古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ホワイトハウス

 古村治彦です。

 

 アメリカ政府の機能が一部停止になってもうすぐで一カ月が経とうとしています。トランプ大統領がアメリカとメキシコの国境に壁を建設するための予算約50億ドルを要求している一方、民主党側は壁建設自体を認めないということで対立しています。

 

連邦下院は民主党、連邦上院は共和党が過半数を握っており、連邦下院で壁建設予算抜きの予算案が可決されて連邦上院に送られても、連邦上院ではトランプ大統領の支持を受けていない法案は採決しないとして棚ざらしにされ、連邦上院で壁建設予算を含む予算案を可決して連邦下院に送っても否決されてしまうということで、予算が可決されずに、政府機能が一時停止されることになりました。政府機能の約4分の1、約80万人の連邦職員が出勤できない、もしくは給料の支払いがない状態で働いているということになっています。

 

 この膠着状態を打開しようと、ホワイトハウスと連邦議会民主党執行部との間で話し合いが行われていますが、着地点が見いだせないままです。トランプ大統領は国家非常事態宣言を行い、現在の予算を組み替えて壁建設の予算を捻出し、建設をすぐに始めたいという意向を表明しています。しかし、この状態での国家非常事態宣言は裁判闘争を誘発し、壁建設はすぐには取り掛かれない状況になる可能性が極めて高くなっています。また、大統領にとって何か都合の悪いことがあると国家非常事態宣言を使える、という前例を残すことは、民主、共和両党にとって良くないことだという認識もあるようです。


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 連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、2019年1月29日に予定されている一般教書演説の延期、もしくは文書だけでの発表を主張し、それに対して、トランプ大統領はアメリカ軍の飛行機を使っての連邦議員の外国訪問を差し止め(予算の執行停止を理由に)、今週末に予定されていたペロシ議長をはじめとする議員たちのアフガニスタン訪問を中止させました。お互いに一歩も引かないチキンレースとなっています。

 

 2019年1月20日にトランプ大統領はホワイトハウスからテレビを通じて演説を行いました。国家非常事態を宣言するのではないかという観測も流れましたが、それはなく、トランプ大統領は「常識に沿った妥協」として、DACATPSの延長を行うので、壁建設の予算を認めて欲しいと訴えました。

 
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 DACAとは、子供(未成年。被保護者)の時に親が不法移民する時に一緒にやってきた人々(ドリーマーズと呼ばれます)が国外退去処分を保留され、アメリカで就労が出来るようにするものです。TPSは、指定された国々(自然災害や天災がある)の人々がアメリカに滞在し、就労できるようにするもので1990年からこの措置は採られています。

 

 トランプ大統領は国家非常事態を宣言しませんでした。そして、「妥協」を提案しました。これに対して、民主党側からは、これは妥協ではない、まず政府機能を再開してそこから話し合うべきだ、DACATPSで人々を人質にとって、壁建設の予算を獲得しようとしていると批判がでました。今回のトランプ大統領の提案は、今週、連邦上院で採決されることになりますが、可決には100名のうち60名の賛成が必要で、共和党所属議員全員に加え、民主党所属議員からの賛成が必要となります。

 

 一方、保守派からは、不法に入国した人々に恩赦を与えるようなものだ、とトランプ大統領の提案に対して批判が出ています。トランプ大統領当選の原動力となった人々からの批判ということになります。

 

 トランプ大統領としては、「民主党にここまで譲歩してやったのに、認めないのか」ということにして、国家非常事態宣言をしやすくする狙いがあるのかもしれませんが、国家非常事態宣言を行えば、民主党側が裁判闘争に持ち込んで、泥沼になり、合法性が認められないということになると、トランプ大統領にとっては大きな痛手となります。

 

 2019年1月29日には一般教書演説が予定されています。大統領が連邦議会を訪問し、そこでアメリカの現状と自身の政策について演説を行います。政府機能が閉鎖されたままでの一般教書演説は初めてのことだろうと思います。また、ここまで深い対立のまま迎えることも珍しいと思います。一般教書演説でトランプ大統領が民主党をあしざまに罵り、民主党の連邦議員たちが大量に欠席するということになると、アメリカ政治の分裂は覆い隠すことが出来ない状況となります。一般教書演説は、State of the Union Addressと言いますが、Union、まとまり、団結がほどけていくという示すことになるかもしれません。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領が民主党からの反撃の中、政府機能再開のために新しい計画を提案(Trump pitches new plan to reopen government amid Dem pushback

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年1月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/426178-trump-pitches-new-plan-to-reopen-government-amid-dem-pushback

 

トランプ大統領は土曜日、壁建設のための予算を書類が不備の不法移民に対する保護とリンクさせる計画を提案した。これは、数週間継続している政府機能一部閉鎖を解除するための道のりとしての提案である。しかし、民主党側から早速反撃を受けている。

 

トランプ大統領の演説はホワイトハウスからテレビ中継された。若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)による保護を更に3年延長し、一時的な保護状況(TPS)によって守られている人たちへの保護を更に3年延長する、その代わりに国境の壁建設のために50億以上の予算をつける、というのが提案の内容だ。

 

トランプ大統領は「ワシントンにいる民主、共和両党は協力しなければならないことは簡潔な事実としてある。お互いの主張に耳を傾けねばならないし、武器をいったん置かねばならない。信頼を醸成し、お互いに通じ合い、解決を見つけねばならない」と述べた。

 

トランプは更に、2018年12月末からワシントンを麻痺させている「行き詰まりを打開」するために新しい計画を提案するとした。政府機能の一部閉鎖で、政府機関の4分の1が閉鎖となり、およそ80万人の連邦政府職員が出勤できないか、給料が支払われない状況で働いている。

 

政府機能の一部閉鎖は、現代史において最長の予算の執行停止となっている。閉鎖は29日目となっている。アメリカ・メキシコ国境に沿って壁を建設するというトランプ大統領の提案のために予算を巡り、行き詰まりが起きている。

 

各種世論調査によると、アメリカ国民の過半数は、政府機能の一部閉鎖について、トランプ大統領の責任であると答えている。しかし、土曜日午後に行われたトランプ大統領の演説は、民主党側に彼の計画を支持し、交渉のテーブルに戻るように圧力をかけるものであった。

 

トランプ大統領と連邦議会民主党執行部との間の会談は、行き詰まりを見せている。今月初めの会談で、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が、大統領が政府機能を再開しても壁建設の予算について話し合うことはないと述べ、それを受けてトランプ大統領が席を立った。それ以来、事態は膠着している。

 

トランプは自身の提案を実現させようとしている。そのため、国境には「緊急の行動」が必要な「危機」が存在するという主張を行っている。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「不法移民は賃金を低下させ、公共サーヴィスに大きな負担をかける。国境の流入・流出のコントロールが欠如すると、それが、犯罪者とギャングがアメリカに入国するための玄関口、広く開かれた玄関口となる」。

 

トランプ大統領は、民主。共和両党の幹部たちと協力してきた、と強調し、そして、自分の提案を支持することを求めた。大統領は提案を「多くの妥協」を伴う「常識」だと述べた。

 

トランプ大統領は「私たちは、民主、共和両党が熱意をもって提案を支持してくれることを願っている。今回の提案は民主、共和両党が受け入れることが出来る、常識に沿った妥協である」と述べた。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「私たちの計画の中で、民主党幹部の優先事項に協力したので、私たちの計画について支持をしてくれることを希望する。これは常識に沿った妥協であり、民主、共和両党は受け入れることが出来るはずだ。過激な左派が我が国の国境についてコントロールすることはできない」

 

トランプ大統領は、連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が来週、トランプ大統領の提案した内容の法案を採決にかけることを約束したと述べた。マコーネル自身も法案を採決にかけることを認め、「今こそ法制化する時だ」と述べた。

 

マコーネルは声明の中で次のように述べた。「超党派の協力によって、連邦上院は法案を可決してそれをすぐに連邦下院に送ることが出来る。連邦下院もそれで行動に移ることが出来る。出勤することが出来ない連邦政府職員たちの状況は深刻であり、国境での危機は、見せかけの投票では改善されない。しかし、大統領の計画は政府機能閉鎖と国境での危機という2つの問題を解決する方向に進ませる道筋である」。

 

マコーネルはこれまで連邦下院が可決した、政府機能を再開するが国境に関する追加的な予算は含まない予算案の可決を阻止してきた。マコーネルは今週初め、連邦上院においては、トランプ大統領と連邦議会民主党執行部との間で合意が成立した法案だけを採決にかけると発言した。

 

