古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ドナルド・トランプ

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領がハーバート・R・マクマスターを解任し、ジョン・ボルトンを国家安全保障問題担当大統領補佐官に任命して、1カ月ほどが経過しました。その間に、米英仏によるシリアへのミサイル攻撃がありました。北朝鮮情勢は対話路線が前面に押し出ている感じです。

 

 そうした中で、ホワイトハウスで国家安全保障問題担当大統領補佐官が主宰する国家安全保障会議(NSC)の構成がだいぶ変わっているようです。ジョン・ボルトン就任後に更迭や自発的な退任が続いていたようです。

 

 ボルトンはミラ・リカーデル(Mira Ricardel)は自分の下の次席補佐官に任命しました。リカーデルは、2017年3月に商務次官(輸出管理担当)となりました。そして、今回、国家安全保障問題担当次席大統領補佐官に就任することになりました。

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ミラ・リカーデル 

 リカーデルはジョージタウン大学外交学部を卒業後、ボストン郊外にあるタフツ大学フレッチャー記念法・外交研究大学院で博士号を取得しました。ロナルド・レーガン政権で国務省の軍縮担当、ボブ・ドール連邦上院議員のスタッフ、ジョージ・W・ブッシュ政権で国防次官補代理、国防次官補臨時代理などを歴任しました。民間部門では、2006年から2015年にボーイング社の副会長(軍事部門、国際部門)を務めました。

 

 2016年、ドナルド・トランプの政権以降ティームに入り、国防政策部門を担当しました。トランプ政権内では商務次官を務めていました。今回、次席補佐官に就任しました。

 

 リカーデルは中央アジアやユーラシアを専門にしているようです。商務次官で輸出管理担当ということは、現在の貿易戦争の原因となっている関税政策にもかかわっているものと思われます。こうした点から反中国、反ロシア的な考えを持っているのだろうと推測されます。ネオコンのボルトンが選んだのですから、当然と言えるでしょう。

 

 私が気になったのはリカーデルが約10年にわたり、ボーイング社の副会長を務めていた点です。しかも軍事部門が長かったようですので、軍需産業の代表とも言える存在です。国家安全保障会議(NSC)を主宰するのは補佐官ですが、実際に準備を行うのは次席補佐官です。従って、これからアメリカの対外姿勢が強硬になっていくのだろうと思われます。

 

 北朝鮮問題は米朝首脳会談実現に向けて、マイク・ポンぺオCIA長官(次期国務長官)が訪朝したことで、かなり楽観的な雰囲気になっています。私は、トランプ大統領がポンぺオを訪朝させたのは、連邦議会での承認を得やすくするためもあり、また首脳会談の準備をしている、そのために強硬派であったポンぺオを行かせた、というジェスチャーを見せるものだったと思います。

 

 アメリカの対外政策を司る部門である国務省と国家安全保障会議の2つのラインで別々の方策、交渉と武力行使の準備をさせて、最終的にトランプ大統領がどちらかを選択するということになっているのだろうと思います。この2つの路線を競わせて最終的に自分で選ぶというのはトランプ大統領の常套手段です。ですから、交渉一辺倒になったと楽観視するのはまだ早いと思われます。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジョン・ボルトンがミラ・リカーデルを次席補佐官に指名(John Bolton announces Mira Ricardel as deputy adviser

 

AP通信

2018年4月20日

http://uk.businessinsider.com/ap-john-bolton-announces-mira-ricardel-as-deputy-adviser-2018-4

 

フロリダ州ウエスト・パーム・ビーチ発(AP通信)。ジョン・ボルトン国家安全保障門団体等大統領補佐官は現在、国家安全保障会議(NSC)の内部チェックと構成の変更を行っており、金曜日、ミラ・リカーデルが国家安全保障問題担当次席大統領補佐官に就任すると発表した。

 

リカーデルは3つの政権でそれぞれ国務省、国防省、商務省に勤務した。また、ボブ・ドール上院議員のスタッフを務めた経験を持つ。

 

ドナルド・トランプ大統領によってあ新たに国家安全保障問題担当大統領補佐官に任命されたボルトンはリカーデルを次席補佐官に選んだことについて、「アメリカと諸国の同盟関係、防衛態勢、技術に関する安全保障、外国に対する安全保障上の支援、国家安全保障問題幅広い基盤を持つ専門性、軍縮のような国家安全保障諸問題などの幅広い専門性」をその理由としている。

 

ボルトンはトランプ政権で3人目の国家安全保障問題担当大統領補佐官で、前任者はハーバート・R・マクマスターであった。

 

国土安全保障問題担当大統領補佐官であったトム・ボサートを含む国家安全保障問題担当の高官の多くがボルトンによって更迭、もしくはボルトンの補佐官就任を受けて自発的に退任している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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今の巨大中国は日本が作った

※私の仲間である石井利明さんのデビュー作『福澤諭吉フリーメイソン論』が2018年4月16日に刊行されました。大変充実した内容になっています。よろしくお願いいたします。

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 古村治彦です。

 

 今回は少し古い記事になりますが、「金正恩は何をどう考えるか」ということをテーマにした記事をご紹介します。

 

著者のロバート・マニングはジョージ・W・ブッシュ政権下で国務省に入り、2001年から2004年まで国務次官特別顧問を務め、2004年から2008年まで国務省政策企画局に勤務しました。現在はアトランティック・カウンシルの上級研究員を務めています。

 

 マニングは金正恩の意図について、「何とか核兵器を全て放棄することなく、安全保障を得て、経済成長をする」という「二兎追う」作戦を実行しようと考えているとしています。

金正恩は、経済発展のために支援を得つつ、アメリカに見つからないようにして、核兵器とミサイルを隠し持ちたいと考えているとしています。そのために核開発の「凍結(これ以上進めない)」という言葉を使って、「進めないけど、これまでの成果は保持する」

 

しかし、マニングの論の進め方で肯定しにくい部分は、金正恩が核兵器を隠し持つということを選択するのかということです。今回、うまく合意を結んだとして、もし核兵器を持っているということが明らかにされてしまえば、何の言い訳も聞かれることなく、金王朝は「お取り潰し」となります。アメリカの国家安全保障上の脅威と認定されている核兵器とミサイルを、アメリカを欺いて隠し持っていたとなれば、問答無用ですし、これではロシアも中国も肩入れできません。

