古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:マイク・ペンス

 古村治彦です。

 

 拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、古村治彦訳、講談社、2015年)の主人公であるコーク兄弟について、日本でも少しは知られてきていますが、知名度はまだまだです。コーク兄弟は、今でも共和党にとって重要な資金源であり、トランプ政権になっても存在感は大きいのです。チャールズ・コーク(資産3兆円以上)は、2016年のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプを批判し、応援しないと明言しました。一方で、ヒラリー・クリントンについても応援しないということで、静観の構えということになりました。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 コーク兄弟の最近の動きについては、本ブログの以下の記事でもご紹介しています。オバマケアと呼ばれるアメリカの現行の健康保険制度について、トランプ大統領と共和党は撤回と代替法案を連邦議会で可決させようとしています。まず下院で議論され、採決が行われることになったのですが、3月の時点で、下院で賛成票が足りないということで採決が見送られることになりました。後に、ぎりぎりで可決することができました。


 

これは、連邦下院共和党所属議員の中に「フリーダム・コーカス」という議員グループがあり、このグループが下院に提出されていた法案に反対したからです。「同じ共和党が提出した法案にどうして共和党の議員が反対するのか?日本だったら大変なことになる」と不思議に思われるところですが、フリーダム・コーカスは、法案が「改革内容が不十分」ということで反対しました。アメリカでは日本と違い、党議拘束はなく、議員は個人の考えで採決に参加します。

 

 このフリーダム・コーカスの議員たちに支援を約束していたのがコーク兄弟です。コーク兄弟が「改革が不徹底だ」として議員たちに反対させたということになります。最後は妥協して可決しましたが、コーク兄弟の力を思い知らされることになりました。

 

2017年4月2日付「トランプ大統領vsコーク兄弟」

http://suinikki.blog.jp/tag/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9

 

 今週末、コーク兄弟は、自分たちが率いる大口献金者ネットワークの会合のために、コロラド州を訪れていました。そして、同じくコロラド州訪問中であった、マイク・ペンス副大統領と会談を持ちました。ホワイトハウスは公式にはこの会談予定を発表していませんでした。ペンスはコーク兄弟とも親しい関係にあり、トランプ政権とコーク兄弟を繋ぐ存在になっています。また、トランプ政権にはコーク兄弟と関係を持つ人々が多く入っていたり、影響を与えたりしています。

 

 ペンス副大統領との会談後、コーク兄弟が資金援助をしているアメリカンズ・フォ・プロスペリティという団体の責任者が来年の中間選挙には4億ドルの資金を投入するという発表を行いました。これは、共和党、特に急進的な改革派に資金を提供する、そして、民主党の議席増を抑えるということです。

 

 コーク兄弟はトランプ大統領の発言などを批判していますが、彼が行おうとしている税制改革、健康保険改革、気候変動枠組からの離脱といったことは、コーク兄弟も主張していることで、方向性は同じです。ですから、共和党政権と連邦上下両院で共和党が過半数を握っている状態が存続すること、それから共和党を自分たちの思う方向に進めるということがコーク兄弟にとって大事になってきます。

 

 共和党としては、資金を提供してくれる大口献金者のネットワークを構築し、率いているコーク兄弟を無視することはできません。中間選挙に向けて存在感は大きくなっていくでしょう。

 

(貼りつけはじめ)

 

ペンスがコーク兄弟とコロラド州で会談(Pence meets with Koch brother in Colorado

 

リード・ウィルソン筆

2017年6月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/news/339283-pence-stops-by-koch-brothers-conference-in-colorado

 

金曜日、ペンス副大統領は保守派の政治活動家チャールズ・コークと会談を持った。この会談については公式に発表されなかった。会談は、コロラドスプリングスで開催されるコーク兄弟率いるネットワークの大口寄付者会議の前に行われた。

 

ペンスは、コーク・インダストリーズの会長であり、最高経営責任者であるチャールズ・コークと、コーク・ネットワークの主要なメンバーと会談を持った。ペンスはコロラドスプリングスでのキリスト教保守派グループ「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」の40周年記念式典に出席することになっていた。

 

ホワイトハウスが木曜日夜に発表した副大統領の行動予定表に、コークとの会談は掲載されていなかった。

 

金曜日朝、副大統領の報道官は、本誌からの「ペンス副大統領はコーク兄弟が利いるネットワークの人々と会談を持つのか?」という質問に対して回答を拒否した。金曜日夜に報道官にコメントを求めたが返事はなかった。

 

コーク兄弟が率いるネットワークの報道担当ジェイムズ・デイヴィスは、ペンスとチャールズ・コークは税制改革や退役軍人省の改革などについて議論したと述べた。退役軍人省の改革については金曜日にトランプ大統領が署名した。デイヴィスは、会談は50分間にわたって行われたと述べた。

 

会談にはマーク・ショートとマーティー・オブストが同席した。ショートはホワイトハウス法律問題担当部長を務めており、ペンスが下院議員時代に首席スタッフを務めていた。オブストは長年にわたりペンスのアドヴァイザーを務め、大統領選挙においてペンスの政治行動員会の責任者を務めた。

 

コーク兄弟側の出席者は以下の通りだ。コーク・インダストリーズの上級顧問マーク・ホールデン、コーク兄弟が支援している団体「アメリカン・プロスペリティ」会長ティム・フィリップス、チャールズ・コーク財団とチャールズ・コーク研究所の会長ブライアン・フックス、そして、前述のデイヴィスだ。

 

