古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:ロシア

 古村治彦です。

 

 明日にも北朝鮮からミサイルが飛んでくる、サリンを弾頭に付けたミサイルが飛んでくるという、安倍政権の意図を「忖度」したマスコミの煽情的な報道がなされたり、一部有名人による、北朝鮮のミサイルが飛んでくる、飛んできて自分の家族に被害が出たら、テロ組織を結成して日本国内の売国政治家や売国文化人を潰すというアホ丸出しのツイートがなされたりしています。

 

 アメリカがシリアの空軍基地1か所にトマホークミサイルを撃ち込んで以来、「大変だ、大変だ、戦争になる」という不安が煽られています。しかし、冷静になって状況を考えてみましょう。シリアへの攻撃に関しては、空軍基地1か所にトマホークミサイルを撃ち込んだだけのことで、甚大な被害が出たという話は出ていません。攻撃前にシリアにいるロシア軍に被害が出ないように、ロシアとフランスの外相には事前通告がしてあったのですから(日本には事前通告があったのかなかったのか、岸田文雄外相は答えていません)、シリアにも当然その話が伝えられていた、もしくはシリアはロシア軍の動きでその動きを察知していたということは考えられる訳ですから、戦闘機や武器の避難、人員の退避は可能であったということになります。そうなると、あのトマホークミサイル59発は、数百億、数千億の花火大会であったというくらいにしか効果はないものです。地上軍の派遣もない訳ですから、シリアのバシャール・アサド政権の転覆もしばらくはないということになります。

 

 トランプ政権は、「化学兵器を使った攻撃をしないように」ということで、今回のミサイル攻撃を行った訳ですが、これはアサド政権が化学兵器を使ったという断定のもとに行われた攻撃です。アサド政権が使ったという証拠を示すレポートを国防総省は発表しましたが、アメリカの情報機関の能力の低下は2001年の同時多発テロ事件前後から今まで、明らかになっています。

 

 シリアに関しては、化学兵器使用を「誰に対しても許さない」という姿勢をアメリカが示すということで、シリア軍の基地が選ばれて、ミサイルが撃ち込まれた(花火が打ち上げられた)ということになります。政権転覆(regime change、レジーム・チェンジ)を意図したものではないということが明らかです。

 

 北朝鮮に関しても「核開発を進めるための実験をするな」という要求をトランプ大統領は出していますが、政権転覆を意図していないということは下に貼った記事から明らかです。

 

 トランプ大統領は、政権転覆を意図しているのではなく、とりあえずの危険を除去、もしくは起こってしまったことの再発の防止を求めています。これが彼の目的です。そして、その目的を達成するために、硬軟取り混ぜた方法で相手から譲歩や合意を引き出そうとしています。ディールをやろうとしている訳です。トランプは介入しようとしないという点で、バラク・オバマ前大統領の路線の継承者であると言えます。

 

 また、トランプ大統領は、アメリカがシリアと北朝鮮に直接介入・対処して国力を費消してしまうことを避けるために、それぞれロシアと中国のお尻を叩いています。というよりも、責任転嫁をしています。問題の原因はアメリカにあるのに、その尻拭いを中露に刺せようとしています。厚顔無恥はアメリカのお家芸ですからしょうがありません。

 

 シリアで化学兵器を使わせず、北朝鮮に核実験をさせないという目的を達成するために、強硬な構えを見せながら、裏では交渉しているのがアメリカのトランプ政権だと思います。中国やロシアとのパイプが切れかけているようにも見えますが、ヘンリー・キッシンジャーがお膳立てをして、ジャレッド・クシュナーが交渉役になっているのは明らかです。ジャレッド・クシュナーは親族だから切れない、とトランプが発言したという話もありますが、クシュナーがトランプとキッシンジャーとの会談(2016年ン5月)をお膳立てしたことを考えると、クシュナーはトランプ政権の外交におけるキーパーソンです。トランプ政権は交渉を行っているでしょう。

 

 日本ではシリアのことはどうしても遠い中東での出来事ということで関心が高まらず、北朝鮮はお隣の国のことですから過剰に反応してしまいます。北朝鮮はアメリカが核攻撃をしてきたら核攻撃で報復すると述べています。これは、自分から核兵器を使った攻撃をしないと述べていることになります。また、アメリカ本土まで届くミサイルに核弾頭をつけて届かせる技術が北朝鮮にあるのかというと疑問です。

 

 そうなると、北朝鮮が報復するということになると、標的は日韓ということになります。日韓はアメリカと同盟関係を結び、核の傘の下で、守ってもらっているということになっています。しかし、北朝鮮とアメリカとの間で戦争が起きた場合に真っ先に被害を蒙るのは日韓ということになります。また、中国やロシアも無傷ではすみません。日韓中露で世界のGDPの約25%を占めています。いわば世界経済のエンジンであるこれらの国々に迷惑をかける選択をアメリカがするでしょうか。

 

アメリカ国債を日中で100兆円以上ずつ、合計すれば発行額の10%以上も購入しています。アメリカが北朝鮮と戦争になって、北朝鮮が破れかぶれでミサイルを司法に飛ばしたら、日韓中露に大変な被害が出て、世界経済は崩壊の危機に瀕しますし、アメリカ国債も暴落、そして、アメリカが築き上げてきた戦後の世界秩序は崩壊します。

 

