古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ナンシー・ペロシ

 古村治彦です。

 

 私が以前ご紹介しましたように、民主党内部は今、分裂状態にあります。内部闘争と言ってよいでしょう。それが激化しています。その理由は来年の選挙です。来年はアメリカ大統領選挙が実施され、そちらに注目が集まっていますが、同時に連邦上院議員の一部、州知事の一部、そして連邦下院議員全員の選挙が実施されます。

 

 連邦上院議員は6年に1度、州知事は4年に1度、選挙が実施されます。連邦下院議員は2年に1度選挙が実施されます。現在連邦下院議員を務めている人々は2018年11月3日の選挙(中間選挙)で当選し、2019年1月から任期が始まった人々です。新人で当選した人々は連邦下院議員になって7カ月ほど経過しただけのことですが、もう次の選挙について心配をしなくてはならない、ということになります。これはヴェテランでもそうですが、連邦下院議員は選挙がすぐにやってくるので、資金的、精神的、肉体的にかなりの消耗を強いられます。まず自分の所属する党の予備選挙で勝ち、本選挙で勝たねばなりません。

 

 また2年に1度選挙があるということで、挑戦者がどんどん出てくるということになります。現職が共和党議員だった場合、共和党内から予備選挙で挑戦する人が出てきますし、本選挙では民主党の候補者と戦うことになります。長期間に連続で当選しているような人には挑戦者は出にくいですが、それでも、多選批判が選挙区内であるような場合には、盤石だと思われていた人もあっさり予備選挙で負けたり、本選挙で負けてしまったりということが起きます。

 

 連邦下院の議長(Speaker)や多数党(Majority)、少数党(Minority)の院内総務(Leader)や幹事(Whip)になる、連邦下院の党指導部を形成するような議員は長年当選を重ねて、選挙に強い議員たちということになります。そこまでいかない連邦下院議員は4期か5期(8年から10年)務めたら引退して別の仕事(議会関係のロビイストなど)に就く場合があります。また、連邦上院議員や州知事を目指すこともあります。


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 このブログでもご紹介しているアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio=CortezAOC、1989年―、在任:2019年―)は、2016年のアメリカ大統領選挙で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の選挙運動に参加し、それが機縁となって、2018年の中間選挙で、連邦下院議員ニューヨーク第14選挙区で選挙に挑戦することになりました。そして、2018年6月の民主党の予備選挙で、10期連続当選、次はいよいよ連邦下院議長だと言われていたジョセフ・クローリーを大差で破り、民主党の候補者となり、11月の本選挙でも大差をつけて当選、という大番狂わせを演じました。選挙資金は数百万円、クローリーはウォール街の金融機関などからの献金数億円でしたが、かえってこのことが選挙区の有権者の怒りを買ってしまったという結果になりました。

 

 AOCの選挙戦を支えたのは、ジャスティス・デモクラッツ(Justice Democrats)という組織です。この組織は2016年の米大統領選挙に出馬したサンダースの考えを拡大しようという目的で同年に設立された組織で、自分たちの考えに賛成している人々を選挙に立候補させて当選を目指すという活動を行っています。


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2018年の中間選挙では、AOCの他、アリゾナ州第3選挙区のラウル・グリジャルヴァ(Raúl Grijalva、1948年―、在任:2013年―)、カリフォルニア州第17選挙区のロウ・カンナ(Ro Khanna、1976年―、在任:2019年)、マサチューセッツ州第7選挙区のアイアナ・プレスリー(Ayanna Pressley、1974年―、在任:2019年―)、ミシガン州第13選挙区のラシーダ・トレイブ(Rashida Tlaib、1976年―、在任:2019年―)、ミネソタ州第5選挙区のイルハン・オマル(Ilhan Omar、1982年―、在任:2019年―)、ワシントン州第7選挙区のプラミラ・ジャヤパル(Pramila Jayapal、1965年―、在任:2017年―)といった人々がジャスティス・デモクラッツの支援を受けて連邦下院議員に当選しました。


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この連邦下院議員たちは「進歩派(Progressives)」と呼ばれていますが、日本風に言えば「バーニー・サンダース派」ということになります。この議員たちはジャスティス・デモクラッツの考え、もっと言えばバーニー・サンダースの考えである国民皆保険「メディケア・フォ・オール(Medicare for All)」や最低時給15ドル、学費ローンの帳消し、公立大学の無償化、グリーン・ニューディールの実現のために活動を行っています。

 

 このジャスティス・デモクラッツ、進歩主義派の議員たちと争っているのが民主党内部の主流派です。そして、現職の連邦下院議員たちです。この文章の前の方でも書きましたが、連邦下院議員は選挙ばかりで議席を守ることは大変なことです。お金集めも大変、いつも挑戦者の影におびえ、有権者の風向き一つで今までの努力が水の泡ということになります。それに対して、ジャスティス・デモクラッツは各選挙区で自分たちの考えに賛成する人たちを民主党の予備選挙に立候補させてきます。現職議員たちは、いつ自分が無名の新人AOCに敗れたジョセフ・クローリーみたいになるか、次の連邦下院議長と呼ばれるところまで10期連続当選という実績を積み重ねたクローリーがあっさり負けてしまった様子を見ていますから、ジャスティス・デモクラッツと進歩主義派に警戒感を持っています。

 

 現職議員たちは、民主党連邦議会活動・選挙運動委員会(Democratic Congressional Campaign CommitteeDCCC)という組織を結成しています。この組織は現職の議員たちの再選を進めるための組織で、ジャスティス・デモクラッツと争いになるのは当然のことです。

 

 こうした動きに対して、今年5月、バラク・オバマ前大統領がヨーロッパで行った講演会で、「銃殺隊(firing squads)を動き回らせるな」という言葉を使って、進歩主義派とジャスティス・デモクラッツをけん制しました。民主党の現職議員の落選運動のようなことをするなと批判しました。オバマ大統領は今でも民主党内で隠然たる力を持っており、今回の大統領選挙ではジョー・バイデン前副大統領を支援するものと見られています(まだ正式に発表していません)。これに対して、AOCをはじめとする進歩主義派とジャスティス・デモクラッツはバイデン攻撃、その裏にあるオバマ攻撃を激化させています。「オバマ時代が良かったなんて幻想だ」という論法で攻撃を仕掛けています。


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 進歩主義派は連邦下院民主党執行部とも対立しています。国境の不法移民問題について、民主党が過半数を握る連邦下院は収容所の不法移民の子供たちの処遇を改善するための予算案を可決しましたが、共和党が過半数を握る連邦上ンではこの予算案が否決されました。上下両院は妥協し、国境警備に関する予算を増額することで合意しましたが、子供たちの処遇には予算は使われないということになりました。

