古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:副島隆彦

 古村治彦です。

 

 今回は『世界権力者図鑑2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2017年)を皆様にご紹介いたします。発売は2017年11月21日です。

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世界権力者図鑑2018

 

本作は、『世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち』(副島隆彦著、日本文芸社、2010年)、『ヨーロッパ超富豪 権力者図鑑』(中田安彦著、副島隆彦編集、日本軍米社2010年)、『新興大国 権力者図鑑』(副島隆彦責任編集、中田安彦著、日本文芸社、2011年)、『アメリカ権力者図鑑―崩壊する世界覇権国の今を読み解く』(副島隆彦、中田安彦著、日本文芸社、2011年)、『最新版 世界権力者 人物図鑑』(副島隆彦著、日本文芸社、2013年)と続いたシリーズの最新版です。出版社は変わりましたが、副島隆彦と中田安彦のコンビで、現在の世界を人物から分析する好著です。

 

 今月初め、ドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人がアジア歴訪とAPEC参加の第一歩として日本を訪問しました。その前には娘のイヴァンカ・トランプ大統領補佐官が日本を訪問しました。トランプ大統領には娘婿であるジャレッド・クシュナー補佐官が同行しました。こうした人々については本書で写真付きで紹介し、日本では紹介されていないレア情報を書いています。

 

私たちは「これまでとは違う世界に向かう」世界の中に生きています。そうした中で、世界を理解するためには、「世界を動かしているのはどういう人間たちなのか」ということを知ることは、現状を分析し、未来を予測するために大変有益なことです。

 

 ぜひ本書を手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

 

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はじめに

 

世界政治というと、なにか難しいことのように思える。だが国家も企業も、あらゆる組織・団体も結局はキーパーソンによって動かされている。その時代の精神を最も体現する人物が世界の最高権力者になるのだ。

 

2017年末現在で、世界の中心人物は、やはりアメリカ合衆国大統領のドナルド・J・トランプだろう。このド汚い大規模土建屋あがりの経営者で、テレビスターでもあったが、政治家の経験のない男が、世界最大の軍事国家でもある大国の指導者にのし上がった。このことで世界政治にとてつもない影響を現在進行の形で日々与えている。

 

2次世界大戦後に成立した秩序に対抗して延々と積み重なった、アメリカの草の根大衆の「怒り」をうまく体現した人物が大統領になったのだ。トランプが出馬表明した2015616日、あるいは彼が当選した2016119日は、世界政治の大きな転換点であるだろう。

 

この変化に呼応して、世界中の指導者たちも、立ち位置を変えざるを得ない。世界のあと二つの中心は疑いもなく「中国」と「ロシア」だ。アメリカが世界単独覇権(はけん)を唱える時代は終わった。この三大国(G3)が世界を動かしていく。どこの国でも権力者というのは大衆や庶民からの支持や賞賛、あるいは嫉妬や嫌悪や激しい憎しみの対象である。これからは、娘のイヴァンカたちトランプ一族が大衆の嫉妬の視線に晒される。

 

前作までと同様に世界の大きな枠組みの「再編成(リアラインメント)」の主役たち122人を、グラビア写真集として、的確な説明文と真実を伝える生々しい人物写真のインパクトで伝える。これらの政治家たちは決して「闇の権力」などではない。権力ドラマを日々生きている生身の人間たちである。

 

201711月 中田安彦

 

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おわりに

 

 この「世界権力者 人物図鑑」シリーズは、2010年から始まった。前作(2013年)から4年が経過し、世界権力者の顔ぶれもだいぶ替わった。私は、このシリーズを出版する意義として、「日本人は、世界の主要な指導者たちの考えや行動を大きく理解することで、世界の全体像を摑まえるべきだ」とした。ところが、日本人は世界情勢に興味を持たなくなっている。1年前のトランプ当選で日本人もアメリカという大国に関心を向けた。だがトランプ大統領がどういう思想の持ち主でどういう政治勢力を代表しているのかについて知ろうとしない。「北朝鮮の金正恩と同じような乱暴者」という程度の認識力しかない。アメリカに現れた最新型の政治勢力のことが理解できないのだ。日本のメディアもトランプ大統領が登場しても、全く報道姿勢は変わっていない。「この人本当に大丈夫なの」程度である。