トランプ大統領は、リバータリアニズム信奉者の大富豪コーク兄弟とほぼ関係を持っていないが、ペンスはチャールズ・コーク、デイヴィッド・コークとの間で長年にわたり関係を持っている。

 

アメリカンズ・フォ・プロスペリティはインディアナ州知事時代のペンスを支援した。ペンスの世論調査担当者だったケリアン・コンウェイはコーク兄弟率いるネットワークで働いた経験を持っている。コンウェイは現在、ホワイトハウスでトランプ大統領の上級顧問を務めている。ショートは現在のホワイトハウスの法律問題担当であり、ペンスの首席スタッフを務めた経験を持つ。ショートはコーク兄弟率いるネットワークの主要な構成団体であるフリーダム・パートナーズ商工会議所の運営責任者を務めていた。

 

ホワイトハウスが発表したスケジュールによると、コロラドスプリングス滞在中、ペンスはシュライヴァー空軍基地勤務の軍人たちと昼食を共にし、アメリカ宇宙防衛センターとシェイン・マウンテン空軍基地を訪問することになっている。

 

ペンスは、コロラドスプリングスのブロードモアホテルで開催される連邦上院議員コーリー・ガードナーの政治資金パーティーに出席する予定になっている。ガードナーは全国共和党所属連邦上院議員委員会の委員長を務めている。コーク兄弟率いるネットワークもまたブロードモアホテルで会議を開く予定になっている。ブロードモアホテルは豪華ホテルで、保守派の大富豪フィリップ・アンシュッツが所有している。

 

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2018年中間選挙でコーク兄弟は4億ドルを投じる(Koch brothers to spend $400 million in 2018 elections

 

オリヴィア・ビーヴァーズ筆

2017年6月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/339399-koch-brothers-to-spend-400-million-on-republican-candidates-in

 

今週土曜日、「チャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク率いる富豪たちの寄付ネットワークは2018年の中間選挙において、保守的な政策の実現のために4億ドル(約440億円)の資金を投じることになるだろう」、とネットワークの責任者がフォックスニュースに対して語った。

 

保守派の大富豪コーク兄弟から資金を受けている団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の責任者ティム・フィリップスは、「中間選挙では、私たちの政治信条や政策について、3億から4億ドルを投じることになる。金額の大きい方に近い額を出すことになるだろうと思う」と述べた。

 

「連邦上下両院の共和党所属議員たちに言いたいことは、大胆に、強く主張して行動して欲しいということだ」とフィリップは述べ、健康保険改革と税制改革を強調した。

 

フィリップは「そうすることで、2018年になった時に、共和党所属の議員たちが実績を誇る機会を与えることになる」と述べた。

 

政治と政策について資金を投入するという発表は、連邦上院の共和党が木曜日に、彼ら自身のオバマケア撤廃と新しい法案を木曜日に発表した。

 

保守派の多くはメディケイドの縮小や削減を望んでいる。メディケイドは、低所得の人々の多く、高齢者の一部と身体障碍者のための健康保険プログラムである。

 

チャールズ・コークと側近たちはコロラドスプリングスで大口寄付者たちと会合を持った。

 

彼らはメディアに対して、ホワイトハウスは、連邦上院の健康保険法案に対する彼らの情報や資金の投入を歓迎していると語った。今年の春に法案が可決される前に連邦下院で健康保険法案について議論がなされていた時期とは全く異なる対応だ。

 

コーク怯懦からの資源の投入という話では、コーク兄弟は、2018年に選挙を迎える下院議員で、連邦下院に提出された健康保険法案に反対する人々を支援していると報道された。

 

フィリップは続けて次のように述べている。「私たちが議員たちに覚えておいてもらいたいのは、これから行われる4回の選挙(2年おき)の間にオバマケアを撤廃するという約束をしたのだということだ。示威的な行動以上のことを行うことが重要だ」。

 

コーク兄弟と側近たちはオバマケアの撤廃と新しい法律可決よりも、見直しを望んでいる。同時に、彼らは健康保険法案についてトランプ政権と協力していると述べている。

 

連邦上院では共和党が過半数を占めている。そして、早ければ来週にも新しい健康保険法案について採決を行うことになる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領によるジェイムズ・コミーFBI長官解任を受けて、トランプ反対派とマスコミからの攻撃が激しさを増しています。連邦議会上下両院で少数派となっている民主党は、来年の中間選挙での躍進を目指して、トランプ政権との対決姿勢を鮮明に打ち出しています。

 

健康保険問題では、共和党内部にもトランプが求めるオバマケア代替法案に反対の議員たちも多く、本当に成立するのか疑問で、また、成立しても、かなりの妥協の産物になっているでしょう。また、トランプを支持した人々は、低所得でメディケイドという公的保険に入っている人が多く、メディケイドに入れないが収入が低い人々はオバマケアで一応保険に入れたが、オバマケア撤廃でどうなるかということで不安と不満を持っています。私は、トランプ大統領は、オバマケアでも良いと思っているのではないかと思います。

 

 減税もトランプ大統領を支持した低所得の人々にとってはあまり恩恵がある話ではなく、そうしたこともあって、現在トランプ大統領の支持率は30%中盤、不支持率は50%超えという状況です。

 

 大手マスコミは毎日派手にトランプ批判を展開しています。私は、外交に関してトランプ大統領を支持していますから、大手マスコミの報道はやり過ぎ、行き過ぎではないかと考えています。以下に、トランプ政権内部の内部闘争に関する記事をご紹介しますが、その中には、政権幹部の話として、旧知の記者たちが「この話は本当か」と噂話を確かめる電話をしてくるが、そんな話はないので否定しても、翌日の新聞には記事として掲載される、という話が紹介されています。

