古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:共和党

 古村治彦です。

 

 2020年米大統領選挙について、民主党ではジョー・バイデン元副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)といった人々が人気で、新たに、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が出馬に向けて、準備委員会を発足させると発表しました。ウォーレン議員は人気で言えば4、5番手といったところでしょうか。

 

 そうした中で、まだ出馬表明をしていないサンダースに対して、民主党系のシンクタンク「サード・ウェイ」という団体が早い時期に予備選挙が行われる各州で、名指しで攻撃するような内容のテレビ広告を行っており、それに対してサンダースが激しく非難しているということです。

berniesanders001

バーニー・サンダース

 サンダースは、サード・ウェイを「ウォール街民主党(Wall Street Democrats)」と呼び、格差是正を訴える自分たちのような進歩派を当選させないようにしているのだと批判しています。一方、サード・ウェイは、中間選挙でサンダース系の進歩主義的な候補者たちが多数落選した(サンダース自身は当選)ことで、有権者は進歩主義的な、民主社会主義的な政策は望んでいないことがはっきりした、サンダースや進歩主義的な政策ではトランプを倒すことはできない、と主張して対立しています。

 

 サード・ウェイは銀行業界からの支援を受けていると言われるシンクタンクであり、銀行業界、更には大企業や富裕層に対しての増税を主張しているサンダースを攻撃するのは当然のことでしょう。また、サンダース系の候補者たちが多く落選したことも事実で、民主党が強い地域、しかも貧困の度合いが高い地域でしか勝てなかったということもそうでしょう。このブログでも数回にわたってご紹介した、史上最年少の連邦下院議員となるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの登場で、進歩主義派、民主社会主義派が台頭しているように見えますが、全米では勝利を得るということは難しいというのは衆目の一致するところです。

 

 サード・ウェイはウォール街からの支援を受けているという点では、ヒラリー・クリントンや民主党エスタブリッシュメントにつながるシンクタンクと言えます。彼らからすれば、サンダースは2016年の米大統領選挙でヒラリー当選を阻止した人物であり、ある意味で、トランプよりも憎悪の対象となっていると思われます。

 

 2016年の米大統領選挙で民主党は分裂しました。そのために民主党は敗北したということが言えるでしょう。2020年の米大統領選挙で分裂を回避して戦うには、サンダース派からも、民主党エスタブリッシュメント派からも距離を取る候補者が必要ということになります。そうなると、やはりオバマ夫妻が大きな影響力を持つ、キングメイカーとして浮上することになります。民主党が奪還したい五大湖周辺州での影響力を考えると、オバマ夫妻が支持する人物が民主党候補者としてふさわしいということになります。それは今のところ、ジョー・バイデンということになります。また、ジョー・バイデン陣営は副大統領候補として、ビトー・オロークを迎えるということも考えているようです。

 

 しかし、年齢のことを考えると、バイデンでは不安ということもあります。結局、民主党は決定打となる有力候補はおらず、現職のトランプ大統領がかなり有利ということになります。トランプ大統領が敗れることがあるとすると、それはやはり経済が失速してしまい、支持率が低下する時だと思います。先日亡くなった、ジョージ・HW・ブッシュ元大統領がビル・クリントンに敗れた事例が思い出されます。

 

 2020年の米大統領選挙の結果は経済状況が左右するということになるでしょう。それでも今のところはトランプ大統領が優位にあるという結論になります。

 

(貼り付けはじめ)

 

サンダースは2020年の大統領選挙出馬を取り沙汰されているが「ウォール街民主党」を激しく批判(Sanders teases possible 2020 White House bid, tears into 'Wall Street Democrats'

 

オーウェン・ドアティ筆

2018年12月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/423055-sanders-tears-into-wall-street-democrats-campaigning-against-his

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は2020年の大統領選挙出馬の可能性が高いと見られている。サンダースは木曜日、「ウォール街民主党(Wall Street Democrats)」による、自身の進歩的な公約に反対する運動を激しく批判した。

 

サンダースはシンクタンク「サード・ウェイ(Third Way)」が早い時期に予備選挙が行われる各州で行っているテレビ広告を激しく批判した。サード・ウェイのテレビ広告はサンダースを名指しで攻撃している。サンダースは、彼の進歩的な公約を批判しようとしているグループを攻撃した。

 

資金提供を求めるEメールのメッセージの中で、サンダースは、「再び戦う」ための寄付を求め、次のようなメッセージを送った。「この国の政治、経済のエリートが2020年の米大統領選挙と連邦議会議員選挙、州知事選挙をお金の力で買い取り捻じ曲げ、進歩的な公約を支持する候補者たちを脅すようなことを私たちは決して許さない」。

 

メッセージは続けて、「エリートたちはサンダース派の候補者たちの出馬を思いとどまらせたい、もしくは落選させたいと望んでいる。更には進歩的な政策が推進されないことを確かなものにしたいと望んでいる」。

 

サンダースは、サード・ウェイのようなグループを「失敗に終わった企業最優先のアプローチ」に戻そうと望んでいると攻撃した。サンダースは、このようなグループは収入と財産の格差を増大させていると主張している。

 

メッセージでは更に「私たちが主張する政策はこの国の政治と経済の分野のエスタブリッシュメントに脅威を与えている」と主張している。

 

本誌の取材に対して、サード・ウェイの広報担当者は声明を送付した。その中では、民主党は「トランプを倒すための最善の機会」を持つ候補者たちに最大限の力を注ぐべきであり、2018年の中間選挙の結果から、サンダースは「そのためのテスト」に落第したことが「最終的に証明された」と述べられている。

 

マット・ベネットは本紙の取材に対して次のように勝った。「民主党が問いかけるべき最大の問題は、どの候補者が、どのような考えがトランプを倒す最善の機会を持つのか、ということだ。中間選挙は、サンダースがそのためのテストに落第したことを最終的に証明した」。

 

