古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:内閣改造




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 第二次安倍内閣の改造が終わり、副大臣・大臣政務官の人事も確定しました。それらの名簿を見て、自民党の人材の払底ぶりには唖然としてしまう程です。ネトウヨとほぼ変わらない人物が外務大臣政務官になるなど、「やれやれ」と思わざるを得ません。

 

 内閣改造終了まで、石破茂・前自民党幹事長の去就に注目が集まりました。石破氏が閣外に出て、反安倍勢力の旗頭になるのかどうか、ということが最大の焦点でした。石破氏は、閣内に留まり、反安倍派の旗頭になるということを選択しませんでした。幹事長には、リベラルと目される谷垣禎一氏が就任し、「ポスト安倍」における石破氏に対する牽制となりました。

 

 下に貼る雑誌記事は、安倍晋三総理大臣の健康問題があるので、石破氏が内閣にも、自民党執行部にも入らない、倒閣運動を行うという前提で書かれたものです。9月1日に掲載された記事ですから、内容が外れてしまいましたが、それは仕方がないことです、神ならぬ悲しき人間の身でやることですから。

 
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 私は、安倍総理の健康問題に対して、全く反対の解釈ができるのではないかと考えます。「安倍総理が健康問題で、途中で政権を投げ出すということになる可能性がある時、閣外にいて、執行部にも入っていなかったら、ポスト安倍レースに参加しにくい。とりあえず、協力しておけば、次の指名(禅譲)を受けられることも考えられる」と石破氏が考えたということもあるのだと思います。

 

 政治家と健康問題は相性が悪いものです。権力に近ければ近いほど、健康問題でチャンスを逸することもあるし、逆に棚から牡丹餅ということもあります。

 

 安倍総理があれだけの回数のゴルフをこなしているので、健康問題が緊急の要素になるとは考えにくいですが、それでもそういう可能性があるというだけでも、大きな影響を持つものだと思います。

 

 今回の内閣改造は、全体として、政局の面では、総花的でかつポスト安倍候補を取り込むことができたので、巧妙な人事であったと言えますが、自民党の人材の払底とレベルの低下を示すものとなりました。色々と問題が出てくることになるだろうと思います。

 

(雑誌記事転載貼り付けはじめ)

 

●「石破茂氏 「総理の体はもう限界」情報リークうけ決起決断か」

 

NEWS ポストセブン 2014年9月1日

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140901-00000016-pseven-soci

 

 内閣改造で注目された自民党の石破茂幹事長の処遇だが、828日に安倍晋三首相と石破氏が会談、石破氏が安保担当相以外のポストで入閣することが濃厚となった。これで一件落着かといえば、ことはそう簡単ではない。石破グループの党内勢力は約30人。常識的には権力者の安倍首相と正面から闘っても勝算はあまりない。

 

 もともとグループ内でも来年の総裁選を最大の目標とする「主戦論」と、出馬せずに安倍首相を支えて禅譲を期待する「宥和(ゆうわ)論」の両論があり、「石破さんは最近まで、安倍内閣の支持率の高さから来年の総裁選に出ても勝ち目がないうえ、大差をつけられればその先の芽もなくなるから出馬は難しいと考えていた」(石破側近)という。石破氏の戦略が変わった背後に何があるのか。

 

「石破さんは首相サイドに、自分の代わりに自公交渉にかかわった側近の中谷元・元防衛庁長官の安保相入閣を要請したが、色よい返事はなかった」(石破グループの閣僚経験者)といわれるが、それは時系列からもおかしい。石破氏が安保相を蹴った時点で、ゴングは鳴っていたのである。

 

 むしろ重大なトリガーになった可能性があるのが、週刊ポストが前号で報じた安倍首相の健康不安説だ。安倍首相は9日間で4回の歯医者通いをし、これが持病と関連しているのでは、との歯科医の見解を紹介した。

 

