古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:予算

 古村治彦です。

 

 アメリカでは喜ばしいことに、国務省とUSAIDの予算削減をトランプ大統領は提案していますが、予算を決める連邦議会では削減を止めさせようという動きもあります。この動きは民主、共和両党にあります。また、元米軍の司令官クラスの人々も予算削減に反対し、懸念を表明しました。

 

 国務省、USAID、米軍は「世界中にアメリカと同盟諸国に対する様々な脅威が存在する」ということを理由にして多額の予算を分捕ってきました。そして、世界各国の政治に介入し、それらの国々を不幸にしてきました。日本もその中に入っています。日本の場合は、それに加えてお金の貢がされ係をやらされています。米国債の購入と為替市場への介入を通じて日本のお金をアメリカに貢いでいます。

 

 国務省の予算に関しては各国にある大使館や政府機関の出先の保護のために4割以上が割かれ、外交に使われているのが55%だということです。大使館の警備はアメリカ海兵隊が行っていますが、警備に対する予算が増えるということは海兵隊の仕事と予算が増えるということです。ですから、国務省の予算が減らされ、対外活動が減らされると海兵隊の食い扶持が減るということになります。

 

 米軍の大将クラスだった人々が連名で国務省とUSAIDの予算削減に反対しているのは、こうしたこともあってのことでしょう。また、アメリカが対外活動を行えば衝突や摩擦が起き、それを解決するために米軍が出るということになります。従ってアメリカの対外活動が減れば、米軍が今のような巨大な組織である必要もなくなる訳ですが、そうなれば、米軍の食い扶持や予算は減らされるということになります。国務省と米軍は一蓮托生な訳です。

 

 ですが、アメリカは既に力を失いつつあります。いつまでも膨大な数の米軍を外国に置いておくことはできませんし、米軍にかかる莫大な予算を支えられなくなっています。こうして帝国は衰退していくのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

国務省とUSAIDは大幅な予算削減に直面(State Department, USAID Face Drastic Budget Cut

-民主、共和両党が政府予算における妥協が成立し、政府機関の閉鎖は終わった。しかし、アメリカの外交と国際開発プログラムの予算は削減されることになる。

 

ダン・デルース、ロビー・グラマー筆

2018年2月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2018/02/12/state-department-usaid-face-drastic-budget-cut-congress-military-generals-admirals-warn-against-slashing-diplomacy-budget/

 

国務省と米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development、USAID)は先週民主、共和両党の間で成立した予算をめぐる合意を受けて、大幅な予算カットに直面している。先週の合意によって政府機関の閉鎖は終了した。連邦議会議員たちは税収不足を埋める更なる財源を探して苦闘している最中だ。

 

約88億ドルの税収不足を補うために、アメリカの外交団と国際開発プログラムに対して、1990年代以降で最大の予算削減が課されることになるだろう。与作削減によって国務省の士気の低下が起こり、外交官たちは「ドナルド・トランプ大統領は外交に対して熱心ではないのだ」と認識するようになっている。

 

民主、共和両党の連邦議会議員たちは国務省に予算をつけようと必死になっている。一方、トランプ政権の幹部たちは国務省の予算に関する議論には参加していない、と連邦議会関係者は語っている。

 

国務省と米国国際開発庁(USAID)の予算不足は2018年度、更には2019年度の各事業に影響を及ぼす。連邦議会の指導者たちとホワイトハウスとの間で先週に成立した予算に関する合意によって政府機関の閉鎖の長期化を避けることが出来た。合意は2018年度と2019年度の支出レヴェルを設定することで締結された。しかし、予算に関する合意によって米軍予算は増加したが、海外緊急活動作戦(Overseas Contingency Operations)における非防衛関連予算は削減された。海外緊急対応作戦予算の3分の1はこれまで国務省とUSAIDの予算として供給されてきた。

 

その結果、2018年の政府予算における国務省予算を増額させる方法を探すのに数週間残っていないという状態になった。2019年の予算に関しても同様のことが起きるであろう。

 

