古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ヘンリー・キッシンジャー

 古村治彦です。

 

 米朝首脳会談が「成功」に終わり、最も得をしたのは中国、最も損をしたのは日本ということは衆目の一致するところだと思います。中国は朝鮮半島からアメリカ軍を追い払うことができることになりました。6月19日から20日にかけて金正恩委員長が中国を訪問しますが、「朝鮮半島の中国の従属国への復帰」のお祝いをしていることでしょう。

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 韓国は言葉の障壁がない安い労働力と投資先を得て、中国ともっと緊密につながり、一帯一路に陸路で参加でき、ロシアからパイプラインで天然資源を手に入れることが出来る可能性が高まりました。そのために北朝鮮の「非核化」の費用や開発のお金を支払うことは当然だし、安いものだと思っているでしょう。これで経済が刺激されればGDPが伸びると計算しているでしょう。また、北朝鮮と「一体化(統一は体制が違いすぎますし、奇妙な世襲制スターリン主義とはいくら何でも統一国家)」することで、実質的に「核兵器を持つ大国」となることができます。

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 日本はアメリカに捨てられ(アメリカが勝手に東アジアの最前線から引き揚げて、日本を最前線にする)、しかも、従属国であることはそのまま、更にお金をもっと出させられるという結果になりました。日本の安全保障上、北朝鮮の非核化にお金を出すのは良いと思いますが、それで安全保障環境が改善するのですから、国防費の伸びを抑える、もしくは削減するということにならねば実質的に国防負担が増大するということになります。アメリカは既に日本に国防費の増額を執拗に要求しています。大して守ってくれない宗主国にお金だけを取られるという最悪の状況になるでしょう。

 

 米朝首脳会談ではっきりしたのは、アメリカの衰退、それでもアメリカは東アジアで日本を最後まで従属国として手放さず、一緒に沈めようとしていることです。心中相手に選ばれてしまったということです。今回の米朝首脳会談を主導したのは、ジャレッド・クシュナーとマイク・ポンぺオ国務長官だったようです。下に貼り付けたいくつかの記事の最後に、クシュナーが昨年夏から北朝鮮とトランプ政権との間に秘密の交渉チャンネルを作っていたことを報じる記事を掲載します。

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クシュナー(左端)とその隣のポンぺオ 

 クシュナーは「ヤング・キッシンジャー」として、トランプ政権内部で、「リアリスト」として影響力を持っています。今回の米朝首脳会談に関して、表に出てこないイメージでしたが、昨年の夏に既に秘密の交渉チャンネルを作っていたということで、その手腕は確かなものと言えるでしょう。

 

 クシュナーに北朝鮮から働き掛けがあった時に、クシュナーが外交を所管する国務省のレックス・ティラーソン長官ではなく、スパイ組織統括や情報収集を専門とするCIAのマイク・ポンぺオ長官に話をしたという点が重要です。今年になってティラーソンが国務長官を解任され、ポンぺオが後任となったということを考えると、ティラーソン更迭にはクシュナーが関わっていた、米朝首脳会談はクシュナーとポンぺオのコンビが主導したということになります。

 

 ポンぺオについては、以下の記事にあるように、国務長官に決まった時点で、「コーク兄弟のための国務長官」という評価が出ていました。ポンぺオは自身が起業する際には、コーク兄弟が経営するコーク・インダストリーズの子会社から資金提供を受けましたし、連邦下院議員選挙に挑戦する際には多額の資金提供をコーク兄弟から受けました。コーク兄弟については、私が訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)を是非お読みいただきたいと思います。コーク兄弟は、リバータリアニズムを信奉しています。リバータリアニズムは反中央政府、反税金、反福祉で、アメリカの対外戦争、外国への介入に反対の立場を取ります。この点で、クシャナ―と師匠であるヘンリー・キッシンジャーと同じです。コーク兄弟から恩義を受けたポンぺオがそこに加わることで、今回の米朝首脳会談がとりあえず「成功した」ということになります。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 更に言えば、コーク・インダストリーズは石油や天然資源の開発を基幹とし、様々な事業を展開しているビジネス帝国です。コーク兄弟の父親でコーク・インダストリーズの創業者フレッド・コークは巨大石油企業メジャーと戦ってきた人物です。北朝鮮には豊富な天然資源が眠っていると推定されています。コーク兄弟はこの開発にも進出しようと考えているのではないかと思われます。


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 また、ドナルド・トランプ大統領の強力な支持者にカジノ王シェルドン・アデルソンがいます。アデルソンはアメリカのユダヤ人社会のリーダーでもあり、ジャレッド・クシュナーにとっては先輩格にあたる人物です。私は米朝首脳会談のニュースで、金正恩委員長が、アデルソンが経営しているシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズを訪問し、居合わせた人々に愛嬌を振りまいていた姿を見ました。北朝鮮がカジノを誘致したいという考えを持っているということは以下の記事に書かれているとおりです。アデルソンは日本のカジノ建設推進にも積極的にかかわっています。このように考えると、アデルソンは北朝鮮の中国国境近くの羅津や新義州の経済特区に進出したい、中国の富裕層が資金洗浄や資金を逃がすことが出来るようなカジノを作りたいと考えているのではないかと思います。アデルソンがトランプ、クシュナーに影響を与えたということは十分に考えられます。

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トランプとアデルソン




 このように見ていくと、キッシンジャー・アデルソン・クシュナーというビジネス優先のリアリストと、コーク兄弟・ポンぺオというリバータリアンのつながりが米朝首脳会談を「成功」させたと考えることが出来ます。

  

(貼り付けはじめ)

 

ポンぺオという選択はトランプがコーク兄弟と協力するという姿勢を闡明するものだ(Selection of Pompeo Solidifies Trump’s Position with Koch Brothers

 

―レックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオに国務長官に交代となるが、ポンぺオの起用は外交政策をコーク兄弟のお気に入りが担当することを意味する

 

アデル・M・スタン筆

2018年3月14日

『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌

http://prospect.org/article/selection-pompeo-solidifies-trumps-position-koch-brothers

 

ドナルド・J・トランプは、コーク兄弟がトランプは大統領の座にとどまってよいと考える限り、アメリカ大統領の座にとどまることが出来るだろう、と私はこれまで主張してきた。つまり、政治的な影響力を持つ大富豪の兄弟は2010年の中間選挙で共和党が連邦下院で過半数を占めることに貢献した。彼らは連邦下院を支配している。アメリカの統治システムにおいて、大統領をその座から追い落とすための実効的な試みは連邦下院からしか始められない。連邦下院は唯一大統領の弾劾を行える統治機関である。簡潔に述べるならば、トランプは弾劾といった事態を避けるためにコーク兄弟を自分の味方に引き入れておく必要があるということだ。トランプの重要な公約である大幅減税を法律にすることに関し、トランプは立場が少し弱いということになる。

 

2016年、コーク・インダストリーズの経営者で、巨大は右派の政治組織を作ったチャールズとデイヴィッドはトランプを侮辱する政治ショーを展開した。チャールズ・コークはトランプとヒラリー・クリントンのどちらかを選ぶということを、心臓発作にかかるのがよいのか、癌になるのがよいのか、という選択のようなものだと述べた。デイヴィッド・コークは共和党全国大会への出席を拒否した。デイヴィッドは2012年の大会には代議員として出席し、大規模なパーティーを催した。

 

