古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ニューヨーク

 古村治彦です。

 マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長がアメリカ大統領選挙民主党予備選挙にこれから出馬するのではないかという憶測が出ている。ブルームバーグがアラバマ州の予備選挙の候補者リストに入っているということで、これから選挙運動を展開するのではないかということで、現在立候補して選挙運動を展開している候補者たちも懸念を持っている。
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 ブルームバーグは、金融情報を報道するメディア会社「ブルームバーグ」を創設し、大富豪となった人物だ。資産は500億ドル(約5兆円)を超える。2001年に民主党から共和党に党籍を変更し、2002年から2013年までニューヨーク市長を務めた。2018年に民主党に党籍を再変更したことから民主党からの大統領選挙出馬が取り沙汰されていた。しかし、各種世論調査での数字が伸びずに出馬は見送られた。

 ブルームバーグは年齢が77歳と高齢であり、民主党予備選挙支持率トップ3のジョー・バイデン、エリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダースもまた70代、現職のドナルド・トランプ大統領も70代であり、高齢者ばかりが選挙戦を引っ張るということになる。

 ブルームバーグが出馬を考えているのは民主党が左傾化しており、誰が党の指名候補になってもトランプに勝てないという危機感を募らせてのことだと側近が述べている。ブルームバーグの出馬に対して、進歩主義派のウォーレン選対は「私が大統領になることに、金持ちたちが恐怖感を持っているためにブルームバーグを出馬させようとしているのだ」と述べている。しかし、ブルームバーグの出馬で大きな影響を受けるのは、同じ中道穏健派のジョー・バイデンだ。中道穏健派の支持を食い合うということになる。ニューヨークの金持ちたちがブルームバーグを出馬させるとすれば、ブルームバーグを出馬させてバイデンに勝ち、民主党の指名候補にしてトランプに勝たせるというシナリオが出来ている場合だろうが、ブルームバーグがバイデンに勝ち、本選挙でトランプに勝つというのは難しい。民主党内部の分裂を深め、トランプの勝利の可能性を高めるということならば、ニューヨークの金持ちたちがブルームバーグを出馬させる意味はある。

 現在の状況でニューヨークの金持ちたちがウォーレンの勝利をそこまで心配する必要はない。それは2020年の大統領選挙で重要な意味を持つ中西部や南部でウォーレンとサンダースは弱いからだ。トランプが後1年株価をふかし続けることが出来れば再選はできる。ブルームバーグがこれから選挙を勝ち抜くことが出来るとするならば、アメリカが景気後退し、人々の不安が高まる中で、「自分は金融と経済の専門家だ」とアピールすることに成功できた時だ。ここが選挙戦の焦点となる。

 ブルームバーグの出馬はまだ正式のものではないが、選挙戦をピリッと引き締める効果はあり、これからアイオワ州とニューハンプシャー州で各陣営は選挙戦を激化させる。

(貼り付けはじめ)

 

ブルームバーグが2020年大統領選挙民主党予備選挙の様相を変化させる恐れあり(Bloomberg threatens to shake up 2020 primary

マックス・グリーンウッド筆

2019年11月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/469639-bloomberg-threatens-to-shake-up-2020-primary

マイケル・ブルームバーグが大統領選挙に参加する可能性が出てきた。今週、民主党予備選挙の候補者たちに衝撃を与えることになった。ライヴァルの数が増え、しかもそのライヴァルは知名度が高く個人資産も多いとなると、予備選挙の様相を大きく変化させる可能性もある。

元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグの出馬計画のニュースに対して、民主党員の中には大きな驚きと怒りをもって迎えられた。ブルームバーグの動きは後出しでありかつ党の分裂を誘うものだと考えられている。予備選挙が実際に開始されるまで3か月を切っている。

同時に、ブルームバーグの中道派としての主張と個人の財産は予備選挙で中道派を代表しているジョー・バイデン前副大統領とインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジと直接対決を可能にしている。

ブルームバーグに近いある人物は、77歳になるブルームバーグは民主党の指名候補を目指すかどうか、最終決定はしていないと述べている。

しかし、金曜日、ブルームバーグはアラバマ州の民主党大統領選挙予備選挙に立候補者として登録した。これはホワイトハウスを目指す選挙の第一歩となった。

民主党予備選挙において、民主党内部の進歩主義派が台頭している中で、ブルームバーグがこうした状況を変化させられるのかという疑問について色々と議論されている。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は予備選挙をリードしているリベラル派の候補者たちである。2人は大富豪たちがアメリカの政治システムに既に大きすぎるほどの影響力を既に行使していると選挙戦を通じて主張している。