 ですから、北朝鮮には強硬な姿勢を見せながら、裏で中国を使って、もしくは中国を通して交渉して、核開発プログラムの停止を交渉していると私は見ています。アメリカが先制攻撃をして、北朝鮮がこの世から完全になくなってしまわない限り、少しでも反撃能力が残っていたら、ミサイルを数発でも残していて、それを破れかぶれで発射したら、それでアメリカは相当なダメージを受けますし、近隣の日韓中露は物理的に大きな被害を蒙ることになります。

 

 ですから過度に恐れる必要はありません。だいたい、安倍首相はこんな緊迫した中で、観桜会を開き(2012年の野田内閣は北朝鮮のミサイル発射があって中止)、鉄鋼ビルヂングの重役などオトモダチや昭恵夫人と3時間も会食を楽しみ、ホテルのジムで運動しているのですから。安倍首相がのんびり休日を楽しんでいます。ですから煽動に載って過剰に不安を持つ必要はないと思います。また、アメリカのマイク・ペンス副大統領も韓国や日本を歴訪します。次の大統領選挙で有力な共和党候補者になり得るペンス副大統領が危険に晒されるという可能性は極めて低いでしょう。
 

(貼り付けはじめ)

 

北朝鮮に「最大限の圧力」=トランプ政権、体制転換求めず―米紙

 

時事通信 4/15() 7:47配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170415-00000012-jij-n_ame

 

 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は14日、トランプ政権が北朝鮮政策について、体制転換を目指すのではなく、核・ミサイル開発を放棄させるために「最大限の圧力」をかける方針を決めたと報じた。

 

 2カ月にわたる包括的な政策見直しを終え、国家安全保障会議(NSC)で今月承認されたという。

 

 新政策は、北朝鮮を核計画放棄の交渉に復帰させるために制裁や外交的手段を用いるという。核実験や違法な行動の停止だけでなく、朝鮮半島の「非核化」を目標にする。また、北朝鮮と取引のある中国企業を標的にした制裁も準備するが、「まず中国が自発的に北朝鮮に影響力を行使する機会を与える」という。 

 

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朝鮮半島、取り返しのつかない事態に陥るのを防ぐ必要=中国外相

 

ロイター 4/14() 17:18配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170414-00000065-reut-kr

 

[北京 14日 ロイター] - 中国の王毅外相は14日、朝鮮半島情勢が取り返しのつかない事態に陥るのを防ぐ必要があるとの見解を示した。中国を訪問中のフランスのエロー外相との共同会見で語った。

 

北朝鮮を巡っては、国連の制裁にもかかわらず6回目の核実験やさらなるミサイル発射実験を間もなく行うのではないかとの懸念が高まっている。

 

ティラーソン米国務長官は先月、北朝鮮に対する戦略的忍耐の政策は終わったと発言し、北朝鮮の脅威が高まれば軍事行動も選択肢になるとの見解を明らかにしている。

 

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北朝鮮ナンバー2、「核攻撃には核攻撃で反撃」

 

AFP=時事 4/15() 12:28配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170415-00000011-jij_afp-int

 

AFP=時事】北朝鮮のナンバー2、崔竜海(チェ・リョンヘ、Choe Ryong-Hae)朝鮮労働党副委員長は15日、米国から核攻撃を受けた場合、北朝鮮も核攻撃で反撃する用意があると述べた。

 

 崔副委員長は、朝鮮中央テレビ(KCTV)で放映された大規模軍事パレードの開会式で「わが国には全面戦争には全面戦争で応じる用意があり、核攻撃を受けた場合、わが国流の核攻撃で反撃する用意がある」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News

 

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北朝鮮が軍事パレード 金正恩氏も出席、アメリカに自重を促す主張も

 

朝日新聞デジタル  |  執筆者:     朝日新聞社提供

投稿日: 20170415 1323 JST 更新: 20170415 1323 JST

http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/15/north-korea-parade_n_16024326.html?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 

 北朝鮮の平壌で15日午前、故金日成(キムイルソン)国家主席の生誕105周年を祝う軍事パレードが行われた。金正恩(キムジョンウン)委員長も背広姿で出席した。朝鮮中央テレビは午前9時35分(日本時間同10時5分)からパレードを生中継した。北朝鮮はトランプ米政権を激しく非難する一方、米国に自重を促すなど、緊張を避ける動きも出始めた。

 

 軍事パレードの開催は、2015年10月、朝鮮労働党創建70周年の際に実施して以来となる。北朝鮮関係筋によれば、北朝鮮は当初、25日の軍創建85周年に合わせて開催するとしていた。米原子力空母カールビンソンの朝鮮半島近海への接近に対抗し、この日に繰り上げたとみられる。

 

 崔竜海(チェリョンヘ)党副委員長は演説で「米国が挑発に出れば、直ちに壊滅的な打撃を与える。全面戦には全面戦で、核戦争には我々式の核打撃で対応する」と主張した。

 

(朝日新聞デジタル 20170415 1146)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 古村治彦です。

 

 トランプとプーティンが電話会談をし、その中で、米ロ関係の改善に協力していくことで合意したということが報じられました。トランプは、選挙期間中に北朝鮮の金正恩委員長とも話し合っても良いと発言していましたから、民主国家ではないという理由で、一概に悪いくにだと決めつける(それなのに、アメリカに役立つ非民主国家である中東の産油国や中央アジアの独裁国家を悪とは決めつけない)人道的介入主義派やネオコンとは全く異なる外交姿勢を取ることになるでしょう。

 