ベネットは更に次のようにも述べた、「民主党と無所属を支持する有権者たちが望んでいるのはサンダースの公約ではない。私たちが彼の資金集めの道具として使われていることは名誉なことだ。彼らは私たちを影響力がある批判者と考えて何とか利用しようと考えているのは明白だ」。

 

サンダースが2020年の米大統領選挙出馬を表明するとなると、トランプ大統領に挑戦する、ひしめき合っている民主党の予備選挙候補者の中に入ることになる。有力候補者として評判が高い政治家として、ジョー・バイデン前副大統領、ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長の名前が挙がっている。

 

本誌とハリスX社の共同世論調査の結果によると、2020年の大統領選挙に関する仮定の質問(今日が投票日としてどちらに投票しますか)について、トランプとサンダースはほぼ互角の結果となった。37%がトランプに投票すると答え、38%がサンダースに投票すると答えた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 2019年はアメリカ大統領選挙の民主、共和両党の予備選挙が始まる年です。今年前半、できるだけ早い時期に予備選挙に出馬するかどうか、態度を表明しなければなりません。共和党は現職のドナルド・トランプ大統領が一期目で再選を目指す立場にあり、大物が挑戦することはないと思われます。


joebidenberniesandersbetoorourke001
オローク、バイデン、サンダース

 民主党はホワイトハウス奪還を目指す立場であり、これまでに多くの人物の出馬が取り沙汰されています。下馬評が高いのは今のところ、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員、ビトー・オローク連邦下院議員です。

2020democratspresidentialbid001

 

 この3名についての世論調査が行われたようで、その結果についての記事をご紹介します。「今日ただ今、2020年の米大統領選挙の投票日だとして、誰を支持しますか」という仮定の質問をして、一対一(トランプ対バイデン、トランプ対サンダース、トランプ対オローク)それについて答えてもらうという形式で調査が行われたようです。

 

 その結果、トランプ対バイデンは36%対42%でバイデン勝利、トランプ対サンダースは37%対38%でほぼ互角ながらサンダース勝利、トランプ対オロークは37%対30%でトランプ勝利という結果が出たそうです。

 

 これは、バイデンが引き継ぐであろうオバマ路線への期待、サンダースが主張する格差是正に対して評価があるということであり、オロークに関しては何をしたいのか分からない、かつヒラリー派ではないのかといいう不安、テキサス一州を対象とする連邦上院議員選挙で勝てなかったということがあるのだろうと考えられます。

 

 トランプ大統領の外交政策はバイデン(とオバマ路線)に近く、国内政策はサンダースに近いものです。表現は過激で、いくつかの政策は相容れないところがありますが、全体として、そうなのです。こうして考えると、トランプ大統領は、この3名が民主党の有力候補である場合、実際の本選挙では戦いやすいということになります。トランプは70代ですが、バイデンとサンダースは彼よりももっと年上で年齢の問題ということは避けられません。オロークはまだ実力不足ということになります。まったく思いもしなかったところから突然、スターが誕生ということになれば話は別ですが、現状ではその兆候は見られません。

 

 2019年、2020年の経済状況も絡んできますが、2018年末の段階ではトランプ大統領が優位であるということは間違いありません。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:2020年の仮想の米大統領選挙において、トランプはオロークを倒し、サンダースとはほぼ互角で、バイデンには敗れるという結果が出た(Poll: Trump beats O'Rourke, nearly ties Sanders and loses to Biden in hypothetical 2020 matchups

 

ジュリア・マンチェスター筆

2018年12月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/422735-trump-beats-beto-nearly-ties-bernie-but-loses-to-biden-in

 

『ザ・ヒル』誌と「ハリスX」社の共同世論調査によると、「今日2020年の米大統領選挙の投票が行われるとすると」という設問で、トランプ大統領はジョー・バイデン前副大統領に負けていることが明らかになった。

 

世論調査の結果では、ジョー・バイデン42%、トランプ36%で、バイデンがリードしており、他2人の民主党の有力候補よりも良い結果となった。

 

トランプ大統領はビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)との一対一の戦いで勝利している。トランプ支持は37%、オローク支持は30%であった。

 

トランプは、2016年米大統領選挙に出馬したバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)とほぼ互角の結果であった。37%がトランプに投票すると答え、38%がサンダースに投票すると答えた。

 

進歩派のストラティジストであるルイ・テキセイラは月曜日放送された番組「ワット・アメリカズ・シンキング」の中のインタヴューの中で、2020年米大統領選挙の候補者たちについて世論調査を行うのは早過ぎるが、バイデンがトランプに対して良い結果を収めたことは驚くべきことではないと述べた。

 

シンクタンク「センター・フォ・アメリカン・プログレス」の上級研究員テキセイラは、「ヒル・TV」のジャマル・シモンズに対して、「このようなことで世論調査を行うのは時期尚早だ」と述べた。

 

テキセイラは続けて次のように語った。「バイデンがトランプに対して良い結果を収めたことは驚くに値しない。バイデンは100%の知名度を誇る。彼は感じの良い人物だ。バイデンは民主党が苦戦している地域で善戦することが出来ると考えている」。

 

民主党全国委員会は先週、2019年から2020年にかけて12回にわたる予備選挙討論会を実施すると発表した。この予備選挙と討論会を通じて誰がトランプに挑戦できるかを調整することになる。トランプ大統領は就任してからの2年間、支持率は低空飛行を続けている。

 

先週、トランプ大統領は、11月の連邦上院議員選挙で敗北した、民主党の有力候補であるオロークについて記者団を前に皮肉たっぷりに次のように語った。「大統領選挙出馬を云々する前に連邦上院議員選挙で勝利しておくべきだったのだが」。

 

民主社会主義者のサンダースは、2016年の米大統領選挙の民主党予備選挙で善戦背板が、最終的にヒラリー・クリントン元国務長官に敗れた。

 

バイデンはこれまでにも複数回にわたり大統領選挙に出馬した経験を持つ、2020年の大統領選挙への出馬の可能性について完全に否定していない。

 

