古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:中間選挙

 古村治彦です。

 アメリカが堅持してきた二大政党制が崩壊する可能性が高いと私は考えている。今回の大統領選挙をめぐるこれまでの動きの中で、共和党内に大きな亀裂が生まれている。民主党はエスタブリッシュメント対進歩主義派という対立構造があったが、「アメリカの敵・ドナルド・トランプとトランプ支持者たち(本当は民主党が助けなくてはいけない人たちのはずだが)」という共通の敵を作り上げて、今のところは一枚岩だ。

外国に敵を作って、皆でまとまろうという策謀と全く同じ構造だ。これで、「アメリカの融和」などと寝ぼけたことを言っているのは笑止千万だ。これに協力している、進歩主義派も結局、エスタブリッシュメント派の軍門に下り、ワシントンでの楽しい生活を謳歌している。私は大きく失望している。中世ヨーロッパの言葉に「都市の風は人間を自由にする」というものがあるが、それをもじって言えば、「ワシントンの風は人間を徹底的に堕落させる」ということなのだろう。進歩主義だ、貧しい人々のためだ、と意気揚々とワシントンに乗り込んでみたら、取り込まれて、堕落してしまう。その点で、ドナルド・トランプという人物は最後まで、ワシントンの「部外者(アウトサイダー)」だった。

 共和党に目を移せば、「エスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム」という対立構図になる。このブログでも紹介したが、共和党支持の有権者たちの間でのトランプ支持は根強い。この有権者たちにそっぽを向かれれば共和党の議員たちは落選して、ただの人となり、楽しいワシントンでの生活からオサラバしなければならない。

 2020年の選挙では連邦上院では共和党と民主党が50対50となり、連邦上院議長は副大統領が務めるので、民主党が過半数を握ることになった。連邦下院では民主党が過半数を維持したが、共和党が議席数を伸ばした。2022年の中間選挙では共和党が議席数を伸ばすことが見込まれている。

 共和党側は、民主党側に対して、「民主党は社会主義の方向に進んでいる」という宣伝戦略を展開している。2022年に向けてもこの戦略を採用しようとしている。これで消極的な民主党支持者たちを取り込もうとしている。民主党側では、進歩主義派の勢力が大きく、バイデン政権と連邦議会民主党執行部としても無視できない。そこで、「大きな政府」政策を実行すると、共和党側の宣伝戦略にはまってしまう。

 一方、共和党側でも「トランプ・ポピュリズム派」は、民主党側からの攻撃目標にされてしまうだろう。「あの連邦議事堂襲撃事件を起こしたトランプを支持する政治家たちを当選させてはいけない」という戦略で共和党攻撃を行うだろう。民主、共和両党はお互いの「急進派」を標的にして攻撃する戦略で2022年の中間選挙を戦うことになる。両党にとって、「急進派」は重要な存在である。そう簡単に切ることができない。このかじ取りが2022年の選挙の結果を左右することになるだろう。

(貼り付けはじめ)

共和党は2022年に連邦下院で過半数を獲得する道筋を見ている(GOP sees path to House majority in 2022

ジュリー・グレイス・ブラフケ筆

2020年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/526444-gop-sees-path-forward-to-house-majority

共和党は今週連邦議事堂に戻って来た。共和党は予想を裏切り、選挙投開票日に連邦下院での議席を増やして戻って来た。2022年の中間選挙で過半数を獲得する見通しを持っている。

共和党所属の連邦下院議員たちは木曜日、連邦下院少数党(共和党)院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)をはじめとする連邦下院共和党指導部をそのまま再任することで、その功績に報いた。共和党は、分裂した投票行動を行った有権者たちから支持を受けた。この有権者たちはトランプ大統領をホワイトハウスから追い出しながら、連邦上院と連邦下院の選挙の共和党の候補者たちを支持した。

選挙結果はアメリカ国民が捻じれた政府(訳者註:ホワイトハウスは民主党、議会は共和党)を認めたということであり、共和党側は2年後の中間選挙において連邦下院で過半数を奪還することができるという手ごたえをつかんでいる。中間選挙はこれまで、ホワイトハウスを掌握している政党が連邦議会で議席を減らすということになっている。

まだ結果が出ていない複数の州で共和党の候補者たちが優勢であり、それらを入れて、共和党は20議席近く増やそうとしている。共和党は今回の選挙結果でも過半数まで17議席足りないままである。しかし、民主党側から見れば、第二次世界大戦以降、最も議席差が少ない連邦下院ということになっている。

連邦下院少数党(共和党)幹事ステイ―ヴ・スカリス連邦下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は全米を駆け回って再選を目指す現職たちのために応援演説をしていた。スカリスは本誌の取材に次のように答えた。「今回の選挙で私たちは接戦の選挙区において多くの議席を獲得したことで、多くの人々に衝撃を与えることができました。しかし、私たちはこれからもやらねばならないことがたくさんありますが」。

スカリスは続けて「私たちが接戦で敗れた選挙区においても素晴らしい候補者たちがいるということを既に伝えられています」と述べた。

共和党指導部は2022年の中間選挙について楽観的になることを戒めていると述べている。彼らは現在の状況について良くなっていると感じているが、連邦下院で過半数を奪還するためにはこれからも戦い続けねばならないだろうと述べている。

トム・エマー連邦下院議員(ミネソタ州選出、共和党)は連邦下院共和党の選対委員長を務めたが、共和党は今回の選挙で予想を超える結果を得たが、連邦下院で過半数を奪還できなかったことについては「失望している」と述べた。

共和党全国選挙対策委員会(The National Republican Campaign CommitteeNRCC)委員長エマーは、議席増を当然のこととは考えておらず、過半数奪回に目を向ける必要があると述べている。また、2018年の中間選挙で民主党側の攻勢によって民主党が基盤を築いた選挙区での議席獲得のための道筋はあるとも述べている。

共和党はマイアミで複数の議席を獲得し、失うと予想されていたテキサス州での複数の議席を維持した。しかし、エマーはアリゾナ州、ミシガン州、ニューハンプシャー州、ペンシルヴァニア州の各州で逆転できる可能性があったと述べている。

エマーは本紙の取材に対して次のように述べた。「今回の選挙で私たちがいささか成功したが、これは偶然の産物ではないということを共和党全体が理解しなければなりません。私たちは努力を続けたので、成功するだろうと言われていました。これからも挑戦は変わりません。より努力をしなければなりません」。

エマーは「人々がどんなことを言っても、簡単なことではないのです。世論調査の専門家や予言者の言うことなど聞きません。選挙の結果は全て候補者たち次第なのです。幸運は自分の力で引き寄せねばならないのです」と述べた。

エマーは、共和党が強力な、そして多様性のある候補者たちを登用したことと、民主党内の分裂によって、共和党が民主党の有名議員たちを落選させることができたと述べている。今回の選挙で民主党側は中道派の議員たちが多く落選した。エマーは、共和党全国選挙対策委員会の戦略として、民主党側の進歩主義的な政策を際立たせながら、接戦の選挙区に照準を定めるという戦略を採用するとしている。

エマーは「穏健派・中道派は残っていません。話は変わりますが、民主党がナンシー・ペロシを議長にとどめるならば、それは私たち共和党にとっては悪いことではありません」と述べた。

連邦下院民主党は水曜日、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)をこれからの任期2年間、民主党のトップに据え続けることに決定した。ペロシは1月の全連邦下院議員からの投票で、過半数の支持を必要としている。2019年の連邦下院議長選挙で、民主党所属の連邦下院議員15名が反対票を投じたが、来年の議会に戻ってくるのはそのうちの10名だ。民主党は議員の数を減らしている。それでも、ペロシの再選にとっては高いハードルにはならない。

