古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ドナルド・トランプ

 古村治彦です。

 

 2019年はアメリカ大統領選挙の民主、共和両党の予備選挙が始まる年です。今年前半、できるだけ早い時期に予備選挙に出馬するかどうか、態度を表明しなければなりません。共和党は現職のドナルド・トランプ大統領が一期目で再選を目指す立場にあり、大物が挑戦することはないと思われます。


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オローク、バイデン、サンダース

 民主党はホワイトハウス奪還を目指す立場であり、これまでに多くの人物の出馬が取り沙汰されています。下馬評が高いのは今のところ、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員、ビトー・オローク連邦下院議員です。

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 この3名についての世論調査が行われたようで、その結果についての記事をご紹介します。「今日ただ今、2020年の米大統領選挙の投票日だとして、誰を支持しますか」という仮定の質問をして、一対一(トランプ対バイデン、トランプ対サンダース、トランプ対オローク)それについて答えてもらうという形式で調査が行われたようです。

 

 その結果、トランプ対バイデンは36%対42%でバイデン勝利、トランプ対サンダースは37%対38%でほぼ互角ながらサンダース勝利、トランプ対オロークは37%対30%でトランプ勝利という結果が出たそうです。

 

 これは、バイデンが引き継ぐであろうオバマ路線への期待、サンダースが主張する格差是正に対して評価があるということであり、オロークに関しては何をしたいのか分からない、かつヒラリー派ではないのかといいう不安、テキサス一州を対象とする連邦上院議員選挙で勝てなかったということがあるのだろうと考えられます。

 

 トランプ大統領の外交政策はバイデン(とオバマ路線)に近く、国内政策はサンダースに近いものです。表現は過激で、いくつかの政策は相容れないところがありますが、全体として、そうなのです。こうして考えると、トランプ大統領は、この3名が民主党の有力候補である場合、実際の本選挙では戦いやすいということになります。トランプは70代ですが、バイデンとサンダースは彼よりももっと年上で年齢の問題ということは避けられません。オロークはまだ実力不足ということになります。まったく思いもしなかったところから突然、スターが誕生ということになれば話は別ですが、現状ではその兆候は見られません。

 

 2019年、2020年の経済状況も絡んできますが、2018年末の段階ではトランプ大統領が優位であるということは間違いありません。

 

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世論調査:2020年の仮想の米大統領選挙において、トランプはオロークを倒し、サンダースとはほぼ互角で、バイデンには敗れるという結果が出た(Poll: Trump beats O'Rourke, nearly ties Sanders and loses to Biden in hypothetical 2020 matchups

 

ジュリア・マンチェスター筆

2018年12月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/422735-trump-beats-beto-nearly-ties-bernie-but-loses-to-biden-in

 

『ザ・ヒル』誌と「ハリスX」社の共同世論調査によると、「今日2020年の米大統領選挙の投票が行われるとすると」という設問で、トランプ大統領はジョー・バイデン前副大統領に負けていることが明らかになった。

 

世論調査の結果では、ジョー・バイデン42%、トランプ36%で、バイデンがリードしており、他2人の民主党の有力候補よりも良い結果となった。

 

トランプ大統領はビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)との一対一の戦いで勝利している。トランプ支持は37%、オローク支持は30%であった。

 

トランプは、2016年米大統領選挙に出馬したバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とほぼ互角の結果であった。37%がトランプに投票すると答え、38%がサンダースに投票すると答えた。

 

進歩派のストラティジストであるルイ・テキセイラは月曜日放送された番組「ワット・アメリカズ・シンキング」の中のインタヴューの中で、2020年米大統領選挙の候補者たちについて世論調査を行うのは早過ぎるが、バイデンがトランプに対して良い結果を収めたことは驚くべきことではないと述べた。

 

シンクタンク「センター・フォ・アメリカン・プログレス」の上級研究員テキセイラは、「ヒル・TV」のジャマル・シモンズに対して、「このようなことで世論調査を行うのは時期尚早だ」と述べた。

 

テキセイラは続けて次のように語った。「バイデンがトランプに対して良い結果を収めたことは驚くに値しない。バイデンは100%の知名度を誇る。彼は感じの良い人物だ。バイデンは民主党が苦戦している地域で善戦することが出来ると考えている」。

 

民主党全国委員会は先週、2019年から2020年にかけて12回にわたる予備選挙討論会を実施すると発表した。この予備選挙と討論会を通じて誰がトランプに挑戦できるかを調整することになる。トランプ大統領は就任してからの2年間、支持率は低空飛行を続けている。

 

先週、トランプ大統領は、11月の連邦上院議員選挙で敗北した、民主党の有力候補であるオロークについて記者団を前に皮肉たっぷりに次のように語った。「大統領選挙出馬を云々する前に連邦上院議員選挙で勝利しておくべきだったのだが」。

 

民主社会主義者のサンダースは、2016年の米大統領選挙の民主党予備選挙で善戦背板が、最終的にヒラリー・クリントン元国務長官に敗れた。

 

バイデンはこれまでにも複数回にわたり大統領選挙に出馬した経験を持つ、2020年の大統領選挙への出馬の可能性について完全に否定していない。

 

『ザ・ヒル』誌とハリスX社の共同世論調査は、ザ・ヒル誌のオンラインTV部門のヒルTVと世論調査会社ハリスX社の共同プロジェクトである。1001名のアメリカ国民に対して現在の政治と政策における諸問題について調査は実施された。2018年12月16日から17日にかけて調査が行われ、誤差は3.1ポイントである。

 

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(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2018年12月20日、ジェイムズ・マティス国防長官の辞任が前倒しとなり、在任は年内いっぱいまでとなりました。マティス長官の辞任は、ドナルド・トランプ大統領のシリア政策、具体的には米軍の撤退に反対したことが原因でした。トランプ大統領は正式の後任を置く前に、代行として、パトリック・シャナハン(1962年―)国防副長官を指名しました。このシャナハンもマティスの後任の有力候補として名前が挙がっています。

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パトリック・シャナハンとトランプ
 

シャナハンは1986年にボーイング社に入社し、最後は供給担当の上級副社長を務めました。政府での経験はないというところが不安を持たれているようですが、シャナハンはトランプ大統領が提唱した宇宙軍創設を推進しており、大統領からの信頼も厚いようです。彼自身もコンピューター技術者出身ということもあり、技術に関しては有能ということになるでしょう。

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アヨッテ
 
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トム・コットンとトランプ

 その他にケリー・アヨッテ、トム・コットン、デイヴィッド・マコーミック、ジム・タレントといった名前が挙がっています。アヨッテ、タレントは連邦上院議員の経験者、コットンは現役の連邦上院議員です。それぞれ軍事委員会に所属し、軍事知識が豊富なようです。トム・コットンはハーヴァード大学卒業後、法科大学院に進学し、弁護士資格を取得しました。その後、アメリカ陸軍に入隊し、幹部候補生学校に入学し、士官(最終階級は大尉)としてイラクとアフガニスタンに派遣されました。その後、ネオコンのウィリアム・クリストルに見出されました。そして、2014年の連邦上院議員選挙に当選しました。ネオコン派の議員として、タカ派的言動で知られています。

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デイヴィッド・マコーミックとトランプ
 

 デイヴィッド・マコーミックはヘッジファンドのブリッジウォーター社のCEOですが、ジョージ・W・ブッシュ政権で財務次官を務めた経験を持っています。また、イヴァンカ・トランプ、ジャレッド・クシュナーと個人的に親しい関係にあるようです。