 

この妥協に、AOC、アイアナ・プレスリー、ラシーダ・トレイブ、イルハン・オマルの新人女性議員たちが反対を表明しました。この4名は「分隊(Squads)」と呼ばれています。この4名が連邦下院のナンシー・ペロシ議長と対立しています。ペロシや民主党多数派からすると、進歩主義派の政策は過激すぎて実行不可能、もし実行すると行き詰って有権者の支持を失い、選挙に負けてしまうということになります。


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 この状況の中、トランプ大統領が4名の議員を名指しはしていないものの、「自分たちの出身国の政府は危機的状況にあるのだから、それらの国々に帰れ」という趣旨のツイートを投稿しました。AOCは母親がプエルトリコからの移民、トレイブはパレスティナ系、プレスリーはアフリカ系ですが、全員アメリカで生まれています。ということは、生まれながらにアメリカ市民ということになります。オマルはソマリア難民としてアメリカに入国し、後にアメリカ市民となっています。

 

 この「それぞれの国に帰れ」という言葉は極めて短絡的で、思考停止を伴う言葉です。それをアメリカ大統領が簡単に使う時代になったのか、という嘆息が出てしまいますが、これによって、民主党は一致団結して、トランプ大統領に対峙するということになりそうです。共和党の一部からも批判の声が出ていますが、はっきりと「人種差別的だ」という声もありますが、「そんなことを言うべきではなかった」というはっきりしない批判の声が多いです。

 

 共和党は自由貿易を標榜している政党ですが、トランプ大統領は関税の引き上げや相手国に管理貿易を求めるなど、自由貿易に反する政策を実施しています。加えて、共和党の金城湯池となっている地方の農業州は、米中貿易戦争の結果、中国への農産物輸出が減少していることに不満を持っています。トランプ大統領の米中貿易戦争に声援を送っていたのが民主党の連邦議員たちということを考えると、ここに大きな捻じれが起きているということになります。しかし、共和党側にはトランプ大統領を大っぴらに批判できないという忸怩たる思いがあります。

 

 ここにポピュリズム(一般有権者がワシントンの政治に怒りを表明して自分たちの代表を送り込む)を入れて考えると、民主共和両党で、ポピュリズムによる大きな捻じれが起きていると言うことが出来ます。人々の怒りがそれぞれ民主共和両党に及び、どちらの主流派にも相容れない過激な考えが党内で大きな勢力となりつつあるということになります。このポピュリズムに対する警戒感はアメリカでも日本でも根強く、特に反体制を気取ったエリートたちに多く見られる特徴があるように思います。

 

 トランプ大統領の4名の議員たちに対する言葉は、ポピュリズムに内包される差別主義、排外主義を示す言葉ですが、それをかけられたのがやはりポピュリズムを体現する議員たちであるということが興味深い点です。私から見れば、どちらも同根ということになります。

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は興味深い世論調査の結果をご紹介します。「民主党を最もよく代表する政治家は誰だと思いますか(民主党を最もよく象徴する政治家は誰だと思いますか)」という質問に対して、「バラク・オバマ前大統領です」と答えた人が最も多かったということです。

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 バラク・オバマ前大統領と答えたのは、有権者全体で35%、民主党支持者に限ると51%という結果が出ました。オバマに続くのがバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)、ジョー・バイデン前副大統領、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)という順番になりました。

 

 興味深いのは、今回の世論調査の選択肢にヒラリー・クリントンが入っていないことです。そして、民主党支持者の中で、5名から名前を選ばなかったのは6%しかいなかったということです。有権者全体では23%が誰も選ばなかったのは、民主党嫌いの人が多く、そんなことは考えたくもないということも多かったのでしょう。民主党の中で、ヒラリー・クリントン、もしくはヒラリーに近い人々を支持する人たちは減っていることが分かります。

 

 また同時に、バーニー・サンダースとアレクサンドリア・オカシオ=コルテスのような進歩主義派、リベラル左派を支持する人たちは足しても2割程度だということになります。民主党自体が左傾化しているということが言われていますが、進歩主義派、リベラル左派はまだ少数派ということになります。

 

 今でもオバマ前大統領が民主党、民主党支持者に大きな影響を与えている、ということは、民主党は2016年から新しい指導者を生み出せないままでいる、ということです。バイデンが大統領選挙民主党予備選挙についての世論調査でトップに来るのは、彼自身の魅力というよりも、オバマ時代を懐かしむノスタルジーでしかありません。

 

保護貿易や公共投資といった民主党の諸政策を実行しているのは、ドナルド・トランプ大統領(元民主党員)です。トランプ大統領に対する新しい対抗軸を生み出し、新しい指導者となるべき政治家を生み出せないままです。このままでは、2020年の大統領選挙でトランプ大統領の再選を止めることはできないでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は今でもオバマの党だ:オバマ前大統領が「誰が民主党を最も良く代表するか」という質問で民主党の政治家の中でオバマがトップ(It's still Obama's party: Former president easily tops list of who best represents Democrats

 

マシュー・シェフィールド筆

2019年4月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/436953-its-still-obamas-party-former-president-tops-list-of-who-best

 

10名以上の候補者たちが2020年米大統領選挙の民主党候補者となり、民主党を代表しようと戦っている中で、バラク・オバマ前大統領は今でも民主党に対して大きな影響を持続けている。

 

火曜日、ザ・ヒル誌とハリスX社の共同世論調査の結果が発表された。5名の左派・中道派の5名の政治家たちの中で、民主党の考えを最も良く代表する人は誰かという質問に、登録済み有権者は、オバマが最も人気のある選択であり、他の政治家たちを大きく引き離している。

 
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有権者全体のグラフ

 

2019年3月30日から31日にかけて実施された世論調査の結果、登録済有権者全体の35%が民主党員や支持者の考えを最もよく代表しているのはオバマ前大統領だと答えた。

 

オバマに続くのはバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)だ。サンダースは2020年米大統領選挙民主党予備選挙の有力候補だ。サンダースだと答えたのは15%だ。大統領選挙に出馬すると見られているジョー・バイデン前副大統領を選んだのは13%だった。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は9%を獲得して4位に入った。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は5%を獲得して5位となった。

 

しかし、調査に参加した人々の中で、分からないと答え、誰も選ばなかったのが23%であった。

 

オバマ前大統領のリードは、自身を民主党員、支持者、民主党寄りだと答えた人々の間ではより大きくなる。こうした人々の51%が、オバマ前大統領が民主党を最もよく代表する政治家だと答えた。サンダースと答えたのは17%、バイデンと答えたのは14%だ。


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民主党支持・民主党寄りの有権者のグラフ

 