 

 アメリカが考えるとすれば、北朝鮮を信頼することなく、自分たちの利益を得るということです。それは、核兵器とミサイルの完全放棄とその保証ということになるでしょう。この保証を中国とロシアに担当させて、もし北朝鮮が破れば(ごまかして核兵器とミサイルを秘密裏に保持する)、中国とロシアが厳罰を下し、それで足りなければアメリカが攻撃するということになるでしょう。

 

 しかし、金正恩が米朝首脳会談の実現と成功を望むながら、核兵器とミサイルの完全放棄は条件となります。ですから、ここで下手な小細工をしてごまかしても、次に「核兵器とミサイルを持っている」ということを明らかにしたら、その時点で、アウトということになります。

 

 

 ここで考えてみたいのは、そもそもどうして北朝鮮は、巨額の資金と膨大な労力をかけて核兵器を保有することになったのか、ということです。核兵器で脅しても周辺諸国はお金をくれる訳ではなく、かえって厳しい経済制裁を科されるということになりましたし、韓国は核兵器を持っていない訳ですから、持つ必要があったのかどうかということになります。

 

 結局、これは、下の論文にもありますが、「アメリカと合意を結んでも、それは破られてしまう。だからリスクヘッジのために持つしかない」ということが最大の動機ということになります。そう考えると、そもそも論として、アメリカが海外に過度の介入を行い、気に入らない政権を転覆させた来た、という歴史が生み出した、「自業自得」のもの、バックラッシュということになります。

 

 

 

(貼り付けはじめ)

 

ある独裁者の頭の中:金正恩の思考プロセスを把握してみたい(Inside the mind of a dictator: trying to grasp Kim's thought process

 

ロバート・マニング筆

2018年3月16日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/opinion/national-security/378769-inside-the-mind-of-a-dictator-trying-to-grasp-kims-thought-process

 

北朝鮮の李容浩外相はスウェーデンを電撃訪問した。米朝間に国交がないためスウェーデンは平壌においてアメリカの利益を代表している。これはトランプ大統領と金正恩委員長による米朝首脳会談の実現に向けた計画の遂行が行われており、李外相の訪問はその初期段階であることを示している。この訪問でアメリカ政府と韓国政府の中で、何が出来て、何ができないかについて議論が沸騰している。

 

このだらだらと続くバブルに欠けているのは、米朝最高首脳会談を成功させる、もしくは失敗させることになる2つの重要な疑問である。

 

おそらく最も重要な疑問は、「金正恩は“鄧小平になる瞬間”を持てるのだろうか?」というものだ。これまでにないほどの厳しい経済制裁で北朝鮮の経済が破壊され始めている事態に直面し、エリートたちに対して褒賞を与える力が削がれている。金正恩は中国が経済制裁を支持し、トランプが軍事攻撃を行うという脅しを行っているということを認識した。金正恩は、並進路線(Byungjin、核武装力と経済発展)を考え直さねばならない状況に追い込まれている。

 

金正恩が自分の中で自己と行う対話の論理は次のようなものとなるだろう。

 

「私は圧力を受けている。並進路線(Byungjin、核武装力と経済発展)は危機に瀕している。私は現在34歳だ。私はこれから30年から40年は生きていたい。バスケットボールとウィスキーのシングルモルトが好きだ。私はより発展した、ハイテクの統一された朝鮮半島を見てみたい。統一された朝鮮半島は緩やかな連合となるだろう。その中に私の占める位置が存在する」。

 

「経済改革と共産主義に基づく権威主義的支配は、中国とヴェトナムで機能している。両国はそれで豊かになっている。私は両国の誤りを避けることが出来る。私は韓国政府をうまく利用することが出来るだろう。それで私は支配し続けることができる」。

 

「しかし、私がその代償として支払わねばならないのは私が持つ大量破壊兵器をすべて放棄するというものだ。“ビッグバン”のような衝撃的な合意によって中国が改革開放で進めた経済改革が我が国でもすぐにスタートするだろう。そして、経済成長は私の統治の正統性を担保するのに十分なものとなるだろう」。

 

「北朝鮮と韓国が平和条約に向けて前進し、平和条約締結後にアメリカが朝鮮半島に関わらなければ、私に核兵器など必要ないのだ。アメリカは私の持つ核兵器の所在地全ては知らないはずだ。私は核弾頭の1発か2発かはアメリカが見つけられない場所に保管できるだろう」。

 

「平和条約締結と核兵器を隠し持つことは試してみる価値がある。私は南北首脳会談で核開発の凍結を提案できる。文在寅大統領は核開発の凍結を非核化に向けた“一時的なステップ”と考えるはずだ。しかし、私はこの条件として国連による制裁の解除を主張できる」。

 

「このようにして圧力を解除できれば、我が国はパキスタンのような通常国家として受け入れられるだろう。そして、核開発の凍結以上よりも先に進まないための言い訳を探すことが出来る」。

 

「アメリカが反対するならば、少しずつ譲歩する。私の核兵器と大陸間弾道ミサイルを放棄するための代償を釣り上げることが可能だろう。エネルギー援助と現金がとりあえずすぐに必要だ。ロシア極東からの水力発電も必要だ。北東アジア地域における統一的なエネルギー供給システムの一環として石油と天然ガスのパイプラインが必要だが、北朝鮮国内にそれらを通して、賃貸料を受け取ることもできるはずだ」。

 

「2005年の合意の時と同様、私は米朝関係の正常化を要求できる。そして、アメリカ、ロシア、中国の3か国による安全保障も求めることが出来る。これによって、リスクを減らし、外国からの投資に門戸を開くことが出来る。私は朝鮮半島再建基金のために200億ドルを要求し、それを中国が主導する「一帯一路計画(BRI)」の一環であるアジアインフラ投資銀行に要求する」。

 

このようなシナリオはある種の賭けを行い、中国型の改革を行うことがあれば実現する可能性がある。しかし、アメリカと北朝鮮が誠心誠意話し合い、合意に達するにしても、2つ目の疑問がこのシナリオの実現可能性を低めてしまう。

 

それは「いかなる合意が出来たとしてもその実行をどのように検証するのか?」というものだ。

 