 首相が「寛解した」と説明してきた持病の潰瘍性大腸炎がここにきて悪化している可能性があるが、実は石破氏の蜂起直前、霞が関中枢から「総理の体はもう限界」という情報がリークされたというキナ臭い話がある。

 

 その政府要人は安倍氏の体調を間近に観察できる立場にあり、どちらかといえば石破氏にシンパシーを感じる人物だった。一部の政界関係者やメディア関係者に対し、「安倍さんの体は悲鳴を上げている。私はもって1年ではないかという印象を受けている」と語ったというのである。

 

 その日は朝から、当日発売された週刊ポスト前号が永田町で回覧され、ひとしきり首相の健康問題が話題にされていた。本当に「もって1年」なら、石破氏にとって政権奪取をためらう理由はなくなる。

 

 同じタイミングで石破氏の背中を押していたのが幹事長特別補佐の鴨下一郎・元環境相だった。石破氏は825日、ラジオ番組で安倍首相の看板政策である安全保障について「(私とは考え方が)違う」と語り、「首相と考え方が100%一緒の人が国会で答弁するのが一番いい」と打診されていた安保担当相就任の拒否を明言した。石破氏のラジオ出演前日、鴨下氏は「石破さんが(安保相を)受けるのは、なかなか難しい」と入閣を固辞する見通しを語り、「石破は受ける」と見ていた官邸側にジャブを打った。

 

 鴨下氏は現役の医師で、専門は心療内科。ストレス関係を中心に著書は80冊を超える。「鴨下さんは当初は宥和派だったが、突然、主戦論に加わった。専門医の立場から総理の体調、精神状態の変化を見抜いていたのではないか」(石破グループ議員)という見方もある。

 

※週刊ポスト2014912日号

 

(雑誌記事転載貼り付け終わり)

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 本日、第二次安倍晋三内閣の第一次改造、および自民党の執行部の交替が発表されました。焦点となっていた自民党幹事長には谷垣禎一氏が就任し、石破茂氏が地方創生・国家戦略特区担当大臣として入閣しました。初入閣が8名。それから見慣れない、聞きなれない担当(地方創生、国家戦略特区、女性活躍)大臣も就任しました。

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 厚生労働大臣の塩崎恭久氏は、安倍氏の盟友で、第一次安倍内閣では官房長官を務めたこともあります。当時の若手政治家、安倍晋三、塩崎恭久、石原伸晃、根本匠で苗字の頭文字をとって「NAISの会」というものが結成されていました。塩崎氏は、日銀出身で、ハーヴァード大学ケネディ行政学大学院(ケネディスクール)で修士号を取得した人物です。彼の仕事は、国がプールしている年金資金の株式投資への投入によるアベノミクスの「成功」の演出です。

 

 石破茂氏は地方創生・国家戦略特区担当大臣になりました。どんな仕事があるのか、全く分かりませんが、地方の元気を取り戻すことと、地方の疲弊を進めるであろう国家戦略特区を同時に受け持つというよく分からないポジションです。石破氏にしてみれば、地方に出かける機会を多くして、地方の自民党関係者とのパイプを太くすること、予算配分で力を発揮すること(農林水産大臣の経験があるのでカンどころが分かるでしょう)で、次の総裁選に向けた準備ができるということで引き受けたものと思われます。まずは、反対派の旗頭にならないようにと言われての入閣、次の準備のための入閣ということでしょう。

 

 女性が5名入閣していますが、40代の小渕氏、有村氏はこれからの準備として登用されたものと思われますが、男性で40代の人が入っていないので、安倍氏は「自分は次の人材、リーダー候補を作ることは放棄する」という姿勢を示したものと思われます。逆に、「ポスト安倍」に近い人は、内閣と党執行部に総花的に全部取り込んで、競わせて、牽制させ、疲弊を誘おうという感じが見えます。

 

