古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:ヘンリー・キッシンジャー

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期大統領についてのヘンリー・キッシンジャーの評価についての記事をご紹介します。トランプについてはどのような外交を展開するのか未知数であるというのが一般的な評価で、それが不安をもたらしています。

 


 選挙期間中にイラク戦争には反対だったと語り、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を批判し、バラク・オバマ大統領とヒラリー・クリントン前国務長官がIS(イスラム国)を生み出したと斬り捨てています。自分はISを退治することができるが、それは自分を支持する米軍の将軍たちの献策を受け入れるからだとも発言していますが、米軍を中東に派遣する感じはありません。ロシアと関係を改善させたいとし、中国は不公正な貿易を行っていると、1980年代に日本に向けたような批判を行い、台湾を重視するかのような姿勢を取っています。

 

 トランプはめちゃくちゃなことを言っているように見えます。ISをやっつけると言いながら、米軍を出さないということは矛盾しているように見えます。台湾を重視するというのは、中国との軋轢を生み出し、現状では大事にされる台湾も困った立場に追い込まれてしまうことになります。

 

 ヘンリー・キッシンジャーはテレビ番組に出演し、トランプはこれまでの大統領とは違うので、違うアプローチから何か素晴らしいものが出てくる可能性があると発言しました。あくまで、可能性であって、出てこないこともあるということを言いたいようですが、これまでとは違った大統領であり、外交政策も違ったものとなり、それで何か素晴らしいものが生まれて、歴史に名前を残す大統領になるかもしれない、というのがキッシンジャーの評価です。

 

 キッシンジャーは国際関係の学問的潮流で言えば、リアリズム、リアリストに属する人です。アメリカの国益を第一に、理想を追わず、敵とでも手を結ぶということを実践してきた人です。そして、現在は、中国という新興大国を敵にすることなく、G2体制という米中による国際管理体制構築を主張しています。

 

 トランプは国際問題解決優先主義(アイソレーショニズム)であり、アメリカの理想を広めることや人道的な理由から海外に軍隊に出すようなことは反対しています。こうした点では、ビル・クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権、バラク・オバマ政権と、濃淡の差はありますが、理想主義に分類される人道的介入主義とネオコンサヴァティヴィズムの人々が外交政策を担当した政権が続いた時期とは違う外交が展開されることになるでしょう。キッシンジャーもこの点を言っているものと思われます。

 

 アメリカの国内問題解決優先主義とは具体的には、すっかりくたびれてしまった社会資本の改善があると思います。アメリカに行って、アメリカの社会資本、インフラは日本よりも劣っているなと思われた人も多くいらっしゃると思います。高速道路はただだけど、路面がデコボコだったとか、都市部でもいきなり停電が起きて何時間も復旧しないとかそういう経験をした方も多いと思います。トランプはこの社会資本の改善や修繕も公約に掲げています。しかし、そうなると、彼の減税政策と矛盾してしまうことになります。

 

 そこで、トランプとしては民間活力活用(民活、Public Private Partnership、PPP)を利用するということになるでしょう。しかし、アメリカ国内だけではどうしようもありません。そこで外国からの資本投資を受け入れたいという考えも持っているでしょう。台湾に肩入れをして、中国を刺激しているのは、台湾と中国を競わせて、アメリカに対する資本投資を刺激しているようにも見えます。私たちの日常生活でも、何かを買う場合には、どこの店が安いかを探したり、複数の店に行って、「あそこはいくらだったからこれくらいに負けて欲しい」などと交渉したりということはやることです。

 

 ヘンリー・キッシンジャーはトランプ当選以降、中国とロシアを訪問し、習近平国家主席とウラジミール・プーティン大統領と会談しています。彼が米中露の関係を保つスタビライザーの役割を果たしています。2020年までにトランプがキッシンジャーという安定装置を使いながら、どのように外交政策を展開していくのか、注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャー:「トランプの外交政策のアプローチから“何か素晴らしい”ものが出てくる可能性がある」(Kissinger: 'Something Remarkable' Could Emerge From Trump's Approach to Foreign Policy

 

キャシー・バーク筆

2016年12月18日

『ニューズマックス』誌

http://www.newsmax.com/Newsfront/henry-kissinger-trump-opportunity-stay-focused/2016/12/18/id/764532/

 

元国務長官で人々の尊敬を集める共和党系の政治学者ヘンリー・キッシンジャーは、ドナルド・トランプ次期大統領の外交政策から「何か素晴らしい」ものが出てくる可能性があり、トランプは「熟慮をした大統領」として歴史に名前を残す機会を持つであろうと述べた。

