古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:バーニー・サンダース

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙に向けて、民主党側では、ジョー・バイデン前副大統領陣営とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)陣営との間で、政策のすり合わせを行うために、タスクフォースが結成された。これは民主党内にある穏健派と進歩主義派の団結を図ることが目的だ。

 現在、アメリカは分裂状況であるが、

気候変動に関しては、バイデン陣営からはジョン・ケリー元国務長官、サンダース陣営からはアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が出ている。これは人々の関心を惹きつけるという目的があり、また、穏健派と進歩主義派の団結ということを象徴するということでもある。

 下に掲載した記事にかかれているように、バイデンは、いかにもヴェテラン政治家、という老練さを持っている。誰とも喧嘩をしない。交渉をし、合意を取り付け、妥協をし、相手を潰すのではなく、味方に引き入れるという技術を持っている。しかし、故の特徴は同時に、自分に確固たる信念や考えがない、弱弱しい政治家と見られてしまうという弱点になる。ドナルド・トランプ大統領のアクの強さやはっきりとした物言いに比べれば、どうしても弱弱しいということになる。これは共和党主流派の政治家たちにも言えることだ。反主流派や政治の外側からやってきた人々の方がはっきりした物言いで力強い。バーニー・サンダース、AOC、トランプ大統領の共通点はそこである。また、日本でも話題になっている、現代貨幣理論(Modern Monetary TheoryMMT)のステファニー・ケルトン教授も入っている。

 今回のタスクフォースの問題点は外交が入っていないことだ。どうして外交が入っていないのか。バイデン側が外交を専管するからか、すり合わせが不可能なほどにバイデン対サンダース、中道穏健派対進歩主義派の違いが大き過ぎるのか、ということが考えられる。バイデンの専管事項ということになれば、ヒラリー派の蠢動があることは覚悟しなければならない。ヒラリー派の人脈が外交分野で復活ということになれば、対中国、対ロシア、対中東で何をしでかすか分からない。最終的には体制転換や戦争を目指すという目的は変わらないが、それまでのプロセスで手荒なことを行うだろう。

 イラク戦争の失敗で威信を失ったジョージ・W・ブッシュ(息子)政権に代わったバラク・オバマ政権は抑制的な現実主義外交に戻ることを目指した。オバマが外交面で手本にしようとしたのは、ジョージ・HW・ブッシュ(父)政権だった。しかし、ヒラリー・クリントンを国務長官に選んでしまったことで、1期目はさんざんだった。

 バイデンもオバマと同様に、確固とした信念のない妥協型ということは懸念材料だ。ヒラリー派に政権を乗っ取られた場合には、民主党内部は修復不可能なほどに分裂する可能性がある。

(貼り付けはじめ)

バイデンとサンダースの側近たちが政策のすり合わせのために「団結のためのタスクフォース」を作る(Biden and Sanders allies create 'unity task forces' to explore policy initiatives

ジャスティン・コールマン筆

2020年5月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/497490-biden-and-sanders-allies-create-unity-task-forces-to-explore-policy

民主党の大統領選挙候補を確定させているジョー・バイデンと予備選挙でライヴァルだったバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、両者の側近たちは民主党の香料のための政策のすり合わせを行うために「団結のためのタスクフォース(unity task force)」を作ることになった。バイデン選対が水曜日に発表した。

バイデンとサンダースのそれぞれの陣営は6つの政策課題をすり合わせ、民主党全国大会のために推奨される公約を作るためにタスクフォースを作るために協力している。タスクフォースには両陣営から8名ずつが出ることになっており、気候変動、刑事司法制度改革、経済、教育、健康保険、移民制度についてすり合わせることになる。

バイデン陣営は発表した声明の中で、タスクフォースの目的は「2020年の選挙で民主党を成功に導く政策」を作るために協力をすることだと述べている。

バイデンは、アメリカがただ単に「ドナルド・トランプ登場以前に時計の針を戻す」だけではないようにしたいと述べた。

バイデン前副大統領は次のように述べた。「団結した党は、今年11月にドナルド・トランプ大統領を倒し、前例のない危機を通じて私たちの国を前進させるために重要で必要不可欠な存在となる。私たちが共通の目的を達成する際に、アメリカ国民が直面している難題から目をそらさないことが決定的に重要だ」。

一方、サンダースは「前例のない経済上、ウイルス感染拡大の危機の直面する中で、民主党は大きく考え、大胆に行動し、この国の進むべき方向を変えるために戦わねばならない。」

気候変動部門の共同委員長にはアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が予定されている。オカシオ=コルテス議員はサンダースの熱心な支持者であり、進歩主義運動の指導者でもある。オカシオ=コルテス議員はジョン・ケリー元国務長官と一緒に委員長を務めることになる。

サンダース陣営のアナリリア・メヒアとバイデン陣営のカーメル・マーティンがタスクフォース計画を主導することになっている。

バイデンは進歩主義派の主張を取り入れて進歩主義運動の支持者たちからの支持を得ようと動いている。バイデンはメディケア制度において医療保険の範囲を拡大すること、多くの学生の債務の棒引き、破産システムの改革を公約に入れるようになっている。

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ジョー・バイデンとバーニー・サンダースは、新しい、政策を中心としたタスクフォースを構築しようとしている(Joe Biden and Bernie Sanders are building new, policy-focused task forces

―団結のためのタスクフォースは2020年の民主党の政策を作るのに重要な役割を果たすだろう。誰がタスクフォースに参加するかを紹介する。

エラ・ニールセン筆

2020年5月13日

『ヴォックス』誌

https://www.vox.com/2020/5/13/21257078/joe-biden-bernie-sanders-joint-unity-task-forces-democratic-policy

ジョー・バイデン前副大統領と進歩主義派のバーニー・サンダース連邦上院議員は、合同の「連合」タスクフォースを結成しようとしている。このタスクフォースは民主党の政策を直接作成し、2020年とそれ以降の党の綱領を打ち出すことになる。

48名の連邦議員たち、労働運動の指導者たち、経済学者たち、学術関係者たち、活動家たちは、民主党の政策綱領がどのようになるかを示している。バイデン陣営とサンダース陣営は6つの政策委員会に入る代表者たちを選んだ。この6つの政策分野は気候変動、刑事司法改革、教育、経済、医療、移民である。

サンダースの側近たちはタスクフォースのメンバーの名前を見て元気づけられるだろう。アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出)とプラミラ・ジャヤパル連邦下院議員など、メディケア・フォ・オールやグリーン・ニューディールといった進歩主義的な諸政策を声高に主張している人々が入っている。サンダース選対の前責任者ファイズ・シャキールはバイデン選対との交渉を主導している。シャキールは本誌の取材に対して、メンバーの選択過程を通じて、バイデン陣営は進歩主義派と協力するのに「柔軟でかつオープン」であると述べた。