 谷垣氏を幹事長に就任させたのは、なかなかのアイディアです。総裁としての経験と知名度、国民的な人気を考えると選挙の顔としても及第点でしょう。谷垣氏にはポスト安倍の可能性をちらつかせることで、安倍氏に忠誠を誓わせて、うまく使うことができるし、失敗したら、ポイ捨てをすることも可能です。

 

 今回の内閣改造は総花的、かつ反対派を出さないで当面はやっていくという姿勢を示したものですが、リベラルに転回したとまでは言えないようです。今年中に解散総選挙がなければ、来年に次の総選挙と参議院議員選挙(2016年)に向けての本格的な人事が行われるものと思われます。

 

 平常のクルージングスピードを守って来年までやっていくという穏やかな人事ですが、なかなかの布陣だと感じます。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「<第2次安倍改造内閣>閣僚名簿を発表」

 

毎日新聞  2014年9月3日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140903-00000000-maiall-pol

 

<第2次安倍改造内閣>閣僚名簿を発表

 

 菅義偉官房長官は3日午後、首相官邸で記者会見し、第2次安倍改造内閣の閣僚名簿を発表した。

 

 第2次安倍改造内閣の閣僚は以下の方々(敬称略)。

 

総理=安倍晋三(59)

 

副総理、財務、金融=麻生太郎(73)留任

 

総務=高市早苗(53)

 

法務=松島みどり(58)初

 

外務=岸田文雄(57)留任

 

文部科学=下村博文(60)留任

 

厚生労働=塩崎恭久(63)

 

農林水産=西川公也(71)初

 

経済産業=小渕優子(40)

 

国土交通=太田昭宏(68)留任、公明

 

環境=望月義夫(67)初

 

防衛、安全保障法制=江渡聡徳(58)初

 

官房=菅義偉(65)留任

 

復興=竹下亘(67)初

 

国家公安、拉致問題=山谷えり子(63)初

 

科学技術、沖縄・北方=山口俊一(64)初

 

女性活躍=有村治子(43)初

 

経済再生=甘利明(65)

 

地方創生、国家戦略特区=石破茂(57)

 

 また、自民党の新役員は以下の方々。

 

副総裁=高村正彦(72)                                                   

 

幹事長=谷垣禎一(69)

 

総務会長=二階俊博(75)

 

政調会長=稲田朋美(55)

 

選対委員長=茂木敏充(58)

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 

 古村治彦です。今回は現在の政治状況について書きます。

 2014年9月3日に、第二次安倍内閣の内閣改造が予定されています。これに合わせて、自由民主党執行部の顔触れの変更も予定されています。夕刊紙などでは、60名の入閣適齢期の人々(大体5回当選以上の政治家)がいるが、大臣は18名分しかないので、悲喜こもごもの人間劇が展開されるだろうという予想を立てています。自民党は2009年から2012年まで野党でしたので、この期間に大臣になるべき人々が無役で過ごすことになり、2012年の総選挙で当選回数が1回ずつ加えられたことで、適齢期者が増えました。大臣適齢期という考え方が、いわゆる年功序列を基礎にしており、賛否両論ありますが、党の安定性(不満を抑える)を維持する上では重要な役割を果たしてきたと思います。

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 今回の内閣改造で注目されているのは、現在、自民党幹事長を務めている石破茂氏の去就です。石破氏が幹事長を辞任し、新設される安全保障法制担当大臣に就任するのではないかと言われていましたが、石破氏は正式に辞退を安倍首相に伝えたようです。これによって、石破氏は幹事長を辞任し、主要な役職に就く可能性がかなり低くなりました。

 

 安倍首相と石破氏は、2012年の自民党総裁選で総裁の座を争った間柄です。共にタカ派的ですが、石破氏の方が論理的でかつ理性的である印象があります。元航空幕僚長の田母神俊雄氏は、石破氏について、「靖国神社に参拝しないので総理大臣にふさわしくない」という発言をしていますが、このことだけでも、彼が安倍晋三氏などよりもずっと総理大臣にふさわしい人物だということが分かります。

 

