古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ヒラリー・クリントン

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の「ロシア疑惑」について、ロバート・ムラー特別検察官の捜査が終わり、その概要をウィリアム・バー司法長官が書簡にして連邦議会に送付しました。その内容は、ロシア疑惑、ロシア疑惑捜査に対するトランプ大統領による司法妨害は共に立証されなかった、というものです。

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報告を受けた後のトランプ大統領
 

 ロシア疑惑とは、2016年の米大統領選挙において、ロシアが当選されると自分たちに都合の悪い民主党ヒラリー・クリントン候補を落選させようとし、共和党のドナルド・トランプ候補陣営と結託、共謀したのではないかという疑惑です。ロシアによる選挙介入はアメリカの複数の情報機関が行われていたと認める報告書を出しています。

 

 トランプ陣営幹部でロシア側と接触があった人物たちが複数いたことから、この問題が大きくなりました。マイケル・フリン国家安全保障問題担当大統領補佐官(当時)がロシア大使と会談を持っていたこと、それをトランプ大統領やペンス副大統領に報告していなかったことなどを理由に、就任早々解任されるということになりました。また、今回の件とは別件もほじくり返され、トランプ陣営の選対本部長(途中で解任)を務めたポール・マナフォートは逮捕されました。

 

 トランプ陣営がロシア側と一緒になってヒラリーを落選させるために動いた「共謀」を証明することは大変難しく、そもそも共謀を明確に立証することは困難でした。実際にムラー特別検察官は多くの人員を投入し1年以上かけて捜査しても確たる証拠は結局見つかりませんでした。

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ロバート・ムラー特別検察官
 

 ロシア疑惑の捜査に対して、トランプ大統領が司法妨害を行ったのではないかという疑惑については、ちょっと歯切れが悪いようです。「これについて有罪を構成するに足るだけの証拠がなかった」ということになりました。民主党側はこの点を突いていくことになるでしょう。しかし、それでもトランプ大統領を弾劾まで追い込むことは不可能になりました。ナンシー・ペロシ下院議長は今回の書簡が出る前から、弾劾はすべきではないということを述べて既に予防線を張っています。

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バー司法長官が連邦議会に送った書簡

 ロシアによるアメリカ大統領選挙への介入はあったでしょう。ロシアにしてみれば、「お前たちもソ連崩壊後、俺たちの国にいろいろと要らない、差し出がましい口をきいたよな」という感情もあり、「やり返しただけだ」ということになるでしょう。

 

また、SNSを使えば、「世論誘導」が出来る、ということも明らかになっています。拙著『アメリカ政治の秘密』でも書きましたが、2011年のアラブの春にはツイッター社やフェイスブック社が関わっていたことは明らかです。アカウントを持つ利用者の個人情報を持ち、書き込みの傾向などを簡単に割り出せるのですから、利用者の考えを誘導しつつ、あくまで「自分で考えた」と思い込ませることは簡単なことです。

 

 今回の捜査結果概要の書簡送付で、トランプ大統領は勝利を収めることが出来ました。弾劾も行われませんし、これまで批判をして来た人々に対して反撃が出来ます。2020年の大統領選挙に向けて好材料となります。これまで長い時間と資源をかけて、この結果と言うのはまさに「大山鳴動して鼠一匹」ということになりました。

 

(貼り付けはじめ)

 

ムラーはトランプに勝利を届けた:5つの要点(Mueller delivers a win for Trump — Five Takeaways

 

ナイオール・スタンジ筆

2019年3月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/435556-mueller-delivers-a-win-for-trump-five-takeaways?rnd=1553476550

 

日曜日、ホワイトハウスにとっては安心を、トランプの敵対者たちには不満が残った。ロバート・ムラー特別検察官による捜査結果の要約がウィリアム・バー司法長官から発表された。

 

22か月にわたる捜査は終了した。ここから要約に関する要点を紹介する。

 

(1)トランプにとっての大勝利

 

トランプ大統領にとって、バー司法長官が連邦議会に送った書簡以上の結果は望むことはできなかっただろう。それほどの最良の結果となった。

 

「共謀などない」、というのはトランプ大統領が一貫して主張してきたことだ、ロバート・ムラー特別検察官と彼のティームはこれに同意することになった。

 

バー司法長官が送った書簡によると、2016年の選挙に関し、「特別検察官の捜査ではトランプ選対、もしくはトランプ選対に関係を持ついかなる人もロシアと共謀も協力もしていない」ということであった。

 

捜査の中心的な疑いであるロシアとの共謀について疑いが晴らされたが、この疑惑は深刻に受け止められ、ムラーには捜査のために多くの資源が投入された。ムラーは19名の法曹関係者を起用し、40名のFBI捜査官の協力を受け、2800通以上の召喚状を発行した。

 

司法手続きへの妨害の可能性についての疑問に関しては、ムラーは明白に、疑いが晴れたのではないし、トランプ大統領が明確に罪を犯したということでもないと述べた。

 

ムラーはこの疑問をバー司法長官とロッド・ローゼンスタイン司法副長官に委ねた。ローゼンスタインは「集められた証拠では、大統領が司法妨害を行ったと断定するには不十分であった」と結論付けた。

 

民主党側はロシア疑惑について更に知りたいと望むだろう

 

フロリダで大統領専用機「エアフォースワン」に登場する直前、記者団に対して短く「完全な潔白の証明だ」と述べた。

 

連邦議会にいるトランプ大統領の味方は強気だ。

 

連邦議会においてトランプに忠実な議員の中の一人、マーク・メドウズ連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は「本日のバー司法長官の声明はこれまで続いてきた議論に終止符を打つものだ。共謀はなかった。妨害もなかった。これで終わりだ」。

 

ホワイトハウスのホーガン・ギドリー副報道官はワシントンに戻るエアフォースワンの中で、トランプ大統領は元気を回復して好調だと述べた。

 

ギドリーは記者団に対して「大統領の機嫌は大変良い。全てが明らかにされたことを大変喜んでいる」と述べた。

 

(2)民主党側は厳しい戦いに直面する

 

日曜日、民主党側は即座に反応を示した。民主党側は連邦議会で独自の捜査を継続するだろうと述べた。連邦下院では民主党が過半数を握っている。

 

連邦下院司法委員会委員長ジェロルド・ナドラー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)はツイッター上で、司法委員会はバー司法長官の証人喚問を求めると書いた。ナドラーは、「司法省の内部の分裂と最終決定に関して大変懸念を持っている」とし、それらについて調査すると述べた。

 

連邦下院の情報諜報委員会と監督委員会はトランプ大統領に関連する諸問題について独自の調査を現在も行っている。

 

民主党側は行政府が説明責任を果たすようにするための重要な仕事を行っているのだと主張するだろう。それがその通りに進むのは良いが、それでは民主党側が抱えるより大きな問題の解決にはならない。

 

政権発足直後からのトランプ大統領に関する諸問題の調査の中で、ムラーによる捜査は主要なものとなってきた。一般の有権者たちにしてみれば、ムラーの捜査結果が最終的な結論だということになる。

 

そうなれば民主党側が更なる調査を独自に行うことは難しくなる一方で、トランプ大統領と彼の味方が、民主党側を政治的な野心を持って無駄なことをする人々と決めつけることはより容易になる。

 

民主党側が今回の捜査結果の上を行く、確実性の高い訴追を行う機会を作るためのハードルは急激に高くなった。

 

(3)司法妨害に関する疑問は残る

 

バー司法長官の書簡の中のトランプ大統領にとっての最大の問題は決定的なものとまでは言えないが、司法妨害の疑いに関連するムラーの捜査で明らかにされた事実や証拠が書簡の中では明確にかつ詳細に示されていないということだ。

 