 

 世界は変動のさ中にある。先ごろ行われた中国共産党の5年に一度の党大会「19大(たい)」で、習近平が新しい陣容で自分の権力基盤を強固にした。ロシアでも来年、プーチンがまた大統領選挙に勝利するだろう。日本人はこの激流に飲み込まれないために、世界基準(world values ワールドヴァリューズ)の政治思想を勉強すべきだ。私は、「世界は、米中露の〝第2次ヤルタ会議体制〞に向っている」と考えている。

 

 東アジア(かつて極東[ファーイースト]と言った)の一国である日本国の国民が、感性を研ぎ澄まして、この本に居並ぶ権力者たちの表情を凝視することで、これからの世界はどのような思想によって動かされていくのかを、大まかでいいから知るべきだ。本書が皆さんの政治知識の学習のお役に立つことを強く希望する。

 

201711月 副島隆彦

 

(貼りつけ終わり)

 

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世界権力者図鑑2018

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 本ブログでもご紹介しました、副島先生と佐藤先生の4冊目の対談本を読みました。読後感は、一言で、面白かった、しかし、その通りになると大変だ、というものです。

 

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 世界政治 裏側の真実


 佐藤先生は副島先生がドナルド・トランプの米大統領当選予測を讃えています。佐藤先生は自分で「トランプが当選すると断言できなかったのは勇気がなかったからだ」と述べています。私もこのブログで、「ヒラリーが当選する可能性が高いが、トランプが当選するならこのシナリオ」という言い方で、くどくどと書き、なぜ失敗したのかということも書きましたが、佐藤先生のように「勇気がなかった」という明快なことは言えませんでした。この明快さは、佐藤先生の素晴らしさであろうと思いました。

 

 興味深いのは北朝鮮問題についてです。佐藤先生はアメリカと北朝鮮との間で何らかの合意ができて、北朝鮮の体制保障がなされるという考えで、副島先生は2018年4月にアメリカが北朝鮮を空爆してミサイル基地などを破壊、その後、中国の人民解放軍が北朝鮮を攻撃して占領して、金正日の長男・金正男(マレーシアで殺害された)の長男である金ハンソルが政権を樹立する、そのあと、人民解放軍は撤退すると「予言」しています。

 

 副島先生は、世界は、中国、ロシア、アメリカの「ヤルタ2.0」に向かっているという分析をしています。ドナルド・トランプ大統領の出現は、戦後のヤルタ体制(1945年2月、フランクリン・D・ルーズヴェルト米大統領、ウィンストン・チャーチル英首相、ヨシフ・スターリンソ連首相が会談を持ち、戦後体制について決定した)が70年経過して、中国が台頭し、ロシアが復活する中で、アメリカの一極(unilateral)体制が終焉に向かっていることを示すものだと述べています。「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」「アメリカ・ファースト(America First)」というスローガンをトランプ大統領は掲げましたが、トランプ大統領はアイソレーショニズム(Isolationism、国内問題解決優先主義)で、世界の警察官や管理をやるつもりはありません。中国(習近平国家主席)、ロシア(ウラジミール・プーティン大統領)と協調しながら世界の諸問題に対処していくという姿勢です。

 

 副島先生も指摘し、私もなるほどなぁと思ったのは、中東を席巻しているISに対する佐藤先生の分析です。佐藤先生は、ISを過去に存在した「コミンテルン」のようなものだと喝破しています。ISはイスラム革命を、コミンテルンは共産革命を世界に輸出することを志向している点で共通している、と述べています。ISは様々な理由を持つ自殺志願者(経済的に苦しい、家族関係がうまくいかない、学業がうまくいかない)をリクルートして、テロリストに仕立て上げ(テロリストになる訓練はそんなにいらない)、自爆テロを行わせる(周囲を巻き込む自殺=ジハード、となって天国に行く、という構図)という手法を採用しているので、自殺志願者対策を行うことがIS対策に有効だと主張しています。