民主党側で議席を失うことになる5から15議席の議員たちの中には、長年議員を務めたヴェテランや注目を集めつつあったスター議員たちが含まれている。それらの中には、マイアミ・デード郡の選挙区から出ており、クリントン政権で保健福祉長官を務めたドナ・シャレイラ連邦下院議員(フロリダ州選出)、スタテン島の一部が選挙区になっているマックス・ローズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)、共和党が優勢な選挙区で15期にわたって議員を務め、連邦下院農業委員会委員長を務めたコリン・ピーターソン連邦下院議員(ミネソタ州選出)が含まれている。

歴史的に見て、ホワイトハウスを握っていない側の政党は中間選挙で過半数を獲得している。民主党所属の連邦議員の中には、2022年中間選挙に向けて戦略を再検討する必要があると述べている。

ある民主党連邦議員は、共和党側の民主党と社会主義を結び付けるメッセージ戦略について、民主党はこれに対して戦わねばならず、ペロシ議長は、こうした攻撃のために劣勢に立つであろう民主党の議員たちの敗北に責任を持つことになる。

この議員は次のように述べた。「私が言いたいのは、2022年の中間選挙において私たちは良い立場にはいないということです。私たちは劣勢に立っているんですよ。ペロシ議長が議長職にとどまるというのは全くもって不公正なことです。彼女はこれから2年間議長職にとどまりますが、その後の2022年、私たちは大惨敗を喫する可能性が高いのです」。

「私たちが10から15議席を失うだけでなく、連邦下院民主党は過半数を失うことにもなるでしょう。2020年の中間選挙は、民主党側では共和党から議席を獲得し、過半数の議席数を拡大する機会にもなるはずでした。しかし、私たちはこの機会を無駄にしました。私たちは2022年に議席数の減少を阻止するための堤防を築くために、2020年の選挙がどれほど重要なのかはわかっていました」。

流れは共和党に有利な方向に流れているようではあるが、共和党は今回の選挙での躍進を当然のことだと思ってはならず、連邦下院での過半数奪回のためにはこれからいくつもの高いハードルを越えていくことになるだろうと気を引き締めている。

連邦下院共和党筆頭副幹事長ドリュー・ファーガソン(ジョージア州選出、共和党)は次のように語っている。「もし現在の流れについて考えるならば、私たちは歴史的な勝利を収めたと言えるでしょう。私たちは民主党の本性を明らかにしました。民主党はこの国を社会主義の方向に進めようとしているのです。しかし、私たちはいささか押し戻すことができました。人々は考えを変え、戦うために外に出ました。そして、僅差で多数となっている人々が、人々をまとめる方法を主張しています」。

ファーガソンは続けて次のようにも述べた。「従って、私たちはより一生懸命に努力しなければなりませんし、資金集め、良い政策作り、メッセージの発信など全てのことに注力し、これまでの2倍努力しなければなりません。私たちはそれができると確信しています。しかし、それはドアを通って歩いていけば自然に手に入るものではなく、私たちは勝ち取りに行かねばならないのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 今回の大統領選挙と同時に連邦上院議員の一部と連邦下院議員の選挙も実施された。連邦下院は2年ごとに全議員に対して選挙が実施される。選挙戦をやりながらの議員活動ということになって大変に消耗する。また、政治家になりたい人にとっては、2年ごとにチャンスが訪れるということで、挑戦しやすい。

 2020年の連邦下院議員選挙では、民主党が共和党から3議席を奪うも、10議席奪われ、共和党は11議席を奪い、3議席を失うということで、差し引きで民主党が222議席、共和党が207議席を確定させ、残り8議席がまだ確定しないという結果になっている。2019年1月から2021年1月までの任期では、民主党が232議席、共和党が197議席、リバータリアン党が1議席、欠員5議席となっていた。民主党は引き続き過半数を確保したが、多くの議席を失ったということになる。連邦上院は、共和党が50議席、民主党が48議席を確定させている。ジョージア州の2議席がどうなるかだが、民主、共和両党で分け合う形となる可能性が高く、そうなれば、共和党が過半数を握ることになる。

 民主党はホワイトハウスを奪還した(仮)と喜んでいるが、その前途は暗いものである。連邦上院は制度上共和党が有利である以上、連邦下院は何としても過半数を確保しなければならない。しかし、2022年の中間選挙で挽回できる可能性は低い。まず、中間選挙では大統領を出している与党の連邦議会での議席は減るのが通常だからだ。これにプラスして、民主党は自分たちの支持基盤とすべき、白人労働者階級とラティーノ系の有権者からの支持を集められていない。そうなれば、次の選挙は厳しいということになる。

 ジョー・バイデンが大統領になっても、彼が直面する課題はトランプ大統領と同じだ。新型コロナウイルス感染拡大を抑えながら、経済も回復させねばならない。ジョー・バイデンが大統領になれば、「自分は新型コロナウイルス感染対策を託されて当選した」ということを理由にして、罰則付きのマスク着用義務化を推進する可能性がある。このようなことが起きれば、「トランプを暴君だのなんだのと言っていたが、バイデンこそが自分たちの生活に介入してくる暴君ではないか」ということで、それこそ、民主党が手放してしまった有権者グループである、白人労働者階級とラティーノ系の激しい反発を招くだろう。

 また、経済対策については、大統領選挙前からバイデンには全く期待が集まっていない。だからと言って何もしない、何もできないということは許されない。しかし、次の中間選挙までに人々に期待に応えることができるかと言えば心もとないということになる。

 「トランプを倒した、やったやった」というバカ騒ぎの後には苦難が待っている。

(貼り付けはじめ)

メモ:民主党は2020年以降の警戒警報に直面している(The Memo: Democrats see warning signs beyond 2020

ナイオール・スタンジ筆

2020年11月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/the-memo/526608-the-memo-democrats-see-warning-signs-beyond-2020

民主党内の最も頭脳明晰な人々の中には警戒警報を受け取っている。民主党は大統領選挙当選者のジョー・バイデンのトランプ大統領に対する勝利を祝っているがそうした中で、警戒警報が出ていることに気付いている。

バイデンは今年の大統領選挙において総獲得票数で約600万票差をつけている。一方、リベラル派の政治専門家たちの中には、民主党にとって予想外の困難をもたらす人口動態学的な動向に当惑している人々がいる。

2つの事実が特に繰り返し述べられている。その2つとは、ラティーノ系有権者たちからの支持が予想よりも弱かったこと、大学教育を受けていない白人有権者たちの間での共和党支持の強さが継続していること、である。

選挙人獲得におけるバイデンの勝利、バイデン306名対トランプ232名は、おおむね満足できる結果であったが、ウィスコンシン州、ジョージア州、アリゾナ州といった激戦諸州で、大変な僅差であった。これらの州では全て1%以下の得票率の差であった。

有権者の間での教育という側面での分断は、民主党にとってマイナスになっている。2012年の大統領選挙でオバマ選対において内部の選挙予測モデルを担当したデータ・エクスパートのデイヴィッド・ショアがこのことを主張している。

ショアは本誌の取材に対して次のように答えた。「大学の学位を持っていない人々の間での支持が全く上がっていない事実は民主党にとって大変に悪い兆候です。それは道徳的な理由からではありません。その理由は、大学の学位を持っていない人々は都市以外の場所に居住し、地方は全ての選挙において人口に比べて多くの代表を出していることなのです」。“