バー司法長官の書簡ではこの点は不明確になっている。民主党側は早速この明確性と詳細さを欠いている点を捉え、更なる情報提供を求めている。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と連邦上院少数党(民主党)院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は共同声明を発表し、その中で、バー司法長官の書簡について、「多くのことの答えているのと同じくらいに多くの疑問を生み出している」と述べた。

 

民主党側の要求は理にかなっている。

 

バー司法長官の書簡では、司法妨害について、ムラーは「伝統的な検察官の手法による判断を行わないと決定した」と述べている。続けて、「ムラーは、捜査を行った大統領の行動が司法妨害を構成するのかどうかについて、有罪、無罪、どちらの結論も導き出せなかった」とも述べている。

 

これが示しているのは、ムラーは、大統領の行為が少なくとも一般的な司法妨害となり得る証拠を見つけたということかもしれない。それでもバー司法長官とローゼンスタイン司法副長官は刑事事件としての裁判を維持できるだけの強力な証拠は存在しなかったと結論付けた。

 

CNNの法律関係アナリストマイケル・ゼルダンは本誌の取材に対して、ムラーが、捜査で集めた証拠によってトランプ大統領の「疑いが晴れ(exonerate)」てはいないと述べざるを得なかったことに注目し、これは「大変に奇妙な」ことだと指摘した。

 

ゼルダンは「検察官は通常、疑いが晴れる(exoneration)という言葉は使わない」と述べ、これは、ムラーのティームと司法省との間に同意できない点があるのだろうと示唆した。

 

トランプ大統領にとって、ムラーが公開していない情報が司法妨害についての疑いを更に高めるようなものでなくても、公開されることで政治的なダメージを与える可能性があるので、危険はまだ存在しているということになる。

 

(4)大統領弾劾の可能性はなくなった

 

ペロシ下院議長は今月初めに『ワシントン・ポスト』紙とのインタヴューの中で、トランプ大統領に対する弾劾にブレーキをかける発言を行い、驚きを与えた。

 

この時、ペロシ議長は弾劾を進めることを好まないと述べた。

 

その理由について、ペロシ議長は次のように述べた。「弾劾は国家を分裂させてしまうものであり、勢いよく進めるものではないし、疑問や躊躇なく進めるものではないし、党派争いの道具にすべきものでもない。私たちはこの道を進むべきではないと考えている。それはその道を進めばアメリカは分裂してしまうからだ」。

 

バー司法長官の書簡の内容は弾劾を進めるための最低限の条件に届いていない。トランプ大統領を2020年の大統領選挙で落選させるために、前回トランプ大統領に投票した無党派層とそこまで熱心ではないトランプ支持者たちを寝返らせるに足るだけの大きな衝撃にはなっていない。

 

トランプ大統領の政治上の運命は2020年の大統領選挙で決まり、その前に決まるということはない、ということがこれまでよりもより確定的になった。

 

(5)テレビに出ている識者たちが恥をかく

 

メディアに出ている熱心な反トランプの姿勢を取る識者や著名人たち、その中には法律の専門家たちも含まれているが、この人たちの多くはロシア疑惑に関する諸事実がひっくり返されることを願っているとしてもそれは無理のないことだ。

 

バー司法長官の書簡が送られた後にテレビをつける人たちは、そこに出ている識者たちが何とか面目を保とうとしている姿を見て驚くことだろう。

 

ムラーの捜査結果が出たことで、トランプ大統領と彼の家族を馬鹿だ、地味だ、単純だと見下す活発な動きが低下するだろうということは容易に予測できる。

 

トランプ大統領と彼の味方はこれから何日も何カ月も反メディアの太鼓をより大きな音で打ち鳴らすことだろう。この人々は2020年の大統領選挙投票日までメディアの過剰な報道を示す例としてムラーの話をし続けるだろうということは容易に想像できる。

 

日曜日夜に発表した声明の中で、ペンス副大統領は「アメリカにとって偉大な日」になったことを喜ぶと述べた。

 

ペンスは、民主党とそれに同調する不特定の「メディアの人々」が「根拠のない告発」を行ったという主張を行った。

 

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要するにどういうこと トランプ政権のロシア疑惑を800文字以内で

 

2017124

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-42218253

 

2016年米大統領選をめぐるロシア疑惑がトランプ政権に濃い影を落とし続けてきた。しかしなかなか厄介な話なので、あらためて短く整理してみた。

 

要するに

 

複数の米情報機関は、昨年の大統領選でドナルド・トランプ氏を勝たせようと画策したと結論している。果たしてトランプ陣営関係者がこのために、ロシアと結託したのかどうか、専任の特別検察官が調べている。

 

証拠は

 

トランプ選挙対策本部の複数の幹部が、ロシア政府関係者と接触していた。いくつかの面会については、当初公表されていなかった。

 

接触とは

 

マイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、政権発足前に駐米ロシア大使と会談していたことについて、連邦捜査局(FBI)に嘘をついた。フリン前補佐官はムラー検察官との司法取引に応じ、有罪を認めた。このため、政権幹部の有罪を裏付ける証拠を、前補佐官が持っているのではないかと、取り沙汰されるようになった。

 

大統領の長男、ドナルド・ジュニア氏は選挙期間中の昨年6月、ヒラリー・クリントン氏について「泥(不利な情報)」を持つというロシア人弁護士に面会していた。陣営の外交顧問だったジョージ・パパドプロス被告は、ロシア関係者との接触と面会の仲介についてFBIに嘘をついたと認めた。

 

ほかには誰が関与

 

大統領の娘婿、ジャレッド・クシュナー上級顧問の関与も注目されている。元選対本部長のポール・マナフォート被告は、大統領選とは関係のない資金洗浄罪で起訴された。

 

そして大統領は

 

ロシア疑惑捜査の一部を指揮していたジェイムズ・コーミー長官を今年5月に解任してからというもの、大統領による司法妨害があったのかどうかが議論されている。これについては法律の専門家の間で、意見が割れている。

 

(英語記事 The Trump-Russia saga in 200 words

 

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ロシア疑惑文書の筆者、トランプ氏への恐喝懸念 議員が証言公開

 

20180110

http://www.bbc.com/japanese/42632824

 

「スティール文書」に関する証言を公開した民主党のダイアン・ファインスタン上院議員

「ロシア当局がドナルド・トランプ氏について決定的に不利な材料を入手している」という調査報告書、いわゆる「スティール文書」に関する米上院公聴会での証言内容が9日、民主党議員によって公開された。文書を作成した元英国情報部員のクリストファー・スティール氏が、トランプ氏がロシアに恐喝されているかもしれないと懸念していたことが、改めて示された。

 

民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員(カリフォルニア州選出)は、「スティール文書」の作成を依頼したワシントンの調査会社「フュージョンGPS」の創業者グレン・シンプソン氏が昨年8月に上院司法委員会で証言した際の記録を公表した。シンプソン氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの調査報道記者を経て、「フュージョンGPS」を立ち上げた人物。

 

ファインスタイン議員は、シンプソン氏の依頼に基づき議事録を公開したと説明している。フュージョンGPSをめぐって「妙な憶測や誤情報」が飛び交っているため、証言内容を公表すべきと判断したという。

 

ファインスタイン氏は、トランプ陣営とロシア当局の共謀疑惑や司法妨害疑惑について、捜査や議会調査を妨げようとする「非常に心配な動き」があると懸念を示した。今月初めには、司法委員会のチャールズ・グラスリー委員長(共和党)が、スティール氏について刑事捜査すべきだと発言している。

 

ファインスタイン議員が公表した上院司法委員会の議事録は312ページに及ぶ。そのなかでフュージョンGPSのシンプソン氏は司法委に、スティール氏が20167月の時点で連邦捜査局(FBI)に、トランプ氏がロシアに恐喝されているかもしれないと、懸念を伝えていたと証言している。