シャキールは次のように述べた。「[バイデンには]選挙戦のために、より具体的な公約を作り上げるための余地が残っている。それは、彼が予備選挙を通じて、他の候補者のようにより深く具体化された公約を発表してこなかったからだ。だから、より具体的な公約を発表出来ることは大きなチャンスということにもなる」。

シャキールは、これからの数カ月でバイデンの政策公約に進歩主義派が影響を与えるだけでなく、バイデン陣営と継続的な関係を築くことができる機会となり、その結果、11月にバイデンが勝利を収めた場合にバイデン政権に誰が入るかについて情報を与えることになると考えている。

シャキールは「私たちが分かっている成功の秘訣は、ある政策を主張している人物に、実際に政策を実行させることです」と述べている。

大胆な政策を実行させることができるかどうかは、その多くが2020年の選挙後の連邦議会の議員の構成によって変わる。しかし、今回のタスクフォース結成は大きな第一歩ということになり、民主党内の進歩主義派と穏健派が協力する意思を持っていることを示す兆候ということになる。

声明の中で、民主党の大統領選挙候補者に内定しているバイデンは次のように述べている。「医療制度から司法制度改革、より多くの人々が参加できる公正な経済の再建まで、タスクフォースの仕事は私たちの国を前進させるための方法を明らかにするために必要不可欠なものとなる。これはドナルド・トランプ登場以前に時計の針を戻すだけということにはならない。私たちの国を変身させるものだ」。

タスクフォースは、今年8月の民主党全国大会の前に会合が開かれる予定だ。そして、バイデン陣営と民主党全国委員会投稿両委員会の両方に政策提言を行う。

現在、アメリカはコロナウイルス感染拡大の対応に苦闘している。仕事面や医療制度でも長年格差が続いている。そうした中で意味のある変化を起こさねばならない。サンダースは、民主党は労働者階級の人々のことを頭に入れて政策公約を作る必要があると述べた。

サンダースは声明の中で次のように述べている。「私はジョー・バイデンが私の選対と一緒に仕事をすると決めたことを評価する。私たちは、指導的な立場の思想家や活動家たちを集めた。こうした人々は、私たちの党を変革と進歩杉的な方向に向けるために一つにまとめ上げることができるし、実際に実現するだろう」。

バイデンとサンダースは連合体を構築しつつある。

このタスクフォース結成は、2020年の民主党予備選挙からサンダースが撤退してすぐにバイデン支持を表明した大きな理由であった。サンダースは、バイデン政権において、自分の進歩主義的な考えが政策に具体的な影響を与えることが補償されることを望んだ。

サンダースがタスクフォースのために選んだ人々は政策面でインプットができるだけではなく、バイデンが大統領に選ばれた場合にはホワイトハウスに入ってバイデンに仕える権利を持つ可能性が高い。

サンダース側の人々は他の面でも影響力を行使することができる。サンダースは現在でも予備選挙で多くの州で立候補を取り下げていない。そのため、民主党全国大会の場で決定される党の綱領の修正について、民主党全国大会に出席する代議員を獲得でき、それをバイデンとの交渉材料に使うことができる。これは2016年の時もバイデンが実行したやり方だ。しかし、民主党全国大会の開催前にタスクフォースに参加できることは進歩主義派にとっては大きな勝利ということになる。

このタスクフォースはバイデンの政治家としてのスタイルを表しているものだ。本誌のエズラ・クラインが指摘しているように、バイデンは合意を取り付けること、そして連合体を形成することの技術の高さで知られている。この技術は今回の予備選挙の期間中にバイデン自身を助けた。彼は、ピート・ブティジェッジやエイミー・クロウブシャー連邦上院議員といった中道派の競争相手と連合体を形成した。現在、この技術は、11月にトランプを倒すために、自身の側に必要な進歩主義陣営を招き入れることに役立っている。

4月、クラインはバイデンについて次のように書いた。

彼は支持を得るために、合意を取り付け、連合体を作り、妥協をすることに躊躇しない。予備選挙期間中、こうした動きは常にバイデンに不利に働いた。彼の落ち着いた姿勢や考えは彼の弱さを示すものと考えられた。バイデンの政治家としての長い経歴と懐柔的な気質は、相手側に対して攻撃材料を多数提供した。

バイデンが民主党の大統領選挙候補者に内定したのは素晴らしい演説があったからでも、剃刀のように切れる討論のパフォーマンスがあったからでもないと誰もが言うだろう。予備選挙における重要な局面で、バイデンは取引や連合体形成を通じて競争相手に対して策略で勝利を収めた。バイデンは競争相手をやっつけるのではなく、説得して味方に引き入れた。

サンダースはバイデンとインターネット上での議論の中で次のように語った。「私は君が人々を受け入れて結集させようとする人物だと分かっています。たとえ君とは意見が合わない人でも参加させようとする人だとね。そうした人々が言わねばならないことに耳を傾けたいと考える人だ。私たちは言うべきことを言い合えることができる。それが民主政治体制と呼ばれるものです。君は民主政治体制の重要性とその存続を確信している。私もそうです。こうしたことから、ジョー、私は君と一緒に働くことを楽しみにしているんですよ」。

シャキールは本誌に対して、2つの陣営がタスクフォースを構築するとなっても魂は継続すること述べた。

シャキールは次のように語っている。「メンバーたちに関してはとても満足でき、受け入れられるものです。イデオロギー上の理由で批判されるべき人は誰も入っていません。私はタスクフォースがうまく機能をし、人々が友情と信頼を築くことができると熱意と希望を持っています」。

これからタスクフォースの参加者について挙げていく。

(1)気候変動(Climate Change

■バイデン陣営から起用

・ジョン・ケリー元国務長官、タスクフォースの共同委員長

・キャシー・キャスター連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党):気候危機に関する連邦下院委員会委員長

