古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:世論調査

 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙の投開票日(11月8日、日本時間では11月9日)が近づいてきました。もう2週間を切るところまで来ました。昨年から始まった選挙も、マラソンで言えば残り100メートルといったところでしょうか。

 

 現在のところ、民主党のヒラリー・クリントンが共和党のドナルド・トランプに差をつけている、優位に立っている状況です。私の見るところ、現在の状況は9対1でヒラリー・クリントン有利というところでしょう。各州がこのままの状況でいけば、ヒラリーが選挙人を325名前後獲得して勝利、トランプは200名は超える可能性は高いが270名には届かずに敗北ということになると思います。

 

 ただ、最近の世論調査の数字ではトランプが追い上げています。フロリダ州は配分されている選挙人の数も多く、フロリダ州でトランプが勝利を収めることが出来れば、他の激戦州でもトランプが勝利できる可能性が出てくるので、接戦に持ち込むことが可能となります。

 

 アメリカ国民もなかなかよく分かっていて、ヒラリーを対照させると色々と危ないということで、バランス感覚が働いて、トランプを支持すると答える人たちも多くなっているとも考えられます。

 

 残り2週間を切りましたが、選挙は最後の最後までわからないということは洋の東西を問わずに言われていることです。これからも注目し続けねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプとクリントン双方にとって、世論調査の数字において差が縮まっている(Polls tighten for Trump, Clinton

 

ニオール・ストレンジ筆

2016年10月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/302956-polls-tighten-for-trump-clinton

 

選挙の投開票日まで2週間を切った大統領選挙は、世論調査の数字では接戦となっている。

 

新たに発表された、いくつかの世論調査の数字では、民主党のヒラリー・クリントンが保っている差が縮まり、共和党のドナルド・トランプは激戦州であるフロリダ州でより力強いパフォーマンスを見せている。

 

それでもトランプが勝利するには厳しい坂を登らねばならない状況に変わりがないし、選挙人の獲得予想地図では、彼の勝利は厳しい状況になっている。しかし、世論調査の数字に変化が見えていることで、トランプ選対は、恐らく最悪の時期を脱したので、希望があると考えるようになっている。

 

水曜日にブルームバーグが発表したフロリダ州での世論調査では、トランプが2ポイントの差でリードしていた。フロリダ州のリアルクリアポリティックスの平均では、10月21日の段階でヒラリーのリードは4ポイント差であったが、現在は1.6ポントまで縮まっている。

 

リアルクリアポリティックスの全国規模の平均では、10月17日の段階では7.1ポイントだったが、現在は5.1ポイントまで下がっている。

 

世論調査の結果がこのまま変わらなければ、ヒラリーはホワイトハウスを圧勝で勝ち取ることになるだろう。しかし、現在のようなトランプ上げ潮の流れについて、民主党の中には自己満足を戒める声が出ている。

 

匿名を条件に取材に応じ真意を話してくれたある民主党のストラティジストは「これから1週間後に数字がどうなっているかを慎重に待って見なくてはいけません。選挙は13日を残して終わるのではありません。選挙戦は投開票日まで続くのです。油断は禁物です」と語った。

 

ヒラリー陣営では表向きは自信を見せているが、ある選対幹部は選挙戦が接戦になっていることは驚くに値しないと述べた。

 

この選対幹部は次のように述べた。「今回の選挙のように有権者が極端な政治的な姿勢を取るようになっている状況では、選挙は接戦になるだろうということを私たちは一貫して言ってきました。ですから、私たちは草の根の選挙運動を展開して、関心が薄い人々にも投票に行ってもらうことに注力してきました」

 

ヒラリー側では勝利に必要な270名の選挙人獲得のシナリオがいくつも描けるという有利な立場にあるが、トランプ側はそのような状況にない。

 

ヒラリー線たちの幹部たちは、フロリダ州をはじめとする激戦州の期日前投票の数字に歓喜している。ヒスパニック系の有権者の期日前投票とアフリカ系アメリカ人の有権者の不在者投票の数字は2012年に比べて大きく伸びている。

 

トランプの選対幹部と共和党の幹部たちは世論調査の数字から楽観できる材料を見つけている。

 

水曜日に共和党全国委員会が発表したメモには、いくつかの重要な州における期日前投票で、民主党のリードを縮めていると書かれている。

 