マコーネルはペンス副大統領とトランプ大統領の娘婿で上級補佐官のジャレッド・クシュナーと木曜日に会談を持った。そこで政府機能の一部閉鎖を終わらせる道筋について議論が行われた。連邦下院共和党は土曜日夕方にトランプ大統領の提案について議論を行うように求めると見られる。

 

トランプの提案には、8億ドルの緊急人道支援、2000名以上の国境管理職員と警備職員の増強、75名の移民判定半次の増加が含まれている。また、また大統領は、230マイルに及ぶ追加的な壁とフェンスの建設も要求している。

 

しかし、民主党は演説の前に、既に報道されていた大統領による移民に対する一時的な緩和と引き換えに壁建設予算を要求するという内容に対して、反撃をしていた。民主党は今回の争いが膠着状態に陥っていることの本質を明確にしつつ、攻撃を行っている。

 

トランプ大統領の演説の直前にペロシ議長は声明を発表し、その中で次のように述べた。「民主党は、トランプ大統領が最終的に政府機能の再開に合意し、国境警備に関して緊急に必要な議論を行うと願っていた。大統領の考えていることは何一つ連邦下院では可決されない。これらを全部合わせてみても、全くもって出発点になどならない」。

 

トランプ大統領とペロシ議長との間の緊張は、ペロシ議長が2019年1月29日に予定されている一般教書演説を延期するように求めてから高まっている。トランプは対抗策として、連邦議員たちによるアメリカ軍の飛行機を使っての移動や旅行を差し止めた。その中には、今週予定されたペロシ議長のアフガニスタン訪問も含まれている。

 

連邦下院歳出委員会院長ニタ・ローリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、トランプ大統領は、政府機能を再開させて、その後に連邦議員たちと移民政策と国境警備について交渉を行うようにしなくて貼らないと発言した。

 

ローリーは次のように述べた。「ドリーマーズ(DACAによって守られている人々)とTPSを受けている人々を守ることは正しい。大統領は、無駄に終わる壁建設のための予算を得るために、これらの人々を人質に取っている。これは間違っている。壁建設のための予算は、国境警備のためにより効果的に使うことも出来る。大統領の交換条件、移民の一部に対する一時的な保護と引き換えに無駄な仕事となる国境の壁建設を行うという提案を受け入れることはできない」。

 

連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、トランプ大統領にとって、今の状況を打開するための唯一の方法は、「政府機能を再開し、民主、共和両党が公開の場で議論を行い、超党派の解決に至ることだ」と述べた。

 

シューマーは更に次のように述べた。「DACATPSの保護を一方的に持ち出して、それと交換で壁を建設するというのは妥協ではなく、人質を取ったようなものだ。これをやったのがトランプ大統領なのだ」。

 

民主党の幹部職員2名は匿名で、民主党側は、トランプの提案内容について事前に相談はなかったと述べている。また、民主党が連邦下院で過半数を占めており、連邦上院でも提案内容については採決をして見なければどうなるか分からないとしている。

 

連邦下院民主党のある幹部職員は次のように述べた。「これまでにも似たような、不適切な提案がトランプ政権側から出され、民主党はそれらを拒絶してきた。ブリッジ法案(BRIDGE ACT)はドリーマーズに対する完全な保護ではないし、永続的な解決策ではない」。

 

この人物は続けて、「大統領による、無駄に終わるであろう、57億ドルの壁建設予算が含まれているので、これは妥協などではない。この壁建設の予算の要求から政府機能閉鎖が始まったのだ」と述べた。

 

テレビ中継された演説を行う直前、トランプ大統領は大統領執務室で帰化が認められた人々に対する帰化セレモニーに参加した。イラク、イギリス、ジャマイカ、ボリヴィア、韓国から新たにアメリカ市民となった人々がアメリカへの忠誠を誓った。

 

トランプ大統領は次のように述べた。「皆さんは新しくそして素晴らしい冒険の出発点に立っています。皆さんはアメリカ人として権利と自由を享受されます。あなた方に成し遂げられないものは存在しません。しかし、市民権には大きな責任を伴うものです」。

 

「ブリッジ」法案はリンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とディック・ダービン連邦上院議員(イリノイ州選出、民主党)が以前に共同で提出したもので、「ドリーマーズ」(子供の時に不法にアメリカにやってきた移民たち)に3年間「一時的な保護」とアメリカ国内での就業を可能にすることを認める内容である。この法案は、連邦議会がより広範な移民に関する合意実現に努力しながら、連邦議員たちが長年にわたって逃げ続けてきた移民政策に関する弥縫策なのである。

 

とりあえずの一時しのぎのための法案は、トランプ大統領のDACAを終わらせようとする動きに対し各裁判所がそれを阻止した後に、指示を集めるようになった。DACAは2012年にオバマ前大統領が実行したもので、被保護者の時に不法にアメリカに入国した移民たちに対して、国外退去処分を保留して、アメリカ国内で就労する権利を与えるものだ。

 

「一時的保護状態(TPS)」は1990年以降、様々な形態で実行されてきた。TPSは、自然災害、もしくは人災が現在も続いている国々が指定され、それらの国々の市民がアメリカ国内で就労し、滞在することが出来るとするものだ。

 

二人目の民主党の幹部職員はトランプ大統領からの提案を「全く真剣さに欠けた生産物」と評した。

 

この人物は次のように語った。「トランプ大統領からの提案について民主党は事前に何の相談も受けなかった。民主党は以前にも似たような申し入れをことごとく撥ねつけてきた。今回の提案は全く真剣さに欠けた生産物である。今回の提案は、大統領が作り出したごみをきれいにしようとしてホワイトハウスのスタッフたちが話し合ってみて出てきた不真面目なものだ。大統領は壁建設のために多くの人間を人質に取っているようなものだ」。

 

トランプ大統領の提案を実現するためには、マコーネルは少なくとも7名の民主党所属の連邦上院議員の支持を勝ち取らねばならず、更に、共和党所属の連邦上院議員全員を団結させて、提案を支持させねばならない。

 

民主党所属の連保上院議員の中には、リンゼイ・グラハム(サウスカロライナ州選出)、スーザン・コリンズ(メイン州選出)、リサ・マコースキー(アラスカ州選出)といった共和党所属の連邦上院議員たちのグループと超党派の交渉を行っている人たちもいるが、この中の誰もトランプ大統領の考えを支持しようとする人は出て来ていない。

 

超党派グループに属しているティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)は土曜日の午前中に、民主党は政府機能再開が最初に来るべきだとする、超党派グループの姿勢を支持していると述べた。

 

ケインは、政府機能再開前に交渉が成立し合意が出来てしまうことは、「政府機能閉鎖を交渉の道具として使うことがこれからも起きてしまうこと」になると懸念を表明した。

 

ケインは本紙の取材に対して、「政府機能の再開がまず行われねばならない。政府機能が再開された後ならば、そこで何かの合意がなされてもそれは納得できるものだ」と述べた。

 

ボブ・ケイシー連邦上院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)は、トランプ大統領はまず成否機能を再開させねばならないと主張した。ペンシルヴァニア州は2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利した州だ。

 

ケイシーは次のように述べた。「トランプ大統領は自身が始めた政府機能閉鎖を終わらせ、政府機能を再開させねばならない。政府機能が再開されたのち、民主、共和両党は国境警備の様々な方策について、そして移民システムの改革について、話し合うことが出来る」。

 

 

In addition to the uphill battle to win over Democrats, Republicans could also face criticism from some members of their own base, who will pressure them to oppose making any immigration deal with Democrats.