トランプ選対責任者を務めたポール・マナフォートは現在、アメリカ合衆国に対する共同謀議参加の疑いで起訴されている。マナフォートと言えば、コーク兄弟におべっかを使っていたマイク・ペンスを副大統領候補にするように進言するという判断を行った人物である。この時、大多数の共和党員や支持者たちは、激しい言動で知られるニュージャージー州知事クリス・クリスティが副大統領候補になると考えていた。これが大統領選挙におけるコーク兄弟によるトランプ支持のやり方であった。しかし、コーク兄弟は保険をきちんとかけてもいた。トランプがコントロールできない状態になったら、大統領を弾劾できる機能を持つ連邦下院の議員たちに対して弾劾を行うようにサインを送ることが出来るようにしている。コーク兄弟はトランプから大統領の座を奪うための実行者たちを子飼いとしているのである。

 

トランプは国務長官をレックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオCIA長官に交代させる決定を下した。トランプは再び、どちらが自分にとって有利な判断になるかを分かっていた。ポンぺオは既にコーク兄弟の支持者や友人たちが参加している政権に入っている。コーク兄弟が率いている大口献金者ネットワーク参加者ベツィー・デヴォス、デイヴィッド・コークの友人ウィルバー・ロス商務長官、ライアン・ジンケ内務長官(元連邦議員で、コーク・インダストリーズが国有地においてウラニウム採掘を行うことを認めた)と言った人々がいる。その中でもポンぺオは特別だ。ポンぺオは連邦議員時代に「コーク・インダストリーズからの資金提供ナンバー1」と「OpenSecrets.org」という非営利団体から2016年にツイートで書かれるほどであった。

 

シンクタンクのシンク・プログレスに所属しているジョー・ロムンは次のように説明している。

 

2010年から2016年にかけて行われた4回の国政選挙において、ポンぺオはコーク・インダストリーズの従業員たちから寄付として33万5000ドルを受け取った。この金額の中には、コーク一族からの9万2000ドルが含まれていた。そのほかにもコーク・インダストリーズの政治行動委員会から6万9000ドル、コーク兄弟によって創設された右翼の市民団体アメリカンズ・フォ・プロスペリティから41万7175ドルが渡された。加えて、コーク一族から資金援助を受けているその他のグループから8万7532ドルが支払われていた。

 

連邦議員1人を「買う」のには90万ドル強のお金が必要ということになる。

 

気候変動に対して人間の活動は影響を与えていないと主張する人物が国務長官になろうとしている。コーク兄弟もそのように考えている。コーク兄弟は化石燃料をビジネスと基盤とするビジネス帝国を支配している。そして、トランプ大統領自身もまた共和党が過半数を握っている連邦下院がトランプ大統領に反旗を翻して、彼を辱めるということに懸念を持っている。

 

これが2018年の中間選挙の重要なポイントである。トランプにとってみれば、どの法案が可決され、されないということが重要ではない。トランプにとってみれば、大統領の座にとどまることこそが重要だ。そして、行政機関に更なる規制緩和を行わせ、彼自身と大富豪の友人たちに利益を与えることが重要なのだ。「略奪プロジェクト」はこれからも続く。

 

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「デカいカジノで外貨を稼ごう」金正恩氏の次なる野望

 

高英起  | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

5/14() 6:39

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20180514-00085178/

 

日本政府は427日、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案を閣議決定し、国会に提出した。政府・与党は今国会での成立を目指しているが、ギャンブル依存症の増加を懸念する野党の反発は根強く、先行きには不透明さが残る。

 

そんな日本を横目に、北朝鮮の金正恩党委員長が最近、東海岸の元山(ウォンサン)にワールドクラスのカジノホテルを建設するよう指示を下したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

 

北朝鮮には、すでにマカオや香港資本の外国人専用カジノがあるが、一般国民の目に付かぬよう営業している。それが今回は、庶民が対象の政治学習で周知されているというから、これまでとは違う大規模で本格的なカジノホテルが計画されているもようだ。

 

この知らせを受け、庶民の間では「わが国に国家認定の賭博場ができるなんて!」と困惑が広がっているという。

 

それも当然だろう。賭博は売春や覚せい剤の乱用などと並び、北朝鮮当局が忌み嫌う資本主義文化の典型とされており、法律でも厳しく禁じられているからだ。また、この3つは「セット」で行われることも多く、北朝鮮当局はその蔓延に手を焼いている。

 

実際、経済特区が置かれた羅先(ラソン)のカジノホテルが売春の巣窟となり、そのあまりに露骨な有様に業を煮やした金正恩氏が「外国人相手の売買春を厳しく取り締まり、行為を行った者は銃殺にせよ」との指示を出したとも伝えられた。

 

それにしても、北朝鮮にカジノが出来たとして、どれだけの人が遊びに行くのだろうか。RFAによると、政治学習では「日本や韓国の観光客を誘致する」といった趣旨で説明されているという。南北対話の流れの中で観光特需を狙っているようだが、韓国人はまだしも、日本人が大挙して出かけていくとは考えられない。

 

と、思ったら、海外のカジノ事情に詳しいジャーナリストから次のような話を聞いた。

 

「マカオなどのカジノには、横領などで得た犯罪収益や脱税資金をロンダリング(洗浄)する目的で訪れている客も少なくない。北朝鮮ほど閉鎖的な国のカジノなら、むしろ完璧な資金洗浄スキームを提供できるかもしれない」

 

北朝鮮は過去、中東や欧州の犯罪組織から資金洗浄を請け負い、外貨稼ぎをしていたと言われる。今回のカジノ構想にも、そのような目的が含まれているのだろうか。

 

前出のジャーナリストが続ける。

 

「ただ、やっぱり資金洗浄だけが目的でカジノにやってくる金持ちもいない。風俗産業とか、カジノ以外のエンタテインメントなど複合的な魅力があってこそ、客は集まる」

 

ということはやはり、目論見どおりワールドクラスのカジノを作れたとしても、そこを中心に、売春や覚せい剤乱用の新たな広がりを生んでしまう心配もあるのではなかろうか。

 

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核放棄の代わりにカジノ開発?北朝鮮の金委員長の構想に、韓国ネットは否定的「誰が行く?」「遊びに行って捕まるかも?」

 

Record china配信日時:201865() 1630

https://www.recordchina.co.jp/b607802-s0-c10-d0124.html

 

5日、韓国・東亜日報によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の委任を受けた金英哲朝鮮労働党副委員長が1日、米国のトランプ大統領と行った会談で、元山市・馬息嶺一帯にカジノなどの観光商品を開発するための投資支援を要請したことが分かった。資料写真。

 

コメント

201865日、韓国・東亜日報によると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の委任を受けた金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が1日(現地時間)、米国のドナルド・トランプ大統領と行った会談で、元山(ウォンサン)市・馬息嶺(マシンニョン)一帯にカジノなどの観光商品を開発するための投資支援を要請したことが分かった。

 

金副委員長は投資支援の見返りとして、トランプ政権が望む「完全かつ迅速な非核化」への金委員長の具体的なメッセージを伝えたとみられている。

 

「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」は、金委員長が1月の新年の辞で造成計画を明らかにした事業の一つとして知られている。

 

記事は「韓国政府内からは北朝鮮が同地区にカジノを造り国際観光団地として運営すれば、毎年5000万ドル(約55億円)前後の外貨を稼ぐことができるとの観測が出ている」とし、「北朝鮮の年間貿易額(70億~80億ドル)を考えると、かなりの規模だ」と伝えている。また「北朝鮮のドルの主な収入源である石炭輸出、海外労働者派遣などが国際社会の対北朝鮮制裁によって行き詰まっている状況であるため、観光事業で厳しい状況を打開すべきとの判断によるものと思われる」と分析した。

 

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「なぜカジノなんだ?」「紛争地域にカジノを建設するようなもの」「安全が保障されなければ、そんな所にカジノを造っても行く人はいない」「遊びに行って捕まる恐れがある」「北朝鮮まで行って、カジノで楽しむ意味ってあるのか?」など、カジノ建設構想に否定的な意見が寄せられている。