 

最近、神奈川県で大量殺人を行ったとされる容疑者が逮捕されました。9名がこの1人の人物によって殺害されたという容疑です。そのほとんどは自殺願望を持ち、その自殺願望を利用されて、容疑者に殺害されたのではないかと見られています。日本における自殺者の数は約3万人と言われています。ISが日本人をリクルートすることは難しいでしょうが、自殺を実行する人とそこまで至らない人たちの数を考えると、日本国内における自殺志願者対策も日本社会の安定化にとって重要だと考えます。

 

 この本には収録されていませんが、両先生の「猫論」に私は興味があります。「狂犬」副島隆彦と「忍者」佐藤優の共通点は、猫をかわいがっている点です。両先生がどうして猫が好きなのか、猫という生物をどのようにとらえているのか、ということを知りたいと思います。

 

 2017年11月3日に東京の八重洲ブックセンターで『』発刊記念の対談イヴェントが開催されましたので、私も出席してきました。その感想については、「副島隆彦の学問道場」内の「重たい掲示板」に掲載しましので、お読みください。

 

※アドレスは以下の通りです↓

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

 

 『世界政治 裏側の真実 インテリジェンスとコンスピラシー』をまだお読みではない方には是非お読みいただけますようにお願い申し上げます。

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 

 今回は、2017年11月2日に発売となります副島隆彦先生の最新刊『銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ』(祥伝社刊)をご紹介いたします。関東圏の大書店であれば11月3日(金)からの週末、その他の地域の大書店でも11月5日(日)くらいまでには店頭に並ぶものと考えられます。


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銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ


 今回の最新刊は、世界規模のテーマとしてビットコイン、日本のテーマとしては銀行消滅が柱となっています。家電量販店ビックカメラでは、ビットコインによる決済が可能となっており、ビットコインについて、知識を得るようにしなければならない状況になっています。また、地方銀行の合同も進んでいます。私の生まれ故郷の第一地銀である鹿児島銀行は、隣県の肥後銀行とグループを形成することになりました。これが何を意味するのか、ということは生活者として興味があります。

 

 今回の最新刊『銀行消滅 新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)体制へ』は大変興味深い内容になっていると思います。ぜひ手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

 

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まえがき

 

 最近、私たちの周(まわ)りから銀行の支店(店舗)がどんどん消えている。この本『銀行消滅』は、この事実を追跡することから始まる。

 

皆が、コンビニで公共料金やコンサート・チケットの振り込みをするようになった。「コンビニ決済」である。その次が「スマホ決済(モバイル決済)」で、やがて「ビットコイン決済(支払い)」の時代になっていくだろう。ビットコイン Bitcoin なる、奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)な暗号通貨(あんごうつうか)(クリプト・カレンシー crypto currency )という、お金なのか、貨幣(コイン)なのか、通貨になれるのか分からない「インターネット上のお金」が出現しつつある。それで投資家たちが大騒ぎしている。仮想通貨(かそうつうか)は、政府や官僚の統制を受けない、新しい金融市場のフロンティア(辺境の地)で蠢(うごめ)いている。 

 

地方銀行の大合併がますます進んでいる。この「銀行消滅」の課題以外に、北朝鮮の核ミサイルの脅威に対する、日本国としての対応が目の前の緊急の問題である。私は、国際政治(外交。安全保障=軍事)の問題の最先端の情報、知識をこの本に書いた。すでに私は、今年(2017年)4月に予言して、「米軍による北朝鮮爆撃は、来年(2018年)の4月である。直後に中国軍が平壌(ピョンヤン)に侵攻(進撃)して金正恩(キムジョンウン)体制を崩壊させるだろう」と書いて公表している。私のこの近(きん)未来予測にまったく変わりはない。さあ、私の予言は当たるか、外(はず)れるか。

 

