古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ロン・デサンティス

 古村治彦です。

 2024年のアメリカ大統領選挙の民主党予備選挙(primaries)に出馬表明したロバート・F・ケネディ・ジュニアについてお伝えする。ケネディ・ジュニアはジョン・F・ケネディ元米大統領の甥、ロバート・F・ケネディ(JFKの弟)元司法長官・元連邦上院議員の息子である。アメリカの名門、民主党内の「王朝(dynasty)」であるケネディ家の一員であるが、一族内から煙たがられ、嫌われ者(black sheep)となっている。ケネディ・ジュニアは過激派(fringe)と呼ばれている。

 その理由は新型コロナウイルス感染拡大とワクチン製造の前から、ワクチンに反対する運動を行ってきた。驚くべきことに、2016年大統領選挙で当選したドナルド・トランプ次期大統領とケネディ・ジュニアは面会している。その議題はワクチンと予防接種であった。トランプは子供たちのワクチン・予防接種と自閉症発症に対して安全だとする定説に対する疑義を呈している。会談の際に、トランプはケネディにワクチン委員会の委員長就任を要請したという話がある。当時、マスコミは一斉に報じたが、トランプ陣営は否定した。私の推測では、トランプは席上、フランクな態度で委員長就任を要請したが、トランプの周囲が止めたのではないかと考える。

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トランプ・タワーを訪問したロバート・F・ケネディ・ジュニア

トランプは、元々は長年の民主党員であり、ニューヨークを地盤にしていたこともあって、ヒラリー・クリントンとも親しかった。トランプの娘イヴァンカとヒラリーとビル・クリントン元大統領の娘チェルシーが親友同士というのは家族ぐるみで付き合いをしていからだ。ケネディ・ジュニアは名門ケネディ家の一員としてトランプとの付き合いも長くあっただろう。ケネディ・ジュニアとトランプの接点は意外と古くまで遡れるだろう。今回、民主党内部からトランプとよく似た主張を行うロバート・F・ケネディ・ジュニアがバイデンに挑戦することになる。バイデンは現職大統領であり、自身の大統領の犯罪を暴かれないように、何としても再選を果たしたい。しかし、バイデンの不人気は明らかであり、下の記事にもあるように、1980年の米大統領選挙と同じ構図になるのではないかという見立ても出ている。当時の現職大統領ジミー・カーターは不人気にあえいでいた。そこに、民主党の予備選挙で、ジョン・F・ケネディ、ロバート・F・ケネディの弟であるテッド・ケネディ連邦上院議員が挑戦してきて、大善戦した。カーターは民主党予備選挙で何とか勝利したが、本選挙では共和党のロナルド・レーガンに大惨敗を喫した。

 今回の大統領選挙民主党予備選挙では、民主党はジョー・バイデンが出馬表明をする場合には、通常であれば行われる候補者討論会を行わないとしている。これは民主党という名前にもとる卑劣なえこひいきである。そんなことをすれば、民主党内のバイデンを支持しない人々、進歩主義派などが過激な動きをすることも考えられる。バイデンが無傷で予備選挙を乗り切ることが難しくなる。そうなれば本選挙で共和党候補者に苦戦することになる。共和党では、フロリダ州知事ロン・デサンティスが出馬表明した。デサンティスは体制派の候補であり、はっきり言えば、トランプに勝ち、バイデンには負ける用の候補者である。トランプ前大統領は現在、各種世論調査で高い支持率を誇っているが、そのうちにデサンティスが追い上げているというようなニューズが出てきて、トランプは共和党予備選挙で苦戦、もしくは敗退というシナリオが仕組まれる。そして、バイデンが本選挙で勝利するということになる。そうはさせじ、という反撃がドナルド・トランプとロバート・F・ケネディ・ジュニアの出馬である。

(貼り付けはじめ)

新型コロナウイルスワクチン接種義務化反対集会に数千人がワシントンDCに集結(Thousands descend on DC for anti-vaccine mandate rally

ジョセフ・チョイ筆

2022年1月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/590984-thousands-descend-on-dc-for-anti-vaccine-rally/

新型コロナウイルスワクチン義務化に抗議する数千人のデモ隊が日曜日、ワシントンDCに集まった。ほとんどがマスクなしで、極右や親トランプの象徴を身につけた人や、ワクチンとホロコーストを比較する人もいた。

ワシントンDC警察は本誌の取材に、日曜日の午後遅くまで、ワシントン記念塔とリンカーン記念館の周りに抗議の人々が集まったが、逮捕者や通報はなかったと語った。しかし、テレビ局WUSAによると、地元の人々の中には、2020年大統領選挙の認定に抗議する親トランプ支持者の集会が先行して行われた、1月6日の連邦議事堂襲撃事件の最近の記念日を思い出して、群衆が混乱に陥ることを心配する人もいた。

集会の主催者は、およそ2万人が参加すると予測していたが、『ワシントン・ポスト』紙は、日曜日の午後までに数千人という、予測よりも少ない人数が集まったと報じた。

ワシントン・ポストによると、参加者の多くは右翼、親トランプの洋服に身を包んでいた。また、マスクを外せと叫んでいる人もいたという。

ソーシャルメディア上では、予防接種を推進してきた連邦政府の保健当局者や著名人たちを非難する看板や画像が見受けられた。ツイッターに投稿されたヴィデオでは、米疾病管理予防センター(CDC)のロシェル・ウォレンスキー所長、ホワイトハウスのアンソニー・ファウチ首席医療顧問、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツの写真が貼られ、顔の上に「WANTED」と書かれたバスが映っているのが確認できた。

他者への暴力を呼びかけるような看板もあり、「あなたの子供を誘拐してワクチンを接種しようとする者を撃て」と書かれているものもあった。多くの看板は、ワクチン接種に抗議するために、聖書の一節やキリスト教の成人たちに言及していた。

集会の映像には、ナチス占領下のヨーロッパでユダヤ人が身に着けていた、自分たちを識別するための大きな黄色い星を持つ女性が映っており、他の映像には、「私は実験室の実験用ネズミではない」や「ワクチンによるホロコーストを止めろ」といったメッセージを書いたサインが写っていた。

この抗議活動は、現在、アメリカのほとんどの地域で、感染力の強いオミクロン変種による新型コロナウイルス感染者増加の新たな波が起きているときに行われた。CDCの健康データによると、米国では現在、7日間平均で71万6000件以上の新型コロナウイルスの新規患者が発生している。

現在のアメリカにおける新型コロナウイルス関連の死亡者数の7日間平均は、ワクチンが広く普及する前に見られた死亡者数のピークよりは低いものの、デルタ変種の急増時に見られた平均死亡者数のピークを既に超えている。

今週、ワシントンDCでは、12歳以上の利用者が新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回接種しているかどうかを確認するよう、複数の種類の事業者に義務付ける新しい規則を実施した。この義務は、レストラン、バー、スポーツジム、娯楽施設、ナイトクラブに適用される。

リンカーン記念館では、ワクチン接種に関する誤った主張を広めたとして、インスタグラムを含む一部のソーシャルメディアから追放されたロバート・F・ケネディ・ジュニアをはじめ、反ワクチン活動家が多数演説した。

反ワクチン科学者のロバート・マローンは、予防接種が「高齢者や虚弱体質」の人々を守ることに「意味がある」かどうかは「無関係」であると語り、予防接種はウイルスに効かないという誤った主張を押し通した。

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JFKの甥は暗殺に関する記録を発表するように求める(JFK nephews call for assassination records’ release

ミカエル・シュニール筆

2021年10月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/578255-jfk-nephews-call-for-assassination-records-release/

ジョン・F・ケネディ元大統領の2人の甥は、ホワイトハウスが先週、追加文書の開示を少なくとも12月まで延期すると発表した後、バイデン政権に対し、1963年の伯父の暗殺に関する残りの文書の開示を強く求めている。

ロバート・F・ケネディ・ジュニアは『ポリティコ』誌に対して、政府が秘密文書の公開を遅らせていることは「暴挙(outrage)」であると述べた。

ケネディ・ジュニアは「アメリカの民主政治体制に対する暴挙だ。私たちは政府内に秘密政府を持つことを想定していない。58年も経っているのに、一体何がこの文書を公開しないことを正当化するのだろうか?」と語った。

ロバート・ケネディ・ジュニアのいとこにあたる(訳者註:JFKの弟テッド・ケネディの息子)、ロードアイランド州選出連邦下院議員(民主党)を務めたパトリック・ケネディは、「大統領だけでなく、明るい未来の約束を失ったこの国の魂に大きな傷を残したもの」についてアメリカ国民が知る権利があるため、残りの文書は公開されるべきであると述べた。

パトリック・ケネディは『ポリティコ』誌に対して、「国家のため、私たちの歴史をより深く理解するために、全てが公開されなければならないと考えている」と語った。

ケネディの甥たちからの圧力は、金曜日にバイデン政権が1963年の暗殺に関連する追加記録の公開を12月まで延期する旨を記載した覚書を発行する際に、新型コロナウイルス感染拡大を理由にしたことに起因する。

ホワイトハウスの覚書によると、米国公文書館は、「残念ながら、新型コロナウイルス感染拡大は各機関に大きな影響を与えている」と判断したため、米国公文書記録管理局は「公開される情報量を最大化するために、各機関と関わり、大きなコレクションの中で調査を行うための追加の時間を必要とする」ということだ。

覚書では、「管理局はまた“これらの決定を行うことは、専門的、学術的、秩序あるプロセスを必要とする問題であり、急いで決定や公開を行うものではない”と指摘している」とも書かれている。

米国公文書館は特に、機密資料を遠隔で評価することができないため、新型コロナウイルス感染拡大中に文書を見直すのに苦労した。

当時のトランプ大統領が公開日を延期したため、追加の文書群が火曜日に公開される予定だった。

しかしながら、2018年のトランプ大統領は、1万9000以上の文書の公開を承認し、そのほとんどに何らかの編集が加えられていたと『ワシントン・ポスト』紙は報じた。

収集された記録のうち、暗殺に関連するものはすでに90%以上は公開されている。

現在は、今年の12月15日までに1つ、来年の同日までにもう1つと、2つのグループに分けて文書が開示されることになっている。

国家安全保障会議の報道官は、バイデン大統領の発表は暗殺に関わる情報を最大限公開できるようにするためのものであると文書を通じて本誌の取材に語った。

同広報担当はまた、バイデンが米公文書館に対し、記録を「民主化」し、一般市民がオンラインでアクセスできるようにするよう指示したと述べた。

この広報担当は次のように語った。「58年前、ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺され、私たちの国に消えない痕跡を残した。米公文書館の勧告に従い、バイデン大統領は、暗殺に関連するできるだけ多くの記録ができるだけ早く一般に公開されるようにするための道筋を発表した」。