ブルームバーグの出馬計画のニュースは木曜日に流れ、ウォーレン、サンダース各選対は驚きに包まれた。そして、ブルームバーグ元市長の出馬は、自分たちの進歩主義的な提案に対する反撃の形なのだと発表した。

ウォーレン選対は支持者に向けたEメールメッセージの中で次のように書いている。「富裕層で人脈が豊富な人々は恐れているのだ。こうした人々はウォーレン大統領の統治を恐れている。ウォーレンが大統領になればこうした人々の要求を全て実現する政府は存在しなくなるからだ。従って、富裕層の人々はエリザベスと私たちの運動が2020年に勝利を収め、2021年に大きな構造的変化をもたらすことを阻止するためにできることは何でもやってきているのだ」。

しかし、民主党員や民主党支持の有権者たちが2020年の大統領選挙で中道穏健派の人物を党の指名候補にしようとしていることを示す兆候がいくつか存在する。そして、民主党員から共和党員になり、その後無所属になり、2018年に再び民主党員となったブルームバーグは中道穏健派にぴったりとあてはまる人物だ。

『ニューヨーク・タイムズ』紙とシエナ・カレッジの共同世論調査の結果が金曜日に発表された。アリゾナ州、フロリダ州、ミシガン州、ノースカロライナ州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州という6つの激戦州の民主党員の過半数は共和党側とも共通認識を見つけ出すことを約束する中道的な心情を持つ候補者をより好むという結果が出ている。ブルームバーグが出馬するとなると、彼に対しては多くの挑戦がなされることは確実だ。

民主党予備選挙で彼のライヴァルとなる人物たちは既にこの数カ月間、早期に予備背選挙が実施される各州で選挙運動を展開しており、組織化を進めている。これは選挙戦を進める上で重要なことである。選挙戦は既に上位4名の候補者に絞られている。その4名とはバイデン、ウォーレン、サンダース、ブティジエッジだ。

ブルームバーグの選挙戦で資金は問題にはならない。彼が金融データとメディアで築いた資産は500億ドルを超える。ブルームバーグが民主党予備選挙に参加する希望を持っているのなら、多くの支持者が集まって献金はすぐに集まるだろう。

ブルームバーグは早期に予備選挙で行われる各州での選挙運動を諦めて3月のスーパーチューズデーで選挙が実施される各州で上位に食い込もうと考えているのではないかという懸念も存在している。

ニューハンプシャー州民主党委員長レイ・バックリーとアイオワ州民主党委員長トロイ・プライスは金曜日に共同声明を発表し、ブルームバーグに対して両州で立候補者登録をする場合には早期に両州を訪問するように求めた。共同声明が出されるのは異例なことだ。

バックリートプライスは声明の中で次のように述べている。「私たちは民主党指名候補争いにこれほど多くの資格と資質を持った候補者たちが立候補していることを嬉しく思っている。候補者たちは全員、経済成長、質の高い医療の利用、大学学費の値下げについての計画を発表している。私たちは、ニューハンプシャー州とアイオワ州、早期に予備選挙が実施される各州の有権者はマイケル・ブルームバーグに対して、各州と和多田氏たちの国をいかにして前に進めるかについての計画を聞きたいと熱望している。私たちは有権者がそのような機会を持つことを希望している」。

ブルームバーグは以前大統領選挙出馬に色気を見せていた。しかし、彼は今年初めに選挙戦に参加することをためらった。それはバイデンを倒すことは難しいと考えたからだった。

ブルームバーグの長年の側近ハワード・ウォルフソンは木曜日、ブルームバーグ元市長は考えを変えた、と述べている。ウォルフソンは「ブルームバーグは現在の予備選挙の候補者たちでは2020年の選挙でトランプ大統領を倒せないという懸念を徐々に募らせていった」と述べている。

ウォルフソンは声明の中で次のように述べている。「マイクが出馬するとなると、民主党員や民主党支持者たちに新たな選択肢を提供することになる。彼はアメリカ最大の都市を運営したという彼独自の業績を築いてきた。またビジネスをゼロから築き上げ、大きな影響を与える社会事業家としてアメリカ国内の深刻な諸問題に対処してきた」。

