古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:停戦

 古村治彦です。

 ウクライナ戦争は二度目の夏を終えようとしている。これから秋、そして冬へと進む中で、状況は膠着状態のままである。ウクライナ側は春季大攻勢という掛け声で、反転攻勢をもくろんだが、失敗に終わった。西側諸国はウクライナに対する援助を続けているが、膠着状態に変化はない。以下の記事にあるように、西側諸国、NATOの軍事専門家たちから見れば、ウクライナ軍は「稚拙な」攻撃を繰り返しているということもその理由になるだろう。「せっかく援助してやって、効果的な作戦の助言もしてやっているのに、ウクライナの馬鹿たちは何をやっているんだ」というところだろう。
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 ウクライナ戦争も2年目になり、私たちも「慣れて」しまった。「このまま状況が変わらないで、ウクライナもロシアも飽き飽きしたところで停戦交渉という話になって、この停戦交渉がまた半年単位くらいでずるずる続いて、その間に武力衝突が起きたり、止まったりが続いて、ウクライナもロシアも、そして西側諸国をはじめとする世界各国が本格的に嫌になって停戦交渉成立への圧力が高まり、最終的に交渉成立する」というのが多くの人々が考えるシナリオであろう。

 アメリカ政府も中国政府も停戦に向けて舞台裏で静かに働きかけを行っているだろうが、ここまで来ると、ウクライナが「諦める」かどうかということになる。ロシアは自分たちが確保した地域を守備すすることに徹している。ウクライナ側が攻撃を諦めて、停止すれば、自然と停戦ということになる(条件などを決めて停戦合意をしなければならないが)。

 ウクライナ側は現在のところ、停戦する姿勢を見せてはいない。強気に、「クリミア半島を含む全てのロシアの掌握地域を奪還する」と主張し続けている。西側諸国はそんなことは不可能だと考えている。また、そんなことをして欲しくないと考えている。そんなことになれば、ロシアがどのような攻撃を加えてくるか分からない。西側諸国にどのような影響が出るか分からない。

 関係者全員が「早く停戦してくれればよいのに」としらけているのに、ヴォロディミール・ゼレンスキー大統領だけが恫喝しながら、援助を強要し、戦争継続を進めている。「ゼレンスキー疲れ」をどこまで全世界が許容できるかだ。いざとなれば、ゼレンスキーを排除して停戦ということも考えねばならない。

(貼り付けはじめ)
NATO
とウクライナ軍 戦局打開の「特別作戦」で衝突秘密協議5時間の内幕とは【報道1930

9/19() 6:02配信

TBS NEWS DIG Powered by JNN

https://news.yahoo.co.jp/articles/239ef8708c854448cdb82e718322151ad91cb2b7

先月15日、ウクライナとポーランドの国境のとある場所で、NATOとウクライナ軍の秘密協議が行われました。そこで決まったのは、反転攻勢の戦局を打開する特別な作戦。将軍達の議論は5時間に及びましたが、元NATOの高官は、互いに不満をぶつけあう激しい攻防があったと証言しています。NATOとウクライナ軍は、なぜ衝突したのでしょうか。秘密協議の内幕です。

 NATO高官 ジェイミー・シェイ氏

「まずウクライナ側は、『もっと武器が必要だ』と会談で言いました。そして、彼らは、F16や射程距離の長い大砲、特にATACMS(エイタクムス)と呼ばれる兵器を要求しました。また、ロシア軍の後方の大砲陣地や兵站補給施設まで届くミサイル。例えばイギリスのストームシャドウの供与を増やすことを要求したのです」NATO38年間勤務した元高官で現在はイギリスのエクセター大学の教授、ジェイミー・シェイ氏。8月中旬に行われたウクライナとNATOの秘密会談では、お互いに不満をぶつけ合う激論が交わされたと話します。

NATO高官 ジェイミー・シェイ氏

「ウクライナ側は、『武器の供給が遅すぎる、控えめすぎる。もっと早く、もっと必要だ。武器には、より攻撃的な無人偵察機や、特に長距離砲、地上・空中の巡航ミサイルも含まれるが、これらを手に入れない限り、我々ができることは限られる』とNATO側に訴えたのです。しかし、これを聞いたイギリスやアメリカの将軍たちやNATOの欧州連合軍最高司令官・カボリ将軍らは、『ウクライナは戦術に関して我々の忠告を聞いているのだろうか』という気持ちがあったでしょう。何故なら、反転攻勢に際し、NATOからウクライナ側へのアドバイスは、『敵の最大の弱点である地点を選び、そこに攻撃を集中させる。そして防御に穴を開け、その穴を突く』というものでした。しかし、ウクライナはそれをやっていなかったからです」

反転攻勢の開始後、ウクライナ軍はザポリージャやバフムトなど全長およそ1200キロにも及ぶ前線に広く展開。ロシア軍の弱点を見つけようと規模の小さなピンポイント攻撃を繰り返していたと言います。
これに対しNATO側は、ピンポイント攻撃は多くの労力と弾薬を無駄にしていて、時間もかかりすぎていると、批判的に見ていたと言うのです。

NATO高官 ジェイミー・シェイ氏

「西側が常に言ってきたのは、『南部に兵力を集めて進軍する』という作戦でした。しかしウクライナはまだ明らかに東部のバフムトを取り戻そうとしていました。アメリカの助言は、『バフムトは重要ではない』というものでした。ウクライナ軍はそこであまりにも大きな損害を被っていました。ウクライナにとってバフムトは象徴的な存在になっていますが、アメリカは『頼むから、そこから一線を引いてくれ』と言っていたのです。しかしウクライナ人は誇り高い。自分のやり方でやりたいのです」

誇り高いウクライナ人とNATOの議論は、5時間に及びました。そして

NATO高官 ジェイミー・シェイ氏

NATO側は、『このようなピンポイント攻撃をさらに続ければ、ロシア軍に反攻を開始する準備の機会を与えてしまう。そうなると、あらゆる場所でその反攻を防ぐために多くの戦力を費やすことになる。だから、どうか集中して、一点を選び、そこを突破するために大きな戦力で挑んでほしい』とウクライナを説得したのです」

NATO側が主張する戦略上の問題点と共にウクライナ側が考えなければならなかったのは

NATO高官 ジェイミー・シェイ氏

「ウクライナは、兵器が欲しければ、戦術に従わなければなりません。それは明らかで、ウクライナはそれを理解したようです」

ウクライナ側は、最終的にNATOのアドバイスを受け入れました。兵力を南部戦線に集中し、一点突破を狙った攻撃に戦略を転換したのです。

NATO高官 ジェイミー・シェイ氏

「ウクライナ軍は今明らかに、より効果的に兵力を集中させています。彼らは西側の戦略家の言うことに耳を傾け始めている。と同時に、西側諸国がこれまで差し控えていた兵器や装備を提供する意欲も高まっています」

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「敗北なら世界大戦」 ゼレンスキー氏が警告

ウクライナ侵攻

2023918 17:30 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB181YI0Y3A910C2000000/