北朝鮮は極秘のうちに1990年代に高濃縮ウランプログラムをスタートさせた。これは1994年の合意をアメリカが破ることを想定してそのための備えとしてであった。また、北朝鮮は極秘のうちにシリア国内に核関連施設を建設した。そのため、北朝鮮政府に対する信頼はほぼゼロだ。トランプ大統領は、北朝鮮は、冷戦期におけるレーガン大統領のゴルバチョフへの対応と似た対応を取ることになるだろう。それは、信頼はしないが、検証はする、というものだ。

 

北朝鮮がこれまで繰り返してきた違反行為や虚偽はこの際脇に置いておく。それでもまだ大きな問題が一つ残る。私たちは金正恩がどれくらいの数の核兵器を保有しているのか正確に知らないし、それらがどこにあるかを正確に把握していない。私たちは中距離、長距離の移動式ミサイルがどれほど存在しているのかを正確に知らないし、どの山やトンネルに隠されているのか分かっていない。高濃縮ウラン施設の数と場所についても正確に把握していない。

 

通常であれば、合意に至るまでに、北朝鮮政府は国際原子力機関(IAEA)に核兵器プログラムの詳細を明確にし、報告しなければならない。IAEAは核関連施設を監視し、調査を実施することになる。しかし、徹底した調査を行うとしても、金正恩が核兵器とミサイルを完全に放棄しどこか見つけられない場所に隠してなどいないと確信を持てる人はいるだろうか。

 

これらの合意は全て完璧という訳にはいかない。アメリカ政府は北朝鮮政府がごまかしを行うということを前提にしなければならない。しかし、アメリカはどれくらいのごまかしまでは許容できるだろうか、私たちが知らないことをどのように私たちは知ることが出来るようになれるだろうか?

 

現在のところ、金正恩が戦略的な選択をし、「鄧小平となる瞬間」を持つという考えには論拠となる証拠はあまり存在しない。今年1月1日の演説以降の金正恩の行動はこれまでになく合理的だ。アメリカ政府は「金正恩が合理的に行動している」という前提についてテストをしてみる必要がある。

 

武器の放棄の確認をどのように行うかという問題については、私は考えつかないが、アメリカが許容できる実行可能な形式が存在する可能性はある。これまで文中で提起した疑問に答えを出せる人はノーベル平和賞を受賞できるだろう。そのほかの問題は比較してみて大した問題はないということになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は少し遅くなりましたが、マイク・ポンぺオCIA長官(次期国務長官)が復活祭の時期(4月第一日曜日)に北朝鮮を訪問し、北朝鮮の最高指導者金正恩朝鮮労働党委員長と面会したということを伝える記事をご紹介します。

 

 今年の3月にいろいろな事態が急速に動き始め、韓国大統領特使が北朝鮮を訪問し金委員長と会談、この特使がアメリカを訪問し、ドナルド・トランプ大統領に北朝鮮訪問について報告し、その際に金委員長からの米朝首脳会談の提案を受け入れました。3月末には、金委員長が指導者となって初めての外遊として中国・北京を訪問し、習近平国家主席と会談を持ちました。また、習近平国家主席が近々北朝鮮を訪問するという報道も出ました。

 

 こうした中、米朝首脳会談準備でアメリカ側の指揮を執るポンぺオCIA長官(次期国務長官)が4月上旬に北朝鮮を極秘に訪問し、金委員長と会談を持ったということが報じられました。北朝鮮側は米朝首脳会談に真剣に取り組んでいることが分かります。

 

 韓国は北朝鮮との戦争状態を終結し、平和条約を結ぶ方向で動いています。しかし、ここで重要なのは、中国とアメリカの意向です。朝鮮戦争では中国とアメリカがそれぞれ北朝鮮、韓国に味方をして多くの犠牲を払いました。ですから、朝鮮半島に関してはアメリカと中国の意向が重要となります。

 

 中国と韓国は直接交渉と平和条約締結の方向で動いています。北朝鮮もこの方向で進んでいます。一方、日本は「交渉のための交渉はしない」として、経済制裁など圧力を強化して北朝鮮の屈服を図るという主張です。交渉と圧力、2つの方向性があり、トランプ大統領はこの2つをうまく手綱を引いたり、緩めたりしながら、事態を進めているという感じです。

 

 日本は北朝鮮に対する吠え掛かり係をやらされ、嫌われている状況で、それにプラスして、アメリカ側は日本との二国間経済交渉で日本の対米黒字(アメリカの対日赤字)を削減しようとしてきています。日本はこれらを唯々諾々と呑むしかありません。主要なアクターになれないということを日本のメディアではあまり報じられていませんが、その現実をしっかりと見据えておかねば、上京を大きく誤って認識することになるでしょう。また、大いなる内弁慶として、外側から見れば滑稽な姿を晒すことになるでしょう。すでに十分に晒しているように思われますが。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

ポンぺオCIA長官と北朝鮮の最高指導者金正恩委員長と復活祭の週末に会談を持った(CIA Director Pompeo met with North Korean leader Kim Jong Un over Easter weekend

 

シェイン・ハリス、キャロル・D・レオニング、デイヴィッド・ナカムラ筆

2018年4月17日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/politics/us-china-trade-dispute-looms-over-trump-summit-with-japans-abe/2018/04/17/2c94cb02-424f-11e8-bba2-0976a82b05a2_story.html?noredirect=on&utm_term=.ca9a46445049

 

マイク・ポンぺオCIA長官は4月上旬の復活祭(イースター)の週末にドナルド・トランプ大統領の特使として北朝鮮を極秘訪問し、北朝鮮の最高指導者金正恩委員長と会談を行った。本紙の取材に対して、ポンぺオ長官の訪問について直接の知識と情報を持つ2人の人物が答えた。

 

上記の2名の人物は米朝交渉の高度の秘密性を理由にして匿名を条件にして本紙の取材に応じた。2人は、「トランプ大統領の信頼厚い政権幹部とならず者国家の権威主義的な元首との間で、通常では考えられない会談が行われた。これは、北朝鮮の核兵器開発プログラムをテーマとするトランプ大統領と金委員長との直接対話に向けた地ならしの一環だ」と述べた。

 

この秘密の任務はこれまで報道されてこなかった。この任務はポンぺオが国務長官に指名された後すぐに実施された。

 