 

また「なぜカジノ建設を米国に頼むのだ。韓国に頼めばいいのに」と、自国を頼りにしない北朝鮮に対し疑問の声も。

 

その他に「トランプが元山に新たにトランプタワーを建設するかも」「こんな議論をしてもどうせ、北朝鮮が核を放棄することはないと思う」などとするコメントもあった。(翻訳・編集/三田)

 

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●「金正恩氏が夜の街へ ベンツで外出、スマホ撮影に笑顔」

 

シンガポール=野上英文、武田肇、守真弓20186112357

https://www.asahi.com/articles/ASL6C7R2TL6CUHBI04N.html

 

 米朝首脳会談のためシンガポール入りしている北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は11日夜、宿泊しているホテル、セントレジスから大型ベンツに乗って外出し、シンガポール市内の観光名所に姿を現した。一方、12日に会談の舞台となるセントーサ島は、物々しい雰囲気に包まれた。

 

 正恩氏は人民服姿で、カジノで有名な海沿いのマリーナ・ベイ・サンズを訪れた。スマートフォンのカメラで撮影しようとする大勢の市民を前に、軽く右手を上げながら笑顔を見せ、建物の中に入った。20分ほどして出てきた時も、笑顔で手を上げた。(略)

 

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北朝鮮はクシュナーを通じて秘密の連絡チャンネル構築に関心を向けていた(North Korea looked to set up communications back channel through Kushner: report

 

ジャクリーン・トムセン筆

2018年6月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/asia-pacific/392656-north-korea-looked-to-set-up-communications-backchannel

 

あるアメリカ人実業家は、北朝鮮政府とトランプ政権との間の秘密の連絡チャンネル構築に関心を持っていた。しかも、ホワイトハウス顧問にしてトランプ大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナーを通じて。この実業家は昨年、そのために動いていた、と日曜日の『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

 

金融関係の実業家ガブリエル・シュルツは昨年の夏ごろ、トランプ政権に接触し、ある北朝鮮政府高官がトランプ大統領と金正恩委員長との会談実現の可能性についてクシュナーと話をしたいと言っていると語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナーは当時のCIA長官マイク・ポンぺオに接触や会談についての話を持ち込んだ、ということだ。これは、当時緊張関係にあった当時のレックス・ティラーソン国務長官にはこの話をしなかったということを示している。

 

ホワイトハウスとCIAはシュルツがクシュナーに接触したと報じられていることについてコメントを拒否した。

 

シュルツはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、文書による声明で、「私は私のビジネスの性質と個人的な人間関係について議論するつもりはない」と答えた。

 

クシュナーは昨年、中国政府の複数の高官とトランプ政権との間の秘密のチャンネルを構築したと報じられている。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナーと駐米中国大使はトランプと中国の習近平国家主席との会談を実現させたということだ。

 

トランプ当選から政権欲職までの移行期にクシュナーは複数回にわたり駐米中国大使と会談を持った。その際に中国専門家を同席させなかった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、現職のそして元アメリカ政府高官たちはこのような行為を苦々しく思っていたということだ。

 

先週、トランプ大統領は金委員長と首脳会談を行った。これは、アメリカ大統領と北朝鮮の指導者の初の直接会談となった。

 

2人の指導者は、アメリカが安全に関する保証(中身ははっきりしない)を与える代わりに、北朝鮮が非核化を行うというものだ。トランプは更にアメリカと韓国との共同軍事演習の中止を発表した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 少し古い記事になりますが、今年1月にアメリカ連邦上院でキッシンジャーが証言を行ったことを紹介する記事を掲載します。

 

 キッシンジャーは、北朝鮮の核兵器開発に刺激され、韓国と日本が核武装を行うこと、更に多くの国々が核武装によって国際問題解決で優位に立とうとするシナリオについて懸念していると発言しました。そのことが北朝鮮によるアメリカ領土に対する攻撃よりも懸念が大きいとしています。

 

 また、レーガン大統領の下で国務長官を務めたジョージ・シュルツも同席し、核兵器を使うことに反対を表明しました。小型であろうが1発でも使ってしまえば次はより大型の核兵器を使うようになり、大量殺戮を行うことになると述べました。核兵器を都市部で使えば非戦闘員の虐殺となり、国際法に違反することになります。

 

 この席にはジャパン・ハンドラーズの大物リチャード・アーミテイジも出席していたようですが、発言は紹介されていません。日本でこそ超大物のアーミテイジですが、アメリカではそこまでの存在ではないということが分かります。

 

 キッシンジャーとシュルツの発言から考えると、「北朝鮮の核兵器開発はそれ自体よりも、周辺諸国やそのほかの国々の核武装を誘発することの方が怖い」「核兵器を使用することは断じて容認できない」ということになります。これらを合わせて考えてみると、「北朝鮮の核兵器開発は止めさせねばならないが、アメリカが小型の核兵器でさえも使うことは容認できない」ということになります。このことは北朝鮮にも向けられた発言ですから、北朝鮮が核兵器開発を止めるならよいが、そうでないならば、悪いシナリオへと進む前に、通常兵器を使ってでも止めさせるということになります。

 

 ヒラリーたちがリビアのカダフィを殺してしまったために、今回の北朝鮮問題は対話での解決を難しくしてしまっています。アメリカがリビアのカダフィに対して核兵器開発を放棄すれば体制維持を保障してやると約束し、カダフィがそれに従ったのに、最終的に殺されたことを金正恩は知っています。ですから、最後の最後まで核兵器やミサイルを手放すことはしない、手放してしまえば結局身の破滅だ、ということになります。リビアにまで波及した「アラブの春」については拙著『アメリカ政治の秘密』の中で、詳しく分析しています。

 

 ですから、ヒラリー派の人道的介入主義派が行った行為によってアメリカに対する信頼がない状況で対話が難しくなってしまっているので、北朝鮮の核兵器とミサイルという深刻な懸念を取り除くために実力行使ということになる可能性は高いように思われます。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャー:北朝鮮を発端とする核兵器拡散は攻撃よりも大きな脅威だ(Kissinger: Nuclear proliferation greater threat from North Korea than a strike

 

レベッカ・キール筆

2018年1月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/defense/370714-kissinger-warns-about-nuclear-proliferation-if-north-korea-successful

 

ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は木曜日、連邦上院議員たちに対して、北朝鮮の武器開発プログラムが発端となる核兵器拡散は、北朝鮮がアメリカを攻撃するよりも深刻な脅威であると警告を発した。

 

キッシンジャーは連邦上院軍事委員会に出席し次のように発言した。「北朝鮮の核開発プログラムについて私が深刻な懸念を持っているのは、アメリカ領土に対する北朝鮮が突き付けている脅威に対してではない。もちろんこの脅威も深刻ではあるが。私が急迫している脅威だと考えているのは次のものだ。もし北朝鮮が将来に軍事的な核兵器能力を保有するようになれば、核兵器の拡散に与える影響は深刻なものとなるだろうということだ」。

 

キッシンジャーは続けて次のように語った。「北朝鮮が中国とアメリカの反対、世界中の不同意に直面しても核兵器開発能力を維持できると、他の国々が国際的な地位の向上と国際的な紛争において優位に立つためにこの方法があるのだと考えるようになるだろう。」

 

キッシンジャーは、ロナルド・レーガン政権の国務長官を務めたジョージ・シュルツ、ジョージ・W・ブッシュ(子)政権で国務副長官を務めたリチャード・アーミテイジといった外交政策分野の重鎮たちと共に国家安全保障戦略について証言を行った。委員会にとっては北朝鮮と核兵器が主要な懸念であり、北朝鮮政府は核兵器開発プログラムを進展させていることを確認している。トランプ政権は「核戦略の見直し(Nuclear Posture Review)」の発表の準備をしている。 リークされた「核戦略の見直し」の草稿には、ロシアと中国をけん制するために「小型(low-yield)」核兵器開発計画が含まれている。