【ワシントン=共同】ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は17日放送の米CBSテレビのインタビューで、ウクライナが敗北すればロシアはポーランドやバルト3国に迫り、第3次世界大戦に発展しかねないと警告した。「プーチン(ロシア大統領)を食い止めるか、世界大戦を始めるか、全世界が選ばなければならない」と述べた。

ゼレンスキー氏はこれまでの米国の支援に感謝を表明した。その上で、追加の軍事支援に対する消極的な意見が米国内で広がっているのを念頭に、世界を守るため「最も高い代償を払っているのは実際に戦い、死んでいくウクライナ人だ」と訴えた。インタビューは14日に収録された。

ゼレンスキー氏はニューヨークを訪れ、19日に国連総会一般討論の演説で各国に対ロシアでの結束を訴える見通し。21日にはワシントンでバイデン米大統領と会談する。米政府は追加の軍事支援を発表する方針。

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ウクライナ戦争を終わらせるための妥当な最終手段(A Plausible Endgame to the War in Ukraine

フィリップ・ショート筆
2023年2月23日

『タイムズ』誌

https://time.com/6257800/ukraine-war-end/

※ショートは『プーティン(Putin)』の著者である。彼はまた『毛沢東:その生涯(Mao: A Life)』『ポルポト:悪夢の分析(Pol Pot: Anatomy of a Nightmare』』といった評伝を書いている。BBC,『エコノミスト』誌、『タイムズ』誌のモスクワ、北京、ワシントンDCでの海外特派員を長年務めた。

現代の戦争は全て合成物、ハイブリッド(hybrid)である。軍隊が戦場で成功するためには、市民からの支持と、その支持によって得られる資源がなければならない。これを前提にすれば、ウクライナでは西側諸国が圧勝するはずだ。ウクライナ国民は、ロシアからの侵略者に対する抵抗のためにかつてないほど団結している。ウクライナの支援者であるアメリカとその同盟諸国は、クレムリンが利用できる経済資源を凌駕する経済力を持っている。通常であれば、それは圧倒的な軍事力につながるはずだ。

しかし、ロシアの侵攻から1年経った今、事態はそう単純ではないことが判明しつつある。それは通常の戦争ではないからだ。非標準的なルールのもとで行われる限定的な紛争(limited conflict)であり、直接、間接を問わず、全ての参加者が片腕を縛られた状態で戦っている。西側諸国は、無秩序なエスカレーションを恐れて、ウクライナの国境内にとどまることを確約し、クレムリンは、プーティンがNATOとの戦争には勝てないと知っているからである。この戦争がいかに異例なものであるかを物語っているのは、ジョー・バイデンが「衝突(confliction)」を避けるために月曜日にキエフを訪問することをモスクワが事前に知らされていたことだ。戦争当事国が通常とる行動ではない。

代理紛争(proxy conflict)よりは大規模だが、全面戦争というほどでもない。ウクライナが生き残りをかけて繰り広げている本質的な闘争以上に、ウクライナは世界の3大核保有国が優位を争う血で血を洗うチェス盤となっている。ロシアは、アメリカが衰退し、同盟諸国を守ることができなくなっていることを示したいところだ。アメリカは、西側の「ルールに基づく秩序(rules-based order)」の保証人としての信用を守るために戦っている。「ビッグ・スリー(Big Three)」の中で新参者である中国は、傍観者として控えめにパートナーであるロシアを援助している。その一方で、自由世界のリーダーであり、その支配に憤慨している世界地政学におけるボス(alpha male)にどこまで反抗すべきかを計算しようとしている。

このような紛争では、情報戦(information war)は地上戦に劣らず重要である。今週、3つの核保有国は敵対行為勃発の記念日を利用して、それぞれの立場を二転三転させた。バイデン大統領がキエフを訪れ、現地とワルシャワで確約したのは、ウクライナにアメリカの支援は揺るがないという公的な安心感を与えるためだけでなく、全てのアメリカ人がアメリカの重要な利益であると確信してはいない、遠く離れた戦争に対する国内の支持を補強するためでもあった。ウラジーミル・プーティンは、ロシア連邦議会の合同会議で、ロシアは西側諸国の修正主義との生存に関わる闘争(existential struggle against the revanchism of the West)に従事しており、長期にわたる紛争が待ち受けていると語った。中国は王毅政治局委員(外務担当)をモスクワに派遣し、北京もこの戦いに参加していることを強調した。

これまでのところ、バイデンは西側諸国との同盟関係を維持するだけでなく、強化することに成功している。しかし、ホワイトハウスはヴォロディミール・ゼレンスキー大統領に対して、アメリカは「ここに踏みとどまる」と公言する一方で、西側の関与(commitment)は無限ではないと非公式に警告している。プーティン大統領は、国内での反対派を冷酷に弾圧している。ほとんどのロシア人は、戦争には乗り気ではないものの、プーティンを支持し続けている。プーティンが体調不良やクーデターで倒れるかもしれないという憶測は、希望的観測(wishful thinking)にすぎない。ここ数日、西側諸国によるウクライナへの支援が急増しているが、その根底にあるものがもっと暗いものであることを忘れがちだ。

紛争1年目の大半は、情報戦の霧と戦場での出来事の移り変わりの速さによって、相反する物語が入り組んだ迷路のように入り組んでいた。戦争が2年目に入り、その輪郭がより鮮明になってきた。

プーティンは、痛みを伴わない迅速な勝利という希望が幻であることが証明されたため、少なくとも2024年のロシアとアメリカの大統領選挙まで、そしておそらくそれ以上続くであろう消耗戦(war of attrition)の見通しに不承不承適応しており、更に何万人もの死者を出している。ゼレンスキー大統領とNATOの指導者たちも、この新しい現実に適応しなければならない。今のところ、単なる膠着状態(stalemate)ではなく、袋小路(impasse)に陥っている。プーティンは、遅かれ早かれ西側の支援の流れが弱まり、ロシアはドンバス、クリミア、その間の陸橋、あるいはウクライナの抵抗が揺らげば、より広い領土を固めることができると信じ続けている。

西側諸国がキエフに先進兵器をどの程度供給し続けるかは、戦争の展開を左右する、極めて重要な要素であることに変わりはない。

理論的には、西側の十分な支援があれば、ウクライナはロシアをウクライナ東部から追い出し、クリミアからも追い出すことができるかもしれない。しかし、実際には、ロシアがウクライナ全土を占領するということ以上に、そういうことは起きないだろう。

ポーランド、バルト三国、チェコ共和国は、プーティンをここで止めない限り、次は自分たちの番かもしれないと主張し、ロシアの完全な敗北を追い求めている。しかし、ソ連に支配された歴史や脆弱性を感じ続けていることを考えればそのような主張は理解できるが、そのような懸念は間違いである。ウクライナは特殊なケースだ。NATO加盟国との直接衝突はロシアにとって自殺行為であり、プーティンの戦争中の行動は、それを回避する決意を示している。