 

トランプ大統領は、保守派の論客や支持基盤からの批判の中で、強硬な姿勢から後退し、連邦議会と移民に関して何らかの合意を結ぶかもしれないという姿勢を示唆していた。

 

土曜日のトランプの演説直後から右派の日人からの攻撃が始まった。

 

保守派の論客アン・コールターは、トランプ大統領の提案を「恩赦の合意」と評した。

 

コールターは大統領選挙で敗れたジェブ・ブッシュに言及しながら、ツイッター上で、「トランプ大統領は恩赦を提案した。私たちはトランプに投票したつもりだったが、出てきたのはジェブだった」と書いた。

 

「ナンバーズUSA」会長のロイ・ベックは、トランプ大統領の提案は、「トランプの選挙における公約で中心に置かれていた忘れられたアメリカの労働者たちの敗北を意味する」と述べた。

 

ベックは次のように述べた。「恩赦と壁建設の取引は移民法を破った人々を助けるものであり、将来移民法を破る人々の出現を阻止するものではない。このような恩赦の取引は更なる集団的不法移民、更なる不法な越境者、更なる不法滞在者を、不法に入ってきた労働力との競争に直面している最も攻撃に晒されているアメリカの労働者たちの負担で、招き入れる誘引を与えるものである」。

 

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トランプ、連邦議会が史上最長の政府機能閉鎖記録を更新(Trump, Congress break record for longest shutdown

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年1月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/425012-trump-congress-break-record-for-longest-shutdown

 

一部政府機能併催は現在までに、現代史上最長の予算執行停止状態となっている。ビル・クリントン政権下の21日間という記録を破った。

 

今回の政府機能停止の記録更新という不名誉な記録は2018年12月22日に始まり、長引く争いの解決に向けた動きの兆候すら見えない。トランプ大統領と民主党側の話し合いは行き詰っている。共和党穏健派による解決に向けた話し合いのための努力も実らなかった。連邦議員たちは月曜日午後までワシントンDCを離れている。従って、政府機能閉鎖は少なくとも24日間続くことになる。

 

ホワイトハウスと連邦議会民主党執行部の連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出)と連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出)は、トランプ大統領が提案している国境の壁建設の予算を巡り、対立している。しかし、いつどのように膠着状態が終わるかについて、連邦議員たちも政権幹部たちも同様に分からない状況に置かれている。

 

連邦上院歳出委員会委員長リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)は、トランプ大統領と連邦議会民主党の間でどのような妥協がなされるのか、まったく見当がつかないと述べた。

 

政府機能閉鎖解除の道のりについて本誌がシェルビー議員に取材した際、議員は「それは重要な質問だ。今回の問題について核となる疑問だ。ここにいる私たちの誰もが持っている疑問だ。その答えは誰も分からない。私はいくつか考えを持っているし、皆何らかの考えを持っている」と述べた。

 

しかし、シェルビー議員は、トランプ大統領と連邦議会民主党がとりあえず話し合いを始めない限り、「状況は混とんとしたままで、サーカスのようなもののままだ」と述べた。

 

約4分の1の政府機能が2018年12月22日から閉鎖されたままだ。トランプ大統領が、連邦上院が可決した7週間のつなぎ予算に署名しないと示唆してから、閉鎖が始まった。連邦下院の保守派議員たちが提出した50億ドルの壁建設予算を含む予算案は否決された。

 

予算執行停止によって80万人の連邦政府職員が出勤できないか、無給で働くという状況になった。連邦政府職員たちは金曜日に渡される最初の給料を受け取れなかった。

 

連邦議員たちは、有権者に対する新たな財政負担が連邦議会とトランプ大統領との間に合意をもたらすための圧力となることを願っている。

 

しかし、政府機能閉鎖が更に数週間延長し、来月まで続くことを示す兆候が既に出ている。

 

政権幹部たちは本紙の取材に対して、予算管理局が2月までの政府機能一文閉鎖に対する準備を進めており、ホワイトハウスの補佐官たちは、2019年1月29日に予定されているトランプ大統領による一般教書演説を使って、アメリカ・メキシコ国境に沿った壁建設に反対している民主党に痛撃を与えることについて議論を行っている。

 

連邦下院民主党は今月初めに2019年2月8日までの国土安全保障省の予算をつけ、その他の影響を受けている各省庁には9月30日、2019年度の一杯の予算をつけるという予算案を可決させた。連邦下院民主党は更に各省庁の決算法案を可決させつつある。

 

しかし、こうした法案は連邦上院では行き場のないものとなる。連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員は、大統領からの支持がない限り、これらの法案を採決にかけることはないと公言した。木曜日、連邦上院民主党が、連邦下院が可決した政府を全面的に再開させる予算案の採決をマコーネルは阻止した。

 

マコーネルは連邦上院の議場で次のように述べた。「私たちが今現在においてやらねばならないことは、民主、共和両党の間で意味のないやり取り、見せかけだけの投票をするということではない」。

 

共和党所属の連邦上院議員の中には、連邦下院が可決した個々の省庁の予算案を可決させること、もしくは民主党側とトランプ大統領が国境の壁建設を巡り争っている間に政府機能を完全に再開するための決議を行うことを公然と支持する人たちも出ている。しかしながら、共和党所属の連邦上院議員の中で、これらの方策について連邦上院で採決を行うように求めた議員は出て来ていない。

 

リサ・マコースキー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)は、金曜日に連邦上院が閉会する前に議場で演説を行い、その中で「政府機能の閉鎖は統治の一環とは言えない。誰もそれによって得をしない」と述べた。

 

この期間、トランプ大統領は、南部国境における移民の状況について国家非常事態を宣言するかどうかではっきりした態度を示してこなかった。国家非常事態を宣言すれば、国境の壁建設のために連邦予算の一部の転用を求めることが可能となる。

 

金曜日、トランプ大統領はホワイトハウスにおいて記者団を前に、壁建設を即座に始めるために国家非常事態宣言を行う権限を持ってはいるが、「拙速に行うことはない」と述べた。

 

トランプ大統領は「国家非常事態宣言を行うことは容易だ。しかし、連邦議会はそのようなことがないように行動すべきだ」と述べた。そして、宣言を行うことで裁判闘争が始まり、壁建設が数カ月も遅れてしまうことになるので、できれば宣言はしたくないとも述べた。

 

トランプ大統領は、予算を巡る争いから抜け出すために国家非常事態宣言という考えをちらつかせている。大統領は、フォックス・ニュースのアンカーであるシーン・ハニティに対して、「連邦議会との交渉がまとまらない場合には、国家非常事態宣言を行う可能性は極めて高い」と述べた。

 

トランプの側近の中には、国家非常事態宣言に突き進むべきだと公の場で表明する人物も出ている。「民主党は壁建設の予算を絶対に認めないのだから」と主張している。水曜日、トランプ大統領とペロシ議長は怪談を持った。その際、ペロシ議長は、たとえ大統領が政府再開に合意したとしても、国境の壁建設の予算のために議論をすることは決してないと述べた。トランプ大統領はすぐに席を立ち、ホワイトハウスを後にした。

 

リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は金曜日、トランプ大統領との会談の後に声明を発表した。リンゼイは声明の中で次のように述べた。「民主党は問題を解決することよりも大統領への憎悪を優先させている。国境警備の問題は過去に民主党も深刻なものだと認識していたはずだ。民主党は2020年の米大統領選挙においてトランプ大統領を倒すために持てる力すべてを投入することになるだろう」。

 

グラハムは更に「大統領閣下、今すぐに国家非常事態を宣言すべきだ。今すぐに国境の壁を建設すべきだ」と述べた。

 

しかし、国家非常事態宣言という考えに対しては、連邦上院共和党と連邦下院のトランプと同盟している保守派議員たちから公の場で反撃を受けている。国家非常事態宣言は裁判闘争に直面し、将来の民主党所属の大統領に同様の手段を与えてしまうことになると警告を発した。

 

チャック・グラッセリー連邦上院議員(アイオワ州選出、共和党)は金曜日記者団に対して次のように述べ得た。「大統領は国家非常事態を宣言してはいけないと考えている。連邦議会の一員として、予算を配分するために憲法上与えられた権力について私は自分の両親に基づいて行動すべきだと考えている。国家非常事態宣言は間違った方策だと思う」。

 

トランプ大統領が国家非常事態を宣言するならば、民主党側は彼の行動の合法性を捧呈で争うことになるだろう。民主党側は宣言の無効決議を行うことが出来る。トランプの宣言を無効にするための決議には過半数の賛成だけでよい。

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シューマーはトランプ大統領による国家非常事態宣言は法廷に持ち込まれて機能が停止することになるだろうと述べたが、同時に彼自身とペロシは立法府としての方法を採用して阻止するということも明らかにした。

 

シューマーはポッドキャスト「ポッド・セイヴ・アメリカ」とのインタヴューの中で、「トランプ大統領の国家非常事態宣言を法的に阻止することになると思う」と述べた。

 

シューマーは更に、「ナンシー(・ペロシ議長)と私でこの件についてこれまでも話し合ってきたことは皆さんご存知だと思う。私たちは立法府としての方法で宣言を阻止することが出来るという考えで一致している」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 シンガポールでの米朝首脳会談が終了して約2週間の時間が経過しました。その間に、シンガポールで発表された共同宣言の内容の空疎さに対して世界中から懸念が表明されています。非核化に向けての詳細なスケジュールと方法が全く記載されていない中で、アメリカが北朝鮮に対して、「安全上の保証(security guarantee)」を与えるという内容は一方的過ぎる内容です。

 