 

キッシンジャーは、核兵器拡散について、北朝鮮が核兵器を保有するようになると、韓国も核兵器保有を望むようになり、日本もその方向に動くというシナリオを提示した。

 

キッシンジャーは続けて次のように述べた。「そして、私たちはこれまでとは異なる新しい世界に生きるようになる。この新しい世界では、適切な指令系統を持つ技術的に核兵器を持つことが出来る国々が、国民の不同意があっても、核兵器を保有するようになるだろう」。

 

キッシンジャーはまた北朝鮮との戦争の結果について懸念を表明した。特にロシアと中国が演じるであろう要素について懸念を表明した。

 

キッシンジャーは次のように語った。「北朝鮮に対して先制攻撃を行いたいという誘惑は強力だ。私個人の考えでは、中国とロシアの国境で、世界の主要国、少なくともアジアの主要国の支援なしでアメリカ一国だけが戦争を行うことに大きな懸念を持っている。」

 

シュルツはキッシンジャーの発言内容に同意し、加えて、「レッドライン(最終ライン)を引く際には注意深くあるべきだ」と述べた。

 

シュルツは次のように述べた。「中身のない、空虚な脅威がアメリカを破壊する。従って、私はレッドライン(最終ライン)を引く際に注意深くあるべきだと考えている。このレッドラインが破られた場合、最終的に核戦争に至ってしまう可能性が高いからだ」。

 

公聴会の間、シュルツは来月に発表される予定の国防省による「核戦略の見直し」に関して懸念を表明した。

 

シュルツは草稿を読み、核兵器使用を進んで行おうという意図があるように感じられた、と述べた。

 

シュルツは次のように述べた。「核兵器を使用するという考えが広がっているということに懸念を持っている。核兵器は核兵器だ。小型の核兵器を1発でも使えば、次はより大型の核兵器を使用するようになる。私は、核兵器はどんなサイズになっても核兵器なのだから、私たちは厳格に線引きをしなければならない」。

 

シュルツは、ユナイテッド・レリジョンズ・イニシアティヴのビル・スィングの発言を引用して次のように述べた。「聖書に手を置いて、アメリカ大統領になる際に宣誓をすれば大統領になれる。核兵器の発射ボタンに手を置いたら、100万人の人間を殺すことが出来る何かを発射できる。しかし、それをやってしまったら、その人物はもう大統領ではない。神となったのだ」。

 

シュルツは続けて次のように語った。「私たちが神であると誰が言うことになるのだろうか?核兵器は非道徳なものだ、とレーガン大統領は繰り返し述べた。私たちは核兵器を廃棄しなければならない」。

 

(貼り付け終わり)

 

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米軍の北朝鮮爆撃は6月! 米、中が金正恩体制破壊を決行する日


(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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 古村治彦です。

 

 北朝鮮の度重なるミサイル発射や核実験のために、東アジア地域は緊張感を増しています。最大の関心事は、アメリカが北朝鮮を攻撃するのかどうか、です。アメリカが北朝鮮を攻撃する場合には、地上軍は出さず、ミサイル攻撃と空爆によって大規模な拠点を叩き、中国人民解放軍が地上軍を投入して、北朝鮮の現在の政府を機能停止させる、その後、自民解放軍は撤退し、韓国軍が管理し、アメリカが保護しているキムハンソル氏が帰国して、中国型の社会主義市場経済の穏健な国として韓国からの援助を受けながら、独立を保ち、国力の増進を図る、ということになるのだろうと思います。

 

 米中関係は緊張を生み出す問題も抱えていますが、二国間できちんと意思疎通ができる状態にあります。ドナルド・トランプ大統領の首席ストラティジストを務めたスティーヴ・バノンが中国を訪問し、習近平国家主席の下放時代からの腹心の友である王岐山と中南海で会談を持ちました。また、国連総会の出席のために訪米した王毅外交部長は、ニューヨーク滞在中にヘンリー・キッシンジャーを訪問しました。

 

 バノンは「米中は経済戦争の状態にある」という発言をし、トランプ大統領も中国に対して激しい言葉遣いをしています。しかし、実際には、中国を敵に回してもいいことはない、ということを良く分かっていて、「はったりをかけて機先を制する」ために激しい言葉遣いをしています。

 

 それをそのままに受け止めて、一緒になって激しい言葉遣いをしたり、攻撃的な態度を取っていると、「二階に上がってはしごを外される」「気づいたら一人ぼっち」ということになります。

 

(貼りつけはじめ)

 

バノンが北京で共産党最高幹部と会談(Bannon met with Communist Party official in Beijing: report

 

ジュリア・マンチェスター筆

2017年9月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/351842-bannon-met-with-communist-party-official-in-beijing-report

 

トランプ大統領の首席ストラティジストであったスティーヴン・バノンは先週中国を訪問し、中国共産党で2番目に力を持った人物と会談を持った。『フィナンシャル・タイムズ』紙が報じた。

 

フィナンシャル・タイムズ紙は、バノンは、中国共産党反腐敗運動の責任者王岐山から指導部が集住している中南海へ招待を受けた、と報じた。

 

バノンは中国政府所有の金融仲介企業の一部門から招待を受けて香港でスピーチを行った。そのあとに招待を受け、中南海で90分にわたる会談が行われた。

 

取材に応じた複数の人物は、会談は予定されているトランプの訪中とは関係ないと語った。

 

ホワイトハウスにおいて反エスタブリッシュメント勢力だと考えられていたバノンは、退役海兵隊大将ジョン・ケリーが新たに大統領首席補佐官に任命された後、先月、首席ストラティジストを辞任した。

 

ブライトバード会長バノンは、トランプの経済ポピュリズム的な発言に最も影響力を持った人物であった。トランプは繰り返し、米中間の貿易関係について激しい言葉遣いで語ってきた。

 

先月、辞任する前に、『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌上において、バノンは「アメリカは中国と経済戦争の真っただ中にある」と語った。

 

バノンは貿易と北朝鮮をめぐる動きについて次のように語った。「彼らが話している内容が全てだ。彼らは自分たちが行っていることについて躊躇なく話をしている。米中いずかれかがこれから25年から30年の間、世界覇権国となる。現状のままでいけば、覇権国となるのは彼らだ。統一された朝鮮半島は、こうした動きに連動している。朝鮮半島問題は二次的な問題に過ぎない」。

 

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中国外交部長が米中関係に関してキッシンジャーと会談(Chinese FM meets Kissinger over China-US ties

 

新華社通信

2017年9月19日

http://www.chinadailyasia.com/articles/141/187/1/1505816463661.html

 

ニューヨーク発。中国外交部長・王毅は月曜日、ヘンリー・キッシンジャーも特務長官と会談を持ち、米中二国間関係に関して議論を交わした。

 

王毅は、2017年が中華人民共和国とアメリカの国交回復45周年である事実を指摘し、この45年間における米中関係の発展は、協力こそが唯一の正しい選択であったことを示していると述べた。

 

両国の努力のおかげで、米中関係は安定して推移し、今年1月にアメリカで新政権が成立した後もプラスの発展をしていると王部長は述べた。王部長は本年度の国連総会の年次総会に出席するためにニューヨークを訪問した。

 

米中両国は、習近平国家主席とドナルド・トランプ大統領との間に重要なコンセンサスが形成し、戦略的な相互信頼を強化し、協力関係を拡大し、相違点をうまく処理するように真摯に努力すべきだと王部長は述べた。

 