 

 アメリカの歴代政権で、内部闘争がなかった政権などありません。大なり小なり争いはあります。バラク・オバマ政権では人道的介入主義派が国務省を根城にして余りにもバカなことをやるので、ホワイトハウスが外交の主導権を握り、キューバとの国交回復、イランとの核開発に関する合意を成立させました。ジョージ・W・ブッシュ政権時代には、ネオコンがまたあまりにも酷いので、そうではない人々が抑え役に回るということがありました。

 

 私はトランプ政権発足時の閣僚やスタッフの配置を見て、「同じような権限や力のポジションに全く違う考えの人々を起用して、競争させつつ、良い案を出させて、トランプがそれを実行するようになるだろう」と考えました。これは、実業家としては当然のことで、「コンペ(コンペティション)」をして、より良い方を選択する、ということです。しかし、外から見れば、内部で対立がある、上から抑える人がいないと、競争がエスカレートしているように見える、ということになります。

 

 トランプ政権は、ワシントンの政治家や官僚に対する人々の怒り、ポピュリズムから生まれた政権です。ですから、既存の政治家や官僚、そしてマスコミは当然反発します。日本でも、新聞やテレビが政権にうまくコントロールされる、官僚が世論を誘導しようとして情報をリークする、ということが問題になっていますが、アメリカでも同じことです。日本の記者クラブ制度は目につきやすいものですが、アメリカでは目に見えない形で、既存メディアのコントロールがあるように思います。

 

 私は、歴代政権と比べて、トランプ政権だけが特別内部闘争が激しいのではない、ただ、メディアが面白おかしくあることないことを報道して、「激しい対立で政権崩壊寸前」という前提で、出来事を分析する記事を掲載していると、それが「真実」であるかのように見られてしまっている、と考えています。

 

 そして、大きくは、トランプ攻撃でトランプを追い出し、出来れば早くマイク・ペンス副大統領を大統領に、そして2020年には民主党系の人道的介入主義派、もしくはその言うことを聞く人物を大統領に、と共和党ネオコン、民主党、官僚、マスコミは考えているでしょう。

 

 しかし、トランプは何度も逆境を乗り越えてきた人物であり、危機的状況すらも内部の引き締めと裏切り者の排除に使うだけの度胸と力を持っていると私は考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

トランプ政権内部の闘争が沈静化(Infighting cools down in Trumpland

 

ジョナサン・イースリー筆

2017年4月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/330341-infighting-cools-down-in-trumpland

 

トランプ大統領のホワイトハウスは、内部闘争とリークによる傷を癒そうとしている。政権発足からの100日を越えて、内部闘争とリークに付きまとわれている。

 

トランプは、上級顧問であるジャレッド・クシュナーと首席ストラティジストであるスティーヴン・バノンとの間の一時的な休戦を仲介した。クシュナーはトランプの義理の息子であり、政権内での責任が重くなっている。バノンはブライトバート・ニュース社の会長を務め、好き放題なスタイルとナショナリスト的な考えが目立ち、トランプの型破りな選挙運動を象徴する人物である。

 

バノンと話した人は、バノンがクシュナーを攻撃している自分の味方に対して、攻撃をやめるように強く求めたと語っている。

 

 

しかし、政権内部の闘争と明日の新聞にその話が報道されるのではないかという恐怖感のために、トランプ政権の幹部たちは疲れ切っている。

 

政権の幹部たちがマスコミに対して噂を流し、それを払拭しようとして激しく闘っているように見える。本誌の取材に応じた政権幹部たちは、こうした争いに参加することを拒むと走ってくるバスの下に投げ飛ばされる、もしくはマスコミに対して影響力を失っているという話をされる、という不安を感じていると語っている。

 

「やるか、やられるか」という精神状態は幹部から中堅職員に拡大しており、彼らもまた内部闘争に参加するようになりつつある。

 

ホワイトハウスの幹部たちの間で広がっている不平不満はマスコミが数多く取り上げている。今月初め、政権内部に充満する不平不満が噴出した。連邦上院がニール・ゴーシックの連邦最高裁判事任命を承認した日、マスコミがこれよりも大きなスペースで報じたのが、トランプ政権内の宮廷内闘争の話であった。これはトランプ政権の勝利と言える。

 

政権内部の闘争はトランプの支持者たちにも反映し、彼らの間も分裂している。バノン率いる草の根保守派とニューヨークの「リベラル派」として出現しつつある派閥との間で闘いが起きている。クシュナー、イヴァンカ・トランプ、大統領経済顧問のゲイリー・コーン、大統領国家安全保障担当次席補佐官のディナ・パウエルがニューヨークの「リベラル」に分類される。

 

本誌が取材した共和党関係者たちは、内部闘争とリーク合戦がこれまでにないほどの激しさとしつこさだと語っている。

 

トランプを支えている人々は内部闘争がトランプの大統領としての成功を邪魔していると述べている。

 

アメリカ商工会議所の政治担当上級ストラティジストであるスコット・リードは、「これまでなかったレヴェルのリークがなされていることに衝撃を受けています」と語った。

 