 

日曜日に放送されたテレビ番組「フェイス・ザ・ネイション」のインタヴューの中で、キッシンジャーは「トランプに対して大きな信頼を持っている。彼はアメリカの状況を分析し、戦略を作り、共和党指導部に打ち勝とうとしている」と述べた。

 

キッシンジャーは次のように述べた。「トランプが大統領選挙候補者になるまで、彼を大統領選挙候補者として考えたことはなかった。彼が大統領選挙候補者として出てきたとき、私はこれを過渡的な現象だと考えた。しかし、今はトランプがこれまで培った技能を国際的な状況に応用することが彼の挑戦なのだと理解している」。

 

キッシンジャーは、「外交・国際関係分野において、トランプは諸外国がこれまでみたことがなかった現象なのだ」と語った。

 

キッシンジャーは、「トランプが大統領に当選したことは諸外国にとってショックな経験である。同時に、トランプが歴史上に思慮深い大統領として名前を残す機会と可能性があると私は考えている」とも語った。

 

キッシンジャーは更に次のように述べた。「トランプはこれまでの大統領が発してこなかった疑問を呈する大統領になる。その質問は素晴らしい何かになるであろうと思われるし、そうなれば新しい大統領の姿を見せることになるだろう。私は必ずそうなるとは言わない。私は彼にはそうなる大いなる機会があると言いたい」。

 

キッシンジャーはまたトランプに対する助言として次のように述べた。「集中して、自分が達成しなければならない基本的なことを明確にせよ」。

 

「最も大変なことは日常の諸問題と根本的な諸問題を区別することだ。根本的な諸問題は長期にわたって影響を残すものだ。また、些細な諸問題で官僚たちとの戦いで消耗しないようにすることだ。」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22








 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期政権の閣僚、ホワイトハウススタッフ人事が固まりつつあります。重要ポストである国務長官にはエクソン・モービル社最高経営責任者レックス・ティラーソンが指名されました。閣僚人事は連邦上院の承認が必要となりますが、ティラーソンがロシアとのビジネス関係を深めてきたことについて、一部上院議員の中には懸念を表明している人たちが出ています。

 

 しかし、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官はそうした懸念をバカらしいと一蹴しています。エクソン・モービル社の最高経営責任者として多額のビジネス取引をロシアと結ぶのは至極当然であって、それができなければ、最高経営責任者としては無能だ、と言うことを述べています。

 


 キッシンジャーが上記のような発言を行ったのは、コミッティー・オブ・ワンハンドレッドという米中関係を深化させることを目的としている組織のイヴェントでした。キッシンジャーは、米中による世界管理、G2体制の主導者であり、かつ、ロシアのプーティン大統領とも関係を持っている人物です。

 

 トランプが大統領選挙に当選後、キッシンジャーはトランプと会談し、その後、中国を訪問し、習近平国家主席と会談しています。キッシンジャーは、トランプに対して「ご進講」を行うと共に、中国に対して、「かなり過激な発言が出てくると思うが心配しないでもらいたい」ということを説明に行ったのだと思います。

 

 トランプは台湾に肩入れする姿勢を見せています。これは、トランプ大統領当選に貢献し、政権参加においても一定の影響力を持つであろう、ヘリテージ財団の影響があるように思います。ヘリテージ財団は、アメリカ国内のチャイナ・ロビー派(台湾派)の組織で、このヘリテージ財団に多額の寄付を行っているのは、トランプを選挙期間中支え続けた、大富豪の娘レベカ・マーサー、アムウェイ、そしてコーク財団です。

 

 トランプのこうした動きはレーガン政権初期の対中姿勢ともよく似ています。しかし、中国と事を構えることで最も被害を受けるのは台湾ですから、これ以上のエスカレーションは誰も望んでいないでしょう。

 

 また、トランプはまだ正式に大統領になっていませんし、選挙人による最終的な投票も済んでいない状況では、逆に言うと、何を言ってもよいし、今のうちに過激なことを言っておいて、政権発足後に少しずつ軌道修正をしていくというやり方をするのだろうと思います。

 