一方、トランプ政権は月曜日、2019年の連邦政府予算要求を提出することになる。2019年の予算に関して、ホワイトハウスは国務省の予算を削減するのかどうかは明確になっていない。

 

2018年の外交関係予算が削減される可能性が高いという観測を受けて、151名の退役した将官クラスの高級軍人たちが共同して懸念を表明した。この中には陸軍、海軍、空軍、海兵隊、特殊部隊の司令官クラスだった人物たちが多数含まれている。彼らは、「アメリカの国家安全保障に対する世界規模での脅威が高まっている中で、このような予算削減を行うとアメリカの世界に対する影響力が落ちてしまう」という警告を発した。

 

元将官たちが連邦議会の指導者たちに宛てた書簡の中には、「私たちは現在のような不安定な時代において世界をリードする能力を減退させることはすべきではない」という文言もある。この書簡は「USグローバル・リーダー・シップ・コアリション」という組織によって出された。この組織は、軍部、ビジネス、宗教各界に、国務省とUSAIDを支持することを求めるために活動している。

 

高級将官であった人々は、重要な外交職の多くが空席になっていることに懸念を表明し、また、「アメリカの安全を維持するために国防と共に外交と開発援助を強化することが重要だという確信」を持っていることを表明した。

 

イスラム国が戦場で敗北を喫している状況下で、イラクとシリアにおけるアメリカの外交と両国の再建支援は特に重要度を増している、と元将官クラスの人々は主張している。彼らは次のように書いている。「ISISに対して軍事的に優勢になっているが、疑問なのは戦場で勝ち得た勝利を守る準備が出来ているのか、悪者たちが空白に這いこまなうように防げるかどうかということだ」。

 

国務省の予算を2017年並みに戻すために、連邦議員たちはこれから難しい決断をしなければならないだろう。彼らは国内の他の優先問題と折り合いをつけねばならない。連邦議会両院の予算委員会は、2018年の予算において630億ドルの一任された予算を分割することになるだろう。しかし、約210億ドルは医療研究、対麻薬研究、退役兵士やその他に分野に投じられることになる。

 

連邦上院外交委員会の民主党側幹部委員であるボブ・メネンデス連邦議員(ニュージャージー州選出)は、金曜日書簡を発表した。書簡の中で、メレンデス議員は同僚議員たちに向けて、国務省とUSAIDの予算を現在のレヴェルに回復させるように予算を見直すことを求めた。

 

メネンデス議員は次のように書いている。「アメリカは世界各地で複雑化した多くの問題に直面している。この世界はアメリカの確固とした指導力を必要としている。国際問題に関連する予算はこうした必要に応えるものとならねばならない」。

 

本誌が入手した書簡は、リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とパトリック・リーリー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)宛であった。2人は、国務省の予算を監視する連邦上院歳出小委員会の委員長と民主党側幹部委員だ。

 

予算に関する議論をフォローしているあるロビイストは次のように語っている。「安全保障支援から伝染病や飢饉対策までアメリカは関わっている。これらに関する予算が大幅に削減されるとアメリカの外交と国際援助プログラムに大きな影響が出るだろう」。

 

国務省の報道官は本誌の取材に対して次のように述べた。「国務省は2018年度の超党派の予算案について特定のコメントをする立場にない。私たちは、決定者たちが政府に対する予算の配分をするであろうと認識している」。

 

国務省の予算の中で実際に外交に使われている金額について正確に伝えられていない。世界各地の米国大使館の警護にかかる経費は増大し続けている。この経費は国務省全体の予算の中で割合を大きくしている。司法省、国土安全保障省、その他の連邦政府機関が世界各国にある米国大使館で業務を行っているのがその理由となっている。そして、国務省はこれらの帰還の保護のために予算を使わねばならなくなっている。

 

アメリカ外交協議会のデータによると、2008年、国務省は「外交と領事プログラム」関連予算の17パーセントを警備に使っていた。2018年の予算請求の中で、警備関連予算は「外交と領事プログラム」予算の45パーセントを占めるまでになっている。「外交と領事プログラム」の予算の55パーセントだけが実際の外交に使われることになる。