「バイデン大統領はまた、国立公文書館に対し、30万件を超える全コレクションをデジタル化し、記録を民主化し、一般市民がオンラインで閲覧できるようにする計画を策定するよう指示した。本日の措置は、バイデン政権が政府の透明性と説明責任を確保するために講じた多くの措置の1つだ」と広報担当は続けて述べた。

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ロバート・F・ケネディ・ジュニアは期待が低い大統領選挙立候補者であるがバイデンには頭痛のタネになる可能性がある(RFK Jr.’s longshot presidential bid may still give Biden a headache

ダグラス・E・ショーエン筆

2023年4月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/3965163-rfk-jr-s-longshot-presidential-bid-may-still-give-biden-a-headache/

米民主党の党内政治において王族の代名詞ともいえる一族の黒羊(嫌われ者)、ロバート・F・ケネディ・ジュニアが、2024年の党の大統領候補としてバイデン大統領に予備選挙で挑戦することになった。

ロバート・F・ケネディ元連邦上院議員の息子で、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥であるロバート・F・ケネディ・ジュニアが、現職大統領を破って民主党の候補者指名を獲得する可能性は、特に彼がほとんどの問題でとる過激派の立場を考えると、ほとんどない。しかしながら、ケネディ・ジュニアの参戦は、大統領選挙を前にして、既に弱体化しているバイデン大統領を更に弱体化させる可能性がある。

最新の大統領選挙に関する各種世論調査は、時期尚早とはいえ、バイデン大統領の立場の脆弱さを浮き彫りにしている。最近の大統領選挙の世論調査では、共和党の候補となりそうなドナルド・トランプ前大統領が、全米の登録有権者の間で現職大統領バイデンを44%対43%と1ポイント差でリードしており、現職大統領と事実上のデッドヒートになっている。

一方、ケネディ・ジュニアがバイデンに対して積極的なネガティブキャンペーンを展開すれば、大統領選挙でバイデンの足かせになる可能性は大いにある。2016年、民主党の予備選でアウトサイダーとの厳しい戦いが、本選挙でドナルド・トランプと対峙したヒラリー・クリントンを弱らせたようなことが起きる。

確かに、ケネディ・ジュニアの立候補はまだ望み薄だが、その理由の1つは、彼の問題意識が民主党の主流から大きく外れていることだ。特にクリーンエネルギーや国土保全など、彼の気候に関する姿勢の多くは、民主党の綱領と一致している。また、ハドソン川の保護に尽力し、環境保護庁の長官候補とされたこともあるなど、左派から純粋な賞賛を受けている。

しかし、他の多くの点で、ケネディ・ジュニアは反主流・過激派の政治家であり、多くの危険な信念を抱いている。彼は著名な新型コロナウイルスワクチン懐疑論者であり、自分の家族の一部が「危険な誤報」と呼ぶものを広めたためにソーシャルメディアのプラットフォームから追放された。政府の陰謀を主張する陰謀論者である。

ケネディ・ジュニアのメッセージには、彼のポピュリスト的な経済的立場に関して、民主党の極左が信じていることにぴったりくる要素がある。彼は反企業権力の考えを持ち、政府による銀行救済に猛反発した。これは、バイデン大統領に対して生ぬるい態度を取りがちな多くの進歩主義派の人々の心に響く可能性が高い。

実際、大統領選への立候補を表明したケネディ・ジュニアは、「国家権力と企業権力の腐敗した合同を終わらせる。これらは新しい種類の企業封建主義を我が国に押し付けようとしている」と高らかに宣言している。

更に言えば、ケネディ・ジュニアは特別な財産を持っている。それは苗字だ。彼の兄弟や親戚の多くが彼を否定し、公然とバイデンを支持しているとしても、ケネディ・ジュニアにとって一族のブランドは、おそらくまだある程度の価値を持つだろう。

最近の世論調査では、2020年の大統領選挙でバイデンに投票した人の14%が民主党の予備選挙でケネディ・ジュニアに投票すると答えた。これは、彼の政治経験や実績のなさを考えればむしろ驚くべきことで、ケネディ・ジュニアの支持のかなりの部分が知名度だけによるものであることを示唆している。

ケネディ・ジュニアの反ワクチンの立場は、民主党支持の有権者の多くにとって忌まわしいものかもしれないが、アメリカ人の4分の1強(26%)(無党派層の31%、民主党の12%を含む)が新型コロナウイルスワクチンの接種を望まない、あるいは決めていないと報告している。

繰り返しになるが、ロバート・F・ケネディ・ジュニアが大統領選挙民主党予備選に勝つ現実的な可能性があるとの見方はない。しかし、もし彼が反バイデン派の民主党員や政府に懐疑的な民主党寄りの無党派層を十分に取り込むことができれば、最終的に予備選で25%程度の票を集めることができ、本選挙でバイデン大統領にダメージを与えるには十分すぎるほどの票を獲得できるかもしれない。

いささか皮肉なことに、現職の大統領として最後に予備選で大きな挑戦を受けたのは1980年のジミー・カーターで、この時はロバート・F・ケネディ・ジュニアの叔父であるテッド・ケネディ連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が挑戦した。バイデン大統領とよく似たカーターは、不人気の現職で、1期目は高インフレと地政学的な危機に見舞われた。

カーターはケネディの挑戦には耐えたが、ロナルド・レーガンとの本選挙では足踏みし、最終的には6州、49人の選挙人を獲得したというアメリカ史上最大の惨敗激で敗退した。

もちろん、テッド・ケネディは手ごわい挑戦者であり、その遺産はアメリカ政界で最も偉大なものの1つである。彼は何十年にもわたって連邦上院議員を務め、進歩主義派のチャンピオンとして、また超党派の交渉役として名声を博し、両党の議員たちから並外れたリーダーとして記憶されている。

ほぼ全ての点で、RFK Jr.は叔父の人物からかけ離れた存在ではない。しかし、若いケネディには、叔父の足跡をたどる可能性がある。彼は、民主党のリーダーが脆弱な時期に、民主党の予備選挙プロセスを揺るがす可能性がある。

アメリカで最も有名な政治王朝内部の嫌われ者であるケネディが、たとえすべてがうまくいったとしても、予備選に勝つことはできないだろう。しかし、バイデン大統領は、本選挙でドナルド・トランプと再戦する可能性が高いため、予備選で楽な戦いをすることで利益を得ることができるだろう。しかし、それができない可能性があるのだ

※ダグラス・E・ショーエン:政治コンサルタント。クリントン大統領と2020年の大統領選挙でマイケル・グリーンバーグ陣営の顧問を務めた。最新刊に「民主制時体制の終焉? ロシアと中国の台頭とアメリカの撤退(The End of Democracy? Russia and China on the Rise and America in Retreat)」がある。

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トランプがワクチン懐疑派のリーダーと会談(Trump meets with leading vaccine skeptic

ベン・カミサー筆

2017年1月10日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/313520-trump-meets-with-leading-vaccine-skeptic/

ドナルド・トランプ大統領選挙当選者は、ワクチンの安全性に懐疑的な人物として知られるロバート・F・ケネディ・ジュニアと火曜日に会談する予定だ。

ホワイトハウス報道官に内定しているショーン・スパイサーは、政権移行期である現在、毎日行っている記者発表で、記者団とこの会談について簡単に情報共有した。彼は、会談のトピックを公表する以外には、追加情報を加えなかった。その内容は「ワクチンと予防接種」というものだ。

司法長官を務めたロバート・F・ケネディという著名人の息子で、ジョン・F・ケネディ元大統領の甥であるケネディは、予防接種の安全性に繰り返し疑問を呈しており、2015年にはサクラメントでの集会で聴衆に対して、「製薬会社はワクチンに何でも入れることができ、それに対する説明責任はない」と述べた。同じ集会では、予防接種が自閉症(autism)と関連する可能性があるという疑義を呈し、ワクチンと関係があると考える障害の惨劇を「ホロコースト」と呼んだ。

科学者たちは、ワクチンと発達障害の間にあるとされるつながりを一蹴し、それらの主張を裏付ける科学的証拠はなく、ワクチンは安全性を確保するために規制されていると指摘している。米国疾病管理予防センターによれば、ワクチンと自閉症との間に「関連性はない」とされている。

しかし、ワクチンに対する懸念は極左と極右の両方で長い間激しく高まっており、政治家たちは時として、そうした懸念を共有する党内の人々に配慮しようとすることがある

トランプは以前、ワクチンと自閉症の関連性について疑問を呈し、2014年には、関連性を示唆する事例が「たくさんある」とツイートした。

「健康な子供が医者に行き、たくさんのワクチンを大量に打たれ、気分が悪くなり、変化する。自閉症。そのような事例がたくさんある!」

-ドナルド・J・トランプ()2014年3月28日

Donald J. Trump (@realDonaldTrump) March 28, 2014

2015年9月の大統領選挙共和党予備選挙期間中の討論会で、「自閉症が蔓延している」と指摘した上で、「より少量のワクチンを長期間にわたって接種することには完全に賛成だ」と明らかにした。

トランプは更に「つい先日も、2歳、2歳半の子供が、元気でかわいらしい子供がワクチンを打ちに行き、帰ってきて、1週間後にものすごい熱を出し、重篤な病気になり、今は自閉症になっている」と述べた。