 私は質問を受けた。「副島先生。それでは、その〝第2次朝鮮戦争〟へ向かっての戦争銘柄や復興需要(〝朝鮮戦争特需(とくじゆ)〟)で儲(もう)かる日本の企業はどれですか」という質問だった。私は、呆(あき)れたが己(おのれ)の不明を恥じた。それで極力それらの戦争需要、復興特需から生まれる株高への投資期待に応(こた)えようと思う。だが、私の視線はすでにさらにその先の先に向かう。私の中では、迫り来る〝第2次朝鮮戦争〟さえも過ぎ去りつつある。

 

 これからの世界の金融・経済は、どうなるか。ドナルド・トランプはおそろしく獰猛(どうもう)な企業経営者あがりである。米トランプ政権は、QE(キユーイー) じゃぶじゃぶマネー(=金融緩和(かんわ)マネー)を、このあともやっていくしかないのだ、と腹の底から分かっている。金融引き締め(=金融タカ派(ホーク))に転換したフリも一方でするだろうが。

 

だから今のまま、低金利(日本とヨーロッパはゼロ金利)を続け、株をニューヨークの「大親分たちの談合(だんごう)」で吊り上げ続ける。それしか他にやりようはない。ドル札と米国債(トレジャリー・ビル Treasury Bill 米財務省(ざいむしょう)証券)をさらに大量に刷り続けて、国家財政(ファイナンス)と米国経済(ナシヨナル・エコノミー)を成り立たせるしかない。日本の株価もズルズルと、この先もニューヨーク相場に〝連れ高〟する。そうやって先進国(米、欧、日)の退職老人たちの年金を賄(まかな)い続ける。これが何よりも国家運営の基本だからだ。老人たちを怒らせたら政権はもたない。トランプは、アメリカの国内産業を建て直して輸出振興を目指す。だから、「ドル安路線、低金利路線」なのである。だが〝ちょっとだけ〟利上げのポーズはする。若い元気なFRB議長にやらせるだろう。

 

 私は、この本では、気合いを入れて、どうしても人類に出現しなければ済まず、新しい世界通貨(ニュー・ワールド・カレンシー new world currency )になってゆく仮想通貨(サイバー・マネー)の運命を予測する。

 

森羅万象(しんらばんしょう)の中に生起し有象無象(うぞうむぞう)のひとつ、であるビットコインは、各国の権力者(官僚たち)に叩き潰されるだろう。だがこれから何度でも復活する。仮想通貨には「中心がない(ノン・セントラル)」のだ。だから、世界を操(あやつ)る権力者たちや支配層の言いなりにならない。このサイバー・マネーが、やがて実体を持つ実物資産(タンジブル・アセット tangible assets )である金(きん)や銀、銅などの金属資源と、エネルギー(石油と天然ガス)と、小麦や豚肉などの食糧品目などの基本物資(コモディティ commodity 商品)のすべてを大きな籠(かご)(バスケット)に入れて総量を金額換算した「コモディティ・バスケット」commodity baskets によって裏打ち(担保、保証)される。そのとき、この地上に新しい世界通貨体制(秩序)ができてゆく。この世界通貨は、大(だい)経済学者ジョン・メイナード・ケインズが、第2次大戦末期にアメリカ政府と激論したときに唱えた、まさしく bankall「バンクオール」通貨の実現である。もう米ドル体制の時代ではない。

 

世界の中心は、やがてニューヨークとワシントンから、ユーラシア大陸(ユーロッパとアジア)に移ってゆく。そのとき、新しい世界の中心都市は、中央アジア5国のひとつであるカザフスタン国の都市アルマトゥ(アルマティ)であろう。私は、すでに2010年に拙著でこの予言もしている。

 

 今の北朝鮮危機はどうせ過ぎ去っていく。このあと、日本に年間1億人の外国人旅行者がやってくる時代(現在の3倍の数)が来る。だから外国人向け旅行客ビジネスで活躍しているネット企業の推奨銘柄一覧を巻末に載せた。

 

