古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:バラク・オバマ

 古村治彦です。

 バラク・オバマ前大統領が回顧録『約束された地(A Promised Land)』を出版した。日本のメディアが日本関連の記述をキーワード検索したのだろう、鳩山由紀夫元首相に関連する記述を見つけて次のように報じた。

(貼り付けはじめ)

●「鳩山氏は「感じ良いが厄介」 オバマ前米大統領回顧録」

202011171458

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111700728&g=int

 【ワシントン時事】オバマ前米大統領は17日発売の回顧録で、2009年11月に鳩山由紀夫首相(当時)と初会談したことに関し、「感じは良いが厄介な同僚だった」と指摘した。その上で、「3年弱で4人目の首相であり、日本を苦しめてきた硬直化し、目標の定まらない政治の症状だ」と酷評した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、鳩山氏が首脳会談で「トラスト・ミー(わたしを信じて)」と発言したにもかかわらず、移設先見直しの検討を決めたことなどにオバマ氏は不信感を持ったとされる。

(貼り付け終わり)

 鳩山元首相に対して、オバマ前大統領は不信感を持ち、「厄介な奴」という印象を持った、と報じた。日本の主要メディアは横並びで鳩山元首相に対して否定的な内容だったと報じた。

 これに対して、「誤訳が酷い」という反撃が出てきた。原文にあたった人々から、「感じは良いが厄介な同僚」という部分は「pleasant if awkward fellow」という表現であって、これは「楽しい人物だが交渉相手にすると厄介な人」と訳すべきだという批判が続出した。以下に記事を貼り付ける。ここから私の解釈、考えを述べる。全く英語ができない人たちばかりが総理大臣になる稀有な国である日本の中で、鳩山氏はスタンフォード大学で博士号を取得している。当時のジョン・ルース駐日大使が鳩山氏と会った時に、スタンフォード大学のアメリカンフットボールティームのヘルメットを持参しプレゼントした様子は今でも記憶がある。通訳を間に挟むまどろっこしいことをしなくても済むが、同時に交渉となると英語ができるだけに厄介ということになる。

(貼り付けはじめ)

●「NHK、オバマ氏回顧録を誤訳? 鳩山氏巡る部分に指摘」

守真弓 朝日新聞

20201118 2040

https://www.asahi.com/articles/ASNCL6KGMNCLUCVL00D.html

 NHKのニュースが17日、オバマ前米大統領が回顧録で、鳩山由紀夫元首相を「迷走した日本政治の象徴」などと評したと報じた。これについてネットなどで「誤訳だ」との指摘が上がっている。

 ニュースは17日午前10時放送で、同日に出版されたオバマ前大統領の回顧録を紹介。「当時の鳩山総理大臣について、『硬直化し、迷走した日本政治の象徴だ』と記すなど、当時の日本政治に厳しい評価を下しています」と報じた。

 だが、原文の該当箇所では、「鳩山は3年足らずの間に4人目、私が就任してから2人目となる日本の首相だった。(首相が短期間で代わるのは)この10年間、日本政治が硬直化し、迷走したことの表れであり、彼も7カ月後にはいなくなっていた」と記されている。

 ネット上では「『硬直化し、迷走した日本政治の象徴』というのは首相が頻繁に交代することを指していて、鳩山さん個人についてではない」などと誤訳を指摘する声が相次ぎ、該当記事はNHKのホームページの「ソーシャルランキング」でも上位に上がるなど話題になった。

 これについてNHKは朝日新聞に対し、「ネット上に様々なご意見があることは承知しております。今後とも正確で分かりやすい表現に努めてまいります」とコメントした。

 また、時事通信などは、回顧録が鳩山氏を「感じは良いが厄介な同僚だった」と評したと報じたが、原文は「A pleasant if awkward fellow(不器用だが感じの良い男)」といった内容で、これについても翻訳のずれを指摘する声が上がった。

 鳩山元首相も自身の公式ツイッターで、「『不器用だが陽気な』との表現はあるが痛烈な批判はなかった。メディアはなぜ今も私を叩(たた)くのか」と投稿した。(守真弓)

(貼り付け終わり)

 今回の出来事で思い出すのは、終戦末期の「subject to」の翻訳問題だ。1945年に8月10日に日本政府は「国体護持」を条件にポツダム宣言受諾を米英中国ソ連に回答した。それに対して、8月12日に国務長官ジェームス・バーンズの書簡(バーンズ回答)がもたらされた。その中に、「the authority of the Emperor and the Japanese Government shall be subject to the Supreme Commander for the Allied Powers」とあった。外務省は「天皇と日本政府は連合国最高司令官の制限の下に置かれる」と訳し、陸軍は「従属する」と訳した。「従属する」を正式な訳としてしまうと、ポツダム宣言受諾反対が勢いづいてしまうので、「制限の下に置かれる」がこの当時は適切な訳だったと私は考える。しかし、日米関係の現状は「従属」そのものである。

 アメリカ国内では日本の元首相のことなど全くニュースになっていない。当たり前のことだ。ニュースになっているのは、「バラク・オバマが妻ミシェルに大統領選挙に出たいと言った時に激しく反対された」ということだ。これをどう解釈するか、だが、2つの解釈が成り立つと思う。一つは、「ミシェルは元々自分(夫バラク)が大統領選挙に出ることに激しく反対した。だから大統領になろうなんて毛頭思っていません。だから、民主党員や支持者の皆さん、2024年大統領選挙にミシェルにどうか出て欲しいなんて考えないでください」というものだ。

 もう一つは、「ミシェルは大統領になろうなんて野心はこれっぽっちも持っていません(どなたかとは違って)。皆さん、どうですか、“出たい人より出したい人”じゃないですか?こんな無欲なミシェルこそ大統領選挙に“出したい”ですよね?」というものだ。さて、バラクの真意、そしてミシェルの真意はどうなのだろうか。

 政権樹立当初からレームダック(死に体)状態のジョー・バイデン大統領(仮)にとって、最大のそして緊急の課題は新型コロナウイルス感染拡大対策だ。これで「大統領選挙に通った(仮)」ようなものだ。ワクチン開発に関して「朗報(のようなもの)」も出ている中で、ここで対策に失敗したら、「なんだよ」ということになって支持率は下がる。経済対策についても恐らく思い通りにはできないだろう。最悪の想定は、これから今まで以上に会議やら行事やらで人前に出たり、人々と交流したりする機会が増える。そうした中で大統領就任直前、もしくは直後に、対策の陣頭指揮をとらねばならない時に、新型コロナウイルスに感染してしまうことである。