 以下の新聞記事にあるように、石破氏は、唖然保障法制に関して、安倍首相とは考えの違いがあり、自分が安保法制担当相に就任すると、内閣不統一から安倍内閣に迷惑をかける可能性があると述べています。安倍首相は安保関連の各法を改定するという方式を採り、一方、石破氏はもっと包括的な法案通過を目指すという点で違いがあるようです。

 

 戦後政治史を見ていくと、重要人物が閣外に去ることは、反主流派に回り、倒閣運動を起こすということを意味してきました。ある派閥の領袖級が政権に参画しないとなると、その派閥の政治家たちは冷や飯食いとなって、大臣や当の重要役職に就けなくなります。こうしたことが自民党の内部闘争を生み出し、自民党にエネルギーを注入することになっていました。しかし、現在は派閥の力は弱まっています。石破氏が特定の派閥を率いているということはありません。

 

 石破氏は、2012年の自民党総裁選で、安倍氏と決選投票まで争い敗れました。1回目の投開票では、石破氏が199票(議員票:34、地方票:165票)、安倍氏が141票(議員票:54、地方票:87)でした。過半数が250票でしたので、国会議員による決選投票になり、安倍氏が108票、石破氏が89票で、安倍氏が自民党総裁になり、総選挙でも勝利し、第二次安倍晋三内閣を組織した訳です。この時の総裁選には、石原伸晃(父親の石原慎太郎に頼まれて森喜朗が支援)、町村信孝(安倍氏も所属する町村派の領袖)、林芳正(参議院議員初の総裁選立候補者で安倍氏と同じ山口県を地盤)といった人々も出馬し、石橋包囲網を形成していましたから、石破氏は不利な状況であったと言えます。

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この投票結果から分かることは、石破氏は自民党の国会議員たちには人気がないのかもしれませんが、党を支える地方組織の間では圧倒的な人気があることが証明されました。これは、地方組織という、有権者と直接対峙し、国民の生活をじかに目にする最前線では、安倍氏よりも石破氏の方が首相にふさわしいと判断されたということです。しかし、はっきり言って、劣化が著しい自民党議員たちからすれば、勇ましい掛け声の安倍氏の方が自分たちが担ぐのにふさわしいということになりました。結果として、総選挙は自民党が勝利したのですから、その判断は正しかったと言えますが、あの時の総選挙は誰が総裁でも勝利は確実でありました。

 

 安倍氏は首相に就任以来、日本の右傾化をそのまま象徴するような政策を次々と実行してきました。それに対して、懸念の声も上がっていますが、彼を止めるだけの力を持つ政治家や野党勢力は存在しないのが現状です。野党においても、安倍氏支援別働隊が過半を占めているのが現状であり、米政翼賛会体制が続いています。ここで、石破氏が閣外に去るということは、大変重要であると思います。


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 戦時中の政治史に目を向けると、東条英機内閣瓦解の引き金を引いたのは、当時、小康大臣として入閣していた岸信介、そう、安倍晋三首相の祖父です。彼は反東条の立場を鮮明にしたことで、東条内閣は総辞職しました。また、岸は後に戦犯として逮捕されますが、この時の反東条の動きによって、彼は戦後においても政治的生命を保ったと言えます。

 

 石破氏が安倍内閣瓦解の引き金を引くのかどうか、大変に注目されるところですが、まさに「因果は巡る糸車、巡り巡って風車」ということが言えましょう。

 

(転載貼り付けはじめ)

 

●「石破茂幹事長「安倍さん、私にいい感情ないかも」 25日のラジオ番組から」

 

2014年8月27日 MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140827/stt14082706000002-n1.htm

 

 国の命運を担う政府や最大与党の自民党の人事異動はすごく大事だ。(安倍晋三首相から安全保障法制担当相の就任について)正式な依頼も受けていないのに、ああだのこうだのと無責任なことは言えない。

 