ショアは続けて次のように述べた。「真実は、小選挙区制度であろうと、選挙人制度であろうと、連邦上院議員選挙制度であろうと、地方の各州に対してより議員や選挙人が配分されているということです。従って、民主党の現在の選挙対策のための連合は立法府における力をうまく生み出せないのです」。

大学教育を受けた白人有権者がトランプに対して反対する動きを行い、それが今年バイデンが勝利した主要な理由となった。2016年の時にはヒラリー・クリントンはここで敗れたのだ。

今回の大統領選挙の出口調査の結果、バイデンは白人の大学卒業生の有権者の間で、トランプに3ポイントの差をつけて勝利した。2016年の選挙の時には、ヒラリーは3ポイントの差をつけられて敗北した。

しかし、バイデンは民主党に対する白人の労働者階級の有権者たちからの支持の減少を目立たせた。今年の大統領選挙では、大学の学位を持たない白人有権者の間では、トランプ大統領に35ポイントの差をつけられて敗北した。この差は2016年の選挙でのヒラリーがつけられた差37ポイントよりも少し改善した。

デイヴ・“マッドキャット”・サンダースはヴァージニア州南西部を拠点にして活動している民主党系ストラティジストだ。サンダースは長年にわたり、民主党は地方に住む白人有権者たちから文化的に大きく乖離していると主張してきた。

サンダースは次のように述べている。「いつもいつも、“おいおい、田舎の奴らはまたまた自分たちの経済的利益に反する投票をしているぜ”ってことばかり聞く。しかし、どうしてそういう行動を取るのかについて誰も語ろうとはしないんだ。田舎の人たちにそのような行動を取らせる強力な利益が存在する。それが文化なんだよ」。

サンダースは、古い「ブルー・ドッグ」民主党員を例に挙げる。この人々は、「銃所有に賛成で、厚くキリスト教を信仰している」人々だとサンダースは定義している。このブルー・ドッグ民主党員がアイオワ州に多くいたならば、選挙に弱い、共和党所属の連邦上院議員ジョニ・アーンストを落選させることができただろうとサンダースは語っている。アーンストは選挙戦序盤の各種世論調査の結果、挑戦者のテレーザ・グリーンフィールドを追いかける展開であった。しかし、その後に差をつけ、最終的に7ポイントの差をつけて勝利した。

ラティーノ系の支持が集まらなかったことは、民主党の多くの政治家にとって困難をもたらすことになった。

2016年、トランプはラティーノ系有権者の内28%からの投票を獲得した。これに衝撃を受けた専門家たちが存在した。この数字は2012年の共和党の候補者ミット・ロムニーの数字よりも若干高いものであった。トランプの移民に対する厳しい言葉遣いにもかかわらず、数字が良かったのだ。今年の選挙ではトランプはこの数字をさらに上げ、32%の投票を獲得した。

メディアの関心はフロリダ州に集まった。フロリダ州の中で最もキューバ系アメリカ人の多いマイアミ・デード郡におけるバイデンの得票数は、4年前のヒラリー・クリントンの3分の1であった。

一方、トランプ大統領はテキサス州内のメキシコ国境に沿って存在するラティーノ系が人口の大多数を占める各郡で勝利を収めた。民主党はテキサス州内で連邦下院議員の議席数を増やすことができず、テキサス州下院議員選挙での結果は失望に終わった。

デビー・ムカーセル=パウエルはフロリダ州南部地域で、再選に失敗した民主党所属の女性連邦下院議員2人のうちの1人だ。民主党がラティーノ系からの支持を集められなかったことについて、民主党は「社会主義的だ」というレッテル貼りをされたからに過ぎないという責任転嫁について激しく批判した。

ムカーセル=パウエルは水曜日にツイッターに次のように投稿した。「私たちが敗北したことに関しては多くの要素があった。ラティーノ系を標的にした偽情報の拡散、経済再開に関連して失望し、経済状況を心配する有権者たち、“この人種の人なら民主党に入れるだろう”という人種アイデンティティについての考えを持つ全国規模の民主党といったものだ。ただ単に社会主義に対しての反感だけが理由ではない」。

リベラル派のシンクタンクであるセンター・フォ・アメリカン・プログレスの上級研究員レイ・テイシェイラも同様の分析を行っている。テイシェイラは特に、新型コロナウイルス対策に関連する新たな制限とそれによる経済における結果似た対するラティーノ系共同体内に存在する恐怖感を強調している。

テイシェイラは「ヒスパニック系の労働者階級の人々は経済について大変に敏感であるようです。そのことは民主党にとっては役立ちませんでした。こうした人々は自分たちの雇用、家族、収入、働けるかどうかについて大きな懸念を持ちっているのです」と語っている。

更に広く見て、テイシェイラは続けて、「民主党がヒスパニック系有権者に向けて良いだろうと考えて主張している公約は自分たちが思っているほどには良いものではないのですよ」と述べた。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の大統領選挙選対の上級顧問を務めたチャック・ロッカは、「社会主義」という批判は誇張されたものだったと述べている。彼はフロリダ州のマイアミ・デード郡について「社会主義という言葉はアメリカのある一つの州のある一つの郡で重要でそれ以上ではないと思いますよ」と語った。

ロッカは次のように主張している。民主党は幹部クラスの中に、もしくは民主党と関係のあるスーパーPACの運営の中に、ラティーノ系とアフリカ系の人物が人口比に比べてかなり少ない状況であり、そのことのつけを支払っている状況だ。

ロッカは「戦略的な決定を行う際には、その場所にはラティーノ系もアフリカ系の人は誰もいないのです」と述べている。

トランプの退場が迫っている中で民主党は大いに安堵している。しかし、民主党は、選挙においてより効果的な有権者連合をどのように形成するかについてこれから数カ月間、激しい議論をしなければならない。

進歩主義派の人々の中には、民主党は草の根の支持者たちをより活性化する必要があると主張し、その考えを「基盤を固めて掴もう」というスローガンに集約している。

しかし、他の人々はショアと同様に、この考えにそこまで説得されている訳ではない。

ショアは次のように述べている。「民主党は議論を巻き起こす、挑発的な物事に力を注ぐ傾向があります。民主党は文化的に保守的な人々に投票して欲しいと望むならば、より穏健で、あまり議論を巻き起こさないようにする必要があります」。

ショアは「ほとんどの選挙で勝利しているのはどんな人かを見てみれば、最もうまくやっている人は、ほとんどの場合、穏やかな人物で、そういう人物が選挙に勝利しているのです」と述べている。

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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 

 前回は、「民主党が連邦下院議員選挙に勝利し、トランプは敗北した」という内容の記事をご紹介しました。今回は、「民主党は連邦下院議員選挙に勝利したが、トランプは選挙に勝利した」という内容の記事をご紹介します。

 

 リベラルなメディアとして知られる『ワシントン・ポスト』紙に掲載された記事ですが、アメリカの各新聞にはリベラルから保守まで様々なコラムニストがいて、それぞれの立場から論説を発表します。前回ご紹介したEJ・ディオンヌは同じワシントン・ポスト紙に論説を発表するコラムニストですが、リベラルの立場から書いています。

 

 今回ご紹介する記事を書いたエド・ロジャースはヴェテランのコラムニストで、保守の立場から論説を書いています。同じ現象(2018年中間選挙)をそれぞれの立場からどのように解釈するのか、ということで読み比べると相違点、どこを強調しているのかが分かって面白いと思います。

 