・ケリー・ダッガン:バイデン副大統領(当時)政策副部長

・元環境保護庁長官ジーナ・マッカーシー

・ドナルド・イエチェン(ヴァージニア州選出、民主党):連邦下院エネルギー・商業委員会メンバー、気候と環境に関する正義連邦議会合同タスクフォース共同創設者

■サンダース陣営から起用

・アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)タスクフォースの共同委員長

・ヴァーシニ・プラカシュ:若者による活動グループ「サンライズ・ムーヴメント」共同創設者

・キャサリン・フラワーズ:地方事業・環境正義センター設立者

(2)刑事司法制度改革(Criminal Justice Reform

■サンダース陣営からの起用

・チラーグ・べインズ:タスクフォース共同委員長、進歩主義派のシンクタンク「デモす」の法律戦略部長

・ステイシー・ウォーカー:アイオワ州リン郡監督官、サンダース選対アイオワ支部共同委員長

・サウスカロライナ州下院議員ジャスティン・バンバーグ:公民権専門弁護士

■バイデン陣営からの起用

・ボビー・スコット連邦下院議員(ヴァージニア州選出、民主党):タスクフォース共同委員長、連邦下院教育・労働委員会委員長

・テネシー州上院議員ラウメッシュ・アクバリ:テネシー州上院民主党議員連盟委員長

・ヴァニタ・グプタ:元司法次官補代理

・エリック・ホルダー元司法長官

・シモーン・サンダース:バイデン選対アドヴァイザー

(3)経済(Economy

■サンダース陣営からの起用

・サラ・ネルソン:タスクフォース共同委員長、フライト・アテンダント・CWA組合委員長

・ステファニー・ケルトン:ニューヨーク州立大学スト―ニー・ブルック校経済学・公共政策教授で現代貨幣理論(modern monetary theory、MMT)の専門家

・オハイオ州立大学教授ダリック・ハミルトン:収入格差と社会経済階層について研究

■バイデン陣営からの起用

・カレン・バス(カリフォルニア州選出、民主党):タスクフォース共同委員長、連邦議会アフリカ系アメリカ人議員連盟委員長

・ジャレッド・バーンスタイン:バイデン副大統領(当時)のチーフ・エコノミスト、経済アドヴァイザー

・ベン・ハリス:バイデン副大統領(当時)のチーフ・エコノミスト、経済アドヴァイザー

・リー・サウンダース:全米州・郡・市職員組合委員長

・ソナル・シャー:ピート・ブティジェッジ2020年大統領選挙陣営の政策部長

(4)教育(Education

■サンダース陣営からの起用

・ヘザー・ガウトニー:タスクフォース共同委員長、サンダース選対政策アドヴァイザー

・アレハンドロ・アドラー:コロンビア大学持続戒能開発センター

・ニューヨーク大学教授ヒロカズ・ヨシカワ

■バイデン陣営からの起用

・マルシア・ファッジ(オハイオ州選出、民主党):タスクフォース共同委員長、連邦議会アフリカ系アメリカ人議員連盟元委員長

・リリー・エスケルソン・ガルシア:全米教育協議会会長

・ランディ・ウエインガーテン:全米教職員組合委員長

・マギー・トンプソン:「ジェネレイション・プログレス」上級部長

・クリスティー・ヴィルサック:識字率向上運動家

(5)医療(Health Care

■サンダース陣営からの起用

・プラミラ・ジャヤパル(ワシントン州選出、民主党):タスクフォース共同委員長、連邦議会進歩主義議員連盟共同委員長、連邦下院に提出した「メディケア・フォ・オール」の提出者

・ドナルド・バーウィック医学博士:メディケア・アンド・メディケイドサーヴィス・センター元部長

・アブドゥル・エル・サイード医学博士:2018年のミシガン州知事選挙立候補者、単一支払者制度の主導者

■バイデン陣営からの起用

・元軍医総監ヴィヴェック・マーシー医学博士:タスクフォース共同委員長

・メアリー・ケイ・ヘンリー:国際サーヴィス従業員組合委員長

・ニューヨーク大学教授シェリー・グリード:オバマ政権で合衆国保健福祉省に勤務

・クリス・ジェニングス:オバマ政権で医療政策アドヴァイザー

・ロビン・ケリー連邦下院議員(イリノイ州選出、民主党):連邦下院エネルギー・商業委員会メンバー

(6)移民(Immigration

■サンダース陣営からの起用

・マリエレーナ・ヒンキャビー:タスクフォース共同委員長、ナショナル・イミグレーション・ラー・センター上級部長

・マリッサ・フランコ:進歩主義的ラテンアメリカ系グループ「ミヘンテ」部長

・ジャヴィエ・ヴァルデス:進歩主義的移民グループ「メイク・ザ・ロード」の上級部長

■バイデン陣営から起用

・ルシール・ロイバル=アラード連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党):タスクフォース共同委員長、ドリーム法案の共同提出者

・クリストバル・アレックス:バイデン陣営アドヴァイザー

・ヴェロニカ・エスコバー(テキサス州選出、民主党)

・フアン・ゴンザレス:バイデン副大統領(当時)補佐官

・ケイト・マーシャル:ネヴァダ州副知事

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン前副大統領が民主討論会の壇上で女性を副大統領候補に指名すると発表した。副大統領候補は大統領選挙候補者が決め、党の全国大会で代議員の投票で正式決定する。副大統領候補が否決されるということはない。民主党にとっては初めての女性副大統領候補ということになる。

 バイデン自身は昨年12月から女性を副大統領候補に指名すると述べてきたので、今更驚くことはない。民主党がこれまで女性を副大統領候補に選んでこなかったということの方が驚きで、大統領候補の方に先に女性がなったということになる。

 さて、これから誰を指名するかということになるが、カマラ・ハリス連邦上院議員、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員といった選挙戦を戦った人々を指名する可能性が高い。

 しかし、ここにきて、存在感を増したいヒスパニック系からは自分たちの共同体から副大統領候補を選ぶべきだという声も出ている。下の記事で使われている言葉でヒスパニックとラティーノというものがある。どちらも中南米系の人々を指す言葉であるが、厳密にはヒスパニックはスペイン語を話す人々であり、ラティーノはスペイン語を話す人々とスペイン語以外を話す人々を合わせた言葉だ。南米のブラジルはポルトガル語、カリブ海に浮かぶ島国ハイチはフランス語を話すので、中南米系の人々全体を指す場合には、ヒスパニックよりもラティーノの方が正確ということになる。ラティーノの女性を意味する言葉がラティーナである。

 米大統領選挙民主党予備選挙序盤でサンダースが勝利を収めたが、ヒスパニック系有権者がそれに貢献したという分析がなされていた。この4年間でサンダース陣営がヒスパニック系有権者への働き掛けを強め、成功した。2月22日に実施されたネヴァダ州での党員集会(予備選挙)でサンダースは圧勝し、この時期まではサンダースがトップ走者であった。しかし、2月29日のサウスカロライナ州での予備選挙でバイデンはアフリカ系アメリカ人有権者の力で圧勝、そこから雰囲気がガラッと変わってバイデンが連戦連勝となった。

 ここにきて、ヒスパニック系社会は焦っている。アフリカ系アメリカ人有権者たちの底力によってバイデンは大逆転で大統領選挙候補者になった。論功行賞で言えば第一番である。ヒスパニック系はサンダース支持というイメージもあり、これから「厚く遇してくれるだろうか」と不安になっている。ヒスパニック系はアメリカの総人口の約16%、アフリカ系アメリカ人は総人口の14%を占めている。「私たちの力も必要だ、そのためには私たちから副大統領候補を出して欲しい」とヒスパニック系はバイデンに対して訴えている。