王外交部長は、本年のトランプ大統領訪中の準備の重要性と、米中両国民、その他の国々の人々の利益のために米中関係を緊密化させるために訪中を成功させる必要があると強調した。

 

キッシンジャーは、米中関係は国交回復以来歴史的な発展を遂げ、両国と両国民にとって手にとって分かる利益をもたらしてきた、と述べた。

 

キッシンジャーは、今日、いくつかの分野で相違は存在するが、米中両国は協力することと協力できる分野を拡大することを学ぶことができると述べた。

 

キッシンジャーは、トランプ大統領の中国訪問はいくつかの問題を解決できるだけでなく、米中両国間の中長期的協力のための健全な基盤づくりの助けとなることを希望すると述べた。

 

キッシンジャーと王部長は朝鮮半島の核問題を含む様々な問題について意見を交換した。

 

●中国は、一帯一路イニシアティヴの下で、ウクライナとの関係強化を明言(CHINA, UKRAINE PLEDGE TO BOOST TIES UNDER B&R INITIATIVE

 

中国外交部長はウクライナ外相のパヴロ・クリムキンと会談を持ち、両国の協力を緊密化することで一致した。

 

王部長は、中国は一帯一路イニシアティヴの下で機会をとらえてウクライナとの協力関係を深め、相互尊重、平等、互恵を基礎とした両国間の戦略的なパートナーシップを進めたいと考えていると述べた。

 

王部長は、両国間の外交関係が樹立されて25周年であり、両国関係は堅固だと述べた。

 

中国はミンスク合意に基づいて対話と交渉を通じてウクライナ危機の政治的な解決を支持する、と王部長は述べた。

 

クリムキン外相は、ウクライナは一帯一路イニシアティヴを全面的に支援し、この枠組みで中国との協力関係を深化させ、両国関係をより堅固にしたいと述べた。

 

クリムキン外相は、ウクライナは国際問題、地域問題について中国が中立的な立場を採っていることを評価し、ウクライナ危機の解決のためにより大きな役割を果たすことを望むと述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12








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 古村治彦です。

 

 今回は、ヘンリー・キッシンジャーによる北朝鮮問題の分析記事をご紹介します。北朝鮮は金正恩委員長の指導の下、ICBMを開発し、アメリカの領土を射程に捉えたという報道がなされています。ICBMは第二次世界大戦中にドイツが開発したV(報復)1ロケット(イギリス国内を攻撃した)がその原型と言われています。世界大戦から72年も経過し、その当時、最先端技術であった原子爆弾も長距離攻撃ミサイルも作ろうと思えばどの国でも作ることが可能なものとなりました。

 

 北朝鮮はアメリカとの交渉を求めています。6か国協議という枠組みはありますが、北朝鮮は多国間協議の枠組みには何も決める力がないのだから、アメリカとの直接交渉しかないと考えています。韓国や日本、ロシアや中国を無視している状況です。一方、アメリカはトランプ大統領が激しい言葉遣いをしていますが、ティラーソン国務長官は交渉最優先という立場を取っています。

 

 北朝鮮とアメリカは両国ともに交渉を求めていますが、北朝鮮はアメリカとの直接交渉、アメリカは中国に北朝鮮への対応を求めつつ交渉は6か国協議で、とそれぞれ異なる主張を行っています。

 

 ヘンリー・キッシンジャーがトランプ政権の外交指南役であることはすでにこのブログでも数度にわたってご紹介しました。キッシンジャーの考えはトランプ政権の外交に反映されるのですから、彼の考えを知っておくことは重要です。

 

キッシンジャーは北朝鮮の「非核化(denuclearization)」を目的としています。そのためには武力行使という選択肢を完全に排除しないとしながらも、交渉を優先するという立場を取っています。そして、キッシンジャーは北朝鮮の体制転換を求めず、核兵器を放棄した場合に、その機に乗じて北朝鮮を攻撃しないということを国際社会が約束することを条件にすべきだと述べています。

 

キッシンジャーは中国の存在と思惑を考慮しながら、アメリカと中国が衝突することなく、非核化(北朝鮮だけでなくアジア地域全体)という共通の目的を達成すべきだとしています。

 

私は北朝鮮という国家は、力の空白の中に存在する稀有な国であると考えています。野球で打球が野手の間に落ちてしまうということがありますが、野手の一人が無理をすれば打球をキャッチできるのに、誰も怖くて無理をしないために結局キャッチできない、ということになります。北朝鮮はまさにこのような打球であると考えます。

 

北朝鮮が存在することで、中国はアメリカと直接陸上で対峙しなくて済むという状況にあります。ロシアも同様です。長年中国の圧力を受けるという歴史を経験してきた朝鮮半島の国家である韓国からすれば、逆のことが言えます。そうした中で、どの国も「北朝鮮は存続して欲しいが、核兵器は持ってほしくない」と考えることになります。

 

私は最近、韓国の大学教員の方と話をしました。北朝鮮について質問すると、「韓国と北朝鮮は、言葉は同じだが、全く異質の国同士となってしまった。これを急に統一することはかえって危険である。韓国には急激な統一に耐えられるほどの経済力もない。また、国民の中にも北朝鮮と統一したいと考える人はそう多くない」と答えました。

 

私の中には、朝鮮半島の分断状態は良くないことなので出来るだけ早く統一すべきだという考えが前提にありましたが、「二国共存状態(two-state solution)」ということも考慮しなければならないのだと考えを改めました。

 

北朝鮮としてはアメリカに対して、体制保障と不可侵を求めています。そのための交渉のカードとして核兵器やICBMを開発しています。朝鮮半島問題について考える場合に、「朝鮮半島は統一されるべきだ、それも韓国に吸収される形でというのが望ましいし、それ以外は無理だ」という考えが前提となりますが、統一ではなく、まずは二国共存で、北朝鮮をより開放された、中国のような国にすると考えると選択肢が広がり、短期的には危機が回避されるではないかと思います。

 

(貼りつけはじめ)

 

「北朝鮮危機をどのように解決するか」

―アメリカ政府と中国政府との間の理解が不可欠の前提条件である。日本政府と韓国政府もまた重要な役割を果たすことになる

 

ヘンリー・A・キッシンジャー筆

『ウォールストリート・ジャーナル』紙

2017年8月11日

https://www.wsj.com/articles/how-to-resolve-the-north-korea-crisis-1502489292

 

30年以上にわたり、国際社会は北朝鮮の核開発プログラムに対して、非難と有罪判決宣告の引き伸ばしという矛盾した対応を取ってきた。

 

北朝鮮政府の無謀な行為は強く非難されている。核兵器開発に向けた動きは受け入れられないという警告が国際社会から発せられている。しかし、北朝鮮の核開発プログラムは加速される一方だ。

 

2017年8月5日に国連安全保障理事会によって北朝鮮に対する制裁決議が満場一致で可決された。これは大きな前進を意味する。もっとも、合意されるべき決議はまだ議論されたままで残っている。しかし、大きな一歩は踏み出された。

 

しかし、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの発射実験を成功させた。これによって、更なるごまかしを行う余地が失われることになった。

 

金正恩が中国とアメリカによる反対と国連安保理の満場一致の制裁決議があるにもかかわらずに核開発プログラムを推進するならば、重要なプレイヤーである諸大国間の地政学的な関係を変化させることになるだろう。

 

国際社会が困惑している間に北朝鮮が全面的な核攻撃能力の開発を完成させてしまったら、アジア地域、特にアメリカの同盟国である日本と韓国におけるアメリカの核の傘の信頼性を一気に失わせるという深刻な事態を招来することになるだろう。

 

