古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:一般教書演説

 古村治彦です。

 2022年3月1日にジョー・バイデン大統領が一般教書演説を行った。1年間の成果を誇る演説であったが、全体的に総花的で空元気の演説だった。議場にいる連邦議員たち、特に民主党所属の議員たちは何でもかんでも立ち上がって、やけのやんぱちで拍手をするものだから、バイデンとの呼吸が合わずに、バイデンはとてもやりにくそうだった。それで同じ行を二度読んだり、「ウクライナ人」と言うべきところを「イラン人」と言い間違ったりしたのだろう。

 今回は、バイデンの一般教書演説で語られなかった5つの重要な事柄について書かれている記事をご紹介する。それら5つの事柄は「(1)学生ローン債務問題、(2)アフガニスタンからの撤退(3)ドナルド・トランプ前大統領、(4)2021年1月6日の連邦議事堂襲撃事件、(5)中間選挙」であった。学生ローン債務問題は若者たちからの投票を得るための切り札のように思われるが、民主党内部でもいわゆる「借金の棒引き(徳政令)」には反対の声が大きい。若者全員が大学に行く訳ではなく、一部の若者のために多額の予算を使って借金を棒引きにするのは不公平だという声だ。従って、目玉政策とすることはできない。また、トランプ前大統領について語ることはどうしても批判ばかりとなってしまい、トランプ支持の有権者たちからの更なる反発を招くことは必至なので、それではアメリカ国内の分断を癒すというバイデン政権のメインテーマに反することになる。そして、中間選挙については今のところ厳しい情勢が続いており、語るべき言葉もないということだろう。

 国内の不満から人々の目を逸らすために、外国の問題に目を向けさせるというのはどんな時代のどんな政権にとっても常套手段だ。今回のロシアのウクライナ侵攻はバイデン政権にとっては外に目を向けさせる機会となるが、欧米諸国によるロシア制裁によって、アメリカ国民の生活に大きな影響が出るというジレンマを抱えている。先日もご紹介したが、アメリカ国民の多くは対ロシア制裁を支持しているが、「自分たちの生活に影響が出る」搭乗券が付くとその数字が下がってしまう。バイデン政権にとっては難しいかじ取りが続く。

(貼り付けはじめ)

バイデンが一般教書演説の中で話さなかった5つの事柄(Five things Biden didn't talk about in State of the Union

アレックス・ガンギターノ筆

2022年3月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/596461-five-things-biden-didnt-talk-about-in-state-of-the-union

ジョー・バイデン大統領は、火曜日に行われた自身初の一般教書演説で、いくつかの主要なトピックに言及せず、5つの重要な問題に言及しなかった。

学生ローンの負債、アフガニスタンからのアメリカ軍撤退、トランプ前大統領、2021年1月6日の暴動、そして来る中間選挙の5つが、1時間余りの演説の中で省かれた。

バイデンが演説に含まなかった5つの問題について見ていく。

(1)学生ローン(Student loans

バイデン大統領は学生ローン債務の免除について全く言及しなかった。学生ローン債務問題については、民主党の連邦議員たちがこれまでバイデン大統領に対して大統領在任中に取り組むように求めている。

連邦上院多数党(民主党)院内総務のチャールズ・シューマー(民主党)のような民主党指導者の間で広範な学生ローン免除が支持を得ているため、議員らは大統領にこの問題について透明性も提供するよう求めている。

バイデンは2020年の大統領選挙で、1人当たり少なくとも1万ドルの連邦学生ローンを免除することを選挙公約に掲げ、進歩主義派は借り手1人当たり5万ドルに引き上げるよう求めている。

2021年4月、バイデン大統領は学生ローン負債を帳消しにする権限を判断するため、教育省にメモを要求した。それ以来、政権はメモが完成しているかどうかを公には発表していない。

ホワイトハウスは最近この話題について尋ねられ、バイデンが2022年1月に5月初めまで延長した連邦学生ローンの支払い凍結を強調している。この凍結は、2020年3月に当時のトランプ大統領の下で制定されたモラトリアムによって始まり、これまで何度か延長されてきた。

(2)アフガニスタン(Afghanistan

バイデン大統領は一般教書演説の中で、政権1年目の2021年8月に行った、混乱したアフガニスタンからの撤退に言及しなかったことで、すぐに反発を受けた。

グリーンベレー出身者として初めて連邦下院議員に当選し、アフガニスタンに何度も遠征したマイク・ウォルツ下院議員(フロリダ州選出、共和党)は、撤退に言及しなかったことを恥ずべきことと指摘した。

ボバート議員は「何という不名誉な体裁をつくろう姿だろう。アメリカ国内にいる13人の戦死者(ゴールドスター勲章受章者)の母親たちと何千人ものアフガニスタンの協力者たちに答えるべきだ」と述べ、2021年8月にカブール空港で起きた自爆テロで13人のアメリカ軍兵士が犠牲になったことに言及した。

一般教書演説中、ローレン・ボバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)はバイデン大統領に対して叫び声をあげ、アメリカ軍を棺桶に入れたようなものだと非難した。この異常で衝撃的な礼儀作法に対する違反は、バイデン大統領が、イラクとアフガニスタンに駐留する多くの米軍が大規模な燃焼炉からの化学物質を含む有毒な煙にさらされて癌を発症したこと、そして有毒な燃焼炉の影響を受けたかもしれない彼の亡き息子について話していたときに起こった。

バイデンは「国旗で覆われた棺桶に被害者たちを入れてしまうような癌だ。私はこのことについて痛いほどよく知っている」と語った。

バイデン大統領は、アフガニスタンからの撤退の方法について共和党と民主党から批判を受けながらも、その決断について自己弁護してきた。先月、バイデンは、軍当局者が撤退についてバイデン政権関係者を批判したとされる陸軍の調査報告書の記述と調査結果を否定したと述べた。

(3)トランプ(Trump

バイデンは前任者であるトランプ前大統領の名前を演説の中で言及しなかった。

バイデン大統領はこれまでの複数の演説でトランプの名前に言及することは非常に稀で、前任者の名前を示唆する傾向があった。火曜日の一般教書演説では、数カ所でトランプを連想させる発言をした。

バイデンは「アメリカ人の上位1パーセントに恩恵を与えた前政権で成立した2兆ドルの減税とは異なり、アメリカン・レスキュー・プランは働く人々を助け、誰も置き去りにしない」と述べ、2017年に成立したトランプ前大統領による減税案を批判した。

その後、2021年11月に可決成立した超党派によるインフラ整備法について強調する際、「インフラ週間の話はもうたくさんだ(“we’re done talking about infrastructure weeks)」と述べた。「インフラ週間」とは、トランプが1兆ドル規模のインフラ案のイベントを1週間かけて開催したが全く盛り上がらなかったことを受けて、ワシントンでジョークとして