 バイデンが誰を副大統領候補に選ぶか、次の2024年の大統領選挙を見越した選択となるのかどうか、注目される。

(貼り付けはじめ)

バイデンは副大統領候補にラティーナを選ぶべきだ(Biden should choose a Latina as his running mate

ルイス・ガテレス(元イリノイ州選出連邦下院議員、民主党)筆

2020年3月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/congress-blog/politics/487879-biden-should-choose-a-latina-as-his-running-mate

もし今日、ガテレス家において予備選挙が実施されるとすると、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が疑いの余地なく勝利者となることだろう。他の多くのラティーノ系と同様、私たちはサンダース議員のラティーノ系有権者たちへの浸透戦略と彼が移民について最も進歩主義的な態度を取っていることに感銘を受けている。サンダースは移民についてラティーノ系にとって喫緊の公民権に関わる問題だと正確に捉え、家族を引き離す強制送還措置を断固として停止するために行動し、人々がアメリカにとどまるか、家族が再び一緒になるかを合法的に選べるように移民制度を改善しようとしている。私は連邦下院での長いキャリアを民主党に属して過ごした。ラティーノ系の有権者たちとの関係構築に資源を投入することでそのミカエルを得ることができる。それはただ表面上の移民制度やプエルトリコの問題を取り上げ、スペイン語の単語を2、3個演説に取り入れることではない。日常生活に関する諸問題、医療や教育といった問題について語り、全てのアメリカの家族と同様に私たちの家族はそれを支持してきた。

しかし、ガテレス家がイリノイ州とプエルトリコで投票し、サンダースはかつて私が連邦下院議員として出ており、現在はサンダースの側近であるチューイ・ガルシア連邦下院議員が出て要るイリノイ州第4選挙区で圧倒的な勝利を収めたのだが、ラティーノの有権者の力では「バーニーおじさん」をトップに押し上げるのには不十分であり、バイデンが民主党の大統領選挙候補者の指名を受ける可能性は高まっている。これによって副大統領候補を決める必要も出てきている。副大統領候補はアメリカ史においても最も重要なこの時期において重要である。バイデンが大統領選挙で勝利する可能性を高めるために重要で勝つ歴史的な決定となる。

女性を副大統領候補に選ぶと発表したが、バイデンはラティーナを副大統領候補に選び、そのことをすぐに発表すべきである。

最もその資格に当てはまり、最も人気の高いヒスパニック系の女性であるアメリカ合衆国最高裁判所陪席判事ソニア・ソトマイヤーが最高の選択ということになるだろう。彼女は私と同じでプエルトリコ系である。しかし、私たちの民主政体にとって何とか残っているものを守るためにルース・ベイダー=ギンズバーグ判事と緊密に協力しているソトマイヤーを連邦最高裁から引き離すことは得策ではない。私が推すもう一人の候補者は、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)であるが、彼女は副大統領候補になるための年齢条件をクリアしていない。それでも、私の妻は初めて彼女をYouTubeで見た時に、「いつの日か、彼女が大統領になる」と言ったほどだ。私たちは近い将来に彼女を大統領にするために投票する機会を得られることになるだろう。

しかし、バイデンの大統領選挙を強化することができる資格に当てはまる女性たちがラティーノ共同体にはもういないということは全くない。女性であることとラティーノ系であること両方を兼ね備えている人物が副大統領候補になることで、ドナルド・トランプを倒す道筋が見えるのである。

ネヴァダ州選出の経験豊かな連邦上院議員キャサリン・コルテス・マストから話を始めよう。彼女の知名度は高くないが、バイデン陣営に多くの利点をもたらすだろう。マスト議員は西部の出身であり、検事とネヴァダ州司法長官を歴任した。連邦上院議員になってまだ間もないが既に大きな信頼感を得ている。彼女はネヴァダ州初の初めてのラティーナでありヒスパニック系の上院議員である。マスト議員は、アメリカの中でも最も経済成長が早く、最も動きが大きい州から選出されており、環境問題と医療制度に関する諸問題対決のためのリーダーとなっている。

もう一つのダイナミックな州であるニューメキシコ州の知事であるミシェル・ルジャン・グリシャムは私の友人だ。かつてルジャン・グリシャムと私は連邦下院議員の同僚であった。彼女は連邦議会ヒスパニック系議連の会長を務めたこともある。私は近くで、また個人的に彼女の能力とリーダーシップを目撃した。ルジャン・グリシャムは粘り強く、人々から愛される人物だ。同時に権力に対して直言することに躊躇しない。たとえ相手が同僚の民主党員であっても同じだ。彼女は知事として成功し、ニューメキシコ州と全国規模でラティーノ系や移民の人々の声となって戦い続けている。

副大統領候補にふさわしい女性はたくさんいるが、ラティーナを副大統領候補に選ぶことは政治に重みをもたらす。ラティーノ系共同体の人々は若く、活発で、献身的だ。毎年100万人のラティーノ系の市民が18歳となり、別に350万人が移民で入ってくる。トランプ大統領が就任して以降、合法的な移民に対する様々な障害が出てきているにもかかわらず、その多くはアメリカ市民となっている(昨年は83万3000人が市民となった)。ラティーノは全有権者の約13%を占めていると推定されている。マイノリティの中では最大の有権者グループだ。そして、私たちはドナルド・トランプをホワイトハウスから追い出すための投票することに活気づいており、その準備もできている。

しかし、バイデン前副大統領、2008年の予備選挙ではバラク・オバマはヒラリー・クリントンに対してラティーノ系の得票で負けていたことを思い出していただきたい。あなたは選挙戦で復活してラティーノ系の有権者を活気づけ、ホワイトハウスを勝ち取る機会を得ている。しかし、私たちラティーノ系の共同体からこれまでないほどの数の有権者に投票に行ってもらうためには大胆な行動を行う必要がある。コルテス・マスト連邦上院議員やルジャン・グリシャム知事のようなラティーナを副大統領候補に選ぶことで、予備選挙でサンダースに投票した人々からの支持を得ることができる。そして、ラティーナを副大統領候補に選ぶことは重要なそして歴史的な決定となる。アメリカ政治において女性たちにはガラスの天井があり、それを突き破れないという時代は既に終わったということをアメリカ全体に示そう。女性が副大統領になる時、彼女は大統領にとって共に仕事をしやすい、成功に導く副大統領になる方法を教えてくれる最高の師を持っているということは疑いようのない事実だ。

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バイデンの側近たちはウォーレンを副大統領候補の可能性を持つ人物として考えている(Biden allies see Warren as potential running mate

エイミー・パーネス、マックス・グリーンウッド筆

2020年3月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487897-biden-allies-see-warren-as-potential-running-mate