ウォルフソンは続けて「彼の達成してきた業績、指導力、変化をもたらすために人々をまとめる能力から考えると、マイクはトランプと戦い、勝利を収めることが可能だ」と述べている。

もしブルームバーグが予備選挙に出馬ということになるとバイデンにとって最も深刻な脅威となるだろう。バイデンはブルームバーグ同様に中道穏健派であり、ここ数週間、ウォーレンとサンダースという進歩主義派に対する批判を強めている。

マンモス大学世論調査研究所所長パトリック。マレーは、ブルームバーグのように遅れて選挙戦に参加することで予備選挙参加予定の有権者たちに大きなアピールをし、支持を集めることはほぼない、バイデンの支持率を引き下げるだけだと述べている。

「ミッシェル・オバマ以外では、遅れて選挙戦に参加する人は誰も先行している候補者たちを引きずり下ろすことはできないと考える。ブルームバーグはバイデンの支持率を引き下げることが出来るだけで、サンダースかウォーレンが党の指名を得ることを助けるだけになるだろう」。

今年3月に発表されたマンモス大学の世論調査の結果では、ブルームバーグの支持率は2%にとどまった。

この時の世論調査では調査に答えた人々のうち、27%がブルームバーグに対して好意的な意見を持ち、26%が否定的な意見を持っていると答えた。約半数は彼のことを聞いたことがない、もしくはよく知らないので、意見を持つほどではないと答えた。

ブルームバーグの大統領になる可能性については予備選挙の候補者の中には苛立ちを見せている人物がいる。エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)はその一人だ。クロウブッシャーは、ブルームバーグが現在の予備選挙の候補者たちでは2020年の選挙でトランプ大統領を倒せないと考えて出馬を検討していることに対して批判を加えている。

クロウブッシャーは次のように語っている。「後から入ってきて、これまで国家のために働いてきた人々に対してお前たちの仕事は全くもって十分ではないと言うような人物を私たちは必要としない。私はそんな人を評価しないし、皆さんもそうだと思う」。

(貼り付け終わり)

(終わり)
bakabusubinbou001

馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください

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 古村治彦です。

 

 今回はニューヨーク州民を対象にした世論調査の結果についての記事をご紹介します。この記事で中心的に書かれていたのは、ニューヨーク州選出の連邦下院議員であるカーステン・ギリブランドとニューヨーク市長ビル・デブラシオの支持率が共に30%に届かなかった、ということです。

 

 世論調査の数字についてもっと詳しく見ていくと、次のようになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

※3つ目の数字は「よく知らない、判断が出来るほど聞いたことがない」の数字です(一桁台の数字は省略しました)。

 

ドナルド・トランプ大統領:28%(67%)

 

ジョー・バイデン前副大統領:62%(24%)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属):51%(38%)

 

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党):31%(38%;30%)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党):31%(28%;39%)

 

カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党):29%(35%;35%)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党):27%(25%;47%)、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党):21%(22%;55%)

 

エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党):13%(16%;70%)

 

アンドリュー・クオモニューヨーク州知事(民主党):42%(45%;10%)、ビル・デブラシオニューヨーク市長(民主党):24%(49%;24%)、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党):31%(38%;31%)

 

(貼り付け終わり)

 

 ニューヨーク州の人々は政治家に対する評価が辛いようで、支持率が50%を超えたのはバイデンとサンダースだけでした。その他は3割台、2割台ばかりで、ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモの支持率45%は非常に高い数字ということになります。

 

 ニューヨーク州民は地元の政治家だからというような理由で政治家を支持しないようで、地元選出のカーステン・ギリブランドの支持率が29%で不支持率が35%となっています。そして、全体的に「よく知らないんだよな」となっていることが分かります。

 

 そこでも興味深いのは、大統領選挙民主党予備選挙に出馬している各政治家の支持率と不支持率の数字の関係です。ギリブランドが29%対35%、ウォーレンが31%対38%、ブッカーが31%対28%、ハリスが27%対25%となっています。支持、不支持を判断できるとしている人々の中で、不支持が支持を上回っているのは、ギリブランドとウォーレンです。

 

 どちらも司法の世界で長年活躍し、連邦上院議員としては若手から中堅というところです。全国規模のメディアでもよく名前が出ますし、民主党が優勢なニューヨークでこれだけ評価が低く、不支持が支持を上回っているのは何か原因があると思われます。