バイデン大統領の一般教書演説の主眼は団結であり、麻薬の蔓延への対処、子どもの精神衛生医療への資源提供、退役軍人の支援、癌の撲滅など、「団結の課題(unity agenda)」すなわち超党派での議会通過を促す4項目を提案した。

(4)2021年1月6日の連邦議事堂進入事件(Jan. 6

バイデン大統領の一般教書演説は、約1年前、2020年の大統領選挙の結果認定に抗議してトランプ支持の群衆が押し寄せた議場で行われた。しかし、バイデンは演説の中で2021年1月6日の出来事には触れなかった。

事件発生1年の節目に、バイデン大統領は連邦議事堂内のスタチュアリー・ホール(国民彫像ホール)で演説を行い、「嘘の網(web of lies)」を広げたトランプ前大統領を手厳しく非難した。彼はまた、演説の中で、トランプに言及することをしないことで、トランプを際立たせるという手法を取った。

暴動の後、数カ月間設置されていた連邦議事堂の周囲のフェンスは、火曜日の演説に先立って元のレヴェルに戻された。また、最大700名の州兵が、問題が発生した場合に地元警察を支援するために待機していた。

フェンスは、最近カナダで見られたようなトラック運転手に対する新型コロナウイルスワクチン義務化に対する抗議に備えたものでもあった。しかし、連邦議会での一般教書演説の前後にトラック運転手たちが大挙して車列を連ねてワシントンDCにやって来るという計画は頓挫したようだ。

(5)中間選挙(Midterms

2022年の中間選挙まで残り数カ月に迫る中、バイデン大統領は演説の中で、来るべき選挙について語らなかった。

民主党は今年秋の中間選挙で連邦議会での過半数を維持することに対して、大きな壁に直面しており、各種世論調査の結果では、バイデンの支持率はほとんどが40%台前半という非常に厳しい状況にある。また、バイデン大統領の所属する民主党は中間選挙で敗北する可能性が高まっている。

バイデン大統領は火曜日、インフレーション対策とアメリカ人のために物価を下げるための政権の努力について語った。インフレーション率の上昇は、バイデンの支持率に打撃を与え、今年の連邦上下両院の過半数を維持したい民主党にとって難題となっている。

バイデン大統領はまた、ロシアのウクライナへの侵攻と、アメリカと同盟諸国がモスクワを非難し、制裁措置を講じるために一致して制裁措置を取っていることについても詳しく語った。アメリカの有権者たちは、ロシアの侵攻に対抗するバイデンの努力を精査する可能性が高いため、ロシアによるウクライナ侵攻は中間選挙の結果に影響を与える可能性がある。

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一般教書演説でバイデンは4部構成で団結について提案(Biden proposes four-part unity agenda during State of the Union

ブレット・サミュエルズ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596451-biden-proposes-four-part-unity-agenda-during-state-of-the-union

ジョー・バイデン大統領は火曜日、連邦議会に超党派で成立を促す4項目の「団結アジェンダ(課題)」について提案した。その4つの項目は、麻薬の蔓延への対処、子どもの精神衛生医療への資源提供、退役軍人への支援、がんの撲滅だ。

「国家のための団結アジェンダ、これらを私たちは達成できるのだ」 とバイデンは語った。

バイデンが主張した課題一つ一つは、議場で大きな拍手を浴びた。これらの提案は、ワシントンの分裂を緩和するという公約を掲げて選挙戦を戦ったものの、共和党の激しい抵抗に遭い、時には個人攻撃を受けてきたバイデンにとって、重要な意味を持つものとなった。

バイデン大統領は連邦議会に対し、麻薬中毒に苦しむ人々の予防と治療のための予算を増やすように要求した。

また、バイデン大統領は、子どもの精神衛生を改善する取り組みの一環として、プライヴァシー保護を強化し、子どもへのターゲット広告を違法化するよう議員たちに促した。

個人的なアピールの中で、バイデン大統領は連邦議会に対して、イラクとアフガニスタンに従軍中に有毒な化学物質に曝された退役軍人たちに対する医療を確実に提供するための法律の可決を求めた。バイデン大統領は息子ボウの死因となった脳腫瘍の原因として焼却炉からの化学物質があったのだろうと考えていると発言した。

バイデンはまた、癌、アルツハイマー病、糖尿病などの治療法を模索する機関である医療高等研究計画局に資金を提供し、「私たちが知っている癌を終わらせる」ことを支援するよう求めた。

バイデンの「団結アジェンダ」は、超党派性が定期的にしか発揮されない夜の間に行われた。バイデンがウクライナの駐米大使を称賛した際、議員たちは一斉に立ち上がって拍手を送り、バイデンが警察への予算提供を支持すると述べたときには、両党の議員が喝采を送った。

しかし、一般教書演説が実施された夜は緊張感にも満ちていた。週末に開催された白人至上ナショナリズムの集会で演説したことで話題になっている保守派の熱血漢マージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党)は、バイデンが移民について話した際に「壁を作れ」と叫んだ。

ローレン・ボバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)は、バイデン大統領が自身の息子の逝去について述べた際に、アフガニスタンにおけるアメリカ軍の将兵の死亡について叫び声を上げた。

複数の共和党所属の連邦議員たちは、議場への入室に際して新型コロナウイルスの検査が義務付けられたことを理由にして演説への出席自体を拒絶した。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン大統領による一般教書演説が行われた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、内容の修正が直前になって行われたということだ。新型コロナウイルス対策とインフレーション対策という国内政策が演説の主眼になると見られてきたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、外交政策が重要なポイントということになった。

 実際の演説は1時間ほどで最初はやはりロシアによるウクライナ侵攻が取り上げられた。プーティンを非難し、制裁には世界各国が参加しているとして、それらの国名をずらずらと列挙した。「自分たちの側が正しい」という正当性を示すために国名を列挙したと言える。その後は新型コロナウイルス対策と経済対策に話が移った。全体としては総花的で、可もなく不可もなく、ただ民主党系の議員たちを中心に無理やりにでも盛り上がっているように見せようとする意図が透けて見えて興ざめした。そのため、演説中にバイデンの話と拍手の呼吸が合わずに、バイデンの調子が上がらないようになってしまっているように感じた。

 バイデンは年齢もあるので仕方がないが、言い間違いがあり、プロンプターを読むのにいくつかの言葉や業を繰り返すところがあり、言葉に詰まるところがありであまりうまい演説という訳ではなかった。途中で早口になったところもあり、ささやくような声で話すところと大声を張り上げるところがあったが、これは私としては生理的に受け付けられず、気持ち悪く感じた。演説のうまさで言えば、バラク・オバマ元大統領はうまかったと思う。