 今回の記事では、民主党は確かに連邦下院議員選挙で勝利したということは事実として認めています。しかし、それは大勝ではなかったし、民主党の躍進を「ブルーウェイヴ(Blue Wave、青い波)」とアメリカのメディアは形容したがそういう青い波など起きなかった、と書いています。民主党が新星、ライジングスターとして期待をかけていた候補者たちは軒並み落選したではないか、という点を強調しています。

 

 そして、今回の中間選挙は、有権者にとってトランプを罰する機会となったはずだが、有権者はそうしなかった、有権者はそうするはずだと述べていた、傲慢な民主党と主流派メディアの言うとおりにならなかったと述べています。そもそもこれまでの中間選挙でも、支持率が低い大統領を出している政党は軒並み議席を減らしていて、今回の結果はこれまでの選挙(大統領の支持率が低い場合)の平均を超えなかったと述べています。

 

 確かに、民主党は30議席以上伸ばし、2010年以来の連邦下院での過半数を確保しました。しかし、何か「勝った、勝った」と大喜びできる雰囲気ではありませんでした。連邦上院では共和党が過半数を確定しましたし、民主党の期待の星は当選できませんでした。

 

 連邦下院で過半数を得たし、2016年の大統領選挙で、それまで民主党支持が多かったのにトランプに投票した地域もある程度回復できた、ということで民主党が勝った、という評価がある一方で、有権者はトランプ大統領に罰を与えなかったという評価もできる訳です。

 

 2020年の大統領選挙に向けては、民主党が厳しい、という評価は民主党内部でも存在します。これからどうなっていくのか、注目していかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は連邦下院議員選挙で勝利した、しかし、トランプは選挙で勝利した(Democrats won the House, but Trump won the election

 

エド・ロジャース筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2018/11/07/democrats-won-the-house-but-trump-won-the-election/?fbclid=IwAR0Uk3gHraxknmvptzUxRHs-JtOA_m__RCkOQfsQg8mrZ-PAz-ZPzcpSTFs&utm_term=.327ea3999bbb

 

火曜日の夜、共和党は完勝という訳にはいかず、また、民主党のブルーウェイヴもなかった。共和党はこれまでの歴史とほぼ全ての人々の期待を裏切った。一方、ビートー・オローク、アンドリュー・ギラン、ステイシー・エイブラムスなどが勝利するという夢想が破れたことで、民主党には失望が残った。民主党進歩派の新たなスターが登場することはなかった。今年の中間選挙の結果の意味を分析するのに数日必要となるだろう。しかし、簡単な分析はでき、その結果は明確だ。民主党は連邦下院で勝利するであろうが、選挙で勝利したのはトランプだ。

 

私が常々述べているように、政治においては、怒ると思われるものが起きることが多い。私が8月の段階で次のように予測した。民主党は連邦下院で過半数を獲得するだろうが、それだけでは民主党支持者のほとんどを満足させられない。今年の中間選挙はトランプ大統領を罰する機会を提供することになったが、傲慢な民主党と主流派メディアが予測したことはほとんど起きなかった。選挙の結果が示しているのは、その重要性が明確になるまでしばらく時間がかかるだろうが、民主党と主要メディアが言っていたことのほとんどは間違っていたということになるのだ。そして2018年の中間選挙が何かを証明するとなると、それは、トランプは強いままであり、トランプは有権者から拒絶すると期待していた民主党と協力者たちはこの人たち自身が否定されることになった、ということだ。

 

民主党は中間選挙のこれまでの歴史や人々の期待の大きさに比べて、うまくやることが出来なかった。大統領を出している政党は、大統領の支持率が50%を切っている場合、これまでの中間選挙において連邦下院で平均して37議席を失った。しかし、民主党はこの平均以上の議席の躍進は望めない状況だ。リベラル派は認めなくないだろうが、トランプ大統領は共和党にとって財産であり、バラク・オバマ大統領は民主党にとっては厄災をもたらす存在であった。

 

より明確に述べよう。有権者たちはトランプを罰するチャンスを得たが、そうしなかった。評論家のほとんどは、今年の選挙では、アメリカ国民とはどういう人たちか、アメリカとはどういう国かということをさんざん語った。それでも、アメリカ国民の多くはトランプを支持したようだ。民主党はトランプのマイナス面を述べるだけで、自分たちの勝利を促すことになると考えた。2018年の中間選挙の結果は、2020年の選挙に勝てると考えるのならば、計画を変更する必要があることを明確に示している。

 

中間選挙というものは、中間選挙はこのようになるという常識にほとんどの場合、従うものだ。大統領を出している共和党は議席をいくつか失ったが、しかし、民主党やメディアの協力者たちが起きるであろうと主張していた、民主党躍進によるトランプ大統領への懲罰とは程遠い結果になった。中間選挙が共和党にとっては悪い結果をもたらす、トランプに対して厳しい目が向けられているということであったなら、ここで疑問が出てくる。火曜日の選挙結果は、トランプが共和党にとっての重荷であるという考えを証明するものであろうか?トランピズムは共和党にとって政治上の重荷だろうか?この疑問に対する答えは、トランピズムはプラスだというものだ。What that says about the GOP and America is unclear. しかし、2018年の中間選挙における目的という観点からすると、トランプは勝利者ということになる。

 

トランプと彼の協力者たちは、ニューヨークとハリウッドのエリートたちが撥ねつけることも戦うことも出来ないアピールを人々にしている。2018年の中間選挙で民主党の注目株となった人々は全て当選できなかった。有権者がどちらに投票するかを決めなければならなくなった時、多くの場合、怒れる左派は人々から拒否され、トランプが利益を得ることになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回の中間選挙は、連邦上院では共和党が過半数を維持、連邦下院では民主党が2010年以来の過半数を奪還、州知事選挙では民主党が善戦という結果になりました。この結果について、「民主党が勝利した、トランプ大統領に“ノー”が突き付けられた」とする記事をご紹介します。

 

 今回の中間選挙では史上初と形容される出来事がいくつか起きました。史上最年少の女性連邦下院議員、史上初のイスラム教徒の連邦下院議員、史上初のネイティヴ・アメリカンの連邦下院議員が誕生することになりました。また、女性の当選者が90名以上を超え、これは史上最多ということです。以下に記事を貼り付けます。


racialdiversityincogress

 

(貼り付けはじめ)

 

●「多様性の勝利? 2018年の中間選挙で歴史を作った5人」

John Haltiwanger

Nov. 08, 2018, 05:30 AM POLITICS

https://www.businessinsider.jp/post-179133

 

大統領選並みの注目を集めたアメリカの中間選挙では、いくつかの歴史が生まれた。

 

議会の構成が大きく変わる以上に、この中間選挙で個人レベルで歴史を塗り替えた5人を紹介しよう。

 

(敬称略)

 

1. アレクサンドリア・オカシオコルテス(29歳) —— アメリカ史上最年少の女性下院議員。

 

アレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)は、今回の中間選挙でアメリカ史上最年少の女性下院議員となった。

 

民主党のオカシオコルテスは、ニューヨーク州14区を代表する下院議員だ。

 

6月の中間選挙の予備選挙で、民主党のベテラン、ジョー・クローリー(Joe Crowley)下院議員に、劇的な勝利を収めていた。

 

今回の中間選挙で勝つ前から、オカシオコルテスの知名度は全国区となっていた。

 

2. ラシダ・トレイブ —— アメリカ史上初のイスラム教徒の女性下院議員2人のうちの1人。

ラシダ・トレイブ

 

ラシダ・トレイブ(Rashida Tlaib)と イルハン・オマール(Ilhan Omar)は、アメリカ史上初のイスラム教徒の女性下院議員となった。

 