 

 その原因としては、2人が民主党エスタブリッシュメント、ヒラリー派に近いと見られているということが挙げられると思います。ギリブランドはヒラリーがオバマ政権の国務長官に就任するためにニューヨーク州選出の連邦上院議員を辞め、その後継となった人物です。これから2人が上昇するためにはそうしたイメージを払しょくしなければならないでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:ニューヨーク州民の中で、ギリブランド、デブラシオの支持率は共に30%以下(Poll: Gillibrand, de Blasio have favorable ratings under 30 percent among New Yorkers

 

ジョン・バウデン筆

2019年3月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/435119-poll-gillibrand-de-blasio-have-favorable-ratings-under-30-percent-among-new

 

ニューヨーク州出身の2名の民主党所属の政治家は大統領選挙に野心を持っているが、最新世論調査によると、2人の支持率は水面下に落ち込んでいる。

 

木曜日に発表されたキュニピアック大学の世論調査の結果では、カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、ニューヨーク州の登録済み有権者の中で29%しか支持がなかった。不支持率は少し高かかった。35%だった。この人々は、ニューヨーク州選出の2期目の連邦上院議員ギリブランドの仕事ぶりを評価しないと答えた。

 

ビル・デブラシオニューヨーク市長(民主党)も同様で、彼はまだ予備選挙出馬表明を行っているが、ここ数週間出馬を示唆しているが、彼の市長としての仕事ぶりを評価しているニューヨーク州民は24%に留まった。調査に答えた人々の49%は評価しなかった。

 

これらの数字は、ギリブランドとデブラシオ両者にとって、これまでの中で最も低い数字となった。両者ともに「自分はより多くの有権者たちに知られるようになっている」と考えているが、支持率は低調である。

 

世論調査アナリストのメアリー・スノウは声明を発表し、「民主党が優勢なニューヨークでは、民主党支持者たちが2020年の大統領選挙でドナルド・トランプ大統領に引導を渡したいと熱望しているが、今回の世論調査の結果はなにも驚くには値しない」と述べた。

 

スノウは続けて次のように語った。「しかし、ニューヨーク州民は自分たちの州の政治家たちがトランプ大統領に代わることが出来ると考えるほど甘くはない。カーステン・ギリブランド連邦上院議員は正式に出馬表明を行ったが、支持率は過去最低となった。ニューヨーク市長ビル・デブラシオは出馬するかどうか決めていないが、ニューヨーク州全体の彼の支持率は、2014年の市長就任以来、最低の数字となった」。

 

ジョー・バイデン前副大統領は支持率トップ、62%を獲得した(24%は不支持)。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は水面から顔を出している。ニューヨーク州民の51%がサンダースを支持した。

 

キュニピアック大学による世論調査はニューヨーク州民1216名を対象に行われ、誤差は3.8%である。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の娘で大統領補佐官(無給)であるイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump、1981年―)とこのブログでも再三ご紹介している、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortex、1989年―)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)との共通点、それはニューヨーク市で生まれ育ったことです。両者とも学校時代はニューヨークではないですが、学校卒業後はニューヨークに戻っています。

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しかし、2人は対照的な生まれ育ちをしています。イヴァンカは大富豪の娘で、マンハッタン在住、その美貌から若い時からモデルをするなど、華やかなニューヨークの中で生活していました。アレクサンドリアは労働者階級の両親のもとに生まれ、ボストン大学にも奨学金を得て進学する(家族で初めての大学進学者)するといった苦労もありました。大学在学中に父親が亡くなるという不運もありました。また、大学卒業後には家族を支えるために、出版社などの仕事とバーテンダーの仕事を掛け持ちし、1日に18時間も働く日もあったということです。

 

 アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、「グリーン・ニューティール」計画を提唱しています。これは、温室効果ガスの全廃を目指すもので、環境分野での雇用を創出することも狙っています。この計画には、失業している人たちにも最低限の生活費を保証するという内容も含まれているという報道もなされたために、この点でも大きな批判を浴びましたが、法案として連邦議会に提出された際には、この部分は含まれませんでした。

 

 イヴァンカ・トランプは保守系のフォックスニュースに出演し、その中で、この失業者にも最低限の生活費を保証するという内容を批判しました。そして、「人間はお金のために働いているのではない」ということを発言しました。これに対して、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、「人間は生活することが出来るだけのお金を稼ぐために働いているのだ」ということを言い返しました。