 
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ジム・タレント

 下に掲載した記事が書かれた頃にはシャナハンの代行はまだ発表される前でした。シャナハンが代行に任命されたことで、シャナハンがマティスの後任になる可能性が高まったように考えられます。アヨッテ、コットンといった人たちはトランプ大統領のシリアとアフガニスタンの米軍の縮小に反対を表明しています。主要な政策に反対する人を入れるのかどうかは分かりません。それぞれに一長一短があるので、誰と決め打ちすることは難しいですが、もしこの中から誰かが選ばれた場合に、トランプ大統領の思考法を理解するための手助けになると思われます。

 

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マティスの後任の有力候補者5名(Five possible successors to Mattis

 

エレン・ミッチェル、レベッカ・キール筆

2018年12月23日

『ザ・ヒル』誌

 https://thehill.com/policy/defense/422560-five-possible-successors-to-mattis

 

トランプ大統領はジェイムズ・マティス国防長官の今週の辞任を受けて公認を決めるのに苦労するかもしれない。

 

マティスは木曜日(20日)に辞任した。最高司令官(大統領)との間で政策をめぐる大きな相違があったことを理由に挙げている。マティスは民主、共和両党から幅広い支持を受け、アメリカの同盟諸国から尊敬を集めていた。マティスの存在のおかげで発足してから2年間、無秩序な政権が何とかやっていくことが出来たが、現在、政権人事のこれまでにない大幅な異動が展開されている。

 

トランプ大統領は2月末までに退役した4つ星の将軍マティスの後任を決めることとなるが、有力候補者として数名の名前が挙がっている。

 

しかし、名前が挙がっている有力候補者たちで大統領と一対一であった人はほぼいない。また、連邦上院において大差で承認を得られるであろう人もほぼいない。現段階での名前が挙がっているのはトランプ大統領以外の人物の推測に基づいた人々である。

 

トランプ大統領によるシリアからのアメリカ軍の撤退という決定とアフガニスタン駐留の米軍の半減を考慮していることについて、連邦上院軍事委員長ジェイムズ・インホフェは次のように語った。「大統領は自分の考えを進んで実行してくれる人物を選ばなければならない。これは難しいと思う。多くの人間はシリアからの撤退決定、アフガニスタン駐留米軍の半減について憤慨していると思う」。

 

マティスの後任の候補者5名を紹介する。

 

●ケリー・アヨッテ(Kelly Ayotte)前連邦上院議員(ニューハンプシャー州選出、共和党)

 

政権に近い匿名の人々はアヨッテがマティスの後継者となると語っている。彼女は、マティスが国防長官に指名される前に、国防長官に指名されると考えられていた。

 

ニューハンプシャー州選出の前連邦上院議員アヨッテは国防に関して豊富なバックグラウンドを持っている。アヨッテは連邦上院議員時代に連邦上院軍事委員会即応小委員会の委員長を務めた。

 

2016年の選挙で彼女は敗れてしまった。2015年のイランとの核開発を巡る合意に関しては激しく反対する共和党議員の一人であった。彼女はイランと北朝鮮に対する経済制裁を強化することを主張した。

 

上院議員退任後すぐに、アヨッテはトランプが大統領になって初めて連邦最高裁判所判事に指名したニール・ゴーサッチのための連邦議会におけるシェルパ、先導役を務めた。アヨッテの名前は、2017年5月にトランプがジェイムズ・コミーFBI長官を解任した際を含む、複数の機会で取り沙汰された。

 

しかし、アヨッテの持つ考えの中にはトランプ大統領の考えと齟齬をきたすものがあるようだ。その中には中東からの米軍撤退に関する考えも含まれている。

 

アヨッテは2011年にオバマ前大統領がイラクから米軍を撤退させたことを激しく批判した。このことは、彼女が、トランプ大統領が望むシリアからの米軍撤退について同様に批判するのではないかということを示している。

 

連邦上院議員在任中、アヨッテは「スリー・アミーゴス」の一員として知られていた。他の二人はトランプを多くの場面で批判した故ジョン・マケイン前連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)と、ここ数日シリアとアフガニスタンについてトランプ大統領と激しい応酬を展開しているが、基本的には大統領の味方であるリンゼー・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)である。

 

●トム・コットン(Tom Cotton)連邦上院議員(アーカンソー州選出、共和党)

 

ここ数カ月、連邦上院軍事委員会と情報委員会の委員を務めている、トム・コットン連邦上院議員が国防長官、もしくはCIA長官に指名されるのではないかという憶測が流れている。

 

コットンは金曜日に国防長官就任の可能性について質問しようと集まってきた記者たちに何も答えなかった。

 

コットンは陸軍士官としてイラクとアフガニスタンに従軍した経験を持つ。コットンは連邦上院の中で国防タカ派として名前を知られている。また、トランプ大統領による対イラク政策の変更を支持している。

 

現在41歳のコットンが国防長官になると、現代においては最年少の国防長官の一人ということになる。

 

コットンはいくつかの間違いを犯している。2017年2月にマイケル・フリンが国家安全保障問題担当大統領補佐官を辞職した後に、トランプ大統領にH・R・マクマスターを後任に推薦したと報じられている。

 

マクマスターの名前は、コットンによる推薦があるまで、トランプ大統領のレーダーには引っかかっていなかったと言われている。マクマスターはトランプと衝突を繰り返し、トランプの対ロシア、対イラン、対北朝鮮政策に反対し続け、2018年3月に解任された。

 

コットンは、トランプがシリアとアフガニスタンにおける米軍の規模を縮小すると発表したことに対して、激しい批判を行った。これらの問題はマティスの辞任を誘発した。

 

ロビー活動会社「ナヴィゲイター・グローバル」社長アンディ・カイザーは、トランプの政権移行ティームの国家安全保障部門に参加していた。カイザーは、コットンのシリアに対する姿勢が彼の国防長官に就任するチャンスにどのように影響するかどうかははっきりしない、と述べた。

 

カイザーは次のように述べている。「誰が国防長官になるかを推測するのは難しい。ニッキー・ヘイリーはトランプ大統領に批判的であった。それでもヘイリーは米国連大使に指名された。どのコメントが重要でどれが重要でないかを判断するのは難しい。公平に述べて、トム・コットンはトランプ政権に対して好意的であり、トランプ政権が発足してから帰還のうち99%の時期は政権を評価してきたと私は思う。従って、彼にも大いに可能性があると考えている」。

 

しかし、問題を複雑にしているのは、コットンが安泰な連邦上院議員の座を捨てて、国防長官になるかどうかということ、そして、トランプ大統領が、共和党が過半数を占めている連邦上院から議員を引き抜くかどうかということである。

 

●元財務省上級職員のデイヴィッド・マコーミック(David McCormick

 

今年9月、『ワシントン・ポスト』紙はマコーミックがマティスの後任になる可能性があると報じた。この時期、中間選挙(11月6日)後にマティスの辞任があるのではないかという話が出始めていた。

 

マコーミックは陸軍士官学校を卒業後、陸軍士官として湾岸戦争に従軍した。ジョージ・W・ブッシュ(子)政権で、国際問題担当財務次官を務めた。それ以前には産業・安全保障担当商務次官と国家安全保障問題担当次席大統領補佐官(国際経済政策担当)を務めた。

 

マコーミックは現在、世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーターの共同CEOを務めている。また、トランプ政権の酷寒安全保障問題担当次席大統領補佐官を務めたディナ・パウエルと婚約している。

 

マコーミックは大統領の娘と義理の息子であり、ホワイトハウスの上級顧問を務めるイヴァンカ・トランプとジャレッド・クシュナーとは社交グループを通じて個人的に大変に親しい関係にある。