『ザ・ヒル』誌とハリスX社の共同世論調査は、ザ・ヒル誌のオンラインTV部門のヒルTVと世論調査会社ハリスX社の共同プロジェクトである。1001名のアメリカ国民に対して現在の政治と政策における諸問題について調査は実施された。2018年12月16日から17日にかけて調査が行われ、誤差は3.1ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 2020年の米大統領選挙について、このブログでも何度か書いていますが、共和党は現職のドナルド・トランプ大統領がいるので、よほどのことがない限り、対抗馬は出ないでしょう。一方、民主党はホワイトハウス奪還を目指しており、「誰がトランプ大統領を倒せるのか」という一点で、様々な名前が出ています。有力だろうという人物だけでも5名以上の名前が出ています。

 

 その中でも、ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員が知名度の点で大きくリードしています。バイデンはオバマ政権で副大統領を8年間務め、その前は連邦上院議員を36年も務めました。バーニー・サンダースは2016年の米大統領選挙でヒラリー・クリントンを追い詰めたことで知られています。


joebiden005
ジョー・バイデン 

berniesanders001
バーニー・サンダース

 上位2人に続くのが、新星ビトー・オローク連邦下院議員です。ハンサムな容姿と対立を煽らないスタイルで、人気を集め、今年の中間選挙において、テキサス州の連邦上院議員選挙に出馬しましたが、その様子は日本のニュース番組でも取り上げられるほどでした。現職のテッド・クルーズは追い込まれ、トランプ大統領に助けを求め、何とか当選することが出来ました。

betoorourke001

ビトー・オローク
 

 サンダースは社会主義者を自認しているので、共和党が優勢な州ではおそらく勝てないので、バイデンの方が候補者としては良いということになります。しかし、問題は年齢で、バイデンも、そしてサンダースも70代後半です。年齢で云々したくありませんが、やはり健康問題や判断力の低下などが懸念されます。そうした中で、オローク待望論も出てきています。しかし、オロークはテキサス州全部が選挙区となる連邦上院議員選挙で負けている点がネックになります。

 

 そうした中で、バイデンの側近たちが、オロークを副大統領候補にして、大統領選挙に出馬するということを考えているようです。バイデンの年齢の問題に関する懸念を、オロークを入れることで薄めようという動きのようです。バイデンが大統領になって万が一職務執行不能状態になったら、オロークが副大統領として職務を代行する、バイデンが自認することになれば、オロークが大統領に昇格するということになります。これは、バイデンの年齢を心配して投票を躊躇する有権者に対して、「バイデンとオロークをセットで見てください、2人で1つと見てもらって、とりあえずトランプ大統領を倒したいのです」と訴えるものであり、オロークと彼の支持者に対しては、「副大統領になれば一気に知名度が上がります。そうなればバイデンの次として民主党の候補者にすんなりなれます、そうすれば遅くとも10年後には大統領になれるでしょう」と訴えるものです。もしかしたら、バイデンは最初から1期だけと決めているかもしれません。

 

 バイデンのこのような動きに対して、オロークがどう対応するのか注目されます。

 

(貼り付けはじめ)

 

バイデンのティームがオロークを副大統領候補にして大統領選挙に出馬することについて議論(Biden team discussed 2020 run with O'Rourke as VP: report

 

タル・アクセルロッド筆

2018年12月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/421506-biden-team-discussed-2020-run-with-orourke-as-vp-report?fbclid=IwAR2WJNsIPo9QblwTYOpNUyWp8bYsFzy7UFT_DiPTtVJne3P8mQFLh7t7Oww

 

ジョー・バイデン前大統領の補佐官だった人々が。バイデンが2020年の大統領選挙に出馬する場合に、彼よりも若い人物を副大統領候補に選ぶというアイディアを提案したと報じられた。その候補者としてビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の名前が浮上している。

 

AP通信は匿名の人物からの取材をもとにして、金曜日に上記のシナリオを報じた。現在の補佐役と過去の補佐官たちは、バイデンが自身よりも若い人物を副大統領候補とすることで、彼の年齢に対する懸念を和らげることになると議論している。

 

2020年11月の投票日の段階で、バイデンは77歳になっている。もし大統領選挙に勝利すれば、バイデンは史上最高齢の大統領ということになる。バイデンはこの2年の間、トランプを倒すためにもう一度大統領選挙に出馬することを考慮していると述べている。そして、バイデンは民主党内の有力候補者たちと争うことになる。

 

民主党はここ数年若い有権者たち、特に若い女性有権者に向けてアピールしようと努力している。また、有色人種も対象としている。そして、トランプ大統領を倒すための最良の戦略の鍵を若者、女性、有色人種の人々が握っている。トランプ大統領は、前回の大統領選挙で中西部の白人の労働者階級からの支持を勝ち取って当選した。

 

民主党の大統領選挙候補者には数多くの人物が含まれている。その中には、様々な年齢の多くの女性やマイノリティの政治家たちの名前が挙げられている。

 

バイデンが46歳のオロークを副大統領候補に選べば、自分より若い人物とコンビを組むことになるが、白人男性だけのコンビになってしまうことを意味する。

 

本誌からのコメント依頼に対して、バイデンの報道担当はコメントを拒否し、オロークの事務所からは返答はなかった。

 

ロナルド・レーガンは当選時には73歳で最高齢だ。トランプ大統領は当選時は70歳であった。

 

バイデンは数か月以内に大統領選挙に出馬するかどうかを決断すると見られている。

 

オロークは現在2期目の連邦下院議員である。先月、テキサスの連邦上院議員選挙で、現職のテッド・クルーズ連邦上院議員に3ポイント弱の差をつけられ敗北したが、それでも、オローク自身も大統領選挙の候補者として名前が挙がっている。

 

2020年の米大統領選挙の候補者としては早い段階で名前が消えていたが、オロークはテキサス州の連邦上院議員選挙で優位な現職の共和党の候補者テッド・クルーズと予想外の接戦を演じたことで、大統領選挙への出馬を再考していると言われている。そして、民主党支持の有権者と献金者たちとの間で待望論が高まっている。

 