今回の大統領選挙と同時に実施された連邦議員選挙では連邦上院では共和党が過半数維持の見込み、連邦下院では民主党が過半数を維持したが、共和党との議席差はこれまでになく小さくなっている(民主党退潮のためなのか民主党所属のナンシー・ペロシ下院議長はこの2年間の議員の任期が議長として最後の任期となる、2022年に議長から退くと表明した)。連邦議会対策は難しい。

 通常は副大統領が連邦議会対策、根回しを行うことが多い。カマラ・ハリスは現職の連邦上院議員からの転身なのでその点は有利である。しかし、上院議員としての任期はまだ1期目であったことを考えると、連邦議員たちと深い話や腹を割った話ができるかと言えばそうではない。まだまだ新参者なのだ。

 2022年には連邦上院議員の一部と連邦下院議員全員の選挙、大統領選挙と大統領選挙の間に実施されるので、中間選挙(mid-term election)と言われる。学校の中間試験もmid -term exams と呼ばれているが、これはバイデン政権にとっての中間試験である。この2年間で成果が上がらなければ、民主党所属の現職連邦議員たちにとっては厳しい選挙となる。ここで、共和党が躍進して連邦上下両院で過半数を取るようなことになれば、2024年にバイデンが出馬することはほぼ不可能となる。元々2024年に出ることを期待されていないし、「選挙の顔」としても使えないのなら、表向き年齢や健康のことを理由にして、1期限りで引退ということになるだろう(再選に失敗した大統領は恥ずかしいというような風潮も一部にあるが自分からの引退ならばそこまで傷つかない)。

 しかし、こんなことをぐちゃぐちゃ考えなくても、そもそもジョー・バイデンの仕事は大統領選挙終了時点で終わっていた。既にレームダック状態だ。バイデンの最重要の仕事は選挙でドナルド・トランプを倒すことであり、それ以外は全く期待されていなかった。お笑い芸能の世界で使われる言葉で言えば、「出オチ(登場した時が最も面白くそれ以降は面白くない)」である。

 民主党員や民主党支持の有権者たちはもうバイデンに期待していない。「早くバイデンが辞めて副大統領のカマラ・ハリスが大統領に昇格して女性初の大統領にならないかな」「ミシェル・オバマにこそ次の選挙に出て欲しいな」と考えている。ある世論調査の結果では、2024年の大統領選挙の民主党候補になって欲しい人という質問では、第1位がミシェル・オバマ、第2位はカマラ・ハリスという結果だった。バイデンはもう2024年には出ることができないと皆が考えている。史上初めて、初当選した大統領が既に「レームダック(死に体)」状態になっている。

 だいぶ話が脱線してしまったが、要は2024年にミシェルが大統領選挙に出馬するかどうかだ。私は昔日本の政治家に対して使われた言葉、「絹のハンカチを雑巾にして使うな」という言葉を使いたい。また、このブログでも紹介したことがあるが、ミシェルはそもそも政治家には向かない。周りにいる人の多くが馬鹿だと感じられ、そう感じた相手とは口を利かないという話を聞いたことがある。できる人、切れ者は概してそうだ。そういう人が数年間も自分を押し殺して、楽しげに振舞うというのは精神に大きな負担を与えることになる。それならば、民主党員や支持者たちは「ミシェルは最後の切り札、最終兵器」と「お守り」のように考えておくべきだ。最後の切り札、最終兵器は使われないことでこそ最大の効果を発揮する。ミシェルの存在はまさにそうなのだ。

(貼り付けはじめ)

オバマは妻ミシェㇽが彼の大統領になりたいという野心に対して抵抗したと述べた(Obama describes wife Michelle's resistance to presidential ambitions

ジョン・バウデン筆

2020年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/in-the-know/in-the-know/526087-obama-explains-wife-michelles-resistance-to-presidential

オバマ前大統領は、彼と彼の妻である前ファーストレイディーのミシェル・オバマがいかにして、大統領選選挙出馬に対しての彼女の抵抗をいかにして乗り越えたかについて語った。オバマは日曜日夜に放送されたCBSの「60ミニッツ」に出演し、幅広い話題でインタヴューを受けた。

CBSのスコット・ペリーはオバマの回顧録の一節についてオバマに質問した。この一節の内容とは、将来ファーストレイディーとなったミシェルが、バラクの大統領になりたいという野心をすげなく否定したということである。ミシェルはバラクに対して次のように述べたということだ。「私はあなたに大統領選挙に出て欲しくない。いいこと、バラク、そんな簡単に行くと思っているわけ?」。

ペリーは「そして彼女は部屋を出ていったとあります。彼女が反対した訳ですが、それでもあなたが大統領選挙に出馬することを諦めなかったのはどうしてですか?」と質問した。

オバマ前大統領は次のように答えた。「それは至極もっともな疑問ですね。分かっていただきたいのは、このやり取りが行われたのは、私がアメリカ連邦上院議員選挙に出るちょうど2年前のことだったということです。この時の選挙は通常とは異なる選挙となりました。私が連邦議会選挙に出る2年前の話しなんですよ」。

「私が連邦上院議員選挙に出る数年前の話しなんですよ。幼い子供が2人いました。ミシェルはまだ仕事をしていました。私はその時に次のように自問しました。“大統領選挙に出るなんてどれだけ誇大妄想なことなんだろうか?どれだけ悪いことなんだろうか?自分自身に対して何かを証明しようとどれだけ本気なのだろうか?”」。

オバマは妻ミシェルが徐々に「“私は邪魔をするべきではないのだ”という結論に至る」ようになったと述べた。

オバマは更に「もちろん彼女の納得は不承不承でしたよ。選挙に勝っても彼女の不満を和らげることはできなかったという事実もあります。何故なら大統領になることで大統領の家族にかかる大きな負担があるからです」とも述べた。

ペリーは、「あなたが全身全霊を傾けねばならない職責から退いて初めて、あなたが大切にしていたことは、あなたが愛する人に対する感謝だったということを認識されたと思うのですが」と指摘した。

オバマは次のように答えた。「私が大統領在任中に既にそのことを認識していたと思いますね。彼女は我慢をしてくれて、そして私のやったことを許してくれました。このことは私が今でも心から感謝している崇高な行いでしたし、私自身が彼女の崇高な行いに値するとはとても言えません」。