ケネディの他にも、トランプは政権のスタッフと最初の優先事項を決定するために、いくつかの会議を開く予定だ。

鉱山会社BHPビリトンのメンバー3人と会談した後、マイク・ペンス次期副大統領、保健福祉省長官に内定しているトム・プライス、センターズ・フォ・メディケア・アンド・メディケイド局長に泣いているシーマ・バーマと会談する予定だ。トランプはまた、億万長者の医師パトリック・スンシオンと会談し、2人の補佐官と就任式の計画について話し合う予定になっている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2024年11月のアメリカ大統領選挙に向けて、ドナルド・トランプ前大統領が出馬表明し、ジョー・バイデン大統領も2期目に向けての出馬表明を行った。民主、共和党両党はそれぞれの大統領選挙候補者を決める予備選挙を行う。予備選挙は全米各州とワシントンDCで行われるが、それは来年(2024年)初めからスタートするが、選挙戦自体は既に開始されている。

民主党はバイデンが2期目を目指すが、これまで何度も大統領選挙に出馬し、エスタブリッシュメント派と闘ってきた進歩主義派のバーニー・サンダース連邦上院議員は出馬せず、進歩主義派で人気の高いアレクサンドリア・オカシオ・コルテス連邦下院議員も出馬しない。驚いたのは、ケネディ家のロバート・ケネディ・ジュニアが出馬表明を行ったことだ。ロバート・ケネディ・ジュニアの父は、ジョン・F・ケネディ大統領の弟で、こちらも暗殺されたロバート・ケネディ元司法長官だ。ケネディ家はアメリカ民主党の「王朝」であるが、最近は存在感が希薄になっているのを受けての出馬だろうが、バイデンを倒すことはできないだろう。民主党側はバイデンが順当に大統領選挙候補者になるだろう。
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共和党側も既に複数の人物が出馬表明を行っているが、トランプ以外では、ニッキー・ヘイリー元国連大使(トランプ政権)・元サウルカロライナ州知事が現時点では有力候補者と言えるだろう。共和党側では現職のフロリダ州知事ロン・デサンティスが有力候補者とみられているが、まだ出馬宣言をしていない。デサンティスは先月、日本を訪問し、その際に岸田文雄首相を首相観点に訪問している。これはデサンティス側からの依頼を首相官邸が受け入れてのことであった。アメリカの州知事程度が首相官邸に依頼をしたからと言って、首相に会えるということは、いくら属国と言っても通常であれば無理だ。日本の首相官邸は、デサンティスが共和党の大統領選挙候補になる可能性があると見ていて、念のため、万が一の可能性も考慮して、今回首相官邸訪問を許可したのだろう。
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 しかし、これまでの各種世論調査の結果では、トランプがデサンティスをはじめとする他の候補者たち(出馬宣言していない人物も含む)に大きくリードを保ち、首位を独走している。トランプに対しては刑事訴追が行われたが、その影響は全くないどころか、かえって支持を伸ばしている。

 その理由は「強さ」である。そして、トランプのライヴァルと目されるデサンティスがエスタブリッシュメント派の候補者であることが既に有権者に見破られているからだ。デサンティスの岸田首相との会談もデサンティスがエスタブリッシュメント派であることから実現したと言える。しかし、そのために、「デサンティスには強さはない。戦いを勝ち抜く力はない」と共和党支持の有権者は考えているようだ。

 2024年の大統領選挙もトランプ対バイデンの戦いという構図になりそうだ。バイデンと側近たちは「大統領の犯罪(具体的にはノルドストリーム爆破事件)」が白日の下に晒されることがないように、そして選挙に落ちて、そうした犯罪が明らかにされ、自分たちが逮捕されることないようにするため、あらゆる手段で選挙を勝ちに行く。不正な手段でもなんでもやるだろう。「毒を食らわば皿まで」だ。しかし、そのような選挙に、民主政治体制国家のモデル、お手本、世界最高の国の矜持はズタズタにされてしまう。アメリカ国民の中での断絶や不和が更に広がり、アノミー状態に陥って、国会時において大きなダメージとなるだろう。

(貼り付けはじめ)

共和党支持の有権者たちはどうしてそこまでトランプに忠実なのか(Why GOP voters are so loyal to Trump

-共和党の予備選挙の有権者たちでは、2024年の共和党大統領候補としてトランプ元大統領への支持を緩める気配はない。

キャロライン・ヴァキール筆

2023年4月30日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3978590-why-gop-voters-are-so-loyal-to-trump/

人々の注目を集めている法廷闘争に巻き込まれ、昨年の中間選挙で共和党が予想よりも振るわなかったことがありながら、トランプはほとどの世論調査において、共和党予備選挙に出馬を予想されている人物たちに対するリードを広げている。

大統領選挙の討論会や予備選はまだ数カ月先だが、世論調査担当者や一部の反トランプ共和党員たちは、トランプ前大統領が最近起訴されたことや、共和党内で彼のライヴァルと目される候補者たちに対する彼の率直なアプローチが、共和党の支持者の一部がまだ前大統領を支持している理由の1つだと指摘している。

反トランプの立場の団体であるリンカーン・プロジェクトの共同設立者リック・ウィルソンは次のように述べている。「ドナルド・トランプは、自分に対するあらゆる法律面からの批判、自分に対するあらゆる外部からの告発は無効であり、それらは『ディープ・ステート』が生み出したもの、あるいは共和党の有権者たちから自分を引き離すためのある種の陰謀の産物だと信じるように、共和党支持者たちの多くに訴え、それに成功している」。

ウィルソンは続けて次のように語った。「マーアラゴにFBIの捜査官たちが踏み込んだ後、トランプ支持の数字が上がったのはどうしてか? ニューヨークで起訴された後、なぜトランプ支持の数字が上がったのか? それは、そのベースが、つまり、人々は犯罪者を好まないという、事前に知られていた政治的行動の反対として受け取られているからだ。ドナルド・トランプを犯罪者だと非難すると、あらゆる証拠があっても、支持者たちの反応は、『いや、彼は犯罪者ではない。あなた方がやっていることこそが犯罪だ』と言うのだ」。

トランプは今年3月下旬、刑事告訴を受けることになった最初の大統領経験者となり、大きな話題となった。今回の起訴は、マンハッタン地区検事アルヴィン・ブラッグ(民主党)による、2016年の選挙運動中にポルノ女優に支払われた口止め料にトランプが関与した可能性を中心とする捜査を基にしている。

起訴されることは通常、大統領選挙候補にとって政治的に不利になると考えられるが、世論調査の結果では、トランプに害はなく、むしろ助けになっている可能性さえある。

NPRPBS 「ニューズアワー」、マリスト大学が今週発表した世論調査の結果では、共和党員の63%が、たとえトランプ氏が有罪になったとしても、再び大統領になることを望んでいると答えた。

共和党内の著名な人物や2024年大統領選挙の共和党の候補者になる可能性があると考えられている人物でさえ、トランプ氏を擁護しており、起訴によって最終的にトランプが倒れるという反対派の期待をしぼめさせている。マイク・ペンス元副大統領は起訴を「暴挙(outrage)」と表現し、ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は「茶番(travesty)」だと評した。ニッキー・ヘイリーは、この捜査が「正義ではなく復讐(more about revenge than it is about justice)」によるものであると示唆した。

しかし、一部の共和党関係者は、トランプが世論調査でリードを保っているのは、予備選挙のライヴァルと目されている、フロリダ州知事ロン・デサンティス氏(共和党)に対するトランプの強引なアプローチのおかげでもあると述べている。

ルイジアナ州を拠点とする世論調査専門家ジョン・クーヴィヨンは、通常、共和党と仕事をしているが、本誌の取材に対して、「トランプが反撃することこそが共和党の支持者たちを惹きつけているのだと分かった」と述べている。

2024年の選挙に立候補している人物はまだ少ないが、トランプは早い段階で候補者を確定させるための措置を講じている。トランプ前大統領の注目の多くは、まだ正式に参戦していないものの、一般にトランプの最大のライヴァルと目されているデサンティスに向けられている。

トランプ氏は、フロリダ州知事を「ロン・デサンティモニアス」などというニックネームで揶揄し、自身のトゥルース・ソーシャル・プラットフォームや広告を利用して、デサンティスを攻撃している。親トランプのスーパーPACは今月初め、デサンティスが指でプリンを食べる様子を描いた広告を展開した。これは、フロリダ州知事がかつて調理器具を使わずにプリンを食べたことがあると報じた『デイリー・ビースト』誌の記事から取ったものだ。

反トランプの共和党説明責任PACの政治ディレクターであるガナー・ラマーは、デサンティスに対するいくつかの攻撃について、「彼は共和党のエスタブリッシュメント側の候補というレッテルを貼られることになり、有権者たちが今現在、本当に関心のない他の共和党と差別化できない」と指摘した。

トランプは、クリス・クリスティ元ニュージャージー州知事やクリス・スヌヌ元ニューハンプシャー州知事など、他の共和党員へのジャブも辞さない姿勢を見せている。トランプは、木曜日にニューハンプシャー州で行われた熱狂的な聴衆を前にしたスピーチで、クリスティは「大きな口を開けている。それが彼の全てだ」と述べ、クリスティへジャブを浴びせた。

トランプはスヌヌについて、「彼は本当にインパクトを与えることができたはずだ。連邦上院議員に立候補することもできたはずだ。おそらく、その家柄のおかげで、簡単に当選できただろう。そして、それはとてつもないことだっただろう。その代わりに、彼は大統領選への出馬というバカげた遊びをしたいということでバカげた選択をする」と、トランプはサヌヌについて語った。

トランプのライヴァルたちは皆、程度の差こそあれ、トランプを攻撃しているが、そのほとんどはトランプほど攻撃的ではなかった。先月、フォックス・ニューズのピアーズ・モーガンとのインタビューで、デサンティスはトランプがつけた、自分を軽蔑するようなニックネームについて、「あなたは私を何と呼んでもいい、ただ、私を勝者と呼んでくれればいい。それがフロリダで私たちができたことだからだ。多くのポイントを積み重ね、この州を本当に次のレヴェルへと導いたのだ」と語った。

また、フロリダ州知事デサンティスは3月にブラッグの起訴を批判した際、「ある種の不倫疑惑について沈黙を守るためにポルノ女優に口止め料を支払うことにどのような効果があるのか分からない」とも発言している。これは、トランプがポルノ女優ストーミー・ダニエルズと関係を持ったという疑惑に関するものだ。

しかし、デサンティスはトランプに対して更に強く反撃するよう圧力を受けており、共和党内にはトランプ前大統領が知事を凌駕していると懸念する声もある。

世論調査専門家のクーヴィヨンは、トランプの猛攻撃が「彼に優位性を与えているのは、彼がこのようにタフな男であり、他の共和党候補は必要なものを持っていないと見せているからだ」と述べた。

共和党のメンバーたちは、最初の予備選挙までまだ十分な時間があると強調しているが、フロリダ州知事デサンティスにあまり感銘を受けていないように見える人もいる.