バイデンの側近の複数の人々が、ジョー・バイデン前大統領がエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)を副大統領候補に選ぶ可能性があると考えている。ウォーレンを副大統領候補に選ぶことで、民主党内の中道派と進歩主義派をまとめることに役立つとこれらの人々は考えている。

日曜日の討論会においてバイデンは女性を副大統領候補に選ぶと約束し、この発言を受けてウォーレンの名前が浮上するようになった。

ウォーレンを選ぶこと自体にもまた不利益があるだろうが、民主党が優位な州からの70代の人物を大統領候補と副大統領候補にするということがまず挙げられる。

バイデンの長年の盟友で選対ともつながりを持つある人物は「ウォーレンは穏健派と進歩主義派をつなぐ橋の役割を果たしてくれると考えます」と述べた。

この人物は更に、副大統領候補の可能性を持つ女性たちの1人としてカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)にも言及し次のように述べた。「私はジョーがカマラと一緒に選挙戦を希望しています。しかし、彼がそのような選択をするとは考えられません」。

選対幹部たちと定期的に話をしている別のバイデンの誓いある人物は「ウォーレンが副大統領候補になることがもっと理解しやすいことですし、理にかなっています」と述べた。

この人物は続けて「副大統領候補にふさわしい女性はたくさんいます。しかし、ウォーレンは疑う余地もないほどに最高の候補者です」と述べた。

ウォーレン自身は大統領選挙民主党予備選挙を終了する前に、民主党内部の様々な派閥をまとめることができる候補者だと自身のことをアピールしていた。民主党が一丸となってトランプ大統領を倒そうと主張していた。

ウォーレンは2020年2月のニューハンプシャー州でタウンホールミーティング形式の選挙集会で次のように述べた。「私が勝利するための方法は、私たちの党を団結させることです。何故なら私たちには団結した党が必要だからです。私たちは2016年の失敗を繰り返す訳にはいかないのです」。

民主党系のストラティジストであるエディー・ヴェイルは次のように述べている。「ウォーレンは、このコロナウイルス感染拡大の危機的状況において、左派と女性たちからの支持を得ることができるでしょう。このような状況に対処できる人物を選ぶというメッセージを送ることになります」。

ヴェイルやその他の民主党関係者たちはバイデンの副大統領候補としてウォーレンの名前が挙がらないのはおかしいと述べている。特に、バイデンは最近になって破産法に関するウォーレンの主張を受け入れているのだから、ウォーレンの名前が挙がるのが当然だと述べている。ウォーレンは選挙戦撤退後、どの候補者に対しても支持表明を行っていない。しかし、バイデンと民主党予備選挙の対抗馬であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)は両者ともにウォーレンの支持を得ようとしている。

この週末、バイデンはウォーレンの破産法の主張を支持し、「破産法がいかに労働者階級の家族を傷つけているかをウォーレン議員よりも理解している人はこの国にはほとんどいません」と語った。And in the Democratic debate Sunday, he also acknowledged having a conversation with Warren about the plan over the weekend.

同時に、バイデンは国に関するヴィジョンを共有する人物を副大統領候補に選びたいと示唆している。そうなるとウォーレンを副大統領候補に選ぶのは難しいということになる。

先週MSNBCのローレンス・オドネルとのインタヴューにおいて次のように述べた。「副大統領候補を選ぶにあたり、私にとって最重要なのは、この国をどこに導くかということについて私と同じ考えを持つ人物を選ぶかどうかということです」。

バイデンは次のように続けた。「私たちは戦術には同意できませんが、戦略についてはそうではありません。これは最初のテストということになります。私が副大統領に求める条件に合う女性やアフリカ系アメリカ人の人物は数多くいます」。

バイデン自身はこれまで副大統領候補に数名の名前を挙げてきた。昨年11月のアイオワ州でのタウンホール形式の集会で、民主党の指名候補になった場合に誰を副大統領候補に指名するかを質問され、司法長官代行を務めたサリー・イエイツと2018年のジョージア州知事選挙で民主党候補として善戦したステイシー・エイブラムスを含む、数名の人物の名前を挙げた。

その他にも、ヴァル・デミングス連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)とミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーといった人々の名前が副大統領候補として取りざたされている。

民主党内にはただ女性を副大統領候補に選ぶということではなく、非白人の女性を選ぶべきだという声が出ている。こうした主張をする人々は、そうすることで、ここ数週間でバイデン前副大統領の選挙戦を復活させたアフリカ系アメリカ人有権者たちの役割を闡明することができる、とこうした人々は主張している。

民主党系のストラティジストであるマイケル・スター・ホプキンスは次のように語っている。「ジョー・バイデンは非白人の人物を副大統領候補に選ばねばならないと思います。サウスカロライナ州で起きたこととアフリカ系アメリカ人共同体が彼の選挙戦を救った事実を考えると、アフリカ系アメリカ人の人物を副大統領候補に選ばないというのは政治的にちょっとした間違いだったという帝では済まない誤った選択になると思います。顔を思い切りひっぱたかれるようなことだと思います」。

スター・ホプキンスは、バイデンがデミングスを副大統領候補として考慮しているくらいに賢明な人物だと述べた。

デミングスは二期目の女性連邦下院議員で、トランプ大統領の弾劾裁判において連邦下院の幹事を務めた。彼女の名前はここ数カ月副大統領候補として取りざたされるようになっている。彼女の選挙区はフロリダ州中央部にある。フロリダ州は本選挙において激戦州となる。彼女が副大統領候補になることで11月に民主党がフロリダ州を再奪取することに貢献するだろう。

スター・ホプキンスは次のように語った。「これら副大統領候補者たちについて語る時、地理について焦点を当てる必要があります。民主党は全国規模の世論調査の数字だけを考慮に入れるのではなく、副大統領候補がどれくらい選挙人獲得に貢献できるかも考えねばなりません」。

バイデンは女性を自身の副大統領候補と選ぶという公約は、民主党の現在の雰囲気を認識してのことである可能性が高い。バイデンが実際に女性を副大統領に選ぶことは本選挙においてどのような影響を持つのか、もしくはそもそも影響を持つのかどうか明確ではない。

オハイオ州のデイトン大学の政治学準教授クリストファー・デヴァインは女性を副大統領候補に選ぶことが選挙戦全体の結果に及ぼす影響についての証拠はほとんど存在しないと述べた。1984年から2008年にかけて、女性が副大統領候補として登録された場合を見ると、女性の有権者たちが民主、共和両党の候補者に特に投票したということはないとデヴァインは指摘した。

デヴァインは共著『副大統領候補は重要か』を刊行予定だ。デヴァインは、バイデンが女性を副大統領候補に選ぶことは有権者に与えるメッセージという点でより重要だと述べた。