誰も直接そうは言わないが、ウクライナがロシア軍の占領している全ての地域から追い出すことを、ホワイトハウスが望んでいるかどうかさえ疑わしい。アンソニー・ブリンケンは慎重な姿勢を示し、ロシアは2014年以前の国境線ではなく、2022年以前の国境線に戻らなければならないと述べている。ウクライナがクリミアに進攻すれば、住民のほとんどがロシア人であり、モスクワの立場からすれば、他の地域と同じロシアの州であるクリミアは、まさにバイデン政権が阻止しようと決意している、厄介なエスカレーションを起こす危険性がある。ここ数カ月、ロシアが戦術核兵器を使用するという話はあまり聞かれなくなった。しかし、プーティンが、モスクワとワシントンの間に残された最後の主要な核軍備管理協定である新START条約への参加をロシアは停止すると発表したことは、核兵器というカードがまだテーブルの上にあることを微妙に思い出させるものだ。

連合国がベルリンを占領して終結した第二次世界大戦とは異なり、ウクライナの国旗がクレムリンの上空に掲げられる日が来るとは誰も想像していない。ロシアの全面的な敗北が否定されるのであれば、最終的には政治的解決が必要となる。最も可能性が高いのは、ロシアがウクライナの占領地を保持し、プーティンがそれなりの成功を主張する一方で、アメリカはウクライナがロシアの支配に抵抗できたのはアメリカの支援が決定的だったと主張できるような、ある種の妥協案[compromise](休戦協定や非公式の分離線[armistice or an informal line of separation])である。

このような結果があらかじめ決まっている訳ではないが、最も発生可能性が高い。もしそうなれば、ウクライナ国民はそれを裏切(betrayal)りと見なすだろう。西側諸国は大規模な復興支援を提供することで、そうした反感をやわらげようとするだろう。

これは幸せな見通しではない。しかし、戦争のほとんどは最悪の結末を迎える。今回のウクライナ戦争はそうではないと考える理由はない。

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ウクライナ戦争における停戦はモスクワに報酬を与え、西側の利益を損なうということになるだろう(A ceasefire in Ukraine would reward Moscow and undermine Western interests

スティーヴン・ブランク筆

2023年6月7日
『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/national-security/4037418-a-ceasefire-in-ukraine-would-reward-moscow-and-undermine-western-interests/

ロシアの侵略が継続中だ。世界情勢への初期段階での影響を最小限に抑えようとしたり、ロシアの勝利を期待したりしていた西側の専門家たちの中には、今や、ワシントンは、事実上、自らの愚かさの代償からモスクワを救う終盤戦戦略(endgame strategy)を打ち出すべきだと主張する人たちもいる。

この戦争には勝てない、何年にもわたる消耗戦になる、核のエスカレートは避けられない、などという多くの意見が出ている。従って、ワシントン(そしておそらくヨーロッパ)は、モスクワに少なくともその不正な目的の一部を管理させたままで、停戦を強制するために介入すべきである。

残念なことに、これらは私たちが昨年聞いて、飽き飽きしている議論と同じであり、戦闘の経過によって、こうした主張の内容は反証されることになった。こうした主張を行っている人々は西側諸国がウクライナを支援し続ける見通しも、ウクライナがフィールドで勝利する見通しも立てていない。この路線の主張者たちはまた、将来のロシアの攻撃を平和の名のもとに確実に抑止するであろうウクライナのNATO加盟についても、それがロシアの征服を正当化し、今後何年にもわたって平和を保障しないことになるとして、懐疑的な目を向けている。

ワシントンとその同盟諸国は、ヨーロッパの平和と安全保障に関してロシアと何らかの合意をすることは不可能であることを理解する時が来た。それどころか、キール・ジャイルズが著作の中で賢明にも示しているように、ロシアは自らの意思で、そして自らの内在的な政治的・文化的構造によって、西側諸国と根本的に戦争状態にあり、そして今もそうであるのだ。西側の政策において、近隣諸国よりもロシアの安全保障上の懸念を優遇する長年の傾向は、明らかに政策立案者たちを行き詰まらせている。ロシアの安全保障は、アメリカの同盟諸国やヨーロッパの安全保障の根拠として、もはや持ち出すことはできない。

ウクライナがNATOに加盟し、西側諸国が武器を供与し、政治的行動を起こすことだけが、ウクライナの勝利をもたらすことができるのは明らかである。米情報長官のアヴリル・ヘインズは現在、ロシアは新たな攻撃を仕掛けられないと考えている。つまり、ロシアの勝利はもはや実現不可能かもしれないが、ウクライナの勝利は、確かに大規模な支援が継続されれば可能なのだ。しかし、モスクワが西側諸国全体と戦争状態にあり、ウクライナがその震源地(epicenter)であり、唯一の動的舞台(kinetic theater)であるからこそ、その支援はアメリカとその同盟諸国の利益のために必要なのである。

従って、なぜこれほどまでに多くの専門家たちが、同盟諸国や私たち自身の利益や価値を犠牲にしてまで、ロシアをその犯罪の結果から救う必要があると考えるのかを問う価値がある。おそらく彼らは、ロシアが自国の力、特に核兵器について主張することに目を奪われているのだ。確かに、核兵器が持つ意図の一つは、見物人にロシアの力と影響力を印象づけることだ。しかし、ロシアの核兵器の威力は、自爆的なロシアへの侵攻を抑止するには十分すぎるほどだが、ウクライナを打ち負かすとなると、あまり役に立たないことが証明されている。

ロシアの力に媚びへつらう知的魅力の源が何であれ、ロシアの侵略と戦争犯罪を継続的に正当化する理由としては効果を持たない。実際、ロシアの侵攻に屈することは、ロシアをその犯罪と愚行の正当な処罰から救うことを意味し、この場合、国際法、秩序、アメリカの利益と価値を犠牲にしている。更に言えば、この戦争に勝利することは不可能であり、アメリカの政策に開かれた唯一の未来は、「停戦を押し付けようとしてロシアの帝国主義を目指す原動力(imperial drive)を永続させることだ」という主張は、ワシントン側の失敗の告白なのである。

この戦争は、その悲劇性は横に置いておいて、リチャード・ニクソン大統領が「平和の構造(a structure of peace)」と呼んだものを、他の場所ではなく、ヨーロッパに構築することを可能にしていることを認識しなければならない。このような構造は、ウクライナをヨーロッパ連合(EU)に加盟させることによって、1991年の失敗を是正し、同時に、ヨーロッパに限らず、恒久的な戦争や冷戦によってのみ達成可能なロシアの帝国的プロジェクトの進展を阻止できるのだ。

この戦争に勝利することはできない、とか、モスクワが勝利と主張できるようなものを与える交渉によってのみ終わらせることができるという考えは、意志と想像力(the will and the imagination)の両方の失敗を表している。道徳的欠陥は別として、この見解はウクライナだけでなくワシントンとその同盟諸国の国益をも裏切るものであるため、リアル・ポリテイーク(Realpolitik)の厳しいテストには合格するものではない。