 サキ報道官が演説の直前に「楽観主義について語る」と述べていたが、結局のところ、「このような厳しい時代ではあるが、私はこれまでの人生において最もアメリカに対して楽観的(optimistic)である」とバイデンが述べたところがそれに当たるのだろう。

 バイデンの演説を聞いて元気が出たかと言われたら、答えは「ノー」だ。内外共に厳しい状況の中で、名演説を行えば、バイデンの評価も変わったことだろうが、結局のところ、非常に「凡庸な」大統領による「凡庸な」一般教書演説となった。

(貼り付けはじめ)

バイデンは一般教書演説でプーティンを非難し、団結を呼びかけ(Biden condemns Putin, projects unity in State of Union address

モーガン・チャルファント、ブレット・サミュエルズ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596453-biden-condemns-putin-projects-unity-in-state-of-union-address

ジョー・バイデン大統領は火曜日、ロシアのウクライナ侵攻という見通し不透明の状況の中で初の一般教書演説を行い、アメリカの議員たちや海外の同盟諸国の結束(unity)を示し、ロシアのウラジミール・プーティン大統領を非難した。

バイデンは「6日前、ロシアのウラジミール・プーティンは、自由世界の思想の根幹(foundations of the free world thinking)を揺るがそうとした。しかし彼は大きな誤算を犯した」と述べた。

バイデンは続けて「プーティンのウクライナに対する最新の攻撃は、計画的であり、全くいわれのないものだった。彼は何度も何度も外交努力を拒絶した。彼は西側とNATOが反応しないと思っていた。彼はアメリカ国民を自宅で、この議場で、この国で分裂させることができると考えた。彼はヨーロッパでも私たちを分裂させることができると考えた。プーティンは間違った。私たちは準備ができている。私たちは団結している」と述べた。

バイデン大統領は、62分間の連邦議場での一般教書演説のうち、最初の10分間をヨーロッパで進行中の危機について述べた後、インフレーションや新型コロナウイルス感染拡大への対応といった国内の優先事項に目を向けた。

バイデン大統領は演説の中で、EUやカナダに続いて、ロシアの航空機をアメリカの領空から追放する計画を発表し、アメリカと30か国が紛争によるエネルギー価格の高騰に対処するため、戦略備蓄(strategic reserves)から6千万バレルの石油の放出を強調した。

バイデン大統領は、「私たちは同盟諸国と団結し、必要に応じて更に多くのことを行う用意がある。皆さん、知っておいて欲しい。私たちは大丈夫だ」と述べた

「将来この時代の歴史が書かれる時に、プーティンのウクライナ戦争はロシアを弱くし、世界の他の国々を強くするだろう、と書かれるはずだ」とバイデンは語った。

バイデン大統領のウクライナに関する言葉遣い、特にファーストレディ(大統領夫人)の隣に座る駐米ウクライナ大使を称賛する発言は、プーティンに対して厳しい姿勢を貫くことを誓い、超党派の喝采を浴びた。民主、共和両党の連邦議員たちは、ウクライナの国旗の色にちなんで、青と黄色の服を着ていた。

しかし、演説の他の部分は、もっと党派分断的な反応があった。

バイデン大統領がトランプ政権時代に成立したアメリカの富裕層向け減税を非難すると、民主党は嘲笑の声を上げた。バイデンが来年の国内政策の計画を打ち出すと共和党の拍手はまばらで、バイデンが移民について話すと「その壁を作れ」と唱えた共和党所属の議員もいた。

バイデン大統領は、演説の前の数日間、バイデンが経済を後退させたという共和党側からの批判に反論しようと、特に消費者と中流家庭を苦しめている記録的な高いインフレーション率について発言していた。

バイデン大統領は、昨年650万人分の雇用が増加したことを売り込み、昨年(2021年)秋の超党派によるインフラ法の成立を強調し、同法の施行に伴い、今年中に6万5000マイルの高速道路と1500の橋の補修を開始する計画を発表した。

また、ジル・バイデン大統領夫人のゲストとして出席したインテル社のパット・ゲルシンガーCEOについて言及し、アメリカの製造業への投資が拡大していることを強調した。

また、バイデン大統領は、議会で停滞している政策を活性化させるため、「ビルド・バック・ベター」法案を「ビルド・ア・ベター・アメリカ」法案として名前を付け替えることを発表した。バイデン大統領は、経済計画をインフレーション対策として捉え直し、処方箋薬のコスト削減、気候にやさしい技術への投資によるエネルギーコストの削減、育児費用の削減などの行動を議会に呼びかけた。

バイデンは、「これをやり遂げよう。私たちは皆、変化を起こさなければならないことを知っている」と述べた。

バイデンはまた、共和党の反対で保留になっている連邦準備制度理事会の候補者を承認するよう連邦上院に呼びかけ、インフレーションに対処する力の多くは連邦準備制度にあることを指摘した。

バイデンは、民主党と共和党が互いを「敵」としてではなく、「同じアメリカ人」として見るよう呼びかけ、新鮮だが親しみのある団結を訴えた。彼は、麻薬の蔓延との戦いや、ソーシャルメディアにおける子供のプライバシー保護の実施など、両党の議員が共に取り組むことのできる議題をいくつか提示した。

一般教書演説の多くの時間で、バイデン大統領は企業が公正な税負担をするよう求め、中間層(middle class)を強化し、ペンシルヴァニア州スクラントン出身であることを言及し、協力すれば国は強くなると訴えるなど、選挙期間中に支持者に向けて行った演説のテーマと同じものだった。

バイデンは「このような厳しい時代ではあるが、私はこれまでの人生において最もアメリカに対して楽観的(optimistic)である」と述べた。

民主党の中には、歴史的な傾向、インフレーション、新型コロナウイルスのしつこい流行などを理由に、2022年11月のチャンスについて悲観的な(pessimistic)見方をする人たちもいる。しかし、火曜日、ウイルスに対する政府の取り組みに、ある種の転機が訪れた。

議場ではマスクの着用が義務付けられておらず、ほとんどの議員がマスクをせず、感染拡大の新たな局面を迎える時であることを示唆した。

「昨年は新型コロナウイルスによって、私たちはバラバラになってしまった。昨年は新型コロナウイルスが私たちをバラバラにしてしまったが、今年、私たちはついに再び一緒になった」と、バイデンはマスクで顔を覆わずに議場に入った後、このように発言した。

一般教書演説の中で、バイデン大統領は、国が安全に正常な状態に戻ることができると楽観視する理由として、ワクチン接種の普及、ブースター接種や治療法の利用可能性、より広く利用可能な検査を挙げた。

バイデンは「私たちは、他の病気と同じように、ウイルスとの闘いを続けていくつもりだ。そして、このウイルスは変異して広がっていくので、私たちは警戒を怠らないようにしなければならない」と述べた。

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バイデンの一般教書演説における5つの注目を集めた瞬間(Five viral moments from Biden's State of the Union