 しかし、問題は国務長官の人選であり、その下の副長官、国務次官、国務次官補くらいまでの人選です。国務長官には、ルディ・ジュリアーニの名前が出ていますが、ジョージ・W・ブッシュ政権のネオコンのジョン・ボルトン、ヘンリー・ポールソン財務長官、日本人にもなじみ深いリチャード・アーミテージ国務副長官の名前が出ています。

 

 トランプの現実主義的な外交姿勢を政策と実行するためには、ネオコンという訳にはいきません。そもそもネオコンの人々は、トランプに反対していました。ネオコンの代表的な論客ロバート・ケーガンはヒラリーのために資金集めパーティーまで計画していたほどです。

 

 トランプが結局、ワシントンのエスタブリッシュメントに絡め取られてしまうかどうか、注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプはプーティンと話をし、「永続的な」関係構築を楽しみにしていると述べる(Trump talks to Putin, looks forward to 'enduring' relationship

 

クリスティーナ・ウォン筆

2016年11月14日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/business-a-lobbying/305929-putin-tells-trump-he-wants-dialogue-based-on-non-interference

 

ドナルド・トランプ次期大統領は月曜日、ウラジミール・プーティンからの大統領選挙勝利に対する祝福を受け入れ、ロシア大統領に対して、「私はロシアとロシア国民との間で強力なそして永続的な関係を築くことを楽しみにしている」と述べた。

 

トランプの政権移行ティームは声明を発表し、トランプとプーティンは「アメリカとロシアが直面している脅威と挑戦、戦略的な経済諸問題、過去200年以上の米ロ関係の歴史」について議論したと述べた。

 

クレムリンは声明の中で、指導者2人が「現在の米ロ関係の冷え切った状態を評価することに同意し、関係正常化に向けた協力関係に向けた話し合いを行った。話し合いは諸問題について建設的な協力を行う方向性を持って行われた」。

 

クレムリンは声明の中で、「両指導者は、米ロ間の貿易と経済協力の発展を通じて両国間の堅固な基礎を構築する重要性を強調した」と述べた。

 

トランプは選挙期間中、プーティンを強力な指導者として賞讃してきたことはよく知られている。それに対して、共和党と民主党から批判が出ていた。トランプはテロリストとの他戦いでロシアとの協力が必要だと述べ、NATOとの再交渉ついてのトランプのコメントはロシア政府から評価された。

 

アメリカとロシアとの関係はここ10年間、冷え切っている。オバマ政権は、2014年にロシアがウクライナ領であったクリミア半島を併合したことを厳しく非難した。

 

トランプの政権移行ティームの論調は全体として協力的なトーンであった。一方、オバマ大統領とプーティン大統領との会談の論調は、全体として米ロ間の同意できない点を強調するものであった。

 

クレムリンは声明の中で、プーティンとトランプはこれからも電話を通じて対話を続け、会談実現に向けて協力していくと述べた。声明は、両指導者がテロリズムと過激主義との戦いのために協力して対処していくことに必要性とシリアにおける危機を終結させることについて議論したと述べた。

 

クレムリンは声明の中で更に、「プーティン大統領は、トランプ次期大統領との電話の中で、平等、相互尊重、内政不干渉といった諸原則に基づいて、新政権と対話を築きたいと語った」とも述べた。

 

プーティンは更に、「実践的な、相互利益をもたらす協力(両国の利益に適う)、世界の安定性と安全」への復帰することも止めた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙も残り50日を切り、最後の最後のラストスパートという状況になっています。今のところ、接戦ですが、世論調査の数字では、ヒラリーがややリードという状況になっています。9月26日(日本の時間では9月27日)に第一回目の討論会が予定されています。

 

 ここまでくれば、両陣営があらゆる方向からの攻撃を行うことになります。トランプ側は、ヒラリーのEメール問題と健康問題を攻め、ヒラリー側は、トランプの税金とロシア関係について攻撃を行っています。

 

 連邦議会の共和党幹部たちは、ヒラリーのEメール問題とクリントン財団の問題についてFBIに捜査するように求めましたが、民主党側では、トランプ陣営とロシアとの関係について捜査するように求めているということです。

 

 FBIもトランプ陣営のロシアとの関係については関心を持っているという内容の報道ですが、これを見ていると、民主党とヒラリーがロシアを敵視しており、ヒラリー政権が誕生した場合には、ロシアに対して経済制裁以上の対応を行うのではないかと危惧されます。

 

 日本では安倍晋三首相がロシアのプーティン大統領との間で信頼関係を築きつつ、北方領土問題の解決を図ろうとしています。1956年の鳩山一郎首相の下で行われた日ソ交渉では、アメリカのジョン・フォスター・ダレス国務長官が歯舞と色丹の2島返還でまとまりかけていたところに、邪魔をして、「4島返還でなければ沖縄を返還しない」と述べ、それ以降、北方領土問題の解決の大きな足かせとなっています。

 

 先日、ニューヨークで安倍首相とヒラリー・クリントンが会談を持ちました。ヒラリーが安倍首相の滞在先のホテルを表敬の意味で訪問するという形になりました。この会談では、TPPについて話し合われたようですが、北方領土問題について話はなかったと思われますが、ヒラリーとしては、ダレスと同じく、日露間にしこりを残しておきたいということもあって、大統領になれば色々と干渉してくるでしょう。ですから、今年12月の安倍首相とプーティン大統領との会談である程度の方向性が見えればと思います。しかし、4島返還論が主流である以上、問題解決は難しいとも思われます。

 

(貼りつけはじめ)

 