ポンぺオは先週行われた連邦上院外交委員会での証人の可否を決める公聴会で次のように発言した。「アメリカ政府が北朝鮮の核開発プログラムに関して条件を設定し、それによって直接対話を行うことが出来ると楽観的に考えている。この交渉によって、アメリカと世界が真剣に望んでいる外交的な目標が達成できる方向に進むことが出来る」。

 

 

火曜日、マー・ア・ラゴ・リゾートでトランプ大統領は記者団に対して発言を行った。その中で、アメリカ政府は北朝鮮政府との間で「きわめて高いレヴェルで」直接交渉を持ったと述べ、金委員長とポンぺオ長官との対面が会ったことを仄めかした。トランプ大統領は詳細を明らかにしなかった。

 

トランプ大統領は、遅くとも6月上旬までに金正恩と会談を持つ可能性が高いと述べた。

 

ポンぺオは北朝鮮との交渉を指揮している。ポンぺオと金委員長との会談は2000年以来の最高レヴェルの会談となった。2000年、当時の国務長官マデリーン・オルブライトが現在の金正恩委員長の父金正日が戦略的な諸問題について議論を行った。国家情報局長官ジェイムズ・R・クラッパー・ジュニアは2014年に北朝鮮を訪問し、北朝鮮に拘束されていた2名のアメリカ人の解放を実現した。またこの時に北朝鮮の中間クラスの情報担当者と会談を行った。

 

CIAはコメントを拒否した。ホワイトハウスもまたコメントを拒否し、CIA長官の外国訪問について話はしないと述べるにととどまった。北朝鮮政府もまたコメントを拒否した。

 

ポンぺオ長官の北朝鮮訪問から約1週間後、アメリカ政府高官たちは北朝鮮政府の高官たちが金委員長は非核化の可能性について交渉したいと望んでいると認めたと発言した。これはトランプ政権の関係者たちが明らかにしている。これは、米朝首脳会談を前にして米朝両政府の間で新たなコミュニケーションチャンネルが開かれたこと、トランプ政権は北朝鮮政府が首脳会談実現に向けて本気になっているという確信を持っているという兆候を示す発言だ。

 

火曜日、トランプ大統領は自身が所有するリゾートであるアー・ア・ラゴでの日本の首相安倍晋三との会談の途中、「私たちはきわめて高いレヴェルでの直接交渉を行っている、北朝鮮との間できわめて高いレヴェルでの交渉だ」と述べた。

 

トランプ大統領は詳細には言及しなかった。アメリカは北朝鮮との間に正式な外交関係を持っていない。しかし、アメリカの外交官はこれまでにも北朝鮮を訪問し、アメリカ政府は北朝鮮政府との間にある複数の秘密のチャンネルを使って連絡をしてきた。

 

トランプ大統領は次のように発言した。「北朝鮮は交渉を継続し、離脱していない。韓国は北朝鮮と交渉を行っており、戦争状態を終わらせるために首脳会談を行う計画を持っている。私はそれらがうまくいくように祈っている」。

 

トランプは朝鮮戦争を正式に終わらせるための南北首脳会談の計画について「祝福があるように」と述べた。これは核兵器を所有する北朝鮮をめぐる外交的な急速な進展が実現することを意味する。

 

安倍首相との2日間の首脳会談の始まりにあたり、トランプ大統領は北朝鮮関連での急速な事態の進展を肯定的に評価した。北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの実験に関して、トランプ政権はアメリカの国家安全保障に対する最大の脅威と考えてきた。

 

トランプ大統領は、「韓国政府の高官たちは、アメリカ政府の支持がなければ、特に私の支持がなければ、何も議論話されなかっただろうし、オリンピックも失敗に終わっただろうと述べ、とても感謝している」と述べた。韓国政府は今年2月に平昌で開催された冬季五輪を北朝鮮政府との外交交渉を再開するための道具として利用した。

 

北朝鮮は選手団と高い地位の人々による代表団を五輪に派遣した。これはアメリカの同盟国である韓国との関係の改善を示す大きなサインとなった。これは東アジアの外交、トランプ大統領が主導的な役割を果たしていた状態の急激な変化をもたらした。

 

トランプ大統領は次のように語った。「世界にとっての問題を解決するための大きな機会が存在する。これはアメリカにとっての問題ではない。日本やそのほかの国にとっての問題でもない。世界にとっての問題なのだ」。

 

アメリカも参戦した朝鮮戦争における戦闘は65年前に停止したが、平和条約はいまだに締結されていない。火曜日、ある韓国政府高官は、戦争状態の正式な終了は、来週南北の間にある非武装地帯で開催される金委員長と韓国の文在寅大統領との首脳会談の議題となると発言した。

 

トランプ大統領は「両者が戦争状態を終結させるために議論することは喜ばしい、うまくいくことを祈っている」と述べた。

 

しかし、平和条約締結は複雑な道筋をたどるであろうし、アメリカの参加と合意が必要となるだろう。アメリカは韓国に代わって休戦協定に署名しているので、いかなる種類の平和条約であってもアメリカと北朝鮮との間で結ばれる必要がある。

 

長年にわたり平和条約が締結されてこなかった理由は、北朝鮮が長年にわたり、平和条約が締結されたら、韓国駐留の米軍は必要ではなくなるので撤退させねばらないと主張し、アメリカはこの要求を拒絶してきたからだ。

 

トランプ大統領は北朝鮮の世襲の指導者を「小さなロケットマン」と揶揄した。その後、両者の間で侮辱と脅しの応酬が続いた。これは昨年のことだ。しかし、トランプ大統領は金委員長と会談を持つ計画を進めている。トランプ大統領は北朝鮮がアメリカや同盟諸国に脅威を与えるなら北朝鮮を「完全に破壊」すると述べ、金委員長はトランプ大統領を老いぼれと揶揄した。

 

火曜日、トランプ大統領は、すべてが順調に進めば、金委員長との首脳会談は6月上旬までに開催されるだろうと述べた。トランプ大統領は同時に警告も付け加えた。「物事がうまくいかないこともあるだろう。会談が実現しないこともあるだろう。それでも私たちはこれまで堅持してきた非核化に向けた強力な道筋を進み続けるだろう」。

 

トランプ大統領は首脳会談の場所は現在考慮中で、決定はもうすぐ行われるだろうと述べた。また、記者からの質問に対して、場所はアメリカ国内ではないと付け加えた。トランプ政権は朝鮮半島以外のアジア、東南アジア、ヨーロッパで場所を探していると述べた。