サラクシ・ライ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596450-five-viral-moments-from-bidens-state-of-the-union

ジョー・バイデン大統領は、ロシアのウクライナ侵攻、インフレーションの亢進、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、火曜日、彼自身初の一般教書演説を行った。

しかし、この演説は、大統領を罵倒する聴衆から、引退する最高裁判事へのスタンディングオベーションまで、数多くの人々の注目を集めた場面があった。

これから、バイデン大統領の一般教書演説で最も話題になった瞬間をいくつか紹介する。

(1)バイデンの大失言(Biden's big gaffe

バイデンは一般教書演説の中で、ウクライナ人のことを「イラン人」と言ってしまい、明らかな失態を犯してしまった。

この失言は、演説の冒頭で、ウクライナへの侵攻を開始したロシアのウラジミール・プーティン大統領を非難する際に起きた。ウクライナ人への賛辞は超党派の拍手を集めたが、彼の失言をソーシャルメディア上にいる人々は見逃さなかった。

一般教書演説の公式原稿によると、バイデンは「プーティンは戦車でキエフを取り囲むかもしれないが、ウクライナ人の心や魂を得ることはできない」と言いたかったようだ。その代わりに、バイデンは「プーティンは戦車でキエフを取り囲むかもしれないが、イランの人々の心と魂を得ることは決してできない」と言ってしまった。

この発言はツイッター上で広く共有され、連邦下院司法委員会共和党委員会のアカウントも「イラン人?」とツイッター上に投稿した。

(2)バイデン大統領の演説に意気込みを見せたシューマー(Schumer shows his enthusiasm for Biden's speech

バイデン大統領に対して少しばかり早めにスタンディングオベーションを始めたことで、チャールズ・シューマー連邦上院院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)の熱心過ぎる反応がツイッターを騒がせた。

バイデンは演説の中で、「アメリカ人の上位1パーセントに恩恵を与えた前政権で成立した2兆円の減税とは違うのだ」とトランプ前大統領のことを言い始めた。

バイデンが発言している間に、一人だけで立ち上がったシューマーが拍手しているところにカメラが切り替わった。シューマーはニヤニヤしながら通路の向こう側を見て、そして座り直した。

バイデンは続けて「"アメリカ・レスキュー・プランは人々を助けることの手助けとなり、誰も置き去りにしなかった」と述べた。

シューマーは再び椅子から勢いよく立ち上がり、今度は多くの民主党の同僚議員たちも加わって、バイデンに満腔の拍手を送り始めた。

バイデン大統領の演説が続く中、カメラに映ったシューマーのおかしな姿はSNS上で広く共有され、その気まずい瞬間をすぐに「gif」化するよう求める声が多く聞かれた。

共和党所属のマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出)は、この人々の関心を集めた瞬間について、「ジョー・バイデンのタイミングの悪さとつぶやきを理解しようとする全ての人たちへ」とツイートした。

(3)ボバートがバイデンの演説を罵倒する(Boebert heckles Biden's speech

ローレン・ボバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)は一般教書演説でバイデン大統領に何度も罵声を浴びせ、ある時はバイデンがアメリカ軍を棺桶に入れたと叫び、「13人も」と叫んだ。

バイデンはボバートの叫び声を無視し、代わりにアメリカの退役軍人が危険な焼却炉(burn pits)に晒されていることについて話し続けた。バイデンは、イラクで燃焼炉の近くで兵役についた後、癌で死亡した息子のボウ・バイデンについて言及した。

ボバートの発言は、民主党議員たちからブーイングを浴びせられた。彼女の仲間の共和党員の多くは、このやりとりを無視しているように見えた。

しかし、ボバートが演説中に口を挟んだのはこれだけではない。

バイデンが最高裁判事指名の話から移民制度改革の話に切り替えたとき、ボバートはマージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出、共和党)と共に「壁を作れ(build the wall)」と叫び始めたが、バイデンは演説を続けた。

彼女は後に「後ろにいる人たちのためにもっと大きな声で言う。壁を作れ!!!」とツイートした。

バイデンの演説中に電話をしているところを目撃されたボバートは、アメリカ人にワクチン接種を受けさせるというバイデン大統領の発言についても非難した。

「なぜジョーは国旗の代わりにファイザーのピンを背広の襟につけないのか? ジョーが誰のために働いているのか、私たちは知るべきだ」とボバートはツイートした。

(4)ブレイヤーに対する最後の歓呼の声(Breyer's last hurrah

 連邦最高裁判所判事スティーヴン・ブレイヤーが連邦議員たちからスタンディング・オヴェイションを受けた際の反応を見て、多くの人々がコメントや投稿を行った。

ブレイヤーは27年にわたり連邦最高裁判事を務め、今年の夏で引退することが決まっているブレイヤーは、議場内での反応と激しい拍手に圧倒されたようだった。両手で顔を覆う仕草も見せた。また、胸に手を当てて立ち上がった。

「今夜、この国のために人生を捧げた人を称えたいと思う。陸軍退役軍人、憲法学者、合衆国最高裁判事を引退したブレイヤー判事に敬意を表したい。ブレイヤー判事、あなたの功績に感謝の意を表する」とバイデンは述べた。

この瞬間に多くの人々がコメントをSNS上に投稿した。民主党系のストラティジストでバーニー・サンダースの補佐官を務めたチャック・ロシャは、「ブレイヤー判事の反応はなんとかわいらしく素晴らしいものだろう」とツイートした。

(5)バイデンはツイッター上で「警察への予算提供」トレンドを作り出した(Biden makes 'fund the police' trend on Twitter

バイデン大統領は、警察に対する発言で、共和党所属の議員も含む議員の大多数から大きな喝采を浴びた。

「私たちは全員、同意するはずだ。答えは、警察への予算を打ち切ること(defund the police)ではない。その答えは、警察に予算を「提供すること」(FUND the police)だ。警察に予算を提供することだ。警察に予算を提供することだ」と述べると、議場内は大きな歓声に包まれ、連邦議員たちは珍しく超党派(bipartisan)で支持を表明した。

バイデンは火曜日の演説で、「銃による暴力を減らすための効果が実証された対策を法案として提出し可決すること」「攻撃銃と大容量弾倉(assault weapons and high-capacity magazines)を禁止し、代わりに、銃製造業者をアメリカ国内で唯一訴えられない業界にし

しかし、バイデン大統領が連邦議会で喝采を浴びる一方、ツイッター上では「警察への予算打ち切り」と「警察への予算提供」をめぐって多くの人々が激しい論争を繰り広げた。

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バイデン大統領の一般教書演説で見るべき5つのポイント(Five things to watch in Biden's State of the Union address

モーガン・チャルファント、ブレット・サミュエルズ筆

2022年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596312-five-things-to-watch-as-biden-delivers-state-of-the-union-amid-war-in

火曜日に行われるジョー・バイデン大統領による初めての一般教書演説は、ウクライナでの戦争のさなかに行われる。

大統領は、アフリカ系アメリカ人女性初の連邦最高裁判所判事候補を指名したばかりだ。しかし、バイデン大統領は、2年間続く新型コロナウイルスの感染拡大とインフレーションの亢進に取り組む、苛立ちを隠せないアメリカ国民に直面している。

バイデンは低調を極める支持率に直面しており、2022年の中間選挙を前にして、それを覆すことができるかどうか疑問視されている。

バイデンにとっての初めての一般教書演説を見るにあたっての5つのポイントを挙げていく。

(1)ウクライナについてどれほど言及するか?(How much of the address is about Ukraine?