ウクライナへの継続的な支援は、単に勝利をもたらすだけではない。より耐久性のある新たなヨーロッパにおける安全保障秩序をもたらすことができる。いずれにせよ宥めることなど不可能で、これからも攻撃的であろうモスクワを懐柔する必要性以上の何かに基づく秩序が生み出されるのだ。

※スティーヴン・ブランク(Ph.D.):外交政策研究所(Foreign Policy Research Institute FPRI)上級研究員。米陸軍大学戦略研究所教授(ロシア国家安全保障、国家安全保障問題)、マッカーサー記念研究員を務めた。現在、元ソ連・ロシア・ユーラシアの地政学、地理戦略を専門とする独立系のコンサルタントを務める。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 私は、ウクライナ戦争は一刻も早く停戦すべきだという考えを持っている。しかし、それに対して「間違っている」「ロシアの味方だ」「ウクライナの人々のことを考えないのか」という非難は当然出てくるものとして受け止めている。アメリカをはじめとする欧米諸国が「火遊び」でNATOの拡大(東進)を行い、ロシアを刺激し、不安感を増大させ、戦争が起きた。そして、戦争が起きれば、欧米諸国はロシアと正式な戦闘状態に入り、最悪の場合には核攻撃を受けるという懸念から、ウクライナに武器を送って(それも致命的なダメージを与える種類は送らない)、ウクライナ人に戦わせるだけのことだ。

ウクライナを戦争前にNATOの正式メンバーにしていれば、NATO諸国は正式にロシアと干戈を交えることになっていたはずだ。ウクライナにどんどんと軍事援助を与え、「実質的にはNATOの一員ですよ」と宣伝しておきながら、いざという事態になれば、欧米諸国はウクライナと共に戦うことはしない。これではウクライナもそしてロシアも馬鹿にされているようなものだ。

 私はこのように考えている。しかし、こうした考えに対しては上記のように非難もあるだろう。それは受け止める。しかし、それならばどうしようと言うのだろうか。ヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は停戦を拒絶している。ウクライナの全国土を奪還するまで戦いは止めないとしている。それは2014年の段階でロシアが併合したクリミア半島が入るし、親露勢力の多い東部各州も入る。そのための戦いはどれくらい続くことになるだろうか。クリミア半島までとなると、ロシアにとっては「国土防衛線」ということになる。そうなればこれまで以上に戦争のレヴェルを上げることになる。つまり、核兵器使用の可能性が高まるということになる。

 現在の世界規模での食糧価格の高騰やエネルギー価格の高騰はやはり戦争の影響を受けている。世界規模で、そしてウクライナとロシアの人々のためにも一刻も早い停戦を願っている。そのためにはゼレンスキー大統領の退陣も必要なのではないかとも考えている。太平洋戦争における五本の敗戦直前のことを思えば、指導者の交代で停戦を実現するということもあり得るのではないかと考えている。

 このようなことを書けば「ロシアの手先」と言われてしまうだろう。私としては「そのような時代なのだろう」とそれを淡々と受け止めるしかない。

(貼り付けはじめ)

「平和運動活動家」にとって、戦争はアメリカのことであって、ロシアのことではない(For ‘Peace Activists,’ War Is About America, Never Russia

-彼ら自身の強硬な左翼的世界観は、反西側陣営の侵略者の側につくほど吸収されている。

アレクセイ・コヴァレフ筆

2022年12月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/12/22/russia-ukraine-war-left-progressives-peace-activists-chomsky-negotiations-diplomatic-solution/

ウクライナ戦争が1年に近づくにつれ、いずれ何らかの交渉で終結することを期待するのは当然のことではある。重要なのは、開戦と終戦の責任をどこに置くかだ。欧米諸国の進歩的な左派の一部にとって、「外交を通じての平和(peace through diplomacy)」とは、滅多に表立っては言わないにせよ、1つの意味を持っている。それは、「ウクライナはロシアの条件に従って降伏する(Ukraine’s surrender on Russia’s terms)」というものだ。

将来、どこかの時点で、交渉が行われるに違いない。ロシアが戦場で目的を達成するための窓はとっくに開いている。しかし、ウクライナが西側諸国から攻撃用兵器の種類を増やしてもらわない限り、ウクライナ軍がハリコフ州やケルソン州で見事に成し遂げたような大規模な反撃を行って残りの国土を解放することは非常に困難だろう。従って、ある時点で、どちらか一方または双方が戦争するための資源を失い、両国が停戦の条件を話し合うテーブルに着くことになる。しかし、ロシアのウラジミール・プーティン大統領は、ウクライナが主権国家(sovereign state)として、また独立した国民として存在する権利そのものをまだ認めていない。そうした中で、誠実に交渉し、いかなる合意も守るというロシアの約束は、議論の余地があるという評価以上のことはない。

西側諸国の多くにおいて、国民の大多数はウクライナ支援に賛成している。ウクライナにとって最大かつ最も信頼できるパートナーであるアメリカも同様で、12月21日に行われた米連邦議会合同会議でのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領の歴史的演説では、通路を越えてスタンディングオベイションが起こるなど、ウクライナの主権擁護は超党派の強固な支持を得ている。

しかし、欧米諸国によるウクライナ支援は、政治スペクトルの両端から敵意を呼び寄せている。「アメリカの覇権(U.S. hegemony)」や「アメリカの軍国主義(U.S. militarism)」に反対する西側諸国の強硬左派にとって、彼ら自身の反米・反西西洋的世界観は、反西側陣営のいかなる侵略者の側にも容易に味方するほど吸収されている。同様に、アメリカが支援する国に対しても熱心に反対する。ロシアやイランのような抑圧的な政権に左派の一部が根強く同調するのはこのためだ。抑圧(repression)そのものを肯定しているわけではないが、反米陣営と手を組むことへ傾倒が不支持よりも強いのである。

ウクライナのケースは、以前植民地化された主権国家が、大量殺戮の意図に全く隠さない帝国主義的侵略者から自らを守るという、明確な闘いであることは気にする必要がない。こうした進歩的な極左派は、しばしば平和活動家(peace activists)と自称しているが、ウクライナの社会主義者たちのような、自分たちのイデオロギー的同志から出た証拠であっても無視する。

その代わり、ウクライナに関する極左派の主張は、ウクライナ支援からの撤退を求める西側極右派の主張と見分けがつかないことが多い。進歩的左派の象徴であるジェレミー・コービン元英国労働党党首やフォックス・ニューズの司会者タッカー・カールソンは、クレムリンのお気に入りの論点を自由に繰り返している。たとえば、ウクライナを支援すれば不必要にウクライナ人の苦痛が長引くという皮肉な主張である。