 この2週間の間に米朝間で何か具体的な動きがあったとは寡聞にして知りません。両国における非核化に向けた交渉は共同宣言の内容に沿ったものですから、何も秘密裏に行う必要はありません。交渉の全てを公開する必要はありませんが、開催日時や場所、参加者の名前くらいは出しても不都合ではないし、それらを出してアピールしたほうが、「内容が決まっていない」「大丈夫か」といった懸念の声を抑えることが出来ます。

 

 そうした中で、ホワイトハウスから連邦議会に送られた定期報告書の中に、「北朝鮮はいまだにアメリカにとって大きな脅威である」という文言が使われていることが分かりました。そのことを紹介した記事を以下にご紹介いたします。

 

 これから分かることは、米朝首脳会談以降、米朝間では何も事態が進展していないということです。何か良い兆候があれば、中身が公開される報告書のような文書に、「とび抜けた、そして桁外れの脅威(unusual and extraordinary threat)」という文言は使わないでしょう。

 

 しかも、米朝首脳会談以降のドナルド・トランプ大統領の各種発言の内容は、「皆さん、良かったですね、北朝鮮はもはや脅威ではなく、私たちは安全になりました」というものですから、それと矛盾する内容をホワイトハウスが連邦議会に報告書として提出するというのは、重大なことです。大統領の発言を否定する内容なのですから。

 

 こうしてみると、米朝首脳会談は「成功」で終わったものの、そこから事態は良い方向に進んでいないのではないかという懸念が出ます。マイク・ポンぺオ国務長官は、トランプ政権の任期の終わりまでに何とかしたいという趣旨の発言をしていますが、うまくいくのか懸念があります。共同宣言によって、アメリカは軍事力を使って北朝鮮に迫るというオプションは封印されました。北朝鮮はまだ核兵器を保有しています。それで果たして北朝鮮と交渉できるだろうか、アメリカが望む合意を得られるだろうか、懸念があります。

 

 朝鮮半島の非核化への道はいまだ遠し、ということになりそうです。

 

 

(貼り付けはじめ)

 

ホワイトハウス:北朝鮮は「とび抜けた、そして桁外れの脅威」を示している(White House: North Korea presents 'unusual and extraordinary threat'

 

マロリー・シェルボーン筆

2018年6月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/393673-white-house-north-korea-presents-unusual-and-extraordinary-threat-to

 

ホワイトハウスは金曜日に発表した声明の中で、北朝鮮はアメリカにとって「とび抜けた、そして桁外れの」脅威のままであると述べた。トランプ大統領は先週、北朝鮮は「もはや核兵器を持つ脅威の存在」ではないと発言したが、その内容と異なる声明が発表された。

 

トランプ政権は金曜日、連邦議会に対して通常の定期報告を行ったが、その中で、北朝鮮に対する経済制裁を維持するべき理由となる脅威はまだ存在すると述べた。

 

報告書の中には「朝鮮半島における武器に使用可能な燃料物質の存在と拡散の危険、そして北朝鮮政府の各種行動と諸政策は、アメリカ合衆国の国家安全保障、外交政策、経済にとってのとび抜けた、そして桁外れの脅威となっている」という文言が含まれている。

 

先週、トランプ大統領はシンガポールにおいて北朝鮮の指導者金正恩と首脳会談を行った。シンガポールからの帰国の途上、トランプ大統領は、北朝鮮政府は「もはや」核兵器による脅威をアメリカに与えない、と述べた。

 

トランプ大統領は6がウ13日にツイッターを更新し、その中で「やっと帰国できた。長旅だった。しかし、皆さん方全員、私が大統領に就任した時よりも安全だと感じているはずだ。北朝鮮からの核の脅威はもはや存在しない」と述べた。

 

トランプ大統領は更に次のように書いた。「金正恩との会談は興味深く、素晴らしい経験だった。北朝鮮は将来発展する大いなる可能性を秘めている!」

 

民主党連邦上院院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は声明の中で、トランプ政権の連邦議会に対する報告の中の文言とトランプ大統領の発言が矛盾していることを批判した。

 

シューマーは次のように述べている。「トランプ大統領の政権が議会に提出した報告書はここ数週間のトランプ大統領の発言の内容を完全に否定するものだ。私たちは北朝鮮との交渉を写真撮影の機会以上に深刻に受け止めるべきだ。北朝鮮問題は解決したと発言することは全く内容を伴わない、意味のないことだ」。

 

トランプ大統領と金委員長は共同宣言に署名した。その内容は、アメリカは北朝鮮に対して例外なき「安全に関する保証」を与えるとし、それに対して金委員長は「朝鮮半島の完全な非核化に向けて一貫したたゆみない努力を行う責任を負う」を行うとした。

 

しかし、共同宣言には共同宣言で謳われた約束を米朝両国がどのように達成するのかについて詳細な内容は一切含まれていない。

 

トランプ大統領は更にアメリカが北朝鮮と非核化について交渉を行っている間は、韓国との共同軍事演習を行わないと述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ米国大統領は次期大統領国家安全保障問題担当補佐官にジョン・ボルトンを指名しました。4月9日付で、ハーバート・R・マクマスター陸軍中将と交代します。マクマスターは補佐官辞任後に大将に昇進せずに退役するということになります。

 

 ボルトンの指名は外交関係者やアメリカ政治に詳しい人々を驚かせました。レックス・ティラーソン国務長官からCIA長官マイク・ポンぺオへの交代と併せて、トランプ政権の強硬姿勢を取ることを示すものです。

 

 ジョン・ボルトン(John Bolton、1948年―)は、歴代の共和党政権に参加しています。ドナルド・レーガン政権時代(1981―1989年)には米国国際開発庁と司法省に勤務しました。続く、ジョージ・HW・ブッシュ政権時代(1989-1993年)には国際連合担当国務次官補を務めました。ジョージ・W・ブッシュ政権時代(2001-2009年)には国務次官、2005年には米国国連大使を務めました。

 

 ボルトンはジョージ・W・ブッシュ政権の対外政策を牛耳ったネオコンの一人です。彼自身はネオコンと呼ばれることを嫌います。それは、ネオコンの第一世代が民主党員だった人たちが民主党に失望し共和党支持に転向した人たちであるのに対して、自分は一貫して共和党支持者であったということから、「転向者を源流とするグループに入れないで欲しい」という考えを持っているためです。しかし、外形的にはネオコンです。

 

 ネオコンはアメリカの価値観を世界各地に「輸出」し、世界中の国々を資本主義と民主政治体制の国々にすればアメリカに敵対する国はなくなるし、世界から戦争がなくなって平和になるという考えです。これは、共産主義を世界中に輸出しようとした旧ソ連の裏返し(ヨシフ・スターリンは一国社会主義建設を優先しましたが)ということが言えるでしょう。

 

 しかし、彼らはアメリカに友好的な非民主国家まで民主化しろとは言いません。ペルシア湾岸諸国や中央アジアには王政や独裁制の国々が多くありますが、それらの国々を攻撃して政権(体制)変更(転覆)しろとは言いません。あくまでアメリカに逆らう国々の政治体制を転覆させろということを主張します。

 

 2002年の一般教書演説で、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領は、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸(Axis of Evil)」と呼びました。そして、イラクには実際に侵攻し、サダム・フセイン政権を瓦解させました。フセインは最終的には死刑となりました。

 

 ブッシュ政権の後に成立したバラク・オバマ政権で起きたのがアラブの春です。アラブの春では偶発的な事件から反体制運動が北アフリカの国々で連鎖的に発生しました。この過程で、アメリカとヨーロッパに屈服し、大量破壊兵器とテロ活動を放棄していたリビアのムアンマール・カダフィが殺害されました。こうした動きを主導したのは、民主党内でネオコンのカウンターパートと言うべき、人道的介入主義派で、国務長官を務めていたヒラリー・クリントンでした。こうしたことは拙著『アメリカ政治の秘密』で明らかにしています。

 

 現在、悪の枢軸で残っているのはイランと北朝鮮です。北朝鮮に関しては急速な核開発を行い、アメリカにとって脅威となっています。それでも今年に入って、緊張緩和ムードになり、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長の首脳会談が開催されるということになりました。

 

 しかし、この開催の時期や場所がはっきりしない中で、国務長官がレックス・ティラーソンから現職のCIA長官だったマイク・ポンぺオに、大統領国家安全保障問題担当補佐官がハーバート・R・マクマスター陸軍中将からジョン・ボルトンに交代することになりました。ポンぺオもネオコンに近い人物であり、ネオコンによって対外関係の司令塔が独占されることになりました。トランプ大統領は常に2つの異なる考えを持つ人間たちをそれぞれ同様の力と権限を持つ役職に就けて、自分の考えを実行するときに2つの考えのうち、どちらかを選んで実行させるというやり方を取るということをやってきたと私は考えます。

