トランプ大統領とイランとの間の対立は継続中だ。その中で、トランプ大統領はアメリカ人の人命が損なわれることはアメリカの軍事力を使った報復の最終ラインとなると明確に述べている。サウジアラビアの石油生産施設に対する攻撃への報復としてイランを攻撃することは、大統領選挙を約1年後に控えたトランプ大統領にとって政治的な計算において魅力的な答えとはならない。トランプ大統領は前回の大統領選挙で中東からの米軍の撤退を自身の公約の柱として当選したので、イランとの戦争という選択は賢明なものではないということになる。

 月曜日、トランプ大統領はイランとの戦争は「避けたいと望んでいる」と述べた。そして、ポンぺオ長官をはじめ政権幹部たちが間もなくサウジアラビアを訪問する予定となっている。ポンぺオ長官はイランとの外交は「決して行き詰って」はいないとし、「イラン側が合意を結びたいと考えているのは認識している。ある時点でうまくいくだろう」と発言した。

 元駐アラブ首長国連邦米国大使リーフは、アメリカは、中東地域に利害関係を持つヨーロッパの同盟諸国やそのほかの国々と外交関係を刷新し、それらを使ってイランとの緊張関係を緩和するようにすべきだと述べている。リーフは次のように述べている。「国際社会、特にイランとの強力な関係を誇っている国々からの一致した、そして強硬な反応がない限り、アメリカが同盟諸国との関係を刷新し、イランとの緊張関係を緩和することで、ペルシア湾岸の石油生産施設に関しては、緊張緩和によって各国が安全で自由な行動が出来るようになる」。リーフはイランとの強力な関係を誇っている国々として、日本、中国、ロシアを挙げている。

これまで数か月で、石油タンカーに対する複数回の攻撃とアメリカのドローン偵察機の撃墜といった出来事が起きた。これらの出来事だけではアメリカがイランと開戦するためには不十分だった。その代わりにアメリカは経済制裁とサイバー攻撃によって反撃することになった。ヴァエズは「過去が前兆だということになると、アメリカは直接的な軍事行動ではないがそれに限りなく近い報復行動を選ぶ可能性がある」と述べている。

 (貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2019年9月10日にドナルド・トランプ大統領は国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトンの退任(解任)を発表しました。「これ以上ホワイトハウスで働いてもらう必要はない」(トランプ大統領のツイッターから)ということで、相当に関係がこじれていたことが推察されます。これに対して、ボルトンはやはりツイッター上で、「自分から辞任を申し出て、トランプ大統領は明日話そうと言った」と書いています。自分から辞めてやったんだと言っています。自発的な辞任でも解任でも結果は変わらない訳ですが。

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ボルトン
 

 ネオコンの代表格であるジョン・ボルトンがトランプ政権入りというのは、2017年の政権発足前後にもそうした噂話があり、後には実際にその話が進んでいたということが明らかになったことは、このブログでもご紹介しました。「アメリカ・ファースト(アメリカ国内問題解決優先)」「アイソレーショニズム(自国優先主義)」のトランプ大統領が、ボルトンを国家安全保障問題担当大統領補佐官に起用するとなった時には、どうしてそんな人事なんだろうか、トランプ大統領のイスラエル重視姿勢のためだろうかと不思議でした。

 

 ボルトンは対イラン強硬姿勢ではトランプ大統領と合意して順調だったようですが、その後は衝突が多かったそうです。また、マイク・ポンぺオ国務長官とも多くの機会で衝突したそうで、そのことはポンぺオ長官も認めています。普通、記者会見という公の場で、国務長官と国家安全保障問題担当大統領補佐官が衝突したなどということを国務長官が認めるということはないのですが、ポンぺオとしてはトランプの寵愛は俺の方にあった、という勝利宣言だったのでしょう。