民主党の熱心な支持者たちの間でペロシ議長は6%で4位に入った。一方、オカシオ=コルテスを選んだのは5%であった。この5名から選ぶことを拒否したのは6%に留まった。

 

「レイク・リサーチ・パートナーズ」社代表で、民主党の世論調査専門家セリンダ・レイクは、5名の政治家の中でオバマが優越していることは何も驚きではないと述べた。

 

レイクは火曜日、「ホワット・アメリカズ・シンキング」の司会者ジャマル・シモンズに次のように語った。「オバマ前大統領が獲得した数字がそこまで高くないのは私にとって逆に驚きだった。私たちはオバマ時代を懐かしがっている。オバマ大統領の政策に反対することもあったが、彼のスタイルは丁寧で礼儀正しく、私たちはこれを心から懐かしがっている」。

 

アメリカ・エンタープライズ研究所(AEI)研究員のダン・コックスはシモンズに対して次のように語っている。「オカシオ=コルテス議員は保守派のメディアの中で集中攻撃を受けている。一方で、民主党支持の有権者たちの中で、彼女を自分たちの価値観を具現化している指導者と考えている人たちは少ないということが今回の調査で分かった。これは、彼女の民主党内における影響が大きくないということを示している」。

 

民主党の政治家たちの中でオバマ前大統領が優越している。昨年(2018年)の8月にザ・ヒル誌とハリスX社の世論調査で、共和党支持の有権者の中で54%が、トランプ大統領は共和党を最も良く代表する政治家だと答えているのはオバマの優越と同じだ。

 

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共和党に関するグラフ

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙にティム・ライアン(Tim Ryan、1973年―、45歳)連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)が出馬表明する見通しとなりました。これで何人目でしょうか、15名以上は出ています。ティム・ライアンについては、このブログで2017年に大統領選挙に出る可能性があるということで紹介しました。

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※ティム・ライアンについて紹介している記事のページへはhttp://suinikki.blog.jp/archives/72050635.htmlからどうぞ。

 

 ティム・ライアンは連続9期当選している連邦下院民主党では重鎮の政治家です。2016年に現在の連邦下院議長、当時は連邦下院少数党(民主党)院内総務だったナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)に挑戦して、院内総務選挙に出ました。結果は敗北となりましたが、予想以上の得票で善戦し、知名度を上げました。

 

 ライアンは前回2016年にドナルド・トランプ当選の原動力となったアメリカ中西部のオハイオ州を地盤とする政治家で、トランプ大統領の選挙運動とメッセージを評価していました。また、企業減税を訴えるなど従来の民主党の枠組みにとらわれない政治家です。

 

 アメリカ中西部からは、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、ピート・ブティジェッジ・インディアナ州サウスベンド市長が出馬表明しています。民主党はアメリカ中西部を取り戻すことを目指しています。クロウブッシャー、ライアンは民主党内の中道穏健派で超党派にアピールできる政治家という共通点があります。ブティジェッジはこのブログでも何度も紹介していますが、リベラル派ですが、ただのリベラル派ではなく、現実主義的なリベラル派と分類されると思います。

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 これから民主党予備選挙でどのように存在感を出していくか、注目されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

ティム・ライアンは今週中に大統領選挙出表明を行う見込み(Tim Ryan expected to announce bid for presidency this week: report

 

レイチェル・フラジン筆

2019年4月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/437298-tim-ryan-expected-to-announce-a-bid-for-president-this-week-report?fbclid=IwAR2XsCXTCgGTcBJ2-SbnJ5njMclL5T-HdSC3lneHyyESjbpoV9_zxfhURoY

 

ティム・ライアン連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)は今週中に大統領選挙出馬を表明する、と『バズフィード・ニュース』が水曜日に報じた。ライアンの出馬計画を知られている複数の人々が取材に応じた。

 

バズフィード・ニュースは、ライアンは木曜日にABCテレビの番組「ザ・ヴュー」に出演予定で、土曜日にはオハイオ州ヤングスタウンで集会を開催する予定だ、と報じた。

 

アメリカ労働総同盟・産業別組合会議オハイオ州支部長ビル・パディサクは、選挙集会に手伝いを依頼されたと述べた。

 

パディサクはバズフィードに対して、「私は、ライアンが大統領選挙出馬表明すると確信している」と述べている。

 

本誌もライアンの事務所にコメントを求めているが、返事はまだ届いていない。

 

政治的には穏健派のライアンは先月、大統領選挙出馬を「真剣に考慮している」と述べていた。ライアンは2016年に当時の連邦下院少数党(民主党)院内総務のナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)から院内総務の座を奪おうと挑戦したことで全国的に知名度を上げた。

 

ライアンはトランプ大統領を厳しく批判してきた。そして、連邦議会において穏健な政策を推進してきた。

 

ライアンは既に10名以上が出馬表明している米大統領選挙民主党予備選挙に参加することになる。正式に出馬表明をすると、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)といった人々と争うことになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカで行われた最新の世論調査の結果、調査対象の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた、ということです。59%が弾劾手続き開始に反対、35%が弾劾手続き開始に賛成、6%が分からないと答えたとそうです。

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 民主党支持者の66%、共和党支持者の6%、無党派の30%が弾劾手続き開始に賛成ということです。共和党支持者の6%という数字は分かりますが、民主党支持者の66%という数字は意外に低いなという印象です。前回ご紹介した別の世論調査の結果では、民主党支持者のトランプ大統領への不支持率は8割を超えていました。大統領を弾劾するということはそれだけ重いことであり、軽々に行うべきではないとアメリカ国民の多くが考えているのでしょう。

 

 年齢別では若い年齢層の人々の方がトランプ大統領弾劾手続き開始に賛成しているということです。それでも18歳から34歳までの人たちで42%ですし、それより上は3割台、65歳以上の人々では29%ですから、やはり全体として大統領を弾劾すべきではない、ということだと思います。

 

 連邦議会でも民主党執行部は慎重な姿勢を取っているようです。弾劾手続きを始めて、連邦上院で否決となれば、民主党側にダメージがありますし、決定的な証拠がない以上、感情的に「トランプ大統領は不適格だ」ということだけでは進められないということになります。連邦下院でも訴追決議が出来るかどうか、その過程で民主党内が分裂するということも考えられますので、どうしても慎重にならざるを得ません。

 

 ロシア疑惑の根本は、当時のトランプ陣営はロシアによる大統領選挙への介入があることを知っていたのか、依頼したのかということであって、更に言えば共謀したのか、という疑惑です。ロシアからすれば、民主党の候補者だったヒラリー・クリントンが大統領になればロシアに対して厳しい態度で臨んでくることは明らかでしたし、それを防ぐために何とかしてヒラリーを落選させねばならない、ということになります。そして、実際にヒラリーは落選しました。