トレイブは、ミシガン州13区を代表する下院議員だ。

 

パレスチナ人移民の娘で、ミシガン州初のイスラム教徒の女性州議会議員でもあった。

 

3. イルハン・オマール —— アメリカ史上初のイスラム教徒の女性下院議員2人のうちの1人。初のソマリア系アメリカ人女性下院議員。

投票後のイルハン・オマール

 

116日、ミネソタ州ミネアポリスで中間選挙の投票を終えた民主党下院議員候補のイルハン・オマール。

 

民主党のイルハン・オマールは、難民としてアメリカにやって来た、史上初のソマリア系アメリカ人女性下院議員でもある。

 

ミネソタ州5区を代表する下院議員だ。

 

トレイブとオマールは今年、選挙キャンペーンをともにしたことも。

 

4. ジャリッド・ポリス —— 同性愛者であることを公表している男性として初の州知事に。

ジャリッド・ポリス

 

民主党下院議員のジャリッド・ポリス(Jared Polis)は、コロラド州知事選で共和党候補のウォーカー・ステープルトン(Walker Stapleton)を破り、同性愛者であることを公表している男性として初の州知事に選ばれた。

 

彼は選挙キャンペーン中も、自身の性的指向について気後れすることは全くなかった。

 

5. シャリス・デイビッズ —— 史上初のネイティブ・アメリカンの女性下院議員。

 

カンザス州のシャリス・デイビッズ(Sharice Davids)は、先住民ホ=チャンク・ネーションの出身で、史上初のネイティブ・アメリカンの女性下院議員となった。

 

デイビッズは下院議員を4期務めた共和党の現職ケビン・ヨーダー(Kevin Yoder)を破った。

 

同性愛者でもあるデイビッズは、カンザス州3区を代表する。カンザス州からLGBTQであることをオープンにしている連邦議会議員が出るのも初めてのことだ。

 

(貼り付け終わり)

 

 今回ご詳記する記事では、連邦下院議員選挙で民主党が過半数を大きく上回る議席を獲得したことが、トランプ大統領に対する「ノー」の声を表しているのだ、というものです。このブログでもご紹介していますが、連邦上院は各州2名ずつが選出されますので、人々の数ではなく、場所、州を代表するということになっていて、地方の州は共和党が押さえている状況で、共和党が有利な状況が続いています。

 

 また、人種差別などに人々の不満を逸らせるというやり方は機能するが、今回の選挙ではそうしたトランプ流の手法の限界を露呈したということも今回ご紹介する2本の記事で書かれていることです。民主党はそうした問題よりも、医療(オバマケア)や経済問題を中心に訴え、共和党はトランプ流に引きずられ、人種問題や移民問題を訴えるということで、偏った選挙戦になり、うまくいかなかったという分析もあります。

 

 連邦下院議員選挙での大勝はありましたが、民主党内部には問題が山積しています。2016年の大統領選挙以来の党主流派、体制派と、民主社会主義者系との分裂は続いたままです。また、2020年の大統領選挙に向けて、有力候補者が出ていない、名前が30名上取り沙汰されているというのは、有力な候補者がこの時点でいないということを示しています。来年にはもう大統領選挙に向けて動かねばならない時期にこれでは民主党は厳しいと言わざるを得ません。そして、ヒラリー・クリントンの再出馬という話も出てしまって、これではトランプ大統領、共和党を利するばかりです。トランプ大統領としては、再選に向けて、ヒラリーが出てくれないかな、それなら楽に戦えるのに、くらいに思っていることでしょう。

 

 今回の中間選挙、民主党は連邦下院議員選挙で勝利、州知事選挙でも善戦でしたが、決して楽観はできない状況にあります。

 

 

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプはどのようにして中間選挙で敗北したか(How Trump lost the midterms

 

EJ・ディオンヌ・ジュニア筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/opinions/how-trump-lost-the-midterms/2018/11/07/55f124d6-e2c8-11e8-8f5f-a55347f48762_story.html?utm_term=.39373081cfed

 

2018年の中間選挙はトランプを中心とする連合の破壊の始まりとなった。

 

トランプ連合はまだまだ機能している。いくつかの州での結果は失望するものであった。そして、トランプ大統領の共和党の掌握は強化された。しかし、アメリカ国民の大多数は、分裂を助長する、自国中心的な政治を拒絶した。民主党は古くからの工業地帯の有権者に対するトランプ大統領の掌握に衝撃を与えた。勝利した女性候補者たちはアメリカ史上最も多い数となった。

 

反トランプ運動の唯一の最重要の目的は、共和党のワシントン支配を打ち破ることだった。民主党は、連邦下院で過半数を獲得することで、この目的は達せられた。開票作業はまだ継続しているが、民主党は30議席以上躍進するだろうと見られている。30台中盤から後半まで行く可能性もあると見られている。

 

長期的に見て重要なことは、民主党の候補者たちが獲得した得票数がこれまでになく大きいものとなったことだ。カリフォルニア州の集計はまだ行われているが、民主党が共和党につけた得票数の差は1994年、2010年、2014年の共和党躍進の波の時よりも大きくなるだろう。連邦上院は約3分の1の議席が選挙となり、連邦下院は全議席が選挙となった。従って、連邦下院議員選挙への投票は、トランプ大統領に対する不満を示す指標となる。

 

ブルーカラー(労働者)が多く住む州や郡で民主党は大きな成功を収めたことは大きな現象となった。こうした地域では、2016年の大統領選挙で、人々はもともと民主党支持だったのにトランプに投票し、彼を当選させたのだ。

 

民主党はオハイオ、ペンシルヴァニア、ウィスコンシン、ミシガンの各州で連邦上院議員の議席を保持した。各州は2年前のトランプ勝利にとって重要な州であった。民主党はウィスコンシンとミシガンの州知事選挙で現職の共和党を破り、ペンシルヴァニアの州知事選挙では地滑り的勝利を収めた。民主党は共和党から7つの州知事の座を奪った。バラク・オバマ大統領時代の中間選挙での悲惨な結果から取り戻すことになった。

 

共和党所属のウィスコンシン州知事スコット・ウォーカーは州教育長トニー・エヴァースに敗れたことは大きな出来事であった。保守運動の権化であるウォーカーはリコール運動を乗り越え、何度も危機を乗り越え、何度も生まれ変わったように見えるほどであった。ウォーカーの敗北は火曜日の中間選挙におけるより大きなメッセージの一部である。エヴァースを含む中間選挙の民主党の候補者たちの多くは、共和党のイデオローグたちに対して、現実的な問題解決者として勝利した。このような民主党候補者たちを元アイダホ州知事トム・ヴィルサックは「言葉遣いは穏やかだが考えは進歩的」と描写した。

 

エヴァースは前回の選挙で共和党に支持を移したウィスコンシン州南部の各郡を取り戻した。

 

労働者の町ヤングスタウンを含むオハイオ州マホニング郡は、2016年の選挙で反民主党的な党派移動を起こした場所の一つであった。2012年の大統領選挙でオバマは63%の得票を獲得した。しかし、2016年の大統領選挙ではヒラリーは50%以下の得票しかできなかった。今年、民主党の連邦上院議員シュレッド・ブラウンは60%を獲得し、2012年の結果に大変近くなった。州知事選挙では、民主党の候補者リチャード・コーディは結果として敗北したが、マホニング郡では55%を得票した。

 