世論調査の数字についても疑念が出ている。トランプ陣営の上級顧問ピーター・ナヴァロは、世論調査の数字がほとんど変化していないのはどうしてかと質問され、「そのおかしさを指摘しようとすれば枚挙にいとまがない!」と答えた。

 

ナヴァロは続けて、世論調査は総じて不正確であり、選挙の投開票日にどの有権者が投票に行くかのモデルを作る際に誤ってしまうために、ヒラリーに有利な数字が出るようになっているのだと語った。

 

ナヴァロは更に、いくつかの要素によって選挙戦の流れは大きく変わるとも主張した。

 

ナヴァロは、ヒラリーの選対本部長ジョン・ポデスタの私的なアカウントからハッキングされたEメールをウィキリークスが公表したことで、前国務長官ヒラリーに対して有権者は否定的な認識をするようになっていると主張した。

 

ナヴァロは、「自分は一匹狼で機能不全に陥っている現在の機構をひっくり返したいと考えている」というトランプの中核的な主張は11月8日が近づくにつれて、再び人々の間で語られるようになるとも述べた。

 

ナヴァロは、「変化をもたらす候補者だというメッセージに対する共感はその範囲を広げている。沼に水がどんどん注ぎこみ、大きくなっていくようなものだ。その勢いは選挙の投開票日までに最高潮に達するだろう」と語った。

 

ナヴァロはトランプの勢いに加えて、オバマケアの掛け金についての議論の存在も指摘した。今週になって、連邦政府が運営するプログラムの掛け金がいくつかの州で平均25%も上昇した。これはオバマ大統領にとってと同様、ヒラリーにとっても大きな政治の面での頭痛の種となっている。

 

選挙戦の動向に変化が起きているのはフロリダや全国規模のことだけではない。リアルクリアポリティックスの世論調査の数字の平均を見てみると、ペンシルヴァニア州では2週間前にはヒラリーが8.7ポイント差でリードしていたのが、現在は4.4ポイントまで縮まっている。水曜日に発表されたマンモス大学がニューハンプシャー州で実施した世論調査の結果では、前国務長官のヒラリーが4ポイント差でリードであった。しかし、先月の調査では、9ポイントの差であった。

 

しかしながら、こうした数字の変動があっても、両方の州でヒラリーの勝利は動かしがたいという事実は変わらない。11月8日の投開票日で接戦となるためには、トランプの追い上げの動きが続くか、世論調査の誤差の範囲内で起きることが実際に起きるか、ということが必要になる。

 

前述の民主党のストラティジストは次のように述べた。「差が縮まってきているのは明らかです。ヒラリーが激戦各州で優位を保っていますが、選挙の投開票日当日、ヒラリー陣営は、人々が思っているよりも気を張っておく時間が長くなることでしょう」。

 

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(終わり)







 

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 古村治彦です。

 

 最近のアメリカ大統領選挙に関する世論調査を見てみると、トランプが持ち直しています。党大会後の落ち込みが激しかった分、挽回してきています。これは、選対に新しく入った、ケリアン・コンウェイ選対委員長の助言によってトランプが方向転換し、黒人やヒスパニックへの態度の軟化が無党派有権者の好感を得ることに成功した結果と言えます。

 

 ヒラリーは最近の国務長官在任時のクリントン財団と国務省の不適切な関係やEメール問題がたたっています。共和党支持が強いアリゾナ州、ジョージア州、ミズーリ州での支持を伸ばしていましたが、ここにきてトランプがこれらの州で支持を回復しています。また、逆に民主党が強かったウィスコンシン州でトランプが支持率を上げ、接戦となっています。

 

 アメリカ大統領選挙では各州とワシントンDCに配分された合計538名の選挙人のうちの270名を獲得した候補者が当選となります。ほとんどの州では1票でも多くの票を獲得した候補者がその週に配分されている選挙人を全部取る、勝者総取りシステムになっています。

 

 現在の各州の情勢ですが、ヒラリー・クリントンが確実、優勢、優位な州の選挙人の合計が262、トランプが確実、優勢、優位な州の選挙人の合計が154となっています。前回のオバマ、バイデン対ミット・ロムニー、ポール・ライアンの途中経過では201対191と接戦でした。

