古村治彦です。

 

 サンダースへの攻撃が包囲網という感じになってきました。サンダースの地元ヴァーモント州の新聞がサンダースに対して「2020年の米大統領選挙に出馬しないように心から頼みたい」と訴える記事を掲載したということです。

 

 記事では、サンダースが出ることで、民主党が分裂し、支持者たちが分裂することで、共和党に勝てないということ、また、サンダースの人格は良く無くて傲慢であることを理由に挙げて、サンダースの出馬に反対しています。

 

 サンダースは現在、2020年米大統領選挙への出馬を正式には表明していません。出馬する可能性が高いだろうということ、2016年の米大統領選挙予備選挙ではヒラリー・クリントンを追い詰めたことなどから、人気が高く、各種世論調査では、民主党の候補者レースで二番手に来ています(一番はジョー・バイデン前副大統領)。しかし、このブログでもご紹介しているように、サンダースへの攻撃が激しくなっています。

 

 サンダースの態度は傲慢というよりも、面白みに欠け、何でも真面目に額面通りに受け取ってしまう、怒りっぽくなっていると言う方が公平ではないかと思います。しかし、自分の陣営内でセクシャルハラスメントとパラーハラスメントが存在したという告発に対して、「次はもっとうまくやる」「私は忙しかった」などと述べてしまったのは失敗だったと思います。敵に付け入る隙を作ってしまったということになります。

 

 サンダースは社会主義者を自認しています。従って、全米規模で、つまり、共和党優勢州も含めて支持を拡大し、大統領選挙でドナルド・トランプ大統領に勝てるかというと疑問が残ります。また、民主党エスタブリッシュメントからしてみれば、サンダースはヒラリー落選の最大の「戦犯」(トランプ側から見れば最大の「功労者」)ということになります。民主党予備選挙におけるサンダースのヒラリー批判がヒラリーへの支持を削り取っていったというのは事実です。サンダースもこうした攻撃に対して、「ウォール街民主党(Wall Street Democrats)」という言葉を使って反撃しています。

 

 民主党エスタブリッシュメントが推しているのはエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)ということになるでしょう。ウォーレンの人気を上げようと必死になっているようです。ウォーレンも大口献金をもらわない、大富豪たちにノーと言う、というようなことを発言し、進歩主義的なイメージを作ろうとしています。

 

 民主党エスタブリッシュメントと進歩主義派は角を突き合わせて互いを攻撃し合っています。2016年にサンダースを応援した人々、特に若い人々が民主党エスタブリッシュメントに対して不満を募らせれば、サンダースが民主党候補者になれなかった場合に、党大会で暴れるなどの事態も予想されます。1968年のシカゴで行われた民主党党大会のように、流血ということも発生する可能性はあります。

 

 民主党がまとまって妥当トランプに動き出さねばならない時期に、敵対と分裂の兆しが見えていることは、トランプ大統領にとっては素晴らしい状況ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヴァーモント州の新聞の編集委員会:「サンダースに2020年の米大統領選挙に出馬しないように頼みたい」(Vermont newspaper editorial board: 'We beg' Bernie Sanders not to run in 2020

 

ジャスティン・ワイズ筆

2019年1月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/424095-vermont-newspaper-editorial-board-we-beg-bernie-sanders-not-to-run-in-2020

 

ヴァーモント州の新聞『バレー・モントペイラー・タイムズ・アーガス』紙は、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に対して、2020年の米大統領選挙へ出馬しないように訴えている。

 

同紙の編集委員会は土曜日の紙面において、「バーニー・サンダースは大統領選挙に出馬すべきでない。私たちは彼に出馬しないように心から頼みたい(beg)」という言葉から記事を始めている。

 

編集委員会は続けて、サンダースの米大統領選挙への再挑戦について、興奮よりも懸念を持っていることについて理由を挙げている。編集委員会は、サンダースが出馬することで、「完全に分裂している民主党」を更に分裂させることになり、2020年の米大統領選挙の有権者たちを更に分裂させることにつながるという恐怖を感じていると述べている。

 

編集委員会は続けて次のように書いている。「ギャンブルをやるには危険すぎる。大事なものを賭けの対象にすることになる。私たちがこれからも二大政党制を維持していくのならば、要求は明白だ。民主党は支持者の数では勝っている。ここ数年の現象が示しているように、得票数は上回っている。そして、いつも“総得票数”が意味をなさないことに疑問や批判が起きる。人々の得票数対選挙人の獲得数の間の乖離に関して疑問や批判が起きる」。

 

編集委員会は続けて次のように書いている。「私たちは、個人のエゴが原理原則よりも大事にされて、原理原則が破壊されているように感じている。革命を始めることは重要だが、革命を遂行するために他のより的確は人たちに道を譲ることを認識する必要がある」。

 

編集委員会は更に、サンダースは進歩主義的な政策を主張することで熱心な支持者を獲得してきたが、大統領選挙の候補者としては「消耗してきて」おり、彼の人格は人々を「不快にさせる」ものだと述べている。

 

「彼は自身の無知について真剣に向き合わず、また粗野で傲慢である。人々は、バーニー・サンダースを熱心に支持するか、まったく支持しないかのどちらかに分かれる」と編集委員会は書いている。また、サンダースの「冗談の通じない、くそ真面目過ぎるアプローチ」をトランプ大統領のアプローチと比較して批判している。

 

編集委員会は、「サイドの出馬に向けての兆候が出ているが、それと同時に告発も出ている」と書いている。2016年の米大統領選挙でサンダース陣営のスタッフの中に、性差別とハラスメントを経験した人たちが存在するという告発があった。

 

2016年の米大統領選挙民主党予備選挙で、サンダースは、ヒラリー・クリントンにとって手ごわい挑戦者となった。先週、サンダースは、2016年当時の自陣営での性差別とハラスメントの告発について、認識していないと発言した。

 

サンダースは2020年の米大統領選挙への出馬を考慮している大物政治家の一人である。ジョー・バイデン前副大統領、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長が出馬を検討中である。

 

12月にアイオワ州(全米で最初に予備選挙が行われる)の民主党党員集会に出席すると答えた人たちに対する世論調査の結果では、サンダースとバイデンが民主党の大統領選挙候補者に選ばれる可能性が高いと考えられている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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