 

議事録によるとシンプソン氏は非公開の公聴会で、トランプ氏や側近たちがロシア政府と個人的かつ金銭的につながっていると示す「スティール文書」の内容に自信を示したほか、文書が理由で殺害された人が1人いると証言した。

 

トランプ氏とロシアとの関係についての調査を出資したのは、ヒラリー・クリントン氏の陣営と民主党だったと言われている。ホワイトハウスや共和党関係者の多くは、「スティール文書」の内容に根拠はなく、選挙の対立候補に泥を塗ることだけを目的としたでっちあげだと非難している。

 

トランプ氏がロシア政府に脅されていたという主張を裏付ける証拠は、出てきていない。

 

しかしシンプソン氏は上院議員を前に、「(元英情報部員のスティール氏は)大統領候補が恐喝されているのかどうか、安全保障上の問題があるように見えると考えていた」と証言した。

 

シンプソン氏はさらに、「これが国家安全保障を脅かすのかどうか、クリス(スティール氏)はとても心配だと話していた。そして、この国の政府の誰かにこの情報を伝える義務があると思うと話していた」と証言した。

 

10時間にわたり証言したシンプソン氏は、文書の情報源について議員たちに聞かれても、なかなか答えようとしなかった。

 

フュージョンGPSの顧問弁護士ジョシュア・レビー氏が質疑に割って入り、「シンプソン氏は情報源を慎重に守ろうとしている」と言い、さらに「この文書の公表によってすでに人が1人殺されている。この文書は誠実な仕事の成果で、そのせいで誰かに危害がもたらされるようなことがあってはならない」と述べている。

 

レビー弁護士は、誰が殺害されたのか公聴会で明らかにしなかった。

 

しかしCNNは消息筋の話として、弁護士は特定の人物について言及したのではなく、2016年大統領選後に複数のロシア人が謎の死を遂げていることを念頭に発言したのだと伝えた。

 

「スティール文書」には、トランプ氏がかつてモスクワのホテルで複数の売春婦といるところを撮影されていたなどの内容が含まれている。

 

トランプ氏は昨年111日の記者会見で、この指摘をばかげたことだと一蹴。自分はロシアにいる間は常に、ホテルが監視されているという認識で行動していたなどと話していた。

 

シンプソン氏の証言内容について、FBIはコメントしていない。

 

BBCを含め複数の報道機関が、201611月の大統領選以前に文書について説明を受けていた。しかし、ほとんどの報道機関は内容の裏付けがとれないため、記事にしなかった。

 

米オンラインメディア「マザー・ジョーンズ」が同年1031日に文書の存在について記事にした後、CNNが昨年1月に文書について報道。続いて米バズフィードが、文書の内容をそのまま公表した。

 

シンプソン氏が「スティール文書」以前にロシア企業による人権侵害と資金洗浄を調査した際に、その調査の対象となった米国の投資家ビル・ブラウダー氏は米紙ニューヨーク・タイムズに対して、「(シンプソン氏は)中傷キャンペーンのプロで、金のためなら何でも言う嘘つきだ」と非難している。

 

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ホワイトハウス、FBI「権力乱用」文書公表を承認

 

2018023

http://www.bbc.com/japanese/42928284

 

米司法省と連邦捜査局(FBI)がドナルド・トランプ米大統領に反して偏っている証拠だとして共和党幹部がまとめた文書について、ドナルド・トランプ米大統領は2日、機密扱い解除を承認した。これを受けて連邦議会は、4ページにおよぶ文書を公表した。民主党は、大統領がこれを口実に特別検察官や司法副長官を解任すれば、ウォーターゲート事件当時のような「憲政上の危機」につながると警告した。

 

問題の資料は、米下院情報委員会のデビン・ヌネズ委員長(共和党)のスタッフがまとめた文書(メモ)で、司法省が外国諜報活動偵察法(FISA)にもとづく監視活動権限を乱用し、大統領選のトランプ陣営関係者を不当に監視しようとしたと非難している。ヌネズ議員はトランプ氏の当選後、政権移行チームに参加していた。

 

FBI31日、メモの正確性が疑わしいため、公表について「深刻な懸念を抱いている」と、ホワイトハウスの方針に反対する異例の声明を出した。

 

民主党は、ヌネズ・メモはFBIによるロシア疑惑捜査の正当性を否定するのが狙いだと批判している。

 

ヌネズ・メモは大統領選のロシア疑惑に関するいわゆる「スティール文書」を根拠に、司法省とFBIがトランプ陣営関係者の盗聴監視許可を延長しようとしたと指摘する内容になっている。FBIが昨年3月にFISA裁判所から盗聴令状の延長を得ようとする際に、内容が立証されていない「スティール文書」がその根拠だと裁判所に伝えていなかったと、ヌネズ委員長は問題視している。

 

資料によると、監視対象はトランプ陣営の外交顧問だったカーター・ペイジ氏。同氏は昨年11月、下院情報委員会に対し、20167月のモスクワ訪問でロシア政府関係者と面会したと証言している。

 

スティール文書は、ワシントンの調査会社「フュージョンGPS」が元英国情報部員のクリストファー・スティール氏に作成を依頼したもの。費用の一部は、ヒラリー・クリントン氏の陣営と民主党が出資した。

 

ヌネズ議員の資料はさらに、スティール氏が司法省幹部に、トランプ氏を当選させてはならない、自分は「必死だ」と話していたと書き、一連の動きは「米国民を権力乱用から守るために設けられた司法手続きの懸念すべき破綻」を示していると指摘している。

 

ヌネズ・メモは最高機密扱いに指定されていたが、129日にヌネズ氏が委員長で共和党が多数を占める下院情報委員会が公表を採択し、文書をホワイトハウスに送付。トランプ大統領が2日、機密指定解除を承認した。

 

共和党の反応

 

ヌネズ・メモの公表を支持する共和党関係者は、FBIや司法省における不正行為と政治的偏向を明るみに出すものだと評価する。

 

トランプ大統領は2日、資料の内容について質問され、大勢が「自分を恥じるべきだ」と答えた。大統領はそれに先立ち、FBIや司法省の捜査を政治的に利用して共和党を傷つけようという動きがあると非難していた。

 

ヌネズ委員長は、司法省やFBIが国民の信頼を「深刻に損なった」ことを示すもので、改革のきっかけになるよう期待すると述べた。

 

FBIの監視対象だったペイジ氏は、司法省に対する賠償訴訟でヌネズ・メモを証拠として使うと話した。

 

しかし、共和党の全員がヌネズ・メモ公表を支持しているわけではない。党重鎮のジョン・マケイン上院議員は、共和党の同僚たちがFBIや司法省を攻撃したことを鋭く批判し、トランプ氏が法の支配を損ねたと非難した。

 

マケイン議員はツイッターで、「FBIと司法省に対する最新の攻撃は、いかなるアメリカの利益にもならない。どの党にとっても、どの大統領にとっても。プーチンの利益になるだけだ」と書いた。

 

民主党の反応

 

民主党は、2016年大統領選でのロシア疑惑を捜査するFBIを貶めようとする「恥ずべき」行為だと反発している。

 

民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務は、「情報機関の情報源や活動手法を保護しなかったことで、(トランプ氏は)たった今、お友達のプーチンに花束を贈ったわけだ」と反発した。

 

さらに、チャック・シューマー上院院内総務、ペロシ下院院内総務をはじめ、他に8人の民主党幹部は共同声明で、この文書を「口実」に、ロシア疑惑を捜査しているロバート・ムラー特別検察官や、ムラー氏を任命したロッド・J・ローゼンスタイン司法副長官を更迭してはならないと警告した。