 米中ロが表面上は対立しながらも接近していく、という状況の中で、日本は、アメリカによって中国に吠えかかる犬の役割をやらされるでしょう。アメリカは都合の良い時には吠えさせておいて、いざとなったら、厳しくしつけて(お灸をすえて)、「日本を黙らせてやった」と中国に恩を売るということもやるでしょう。日本は吠えかかる犬をどうしたってやらされるのなら、遠くにはなれて吠えかかって、決して近づいて吠えかからないことです。あまりに近い距離で吠えかかったら間違って噛みついたり、爪で引っかいたりするという「事故」がおきかねません。ですから、事故が起きないように慎重に吠えかからねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャーはトランプの国務長官選びを賞賛(Kissinger lauds Trump's pick for secretary of State

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年12月14日

『ザ・ヒル』誌

https://www.youtube.com/watch?v=1DoPe8z4fe8&list=RD23achdSE-QI&index=8

 

ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は、ドナルド・トランプ次期大統領の国務長官指名を賞賛した。

 

火曜日、トランプはエクソン・モービル社最高経営責任者レックス・ティラーソンを国務長官に指名した。

 

キッシンジャーは、マンハッタンで『』誌の取材に答え、「国務長官の資格に完璧に当てはまる人物など存在しない。私は今回の指名は良かったと思う」と語った。

 

キッシンジャーは更に、ティラーソンが行ってきたこれまでのビジネスのつながりから、ロシアのウラジミール・プーティンとの関係が親密すぎるのではないかという懸念の声が上がっていることについて、それを批判した。

 

キッシンジャーは、コミッティー・オブ・ワンハンドレッドが主催したイヴェントに出席し、「私は、ティラーソンのロシアとの関係が近すぎるという主張に関心を持たない。もし彼がロシアと友好的でなければ、エクソン・モービル社の最高経営責任者など務まらなかっただろう。私はそのような懸念に金輪際耳を傾けない」と述べた。コミッティー・オブ・ワンハンドレッドは米中関係の促進を目的としている組織である。

 

しかし、ティラーソン自身について詳しく議論する段階になると、キッシンジャーの口も重くなり、ティラーソンの任用について議会の承認が得られるかどうかについて質問されて、「(私の予想が外れても)自殺はしませんからね」と軽口を叩いた。

 

リチャード・ニクソン、ジェラルド・フォード両政権で国務長官を務めたキッシンジャーは、トランプがティラーソンを選んだことについて、「親近感を持っている」と語った。ティラーソンとロシア政府の関係は、連邦上院の任用承認のための公聴会に置いて、必ず厳しい質問を浴びせられる理由となることは確実だ。

 

プーティンとティラーソンは2011年にエネルギーパートナーシップについて交渉を行った。『ウォールストリート・ジャーナル』紙は、この時、プーティンはこのパートナーシップは5000億ドルの価値を持つと語ったと報じている。

 

ティラーソンはその翌年(2012年)にロシア友好勲章を受賞した。この勲章は外国人に与えられるものとしては最高の勲章である。

 

マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は火曜日、ティラーソンに関して「大変懸念」を持っていると語り、ティラーソンの国務長官任用に反対する可能性もあると示唆した。

 

連邦上院軍事委員会委員長ジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)とリンゼー・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は共に懸念を表明している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 

 古村治彦です。

 

 私が所属しております「副島隆彦の学問道場」では2016年11月20日に鳩山由紀夫元首相をお迎えしての定例会を開催しました。多くの皆さまにご来場いただき、会場は満員と大盛況でした。裏方として準備をしてきまして、無事に終えることができてほっとしております。現在、収録しました映像を編集してDVDとして頒布できるように準備を致しております。

 

 定例会の疲れと残務のためにしばらくこのブログも更新が滞りました。本日から少しずつ再開して参りたいと思います。宜しくお願い申し上げます。

 

 さて、トランプ次期大統領は1月の就任式に向けて少しずつ閣僚の人事を発表しています。あまり自分に近い人たちばかりに偏らない人事、バランスを考えた人事という印象です。

 

 トランプは今年に入ってこれまでに2度(公式に確認されている限りで)、アメリカ外交の重鎮ヘンリー・キッシンジャーと会談しています。ヘンリー・キッシンジャーはアメリカと中国のG2による世界の安定を目指すという考えを推進してきた人で、対中強硬路線とは一線を画している人物です。また、ロシアのウラジミール・プーティン大統領ともコンタクトを取っている人物です。

 