リードは次のように語った。「トランプは実業家で、コンペをして、様々な異なった考えが提示されることを好みます。トランプ政権の秘密は、規律が保たれており、内部の話は外に出ないことです。もし規律が保たれず、秘密が外に漏れるようになると、それがマスコミにとっての格好の攻撃材料となり、トランプ大統領にとっては良くないことになります。トランプは規律を正そうとし、それをうまくやっています。政権内の人々は黙って仕事をすることです。そして、ケンカなどせずに、政策をきちんと進めてほしいですね。宮廷内の争いで経済が成長するなんてことはありませんから」。

 

トランプがバノンとクシュナーの争いに介入し、仲裁をしてから、まだ数週間しか経ってはいない。

 

トランプ政権発足から100日間が経過するこの時期は、トランプ政権内のライヴァルたちがまとまって進めるかどうかを占うテストとなる。

 

ホワイトハウスの幹部たちと政権の閣僚たちは総出で、トランプ政権の政策を売り込むために、地方、全国両方のレヴェルのメディアに出演することになる。そして、政権発足100日間は成功であったとアピールするだろう。

 

トランプ政権に近いある共和党幹部は、「政権発足最初の100日を何とかうまく乗り切ったと思う」と語った。

 

ホワイトハウスの幹部たちは、噂話とリーク合戦に嫌気がさしている。そして、内部闘争はマスコミによって過大に報道され、その中のいくつかの話は完全にでっち上げだと主張している。

 

ある政権幹部は本紙の取材に対して、「報道は大袈裟すぎる」と述べた。

 

他の幹部たちは本紙の取材に対して、記者たちは、彼らに電話をしてきて、政権内部のどぎつい、面白おかしい話に就いて本当かどうかを確かめるのだと語った。政権幹部たちがそうした話は真実ではないと語っても、記者たちはとにかくその話を報道してしまうということだ。

 

ホワイトハンス顧問セバスティアン・ゴルカは月曜日、ジョージタウン大学での講演で、「宮廷内闘争のおかげで新聞は売れるし、インターネット上の広告のクリック数も上がる」と述べた。ゴルカは更に、彼が読んだ内部闘争についての記事のほとんどは完全に嘘だと主張した。

 

マスコミ各社のスクープ合戦や蹴落としあいがあるのは間違いないところだ。

 

トランプの支持者の中には、こうした報道は、トランプ大統領の「創造的な緊張関係」を好む姿勢の副産物だと述べる。「創造的な緊張関係」では、側近たちが競争して、最高のアイデアを生み出すことになる、ということである。

 

保守派のシンクタンクであるアメリカン・プリンシプルズ・プロジェクトの所長フランク・カノンは次のように語る。「トランプは何かを決定する前に、出来るだけ幅広い意見を多くの人々から聞くことを好みます。しかし、政権内部で争いが起きている時にこそ、幅広い意見を多くの人々から聞くことを実行すべきです。特にここ数週間、これを実行すると明確に打ち出すべきです」。

 

バノンとクシュナーの衝突はトランプ政権を第一にする姿勢とは程遠いものとなっている。

 

政権発足してから、トランプは、前共和党全国委員会委員長であった大統領首席補佐官レインス・プリーバスを更迭するという噂が流れた。

 

プリーバスの味方をしている人々は、こうした噂を広めていたのは、トランプの大統領選挙の選対本部にいた人々とバノンの味方をしている人々だと確信していた。こうした人々は、プリーバスはエスタブリッシュメント側の人間で、大統領選挙期間中にトランプに対して忠実ではないと考えていた。

 

プリーバスはこのような噂の払しょくに努めた。そして、バノンとプリーバスはそれ以降、友好関係を築いているように見える。

 

保守派の中には、クシュナー・コーン派の台頭に警戒感を持つ人たちもいる。コーンは元民主党員で、ゴールドマンサックスの役員をしていた。トランプの支持層からは大いなる疑いの目で見られている。

 

保守派の多くはバノンのコーンの台頭によってバノンの力が落ちているという懸念を持っている。トランプがバノンを国家安全保障会議最高会議の出席者から排除した後、バノンはそのまま政権から外れるのではないかという噂が出た。

 

ティー・パーティー運動の指導者デビー・ドゥーリーは先週、本誌のインタヴューに応じ、次のように語った。「そのようなことはないと思うが、トランプがバノンを排除するならば、草の根保守の人々の間で大爆発が起きるだろう」。

 

主流派保守の人々はこのような主張に対して不満を募らせている。主流派保守の人々は、トランプ大統領が様々な種類のアドヴァイザーからの助言を聞いていることを喜んでいる。アドヴァイザーの中には、コーン・クシュナー派と深い繋がりを持つパウエルが、大統領国家安全保障問題担当次席補佐官になっていることに安心感を持っている。

 

共和党のヴェテラン職員チャーリー・ブラックは「彼女はリベラルでもなんでもない。彼女が元連邦下院院内総務ディック・アーミー(テキサス州選出、共和党)とジョージ・W・ブッシュの下で働いたことを思い出すべきだ」と語った。

 

ブラックはまた次のように語る。「私はゲイリー・コーンについて知らない。彼はニューヨーク出身で、熱心な民主党支持者であった人物の典型例だ。しかし、彼は実業家であって、問題解決を優先する人物だ。問題解決を優先する姿勢こそがトランプのメッセージであり、それによって彼は大統領選挙に勝ったのだ。このことを理解する必要がある。バノンは最初から選挙戦に関与した人物ではない。そして、トランプのメッセージは変わっていない。とにかく、トランプがアドヴァイザーたちの助言を全く聞かないなどと考える理由は存在しない」。

 