 いわゆるIT(アイティ)企業を、私たちは、大きく二つに分けて考えるべきだ。私の中で閃(ひらめ)いた。

 

      EV(イーヴイ)(電気自動車)や自動運転、そして生活のインターネットとロボット

化(IoT(アイオウテイ) )、コンビニ・スーパーの完全無人化などは、総じてAI(エイアイ)(人工知能)の開発として考えるべきだ。

 

もう一つは、前述した、

 

  ビットコインなどの、奇妙きわまりない新しいサイバー(ウェブ)マネーたちだ。この新しい世界通貨の発達を、これからの人類のあるべき世界秩序の問題として大きく考えるべきである。ビットコインは政治問題なのである。ビットコインは、国家(官僚たち)の支配を打ち破って国境線を超えてゆくからだ。

 

私は、① のAI(サイバー・ショップから実(リアル)(てん)()へ)よりも、の仮想通貨(サイバー・マネー)のほうを、より重要だと考える。

 

副島隆彦

 

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目次

 

 

まえがき

 

1 消える銀行

●今、銀行で何が起きているのか

●破綻処理と国有化

●アメリカでも日本でも進む「銀行消滅」

●三菱東京UFJも、みずほも店舗閉鎖

●地方銀行は「2県で1行」の時代に

●コンビニが銀行になっている

●〝手数料競争〟が始まった

●ポイントカードがクレジットカードに

●「非接触型」(コンタクトレス)の決済とは何か

●銀行どころか証券会社も不要になる

 

2 朝鮮半島有事と

  これからの個人資産の守り方

●〝第2次朝鮮戦争〟は2018年4月に起きる。1カ月で終了する

●「副島先生。戦争銘柄を教えてください」の質問に答えよう

●一挙公開! 日本の軍需銘柄

●「日本は1万円札を廃止せよ」という米経済学者の主張

●インフレ・ターゲティング理論の大失敗

●仮想通貨と金(きん)

●税金官僚から資産を守る。金はどう保管すべきか

●海外へ資産を「逃がせ隠せ」した人は、日本に持ち帰らないように

●税務署に〝本当のこと〟を言うべきではない

●事業所得の目安「5棟10室」ルールとは何か

●法律は上級公務員の理屈からできている

 

3 仮想通貨は

  新たな世界通貨(ワールド・カレンシー)となるか

●誰が「コイン」を発行するのか

●ビットコインは「現金」に戻せない。おそらく損をするだろう

●1BTC(ビツトコイン)=110万円の夢を見るのもいいけれど

●仮想通貨の取引所が倒産して28億円が消えた事件

●ビットコインは「通貨」(カレンシー)になれるか

●リバータリアンの思想からビットコインは生まれた

●仮想通貨市場の時価総額は15兆円

●ブロックチェーンとは何か

●なぜ金融工学は滅んだのか

●国家体制の外側へ逃げてゆく

●2万台以上のコンピュータで「マイニング」(採掘)する中国の会社

●「ビットコインは10万ドル(1100万円)になる」

●なぜ中国でビットコイン取引の規制が強化されたのか

●巨大銀行連合が仮想通貨を乗っ取ろうとしている

●仮想通貨と実物資産が結びついて、新たな世界通貨体制ができる

 

4 フィンテックから民泊まで

  副島隆彦が見通す未来

●インターネット決済を始めたピーター・ティールという男

●仮想通貨は金融市場のフロンティア(最前線)か

●アマゾンとトランプの激しい対立

●I(アイ)(オウ)(テイ)で無人化が進むと、どうなるか

●自動運転(運転の無人化)と電気自動車の時代は、まだまだ遠い

●訪日外国人は年間で1億人になる。これがビジネスチャンスだ

●「富士山ビジネス」に投資せよ

 

5 日米〝連動〟経済は続く。そして……

●〝トランプ暴騰〟は、なぜ起きたか

●証拠を残さない相場操縦が行なわれていた

●ドル円の為替相場も操作(マニピュレイシヨン)されている

●トランプは国家借金の「上限」を引き上げた

●アメリカの「歴史的な減税」とは

●緩和マネー問題で、次期FRB議長の人事も決まる

94歳のキッシンジャー博士が、トランプ、プーチン、習近平の先生

●世界の3巨頭による「第2次ヤルタ会談」が開かれる

 