 
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 共和党は2008年、2012年と民主党のバラク・オバマに連敗しています。2008年の時は、ジョン・マケインとサラ・ペイリンのコンビで、365対173の敗北でした。オバマとジョー・バイデンのコンビが選挙人の3分の2以上を奪う完勝でした。この時のオバマ人気のすさまじさを覚えておられる方も多いでしょう。2012年の時は、ミット・ロムニーとポール・ライアンのコンビで332対206の敗北でした。ノースカロライナ州とインディアナ州を取り返したのですが、現職の強みを活かしてオバマとバイデンが勝利しました。

2008uspresidentialelectionresults001
2008年大統領選挙の結果 

 
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2012年大統領選挙の結果

 今回2016年の大統領選挙では、トランプとマイク・ペンスのコンビは前回の206を基礎票としてまず固めなければなりません。前回取り戻したノースカロライナ州とインディアナ州を手放すことはできません。そこで、インディアナ州知事のマイク・ペンスが副大統領候補になりました。

 

 トランプ陣営が現在までに固めていると見られているのが154で、アリゾナ州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、ジョージア州が激戦という状況です。まず元々共和党が強いミズーリ州とジョージア州、アリゾナ州を固め、2008年の時には民主党が取ったノースカロライナ州で引き離しにかからねばなりません。それで、「基礎票」とも言うべき、2012年の時の206になります。

 

 勝利に必要な270に届くためには、そこから更に64の積み上げが必要です。現在激戦州となっている州のうち、フロリダ州とオハイオ州を抑えることが出来れば47増やすことが出来ますので、253となります。ウィスコンシン州とアイオワ州を取れば269となります。こうなれば、269対269で、連邦下院の採決で当選者が決まるのですが、共和党が多数を占め、それが動かない状況ですので、トランプが勝利となります。しかし、ここまで8つの州で勝利を得なければなりません。そのためには資金と人材を投入しなければなりませんが、その点ではトランプ陣営がヒラリー陣営に後れを取っている状況です。

 

 しかし、これからヒラリーの健康問題、国務省時代のクリントン財団との不適切な関係、新たに公開されるEメールの内容によって状況は変わる可能性が高いです。8月中は、私は「7対3」でヒラリー勝利の可能性が高いと考えていましたが、現在はその数字を「6対4」にしたいと思います。

 

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2016年は選挙情勢地図に終わることになる?(Will 2016 Come Down to the Electoral Map?

 

アルバート・ハント筆

2016年8月28日

『ブルームバーグ』誌

https://www.bloomberg.com/view/articles/2016-08-28/will-2016-come-down-to-the-electoral-map

 

アメリカの政治に関わるストラティジストや記者(私は政治記者を40年以上やっている)は地図を愛している。この地図とは、4年ごとに大統領選挙の各州の勝ち負けを示す地図だ。

 

全米各州はそれぞれ連邦議会の議員数を基にして、人口にも基づいて選挙人が配分されている。たとえば、ワシントンDCには3名の選挙人が配分されている。ほぼすべての州が勝者総取りシステムを採用している。選挙人の合計は538で、270名を獲得した候補が勝利となる。

 

約3分の2の州、その中には最大のカリフォルニア州とテキサス州も含まれるが、これらの州の結果はほぼ決まっている。従って、戦いは15州の約200名弱の選挙人の争奪戦となる。

 

従って、フロリダ州の29名、オハイオ州の18名、ノースカロライナ州の15名、アイオワ州の6名を誰か取るかを知りたいと思っている選挙マネージャーにとって、この争奪戦は楽しみであり、かつ真剣なものとなる。

 

大抵の場合はドラマ性が過度に強調される。選挙情勢地図は選挙の情勢と結果をそのまま反映する。2ポイント差以内であれば接戦と言え、この接戦の時だけが問題なのだ。

 

これまで行われた14回の大統領選挙の中で、4回がそうした接戦の選挙となった。1960年、1968年、1976年、2000年だ。 2000年のアル・ゴア(民主党)対ジョージ・W・ブッシュの選挙は、1世紀以上の歴史で初めて、総得票数で勝利した候補者が選挙人の数で敗れた選挙で、その当時は論争が巻き起こった。

 

共和党員の中には、イリノイ州での不正があったから、1960年の選挙でジョン・F・ケネディが勝ったのだと今でも主張している人たちがいる。この時の全国での得票数の差は11万8000とかなりの僅差だった。しかし、もしケネディがイリノイ州を落としていたとしても、選挙人の数で勝利を収めていたことは変わらない。 そこで批判者たちはテキサスを持ち出す。テキサスは接戦だった。しかし、複数の選挙委員会、その中には共和党が過半数を占めているものもあったが、投票を見直し、選挙結果を認めた。