明らかな結果という点では、強硬左派が「ウクライナでの戦争を止めろ(stop the war in Ukraine)」と要求する本当の意味は、「ウクライナの自衛を助けるのを止めろ(stop helping Ukraine defend itself)」ということだ。文書で十分に立証されたロシアの残虐行為、プーティンが宣言したウクライナにおける目標、そして侵略の露骨な植民地主義的性質を無視するように、彼らの自称反戦姿勢には道徳的要請が決して存在しないのだ。このため、論理的な結論は1つしかない。左翼が反対するのは戦争ではなく、一方がアメリカの支援を受ける戦争が存在するという事実である。

ウクライナ人には主体性(agency)がなく、ロシアは代理戦争(proxy wars)の犠牲者であるというこのねじれた世界観は、先月のマンハッタン文化センターでのイヴェントで存分に発揮された。そこでは、このサブカルチャーの最も著名な人物たちが、イヴェントのタイトルの通りに、「ウクライナ和平への真の道(Real Path to Peace in Ukraine)」について議論した。言語学者ノーム・チョムスキー、元アメリカ緑の党大統領候補ジル・スタイン、著名な自称平和活動家メデア・ベンジャミンなど、進歩的左派の象徴的人物が名を連ねていた。

3時間以上にわたる討論は、インターネット上のごく少数の視聴者に向けて配信されたが、ウクライナの平和への第一歩らしきものを提案した発言者は1人としていなかった。このイヴェントの副題は「交渉には賛成!エスカレーションには反対!」だったにもかかわらず、ウクライナ和平への第一歩らしき提案は一人もなかった。「エスカレーションには反対!」という副題がついていたにもかかわらず、誰が交渉するのか、その交渉の立場はどうなるのか、永続的な和平を実現するために誰が何をあきらめるのか、について言及しようとする講演者は1人もいなかった。ウクライナ人の姿はなく、ある講演者は「平和を訴えるのにウクライナ人である必要もロシア人である必要もない」と陳腐な弁明をした。

こうした活動家たちがウクライナの「平和(peace)」や「外交的解決(diplomatic solution)」を訴える際には、必ずと言っていいほど、その詳細は曖昧だ。スタインは、停戦は「ペンのクリックひとつ」で可能だというが、他の講演者と同様、すぐに他の話題に移ってしまった。もちろん、今後の交渉の内容は現時点では机上の空論に過ぎないが、少なくとも他の交渉推進派からは、思惑があるにせよ、具体的な提案が出ている。例えば、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、2月24日以前の現状に戻すことを要求している。

しかし、強硬な左派にとって、外交的解決への要求は常に、「ウクライナへの援助を止め、ロシアに好きなようにさせる」ということに尽きるようだ。例えば、イギリスの「Stop the War Coalition」が2022年11月に出した嘆願書について考えてみよう。ウクライナでの戦争による多大な人的犠牲を認めながら、イギリス政府に「武器の送付を止める」ことを求め、その上で「当事者全てが即時停戦と和平交渉の要求の高まりに耳を傾ける」よう促しているのだ。「ウクライナに平和を」とは、ウクライナの費用で、ロシアの条件での平和を意味するのだ。

「平和推進(pro-peace)」の活動家に長時間マイクを持たせると、親ロシア的な傾向が表れてしまう。「アメリカは悪であり、反米の独裁者は善である」という教義に従ったブログ「グレイゾーン」の共同設立者マックス・ブルメンタールが、ゼレンスキーが到着した日にワシントンでロシア当局者を罵倒せず、戦争を止めるためにできることをするように要求したのは偶然ではないだろう。その代わりに、ブルメンタールと彼の同志たちは、ロシアの残虐行為を否定するか軽視する一方で、ゼレンスキー個人を誹謗中傷することに力を注いでいるのだ。

他の多くの西側「反戦(anti-war)」活動家たちは、親クレムリン的な偏見(pro-Kremlin bias)を隠そうともしない。様々な極左活動家の傘下団体であるANSWER連合のスポークスマンであるブライアン・ベッカーは、プーティンの修正主義論文であり戦争正当化文書である『ロシア人とウクライナ人の歴史的統一について』を彼のインスピレーション源の1つと考えていると述べた。

西側の「反戦」の声が、ロシアの残虐行為を認め、自宅で爆撃されたウクライナの市民に同情を示したとしても、それは必ず、残虐行為がロシアの侵略以外の何かのせいにされる、別の反アメリカ的言辞に押し込められている。この道徳的盲点の典型的な例が、「反軍国主義(anti-militarist)」左派の守護聖人(patron saint)であるチョムスキーである。彼は何度も何度もインタヴューやスピーチの冒頭でロシアの「犯罪的侵略(criminal invasion )」を非難しているが、すぐに戦争の原因を軍産複合体がウクライナに武器を押し付けているとされるアメリカのせいにすることに重点を置いている。彼の世界観は、ウクライナだけでなく、ロシアにも主体性を認めない。ロシアは、邪魔をしないことで回避できる自然災害のような存在として描かれている。この現実的な敗北主義者(pragmatically defeatist)の反戦思想では、ウクライナは何があってもダメなのだ。チョムスキーに言わせれば、ロシアは世界を破壊する力を持っているのだから、ロシアの要求にすべて応じるしかないということになる。それを拒否することで、西側諸国は「恐ろしい賭け(ghastly gamble)」(ニューヨークのイヴェントでチョムスキーがそう呼んだ)に従事していると彼は発言した。

ウクライナをはじめ、大きな隣国に侵略されたり、いじめられたりしている国々にとって幸いなことに、西側の自称反戦左派は、1970年代や80年代のような影響力をもはや持っていない。ニッチなイヴェントでも数百人以上の参加者を集めることはほとんどない。少なくともアメリカでは、ウクライナに対する西側の支持に影響を与えるほど大きな聴衆を動員することはない。しかし、影響力を求めるあまり、少数の人々の心を傷つけることはできるだろう。

※アレクセイ・コヴァレフ:『メドューサ』誌調査担当編集者。ツイッターアカウント:@Alexey__Kovalev

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(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 2022年11月15日、ポーランドのウクライナ国境近くにミサイルの発射体もしくは破片が落下して2人が死亡するという出来事が起きた。この事故について、ロシアのミサイルがポーランドに発射されたものだという非難がウクライナや東欧・中欧の国々から出て、NATOの集団的安全保障が発動されて、NATO軍がウクライナ戦争に参戦することになるのではないかという懸念と緊張が高まった。しかし、当事国ポーランドとアメリカが静観する構えを見せ、ウクライナのミサイルの可能性を指摘して、事態は沈静化した。ロシアはウクライナのポーランドとの国境地帯にミサイルは発射していないと主張している。

 2022年2月24日にウクライナ戦争が起きて、早いもので今年も暮れようとしている。ウクライナ戦争は2022年の世界全体に大きな影響を与えた。ヨーロッパから遠く離れた日本で暮らす私たちの生活にも暗い影を落とした。エネルギー価格と食料価格の高騰によって、生活費が高騰している。買い物に行って以前と同じものを買っても出ていくお金は増えているという状況だ。