アメリカの諜報機関がトランプのアドヴァイザーがロシアとつながっていると疑う(Report: Intelligence officials probing Trump adviser's ties to Russia

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年9月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/297507-report-trump-adviser-being-investigated-for-ties-to

 

金曜日、アメリカの諜報機関が、ドナルド・トランプの外交政策アドヴァイザーが、ロシアとの間に深いつながりがあるとして調査を行っている、とヤフー・ニュースが報じた。

 

今年3月にトランプ陣営が発表した外交政策アドヴァイザーの名簿にも名前があった、カーター・ペイジがその人物である。ペイジはロシアを拠点にしてメリルリンチに勤務していた銀行家で、今でもロシアとの間にビジネス上の様々な関係を持っている。

 

アメリカの諜報機関は、ペイジがロシア政府の高官たちと私的な連絡のためのラインを開設していて、経済制裁の解除について話し合っているのではないかと疑っていると報じられた。

 

この問題について議会で説明を行った複数の人々によると、ペイジのロシアとの関係と取引は連邦議会に対する説明事項でも高い関心を集めるものだ、ということだ。

 

連邦上院民主党院内総務のハリー・リード連邦上院議員(ネヴァダ州選出、民主党)は、今年の夏に、ペイジがモスクワで「経済制裁の対象となる重要な人物たち」と会談を持ったという説明を議会で受けた後、ジェイムズ・コミーFBI長官に対して、書簡を送ったと報じられた。この書簡の中で、リード議員は捜査と、トランプ選対とクレムリ(ロシア政府)との間に「重要なそして不穏な関係」の証拠を集めるように求めたと報じられた。

 

連邦下院の民主党幹部たちも、FBIに対して、トランプの側近の中に、ロシアが行った民主党の様々なグループに対するハッキングに対して手助けをした人物がいなかったかどうかを捜査するように求めた。

 

ある議会関係者はヤフーに対して、アメリカ政府関係者は、ペイジとロシアとの関係についての複数の報告については「積極的に見守っており、調査を行っている」と述べた。

 

今年8月、トランプの報道担当ホープ・ヒックスはロイター通信に対して、「ペイジは非公式なアドヴァイザー」だと述べた。しかし、もう一人の報道担当スティーヴン・チェンは金曜日に本誌の取材に対して、「ペイジは何の役割も果たしていない」と答えた。

 

ヤフーの記事について質問したところ、トランプのマスコミ担当ジェイソン・ミラーは、本誌に対して、「ペイジはトランプ選対の一員であったことはない。以上」と答えた。

 

ミラーは次のように語った。「ペイジ氏は現在アドヴァイザーではないし、選対に何の貢献もしていません。私は彼と話したこともなく、私の隣に座っていても彼がペイジ氏であることに気付きもしないでしょう」。

 

それではペイジが過去にアドヴィザーとされていたのかと質問したが、ミラーは返答しなかった。

 

声明の中で、ヒラリー・クリントンの報道担当グレン・キャプリンは、ヤフーの記事内容は「背筋が寒くなる」と述べている。

 

声明は次のようなものだ。「アメリカ政治においてこれまでこのようなことを目にしたことはなかった。ドナルド・トランプの意思決定を本当は何が動かしているのかということについて毎日疑念が高まっていく。アメリカ国民の利益なのか、彼自身の利益なのか、分からない状況だ。トランプは即座にビジネス上の関係と外国との関係について全てを公開する必要がある。そうすることで、有権者は自分たちで判断を下すことが出来る」。

 

(貼り付け終わり)


(終わり)








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 古村治彦です。

 

 私は本ブログの20160726日の記事「波乱の民主党全国大会開会:ヒラリーはどこまでも「Eメール」(とロシア)に祟られる」の中で、次のように書きました。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党とヒラリーは防戦として、「差別主義者で生まれながらの金持ちであるトランプをあなたは支持するのですか」「女性を侮辱し続けてきたトランプを選ぶのか、女性でも大統領になれることを証明することに参加するのか、どちらですか」といった主張を行うでしょう。また、「人権抑圧国で、周辺国への侵略を行っているロシアに対してトランプは友好的だ。ヒラリーは厳しい態度で臨むと言っているので、このような謀略を仕掛けられたのだ。あなたは外国による選挙への介入を許しますか」という訴えも行うでしょう。

 

(貼り付け終わり)

 

 私は、ヒラリーがこのような訴えをする時は、①トランプを最終的に突き離せると判断した時か(これはあまり必要がない選択肢です)、②自分がトランプに追い詰められている時か(トランプと自分を突け狙うジュリアン・アサンジも含まれます)、のいずれかだと考えていました。現在は、Eメール問題に、国務省とクリントン財団の不適切な関係、更には健康問題まで出て、ヒラリーは追い詰められています。ですから、私が考えた②のケースが出てきているということになります。

 

 ヒラリーが余りマスコミとの会見を行わず、民主党の連邦議員選挙候補者たちのための資金集め活動をしている間に、ヒラリーの支持率が急落しています。そこで、今回、ヒラリーは、「今回のアメリカ大統領選挙に外国が、しかもロシアが介入している」という主張を20分以上にわたって記者たちに語ったということです。

 