 

 今回、国務省とホワイトハウスの対外関係部署をネオコンが抑えたということで、トランプ政権の対外姿勢は強硬になります。ボルトンは北朝鮮について強硬な主張をしていますので、緊張緩和ムードが大きく後退することになるでしょう。

 

 北朝鮮にしてみれば、ここで核兵器を手放すかどうかという決断を迫られますが、アメリカのこれまでの外交を考えると、核兵器を手放した時点で、金王朝は遅かれ早かれ崩壊させられるということを金正恩は考えるでしょう。手放してしまえば一時的な妥協が成立する(体制保障というアメリカの約束が反故にされる可能性が高い)、手放さなければまだアメリカがチキンゲームに負けて交渉に乗ってくる可能性がある(より良い条件で妥協が成立する可能性がある)となり、北朝鮮は核兵器を握りしめたままということになるでしょう。

 

 ボルトンは核兵器貯蔵施設や核開発関連施設に対する先制攻撃を主張しています。北朝鮮に対して先制攻撃であっても、先に攻撃をされてからの報復攻撃であっても、米軍が攻撃すれば、現在の北朝鮮の体制の転換というところまで進むことになるでしょう。

 

 ジョン・ボルトンの指名となってアメリカやヨーロッパでは、アメリカによるイランに対する攻撃があるのではないかという懸念の声が大きくなっています。イランに関しては、オバマ政権時代に核開発をめぐって合意が成立しました。しかし、ボルトンやポンぺオと言った人々はイランとの合意は失敗だったとしています。

 

 イランを怖がっているのはイスラエルで、核兵器を所有している両国間で戦争となれば核戦争まで行き着く可能性があります。イランがどれほどのミサイル能力を持っているのか分かりませんが、北朝鮮でもアメリカ本土に到達できるミサイルを開発できたとすると、イランも所有している可能性があると考えられます。北朝鮮もイランもロシアからの支援を受けているので、ある程度のミサイル開発技術をロシアからもらっているでしょう。

 

 中東での問題はより危険で複雑、ヨーロッパにも大きな影響を与えることから、トランプ大統領としては今の段階では関わりたくないでしょう。ですからボルトンとポンぺオの起用は対北朝鮮問題用のシフトということになります。

 

 私は北朝鮮問題が平和裡に解決できることを願っていますが、現実はその可能性が低くなっているのではないかと考えざるを得ない状況になっていると思います

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプは究極のタカ派(Uber-Hawk)のボルトンを大統領国家安全保障問題担当補佐官に指名(Bolton as National Security Adviser

―「爆撃、イランを爆撃」から北朝鮮に対する予防的先制攻撃まで、ブッシュ政権で高官だったボルトンはより好戦的な外交政策を主張している

 

コラム・リンチ、エリアス・グロール筆

2018年3月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2018/03/22/trump-taps-uber-hawk-bolton-as-national-security-adviser/

 

ボルトンは北朝鮮に対する予防的先制攻撃を明確に求め、イランの体制を変更させるために爆撃することを主張し、アフガニスタンにおける無制限の米軍駐留を求めている。ボルトンはまた台湾に米軍を駐留させるなど中国に対してより強硬な姿勢を取るように求めてきた。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権に参加したボルトンを含む共和党所属のネオコンサヴァティヴの人々は2003年にイラクの指導者サダム・フセインを追い落とすように主張した。しかし、他のネオコンの人々とは対照的に、ボルトンは民主政治体制と人権のようなアメリカの価値観を輸出することに関心を持ったことはこれまでほぼなかった。ボルトンはブッシュ政権において国務省高官と米国国連大使を務めた。

 

ボルトンはトランプ大統領と同様に国際的な取り決めを無視し、国際連合やヨーロッパ連合(EU)のような多極的な組織を見下し、政治的な敵を激しく非難している。ボルトンは回想録『ジョン・ボルトン:降伏は選択肢に非ず』の中で、EU官僚たちを「EUの病人たち」と繰り返し揶揄している。

 

ここ数週間、ボルトンが指名されるという噂が流れた。実際にボルトンの指名が発表されるとアメリカとヨーロッパの外交関係者たちは驚きと不安の声を発した。彼らはマクマスターの辞任とボルトンの就任によってアメリカは複数の争いに関与する道を進むことになるという懸念を持っている。

 

外交評議会(CFR)のマイカ・ゼンコは次のようにツイートしている。「ジョン・ボルトンはこれまでアメリカが戦ってきた全ての戦争を支持した。彼はアメリカが戦う際に何の制限もつけるべきではないと考え、イランと核武装した北朝鮮との体制転換のための戦争を支持している。恐ろしいことだ」。

 

4月初め、ボルトンは現在の大統領国家安全保障問題担当補佐官を務めるHR・マクマスター陸軍中将と交代する。マクマスターは辞任と引き換えに大将に昇進させてもらえるという噂が流れたが、実際位は中将のままで退役することになる。ホワイトハウスの関係者は今回の交代は「常に憶測を呼ぶティームではなく、実際に行動できる新しいティームを結成する」ためのものだと述べている。発足して1年ちょっとのトランプ政権で、ボルトンは3人目の大統領国家安全保障問題担当補佐官となる。

 

ボルトンの補佐官任命は連邦上院の承認を必要としない。ボルトンの指名によって、トランプ政権のタカ派的な姿勢が強まることになるだろう。トランプは大統領選挙期間中、アメリカの海外における冒険主義を制限するという公約を掲げた。しかし、トランプは大統領就任後、アメリカの外交政策に関してより軍事中心的なものとなっている。トランプと同じく、ボルトンはヴェトナムでの従軍を忌避するために進学をした。ボルトンはヴェトナム戦争を支持した。

 

これから世界各地の諸問題について見ていく。ボルトンの政策に関する主張はアメリカの外交政策を大きく変化させる危険性がある。

 

●イラン爆撃

 

ボルトンが大統領国家安全保障問題担当補佐官に指名された。ボルトンは長年にわたりイランに対する軍事行動を主張してきた人物で、そのような人物がトランプの側近となる。トランプは国務長官をレックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオCIA長官に交代させた。このようにイランに対してタカ派的な態度を取る強硬派を運転席につけたのだ。

 

2015年のニューヨーク・タイムズ紙に掲載した論説のタイトルの中で、イランとの戦争を主張した。ボルトンは「イランの核爆弾を止めるために、イランを爆撃せよ(To Stop Iran’s Bomb, Bomb Iran)」と書いた。ボルトンはこれまでイスラエルが近隣諸国の原子力施設に対して予防的先制攻撃を行ってきたことを支持してきた。また、核兵器関連施設に対する軍事行動を主張してきた。更にはイランの政権を打倒するために反対派勢力を支援することも主張してきた。

 

ボルトンはイランの体制変更を強く主張してきた。ボルトンはイランの過激な反体制派グループであるムジャヒディン・ハルクを支持してきた。ムジャヒディン・ハルクはアメリカ政府からテロリスト組織として認定されている。それでもこの組織を支持している。ボルトンに2011年にブリュッセルで開催されたイヴェントに出席した。ボルトンはこのイヴェントでムジャヒディン・ハルクが掲げるイランの体制変更を「無条件に」支持すると語った。

 

2009年、ボルトンはイスラエルがイランに対して核兵器を使用することを支持した。ボルトンはシカゴ大学での演説中に次のように語った。「イスラエルがイランの核開発プログラムに対して核兵器を使用する準備をしていなければ、イランは近い将来、プログラムで開発した核兵器をイスラエルに対して使用することになるだろう」。

 

●北朝鮮

 

北朝鮮は核兵器とミサイル技術を急速に開発している。これを受けて、ボルトンは北朝鮮国内の核兵器を除去するために予防的先制攻撃を行うことを主張している。

 

先月、ボルトンは『ウォールストリート・ジャーナル』紙に寄稿した。その中で、ボルトンは北朝鮮への攻撃の時は今だと主張した。ボルトンは19世紀の砲艦外交を使いながら次のように書いている。「危機はすぐそこまで迫っている。北朝鮮に関するアメリカの諜報不足という点からも考えて、私たちは攻撃開始を引き延ばすべきではない。攻撃を引き延ばせば北朝鮮はアメリカ本土を確実に攻撃できる核兵器を開発してしまう危険がある。それは現在よりも更に危険な状態となる」。

 