 

 アメリカの複数の情報機関がロシアによる選挙介入があったという報告を出しているのは良いのですが、それではトランプ大統領がロシアに選挙介入を依頼したかどうか、一緒になって妨害活動を行ったのかどうか、ということが焦点になります。トランプの選挙陣営の幹部たちでロシア大使やロシア人と接触したという人たちが出たり、別の罪で有罪になったりした人たちが出て、話を複雑にしていますが、トランプ大統領自身が関与した決定的な証拠、ぐうの音も出ない証拠が出てくれば別ですが、そうでなければ弾劾は難しいということになります。

 

 弾劾の手続きは連邦下院が過半数で認めた場合には、訴追決議が可決ということになり、連邦上院で裁判が行われ、有罪かどうか決められます。裁判では、連邦下院議員の代表が検事役を務め、連邦上院議員が陪審員となります。裁判官は連邦最高裁判事です。連邦上院議員の3分の2以上の賛成があって弾劾決議ということになります。こうして見ると、弾劾まで至るのは大変なことだということが分かります。

 

 ロシア疑惑を別の角度から見ると、世界のデモクラシーのチャンピオンであるアメリカの国民がロシアの選挙介入にころっと騙されて、ロシアの思い通りの選挙結果を出したということです。世界中にデモクラシーのすばらしさを説き、世界中の国々がデモクラシーになれば万事解決、平和な世界になる、そのためにアメリカは特別な使命を与えられたのだ、などと威張っているアメリカ人が現代のデモクラシーの欠点を曝け出し、それにまんまと引っかかったということは、厳しい言い方をすればお笑い草ということになります。

 

 トランプ大統領が明日にも失職するのではないか、と日本でも専門家たちが嬉しそうに語っていましたが、トランプ大統領が選挙介入に同意し、依頼している音声録音記録でも出ない限りは、弾劾で失職ということはなさそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:アメリカ国民の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた(Poll: Majority of Americans says Trump should not be impeached

 

マイケル・バーク筆

2019年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/432683-poll-majority-of-americans-dont-believe-trump-should-be-impeached

 

キュニピアック大学の全国世論調査の結果が火曜日に発表された。世論調査対象者の過半数は、トランプ大統領が弾劾されるべきではないと考えていると答えた、ということだ。

 

調査対象となった有権者の59%が連邦議会はトランプ大統領に対する弾劾手続きを開始すべきではないと答え、35%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。残りの6%がトランプ大統領は弾劾されるべきかどうか分からないと答えた。

 

世論調査の結果は、トランプ大統領が弾劾されるべきかどうかについて党派性に沿って分裂していることが明らかになった。民主党支持と答えた調査対象の有権者の3分の2は連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。共和党支持の6%、無党派の30%が大害手続き開始を支持した。

 

より年齢の若い有権者たちは、連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。18歳から34歳の有権者の42%が弾劾手続き開始を支持した。

 

35歳から49歳までの人々の38%、50歳から64歳までの人々の36%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。65歳以上の人々の29%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。

 

ラシーダ・タリブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)とスティーヴ・コーエン(テネシー州選出、民主党)をはじめとする民主党所属の連邦議員たちはトランプ大統領の弾劾に賛成票を投じると表明している。大富豪の民主党の大口献金者トム・ステイヤーはトランプ大統領の弾劾を求めた。

 

しかし、連邦議会民主党執行部は弾劾に関する話を深刻化させないようにしている。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は先週、大統領の弾劾は「意見が分かれ、分裂を招く」問題だと発言した。

 

世論調査は2019年3月1日から4日にかけて、1120名の有権者へのインタヴューに実施された。誤差は3.4ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 先週末、ドナルド・トランプ大統領は国家非常事態宣言に署名しました。これは、トランプ大統領自身が公約として掲げてきたアメリカ・メキシコ国境に沿って、壁を建設するための予算を捻出するためのものです。この国家非常事態宣言に関しては、民主、共和両党から合法性や実行についての疑義や批判が出ています。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設のために57億ドルの予算を要求しました。昨年の中間選挙の結果、連邦上院では共和党、連邦下院では民主党がそれぞれ過半数を握りました。そして、連邦上院では57億ドルの予算を認める内容の予算案が可決され、連邦下院に送られ否決され、一方、連邦下院では57億ドルの予算を含まない予算案が可決され、連邦上院に送られ否決されるということが起きました。その結果、2018年12月末から今年の1月末まで35日に渡り、政府機能の約4分の1が閉鎖となり、数百万の連邦政府職員が無給状態となりました。

 

 その後、3週間のつなぎ予算が成立しましたが、その期限が2019年2月16日までとなっていました。そこを過ぎても妥協が成立しなければ、再び政府機能閉鎖ということになるところでした。しかし、連邦議会では国境における物理的な障壁建設のために13億7500万ドルの予算を認めることで妥協が成立し、予算案が連邦上下両院で可決され、大統領の許に送られました。それにトランプ大統領が署名して予算は成立し、政府機能閉鎖は回避されることになりました。焦点は57億ドルにかなり足りない予算案に大統領が署名するかどうかでしたが、トランプ大統領の出した結論は、この予算案には署名する、加えて、国家非常事態宣言も行う(宣言書に署名する)というものでした。

 

 連邦議会民主、共和両党では、それぞれ連邦上院議員1名と連邦下院議員1名、計4名を両党の代表者として出して交渉を行い、2019年2月11日の夜に妥協が成立しました。焦点は予算の規模もそうでしたが、連邦移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッド数でした。このベッド数が多ければ、誰でも彼でも捕まえることが出来るが、収容数に制限があれば、より重大な人たちだけを捕まえることになる、活動を制限することが出来る、ということで、民主、共和両党はここで争っていましたが、ある意味では玉虫色の妥協で、どのようにも解釈できるような条項で折り合ったようです。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設に57億ドルを要求していましたが、認められたのは13億7500万ドルでした。トランプ大統領はこの予算案に署名をすることに同意したので、これを受け入れたということになります。その上で、国家非常事態宣言に署名したので、足りない分をこの宣言を利用して、予算の付け替えなどで賄おうとしていることになります。これに対して、議会の役割を無視する暴挙だ、悪しき前例になるという批判が共和党からも出ています。

 

 連邦上院の多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は国家非常事態宣言に慎重な姿勢でしたが、宣言前日に連邦上院の議場でトランプ大統領が宣言を行うとマコーネル自身に伝えたこと、そして宣言を支持することを表明し、流れが出来ました。連邦上院共和党は壁建設の予算を盛り込んだ予算案を連邦上院で可決させていたのですから、それは理解できます。