 

1976年のジミー・カーター(民主党)とジェラルド・フォード(共和党)の選挙と、1968年にリチャード・ニクソン(共和党)がヒューバート・ハンフリー(民主党)を破った選挙は共に接戦だった。1968年の場合は50万票だった。しかし、選挙人の数では勝敗は明白だった。民主党員の中には、2004年の選挙でジョン・ケリーがオハイオ州で勝っておけば大統領になれたと主張する人たちがいる。確かにその通りだ。しかし、彼はオハイオ州では11万8000票の差で敗れた。

 

学者と政治家たちは選挙人制度の利点について継続的に議論している。 この制度の支持者は、小さな州の役割を強めていること、細かい選挙戦が行われること、より決定的な評決を得られることを支持の理由として挙げている。反対者はほとんどの州の有権者がないがしろにされ、一般有権者の得票数で決めることの方が民主政治に関する価値観に合致していると主張している。

 

選挙ストラティジストと記者たちは今年の選挙は接戦になると予想し、選挙情勢地図を作り、報道している。

 

ヒラリー・クリントン支持のスーパーPACで活動している民主党所属の世論調査専門家ジェフリー・ポラックは、「2から3ポイントの差があればまずは安心というところです。ですが、選挙人獲得のために人材とお金を投入しなければなりません」と語っている。

 

現在のところ、ヒラリーが平均して5ポイントの差をつけているが、これが1から2ポイント差に縮まっても、ドナルド・トランプにとっては苦闘ということになる。2012年の大統領選挙から考えてみよう。この選挙ではバラク・オバマがミット・ロムニーに対して総得票数では4%の差をつけ、選挙人の数では332体206で勝利した。今回の大統領選挙では、ドナルド・トランプは勝利のために、ロムニーが勝利した州(選挙人206名)に加えて、更に64名を獲得しなければならない。

 

フロリダ州(選挙人29名)とオハイオ州(18名)は何が何でも取らねばならない、必ず勝たねばならない州だ。トランプにも勝ち目があると思われた激戦州であるヴァージニア州、コロラド州、ペンシルヴァニア州では接戦が続いているが、これらの州をトランプが獲得することはほぼ不可能だと思われる。

 

トランプは、接戦が展開されている更に小さな州であるネヴァダ州、アイオワ州、ニューハンプシャー州で勝利しなければならない。これらの州の選挙人の合計は16名となり、そうなると、ミット・ロムニーが獲得した203名と足すと、269名となり、269名対269名の同数となり、大統領選挙勝利者の指名は連邦下院が決定することになり、下院内部は大混乱を引き起こすだろう。

 

最も起こりうるシナリオは、2人の差が3ポイント以上離れることだ。そうなれば選挙はヒラリー勝利で終わり、私たちは4年後まで地図を放っておくことになる。

 

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世論調査:共和党支持の有権者の過半数がトランプ以外の候補者を選びたいと望む(Poll: Majority of GOP voters wish they chose another presidential nominee

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293746-poll-majority-of-gop-voters-wish-they-chose-another

 

最新の世論調査によると、共和党員の過半数がドナルド・トランプ以外を大統領選挙候補者に選びたいと答えたということだ。

 

月曜日に発表されたハフィントン・ポスト紙とYouGovの共同調査の結果によると、共和党員と共和党支持の有権者の54%が共和党の候補者としてトランプは最良の選択肢ではないと答えたということだ。一方、トランプが共和党に相応しい候補者だと答えたのは35%だった。

 

6月に行われた時の結果に比べて不満が大きく高まっていることが分かる。6月の調査では、44%がトランプが最良の候補者だと答え、そうではないと答えたのは44%だった。

 

共和党の予備選挙に出馬したのは17名で、トランプはその一人だった。予備選挙をやり直せるとして、誰に投票するかと質問に対して、29%がトランプ、15%がテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)、14%がマルコ・ルビオ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)、その他の候補者たちがそれぞれ10%以下の支持を受けた。

 

On the other side of aisle, 56 percent of Democratic and Democratic-leaning voters are content with Hillary Clinton as their party’s nominee, while 32 percent believe there’s a better option. This is up by 3 percent since the same poll in June.