 

安倍首相は彼がトランプ大統領に協力して成し遂げた進歩について喜ばしいという態度を取った。安倍首相はトランプ大統領に対して、1970年代から80年代にかけて少なくとも13名の日本人が北朝鮮の機関によって拉致された未解決の問題について金委員長にその解決を求めるように依頼した。この問題は安倍首相にとって重要な国内問題である。

 

トランプ大統領は2017年11月の東京訪問の際に拉致被害者の家族と面会した。昨年の夏、アメリカ人大学生オットー・ワームビアが亡くなったことにトランプ大統領は激怒した。ワームビアは北朝鮮に17カ月拘束し、意識不明状態で解放された後すぐに死亡した。現在、3名のアメリカ人が北朝鮮に拘束されている。アメリカ政府高官は北朝鮮との交渉ではこの3名の解放を議題にしたいと述べている。

 

安倍首相は「トランプ大統領が拉致被害者家族に面会してくださったことは、日本政府が拉致問題に関してどのように対応してきたかを大統領が深く理解してくださっていることを示している。私は大統領の努力に感謝を申し上げる」と述べた。また、安倍首相はトランプ大統領に対して、北朝鮮政府に「最大限の圧力」を維持するように求めた。

 

トランプ大統領と安倍首相は両者の関係を修復するために首脳会談を行う。トランプ大統領が金委員長と会談するという決定を下したことで日本政府は衝撃を受けた。また、鉄鋼とアルミニウムに対する関税で日本を適用除外対象から外した。こうしたことでトランプ大統領と安倍首相の関係は傷ついた。

 

両者は初期のうまくいった関係を復活させようとしている。トランプ大統領は、水曜日には、様々な追加的な会談の前に2人でゴルフをプレーすると述べた。トランプ大統領は、以前にも述べたが、今回もマー・ア・ラゴは「冬の時期のホワイトハウス」だと述べた。

 

トランプの補佐官たちはアメリカが11か国から構成される環太平洋経済協定への参加の可能性があると述べたが、この動きはまだ機が熟している訳ではないとも強調した。

 

トランプ大統領の首席経済問題補佐官であるラリー・クドローは、貿易に関する日本との対立を過小評価している。クドローはトランプ政権の関税政策は中国を罰することを目的にしていると述べた。クドローは中国が「第三世界の国の経済規模しかないかのようにふるまっている」と批判した。クドローは国際的な連合がトランプ政権の戦略を支持していると明言した。

 

クドローは次のように述べた。「貿易に関して善意の諸国による協力について私はこれまで述べてきた。他国も中国のふるまいを批判している。中国は先進国の経済規模であるのに、第三世界の経済規模であるかのようにふるまっている。中国は技術やそのほかの問題に対して、ルールに従って行動しなければならない」。

 

クドローは中国の悪いふるまいに対処するためにアメリカがTPPに入る必要ではないと述べた。クドローは強いアメリカ経済こそが貿易に関するアメリカの考えを世界に広めるための強力な武器になると強調し、トランプの中国の貿易に対するより強力な姿勢は国際的な支援を得られるだろうとも述べた。

 

クドローは次のように語る。「世界は私たちの側に立っている。トランプ大統領は意識的に世界の支持を求めている訳ではないが、世界は支持してくれるだろう。これは良いことだ。中国はこの流れを注意深く読み、積極的に対応することを望む」。

 

火曜日、中国はアメリカ産のモロコシに対して一時的なダンピング防止策を実施すると発表した。これは、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利したカンザス州やテキサス州のようなモロコシの生産高の高い州の農業従事者に打撃を与えることになる。

 

アメリカ産のモロコシの輸入抑制の動きは中国政府とアメリカ政府との間の貿易戦争の規模を拡大させている。月曜日、アメリカ政府はアメリカ企業が中国の携帯電話メーカーZTEに部品を売却することを7年間禁止する措置を取った。世界で1位と2位の経済大国が数十億ドル規模の関税を使って脅威の応酬を行っている。

 

しかし、トランプ大統領は、補佐官たちの中国政府に対する様々な批判のバランスを取ろうとした。トランプ大統領は中国の習近平国家主席を称賛した。トランプ大統領は習主席に対して北朝鮮への経済制裁を実行するように強く求めた。

 

トランプは次のように述べている。「習主席は非常に寛大な人物だ。彼は経済制裁を強化している。誰も期待していなかったレヴェルまで強化している。私は中国政府に対して経済制裁を強化して欲しいと望んでいる。習主席は誰も予想していないレヴェルまで強化している。北朝鮮へ流入する物資の量は確実に減少している」。

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 安倍晋三首相が17日からアメリカを訪問し、フロリダでドナルド・トランプ大統領とゴルフをします。ついでに首脳会談もちょこっと行われるようです。安倍昭恵夫人、柳瀬唯夫経済産業審議官(元首相秘書官で加計学園問題の渦中にある)も同行するようです。逃避行か何かなんでしょうか。それともこれから大変だから少し羽を伸ばしてリフレッシュしなさいということでしょうか。

 

 安倍首相は世界の指導者の中で初めて当選直後のドナルド・トランプ大統領と直接面会し、それ以来、「蜜月関係」を築いてきたということになっています。他国の指導者が安倍首相にトランプ大統領との関係構築に関して助言を求めたという話は初耳でした。

 

 しかし、両者の蜜月関係は終わりを迎えつつあると記事では述べています。日本は北朝鮮に圧力をかける、「対話のための対話は意味がない」という強硬路線を堅持しています。韓国は北朝鮮との直接対話を志向しています。そして、アメリカは強硬路線、具体的には経済制裁を維持しながらも、トランプ大統領が金正恩委員長に直接会うということを発表しました。これで日本側のメンツが潰れてしまった、朝鮮半島をめぐる多国間交渉から排除されることになるという分析があります。

 

 これに加えて、鉄鋼とアルミニウム輸入に対する関税も安倍首相とトランプ大統領の関係を悪化させるものだと記事では述べています。関税の一時的な免除の対象国に日本は含まれず、また、トランプ大統領は安倍首相を友人で良い人物だと言いながらも、「アメリカをこれまでうまく利用してきたが、今後はそんな訳にはいかない、安倍首相と日本政府関係者の顔から笑顔が消えるだろう」と述べました。