北朝鮮は長年にわたり核開発を行ってきた。そして、北朝鮮による核の脅威がアメリカの領土に到達するということになり、北朝鮮の核兵器が存在することによる無秩序が生み出される可能性も出てきている。北朝鮮が実用に耐えるICBMを持つには、弾頭の小型化、ミサイルへの弾頭の設置、複数のICBMの製造が必要であり、これにはしばらく時間がかかる。

 

しかし、アジア諸国は、北朝鮮が既に開発している短距離、中距離のミサイルによる攻撃という脅威に直面している。

 

この脅威が増していくと、ヴェトナム、韓国、そして日本といった国々において自国の防衛のために核兵器を開発するという動機が急速に大きくなっていくだろう。これは、アジア地域や世界全体にとって良くない転換点ということになる。

 

北朝鮮が既に開発した核技術から後退させることは、更なる開発を防ぐことと同じく重要になる。

 

アメリカ単独、もしくは複数の国による対北朝鮮外交はこれまで成功していない。それは主要諸国の目的を一本化させることができないためだ。特に中国とアメリカとの間で北朝鮮の核兵器開発を実際にどのように阻止するかという点で合意が形成されていないためだ。

 

アメリカは北朝鮮に対して核開発プログラムを終了することも求めている。しかし、アメリカからの要求は何らその効果を示していない。軍部を含むアメリカの指導者たちは、軍事力の行使には消極的だ。ジム・マティス国防長官は朝鮮半島における戦争は「破滅的なものとなる」という見通しを述べた。

 

北朝鮮では数千本の大砲が韓国に向けて据えられている。それらは韓国の首都ソウルを射程内に捉えている。これは、ソウルと周辺地域に住む3000万人の人々を人質にとるという北朝鮮の戦略を反映している。

 

アメリカ単独による先制軍事行動は中国との衝突を引き起こすという大きなリスクをはらんでいる。中国は一時的にはアメリカの軍事行動を許容するだろうが、それでも中国の鼻先でアメリカが決定的な結果をもたらそうとする戦略を実行することを我慢して受け入れることはないであろう。1950年代の朝鮮戦争において中国は戦争に介入したという事実は中国がアメリカと衝突する可能性があることを示している。

 

軍事力の使用は注意深く分析されねばならない。そして、軍事力使用に関する言葉遣いもまた抑制的でなければならない。しかし、軍事力の行使の可能性を排除することはできない。

 

これまで述べたような考えを前提にして、トランプ政権は中国に対して、北朝鮮の非核化を実現するための外交的な努力を行わせようと試みている。こうした努力はこれまでのところ、部分的にしか成功していない。

 

中国はアメリカが持つ核兵器の拡散に関する懸念を共有している。実際のところは、中国こそは北朝鮮の核兵器によって最も影響を受ける国なのである。しかし、アメリカは北朝鮮の非核化という目的を明確に示しているのに対して、中国は北朝鮮の非核化がもたらす政治的な結果に直面することを嫌がっている。

 

北朝鮮は核兵器開発プログラムに国の資源の多くの部分を投入している。その割合は国力に釣り合わないものだ。そうした中で、核兵器開発プログラムの放棄、もしくは実質的な削減や後退は北朝鮮国内で政治的な混乱を引き起こし、更には体制転換にまで至る可能性がある。

 

中国はこのことをよく理解している。従って、最近の外交上の大きな成果としては、中国が原則として北朝鮮の非核化を支持しているということを中国が明確に示したことだ。しかし、同時に、北朝鮮国内の分裂や無秩序状態が起きることは、中国にとっての2つの大きな懸念を引き起こす。

 

一つ目の懸念は北朝鮮国内の危機が、中国の政治と社会に与える影響である。中国の1000年に及ぶ歴史で繰り返された出来事が再び繰り返されるのではないかという懸念である。

 

二つ目の懸念は北東アジア地域の安全保障に関するものだ。中国は北朝鮮の非核化に貢献する誘因が存在する。そして、中国としては北朝鮮の非核化から朝鮮半島全体の非核化を行いたいと考えている。現実には韓国には現在のところ、核兵器開発プログラムは存在しない。計画の発表すらない。しかし、国際的な核兵器開発禁止は別の問題となる。

 

中国は非核化につつく北朝鮮の政治的な発展についてもある程度の利害関係を持っている。それは、朝鮮半島において二国共存状態を維持するか、統一を行うか、といことであり、北朝鮮地域における軍事力の展開に制限をするかどうか、ということでもある。

 

これまでのところ、トランプ政権は中国に対して北朝鮮へ圧力をかけるように求めてきた。アメリカは自国の目的のために中国を下請け業者のように扱ってきた。より良い、唯一実現可能なアプローチはアメリカと中国両国の努力と試みを一本化し、共通の立場に立ち、他の国々の参加を求めていくということだ。

 

「我々の目的は北朝鮮を利害関係諸国が参加する会議に出席させることだ」とアメリカ政府は何度も発表している。こうした発表は、交渉こそがアメリカの目的だという前提の存在を反映している。交渉は自国の都合の良いタイミングで行われ、交渉に相手を引きずり出す圧力とは関係なく、交渉は最終的な合意まで続けられるべきだとアメリカは考えている。

 

しかし、アメリカの外交は、過程ではなく、結果によって最終的に判断される。アジア地域の安全保障構造は危機に瀕していると考える国々とって、アメリカが「我々は自国のみの利益を求めない」と繰り返し主張するだけでは不十分なのだ。

 

どの国が、何について交渉すべきなのか?朝鮮半島の非核化にとってアメリカと中国との間の理解と同意は必要不可欠な条件となる。皮肉な展開なのは、現時点の中国がアジア諸国の会兵器開発を阻止することについて、アメリカよりもより大きな関心を持っているかもしれないということだ。

 

中国は「北朝鮮に対する圧力が不十分だ」と非難されてアメリカとの関係を悪化させてしまうという危険に直面している。北朝鮮の非核化には持続した協力が必要である。経済的な圧力だけで非核化を実現することは不可能だ。米中間の非核化以後の事態、特に北朝鮮の政治的な発展と北朝鮮領土内の軍事力展開の制限に対する共通理解と対策が必要だ。このような共通理解がなされても、既存の日本や韓国との間の同盟関係を変化させてはならない。

 

半世紀に及ぶ歴史に照らしてみると逆説的に見えるかもしれないが、このような理解こそが朝鮮半島における行き詰まりを打開する最良の方法なのである。

 

米中が目的を明確とする共同声明を発表し、暗黙の裡の行動を行うことで、北朝鮮は孤立を痛感し、非核化という結果を守るために必要な国際的な保証の基礎が確立することになる。

 

韓国と日本はこの過程において重要な役割を果たさねばならない。韓国以上に北朝鮮の核開発に最初から関与してきている国は存在しない。韓国はその置かれている地理的な位置とアメリカとの同盟関係によって、政治的な結果に対して大きな発言力を持っている。

 

韓国は外交における解決によって最も直接的な影響を受けることになるだろう。また、軍事的な不測の事態が起きた際には最も危険な状態に陥ることになるだろう。アメリカとその他の国々の指導者たちが、北朝鮮の非核化を利用することはないと宣言することは重要だ(訳者註:核兵器を放棄した北朝鮮を攻撃しないという宣言を行うこと)。韓国はより包括的で正式な考えを表明することになるだろう。

 

同様に、日本は歴史的に朝鮮半島とは1000年以上のかかわりを持っている。日本の安全保障に関する基本的な概念に照らすと、日本が自国で核兵器を所有する状態にない中で、核兵器を持つ国家が朝鮮半島に存在することを許容することはないだろう。アメリカとの同盟関係に対する日本による評価は、アメリカの危機管理において日本の懸念をどの程度考慮してくれるかということにかかっている。

 