2020年の大統領選挙の民主党予備選挙に出馬するであろうと見られている人々の中には40代や50代の人々が含まれている。その中には、オローク、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、クリスティン・ギルブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、エイミー・クロウバッカー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、モンタナ州知事スティーヴ・ブロック、オバマ政権時代の住宅都市開発長官フリアン・カストロが含まれる。

 

その他に、77歳のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)と69歳のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)も有力な候補者である。

 

バイデンは連邦上院議員を36年勤め、その後、オバマ前大統領の下で副大統領を8年勤めた。民主党の支持基盤の中では人気を保っている。

 

今月モンタナ州で開催されたあるイヴェントで、バイデンは自身について「アメリカ国内で大統領に選ばれるのに最も資格として適した人物」だと述べた。

 

「現在我が国が直面している諸問題は、私が政治家として人生を賭けて取り組んだものばかりだ」。

 

=====

 

バイデンとサンダースがアイオワ州の世論調査でリード(Biden, Sanders lead field in Iowa poll

 

クリス・ミルズ・ロドリゴ筆

2018年12月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/421562-biden-sanders-lead-field-in-iowa-poll

 

アイオワ州の党員集会に出席すると答えた有権者たちを対象に行われた世論調査の結果が土曜日に発表された。ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が2020年の米大統領選挙の民主党候補のレースでリードしている。

 

バイデンは32%の支持を集めトップとなり、サンダースが19%を集めこれに続いている。サンダースは2016年の米大統領選挙民主党予備選挙で第二位となった。

 

世論調査を実施したセルザーアンドコー社の会長J・アン・セルザーは次のように語っている。「アイオワ州で党員集会に出席する人々になじみ深い人物たちに対する温かい歓迎ということになる。しかし、アイオワ州を訪問し始めて間もない、自分たちの未来を決める人々に名前を知ってもらおうとしている新人たちに対しても歓迎の意を示している。」

 

上位2人はヴェテラン政治家であるが、地元紙『デモイン・レジスター』紙・CNN・メディアコム社の共同世論調査の結果では、36%の人々がトランプ大統領を倒すためには、「新人」政治家がふさわしいと答えている。

 

新人待望の声に合うには、待望論が出ているビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)で彼は11%の支持を集めた。オロークは、テッド・クルーズ(共和党)との連邦上院議員を巡る戦いにおいて接戦で敗北を喫した後、大統領選挙の候補者として名前が取りざたされるようになった。

 

オロークは最近の数週間で民主党内の重要人物たちと会談を持っている。その中にはオバマ前大統領と聖職者のアル・シャープトンも含まれている。

 

上位2人以外に5%以上の支持を集めたのは、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)しかいなかった。

 

民主党所属の連邦ジョイン議員であるカマラ・ハリス(カリフォルニア州選出)、コーリー・ブッカー(ニュージャージー州選出)、エイミー・クロウバッカー(ミネソタ州選出)はそれぞれ5%、4%、3%の支持を集めた。マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長は3%の支持を集めた。

 

世論調査で名前が出された人物たちの中でバイデンとサンダースは最も高い知名度を誇る。彼らについて何も知らないと答えたのはわずか4%だった。

 

ウォーレンは上位2人に続き、高い知名度を持ち、84%が彼女の地位や立場について知っていると答えた。ウォーレンに続いたのは71%のブルームバーグ、64%のオローク、61%のブッカー、59%のハリスだった。

 

これまでのところ、ここに名前の出ている人物たちで選挙運動を開始すると発表した人はいない。

 

世論調査では、アイオワ州の民主党の党員集会(アイオワ州は米大統領選挙が最初に始まる州だ)に出席すると答えた人々に対して、20名の名前が掲載された名簿を示し、党員集会に出席した場合、誰を支持するかを質問した。2018年12月10日から13日にかけて20445名を対象に調査が実施された。誤差は4.6%だ。

 

アイオワ州での世論調査の結果は、金曜日に発表された全国規模の世論調査の結果とほぼ同じだ。全国規模の世論調査では、バイデンが30%の支持を集めてトップ、サンダースが14%を集めて第2位、3位には9%の支持を集めてオロークが入った。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 2018年も押し詰まってきました。2019年ももうすぐですが、アメリカでは2020年のアメリカ大統領選挙に向けて、いろいろと動き出す時期です。挑戦者側の民主党ではいろいろな人たちの名前が出ては消えている状況です。ヒラリー・クリントンの名前も出てくるほどです。

 

 民主党の大統領選挙に向けて、ヒラリーで敗北したことを受けて、オバマ政権出身者が良いのではないかという話が出ています。バラク・オバマ前大統領、もっと言えば、ミシェル・オバマ夫人が支持を表明した人物が民主党の大統領選挙候補としてふさわしいという話が出ています。しかし、オバマ政権出身者ということになれば、こちらも複数おり、その中でもジョー・バイデン前副大統領とエリック・ホルダー前司法長官が、オバマ夫妻とオバマ政権出身者たちの支持を得やすいということになっています。

 

 しかし、一枚岩とは言えず、どちらかということになると、遺恨が生じることも考えられます。ですから、オバマ夫妻も簡単には誰を支持するのかということは表明できないということになります。オバマ夫妻はこれからも民主党内で影響力を持つ、うまくいけばキングメイカーになるということを考えているでしょうから、ここで失敗する訳にはいきません。

 

 今年11月の中間選挙で、民主党は連邦下院での過半数、435議席を獲得しました。これを「ブルーウェイヴ(青い波、青色は民主党を示す色)」と喧伝するマスコミもありました。しかし、下に紹介する記事では、話はそう単純にはいかないようです。

 

 下で紹介する記事の分析によると、民主党は左に寄り過ぎたために、左派が優勢な場所では勝利を得られたが、それ以外の場所では、左派出身の候補者は落選したということだそうです。民主党はバーニー・サンダースの台頭を受け、左派の人々を多く擁立したが、選挙区の事情に合わない人たちも出て来て、そういう人たちは落選したということです。

 