 

「そのような正当性のない行動は、ロシア疑惑捜査に関する司法妨害の試みとみなす」と民主党幹部は言明し、そのようなことになれば1970年代に当時のリチャード・ニクソン大統領がウォーターゲート事件をめぐり特別検察官を罷免しようとした時のような「憲政の危機」につながると念押ししている。

 

ホワイトハウスは後に、司法省に「変更はない」と言明し、ローゼンスタイン副長官は今後も職務を遂行するものと認識していると述べた。

 

ウォーターゲート事件では、ニクソン大統領が197310月に、事件を捜査していた特別検察官の解任を命じ、司法長官と司法副長官が辞任した後、後任の司法長官が特別検察官を解任した。このてんまつは、「土曜の虐殺」と呼ばれる。この後、連邦議会で大統領弾劾決議案の提出が相次ぎ、翌19747月になって、下院司法委員会が大統領を司法妨害で弾劾する委員会決議案を可決した。ニクソン氏は同年8月に辞任した。

 

FBIの反応

 

他方で、FBI職員連合の報道官はヌネズ・メモ公表に先立ち1日、「党派的政争」にかまけて自分たちの職務から目をそらしたことはないし、「今後もそのようなことは容認しない」と声明を出している。

 

昨年夏にトランプ氏に指名されたFBIのクリストファー・レイ長官も、文書の公表前に、公表に対する「深刻な懸念」を表明。さらに公表を受けて、職員にメールで、「口先でしゃべるのはたやすい。長続きするのは実際の仕事の内容だ。自分たちの職務を(政治から)独立して、かつ規則通りに遂行するという、全員共通の決意は揺るがない。私は諸君と共にある」と伝えた。

 

トランプ氏から昨年5月に解任されたジェイムズ・コーミー前FBI長官はツイッターで、ヌネズ・メモの公表を受けて、「それだけ? 不正直で誤解を招くメモが下院情報委員会を台無しにし、各情報機関との信頼を破壊し、FISA裁判所との関係を傷つけ、米国市民に関する機密捜査の内容を暴露するという許しがたい行為に及んだ。なんのために? 司法省とFBIは職務を遂行しなくてはならない」と書いた。

 

秘密は明らかになった。メモは公表され、その結果は……あらかた誰もが予想していた通りだった。

 

共和党作成の資料が言われていたほど衝撃的なものかどうかは、いまや悪名高い「スティール文書」をどう捉えているかによる。FBIFISA裁判所にカーター・ペイジ氏の盗聴監視令状を請求した際、「スティール文書」が『不可欠な」要素だったという、ヌネズ・メモの主張を信じるか。それとも、ヌネズ委員長たちがあえて省いた情報が、令状請求の根拠として実はあったのか。

 

ヌネズ・メモは、FBIはスティール氏の立場についてFISA裁判所に説明すべきだったと主張する。つまり、スティール氏がトランプ氏に否定的で、報道機関としきりに接触し、そもそも文書のための調査活動費が一部、民主党やクリントン陣営から出資されていたことなどだ。

 

しかし、そのような情報開示がされていたとして、それでFISA裁判所は令状発行を拒否しただろうか? 1978年に設置されて以来、FISA裁判所は何万という監視令状請求を受けてきたが、令状を認めなかったのはごくわずかだ。そして、2013年の時点ですでに複数の米情報機関から要注意人物として注目されていたペイジ氏に対する監視活動ひとつを理由に、ロシア疑惑捜査の全てを疑問視しても良いのかどうか。FBIのロシア疑惑捜査は、ペイジ氏への監視を始める数カ月前から始まっていた。20167月に始まったトランプ陣営の外交顧問だったジョージ・パパドプロス被告への捜査が発端となっているのだ。

 

こうした疑問に対する答えによって、このヌネズ・メモが爆弾だったのか、それとも不発弾だったのか、今後への影響が決まる。

 

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(MLK)・デーの祝日、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が、ABCの朝の長寿番組「グッドモーニング・アメリカ」に出演し、大統領選挙出馬表明を行いました。MLKデーに大統領選挙出馬表明化ということは既にこのブログでもご紹介しましたが、その通りになりました。

 

 しかし、全米で放送される朝の人気番組での表明とは予想外でした。ただ、ハリスは回想録を出版しており、その販売促進のためにツアーをし、マスコミにも露出していたので、このタイミングになることは予想されていました。


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 ハリスはジャマイカ移民とインド移民で研究者だった両親の間に生まれました。両親が離婚し、母に連れられてカナダのモントリオールで育ちました。大学はワシントンDCにあるハワード大学です。ハワード大学は黒人が学生の大多数を占める大学で、「ブラック・アイヴィー・リーグ」の一つとされています。カリフォルニア大学ヘイスティングス校の法科大学院に進み、司法試験に合格し、キャリアの大半を検事として過ごしました。

 

 ハリスの名前が有名になったのは、2013年にバラク・オバマ大統領(当時)が、当時カリフォルニア州司法長官(Attorney General of California)だったカマラ・ハリスを「我が国でもずば抜けて美人の司法長官」と呼んだことで批判を受け、ハリスに直接謝罪するという出来事が起きてからです。


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 民主党の大物議員だったバーバラ・ボクサーの後を受けて、2016年の連邦上院議員選挙で当選したばかりの頃から既に、2020年の米大統領選挙の有力候補として、司法のキャリアが長かったキリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)と共に名前が挙がっていました。

 

 今回、ハリスは選挙運動のスローガンに「フォ・ザ・ピープル(For the People)」を掲げ、平等、良識(慎み深さ)、正義、民主政治体制を強調して訴えるとしています。ここがトランプ大統領との対抗軸になるということでしょう。対外関係についての言葉はありませんが、既にヒラリー・クリントンと会談を持っているということですので、人道的介入主義派に近いと見ることも出来るでしょう。




 アメリカでは非白人の大統領は出ましたが、女性大統領はまだ出ていませんし、非白人の女性大統領も出ていません。今回、トゥルシー・ギャバ―ド(インド系・太平洋島しょ部系)に続いて、カマラ・ハリス(ジャマイカ系・インド系)が出馬していますが、民主党の大統領選挙候補者指名を受けることは難しいと言わざるを得ません。

 

 これで民主党予備選挙は多士済々、討論会では時間が足りないことになるでしょうが、にぎやかな選挙戦となるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

カマラ・ハリスが大統領選挙出馬を表明(Kamala Harris announces presidential campaign

 

カイル・バラック筆

2019年1月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/426272-kamala-harris-announces-presidential-campaign  

 

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は月曜日、2020年の大統領選挙に出馬する予定だと発表した。

 

ABCの番組「グッドモーニング・アメリカ」に出演し、「私はアメリカが州国大統領選挙に出馬します」と述べた。

 

「私は大統領選挙出馬にとても高揚感を感じている」。"I'm very excited about it."