オバマ前大統領のCBSとのインタヴューは、彼の回想録『約束された地(A Promised Land)』の発売日(火曜日)の直前である日曜日に放送された。インタヴューの中で、オバマは彼の次のトランプ大統領に対して厳しい批判を行った。2020年の大統領選挙での敗北とトランプが結果を受け入れることを拒絶していることを受け、オバマはトランプを激しく批判した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 今年のアメリカ大統領選挙は、共和党は現職のドナルド・トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領、民主党はジョー・バイデン前副大統領の戦いということになる。バイデンは「女性を副大統領候補に指名する」と発表している。「誰が副大統領候補になるのか?」「誰が副大統領候補にふさわしいのか?」とアメリカのメディアでは多くの名前が挙がっている。

 職務としては、連邦上院議員、連邦下院議員、州知事、市長、人種としては白人、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニックなどと多士済々である。しかし、誰もかれも実際に政権に入って仕事をした経験がなく、外交の経験もない。そこで出てくるのが、下に紹介する記事で取り上げられているスーザン・ライス(Susan Rice、1964年-)である。
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ライスとオバマ
 スーザン・ライスはオバマ政権8年間の内、前半は米国国連大使(閣僚級の扱いを受け、閣議にも出席できる)、後半は国家安全保障問題担当大統領補佐官(ホワイトハウスで外交を取り仕切る、国家安全保障会議
[NSC]を主宰)を務めた。オバマ政権二期目では国務長官の候補にも名前が挙がったが、「アラブの春」の過程で起きた、リビアのベンガジでのアメリカ領事館襲撃事件をめぐり、失言をしてしまったので、連邦上院の人事承認は得られないということで、承認の要らない国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任した。

 拙著『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所)で、私は、スーザン・ライス、国家安全保障会議(NSC)メンバーと米国国連大使(2017-2019年)を務めたサマンサ・パワー(Samantha Power、1970年-)、アメリカ国務省政策企画本部長(2009-2011年)を務めたアン・マリー・スローター(Anne-Marie Slaughter、1958年-)名をヒラリー・クリントンの側近の女傑3人として紹介した。
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ライスとヒラリー・クリントン
奥にサマンサ・パワー
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スローター(左)とヒラリー

 このヒラリー派は「人道的介入主義(Humanitarian Interventionism )」と呼ばれるグループだ。この人道的介入主義派は、「世界各国、特に非民主的な国々、特栽国家で虐げられている人々を助けるために、アメリカの力を使う、アメリカの軍事力で政権転覆(regime change)を行うべきだ」という考えだ。そのためには戦争を厭わない。

ヒラリー派の人物の名前が副大統領候補に出てくることは甚だ危険だ。特に、年齢や健康に不安があるバイデンの副大統領候補ということは、当選して、バイデンに何か事が起きれば、大統領ということになる。もしライスが副大統領になり、大統領に昇格すれば、これは「ヒラリーの勝利」ということになる。アフリカ系アメリカ人初の大統領はバラク・オバマが成し遂げたが、女性初の大統領をライスが成し遂げるということになるが、その裏では、ヒラリー派が暗躍するということは十分に考えられる。

 そうなれば何が起きるかと言えば、国際関係の緊張だ。ロシア、中国、北朝鮮との関係は緊迫化し、最悪の場合には武力衝突ということも考えられる。「アフター・コロナ」時代において、不安定化した国内状況、国際状況を転換させるために、戦争が起きるということも考えられる。

(貼り付けはじめ)

プレス:スーザン・ライスはアメリカ合衆国大統領になる心づもりで選挙に出る準備ができている(Press: Susan Rice would be ready to step in as POTUS

ビル・プレス筆

2020年5月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/499646-press-susan-rice-would-be-ready-to-step-in-as-potus

副大統領候補を選ぶって?何か簡単そうだ。しかし、実際はそうではない。実際、ジョー・バイデンは現在、最も難しい仕事に直面している。それは、彼の決定には多すぎる要素が入ってくるからだ。

バイデンにとっては、既に女性を副大統領候補に選ぶと公約しているが、そうなれば次のような疑問が出てくる。私たちが知らない候補者がいるのだろうか?副大統領候補は重要な激戦州で勝利をもたらすことができるだろうか?民主党支持の有権者たちを熱狂させ、投票に向かわせることができる素晴らしい選挙運動ができる人物なのだろうか?無党派の有権者たちにアピールする人物だろうか?バイデンはこの人物と行動することに居心地の良さを感じるだろうか?そして、最重要なのは、バイデンに何か起きた場合に、この女性は大統領の地位に就くことができるだけの疑いようのない経験を持っているだろうか?という問いだ。

この最後の基準に関して、元国家安全保障問題担当大統領補佐官スーザン・ライス以上の能力を持つ人物は他にいない。連邦政府の役割とは何かを理解し、人々に奉仕するために政府の諸機関の結集された力をどのように使うかを分かっている指導者が現在ほど求められている時代はこれまでなかった。

バイデンには別の多くの強力な候補者たちがいないなどと言うことはできない。実際、バイデンが幸運なのは、選ぶべき人物が多くいるということだ。ある意味では、誰を選んでも失敗ということはない。ライスに加えて、バイデンが考慮中だと知られているのは、大統領選挙の経験を持つ3名の連邦上院議員の名前が挙がっている。カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)である。もう一人の連邦上院議員としては、州司法長官を務めた経験を持つ、ネヴァダ州選出のキャサリン・コルテス=マスト連邦上院議員も候補の一人だ。行政経験を持つ州知事2名の名前が挙がっている。1人はミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー、もう1人はニューメキシコ州知事ミシェル・ルーハン・グリシャムだ。元警察本部長で現在はフロリダ州選出の連邦下院議員を務めるヴァル・デミングスの名前も挙がっている。地域の指導者2名の名前も挙がっている。その2人は、ジョージア州下院少数党(民主党)院内総務を務めたステイシー・エイブラムス、アトランタ市長キーシャ・ランス・ボトムズである。

ここに名前を挙げた人々はそれぞれ有利な点を持っている。誰を選んでも素晴らしい、そして歴史的な人選ということになる。しかし、ここに名前の挙がった人々の中に、行政と外交における経験において、スーザン・ライスにかなう人はいない。ライスはこれまでの30年間、複雑な政策問題、議会との協働、外国の指導者たちとの交渉、大統領の意向の実現にまい進してきた。ライスは政府と外交をいかに動かすかを知っている。彼女はスタッフをどのように動かすかを知っている。