 

2017年、マコーミックは国防副長官就任の申し入れを拒否した、その理由としてブリッジウォーターでの仕事に満足していること、国防副長官の仕事に自分は適していないことを挙げた、と報じられたことがある。

 

●パトリック・シャナハン(Patrick Shanahan)国防副長官

 

トランプ大統領はマティスの後任を見つけることが出来ない場合、国防副長官の中から選ぶこともある。その場合、ボーイング社の重役であったパトリック・シャナハンは有利な立場にある。

 

国防総省内で2番目の高位の文官は、企業の役員を務めた背景を持つ。1986年にボーイング社に入社し、2017年に国防副長官の指名を受けるまで、ボーイング社の供給チェーン担当上級副社長を務めていた。

 

更に言えば、シャナハンは、実際の戦争と戦闘に関してのアドヴァイスではなく、ビジネスと行政における経験に基づいて、国防総省の改革を主導する役割を担っている。

 

シャナハンは、宇宙軍新設というトランプの計画を支持しているだけでなく、実際に国防総省内で宇宙軍新設計画を推進している。そのために、ホワイトハウスを頻繁に訪問し、トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領と会談を持っている。

 

シャナハンがマティスと緊密な関係にあるのかどうかは知られていない。

 

●ジム・タレント(Jim Talent)元連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)

 

2016年の米大統領選挙直後、トランプの政権移行ティームは国防総省トップにタレントを就けようとした。ミズーリ州選出の連邦上院議員だったタレントは、連邦上院軍事委員会印を務めた経験を持ち、今でも連邦議員たちと太いパイプを持っている。また、ニューヨークでトランプと会談を持った。2015年と2016年、トランプを批判した多くの共和党の政治家たちと異なり、選挙期間中、タレントはトランプを批判しなかった。

 

国防長官決定の過程の中で、タレントを強力に推したのはその当時の大統領首席補佐官レインス・プリーバスであった。しかし、プリーバスは2017年7月にホワイトハウスを去った。今回、タレントは大統領に対して影響を与えることが出来る大物支持者を得ているのかどうかははっきりしていない。

 

タレントは現在、米中経済・安全保障問題検討委員会の委員を務めている。タレントを2019年末までの2年の任期の委員に任命したのは、連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル(ケンタッキー州選出、共和党)であった。

 

トランプの政権以降ティームに参加したヘリテージ財産の国防政策担当アナリストであるジェイムズ・カラファノは誰がマティスの後任にふさわしいかと質問され、タレントとジョン・カイル連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)の名前を挙げた。

 

カラファノは次のように述べている。「ジョン・カイルやジム・タレントのような人物は経験豊富、尊敬を集める連邦上院議員とその経験者で、国家安全保障問題に精通している。連邦議会の中で人々の尊敬を集めている。そのような人々は素晴らしく、国防長官に適格だろう」。

 

2012年の米大統領選挙で共和党候補者となったミット・ロムニーは、タレントを国防長官にすると明言していた。

 

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 古村治彦です。

 

 2020年の米大統領選挙について、このブログでも何度か書いていますが、共和党は現職のドナルド・トランプ大統領がいるので、よほどのことがない限り、対抗馬は出ないでしょう。一方、民主党はホワイトハウス奪還を目指しており、「誰がトランプ大統領を倒せるのか」という一点で、様々な名前が出ています。有力だろうという人物だけでも5名以上の名前が出ています。

 

 その中でも、ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員が知名度の点で大きくリードしています。バイデンはオバマ政権で副大統領を8年間務め、その前は連邦上院議員を36年も務めました。バーニー・サンダースは2016年の米大統領選挙でヒラリー・クリントンを追い詰めたことで知られています。


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ジョー・バイデン 

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バーニー・サンダース

 上位2人に続くのが、新星ビトー・オローク連邦下院議員です。ハンサムな容姿と対立を煽らないスタイルで、人気を集め、今年の中間選挙において、テキサス州の連邦上院議員選挙に出馬しましたが、その様子は日本のニュース番組でも取り上げられるほどでした。現職のテッド・クルーズは追い込まれ、トランプ大統領に助けを求め、何とか当選することが出来ました。

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ビトー・オローク
 

 サンダースは社会主義者を自認しているので、共和党が優勢な州ではおそらく勝てないので、バイデンの方が候補者としては良いということになります。しかし、問題は年齢で、バイデンも、そしてサンダースも70代後半です。年齢で云々したくありませんが、やはり健康問題や判断力の低下などが懸念されます。そうした中で、オローク待望論も出てきています。しかし、オロークはテキサス州全部が選挙区となる連邦上院議員選挙で負けている点がネックになります。

 

 そうした中で、バイデンの側近たちが、オロークを副大統領候補にして、大統領選挙に出馬するということを考えているようです。バイデンの年齢の問題に関する懸念を、オロークを入れることで薄めようという動きのようです。バイデンが大統領になって万が一職務執行不能状態になったら、オロークが副大統領として職務を代行する、バイデンが自認することになれば、オロークが大統領に昇格するということになります。これは、バイデンの年齢を心配して投票を躊躇する有権者に対して、「バイデンとオロークをセットで見てください、2人で1つと見てもらって、とりあえずトランプ大統領を倒したいのです」と訴えるものであり、オロークと彼の支持者に対しては、「副大統領になれば一気に知名度が上がります。そうなればバイデンの次として民主党の候補者にすんなりなれます、そうすれば遅くとも10年後には大統領になれるでしょう」と訴えるものです。もしかしたら、バイデンは最初から1期だけと決めているかもしれません。

 

 バイデンのこのような動きに対して、オロークがどう対応するのか注目されます。

 

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バイデンのティームがオロークを副大統領候補にして大統領選挙に出馬することについて議論(Biden team discussed 2020 run with O'Rourke as VP: report

 

タル・アクセルロッド筆

2018年12月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/421506-biden-team-discussed-2020-run-with-orourke-as-vp-report?fbclid=IwAR2WJNsIPo9QblwTYOpNUyWp8bYsFzy7UFT_DiPTtVJne3P8mQFLh7t7Oww

 

ジョー・バイデン前大統領の補佐官だった人々が。バイデンが2020年の大統領選挙に出馬する場合に、彼よりも若い人物を副大統領候補に選ぶというアイディアを提案したと報じられた。その候補者としてビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の名前が浮上している。

 

AP通信は匿名の人物からの取材をもとにして、金曜日に上記のシナリオを報じた。現在の補佐役と過去の補佐官たちは、バイデンが自身よりも若い人物を副大統領候補とすることで、彼の年齢に対する懸念を和らげることになると議論している。

 

2020年11月の投票日の段階で、バイデンは77歳になっている。もし大統領選挙に勝利すれば、バイデンは史上最高齢の大統領ということになる。バイデンはこの2年の間、トランプを倒すためにもう一度大統領選挙に出馬することを考慮していると述べている。そして、バイデンは民主党内の有力候補者たちと争うことになる。

 

民主党はここ数年若い有権者たち、特に若い女性有権者に向けてアピールしようと努力している。また、有色人種も対象としている。そして、トランプ大統領を倒すための最良の戦略の鍵を若者、女性、有色人種の人々が握っている。トランプ大統領は、前回の大統領選挙で中西部の白人の労働者階級からの支持を勝ち取って当選した。

 

民主党の大統領選挙候補者には数多くの人物が含まれている。その中には、様々な年齢の多くの女性やマイノリティの政治家たちの名前が挙げられている。

 