 ウクライナ戦争が世界に暗い影を落とすという状況はこれからもしばらく続きそうだ。それは停戦に向けた動きが見えないからだ。ウクライナは西側諸国に対して「どんどん武器と金と物資を送れ。送らないのは正義に反する行為だ。そして、自分たちはウクライナ東部とクリミア半島を奪還する」と主張している。このような「正義」に基づいた主張には表立って反対しにくい。しかし、このブログでも以前に紹介したように、エネルギー価格の高騰、エネルギー不足で一段と厳しい生活を強いられるヨーロッパ各国の国民は「何とか和平を達成してくれないか」という願いを持ち、「平和」を希求している。より露骨に言えば、「ウクライナはもういい加減戦争を止めてロシアと停戦しろ、こっちだって生活が苦しいんだ。しかも人の武器と金で戦争しているんだぞ」ということになる。

 今回のポーランドでの出来事を受けて世界は緊張した。NATO軍、その主力はアメリカ軍ということになるが、NATO軍が参戦することになれば第三次世界大戦、更には核戦争にまで発展するということが人々を恐怖させた。戦争が拡大すれば現在よりも状況が悪化し、世界は不安定になる。そのことを改めて深刻に実感することになった。

 ウクライナ戦争が第三次世界大戦につながる危険性をいち早く指摘したのは、私の師である副島隆彦だ。『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』(2022年6月)を読むと、半年近く経っても状況は全く好転していないということが改めて実感できる。是非お読みいただきたい。

ukurainasensoudaisanjisekaitaisen511
プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする

 ウクライナが満足する形で停戦が成立するためには、ウクライナ側の主張ヲ基にすれば、ウクライナが東部とクリミア半島を完全に奪還しなければならない。このことがまず可能なのかどうか、そして、可能だというならばそれにかかる時間とコスト(人命、お金、物資など)を冷静に判断しなければならない。そして、ウクライナがこれからどのような国家として存在していくのかということも改めて検討してある程度の道筋をつけなければならない。現在のところ、ウクライナが戦争に勝利して、自分たちの目的を達成することは「ほぼ不可能」である。そのことは、アメリカ軍の制服組トップであるマーク・ミリー米統合参謀本部議長が認めている。そして、ミリーは「政治的解決」を示唆している。これは「停戦交渉をするべき」ということを意味する。

 以下の論稿は正義派の考えに基づいて構成されているが、私が問いたいのは「どのタイミングで停戦交渉するのか」「ウクライナに良いタイミングが来るまで待つというが、そのタイミングはいつ来るのか、そもそもそのようなタイミングが来るのか」ということだ。私たちは太平洋戦争で、ミッドウェー海戦敗北とガダルカナル島失陥以降、アメリカの反転攻勢を受けて日本が追い詰められていく過程で、「何とかアメリカ軍に一撃を加えてそれでアメリカ側をひるませて講和に持ち込む」という「一撃講和論」という楽観主義的な考えによって、戦争が長引き、結果として無残な結果となったことを知っている。ウクライナ戦争でウクライナ側が攻勢に出ているが、ロシアが東部とクリミア半島の防御態勢を整えて、膠着状態に陥った場合、ウクライナの求める条件はまず達成できない。そうなれば戦争がだらだら長引く。ウクライナに対する支援をずっと続けられるのかどうか、という問題も出てくる。西側諸国からの支援がなければウクライナは戦争を継続できない。結局、ウクライナは自分たちの目的を達成する前に停戦ということになる。それは現状とほぼ変わらない段階でのことになるだろう。それならばだらだらと続いた期間とその間のコストは無駄ということになる。

 私は今年の3月の段階で早期停戦すべきだと述べた。その考えは今も変わらない。ウクライナがロシアに一撃を加えた今がタイミングだと思う。このまま戦争がだらだらと続くことは世界にとって不幸だ。

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米軍高官「ウクライナ、軍事的勝利は当面ない」 政治解決に期待

11/17() 8:35配信 毎日新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4a4cbf2f1838b30306fd58c9f0bf254c7b891c

 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は16日の記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻に関して「ロシアがウクライナ全土を征服するという戦略目標を実現できる可能性はゼロに近い。ただ、ウクライナが軍事的に勝利することも当面ないだろう」と指摘した。その上で「ロシア軍は大きなダメージを受けており、政治的判断で撤退する可能性はある」と述べ、攻勢に出ているウクライナにとっては交渉の好機だとの考えを示した。

 ミリー氏は「防衛に関して、ウクライナは大成功を収めている。ただ、攻撃に関しては、9月以降にハリコフ州とヘルソン州(の領域奪還)で成功したが、全体から見れば小さな地域だ。ウクライナ全土の約20%を占領するロシア軍を軍事的に追い出すことは非常に難しい任務だ」と指摘した。

 一方で、「ロシア軍は、多数の兵士が死傷し、戦車や歩兵戦闘車、(高性能の)第45世代戦闘機、ヘリコプターを大量に失い、非常に傷を負っている。交渉は、自分が強く、相手が弱い時に望むものだ。(ウクライナの望む形での)政治的解決は可能だ」と強調した。秋の降雨でぬかるみが増える季節を迎えたことで「戦術的な戦闘が鈍化すれば、政治解決に向けた対話の開始もあり得る」との見解を示した。【ワシントン秋山信一】

=====

ロシアとの交渉は魅力的であり、そして間違っている(Talking With Russia Is Tempting—and Wrong

-ウクライナでの戦争を終結させるための交渉を始めるのは時期尚早である。

ジェイムズ・トラウブ筆

2022年11月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2022/11/16/talking-with-russia-is-tempting-and-wrong/

1814年の夏、2年前にイギリスがアメリカに侵攻し始まった戦争を終結させるために、米英両国の交渉官たちがヘント(ベルギー)に集まった。イギリスは勝利の確信を持ち、領土に関するアメリカ側の譲歩を求めた。ジョン・クインシー・アダムスとヘンリー・クレイが率いるアメリカ代表団はイギリスからの強硬な条件をはねつけた。イギリスは、ニューイングランドの一部を含む当時の制圧地域を境界線として描き直すことを提案した。10月初旬にヨーロッパに届いたワシントン焼失のニューズは、アメリカ側にも譲歩を促すものだった。

しかし、アメリカ側は良い知らせを待って交渉を長引かせた。良い知らせは、シャンプラン湖周辺とボルチモアでのアメリカの勝利という形ですぐに届いた。クリスマス直前、イギリスは全ての要求を撤回し、最も争点となる問題を将来の議論に任せて先送りすることに同意した。ヘント条約は、アメリカの主権が脅かされていた時代に終止符を打ったのである。

この逸話の教訓は、戦時中の早まった外交は誤りであり、戦場のダイナミズムが交渉の条件を形成することを許さなければならないということである。マーク・ミリー統合参謀本部議長は、ウクライナがロシア軍と「膠着状態(standstill)」まで戦った今、外交の「好機をつかむ(seize the moment)」ようバイデン政権の同僚に呼びかけている。しかし、それは間違った比喩だ。ウクライナ人はまずロシアの猛攻に耐え、その後でそれを押し返した。1914年9月の協定がニューイングランドの大部分を切り落としたように、1カ月前の外交交渉では、ウクライナが取り戻したケルソンの支配をロシアに譲り渡すことになっていたかもしれない。外交のチャンスはいずれやってくるが、それは今ではない。