アメリカと北朝鮮の直接交渉という代替案も魅力的ではある。しかし、アメリカの直接交渉の相手である北朝鮮は、非核化の実行について最も利益を持たず、米中間を離反させることに最大の関心を持つ。

 

アメリカが中国との間で理解を共有するためには、最大限の圧力と実行可能な保証が必要となる。そして、北朝鮮は最終的な国際会議に出席することができるようになる。

 

核兵器の実験の凍結によって最終的な非核化に向かうための一時的な解決が出来ると主張する人々がいる。この主張の通りに行うことは、アメリカとイランとの間で結ばれた核開発を巡る合意という過ちを繰り返すことになるだろう。アメリカとイランの合意は、技術的な側面のみに限定して地政学的な戦略における問題を解決しようというものだ。これが間違いだったのだ。両国の合意は、「凍結」の定義がなされ、調査手続きが確立されたが、核開発放棄の引き伸ばしに対する口実を与えることになる。同じことが米朝間の合意でも起きるだろう。

 

「北朝鮮は手続きに時間をかけて、彼らの真の目的を隠す戦術を取っている。それは、言い逃れや引き延ばし工作をして長年の悲願を達成しようとしている」という印象を持っている人も多いだろう。北朝鮮はこのような印象を人々に持たせるのは得策ではない。段階的なプロセスを踏むということは考慮するに値するアイディアかもしれないが、それはあくまで北朝鮮の核兵器能力と研究プログラムを短期間のうちに実質的に削減することにつながるものである場合に限られる。

 

北朝鮮が一時的にも核兵器能力を保持することは、永続的な危険性を構造化してしまうことになる。その危険性は次のようなものだ。

 

・貧しい状態にある北朝鮮が核技術を他国に販売することになるかもしれない。

 

・アメリカの北朝鮮の非核化に向けた努力が自国の領土を守ることにばかり集中し、実際に北朝鮮の核の脅威に直面しているアジア地域をほったらかしにしているという印象を与えてしまうことになる。

 

・他国も北朝鮮、相互、そしてアメリカに対抗し、抑止するために核兵器開発を行う可能性も出てくる。

 

・非核化交渉が進まないことに対する不満が中国との間に争いを激化させることになる。

 

・核兵器の拡散はその他の諸地域で加速するだろう。

 

・アメリカ国内で行われる議論はより対立的なものとなるだろう。

 

非核化に向けた実効性のある進歩、それも短期間での非核化こそが最もよく考えられた慎重な望ましい方向ということになる。

 

※キッシンジャー氏はニクソン政権とフォード政権で国務長官と大統領国家安全保障問題担当補佐官を務めた。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22

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 古村治彦です。

 

 アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領によるジェイムズ・コミーFBI長官解任を受けて、トランプ反対派とマスコミからの攻撃が激しさを増しています。連邦議会上下両院で少数派となっている民主党は、来年の中間選挙での躍進を目指して、トランプ政権との対決姿勢を鮮明に打ち出しています。

 

健康保険問題では、共和党内部にもトランプが求めるオバマケア代替法案に反対の議員たちも多く、本当に成立するのか疑問で、また、成立しても、かなりの妥協の産物になっているでしょう。また、トランプを支持した人々は、低所得でメディケイドという公的保険に入っている人が多く、メディケイドに入れないが収入が低い人々はオバマケアで一応保険に入れたが、オバマケア撤廃でどうなるかということで不安と不満を持っています。私は、トランプ大統領は、オバマケアでも良いと思っているのではないかと思います。

 

 減税もトランプ大統領を支持した低所得の人々にとってはあまり恩恵がある話ではなく、そうしたこともあって、現在トランプ大統領の支持率は30%中盤、不支持率は50%超えという状況です。

 

 大手マスコミは毎日派手にトランプ批判を展開しています。私は、外交に関してトランプ大統領を支持していますから、大手マスコミの報道はやり過ぎ、行き過ぎではないかと考えています。以下に、トランプ政権内部の内部闘争に関する記事をご紹介しますが、その中には、政権幹部の話として、旧知の記者たちが「この話は本当か」と噂話を確かめる電話をしてくるが、そんな話はないので否定しても、翌日の新聞には記事として掲載される、という話が紹介されています。

 

 アメリカの歴代政権で、内部闘争がなかった政権などありません。大なり小なり争いはあります。バラク・オバマ政権では人道的介入主義派が国務省を根城にして余りにもバカなことをやるので、ホワイトハウスが外交の主導権を握り、キューバとの国交回復、イランとの核開発に関する合意を成立させました。ジョージ・W・ブッシュ政権時代には、ネオコンがまたあまりにも酷いので、そうではない人々が抑え役に回るということがありました。

 

 私はトランプ政権発足時の閣僚やスタッフの配置を見て、「同じような権限や力のポジションに全く違う考えの人々を起用して、競争させつつ、良い案を出させて、トランプがそれを実行するようになるだろう」と考えました。これは、実業家としては当然のことで、「コンペ(コンペティション)」をして、より良い方を選択する、ということです。しかし、外から見れば、内部で対立がある、上から抑える人がいないと、競争がエスカレートしているように見える、ということになります。

 

 トランプ政権は、ワシントンの政治家や官僚に対する人々の怒り、ポピュリズムから生まれた政権です。ですから、既存の政治家や官僚、そしてマスコミは当然反発します。日本でも、新聞やテレビが政権にうまくコントロールされる、官僚が世論を誘導しようとして情報をリークする、ということが問題になっていますが、アメリカでも同じことです。日本の記者クラブ制度は目につきやすいものですが、アメリカでは目に見えない形で、既存メディアのコントロールがあるように思います。

 

 私は、歴代政権と比べて、トランプ政権だけが特別内部闘争が激しいのではない、ただ、メディアが面白おかしくあることないことを報道して、「激しい対立で政権崩壊寸前」という前提で、出来事を分析する記事を掲載していると、それが「真実」であるかのように見られてしまっている、と考えています。

 

 そして、大きくは、トランプ攻撃でトランプを追い出し、出来れば早くマイク・ペンス副大統領を大統領に、そして2020年には民主党系の人道的介入主義派、もしくはその言うことを聞く人物を大統領に、と共和党ネオコン、民主党、官僚、マスコミは考えているでしょう。

 

 しかし、トランプは何度も逆境を乗り越えてきた人物であり、危機的状況すらも内部の引き締めと裏切り者の排除に使うだけの度胸と力を持っていると私は考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

トランプ政権内部の闘争が沈静化(Infighting cools down in Trumpland

 

ジョナサン・イースリー筆

2017年4月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/330341-infighting-cools-down-in-trumpland

 

トランプ大統領のホワイトハウスは、内部闘争とリークによる傷を癒そうとしている。政権発足からの100日を越えて、内部闘争とリークに付きまとわれている。

 

トランプは、上級顧問であるジャレッド・クシュナーと首席ストラティジストであるスティーヴン・バノンとの間の一時的な休戦を仲介した。クシュナーはトランプの義理の息子であり、政権内での責任が重くなっている。バノンはブライトバート・ニュース社の会長を務め、好き放題なスタイルとナショナリスト的な考えが目立ち、トランプの型破りな選挙運動を象徴する人物である。

 

バノンと話した人は、バノンがクシュナーを攻撃している自分の味方に対して、攻撃をやめるように強く求めたと語っている。

 

 

しかし、政権内部の闘争と明日の新聞にその話が報道されるのではないかという恐怖感のために、トランプ政権の幹部たちは疲れ切っている。

 

政権の幹部たちがマスコミに対して噂を流し、それを払拭しようとして激しく闘っているように見える。本誌の取材に応じた政権幹部たちは、こうした争いに参加することを拒むと走ってくるバスの下に投げ飛ばされる、もしくはマスコミに対して影響力を失っているという話をされる、という不安を感じていると語っている。