数週間前までは国内問題に焦点を当てた演説であろうと考えられていたが、この1週間でバイデンの関心はヨーロッパで進行中の外交危機に移り、演説の中でこれを正面から取り上げるだろうと予想されている。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は月曜日に記者団に対し、「この演説がほんの数ヶ月前に考えられていたものとは少し違う内容となることは間違いない」と語った。

バイデンは、懲罰的な経済制裁でプーティンに対抗するため、同盟諸国を団結させて、一致したアプローチを取ることについて話すと予想される。

クリス・クーンズ連邦上院議員(デラウェア州選出、民主党)は先週、記者団に対し、バイデンが「アメリカが持つ最重要の同盟としての NATO への神聖な関与と、ウクライナ難民やウクライナの抵抗運動(レジスタンス)、そして自由で民主的な西側の未来のための支援を提供する決意とを強化する力強いメッセージを発信するよう」に期待すると述べた。

バイデン大統領は、現在の危機を、大統領にとっての中心テーマとなっている、民主政治体制国家が独裁国家(autocracies)に勝利するための闘いであると位置づけるだろう。また、それがアメリカ人にとってどのような意味を持つのかについても語ることになりそうだ。

バラク・オバマ前大統領の下で国家安全保障会議のヨーロッパ問題担当上級部長を務めたチャールズ・カプチャンは、「この戦争はゲームチェンジャーとなる」と語った。「私たちは、第二次世界大戦後のヨーロッパにおいて、最も重要な戦争を今目撃している。この戦争は世界を変えようとしている。ヨーロッパの再軍備強化(remilitarization)と再分割(redivision)につながるだろう。それは拡大する可能性がある」と述べた。

(2)バイデンは団結を促進できるか?(Can he foster unity?

バイデンは、ワシントンDCにプロフェッショナリズムと超党派性を回復することを誓って就任したが、これまでのところ、彼の優先政策に反対し、彼の大統領としての適性(fitness)を疑問視する共和党から激しい抵抗に遭っている。

バイデン大統領は超党派の支援を集める動きを諦めておらず、超党派のインフラ法案で協力した事例を強調し、最高裁判事候補のケタンジ・ブラウン・ジャクソンへの幅広い支持を求めると考えられる。

ロシアのウクライナ侵攻により、バイデン氏と彼のティームはここ数日、演説の練り直しを余儀なくされているが、この危機は、バイデン政権がロシアへの制裁を強化する中で、バイデンにとって人々を結集させるポイントとなり得るものである。

民主党中道派系シンクタンクであるサード・ウェイの政策担当副所長ジム・ケスラーは、「バイデンという人物の特徴も理由として挙げられるが、国家安全保障の緊張が国を一つにする機会でもあるので、過去の大統領に比べるとより党派的ではない一般教書演説になると思う」と述べた。

それでも、ABCニューズと『ワシントン・ポスト』紙が日曜日に発表した世論調査の結果によると、バイデン大統領の支持率はわずか37%にとどまっている。中間選挙での連邦議会上下両院での過半数奪回に焦点を当てるため、演説に先立ってバイデンが自分たちを説得する機会はほとんどないだろうと共和党側は示唆している。

共和党全国委員会のロナ・マクダニエル委員長は、演説に先立つ記者団との電話会見で、バイデン大統領がインフレーション、犯罪、移民、新型コロナウイルス感染拡大や外交政策に関する一貫性のないメッセージ(inconsistent messaging)に対処するかどうかに注目することになるだろうだろうと述べた。

マクダニエルは「残念ながら、我々は明日の夜、アメリカの人々が気にしていることについて聞くことはできないだろう。彼はただのショーを行うだけのことだ。彼は、アメリカ国民に信じてもらいたいことを言うだろう。しかし、私たちは自分の目でそれを見ている。私たちは薄くなってしまった財布を持ちながらバイデンの演説の中身のなさを感じるだろう」と述べた。

(3)バイデンは今こそ新型コロナウイルスと共に生きる時だと宣言するか?(Does Biden declare it’s time to live with COVID-19?

アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and PreventionCDC)は金曜日、全米の多くの地域でマスク着用に関する推奨事項を緩和する最新のガイダンスを発表した。

このマスク着用に関する緩やかな姿勢への転換は、バイデン政権が数週間にわたり、患者がオミクロン変異株の感染拡大の波のピークから大幅に減少したことから、感染拡大の状態に関するトーンの転換を示唆した後に出されたものである。

民主党所属の知事の中には、マスクの必要条件を解除し始めている人たちが出ている。共和党所属の知事たちの解除はもっと早かった。ホワイトハウスも火曜日から完全にワクチンを接種した従業員のマスクの必要条件を緩める予定だ。

バイデンは、火曜日の演説でほぼ間違いなく、ワクチン接種の成功と治療法の開発を強調し、アメリカ政府が新型コロナウイルスに対するアプローチする方法を変える時が来たと示唆する可能性がある。新型コロナウイルスの感染数の変化に伴い、議場では出席者にマスク着用は要求されない。

バイデンは「新型コロナウイルスによって亡くなる人が毎日出ている。新型コロナウイルスで毎日亡くなっている人たちがいますし、免疫不全の人たちもいる。しかし、私たちが目指しているのは、新型コロナウイルスが私たちの日常生活に支障をきたさないようにさせる期間だ」と発言している。

バイデンは、アメリカが夏の数カ月に移行するにつれて感染者が横ばいになり、特に経済が成長し、インフレーションが落ち着けば、国民からの支持を受けることができると見ているだろう。

バイデン政権への移行(transition)期間中にバイデンの政権移行ティームに助言した感染症専門学者のマイケル・オスターホルムは、オミクロン変異株のような亜種が将来出現する可能性はまだあると指摘している。彼は、バイデンは国民に対して、症例が減少していくことを確信できると伝える一方で、次に何が起こるかは分からないので、変化に備える必要性を強調すべきであると述べた。

オスターホルムは「今は誰もが不確実性を望んでいない。そのため、これはまさに大変な時期ということになる」と述べた。

(4)ビルド・バック・ベター法案についてのバイデンのメッセージはどのようなものになるか?(What is his message on Build Back Better?