保守派の人々は、「リベラル」派が勝利しつつある兆候を目撃していると述べている。しかし、最終的な勝利を収めている訳ではない。ティー・パーティーの指導者マーク・メックラーは次のように指摘している。ここ数週間のトランプの発言は、製造業とアメリカ国内の雇用創出に重点を置いたものとなっている。しかし、彼は貿易、移民、国境の壁建設、イスラム国打倒からぶれてはいない。

 

メックラーは次のように語る。「私たちは、ホワイトハウスが実際に行っていることをじっくり見つめている。トランプの考えと姿勢以外はすべて雑音に過ぎない」。

 

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アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


 古村治彦です。

 

 トランプ政権内部の勢力争いが報じられています。そうした中で、そうした争いに関与せずに、自分の責務をこなしているのが、マイク・ペンス副大統領です。

 

 今月中旬からアジア各国を歴訪しています。日本では安倍晋三首相、麻生太郎財務相健副総理と会談を持ちました。麻生大臣とは「経済対話」、economic dialogueという枠組みで、日米間の経済連携を進めるための話し合いをこれからも行っていくと確認しました。ペンス副大統領の訪日には、ウィルバー・ロス商務長官も同行しました。ウィルバー・ロスは、アメリカがシリアに対してミサイル攻撃を行った際に、シチュエーションルームで、トランプの右隣に座っていました。左隣はレックス・ティラーソン国務長官でした。ロスもまた重要な人物です。

 

 ペンス副大統領の堅実さは、トランプ政権にとっての財産である、下に紹介している記事では述べています。ホワイトハウスのレインス・プリーバス大統領首席補佐官と共に連邦議会対策に力を発揮しています。その成果は出ていませんが、連邦議会とのパイプを持っている人物が少ないトランプ政権では大変重要な役割を担っています。

 

 ペンスが次の大党選挙で有力な候補者となる可能性は大変高いと言えます。

 

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トランプ大統領のホワイトハウスの中でペン副大統領の力が増大している(Vice President Pence’s power grows in Trump’s White House

 

ナイオール・スタネイジ筆

2017年2月16日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/319801-vice-president-pences-power-grows-in-trumps-white-house

 

大統領国家安全保障問題担当補佐官マイケル・フリンが今週、職を辞した。これは、トランプ政権内におけるペンス副大統領の力が増大していることを背景としている。

 

政権関係者は、ペンスの影響力はメディアではあまり取り上げられていないと述べる。メディアは、個性が強いトランプのアドヴァイザーたちに注目している。

 

しかし、フリンの更迭は、フリンがペンスに対して、駐米ロシア大使との電話会談の内容について事実ではない報告をしたことで起きた。この出来事によって、前インディアナ州知事ペンスの影響力は大きいのだということを人々に印象付けることになった。

 

ある政権関係者は匿名を条件に次のように赤裸々に語った。「フリンの更迭によってペンスはその力を見せつけました。副大統領、そして、マイク・ペンスに嘘をつくことはできない、もし、嘘をついたら政権内で生き残ることはできないのだ、ということをはっきり示しました」。

 

フリンはペンスに対して、アメリカの対ロ経済制裁についてセルゲイ・キスリヤクと議論したことはないと明確に否定した。これは真実ではなかった。報道では、この件についてペンスは激怒したということだ。

 

ペンスは嘘をつかれていた。それに加えて、司法省がフリンのロシア側との会見についてトランプ大統領に報告してから数週間も経ってから、ペンスはこのことを聞かされたと報道されている。

 

ペンスに何も知らされていなかったことで、ペンスはトランプ政権内でどれくらいの力を持っているのかという疑問が生じた。

 

しかし、ペンス副大統領をよく知っている人々は、彼とトランプ大統領とのつながりは切れていないと述べている。ペンスはトランプが大塔選挙で苦境に陥った時も忠誠心を持ち続けた。そのために2人の関係は強固なのだ、ということだ。

 

両者はトランプがペンスを副大統領候補に指名するまでお互いのことをよく知らなかった。

 

ペンスは敬虔なキリスト教徒だ。トランプが女性を侮辱する発言が録音されたテープが公開されたときに、大きなショックを受けたと報道された。しかし、公の場で、ペンスは穏やかな姿勢を崩さなかった。しかし、この問題の中でも、そしてその他の様々な問題に直面しても、トランプを熱烈に支持し続けた。

 

ホワイトハウスに入らなかったトランプの支持者のひとりは、ペンスについて、「まったくぐらつかない」と評価した。

 

現在のホワイトハウスはリーク合戦に苦しみ、エゴとエゴのぶつかり合いのために揺れている。ペンスはこうしたことから距離を置いている。

 

ペンス副大統領と、トランプ大統領の首席ストラティジストであるスティーヴン・バノンや、メディアに頻繁に登場するケリアン・コンウェイとの間は、表立って悪化していない。また、大統領首席補佐官レインス・プリーバスとホワイトハウス報道官シーン・スパイサーに対しては政権内部からも細かい批判がなされていているが、ペンスはそうした批判を受けていない。それだけ責務をうまくこなしているのだ。

 

前述のトランプの支持者は、ペンス副大統領が「大きな影響力」を持っている理由として、「ペンスが周囲から認められたいと思っていない」からだと述べている。ペンスは人々の噂話の対象になろうとしてはいないのだ。

 

ホワイトハウス関係者も同じように語っている。

 