 キッシンジャーがCNNの番組に出演し、トランプはしがらみを持たない大統領になる、これは自分の経験上、初めてのことだと述べました。これは、トランプが特定の勢力の代表ではないし、自分の周囲に人物の傀儡でもないということを言っていると思われます。共和党の主流派エスタブリッシュメントの妨害にも遭いながら当選してきたことは大きくて、彼らと何でもかんでも争うことは愚かなことですが、彼らの世話になっていないということトランプにとっての武器になります。また、大富豪たちからお金をもらっていないという点も同じです。

 

 それでも新政権が出来れば、内部でどうしても分裂や争いが起きることでしょう。キッシンジャーはそのことも見越しているようです。

 

 外交政策の潮流で言えば、トランプは現実主義者(リアリスト)ということになります。そして、アメリカの力を冷静に見極め、アメリカが超大国の地位から落ちていくに当たり、大きな衝撃を伴う急激な墜落ではなく、少しずつ落ちていくということを考えながら、アメリカの外交政策を実施していくでしょう。アメリカ帝国の衰退を認めつつ、急激な地位低下を避けるという方針で、世界各国と協調していくという姿勢をトランプは取ると思いますが、これは日本にとって大きなチャンスになると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャー:「トランプにはしがらみがない」(Kissinger: Trump has no baggage

 

マロリー・シェルボーン筆

2016年11月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/306949-kissinger-trump-has-no-baggage

 

ヘンリー・キッシンジャーは、彼の人生の中でドナルド・トランプこそは「最も独自性の豊かな、ユニークな」次期大統領だ、それは、トランプがいかなる特定のグループに対しても借りを作っていたり、恩義を感じていたりしないからだと発言した。

 

キッシンジャーはCNNの番組「ファリード・ザカリアGPS」に出演し、次のように語った。「次期大統領について言うと、私の経験の中で最もユニークだということになります。彼は何のしがらみも持たずにホワイトハウスに入ることになります。彼は特定のグループに対して借りを返さねばならないという立場にはありません。それは彼が彼自身の戦略に基づいて選挙に勝利して大統領になるからです」。

 

キッシンジャーはリチャード・ニクソン大統領のもとで国務長官を務めた。トランプとキッシンジャーは11月17日に外交政策について議論するためにニューヨークで会談を持った。

 

キッシンジャーは、トランプは選挙戦での主張を保ち続けると主張していないのなら、選挙公約を全て堅持すべきではないと語った。

 

キッシンジャーは番組の中で次のように語った。「トランプが選挙戦で取った立場に彼を閉じ込めてしまうようなことを誰も言うべきではありません。彼が現在そのようなことを主張していなければ尚更です。トランプが現在でも選挙戦での主張を堅持しているのなら、それと彼の行動が違う場合には不同意を表明することは当然ですけれどもね」。

 

キッシンジャーとトランプは今年5月に外交政策と国際問題について議論するために会談を持った。

 

キッシンジャーは更に次のように語った「私たちはトランプに対して、明確な目的を持ってもらい、議論をする機会を与えるべきだと考えます。私たちはこれまで長い間、政権の中の分裂を目撃してきました。トランプ政権でも内部分裂が起きるかもしれません。しかし、明確な目的や議論もなしに分裂が始まってしまうのはよくないでしょう」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 

 古村治彦です。

 

 今朝、お知らせした、「ジョージ・シュルツとヘンリー・キッシンジャーがヒラリーを支持する見通し」という報道は結局、間違いでした。

 

 あの報道がアメリカに出た数時間後に、シュルツとキッシンジャーは共同声明を発表し、「今回の大統領選挙では、主要政党の候補者を支持しない」というところに落ち着きました。共和党のドナルド・トランプも民主党のヒラリー・クリントンもどちらも支持しないということになりました。この発言は情勢如何では変更がある可能性もあります。

 

 下のCNNの記事では、「共和党の重鎮2人がドナルド・トランプを支持しないと表明」という点を強調して、これはトランプにとっては不利となる動きだと書いています。

 

 しかし、「ヒラリー・クリントンを支持するという話が結局なくなってしまった」という点から考えると、ヒラリーにとってもまた大きな痛手です。現在のところ、共和党の国務長官経験者、つまり共和党の外交政策分野で大きな影響力を持つ人物たちは、大統領選挙については音なしの構えです。2008年と2012年の選挙では、共和党所属である黒人のコリン・パウエル元国務長官が、バラク・オバマ大統領を支持したことで、オバマ大統領にとっては選挙が楽になりました。今回の場合、ヒラリーは私的Eメール使用問題で、パウエルから助言を受けたとFBIの事情聴取で語っていたことが明らかになっていますから、パウエルがヒラリーを支持することはありません。