一般教書演説は、昨年末に頓挫したバイデンが重要政策と位置付けている法案について、議会との協議を復活させようとする機会となる。

バイデンは、医療衛生、幼児保育、エネルギー条項など ビルド・バック・ベター法案の要素について行動するよう議会に呼びかけると予想される。バイデンが実際に法案の名前を口にするかは不明である。ホワイトハウスの高官や関係者たちは、ここ数週間、この法案の名称を変更する可能性を示唆している。

ある政権高官は月曜日、記者団に対して、「法案の名前についてではない。一般教書演説で触れられるのはアイデアについてだ。家族のためのコストを下げることであり、大統領がそのようなアイデアについて話すのを期待できると思う」と述べた。

この政府高官は、バイデンが政府債務を減らす必要性についても話すと述べた。これは、2022年12月に連邦下院が可決した法案を、インフレーションへの懸念から支持できないとしたジョー・マンチン上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)を取り込むためのものだと思われる。

ケスラーは、気候変動とクリーンエネルギーの条項がビルド・バック・ベター法案の中心であるため、ウクライナ危機がバイデン大統領にとっての国内優先政策である気候変動とクリーンエネルギーの重要性を主張するきっかけになると指摘した。

ケスラーは「石油から電気そして原子力への移行は、長期的にはロシアの経済を破綻させることになる。それは3週間前にはなかった国家安全保障の意味合いを持つものだ」と述べた。

(5)経済に関する様々な懸念に彼はどのように発言するか?(How does he address economic concerns?

複数の政権関係者によれば、バイデンは演説でインフレーションを正面から取り上げ、コスト上昇に更に対処しなければならないことを強調するということだ。

バイデンは、サプライチェインの強化や公正な競争の促進など、政権が現在注力しているコスト上昇への対応策を説明し、バイデンの国内経済政策を通過させるよう連邦議会に働きかけるだろうと見られている。

インフレーション率は昨年、40年ぶりの高水準に達し、世論調査では、景気回復のペースが速いにもかかわらず、アメリカ人の大多数が経済に不満を持っていることが明らかになっている。バイデンの世論調査の数字は、国民が新型コロナウイルス感染拡大とインフレーションの両方に疲弊し続ける中で、急落し続けている。

しかし、バイデンは、インフレーションによる痛みを認めつつ、昨年の驚異的な雇用の伸びを指摘しながら、前途を楽観的に見るということで、バランスを取ることになりそうだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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 古村治彦です。

 2022年3月1日(日本時間では3月2日)にアメリカでは年に1回の「一般教書演説(State of the Union address)」が実施される。この日はアメリカ連邦議事堂に上下両院議員、行政府の閣僚、連邦最高裁判所の判事たち、アメリカ5軍の最高幹部たちなどが集まり、彼らの前で大統領が演説を行う。アメリカ合衆国(the Union)の国内と国外の状況(State)について、演説を行う。自分と政権の達成した政策成果を強調する。

 今回のジョー・バイデン大統領が行う一般教書演説には、国内においては、新型コロナウイルス感染拡大防止策、インフレーション対策、経済対策、雇用対策、インフラ整備策などが出てくるだろうし、国外に関してはロシアによるウクライナ侵攻が取り上げられるだろう。私が注目しているのは、ロシアや中国に対して「枢軸(axis)」という言葉を使うかどうかだ。これを使えばアメリカは露中を屈服させるまで戦うということを示唆することになるからだ。

 今回のバイデン大統領の一般教書演説について、ホワイトハウスのサキ報道官は「楽観主義」が入るだろうということを述べている。現在の閉塞状況での楽観主義とはどのようなものになるのか気になるところだ。ただの美辞麗句、空々しい言葉の羅列で「希望」を語られてもそれはただの能天気な態度である。アメリカ国民に、そして世界中の人々に本当の希望を持たせるような演説になるのか、残念だが期待が持てない。

 

(貼り付けはじめ)

一般教書演説でバイデン大統領はウクライナについて「楽観的に」を語るだろう(Biden will speak on Ukraine, 'optimism' in State of the Union

ジョセフ・チョイ筆

2022年2月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/596029-biden-will-speak-on-ukrainian-invasion-in-state-of-the-union-but-will?utm_source=thehill&utm_medium=widgets&utm_campaign=es_recommended_content

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、ジョー・バイデン大統領は、火曜日(2022年3月1日)の一般教書演説(State of the Union address)でロシアのウクライナ侵攻について話すが、楽観的なメッセージも送るだろう、と述べた。

ABCの番組「ディス・ウィーク」の司会者ジョージ・ステファノポロスは日曜日、バイデン大統領の一般教書演説の内容が先週のウクライナ侵攻でどう変更されたのかと、先に質問した。

サキ報道官は次のように述べた。「一般教書演説で、アメリカ国民と世界中で見ている誰もが、大統領が過去数カ月にわたって主導してきた、独裁政治とプーティン大統領の外国侵略の試みと戦うための世界的連合(global coalition)を構築する努力について話すことに関しては疑問の余地はないだろう」とプサキ氏は述べた。

サキ報道官は更に「しかし、人々はバイデン大統領から、彼の楽観主義(optimism)と、アメリカ国民の回復力(resilience)と強さに対する彼の信念について聞くことになる」と述べた。

サキ報道官は、一般教書演説について特定の瞬間にメッセージを伝えるものだと指摘した。オバマ前大統領は大不況の最中、最初の一般教書演説を行い、ブッシュ前大統領は911テロの数カ月後に最初の演説を行ったことを指摘した。

バイデン大統領はウクライナの危機を認めつつ、「私たちが期待すること」について話すだろうということだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の発言(記者団に対するものやツイッター上のもの)はよくメディアに取り上げられ批判されます。「言いたいことを歯に衣着せずに言う」「悪口が酷い」というイメージがすっかり定着しました。ツイッターを駆使して自分の言いたいことを発信し、流れを作るというのは、大変に現代的な政治家ということになります。

 

 2019年2月5日にトランプ大統領は連邦下院議場で一般教書演説を行いました。一般教書演説は一大イヴェントであり多くの国民が視聴できるように、東部時間の午後9時から開始となります。アメリカには4つのタイムゾーンがあり、西海岸ですと、午後6時からということになります。

 

 一般教書演説の当日、トランプ大統領はテレビ番組のアンカー(司会者)たちをホワイトハウスに招待して昼食会を開催したそうです。そこで、民主党の政治家たちをさんざんにこき下ろしたということが報道されました。現在、ホワイトハウスと連邦議会民主党執行部は対立と分断を深めつつある中、一般教書演説でトランプ大統領は団結と礼節を訴えるだろうと予測されている中で、その数時間前に、民主党の悪口を公の場で言っていたという文脈で報道されました。