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ポンぺオ
 

 ボルトンが属するネオコンは、世界の非民主国家に対して介入して、国家体制を転覆させ、民主政治体制にする、そして世界の全ての国家が民主国家になれば戦争はなくなるという、世界革命論的な主張をしています。この主張と姿勢は世界各国を共産主義国にするとした旧ソ連と同じです。民主政治体制を至高の存在と考えるという点では宗教的と言えるでしょう。しかし、ネオコンはアメリカにとって便利な存在である中東産油国や中央アジア諸国の王国や独裁国家を転覆させようとはしません。この点でダブルスタンダードであり、二枚舌なのです。

 

 ボルトン解任前、2019年9月7日にトランプ大統領はタリバンの代表者をアメリカに招き、キャンプ・デイヴィッドで会談を持つという計画の中止を発表しました。この中止の数日後の11日にはボルトン解任が起きました。そして、14日には、イエメンの反政府勢力ホーシー派(フーシ派)がサウジアラビアの石油製造施設2か所を10機のドローンで攻撃し、石油生産量が半減する事態となりました。ホーシー派はイランが支援しているということです。「イランの方向から飛んできた」という報道もありますが、サウジアラビアの東側から物体が飛んでくればイランのある方角から飛んできたということになりますから、これはイランが関連しているテロ攻撃だということを印象付けたいということなのでしょう。南側から飛んでくればイエメンからということになりますが、攻撃機はどこから飛んできたのかということもはっきりしません。

 

 中東の地図を見ると、イランとサウジアラビアはかなり離れており、イランからドローンが10期も出撃したとは考えられません。イエメンであれば紅海を超えるだけですから、攻撃は可能でしょう。しかし、今のところ、どこからドローンが出撃したかということは分かっていません。また、イランが絡んでいるということはアメリカやサウジの主張であって決定的な証拠がある訳ではありません。

 

 いくつかのシナリオが考えられます。ボルトン解任を軸に考えると、親イスラエル・サウジアラビアのボルトンが政権から去ることで、両国の存在感が低下し、アメリカの中東からの撤退が進むという懸念があり、そのために両国が自作自演をやったということが考えられます。また、トランプ大統領がボルトンを解任したということは、アメリカは世界で警察官をやるつもりはない、軍事行動をとる元気はないと判断して、イランがホーシー派に支援してやらせた、もしくはイランの背後にいる中国がやらせた、ということも考えられます。

 

 イエメンの対岸にあるアフリカの角、紅海とアデン湾をつなぐ位置にジブチがあり、昔から要衝となっています。ここには中国人民解放軍の海外基地があることもあって、いろいろなシナリオが考えられます(ここからホーシー派にドローン攻撃機が供給されたなど)。もちろん確たる証拠が出るまではシナリオを考えるだけにして、決めつけや自分勝手な思い込みは慎まねばなりませんが。

 

 話があちこちに飛んでしまって申し訳ありません。ボルトン解任は状況に対して影響を与えるということはあると考えているうちに、話が飛んでしまいました。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプによるジョン・ボルトン解任についての5つのポイント(Five takeaways on Trump's ouster of John Bolton

 

ブレット・サミュエルズ、オリヴィア・ビーヴァーズ筆

2019年9月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/460815-five-takeaways-on-trumps-ouster-of-john-bolton

 

火曜日、トランプ大統領はジョン・ボルトンが国家安全保障問題担当大統領補佐官から退任すると発表した。外交政策分野における重要な諸問題にどのように対処すべきかについてトランプ大統領とボルトンとの間で不同意があったとトランプ大統領は述べた。

 

トランプ大統領はツイッター上でボルトンの退任を大々的に発表した。その後、衝撃がワシントン全体に広がった。

 

これからボルトンの退任についての5つのポイントについて述べる。

 

(1)トランプ政権内の混乱(カオス)状態は新たな展開を見せる(Trump chaos takes another turn

 

ボルトンが解任されたことにより、トランプは3年間で4人目の国家安全保障問題担当大統領補佐官を探すことになった。これによって、トランプ大統領が重大な国家安全保障上の諸問題に対処する際に、大統領の上級顧問たちの間で不安定さが出てくるのではないかという懸念が再び大きくなっている。