バイデンが46歳のオロークを副大統領候補に選べば、自分より若い人物とコンビを組むことになるが、白人男性だけのコンビになってしまうことを意味する。

 

本誌からのコメント依頼に対して、バイデンの報道担当はコメントを拒否し、オロークの事務所からは返答はなかった。

 

ロナルド・レーガンは当選時には73歳で最高齢だ。トランプ大統領は当選時は70歳であった。

 

バイデンは数か月以内に大統領選挙に出馬するかどうかを決断すると見られている。

 

オロークは現在2期目の連邦下院議員である。先月、テキサスの連邦上院議員選挙で、現職のテッド・クルーズ連邦上院議員に3ポイント弱の差をつけられ敗北したが、それでも、オローク自身も大統領選挙の候補者として名前が挙がっている。

 

2020年の米大統領選挙の候補者としては早い段階で名前が消えていたが、オロークはテキサス州の連邦上院議員選挙で優位な現職の共和党の候補者テッド・クルーズと予想外の接戦を演じたことで、大統領選挙への出馬を再考していると言われている。そして、民主党支持の有権者と献金者たちとの間で待望論が高まっている。

 

2020年の大統領選挙の民主党予備選挙に出馬するであろうと見られている人々の中には40代や50代の人々が含まれている。その中には、オローク、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、クリスティン・ギルブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、エイミー・クロウバッカー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、モンタナ州知事スティーヴ・ブロック、オバマ政権時代の住宅都市開発長官フリアン・カストロが含まれる。

 

その他に、77歳のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)と69歳のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)も有力な候補者である。

 

バイデンは連邦上院議員を36年勤め、その後、オバマ前大統領の下で副大統領を8年勤めた。民主党の支持基盤の中では人気を保っている。

 

今月モンタナ州で開催されたあるイヴェントで、バイデンは自身について「アメリカ国内で大統領に選ばれるのに最も資格として適した人物」だと述べた。

 

「現在我が国が直面している諸問題は、私が政治家として人生を賭けて取り組んだものばかりだ」。

 

=====

 

バイデンとサンダースがアイオワ州の世論調査でリード(Biden, Sanders lead field in Iowa poll

 

クリス・ミルズ・ロドリゴ筆

2018年12月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/421562-biden-sanders-lead-field-in-iowa-poll

 

アイオワ州の党員集会に出席すると答えた有権者たちを対象に行われた世論調査の結果が土曜日に発表された。ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が2020年の米大統領選挙の民主党候補のレースでリードしている。

 

バイデンは32%の支持を集めトップとなり、サンダースが19%を集めこれに続いている。サンダースは2016年の米大統領選挙民主党予備選挙で第二位となった。

 

世論調査を実施したセルザーアンドコー社の会長J・アン・セルザーは次のように語っている。「アイオワ州で党員集会に出席する人々になじみ深い人物たちに対する温かい歓迎ということになる。しかし、アイオワ州を訪問し始めて間もない、自分たちの未来を決める人々に名前を知ってもらおうとしている新人たちに対しても歓迎の意を示している。」

 

上位2人はヴェテラン政治家であるが、地元紙『デモイン・レジスター』紙・CNN・メディアコム社の共同世論調査の結果では、36%の人々がトランプ大統領を倒すためには、「新人」政治家がふさわしいと答えている。

 

新人待望の声に合うには、待望論が出ているビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)で彼は11%の支持を集めた。オロークは、テッド・クルーズ(共和党)との連邦上院議員を巡る戦いにおいて接戦で敗北を喫した後、大統領選挙の候補者として名前が取りざたされるようになった。

 

オロークは最近の数週間で民主党内の重要人物たちと会談を持っている。その中にはオバマ前大統領と聖職者のアル・シャープトンも含まれている。

 

上位2人以外に5%以上の支持を集めたのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)しかいなかった。

 

民主党所属の連邦ジョイン議員であるカマラ・ハリス(カリフォルニア州選出)、コーリー・ブッカー(ニュージャージー州選出)、エイミー・クロウバッカー(ミネソタ州選出)はそれぞれ5%、4%、3%の支持を集めた。マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長は3%の支持を集めた。

 

世論調査で名前が出された人物たちの中でバイデンとサンダースは最も高い知名度を誇る。彼らについて何も知らないと答えたのはわずか4%だった。

 

ウォーレンは上位2人に続き、高い知名度を持ち、84%が彼女の地位や立場について知っていると答えた。ウォーレンに続いたのは71%のブルームバーグ、64%のオローク、61%のブッカー、59%のハリスだった。

 

これまでのところ、ここに名前の出ている人物たちで選挙運動を開始すると発表した人はいない。

 

世論調査では、アイオワ州の民主党の党員集会(アイオワ州は米大統領選挙が最初に始まる州だ)に出席すると答えた人々に対して、20名の名前が掲載された名簿を示し、党員集会に出席した場合、誰を支持するかを質問した。2018年12月10日から13日にかけて20445名を対象に調査が実施された。誤差は4.6%だ。

 

アイオワ州での世論調査の結果は、金曜日に発表された全国規模の世論調査の結果とほぼ同じだ。全国規模の世論調査では、バイデンが30%の支持を集めてトップ、サンダースが14%を集めて第2位、3位には9%の支持を集めてオロークが入った。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2018年も押し詰まってきました。2019年ももうすぐですが、アメリカでは2020年のアメリカ大統領選挙に向けて、いろいろと動き出す時期です。挑戦者側の民主党ではいろいろな人たちの名前が出ては消えている状況です。ヒラリー・クリントンの名前も出てくるほどです。

 

 民主党の大統領選挙に向けて、ヒラリーで敗北したことを受けて、オバマ政権出身者が良いのではないかという話が出ています。バラク・オバマ前大統領、もっと言えば、ミシェル・オバマ夫人が支持を表明した人物が民主党の大統領選挙候補としてふさわしいという話が出ています。しかし、オバマ政権出身者ということになれば、こちらも複数おり、その中でもジョー・バイデン前副大統領とエリック・ホルダー前司法長官が、オバマ夫妻とオバマ政権出身者たちの支持を得やすいということになっています。

 

 しかし、一枚岩とは言えず、どちらかということになると、遺恨が生じることも考えられます。ですから、オバマ夫妻も簡単には誰を支持するのかということは表明できないということになります。オバマ夫妻はこれからも民主党内で影響力を持つ、うまくいけばキングメイカーになるということを考えているでしょうから、ここで失敗する訳にはいきません。

 

 今年11月の中間選挙で、民主党は連邦下院での過半数、435議席を獲得しました。これを「ブルーウェイヴ(青い波、青色は民主党を示す色)」と喧伝するマスコミもありました。しかし、下に紹介する記事では、話はそう単純にはいかないようです。

 

 下で紹介する記事の分析によると、民主党は左に寄り過ぎたために、左派が優勢な場所では勝利を得られたが、それ以外の場所では、左派出身の候補者は落選したということだそうです。民主党はバーニー・サンダースの台頭を受け、左派の人々を多く擁立したが、選挙区の事情に合わない人たちも出て来て、そういう人たちは落選したということです。

 

 そして、興味深いのは、今回の中間選挙では連邦上院と州知事の一部の選挙も実施されたのですが、有権者の動きが「トランプ政権が嫌いなので、国政では民主党に入れた」のだが、「州知事選挙では、増税を訴えている民主党の候補者に入れない」ということであったという分析がなされていることです。連邦議員には左派を選ぶが(トランプが嫌いだから共和党には入れたくない、民主党は左派の人が候補者だが仕方がないからこの人に入れる)、知事の場合には増税を言わない人に入れる、という動きになったということです。