この関係者は次のように語る。「大統領執務室にいる人間は全て、スティーヴ・バノン、ケリアン・コンウェイ、ジャレッド・クシュナー(トランプの義理の息子、大統領上級顧問)が何をしているかばかりを気にしている。しかし、ペンスは何も言わずに副大統領としての仕事に取り組み、連邦議会との関係を構築し、ホワイトハンス内部の確固とした基盤となろうとしている」。

 

ニュースマック社CEOでトランプの友人でもあるクリス・ラディは、「トランプの演説や発言から読み取れるのは、トランプが副大統領を大変に尊敬し、政権にとって重要な人物だと考えているということだ」と述べた。

 

ラディは続けて、「もちろん、トランプはそんなことを表立って言わない」と語った。

 

ペンスの副大統領の仕事で重要なものは、連邦議会内で、トランプの政策を進めることだ。ペンスは月曜日に連邦下院の共和党側控室に入り、保守的なハウス・フリーダム・コーカス(連邦下院自由議連)と会談を持った。翌日にはより中道的なチューズデー・グループと会談を持った。

 

一方、長年にわたりペンスの側近を務めたマーク・ショートは、トランプ政権の立法問題部長に就任している。

 

トランプと議会共和党との間では表面上は緊張関係が高まっている。こうした中で、ペンスの役割は両者の間を円滑にすることである。

 

共和党政策委員会委員長ルーク・メッサー連邦下院議員(インディアナ州選出、共和党)は、ペンス副大統領が出馬していた選挙区から連邦下院議員となっている。メッサーはペンス副大統領について、「正直な仲介者だと考えられており、これまでに連邦議会との間で良好な関係を築いている。その人物がどういう人物かを知ることは、長期的に見て、信頼の醸成に役立つ」と述べている。

 

メッサーは更に、「築き上げてきた信頼によって影響力が生まれる」と述べている。

 

大統領選挙でトランプを支持した連邦下院議員リチャード・ハドソン(ノースカロライナ州選出、共和党)もメッサーの主張に同意している。

 

ハドソンは次のように語る。「私たちは彼が影響力を発揮してくれることを希望しています。当然のことですが、最終決定は大統領がします。しかし、私はトランプ大統領がペンス副大統領に助言を求めるようであってほしいと願っています。それは、ペンス大統領がいつも公平だからです。彼は嵐の中でも冷静さを保つ人物です。また、連邦議会ではどのような過程で物事が進められるのかを理解しています。ペンス副大統領はトランプ大統領に、彼の政策を進めるためのより良い助言を与え続けることができます」。

 

オバマケアの代替計画の同意を取り付けるという共和党の立法上の問題をペンスひとりで解決することはできない。トランプの短気さと行き当りばったりは政権と議会を周章狼狽させることになるだろう。

 

しかし、副大統領が安定して堅実に仕事をこなしているという認識を持たれることは、ホワイトハウス内と外において、重要な利点となっている。

 

ペンスはトランプ政権の中で変わっている人物である。彼にはホワイトハウス内ではっきりした敵対者を持たない。これが特異な点だ。取材に答えた人々は、トランプ自身はペンス副大統領の仕事に満足しているようだと異口同音に答えている。また、インディアナ州前知事ペンスは、トランプとショート以外にも、ホワイトハウス法律顧問ドン・マガーンといった政権内の重要な人物たちと深い関係を持っている。

 

ペンスはトランプを上司としているがこれもまた利点なのだ、とあるホワイトハウス関係者は語る。

 

この人物は次のように語っている。「ペンスは副大統領らしい副大統領だ。トランプの世界では、これだけで素晴らしいことだ」。

 

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アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22

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 古村治彦です。

 

 トランプ政権内部の権力闘争についての報道がアメリカのマスコミで多くなされています。大統領首席ストラティジストのスティーヴン・バノンを旗頭とする強硬派と、大統領上級顧問で義理の息子であるジャレッド・クシュナーの穏健派が政策を巡り争っているというものです。

 

 バノンとクシュナーの争いを緩和、もしくは解消するために、大統領首席補佐官のレインス・プリーバスが仲介をして会談を行わせたそうです。どんな政治集団も一枚岩ということはありません。人間がやることですから、政策に対する考え方の違いから、単純に「あの人はなにか嫌いだ、受け付けない」ということまで、グループ分けなり、衝突が起きたりします。

 

 それをまとめて、同じ目標に向かうように操縦することが重要ですが、トランプという人は、2つの全く違う考え方、水と油のような人たちを並べて、競わせて、自分が選択する方を選ぶというやり方をする人です。ですが、衝突や分裂を放置していると、政権運営がうまくいかない場合が出てきます。そこで、プリーバスが仲介役で出てきているようです。

 

 トランプ政権発足時、私はプリーバスとバノンに注目して、「両雄並び立たず」になると思っていましたが、現在の状況は、クシュナーも入って、クシュナー、バノン。プリーバスの鼎立関係になっており、プリーバスが政権運営のために仲介役をやっているようです。

 

 これはトランプ政権をうまく運営したいという目的もあるでしょうが、その他に次の次、狙い、マイク・ペンス副大統領を次の大統領にして、自分は次の次位を狙うという目的もあるのだろうと思います。

 

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ホワイトハウス:バノン対クシュナーの争いは「大袈裟」(White House: Bannon-Kushner fighting 'overblown'

 

ジョーダン・ファビアン筆

2017年4月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/328135-white-house-bannon-kushner-fighting-overblown

 