 

USグローバル・リーダー・シップ・コアリションの会長兼最高経営責任者リズ・シュレイヤーは「アメリカと同盟諸国は様々な脅威に直面している。アメリカ政府は世界から撤退することはできない」と語っている。

 

1年前、トランプ政権は国際問題に関連する予算の30パーセント減額を提案し、元高級外交官や軍人たちから激しく批判された。民主、共和両党の連邦議員たちはこの提案を退けた。

 

シュレイヤーは、連邦議会が今回の大きな予算カットに対して同様の反応をしてほしいと望んでいる。シュレイヤーは本誌の取材に対して、「私は、今度も前回と同様の大きなそして明確な反対の声が上がり、国務省とUSAIDに対して超党派の支持があるものと考えている」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

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 古村治彦です。

 

 日本では高等教育(大学や短期大学)への進学率が57%くらいになっています。アメリカは74%になっています。アメリカでは大学に進学し卒業しても、大学教育や学士号に見合う職業に就けない人たちが出て来ているという問題が起きています。ある調査では、アメリカのタクシー運転手の15%が学士号を保有しているという結果が出ています。

 

 また、「職業内容の高度化、専門化」ということも言われており、日本では小中高の先生に教員免許だけではなく、大学院教育で修士号や博士号を取得させようという動きなどもあります。できるだけ長い時間教育を受けさせ、専門知識や技能を得させようという動きがありますが、大学側から見れば、ある職業を志望する場合に、専門教育を受け、資格を必要とするとなると、学生を確保し、学費などを確保することが出来るというメリットがあります。そして、大学教員や大学職員の生活を保障するということになります。これは当然のことです。

 日本は経済成長のないデフレ状態となって久しく、様々な物価が下がっていく中で、大学の学費は上昇していきました。それでも大学教育は将来への投資と思って親御さんたちは食べるものも食べないで、子供たちを大学に出しました。しかし、将来が不安定中で、このような我慢が実を結ぶのかどうか、不安な状況です。そうした中で、大学教育がこうした人々の弱みに付け込んで、人々のお金を食い物にしたという側面を大学側も反省しなければなりません。そうしなければ、大学は社会の中で人々の恨みを買い、生き残ることはできなくなります。

 

 大学教育に関して、「そんなのいらない」という人たちに対して、大学としては志望者や入学者を減らしたくないので、「大学で受けた教育は無駄になりません」「教養は人生を豊かにしてくれるものです」と反論します。しかし、そうした主張が本当かどうかはそれぞれの人たち(大学側と学生、卒業生側)の主観なので難しいところです。また、今回ご紹介する記事の最後にあるように、大学側が大学教育に対して懐疑的な主張に対して、「そんな主張は大学教育に恨みを持っている人たちには魅力的でしょうね」という見下した態度のままで、大学教育に対する懐疑論を自分たちで真剣に検討し、研究しなければ、懐疑論に対する有効な反論を生み出すことはできないでしょう。

 

 日本では長らく、大学のレジャーランド化が言われてきました。「難関大学に入って遊びほうけてもらって構わない。卒業後に入社した会社で一から叩き直すから。下手に理屈っぽくなられても困る」というのが日本の方式でした。しかし、今は「大学時代に実戦的な技能を教えておいてもらいたい」という要求が企業からも出るようになっています。大学教育もそうした要求に応えて、「実践的」な教育をしなければならなくなっていますが、「実践的」の内容が曖昧です。ビジネスマナーやパソコンの技能といったものを教えることが実践的なら、何百万円もかけて大学に行く必要があるのかどうか、ということになります。

 

 学問は世の中に役に立っているのか、ということを学問の側からももっと上から目線ではなくアピールするようにしなければ、ますます「実学」志向が進み、人々の共感を得られなくなるように思います。「自分はお客を選ぶ」「自分のやっていることは世界レヴェルで貴重なことだ、分からないアホがダメなんだ」という態度では社会的な営為である学問を縮小させることになるのではないかと思います。

 