リンカーン・プロジェクトのウィルソンは、「結局のところ、候補者たちは一定のレヴェルでパフォーマンスを発揮しなければならないが、デサンティスは大舞台に立つ準備ができていない。彼はうまく話せない。彼はうまく話せず、人々とつながりを持てない。そして、ドナルド・トランプに対する私の批判は全て、ドナルド・トランプが見事なショーマンであるという事実から決して目を逸らすことがない中で行われている」と述べた。

デサンティス支持派のスーパーPAC「ネヴァー・バック・ダウンNever 」のコミュニケーション担当ディレクターであるエリン・ペリーヌは次のように述べている。「デサンティス知事は、2024年の大統領候補になるかどうか発表していないが、彼は紛れもなく戦士である。デサンティス知事は戦いに負けたことがないだけでなく、選挙にも負けたことがない。もしトランプが、ファウチ博士に盲従して全国的な封鎖を行い、ゲヴィン・ニューサムと仲良しで、フロリダ州を破壊し、彼の支持する2022年の候補者を敗北させたという彼の記録を守らなければならないなら、トランプが苦労するのは明らかだ」。

これらの動きは、世論調査によって、共和党の有権者のかなりの割合がトランプ氏の再選出馬を望まないという結果も出ているにもかかわらず、トランプがいかに2024年の大統領選挙予備選の候補者たちをうまく支配し続けているかを強調している。

トランプ陣営のスポークスマンであるスティーヴン・チャンは電子メールの中で次のように述べている。「トランプ大統領は、全国規模および各州の世論調査において、予備選挙と一般選挙の支持率において他を圧倒している。だからこそ、連邦議会議員、州議会議員、地域のリーダー、草の根活動家たちは、2024年に勝利できるのはトランプだけだと知っているからこそ、彼を支持しているのだ」。

チャンは続けて「トランプ前大統領が掲げる大胆で前向きな政策課題に迫る候補者は、今回の選挙では他にいない」と述べた。

トランプ陣営に参加した経験を持つブライアン・シーティックは「まだ多くの時間が残されている。私たちはディベートを複数回行うつもりだ」と述べた。

シーティックは次のように述べている。「確かに、デサンティス・ティームは、選挙戦というハード面でも、独立支出というソフト面でも、多大な資源を持っているはずだ。そのため、彼らは自分たちの主張をする機会を得ることになるだろう。しかし、デサンティスを取り巻く初期の話題性は薄れ、いよいよ本格的な選挙戦に突入することになる」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 アメリカ連邦議会は新しいセッション(第118期)が始まった。始まって早々、連邦下院では新議長選出を巡って大騒ぎとなったことは日本でも報道され、記憶に新しいところだ。前回のセッションまで連邦議会共和党の少数党(共和党)院内総務を務めてきたケヴィン・マッカーシーが新しい下院議長に選出されることは通常であれば当然のことであった。 

しかし、共和党内から造反議員が出て、何度も何度も否決され、15回目の投票でようやく過半数の得票となり、新議長に選出された。その過程で議場ではつかみ合いの喧嘩騒ぎも起きた。民主党側からは造反してマッカーシーの議長就任に賛成票を投じた議員は出なかったので、今回の騒動は共和党内部の争いということになった。

 マッカーシー議員は2014年から連邦下院共和党の最高幹部であり、2014年から2019年までは連邦下院多数党(共和党)院内総務、2019年から2023年まで少数党(共和党)院内総務を務めた。ドナルド・トランプ政権下では、連邦議会で過半数を失って少数党となった共和党を指揮し、トランプ大統領と協力して議会運営に当たった。トランプ派と目される人物の1人である。

 共和党内でマッカーシー議員の議長就任に抵抗したのは、フリーダム議連(Freedom Caucus)のメンバーたちである。フリーダム議連とはティーパーティー運動が源流の議員連盟であり、「保守系」もしくは「リバータリアン系」と評される議員たちの集まりだ。彼らの考えを簡単に述べれば「反福祉・反税金・反大きな政府」ということになる。彼らの資金源となっているのがコーク・インダストリーズという巨大企業を率いるチャールズ・コークだ。コーク一族の歴史と動きについては拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(講談社)を是非お読みいただきたい。

 簡単に言えば、フリーダム議連のパトロンであるチャールズ・コークは反ポピュリズム、反トランプの立場を取っている。トランプのポピュリズムは、彼から見れば「貧乏人にバラマキを約束している」ということになる。トランプ派と目されるマッカーシーの議長職就任を妨害したい、もしくはフリーダム議連が議会活動で有利になるような条件を受け入れさせたい、ということでフリーダム議連を使って妨害活動としい活動を行ったということになる。コークとフリーダム議連は共和党内部のエスタブリッシュメント派とも対立しており、フリーダム議連、エスタブリッシュメント派、トランプ派という形で共和党は分裂しているということになる。フリーダム議連とエスタブリッシュメント派が共同してトランプ派をけん制し、トランプの大統領選挙での復活を阻止したいという動きになっている。そのために、フロリダ州のロン・デサンティス知事やニッキー・ヘイリー元国連大使の名前を、2024年の大統領選挙の共和党側の有力候補として主流メディアは出している。

 2023年、2024年のアメリカは、2024年の大統領選挙に向けて政治の季節となる。共和党内部の争いはますます激化するだろう。

(貼り付けはじめ)

5つのポイント:マッカーシーは如何にして連邦下院議長職を勝ち取ったか(Five takeaways: How McCarthy won the Speakership

イアン・スワンソン筆

2023年1月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/3803662-five-takeaways-how-mccarthy-won-the-speakership/

ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)が新しい連邦下院議長に就任した。この1週間、議場では15回もの投票が行われ、党内分裂が誰の目にも明らかな異常事態となった。

しかし、この騒動は、マッカーシー議員が分裂した共和党をどのように統率していくのか、また、政府予算や国の債務上限(debt ceiling)引き上げの時期が来た時、国にとってどのような意味を持つのか、それらについて疑問が生じている。

ここでは、これまで誰も見たことのないような狂騒のうちに誕生した連邦下院議長選挙について5つのポイントを紹介する。

(1)マッカーシーは反対派をけん制する(McCarthy picks them off

kevinmccarthy501

第118期連邦議会で連邦下院議長に選出されたケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)が人々の歓声に応える。2023年1月7日。

マッカーシーはこの1週間、民主、共和両党の有権者や批評家たちから、連邦下院で最も大きな丘を登る能力を疑問視され、次々と批判されてきた。

マッカーシーに対する反対派は動じる気配もなく、次々と票を失う中で、彼が必要な過半数を獲得できるのかどうか、多くの人が疑問に思った。

マッカーシーの戦術のいくつかは成功しなかったし、批判されるには理由があった。

2023年1月2日の非公開の会議で反対派に圧力をかけても誰も動かず、マッカーシー議員が批判派に対して議長の座を獲得するに決まっていると話すと、ローレン・ベイバート議員(コロラド州選出、共和党)が「くそ野郎!」と叫ぶなど激しい票読みの始まりとなった。

1回目の投票で19人の共和党所属の議員たちがマッカーシーに反対票を投じ、3回目の投票でバイロン・ドナルド連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)が反対者に加わり、その数は20人に膨れ上がった。

しかし、マッカーシーはこの間、実にたくましく対応しており、火曜日には「次から次へと投票がある中で戦うことを恐れていない」と発言していたが、その通りとなった。

マッカーシーは「戦う準備はできている」と公言し、週半ばには反対勢力との取引に向け、味方の議員たちとともに水面下で猛烈に働きかけた。その努力が実り、金曜日には、12回目の投票で反対派20人のうち13人が賛成に代わり、14回目の投票では更に1票が反対派から賛成に変わるという劇的な投票が行われた。 

その数時間後、連邦下院の議場で歴史的な前代未聞の瞬間が訪れた。

(2)マット・ゲーツが注目を集めた瞬間(Matt Gaetz gets his moment)

mattgaetz501

2023年1月5日(木)、第118期議会の3日目に連邦下院民主党の議員たちと話すマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)

マッカーシーの政治的将来が、金曜深夜に近づくにつれ、マット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)の投票にかかるようになるとは、誰も予想しなかっただろう。

ゲーツ議員とマッカーシー議員との間の反目は、この1週間の投票の底流にあり、金曜日には、フロリダ州の共和党員であるゲーツは、マッカーシーを連邦下院議長職に就くために裏取引をしたと非難し、より個人的な反感が高まっているように見えた。

ゲーツはまた、「これは、計算し、集計し、絶対に回避できることをこの機関に課している人物の虚栄心の表れなのか?」と問いかけた。

しかし、マッカーシーは議長選挙で216票を確保し、あと1票で当選というところでゲーツの投票を待っていた。当時、マッカーシーが連邦下院で過半数を獲得するには217票が必要だった。

ゲーツは「賛否を示さない出席(present)」と発言した。結果として、マッカーシーが投票者の過半数を獲得するための基準を引き下がることになったが、ゲーツの投票では勝利するのに十分でなかった。

ゲーツと同席していたマッカーシーの信頼する盟友パトリック・マクヘンリー連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)を含む議場の共和党所属議員たちは、マッカーシーのマジックナンバーをまだ確保していないことにすぐには気づかず、立ち上がって拍手喝采を送った。

ゲーツは考えを変えなかった。ゲーツの投票は「賛意を示さない出席」だった。

当初、マッカーシーにとって完全な災難に見えたが、その味方は月曜日まで議会を閉会させる投票に動いた。しかし、その閉会投票が行われると、別の切り替えが行われた。どうやら、共和党側のマッカーシーを非難する最終グループの6人全員が「賛否を示さない出席」票を投じるという取引が成立したようだ。