同様な民主党に対する動きはペンシルヴァニア州エリー郡でも起きた。ここでオバマは58%、ヒラリー・クリントンは47%をそれぞれ得票した。火曜日、民主党所属のペンシルヴァニア州知事トム・ウォルフは60%、民主党所属の連邦上院議員ロバート・P・ケイシー・ジュニアは58%を得票した。

 

このような変化は、民主党が医療、教育、インフラ(社会資本)、その他の経済問題について集中して選挙運動を行ったことで起きた。2018年の選挙はオバマケアの大勝利を象徴することになるだろう。これは4年前と6年前の選挙で民主党を敗北に導いた医療費負担適正化法(オバマケア)が現在ではアメリカ国民が医療府負担に関してアメリカ政府に求める最低限の水準になったことを示している。

 

民主党にとっては残念なこともあった。フロリダ州知事選挙に民主党の候補者として出馬したアフリカ系アメリカ人のアンドリュー・ギランが共和党の候補者となったロン・デサンティス連邦下院議員に僅差で敗れたのは特に残念なことであった。ギランは人種の融和を訴えたが、デサンティスは極右過激派との関係を公にするような人物であった。

 

トランプは水曜日に中間選挙後の記者会見を行った。トランプは予想通り、連邦上院における共和党の躍進を称賛し、これらの勝利は自身の選挙運動のおかげだと自画自賛した。しかし、ノースダコタ、インディアナ、ミズーリといった保守が強い各州での勝利はトランプ戦略の限界を示している。トランピズムは激戦州と穏健な郊外に住む、教育水準の高い女性といった有権者たちからは後退しつつある。 そうした中で、共和党はトランプのイメージにより縛られるようになっている。

 

保守地盤に集中する以外に方法はないということをトランプは示している。より穏健な共和党の政治家たちを敗北に導いた過激主義を唱えるトランプ大統領は、記者たちを前にして、トランプと距離を取るという賢い選択を行った共和党の候補者たちを罵倒した。

 

トランプは強硬な主張を続けた選挙運動の結果に対して責任を取るのではなく、選挙に敗れた共和党の候補者たちは自分に頭を下げることを拒否したために敗北したのだと主張した。このような発言は民主党に連邦下院の過半数を任せた種類の有権者たちを遠ざけるものである。

 

民主政治体制は長い時間を必要とする試みである。民主政治体制には関与と寛容が必要である。火曜日の中間選挙は政治をひっくり返すことはなかった。しかし、中間選挙は、私たちの国を正しい方向に勧めるための長い道のりの第一歩となるだろう。

 

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中間選挙によって暴露された厳しい事実(The Harsh Truth Exposed by the Midterm Elections

―アメリカの伝統に立ち向かうのはトランプではない。トランプを止めようとしている、完全ではない勝利を収めた人々こそがアメリカの伝統に立ち向かっている。

 

ピーター・ベイナート筆

2018年11月7日

『ジ・アトランティック』誌

https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2018/11/trump-and-harsh-truth-exposed-midterms/575128/

 

火曜日の中間選挙の結果から出てくる物語は次のようなものとなるだろう。2つのアメリカの潮流は更に離れている。共和党は、2016年の大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した各州から民主党を追い出すことで、連邦上院で過半数を獲得し、拡大させた。民主党は2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝利した各選挙区から共和党を追い出すことで、連邦下院で勝利を収めた。次期連邦議会で、民主党はよりリベラルな姿勢を取るだろう。共和党はより保守的な姿勢を取るようになるだろう。トランプに対して曖昧な態度を示していた連邦議員の大多数は議会に戻ってこないだろう。

 

しかし、アメリカは深く分裂してしまってはいるが、民主党と共和党は全く別の方向を向いて分裂を深めていたことは記憶しておくべきだ。民主党は今年の中間選挙でより多くのアフリカ系アメリカ人と女性が候補者として立候補し、共和党の候補者の多くが移民とブレット・カヴァナーについて選挙運動を行った。その結果、今回の中間選挙については文化戦争だと形容したくなる状況になった。これは誤っている。文化戦争は一方の側ばかりで戦われている。民主党の候補者たちは人種と性別の多様性を体現していた。しかし、この人たちは多様性を中心にして選挙運動を行わなかった。民主党の多様な候補者たちは中間層のセイフティーネットを守るというメッセージを発した。民主党側はバラク・オバマを出さなくても、オバマケアは人々の支持を集めているということに気づいた。『ニューヨーク・タイムズ』紙のアレックス・バーンズが書いているように、民主党の選挙運動は次のように要約できる。「名詞、動詞、既往歴(訳者註:オバマケアでは既往歴を理由に保険加入を拒否することが出来ない)」ということになる。

 

共和党は大きな後退と妥協を行った。2010年にオバマケアに対して激しく反対したのに、今年の選挙では、共和党はオバマケアの主要な点を支持するかのように振舞った。アリゾナ州では、共和党の連邦上院議員選挙候補者マーサ・スカリーは「既往症も保険適用となるように保険会社に強制するための戦いを主導する」と発言した。ミズーリ州では、共和党のジョシュ・ハウリーも同様のことを訴えた。

 

以前は、民主党は経済上の安全について選挙運動を行っていたが、この時共和党は経済上の機会について選挙運動を行っていた。民主党は政府による保護を公約した。一方、共和党は政府からの自由を公約した。しかし、2012年にミット・ロムニーとポール・ライアンが使ったリバータリアニズム的な、大きな政府に反対する言葉遣いは全くなくなってしまった。経済が好調なのにもかかわらず、共和党は減税を主張することすらなかった。

 

トランプ政権下、共和党は経済的な安全の代わりに、文化的な安全を前面に出している。トランプ大統領は、南米からやってくると殺人者たちと、性的暴行を告発することで男性の生活を台無しにする女性たちから、アメリカ国民を守ると公約した。この公約は、ある程度機能した。地方の白人という支持基盤を動員することで、フロリダ州とオハイオ州のようなパープルステイト(激戦州)において民主党の攻勢に対抗し、ノースダコタ州、インディアナ州、ミズーリ州のようなレッドステイト(共和党優勢州)において民主党の現職連邦上院議員を圧倒することが出来た。これは古くからあるやり方が成功した具体例なのだ。WEBデュボイスはこれを「心理的な報酬」と呼んだのはよく知られている。経済的苦境から白人たちを救う代わりに、白人たちの中にかき立てられる悪魔のような違う人種の人々から守るということを訴えるのだ。そして、トランプはこの古くからのやり方の達人であることは議論の余地がない。多くのアメリカ国民が医療を受けられないという恐ろしい状況にあるのに、トランプはフォックスニュースの助けを借りながら、ホンジュラスからの難民希望者たちの脅威を奏した人々に感じさせることが出来るということを理解していた。選挙が終わってしまえば、難民希望者たちの様子はフォックスニュースの画面から消え去り、トランプにとって再び必要になるまで、彼のツイッター上で言及されることもなくなるのだろうと私は推測している。

 

厳しい事実は次のようなものだ。人種差別は多くの場合機能する。経済的な正義を求める人種の違いを超えた連合の出現は、アメリカ史上における例外的な現象だ。自分たちの人種的な優越を守るために白人を動員することは当たり前の現象であった。2018年の中間選挙から得られる教訓は、アメリカ政治は「当たり前」に戻ってはいないということだ。多くの点で、トランプ大統領を中心とする政治、トランピズムはアメリカの当り前の現象そのものである。そうしたアメリカの伝統に立ち向かうのはトランプではない。そうしたアメリカの伝統に立ち向かうのは、トランプを止めようと勇敢に立ち上がったが、完全な成功までは収められていない人々なのである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は、『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載された、選挙制度を巡る論説記事の内容をご紹介します。簡単に言うと、一人区制では有権者の意向を適切に反映できない、ということです。内容は箇条書きにしてご紹介します。