 結局、大学進学ということは、学位を取得して、「私は難しい試験に合格して、大学も卒業できました。だから知能が高いのです」ということの証明、シグナルということになります。専門職以外の場合は特にその傾向が強まります。一枚の学位記をもらうために生活費を含めて数千万円をかける、ということが現状になっています。

 

 大学教育や教育は、受ける側からすれば「人生の成功が人質に取られている」という感覚で捉えられてしまうので、高い教材や高い制服などについても「仕方がないか」ということで、不満に思いながらも、唯々諾々と支払ってしまいます。有名私立大学の付属小学校などでは入学時に数百万円の寄付金なんて話も聞きますが、「これで有名大学の学位が保障され、自分は金持ちだという証明がなされるのなら安いものだ」ということになります。私たちは教育の奴隷、人質になってはいないかということを考えてみることも必要ではないかと思います。

 

 子供たちに教育を全く受けさせないというのは虐待ですし、社会を破壊する行為ですから許容できません。しかし、大学に行くことが人生に落伍しない最善の方法だという考えもそれが本当なのかどうかということも時に疑ってみるということも必要なのだろうと思います。それでも多くの人たちは、「大学に行かなければ社会的に恵まれた生活はできない」という考えを変えないでしょう。

 私は大学教育と実学志向を何とか調和させる方法を大学側が考えてみるということが重要ではないかと思います。そして、これに成功した大学が21世紀以降の日本の名門大学になっていくのではないかと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

学校の中で40年間を過ごした経済学者がトランプ政権にのぞむのは教育予算の削減だ(Economist who spent 40 years in school wants Trump administration to spend less on education

 

2018年2月13日

『マーケット・ウォッチ』

https://www.marketwatch.com/story/economist-who-spent-40-years-in-school-wants-trump-administration-to-spend-less-on-education-2018-02-12?mod=sm_fb_post&link=sfmw_fb

 

最新刊『教育に対する反論』の中で、ブライアン・カプランは公的な教育の利益について反対の意見を述べている。

 

彼もまた私たちと同じく、生徒・学生であったが、今は教授だ。しかし、彼は今やアメリカの教育システムにうんざりしている。

 

リバータリアニズムを信奉する経済学者ブライアン・カプランは生徒と先生として教育の中で40年を過ごした。この40年でカプランが行きついた確固とした信念は、「私たちは教育システムに投資するのを止めるべきだ」というものだ。最新刊『教育に対する反論:教育システムが時間とお金の無駄遣いであることを示す理由(“The Case Against Education: Why the Education System is a Waste of Time and Money”)』の中で、カプランは、アメリカの教育システムは、きちんとした実体のある技能を学生・生徒たちに与えていない、と主張している。カプランは更に、私たちの教育システムが供給するのは、雇用者に対しての、求職者たちが社会的に承認を受けているというシグナルでしかない、と述べている。

 

カプランは次のように述べている。「教育がキャリアの中で人々を助ける2つの全く異なる理由が存在する。一つ目の理由は私たちが語りたがる物語と言える」。もう一つの理由は、より真実に近い物語である。カプランはこれについて次のように語る。「人々は自分がいくつもの厳しい関門をくぐり抜けてきたことを見せびらかす。雇用者は、人々が関門をくぐり抜けることで額に貼り付けてきたシールを見て、その人に関心を持つ」。

 

カプランの最新刊は時宜を得た書籍である。カプランは、政策立案者と教育界の指導者たちは、職業訓練や学生たちが仕事に就いて役立つ実践的な技能を学べるようにすることにより力を入れるべきだと主張している。カプランが述べたことは既に起きているとも言える。月曜日にトランプ政権が発表したインフラ整備計画では、短期の特定の職業に対する訓練に連邦予算をつけるということが盛り込まれている。

 

●大学教育にかかるコストはそれだけの価値があるのか?(Is the cost of a college education worth it?