ライスの人生とキャリアは公職に捧げられたものだった。彼女が最初に参加したのは、クリントン政権で、国際機関と平和維持部門部長と国家安全保障局のアフリカ問題担当部長を務めた。その後、連邦上院による満場一致で承認され、アフリカ問題担当国務次官補に就任した。彼女はキャリアの中で、ソマリアとルワンダでの危機的状況に対するアメリカの対応を指揮した。エボラ出血熱への対応に成功した後、ライスは国家安全保障会議の中に、 国際公衆衛生、生物学的防衛担当部長職(Directorate for Global Health Security and Biodefense )を創設した。この部門は2018年にトランプ大統領によって解体された。

2009年1月、オバマ大統領によって指名され、再びアメリカ連邦上院によって満場一致で承認され、ライスは米国国連大使に就任した。ライスは国連大使として、北朝鮮、イラン、中東、スーダン、リビア、その他の紛争地帯に関するアメリカの外交政策を形成することに貢献した。4年後、ライスはホワイトハウスに戻ることになった。この時は国家安全保障問題担当大統領補佐官としてであった。イランとの核開発をめぐる合意、パリ気候変動合意、キューバとの国交改善においてライスは重要な役割を果たした。

スーザン・ライスはまた人々に語るべき素晴らしい個人的な物語を持っている。母方はジャマイカ移民、父方はサウスカロライナ州の奴隷を先祖に持つ家族といった出自を持ち、ライス自身はアメリカンドリームを実現した。若い女性でかつアフリカ系アメリカ人という不利な点を乗り越えるために、両親の薫陶を受けて育った。彼女はスタンフォード大学を卒業し、ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学した。オックスフォード大学時代には500人の同級生の中でアフリカ系アメリカ人は彼女1人であった。そして、世界という舞台において最も有力な女性となった。ライスの物語は全ての順守の若い有権者を勇気づけるものだが、しかし特にアフリカ系アメリカ人コミュニティを活性化するものだ。アフリカ系アメリカ人コミュニティの熱心で全力な支持はバイデンの勝利にとって必要不可欠な要素である。

我が国がこれまで直面したことのない、最悪の公衆衛生上の危機と経済的危機により、バイデンはアメリカをこれまでの途に引き戻すための重大な挑戦に直面することになるだろう。バイデンには、全力で彼をサポートできる人物を選ぶ必要がある。スーザン・ライス以上の最高のティームメイトを見つけることはできないだろう。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 スーパーチューズデーが終わり、次は2020年3月10日に予備選挙が実施される。ここで大きいのはミシガン州とワシントン州だ。ミシガン州ではバイデンが若干のリード、ワシントン州はサンダースが大きくリードという展開になっている。サンダースとしては、前回2016年の大統領選挙本選挙で民主党が失ったミシガン州で強さを見せつけたい。そこでサンダースは支持拡大に躍起になっている。

 私は何度もこのブログでも紹介しているが、バーニー・サンダースの支持者は若い人が多く、熱心だ。時に熱狂的になり、狂信的になる。そのために大変攻撃的になる。「自分たちの考えが絶対的に正しい。バーニーを支持しない奴らは無能で無知、どうしようもない奴らだ」ということで厳しい言葉で責め立てたり、説教をしたりする。そのために嫌われてしまう。

 サンダースの支持基盤は、縦に深く進むことはできるが、横に広く薄く進むことができていない。選挙になれば狂信的な支持者でも、政治に無関心な有権者でも1票は1票である。「君は熱心に選挙活動をしているから2票あげるね」ということにはならない。サンダース陣営の課題はどのようにして横に広がっていくかということだ

 そうした中で、サンダースは、アフリカ系アメリカ人からの支持を得られていないのは、「バイデンがオバマ前大統領を前面に押し出して選挙戦をしているためだ」と発言した。そのために人気を取られているというのだ。サンダースは自分の政策に自信があり、実際にアフリカ系アメリカ人にとってメディケア・フォ・オールは得になる政策なのだから政策を訴えながら、支持を拡大させることができるはずだが、うまくいっていない。それをバイデンがオバマとのつながりを強調しているからだ、と述べている。

 これも一歩進めて考えると、アフリカ系アメリカ人有権者は政策のことよりも、オバマとの関係が近いか遠いかで誰を支持するかを決めていると述べているのと同じで、アフリカ系アメリカ人を小馬鹿にした発言だ。「オバマに仕えた副大統領」というだけで、アンナに多くのアフリカ系アメリカ人がバイデンを支持するだろうか、は疑問だ。ここの点はこれからの研究や分析を待ちたいと思う。

 サンダース自身もサンダースの支持者たちもオバマ政権の8年間に関しては批判的で、オバマなんてのは共和党と一緒だと批判してきた。それなのに、スーパーチューズデーが振るわない結果に終わると、「オバマ大統領頼みのテレビ広告」を放映し始めた。バイデンもやはりオバマ頼みの広告を流しているのでおあいこだが、バイデンはオバマを批判したことはないが(当たり前だが)、サンダースはオバマを批判してきた。それがこのテレビ広告だ。

 

 オバマの発言を切り貼りした内容も出来も悪いテレビ広告だ。これを流して、オバマとのつながりを重視する有権者の支持を獲得できると考えているのならば、サンダースの先行きも不安なものとなる。何よりもサンダースを支え、オバマを批判している狂信的な支持者たちはこのテレビ広告をどう思うだろう。サンダースはさすが老練な政治家であり、活動家、革命家だと私は感心した。「目的は手段を正当化する」の言葉もあるが、彼は勝つためなら何でもやるということを明言している。最後はイデオロギーもくそもないのだ、ということを分かっている。若い奴らのことなんか知ったことか、だ。

 しかし、このテレビ広告は最悪のものだと思う。これで支持が伸びるとは思えない。有権者はサンダースの意図を見透かして嘲笑するだろう。もっと別の方法で横への支持拡大を目指すべきだ。サンダースをはじめ進歩主義派の政治家たちが使う映像制作会社「ミーンズ・オブ・プロダクション」が作ったのだとすれば失敗作だ。全く無名だったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスを押し上げたコマーシャルの出来は素晴らしく、SNSで拡散された。

 おそらくミーンズ・オブ・プロダクション社は関わっていないだろう。あんな程度の低いものを作る訳がない。もしスーパーチューズデーの後に慌てて作ったのであれば、サンダース陣営は相当浮足立っているということになる。

(貼り付けはじめ)

オバマを出したサンダース陣営の新たな広告はこれから予備選挙が実施される各州で放映されている(New Sanders ad featuring Obama starts airing in next batch of primary states