あとがき

 

(巻末付録)

外国人旅行者で成長する企業たち推奨銘柄27

 

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あとがき

 

 本書で「エコノグローバリスト・シリーズ」は、ついに20冊目となった。

 

私は金融本としてこのシリーズを書き続けた。毎年1冊ずつ出し続けて、本書で20周年となった。シリーズ1冊目は、『悪(あく)の経済学』(1998年刊)である。

 

我ながらよくもこんな本を、倦()まず弛(たゆ)まず20年も書き続けたものだ、と感慨深い。このシリーズ本の出版を支えてくれた編集者二人が、著者である私よりももっとこのことを喜んでくれた。最初の担当編集者は、一昨年、祥伝社社長に就任した辻浩明氏である。

 たしかあのとき、私は「本を1冊書け、書け、と言われても、何をどう書いてよいか分からないんだ」と喚(わめ)いた。そしたら辻氏は、「まあまあ、そう怒鳴らないで。あれこれ応援しますから書いてくださいよ」と言った。私は拍子(ひょうし)抜けして、なんとか書く気になった。優れた編集者との出会いが、人々が求めている良い本を世の中に送り出す。著者(書き手、演技者、芸術家も同じ)は、一人で勝手にもがき苦しんでいるから周(まわ)りが見えない。すべての演戯者(パフオーマー)は、「本当に、私のこんな踊りや歌でいいんだろうか」と何歳(いくつ)になっても自問している。スポーツ選手と違って1等賞、2等賞がない。有能な編集者と組まないと良い本はできない。作家生活35年にして、私はようやくこういうことが分かる。

 

シリーズ1冊目の『悪の経済学』を出した、前年の1997年に、私は『属国(ぞっこく)・日本論』(五月書房刊)を出版している。「日本はアメリカの属国(ぞつこく)(朝貢国(トリビユータリイ・ステイト))である」という理論を敢然(かんぜん)とこのとき提起した。今では多くの国民がこのコトバをつぶやくようになった。

 

その2年前の1995年(42歳)に、私は、現代アメリカの政治思想の諸流派12派からなる全体像を描いた本を出した。のちのち私の最大業績だと評価されるだろう。だが政治思想の研究の出版では、ご飯は食べられない。私は、金融本を次々と書くことで、いつの間にか金融評論家になっていた。予期してやったことではない。4冊目から担当編集者は岡部康彦氏に代わった。

 

シリーズ11冊目である『恐慌前夜』は、〝リーマン・ショック〟(2008年9月15日勃発)を予言(プレデイクト)した。予言は預言(プロウフエシー)とは違う。この本の「第4章 恐慌への道のり」に「リーマン・ブラザーズは破綻する」と書いた。この本が出版された2週間後にリーマン・ブラザーズ社は本当に潰(つぶ)れたのである。これも私の勲章のひとつだ。

 

以後ずっと岡部氏と二人でこのシリーズ本をつくってきた。こうやって20年が経()った。

 

私が、物書き業(評論家)を、1982年(28歳)から始めてから35年が過ぎた。これまでに220冊の本を書いた。もう他の職業に転じることができる歳ではない。このまま死ぬまで書くしかない。「お前の本はもういいよ」と飽()きられても私は書く。職業とはそういうものだ。

 

インターネット時代(さらにスマホ時代)になって、本を買って読む人々が大きく減った。本が売れなくなって出版業界はヒドく追い詰められている。出版業は世の中にある800ぐらいの業種のうちのひとつである。どこの(産)業界も自分たちが生き延びることで厳しい試練に耐えている。私も出版業界で禄(ろく)を食()む者のひとりとして、この業界が生き延びるための、新たな知恵と方策を絞り出さなければならない。これは残りの人生で自分に与えられた使命である、と思っている。

 