マッカーシーと他の共和党議員たちは閉会日に票を入れ替え、新たに議長選の投票が行われ、マッカーシーは再び216票を獲得したが、今度はそれで十分であった。ゲーツをはじめとする4人の共和党議員がベイバート議員に加わって「賛否を示さない出席」票を投じたことで、マッカーシーが過半数を確保した。

ゲーツは政治的なショーマンであり、カメラに映る時間を多く獲得し、その中心的存在となった

(3)この人たちはどうやって付き合っていくんだろうか?(How are these people going to get along?

michaeldrogers501

2023年1月6日(金)に連邦下院議長選挙の14回目の投票が実施された後、マイケル・D・ロジャース連邦下院議員(アラバマ州選出、共和党)は、ローレン・ベイバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)とマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)から引き離されている。

1枚の絵は1000の言葉に匹敵する(百聞は一見に如かず、Sometimes a picture is worth a thousand words)ということがある。

リチャード・ハドソン連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)がマイク・ロジャース連邦議員(アラバマ州選出、共和党)の体をつかまえている写真(片手を肩に、片手を顎に置き、レスリングに近い動き)は、そうした写真の1つである。

この時のロジャースは、ゲーツと現在の自身の投票について話し合うか、彼の首を絞めるかのどちらかに興味があるように見えた。

この100年間、連邦下院議長の投票では見られなかった光景に、多くの共和党員たちが互いにどれほど不満と疲れと苛立ちを感じていたかを示す象徴となった。

今、連邦下院共和党は僅かな差で、この違いを埋めて、彼らがやりたいこと、監視、支出削減、国境警備強化のための戦い、これら全て行うために協力しなければならない。

1月15日の投票でマッカーシーが新議長に決まった後、団結をするようにと訴えられていた。

しかし、この連邦下院議長選出の戦いは、今後、法案や規則をめぐって共和党内で更なる争いが起こることを予感させるものでもある。

今週、マッカーシーが強いられた屈辱や、ゲーツなどの議員たちの行動に見られた大義名分に対して怨嗟の声が上がるだろう。

マッカーシーがこの騒動をどう処理するかは今後直面する厳しい試練の一つになるだろう。

(4)マッカーシーは勝利を収めるために多くのことを諦めた(McCarthy gave up a lot to win

kevinmccarthy502 

2023年1月6日(金)、連邦下院議長選挙の14回目の投票中のケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)。

連邦下院議長の座を勝ち取るために、マッカーシーは多くのルール変更と反対派への譲歩を提示しなければならなかった。特に、新議長の投票を強制することができる議長退任動議を1人の議員が出すことができるようにすることが重要だった。

マッカーシーと提携する委員会は、共和党の予備選挙における委員会の役割を制限すると述べ、保守派議員たちは、議場に提出される全ての法案を審議する連邦下院規則委員会を含む、より多くの委員会の割り当てを受けることになる。

マッカーシーはまた、歳出法案を公開規則で審議することに同意したが、これは実質的に基本的な予算措置の可決を得ることをかなり難しくするものである。

今週マッカーシーに反対していた共和党議員の多くは、政府支出(国内支出と国防総省の予算の両方)の削減を望んでいる。今回の規則改正は、理論的には彼らにそれを実行する力を与えることになる。

この譲歩はマッカーシーの力を弱めることになりそうだが、彼は公の場で、この譲歩によって連邦下院議長が弱体化するとの見方を否定した。

(5)債務上限をめぐる戦いが注目の戦いだ(The debt ceiling fight is the battle to watch

andybiggs501 

2023年1月5日(木)、ワシントンの連邦下院議会で10回目の投票中に、ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)と話すアンディ・ビグス連邦下院議員(アリゾナ州選出、共和党)(右)。

連邦政府は歳入を上回る支出をしているため、連邦議会は長年にわたり、社会保障や医療保険から軍事費まであらゆる資金を調達するために、国の借入限度額を定期的に引き上げる必要がある。

債務上限を引き上げること自体は、新たな連邦政府支出の増加や承認にはならないが、連邦政府がより多く支出することを可能にする。

もし、債務上限が引き上げられなければ、連邦政府は支払いをすることができない。

2011年には、当時のバラク・オバマ大統領と共和党が過半数を握る連邦下院が何とか合意に至るまで、政府はデフォルト(default、債務不履行)に近い危険な状態に陥った。

次に債務上限を引き上げなければならないのは今年8月である。どのようになるかは誰にも分からないが、今後数カ月、ワシントンやウォール街では多くの神経がすり減ることになりそうだ。

今週、マッカーシーの議長選に反対していた共和党側議員の1人であるラルフ・ノーマン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は水曜日、「マッカーシーは債務上限を引き上げるより、連邦政府を閉鎖することを望んでいるのだろうか?」と語った。ノーマンは更に「これは交渉の余地がない」とも述べた。

=====

マッカーシーの譲歩による連邦下院議長職獲得は驚きとなった(McCarthy concessions to win Speakership raise eyebrows

マイク・リリス、マイケル・シュニール、アル・ウィーヴァ―筆

2023年1月7日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/house/3803315-mccarthy-concessions-to-win-speakership-raise-eyebrows/

ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)は、歴史的な投票失敗の週を経て、議長の当選に必要な支持を得るために、反対派からの一連の要求に屈することを余儀なくされた。

ほとんどの共和党連邦議員たちはマッカーシーの譲歩の重要性を軽視しているが、この変更はマッカーシー自身の指導力を犠牲にして一般議員に権限を与えるものであり、連邦下院の統治機能を麻痺させかねないという懸念も出てきている。

特に、1人の議員が下院議長を追放するプロセスを開始できるようにする今回の変更は、保守派の強硬派グループがマッカーシーに圧力をかけて重要な必須法案を維持するために繰り返し使用することを恐れている民主、共和両党の議員に胸焼けを与えている。

その結果、連邦政府が閉鎖され、債務不履行に陥り、連邦下院の事業が急停止するリスクが高まると彼らは言う。

ドン・ベーコン連邦下院議員(ネブラスカ州選出、共和党)は、「これは恐ろしい決断だ」と述べた。

ベーコン議員は「1人でも議場から退席の動きを推し進めればまたやることになる。毎週こんなことをするのはいかがなものか?」と、マッカーシーの下院議員当選を数日遅らせた内部抗争を引き合いに出してこのように語った。ベーコン議員は「こういう人が何人かいると将来的にそうなるのではないかと思う。連邦下院議長が弱体化し、最小会派が強化されることになるのだ」と語った。

マッカーシーの保守派の批判者たちの中には、国の債務上限(連邦政府が債務を支払うためにお金を借りることを認める)を引き上げるいかなる動きも、社会保障やメディケアなどの国の権利プログラムの削減を伴わなければならないと要求している者もいる。そして、新しい連邦下院規則パッケージの条項では、債務上限引き上げについて別途投票を行うことが義務付けられている。

チップ・ロイ議員(テキサス州選出)は、木曜日に連邦議会議事堂で記者団に対して、「債務上限引き上げには具体的な支出制限が必要だと考えている」と語った。

マッカーシーの反対派で、今回の譲歩で最終的に支持に回ったスコット・ペリー連邦下院議員(ペンシルヴァニア州選出、共和党)も「何事もなく進められる債務上限引き上げはありえない、それは間違いない」と述べた。

この要求は、民主党側の議員たちからの反発を招いた。民主党議員たちは、国のセーフティネット・プログラムを守りたいが、マッカーシーが保守派の意向に従えば、連邦債務不履行のリスクが高まることを恐れているのだ。

民主党側のある議員は、「もし彼らが債務上限を設定したら私たちは終わりだ」と述べた。

今週の長丁場の交渉を通じて、中道派の共和党所属の議員たちにとってもう1つの大きな懸念は、保守派が小委員会の権限を自分たちのものにしようとすることで、この案は既に小委員会の席についている議員たちを激怒させた。

ベーコンはこれを「成功の見込みがない(non-starter)」だと形容した。特に小委員会の委員になるために努力してきた穏健派共和党員の間で怒りが広がっている。

ベーコンは次のように語った。「連邦下院議長職やそのようなものについて話すのであれば、彼らはまだそれを獲得しなければならない状況にあるのだ。私はそれを獲得していないにもかかわらず指導的役割を担わせるという、最も小さな議連に対するアファーマティブ・アクション同様だと考えている。私たちは共和党側の実力を基礎にしたシステム(merit-based system)を信じている」。

2013年から連邦下院議員を務めているアン・ワグナー議員(ミズーリ州選出、共和党)は、連邦下院議長職の「年功序列プロセス(seniority process)」だと強調した。

「誰もが年功序列のプロセスを経て、両委員会の役職や議長職などを獲得していかなければならないのだ」とワグナー議員は語った。

共和党が第118期連邦議会の開幕に際して採用したその他の変更点は、それほど議論の余地のないものである。その中には、全下院議員の任期制限を設けるための議場投票の保証、修正案の公開手続き、連邦政府機関に対する新たな権限を議会に与えるいわゆるホルマンルールの採用、議場に入る前に議員が法案を読むために丸3日間を必要とする72時間ルールなどが含まれる。

これらの変更は、全て過去の時点で採用されている。そして、ほとんどの共和党側議員たちは、マッカーシーが議員職の見返りに多くを捧げ過ぎたという説を否定している。

マージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党は)「そのようには感がない」と語った。グリーンは下院議長選でマッカーシーの最も有力な支持者の1人となった。

キャシー・マクモリス・ロジャーズ連邦議員(ワシントン州選出、ワシントン州選出)は、「これらの譲歩は私たちの話し合いで合意されたものであり、最終的には、より国民主導の立法過程につながると信じている。これは、より多くの権力と意思決定を議員に取り戻すことだ」と述べた。

ダン・クレンショー連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)は、最初の規則パッケージの最小値である1人制と5人制の違いはほとんどないと述べ、1人制の空転動議についての懸念さえも軽視した。

クレンショー議員は「皆さん方はもう5人制で合意したのだろう。5人制と1人制で一体何が違うのか? 説明責任の問題だ。だから、みんなチームとして働こう、それが最善だ」と述べた。