マーティー・ジョンソン、キーラン・ディース筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485913-new-sanders-ad-featuring-obama-starts-airing-in-next-batch-of-primary-state

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は水曜日、これから予備選挙が実施される各州で新たなテレビ広告を放映し始めた。バラク・オバマ前大統領とバイデンが近いことを印象付けようとするものである。

サンダース選対はジョー・バイデンとの厳しい一騎打ちのレースとなるか中で、広告を発表した。バイデンはスーパーチューズデーで予備選挙が行われた州の過半数で勝利を収めた。そして、獲得宣誓済み代議員数でサンダースを追い抜き、予備選挙の先頭走者となった。

「熱い炎を感じる(Feel the Bern)」と題されたテレビ広告は、2016年の民主党全国大会の一場面が使われている。その中でオバマはサンダースの政治家としてのキャリアを称賛する演説を行った。「熱い炎を感じる」は2016年の大統領選挙からサンダース支持者が使っている選挙スローガンだ。

オバマはテレビ広告で使われている演説の中で「バーニーは彼が神事で居ることを正確に述べる気概を持っている人物です。本物の誠実な政治家、大いなる情熱、恐れを知らない強さを持っています」と述べている。

テレビ広告は、サンダースとオバマが一緒に立って歩いている様子と、サンダースが政治家としてのキャリアの中で成し遂げた業績を示している。

オバマはテレビ広告の中で次のように語っている。「バーニーは復員軍人委員会の委員として、予算措置を講じました。人々は求めに応じて行動する準備ができていると思います。人々は自分たちのために動いてくれる誠実なリーダーを必要としています。人々は自分たちのために戦ってくる人物を望んでいます。人々はバーニーの中にそれらを見つけるでしょう。そうなんですよ、熱い炎を感じましょう!」。

今回の広告はサンダース陣営として初となるオバマに焦点を当てた内容となっている。対象としているのは、3月10日と17日に予備選挙が実施される、アリゾナ州、フロリダ州、アイダホ州、イリノイ州、ミシガン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、オハイオ州、そしてワシントン州に住む有権者たちだ。

バイデン選対の緊急事態対策部長アンドリュー・ベイツは今回のサンダース陣営の出したテレビ広告について、発表した声明の中で次ように次のように述べた。「バラク・オバマはホワイトハウスでの8年間のパートナーとしてバイデン副大統領を選びました。オバマ大統領はバイデン副大統領を信頼し、景気後退から私たちの経済を救うための刺激策を監督管理し、患者保護並びに医療費負担適正化法(訳者註:オバマケア)実現のために連邦議会での可決のために動き、数えきれないほどの国家安全保障上の課題に一緒になって取り組んだのです」。

ベイツは更に次のように述べた。「対照的に、サンダース上院議員はオバマ大統領に対して予備選挙で挑戦をしてきた人物です。サンダース議員はオバマ大統領を“穏健な共和党員”と同じだとし、“進歩主義的”ではないと述べました。つい最近の歴史が証明しているように、テレビ広告の量で歴史を書き換えることはできません。そして広告をいくら流してみたところで、私たちが生きている時代における最良の大統領(訳者註:オバマ大統領)を復活させることはできませんし、その代わりになるようなこともありません」。

サンダース陣営の今回のテレビ広告はスーパーチューズデーでバイデンが南部諸州で大きな成功を収めた後から放映され始めた。バイデンは、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、テネシー州、アラバマ州、アーカンソー州、オクラホマ州、テキサス州で勝利した。

今回のテレビ広告はまたバイデン陣営のメディアの放映時間の購入の増大の一部でもある。増えた中にはバイデンを批判する内容の広告も含まれている。バイデンは今年1月にオバマが彼の業績を称賛する部分を使ったテレビ広告を放映した。

オバマは民主党予備選挙が始まってからこれまでどの候補者に対しても支持表明を行っておらず、中立を保っている。

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バイデンがアフリカ系アメリカ人からの支持を得ているのは「オバマ大統領とのつながりの上で選挙運動を行っている」とサンダースが発言(Sanders says Biden winning African American support by 'running with his ties to Obama'

レベッカ・クレアー筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486055-sanders-says-biden-winning-african-american-support-by-running-with-his

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は水曜日、民主党予備選挙で二対抗馬であるジョー・バイデン前副大統領がオバマ大統領とのつながりの上で選挙運動を行っているのでアフリカ系アメリカ人有権者の支持を勝ちっているのだと発言した。

MSNBCのレイチェル・マドウからアフリカ系アメリカ人有権者の支持を獲得できていないことについて質問され、自分はバラク・オバマとの関係を、選挙戦を通じて前面に押し出している人物に対抗して選挙戦を戦っているのだ、と答えた。そして、オバマ派は民主党員や民主党支持の有権者やアフリカ系アメリカ人有権者の大多数の間で「極めて人気の高い」存在だとも述べた。

サンダースは、「私が全く人気のない存在であるということではないのですがね、バイデンはオバマとのつながりを押し出して選挙戦を戦っています。そしてそれはうまくいっています」と語った。

2016年の大統領選挙予備選挙でもアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を得られなかったことを突っ込まれると、サンダースは、あの時自分はヒラリー・クリントンと戦ったのだが、「全く無名の」候補者として戦ったのだと答えた。

そして、「私は今バラク・オバマの副大統領と戦っているんです」と述べた。

アフリカ系アメリカ人有権者からの指示によってバイデンはサウスカロライナ州で最初の勝利を挙げることができた。そして、スーパーチューズデーではその勢いに乗って南部各州で勝利を収めた。バイデンは獲得宣誓済み代議員数でサンダースを僅差でリードしているが、カリフォルニア州での結果が確定し、代議員配分が終了すれば再びバイデンを獲得代議員数でリードする可能性がある。

バイデンの躍進の大きな部分は連邦下院多数党(民主党)院内幹事ジム・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)からの支持表明のためである。クライボーンはサンダースが自分に師事を求めてこなかったと述べチル。

サンダースはマドウに対して「それは本当だ」と述べた。

サンダースは次のように語った。「これは秘密の話でも何でもないんですけどね。ジムは本当に良い人ですよ。彼の主張している政策は私と同じではありませんがね。彼が私を支持してくれるなんてことは全くあり得ないことなんですよ」。

サンダースはバイデンがオバマとの関係を利用していると批判してきているが、自分自身

サンダースはマドウに対して、確かにオバマは自分にとっての「親友」ではないが、前大統領であるオバマに対しては大いなる敬意の念を持っている、と述べた。オバマは、党の候補者指名のプロセスが完了するまではどの候補者に対しても支持表明はしないと繰り返し明言してきた。