 

 イヴァンカは生活の不安を感じることなくこれまで生きていたということが言えるでしょう。ドナルド・トランプが父親ということで大変な面もあったと思いますし、トランプが破産したこともあったのですから、その点では大変だったと思います。しかし、明日の食べ物を買うお金がないというようなことは経験していないでしょう。

 

 一方、アレクサンドリアは、子供の頃から両親の苦労を見てきたことは間違いありません。今でも自分は労働者階級の出身だということを誇りを持って強調しています。家族で初めての大学進学者となったのも、奨学金を得てのことですし、大学卒業後も働き詰めで苦労しました。連邦下院議員に当選したのが昨年11月ですが、貯めていたお金を使ってしまったために、連邦下院議員になって住むための部屋をワシントンで借りることが出来ず(アメリカの大都市の家賃は異常なほどに高いです)、しばらくバーテンダーの仕事をしながらお金を貯めていたということで、直近までお金で苦労しています。

 

 ニューヨークで生まれ育った2人の働くことの意味に対する対照的な考えは興味深いものがあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

イヴァンカ・トランプが、オカシオ=コルテスの雇用「保証」計画を批判:アメリカ人のほとんどは「何かを与えられる」ことは望まない(Ivanka Trump rips Ocasio-Cortez for plan to 'guarantee' jobs: Most Americans don't 'want to be given something'

 

エイリス・フォーリー筆

2019年2月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/431624-ivanka-rips-ocasio-cortez-for-plan-to-guarantee-jobs-most-americans

 

イヴァンカ・トランプはニューヨーク州選出のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(民主党)が主導する「グリーン・ニューディール」の一部を拒否すると表明した。細心のインタヴューの中で、イヴァンカは、アメリカ人の大部分は「自分自身の力で手に入れられるもの、達成できるもののために働きたい」はずだと考えると述べた。

 

フォックスニュースのキャスターであるスティーヴ・ヒルトンは日曜日に放送予定となっている番組の中で、イヴァンカにインタヴューを行った。その中で次のように質問した。「民主党、進歩主義派の民主党、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスからの提案があります。それは、これがグリーン・ニューディールです、雇用の保証があります、というものです。これに対して、良いね、単純だけど私が望んでいるものだ、と考える人たちがいます。こうした人々についてどう考えますか?」。

 

大統領の長女にして補佐官も務めるイヴァンカは、「アメリカ人のほとんどは何かを与えられたいと望んでいないと思いますね。私はこれまで4年間この国を飛び回ってきました。人々は自分自身の力で手にできるもの、達成できるもののために働くものですよ」と答えた。

 

イヴァンカは続けて「だから、最低限を保証するという考えは、ほとんどの人々が望んでいません。皆、仕事をやり続けられる能力を手にしたいと望んでいます。皆、上昇できる可能性がある国に住みたいと考えているのです」と述べた。

 

保守派の人々からの批判の大部分は、オカシオ=コルテスとエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)がグリーン・ニューディール計画を発表してから出てくるようになった。グリーン・ニューディール計画は2030年までにアメリカ国内での炭素ガス全廃という野心的な目標を設定しているもので、有権者登録をしている民主、共和両党の支持者の多くが支持している。

 

イェール大学クライメット・コミュニケーション・プログラムとジョージメイソン大学クライメット・チェンジ・コミュニケーション・センターが2018年12月に実施した世論調査では、民主党支持者の92%と共和党支持者の64%がグリーン・ニューディール計画を支持している、という結果が出た。グリーン・ニューディール計画の目的は、アメリカの電力を100%再生可能電力に転換し、失業者の雇用を保証するというものだ。

 

イヴァンカは、2020年の大統領選挙について突っ込まれて質問され、父親の政策は「アメリカを反映させ続けさせる」ものであり、次の大統領選挙では優位に立つことになると述べた。

 

イヴァンカはヒルトンに次のように述べた。「“私たちは昨日、もしくは2年前よりも今日の方が良い生活をしているか?”と考えてみたら、その答えは“イエス”ということになると思うんです。一人のアメリカ人として、1か月前もしくは1年前の家計の状況を考えてみれば、分かると思います。アメリカの状況はうまくいっていますし、他の国々に比べてその好調さは際立っています」。

 

イヴァンカは更に「私たち自身はうまくいています。成長のスピードという点では、アメリカを除く世界全体では落ちているという現状です」と述べた。

 