 

ハリスは2020年米大統領選挙民主党予備選挙の有力候補として早くから名前が挙がっていた。今月に入り、ハリスが出版した回想録『私たちが手にしている真実・あるアメリカ人の旅路"The Truths We Hold: An American Journey"』販売促進の宣伝ツアーとメディア出演が始まったことを受けて、彼女の出馬が取り沙汰されるようになった。

 

カマラ議員は、平等、良識(慎み深さ)、正義、そして民主政治体制を選挙戦では訴えていくことになる、スローガンは「フォ・ザ・ピープル(人々のために)」を使用すると述べた。

 

ハリスは2016年に連邦上院議員選挙に初当選した。以前はカリフォルニア州司法長官を務めた。

 

彼女はABCに出演中に、「私のキャリア全ては人々の安全を守るということに費やされてきました」と述べた。

 

ハリスは、「私が現状を見た時に考えるのは、アメリカ国民は、彼らのために戦い、自己利益よりも国民を優先する人物を指導者に持つだということです」と述べた。

 

ハリスの両親は公民権運動に参加した人々であり、「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーに大統領選挙出馬を発表できたことは光栄なことです」と発言した。

 

ハリスは次のように述べた。「キング博士を偲びかつお祝いする日である今日はアメリカ国民である私たちすべてにとって特別な日です。私たちがキング博士について考え、思いをいたす日に立候補宣言をすることが出来たのは光栄なことだと思います」。

 

ハリスは今月初め、「アメリカは非白人の女性が大統領として迎えるための準備はできています」と述べた。

6分13秒からのやり取り

ABCのテレビ番組「ザ・ヴュー」に出演し、出演者の一人アビー・ハンツマンはハリスに次のように質問した。「トランプが解き放ったものを、私たちはこれまで目撃してきました。それでもなお、この国は非白人女性初の大統領が出てくる用意が出来ていると思いますか?」。

 

ハリスは次のように答えた。「それは間違いありません。聞いてください。これは何も私自身のことを言っているのではありませんよ。しかし、私はアメリカの一般国民の皆さんの能力について話しているのです」

 

ハリスは「アメリカの一般国民をもっと信用しなくては」と述べた。

 

ハリスは「アメリカ国民を信用しましょう。アメリカ国民はずっと賢いのですから」と述べた。

 

ハリスはアメリカ国民が指導者について考える際に、自分たちに都合の良い性別や人種よりも、「共通性」を重視するはずだと確信していると述べた。

 

「何か負担に思っていることがあると、真夜中にふと目を覚ますことがありますよね。・・・自分たちが投票すると登録している政党の考えを受け入れていれば夜中に何かを考えて目を覚ますことなんてありません。夜中に何かが頭の中にあって目を覚ましてしまうことがあっても、それは人口の人種構成比というようなことではありません」。

 

ハリスは次のように述べた。「皆さん、夜中に目を覚ます時というのはたいてい2、3の心配事のことですよね。健康についてであったり、子供たちや自分の親についてであったり。“就職できるだろうか?”“仕事を続けられるだろうか?今月末の支払いは大丈夫だろうか?老後は安心して暮らせるだろうか?”といったことですよ」。

 

ハリスは「私たちの大部分は、私たちを引き裂く違いよりも、より多くの共通するものを持っています」と述べた。

 

ハリスは今週日曜日(1月27日)にカリフォルニア州オークランドで集会を開き、正式に選挙運動を開始することになる。

 

ハリスは多くの顔ぶれが出ると予想されている民主党予備選挙に参加することになった。

 

ハリスの同僚である民主党所属の連邦上院議員であるエリザベス・ウォーレン(マサチューセッツ州選出)とキリステン・ギリブランド(ニューヨーク州選出)はこれまでに大統領選挙に向けた準備委員会発足を発表している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の米大統領選挙民主党予備選挙出馬に呼応するかのように、正式にはまだ出馬宣言をしていないバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に対する包囲網が形成されつつあります。民主党エスタブリッシュメント、サンダース議員がウォール街民主党と呼ぶ勢力がこの包囲網形成を行っています。

 

 こうした動きの裏にはきっとヒラリー・クリントンがいるだろうと思っていましたが、ヒラリーが動き出していることを示す記事が出てきました。ヒラリーがキングメイカー気取りで、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、ジョン・ヒッケンルーパー・コロラド州知事、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長といった人々と米大統領選挙に関して議論を行ったという記事が出てきました。

 

 ヒッケンルーパー知事とガルセッティ市長以外のハリス、ブッカー、ウォーレンの各連邦上院議員は、これまでにも民主党の有力候補の顔ぶれという記事では必ず名前が出て来ていました。ジョー・バイデン前副大統領、サンダース議員、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)が人気のトップ集団とすると、それに続く二番手集団を形成している人物たちです。


hillaryclintonelizabethwarren001
ヒラリーとエリザベス・ウォーレン

 これらの人々がヒラリーに面会を求め、助言を求めている、議論を行ったということは、ヒラリー派の色がつくことを厭わないが、表面上は党の融合と団結を打ち出していこう、ということになります。ヒラリー派宣言ということになります。こうなると、問題は、バーニー・サンダースと彼を支持する人々との戦いということになります。サンダース派とサンダース支持者の数は多くありません。社会主義者を自認する人が進歩主義的、かつ大企業、ウォール街を敵に回す公約を主張しているのですから、多数派にはなりません。前回もヒラリーが民主党の大統領選挙候補者となりました。

 

 しかし、民主党自体が盛り上がらず、全体に支持が広がらなかったのは、民主党予備選挙でサンダースが善戦したことで、ヒラリーとサンダースと間の攻撃合戦がずっと長引き、その結果、ヒラリーは共和党側からの攻撃と共に身内である民主党内からの激しい攻撃にも晒されるということが原因になりました。民主党全国委員会がヒラリーを贔屓していたことも明らかになり、党の大統領選挙立候補者を決める民主党全国大会もしゃんしゃん大会とはいかず、サンダースを支持する人々が抗議の声を上げ、サンダースがどうか止めてくれるようにと懇願する姿がありました。

 

こうしてみると、ヒラリーからすれば、自分が大統領になり損ねたのは、共和党の攻撃のせいというよりも、サンダースからの攻撃の方が原因として大きいということになります。

 

 サンダースとサンダースを支持する人々は、現在、サンダースに対する攻撃が既に始まっていることに怒りを持っているはずです。そして、こうした攻撃は、民主党エスタブリッシュメントがやらせていることも認識しているはずです。そうなれば、ヒラリー派という色がついた人物を攻撃することはあっても、応援することはないでしょう。

 

 そうなれば、結局、前回2016年と同じことの繰り返しということになります。現職大統領という最大のセールスポイント(bully pulpit)を利用するトランプが有利に事が運ぶということになります。

 

 民主党にとっての最大の選挙対策は、ヒラリーに引っ込んでおいてもらうということになります。しかし、それは不可能なようです。それは、ヒラリーの側近が「予備選挙の動向如何で物事は大きく変化する可能性を持っている」と語り、ヒラリーの出馬の可能性を匂わせていることからも明らかです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリー・クリントンからの支持を勝ち取るための静かな競争(The quiet race to win Hillary Clinton's endorsement

 

マイク・アレン筆

2019年1月4日

『アクシオス』誌

https://www.axios.com/2020-presidential-election-hillary-clinton-endorsement-8b686c6c-d624-40eb-8d50-5effacb3e46f.html

Several possible 2020 candidates have sought advice from Hillary Clinton, and she has meetings scheduled with additional hopefuls.