サンダースは次のように語った。「オバマにはバイデンを支持するようにという大きな圧力がかかっていると思いますよ。そして、いまだにオバマがそのようにしていないことに対して、私はオバマと周辺の人々に敬意を表したいと思います」。

サンダースはマドウに対して、オバマは、彼が選挙戦で戦っていると主張している、いわゆる「民主党エスタブリッシュメント派」の一員ではないと述べた。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 

 インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジについてはこのブログでも何度もご紹介しています。全くの無名、知名度ゼロ、支持率ゼロ%のところから、今や民主党予備選挙で有力候補の仲間入りというところまできました。

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 ブティジェッジは同性愛者を公言し、同性の配偶者と結婚をしています。しかし、それが彼の一つの個性、少し変わったところ、というくらいに思えるほど、経歴や経験が多彩で、かつインタヴューでの受け答えの素晴らしさが際立っています。37歳という年齢は国政に参加するにあたっては若く、これからどのように活動していくのか、今回の選挙の結果がうまくいかなくても、次をどのように展開するのかという楽しみもあります。



 

 これはブティジェッジ陣営が明らかにしていないことですが、彼がヒラリー・クリントンと会談を持ったということが報じられました。ブティジェッジが他の大物たちと会ったことは彼自身がツイッターで公にし、写真や映像が残っていますが、この件に関しては、公にしておらず、画像や映像は残っていません。

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 ヒラリーという存在はそれだけ難しいものということになります。彼女に近づきすぎると痛い目に遭うかもしれない、しかし、ヒラリー派を相手に喧嘩もしたくない、ということは考えるでしょうから、結局秘密に会う、しかし、一応リークするが、証拠は残さないということになります。

 

 ブティジェッジは左傾化しているミレニアル世代(現在の30代後半から20代半ばくらいの若い人々)の中で中道派の位置を占めようとしているようです。彼の主張は民主党エスタブリッシュメントから見ればリベラルですが、ミレニアル世代の中では、中道派過ぎるとして反発を受けるでしょう。こうした場合、選挙に勝つには、ミレニアル世代の代表の面と共に年齢が上の人々から受け入れられる中道派の面も持ち合わせる必要があります。ミレニアル世代よりも年齢が上のX世代やベイビーブーム世代の支持も必要だからです。

 

 ブティジェッジの出身地であり現在市長を務めているインディアナ州サウスベンド市は、隣のイリノイ州シカゴに近い町です。ですから、シカゴを拠点としているバラク・オバマ前大統領の流れをくむ(後継者というには関係が薄すぎる)という形で、現在、支持率トップのバイデンの次を狙う、彼を支持する人々の支持を狙うという考えなのだろうと思います。


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 ブティジェッジに対しては、バラク・オバマとヒラリー・クリントンの選挙資金を取りまとめた人々も支援に動いています。彼の人気の急上昇と共にこうした動きが出ています。勝てば官軍、勝ち馬に乗る、ということなのでしょう。今回のブティジェッジの場合は先行投資という意味合いも強いように思います。今回がだめでもまだ37歳、これからチャンスはあります。

 

 こうして見ていくと、ブティジェッジが戦略的にうまく動いていることが分かります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブティジエッジがヒラリー・クリントンと会談(Buttigieg meets with Hillary Clinton

 

エイミー・パーネス筆

2019年5月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/441632-buttigieg-meets-with-hillary-clinton

 

米大統領選挙民主党予備選挙候補者ピート・ブティジェッジは火曜日にヒラリー・クリントンと会談を持った、と本誌の取材に対し、取材源が答えた。

 

取材源によると、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジから会談を依頼したということだ。ブティジェッジは最近の各種世論調査で支持率を急上昇させている。

 

ブティジェッジは、2020年米大統領選挙民主党予備選挙候補者として、2016年米大統領選挙民主党候補者ヒラリー・クリントンと会談を持った人物としては、最も直近の人物ということになる。これまでにヒラリー・クリントンと会談を持ったのは、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)である。

 

ヒラリーの側近は「彼女は2020年の大統領選挙の候補者たちに教えることがたくさんあり、喜んで助言を与える」と述べた。

 

取材源によると、元国務長官ヒラリー・クリントンはニューヨークにある彼女の事務所でブティジェッジに会った、ということだ。

 

ヒラリー・クリントンは今のところ誰も支援していないが、予備選挙が終わるまで誰も支援しないだろうと側近たちは述べている。

 

今回の会談が報じられたのは、2016年の米大統領選挙でヒラリー・クリントンのために多額の献金を集めた人々の中からブティジエッジ支援を表明する人たちが出ているという報道が出た後であった。その中には、2016年の米大統領選挙で10万ドル以上を集めたスティーヴ・エルメンドーフも含まれている。

 

=====

 

民主党内で台頭しつつあるスター候補ピート・ブティジェッジが2020年米大統領選挙の資金源として、バラク・オバマとヒラリー・クリントンに大口献金を起こった人物たちが名簿に名前を連ねる(Rising Democratic star Pete Buttigieg enlists Barack Obama and Hillary Clinton fundraisers to build his 2020 campaign war chest

 

2019年4月17日

CNBC

https://www.cnbc.com/2019/04/17/pete-buttigieg-enlists-barack-obama-hillary-clinton-fundraisers-for-2020-campaign.html

 

●要点(KEY POINTS

 

CNBCがピート・ブティジェッジ陣営の複数のスタッフから入手したリストによると、ブティジェッジは大統領選挙民主党予備選挙で人気を上昇させ、その結果、20名以上の民主党の大口献金者たちが支持を表明している。

 

・リストには、バラク・オバマとヒラリー・クリントンのために巨額の献金を取りまとめた人物の名前が複数入っている。

 

・2016年の大統領選挙でクリントンのために10万ドル以上の献金を取りまとめたスティーヴ・エルメンドーフは2019年4月14日の日曜日、ブティジェッジ支持を決心した。この日にブティジエッジはインディアナ州サウスベンド市で正式な出馬表明演説を行った。

 

ピート・ブティジェッジは大統領選挙民主党予備選挙で人気を上げ、20名上の民主党系の大口健記者たちからの支援を引き出している。CNBCはブティジェッジ陣営のスタッフから支援者のリストを入手した。その中にはバラク・オバマとヒラリー・クリントンのために多額の献金を取りまとめた人物たちが含まれていた。

 