 

 トランプ大統領の国家非常事態宣言で事態がどう動くかはこれから注意を要する動きです。

 

(貼り付けはじめ)

 

連邦議員たちは政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合理に達した(Lawmakers reach agreement 'in principle' to avert shutdown

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年2月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/429525-lawmakers-reach-agreement-in-principle-to-avert-shutdown  

 

月曜日夜、連邦議員たちは今週土曜日に迫った二度目の一部政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合意に達したと発言した。

 

リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は「素晴らしい夜になった。私たちは、国土安全保障省に関する法案、その他の6つの法案に関して原則として合意に達した」と述べた。

 

パトリック・リーヒー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)、ニタ・ロウリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、ケイ・グランガー連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)といった連邦上院と下院の歳出委員会の幹部メンバーがシェルビーと同席して交渉し、シェルビーは合意に達したことを発表した。

 

状況の打開は4名の中核となる連邦議員たちが、同委に達するために月曜日の夜に3度の交渉を持った後に訪れた。それまでにも週末に期日が迫った政府機能の一部閉鎖を避けるために交渉が続けられていた。

 

交渉役となった議員たちは、火曜日までに法案を提出することを目指すスタッフと詳細について話すことはせずに、大枠について交渉を行った。ロウリーは法案について希望を持っている、水曜日には「素晴らしい成果」を発表できると述べていた。

 

ある連邦議会関係者は本誌の取材に対して、法案には物理的な障壁のために13億7500万ドルの予算が含まれていると述べた。この金額は2018年度予算と同額ということになる。この人物は、一時的な合意内容には、コンクリート製の壁の使用を禁じるという一項が入っているということだ。しかし、連邦議会の幹部スタッフたちは、これによってリオグランデ渓谷のアメリカ・メキシコ国境に新たに約55マイル(約80キロ) の障壁を建設 するための予算になると述べている。

 

交渉役の議員たちが動意に達することが可能となれば、月曜日午前の段階で2つの重要な問題で民主、共和両党が分裂していた状態からのUターンということになる。その2つの問題とは、アメリカ・メキシコ国境に沿っての物理的な障壁の建設と移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッドをめぐる問題であった。

 

民主党側はトランプ政権が「重大な犯罪者たち」に注力させるようにするためにICEの収容センターのベッド数に上限を設け、その上限はオバマ政権時代に設定された数と同等とすることを提案した。交渉役の議員たちはICEをめぐる争いを解決せずに、ひとまず棚上げすることにした。

 

シェルビーは「私たちは原則論について協議した。そうすることで事態を打開できると考えた」と述べた。

 

民主党側は国境から離れたアメリカ国内のICEの収容センターのベッド数を16500床に制限するという要求を取り下げた。

 

月曜日の夜、ICEに関するその他の詳細に関しては、はっきりとした取り決めはなく、どうともとれるような複雑な内容になっており、これが同意にとってのハードルとなる兆候もあった。

 

ある連邦議会スタッフは、合意ではICEの収容センターのベッド数を40520床にすることが含まれていると述べた。しかし、連邦議会の幹部級のスタッフたちは、一時的な合意には、「トランプ大統領が要求している52000床を設置できるようにする柔軟な条項が入っている」とも述べている。

 

シェルビーは、合意にはアメリカ・メキシコ国境に沿った物理的な障壁のための予算も含まれていると述べた。しかし、その金額、更には連邦上院が最初に可決した予算案に含まれていた16億ドルという金額よりも多いのかどうか、ということについては明言を避けた。

 

トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境の壁建設に57億ドルの予算を要求してきた。しかし、17名の連邦議員からなるグループは先週、国境警備関連予算で13億ドルと20億ドルという2つの主張があり、この違いをできるだけ狭めるために交渉を行っていた。

 

月曜日の夜、連邦議員たちは妥協を成立させた両党の執行部を支持すると述べた。

 

リーヒーは「私たちの中で、自分が得たいものすべてを得た人間は誰一人としていない。しかし、私たちはアメリカ合衆国にとって最善のものを得ようとしている」と述べた。

 

リーヒーは「私たち4名が合意をもたらせなければ、現在の議会で合意に達することはできなかったであろう」と述べた。

 

交渉では、災害支援に関しては最終合意に至らなかった。この点に関しては、民主、共和両党が別々に発表することになるが、7つの遺された歳出予算法案は今回のパッケージに含まれることになった。

 

連邦議会では土曜日の時点で、2019年度の予算案について7つの法案を可決し、トランプ大統領の許に届けた。これは連邦議会の予算の約25%をカヴァーするものだ。その中には国土安全保障省の予算も含まれている。

 

合意は月曜日の夜に成立した。それでもスケジュールはタイトなままだ。期限までに予算案を連邦議会で可決してトランプ大統領の許に届けねばならない。

 

しかし、シェルビーは金曜日の夜に交渉が妥結しなかったことを重視してはいなかった。記者団に対して、今週末からの政府機能の一部閉鎖は起きないだろうと考えていると述べた。

 

トランプ大統領は先月、3週間の一時的解決案に署名することに同意した。これによって、アメリカ史上最長となった予算執行停止を終わらせることが出来た。連邦議員たちは、二度目の政府機能の一部閉鎖を望んでいない。

 

月曜日の夜の状況打開を促したものについて問われ、シェルビーは、週末に交渉が平行線のままでは再び政府機能閉鎖にまで至ってしまうという恐怖感が大きくなっていたことが理由だと答えた。

 

シェルビーは次のように述べた。「私たち全員は協力しなければならないというより大きな席に無我あることを認識している。政府機能閉鎖がまた起きるかどうかは分からない。一つ言えることは、政府機能閉鎖が起きるかもしれないということが、私たちを協力することに駆り立てているということだ」。

 

状況打開へと事態が急変する兆候を見せたのは月曜日の夜で、シェルビーとリーヒーが一緒に記者団の前に立ち、合意まであと一歩のところまで来ており、火曜日になる前には交渉を終わらせることが出来ると述べた。

 

シェルビーは記者団に対して「私たちは合意に向けて話し合っている」と述べた。

 

交渉役の議員たちが月曜日の夜に「原則として」同意に達したとは言え、政治的な地雷がまだ存在している。トランプ大統領が合意によって可決される法案に署名する前に、その地雷を爆発させないように民主、共和両党内それぞれで争いを起こさせないようにする必要がある。

 

民主党の進歩主義派の議員たちは物理的な障壁への予算案については採決を行わないように求める可能性が高い。一方、共和党保守派の議員たちは、ICEに対する制限となる可能性のある条項や国境地帯の安全対策にとっては生ぬるい内容だと考える内容については反対することになるだろう。