マッカーシー自身も瀬戸際の交渉を擁護し、この重要な譲歩が彼を「弱い議長」にすることはないと断言している。

木曜日の夜、マッカーシー議員は記者団に対して、「これを恐れていたら、より弱い議長になるだけだ」と語った。「私は弱い議長になどならない」とも述べた。

マッカーシー議員は更に「前の議長を除いてはいつもそうだ。私はそれが結構なことだと思う」と付け加えて述べた。

しかし、民主党側は、カリフォルニア州選出の共和党議員であるマッカーシーが共和党右派対して提案したことは、彼の権威を低下させ、安定した統治を損なうと警鐘を鳴らしている。

前回と前々回の議会で下院議長として一人退席ルールを撤廃したナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、その復活を「馬鹿げたことだ」と評した。

前多数党(民主党)院内総務のステニー・ホイヤー議員(メリーランド州選出、民主党)は、この協定は共和党の極右勢力にあまりにも大きな力を与えるものだと述べた。

ホイヤ―議員は次のように述べた。「彼は私が予想した以上のものを与えたと思う。この協定は、共和党の小さな、意志を持った一派、共和党の否定的な一派、ほぼ一様に妨害的な一派に、彼らが持つべき以上の権威を与えることになると思う」。

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「クラブ・フォ・グロース」とコークはフリーダム議連に資金提供(Club for Growth and Koch nurtured Freedom Caucus

アイザック・アーンスドーフ筆

2015年10月22日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/story/2015/10/freedom-caucus-koch-club-growth-214973

最近、連邦下院をひっくり返した連邦下院保守派の反逆派の背後には、共和党の極右からおなじみの寄付者たちが何人か立っている。それが「クラブ・フォ・グロース(Club for Growth)」 とコーク・インダストリーズ(Koch Industries)だ。

非営利団体「センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックス(Center for Responsive PoliticsCRP)」と共同で行った本誌の分析によると、これらの強力な外部勢力は、ジョン・ベイナー連邦下院議長を追い出し、ケヴィン・マッカーシーが後継になることを阻止した共和党内グループである「連邦下院フリーダム連盟(House Freedom Caucus)」のメンバー37人の政治キャリアを育むのに一役買ってきた。

この分析によると、フリーダム議連のメンバーは、銀行や自動車ディーラーなど、伝統的に共和党候補を支持している業界から強い支持を受けてきた。しかし、議連のメンバー数は、共和党の重要な勢力として台頭し、時には保守的な原則をめぐって指導部と衝突する外部団体の影響力を示すものでもある。

各議員が報告した選挙運動およびリーダーシップPACへの寄付の金額を基に分析したところ、10万人の会員を持つ自由企業体制擁護団体「クラブ・フォ・グロース(Club for Growth)」の寄付額は177万ドルで、各議員が集めた総額1億7500万ドルの約1%に相当することが分かった。このクラブは、11人の議連メンバーにとって最大の寄付者であり、他のどの寄付者よりも多くのメンバーが寄付を受けた。

クラブ・フォ・グロースの広報担当者ダグ・サクトルベンは、本紙の取材に対して、最近の連邦下院での共和党指導部の混乱について、フリーダム議連に責任はないと述べた。サクトルベン「私たちの問題は、フリーダム議連の問題ではない。彼らは、選挙で訴えたことや有権者が投票したことを守っている。問題なのは、エスタブリッシュメントと指導部だ」と発言した。

指導者争いの中で、クラブはベイナー議員傘下のPACから「自分たちの信じる原則を守るために」攻撃を受けている保守派議員たちへの支援を公に表明していた。

カンザス州ウィチタに本社がある石油・ガス複合企業のコーク・インダストリーズは、現在フリーダム議連と提携しているメンバーたちに長期にわたり、総額で59万9400ドルを献金してきた。同社のPACとコーク社の従業員からの個人献金を合わせると、カンザス州選出のティム・ヒュールスカンプ連邦下院議員にとっての第2位の献金者となった。しかし、今回の分析では、フリーダム議連メンバーへの全体では2番目に大きな寄付をするのに十分な資金をばらまいていることが分かった。今回の分析では、コーク兄弟が築き上げた政治団体の幅広いネットワークはカヴァー仕切れておらず、これらはまとめて共和党候補への主要な資金源として発展してきた。

コーク PACのスポークスマンであるケネス・P・スペインは、同団体はフリーダム議連だけでなく、たくさんの共和党所属の議員たちに寄付していると述べた。CRPがまとめたデータによると、2014年のサイクルで1080万ドルを寄付していた。

この1カ月間、宮廷内の陰謀(palace intrigue)の中で、メンバーの名前を秘密にしているフリーダム議連は、党のどの派閥、グループが連邦下院指導部を支配するかをめぐる争いで影響力のある勢力として浮上してきた。連邦下院議長候補と目されているポール・ライアン連邦下院議員は、フリーダム議連が賛同し、ベイナー議員に対して脅した手続き上の戦術を諦めることに同意する場合のみ、連邦下院議長の座を望むと述べた。

共和党内部のエスタブリッシュメント派は、フリーダム議連が共和党のビジネス界の同盟者を軽視し、ひいては党の資金調達と多数派拡大への努力を軽視していると見て、不満を募らせている。しかし、クラブ・フォ・グロースやコーク・インダストリーズのような反体制的な資金提供者たちとの結びつきは、この集団がそれなりの資金基盤を持っていることを示唆している。

アメリカ商工会議所(UCC)は、この強力な勢力を排除するため、予備選挙の挑戦者を支援すると宣言している。

ベイナーのスタッフからロビイストに転身したある人物は次のように述べている。「昔は、党組織や経済界がもっと大きな影響力を持っていた。今、フリーダム議連は、ワシントンのグループは自分たちに献金しないと言って、ワシントン以外からもっと金を集められる。経済界は、この人たちと話をして、関係を構築する方法を考えるべきだ。今、彼らは共和党の未来を担っているように見えるからだ」。

業種別では、フリーダム連邦の寄付者の7%が退職者、次いで医療従事者(5%)と分析されている。

『ポリティコ』誌とCRPの分析によると、このブロックで最も資金調達に成功したのはニューメキシコ州のスティーヴ・ピアース連邦下院議員で、キャリアを通じて1690万ドル(クラブ・フォ・グロースから34万7867ドル、コーク・インダストリーズから86000ドルを含む)を稼ぎ、現職下院議員の中で38位にランクされた。ニュージャージー州のスコット・ギャレット連邦下院議員は1360万ドル(コーク・インダストリーズから7万2500ドルを含む)で69位と続く。

この分析は、選挙運動へのハードマネーによる寄付のみを対象としており、これらのレースにおける候補者の賛否を問わない独立した支出は反映されていない。

フリーダム議連への献金者の上位5位は、アメリカ銀行協会、全米自動車販売店協会(連邦議会への寄付額ではトップクラス)、エヴリ・リパブリカン・イズ・クルーシャルPACEvery Republican is Crucial PACERICPAC)で、エリック・カンター連邦下院多数派(共和党)院内総務がヴァージニア州選出のデイヴ・ブラット連邦下院に失脚させられる前に協力していた諸団体である。

アメリカ銀行協会の連邦議会関係・政治問題担当のジェームズ・バレンティン執行副会長は次のように述べている。「アメリカ銀行協会は、新人議員から議会指導部、その間にいる全ての議員に至るまで、通路の両側の議員たち(民主、共和党両党)と協力してきた長い歴史がある。これらの議員の中には、偶然にも、全米の銀行にとって重要な数々の施策を支持している議員たちもいる」。

ケネス・P・ヴォーゲルはこの記事の作成に貢献した。

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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン政権1期目(任期4年)も後半に入った。アメリカ政治は2024年11月の大統領選挙(と連邦議会選挙:連邦下院は全議席、連邦上院は一部議席、更には州知事選挙)に向けて動き出す。民主党は現職大統領を抱える側であり、共和党は挑戦者の立場だ。

ジョー・バイデンが2期目を目指して選挙に出馬するかどうかがまず現在の関心事だ。バイデンは現在80歳(1942年生まれ)、2024年の大統領選挙投開票日あたりには82歳になっている。現在でも現職としては史上最高齢であり、2年後に当選すればこれまで史上最高齢となる。人間の寿命は確実に伸びている。先進諸国は多少の違いはあるものの高齢化社会(日本は高齢社会)である。80歳で現役は良いじゃないか、という主張もあるだろうが、判断力や健康の面で不安があるというのが正直なところだ。民主党の中から挑戦者が出る様子は今のところない。バイデンが病気やスキャンダルで2期目に出られないとなれば、カマラ・ハリス副大統領が候補者として出ることになるだろう。

 興味深いには、民主党が大統領選挙の民主党予備選挙(民主党の大統領選挙本選挙候補者決める選挙)で、各州で実施される予備選挙や党員集会の日程を変更して、アフリカ系アメリカ人有権者が選挙の結果を左右する州が早めに予備選挙や党員集会を実施できるようにしようとしていることだ。これは民主党エスタブリッシュメント派が、進歩主義派を抑え込もうとする動きである。

アフリカ系アメリカ人有権者は民主党エスタブリッシュメント派の支持基盤である。バイデンが2020年の大統領選挙民主党予備選挙で、勝利を決定づけたのはアフリカ系アメリカ人有権者の多いアメリカ南部サウスカロライナ州の予備選挙だった。早めに民主党エスタブリッシュメント派の候補者が勝利を印象付けられるようにするための日程変更である。2016年の民主党予備選挙ではバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)がヒラリー・クリントンに対して東部などで善戦し、戦いが長引き、批判合戦が激しくなり、結果としてヒラリーにマイナスに働いた。日程変更はそのようなことが起きないようにしようという動きだ。

 共和党側では、エスタブリッシュメント派はトランプを排除したい、トランプ支持勢力の力を削ぎたいということになる。そのために、トランプ支持の有力者である、共和党全国委員長ロナ・マクダニエルの再任を阻止しようという動きに出ている。また、保守派の大口献金者であるコーク・インダストリーズの総帥チャールズ・コークの意を受けたフリーダム議連が、トランプの協力者であるケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)の連邦下院議長選出をことごとく妨害し続けたことは記憶に新しい。トランプが共和党の大統領選挙候補者になるかならないか、ここはアメリカ政治においての大きな焦点ということになるだろう。共和党エスタブリッシュメント派はアメリカ主流派マスコミと組んで、フロリダ州知事ロン・デサンティスの待望論を醸成してくことだろう。