 

 鉄鋼とアルミニウム関税についてですが、アメリカの輸入に占める日本産品の割合は高くないので、これらの製品についてはあまり影響が大きくありません。問題はこの関税をアメリカ側が利用して、別の条件を日本に呑ませるのではないか、撒き餌みたいなものではないかということです。

 

 トランプ大統領のやり方は相手の意表を突くというものですから、厳しい態度を見せておいて、実際には相手にも少しは利益があるような結果に落とし込む、もしくは逆のこともある、と考えられます。今回の日米首脳会談では日本の北朝鮮への強硬姿勢を評価しながら、安倍首相にお世辞的な言辞を与え、貿易問題の交渉で日本側に何らかの譲歩を迫るものと思われますが、日本側が譲歩できることがあるのか、ということは疑問です。また、拉致問題についてアメリカ側にも助力を求めるとなるでしょうが、これはただという訳にはいきません。

 

 安倍首相とトランプ大統領との関係が蜜月というのは恐らくゴルフ仲間としてであって、国際関係においては無条件の友情というのは存在せず、お互いに利用し利用されるという関係しかありません。日本は利用するよりも利用されるばかりで、利用するということができない、というのは悲しい属国の姿なのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

週末のマーラゴ訪問はトランプ・安倍関係を救うことが出来るか?(Can a Weekend at Mar-a-Lago Rescue the Trump-Abe Relationship?

―日本の安倍晋三首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領との間の蜜月関係は機能した、ある一時期に。

 

エミリー・タムキン、ダン・デルース筆

2018年4月13日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2018/04/13/can-a-weekend-at-mar-a-lago-rescue-the-trump-abe-relationship-japan-trade-tariffs-north-korea-nuclear-abductees/

 

米朝首脳会談が実現するかもしれないという話で驚かされ、貿易に関して非難されたが、日本の安倍晋三首相は次週フロリダを訪問し、ドナルド・トランプと会談する。安倍首相はトランプ大統領と築いた緊密な関係を維持できるのかどうかを見極めるためにも訪米する。

 

安倍首相の訪米はトランプ大統領との関係におけるターニングポイントとなる。安倍首相のトランプ大統領との関係は、政治的経験に乏しく、短気な大東柳雄との会話を成功させたいという他国の指導者にとってはモデルとなってきた。しかし、トランプ大統領が北朝鮮の独裁者と直接会談を持つというニュース、更にはトランプ大統領が最近のツイートで貿易に関して日本はアメリカをずるく利用してきたと述べたことで、両者の関係が蜜月であることに完全に油断していた日本は大きなショックを受けた。安倍首相はせっかくの好スタートを切りながら完全に失速してしまったかのよう見える。

 

スタートから、安倍首相はトランプ大統領との関係を構築しようと大胆な賭けに出て、成功したように思われた。安倍首相は2016年のアメリカ大統領選挙後に初めてトランプと直接面会した最初の外国の指導者となった。トランプが当選して1週間後にトランプタワーを訪問し、トランプと対面した。その後、2017年2月にはマーラゴを訪問し、トランプと会談を行った。両者を結び付けたのはゴルフで、この時にプロゴルファーのアーニー・エルスを交えて一緒にゴルフをプレーした。

 

昨年の安倍首相とトランプ大統領の関係について、ジョンズホプキンズ大学SAIS付属ライシャワー記念東アジア研究センターの研究員ダニエル・ボブは次のように語っている。「日本側は安倍首相がトランプ大統領と個人レヴェルで親しくなったことを喜んだと思う。世界の指導者の多くが安倍首相がトランプといかにして話をして、親しくなるかという方法を示したということで驚き、かつ肯定的に評価をした」。

 

ボブによれば、ヨーロッパのある国の首脳が安倍首相に電話をかけて助言を求めたということだ。この電話は安倍首相の訪問中にされたということだ。この時、安倍首相は、トランプ大統領をのせて、話題を絞り、同じ話題を繰り返す、という助言を行った。

 

昨年のフロリダ訪問の期間中、北朝鮮はミサイル実験を実行した。この時、安倍首相は自分が大統領の隣にいて非常に影響力がある立場にあると考えた。

 

外交評議会日本研究担当上級研究員のシーラ・スミスは「安倍首相がトランプ大統領と夕食を共にしている時に北朝鮮がミサイル実験を行ったという偶然の好機は、北朝鮮に関する議論において日本が影響力を発揮できる力を与えた」と述べている。この当時、韓国は国内の政治危機に忙殺されていた。

 

安倍首相とトランプ大統領の関係は当時の駐米日本大使の佐々江賢一郎の力も大きい。アメリカ国務省の高官たちとは異なり、佐々江はトランプ陣営を無視することなく、トランプ陣営の幹部や支持者たちとのコンタクトを絶やさなかった。

 

大統領選挙以降、日本政府の公式の説明では、安倍首相とトランプ大統領の間で20回の電話会談と6回の直接会談が行われた。1回目の電話会談と1回目の直接会談はトランプが正式に大統領に就任する前に行われた。

 

しかし、このような緊密な関係に綻びが目立ちつつある。トランプ大統領の北朝鮮との直接交渉を行うという決断は、北朝鮮政府が分裂を利用することを防ぐために、アメリカ、日本、韓国は一致して対処するという長年にわたって堅持してきた原理に反するものだ。しかし、最近の様々な出来事の結果、北朝鮮は米日韓の間にくさびを打ち込む機会を得た。そして、朝鮮半島に関する多国間交渉で日本を排除できる可能性が高まった。

 

バラク・オバマ政権でアジア政策に関与したエヴァン・メデイロスは次のように語っている。「日本は冷たい風の中に取り残されつつある。トランプ大統領は北朝鮮との直接交渉という決断を日本に相談することなく行った」。

 

「日本のより強硬な姿勢を受けて、北朝鮮は中国、韓国、アメリカを含む多国間交渉を促進することになるだろう。これでロシアと日本は外されることになる」とメデイロスは述べている。メデイロスは現在ユーラシア・グループの上級部長を務めている。

 

韓国の文在寅大統領は北朝鮮との外交交渉実現のために力を尽くしているが、日本政府は直接交渉に関しては懸念を持ったままだ。

 