 

グラグナーは同意の内容が法案として連邦議会で可決されることに自信を示しつつ、「私たち全員は民主、共和両党をそれぞれ支持する有権者たちとそれぞれに属する連邦議員たちと話をして内容を理解してもらえると思う」と発言した。

 

合意が発表された段階では、トランプ大統領がそれを支持するのかどうかはっきりしなかった。

 

シェルビーは交渉期間中に大統領と直接話すことはなかったが、ホワイトハウスとは相談をしていた。大統領は木曜日から月曜日の夜まで国境地帯で選挙運動を行っていた。

 

シェルビーは、トランプ大統領が何を「行い、発言し、書くか」を予測できないとしながらも、大統領はシェルビーに対して、「立法で解決が出来るのであれば、それを進めて欲しい」と再三にわたって述べた、とも発言した。

 

連邦議会で合意が出来なければ、トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境に壁を建設するために国家非常事態を宣言するのではないかという流れになっている。ホワイトハウスのミック・マルヴァニー大統領首席補佐官は今週末、トランプ政権は壁建設のための予算を獲得するための方法を模索していると述べた。

 

マルヴァニーはテレビ番組「フォックスニース・サンディ」に出演し、次のように述べた。「私たちは皆さんが与えてくれるだけの資金を手にすることになる。そして、私たちは南部国境を固めるために、合法的に資金を探すことになる。しかし、連邦議会の強力があろうとなかろうと、壁建設を進めるだろう」。

 

考証に参加したある共和党所属の連邦議員は、障壁建設のための予算を確保するために、大統領令(executive action)を発令することになると確信していると述べた。

 

この議員は「大統領は、交渉の結果がどのようなことになっても、最終的に大統領令を発することになる考えらえる」と述べた。

 

=====

 

トランプ大統領は国境の状況に関する合意の成果である法案に署名し、国家非常事態を宣言する(Trump to sign border deal, declare national emergency

 

アレクサンダー・ボルトン筆

2019年2月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/430070-mcconnell-trump-to-sign-border-deal-declare-national-emergency  

 

トランプ大統領は故郷の壁建設を要求しているが、これに予算をつけるために国家非常事態宣言を行うだろう、と連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が木曜日、連邦上院議場で発言した。

 

木曜日の午後3時過ぎ、マコーネルは次のように発言した。「私はトランプ大統領と話す機会があり、ここで同僚議員の皆さんに申し上げたいが、彼は法案に署名する意思があることが分かった。大統領はまた署名すると同時に国家非常事態宣言を行うことになるだろう。私は国家非常事態宣言を支持するであろうことを示しておく」。

 

ホワイトハウスは、マコーネル議員の発言の数分後にサラ・ハッカビー・サンダース報道官からのEメールによる声明の形で、トランプ大統領が法案に署名する予定であることを認めた。

 

サンダースは声明の中で次のように述べた。「トランプ大統領は政府予算法案に署名することになる。そして、これまでも述べてきたように、大統領はもう一つの行政行動を行う予定でもある。その中には国家非常事態宣言も含まれる。これは国境における国家安全保障上、人道上の危機を止めることを確かなものとするためのものだ」。

 

サンダース報道官は加えて、トランプ大統領が「国境を守り、私たちの偉大な国を守るために、壁を建設するという彼の公約を果たすために動いている」とも述べた。この発言は、政府予算を巡る合意と法案への署名はアメリカ南部国境に沿って壁を建設するというトランプ大統領の公約が果たされていない、とする保守派からの批判に向けてのものである。

 

マコーネルは、これまでトランプ大統領に国家非常事態宣言を行わないようにと助言してきたと報じられてきたが、大統領の行動を支持することになると発言した。

 

連邦上院多数派院内総務マコーネルは、大統領が国境の障壁のための予算として連邦議会で妥協が成立した13億7500万ドルの予算案に署名することになると述べた。

 

『ワシントン・ポスト』紙は、今月初めに、マコーネルが非公式の場で、トランプ大統領に対して国境の壁建設の予算のための国家非常事態宣言を実施しないように、それは共和党内部からも反発が出るからと忠告した、と報じた。

 

しかし、共和党の指導者であるマコーネルは火曜日にトランプ大統領に対して、7つの予算法案からなる包括的な予算案に署名するように促した。この予算案ではトランプ大統領が壁建設のために要求していた57億ドルの一部しか支給されないことになっている。

 

マコーネルは記者団に対して、「私は、国境を守るための大統領の努力の一環として合法的に実施できる手段について、大統領はなんでも実施して良いと考えている。それで何か困るようなこともない」と述べた。

 

マコーネルのスタッフは、国家非常事態宣言が大統領側からの提案の中に合法的な方法として入っていたと明言した。しかし、トランプ政権は壁建設に向けた動きに介入がないために陣日をしているに過ぎないと明言していた。

 

連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は即座に、民主党側はトランプ大統領と戦うことを示唆した。

 

シューマーは「大統領が国家非常事態宣言を行うだろうという発言があった。私は大統領がそのようなことをしないことを願う。それは間違った行為だ」と述べた。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は共和党側に警告を発した。その中で、もしトランプ大統領が国境の壁建設のために国家非常事態宣言を行うならば、次に民主党から大統領が出る場合には、その大統領は銃による暴力について同じく国家非常事態宣言を行うことになるだろうと述べた。

 

ペロシは連邦議事堂の中で記者団に対して、「民主党から出た大統領も同じく国家非常事態宣言を行うことができる。それならば、現在トランプ大統領が実施しようとしていることが前例となる。これは共和党側にとって大いなる不安と混乱をもたらすことになる」と述べた。

 

ペロシは木曜日、トランプ大統領が行うであろう国家非常事態宣言に対して法的な手段で対抗する可能性を否定した。しかし、連邦下院多数党院内総務ステニィ・ホイヤー連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)は水曜日、民主党は法的手段で対抗することになると述べた。

 

サンダース報道官は木曜日、ホワイトハウスは国家非常事態宣言に対する民主党側からの法的手段での対抗に対する準備を済ませていると述べた。

 

サンダースは大統領執務室近くの彼女のオフィスの外で記者団に対して、「私たちは既に十分に準備している。しかし、その準備が実行に移されないことを願う。大統領は彼の責務を果たしている。連邦議会も自分たちの責務を果たして欲しい」と述べた。

 

連邦上院歳出委員会委員長リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は、水曜日の夜にトランプ大統領と話した。シェルビーは国家非常事態宣言を支持すると述べた。

 