このような攻撃は北朝鮮の韓国や東アジア地域の展開する米軍基地に対する報復攻撃を誘発することになるだろう。米軍関係者は北朝鮮の報復攻撃によって数千名規模のアメリカ人が死亡し、ここ数十年では見られなかった規模の戦争が起きるだろうと警告している。

 

ボルトンの予防的先制攻撃という強い主張がトランプ大統領と北朝鮮の指導者金正恩との朝鮮半島の非核化について話し合う最高首脳会談の開催計画とどれほど一致するのかについては明確にはなっていない。昨年、ボルトンは北朝鮮との直接交渉を「オバマ政権時代の政策の継続」だと批判した。

 

●中国

 

ボルトンに対しては中国政府から疑念の目で見られている。ボルトンは台湾の自己決定を強く主張しており、トランプ政権に対して、これまでアメリカ政府が堅持してきた「一つの中国」政策を見直すように主張してきた。ボルトンはまた台湾に対するアメリカらの武器売却を増加させるように求めている。更にはアメリカ軍の台湾駐留も主張している。これは、ダグラス・マッカーサー元帥の掲げた中国沿岸の「不沈空母」という考えを思い出させる。

 

対照的に、中国政府は国交を開封したニクソン政権以来、アメリカとの国交に関して「一つの中国」政策は交渉の余地のない要素だと考えている。

 

今週、中国の習近平国家主席は中国の領土を「1インチでも奪われないように」防衛するという印象的な演説を行った。彼の語った中国の領土には台湾も含まれている。

 

●イスラエル

 

ボルトンはイスラエルに対して全面的な支持を与えることが予期される。マクマスターは保守派の一部からイスラエルに対して十分に支持していないという激しい非難を受けていた。元イスラエル米国大使ダン・ジラーマンはある時、ボルトンを「イスラエルにとっての秘密兵器」と形容した。

 

●国際機関

 

ボルトンはアメリカにおいてマルタイカルチュアニズムに対して厳しい批判を行う人物の一人だ。また、アメリカの武器制限条約への参加やアメリカの軍事能力を制限することになるだろう国際的な協定について繰り返し疑問を呈している。ボルトンは西サハラ領有権・独立問題に関して国連から交渉担当として派遣されたことがある。彼は国連について発言し、その発言が有名になった。ニューヨークにある国連の書記局ビルは38階建てだ。もしその10階分が失われてもこれまで変わらずに業務は行われることだろう」。

 

回想録の中でボルトンは次のように書いている。「国際刑事裁判所を創設するためのローマ規定に“署名をしない”となった時が国務省時代で私が最も幸福な日であった。私はコリン・パウエルに子供の時のクリスマスの日のようにウキウキした気分だと言った」。

 

ボルトンの国際条約に関する姿勢はトランプ大統領とほぼ同じだ。ボルトンはかつ手口のように語った。「条約はアメリカの目的にかなうときにだけ法律と同様の効力を持つ。国際的な状況においては、条約は法的な強制力を持つものではなく、単純に“政治的な”ものとなる」。

 

ボルトンは国際秩序の擁護者たちに対して最大級に見下している。EUと国務省の官僚たちを特に見下している。ボルトンは彼らについて背骨がないふにゃふにゃしていると非難している。

 

ボルトンは回想録の中で次のように書いている。「病気のようなEUの外交官たちの間で広がっているのが道徳的な優位性など存在しないという考えだ。これは高学歴者が陥りがちな病気のようなものだ。感染力が強いもので、国務省の官僚たちが感染しつつある」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

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 古村治彦です。

 

 ここ数日、トランプの側近であった、ホワイトハウス首席戦略担当・上級顧問であったスティーヴ・バノンがマイケル・ウォルフの新刊『炎と怒り(Fire and Fury)』(同名の映画がありました)の中で、トランプ大統領をこき下ろすような発言をしていた、ということが話題になっています。

 

 日本でも下に貼った記事のように詳しく報道されています。『炎と怒り』は前倒しで販売され、たちまち大ベストセラーになっているようです。ウォルフと出版社は大与転びでしょう。批判者でもあっても儲けるとなれば話は別でしょう。トランプを食い物に使用がどうしようが金が儲かればいい、ということになります。

 

トランプがバノンと出来レースをやっているのか状況を利用しているのかはっきりしません。しかし、下の記事で重要なのは、クシュナーとイヴァンカに言及した部分と、バノンの中国観について部分くらいのものです。これらの点以外はあまり重要ではないように思います。トランプはこの本を利用して、ジャレッド・クシュナーとイヴァンカにお灸をすえるということなのだろうと思います。のぼせ上がるな、つけあがるな、ということを2人に教えたかったのだろうと思います。

 

 バノンの中国観はアメリカの保守的な人々や反中国の人々が持っている考えでしょう。ラストベルトの白人労働者、そして民主党支持の人道的介入主義派を支持する人々は中国を過剰なほどに敵視しています。バノンは保守派と人道的介入主義派の奇妙な連合の上にいるということになります。しかし、現在の世界において、彼らの考えは既に危険なものです。中国をナチスと同等と考えるのは、現実的ではないし、それで貿易戦争なり、本当の戦争なりをするのかというと、そういうことはできません。また、中国の勢いを鈍化させることはできても、完全に止める、もしくは逆流させることはもうできません。

 

 トランプは、過剰な中国敵視はしていません。201711月の訪中でも、中国の政策について、「自国民の利益のために他国を利用するのは当然だ」と述べています。だから、自分もそうさせてもらうということを言っている訳ですが、中国を潰すだのなんだのということは考えていません。バノンはその点で世界観に限界があるということになり、それが明らかにされました。

 

 バノンをトランプ陣営に送り込んだ、大富豪のレベカ・マーサーがバノンを見限ったという記事が出ていました。これは重要だと思います。マーサーはブライトバートに対しても支援を行っていますが、バノンが2020年の大統領選挙に出ようとしているとして支援を止めるという話になっているようです。マーサーはトランプを選んだということになりますが、これではバノンは勝ち目がありません。ですから、バノンはこれからもトランプ大統領を支持するということを表明したのでしょう。今回の件も、バノンの大統領選挙出馬の観測気球ということもあったのだろうと思います。しかし、うまくいかなかったようです。

 

トランプは徹底的な外部の立場と視点を貫き、彼が状況を作り、場を作ることで、批判者たちを振り回すだけでなく、陣営内も振り回す、ということをやっています。彼がやりたいことを実現するのは混乱状態の中で、あれいつの間に、と皆に思わせる形で実現させています。本当に重要なことは誰にも話さないし、ある特定の人物にべったりすることはなく、自分で決めている、そのように感じられます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「当選への戸惑いから髪形の秘密まで…バノン氏、トランプ政権の内幕暴露」

 

AFP通信 201814 12:01 発信地:ワシントンD.C./米国

http://www.afpbb.com/articles/-/3157341

 

14 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の最側近だったスティーブ・バノン(Steve Bannon)元首席戦略官・上級顧問が、ジャーナリストのマイケル・ウルフ(Michael Wolff)氏の新刊「Fire and Fury: Inside the Trump White House(仮訳:炎と怒り──トランプのホワイトハウスの内側)」でトランプ政権の内幕を暴露している。米誌ニューヨーク(New York)と英紙ガーディアン(Guardian)、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が掲載した抜粋部分は以下の通り(引用中敬称略、丸括弧内は補足)。

 

■陣営は敗北を予想

 

 大統領選当日(2016118日)午後8時すぎ、トランプが本当に勝利するかもしれないという思いもよらない大勢が判明してきた時、ドン・ジュニア(トランプの長男ドナルド・トランプ・ジュニア、Donald Trump Jr)は友人に、父のことを指してDJTはまるで幽霊のように見えたと語った。メラニア(トランプ夫人、Melania Trump)は涙を流していたが、喜びの涙ではなかった。

 

 スティーブ・バノンがさして面白くもない観察を1時間あまり続けている間に、放心したトランプから、起きたことが信じられないトランプ、怖気づいたトランプへと次々に変わっていった。だが、最後の変身、つまり自身が米国の大統領にふさわしく、なりきれると信じる男への変身はまだだった。

 

■対ロ接触は「反逆」

 

 陣営の幹部3人であるトランプ・ジュニア、娘婿のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner、現上級顧問)、ポール・マナフォート(Paul Manafort、当時の選対本部長)は、弁護士の立ち会いなしでトランプ・タワー(Trump Tower25階の会議室で外国政府関係者と会うのは良いアイデアだと考えた。実際、弁護士は一人も同席しなかった。これが反逆的だとか、非愛国的、あるいはひどいことではないと思われていたとしても、私はそのすべてが当てはまると考えている。すぐFBI(連邦捜査局)に連絡すべきだった。