 問題は、ヒラリーが「ロシアが大統領選に関与していることを示す「信頼できる報告」があるとして懸念を表明した」というところです。ここに出てくる「信頼できる報告」があるということをヒラリーがマスコミの前で明言したということは、その報告なるものがどんなものであり、実際にアメリカ国民や世界の人々が読めるようにしなければなりません。つまり、この報告なるものが存在することを証明する証拠をヒラリーが出す義務を負ったということになります。そして、そもそもどうしてヒラリーがこの報告なるものの存在を知ったのか、もし読んでいるとすると、どうして読むことが出来たのかを説明しなくてはなりません。

 

 もし、この報告なるものを実際に表に出すか、少なくとも存在する証拠を出せなければ、ヒラリーは、デマを流して世論を誘導しようとしたということになります。もし報告そのものがなくて、ただのハッタリだとすると、彼女は最低のカードを切って、自滅することになります。もし存在すると、その内容の程度にもよりますが、トランプに対しては一定のマイナス効果となるでしょう。

 

 FBIは、先週、トランプ、ヒラリー両陣営の一般スタッフ向けに、外国のスパイ対策のためのブリーフィングを別々に行ったということです。発表の内容から見て、「怪しい人物が近づいて来たら上司に報告する」「うまい儲け話には乗らない」といった当たり前の内容の講習会のようなものだっただろうと私は判断します。

 

 FBIとしては、民主党側からの「外国のスパイが絡んでいるに違いない、なんとかせよ」というあまり真実味のない話を受けて、アリバイ程度に講習会をやったものと思われます。もし本当に外国、ロシアの介入があるとすれば、もっと真剣に対策を練っているでしょう。ただ、表面上はのんびりと見せておいて、水面下では暗闘が行われている可能性も捨てきれません。


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 ロシアのプーティン大統領は、トランプ、ヒラリー双方がロシアを使ってお互いを攻撃し合っている姿を悲しんでいるように見せつつ、裏ではほくそえんでいることでしょう。ロシアがアメリカ国内で諜報活動を行っていることは事実でしょうが、大統領選挙に介入しようとしているかは分かりません。しかし、ハッキング事件が起きた後に、「あれはロシアの仕業だ」という話が出ることは、ロシアが国際政治において影響力を持ちつつある、アメリカでもロシアを無視できないということになり、ソ連時代のことを考えれば、影響力を回復しつつあるということを示しています。

 

 アメリカが対ロシアのヒステリー状態になったのは戦後すぐで、ジョセフ・マッカーシー連邦上院議員による、非米活動委員会を舞台にした赤狩り、マッカーシズム旋風が吹き荒れた時でした。この時はソ連は戦後復興と原子爆弾開発、東側ブロックの盟主としてアメリカを脅かしていきました。それは1960年代くらいまで続きますが、その後は、「張子の虎」となってしまいました。

 

 プーティンは「偉大なロシアの復活」を自分の目標として掲げています。しかし、その道のりは厳しく、ソ連崩壊後のロシアは見向きもされない国になりました。先進国首脳会議のメンバーにも入れてもらいましたが、やがて追い出されました。

 

 しかし、天然資源を武器にして、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)という新興大国の一角として存在感を増していきました。そして、20世紀の歴史的遺産を武器にして、「アメリカのライヴァル」「アメリカの恐れる相手」になりました。

 

 今回のこのロシアをだしにしたトランプ、ヒラリー双方の戦いは、いみじくもロシアの存在感が増していることを示す結果になりました。トランプは、「Make America Great Again(アメリカを再び偉大な国に)」というスローガンを掲げていますが、彼は「Make Russia Great Again(ロシアを再び偉大な国に)」にも貢献したことになりますし、脇役のヒラリーも貢献したということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「クリントン氏、米大統領選へのロシア関与を懸念」

 

ロイター通信 2016年9月6日

http://jp.reuters.com/article/usa-election-clinton-idJPKCN11C0PP

 

 9月5日、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は、ロシアが大統領選に関与していることを示す「信頼できる報告」があるとして懸念を表明した。写真はイリノイ州モリーンで5日撮影(2016年 ロイター/Brian Snyder

 

[ハンプトン(米イリノイ州)5日 ロイター] - 米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏は5日、ロシアが大統領選に関与していることを示す「信頼できる報告」があるとして懸念を表明した。

 

クリントン氏は遊説用の飛行機内で20分超にわたって記者団の質問に応じ、民主党も共和党もロシアの行動に関心を持つべきだと指摘した。「われわれの情報専門家たちがこの問題を検証し、深刻に受け止めているという事実は、ロシアが我が国の選挙過程に関与している可能性について、重大な問題を提起している」と述べた。

 

同氏は「われわれは極めて重大な懸念に直面している。これまでに、外国の敵対勢力がわれわれの選挙過程に関与した例もなければ、主要政党の候補がロシアにハッキングを促した例もない」と述べた。

 

共和党のドナルド・トランプ候補はプーチン大統領を賞賛。ロシアに対し、クリントン氏の国務長官時代の「行方不明の」電子メール数万通を探し出すよう求めた。トランプ氏は後に、皮肉のつもりだったと釈明している。

 

クリントン氏は、米民主党全国委員会(DNC)のコンピューターがサイバー攻撃を受けたことについて、ロシアの情報機関が関与したと断言している。

 

ロシア政府がトランプ氏を支援しようとしていると思うかとの質問に、クリントン氏は「私はしばしば、アーカンソー州に長年暮らして学んだ偉大な格言を引用する。支柱の上にカメがいたら、独力で上ったわけではない、というものだ。トランプ氏が指名候補となった時期と前後してこの現象が起きたことは実に興味深いと思う」と語った。

 