 首相と百パーセント考え方が一緒の人が(国会で)答弁するのが一番いい。(安保担当相が)「(首相と考え方が)違う」と言ったら国会は止まってしまう。憲法や外交の絡む安全保障については(首相との一致が)極めて大事だ。私も自分の考えを全部言っていたら(安保法制の)与党協議もまとまらなかった。自分の考えを全部抑えてやってきた。「安倍氏が総理総裁をやる以上支える」と言ってきたことに嘘はないし、これからも嘘は言わない。

 

 自民党が政権にあるのは野党だった時も歯を食いしばって支えてくれた地方組織のおかげだ。「地方(の選挙)できちんと勝てるようにして初めて政権奪還は完成する」と言ってきた。厳しいといわれる(福島、沖縄両県の)知事選も勝てるようにすることは私としてはやりたいことだ。

 

 総理総裁になることは手段であって目的ではない。自分よりふさわしい人がいたらその人を応援するのが当然だ。(来年の党総裁選への出馬は)その時の状況による。

 

 (首相との不仲説は、安倍第1次政権のときに)安倍さんは一回辞めたほうがいいと言ったりした。自分が一番苦しいときにそんなことを言った人間にはいい感情を持ってもらえないかもしれない。私は国会議員になってゴルフをしないようにしている。してもいいが(首相との間柄は)会って顔も見たくないというようなことはない。歴史上の人物で好きなのは(元外相の)小村寿太郎。明智光秀、石田三成も嫌いじゃない。

 

 

●「なぜ江渡氏? 首相、「石破系」排除を決断」

 

2014年8月26日 MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140826/plc14082605000004-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140826/plc14082605000004-n2.htm

 

 安倍晋三首相は、9月の内閣改造で新設する安全保障法制担当相に関し、自民党の石破茂幹事長が就任辞退の意向を明言したことから、「石破系」を排除する方針を決めた。その結果、浮上してきたのが江渡聡徳(えと・あきのり)衆院安全保障委員長だった。

 

 安保担当相をめぐり、石破氏は首相に対し、安保法制の与党協議で司会を務めた中谷元(げん)元防衛庁長官を内々に推薦していた。石破氏は周囲に、与党協議メンバーだった岩屋毅党安全保障調査会長も「有力候補」と語っていた。

 

 ただ中谷氏は、集団的自衛権の行使容認に関し、包括的な「国家安全保障基本法案」の制定を最優先すべきだとの立場で、石破氏と同じだ。

 

 首相は、基本法案については「国会審議に時間がかかりすぎる」として、自衛隊法の改正など個別法の整備を最優先に取り組むことにしている。

 

 石破氏は25日のTBSラジオの番組で、与党協議では「自分の考えを抑えてやってきた」と発言した。さらに、自らが安保担当相として答弁すると首相との見解の相違が表面化することを指摘した。

 

 このため首相は、中谷氏を安保担当相に起用しても「閣内不一致」が生じる危険を懸念したといえる。

 

 岩屋氏は、平成24年9月の自民党総裁選で、安倍首相の支援を決めた麻生派に所属しながら石破氏を支援した。首相とは当時の「見えざるしこり」(閣僚経験者)があり、首相は当初から岩屋氏の起用に慎重だったという。

 

 江渡氏は当選5回と中谷(8回)、岩屋(6回)両氏よりも当選回数では劣り、「党防衛族の中でもまだ若手」(自民党幹部)とされる。しかし、安倍政権で2度も防衛副大臣を務め、首相の安全保障政策を理解している。

 

 さらに、江渡氏は大島派に所属し、初当選直後から同派の前会長、高村正彦副総裁から安保政策の薫陶を受けてきた。高村氏は与党協議の座長を務め、首相の意をくむ形で公明党との調整にあたった。首相は、江渡氏であれば、公明党との調整に引き続きあたる高村氏と意思疎通が図りやすいとの判断もあったようだ。

 

(転載貼り付け終わり)

 

(終わり)



野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23






 

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