 

ボルトンの退任は、トランプ大統領がキャンプ・デイヴィッドでタリバンと会談を持つ予定だったが中止にしたという衝撃的なニュースが報じられた後に起きた。タリバンはオサマ・ビン・ラディンを匿ったアフガニスタンのテログループだ。

 

トランプ大統領はアフガニスタンからの米軍撤退を行おうとし、タリバンの代表とアメリカ国内で会談を持つことにボルトンは反対したということは明確だ。ペンス副大統領は明確に大統領を支持しているが、ボルトンはそうではなかった。

 

トランプ政権の幹部たちは、タカ派のボルトンの退任は大きな出来事である、もしくは無秩序を増大させる、という考えを完全に否定した。

 

火曜日の記者会見で、スティーヴン・ミュニーシン財務長官は「そんなことは全くない。そんなバカな質問はこれまで聞いたことがない」と述べた。

 

しかし、ここ数か月の間、トランプ大統領は国土安全保障長官、国家情報長官、ボルトンを解任した。現在の国防長官は就任してからまだ数週間しか経っていない。

 

民主党は、政権内の人事の頻繁な交代と争いはこれからどうなるか分からないとし、トランプ大統領の政敵たちは大統領を攻撃するためにボルトン隊員のニュースを利用するだろうと強調している。

 

(2)ポンぺオの力が大きくなる(Pompeo's strength grows

 

ボルトンの退任はマイク・ポンぺオ国務長官のトランプ大統領に対する影響力を更に強めることになる。

 

ポンぺオとボルトンは数々の問題で衝突した。火曜日、国務長官は記者会見で記者たちに対して衝突があったことを認めた。

 

トランプ政権が発足してすぐからトランプ大統領に仕えた閣僚は数が少なくなっているが、ポンぺオはその中の一人だ(訳者註:CIA長官から国務長官へ横滑り)。ポンぺオはトランプ大統領に忠実な代理人で、イラン、北朝鮮、アフガニスタン、中央アメリカに関連した諸問題についての大統領のメッセージを伝えてきた。

 

ボルトンはイランと北朝鮮との交渉を複雑化させた。イラン外相ムハマンド・ジャヴァド・ザリフはボルトンをトランプ政権の「Bティーム」のメンバーだと揶揄し、北朝鮮政府幹部たちは数度の非核化交渉の中で彼を「好戦的な戦争屋」を非難した。

 

火曜日の午後の記者会見に同席する予定であったボルトンの退任に驚いたかと質問され、ポンぺオはニヤリとした。

 

ポンぺオ国務長官は「大変に驚いた。この問題だけのことではないが」と述べた。

 

(3)奇妙な結婚関係が終焉(Strange marriage ends

 

トランプ大統領は2018年3月にボルトンを国家安全保障問題担当大統領補佐官に起用した。前任のH・R・マクマスターよりもタカ派の人物としての起用となった。

 

ボルトンはテレビ出演時にトランプ大統領の考えを強力に擁護してきた。そして、大統領のイランとの核開発をめぐる合意からの離脱という希望に賛成していたようだ。

 

トランプ大統領とボルトンは重要ないくつかの問題、特にイラン問題について合意していたようだ。ボルトンを起用してから6週間後にトランプ大統領はオバマ政権下で結ばれた核開発をめぐる合意から離脱した。そして、トランプ政権は離脱直後からイランに対する経済制裁を科してイラン政府を攻撃した。

 

しかし、おかしくみえることもあった。トランプ大統領は元々ボルトンを起用することにためらっていた、それは彼が口ひげを生やしていたこと、そしてボルトンはジョージ・H・W・ブッシュ、ジョージ・W・ブッシュ両政権下で働いたことが理由であった。トランプ大統領は自身の幹部となるアドヴァイザーを起用する際にそのような前歴があると怒りをぶちまけていた。

 