 そして、興味深いのは、今回の中間選挙では連邦上院と州知事の一部の選挙も実施されたのですが、有権者の動きが「トランプ政権が嫌いなので、国政では民主党に入れた」のだが、「州知事選挙では、増税を訴えている民主党の候補者に入れない」ということであったという分析がなされていることです。連邦議員には左派を選ぶが(トランプが嫌いだから共和党には入れたくない、民主党は左派の人が候補者だが仕方がないからこの人に入れる)、知事の場合には増税を言わない人に入れる、という動きになったということです。

 

 民主党が左派に寄り過ぎると、左派が優勢な場所ではよいのですが、アメリカ全土ということになると、支持を得られないということになります。しかし、民主党では左派が強い状況ですから、左派の意向が反映されやすいということになります。そうなればアメリカ全土で戦う大統領選挙では民主党に不利ということになります。

 

 民主党の有力候補者であるジョー・バイデンにしてもバーニー・サンダースにしても70代を過ぎており、年齢の点で懸念があります。トランプ大統領の方が年下ということになります。トランプ大統領としてはバイデンやサンダースが出てくれば年齢の点で対抗し、左派が出てくれば儲けものという感じで待っているのだろうと思います。

 

 ビトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の名前も取りざたされていますが、テキサス州の連邦上院議員選挙で現職のテッド・クルーズ連邦上院議員に敗北してしまいました。もし大統領選挙出馬ということになると、自分の出身州で勝てなかった人物が大統領選挙候補としてふさわしいかどうかということも議論になるでしょう。

 

 こうして見ると、2020年に向けた民主党の先行きは厳しいものがあるということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

オバマを中心とする世界は分裂しており、2020年の大統領選挙における候補者が複数存在する(A divided Obama world has options in 2020

 

エイミー・パーネス筆

2018年11月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/414188-a-divided-obama-world-has-options-in-2020

 

2020年のホワイトハウスを目指すレース(大統領選挙)に誰が戻るかとなった時に、オバマを中心とする世界は分裂する。

 

バラク・オバマ前大統領の協力者たちの多くはジョー・バイデン前副大統領に大統領選挙に出馬して欲しい、彼を支援する用意はできていると考えている。

 

その他の人々は、オバマ政権で司法長官を務めたエリック・ホルダーに出馬して欲しいと考えている。ホルダーはオバマ大統領の上級補佐官を務めたヴァレリー・ジャレットと緊密な関係にある。

 

他にはマサチューセッツ前州知事デヴァル・パトリックを支持する人たちもいる。パトリックは、オバマ大統領のストラティジストを務めたデイヴィッド・アクセルロッドと長年にわたり盟友関係にあり、パトリックは大統領選挙出馬に向けてアクセルロッドと話し合った。

 

2020年の大統領選挙に関して、30名ほどの名前が出ている。そうした中で、緊密な関係にあるオバマを中心とする世界の人々が初めて分裂する可能性がある。

 

オバマ大統領の側近だったある人物は「こうした人々は同じ支持基盤で争うので、争いは厳しくなるだろう」と述べた。

 

オバマ大統領時代のホワイトハウス報道官と2012年の大統領選挙でオバマ陣営のスポークスマンを務めたベン・ラボルトは、オバマ派の内部が分裂する可能性があることを認めた。

 

ラボルトは次のように発言している。「今年の民主党の予備選挙に出馬する準備をしている才能ある人物はいる。その人物が出ることで、オバマを中心とする世界の人々にとっては、離散ということになる。民主党員の多くが支持できる人であっても、友人やオバマ政権時代に同僚だった人々からは支持されない、そんなことが初めて起きるかもしれない」。ちなみにラボルト自身は誰を支持するかについて表明することを拒絶した。

 

ラボルトは続けて次のように語っている。「私たちは2度の激しい選挙戦を勝利した経験から知恵を持っており、その知恵で民主党に貢献したいと望んでいる。私たちは選挙戦を通じて候補者たちの支持を強力に拡大させるための知恵と経験を持っている」。

 

オバマは裏側で彼の側近たちを支援し、選挙に出るように促してさえいる。しかし、オバマ自身は、ミシェル・オバマ夫人と同様に、民主党の予備選挙が終盤に差し掛かるまで、公の場で誰を支持するかは明言せず、中立を保つ可能性が高いとオバマ周辺の人々は語っている。

 

しかし、オバマの側近や大口支援者の間では、オバマの支持を得たいという期待は大きくなる一方だ。

 

オバマの側近であるある人物は、全員が、ヴァレリー・ジャレットがどう動くかを見ていると語った。ジャレットはホルダーとホルダーの家族と緊密な関係を保ち続けている。

 

しかし、ジャレットは友人たちに対して、パトリックを支持するかもしれないとも語っている。デイヴィッド・サイマスをはじめとするオバマの補佐官だった人々は、パトリックを支援していると言われている。サイマスはパトリックの許で次席首席補佐官を務め、現在はオバマ財団の最高経営責任者を務めている。

 

民主党所属のあるストラティジストは次のように語っている。「パトリックとホルダーに対して、オバマ政権出身者たちとヴァレリー・ジャレットは親近感を覚え、政界以外にもその魅力が伝わる人物だと考えている節がある。デヴァル・パトリックの政界での人脈はオバマ政権出身者ばかりだ。オバマ政権出身者たちの間で誰が候補者になるかについて終わりのない占いが続くだろう。彼らはオバマの意向が最終的に誰に向くかを知りたいと考えている」。

 

オバマ政権出身者や支援者の間では、バイデン出馬という噂も流れている。大統領選挙の初期段階であるが既にそうした話が出ている。バイデンはオバマ政権に参加していた人々を惹き付けるだろう。なぜならばそれはオバマ政権出身者たちの多くがバイデンを、トランプを倒す可能性を持つ数少ない人物の一人だと考えているからだ。

 

オバマの大統領選挙陣営に参加したある民主党員は次のように語っている。「今名前が出ている3人が選挙に出る場合、誰がオバマの敷いたレールに乗ることが出来るだろうか?私の直感ではバイデンということになる。バイデンはオバマ政権のナンバー2であったし、在任中にオバマ自身に何かあれば大統領職を譲るというくらいに信頼していた人物だ」