=====

 

オカシオ=コルテスがイヴァンカ・トランプに反論:「私はティップと時給のために働いた」(Ocasio-Cortez responds to Ivanka Trump: 'I actually worked for tips and hourly wages'

 

マイケル・バーク筆

2019年2月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/431716-ocasio-cortez-responds-to-ivanka-trump-a-living-wage-isnt-a-gift-its-a-right

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は火曜日、イヴァンカ・トランプを批判した。オカシオ=コルテスは、トランプの娘は「テリップや時給を稼ぐために働く」ことについて又聞きでしか知らないのだろうと述べた。

 

オカシオ=コルテスはツイッター上で、イヴァンカ・トランプがオカシオ=コルテスを批判したというニュースのリンクを貼り付けて、「私は人生の中でティップや時給を稼ぐために実際に働いた。そういったことを又聞きでしか学ぶしかなかった人もいる。私は自分の実際の経験から、人々のほとんどは、生活ができるだけのお金を稼ぎたいと思っている、と言うことができる」と書いた。

 

オカシオ=コルテスは更に「生活ができるだけの賃金は誰からの贈り物ではない。権利だ。労働者は多くの場合、生み出す価値よりも少ないものを支払われている」と書いた。

 

オカシオ=コルテスとエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、2月上旬に「グリーン・ニューディール」法案を議会に提出した。この法案は、温室効果ガスの全廃を目指し、雇用を創出することを目指すものだ。法案には全国民の雇用保障を含むものになっている。

 

イヴァンカ・トランプはグリーン・ニューディール法案について、日曜日に放送される予定になっているフォックスニュースとのインタヴューの中で次のように述べている。「アメリカ人のほとんどは何かを与えられたいと望んではいない。人々は自分自身の力で手にできるもののために働きたいと考えているはずだと私は確信している」。

 

イヴァンカは更に「最低限を保証するという考えは、ほとんどの人たちが望んでいないことであると思う。人々は自分の仕事を確実にすることが出来る能力を手にしたいと望んでいる。人々は、社会的に上昇する可能性を持つ国で生きていきたいと望んでいる」 と述べた。

 

イヴァンカ・トランプは火曜日に発表した書簡の中で、自分は最低賃金制度を支持しているが、「働きたくない」人々に「最低限の保証」をすることは支持しないと表明した。

 

働きたくない人たちに対して最低限の支払いを保証するという事項がオカシオ=コルテスの事務所から発表されたファクトシートに入っていたが、これは間違いで出てしまったもので、連邦下院に提出されたグリーン・ニューディール法案には入っていない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 本日は2つのお知らせをいたします。

 

    トラベルカルチャー雑誌(季刊)『TRANSIT』第41号「ニューヨーク(New York)」

2018914日発売)の「財閥」「未来」のページにそれぞれ短文を掲載していただきます。『TRANSIT』は1冊で特集された国や地域、場所を網羅的に理解できる本(講談社Mook)となっています。掲載されている写真、レイアウトも凝っていて、こんなにおしゃれな本に短文を掲載してもらえて嬉しい限りです。

TRANSITnewyork001

TRANSIT(トランジット)41号ニューヨーク ニューヨークには夢がある! (講談社 Mook(J))

 

「財閥」のページでは、アメリカ経済の勃興を支えた各財閥、大富豪について簡単にご紹介しました。「未来」のページでは、ニューヨークで起きた政治における大きな動きについて書きました。よろしくお願いいたします。

 

    公益財団法人日本国際フォーラムのウェブサイトの「e-論壇 百花斉放」に拙文を掲載

していただきました。よろしくお願いいたします。

 

※アドレスは以下の通りです↓

https://www.jfir.or.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=4343

https://www.jfir.or.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=4361

https://www.jfir.or.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=4362

よろしくお願いいたします。

 

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 古村治彦です。

 

 日本時間の明日午前中に2016年アメリカ大統領選挙の第1回討論会が行われます。アメリカでは東部時間月曜日午後9時、西海岸では午後6時に生中継され、約1億人が視聴すると言われる一大イヴェントです。

 

 現在のところ、各種世論調査ではヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを若干リードしているという展開ですが、この討論会の結果が選挙戦の最終盤の流れを決めることになるでしょう。

 