ここ数か月でボルトンのトランプ大統領に対する影響力は消えていた。そして、公の場での大統領からの叱責が続いた。

 

この数か月、トランプ大統領はボルトンのイランに対する強硬姿勢から少しずつ離れていった。トランプ大統領はイランの指導者たちと前提条件なしで直接話をしたいと述べ、イランと軍事上で関与することに躊躇している。

 

ボルトン退任の決定打となったのは恐らく、911事件の記念日の前にタリバンをキャンプ・デイヴィッドに招いて交渉を行うというトランプの考えに反対したと報じられたが、このことがきっかけであっただろう。

 

ホワイトハウスのホーガン・ギドリー副報道官はフォックスニュースに出演し、「トランプ大統領は周囲の人々に自分の考えに反対してもらいたい、それで自分の前で議論をして欲しいと望んでいる。しかし、最終的に政策を決定するのは大統領だ」と述べた。

 

(4)共和党は再び説明を放棄した(GOP left explaining once again

 

トランプ大統領が人々を驚かせることをやる度に、連邦議会共和党はそれに対する反応を求められる。火曜日の発表もその例外ではない。

 

複数の共和党の連邦議員たちは、レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュ、ジョージ・W・ブッシュ各政権で働いたボルトンがトランプ政権から去ることを残念だと述べた。

 

連邦上院外交委員会の委員ミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)は次のように述べた。「ボルトンは天邪鬼であることは事実だが、それは彼にとってプラスであっても、マイナスではない。彼が政権から去るという報に接し、大変残念だ。私は彼の退任は政権と国家にとって大きな損失である」。

 

しかし、他の人々はタカ派のボルトンの退任を歓迎した。こうした人々は、ボルトンがアメリカを更なる戦争に導くだろうという恐怖感を持っていた。

 

連邦下院の中でトランプ大統領の盟友となっているマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)は本誌の取材に対して次のように答えた。「私はボルトンの退任を歓迎したい。それは、ボルトンの世界観が反映されにくくなることで、世界における平和のチャンスが大きくなるだろうと考えるからだ」。

 

共和党の政治家のほとんどは当たらず触らずの態度で、トランプ大統領は自分自身で適切な人物を補佐官に選ぶべきだと述べるにとどまった。

 

(5)ボルトンは口を閉ざしたままではないだろう(Bolton may not go quietly

 

トランプ大統領がボルトン解任を発表してから数分後に、ボルトン自身が衝撃を与えた。彼はトランプ大統領の説明に対して反論を行い、人々を驚かせた。

 

トランプ大統領はツイッター上で、「私は昨晩、ジョン・ボルトンに対してホワイトハウスで働いてもらうことはこれ以上必要ではないと通知した。火曜日の朝にボルトンの辞任を受け入れた」と書いた。

 

ボルトンはトランプ大統領の発表から10分後にツイートをし、「私は昨晩辞任を申し出て、トランプ大統領は“そのことについては明日話そう”と言った」と書いた。

 

ボルトンは複数の記者たちに対して、退任はボルトン自身の決断だったと伝えている。

 

ホワイトハウスの幹部職員たちは記者たちに対して火曜日の朝にボルトンが辞任したことを認めるだろうが、ボルトン退任の詳細について記者たちと話すことはないだろう。

 

ボルトンは自分の主張を明らかにする場所と立場を維持している。彼は以前にはフォックスニュースでコメンテイターをしていた。彼は政界で信頼を得られるだけの経歴を持ち、自身の退任について自己弁護する連絡を記者たちに行ったことで明らかなように、ワシントンのメディアに幅広い人脈を持つ。

 

トランプ大統領がこれからの数日もしくは数週間の間に、ボルトンに対する批判を続けると、ボルトンはトランプ大統領の話と自分の話の食い違いについて批判や説明を行うことで反撃することになるだろう。ボルトンが自身の主張を続けることがホワイトハウスにとっては頭痛の種となるであろう。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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