デヴァインは次のように述べている。「女性を副大統領として選ぶことは、ジョー・バイデンにとって、有権者が彼について考える際にその手助けとなります。女性を副大統領にすると宣誓し、それを実行することで、バイデンが大統領になった場合のホワイトハウスと彼の実行する政策において女性の貢献を彼は重視しているのだということになります」。

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バイデンが女性を副大統領に選ぶと発言(Biden says he will pick woman as VP

マックス・グリーンウッド筆

2020年3月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487722-biden-says-he-will-choose-a-woman-as-his-running-mate-if-he-wins-nomination

ジョー・バイデン前副大統領は日曜日、民主党の指名候補に選ばれた暁には、女性を副大統領候補に選ぶと約束した。

ワシントンDCでの予備選挙討論会において、バイデンは「私はここではっきりと約束しますが、女性を副大統領にします。将来アメリカ大統領になることができる資格を持つ女性たちがたくさんいます」と述べた。

CNNの司会者ダナ・ブッシュはバイデンが別の質問に答えた後、女性を副大統領に選ぶとここで明確に答えることができるかについて質問し、バイデンは逡巡する様子もなく、「はい」と答えた。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は、バイデンを逆転して党の指名候補になる場合には、女性を副大統領候補として選ぶ「可能性は極めて高い」と述べた。

サンダースは副大統領候補として女性を選ぶこと以上に重要なのは、進歩主義派の人物を選ぶことだとも続けて述べた。

サンダースは「多くの進歩主義派の女性たちがいます」と述べた。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が予備選挙から撤退したこともあり、両候補ともに副大統領候補には女性を選ぶようにというプレッシャーがかかっている。

うオーレンの予備選挙からの撤退もあり、民主党予備選挙は70代の白人男性2人の戦いという形になった。昨年からの予備選挙はアメリカ史上最も多様な人々が立候補した戦いとして始まったが、このような驚くべき結果に落ち着いた。

バイデンはこれまでに女性を副大統領に選ぶということを示唆することはあったが、日曜日の討論会まで正式に発言することはなかった。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙は実質的に終了し、ジョー・バイデン前副大統領が民主党の大統領選挙本選挙指名候補者となった。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は選挙戦から撤退したことで、選挙は終わった。これからは、サンダースをはじめとする民主党内進歩主義派は自分たちの主張する政策をどれだけバイデンに受け入れさせるかという条件闘争に入る。バイデン側としては、「ドナルド・トランプ大統領の再選を許容するのか」という大義名分を掲げて進歩主義派に対応する。

 サンダースは2016年のヒラリー・クリントンの時には党の全国大会の2週間前になってようやくヒラリー支持を表明したが、今回は早い段階でバイデン支持を表明した。バイデンがインターネット上で中継している「ヴァーチャル集会」に登場し、バイデン支持を表明した。しかし、その態度はぶっきらぼうで、嫌々ながらやっているという感じがよく出ていた。バイデンは臭い芝居で驚いた様子を演じたが、こちらも芝居が下手すぎて興ざめするものであった。

 これでサンダース支持者がバイデンを支持するとは思えない。サンダース支持の熱狂的な若者たちにはただの儀式ほど嫌なものはない。トランプ大統領はサンダース支持者に対して、自分の政策はサンダースと同じものが多い(右派と左派の違いだけでポピュリスト、ワシントン政治の部外者である点は同じだ)ので、是非自分を支持して欲しいと発言している。サンダース支持者の動向は民主党でも神経を使っているだろう。

進歩主義派は、バイデンが嫌いだ。しかし、トランプ再選阻止も掲げていた。となると、どちらがより嫌か、バイデン大統領の誕生か、トランプ大統領による更なる4年間かという嫌なことの選択を迫られることになる。そこで、「サンダースもバイデン支持を表明したから」ということで、消極的でもバイデンを支持するという人たちも増えるだろう。骨の髄までサンダース支持者はトランプ大統領に投票するか、棄権するか、他の党、例えば緑の党に入れるだろう。

 バイデンは2016年に出るべきだった。今回の新型コロナウイルス感染拡大という事態の中で、各州の知事、特にニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ、ミシガン州知事グレッチェン・ウイットマー、カリフォルニア州知事ゲヴィン・ニューサムといった新しいスターが民主党内に登場した。民主党の歴史を見れば、ジミー・カーターやビル・クリントンといった地方の州知事から大統領へという道が存在する。危機的状況におけるリーダーシップを見せることで現在の知事たちは知名度と支持率を高めている。バイデンは2020年に当選したとしても次の大統領選挙に出ない可能性もある。今回の新型コロナウイルス感染拡大の後始末で4年間を使って次に譲るということもある。

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サンダースがバイデンの大統領として支持(Sanders endorses Biden for president

ジュリア・マンチェスター筆

2020年4月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/492540-sanders-endorses-biden-for-president

月曜日の夜に開催されたインターネット上のイヴェントの席上、米大統領選挙民主党予備選挙に立候補していたバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)が対抗馬だったジョー・バイデン前副大統領へ支持表明を行った。

バイデンはコロナウイルスに関するインターネット上のイヴェントを開催したが、その席上、サンダースが登場し、次のように発言した。「私たちはホワイトハウスにあなたを必要としています。ジョー、私はあなたがホワイトハウスに入ることが実現するようにできることは全てやります」。

サンダースは続けて次のように述べた。「今日、私は全てのアメリカ国民に、全ての民主党支持者の方々、無党派の方々、多くの共和党支持の方々にお願いします。今回の大統領選挙において皆で一緒になって、あなたの選挙を支援したいのです。私はあなたが候補者になることを私は支持します」。

サンダースは大統領選挙から撤退を表明して1週間も経たずにバイデン支持を表明した。サンダースの支持表明は民主党内の進歩主義派と穏健派をまとめようとする試みである。

この動きは11月の本選挙を前にして民主党はまとまることができないのではないかという懸念を抑えようということでサンダースの支持表明が行われた。

2016年の時には、サンダースは7月の党大会の2週間前になってようやく民主党の大統領選挙候補者となったヒラリー・クリントンへの支持を表明した。

サンダース自身とサンダースの支持者たちは民主党内部のエスタブリッシュメント派に対して懐疑的である。サンダース支持者たちはサンダースの選挙戦を政治運動だと考えていた。彼らは民主党内部の指導者たちが「メディケア・フォ・オール」のような進歩主義的な政策への支持を躊躇していると指摘している。