 

カプランの著作は、教育の価値に関する論争に対しての最新の参加者となっている。大学教育にかかるコストが増大し続け、学生たちが背負う夫妻の額も増加している。このような状況下で、多くの人々が「学士号は取得するまでにかかる時間とお金の価値に見合うものなのかどうか」という疑問を持つようになっている。小学校から高校までの教育に資金を投入して酷い結果しか出ていないということで、人々の中には、私たちの教育予算は適切に使われているのか、そもそも効果があるものなのかという疑問を持つ人々が出てきている。

 

しかし、政府の教育に対する投資をとにかく削減すべきだという主張が出るのはまれだ。カプランは「このような主張は大変に不人気な立場であることは自覚している」と述べている。それでも、カプランは、アメリカの教育システムに多額のお金を投入することは、資格や信任状の氾濫状態を引き起こすと確信している。もしくは、同じ仕事でも数十年前よりもより高い学位や資格を必要とする状況が生まれる、と確信している。現在の求職市場においては、より教育を受けた求職者が殺到するようになっている。これはこれまでの歴史でもなかったことだからだ。

 

最新刊の中で、カプランは1970年代から1990年代にかけてのデータを引用している。データによると、労働者の教育機関は1.5年延びている。現代の職業においてはより高度な技能が必要となっているが、教育機関の延長でそれに対応しているのは20パーセント分でしかない。

 

カプランは次のように述べている。「様々なアクセスの方法が確立され、教育予算が削減され、人々が今よりも教育を受けないようになると、雇用者たちは“もうえり好みなんてできない”と言うことになる」。

 

●しかし、雇用者は教育を受けた労働者たちに高い給料を払う(But employers reward educated workers with higher salaries

 

カプランが主張するような考えには反論が出る。ジョージタウン大学教育と労働力センター所長アンソニー・カーネヴェイルは「雇用者が学位を持っている労働者により多くの報酬を与えるのは、多くの場合、雇用者にとって何か現実味があるものにお金を払っているということなのだ」と述べる。

 

カーネヴェイルはカプランの著作を読み、次のように述べた。「70年代の経営者たちは、大学教育に投資をせずに、使えない人材を雇ったという点で賢かったと言うのだろうか?明確なことは、雇用者たちは何かを買おうとし、彼らが買おうとしていたのは技能だ。彼らは巨額の投資をし、より多くの報酬を支払っている」。

 

カーネヴェイルは教育システムにおいてシグナルを発すること(学位や資格)は一定の役割を果たすという点は同意している。例えば、大学で4年間を過ごしたが学位を取得しなかった人物は、一枚の紙きれを持つ人物よりも報酬が低い。しかし、カーネヴェイルは、一枚の学位記を別にして、学校に行くことで、何か価値あるものを得ることが出来るという研究結果があると述べた。

 

●教育は偉大な上昇装置なのか?(Is education the great equalizer?

 

ある研究の結果、教育レヴェルはGDPの成長を決定する3つの要素となっている、とカーネヴェイルは述べている。他の研究では、低所得の世界の子供たちが教育を受けると、IQが向上するという結果が出ている。

 

「明らかなことは、子供時代と大人になってから人々に起こることは、経験しているかどうかにかかっている。子供時代から大人になるまでの期間の大部分の経験は学校を通して行われる。貧しい家庭の子供たちでもともと素質がある子供たちは、教育を受けなければ、彼らが達成できたであろうことは達成できない。恵まれた家庭の子供たちは素質がよければ教育を受けて更に伸びて、彼らが達成できたであろうことを達成することが出来る」。

 

カプランは、教育が社会の平等化(貧しい家庭出身者が教育を受けて上昇する)ことを促進するのかどうかについて疑問を持っている。私たちは、貧しい家の子供たちが教育を受けて成功を収めるという最高のシナリオを想像しがちだ。カプランは、貧しい家庭出身の学生たち、特に男子生徒たちは、採用市場から結果として切り離されていると述べている。その理由として、カプランは、現在の教育システムでは、学生たちが教育や学問に興味がなくても、とりあえず大学に進学するように促すようになっていることを挙げている。

 