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プーティンは、クリントン、トランプによる「ショックを与える攻撃」を悲しむ(Putin bemoans 'shock tactics' used by Clinton, Trump

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年9月2日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/294238-putin-bemoans-shock-tactics-used-by-clinton-trump

 

ロシアの指導者ウラジミール・プーティンは、大統領選挙でドナルド・トランプとヒラリー・クリントン双方が「ショックを与える戦術」を使っていると切って捨てたが、どちらを支持するかについては発言を拒否した。

 

プーティンは『ブルームバーグ』誌とのインタヴューの中で、「双方がショックを与える戦術を使っている、それぞれが独自の方法で」と述べた。

 

プーティンは続けて、「素晴らしい模範となっているとは思わない」とも述べた。

 

プーティンは、共和党の大統領選挙候補者トランプに肩入れしている、そして、大統領選挙に介入していると非難されている。プーティンは、トランプ、ヒラリー双方がロシアを使ってお互いを攻撃していることを悲しんだ。

 

プーティンは、ヒラリーとトランプ両方ともに「大変賢い人物」で、「どのボタンを押せば支持を得られるかを理解している。これはアメリカの政治文化の一部だ」と述べた。

 

ロシアはこれまでにない形で人々の注目を集めている。2016年7月、トランプは、ロシアに対して、ヒラリーが国務長官時代に使用していた私的なEメールサーヴァーが問題になっており、そこから消去された3万通のEメールを見つけ出すように頼んだ。

 

トランプは更に、ヒラリーが長官時代の国務省が、アメリカ国内のウラニウム関連資産のロシアによる取得を承認したことを非難した。この決定は、投資家たちがクリントン財団に1億4500万ドルの献金を行うという合意を取り付けた後に、行われた。

 

プーティンは、「私たちがクリントン家をコントロールしているとでも言うのだろうか?それは全くもって馬鹿げている」とプーティンは述べた。

 

プーティンは、責任を持って決定ができる人物であればその人が誰であろうとも協力したいとし、「その人物の苗字が何であろうとも関係ない」と述べた。

 

「その人物がアメリカ国民の信頼を享受することが必要不可欠だ」とプーティンは述べた。

 

「だから、私たちは絶対に介入しないのだ。介入しないし、アメリカ国内の政治過程に介入しないように努力しているのだ」とも述べた。

 

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FBIが選対の一般スタッフに対して、スパイからの働きかけを避けるための訓練を行う(FBI trains campaign staffs to avoid spies

 

ジョー・ユーチル筆

2016年9月1日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/294096-fbi-trains-pres-campaigns-to-avoid-spies

 

FBIは8月31日、トランプ、ヒラリー・クリントン両選対の一般スタッフに対して、外国のスパイに関する「自発的な参加による注意喚起のブリーフィング」を別々に行った、とABCニュースが報じた。

 

FBIは、これらのブリーフィングは、「個別の外国からの脅威が差し迫っているから行われたものではない」とし、「標準的な行動」の再確認を行ったと発表した。

 

 

今回のブリーフィングは、今年の大統領選挙に外国の諜報機関が不正に関与しているのではないかという疑惑が大きくなっている中で行われた。

 

トランプ、ヒラリー両選対は、外国の諜報機関からの攻撃を防御するためにいくつかの企業と契約している。両陣営ともとロシアの標的になっていると考えられているが、今のところ、両陣営の選挙運動が妨害されたことを示す証拠は存在しない。

 

アメリカ政府の諜報特別委員会のメンバーの多くは、民主党全国委員会と民主党議会選挙委員会に対するハッキングはロシアによって行われたという確信を持っている。

 

イリノイ州選挙管理委員会に対するSQLインジェクション攻撃(SQLデータベースのプロトコールに対する攻撃)と、アリゾナ州の選挙失効システムへの攻撃(失敗に終わった)は、ロシア政府がやらせたという非難の声が上がっている。

 

8月末、連邦上院民主党院内総務のハリー・リード連邦上院議員(ネヴァダ州選出、民主党)は、FBIに対して、今回の大統領選挙に関してロシアの影響力が及んでいないかを監視するように求め、民主党所属の連邦下院議員4名は、トランプ選対とロシアとの関係について捜査するように求めた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 古村治彦です。

 

 今回のアメリカ大統領選挙では、民主党のヒラリー・クリントン、共和党のドナルド・トランプ共に「嫌われて」います。世論調査の数字を見ると、「好き・嫌い」に関する質問については、両方とも過半数の人たちが「嫌い」と答えています。

 

 不人気な2人による大統領選挙ですが、共和党側では、共和党全国大会で正式に大統領選挙候補者に指名された後でも、トランプに対する批判が出ています。また、共和党に所属しながら、トランプを支持しないと表明する人たちも出ています。だからと言って、ヒラリーを支持するというところまで表明する人たちは多くありません。

 

 トランプが、ヒラリーが国務長官時代に私的なEメールアカウントを使っていて、消してしまったEメールについて、ロシアがハッキングしているのなら、是非提供して欲しい、と発言したことに、民主党側が怒りを持って反応するのは当然ですが、共和党側からも批判が出ています。

 

 トランプがヒラリーのEメール問題に関して、ロシアにハッキングと提供を求めた発言やロシアのウクライナ進攻とクリミア併合を非難しなかったことによって、トランプとロシアの関係について批判する記事が多く出るようになっています。

 