リストに掲載されていた献金者たちは複数の元アメリカ大使や不動産業者などが掲載されていた。大物たちが支持を表明しているということは、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは、翌年の本選挙でドナルド・トランプ大統領に挑戦するために多くの候補者がひしめきあっている大統領選挙民主党予備選挙において、全く無名の存在から有力候補へとなったことを示している。

 

ブティジェッジの誠実なアプローチは、民主党の献金者層の熱意をかき立てている。リストに掲載されている中で大物と言えば、ロビイストで2004年の大統領選挙のジョン・ケリー陣営の幹部スタッフを務めたスティーヴ・エルメンドーフだ。エルメンドーフは2019年4月14日にブティジェッジ支援を決心した。この日、ブティジェッジはインディアナ州サウスベンド市で正式な出馬表明演説を行った。

 

エルメンドーフは「ブティジェッジを見れば見るほど、彼は他の全ての候補者たちよりも素晴らしいパフォーマンスを行っていると考えるようになった。彼は明るいメッセージを送っており、私は彼が好きだ。彼は良い意味でトランプとは正反対の人物であり、質問をされるたびに彼は解決策を見つけようと努力している。彼は誰も攻撃しない」と述べた。非営利組織「センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックス」の報告書によると、エルメンドーフは2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンのために10万取り上の献金を取りまとめた。

 

エルメンドーフは続けて次のように語った。「彼は全ての場所で自分自身をアピールできていると思う。彼は受けられるインタヴューには全て応じ、素晴らしいパフォーマンスを見せている。彼は自身が本物であることを見せつけている。ワシントン政治に染まっていない、新しくて若い人物が選挙戦に出てきたということになる」。

 

ブティジェッジの大口献金者リストに掲載されているもう一人の大物は、映画プロデューサーで環境保護活動家ロウリー・デイヴィッドだ。ロウリー・デイヴィッドは、『ラリーのミッドライフ☆クライシス』シリーズの主演と脚本のラリー・デイヴィッドの元妻で、アカデミー賞を受賞した気候変動に関するドキュメンタリー映画『不都合な真実』のプロデューサーを務めた。

 

大富豪として知られるポウラド家の人々もまたブティジェッジを支持している。ポウラド家はミネアポリスを拠点とする30以上の事業を所有し、メジャーリーグのミネソタ・ツインズも所有している。『フォーブス』誌によると、ポウラド家の純資産は2015年の段階で38億ドル(約4100億円)であるロバート・ポウラドは2012年の大統領選挙でオバマを支持し、少なくとも50万ドル以上の資金を取りまとめた。

 

ロサンゼルス在住の活動家で映画監督でもあるジル・ゴールドマンは2008年の大統領選挙のオバマ陣営の全国資金財政委員会の委員を務めた。ゴールドマンのブティジェッジを支持している。ゴールドマンは2008年の米大統領選挙でオバマに対して少なくとも20万ドルの資金を取りまとめた人物である。

 

オバマ政権下で駐イタリア米国大使を務めたジョン・フィリップスもリストに名前が掲載されている。フィリップスは有力な法律事務所フィリップス・アンド・コーエンの創設者であり、2012年の大統領選挙ではオバマのために少なくとも50万ドルの資金を取りまとめた人物である。

 

デイヴィッド、ゴールドマン、フィリップスからはコメント依頼に対する返事はなかった。ポウラドには連絡が出来なかった。CNBCはリストに名前があった他の人々にも連絡をしている。

 

ヘッジファンドの経営者で献金の取りまとめ役であるオリン・クラマーもまたブティジェッジを支持している。『ニューヨーク・タイムズ』紙とCNBCはいち早くクラマーのブティジェッジ支持を報じた。

 

他の多くの候補者たちとは違い、ブティジエッジは大口献金者たちから完全に距離を取るという態度は取っていない。

 

ブティジェッジの最初の選挙運動に関する公約は、企業のPACと化石燃料産業からの資金を受け取らないというものであった。しかし、彼は企業の経営陣からの援助を受けることについては何も発言していない。

 

2019年第一四半期、ブティジェッジは700万ドルの資金を集め、人々を驚かせた。これによって、彼は民主党内の有力候補の位置にまで上昇することが出来た。資金の一部は、各金融関係企業の経営陣からのものだ。その中には、シカゴに本拠を置く投資会社ウィックロウ・キャピタル社の部長スティーヴン・シューラーも含まれている。

 

ブティジェッジはアメリカの資本主義を称賛したが、いくつかの批判も忘れなかった。

 

CNBCとの最近のインタヴューの中で、同性愛を公表し、退役軍人であるブティジェッジは、人々に利益をもたらすが、それは資本主義の影響力を利用できることが出来る人たちに限られているとも述べた。

 

ブティジェッジは「アメリカの資本主義は人類史上最も生産的な力である。その結果、アメリカは特に20世紀において、技術と繁栄において限界を突破することが可能となった」と述べた。

 

ブティジェッジは、格差拡大の原因となるアメリカの資本主義社会の中で、人々が成功できるようにするための政策が行われていないということを批判し続けている。

 

「経済とは、ガラクタが一緒になって存在するものではない。経済は民間部門と公共部門との間の相互作用だ。そして、公共部門に関する諸政策は、私がこれまで生きてきた期間、格差が拡大する方向にずっと捻じ曲げられてきた」。

 

以下にブティジエッジのために献金を取りまとめる民主党系の人々の名前を掲載する。

 

・オリン・クラマー(Orin Kramer)、ニューヨーク

 

・マーゴ・ライオン(Margo Lion)、ニューヨーク

 

・ブライアン・ラファネリとマーク・ウォルシュ(Bryan Rafanelli & Mark Walsh)、ボストン

 

・バリー・ホワイトとエレノア・ホワイト(Barry & Eleanor White)、ボストン

 

・ウィリアム・マホーニーとアマリア・マホーニー(William & Amalia Mahoney)、シカゴ

 

ジョン・アトキンソンとボニー・アトキンソン(John & Bonnie Atkinson)、シカゴ

 

デイヴィッド・フリードマン(David Friedman)、コロラド

 

エリック・ジェイムソンとマルコ・ゼレガ(Eric Janssen & Marco Zerega)、シカゴ

 

デイヴィッド・ジェイコブソンとジュリー・ジェイコブソン(David & Julie Jacobson)、シカゴ

 

ウルスラ・テラシ(Ursala Terrasi)、カンザスシティ

 

ロバート・ポウラドとレベッカ・ポウラド(Robert and Rebecca Pohlad)、ミネアポリス

 