 

ジョン・、トミー・ヴェトー、ダン・ファイファー、ジョン・ラヴェットのようなオバマ大統領の補佐官だった人々は、バイデン出馬を注意深く見守っている。彼らは、「ポッド・セイヴ・アメリカ」というポッドキャストとテレビ番組を制作する会社を立ち上げ、成功させている。

 

それでも、バイデン、パトリック、ホルダーはそれぞれ大統領選挙出馬を検討していると言われているが、本当に出馬するかどうかは不明瞭だ。

 

ホルダーは中間選挙で出馬していた候補者たちを支援して回っていた。その中で、今月初めにマスコミの注目を集める発言を行った。ホルダーは、ミッシェル・オバマが提唱して有名になったスローガン「相手が品位も何もない形で攻撃するならば、私たちは品位を高く保とう」を言い換えたことで、マスコミの注目を集めた。

 

ジョージア州である選挙集会に出席した際、ホルダーは「いやいや、相手が品位も何もない形で攻撃してくるならば、私たちは相手を蹴り上げてやる。それが民主党の新しいやり方なのだ」と発言した。

 

ホルダーをよく知っている人々は、ホルダーは融通が利かず、選挙戦でもクソ真面目な話ばかりだった。

 

長年民主党に所属し、ホルダーが司法長官時代には司法省の報道官を務めたブライアン・ファロンは次のように述べている。「民主党員の多くは、エリック・ホルダーがあまり好ましくない話題ばかりを取り上げることに“舌打ち”をしていた。それでもホルダーは悪びれることなく、構造的な人種差別について延々と語った」。

 

ファロン「トランプが政治の世界に出てくるかなり前から、ホルダーは司法長官として、警察による暴力、有権者が投票の際に受ける抑圧、大量収監に厳しく対処するための政策を実施していた。歴代司法長官でホルダーの業績に比肩できる人はほぼいない」。

 

バイデンとパトリックは、全米を廻って選挙の民主党の候補者たちを応援することで、マスコミの注目を集めた。その他の民主党の大物とは異なり、バイデンは民主党優勢州だけではなく、共和阿東優勢州にも積極に出かけて行った。これは、バイデンが今でも白人の労働者階級の有権者の人気を保っていることを示している。

 

バイデン、ホルダー、パトリックの3人は互いに賛辞を送り合う。ホルダーは『バスフィード』誌の取材に対して「私がデヴァル・パトリックと知り合ってしばらく経つ。知り合って数年経つ。彼は知事を二期務めたが、素晴らしい仕事をしたと思う」と述べた。

 

ロバート・ウォルフは2008年と2012年にオバマ陣営の選挙資金担当幹部(bundler)を務めた。ウォルフは2020年の大統領選挙の候補者となり得る人物たちと親しい関係にある。ウォルフは2020年の大統領選挙は個人の関係では決まらないだろうと述べた。

 

ウォルフは次のように発言した。「民主党は党として、高度に純化するだろうと考えている。そうした中で、この人だなと私たち民主党員、民主党支持者の考えが一致するように進めることができる人が実際にトランプを倒せる人物なのだろう」。

 

=====

 

民主党はブルーウェイヴ(青い波)でチャンスが潰え、2020年の選挙では厳しい戦いを強いられることになる(Democrats face tough 2020 battle after blowing chance at blue wave

 

クリスティン・テイト筆

2018年11月8日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/415750-democrats-face-tough-2020-battle-after-blowing-chance-at-blue-wave

 

左派の人々が常々不得意としているのは、期待に応えるということだ。トランプ大統領の就任以降、彼の反対勢力は、中間選挙において連邦議会の共和党を一掃するブルーウェイヴが起きる発生するという期待に賭けていた。しかし、結果は民主党が連邦下院議員選挙でそこそこの勝利を収め、連邦上院では共和党が大きな勝利を収めた。民主党は重要な選挙で、穏健もしくは保守的な選挙区であまりに左派的な候補者を擁立したことで敗北を喫した。最高の結果を得たのは穏健派の民主党の候補者たちであった。一方、強硬な左派の候補者は各選挙で敗北を喫した。

 

左派の人々は、今回の中間選挙が2020年の選挙の前哨戦であり勝利を収めることが出来ると確信していた。多くの点で、民主党はイデオロギー上の純粋性ではなく、中道に進むべき選挙であった。

 

ほぼ全ての世論調査と新聞の論説は、アメリカ全土で民主党の候補者たちが勝利すると予測していた。民主党が圧勝すべき各州において、実際には民主党は後退した。ペンシルヴァニア州のようなラストベルトの一部で勢力を盛り返したが、増進した分はオハイオ州とインディアナ州での敗北で相殺された。

 

民主党は接戦の多くを落としてしまった。その理由は、民主党の候補者たちが主流ではない人々から選ばれたことにある。民主党は根こそぎ勝利を収めようとしたが、左派が優勢ではない各州で期待以下の勝利しか収めることが出来なかった。民主党はニューメキシコ州、ヴァージニア州、コロラド州で印象的な勝利をもぎ取った。しかし、民主党は支持基盤にのみ向けた選挙運動を展開したことで、無党派や穏健派の有権者たちからの支持を得ることが出来なかった。2006年と2008年の選挙では民主党はこうした有権者から支持を得た。いくつかの選挙区では、進歩派のバーニー・サンダースの仲間だと主張してきた候補者たちが勝てるはずの選挙で敗北を喫したのである。

 