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 ここがまさにトランプ大統領らしいところです。普通であれば、そんな日くらいは民主党の政治家たちの悪口は控えるものです。よほど腹に据えかねていても、せいぜい皮肉を言うくらいのものでしょう。しかし、「頭が悪い」「クソ野郎」とか言いたい放題だったようです。

 

 トランプ大統領が政治家として経験が長ければ、まずこんなことはしません。しかし、彼は言いたいことを言う、やりたいことをやるというスタイルを貫いて、既に大統領として任期の半分を全うしました。これは全く新しいことで、前代未聞(unprecedented)の大統領と言わざるを得ません。職業政治家や党派の対立と裏舞台での妥協といったものとは無縁であり、そこがトランプ大統領の最大の強みということが言えるでしょう。

 

 この奔放さというイメージについて、トランプ大統領は戦略でやっているのか、出たとこ勝負でやっているのか、分かりませんが、どうなんだろうか、大統領の発言の真意はどこにあるのか、言葉の裏の別の意味や意図があるのかと敵対者に考えさせることで、既に相手を自分のペースに引き込むことが出来ます。恐ろしい人物です。

 

(貼り付けはじめ)

 

一般教書直前の昼食会でトランプ大統領は民主党の政治家たちをこき下ろす(Trump tears into Dems at private lunch hours before State of the Union: report

 

ブレット・サミュエルズ筆

2019年2月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/428622-trump-tears-into-dems-at-private-lunch-hours-before-state-of-the?fbclid=IwAR2BRjeSOnUBC-00w-2HV-qZ0qyH6DNHFR0trjSnUYC-8UKoV92Zj0XllkY&fbclid=IwAR006FWXAd3dP3su3ZwsbeSWSRIrN-omJL78ICDInu4mFRAhiOZ54CJXqTg

 

月曜日、トランプ大統領はテレビ番組のアンカーたちとの昼食会を催し、その中で、民主党政治家たちをこき下ろした。礼節と超党派の合意の必要性を訴える演説をホワイトハウスで行うほんの数時間前の出来事であった。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じたところによると、トランプ大統領は、ジョー・バイデン前副大統領、連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、現在多くの批判に晒されているヴァージニア州知事ラルフ・ノーザム(民主党)の名前を上げて彼らをこき下ろした。大統領は2020年の米大統領選挙に挑戦表明をした人々も批判した。

 

トランプ大統領は2020年の大統領選挙ではバイデンと戦いたいという希望を表明したと報じられたことがある。昼食会に参加したアンカーたちに対して、大統領は、バイデン前副大統領は「そこまで賢くない」と述べた。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、トランプ大統領は次のように述べたということだ。「バイデンがやったへまやしくじりは全くもって信じがたいものばかりだ。私が何か発言し、人々がそれは失言だと考えるとする。しかし、それはそのように認識させるように意図したもので、しくじりではない。バイデンが何か馬鹿馬鹿しいことを述べるとする。その場合、彼が馬鹿なので、そのまま馬鹿馬鹿しい発言となるのだ」。

 

トランプ大統領はそのほかの民主党の政治家たちを荒々しい言葉遣いで次々と攻撃した。ニューヨーク・タイムズ紙によると、大統領はシューマーを「いやらしいクソ野郎」と呼んだ。ノーザムは医学部卒業の際の卒業アルバムで人種差別的な写真を載せたことが発覚し、その後の記者会見で知事を辞職すること拒否した。トランプはこの時の様子を「犬がされているかのように抑え込まれていた」と評した。

 

ホワイトハウスは本紙からのコメントの求めに返答しなかった。そして、大統領の発言に関するニューヨーク・タイムズ紙からのコメントの要請を拒絶した。

 

民主党に対するトランプ大統領の評価と発言は、火曜日夜の一般教書演説の前に、ホワイトハウスが人々に伝えたいと考えていたメッセージの内容と正反対のものだ。

 

火曜日の夜にフォックス・ニュースに出演したホワイトハウス報道官のサラ・サンダースは次のように述べた。「大統領は今晩の一般教書演説の中で、団結ということを訴える予定だ。私たちは偉大さを選ぶか、お互いを攻撃し続けるか、どちらかを選ぶことが出来る」。

 

一般教書演説の原稿からの一部抜粋によると、トランプ大統領は演説の中で次のように発言する予定だ。「私たちは協力して数十年続く政治的行き詰まりを解消することが出来る。古くからある分裂を解消することが出来る。古くからの傷を癒すことが出来る。新しい協力体制を構築することが出来る。新し解決策を見つけ、アメリカの輝かしい未来の前提を広げることが出来る。決めるのは私たち自身だ」。

 

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(終わり)

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 古村治彦です。

 

 前回、トランプ大統領の一般教書演説についての記事などをご紹介しました。私が一般教書演説を聞いていて驚いたのは、「社会主義に対する警告」でした。私が若い頃に、持て囃されたフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」論では、資本主義(Capitalism、キャピタリズム)と民主政治体制(Democracy、デモクラシー)が最終的に勝利し、アメリカは勝利者だということになっていました。

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 しかし、21世紀のアメリカ議会で、大統領が自国内の社会主義を求める声に警告を発し、わざわざ「アメリカは社会主義国にはならない」と述べたというのは驚きでした。社会主義とは最も対極にある国であるはずの、資本主義と民主政治体制が高度に発達した総本山、アメリカで、大統領が社会主義の台頭に言及したというのは驚きでした。それくらいに、人々の平等を求める声、格差是正を求める声がアメリカ国内で大きくなっている、ということが示唆されるものでした。

 

 2016年米大統領選挙民主党予備選挙でのバーニー・サンダースの善戦、2018年の中間選挙でアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの登場など、「民主社会主義者」を自認する政治家たちが存在感を増しています。

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当該部分を聞くサンダース
 

 これはポピュリズムという幅の広い思想運動の中で、左派的な動きとして、民主社会主義者たちが台頭しており、この右派的な動きは、トランプ大統領の誕生であり、言ってみれば、コインの表裏の関係にあると私は考えています。

 

 トランプ大統領を支持したのは、旧来の共和党の支持者の一部に加えて、元々は民主党支持で、労働組合にも参加していた、白人の労働者たちでした。アパラチア山脈からラストベルトと呼ばれる五大湖周辺の工業地帯に住んでいる人たちです。大学教育など高等教育を受けておらず、所得が低い労働者は本来であれば民主党の支持基盤でしたが、トランプ大統領を応援しました。

 

 これは民主党がエリート主義に陥り、ウォール街の大手金融機関などから多額の献金を受ける政治家たちが増え、口では人権や福祉などを唱えるが、実際に貧困層や労働者のために何もやっていないではないか、更に言えば、移民やマイノリティの人権のことばかりで、白人である自分たちの人権のことなど何も言わない、という怒りが旧来の民主党支持者たちの間に広まり、こうした人々がトランプ大統領を支持しました。こうした流れには、人権や福祉に対する懐疑も加わっています。