今週の火曜日と水曜日に明らかになったのは、トランプ大統領が予算の組み換えをしても、壁建設という彼の目標を達成するために十分な予算は獲得できないということであった。

 

共和党に属する連邦議員の中には、国防総省の麻薬防止プロジェクトから8億ドルを割くことはできると主張している人たちもいる。しかし、連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは匿名を条件に、この予算の2億ドル以上は現在実施されている麻薬防止作戦で既に費消されていることを明らかにした。

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しかし、連邦上院共和党はここ数週間、国家非常事態宣言は長期にわたる法廷闘争の対象となり、上訴されるか、連邦最高裁で判決が下されるまで、連邦判事によって国家非常事態宣言の効力が停止される可能性が高いこと憂慮してきた。

 

国家非常事態宣言を行うことでトランプ大統領が不信任決議の対象となる。不信任決議には連邦上下両院の可決とトランプ大統領の署名が必要となる。

 

連邦下院民主党は現在連邦下院で過半数を握っている。連邦下院民主党は下院で不信任決議を可決させると見られる。そして、連邦上院少数党院内総務シューマーはその重大性から、連邦上院で不信任決議案の採決を行わせることが出来る。

 

マコーネルは、連邦上院で大統領に対する不信任案を過半数で可決して大統領の許に送ることを自分が阻止できるかどうかについて確固とした地震と見通しはないと表明した。しかし、マコーネルは大統領が不信任に対して署名を拒絶できるために必要な34名の反対を集めることは可能だと自信を示した。

 

マコーネルは2月5日に、国家非常事態宣言の可能性について問われ、次のように発言した。「国家非常事態宣言について異なった様々な意見が存在することは承知している。トランプ大統領が国家非常事態宣言へと向かうならば、私たちはそれについて徹底的に議論する

 

マコーネルは「トランプ大統領は不信任への署名を拒絶することでとにかく勝利を得ることが出来るだろう。そして、そのために十分な反対票を獲得できるだろう。大統領は国家非常事態宣言に関して最終的に勝利を収めることが可能である」と述べた。

 

木曜日の午後、ホワイトハウスは共和党所属の連邦議員たちを宙ぶらりんの状態に置いた。大統領の法律顧問たちが1000ページ以上になる法案について徹底的に調べ上げた。

 

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は本誌の取材ちゅう、事態が遅れていることについて問われ、「私たちは法案についてじっくりと調べているところだ。私たちが法案を受け取ったのは午前1時で、1000ページ以上ある。大統領が決断を下したら、即座に皆さんにお知らせする」と答えた。

 

ミック・マルヴァニー大統領首席補佐官代行は日曜日、トランプ大統領は国境の壁建設のために利用可能な財源から予算を廻ることになるだろうと述べた。国境の壁建設は、2018年12月から2019年1月まで35日間続いた政府機能閉鎖の焦点となった。

 

マルヴァニーは「フォックスニュース・サンディ」に出演し、「私たちは皆さんから与えられている予算の中からできるだけ多くの金額を壁建設に回すつもりだ。そうしておいてから、どこか合法的にお金を回せるところはないかを探すことになる。これは南部国境地帯の安全を守るためだ。しかし、どちらにしても、連邦議会の賛成があろうがなかろうが、壁を建設することになる」と述べた。

 

マルヴァニーはトランプ大統領の壁建設の要求に言及し、「私たちの要求している総額は57億ドルだ」と述べた。

 

木曜日、連邦議会が可決した予算案に含まれていたのは、半額以下の13億7500万ドルであった。残りの40億ドル以上は大統領が持つ予算の組み換え権限 を使用するか、国家非常事態宣言を行うかで持ってくることになる。

 

連邦上院共和党は国家非常事態宣言を支持するかどうかは、宣言がどのように構築されているかによると表明している。

 

シェルビーはトランプ大統領による国家非常事態宣言について質問された際、「大統領は国家非常事態を宣言する憲法上の力を持っている」と述べた。

 

国家非常事態宣言を支持するかどうか質問され、シェルビーは「支持することになるだろうが、内容を見なくてはいけない」と答えた。

 

シェルビーは「私たちは国境を固めねばならないと考える」と付け加えた。

 

共和党所属の連邦議員たちの中には、トランプ大統領の計画に対する懸念を即座に表明した人々がいる。しかし、そんな議員たちもトランプ大統領に対する不信任決議案に賛成するか、反対するかについては明言を避けている。

 

ジョーン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は次のように述べた。「私は、非常事態を宣言することに関し、前例として与える影響と実行するうえでの様々な困難について懸念を持っている。裁判が起こされ、予算の執行が停止されてしまうと、問題解決のための現実的な方法ということにはならない」。

 

スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)は、国家非常事態宣言は「法廷での闘争が起きてしまうだろうし、憲法上疑義がある」と述べた。

 

コリンズは「国家非常事態宣言は連邦議会の役割と歳出決定プロセスを侵害するもので、素晴らしい政策とは言えない」と述べた。

 

連邦上院国防委員会の共和党側メンバーたちは、国家非常事態宣言を出して国境の壁を建設する際に、その予算として、軍事関連建設プロジェクトの予算が回される可能性が高いことに懸念を表明している。

 

連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは次のように述べた。「ここで国家非常事態宣言するなど間違った考えだ。それは間違った前例を残してしまうことになるからだ。ここで起きる可能性が高いのは、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を持ってくるということだ。これは米軍の計画や装備に大きな影響を及ぼすことになる」。

 

連邦上院国防委員会委員長ジェイムズ・インホフェ連邦上院議員(オクラホマ州選出、共和党)は、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を移行させないことを保証する内容の書簡を発表すれば、トランプ大統領は国家非常事態宣言に対するより大きな支持を獲得できるだろうと発言した。

 

=====

 

トランプ大統領が国境の状況に関し国家非常事態を宣言(Trump declares national emergency at border

 

ジョーダン・ファビアン筆

2019年2月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/430092-trump-signs-emergency-declaration-for-border

 

金曜日、トランプ大統領は議会を迂回し、約80億ドルを南部国境の障壁建設に回すために、国家非常事態を宣言した。これは、大統領の長年の公約であった壁建設に向けた大きな一歩であるが、重大な政治的、法的リスクを伴うものである。

 

トランプ大統領は、宣言に署名した直後にローズガーデンにおいて、まとまりのない、即興の演説を行い、その中で宣言に署名を行ったことを表明した。トランプ大統領の今回の行動は、連邦議員たちと諸団体と法廷において憲法をめぐる戦いを引き起こすことになるだろう。こうした人々は大統領が自身に与えられた権限を踏み越えたと主張している。

 