 先日もこのブログで書きましたが、民主党側では、こうしたトランプの対ロシア姿勢を利用して、「アメリカの大統領選挙にロシアを干渉させて良いのか」「ロシア製の大統領で良いのか」という問題提起を行っています。そして、もしウィキリークスなどがヒラリーのEメールをリークした場合でも、「これはロシアがアメリカの大統領に自分たちの都合の良い人物を決めようとして行ったのだ」という言い訳で、ダメージを最小に抑えようとするものです。これは非常に巧妙かつ狡猾なやり方です。

 

 トランプは、ヒラリーのように対中、対露で対決姿勢ではなく、交渉で問題を解決しようと訴えています。どちらが世界のために良いかとなれば、トランプの考えの方が良いに決まっています。しかし、選挙戦術として、これから共和党支持者や党員たちを超えて訴えかけねばならない時に、あまりに稚拙な失言を繰り返しているのでは、「敵を喜ばせる」だけになっているという現状があります。現在の情勢では、トランプの勝利はかなり厳しいと言わざるを得ません。

 

 そうした中で、Eメール問題と健康問題はヒラリーにとってのアキレス腱ですから、これを有効に使えるようにしておかねばなりません。今のところ、それが出来ていないということになります。

 少し古い記事ですが、以下にトランプに対する保守系からの批判を掲載します。 

 

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ジュアン・ウィリアムズ:トランプのロシア問題(Juan Williams: Trump's Russia problem

―振り返ってみると、記者会見の酷さが現実なのだ

 

ジュアン・ウィリアムズ筆

2016年8月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/opinion/juan-williams/290590-juan-williams-trumps-russia-problem

 

民主党全国大会が終了した時、ドナルド・トランプはカメラの前に立ち、ロシアに対して、ヒラリー・クリントンの私的なEメールをハッキングして、アメリカのマスコミに提供するように訴えた。

 

トランプは真顔で次のように明言した。「ロシアよ、もし今聞いているのなら、行方不明になっている30000通のEメールを見つけ出して欲しいと願っている。それらを提供すれば我が国のメディアから多額のお礼をしてもらえるだろう」。

 

共和党の大統領選挙候補者トランプは、オバマ政権がロシアと協力できなかったのは、ロシアのウラジミール・プーティン大統領がオバマ大統領を嫌ったからだと述べた。トランプは、「プーティンはオバマ大統領を“間抜け(nerd)”と呼んでいる」と主張した。

 

その後、激しい批判に晒されたトランプはその批判をかわそうと、アメリカの大統領選挙に外国に干渉させようとしたことは「軽い冗談」だと言い訳した。しかし、トランプの発言は、アメリカの捜査官たちが、ロシアはアメリカの法律を破り、民主党全国委員会のコンピューターをハッキングした、と「確信している」と述べた直後という最悪のタイミングで出された。

 

これ以降、トランプはロシアと協力したいという希望を明らかにし、「ロシアと友好的になることは、悪いことではないだろ?」と述べた。トランプは、ロシアがウクライナに進攻し、領土の一部を奪取したことを批判することを拒否した。その前には、トランプは、ロシアの進攻の恐怖の中で存在しているNATO加盟諸国が攻撃された場合に、アメリカがそれらの国々を防衛する必要があるという考えを否定した。トランプは、主要政党の大統領選挙候補者にとっては伝統的に行われている、アメリカの最高機密情報に関するブリーフィングを受けようとしている。

 

トランプが無条件のロシアへの支持とロシアの大衆煽動的な指導者への無条件の好意を示していることを考えると、国家機密をトランプに教えることは大変危険なことだ。

 

最大の危険はトランプとトランプ陣営にいるスタッフのほとんどは、ロシアとプーティン大統領にアメリカの国家機密を教えてしまうだけのお金に関わる理由を持っているということだ。彼らはそのためにはアメリカの国益を犠牲にするかもしれないのだ。

 

8年前、ドナルド・トランプの息子ドナルド・トランプ・ジュニアは「トランプ家の財産においてロシアはその規模に似合わないほど多くの面でかかわりを持っている」と発言した。

 

『ワシントン・ポスト』紙のコラムニストであるジョージ・ウィルは最近、「トランプとプーティンやプーティンの側近たちとの間の金銭上の深いかかわり合いは、トランプが個人のそしてビジネスの税金情報の発表を拒否したことで明白なものとなった」と書いた。

 

『ポリティファクト』誌によると、トランプ選対の責任者ポール・マナフォートは、「ウクライナの親ロシア派の政治家たちと長きにわたる深い関係にある」ということだ。マナフォートはまた、プーティンと近いロシアの富豪たちの投資の管理をしていたこともある。

 

国防情報局元長官で退役中将のマイケル・フリンは、トランプの顧問である。彼は、ロシア政府が出資している『ロシア・トゥディ』紙とテレビ局RTの発足を祝う式典に出席し、プーティンと一緒に写真に収まっている。

 

昨年12月、フリンはRTのインタヴューに答え、その時のやり取りがRTのうウェブサイトに掲載された。この時、フリンは、アメリカとロシアは協力してISISを打倒し、シリアの内戦を終わらせるべきだと述べた。

 

トランプのロシアに関する顧問として、実業家のカーター・ペイジがいる。彼はロシアと大きなビジネスを展開している、と報じられている。

 

今年7月中旬、『ワシントン・フリー・ビーコン』誌の記者モーガン・チャルファントは、「先週、ペイジはモスクワを訪れ、アメリカと西洋各国を批判した。彼はアメリカをはじめとする国々は、民主化、格差、腐敗、体制転換といった考えに偽善的に固執していると述べた」と書いている。