 

 民主党が左派に寄り過ぎると、左派が優勢な場所ではよいのですが、アメリカ全土ということになると、支持を得られないということになります。しかし、民主党では左派が強い状況ですから、左派の意向が反映されやすいということになります。そうなればアメリカ全土で戦う大統領選挙では民主党に不利ということになります。

 

 民主党の有力候補者であるジョー・バイデンにしてもバーニー・サンダースにしても70代を過ぎており、年齢の点で懸念があります。トランプ大統領の方が年下ということになります。トランプ大統領としてはバイデンやサンダースが出てくれば年齢の点で対抗し、左派が出てくれば儲けものという感じで待っているのだろうと思います。

 

 ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の名前も取りざたされていますが、テキサス州の連邦上院議員選挙で現職のテッド・クルーズ連邦上院議員に敗北してしまいました。もし大統領選挙出馬ということになると、自分の出身州で勝てなかった人物が大統領選挙候補としてふさわしいかどうかということも議論になるでしょう。

 

 こうして見ると、2020年に向けた民主党の先行きは厳しいものがあるということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

オバマを中心とする世界は分裂しており、2020年の大統領選挙における候補者が複数存在する(A divided Obama world has options in 2020

 

エイミー・パーネス筆

2018年11月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/414188-a-divided-obama-world-has-options-in-2020

 

2020年のホワイトハウスを目指すレース(大統領選挙)に誰が戻るかとなった時に、オバマを中心とする世界は分裂する。

 

バラク・オバマ前大統領の協力者たちの多くはジョー・バイデン前副大統領に大統領選挙に出馬して欲しい、彼を支援する用意はできていると考えている。

 

その他の人々は、オバマ政権で司法長官を務めたエリック・ホルダーに出馬して欲しいと考えている。ホルダーはオバマ大統領の上級補佐官を務めたヴァレリー・ジャレットと緊密な関係にある。

 

他にはマサチューセッツ前州知事デヴァル・パトリックを支持する人たちもいる。パトリックは、オバマ大統領のストラティジストを務めたデイヴィッド・アクセルロッドと長年にわたり盟友関係にあり、パトリックは大統領選挙出馬に向けてアクセルロッドと話し合った。

 

2020年の大統領選挙に関して、30名ほどの名前が出ている。そうした中で、緊密な関係にあるオバマを中心とする世界の人々が初めて分裂する可能性がある。

 

オバマ大統領の側近だったある人物は「こうした人々は同じ支持基盤で争うので、争いは厳しくなるだろう」と述べた。

 

オバマ大統領時代のホワイトハウス報道官と2012年の大統領選挙でオバマ陣営のスポークスマンを務めたベン・ラボルトは、オバマ派の内部が分裂する可能性があることを認めた。

 

ラボルトは次のように発言している。「今年の民主党の予備選挙に出馬する準備をしている才能ある人物はいる。その人物が出ることで、オバマを中心とする世界の人々にとっては、離散ということになる。民主党員の多くが支持できる人であっても、友人やオバマ政権時代に同僚だった人々からは支持されない、そんなことが初めて起きるかもしれない」。ちなみにラボルト自身は誰を支持するかについて表明することを拒絶した。

 

ラボルトは続けて次のように語っている。「私たちは2度の激しい選挙戦を勝利した経験から知恵を持っており、その知恵で民主党に貢献したいと望んでいる。私たちは選挙戦を通じて候補者たちの支持を強力に拡大させるための知恵と経験を持っている」。

 

オバマは裏側で彼の側近たちを支援し、選挙に出るように促してさえいる。しかし、オバマ自身は、ミシェル・オバマ夫人と同様に、民主党の予備選挙が終盤に差し掛かるまで、公の場で誰を支持するかは明言せず、中立を保つ可能性が高いとオバマ周辺の人々は語っている。

 

しかし、オバマの側近や大口支援者の間では、オバマの支持を得たいという期待は大きくなる一方だ。

 

オバマの側近であるある人物は、全員が、ヴァレリー・ジャレットがどう動くかを見ていると語った。ジャレットはホルダーとホルダーの家族と緊密な関係を保ち続けている。

 

しかし、ジャレットは友人たちに対して、パトリックを支持するかもしれないとも語っている。デイヴィッド・サイマスをはじめとするオバマの補佐官だった人々は、パトリックを支援していると言われている。サイマスはパトリックの許で次席首席補佐官を務め、現在はオバマ財団の最高経営責任者を務めている。

 

民主党所属のあるストラティジストは次のように語っている。「パトリックとホルダーに対して、オバマ政権出身者たちとヴァレリー・ジャレットは親近感を覚え、政界以外にもその魅力が伝わる人物だと考えている節がある。デヴァル・パトリックの政界での人脈はオバマ政権出身者ばかりだ。オバマ政権出身者たちの間で誰が候補者になるかについて終わりのない占いが続くだろう。彼らはオバマの意向が最終的に誰に向くかを知りたいと考えている」。

 

オバマ政権出身者や支援者の間では、バイデン出馬という噂も流れている。大統領選挙の初期段階であるが既にそうした話が出ている。バイデンはオバマ政権に参加していた人々を惹き付けるだろう。なぜならばそれはオバマ政権出身者たちの多くがバイデンを、トランプを倒す可能性を持つ数少ない人物の一人だと考えているからだ。

 

オバマの大統領選挙陣営に参加したある民主党員は次のように語っている。「今名前が出ている3人が選挙に出る場合、誰がオバマの敷いたレールに乗ることが出来るだろうか?私の直感ではバイデンということになる。バイデンはオバマ政権のナンバー2であったし、在任中にオバマ自身に何かあれば大統領職を譲るというくらいに信頼していた人物だ」

 

ジョン・、トミー・ヴェトー、ダン・ファイファー、ジョン・ラヴェットのようなオバマ大統領の補佐官だった人々は、バイデン出馬を注意深く見守っている。彼らは、「ポッド・セイヴ・アメリカ」というポッドキャストとテレビ番組を制作する会社を立ち上げ、成功させている。

 

それでも、バイデン、パトリック、ホルダーはそれぞれ大統領選挙出馬を検討していると言われているが、本当に出馬するかどうかは不明瞭だ。

 

ホルダーは中間選挙で出馬していた候補者たちを支援して回っていた。その中で、今月初めにマスコミの注目を集める発言を行った。ホルダーは、ミッシェル・オバマが提唱して有名になったスローガン「相手が品位も何もない形で攻撃するならば、私たちは品位を高く保とう」を言い換えたことで、マスコミの注目を集めた。

 

ジョージア州である選挙集会に出席した際、ホルダーは「いやいや、相手が品位も何もない形で攻撃してくるならば、私たちは相手を蹴り上げてやる。それが民主党の新しいやり方なのだ」と発言した。

 

ホルダーをよく知っている人々は、ホルダーは融通が利かず、選挙戦でもクソ真面目な話ばかりだった。

 

長年民主党に所属し、ホルダーが司法長官時代には司法省の報道官を務めたブライアン・ファロンは次のように述べている。「民主党員の多くは、エリック・ホルダーがあまり好ましくない話題ばかりを取り上げることに“舌打ち”をしていた。それでもホルダーは悪びれることなく、構造的な人種差別について延々と語った」。

 

ファロン「トランプが政治の世界に出てくるかなり前から、ホルダーは司法長官として、警察による暴力、有権者が投票の際に受ける抑圧、大量収監に厳しく対処するための政策を実施していた。歴代司法長官でホルダーの業績に比肩できる人はほぼいない」。

 