昨年秋の中間選挙の前から政治問題として重視してきた貿易、中国、シリア、そして、移民のキャラヴァンといったテーマについて長々と話した後、「私は国家非常事態宣言の署名を行った」と発言した。

 

トランプ大統領は国家非常事態宣言を正当化する必要から、「これは素晴らしいことだ。なぜなら、我が国は麻薬、ギャング、人々の侵入に晒されているからだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、今回の行為が連邦レヴェルの裁判所への提訴という挑戦を受けることになるだろうが、自分は最終的に勝利するという予測を述べた。

 

トランプ大統領は、アメリカ南部国境には緊急を要する事態は存在しないとする批判者たちの主張をとらえ、「危機的な状況でなければ壁建設に長い時間をかけても良い。国家非常事態宣言も必要ではなかったかもしれないが、壁建設を迅速に行う必要がある」と述べた。

 

連邦議会民主党のトップである、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、国家非常事態宣言を覆すために、「全ての使用可能な手段」を使うことになるだろうと述べた。

 

ペロシとチューマーは共同の宣言の中で次のように述べた。「トランプ大統領の法律を無視した国家非常事態宣言は存在しない危機に関する宣言であり、我が国の剣法に対する重大な侵害であって、アメリカの安全を低下させるものだ。トランプ大統領は法の適用範囲外の、法の上位に存在するのではない。連邦議会は大統領が合衆国憲法をずたずたに切り裂くことを容認できない」。

トランプ大統領はこれとは別に連邦議会で可決された法案に署名した。これで政府に予算が付き、土曜日から始まることになっていた新たな政府機能閉鎖も阻止することが出来る。

 

しかし、この法案では、大統領が壁建設の予算として要求している57億ドルにはとても足りない額しか予算がついていない。トランプ大統領は追加の国境警備予算を獲得するために連邦議員たちと協力するために努力したが、「壁建設に関しては、議員たちは予算をケチるのだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、「私は2020年の米大統領選挙に向けて、国境の壁に関しては多くのことを既に実行してきた」と述べた。新しいものを建設するのではなく、既に存在する構造物を修理したり、建て替えたりしてきた。

 

ホワイトハウスの複数の関係者によれば、トランプ大統領は軍事予算の中の建設関連の36億ドルを壁建設に振り向けることを計画している、ということだ。また、国防総省の麻薬阻止関連予算から25億ドル、財務省の没収財産基金から6億ドルを抽出し、振り向けるための大統領令(executive action)を発令することになる。

 

複数の政府関係者は、最終目標は国境線に沿って約234マイル(約375キロ)の障壁を建設することで、その中には柱の入った形の壁も含まれる。

 

ある政権幹部は、どの軍事関連の建設計画が影響を受けるかは明らかにしなかったが、予算は「優先度の低い建設計画」から振り向けられるだろうと述べた。その具体的な内容は、既存の構造物の改修や修理ということになり、洪水抑制プロジェクトや軍事上の計画に影響を与えるプロジェクトからではない。災害救援基金にも手を付けないだろう。

 

民主、共和両党所属の連邦議員たちは、トランプ大統領の国家非常事態宣言の決断を批判した。それでも連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は大統領の行為に対して支持を表明した。

 

マコーネルは金曜日、トランプの決断について、「民主党が国益に対して党派色の強い邪魔をしたことに対する、予想可能で理解できる結果」となったと述べ、国境の状況改善のために更なる予算をつけることを認めるように連邦議員たちに求めた。

 

しかし、連邦下院民主党は対抗して大統領の宣言を阻止することになる法案を提出する計画を持っている。共和党所属の連邦議員がこの法案に賛成するとなると、連邦議会の両院で法案が可決され、大統領の許に回されることになる。

 

この状況になれば、大統領は大統領として法案に拒否権を発動することになり、そうなれば、2020年の大統領選挙や連邦議員選挙などに向かう中で、共和党内部をさらに分裂させることにつながってしまう。

 

民主党とリベラル派の諸団体は宣言を阻止するために連邦裁判所に提訴する計画を持っているとも述べている。

 

ペロシ議長はフロリダ州パークランドで起きた学校での銃乱射事件の1周年となった木曜日、トランプ大統領が国家非常事態宣言を行う場合、次の大統領は銃に対する国家非常事態宣言を行うことが出来るような道が開かれる、と述べた。このようなシナリオについて、共和党所属の連邦議員の中に懸念を持っている人たちが存在する。

 

ペロシ議長は連邦議事堂で記者団に対して、「民主党から出る大統領も同様に国家非常事態宣言を行うことが可能だ。従って、トランプ大統領が残した前例によって、共和党側に深刻な懸念と困惑がもたらされる」と述べた。

 

マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は木曜日、同様の警告を行った。ルビオは「将来の大統領がグリーン・ニューディールを強引に導入するために同じ戦術を使う可能性がある」と述べた。

 

ルビオは次のように述べた。「何か決定的な声明を出す前に、私は大統領が今回の非常事態宣言を正当化するために依拠する法律上、もしくは憲法上の力は何なのかを示すことを待ちたいと思う。しかし、彼が示すものを私が支持することになるという点については疑念を持っている」。

 

トランプ大統領による発表の前に、大統領首席補佐官代行を務めているミック・マルヴァニーは記者団を前にして、民主党側が述べている「民主党から出る大統領は気候変動や銃暴力といった問題について国家非常事態宣言を行うことが可能になる」と主張に対して反論を行った。マルヴァニーは「今回のトランプ大統領の国家非常事態宣言は何からの新たな前例というものではない。そして、民主党側の主張は間違っている」と述べた。

 

マルヴァニーは「国家非常事態宣言は法によって大統領に与えられた権限である。大統領が自分を望むものを手にすることが出来ず、それで魔法の杖を振ってお金を出現させるといった類のものではない」と述べた。

 

トランプ大統領が予算案法案に署名するという決断を下したことで、大統領の壁建設予算要求のためにもう一度政府機能が閉鎖されるのではないかという不安が支配した3週間が終わることを示している。

 

トランプ大統領は2019年1月25日に35日間続いた政府機能閉鎖を解除した。政府機能閉鎖は大統領の支持率にマイナスの影響が出て、結果として壁建設の予算を獲得することも出来なかった。

 

超党派の連邦議員たちは数週間かけて壁の建設予算13億7500万ドルを含む提案に合意するに至った。しかし、この金額はトランプ大統領が要求している57億ドルのほんの一部にしかならないものである。

 

トランプ大統領が妥協を受け入れたということは、2016年の大統領選挙で「自分には交渉技術がある」と売り込んでいたトランプ自身にとっての敗北を意味する。そして、アメリカ政府が分裂している状況下で、民主党の影響力が増大していることを示すものである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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