 

 一方、左派的な動きもまた、既成の民主党主流派、民主党エスタブリッシュメントに対する怒りから出てきたものです。エスタブリッシュメントは民主党の支持基盤をないがしろにしている、ウォール街とのつながりが深いから大企業や富裕層の利益ばかりを守っている、という怒りから、進歩主義派、民主社会主義者が存在感を増すようになりました。

 

 右派ポピュリズムと左派ポピュリズムと分類して良いと思います。既存の政治家やシステムが一般国民である自分たちのためになっていない、活動していない、機能していないという怒りから、ワシントンを変えなければならないということになり、新しい政治家たちやこれまで隅に追いやられていた政治家たちを自分たちの代表としてワシントンの既存勢力を攻撃させるという動きになりました。人々の怒りと既存の存在に対する攻撃性はポピュリズムの特徴です。

 

 それにしても、一般教書演説で、「社会主義」という言葉が出てきたのは驚きでした。中国を攻撃するためのレトリックなのかと思いましたが、アメリカ国内で社会主義を求める声が大きくなっていることに対する懸念であったということが驚きです。資本主義が高度に発達してその内包する矛盾が深刻になり、社会主義へと移行する、もしくは階級闘争が激化するというマルクスの考えが現実に起きているかのようです。

 

 アメリカでは長く国民皆保険ということはタブー視されてきました。何度もこの話はしているのですが、今回もします。2000年代前半に私はアメリカの大学に留学しました。そこで、日本政治の授業を履修しました。先生は日本の大学に留学経験もあり、日本語も堪能な人でした。日本の社会保障制度を取り上げた授業の回がありました。そこで、ポロっと「日本は国民皆保険です。国民皆保険ではないというのは、世界の先進国ではアメリカだけです」と言いました。何の悪気もなく、アメリカを批判するということでもありませんでした。

 

 しかし、次の授業の際に先生は「前回、私は世界の先進国の中で国民皆保険ではないのはアメリカだけですと述べました。これはアメリカを批判する意図ではありませんでした。また、私は社会主義者ではありません」と冒頭に述べました。私は驚いて、授業の後にどうしてそのような発言をなさったのですか、と質問したところ、「学部の事務所に学生の親という人から電話があって、アメリカを批判する反米的な社会主義者を雇っているのか、という抗議の電話があったから、説明しておこうと思って発言した」と教えてくれました。

 

 講義をしてきた親御さんは、国民皆保険は社会主義的な制度で、資本主義で自由主義なアメリカにはそぐわないと考えていたのでしょう。しかし、この考えに従うと、G7に加盟している先進諸国はほぼ全て社会主義国ということになります。

 

 アメリカには社会主義という言葉に対するアレルギーがあり、かつ、平等を志向するような政策には簡単に社会主義という言葉をレッテル貼りして非難する傾向があるようです。

 

 社会主義という言葉が21世紀のアメリカ議会の議場で大統領の口から出たという事実、これがアメリカの最先端の状況を示しているように思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

オカシオ=コルテスや進歩主義派の人物たちがトランプ大統領は社会主義という言葉を威嚇戦術として使用したと批判(Ocasio-Cortez, progressives accuse Trump of using socialism as scare tactic

 

ジュリーグレイス・ブルフケ筆

2019年2月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/428663-ocasio-cortez-progressives-accuse-trump-of-using-socialism-as-scare-tactic

 

進歩主義派の民主党所属連邦議員たちは、トランプ大統領が一般教書演説の中で、アメリカ国内で社会主義を求める声が大きくなっているという警告を発したことを、威嚇戦術(scare tactics)を使って自分たちを危険だとレッテル貼りしたと批判した。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は記者団からトランプの発言について質問され次のように答えた。「素晴らしかったと思う。大統領は怖がっている。彼は全てのものが彼に迫ってきていると感じ、世論の支持を得るための戦いに敗れつつあることを認識している」。

 

オカシオ=コルテスは民主社会主義者で、昨年夏に民主党予備選挙で勝利を受けて、政治の世界で名声を獲得した。単一支払者医療保険制度(single-payer health care system)を主張するリベラル派の連邦下院議員たちの仲間入りをした。また、最富裕層に対しての税率を上げることとクリーンエネルギー分野での雇用を創出するためのプログラムに資金提供するための「グリーン・ニューディール(Green New Deal)」を主張している。

 

ニューヨーク州選出の連邦議員オカシオ=コルテスは、トランプの発言内容を「信じられない」ものと評し、「自分たちの提案に対抗するための実質的な提案を彼は出来ないのだ」と述べた。

 

プラミラ・ジャヤパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は進歩主義派連邦議員連盟の共同会長だ。ジャヤパル議員は、議員連盟の提案は過激なものではなく、提案内容の多くは西洋諸国で既に実施されているものだと述べた。

 

ジャヤパル議員は「全ての人のためのメディケアや最富裕層への増税、グリーン・ニューディールのような素晴らしい考えをトランプ大統領は警戒しているのだと思う。それで彼はこうした考えに社会主義というレッテル貼りをしたいのだ」と述べた。

 

「トランプ大統領は先進諸国で行われている政策について懸念を持っており、それに社会主義というレッテルを貼りたいのだ。しかし、こうした諸政策は世界の先進諸国で実際に実行されている。これらの政策は先進諸国において制度化され、それらの上に社会が構成されている」。

 

一般教書演説の中で、トランプは社会主義によってヴェネズエラでは経済上、政治上の訳斎が引き起こされたと述べた。

 

トランプ大統領は演説の中で次のように語った。「現在、アメリカ合衆国の国内では、私たちの国で社会主義を採用しようという声が上がっている。これは警戒を要することだ。アメリカは、政府による強制、独占、統制ではなく、自由と独立の上に創設された。私たちは生まれながらに自由で、これからも自由であり続ける。今夜、私たちはアメリカがこれからも社会主義国となることは決してないという決意を新たにする」。

 

共和党側の出席者たちは演説のこの部分に対して、トランプ大統領にスタンディングオヴェイションで称賛を与えた。

 

新人のラシーダ・トレイブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)は議員当選以来、トランプ大統領に対して厳しい批判を行っている。トレイブ議員は、トランプ大統領が社会主義を理解していないと批判し、トランプ大統領の言葉によって国家の更なる分裂が進んでいると考えていると述べた。

 

トレイブ議員は「人々の多くは社会主義を理解していないと思う。図書館や郵便局は社会主義だと思う。我が国にあり私たちが大事にしている制度の多くは平等という価値観を基礎にしている」と述べた。

 

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(終わり)

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