バイデンとパトリックは、全米を廻って選挙の民主党の候補者たちを応援することで、マスコミの注目を集めた。その他の民主党の大物とは異なり、バイデンは民主党優勢州だけではなく、共和阿東優勢州にも積極に出かけて行った。これは、バイデンが今でも白人の労働者階級の有権者の人気を保っていることを示している。

 

バイデン、ホルダー、パトリックの3人は互いに賛辞を送り合う。ホルダーは『バスフィード』誌の取材に対して「私がデヴァル・パトリックと知り合ってしばらく経つ。知り合って数年経つ。彼は知事を二期務めたが、素晴らしい仕事をしたと思う」と述べた。

 

ロバート・ウォルフは2008年と2012年にオバマ陣営の選挙資金担当幹部(bundler)を務めた。ウォルフは2020年の大統領選挙の候補者となり得る人物たちと親しい関係にある。ウォルフは2020年の大統領選挙は個人の関係では決まらないだろうと述べた。

 

ウォルフは次のように発言した。「民主党は党として、高度に純化するだろうと考えている。そうした中で、この人だなと私たち民主党員、民主党支持者の考えが一致するように進めることができる人が実際にトランプを倒せる人物なのだろう」。

 

=====

 

民主党はブルーウェイヴ(青い波)でチャンスが潰え、2020年の選挙では厳しい戦いを強いられることになる(Democrats face tough 2020 battle after blowing chance at blue wave

 

クリスティン・テイト筆

2018年11月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/415750-democrats-face-tough-2020-battle-after-blowing-chance-at-blue-wave

 

左派の人々が常々不得意としているのは、期待に応えるということだ。トランプ大統領の就任以降、彼の反対勢力は、中間選挙において連邦議会の共和党を一掃するブルーウェイヴが起きる発生するという期待に賭けていた。しかし、結果は民主党が連邦下院議員選挙でそこそこの勝利を収め、連邦上院では共和党が大きな勝利を収めた。民主党は重要な選挙で、穏健もしくは保守的な選挙区であまりに左派的な候補者を擁立したことで敗北を喫した。最高の結果を得たのは穏健派の民主党の候補者たちであった。一方、強硬な左派の候補者は各選挙で敗北を喫した。

 

左派の人々は、今回の中間選挙が2020年の選挙の前哨戦であり勝利を収めることが出来ると確信していた。多くの点で、民主党はイデオロギー上の純粋性ではなく、中道に進むべき選挙であった。

 

ほぼ全ての世論調査と新聞の論説は、アメリカ全土で民主党の候補者たちが勝利すると予測していた。民主党が圧勝すべき各州において、実際には民主党は後退した。ペンシルヴァニア州のようなラストベルトの一部で勢力を盛り返したが、増進した分はオハイオ州とインディアナ州での敗北で相殺された。

 

民主党は接戦の多くを落としてしまった。その理由は、民主党の候補者たちが主流ではない人々から選ばれたことにある。民主党は根こそぎ勝利を収めようとしたが、左派が優勢ではない各州で期待以下の勝利しか収めることが出来なかった。民主党はニューメキシコ州、ヴァージニア州、コロラド州で印象的な勝利をもぎ取った。しかし、民主党は支持基盤にのみ向けた選挙運動を展開したことで、無党派や穏健派の有権者たちからの支持を得ることが出来なかった。2006年と2008年の選挙では民主党はこうした有権者から支持を得た。いくつかの選挙区では、進歩派のバーニー・サンダースの仲間だと主張してきた候補者たちが勝てるはずの選挙で敗北を喫したのである。

 

フロリダ州は進歩派により過ぎた民主党敗北の顕著な例となった。アンドリュー・ギラムは、『リアルクリアポリティックス』誌の事前調査では平均で3.6%リードしており、全国メディアでは勝利の可能性が高いと報じられていた。しかし、ギラムは接戦ではあったが、1ポイントの差をつけられて敗北した。これは衝撃であった。ギラムはもともと喧伝されていたよりも大した候補者ではなかったということが明らかになった。ギラム敗北の主な原因は何か?ギラムの公約は伝統的に民主、共和両党が伯仲しているフロリダ州の左派にとっては素晴らしいものであった。最大の公約は、州の法人税を41%も引き上げるというものであった。しかし、これによって生み出される10億ドル規模の増税をもってしても、彼の主張した急進的な政策を賄うのには十分ではなかった。ギラムの計画は納税医者に更に毎年26億ドルの負担増を強いるものであった。

 

フロリダ州知事選挙における民主、共和両党の候補者たちについて報道を見れば、ギラムが失った数千、数万の得票について説明できる、それまで見えていなかった問題が見えるようになる。ギラムは世論調査の結果では常にリードしていた。しかし、ある住民投票が人々の投票における優先順位が決まったことで、結果が変わってしまった。フロリダ州では州憲法修正5条について住民投票が行われた。州憲法修正第5条は、増税する場合には州議会で圧倒的多数で可決された場合にのみに限られるとするものだ。この修正第5条は約65%の賛成で成立した。

 

穏健派有権者がひとたびは急進左派に投票した選挙区で、民主党は今回の中間選挙で敗北した。ミズーリ州選出連邦上院議員のクレイリー・マカスキル、モンタナ州選出連邦上院議員のジョン・テスター、インディアナ州選出連邦上院議員ジョー・ドネリーは、前回までの民主党色を薄めた選挙戦ではなく、オバマケアや増税、最高裁判事で反トランプ的な投票を行ったことを前面に打ち出して戦った。3名のうち、生き残ったのはテスターだけだった。

 

民主党は、目立つ選挙区で妥協してしまった。なぜなら民主党は強固な支持基盤の意向を無視できずに、選挙区の特性を無視して、左派過ぎる人物を擁立することを止めることが出来なかった。民主党が選挙区の特性に合った候補者を擁立したところでは、勝利を収めているのだ!ジョー・マンシン連邦上院議員は、ウェストヴァージニア州の前知事という中道派のイメージと連邦最高裁判事人事でブレット・カヴァナーに賛成票を投じたことで、何とか勝利を収めることが出来た。コノー・ラム連邦下院議員はペンシルヴァニア州西部の新たに引き直された第17区で56%を獲得して勝利した。シュレッド・ブラウンはオハイオ州連邦上院議員選挙で二期目の当選を決めた。

 

上記の当選した候補者たちは伝統的な民主党の政治主張とは距離を取っていた。こうした人々の間には2つの共通点がある。第一に彼らは社会主義者ではない。第二に彼らは選挙区で選挙戦を戦うために特性を理解しそこに合った候補者たちである。

 

今年の中間選挙において連邦上院と下院の選挙で民主党は今回選挙独特の現象に直面した。経済は好調なのに、有権者の多く、特に郊外の富裕な人々がドナルド・トランプを激しく嫌っている。都市部の強硬な進歩主義派と全国の穏健派が連合を組むということが勝利をもたらす戦略となった。有権者はトランプを激しく嫌う中で、有権者はワシントンに対して「メッセージを送る」ということと自分たちの財布に直結する州レヴェルの選挙で、州の運営の仕方をどのように行うかということの間で選択を行った。その人物が健康保険を政府が全額支払う制度を支持するから候補者にするというだけでは、一般有権者の支持を獲得することはできない。小さな青い「波」が引いていく中で、民主党に残された課題はより難しいものとなっていくだろう。

 