ワシントンにある在アメリカ日本大使館の広報担当の島田丈裕公使は次のように述べている。「安倍首相自身は対話のための対話は何の意味もないと繰り返し述べている。私たちは金正恩の真の意図を監視し、研究したいと考えている」。

 

日本政府の高官たちはこれまで、いくつかの条件が満たされない限り、北朝鮮との交渉は望まないと繰り返し強調してきた。一方、アメリカ政府高官たちは、トランプ政権は韓国政府、日本政府と北朝鮮外交に関して定期的に意見交換をしていると述べている。

 

トランプ政権のある幹部は「アメリカと同盟国日本は北朝鮮に対する統一的な対応をするために緊密に協力を行っている」と述べた。

 

北朝鮮に対する姿勢の相違に加え、日本はアメリカ政府が課す鉄鋼関税にも直面している。先月、関税について発表した後、トランプ大統領はEUと韓国やそのほかの同盟国を含む6か国については関税を一時免除したが、日本には適用しなかった。

 

日本の産業界の指導者たちは、アメリカ政府は鉄鋼とアルミニウムの関税を交渉材料にして、より広範な貿易交渉を行おうとしてくると確信していると述べている。

 

日本からの鉄鋼に関税をかけるという決定が安倍首相との関係を悪化させるという主張について、トランプ大統領は否定した。トランプ大統領は関税に関する覚書に署名を行う際に次のように述べた。「日本の安倍首相を日本政府高官たちと私は話をする。安倍首相は素晴らしい人物で、私の友人だ。彼らの顔に笑顔が浮かぶことはほとんどないだろう。彼らが浮かべる笑顔は“なんてことだ、もうアメリカをうまく利用できなくなってしまうなんて信じられない”ということを意味するものになる。アメリカを騙してきた日々は終わりだ」。

 

トランプのコメントはあったが、北朝鮮に対する姿勢の違いと貿易問題は米日同盟を傷つけるものになる。特に安倍首相のトランプ大統領に対する影響力は消えつつあるように思われる。

 

カーネギー研究所アジアプログラムの上級研究員のジェイムズ・ショフは本紙の取材に対して次のように答えた。「時間が浪費された。トランプ大統領との間で安定した関係を維持している人物はほぼいないように思われる。ある意味で、これは避けられないことなのだ」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

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古村治彦です。

 3月に入り、国際情勢が大きく動いています。このことを受けて、日本国内の内政問題に関して、「そんな大したことのない問題にかかずらうな」という声も出ていますが、日本は主要なアクターではないので、まずは主要なアクターとなれるように、内政問題をきちんと解決するところから始めねばなりません。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の安全保障担当補佐官である鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長が3月5日に北朝鮮を訪問し、北朝鮮の最高指導者である金正恩労働党委員長に会見しました。この時、南北首脳会談の実現と米朝による対話の促進が確認されました。

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この直後、3月8日、鄭義溶韓国国家安保室長らが大統領特使としてホワイトハウスを訪問しました。アメリカのドナルド・トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領、ハーバート・R・マクマスター大統領国家安全保障問題担当補佐官にこれまでの経過を報告しました。そして、金正恩委員長による米朝首脳会談実現提案があったことを伝えました。そして、トランプ大統領も提案を受け入れ、5月いっぱいまでに米朝首脳会談実現したい旨を述べた、と鄭室長はメディアの前で発表しました。その後、サラ・ハッカビー・サンダース報道官は楽観的な見方を否定する記者会見を行いました。


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 一つ気になったのは、鄭義溶がホワイトハウスの外で会見をした際に、アメリカ側のカウンターパートは誰も立ち会っていなかったということで、これはアメリカ側としては事前に米朝首脳会談提案について聞いておらず、トランプ大統領はその場では受け入れるということを述べましたが、トランプ政権としては事前に聞いておらず、態度を決められないので、賛意も反対も示すことができず、

 

3月13日にレックス・ティラーソン国務長官を解任、後任にマイク・ポンぺオCIA長官を指名しました。3月6日(ゲイリー・コーン国家経済会議議長解任の日)と13日にジョン・ボルトンとホワイトハウスの大統領執務室で会い、3月22日に、ハーバート・マクマスター陸軍中将を解任し、ジョン・ボルトンを後任にすると発表しました。

 

3月25日から28日にかけての金正恩労働党委員長の訪中、習近平国家主席との会談はこのような流れの中で実現しました。中朝首脳会談についての分析記事は既にこのブログでご紹介しました。29日にはトランプ大統領は演説の中で、トランプ大統領は「在韓米軍は負担になっている」と述べました。在韓米軍の削減、もしくは撤退に向けた動き(ジミー・カーター大統領時代も検討された)ではないかとも考えられます。

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 こうした動きの中で、中国の習近平国家主席が3月9日に米中韓朝4か国による朝鮮戦争休戦協定の平和協定への移行をトランプ大統領に直接提案したという報道が出ました。この時、トランプ大統領は「聞きました」という態度であったということです。

 

 3月上旬、韓国が「外交攻勢」を強めており、南北首脳会談の実現、米朝交渉の促進で主導権を取っています。同時期、中国の習近平国家主席が朝鮮戦争休戦協定を平和協定に変更するという提案を行いました。1953年の朝鮮戦争休戦協定の署名者はアメリカ(国連軍)、北朝鮮、中国です。韓国はこの時署名者にはなっていません。ですから、休戦協定を変更するためにはアメリカを通さねばなりません。習近平国家主席は、中国、アメリカ、北朝鮮に韓国を加えた新しい枠組みで平和協定を締結することを提案しました。

 

 韓国は同盟国であるアメリカ、そして日本と緊密に協力していくとしながらも、裏では中国とつながり、中国を利用して北朝鮮問題において改善を図ろうとしているように思われます。また、中国も韓国を引き入れて、北朝鮮問題を解決しようと考えているようです。これに対して、アメリカ側、トランプ大統領は、本当は何を考えているのか、肚の底を見せずに、ある意味で不気味な沈黙というか、穏やかな姿勢を保っています。しかし、軍事行動を主張する強硬派、超タカ派(uber-hawk)のマイク・ポンぺオ、ジョン・ボルトンの起用をしてみせて、決して、中韓の考えている路線には同調しないという姿勢を見せました。しかし、在韓米軍がアメリカにとって負担という発言もし、新しい平和枠組みに乗るかもしれないと思わせ、巧みに周囲を翻弄しているのはトランプ大統領の真骨頂が発揮されています。