フロリダ州は進歩派により過ぎた民主党敗北の顕著な例となった。アンドリュー・ギラムは、『リアルクリアポリティックス』誌の事前調査では平均で3.6%リードしており、全国メディアでは勝利の可能性が高いと報じられていた。しかし、ギラムは接戦ではあったが、1ポイントの差をつけられて敗北した。これは衝撃であった。ギラムはもともと喧伝されていたよりも大した候補者ではなかったということが明らかになった。ギラム敗北の主な原因は何か?ギラムの公約は伝統的に民主、共和両党が伯仲しているフロリダ州の左派にとっては素晴らしいものであった。最大の公約は、州の法人税を41%も引き上げるというものであった。しかし、これによって生み出される10億ドル規模の増税をもってしても、彼の主張した急進的な政策を賄うのには十分ではなかった。ギラムの計画は納税医者に更に毎年26億ドルの負担増を強いるものであった。

 

フロリダ州知事選挙における民主、共和両党の候補者たちについて報道を見れば、ギラムが失った数千、数万の得票について説明できる、それまで見えていなかった問題が見えるようになる。ギラムは世論調査の結果では常にリードしていた。しかし、ある住民投票が人々の投票における優先順位が決まったことで、結果が変わってしまった。フロリダ州では州憲法修正5条について住民投票が行われた。州憲法修正第5条は、増税する場合には州議会で圧倒的多数で可決された場合にのみに限られるとするものだ。この修正第5条は約65%の賛成で成立した。

 

穏健派有権者がひとたびは急進左派に投票した選挙区で、民主党は今回の中間選挙で敗北した。ミズーリ州選出連邦上院議員のクレイリー・マカスキル、モンタナ州選出連邦上院議員のジョン・テスター、インディアナ州選出連邦上院議員ジョー・ドネリーは、前回までの民主党色を薄めた選挙戦ではなく、オバマケアや増税、最高裁判事で反トランプ的な投票を行ったことを前面に打ち出して戦った。3名のうち、生き残ったのはテスターだけだった。

 

民主党は、目立つ選挙区で妥協してしまった。なぜなら民主党は強固な支持基盤の意向を無視できずに、選挙区の特性を無視して、左派過ぎる人物を擁立することを止めることが出来なかった。民主党が選挙区の特性に合った候補者を擁立したところでは、勝利を収めているのだ!ジョー・マンシン連邦上院議員は、ウェストヴァージニア州の前知事という中道派のイメージと連邦最高裁判事人事でブレット・カヴァナーに賛成票を投じたことで、何とか勝利を収めることが出来た。コノー・ラム連邦下院議員はペンシルヴァニア州西部の新たに引き直された第17区で56%を獲得して勝利した。シュレッド・ブラウンはオハイオ州連邦上院議員選挙で二期目の当選を決めた。

 

上記の当選した候補者たちは伝統的な民主党の政治主張とは距離を取っていた。こうした人々の間には2つの共通点がある。第一に彼らは社会主義者ではない。第二に彼らは選挙区で選挙戦を戦うために特性を理解しそこに合った候補者たちである。

 

今年の中間選挙において連邦上院と下院の選挙で民主党は今回選挙独特の現象に直面した。経済は好調なのに、有権者の多く、特に郊外の富裕な人々がドナルド・トランプを激しく嫌っている。都市部の強硬な進歩主義派と全国の穏健派が連合を組むということが勝利をもたらす戦略となった。有権者はトランプを激しく嫌う中で、有権者はワシントンに対して「メッセージを送る」ということと自分たちの財布に直結する州レヴェルの選挙で、州の運営の仕方をどのように行うかということの間で選択を行った。その人物が健康保険を政府が全額支払う制度を支持するから候補者にするというだけでは、一般有権者の支持を獲得することはできない。小さな青い「波」が引いていく中で、民主党に残された課題はより難しいものとなっていくだろう。

 

その顕著な例として、民主党が圧倒的に優位なニューイングランド地方が挙げられる。マサチューセッツ州からはエリザベス・ウォーレン、ロードアイランド州からはシェルドン・ホワイトハウス、ヴァーモント州からはバーニー・サンダースが連邦上院に送られる。この地方の連邦下院議員の当選者はほぼ民主党所属である。しかしながら、州知事選挙では、共和党がヴァーモント州、ニューハンプシャー州、マサチューセッツ州で勝利した。マサチューセッツ州の有権者はウォーレンを当選させながら、それ以上の大差で、共和党所属の現職知事チャーリー・ベイカーを当選させた。ロバート・コンクエストが提唱した政治における3つの法則を思い出させる。それは、「人はすべからく自分に関することでは保守的になる」というものだ。ニューイングランド地方の有権者は全国に反トランプ的な態度を鮮明に示しながら、自分たちの生活圏では州税の税率や手数料率をより低くすることを選択した。これはつまり、「自分たちは嫌だけど、他の地方の人たちには社会主義をどうぞ」という態度なのだ。

 

既に2020年の選挙に向けた動きは始まっている。民主党が連邦上下両院で過半数を獲得し、ホワイトハウスを奪還する機会を手にしたいと考えるならば、中道に向けて動くべきだ。行き過ぎの調査と左派により過ぎた公約によって、民主党は2020年の選挙での勝利の機会を失う可能性も高い。左派と急進左派の間くらいの有権者を狙って、ジョー・バイデンやビトー・オロークを候補者にするならば、民主党がホワイトハウスを奪還する機会も生まれる可能性がある。中間選挙の結果で示されたように、カマラ・ハリスとエリザベス・ウォーレンではアメリカ全土で勝負できない。

 

結局のところ、ドナルド・トランプは現役の大統領であり、その地位を使って自分の考えを人々に広める力を持っている。そして、2018年の中間選挙ではその力を効率よく使ったということになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 前回は、「民主党が連邦下院議員選挙に勝利し、トランプは敗北した」という内容の記事をご紹介しました。今回は、「民主党は連邦下院議員選挙に勝利したが、トランプは選挙に勝利した」という内容の記事をご紹介します。

 

 リベラルなメディアとして知られる『ワシントン・ポスト』紙に掲載された記事ですが、アメリカの各新聞にはリベラルから保守まで様々なコラムニストがいて、それぞれの立場から論説を発表します。前回ご紹介したEJ・ディオンヌは同じワシントン・ポスト紙に論説を発表するコラムニストですが、リベラルの立場から書いています。

 