 

「やるか、やられるか」という精神状態は幹部から中堅職員に拡大しており、彼らもまた内部闘争に参加するようになりつつある。

 

ホワイトハウスの幹部たちの間で広がっている不平不満はマスコミが数多く取り上げている。今月初め、政権内部に充満する不平不満が噴出した。連邦上院がニール・ゴーシックの連邦最高裁判事任命を承認した日、マスコミがこれよりも大きなスペースで報じたのが、トランプ政権内の宮廷内闘争の話であった。これはトランプ政権の勝利と言える。

 

政権内部の闘争はトランプの支持者たちにも反映し、彼らの間も分裂している。バノン率いる草の根保守派とニューヨークの「リベラル派」として出現しつつある派閥との間で闘いが起きている。クシュナー、イヴァンカ・トランプ、大統領経済顧問のゲイリー・コーン、大統領国家安全保障担当次席補佐官のディナ・パウエルがニューヨークの「リベラル」に分類される。

 

本誌が取材した共和党関係者たちは、内部闘争とリーク合戦がこれまでにないほどの激しさとしつこさだと語っている。

 

トランプを支えている人々は内部闘争がトランプの大統領としての成功を邪魔していると述べている。

 

アメリカ商工会議所の政治担当上級ストラティジストであるスコット・リードは、「これまでなかったレヴェルのリークがなされていることに衝撃を受けています」と語った。

 

リードは次のように語った。「トランプは実業家で、コンペをして、様々な異なった考えが提示されることを好みます。トランプ政権の秘密は、規律が保たれており、内部の話は外に出ないことです。もし規律が保たれず、秘密が外に漏れるようになると、それがマスコミにとっての格好の攻撃材料となり、トランプ大統領にとっては良くないことになります。トランプは規律を正そうとし、それをうまくやっています。政権内の人々は黙って仕事をすることです。そして、ケンカなどせずに、政策をきちんと進めてほしいですね。宮廷内の争いで経済が成長するなんてことはありませんから」。

 

トランプがバノンとクシュナーの争いに介入し、仲裁をしてから、まだ数週間しか経ってはいない。

 

トランプ政権発足から100日間が経過するこの時期は、トランプ政権内のライヴァルたちがまとまって進めるかどうかを占うテストとなる。

 

ホワイトハウスの幹部たちと政権の閣僚たちは総出で、トランプ政権の政策を売り込むために、地方、全国両方のレヴェルのメディアに出演することになる。そして、政権発足100日間は成功であったとアピールするだろう。

 

トランプ政権に近いある共和党幹部は、「政権発足最初の100日を何とかうまく乗り切ったと思う」と語った。

 

ホワイトハウスの幹部たちは、噂話とリーク合戦に嫌気がさしている。そして、内部闘争はマスコミによって過大に報道され、その中のいくつかの話は完全にでっち上げだと主張している。

 

ある政権幹部は本紙の取材に対して、「報道は大袈裟すぎる」と述べた。

 

他の幹部たちは本紙の取材に対して、記者たちは、彼らに電話をしてきて、政権内部のどぎつい、面白おかしい話に就いて本当かどうかを確かめるのだと語った。政権幹部たちがそうした話は真実ではないと語っても、記者たちはとにかくその話を報道してしまうということだ。

 

ホワイトハンス顧問セバスティアン・ゴルカは月曜日、ジョージタウン大学での講演で、「宮廷内闘争のおかげで新聞は売れるし、インターネット上の広告のクリック数も上がる」と述べた。ゴルカは更に、彼が読んだ内部闘争についての記事のほとんどは完全に嘘だと主張した。

 

マスコミ各社のスクープ合戦や蹴落としあいがあるのは間違いないところだ。

 

トランプの支持者の中には、こうした報道は、トランプ大統領の「創造的な緊張関係」を好む姿勢の副産物だと述べる。「創造的な緊張関係」では、側近たちが競争して、最高のアイデアを生み出すことになる、ということである。

 

保守派のシンクタンクであるアメリカン・プリンシプルズ・プロジェクトの所長フランク・カノンは次のように語る。「トランプは何かを決定する前に、出来るだけ幅広い意見を多くの人々から聞くことを好みます。しかし、政権内部で争いが起きている時にこそ、幅広い意見を多くの人々から聞くことを実行すべきです。特にここ数週間、これを実行すると明確に打ち出すべきです」。

 

バノンとクシュナーの衝突はトランプ政権を第一にする姿勢とは程遠いものとなっている。

 

政権発足してから、トランプは、前共和党全国委員会委員長であった大統領首席補佐官レインス・プリーバスを更迭するという噂が流れた。

 

プリーバスの味方をしている人々は、こうした噂を広めていたのは、トランプの大統領選挙の選対本部にいた人々とバノンの味方をしている人々だと確信していた。こうした人々は、プリーバスはエスタブリッシュメント側の人間で、大統領選挙期間中にトランプに対して忠実ではないと考えていた。

 

プリーバスはこのような噂の払しょくに努めた。そして、バノンとプリーバスはそれ以降、友好関係を築いているように見える。

 

保守派の中には、クシュナー・コーン派の台頭に警戒感を持つ人たちもいる。コーンは元民主党員で、ゴールドマンサックスの役員をしていた。トランプの支持層からは大いなる疑いの目で見られている。

 

保守派の多くはバノンのコーンの台頭によってバノンの力が落ちているという懸念を持っている。トランプがバノンを国家安全保障会議最高会議の出席者から排除した後、バノンはそのまま政権から外れるのではないかという噂が出た。

 

ティー・パーティー運動の指導者デビー・ドゥーリーは先週、本誌のインタヴューに応じ、次のように語った。「そのようなことはないと思うが、トランプがバノンを排除するならば、草の根保守の人々の間で大爆発が起きるだろう」。

 

主流派保守の人々はこのような主張に対して不満を募らせている。主流派保守の人々は、トランプ大統領が様々な種類のアドヴァイザーからの助言を聞いていることを喜んでいる。アドヴァイザーの中には、コーン・クシュナー派と深い繋がりを持つパウエルが、大統領国家安全保障問題担当次席補佐官になっていることに安心感を持っている。

 

共和党のヴェテラン職員チャーリー・ブラックは「彼女はリベラルでもなんでもない。彼女が元連邦下院院内総務ディック・アーミー(テキサス州選出、共和党)とジョージ・W・ブッシュの下で働いたことを思い出すべきだ」と語った。

 

ブラックはまた次のように語る。「私はゲイリー・コーンについて知らない。彼はニューヨーク出身で、熱心な民主党支持者であった人物の典型例だ。しかし、彼は実業家であって、問題解決を優先する人物だ。問題解決を優先する姿勢こそがトランプのメッセージであり、それによって彼は大統領選挙に勝ったのだ。このことを理解する必要がある。バノンは最初から選挙戦に関与した人物ではない。そして、トランプのメッセージは変わっていない。とにかく、トランプがアドヴァイザーたちの助言を全く聞かないなどと考える理由は存在しない」。

 

保守派の人々は、「リベラル」派が勝利しつつある兆候を目撃していると述べている。しかし、最終的な勝利を収めている訳ではない。ティー・パーティーの指導者マーク・メックラーは次のように指摘している。ここ数週間のトランプの発言は、製造業とアメリカ国内の雇用創出に重点を置いたものとなっている。しかし、彼は貿易、移民、国境の壁建設、イスラム国打倒からぶれてはいない。

 

メックラーは次のように語る。「私たちは、ホワイトハウスが実際に行っていることをじっくり見つめている。トランプの考えと姿勢以外はすべて雑音に過ぎない」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


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