ホワイトハウスのシーン・スパイサー報道官は月曜日、大統領側近のスティーヴン・バノンとジャレッド・クシュナー同士の争いに関する報道を否定した。定例記者会見の中で、スパイサーは一連の報道を「大袈裟」だと述べた。

 

スパイサーは記者たちに対して、「政権内の争いについてメディアで多く報道されて、実際よりもセンセーショナルに、面白おかしい話にされているが、大袈裟な内容が多い」と述べた。

 

同時に、スパイサー報道官は、トランプ大統領が、側近たちに対して、メディア上ではなく、見えない場所で政策と性格の違いを解消すべきだと考えているとも述べた。

 

スパイサーは、「私たちの中での戦いと政策の違いはドアの後ろになければなりません。私たちは大統領の掲げる政策に集中し、全てをささげて実行する責任があります」と述べた。

 

大統領首席補佐官レインス・プリーバスは、スティーヴン・バノンとジャレッド・クシュナーとの間の話し合いを取り持ち、争いを止めようとしたと報道されている。ここ数週間、バノンとクシュナーとの間の争いがトランプ政権に打撃を与えているとも報道されている。スパイサー報道官の一連のコメントはこうした報道を受けて行われた。

 

しかし、スパイサーは先週の成果についてトランプ大統領は「大変喜んでいる」と述べた。先週はシリアに対する軍事攻撃、ニール・ゴーサックの最高裁判事の承認、習近平中国国家主席との首脳会談などがあった。

 

スパイサーは大統領について次のように語った。「大統領は、政策の相違と議論についてマスコミに話が流れていることは認識しています。大統領はこうした争いが政策実行に集中するべきだと確信しています」。

 

バノンとクシュナーの会談は、ホワイトハンスの内外で、2人をリーダーとするグループ同士が衝突しているという詳しい報道がなれるようになり、それを受けて、トランプ所有のフロリダ州パームビーチのマーアラゴ・リゾートで行われた。

 

2つのグループの緊張と緊張のために、更なるスタッフの交代が行われるのではないかという憶測が流れている。ホワイトハウス内の権力闘争のために、最初の100日で実行すると約束している政策をトランプが実行できなくなるのではないかという懸念も出ている。

 

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 古村治彦です。

 

 2005年にトランプが女性に関して卑猥な言葉で話していたという録音が出て、一気にトランプ叩きにまで発展しています。彼を大統領選挙候補者に選んだ共和党内部からも、トランプ支持の撤回や大統領選挙の事態を求める声が出ています。共和党内部がパニックになっています。

 

 今年の大統領選挙の投開票日には、連邦下院議員全員と連邦上院議員の3分の1の選挙も同時に行われます。現在のところ、上下両院で共和党が過半数を確保しているのですが、今回の連邦議会選挙では共和党がやや劣勢となっていました。そうした状況の中で、トランプの卑猥な発言が出て、議会選挙に大きな影響を与えるのではないかということになり、共和党の議員たちがパニックに陥ってしまったのです。トランプ支持をそのままにしていると、民主党側からの格好の標的となってしまいます。また、女性票や無党派からの支持も見込めなくなります。

 

 また、今回、トランプを支持している人たちは、「エスタブリッシュメントは嫌い」「トランプは俺たちの考えていることを代弁してくれる」ということで、トランプ支持をしているので、連邦議会選挙で共和党の候補者を積極的に応援することはありません。ですから、トランプ支持を表明したところで、トランプ支持者たちから応援されないとなれば、トランプを支持することは全く意味のないことになります。

 

 更に言うと、連邦上院議員というくくりで考えると、共和党所属の連邦上院議員たち、特にヴェテラン議員たちにとってみれば、ヒラリーは元同僚、トランプは全くのヨソモノ(元は民主党員)ということになって、潜在的には、「元仲間のヒラリーの方がやりやすい、応援したい」ということになります。それでも党派の違いがありますから、ヒラリーを公然と応援することはさすがにできません。嫌々でもトランプを応援しなければなりませんでした。しかし、今回のトランプの発言が出たことで、党派に関係なく、女性蔑視は許せないとなり、そうした「縛り」がなくなったことで、一気にトランプ叩き、トランプ降ろしの動きが加速し、拡大したのです。

 トランプが嫌で嫌でしょうがなかった共和党幹部たちにとってはトランプのスキャンダルは「免罪符」となりました。

 

 第2回目の討論会がいよいよ明日行われますが、トランプがどのように劣勢を挽回するのか、という点に注目が集まります。

 

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共和党内部の混乱:トランプの選挙からの撤退を求める声が高まる(Chaos in GOP: Calls grow for Trump to drop out of race

 

ハーパー・ニーディグ、ジョナサン・イースリー筆

2016年10月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/300005-chaos-in-gop-calls-grow-for-trump-to-drop-out-of-race

 

ドナルド・トランプの選挙運動は、トランプが女性について行った卑猥な性的発言を巡り、内部崩壊の危機に瀕している。トランプに対しては、共和党の連邦議員たちが選挙からの撤退を求めている。これは前代未聞のことだ。

 

深夜に行われたトランプによる発言についての謝罪では、嵐を鎮めることが出来なかった。2005年に彼が行った発言がテープに録音されており、その中には、女性の「女性器(p---y)」を掴んでやるというものも含まれていた。

 

土曜日、トランプに対する政治的な影響は雪玉のようにどんどん膨らんでいった。日曜日には民主党のヒラリー・クリントンとの間で第2回目の討論会が開かれるという重要な時期に騒動が起きた。第2回目の討論会は前回よりもさらに多くの人々の関心を集めるだろうと予想されている。