 

■「真の敵は中国」

 

「真の敵は中国だ」とバノンは言った。中国は新たな冷戦(Cold War)の最前線にいる。中国がすべてだ。他はどうでもいい。中国に好き勝手にやらせてはならない。そんなことは一切許してはならない。単純なことだ。中国は192930年のナチス・ドイツ(Nazi)のようなものだ。当時のドイツ人と同じように、中国人は世界で最も合理的な国民ではある。そうでなくなるまでは。彼らもまた30年代のドイツと同様、熱狂しつつある。超国家主義の国が誕生しそうになっている。そうなってしまえば誰にも止められない。

 

■娘も大統領に野心

 

 イヴァンカ(・トランプ、Ivanka Trump、大統領補佐官)とジャレッドは、ウエストウイング(West Wing、ホワイトハウス西棟)での役割について、周囲の人たちからのアドバイスを受けながら、リスクと見返りをよく考えた上で引き受けることを決めた。それは夫婦が一緒に決めたことであり、ある意味で一緒に仕事をするということだ。二人の間では本気でこう決めている。いつの日か機会が訪れれば、イヴァンカが大統領選に出馬すると。イヴァンカは米国初の女性大統領はヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)ではなく、自分だと考えて悦に浸っている。

 

■毒殺恐れマックへ

 

 トランプは長い間、毒殺されるのではないかと恐れてきた。彼がマクドナルド(McDonald's)で食事をするのが好きな理由の一つもそれにある。自分が来ると知っている人がおらず、食べ物は事前に安全に作られているからだ。

 

■側近らも辛口批判

 

  トランプは夕食後に電話で話をした際、スタッフそれぞれの欠点について根拠もなくあれこれ語っていた。バノンは不誠実でいつもひどい身なりをしている、(ラインス・)プリーバス(Reince Priebus、前大統領首席補佐官)は貧弱でちび、クシュナーはご機嫌取り、ショーン・スパイサー(Sean Spicer、前大統領報道官)はばかで見た目も悪い、ケリーアン・コンウェー(Kellyanne Conway、前大統領顧問)氏は泣き虫だなどとね。イヴァンカとクシュナーに関しては、ワシントンに来るべきではなかったとも言っていた。

 

■あの髪形の秘密も

 

 イヴァンカはトランプと一定の距離を置き、トランプの前後左右になでつけた髪形も皮肉交じりに周囲に語っている。イヴァンカは友人たちによくこんな裏話をしている。スカルプリダクション手術(はげ治療のために脱毛部分の頭皮を除去する手術)をした後の、てっぺんだけきれいに髪の無い頭は両横と前の髪に囲まれている。その髪の毛を全部真ん中に集めて後ろに流して、スプレーで固める。髪染めは「ジャスト・フォー・メン(Just for Men)」を使うのだが、液剤を塗ってから時間を置くほど、髪の色は濃くなる。トランプのあのオレンジ色のブロンドは短気の表れだとね。(c)AFP

 

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●「米大統領、暴露本の出版中止要求 出版社は発売前倒しで対抗」

 

AFP通信 201815 6:50 発信地:ワシントンD.C./米国

http://www.afpbb.com/articles/-/3157457?cx_amp=topstory

 

15 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弁護士団は4日、トランプ氏の大統領職への適性に疑問を呈する側近らの発言を引用した暴露本の著者と出版社に対し、同書の出版差し止めと宣伝の中止を求める書簡を送った。出版社側はこれを受け、同書の発売を4日前倒しすると発表した。

 

Fire and Fury: Inside the Trump White House(仮訳:炎と怒り──トランプのホワイトハウスの内側)」と題された同書は、トランプ氏の最側近だったスティーブ・バノン(Steve Bannon)元首席戦略官・上級顧問の発言を多く引用し、同氏を臆病かつ情緒不安定で大統領の資質に大きく欠けた人物として描写している。

 

 弁護士らは、著者でジャーナリストのマイケル・ウルフ(Michael Wolff)氏と出版元のヘンリー・ホルト(Henry Holt)社に送った書簡で、同書にはトランプ氏をめぐる「誤った、根拠のない発言」が含まれていると主張。同書の出版は名誉棄損(きそん)や虚偽の描写によるプライバシーの侵害などに相当すると指摘した。

 

 さらに弁護士らは、同書は「最も損害の大きな記述の多くについて、その情報源を明らかにしていない」と批判。また「情報源」とされた人の多くが、ウルフ氏と話したことや、自身が出所とされる発言をしたことを否定していると主張。出版元に対し、同書の出版差し止めや宣伝の中止、内容の撤回、トランプ氏への謝罪を求めた。

 

 これを受けヘンリー・ホルト社は、今月9日に予定されていた同書の発売日を同5日に前倒しすると発表。著者のウルフ氏もツイッター(Twitter)で出版の前倒しを発表し、「ありがとう、大統領」とコメントした。(c)AFP

 

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●「トランプ氏は「偉大な男」=今も米大統領支持-バノン氏」

 

時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010500025&g=use

 

 【ワシントン時事】バノン前米大統領首席戦略官・上級顧問は、自身が会長を務める右派メディア「ブライトバート」に4日付で抜粋が掲載されたインタビューで、トランプ大統領について「偉大な男だ。どこで演説しようが毎日支持している」と述べた。

 

 バノン氏をめぐっては先に、2016年の大統領選中にトランプ氏の長男らがロシア関係者と接触したことを「売国的だ」などと批判したと報じられた。これを受けてトランプ氏は「彼はクビになり、職とともに正気を失った」と非難するコメントを発表。昨年8月のバノン氏の辞任後も続いていた両者の関係が断絶したとの見方も出ていた。(2018/01/05-00:43

 

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Bannon loses support of pro-Trump billionaire backer over media fights

 

BY JOHN BOWDEN - 01/03/18 10:23 PM EST  2,592

The Hill

http://thehill.com/homenews/media/367367-bannon-loses-support-of-pro-trump-billionaire-backer-over-media-fights

 

Former White House chief strategist Stephen Bannon has reportedly lost the support of billionaire backer Rebekah Mercer after he suggested he might run for president himself.

 

A person close to Mercer told The Washington Post that she no longer supports Bannon. According to the report, Mercer was frustrated with Bannon's strategy in the Alabama Senate special election and pulled her funding after he told other major conservative donors that Mercer would back Bannon in his own presidential bid.

 

Bannon, now head of Breitbart News, supported Alabama GOP Senate candidate Roy Moore, who was dogged by allegations of sexual misconduct, in his eventual defeat to now-Sen. Doug Jones (D) in December.

 

The core constituency for Breitbart is what you would call the Trump Deplorables. That’s the audience. And if they’re asked to choose between Steve and Trump, they’re going to choose Trump. That’s clear,” a person familiar with Breitbart News's operations told the Post.

 

It was unclear from the report whether Mercer, who bought a stake of Breitbart News from her father in November, will continue to back the right-wing news site. The report said she is no longer backing any future Bannon projects.

 

Rumors of a possible Bannon run in 2020 are reportedly mentioned in Michael Wolff's new book "Fire and Fury: Inside the Trump White House."

 

The book caused a stir in Washington, D.C., on Wednesday when several passages were leaked and an excerpt was published by New York Magazine.

 

Bannon made headlines after he was quoted in the book criticizing Trump's eldest son for a meeting in Trump Tower with a Russian lawyer who promised "dirt" on Democratic presidential nominee Hillary Clinton's campaign.

 

Even if you thought that this was not treasonous, or unpatriotic, or bad shit, and I happen to think it’s all of that, you should have called the FBI immediately," Bannon said, according to the book.

 

President Trump responded to Bannon's remarks in a statement on Wednesday, accusing his former adviser of losing his mind.

 

Steve Bannon has nothing to do with me or my presidency,” Trump said. “When he was fired, he not only lost his job, he lost his mind.”

 

"Steve pretends to be at war with the media, which he calls the opposition party, yet he spent his time at the White House leaking false information to the media to make himself seem far more important than he was," the president added.