この本も、前述した祥伝社書籍出版部の岡部康彦部長とつくった。毎度のことだが、私が暗中模索(あんちゅうもさく)でへばりそうになるのを助けてくれて、なんとか完成した。記して感謝します。

 

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 2017年10月15日に副島隆彦を囲む会主催の定例会が開催されます。今回は、作家・評論家の田中宇(たなかさかい)氏をお招きして、お話を伺うことになります。

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田中宇(たなかさかい)氏

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トランプ革命の始動 覇権の再編

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第38回 副島隆彦を囲む会主催定例会

「海外記事を20年、どのように読み解き、分析してきたか。
~『学問道場』が田中宇(たなかさかい)氏に質問する」
講師:副島隆彦、田中宇

開催日 2017年10月15日(日曜日)
会場 「日本建築学会 建築会館ホール」
アクセス
■JR「田町」駅,都営地下鉄「三田」駅(浅草線・三田線)

会場住所 〒108-8414 東京都港区芝5丁目26番20号

【当日の予定】

開場  12:15
開演  13:00
第1部:田中宇講演(20-30分)
第2部:質疑応答コーナー(60-90分)※副島、中田、会場の質問をぶつけます
第3部:副島隆彦単独講演(90分以内)
終了  17:00(予定)

※開場、開演時間以外は、あくまで予定です。終了時刻等が変更になる場合もございます。
※お席は全て「自由席」になります。お手荷物・貴重品等はお客様ご自身で管理をお願い致します。
※ご入金いただいた参加費は、いかなる事情がありましても、払い戻しできません。ご了承いただきますようお願い申し上げます。

お申込み→ http://snsi-j.jp/kouen/kouen.html
※学問道場会員の方はログイン(「今日のぼやき」会員ページが読める状態)にしてお申し込みください。

※お申込みフォームでは、「田中宇氏にぜひ質問したいこと」を書いていただけます。質問の内容はできるだけ、簡潔かつ明確にお願いします。

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宜しくお願い申し上げます。

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 私の仲間である相田英男さんのデビュー作『東芝はなぜ原発で失敗したのか』が2017年10月7日に発売となります。現役の原子力エンジニアである相田さんが、2011年3月11日の東日本大震災による翌日の福島第一原発の爆発事故や、東芝の経営危機について的確な分析をしています。原子力エンジニアの冷徹な目で、様々な現象を私たちに分かりやすく説明してくれています。原発や東芝の経営危機について知りたいと思っている方々には必読の書となっております。


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東芝はなぜ原発で失敗したのか

 

 以下に副島隆彦先生の推薦文、目次、あとがきを掲載いたします。ご参考にしていただき、是非、手に取ってお読みください。

 

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推薦文                                 副島隆彦

 

 名門企業、東芝が経営危機に陥って、日本人はみんな驚き、心配している。

 

 本書、『東芝はなぜ原発で失敗したのか』の著者、相田英男氏は、現在、国内の大手重電機メーカーに勤務している。原子力発電機器に使用される金属材料の解析の専門家である。

機械材料の評価、分析を業務として行っている。原発の製造管理の本当の専門家である。

 

 相田氏は、2011年3月11日に起きた福島第1原発事故についても本書で優れた論究を行っている。

 

 そして、原発事故から4年後の2015年1月に、東芝の不正経理問題が起きた。新聞記事で騒がれた。この時から東芝の経営危機が表面化した。続いて2016年10月、東芝の子会社であるはずのウェスティングハウス社の7000億円( 64億ドル)にも上る赤字が表面化した。現在、会社再建の手続き( 米連邦破産法(べいれんぽうはさんほう)チャプター11(イレブン)条項の適用)に入っている。このために東芝本体が大きな打撃を受けている。東芝自体の再出発の目途(めど)が見えない。

 