以前、ウクライナ問題で進歩主義的な民主党所属の政治家たちがジョー・バイデン米大統領に送った書簡について、私はコラムで左派の反戦外交の主張(left’s antiwar case for diplomacy)には抵抗があることを書いた。しかし、より強い主張は、右派、少なくとも左派ではない勢力から出ている。右派は、ウクライナの領土保全への関心は限りなく高いが、欧米諸国には他にも多くの懸念があり、ウクライナ支援とのバランスを取る必要があると正しく指摘している。ユーラシア・グループのクリフ・カプチャン会長は、『ナショナル・インタレスト』誌の記事の中で、戦争がもたらす重大かつ長期的なコストとして、「脱グローバリゼーション(deglobalization)」の加速、食料・エネルギー価格の上昇とそれらが引き起こす社会・政治不安、核の不安定性、そして何よりもロシアとNATOとの戦争、おそらくロシアによる核兵器の使用という見込みを挙げている。

最近、カプチャンの話を聞いたところ、「ロシアとの話し合いを受け入れるべきだと考えるのは少数派だ」と述べていた。彼が最も懸念するのは、軍事的なコストだ。「プーティンのレッドライン(最終譲歩ライン)はまだ見つかっていない」と彼は言った。ロシアのウラジミール・プーティン大統領は、これまで考えられていたようなリスク回避を受け入れる人物ではない。ウクライナ人がそれを払うに値すると考えるかどうかにかかわらず、彼は自分の体制に対する脅威と見なすものには、核兵器であれ何であれ、西側諸国にとって災難となるようなエスカレーションで対応するかもしれない。カプチャンの兄弟でジョージタウン大学のチャールズ・カプチャン教授(国際問題)も、「ロシア軍がウクライナ東部とクリミアから完全に追放された場合、クレムリンの核兵器への依存は現実的な選択肢となる」と主張している。

これはつまり、ウクライナ人が戦場で大成功を収め、プーティンが世界を引きずり込む前に、西側諸国は外交的な最終案を練り始める必要があるという提案を行うもので、これは外交とタイミングに関して本末転倒な主張だ。このような理屈は、もちろん、核の恐喝が使われる要点ということになる。私がクリフ・カプチャンにこのように言うと、彼は戦争の追加的なコスト、つまり何百人ものウクライナの子どもたちの恐ろしい死について指摘した。しかし、これはウクライナ人自身が喜んで負担しているように見えるコストである。

だからといって、プーティンのハッタリに簡単に応じるのは、狂気の沙汰としか言いようがない。バイデン政権はレッドラインの問題を痛感している。ウクライナに4億ドルの軍需物資を追加供与することを承認しながら、ロシア国内の標的を攻撃できる長距離無人機の供与は拒否した。外交上の主張は、事実上、ワシントンはアメリカだけでなくウクライナも制限しなければならないということになる。そうでなければ、国際関係学者のエマ・アシュフォードが最近書いたように、「戦争に対する慎重に調整された対応が、絶対的な勝利という危険なファンタジーに取って代わられるかもしれない」ということになる。アシュフォードは慎重に中立的な立場を取り、交渉による解決は「今日では不可能に思える」が、アメリカの外交官は「そのようなアプローチが伴う困難な問題を公にして、そしてパートナーに対して提起し始めるべきだ」と示唆している。

ウクライナにロシアとの対話を迫ってはいけないが、必ず来るだろう話し合いに向けて準備を始めるべきだということだ。これは論理的に聞こえる。しかし、本当にそうすべきなのか? 外交問題評議会のロシア専門家であるスティーヴン・セスタノビッチにこの問題を提起してみた。セスタノビッチは、可能性のあるシナリオを公開することさえ、最も貴重な要素であるウクライナの意志を奪うことになりかねないと述べた。彼は次のように語った。「そう、ある時点では、ウクライナ人と座って将来について話すことができる。しかし、彼らはどれだけの損害を受容するのかどうかについては敬意を払わなければならない」。セスタノビッチは、1940年5月、ウィンストン・チャーチルがイタリアの外交打診を拒否したのは、イギリスの士気が下がるのを恐れてのことであったという歴史的な類推(analogy)を使用した。

今、外交官の机の中に最終案の計画が残っているのは、タイミングや戦術だけでなく、外交的リアリストが甘く見がちな他の種類のコストにも関係がある。英国は、1812年の戦争後、アメリカがあまりにも強く、立地も良いため、奪還は不可能であることを悟った。しかし、プーティンは2014年の状態より少し良いものを認める協定によって勇み立つだろう。実際、プーティンは、危害を加える能力を保持している限り、近隣諸国と西側諸国にとって脅威であり続けるだろう。セスタノビッチは、ウクライナが東部で前進を続け、失ったものの多くを取り戻せば、「ロシアは完全にパニックモードになり」、プーティン自身の支配が脅かされることになると示唆している。これは事実上、ウクライナ軍の成功の最良のシナリオである。もちろん、最悪のシナリオは、その脅威に対してプーティンが暴発することである)。

根本的な問題は次のようなものだ。問題は、「それがどの程度問題なのか?」ということだ。これまでのところ、アメリカとヨーロッパは、ウクライナにおけるロシアの侵略を阻止することは、それなりの犠牲を払うに値するという結論に達している。欧米諸国が公言する価値観が本物であることが判明したことは、プーティンにとって当然ショックであり、欧米諸国の多くの人々にとっても、非常に喜ばしいショックであったに違いない。しかし、その意志は無限であるとは言い難い。バイデンをはじめとする指導者たちは、ロシアの賠償金とウクライナの領土の隅々までの返還を含むウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領の最大限の条件を達成するために、政治的、経済的負担を負い続けることはないだろう。

外交官たちがその計画を机上から引き上げる時が来るだろう。しかし、その前に、我々の協力でウクライナがプーティンの進撃をどこまで押し返せるか、見届けなければならない。それが私たちの利益であり、ウクライナの利益でもある。

※ジェイムズ・トラウブ:『フォーリン・ポリシー』誌コラムニスト、ニューヨーク大学国際協力センター非常勤研究員。著書に『リベラリズムとは何だったか?:過去、現在、そして新しいアイディアの期待(What Was Liberalism? The Past, Present and Promise of A Noble Idea)』がある。ツイッターアカウント:

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 古村治彦です。

 ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は相手によって発言内容を変え、相手が一番聞きたい内容を話す天才だと私は考えている。彼の前職がコメディアン、俳優であり、こうした能力は前職であれば大いに称賛される能力である。政治家としてもまたその能力は活かされている。しかし、そのためにゼレンスキーの真意は、ロシアのウラジミール・プーティン大統領と同様に掴みがたい。