その顕著な例として、民主党が圧倒的に優位なニューイングランド地方が挙げられる。マサチューセッツ州からはエリザベス・ウォーレン、ロードアイランド州からはシェルドン・ホワイトハウス、ヴァーモント州からはバーニー・サンダースが連邦上院に送られる。この地方の連邦下院議員の当選者はほぼ民主党所属である。しかしながら、州知事選挙では、共和党がヴァーモント州、ニューハンプシャー州、マサチューセッツ州で勝利した。マサチューセッツ州の有権者はウォーレンを当選させながら、それ以上の大差で、共和党所属の現職知事チャーリー・ベイカーを当選させた。ロバート・コンクエストが提唱した政治における3つの法則を思い出させる。それは、「人はすべからく自分に関することでは保守的になる」というものだ。ニューイングランド地方の有権者は全国に反トランプ的な態度を鮮明に示しながら、自分たちの生活圏では州税の税率や手数料率をより低くすることを選択した。これはつまり、「自分たちは嫌だけど、他の地方の人たちには社会主義をどうぞ」という態度なのだ。

 

既に2020年の選挙に向けた動きは始まっている。民主党が連邦上下両院で過半数を獲得し、ホワイトハウスを奪還する機会を手にしたいと考えるならば、中道に向けて動くべきだ。行き過ぎの調査と左派により過ぎた公約によって、民主党は2020年の選挙での勝利の機会を失う可能性も高い。左派と急進左派の間くらいの有権者を狙って、ジョー・バイデンやビトー・オロークを候補者にするならば、民主党がホワイトハウスを奪還する機会も生まれる可能性がある。中間選挙の結果で示されたように、カマラ・ハリスとエリザベス・ウォーレンではアメリカ全土で勝負できない。

 

結局のところ、ドナルド・トランプは現役の大統領であり、その地位を使って自分の考えを人々に広める力を持っている。そして、2018年の中間選挙ではその力を効率よく使ったということになる。

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカの歴代政権は中間選挙の後に人事異動を行うことが通例となっています。ドナルド・トランプ大統領も例外ではなく、ジェフ・セッションズ司法長官を解任し、国家安全保障問題担当次席大統領補佐官であったミラ・リカーデルを異動させる決定を行いました。

 

 また、トランプ大統領はジョン・ケリー大統領首席補佐官が年末で退任すると正式に発表しました。「2020年まではその職にとどまる」とホワイトハウスも発表していましたが、交代ということになりました。これによって、カースティン・ニールセン国土安全保障長官の交代も近いのではないかと言われています。ニールセンはケリーの側近であり、その後押しで国土安全保障長官に就任したので、ケリーがいなくなれば後ろ盾がいなくなるということになります。

 

 ジョン・ケリーの後任には、現在、マイク・ペンス副大統領の首席補佐官を務めているニック・エイアーズが就任すると噂されています。

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ニック・エイアーズとトランプ大統領
 

ニック・エイアーズはジョージア州を中心に活動してきた人物です。2003年から2011年までジョージア州知事を務め、現在はトランプ政権で農務長官を務めているソニー・パーデューの州知事選挙の責任者を務めました。エイアーズの妻はパーデューの親族であり、エイアーズはジョージア州知事選挙出馬に興味を持っているのではないかと報じられたこともあります。

 

2007年から2010年にかけては、共和党所属州知事会の事務局長を務めることで、中央政界への足掛かりを掴みました。そして、2010年から2011年にかけて共和党全国委員会で委員長を務めたラインス・プリーバス(トランプ政権で最初に大統領首席補佐官を務めた)を補佐しました。この時は、エイアーズも委員長候補として名前が挙がりましたが、それを断って、補佐役に回ったということです。20代で共和党全国委員会委員長の候補として名前が出るというのは、相当な力量がある人物ということになります。その後はコンサルタントに転じました。2011年の米大統領選挙ではティム・ポーレンティー陣営の幹部を務め、それ以降も各州の知事選挙で助言を行いました。

 

 2016年に当時インディアナ州知事を務めていたマイク・ペンスの再選のために選挙陣営に参加し、そこからペンスとの関係が出来ました。そして、2016年の大統領選挙では、ペンスが副大統領候補に選ばれることに尽力しました。そして、2017年1月からはペンス副大統領の首席補佐官を務めています。

 

 エイアーズは、36歳の若さで、大統領首席補佐官の候補者として名前が挙がるほどの人物です。20代で州知事選挙のスタッフから政治の世界に入り、中央政界での手掛かりを掴み、インディアナ州知事だったマイク・ペンスを副大統領に押し上げた手腕を持っています。

 

 NBCが報じるところによると、エイアーズと妻は6歳になる三つ子を育てているのだそうですが、ジョージア州に帰りたいと考えており、トランプ大統領からの首席補佐官就任に難色を示しているとも言われています。しかし、エイアーズにとっては大統領首席補佐官に就任し、再選に貢献するということになれば、これ以上の箔はなく、その後はジョージア州知事でも連邦議員でも、転身の成功可能性は高まることになるでしょう。

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マイク・ペンスと家族の前で宣誓するエイアーズ
 

 エイアーズが大統領首席補佐官に就任ということになると、マイク・ペンス副大統領の影響力が大きくなることも考えられます。しかし、トランプの周囲には娘であるイヴァンカと義理の息子ジャレッド・クシュナーがおり、この2人との関係が悪くなれば、エイアーズが切られるということになり、最悪の場合には、ペンスが途中で交代ということにすら発展しかねません。ですから、エイアーズとしては、大統領選挙の再選のために自分は首席補佐官になると割り切って、他のことにはあまり首を突っ込まないという態度を取るようになるかもしれません。

 

 民主党は中間選挙で連邦下院では過半数を奪還しましたが、選挙人制度である大統領選挙でこのような逆転が出来るのかどうか、今のままではかなり厳しいということになるでしょう。民主党では大統領選挙に向けて多くの名前が出ては消えてという現状で、有力な候補者が出て来ていません。そうした中で、再選に向けて動き出せるということは、やはり現職にとっては強みということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジョン・ケリーは今年末までにホワイトハウスを離れる(John Kelly to leave White House at year's end

 

ジョーダン・ファビアン、タル・アクセルロッド筆

2018年12月8日

『ザ・ヒル』誌

 

トランプ大統領は土曜日、ジョン・ケリー大統領首席補佐官が年末で退任すると発表した。11月の中間選挙での共和党の敗北以降、最新のそして最も高位の人事異動となる。

 

ケリーは2017年7月、混乱していたホワイトハウス内部に秩序を確立するためにトランプ大統領から指名を受けた。しかし、両社の関係は徐々に悪化していった。退役海兵隊大将であるケリーが大統領の行動を制限しようとすることに、トランプ大統領が反発するようになった。

 

土曜日、トランプ大統領はホワイトハウスの記者団に対して、「1日か2日か」の間に、代理という形でケリーの後任を選ぶことになるだろうと述べた。

 

トランプ大統領はフィラデルフィアで行われる陸軍士官学校対海軍兵学校のアメリカンフットボールの試合に向かう前に、ホワイトハウスの南庭で記者団に対して次のように語った。「ジョン・ケリーは職を離れることになる。引退、いや、引退という言葉を使えるのかどうか分からないな。それはともかく、彼は偉大な人物だ。ジョン・ケリーは今年いっぱいで退任することになる」。

 

加えて、トランプは「彼の奉仕と献身に大変感謝している」とも述べた。

 

ペンス副大統領の首席補佐官を務める共和党の戦略専門家であるニック・エイアーズは、トランプの最側近としてケリーの後任として選ばれる最有力候補だと考えられている。

 