一方でバイデンとより穏健派の民主党支持者たちはオバマケアとして知られる患者保護並びに医療費負担適正化法の強化と拡大を強く求めている。

バイデンとサンダースは月曜日の夜のイヴェントでお互いの政策の違いを認めながら、本選挙の投開票日にトランプ大統領を倒すという共通の目的を確認した。

バイデンはサンダースに対して次のように述べた。「あなたからの支持表明はとても大きなものであると思います。私にとってとても大きな支援です。私たちはいくつかの問題で意見が異なりますが、実はとても近い関係にあるということを知って人々は驚くことでしょう。これからあなたの助けが必要になります。それは選挙戦において勝利を得るためだけではなく、その後の統治においてもです」。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 少し間が開いてしまって恐縮だが、今回はバーニー・サンダース陣営の中で「もう予備選挙から撤退しよう」というグループと「まだまだ選挙戦を続けるべきだ」というグループに分かれているという記事をご紹介する。

 新型コロナウイルス感染拡大はアメリカでも猛威を振るい、今年が重要な選挙の年であることがすっかり忘れ去られている。今やアメリカ政治の中心となっているのは、対応にあたっている各州の知事たちで、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事やミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事の人気は急上昇である。トランプ大統領は「戦時大統領」とすれば人気は上がっていない。

 そうした中で、現在のところ、各州の民主党予備選挙は延期などになっているが、大統領選挙は11月3日に実施される。これは連邦法で決まっているので変更することができない。大統領選挙本選挙の民主党候補者を指名する民主党全国大会は8月に延期となった。トップを走っているジョー・バイデンは「オンライン上のヴァーチャルな全国大会にすべきだ」という主張を行っている。

 こうした状況の中、民主党予備選挙で2番手につけているバーニー・サンダースは選挙戦から撤退していない。しかし、「このような時期で、人々が集まる形で民主党予備選挙を続けるのも感染拡大につながるので、選挙戦から撤退して、予備選挙を終了させるべきだ」という声が陣営内から出ている。また、民主党内にもそのような声が多く出ている。

 一方、「自分たちの声を代弁してくれると期待している有権者もいるのだから、選挙戦を続けるべきだ」というグループも存在する。こちらはそうは言いながらも、何か不測の事態が起きることに賭けているということもあるだろう。

 サンダースは既に現在の状況に埋没してしまっている。ここから何か大逆転ということは、バイデンに深刻なことが起きない限り、ないであろう。それならば、選挙戦から撤退して、民主党が一丸になってトランプ大統領を倒そう、連邦議会、上下両院で一議席でも多くの議席を獲得しようという方向に進める方が良いのではないかと思う。しかし、バイデンに何かあった時のための選択肢として選挙戦に残っておくというのも見識である。慎重さや準備というのは無駄に見えても実は重要だということは今回の事態で私たちは日々学んでいる。

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レポート:サンダースの側近の中に2020年の選挙戦から撤退することを主張する人たちが出ている(Some Sanders top allies have urged him to withdraw from 2020 race: report

マーティー・ジョンソン筆

2020年4月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/491197-some-sanders-top-allies-have-urged-him-to-withdraw-from-2020-race-report

バーニー・サンダース連邦上院議員の選対幹部や支持者たちの中から、サンダースは予備選挙から撤退すべきだという主張が出ている。選対の状況について詳しい複数の情報源が『ワシントン・ポスト』紙の取材に答えた。

取材に答えたある人物によると、サンダース選対の責任者ファイズ・シャキールとサンダースの最側近プラミラ・ジェイパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)をはじめとする複数の人々がサンダースに対して選挙戦を停止するように働きかけを行っているということだ。

全国選対の共同委員長であるニナ・ターナーをはじめとするその他のサンダース陣営の幹部や側近たちは78歳のサンダースに対して予備選挙にとどまるように促している。

サンダースと深い関係にあるNPO団体の代表であり、長年にわたるサンダースの支持者でもあるラリー・コーエンはワシントン・ポスト紙の取材に次のように答えている。「数百万の人々は彼の名前を立候補者名簿に見つけたいと望んでいるのです。それは、自分たちの考えを代弁してくれる人に投票できるからです。もしサンダースの名前が立候補者名簿に載らないということになれば、そうした人々は、自分たちは見捨てられたのだと感じることでしょう」。

スーパーチューズデーでジョー・バイデン前副大統領がサンダースを圧倒して以来、サンダースが民主党の大統領本選挙候補者指名を受けることはだんだん難しくなってきている。

バイデンはこれから2州で実施される予備選挙での勝利が確実視されており、そうなれば獲得代議員数争いでさらに大きなリードを得ることになる。党の指名候補となるためには1991名以上の代議員を獲得しなければならないが、現在までのところ、バイデンは1217名を獲得し、サンダース派914名の獲得にとどまっている。

次の予備選挙は火曜日にウイス渾身州で実施されるが、各種世論調査の結果ではバイデンの勝利確実という予測が出ている。

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。

 2020年3月17日にアリゾナ州、フロリダ州、イリノイ州で民主党予備選挙が実施された。オハイオ州も同日に予備選挙実施が予定されていたが、延期となった。オハイオ州以外にもケンタッキー州、ジョージア州、メリーランド州などが既に延期を決めている。新型コロナウイルス感染拡大を受け、多くの人々が一か所に集まることを防ぐための措置だ。また、重症化リスクが高い高齢者の方が若い人々よりも投票に参加したり、ヴォランティアを行ったりという傾向があることも選挙延期の理由になっている。アメリカ国内でも新型コロナウイルス感染拡大の影響は深刻になっている。
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青色がバイデンの結果

 選挙の結果はバイデンが3つの州において大差で勝利を収めた。既に予備選挙は終戦ムードである。新型コロナウイルス感染拡大もあり、「予備選挙はバイデン勝利で大勢はほぼ決したのだから、予備選挙を終了して、新型コロナウイルス感染拡大終息を待つべきだ」という声も上がっている。感染拡大の勢いが止まらなければ、7月の民主党全国大会にも影響が出る。4日間にわたって数千名がアリーナでロックコンサートのような騒ぎを行うというのは感染防止にとっては最も良くない行為だ。
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 全国大会で党の指名候補となるためには獲得宣誓済み代議員数1991が必要だ。現在まで2233名の配分が終わり、バイデンは1180名を獲得し、サンダースは885名となっている。300名弱の差となっている。まだ40%の代議員の配分が終わっていないとはいえ、ここからの逆転は難しい。サンダースはこれから条件闘争に入り、できるだけ自分の主張している政策をバイデンに採用してもらおうという方向に進む。これによって民主党は分裂を回避することになる。党内融和を演出して、一致団結してトランプ打倒に向かうということになる。

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火曜日の予備選挙の夜に関する5つの特徴(Five takeaways from Tuesday's primary night

ジョナサン・イーズリー筆

2020年3月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/488163-five-takeaways-from-tuesdays-primary-night

フロリダ州、イリノイ州、アリゾナ州の有権者たちの火曜日の投票によって、ジョー・バイデン前副大統領はバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に大差をつけて勝利した。アメリカ国内でのコロナウイルスの感染拡大による恐怖とパニックの中でこのような結果が出た。