 

 一人区制度(日本では小選挙区制)の場合、死に票がたくさん出ます。立候補者が2人出て、得票率50.1%と49.9%だった場合、49.9%の得票を得た人物は当選とはなりません。これは言い換えると、こちらの候補に投票した有権者は自分たちの代表を送れないということになります。小選挙区制は勝ち負けがはっきりし、第一党が過半数を取りやすいので(得票率よりも大きな議席の割合を占めることになる)、「決める」政治、即断即決の政治が起きやすくなります。

 

 日本でもこの小選挙区の良い点が強調され(強調されすぎて)、1990年代からの政治改革論議では、小選挙区制と二大政党制が目指されるべき理想像とされてきました。しかし、現状を顧みると、果たしてそれが良いことなのか、2009年の民主党の大勝が起きて以降の動きは、健全な民主政治体制にとって良いことなのかどうかということは疑問です。

 

 日本が目指すべき理想像とされたのがアメリカでした。しかし、アメリカでは、最近の党派争いの激化、分極化による衝突、二大政党間のコミュニケーション不足と過度な対立、に対して、現状を何とかしなければという声も出ています。今回ご紹介するニューヨーク・タイムズ紙の論説もその一つと言えます。

 

 現在のアメリカは、各州がそれぞれレッドステイト(共和党優勢州)、ブルーステイト(民主党優勢州)に分かれていがみ合っていると伝えられています。しかし、レッドステイトにだって民主党支持者が多くいますし、逆もまた然りです。しかし、そうした人々の声が反映されない、代表を送れないということは、健全な民主政治体制にとって脅威ではないのか、こうした人たちの代表も議会に出ることで、有権者の政治参加の意欲が高まり、結果として、民主政治体制は存続できると述べています。

 

 以前にご紹介した記事でも述べられていますが、選好投票(RCV)という投票方法が、今回の記事でも紹介されていました。これについては以下の記事の内容の箇条書きを読んでいただきたいと思いますが、なかなか興味深い制度です。

 

 現在、日本でも、社会にある多様な声をより適切に反映させる、代表制に基づいた民主政治体制について、その実現に向けて考えるべきだと思います。平成という時代は、政治改革ということに狂奔し、その結果として、果たして望ましい民主政治体制になっているのかどうかということを考える必要があります。

 

 第一党が得票率よりも多い議席占有率となるような制度、その結果として、スイングが激しい制度が良いとは私は思いません。それは、横暴な多数党を生み出し、尊重すべき少数派を嘲笑するだけのことになってしまう、それは健全な民主政治体制とは言いません。

 

 そう考えると、いろいろとありましたが、昔のように中選挙区制に戻すことや比例代表制の導入を検討してみる(シミュレーションをしてみる)のは、議論のスタート地点になると思います。

 

(貼り付けはじめ)


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・ニューヨーク市から共和党所属の連邦下院議員がいなくなった。50万人の共和党支持者は見えない存在になる。

・アーカンソー州には多くの民主党支持者がいるが、民主党所属の連邦下院議員は出ていない。有権者の3分の1以上は民主党に投票しているのに。

 

・これは政治における平等と公正な代表の問題ということになる。連邦上院は民主的ではない制度設計になっていて、人口に関係なく、各州2名ずつが代表となる。しかし、「人々の議院」である連邦下院は、人々の政治的な志向の構成をできるだけ正確に反映すべきではないか?

 

・アメリカ全体で、少数派となった政党に投票した人々が一様に権力から締め出されていると感じるのには単純な理由が存在する。それが一人区制である。

・連邦下院の435ある選挙区は1人によって代表される。その1人は勝利者総取りの選挙で選ばれる。

・極度に分極化した、地理的に分裂し、ゲリマンダーが行われている時代、一人区制はアメリカの代表制民主政治体制の健全性に対する脅威となっている。

 

・一人区制のほとんどの人たちは、何か問題があると考えながらも、疑問を持っていない。

・複数人区制を州議会議員選挙などで採用している州もある。

 

・『ニューヨーク・タイムズ』紙では、全国の選挙区を再構成し、これまでの投票結果を当てはめてみた。

 

・マサチューセッツ州を例に挙げる。ここには9つの選挙区がある。3分の1強の有権者が共和党支持だ。もし完全な代表制システムであれば、9議席のうち3議席は共和党が占めることになる、

・しかし、マサチューセッツでは1994年以降、共和党所属の議院は出ていない。それはどの選挙区でも共和党が過半数の得票を獲得できていないからだ。

 

・選挙制度改革を求める「フェアヴォ―ト」によると、1つの選挙区の最適な当選者数は5であるが3でも機能する。そこで、マサチューセッツ州を3つの選挙区に分けて、それぞれ3名の当選者が出るとする。

 

・新しい選挙区と当選者数だけでは問題は解決しない。民主党は全ての選挙区で過半数の投票を得ているからだ。

・解決策として選好投票(ranked-choice votingRCV)を加える。

・選好投票は、立候補している候補者たちを好きな順にランク付けしていくというものだ(A候補:1、B候補:2、C候補:3・・・)。複雑そうだが、いくつかの自治体選挙で採用されている。

・選考投票では、選挙区の定数まで各党の立候補が認められる。マサチューセッツ州の例では、共和党3名、民主党3名、第三党からの立候補が認められる、有権者は好きな順に上位3名までに投票する。

 

・ここでもう一工夫が必要だ。それは複数人区制では、一つの選挙区でそれぞれ異なった視点と考えを公正に代表することが成功ということになる。

・そこで当選者が出るように1人の有権者が必ず3票を投じる必要がある。

・定数3の複数人区の場合、候補者たちは25%以上の得票で当選、定数5の場合は、17%以上の得票で当選となる。

 

・ここまでのことをマサチューセッツ州に当てはめ、過去の投票結果も入れてみる。

・共和党は3つの選挙区でそれぞれ1議席を獲得するという結果が出た。9議席中、3議席は共和党が獲得するという結果になった、これはマサチューセッツ州の共和党支持者の割合をだいたい反映している。

 

・これはそのほか多くの州でも機能すると考えられる。「フェアヴォ―ト」の計算では、全ての州で選挙区を再構成し直すことが出来るが、7つの州では一人区制となってしまう。

・アメリカで定数3以上の複数人区制を採用すれば、一つの選挙区から2つの大政党が代表を出すことができるということになる。

・アメリカは多くの人々が考えているように、政治的に分離している訳ではない。

・そのように見えているのは、ゼロサム、勝利者総取りの選挙制度で、政治状況のせいでもあり、各州をレッドステイト(共和党優勢州)かブルーステイト(民主党優勢州)かに過度単純化して色分けしているからだ。


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イリノイ州でのシミュレーション(現在は民主9議席だが、それが民主6、共和4になる)

 

・これが複数人区制を支持する理由となる。複数人区制は全ての政治グループを助けることになる。特に少数派となるグループを助ける。こうしたグループの得票を反映して代表を得られる。

・現在、共和党は大きな「議席ボーナス」を享受している。これは、共和党の全国規模の得票よりも大きな割合の議席を獲得していることを意味している。しかし、20世紀を通じて、民主党が現在の共和党が享受しているよりも大きな「議席ボーナス」を享受してきたという歴史もある。

・アメリカの政治の状況は常に変化しており、そうした中で、政治的な考えが違う人々がそれぞれ公正にかつ偏りなく代表を送れることは、全ての有権者にとってより良いことだ。

 
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テキサス州でのシミュレーション(現在は民主11、共和22が、民主17、共和20に)

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A Congress For Every American

One way to improve the “People’s House”: elect multiple members per district

 

By The Editorial Board

https://www.nytimes.com/interactive/2018/11/10/opinion/house-representatives-size-multi-member.html

 

Last Tuesday, Dan Donovan, the Republican congressman from Staten Island, lost his seat to his Democratic opponent, Max Rose. With his defeat, there won’t be a single Republican lawmaker in the nation’s capital speaking for anyone in New York City come January. More than half a million registered Republicans live in the five boroughs, but as far as Congress is concerned, they might as well be invisible.