エイアーズは36歳、政治に関する豊富な経験を有している。トランプ大統領に近い人々は2020年の米大統領選挙で再選に向けて動き始めねばならないと考えている。この時期にエイアーズの起用は当然だということになる。ケリーはトランプ政権入りするまでは、約40年にわたり、海兵隊で勤務していただけで、政治に関わる仕事をやったことはなかった。

 

しかし、エイアーズはトランプの周辺人物の中でも毀誉褒貶の多い人物であり、大統領の側近の中にはエイアーズの起用に抵抗している人たちもいる。

 

人事異動はトランプ大統領にとって重要な時期に行われる。トランプ大統領は来年には連邦下院で過半数を握っている民主党と妥協しなければならず、ロシアに関する捜査も更に進むという現実に直面している。

 

トランプ大統領は金曜日、元司法長官のウィリアム・バーを司法省の支配権を再び確立するために起用すると発表した。バーの司法長官就任が連邦議会で承認されれば、バーは司法長官として、ロバート・ムラー特別検察官の捜査を指揮監督することになる。

 

歴代の大統領は中間選挙後に政権内の人事異動を行うことを伝統としてきた。しかし、今回の人事異動はトランプによるドラマの一部という色合いが強いものとなっている。

 

トランプ大統領は中間選挙の翌日にツイッターを通じてジェフ・セッションズ司法長官の解任を発表した。そして、それから数週間を経てバーの起用を発表した。中間選挙の前日、ホワイトハウスでの記者会見で、トランプ大統領はセッションズとケリーに対して信頼していると言及することを拒否した。

 

トランプ大統領はケリーについて質問された際に次のように答えた。「私に何も大きな秘密はない。これまで多くの政権が中間選挙後に人事異動を行った。多くの点において、私は自分の政権と内閣についてとても満足していると言いたい」。

 

ケリーが退任するのかどうかについて重ねて質問され、トランプ大統領は、ケリーの退任については「聞いていない」としながらも、「人々は退任するものだ」と発言した。

 

トランプ大統領は更に「首席補産官の仕事はとても消耗する仕事だ。仕事を始める時には若くても、2年も続ければ、年を取ってしまって退任するということになる」と述べた。

 

ケリーが退任するということになり、人々の関心は、カースティン・ニールセン国土安全保障長官が政権高位の人物で次に退任することになるのではないかということに集まる。ニールセンはケリーに近い人物で、トランプ大統領はニールセンの移民関係の法律の執行状況を批判している。

 

セッションズの解任後、ケリー以外にこれほど長く退任が噂された人物はいなかった。

 

ケリーの退任は間近だとする報道が相次ぎ、ホワイトハウスは今年7月、ケリーは2020年の大統領選挙まで大統領首席補佐官の職にとどまると発表していた。

 

しかし、ホワイトハウスによる発表がなされても、ケリーが首席補佐官を退任するという噂は沈静化することはなかった。

 

金曜日、複数のメディアは、ケリーは数日のうちに辞任を発表すると報じた。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ケリーは月曜日に上級スタッフに辞任を伝える計画だと報じた。

 

しかし、トランプ大統領は土曜日にホワイトハウスの南庭で記者団に対しての発言の中で、ケリーの退任を認めた。

 

この発表は金曜日の夜にあらかじめ決まっていた、ホワイトハウスでのケリーとトランプ大統領、大統領の側近たちとの夕食会の後でなされた。

 

ケリーとトランプ大統領との関係は、トランプ大統領が首席補佐官の希望を無視して自由に行動すると主張したことで、悪化した。トランプ大統領は友人や支援者に記録に残らない形で電話をし、2016年の大統領選挙で陣営のスタッフだった人物たちのホワイトハウス訪問を受け入れるなど自由な行動を行った。

 

複数のメディアが報じているように、ケリー大統領首席補佐官の立場は徐々に弱くなっていっていた。複数のメディアは、ケリーが陰でトランプを嘲笑し、トランプの家族と政権幹部や上級の補佐官たちと衝突していると報じてきた。

 

ジャーナリストであるボブ・ウッドワードは著作『恐怖の男』の中で、ケリーがトランプ大統領を「情緒不安定」「愚か者」と呼び、ホワイトハウスを「狂った町」と形容していると書いている。ケリーはウッドワードの著作に書かれた、大統領を愚か者と呼んでいるということを否定した。

 

しかし、ケリーは大統領首席補佐官の職にとどまり続けた。これについて、各種メディアは、トランプは四つ星の海兵隊大将を解任することで批判が起きることを憂慮して、解任できないでいると報じた。

 

ケリーの洗練されたイメージが傷つき始めたのは2017年秋からだ。この時、民主党所属のフレデリカ・ウィルソン連邦下院議員(フロリダ州選出)は、トランプ大統領のある亡くなった兵士の家族に対するコメントについて批判を行ったが、これに対して、ケリーが誤解に基づいて批判を行ったことでケリーは批判を受けた。

 

ケリーは、今年2月に更なる議論に巻き込まれた。ケリーの側近で、ホワイトハウスのスタッフだったロブ・ポーターの家庭内の暴力についてのケリーの対処について批判が起きた。

 

先月、ジョン・ケリーは国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトンと移民をめぐり、怒鳴り合いになったと報じられた。これについてホワイトハウスは否定しなかった。ケリーは、大統領の無スト義理の息子であり、上級補佐官を務めるイヴァンカ・トランプとジャレッド・クシュナーとの間で摩擦を起こしていると長い間噂されてきた。

 

トランプの補佐官を務めたオマロサ・マニゴウルド・ニューマンとアンソニー・スカラムチは、大統領首席補佐官であるケリーを厳しく批判している、2人は、ケリーがスタッフの士気を下げ、スタッフに対して虐めをしていると批判している。ホワイトハウスは2人の主張を否定している。

 

次期大統領首席補佐官はホワイトハウスにおけるトランプのティームの再構築を行うという厳しい仕事に直面することになる。この仕事は、ホワイトハウスから離れる人数が多くなるという事実によって、更に難しいものとなる。

 

トランプは金曜日、フォックス・ニュースの司会者を務め、現在は国務省の首席報道官を務めるヘザー・ナウアートをニッキー・ヘイリーの後任の国連大使に起用すると発表した。

 

しかし、上級、中級、下級の政権内のポジションの多くはまだ埋まっていない。ビル・スティーヴン、ジャスティン・クラークの両政治顧問は先週、トランプ大統領の再選に向けて、ホワイトハウスを離れた。年末に向けてさらにホワイトは数はなれる人数は多くなると見込まれている。

 

トランプは歴代のホワイトハウスでは人事異動は普通のこととして行われてきたと発言しているが、歴代の各政権に比較して、人事異動の割合は記録的に高い数字となっている。

 

ブルッキングス研究所の研究員キャサリン・ダン・テンパスが調査した数字によると、ホワイトハウスの上級補佐官の62%は既に辞任し、政権内の別の仕事に就くか、政権から離れるかした、ということだ。この数字にはケリーの退任は含まれていない。

 

トランプ大統領は以前、彼の前任者であるバラク・オバマ大統領(当時)を、首席補佐官の交代が多いことで批判していた。

 

2012年1月、トランプはツイッター上で次のように書いている。「大統領に就任して3年も経っていない間に3人目の首席補佐官。バラク・オバマ大統領が彼の公約を実行できないことの理由の一つとして、首席補佐官の頻繁な交代を挙げることが出来る」。

 

ケリーの後任はトランプ大統領にとって、大統領就任3年も経たないで3人目の首席補佐官となる。ケリーは、昨年ラインス・プリーバスの後任となった。プリーバスは大統領首席補佐官として6カ月の間、ホワイトハウスの混乱は収まらなかった。

 

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