今回の予備選挙の5つの特徴を挙げていく。

(1)バイデンは党の指名候補に近づく(Biden is the likely nominee

バイデンは火曜日夜に予備選挙が実施された3つの州全てで勝利した。先週、バイデンは6つの州のうち5州で勝利した。その前のスーパーチューズデーでは14州のうち10州で勝利した。

火曜日の各予備選挙で最終集計が出た時点で、バイデンは獲得代議員数でほぼ逆転不可能なリードをつけることになるだろう。

バイデンは火曜日の予備選挙の前で獲得代議員数において約150名リードしていた。火曜日の午後11時時点で2倍以上の300名以上の差をつけている。

民主党予備選挙では代議員は得票率に比例して配分されている。そのため候補者たちがつけられた差をすぐに埋めることは極めて難しい。

バイデンは1100名以上の代議員を獲得した。一方、サンダースは800名以上の代議員を獲得した。

党の候補者指名を得るためには1991名の宣誓済み代議員を獲得する必要がある。現在のところ、全体の約40%がまだ配分されていない段階である。しかし、選挙の専門家たちは一致して、予備選挙は実質的には終了しているということに同意している。

(2)バイデンは大差をつけて勝利(Biden is winning by huge margins

バイデンはフロリダ州では約40ポイントの差をつけて勝利した。イリノイ州では、2016年の時にはサンダースはヒラリー・クリントンと同率に持ち込んだ。今回は85%の選挙区の報告が終わった時点で、バイデンは20ポイント以上の差をつけて勝利しつつある。

サンダースはラティーノ系有権者の支持の強さからアリゾナ州で乞う結果を得たいと考えていたが、マリコパ郡でバイデンが2桁のリードをつけた時点で勝負ありだった。ここにアリゾナ州の全人口の約60%が居住している。

先週、バイデンはミシシッピ州、ミズーリ州、ミシガン州の全ての郡で勝利した。このような完璧な結果によってバイデンはサンダースを大きく引き離すことができた。

サンダースは、候補者が多かった予備選挙序盤においていくつかの州で勝利した。

しかし、予備選挙がサンダースとバイデンとの間の一騎打ちの様相になってからはほぼ全ての場所で敗北している。

バイデンはより高齢な有権者とアフリカ系アメリカ人有権者の支持をほぼ独占している。彼はまた大学の学位を持たない白人有権者の支持率でもサンダースを上回っている。この有権者層は2016年のサンダースの選挙戦を支えた人々だ。バイデンは大学のある町や地方でもサンダースを上回った。これらの地域は本来サンダースがより良い結果を残すべきところである。

(3)サンダースは選挙戦からの撤退の圧力を受けることになるだろう(Sanders will face pressure to drop out

進歩主義派の無所属であるサンダースは選挙戦を終えるように求める声に既に直面している。しかし、これらの声はこれから強まっていくだろう。

バイデンが党の指名候補になる可能性が高まる中で、民主党の幹部たちはトランプ大統領を倒すという共通の目標に向けて党をまとめることに熱意を向けるようになっている。

サンダースは既に選挙戦を終えることをそれとなく示唆している。

サンダースはバイデンに対する攻撃を大幅に弱めている。そして攻撃する代わりにバイデンに対して進歩主義的な政策のいくつかを採用するように求めるようになっている。

火曜日夜の演説の中で、サンダースはこれからの選挙については言及しなかったが、コロナウイルスに対する政府の適切な対応について多くの時間を割いた。

サンダースは火曜日の夜の時点で800名上の代議員を獲得する見込みだ。そして、民主党全国大会で政治的な影響力を行使できる可能性を持っている。

しかし、ウイルスの世界的大流行によって、選挙戦からの素早いそして秩序だった撤退をサンダースに強く求める動きが加速するだろう。

(4)投票参加者数に影響を与えるコロナウイルス(Coronavirus is impacting turnout

民主党はこれまでの予備選挙において人々の熱気と投票者数の増加に恵まれてきた。これらのおかげでバイデンは獲得代議員数で大量リードすることができている。

しかし、火曜日、全国各地で投票所での投票という形式において衝突が起きた。各州政府幹部たちは有権者たちが確実に無事に外に出て投票ができるようにあらゆる手段を取ろうと奮闘した。

フロリダ州での投票参加者数は2016年の時とほぼ同数だったが、これは郵便や期日前投票を行った人々の数が記録的な数に上ったことが要因として挙げられる。

イリノイ州では、期日前投票の数がそこまで増えなかったために、結果として投票参加数は惨憺たるものとなった。

投票所は範囲の狭い広報、もしくは何の連絡もなしに閉鎖もしくは移動された。あるケースでは、選挙の係員が姿を見せなかったために投票を行うことができなかった。地元メディアはいくつかの投票所がまるでゴーストタウンだと形容し、いくつかの郡では2016年の時に比べて投票者数が半数にまで減ってしまうだろうとも見られている。

(5)各州はこれからの予備選挙に向けて厳しい決断を迫られている(States face tough decisions about future primary elections

州知事や各州政府幹部たちはこれからの予備選挙で人々が投票所に集まる形での投票を行うべきかについて厳しい決断を迫られている。

疾病コントロール・防御センターはガイドラインを発表し、その中でウイルスの拡散を封じ込めるためには人々は集まらないことだとしている。

投票所は投票する人々の長い列ができ、人々が同じ部屋で過ごすことになる。若い有権者よりも高齢の有権者の方が投票に参加する傾向が強く、また投票所でのヴォランティアも高齢の人々の方が多い傾向にある。

そのため、オハイオ州、ケンタッキー州、ジョージア州、ルイジアナ州、プエルトリコでは予定の日時から延期する決定を下した。

民主党全国委員会は各州に対して予備選挙実施の延期を行わないように要求したが、同時に可能ならば投票がより安全にかつ投票時に集まらないようにするための手段を採用することも求めた。郵便投票、不在者投票、投票所に並ぶ人や投票所内にいる人の数を減らすために投票所の開設時間の延長などを行うように求めた。

しかし、各州知事たちは屋内退避勧告を検討し始めている。各州政府は多くの人々が同じ場所に集まることを制限するために長期間にわたるレストランと学校の閉鎖命令を出している。

オハイオ州知事マイク・デワイン(共和党)は最後の最後までオハイオ州の予備選挙の延期に努力を傾けた。デワインは予備選挙の延期を行うのは、緊急時以外は人々に家から出ないようにと求めているのに、人々に外に出て投票することを促すことは正当化できないからだと発言している。

オハイオ州政府の幹部たちは世界的大流行の中で人々が集まって投票を行うことはリスクが大き過ぎるかどうかを決めねばならない。

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