 

行間を読む:ヒラリー・クリントンは次の米大統領選挙について、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、コーリー・ブッカー連邦上院議員、ジョン・ヒッケンルーパー・コロラド州知事、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長と議論を行った。ヒラリーの長年の側近2名が取材に対して答えた。

 

私は、この件が数か月続いており、これからも続くという話を聞いた。それは、ヒラリー・クリントンが話をしたいと言ってくる民主党の政治家とは誰でも話をするという姿勢を取っているからだ。彼女はいつも誰かと会っている。

 

ヒラリーの長年の側近であるある人物は「多くの人々が彼女の知恵を求めている」と語った。

 

この側近は「ヒラリーはトランプを大統領の座から追い落としたいと望んでいる。誰がトランプを倒すことができる、最適な人物なのか、彼女はまだ分かっていない。しかし、党の候補者指名を得るための戦いの激しさについてはよく分かっている」とも述べた。

 

立候補の可能性がある人々は「数多くの民主党員、民主党支持者がヒラリーを愛しており、米大統領選挙に再び出馬して欲しいと望んでいることを知っている」とこの人物は語った。

 

「目端の利く人物たちは、ヒラリーが、オバマを除いて、最も影響力のある支持者(支持を表明する人物)となることは認識している」とも語った。

 

ヒラリー・クリントンの報道担当ニック・メリルは私に次のように語った。「私は私的な会談についてコメントはしない。これからもそうだ。ヒラリー・クリントンは大統領選挙に出馬を考えている人とは誰でも、出馬に伴って起きる挑戦(とその他の重大事)、そして2016年の大統領選挙に向けた選挙戦期間で彼女が目撃したことから学んだ教訓について(ロシアのことは除いて)、喜んで話すというだろうと思われている」。

 

=====

 

ヒラリー・クリントンが2020年の米大統領選挙に出馬の可能性がある民主党の政治家たちと会談を持つ(Hillary Clinton is meeting with possible 2020 Democrats

 

ダン・メリカ(CNN)筆

2019年1月4日

CNN

https://edition.cnn.com/2019/01/04/politics/hillary-clinton-2020-meetings/index.html?utm_term=image&utm_source=twCNNp&utm_content=2019-01-04T15%3A44%3A02&utm_medium=social

 

CNN発。ヒラリー・クリントンからの支持を得るための競争が始まった。

 

元国務長官で2016年の米大統領選挙民主党候補者であるヒラリー・クリントンは、2020年米大統領選挙について、カマラ・ハリス連邦上院議員、コーリー・ブッカー連邦上院議員、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、ジョン・ヒッケンルーパー・コロラド州知事、エリック・ガルセッティ・ロサンゼルス市長と議論を行った。ヒラリーに近い人物2名が取材に答えた。また、他の有力候補たちと話し合う計画があるとも述べた。

 

ヒラリー・クリントンと大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちが会談を持つということの意味は、候補者たちがヒラリーからの支持を重要視しているということだ。ヒラリーには現在でも熱心な支持者たちが多く存在するし(彼女はわずか2年前に6500万を超える票を獲得した)、強力な資金集めネットワークを維持している。

 

ヒラリー・クリントンに近い人物はCNNに対して、民主党の政治家5名がヒラリーと既に会談を持ち、その他にも会談の順番を待っている人たちがいる、こうした人々は大統領選挙に出馬する場合のヒラリーからの支持を求めようとしている。

 

取材に応じたある人物は「そうした人々はヒラリー・クリントンからの支持を求めているのは明白だ。その他の人たちも彼女に連絡を取って会談を持とうとしている」と語った。

 

ヒラリー・クリントンに近い人々の間にある共通理解は、前回の大統領選挙の民主党候補者であるヒラリーは今回の米大統領選挙民主党予備選挙には参加しないし、誰が党の候補者になっても支持することになる、というものだ。しかし、ある人物は、予備選挙の動向如何で物事は大きく変化する可能性を持っていると注意を促した。

 

ハリス議員、ウォーレン議員、ブッカー議員、ガルセッティ市長の各報道担当はコメントを拒否した。ヒッケンルーパー知事はCNNのコメントの求めに応じなかった。

 

『アクシオス』誌は、民主党の予備選挙に出馬する可能性がある候補者たちがヒラリー・クリントンと会談を持ったことを最初に報じた。

 

ヒラリー・クリントンの報道担当ニック・メリルは、階段の内容についてコメントすることを拒否した。

 

メリルは次のように語った。「私は私的な会談についてコメントはしない。これからもそうだ。ヒラリー・クリントンは大統領選挙に出馬を考えている人とは誰でも、出馬に伴って起きる挑戦(とその他の重大事)、そして2016年の大統領選挙に向けた選挙戦期間で彼女が目撃したことから学んだ教訓について(ロシアのことは除いて)、喜んで話すというだろうと思われている」。

 

CNNのMJ・リーとレベッカ・バックがこの記事の取材に参加した。

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 2016年の米大統領選挙で民主党の一部から大反発を受け、結局、本選挙でもドナルド・トランプに敗れたヒラリー・クリントンですが、リベラル派であるはずの彼女らしからぬ発言がアメリカで注目を浴びました(少しですが)。

 

 イギリスの高級紙『ザ・ガーディアン』紙とのインタヴューに応じ(インタヴューが行われたのはアメリカ国内)、その中で、ヨーロッパ各国はそろそろ移民流入を止めるべきだ、そうしないと各国のポピュリズム、反移民を掲げる政党がますます台頭して、国内政治を混乱させ続けるし、テロリズムの脅威も増えるという発言を行いました。リベラル派なら、自分の国が大変な状況で出てこざるを得なかった難民の皆さん、大変ですね、いらっしゃい、と言いそうなものですが、それを制限すべきと発言しました。

 

 ヒラリーがどうしてこのような発言をしたのか、いくつかの解釈が出来ると思います。ヒラリーは2020年の米大統領選挙への再出馬を考えているのではないかという報道がアメリカではなされています。まだ諦めていない、ということです。そのために、移民を制限すべき、という発言をして、移民に対して否定的な世論に迎合しているという考えが出来ます。しかし、こんなことをしても、2016年にヒラリーに投票しなかった人たちが、ヒラリーも考えを変えたか、立派立派と彼女に投票するはずもなく、また、リベラル派の重要な主張でもある移民について否定的な考えを示したことで、民主党内での支持を失うということまで考えられます。

 

ヒラリーが本気で、移民制限を主張することで大統領選挙で勝利したいと考えているのなら、政治センスがない、世論の風向きを読めないということで、どんなに頭が良くても、一国の指導者には向かないということになります。「トランプや、私の夫ビルのようにアホで何も考えていないのに大統領になれて、あんなあほな男たちよりもずっと頭が良くて、人格も立派な自分が大統領になれないのはおかしい、女性差別だ」とヒラリー考えているかもしれませんが、この場合、ヒラリーに政治家としてのセンスと能力が欠如していることが問題であるということになります。

 

 また、民主党の内部闘争に目を向ければ、バラク・オバマ前大統領、露骨に言えばミシェル・オバマ夫人の影響力が増大し(次の大統領選挙の民主党候補者にはオバマの支持がある人が良いと考える人が増えつつある)、2016年の大統領選挙で、民主党予備選挙でヒラリーを追い詰めたバーニー・サンダース連邦上院議員をはじめとする、民主社会主義者の勢力も伸びています。民主社会主義者たちは、移民問題について寛容な立場を採ります。これに対して、ヒラリーは自分が「現実主義的な」リベラルであるとアピールして、民主党内での影響力を保持しようと考えているという解釈もできます。

 

 更に、アメリカ外交の潮流にも目を転じれば、ヒラリーは、人道的介入主義派ということになります。人道的介入主義は、戦争や飢餓などが起きている、もしくは非民主的な政治体制で国民が弾圧を受けているそのような国々に対しては、それらの国々の国民を救うという人道的な目的のために、アメリカが軍事力を行使しても良い、いやすべきだ、という考えです。ヒラリーにしてみれば、「バラク・オバマ前大統領のリアリズムも、ドナルド・トランプ大統領のアイソレーショニズムも、シリア問題を解決できずに難民を生み出した。私が大統領になって、アメリカ軍をシリアに派遣しておけば、難民問題なんか起きなかったんだ」ということになります。更に、「世界を一つに、国境などなくそう、全ての国々が民主的政治制度と資本主義的経済制度を採り入れたら理想世界が実現するという私たちの崇高な理念の邪魔になるポピュリズム、ナショナリズムが移民流入のために台頭してきているのは望ましくない」ということを述べていることになります。

 