 

 民主党側の大物がトランプ支持という話は聞いていませんが、情勢と3回ある討論会でのトランプの外交政策の主張がオバマ大統領に近いものであれば、支持する人が出る可能性もあります。

 

 今回の動きはシュルツの発言ばかりで、キッシンジャーの声は最後の共同声明の中にしかありませんでした。シュルツもヒラリーを支持したいと思うのなら、一人でやればよかったのに、「キッシンジャーと一緒に」ということにこだわっていたように思われます。

 

 キッシンジャーとシュルツではやはり影響力が違いますから、シュルツとしては、自分の影響の小ささを意識して、キッシンジャーを引き入れようとしたのでしょうが、キッシンジャーは動かなかった、しかし、シュルツの顔もあるから、今のところ、誰も支持しないという声明の内容になったと思われます。

 

(貼りつけはじめ)

 

キッシンジャー、シュルツが2016年大統領選挙で誰も支持をしないと表明(Kissinger, Shultz decline to endorse in 2016 race

 

ナオミ・リン筆

2016年9月2日

CNN

http://edition.cnn.com/2016/09/02/politics/henry-kissinger-george-shultz-donald-trump-hillary-clinton/

 

ワシントン発(CNN)。ヘンリー・キッシンジャーとジョージ・シュルツは金曜日、2人とも2016年の大統領選挙で主要政党の候補者を支持しないと発表した。2人は、世界におけるアメリカの立場を改善するために党派を乗り越えることに注力していくと述べた。

 

 

過去の共和党政権で国務長官を務めた人物たちの決定は、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに対する公の冷遇である。トランプはこれまでに他の共和党の長老たちから支持を拒絶されている。

 

キッシンジャーとシュルツは共同声明の中で、次のように書いている。「私たちは現在行われている大統領選挙で誰に対しても支持をしない。私たちは、超党派の外交政策の促進に献身する。私たちは現在もそして選挙後も注力を続けていく」。

 

今回の件は、金曜日の朝に『ポリティコ』誌がキッシンジャーとシュルツが、ヒラリー・クリントンを支持する可能性について最初に報じた。

 

リチャード・ニクソン政権で大統領国家安全保障問題担当補佐官、ジェラルド・フォード大統領政権で国務長官を務めたヘンリー・キッシンジャー、そしてロナルド・レーガン政権で国務長官を務めたジョージ・シュルツは、共和党大統領候補者を支持することを拒絶した高名な共和党側の人物に仲間入りした。

 

ジョージ・HW・ブッシュ(父)とジョージ・W・ブッシュの元と前の大統領、元フロリダ州知事ジェブ・ブッシュはトランプを支持していない。2012年の大統領選挙の共和党候補者ミット・ロムニーは、「リバータリアン党に投票することを考慮中だ」と述べ、過去の共和党政権で政府高官を務めたブレント・スコウクロフトとリチャード・アーミテージは、ヒラリーへの投票を明らかにしている。

 

2016年の大統領選挙でキッシンジャーの名前が取りざたされたのは初めてのことではない。2016年2月、民主党予備選挙でヒラリーと争ったバーニー・サンダースは、「私はヘンリー・キッシンジャーと友人ではないことを誇りに思う」と発言した。これは、国務長官の先達としてキッシンジャーからの助言をもらいたいとした過去のヒラリーの発言を揶揄したものだった。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 

 最新の情報で、共和党政権下で国務長官を務めた、共和党系リアリストの大物ヘンリー・キッシンジャーとジョージ・シュルツが、共同で民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントン支持を発表するための議論を行っているという報道が出ました。

 

 『ポリティコ』誌の記者たちがシュルツに取材をして明らかになったようです。キッシンジャーの発言はなく、シュルツのものだけですので、話半分で聞いておく必要がありますが、この動きが本当だとすると、今回の大統領選挙がエスタブリッシュメント対反エスタブリッシュメントの構図であることがさらに明確になります。

 

 更にシュルツの発言で注目なのは、彼がヒラリーの持つメキシコに関する知識の深さに感銘を受けたという点です。メキシコと言えば、水曜日にトランプが訪問し、ペーニャ・ニエト大統領と会談をしました。この後の会見で、トランプは彼の選挙戦の柱中の柱である「メキシコ政府の資金でメキシコ国境に壁を建設する」という主張に関して、「壁を作ることに関しては議論をしたが、資金については議論をしていない」と答えました。しかし、ペーニャ・ニエト大統領は「会談の冒頭で私は、メキシコが資金を出すことはないと明言した」とツイッターに投稿し、報道官もそのことを認めました。