 

 中国と韓国が北朝鮮問題について本腰を入れ始めることはアメリカにとって歓迎すべきことですが、あくまで主導権と決定権はアメリカになければなりません。北朝鮮の核兵器がアメリカの国家安全保障上の問題にまで深刻化してしまった以上、照明付きの完全な廃棄、しかもそこには何の前提条件もないということがアメリカにとっての重要なことです。

 

 金正恩としては体制保障が確実にならなければ核兵器を放棄することはできません。アメリカとの約束もどうなるか分からないのはリビアのカダフィ大佐の最期を見れば明らかです。アメリカだけでは不安となれば、中国をそして韓国、できればロシアも体制保障の枠組みに入れたいところです。金正恩は中韓朝の枠組みを構成するという動きをうまく利用していると言えます。

 

 最後の米朝首脳会談でどうなるかということですが、米朝首脳会談自体の準備が進んでいるのかどうか、いまだに分からない状況というのが事態を不透明にさせています。アメリカとしてはあらゆる可能性をシミュレーションしているでしょうし、国内政治、中間選挙も絡んで複雑な方程式を解かねばならないというところでしょう。

 

 人々を一番驚かせる内容は米中韓朝の平和協定が成立して、韓国からアメリカ軍が撤退、韓国は米中との間で友好を維持しつつ、北朝鮮を少しずつ経済発展と自由化の方向に勧める、これに中国とアメリカ、ロシアも協力する、ということになることでしょう。韓国から米軍が撤退する場合、日本はアメリカの橋頭堡、不沈空母として存在し続けねばならず、自衛隊の米軍との共同運用の増加、駐留米軍への負担の増加といったことが起きる可能性があります。日本はこれからも蚊帳の外に置かれながら、負担だけは重たくなっていくという厳しい状況のままに置かれることでしょう。これは国民の無関心と無知、政治家の覚悟のなさが原因であり、自業自得と言わざるを得ません。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「習氏、トランプ氏に新安保を提唱 米中南北の平和協定も」

 

2018/4/1 02:01

©一般社団法人共同通信社

https://this.kiji.is/352860349210477665?c=39546741839462401

 

 【ワシントン共同】中国の習近平国家主席が39日にトランプ米大統領と電話で北朝鮮情勢を協議した際、朝鮮戦争の主要当事国である米中と韓国、北朝鮮の4カ国による平和協定の締結を含む「新たな安全保障の枠組み」の構築を提唱していたことが31日、分かった。複数の米中外交筋が明らかにした。

 

 国連軍と北朝鮮、中国が1953年に締結した朝鮮戦争休戦協定の平和協定への移行を念頭に置いているとみられる。習氏は日本に言及しておらず、南北、米朝の首脳会談後の交渉を、4カ国を中心に進める考えを示唆した可能性がある。

 

 トランプ氏は明確な賛否を示さず、圧力維持を習氏に求めたもようだ。

 

=====

 

●「「金正恩氏、トランプ氏との面会熱望」 訪米の韓国高官」

 

朝日新聞 ワシントン=香取啓介2018391147

https://www.asahi.com/articles/ASL393CHCL39UHBI00R.html

 

 米ホワイトハウスで8日、韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)・国家安保室長が記者団にした説明は以下の通り。

 

 本日、トランプ米大統領に対して、私の最近の北朝鮮・平壌訪問について、報告する栄誉にあずかった。トランプ大統領、副大統領、私の友人のマクマスター将軍(国家安全保障担当大統領補佐官)をはじめとする素晴らしい国家安全保障スタッフにお礼を言いたい。トランプ氏のリーダーシップと、国際社会と連帯した「最大限の圧力」政策によってここまで来られたと説明した。そして、トランプ氏のリーダーシップに対する文在寅(ムンジェイン)大統領の感謝をお伝えした。

 

 我々との会談で、北朝鮮指導者の金正恩(キムジョンウン)氏が非核化に取り組むと言ったことをトランプ氏にお伝えした。金氏は北朝鮮がこれ以上の核実験やミサイル発射実験を控えることを約束した。また、通常の韓米合同軍事演習が続けられることに理解を示した。そして金氏は、トランプ氏にできるだけ早く面会することを熱望していると表明した。

 

 トランプ氏は報告に感謝し、恒久的な非核化のために、金氏と5月までに会うと言った。韓国は米国、日本、その他の多くの世界のパートナーとともに、朝鮮半島の完全なる非核化に断固として取り組んでいく。

 

 トランプ氏とともに、我々は平和的解決の可能性を探る外交プロセスが続くことを楽観している。韓国と米国、我々のパートナーはともに立ち向かい、過去の過ちを繰り返さないと強調する。そして、北朝鮮がその言葉に見合う具体的な行動をするまで圧力をかけ続ける。(ワシントン=香取啓介)

 

=====

 

●「「北朝鮮の具体的行動」なければ首脳会談せず 米報道官」

 

朝日新聞 ワシントン=峯村健司20183101207

https://www.asahi.com/articles/ASL3B2VQ5L3BUHBI00M.html

 

 米ホワイトハウスのサンダース報道官は9日の会見で米朝首脳会談の開催合意について、「北朝鮮が言葉通りの具体的行動をとるまでは会談することはない」と述べた。米政府当局者は9日、朝日新聞の取材に対し「北朝鮮側が約束を履行するかどうかを注視している」と説明した。

 

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は8日に韓国高官を通じて米側に対し、非核化に取り組むことや、核実験や弾道ミサイル試射を凍結すると伝えた。サンダース氏は、北朝鮮側が「具体的措置をとるという前提で要請を受け入れた」と説明。首脳会談の時期や場所、議題などは決まっていないとした。

 

 一方、ペンス副大統領は9日、「北朝鮮が核開発終結に向けた永続的かつ検証可能で具体的な行動をとるまで、すべての制裁と最大限の圧力は続く」とする声明を発表。首脳会談が実現しても、北朝鮮に核放棄を求める圧力を緩めない考えを改めて強調した。

 

 トランプ大統領は9日、自身のツイッターで「北朝鮮とのディール(取引)は進展しており、うまくいけば世界にとってすばらしいものになる」と語った。(ワシントン=峯村健司)

 

(貼り付け終わり)

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(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

 

(終わり)


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