 

ペイジは今年3月にブルームバーグ社とのインタヴューの中で次のように語っている。「私が知っている人たちや一緒に仕事をしている人たちの多くが経済制裁政策によって大きな影響を受けている。アメリカによるロシアに対する経済制裁の解除によって、状況は好転すると思う」。

 

トランプ陣営はこのような親露的な態度を持っており、共和党全国大会前に、共和党政策のある点に変更を加えた。ワシントン・ポスト紙は次のように報じた。「トランプ陣営は先週、新たに採択される共和党の政策綱領において、ロシアと反対勢力と戦うための武器をウクライナに提供しないという点を明確にするために裏で活動していた。この考えは、ワシントンにいる共和党の外交政策部門の幹部や専門家たちのほぼ全ての考えと衝突するものだ」。

 

トランプ自身がかつて、オバマ大統領がISに対して同情心を持っているとほのめかし、「何かが進行している」と述べたことがある。

 

各種世論調査の結果から、アメリカの人々はトランプとプーティンやロシアとの奇妙な関係について把握していることが分かる。

 

先週のYouGovの世論調査では、54%のアメリカ人が、その中には無党派の48%が含まれているが、トランプがロシアに対してヒラリーのEメールをハッキングするように求めたことを「不適切」だと考えていることが分かった。

 

この世論調査では、40%のアメリカ人が、そして無党派のうちの38%が、トランプは「ロシアと親しすぎる」と考えていることが分かった。

 

各種世論調査では、前国務長官であるヒラリーが、外交政策ではどちらがより良い大統領になるかという質問に関して、トランプに対するリードを広げている。

 

先週のCNNORCの世論調査では、59%の有権者がヒラリーの方が外交政策に関して信頼が置けると答えている。一方、トランプへの信頼は36%であった。

 

ヒラリーは8日前に「フォックス・ニューズ・サンディ」で放送されたインタヴューの中で、トランプのプーティンに対する好意についての疑問を呈した。

 

ヒラリーは次のように発言している。「トランプは、ロシアに対してアメリカのEメールアカウントに侵入してハッキングをするように求めている。また、プーティンに対して過剰な賛辞を送っている。また、ロシアの望むような外交政策に対する姿勢を表明している。こうした点からも、私たちは、トランプが私たちの大統領であり最高司令官の地位に就くのにふさわしい人物ではないという結論に達せざるを得ない」。

 

数日後、オバマ大統領は、イスラム教徒だった戦死した米軍将校の両親に関するトランプの発言について、「これらの発言を聞いて、私は共和党の大統領選挙候補者が大統領に不適格だと思わざるを得なかった」と述べた。

 

オバマは次のように述べている。「トランプは大統領になる準備が全くできていない。この一点だけで、“もうたくさんだ”ということになる」。

 

有権者にとって、ポイントは、トランプのロシアとの疑わしい関係である。

 

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共和党の専門家50名:トランプは国家安全保障を「危機に晒す」(50 GOP officials: Trump puts national security ‘at risk’

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/top-republican-gop-50-officials-warn-donald-trump-national-security-risk-dangerous

 

共和党の国家安全保障政策専門家50名が月曜日に、書簡を発表し、その中で、ドナルド・トランプは大統領となるための経験が不足しており、国家の安全を危険に晒すことになると訴えている、と『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権とリチャード・ニクソン政権に参加した専門家たちが署名した公開書簡では、彼らは誰もトランプには投票しないだろうと書かれており、その理由として、「私たちは、トランプが危険な大統領になるであろうこと、そして、彼が我が国の国家安全保障と福利を危険に晒すであろうことに思い至ったからだ」としている。

 

公開書簡には次のように書かれている。「トランプ氏は大統領にふさわしい人格、価値観、経験を備えていない。トランプは自由世界の指導者としてのアメリカの道徳的権威を弱めてしまっている」。

 

更には次のように続いている。「トランプはアメリカ憲法、アメリカの諸法律、アメリカの諸機関の根底にある信条についての基本的な知識を持っていない。アメリカの信条とは、宗教的寛容、表現の自由、司法の独立である」。

 

専門家たちは「トランプが当選したら、アメリカ市場で最も無謀な大統領になるだろう」と予測している。

 

署名した人々には、CIAと国家安全保障局の長官を務めたマイケル・ヘイデン、ブッシュとオバマ両政権で国土安全保障省長官を務めたマイケル・チャートフ、ブッシュ政権の国家情報局長官を務めたジョン・ネグロポンテ、ブッシュ政権で国土安全局長官を務めたトム・リッジがいる。また、激戦州のひとつペンシルヴァニア州の元州知事、アメリカ通商代表、国家安全保障問題担当補佐官や大使を務めた人々もいる。

 

これまで共和党の幹部クラスの中には、公にこの秋にトランプには投票せず、民主党の候補者ヒラリー・クリントンを支持すると表明する人たちが出ている中、書簡が発表された。

 

月曜日、レズリー・ウェスティンは大統領選挙でヒラリーに投票すると述べた。ウェスティンはジョージ・W・ブッシュ大統領時代のホワイトハウス連絡部長兼副補佐官を務めた。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・シュルツ、ジェイムズ・ベイカー、コリン・パウエル、コンドリーザ・ライスの国務長官経験者たちが公開書簡に署名をしていないと指摘している。トランプは、数カ月前に、キッシンジャーとベイカーに会っている。

 

(終わり)











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