 

予備選挙が再び実施されてもヒラリーに投票すると答えた民主党支持の有権者は47%いたが、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に投票すると答えた有権者は42%にのぼった。元メリーランド州知事マーティン・オマリーの支持率は3%だった。

 

今回の世論調査では2016年8月24日から25日かけて1000人の成人を対象にして面談が実施された。

 

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世論調査:ヒラリーがトランプを6ポイント差でリード(Poll: Clinton has 6-point lead over Trump

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/293759-poll-clinton-has-6-point-lead-over-trump

 

NBCニュース・サーヴェイ・モンキー・ウィークリー・エレクション・トラッキング・ポールの共同調査の最新の結果によると、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプを6ポイントリードしているということだ。

 

世論調査の結果によると、登録有権者の48%がヒラリーを支持し、42%がトランプを支持しているという結果が出た。

 

ヒラリーのリードは先週に比べて少し小さくなった。先週、ヒラリーとトランプの差は8ポイントあった。

 

トランプ対ヒラリーの一対一の闘いに、リバータリアン党のゲイリー・ジョンソン、緑の塔のジル・スタインを加えてみると、ヒラリーはトランプに4ポイント差をつけてリードとなった(41%対37%)。ジョンソンとスタインの支持率はそれぞれ、11%、5%となった。

 

無党派の有権者の間の支持率では、ヒラリーはトランプに対して4ポイントのリードを付けている(37%対33%)。

 

この世論調査では、現在ヒラリーを支持している無党派有権者の70%が過去6か月に別の候補者を支持していたと答えた。一方、トランプを支持する無党派有権者の64%は、6か月前もトランプを支持していたと答えた。

 

この世論調査は2016年8月22日から28日にかけて、2万4104人を対象に行われた。誤差は1%となっている。

 

リアルクリア・ポリティックスの世論調査の平均によると、ヒラリーはトランプに対して5ポイントの差(46.5%対41.5%)をつけている。

 

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 古村治彦です。

 

 今回は世論調査に関するより細かい数字について書かれた記事をご紹介します。

 

 今回の世論調査の数字でマスコミに大きく取り上げられるのは、全体の支持率で、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプではどちらが支持率が高いか、その差は何ポイント差かといったことです。この数字の増減で、どちらに勢いがあるとか、巻き返している、突き放しているという言い方をされます。

 

 この数字の裏には様々な調査と答えがあります。現在のところ、各種世論調査(ラスムッセンとLAタイムズ・南カリフォルニア大学共同調査を除く)では、トランプが劣勢です。しかし、下の記事で注目なのは、無党派層で、トランプの方が支持が高い(30%対23%)という結果が出ていることです。

 

 先週からのトランプの態度変更(後悔の念を示す、黒人やヒスパニックに向けてアピールをする)によって、無党派層にも支持が浸透できる可能性が出てきました。共和党予備選挙では過激なことや人種差別的なことを言って、白人男性層の支持を得て勝利を得るというのは正しい選択ですが、本選挙になれば、彼らの支持だけでは勝てません。そこの転換がようやくでき始めました。これまで未開拓の部分が多いのですから、伸びが期待できます。

 

 しかし、トランプが述べていることは、基本的に議会共和党やオバマ大統領、ヒラリー・クリントンと違わなくなってきました。そうなると、「お前は態度を変えた」「結局、取り込まれただけじゃないか」ということになって、批判を受けたり、支持を減らしたりすることも考えられます。

 

 今週と来週の世論調査の結果が出る9月1日(アメリカではレイバーデーで祝日)頃の世論調査の結果に注目です。

 

 

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今週発表された中で重要な5つの数字(5 numbers that mattered this week

 

スティーヴン・シェパード筆

2016年8月20日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/blogs/5-political-numbers-to-watch/2016/08/5-numbers-that-mattered-this-week-227220#ixzz4HsLmh3is

 

ポリティコ誌はアメリカ大統領選挙を追いかけ続けている。私たちは最新の世論調査を追いかけ、2016年の大統領選挙についてのストーリーを発表している。今週発表された中で重要な数字についてこれから論じていく。

 

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ドナルド・トランプは勢いが衰えた大統領選挙運動を再び盛り上げようしている。選対幹部の更迭し、演説における言葉遣いで人々を傷つけてきたことを謝罪した。そして、本選挙に向けてのCMを放映し始めた。

 

しかし、共和党大統領選挙候補者トランプが勢いを回復させるには遅すぎるのではないか?