 ヒラリーが今頃移民制限のようなことをヨーロッパに仮託して述べたところで、結局のところ、アメリカ政治での影響力を回復することもまた増すことはできません。成仏しきれずに悪霊となってさまよい続けるような態度であり続ける限り、ヒラリーに次の機会はありませんし、一番得をするのはドナルド・トランプ大統領ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリー・クリントンは、ヨーロッパ各国に対して、ポピュリストの台頭を防ぐためという理由で移民受け入れを制限するように求めた(Hillary Clinton calls on Europe to curb migration to halt populists

 

ブランドン・コンラディス筆

2018年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/news/417989-hillary-clinton-calls-on-europe-to-curb-migration-to-halt-right-wing-populists

 

ヒラリー・クリントン元国務長官はヨーロッパ各国の指導者たちに対して、ヨーロッパ大陸における右派ポピュリズムの脅威が増大する中で、それに対抗するためにより厳格な移民政策を実行するように求めている。

 

クリントンは木曜日に発行された『ザ・ガーディアン』紙に掲載されたインタヴュー記事の中で、「ヨーロッパは移民流入をコントロールする必要がある。なぜなら移民流入が火に油を注ぐことになっているからだ」と発言している。

 

「アンゲラ・メルケルのような各国の指導者たちが採用している、非常に寛大で温かいアプローチについて私は称賛する。しかし、ヨーロッパはもう十分に自分たちのやるべきことをやったと言うことは正確であると私は考える。そして、ヨーロッパは明確なメッセージを送らねばならない。それは、“私たちはこれ以上避難所と支援を与え続けることはできない”というものだ。なぜなら、移民問題についてはある程度のところで線を引いておかねば、それが国家自体を混乱させ続けることになるからだ」。

 

ヒラリー・クリントンの発言は、ヨーロッパ内部における分裂を明示している。ここ数年間の難民の大量流入によって、ヨーロッパ各国の政治状況は分裂的、党派性が強いものとなり、テロリズムの脅威が増大し、過激な主張を行うポピュリズム政党が数多く誕生している。

 

メルケルは、難民流入に関するヨーロッパで行われている議論の中心的存在となっている。メルケルは2015年にいわゆる「開かれたドア」移民政策を税所に実施した。この政策によって、北アフリカと中東から数万の移民がヨーロッパに流入することになった。

 

ドイツ首相であるメルケルは先月、

The German chancellor last month signaled she would be stepping down from her role amid growing unease over the fallout from her policies. ギリシア、ハンガリー、イタリア、スウェーデンなどで反移民を掲げる政党が台頭する中で、メルケルの決心は公表された。

 

ヨーロッパ連合(EU)はまた、イギリスのEU離脱の決定から派生する様々な出来事に対処することに追われている。イギリスのEU離脱の国民投票の結果には、移民に対する恐怖が大きな影響を与えた。

 

ヒラリー・クリントンは2016年の米大統領選挙でドナルド・トランプに敗れた。トランプは反移民的主張で勝利を収めた。トランプの首席戦略官を務めたスティーヴン・バノンは、ヨーロッパにおいて彼の影響力を保持しようとしている。バノンは、ブリュッセルに本部を置く新しい組織を作った。これは、ヨーロッパ大陸にある各国のポピュリズム政党の勢力を伸長させることを目的としている。T

 

ヒラリーはザ・ガーディアン紙とのインタヴューの中で次のように語った。「移民を政治の道具や政権の姿勢のシンボルに使うことで、政治は間違った方向に進んでしまう。移民たちの持つ文化的ヘリテージとアイデンティティ、国民の統合に対する攻撃も強まる。こうしたことは現在、アメリカの政権によって利用されている」。

 

ヒラリーは次のように語った。「移民問題に対する解決策についてだが、なにもメディアや政治的に立場の違う人々を攻撃することではない。また、陪審員を買収することでもないし、自分たちの政党や運動に対しての経済的、政治的支援をロシアに求めることでもない」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 リベラル派メディアの代表格『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ワシントン・ポスト』紙で、それぞれ、ドナルド・トランプ大統領とトランプ大統領の長女で補佐官を務めているイヴァンカ・トランプについてスキャンダルが報じられました。

 

 トランプ大統領に関しては、2016年の大統領選挙で民主党候補者としてトランプ大統領と争ったヒラリー・クリントン元国務長官とジェイムズ・コミー前FBI長官を訴追して欲しいという希望を表明し、それに対して、大統領の法律顧問だったドン・マガーンが反対したという内容です。アメリカの各省のトップは、「Secretary」で、日本語では長官となります。国務長官は、Secretary of Stateとなります。それでは、司法長官はSecretary of Justiceになるかと言うと、そうではなくて、United States Attorney Generalとなります。連邦政府の法律家トップであり、司法省のトップを務めるのが職務となります。法律問題に対して、アメリカ連邦政府を代表して意見を述べたり、大統領に助言をしたりするということになります。また、Attorney General という言葉は、日本語では「検事総長」という訳語も当てられますが、検事のような役割を果たすこともあります。

 

 トランプ大統領がヒラリー・クリントンを訴追したいと望んだのは、ヒラリーが抱えている私的Eメールアカウントを国務長官の業務内容、機密事項を含むやり取りで使用した問題のためだと思います。ヒラリーのこの問題が出てから、FBIの捜査が行われ、訴追が行われるのかどうかが大統領選挙でも焦点となりました。その時のFBI長官がジェイムズ・コミーで、コミーの差配で一度は訴追なしになったのに、選挙の投票日直前に再び捜査を始めるということになって、ヒラリー側には大きな痛手となりました。

 

 国家機密を含む内容のEメールを公開することはできないでしょうが、トランプとしては、ヒラリーは国家を危険に晒したとして、ヒラリーの再起の芽を摘みたいと思っていたのでしょう。しかし、中間選挙も終わり、民主党では既にヒラリー以外の名前が大統領選挙の候補者として名前が出ており、かつそこにヒラリーが出るという話も出て、民主党が分裂状態になるようであれば、ヒラリーも出てくれたら、楽だな、民主党は自滅するだけだしなと考えていることでしょう。ですから、ヒラリーに再出馬をさせて、民主党を混乱させて、その上で、ヒラリーのスキャンダルを出して、当選の芽を摘むということを考えているでしょう。

 

 ジェイムズ・コミーに関しては、FBI長官を退任後にトランプ大統領を非難していることもあって、カッと来て訴追したいと述べたものと思われますが、その他に、コミーの怪しい動きの裏に誰がいたのかということを知りたいということもあったのでしょう。FBI長官は、エドガー・J・フーヴァーのように、あらゆる情報を集め、政治家たちを脅しあげて、言うことを聞かせることも可能なほどに力があり、かつ危険なポジションです。それに対して、牽制を加えたいということは歴代の大統領が望んだことでしょう。トランプ大統領もその例外ではないということになります。

 

 トランプ大統領の記事が出た翌日、長女で補佐官を務めるイヴァンカ・トランプのスキャンダルが『ワシントン・ポスト』紙によって報じられました。イヴァンカが政府の業務内容を私的なEメールでやり取りしていたという内容です。これは、外見上は、前述のヒラリーのスキャンダルとよく似た内容で、「ヒラリーを訴追したいと言ったあなたは、娘もまた訴追したいと言うのか」というトランプ大統領に対して喧嘩を売る内容です。

 

 リベラル派のメディアであるニューヨーク・タイムズ紙とワシントン・ポスト紙が協力して、トランプ大統領をおちょくる、喧嘩を売る内容を報道したという感じを受けます。「ヒラリーのEメール問題で訴追すると言っていたあなたの娘さんで補佐官が同じことをしていましたがどうするんですか」というような感じのおちょくりです。トランプは、ヒラリーの場合とは異なる、とイヴァンカのことを擁護しましたが、ここまで計算に入っての報道でしょう。