 

 トランプに対しては嘘をついたとか態度を変えたという批判が出てきています。今回のシュルツの発言から考えると、「エスタブリッシュメントがメキシコと共謀して、トランプを罠にはめた」と言えると思います。メキシコはアメリカの隣国で、言わば難しい相手ではありますが、同時に恒に関わらねばならない相手です。そのメキシコの大統領との会談は、トランプが大統領になった場合のシミュレーションということになります。「このシミュレーションで酷い姿を世界に晒せばトランプはつまずく」というシナリオがあったように思います。

 

 このポリティコ誌の記事もその一環で出されたものと思われますが、共和党系の国務長官経験者たちがこれまで誰もヒラリー、トランプどちらを支持するのかを明確にしてこなかった中で、記事のインパクトは大きいと思われます。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャー、ジョージ・シュルツがヒラリー・クリントン支持を考慮中(Kissinger, George Schultz mull Clinton endorsement

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年9月2日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/294245-former-reagan-official-considers-clinton-endorsement-god

 

 

過去の共和党政権で最重要の閣僚を務めた2人の人物が、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンへの支持を検討中だ。彼らはドナルド・トランプに対する違和感をぬぐえないと述べている。

 

リチャード・ニクソン政権では大統領国家安全保障問題担当補佐官、ジェラルド・フォード政権では国務長官をそれぞれ務めたヘンリー・キッシンジャーとロナルド・レーガン政権で国務長官を務めたジョージ・シュルツは、『ポリティコ』誌に対して、2人はヒラリー支持を公然と行うことについて議論していると述べた。

 

ジョージ・シュルツは共同のヒラリー支持表明の可能性について、「私たちは共同でそれを行うことになる。大きなインパクトがあると思う」と述べた。

 

シュルツは、トランプが2人から支持を得られる時間がまだ残っているのかという質問に対して、「いいえ」と答えた。

 

トランプ大統領実現の見通しについて、「私たちには神のご加護がある」と辛らつな言葉を述べた。

 

シュルツは、ヒラリーが「メキシコについて深い知識を持っている」ことに感銘を受けたとも述べた。

 

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ポリティコ「プレイブック」からの抜粋

 

アンナ・パルマー、ジェイク・シャーマン、ダニエル・リップマン筆

2016年9月27日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/tipsheets/playbook/2016/09/putin-denies-russia-involved-in-dnc-hack-scoop-shultz-alludes-to-joint-clinton-endorsement-with-kissinger-state-dept-to-release-all-clinton-emails-before-election-the-playbook-interview-al-sharpton-216142

 

シュルツとキッシンジャーがヒラリーを支持する?今から数週間前、私たちはスタンフォード大学にいた。元国務長官ジョージ・シュルツは、トランプ大統領実現の見通しを質問され、衝動的に嫌がる動きをした。そして、「私たちには神のご加護がある」と辛らつに述べた。

 

昨日、私たちの同僚ジョン・ハリスとブライアン・ベンダーが訪問した時、シュルツは更に直接的になっており、ヘンリー・キッシンジャーと共同でヒラリー・クリントン支持を表明することについてキッシンジャーと議論しているところだと示唆した。彼はそれを明言しなかったが、ハリスたちが、トランプには二人からの支持を得るための時間が残されているのかという質問に対して、「いいえ」と答えた。

 

スタンフォード大学があるパロ・アルトで、シュルツはハリスとベンダーに対して、協働の支持表明の可能性について「私たちは共同でやることになるだろう」「大きなインパクトがあるだろう」と述べた。シュルツは財務長官と労働長官も歴任したが、ヒラリー・クリントンに感銘を受けたと述べた。シュルツはヒラリーと個人的に会い、「メキシコに関する深い知識を持っている」ことを知り、それに感銘を受けたということだ。シュルツは「次期大統領が就任し、内向きになったら、混乱が増大するだろう」と発言し、トランプに対しての間接的な批判を行った。シュルツは「アメリカ大統領の代役は存在しない」と語った。

 

ベンダーとハリスが発表のタイミングについて質問したところ、「9月5日(レイバーディ)ではない」と答えた。ヒラリー・クリントンの報道担当ジェシー・ファーガソンは「私たちはシュルツとキッシンジャーの動きについて何も関知していない」と答えた。

 

(貼り付け終わり)






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