 

近代の大統領選挙になって、党全国大会から3週間たった時点で、支持率でリードされていた候補者が勢いを盛り返して最終的に勝利を収めたというケースはない。

 

しかし、有権者が既に投票する候補者を決めつつあるなかでも、大統領選挙の様相が根本的に変化することは不可能だということを意味するものではない。ピュー・リサーチ・センターが今週発表した最新の世論調査では、ヒラリー・クリントンが4ポイント差をつけてリードしている(ヒラリー:41%、トランプ:・37%)。この数字はこれまでの数字よりも良い数字だ。最新のハフィントン・ポスト紙の最新の世論調査の結果の平均は、7ポイントだった。

 

しかし、ピュー・リサーチ・センターの世論調査の結果は、トランプがまだまだ支持を伸ばせる余地があることを示している。トランプに投票する可能性があると答えた有権者は8%で、彼を支持する有権者は37%である。

 

全体として、有権者の51%が彼らはトランプには投票しないと決心していると答えた。6月末の調査で、トランプを支持することはないと答えたのが52%だったので、この数字はほとんど変わっていない。

 

ヒラリーもまた数字が伸びていない。彼女の支持率は41%に留まっている。ヒラリーに投票する可能性があると答えたのは8%に留まり、48%が彼女を支持することはないと答えた。

 

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トランプは集会における参加者の数と熱心さを挙げて、自分の支持者たちは、ヒラリーの支持者に比べて、より熱心で献身的だと言いたがる。

 

しかし、世論調査の結果は彼の主張を裏付けていない。トランプの支持者の方が、数が少ないだけでなく、「自分はトランプのために投票するというよりも、自分はヒラリーに反対するために投票するのだ」と答える人が多く、熱心なトランプ支持という訳でもないのだ。

 

ピュー・リサーチ・センターは、有権者を「誰を支持したいか」で分類するだけでなく、その理由も質問している。トランプ支持者のうち、44%だけがトランプが好きだから支持をすると答え、 53%がヒラリーに反対だからだと答えた。

 

言い換えると次のようになる。有権者全体の中で、16%がドナルド・トランプに好きだから投票すると答え、20%がヒラリーに反対だからトランプに投票すると答えたのだ。

 

クリントン支持者たちの方がより熱心な支持者である。しかし、それはトランプを大きく引き離すものではない。ヒラリー支持の有権者53%が、ヒラリーが好きだからヒラリーに投票すると答え、46%がトランプに反対だからヒラリーに投票すると答えた。

 

クリントン支持の有権者は有権者全体で22%を占めている。トランプ支持の有権者は16%である。反トランプでヒラリーを支持する有権者は19%を占めていると世論調査の結果が出ている。

 

激戦州での世論調査でも同じ結果が出ている。トランプ支持者たちの方が激しく主張するし、表に出るが、その数はヒラリー支持者に比べて少ない。そして、彼らの支持理由が、ヒラリーに反対するためにトランプを支持するというものだ。トランプに反対するためにヒラリーを支持するという消極的な理由を持つ有権者の数と、消極的な理由でトランプを支持するという有権者の数を比べると、後者の方が多い。

 

キュニピアック大学は6つの激戦州で過去数週間にわたり調査を行い、各州で「ヒラリーが好きだからヒラリーに投票すると答えるヒラリー有権者の割合が、トランプが好きだからトランプに投票するというトランプ支持者の割合よりも多い」という結果を得た。

 

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トランプは「アメリカを再び偉大にする」と約束している。このメッセージが彼の支持者に受けている。トランプ支持者たちの大多数は、アメリカは悪い方向に進んでいると考えている。

 

トランプ支持者の80%は、自分たち同じような人々にとって過去50年間で物事はどんどん悪くなっていく一方だと考えている。その逆だと考えている人たちは11%にとどまった。

 

彼らは将来がより良くなるとは考えていない。トランプ支持者の68%が初来のアメリカ人の生活は現在に比べて悪くなるだろうと答え、11%だけがより良くなると答えた。

 

ヒラリーの支持者たちは、過去50年間のアメリカの前進についてより積極的に肯定している。59%の人々が、50年前に比べて、自分たちと同じような人々の生活はより良くなっていると答え、19%が悪くなったと答え、18%がほぼ同じだと答えた。

 