 今回ご紹介する記事を書いたエド・ロジャースはヴェテランのコラムニストで、保守の立場から論説を書いています。同じ現象(2018年中間選挙)をそれぞれの立場からどのように解釈するのか、ということで読み比べると相違点、どこを強調しているのかが分かって面白いと思います。

 

 今回の記事では、民主党は確かに連邦下院議員選挙で勝利したということは事実として認めています。しかし、それは大勝ではなかったし、民主党の躍進を「ブルーウェイヴ(Blue Wave、青い波)」とアメリカのメディアは形容したがそういう青い波など起きなかった、と書いています。民主党が新星、ライジングスターとして期待をかけていた候補者たちは軒並み落選したではないか、という点を強調しています。

 

 そして、今回の中間選挙は、有権者にとってトランプを罰する機会となったはずだが、有権者はそうしなかった、有権者はそうするはずだと述べていた、傲慢な民主党と主流派メディアの言うとおりにならなかったと述べています。そもそもこれまでの中間選挙でも、支持率が低い大統領を出している政党は軒並み議席を減らしていて、今回の結果はこれまでの選挙(大統領の支持率が低い場合)の平均を超えなかったと述べています。

 

 確かに、民主党は30議席以上伸ばし、2010年以来の連邦下院での過半数を確保しました。しかし、何か「勝った、勝った」と大喜びできる雰囲気ではありませんでした。連邦上院では共和党が過半数を確定しましたし、民主党の期待の星は当選できませんでした。

 

 連邦下院で過半数を得たし、2016年の大統領選挙で、それまで民主党支持が多かったのにトランプに投票した地域もある程度回復できた、ということで民主党が勝った、という評価がある一方で、有権者はトランプ大統領に罰を与えなかったという評価もできる訳です。

 

 2020年の大統領選挙に向けては、民主党が厳しい、という評価は民主党内部でも存在します。これからどうなっていくのか、注目していかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党は連邦下院議員選挙で勝利した、しかし、トランプは選挙で勝利した(Democrats won the House, but Trump won the election

 

エド・ロジャース筆

2018年11月7日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/blogs/post-partisan/wp/2018/11/07/democrats-won-the-house-but-trump-won-the-election/?fbclid=IwAR0Uk3gHraxknmvptzUxRHs-JtOA_m__RCkOQfsQg8mrZ-PAz-ZPzcpSTFs&utm_term=.327ea3999bbb

 

火曜日の夜、共和党は完勝という訳にはいかず、また、民主党のブルーウェイヴもなかった。共和党はこれまでの歴史とほぼ全ての人々の期待を裏切った。一方、ビートー・オローク、アンドリュー・ギラン、ステイシー・エイブラムスなどが勝利するという夢想が破れたことで、民主党には失望が残った。民主党進歩派の新たなスターが登場することはなかった。今年の中間選挙の結果の意味を分析するのに数日必要となるだろう。しかし、簡単な分析はでき、その結果は明確だ。民主党は連邦下院で勝利するであろうが、選挙で勝利したのはトランプだ。

 

私が常々述べているように、政治においては、怒ると思われるものが起きることが多い。私が8月の段階で次のように予測した。民主党は連邦下院で過半数を獲得するだろうが、それだけでは民主党支持者のほとんどを満足させられない。今年の中間選挙はトランプ大統領を罰する機会を提供することになったが、傲慢な民主党と主流派メディアが予測したことはほとんど起きなかった。選挙の結果が示しているのは、その重要性が明確になるまでしばらく時間がかかるだろうが、民主党と主要メディアが言っていたことのほとんどは間違っていたということになるのだ。そして2018年の中間選挙が何かを証明するとなると、それは、トランプは強いままであり、トランプは有権者から拒絶すると期待していた民主党と協力者たちはこの人たち自身が否定されることになった、ということだ。

 

民主党は中間選挙のこれまでの歴史や人々の期待の大きさに比べて、うまくやることが出来なかった。大統領を出している政党は、大統領の支持率が50%を切っている場合、これまでの中間選挙において連邦下院で平均して37議席を失った。しかし、民主党はこの平均以上の議席の躍進は望めない状況だ。リベラル派は認めなくないだろうが、トランプ大統領は共和党にとって財産であり、バラク・オバマ大統領は民主党にとっては厄災をもたらす存在であった。

 

より明確に述べよう。有権者たちはトランプを罰するチャンスを得たが、そうしなかった。評論家のほとんどは、今年の選挙では、アメリカ国民とはどういう人たちか、アメリカとはどういう国かということをさんざん語った。それでも、アメリカ国民の多くはトランプを支持したようだ。民主党はトランプのマイナス面を述べるだけで、自分たちの勝利を促すことになると考えた。2018年の中間選挙の結果は、2020年の選挙に勝てると考えるのならば、計画を変更する必要があることを明確に示している。

 

中間選挙というものは、中間選挙はこのようになるという常識にほとんどの場合、従うものだ。大統領を出している共和党は議席をいくつか失ったが、しかし、民主党やメディアの協力者たちが起きるであろうと主張していた、民主党躍進によるトランプ大統領への懲罰とは程遠い結果になった。中間選挙が共和党にとっては悪い結果をもたらす、トランプに対して厳しい目が向けられているということであったなら、ここで疑問が出てくる。火曜日の選挙結果は、トランプが共和党にとっての重荷であるという考えを証明するものであろうか?トランピズムは共和党にとって政治上の重荷だろうか?この疑問に対する答えは、トランピズムはプラスだというものだ。What that says about the GOP and America is unclear. しかし、2018年の中間選挙における目的という観点からすると、トランプは勝利者ということになる。

 

トランプと彼の協力者たちは、ニューヨークとハリウッドのエリートたちが撥ねつけることも戦うことも出来ないアピールを人々にしている。2018年の中間選挙で民主党の注目株となった人々は全て当選できなかった。有権者がどちらに投票するかを決めなければならなくなった時、多くの場合、怒れる左派は人々から拒否され、トランプが利益を得ることになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

このページのトップヘ