 2022年の中間選挙では事前の予想に反して、民主党がそこまで負けなかった。2024年に向けて、共和党としては挑戦者として民主党に戦いを挑む形になる。今年に行われる州規模の選挙(州議会議員や州知事の選挙)は注目を集めることになる。ここで共和党が勝利を収めることになれば、2024年の大統領選挙の序盤の流れがそれによって形成されることになる。これからアメリカは少しずつではあるが、激しい政治の季節に入っていく。

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2024年の政治状況を形作るであろう今年の政治的イヴェント5選(Five political events this year that will shape 2024

マックス・グリーンウッド筆

2023年1月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3812434-five-political-events-this-year-that-will-shape-2024/

大統領選挙での予備選挙や党員集会が始まるまでに1年以上ある。今後数カ月は、2024年にほぼ間違いなく重要な意味を持つ、アメリカ政治における重要な出来事が次々と起きることになる。

共和党と民主党の両党は、今後数週間のうちに政党のために大きな決定を下す予定で、今年11月にはいくつかの州で選挙が行われ、来年の状況がどのように見えるかについて政治ウォッチャーたちに早い段階でのプレヴューを提示する。

この論稿では、2024年について何らかのヒントを与えてくれる、今年起きる5つの政治的な出来事を紹介する。

(1)バイデンの再選表明(Biden’s reelection announcement)(日付は未定)

この2年間、民主党にとって最大の問題の1つは、ジョー・バイデン大統領がホワイトハウスの2期目を目指すかどうかということだった。そして、バイデン大統領がその意思を持っていることが明らかになりつつある。

バイデン大統領は今後数週間のうちに大統領選挙再出馬の計画を明らかにすると予想され、2月の一般教書演説の前後に発表することが有力視されている。

もしバイデン大統領が最終的に再選の選挙戦を進めるのであれば、ホワイトハウスへの野心を持つ他の民主党の政治家の動きが封じられる可能性がある。その結果、民主党は、2024年の大統領選挙で、激しい戦いとなりうる予備選挙シーズンを免れ、バイデンは、2期目の大統領就任に向けた説得にのみ集中することができるようになるかもしれない。

バイデンは、それでもなお、いくつかの疑問を抱えて再選キャンペーンに臨むことになる。80歳という年齢は、既に大統領執務室の主としては史上最高齢者である。2024年11月に2期目を勝ち取れば、大統領2期目の宣誓をする頃には82歳になっている。

もちろん、ドナルド・トランプ前大統領が再びホワイトハウスに挑戦するために選挙への立候補を表明しているが、彼はバイデンに比べてそれほど若いという訳ではない。バイデンの存在が、現職大統領と明確な対比を描ける可能性がある若い候補者選出に共和党を誘導する可能性があるかどうかが、1つの疑問点として残っている。

(2)共和党冬季ミーティング(The GOP’s winter meeting)(1月25-27日)

共和党全国委員会(Republican National CommitteeRNC)は2023年1月末、カリフォルニア州ダナポイントで開催される会合において、次期全国委員長を選ぶことになっている。そして、現在のリーダーであるロナ・マクダニエルは、共和党の組織上の最高ポストをもう1期務めようとしているが、彼女と協力者たちが期待したほどには、彼女の再選は安泰とは言えない。

6年近く全国委員長を務めてきたマクダニエルは、2016年の大統領選挙でトランプがサプライズでの勝利を収めた後、全国委員長に抜擢された。

しかし、2022年の中間選挙で共和党が連邦上院の主導権を取り戻すチャンスを逸し、連邦下院では僅差の過半数にとどまったことから、マクダニエルに対しては共和党内部からのプレッシャーが強まっている。

月曜日には、アラバマ州共和党の運営委員会はマクダニエルに対する不信任声明を発表し、共和党全国委員会委員長としてマクダニエルがもう1期務めることを支持しないと表明した。

また、マクダニエルは共和党内でトランプ前大統領の最も熱心な擁護者の1人という評価を得ているが、彼女は他の2人のトランプ支持者、共和党全国委員会のハルミート・ディロンと枕製造で大成功を収めたマイク・リンデルからの挑戦を受けることになった。ディロンは、「2020年の大統領選挙では自分に対して不正に行われた」というトランプの虚言の最も大きな後ろ盾を務める1人になってしまった。

このコンテストで全国委員長に選ばれる人物は、2024年の大統領選挙を通じて協和党全国委員会を率いる任務を負うことになる。しかし、トランプ前大統領の忠実な支持者の存在は、前大統領を党の現在の課題の少なくとも部分的な責任とみなす共和党内の人々にとって、事態を複雑にする可能性がある。

(3)民主党冬季ミーティング(The Democrats’ winter meeting)(2月初頭)

民主党の幹部たちは、民主党の伝統的な大統領予備選の日程を大幅に変更する計画を進めており、人種的に多様な各州が指名プロセスにおいてより大きな発言力を持つことを望んでいる。

この計画は、来月初旬にフィラデルフィアで開催される民主党全国委員会(Democratic National CommitteeDNC)の冬季ミーティングで主要な投票が行われる予定だ。

この新提案では、2024年2月3日の予備選は、数十年にわたって大統領予備選の集会を開催してきたアイオワ州に代わって、サウスカロライナ州が先頭に立つことになる。その次は、2月6日にニューハンプシャー州とネヴァダ州、2月13日にジョージア州、2月27日にミシガン州という順番になる。

もし、民主党全国委員会がこの新提案を採用すれば、従来の投票日程だけでなく、大統領候補の選挙戦への取り組み方も根本的に変わることになる。

もちろん、まだ障害は残っている。早期予備選の提案に該当する5州のうち、ジョージア州とニューハンプシャー州の2州は、早期に予備選を実施するための委員会の要件を満たそうと、民主党全国委員会に延長を要請している。

更に言えば、共和党は既に、アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州の伝統的な順番を維持した予備選カレンダーを採用している。このことも、民主党が日程を組み替えることを難しくしている。

(4)保守政治行動会議(Conservative Political Action ConferenceCPAC)(3月1-4日)

毎年恒例の保守政治行動会議(CPAC)は、過去2年間、フロリダ州とテキサス州で開催されたが、今年3月にワシントンDCに戻ることが決まっている。

フロリダ在住のトランプが再び大統領選に出馬し、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)が2024年の選挙戦を考慮する中、保守派の活動家と共和党関係者の有名な集会が中立地帯に戻ることになる。

過去数年間、CPACはトランプと共和党の彼のグループの決起集会のようなものであった。しかし、今年のCPACをめぐる大きな疑問は、これまでとは異なるトーンで開催されるかどうかということだ。

一つには、トランプがもはや共和党の大統領候補として有望視されていないことがある。最近の世論調査では、仮に予備選で対決した場合、デサンティスが前大統領を引き離すという結果が出ている。更には、共和党は2022年の中間選挙の影響と、トランプが共和党を次の選挙サイクルで党を率いるのに最適な人物であるかどうかを決めかねている状況だ。

(5)2023年選挙投開票日(Election Day 2023)(11月7日)

ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州の3州が今年州レヴェルの選挙を予定している。しかし、最大の関心はヴァージニア州に集まりつつある。ヴァージニア州の有権者は今年11月に州議会でどちらの党が過半数を握るかを決定することになる。

ヴァージニア州では近年、左派が確実に支持を拡大し続けていた。しかし、2021年にグレン・ヤングキン知事(共和党)がテリー・マコーリフ前知事を破り、共和党が州下院において僅差で過半数を占めると、状況が一変した。

今年は、共和党が州下院の過半数を維持するだけでなく、民主党が僅差で握っている州上院の過半数を獲得しようと試みるだろう。これらの州議会選挙がどのように展開されるかは、2024年に向けての政治環境を占う上で、何らかのヒントになる可能性がある。

同時に、ケンタッキー州のアンディ・ベシア知事(民主党)が知事2期目を目指しており、既に共和党側の対抗馬と競い合っている。

ベシアは2019年、現職だったマット・ベヴィン知事(共和党)を僅差で破り、知事職に就任した。しかし、当時の政治情勢は民主党に有利なものであったが、今年はより厳し選挙戦が待っていると予想されている。
(貼り付け終わり)
(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 先日、アメリカの中間選挙が終わった。アメリカ政治はこれから2024年大統領選挙に向かって進んでいく。このブログの読者の方々には当たり前の知識であるが、アメリカ大統領選挙はまず民主、共和両党の候補者を決める予備選挙(primary)が実施され、候補者が決定してから、本選挙(general election)が行われる。予備選挙は選挙年の2月頭のアイオワ州での党員集会(Caucus)から始まり、6月まで続く。その間に大統領選挙候補者が決まり、7月の全国大会で正式決定となる。そして、11月に本選挙が実施される。予備選挙に向けた選挙運動は選挙年の前年から始まる。非常に長丁場の戦いということになる。

 民主党は現職のジョー・バイデンが2期目に向けて立候補表明を行った。現在のところ、有力な対抗馬による立候補表明はない。共和党はバイデンに挑戦する候補者選びということになる。2016年の大統領選挙で当選し、2020年に敗れたドナルド・トランプ前大統領が大統領選挙への立候補を表明した。これから共和党の予備選挙は盛り上がっていくだろう。このブログで何度もご紹介しているが、現在のところ、各種世論調査の結果を見ると、トランプが一番人気だ。その他の立候補が見込まれる有力な人物たちに大きなリードを保っている。

 それでも2024年米大統領選挙共和党予備選挙に挑戦する可能性が高い人物たちについて知っておくことは重要だ。中間選挙で共和党が予想よりも結果が振るわなかったのはトランプの神通力が落ちたからだという主張が出ている。そういう主張とセットで、では誰が2024年大統領選挙の候補者に望ましいのかということはなしになる。トランプとは距離を置いている保守派や穏健派の人物たちの名前が取りざたされているが、一つ言えることは若い、フレッシュな名前は出ていないということだ。トランプ政権出身者3人の名前が挙がっている。また、州知事の名前が3人上がっているが、共和党で成功した大統領というのは州知事出身が多い。最近ではロナルド・レーガン、ジョージ・W・ブッシュ(息子)の名前が挙げられる。