 トランプ陣営では、トランプの討論能力に絶対に自信を持っているようです。対ヒラリーということで、ヒラリー役を決めての討論の練習をするということはやっていないようです。一方、ヒラリーの方は、一人の人物をトランプ役にして、討論の練習をしているそうです。その人物にトランプになりきってもらって、激しい言葉遣いをしてもらって、それに対応するという練習を繰り返しているとのことです。

 

 ヒラリー陣営では、トランプの予測不可能な動きにかなり神経質になっているようです。トランプは全く予想もできない角度から、予想もしないことを発現して、その場の雰囲気を自分に有利なように作ることが得意です。ヒラリーは討論会自体数をこなしてきていますが、政治家ばかりを相手にしてきているので、それ以外の人とは初対戦になるわけですから、ナーヴァスになるのは当然と言えるでしょう。

 

 ヒラリー側としては、トランプのペースに引きずり込まれないようにしたい、できたら、トランプの発言は嘘が多いから信用できないということを印象付けたいと考えているようです。ヒラリー陣営側の発言を見ていると、アントニオ猪木対モハメド・アリの異種格闘技戦で、色々と注文を付けてきたアリを彷彿とさせます。

 

 今回の討論会が、猪木対アリのような見方によっては世紀の凡戦とならないようにと願っています。

 

(貼り付けはじめ)

 

コンウェイ:トランプは「討論のベイブ・ルース」のようだ(Conway: Trump like 'Babe Ruth of debating'

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年9月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297663-conway-trump-like-babe-ruth-of-debating

 

ドナルド・トランプの選対責任者ケリアン・コンウェイは日曜日、共和党大統領選挙候補者トランプの討論技術を賞賛し、「トランプは卓越した討論者だ」と述べた。

 

コンウェイはABCの「ディス・ウィーク」に出演し、「ニュート・ギングリッジ氏がうまい表現をしました。連邦下院の元議長は最近、ドナルド・トランプは自分が見てきた中で最高の討論者だと述べました」と語った。

 

コンウェイは「トランプは討論のベイブ・ルースのようです。彼は打席に立って、バットを振って、素晴らしい結果を出すんです」とも述べた。

 

トランプと民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、月曜日の夜の第1回目の討論会において一対一で対峙する。

 

コンウェイは、有権者たちはアメリカが直面している諸問題に関する討論が展開されることを期待していると述べた。

 

コンウェイは、「この討論会は、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンが初めて同じステージに立つ機会になります。有権者は、自分たちが見るもの、聞くものを基にして選択をすることが出来るのです」と語った。

 

「私は、ヒラリー陣営が大変神経質になっていることについて理解できます。それは、ドナルド・トランプは素晴らしいプレゼン能力を示しているからです」とコンウェイは語った。

 

コンウェイはヒラリーを批判し、ヒラリー選対は、「ヒラリーが素晴らしい候補者でない」ことを懸念しているのだと述べた。コンウェイは続けて、アメリカ国民の過半数はヒラリーを嫌い、信頼していないとも述べた。

 

どの世論調査で出される「どの候補者がより誠実で信頼できるか」という質問の結果に関しては、トランプがヒラリーをリードしている。そして、トランプは積極的に選挙活動でアメリカ国内を回り、有権者に諸問題について直接訴えかけている、とコンウェイは述べ、こうした活動によって、ヒラリーとの間で差別化を図っているのだと主張した。

 

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長年のヒラリーの側近レインズが罵詈雑言の飛び交う討論会の練習でトランプ役を務める(Longtime Clinton aide Reines playing Trump in mock debates: reports

 

エリオット・スミロウィッツ筆

2016年9月24日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297579-longtime-clinton-aide-reines-playing-trump-in-mock

 

先週金曜日、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ヒラリー・クリントンと関係が深い民主党幹部のフィリップ・レインズが、ヒラリーの討論会に向けての練習でトランプ役をしていると報じた。

 

記事によると、7月の民主党全国大会終了直後から、ヒラリーの討論の練習のためにレインズがトランプ役になってきたということだ。

 

アル・ゴア元副大統領の下でスタッフとしてレインズと一緒に働いたマイケル・フェルドマンはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、レインズはトランプ役にぴったりだと述べた。

 

フェルドマンは、「人々が推測している通り、レインズが持っている特徴はトランプ役にピッタリなんです。彼は頭がよく、態度の変更が素早く、自分の役割を果たすことができ、彼女をイライラさせることに躊躇しません」と述べた。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、レインズを「トランプ氏が好む闘争的で、何でもありの政治の実践者」だと評している。