 

 来年の1月から連邦議会も新しい議員を迎えて始まります。連邦下院民主党は過半数を奪取したということで鼻息荒く、トランプ大統領を攻撃するとしています。今回のその材料を与えたということになります。「トランプ包囲網」を形成しているつもりでしょうが、ヒラリーの話が蒸し返されると、民主党にとっては大きな弱点となります。ヒラリーが表に出ない、引退するということであればこの弱点は大きなものとはなりませんが、まだ野心があるということになると、この弱点を突かれてしまうことになるでしょう。「諸刃の剣」ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は、司法省がヒラリー・クリントンとコミーを訴追することを希望した(Trump wanted DOJ to prosecute Clinton, Comey: report

 

ミーガン・ケラー筆

2018年11月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/417729-trump-wanted-doj-to-prosecute-clinton-comey-report

 

トランプ大統領は司法省に対して、2016年の大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンとFBI前長官ジェイムズ・コミーを訴追するように希望した、と『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じた。

 

トランプ大統領は今年春、当時の法律顧問ドン・マガーンに対して、ヒラリーとコミーを訴追したいという希望を述べ、これに驚いたマガーンはトランプを翻意させようとして、大統領にはそのような権限はないと発言した。

 

マガーンは後に、大統領はそのような権限を持ってはいるが、そのような依頼をすれば権力の乱用という非難を受けるだろうとトランプ大統領に対して述べた、とニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

 

この時、マガーンは、ホワイトハウスの法律家たちが作成した、大統領の権限についてまとめたメモを後で送ることを大統領に約束した。メモの中で、法律家たちは、訴追を要求することで、トランプ大統領自身への弾劾やその他のマイナスの反応を引き出す可能背が高いと警告を発した。

 

ホワイトハウスに対してコメントを求めたが返答はなかった。

 

マガーンは、就任から21か月後の今年10月にホワイトハウスの法律顧問を辞任した。トランプ大統領はマガーンの後任に商務が専門の弁護士パット・シポローンを起用した。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ大統領が私的にヒラリー・クリントンとジェイムズ・コミーの訴追の可能性についてこれまで話し合いを行ってきたという、この問題について実際にトランプ大統領と話した2人の人物の証言を掲載している。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ大統領がどのような容疑で訴追を行うように望んでいるのかは具体的にはなっていないとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

 

訴追の希望についてトランプ大統領と話したある人物は、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、トランプ大統領はクリストファー・レイFBI長官が積極的にヒラリー・クリントンについて調査を行わないことにいつも失望を表明していると語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は更に、オバマ政権がロシアの原子力省によるウラニウム採掘企業の買収に対してオバマ政権が許可を出すにあたってヒラリー・クリントンが果たした役割についてレイが調査しないことについて、トランプは不満を募らせているとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。

 

昨年、トランプの弁護団は秘密裏に、司法省に対してコミーに関して政府の秘密情報を不適切に扱ったこととヒラリー・クリントンのEメール問題の調査について調査を行うように依頼したとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。この依頼は拒絶されたということだ。

 

マガーンの法律顧問ウィリアム・バークは、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、マガーンは「彼が大統領に対して行った法律に関する助言について以下なることもコメントしない」と述べた。

 

バークは次のように述べた。「他のいかなる依頼人と同様に、大統領に対しても秘密が守られる権利が保障されている。マガーン氏はおそらく、彼の知っている限りにおいて、大統領が誰かに対してヒラリー・クリントンもしくはジェイムズ・コミーを訴追するように命じたことはないと述べるはずだ」。

 

=====

 

イヴァンカ・トランプは個人Eメールアカウントから政府の業務に関するEメールを数百通送った(Ivanka Trump sent hundreds of emails about government business on personal account: report

 

ジャスティン・ワイズ筆

2018年11月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/417532-ivanka-trump-sent-hundreds-of-emails-about-government-business-on

 

イヴァンカは連邦政府の記録に関する規則に違反し、自身の個人アカウントから政府高官たちにEメールを送っていた、と『ワシントン・ポスト』紙が報じた。

 

大統領補佐官であり、大統領の長女でもあるイヴァンカ・トランプは、ホワイトハウスに関わる作業と彼女自身のスケジュールを政権の職員、高官、彼女自身のアシスタントたちに数百通のEメールを送っていたと報じている。

 

ホワイトハウスの倫理担当職員が5つの行政機関が昨年秋に収集したEメールを精査した際に、このことを発見した。5つの行政機関は公的な記録を巡る訴訟に対処するために準備を行う一環として、Eメールを収集した。

 

ホワイトハウスの倫理担当職員は精査の過程で、イヴァンカ・トランプがホワイトハウスにおける業務に関する議論を私的なEメールアカウントを使って行っていた、とワシントン・ポスト紙が報じた。

 

本誌はホワイトハウスにコメントを求めたが返答はいまだにない。

 

今回のスクープは、ヒラリー・クリントンの国務長官在任中に私的Eメールサーヴァー使用を思い出させるものだ。

 

ヒラリーが私的なサーヴァーを使用したことは、2016年のアメリカ大統領選挙における重要な問題となり、ジェイムズ・コミー前FBI長官は投票日のわずか1週間前に、この問題についての捜査を再開することを決定した。この決定はトランプとの選挙戦におけるターニングポイントとなった。

 

トランプ大統領はヒラリー・クリントンの私的Eメール使用を非難の材料として多用した。トランプ支持の集会に集まった群衆は、私的なEメールサーヴァー使用問題に対して、「彼女を逮捕せよ」と叫び続けた。

 

ワシントン・ポスト紙は、イヴァンカ・トランプが今回の問題発覚に対して政府の記録に関するルールの詳細な点について知らなかったと答えた、とこの問題について知っているある人物の証言を掲載している。

 

イヴァンカ・トランプの弁護士兼倫理担当補佐官アビー・ローウェルの報道担当ピーター・ミリジャニアンは、ワシントン・ポスト紙に対して、イヴァンカ・トランプはルールについての教えられる前に、私的なEメールを使って政府の業務を議論したと語った。

 

ミリジャニアンは声明の中で次のように述べた。「政権以降期において、公的なEメールアカウントが与えられたが、他の人々に対して与えられた使用ガイダンスを、業務開始前までに与えられなかった。トランプ氏は時に私的なEメールアカウントを使用したが、そのほとんどは家事のことやスケジュールについての連絡だった」。

 

ミリジャニアンは更に、イヴァンカ・トランプは数カ月前に政府の業務に関するEメールを公的なEメールに引き継いだと述べた。ミリジャニアンは、イヴァンカ・トランプの私的Eメール使用はクリントンの場合とは異なるとも語った。

 

ミリジャニアンは次のように語った。「トランプ氏は自宅や事務所に私的なサーヴァーを設置していない。機密情報はやり取りしたEメールには含まれていない。Eメールアカウントはトランプ・オーガナイゼーションから移されていないし、どのEメールも削除されていない」。

 

イヴァンカの反応は、ワシントン・ポスト紙は、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァーの使用が暴露された時と似た反応だと論評している。しかし、ヒラリーの私的Eメール使用とイヴァンカの場合が違うのは、ヒラリー・クリントンがオバマ政権の国務長官在任中に、業務に関する公的なEメールを私的Eメールシステムだけを使ってやり取りしていた点だ。

 

ワシントン・ポスト紙は、イヴァンカ・トランプは私的なサーヴァーを使って政府の業務に関してやり取りしたのは100通以下であった、その他のEメールでは彼女のアシスタントとの旅行計画とホワイト蓮のスケジュールをやり取りしたものであった。

 

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