彼らもまたアメリカの未来の世代に関しては楽観的ではない。38%がより良くなると考え、30%が悪くなると考え、28%が同じだと答えた。

 

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トランプはアメリカがこれまでに結んできた自由貿易協定がアメリカに損失を与えてきたと主張し、共和党支持者たちもその考えに納得している。トランプは、共和党を自由貿易に反対する政党に変えた。

 

国全体では、アメリカ人の間は、これらの自由貿易協定がアメリカにとって良いことなのかどうかで考えが分かれている。ピュー・リサーチ・センターの調査では、45%が自由貿易協定はアメリカにとって良いことだと答え、47%が悪いことだと答えた。

 

トランプ、ヒラリー双方共に、TPPに反対している。一方、貿易に関して、有権者の間には分裂が存在する。ヒラリーの支持者たちは自由貿易協定について賛成している。ヒラリー支持者の59%が自由貿易協定を良いことだと答え、32%が悪いことだと答えた。

 

トランプ支持者の68%が自由貿易協定はアメリカにとって悪いことだと答え、26%が良いことだと答えた。

 

これは共和党員や共和党支持者たちに広がっている。共和党は伝統的に自由貿易を支持する政党であったが、共和党支持者たちは自由貿易に反対している。61%の共和党員と共和党支持者たちは自由貿易が悪いことだと考え、良いことだと考えているのは32%に留まった。

 

この動きは流動的だ。2015年5月、トランプが大統領選挙に出馬を表明する1か月前、共和党支持の有権者のうち51%は、自由貿易はアメリカにとって良いことだと答え、39%が悪いことだと答えた。

 

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金曜午後のミシガン州での集会で、トランプはアフリカ系アメリカ人を対象にした演説を行った。4年前の大統領選挙では、ミシガン州の全投票数の中で、アフリカ系アメリカ人の投票数は16%を占めた。

 

トランプは、気宇壮大な主張をする前に、「皆さんは何を失っていますか?」と質問した。そして次のように続けた。「大統領の任期4年が過ぎた後、アフリカ系アメリカ人有権者の95%は私に投票してくれるでしょう。これは間違いありません。約束しますよ。なぜなら、私はインナーシティのために結果を出しますし、アフリカ系アメリカ人のために結果を出すからです」。

 

トランプの前にはやらねばならないことが山積している。ピュー・リサーチ・センターの調査では、全国レヴェルで、アフリカ系アメリカ人の中の支持率では、ヒラリーが85%、トランプが2%となっている。

 

この数字は、異常値ではない。これまでの多くの世論調査の結果では、多くの州で黒人有権者中のトランプ支持の割合は1から2%である。

 

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世論調査:有権者の半数がトランプに投票することを考えないと答える(Poll: Half of all voters won't consider Trump

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/292157-poll-half-of-all-voters-wont-consider-voting-for-trump

 

モーニング・コンサルトの最新の世論調査によると、有権者全体の半分が共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに投票することは絶対に考えられないという結果が出た。

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同じ調査では、45%がヒラリー・クリントンに投票することは絶対に考えられないという結果が出た。

 

有権者の約35%がヒラリーに絶対投票すると答え、16%が少なくともヒラリーに投票することを考慮すると答えた。

 

有権者の29%がトランプに絶対に投票すると答え、16%がトランプに投票することを考慮すると答えた。

 

世論調査によると、ヒラリーとトランプの支持者の28%がリバータリアン党の大統領選挙候補ゲーリー・ジョンソンに投票することを考慮すると答えている。

 

ヒラリーに投票すると答えた人々の25%強が緑の党ジル・スタインに投票することを考慮すると答えた。トランプ支持の有権者の14%もスタインに投票することを考慮すると答えた。

 

世論調査によると、有権者の32%がジョンソンに、23%がスタインに投票することを考慮すると答えた。

 

別のモーニング・コンサルトの世論調査によると、ヒラリーがトランプを3ポイントリードしている。

 

選択肢が4人になると、支持率はヒラリーが39%、トランプ36%、ジョンソン8%、スタイン4%となる。

 

無党派の中では、23%がヒラリーを、30%がトランプを支持すると答えた。

 

一対一の選択肢になると、ヒラリー(44%)がトランプ(38%)をリードしている。

 

世論調査は2016年8月16―17日、18-20日にそれぞれ2001名を対象に行われた。誤差はどちらとも2%である。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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