より良い方策は、大学進学に興味がない若い学生たちに、学士号などがなくても給料が良い仕事を与えることが出来るような教育システムを作ることだ。カプランは、「人を採用する際に大学教育を受けていない人たちを拒絶する人たちが一定数存在する。求職者が見合った学位などを持っていなければ、彼らの提出した書類はゴミ箱行きになってしまう」。

 

カーネヴェイルは、より多くの職業訓練を実施することについてはカプランに同意している。それでも、カーネヴェイルは、「特定の技能と一般的な知識を混合したカリキュラムによって最高の結果が出ていることを示す研究結果もある」と述べている。そして、カプランの主張についてどう考えるかと質問したところ、カーネヴェイルは「教育に対して、特に大学に対して恨みを持っている人たちには魅力的でしょう」と答えた。

 

(貼り付け終わり)

 

(仮)福澤諭吉はフリーメイソンだった [ 石井利明 ]

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自由民主党所属の衆議院議員・石崎徹氏のブログ「地元生まれ 地元育ち この街から未来のリーダーを」において、2017年10月26日13時16分に投稿された「113045票の重みと与党代議士としての大事な役割」というタイトルの記事に大変興味深い記述がありました。

 

石崎議員のブログのアドレスは以下の通りです↓

https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12322977670.html

 

 石崎議員は慶應義塾大学法学部を卒業し、国家公務員一種試験を突破し、財務省のキャリア官僚となり、その後、2012年の自民党の公募に合格し、総選挙に立候補し当選した人物です。1984年生まれで当時は最年少の当選者だったそうです。まだ三十代前半で、自民党の若手のホープだともいわれているそうです。衆議院議員2期務め、今回の総選挙でも小選挙区では落選しましたが、北陸信越ブロックから比例復活当選を果たし、衆議院議員3期目を務めることになりました。

 

 石崎議員のブログの内容で看過できない部分は以下の一文です。

 

(貼り付けはじめ)

 

野党系が多数を占める新潟県において、「新潟県だけ」国の予算が下りてこない異常事態が続く可能性もあります。

 

(貼り付け終わり)

 

 新潟県にお邪魔したこともなく、新潟県に関しては詳しい知識や情報がないのですが、この石崎氏の記述は捨ててはおけない内容です。野党系の代議士が多い新潟県はこれまでも「国の予算が下りてこない」が、今回の総選挙でも野党系が勝利をしたので、「国の予算が下りてこない」異常状態が続く、ということになる、と石崎議員は述べています。

 

 3割自治などと呼ばれて、国の予算が地方自治体において大きな部分を占めている現状において、「国の予算が下りてこない」状態が「続いている」ことは異常事態です。石崎議員は財務省キャリア官僚出身でありながら、この状態を放置しているのでしょうか。いくら、「謙虚、謙虚」と鶯のように鳴くだけの自由民主党所属の議員だからと言って、「野党系に投票する人間が多い新潟だからそれくらいの懲罰を受けるのは当たり前だ」と思っておられるのでしょうか。

 

 石崎議員は「こんなひどいやり方は止めろ。私は自由民主党所属の衆議院議員だが、自民に投票する人が少ないからといって国からの予算が下りない状態を続けるのは止めろ」と財務省なり自民党本部なりに掛け合いに行かないものでしょうか。それとも、「与党系である候補者(=石崎氏)に入れない有権者が多いのだから、懲罰を受けて当然だ」と思っておられるんでしょうか。

 

 このように与党系でなければ予算を減らす、もしくは報復的に国の予算を降ろさない状態を続ける、ということは、デモクラシーの根幹を揺るがす大問題です。与党に入れなければ生活を脅かされる、ということになれば、人々は与党に入れるしか選択肢はなくなります。これで健全なデモクラシーと言えるでしょうか。これでは間接的に一党独裁を目指しているとしか思えません。

 

党名に「自由」「民主」とついている政党が懲罰的に野党に入れた有権者が多い場所に対して報復的に予算を下ろさないということであれば、いわゆる自由民主党は党名を変更して不自由独裁志向党とでも改名すべきでしょう。

 

(終わり)







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