 

連邦上下両院の共和党所属の議員たちは大挙してトランプを見限りつつある。彼らの多くがトランプ支持を撤回し、党のためにトランプの選挙からの撤退を決断するよう求めている。

 

ジョン・サーン連邦上院議員(サウスダコタ州選出、共和党)は連邦上院共和党のナンバー3である。サーンは土曜日、共和党幹部としてトランプの撤退を求めた最新の人物となった。

 

サーンは「マイク・ペンスが出来るだけ速やかに共和党の大統領選挙候補者になるべきだ」とツイートした。

 

激しい論争が共和党内部をひっくり返し、混乱を招いている。そして、投開票日まで1カ月という段階で、連邦上院での過半数維持が絶望的な状況になっている。

 

ネヴァダ州の連邦上院議員選挙で接戦を展開している現職の連邦下院議員ジョー・ヘック(ネヴァダ州選出、共和党)は土曜日にミット・ロムニーと共に選挙集会に登場した。ヘックは次のように語った。「ドナルド・トランプのこの種の過去の行動と不適切な発言をこれ以上見たくも、聞きたくもない。私の妻、娘たち、母、姉、その他全ての女性たちが彼の発言のように扱われるべきではない。全てのアメリカ国民がそのように扱われるべきではない」。

 

選挙からの撤退を求める声が大きくなる中で、トランプは開き直って、選挙から撤退する可能性は「全くのゼロ」だと発言した。

 

『ワシントン・ポスト』紙とのインタヴューで「私は決して撤退しない。私は人生において逃げたことなどない。私は選挙戦を止めない。私には大きな支持がある」と語った。

 

トランプはヒラリーに対する攻撃を強め、ビル・クリントンと不倫関係を持った女性に対するヒラリーの取り扱いやビル・クリントンの性的な暴行に関して非難するという行動に出た。共和党側はそうした攻撃はなしようにトランプに求めていたが無駄だった。

 

この激しい論争の中で、副大統領候補のマイク・ペンスは難しい立場に立たされている。

 

土曜日、副大統領候補ペンスは大統領候補トランプを叱責した。そして、トランプと彼の家族が困難な時間を過ごしていることに対して、それが和らぐように祈っていると語った。

 

ペンスは声明の中で次のように述べた。「夫として父として、昨日発表された11年前のヴィデオの中に収められたドナルド・トランプの発言と行動に、私は大変気分を害した。私は彼の発言を許すことはできないし、擁護することもできない」。

 

ペンスは、トランプが日曜日の夜の討論会の場で「彼が考えていること」をすべて明らかにできることを願っていると述べた。

 

一時的にトランプに代わってインディアナ州知事のマイク・ペンスがポール・ライアン連邦下院議長(ウィスコンシン州選出、共和党)が土曜日に開く選挙集会に出席するという話が進んでいたが、最後の最後でご破算になった。

 

ライアンは、自分の選挙集会にトランプと一緒に登場することで、土曜日に党の団結を見せようとしていたのだが、今回の騒動で、トランプの招待を取り止めた。

 

ライアンをはじめとする共和党幹部たちはトランプに対して怒り狂っている。それは、彼の発言とその影響に対する対処の仕方についてである。

 

トランプの発言に関する速報が出て数時間後、共和党幹部たちは、トランプが適切に謝罪したとは考えないとする内容の激しい声明を発表した。

 

ライアン議長に近いある人物は、ライアンがトランプの謝罪を受け入れたかどうかと質問され、「それは有権者が判断することだ」と答えた。

 

「トランプ氏は今回の件について討論会で話すつもりだと述べている。私たちは彼がそれ以上のことを語ることを目撃するだろう」とその人物は語った。

 

マーク・カーク連邦上院議員(イリノイ州選出、共和党)のような一部の人々は、そうするのには遅すぎることは分かっているが、トランプを強制的に選挙から撤退させろと主張している。

 

共和党全国委員会に対しては、トランプに対する支援を引き上げ、上下両院での過半数を守るために議会選挙にてこ入れをするよう求める声が強まっている。

 

共和党全国委員会は現在のところ、トランプ陣営から資金と人員を引き上げるのではないかという噂を否定している。

 

トランプ陣営は、共和党全国委員会から派遣されたスタッフたちに依存した、最低限の資金と労力を使った選挙戦を展開している。こうした状況で、資金と労力を連邦議会選挙の報に振り向けるとなると、トランプの選挙戦は破綻してしまう。

 

共和党の連邦議会選挙の候補者たちは、彼らはトランプとは無関係だとして選挙を展開するという意思を明らかにし始めている。トランプは投開票日まで残り1カ月の時期に、共和党を厳しい状況に追い込んだと彼らは述べている。

 

選挙で劣勢が伝えられている共和党所属の連邦上院議員たち、その中には、ケリー・アヨーテ(ニューハンプシャー州選出、共和党)、リチャード・バー(ノースカロライナ州選出、共和党)、マーク・カーク(イリノイ州選出、共和党)が含まれているが、トランプに対して早々に嫌悪感を表明した。

 

アイダホ州選出連邦上院議員のマイク・カプソは声明の中で、「私はドナルド・トランプを支持しないという結論に達した」と述べた。

 

カプソは更に「ドナルド・トランプには選挙から外れてもらい、共和党がマイク・ペンスのような保守的な人物を立てて選挙が戦えるように求める。ペンスであればヒラリー・クリントンを打ち破ることが出来る」と述べた。

 

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