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカのトランプ政権の対北朝鮮に対する対応から、アメリカ外交の二元性、ホワイトハウスと国務省が綱引きをしているのだということを書いてみたいと思います。

 

 安倍首相のアメリカ訪問中、北朝鮮はミサイルを発射しました。これに対して、トランプ大統領と安倍首相は緊急で記者会見を行い、北朝鮮のミサイル発射を非難しました(安倍首相が世界の政治の中で重要な役割を果たしているような姿に見えるように北朝鮮が演出をしてくれたように見えます)。その後、北朝鮮の故金正日氏の長男・金正男氏がマレーシアのクアラルンプール空港で毒殺されるという事件も起きました。

 

 そうした中で、トランプ大統領の北朝鮮に対する態度を示す以下のような記事が出ました。

 

(貼りつけはじめ)

 

●「トランプ氏、対北朝鮮「中国は影響力を」 核増強も表明」

 

ワシントン=峯村健司

20172240908

朝日新聞

http://www.asahi.com/articles/ASK2S254GK2SUHBI00P.html

 

トランプ米大統領は23日、ロイター通信のインタビューに応じ、北朝鮮の新型弾道ミサイル発射について「強い憤りを感じる」と非難し、日本と韓国へのミサイル防衛システムの配備を急ぐ考えを示した。また、米国は核戦力を増強していくことも表明した。

 

    特集:ドナルド・トランプ

 

 トランプ氏は、北朝鮮による核やミサイルを使った挑発行為をやめさせるには、北朝鮮と関係が深い中国の役割が重要であると指摘。「中国は北朝鮮の脅威を簡単に解決できる」と述べ、中国に影響力を行使するよう圧力をかけていく方針を明らかにした。

 

 さらに、米国の核兵器能力について「他国に劣ることはない」と強調。オバマ前政権が2010年にロシアと結んだ戦略核弾頭を1550発以下に減らす新戦略兵器削減条約(新START)について、「米国が結んだまずい協定の一つ」と批判した。

 

 トランプ氏はまた、ロシアによる地上発射型の巡航ミサイル配備について、中距離核戦力全廃条約に違反すると非難。ロシアのプーチン大統領と会談の予定はまだないとしながらも、「もし会談すればこの問題を提起する」と述べた。(ワシントン=峯村健司)

 

(貼りつけ終わり)

 

 これだけ見ると、トランプ大統領は北朝鮮に対して(と言うよりも中国に対して)、かなり強硬な姿勢を見せているということができます。しかし、一方で、北朝鮮に対しても決して門戸を閉ざしているのではないことを示す以下の記事が出来ました。

 

(貼り付けはじめ)

 

North Korean officials are preparing to come to U.S. for talks with former officials

 

By Anna Fifield February 19

Washington Post

https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/north-korean-officials-are-preparing-to-come-to-us-for-talks-with-former-officials/2017/02/19/3f853c04-f6a8-11e6-9b3e-ed886f4f4825_story.html?utm_term=.a5b0e6e82dd9

 

KUALA LUMPUR, Malaysia — Preparations are underway to bring senior North Korean representatives to the United States for talks with former American officials, the first such meeting in more than five years and a sign that Pyongyang sees a potential opening with the Trump administration.

 

Arranging the talks has become a lot more complicated over the past eight days, with North Korea testing a ballistic missile and the assassination of Kim Jong Un’s half brother in Malaysia, an act that many suspect was ordered by the leader of North Korea. Malaysian police on Sunday named as suspects four North Koreans who left the country on the day of the attack. 

 

Analysts also say they highly doubt that Pyongyang, which has insisted on being recognized as a nuclear state, would be willing to moderate its position on its weapons program. 

 

If the talks do take place, they could offer a glimmer of hope for an already-hostile relationship that has only deteriorated as the Kim government works aggressively to develop a nuclear-tipped missile capable of reaching the continental United States.

 

The planning for the “Track 1.5” talks — with the U.S. side made up of the former officials who usually take part in Track 2 talks, but the North Korean side composed of government officials — is still in a preparatory stage, according to people with knowledge of the arrangements.

 

What we know about the alleged assassination of Kim Jong Nam  Play Video2:09

The older half-brother of North Korean dictator Kim Jong Un was killed in Malaysia in an apparent poisoning attack carried out by two female agents. (The Washington Post)

The State Department has not approved the North Koreans’ visas for the talks, which would take place in New York within the next few weeks.

 

The North Koreans have expressed an interest in engagement, but nothing’s been approved yet,” said one person familiar with the preparations, speaking on the condition of anonymity because they were not authorized to discuss them.

 

Others who have been in touch with North Koreans describe an intense interest in what President Trump might do.

 

If this happens, it would be an interesting signal to the new administration,” one person said of the discussions.

 

The talks would be the clearest indication yet that Kim wants to talk with the Trump administration. “If this happens, I would take it as a very positive sign from both sides,” said another person with knowledge of the arrangements.

 

In recent years, there have been sporadic Track 1.5 talks that have taken place in Kuala Lumpur, Geneva, Berlin and Ulaanbaatar, Mongolia. But these talks have not taken place in the United States since July 2011, before Kim succeeded his father in North Korea.

 

The planned talks are being organized by Donald S. Zagoria of the National Committee on American Foreign Policy, who served as a consultant on Asia during the Carter administration and has organized previous rounds of such talks. Zagoria declined to comment on the preparations.

 

The talks would be run independently of the State Department, where officials have privately questioned the utility of such discussions. But if the administration issued the visas, it would be an implicit seal of approval. And if the discussions go well, they could pave the way for official talks.

 

Choe Son Hui, the director of the U.S. affairs department in North Korea’s Foreign Ministry, is likely to lead the delegation from Pyongyang. She is well known to American officials, having participated in official meetings including the six-party talks on denuclearization, as well as in other Track 1.5 talks.

 

Choe has a direct line to Kim, according to Thae Yong Ho, the North Korean deputy ambassador to London who defected to South Korea last year.

 

Since Trump was elected, there has been a notable change in North Korea’s usually bombastic rhetoric.

 

Pyongyang had been sharply critical of the Obama administration, saying its policy of “strategic patience” — waiting for North Korea to change its nuclear calculations — was “an aggressive and heinous ‘strategic suffocation’ policy” against North Korea.

 

But in its announcement of its missile launch Feb. 12, the North’s state media did not include its usual bluster about needing a deterrent against the United States and its “hostile policies.”

 

In his own statement after the launch, Trump notably did not condemn Pyongyang. The new president has, in fact, said very little about how he plans to deal with North Korea. “North Korea — we’ll take care of it folks, we’re going to take care of it all,” he said at his news conference last week, without elaborating.

 

His administration is conducting a review of North Korea policy. This provides space to broaden the options for dealing with Pyongyang and an opportunity to influence the new president, analysts say. 

 

While some expect him to take a hard-line approach, encouraged by hawkish advisers, others say that Trump, who prides himself on making deals, could be open to dialogue with the North Korean regime.

 

U.S. policy is hanging in the balance,” said Adam Cathcart, an expert on North Korea at the University of Leeds in Britain. 

 

I think the North Koreans ought to be pretty happy, because the Americans have laid off criticizing them too much and have, in fact, been making things quite easy for them,” Cathcart said. “But at some point, they are going to have to decide whether to pick up the cudgel.”

 

For those favoring an even tougher approach to North Korea, recent events have provided plenty of ammunition.

 

On Feb. 12, North Korea tested a ballistic missile for the first time since Trump was elected. The missile appeared to show significant technological advances, with upgraded power and range, and could mark another step in the push toward the capacity to hit Alaska or Washington state.

 

(貼り付け終わり)

 

 この記事は少し古いのですが、2017年2月19日付の『ワシントン・ポスト』紙に掲載されました。北朝鮮外務省のアメリカ担当部長が代表団を連れて、アメリカ訪問を行う準備をしている、というものです。アメリカ側で応対するのは、シンクタンクの幹部で、ジミー・カーター政権で、ホワイトハウスに属する国家安全保障会議、そして国務省で東アジア担当コンサルタントを務めたドナルド・S・ザゴリア(Donald S. Zagoria、88歳)です。ザゴリアは、コロンビア大学で博士号を取得した東アジア専門家で、北朝鮮問題に詳しい人物のようです。

 

 ザゴリアは現在、アメリカ外交政策全国委員会(National Committee on American Foreign Policy、NCAFP)というシンクタンクの上級副会長を務めています。NCAFPの創設者は国際関係論という学問分野でリアリズム(Realism)の泰斗と呼ばれたハンス・J・モーゲンソー(Hans Joachim Morgenthau、1904―1980年)です。ハンス・モーゲンソーの大著『国際政治(Politics Among Nations)』は、国際関係論における古典となり、授業では必ず読みます(日本ではどうかわかりません)。モーゲンソーはイデオロギーを排し、国際関係論を「学問(Science、合理的推論を使いながら、因果関係に基づく法則を発見する行為)」にまで昇華させようと奮闘した学者です。「力(Power)」と「国益(National Interest)」という概念を用いて分析を行う手法を採り、「勢力均衡(Balance of Power)」を主張した人物です。


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