 こうした人々の中から予備選挙に立候補する人たちが出てくるだろう。現在のところ、フロリダ州知事のロン・デサンティスがトランプにとっての有力な対抗馬ということになっている。アメリカ国内政治においてラティーノ系の存在感が増していること、大統領選挙において激戦州であるフロリダ州の確保が重要であることから、デサンティスの名前が挙がっている。デサンティスの知名度拡大や実績のアピールがこれから全国的に進められるかどうかがカギとなるが、共和党支持有権者たちへのトランプの影響力を上回ることは非常に困難な試みということになるだろう。

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2024年にトランプに挑戦する可能性が高い7人の共和党の政治家たち(Seven Republicans most likely to challenge Trump in 2024

キャロライン・ヴァキール筆

2022年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3745399-seven-republicans-most-likely-to-challenge-trump-in-2024/

2024年にドナルド・トランプ前大統領に対抗することを決意するだろう新星や注目すべき声はどれなのか、多くの共和党の政治家たちに注目が集まっている。

トランプは今月初め、ホワイトハウスへの3度目の出馬を正式に表明した。しかし、共和党の中間選挙の結果では、トランプが支持した候補者たちがそれぞれの選挙戦で苦戦し、ゴールラインを越えられなかった。この結果は、他の共和党の政治家たちの大統領選挙への出馬を後押しするものとなった。

これからは、次の選挙サイクルで前大統領に挑戦する可能性が最も高い7人の共和党の政治家たちについて見てみよう。

(1)フロリダ州知事ロン・デサンティス(Florida Gov. Ron DeSantis (R))
rondesantis521

デサンティスは中間選挙前から2024年大統領選挙の挑戦者と目されていたが、共和党候補としてフロリダ州で民主党のチャーリー・クリストに19ポイントの差をつけて再選を決めたことで、共和党にとって総じて厳しい選挙戦の中の明るい兆しとなった。

フロリダ州知事デサンティスは、新型コロナウイルス規制をめぐってジョー・バイデン政権と対立し、ディズニーなどの企業に対して文化闘争を煽ったことで知られている。デサンティスは2024年に出馬するかどうかについての質問は避けてきた。しかし、週末、彼の発言は、彼が立候補を躊躇しないことを示唆した。

デサンティス氏は土曜日に共和党ユダヤ連合の会合に出席し次のように述べた。「このような時代には、勝利に代わるものはない。フロリダにいる私たちは光だ。自由はフロリダが先導して支配する。私たちは4年間で誰もが想像していた以上のことを成し遂げたが、これだけは言える。まだまだやることはたくさんあるし、私はまだ戦い始めたばかりだ」。

共和党はデサンティスが知事再選に成功したことで浮かれていると述べる一方で、共和党系のストラティジストでトランプ陣営に参加した経験を持つブライアン・セトチックは、「州議会で共和党が過半数を握っているので、デサンティス知事には有利に働く」と指摘する。それは、デサンティス知事にとって予備選挙や総選挙で有利になる法案を通そうとして、それが可能だからだ。

(2)ニッキー・ヘイリー元米国連大使(Former U.N. ambassador Nikki Haley
nikkihaley521

ヘイリーは2024年の大統領選挙を目指すという意向をちらつかせ、ニューハンプシャー州連邦上院選挙の共和党候補のドン・ボルドゥックやジョージア州知事のブライアン・ケンプ(共和党)などの候補のために遊説するなど、中間選挙期間中に存在感をはっきりと示している。

ヘイリー氏は共和党ユダヤ人連合で「そして、もしバイデンがイランとの核開発合意に復帰することに成功したら、私はあなたに約束する。私は以前にも言った。次の大統領は就任初日にそれを破砕するだろう」と発言し拍手喝采を浴びた。

元国連大使で、サウスカロライナ州知事を2期務めたヘイリーは、その素晴らしい経歴を共和党内で称賛を浴びている。しかし、党員の中には、トランプの2024年の大統領選挙への立候補が、ヘイリーやトランプの政権で働き、「トランプに近い」と見なされかねない候補者の見通しを複雑にしていると指摘する者もいる。

共和党系のストラティジストであるスコット・ジェニングスは次のように語った。「それは、これらのトランプに使い候補の一部が抱える問題だ。マイク・ポンペオやマイク・ペンスたちがそうだが、この人たちの何人かはトランプ政権にいた人たちだ。つまり、トランプを支持した有権者たちは2024年もトランプを選ぶことができる訳だが、自分を選ぶなどとどうして考えることができるのか?」と語った。

ヘイリーは以前、トランプが2024年に立候補しても出馬しないと発言し、2021年にAP通信に「トランプ前大統領と相談する」と語っていた。しかし、ヘイリーが出馬の可能性を示唆しているので、彼女がその計画に固執しない可能性がある。

(3)マイク・ペンス前米副大統領(Former Vice President Pence
mikepence521

ペンスは、アイオワ州やニューハンプシャー州を訪問していることから、2024年のホワイトハウスを目指すのではという憶測が出ている。新しい回顧録の刊行は、彼の政治的将来についての質問をさらに増やし、彼は次に来るかもしれないことについて、ちらりとほのめかした。

共和党系のストラティジストであるソウル・アヌジスは「副大統領としてトランプ政権の一員として何をしたか、何を決定したかという記録をもとに出馬することができる。しかし同時に、『私はより優しく、よりソフトで、より穏やかな大統領候補だ』と言うこともできる」と語った。

アヌジスは、2021年1月6日の連邦議事堂暴動後のペンスとトランプの対立が、党内の一部の議員が前副大統領を支持するかどうかを複雑にするかもしれないが、共和党内主流派の活動家の間ではそれほど大きな要因にはならないかもしれないと示唆した。

(4)マイク・ポンぺオ元米国務長官(Former Secretary of State Mike Pompeo
mikepompeo521

カンザス州選出連邦下院議員、トランプ政権下のCIA長官、国務長官を務めたポンペオは、大統領就任に向けた野望を予告し、前の上司であるトランプを間接的に非難することに躊躇していない。ヘイリーと同様、ポンぺオ前国務長官は外交政策の経験を持ってホワイトハウスを目指す戦いに臨むことになる。

セトチックは、「ポンペオは確かに大統領仕の事にふさわしい人物であるが、彼には以前から資金調達基盤と選挙基盤もない」と述べた。

「ポンぺオは現代の政治に必要な“その要素”を持っているかどうか分からない」と続けて述べた。

(5)ヴァージニア州知事グレン・ヤングキン(Virginia Gov. Glenn Youngkin (R)
glennyoungkin521

ヤングキンは2021年、ヴァージニア州知事選でテリー・マコーリフ前知事(民主党)に勝利し、共和党として10年以上ぶりに知事の座を赤にひっくり返したことで注目を浴びた。プライベート・エクイティの経営者出身で、知事選に出馬した際、文化戦争、とりわけ批判的人種理論(critical race theoryCRT)にも足を踏み入れたが、中間選挙では、党内の異なる連合間の統合者として自己投影することも目指した。

アリゾナ州のカリ・レイク、ウィスコンシン州のティム・ミシェルズ、ネバダ州のジョー・ロンバードといった共和党の知事選挙候補者たちと共に選挙戦を繰り広げた。ヤングキンは先月、CNNの「ステイト・オブ・ザ・ユニオン」に出演し、「共和党は、全ての点で意見が一致しないからといって、人を避けたり排除したりしない政党でなければならないと思う」と述べた。

アヌジスは、「ヤングキンは、まだ紫や青に傾いているような、典型的なスイングステートで勝利した、堅実な保守派だ。彼は、保守的なメッセージを、エッジの効いた、対立的なものにすることなく、また、対立的で論争の的になるような問題を取り上げながら、穏やかに自分の意見伝えることができることを示した」と述べた。

(6)メリーランド州知事ラリー・ホーガン(Maryland Gov. Larry Hogan (R)
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共和党支持者や関係者の多くは、中間選挙が党にとって不本意な結果をもたらすまでトランプ批判を避けてきたが、ホーガンはトランプ前大統領への不満を公にすることを避けてはこなかった。メリーランド州知事ホーガンは大統領選挙立候補を検討していることを明らかにしたが、共和党員の中には、彼のネヴァー・トランプ主義(never-Trumpism)が、トランプを支持する共和党内の集団に良い影響を与えるかどうか確信が持てない者もいるようだ。

ジェニングスは次のように語った。「もし、あなたがネヴァー・トランプ主義者であるならば、あなたが獲得しようとしている票は、トランプに2回投票した人たちからの票であることを忘れてはいけない。共和党の予備選挙では、一部の例外を除き、基本的に全員がトランプに2回投票しているのだから」。一方でホーガンが大統領選に出馬する権利を得たことにも言及した。

ジェニングスは続けて次のように述べた。「そういう有権者の多くは、トランプ時代にネヴァー・トランプ主義者が民主党を本質的に助けて溜飲を下げていたのだと考えている。トランプ支持者たちはネヴァー・トランプ派を何らかの形で煽る、対決しようとすると思う」。

(7)連邦上院議員テッド・クルーズ(テキサス州選出、共和党)(Sen. Ted Cruz (R-Texas)
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クルーズも大統領選挙への再挑戦の道を閉ざしてはいないが、2024年に連邦上院議員再選を目指すことを考えれば、その計算はより難しいものになるだろう。クルーズは議員再選を目指すと表明しているが、ホワイトハウスの野望がその計画を変更するかどうかは不明である。

共和党関係者たちは、クルーズが出馬を決めた場合、候補者としてのブランディングの方法を変えるかどうかに関心があると述べている。また、保守派としての素晴らしい実績はあるが、まだ顔と名前が十分に売れていないとの声もある。

セトチックは次のように語った。「彼の保守派としての実績は申し分ない。彼は優秀な男だ。保守派の資格は申し分ない。しかし、彼には好感度の問題があると思う。2016年に有権者が彼に特に好感を持ったとは思えない。あれから彼は進化したのか、それは重要な問題だ」。

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(終わり)

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