 

If that doesn’t spark your outrage, consider the plight of the hundreds of thousands of Arkansas Democrats who can’t elect a representative to Congress, even though they account for more than a third of the state’s voters.

 

No matter your partisan leanings, examples like these strike at basic notions of political equality and fair representation. Sure, the Senate is designed to be undemocratic, awarding two votes to every state regardless of population. But shouldn’t the House of Representatives — the “People’s House,” after all — reflect the political makeup of the country as accurately as possible?

 

And yet across America, even sizeable communities of minority-party supporters regularly find themselves locked out of power for a simple reason: Single-member congressional districts. Each of the House’s 435 districts is represented by one person, chosen in a winner-take-all election. It may sound wonky, but in our hyperpolarized, geographically clustered and gerrymandered age, single-member districts have become a threat to the health of America’s representative democracy.

 

Most people don’t question the wisdom of voting for only one member per district, if they think about the matter at all. But there’s nothing special or preordained about it. In fact, the alternative — districts that send multiple members to Congress — was the norm at the nation’s founding. Nine states still use multimember districts to fill at least one state legislative chamber, and four — Arizona, New Jersey, South Dakota and Washington — elect all their state lawmakers this way.

 

How would it work in practice? To find out, we enlisted software developer Kevin Baas and his Auto-Redistrict program to redraw new multi-member congressional districts for the entire country. Then we used historical partisan scores to determine which party would win each district.

 

Take a look at Massachusetts, which has nine congressional districts. A little more than one-third of the state’s voters vote Republican, so in a perfectly representative system, three of those seats would be held by Republicans. But Massachusetts hasn’t sent a Republican to Congress since 1994, and for a simple reason: Republicans don’t make up a majority in any single district. That’s where multimember districts come in.

 

According to FairVote, a group that advocates for electoral reforms, the optimal number of members in a district is five, but three works, too. So Massachusetts could divide its nine seats into three districts of three members each. (The district lines would need be redrawn, of course, to comply with the one-person-one-vote requirement, and federal laws like the Voting Rights Act.)

 

By itself, these new districts wouldn’t solve the problem. Democratic voters would still dominate in every district and prevent any Republicans from being elected. The solution is to elect members through ranked-choice voting, a process in which voters rank listed candidates in order of preference. This sounds complicated in theory, but it works smoothly in practice — ranked-choice voting is already used in cities around the country, and in all statewide races in Maine, without trouble. In multimember districts, each party is allowed to run as many candidates as there are seats, so in the Massachusetts example, voters would get a ballot that included three Democrats, three Republicans, plus a few other candidates from any third parties that were able to field them. Voters would then vote for three candidates, in order of preference.

 

One more tweak is necessary: Because a successful multimember district is one that fairly represents the different viewpoints in that district, you need to mathematically mandate vote thresholds that will guarantee winners. In a three-member district, each candidate would need to win more than 25 percent to be elected. In a five-member district, the number is more than 17 percent.

 

Applying this to Massachusetts, and assuming that residents vote in line with past voting, Republicans would be assured of winning one seat in each district, for a total of three of nine congressional seats — roughly the proportion of Republican voters in the state.

 

That’s what fair representation looks like, and it would work for most states. By FairVote’s calculations, it’s possible to draw multimember districts in all but the seven states that have only one representative. The remarkable thing is that every district in the country with three or more members would have representatives from both major parties. In other words, America isn’t as politically segregated as most people think; it only looks that way because of our zero-sum, winner-take-all elections and the political maps that reflect them, portraying vast sections of the country as entirely red or blue.

 

This is the main reason to favor multimember districts: They can help all political groups, especially those in the minority, get represented in rough proportion to their share of the vote. Right now, for example, Republicans enjoy a significant “seat bonus” in Congress, meaning they win more seats than would be expected based on their share of the national vote. But throughout much of the 20th century, the situation was reversed, and Democrats often had an even bigger bonus. The reasons for these bonuses vary, but the point is that the American political landscape is always shifting, and it’s better for everyone if the ground rules for representing our political differences are as fair and unbiased as they can be.

 

複数人区制には他の利益もある。それは一つの選挙区から複数の政党が代表をしていると、ある党によって自党が恒久的に力を得るような、自党に有利になる選挙区の策定、ゲリマンダーを行うことが困難になる。

・州レヴェルの選挙の経験から、複数人区制になれば女性やマイノリティがより多く当選するということも分かっている。

Multimember districts offer other important benefits, too. When three or five members of Congress all represent the same district, it’s much harder for politicians to gerrymander themselves and their party into permanent power. And experience from the states shows that more women and minorities get elected in multimember districts.

 

・複数人区制を実施するにはどれくらいのハードルがあるか?まずは複数人区制を禁止した1967年の選挙法を改正することから始まる。

・当時、南部各州の白人たちが、投票権があることが確定し守られるようになったアフリカ系アメリカ人たちの投票における影響力を削ぐために複数人区制を悪用するのではないかという懸念があった。

・しかし、こうした懸念は上記の選好投票によって払しょくされる。

・連邦議会は、昨年連邦下院に提出された公正代表制法案に書かれている内容を含む改革を行う。

How easily could all of this be done? For starters, Congress would have to reverse a 1967 law prohibiting multimember districts. That law was passed at a time when there was concern that southern whites were taking advantage of multimember districts to dilute the electoral power of African-Americans, who had just secured the right to vote. But that problem goes away with the ranked-choice voting system described above. Congress could implement all these reforms, too — as in the Fair Representation Act, which was introduced in the House last year.

 

・都市部、郊外、地方に住む有権者の大多数が、自分が投票した代表を権力の場所に送り込めるようになる。

・こうして党派の違いと同時に妥協することが促進される。選挙区の有権者を代表して、違う党派の代表(議員)たちは協力するようになる。民主、共和両党は現在の状況を改善するようになる。

The result of all this is that the vast majority of voters, whether they live in cities, in suburbs or in rural areas, would have someone in power who represents them. This could help foster bipartisanship and compromise, as members of different parties would need to work together on behalf of their district’s voters. After all, both Democrats and Republicans need the potholes to be fixed.

 

・連邦下院の議席数が増えると、社会における様々な有権者の考えに沿った代表が出る機会が増えるようになる。

Add in a larger House of Representatives, and you increase the opportunities for voters to be represented more in line with their numbers in society.

 

・有権者たちが、自分たちの声は政府に届いていると感じられると、より積極的に政治に参加し、投票するようになり、政治に関与するようになる。

・これが民主政治体制のあるべき姿だ。長期的に見て、これこそが民主政治を生き延びさせる唯一の方法だ。

And that’s the whole point. When citizens feel that their voice is being heard by government, they’ll be more eager to participate, more likely to vote and more politically engaged overall. That’s what a democracy should look like — and in the long run, its the only way a democracy can survive.

 

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