 

ヒラリーは、2014年に出版した自叙伝『ハード・チョイシズ』の中で、レインズについて「情熱的で、忠誠心に溢れ、口やかましい人物」、「彼は自分の考えをはっきり述べるので信頼している」と書いている。

 

CNNは先週土曜日に、討論の集中的な準備を側近のフーマ・アベディンとジェイク・サリヴァン、そして選対委員長のジョン・ポデスタと行ったと報じた。オバマ大統領のアドヴィザーを務めたロン・クラインとヒラリーの側近カレン・ダンは討論会の練習が盛り上がるように様々な工夫をしていると報じられている。

 

本誌は今週、ヒラリー選対は、複数の人々にトランプ役をやってもらい、口汚く罵る討論

に備える練習を行った。これは、トランプの予測不可能な動きに備えることを目的にしたものだった。

 

複数の報道によると、トランプは伝統的な討論会の準備をしないようにし、ある特定の人物だけがヒラリー役にならないようにしている。

 

先週の複数の報道によると、民主、共和両党の副大統領候補者たちはそれぞれ相手役を務める人物を決めて練習を行っているということだ。

 

共和党の副大統領候補者マイク・ペンスは、討論会の練習で、ウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーに民主党の副大統領候補ティム・ケイン役を務めてもらう予定だ。

 

ケインは、討論会の練習で、ワシントンで活動する弁護士で、ヒラリーの長年の盟友ロバート・バーネットにペンス役を務めてもらう予定だ。

 

大統領選挙候補者の第1回目の討論会は月曜日の夜にニューヨークにあるホフストラ大学で行われる。その後2回の討論会は10月前半に行われる。

 

副大統領候補者たちによる討論会は1回だけ行われるが、開催日は10月4日だ。

 

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ヒラリー陣営はレスター・ホルトに対して、トランプの真実ではない発言を押し返すことを求める(Clinton camp urges Lester Holt to push back on false statements from Trump

 

ベン・カミサール筆

2016年9月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297498-clinton-camp-urges-lester-holt-to-push-back-on-false

 

民主党のヒラリー・クリントン選対は、第1回の討論会の司会者レスター・ホルトに対して、月曜日の討論会でドナルド・トランプが真実ではない発言をした場合には、それについてきちんと説明させるように求めた。また記者団に18ページにもなるトランプの嘘をあげつらったパンフレットを配り、トランプを嘘つきだと印象付けようとしている。

 

ヒラリー選対のコミュニケーション部門の責任者ジェニファー・パルミエリは、金曜日に記者団との懇談で次のように語った。「ドナルド・トランプは、誰も訂正しないであろうと踏んで間違った嘘を繰り返すという明らかな行動パターンを示しています」。

 

「彼の行動パターンには特別な注意が必要です。それは、彼の嘘のレヴェルがアメリカ政治史上でもかなり酷いものだからです。トランプは繰り返し、恥ずかしげもなく、有権者に向けて真実を語らないという行動を取っているのです」。

 

パルミエリは続けて、ホルトに対して、月曜日の夜にニューヨークで開催される討論会でのトランプの主張に対して特別の注意を払うように求めた。そして、彼の主張を押し返すことに躊躇しないでほしい、それはヒラリーだけではそれは不可能だからだと述べた。

 

パルミエリは次のように語った。「司会者が討論会の場でドナルド・トランプの口から出る嘘をそのままにしてしまうと、それは、トランプを不公平に有利な立場に置くことになります。この場合、司会者の役割は、討論会の最中にこれらの嘘を明らかにすることだと確信しています」。

 

パルミエリは自分の上司であるヒラリーについて次のように語った。「ヒラリー・クリントンもまたトランプの嘘を指摘するし、彼女の履歴についてトランプが嘘をつく時には反応するでしょう。しかし、ドナルド・トランプがこれまでにどんなに嘘をついてきたとしても、ヒラリー・クリントンにだけは通じませんよ」。

 

ヒラリー、トランプ両陣営共に司会者のホルトを自分の側に取り込もうと試みている。トランプは先週木曜日に、討論中に口を挟まないようにと警告を発した。これは、2012年の討論会の司会者キャンディ・クロウリーがミット・ロムニーのオバマ大統領に対する発言で間違っているものには口を出し、訂正すると決めたことを念頭に置いた行動だ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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