 ゼレンスキーは西側メディアに対しては「一人でも多くのウクライナ国民の命を救うことが勝利だ」「領土はただの領土に過ぎない」と述べながらも、「ウクライナ国民は最後の一都市まで戦う」とも述べた。前半の発言内容であれば、一刻も早い停戦を行って国民の命を救うという考えなのかと私は思ったが、後半部分では徹底抗戦するということを述べているので、停戦はすぐにはできないのではないかと思わされる。ブラフを言いながら、相手と交渉をするというのは常套手段であるが、ゼレンスキーが何を考えているのかはっきりしない。

 ロシアのジャーナリストとのインタヴューでは中立化、非核化、国内でのロシア語使用といった内容を話しており、これはロシア側が聞きたい内容そのものになっている。昨年であればこうした内容以上にウクライナにとって利益になる、有利な条件での合意がロシア側と結べていたということを考えると、ゼレンスキーの一国の指導者としての能力は低いと断じざるを得ない。また、世界各国の議会で戦争を焚きつけに回って、第三次世界大戦の棄権を招来するなどというのは、全くもって世界にとって危険極まりない人物だ。

一刻も早い停戦を望む。ウクライナ国民、ロシア国民の塗炭の苦しみを思い、世界中の人々の生活苦を考えるならば、ウクライナは頑強な抵抗でロシア軍を敗退させている今こそ、より良い条件で停戦ができ、和平交渉ができる時期だ。西側諸国がやっていることは、出血が続いている重傷者の出血を止める措置をしないのに、輸血だけはしているということと同じだ。これでは長期的に見て体が持つ訳がない。ウクライナを根本的に助けるという意思はない。ここは「耐えがたきを耐え忍び難きを忍び」である。

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ゼレンスキー:「勝利とは一人でも多くの命を救うことができることだ」(Zelensky: 'Victory is being able to save as many lives as possible'

マイケル・シュニール筆

2022年3月28日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/600001-zelensky-victory-is-being-able-to-save-as-many-lives-as-possible

ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、彼の国ウクライナの勝利は「できるだけ多くの命を救うことができること」だと述べた。

金曜日に行われた『エコノミスト』誌とのインタヴューの中で、ウクライナにロシアに勝つチャンスがあると思うかと聞かれ、ゼレンスキーは「私たちは勝利を信じる。それ以外を信じることはできない」と発言した。

ゼレンスキーは続けて「ここは私たちの家、私たちの土地、私たちの独立なのだから、私たちは最終的に必ず勝つだろう。あとは時間の問題だけのことだ」と述べた。

ウクライナにとっての勝利とは具体的にどのようなものかと続けて質問されたゼレンスキーはウクライナ国民の安全が最も重要であると強調した。

ゼレンスキーは「勝利とは、できるだけ多くの命を救うことだ。そう、できるだけ多くの命を救うことだ。ウクライナ国民なくしては、何も意味をなさない。私たちの土地は確かに重要だが、最終的にはただの領土に過ぎない」と語った。

ゼレンスキー大統領は、1カ月に及ぶウクライナでの紛争がいつまで続くか分からないとしながら、ウクライナ国民は「最後の1都市まで戦うだろう」と強調した。

「私たちの勝利は一時的なもので、全ての問題を解決することはできないかもしれないが、私たちは進むべき方向を選択した」と続けて述べた。

ロシアのウラジミール・プーティン大統領は2月24日、ウクライナにロシア軍を派遣したが、多くの地域でウクライナ軍の頑強な抵抗を受け、ロシア軍の活動は滞っている。

国連ウクライナ人権監視団によると、紛争が始まって以来、少なくとも1119人の民間人が死亡し、1790人が負傷したと報告されているということだ。しかし国連は、「敵対行為の影響を受けた複数の場所から情報を収集し、検証する能力が著しく阻害されている」と指摘し、実際の数字はもっと大きいとしている。

ゼレンスキー大統領は、紛争を通じて指導力を発揮し、激動の時代の中でキエフに留まり国の舵取りをしている若い大統領に世界中の多くの人々が賞賛を送っている。

ゼレンスキー大統領は、『エコノミスト』誌とのインタヴューの中で、ウクライナに留まるという決断について語り、この決断は「攻撃への対応について人々へのシグナル」であったと語った。

ゼレンスキーは「人は何をすべきか、何をすべきでないかという選択肢を最初から選ぶと、本格的な戦争がどういうものなのか、誰もが分からなくなってしまう。私の仕事は、人々がどう行動すべきかを知るためのシグナルを出すことだ」と述べた。

ゼレンスキーは次のように述べた。「そして、ウクライナがどう行動すべきかを示す時、自分たちもそれに従って行動しなければならない。残るべきか去るべきかの決断の時があった。私たちは皆、同じように傷ついている。残るという決断は攻撃に対してどう対応するべきかという、人々へのシグナルだった。重要なのは結局、戦争がどのように始まり、どのように終わるのか、ということだ。今回の戦争は、私たちがここに立って守っていることで終わる」。

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ゼレンスキーは和平合意の一部に中立の立場を入れる可能性を否定しない(Zelensky opens door to making neutral status part of peace deal

モニク・ビール筆

2022年3月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/599940-zelensky-opens-door-to-making-neutral-status-part-of-peace-deal

ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は日曜日、和平合意の一部として、中立的な立場を第三者が保証し、国民投票にかけられるのであれば、検討すると述べた。

ロイター通信の報道によると、ゼレンスキーは「国家の安全の保障と中立、核兵器の非保有国の立場。私たちはそうした条件のための準備はできている。これが最も重要なポイントだ」と語ったということだ。

ゼレンスキーはまた、ウクライナがロシアとの交渉の一部として、ウクライナにおけるロシア語使用について検討していると述べたが、大統領はモスクワの他の要求については言及することを拒絶した。

ゼレンスキーの発言は、ロシアのジャーナリストとの90分間のヴィデオ通話の中で行われた。ロイター通信は、ロシア当局が事前にロシアのメディアに対し、この通話について報道しないよう警告していたと報じた。

ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月以上が経過し、駐米ウクライナ大使のオクサナ・マルカロワは日曜日、ウクライナの主権を守ることができないということは、「残忍性、寡頭制、戦争犯罪者が私たちの住む惑星に充満する」ことを意味すると述べた。

マルカロワ大使は「ウクライナの領土に独立した共和国は存在しない。2014年にロシアが攻撃してきた。ロシアはクリミアとドネツクとルハンスクの一部を不法に占領した。ロシアは、不法に、今、独立国に本格的な戦争を仕掛けている」と述べた。

また、CNBCによると、日曜日、ウクライナのイリーナ・ベレシュチュク副首相は、ウクライナ東部のドネツクとルハンスク地域で2つの人道回廊設置が合意されたと発表した。

国連人権事務局は、2月24日の侵攻開始以来、1119人の民間人が侵攻で死亡し、更に1790人の民間人が負傷したと発表した。人道回廊設置合意の発表は国連人権事務局の発表後に行われた。

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