クリス・ポウラドとケイシー・ポウラド(Chris and Kacey Pohlad)、ミネアポリス

 

ジョー・ポウラドとサラ・ポウラド(Joe and Sara Pohlad)、ミネアポリス

 

ジル・ゴールドマン(Jill Goldman)、ロサンゼルス

 

・ヴッキー・ケネディ(Vicki Kennedy)、ロサンゼルス

 

・ロウリー・デイヴィッド(Laurie David)、ロサンゼルス,

 

・スージー・トムキンス=ブエル(Susie Tomkins-Buell)、サンフランシスコ

 

・クリスティン・フォレスター(Christine Forrester)、サンディエゴ

 

・ジョン・フィリップス(John Phillips)、ワシントンDC

 

・スティーヴ・エルメンドーフ(Steve Elmendorf)、ワシントンDC

 

・ウィリアム・エアコウ(William Eacho)、ワシントンDC

 

・トッド・シジウィック(Tod Sedgwick)、ワシントンDC

 

・ボビー・マンドール(Bobby Mandell)、オーランド

 

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 古村治彦です。

 

 今回は興味深い世論調査の結果をご紹介します。「民主党を最もよく代表する政治家は誰だと思いますか(民主党を最もよく象徴する政治家は誰だと思いますか)」という質問に対して、「バラク・オバマ前大統領です」と答えた人が最も多かったということです。

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 バラク・オバマ前大統領と答えたのは、有権者全体で35%、民主党支持者に限ると51%という結果が出ました。オバマに続くのがバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)、ジョー・バイデン前副大統領、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)という順番になりました。

 

 興味深いのは、今回の世論調査の選択肢にヒラリー・クリントンが入っていないことです。そして、民主党支持者の中で、5名から名前を選ばなかったのは6%しかいなかったということです。有権者全体では23%が誰も選ばなかったのは、民主党嫌いの人が多く、そんなことは考えたくもないということも多かったのでしょう。民主党の中で、ヒラリー・クリントン、もしくはヒラリーに近い人々を支持する人たちは減っていることが分かります。

 

 また同時に、バーニー・サンダースとアレクサンドリア・オカシオ=コルテスのような進歩主義派、リベラル左派を支持する人たちは足しても2割程度だということになります。民主党自体が左傾化しているということが言われていますが、進歩主義派、リベラル左派はまだ少数派ということになります。

 

 今でもオバマ前大統領が民主党、民主党支持者に大きな影響を与えている、ということは、民主党は2016年から新しい指導者を生み出せないままでいる、ということです。バイデンが大統領選挙民主党予備選挙についての世論調査でトップに来るのは、彼自身の魅力というよりも、オバマ時代を懐かしむノスタルジーでしかありません。

 

保護貿易や公共投資といった民主党の諸政策を実行しているのは、ドナルド・トランプ大統領(元民主党員)です。トランプ大統領に対する新しい対抗軸を生み出し、新しい指導者となるべき政治家を生み出せないままです。このままでは、2020年の大統領選挙でトランプ大統領の再選を止めることはできないでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は今でもオバマの党だ:オバマ前大統領が「誰が民主党を最も良く代表するか」という質問で民主党の政治家の中でオバマがトップ(It's still Obama's party: Former president easily tops list of who best represents Democrats

 

マシュー・シェフィールド筆

2019年4月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/436953-its-still-obamas-party-former-president-tops-list-of-who-best

 

10名以上の候補者たちが2020年米大統領選挙の民主党候補者となり、民主党を代表しようと戦っている中で、バラク・オバマ前大統領は今でも民主党に対して大きな影響を持続けている。

 

火曜日、ザ・ヒル誌とハリスX社の共同世論調査の結果が発表された。5名の左派・中道派の5名の政治家たちの中で、民主党の考えを最も良く代表する人は誰かという質問に、登録済み有権者は、オバマが最も人気のある選択であり、他の政治家たちを大きく引き離している。

 
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有権者全体のグラフ

 

2019年3月30日から31日にかけて実施された世論調査の結果、登録済有権者全体の35%が民主党員や支持者の考えを最もよく代表しているのはオバマ前大統領だと答えた。

 

オバマに続くのはバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)だ。サンダースは2020年米大統領選挙民主党予備選挙の有力候補だ。サンダースだと答えたのは15%だ。大統領選挙に出馬すると見られているジョー・バイデン前副大統領を選んだのは13%だった。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は9%を獲得して4位に入った。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は5%を獲得して5位となった。

 

しかし、調査に参加した人々の中で、分からないと答え、誰も選ばなかったのが23%であった。

 

オバマ前大統領のリードは、自身を民主党員、支持者、民主党寄りだと答えた人々の間ではより大きくなる。こうした人々の51%が、オバマ前大統領が民主党を最もよく代表する政治家だと答えた。サンダースと答えたのは17%、バイデンと答えたのは14%だ。


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民主党支持・民主党寄りの有権者のグラフ

 

民主党の熱心な支持者たちの間でペロシ議長は6%で4位に入った。一方、オカシオ=コルテスを選んだのは5%であった。この5名から選ぶことを拒否したのは6%に留まった。

 

「レイク・リサーチ・パートナーズ」社代表で、民主党の世論調査専門家セリンダ・レイクは、5名の政治家の中でオバマが優越していることは何も驚きではないと述べた。

 

レイクは火曜日、「ホワット・アメリカズ・シンキング」の司会者ジャマル・シモンズに次のように語った。「オバマ前大統領が獲得した数字がそこまで高くないのは私にとって逆に驚きだった。私たちはオバマ時代を懐かしがっている。オバマ大統領の政策に反対することもあったが、彼のスタイルは丁寧で礼儀正しく、私たちはこれを心から懐かしがっている」。

 

アメリカ・エンタープライズ研究所(AEI)研究員のダン・コックスはシモンズに対して次のように語っている。「オカシオ=コルテス議員は保守派のメディアの中で集中攻撃を受けている。一方で、民主党支持の有権者たちの中で、彼女を自分たちの価値観を具現化している指導者と考えている人たちは少ないということが今回の調査で分かった。これは、彼女の民主党内における影響が大きくないということを示している」。

 

民主党の政治家たちの中でオバマ前大統領が優越している。昨年(2018年)の8月にザ・ヒル誌とハリスX社の世論調査で、共和党支持の有権者の中で54%が、トランプ大統領は共和党を最も良く代表する政治家だと答えているのはオバマの優越と同じだ。

 

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共和党に関するグラフ

 

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