 78年の歴史を誇る東芝(1939年創業)は、日本を代表する一流大企業である。ここの屋台骨が突如、グラグラと揺れて、私たちを驚かせた。本書『東芝はなぜ原発で失敗したのか』で相田氏は原子力技術に携わった専門家の目から、この重大な課題に鋭く切り込んでいる。東芝の経営危機について産業紙や経済誌にたくさん載ったあれらの東芝問題についての記事を書いた記者やジャーナリストたちとは、業界内部からの目を持つ相田氏の書き方は一味ちがう。

 

 相田氏は現役の原子力工学者であるとともに原子物理学を綿密に学んだ者としての、正確な知識を積み重ねて、「東芝が何なにゆえ故に大きく躓つまずいたか、その本当の理由」を追究して、大きく解明している。本書に見られるのは、そのための驚くべき理論構築力である。この本を読む者は、その筆致(ひっち)の妙(たえ)に驚くだろう。

 

 アメリカの原発メーカーの専業の草分けであるウェスティングハウス社が誇った原発「AP1000」の栄光の歴史、そして転落、蹉跌(さてつ)だけでなく、遠くわが国の原発製造の歴史の全体像までを論じている。

 

 東芝問題の真の原因をつくったのは、GE(ゼネラル・エレクトリック)という世界一の巨大電気メーカーだったのである。けしてウェスティングハウスという原発専門企業の破綻と、それが日本に及ぼした迷惑にとどまらないのだ。GEこそは東芝破綻の元凶であり、真犯人であった。

 

 この本を読むと、著者相田氏が、単に理科系の技術者であるにとどまらない、人並みならぬ文科系の教養人としての素そ よう 養までを持っていることがわかる。

 

 日本の原子力開発史の全体像までが見えてくる。本書を強く推薦する所以(ゆえん)である。

 

  2017年9月                           副島隆彦

 

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東芝はなぜ原発で失敗したのか 目次

 

推薦文 副島隆彦 3

 

第1章 東芝が原発事業で失敗した本当の理由

 

東芝とはどういう会社か 12

ビリヤード理論で見れば理解できる 17

ガスタービンがなぜ重要か 19

日本のタービンメーカーの試練 25

三菱重工の逆襲 30

巻きぞえを食わされた東芝 35

問題の核心は原発事業だった 40

 

第2章 ハゲタカたちの饗宴とその終結

 

「AP1000」の建設プロジェクト破綻の経緯 54

東芝より先に潰れていたGE 71

東芝はGEに見捨てられた 76

GEのエージェントだった西室泰三 83

東芝と同じく海外企業買収で躓いた日本郵政 88

 

第3章 今後の世界「原発」事業の行方

 

統一教会に入信し、中曽根のブレーンになった物理学者・福田信之 94

東芝、日立、三菱の実力と今後 97

フランス、ドイツ、ロシアの事情 107

中国の原発技術は、すでに日本を超えている 110

アメリカの原発建設はもう完成しない!? 112

 

第4章 歪められた原子力の導入 ―右と左の対立の狭間で―

 

福島原発事故を生み出した50年以上前の対立 116

武谷三男と素粒子論グループ 121

日本学術会議という団体 128

「札束でひっぱたく」の真実 139

原子力の三原則 148

左翼物理学者たちの排斥 153

矢内原提案と伏見の敗北 158

素粒子論グループ最後の抵抗 167

塵と化した反対運動 173

 

第5章 日本初の原発はテロの標的とされた ―原子力反対派よ、一度でよい、菊池正士に詫びよ―

 

「原子力の日」の前日に行われたストライキ 176

日本原子力研究所の発足 177

原子の火、灯る 180

嵯峨根遼吉、原研を去る 183

菊池正士の華麗なる経歴 185

紡がれる破滅への伏線 190

菊池理事長の嘆きと怒り 195

非情なる裁断 202

運命に絡め取られた菊池理事長 214

解体されゆく原研 217

その後のJPDR 225

JPDR失敗の真実 228

原研にも「設計」を熟知した研究者がいた 232

菊池の遺言 238

 

第6章 原発止めれば日本は滅ぶ

 

一瞬のうちに文明を葬り去るカルデラ噴火 246

巨大な自然災害に備えるための「新世代型」原発 250

科学とは副作用の強い薬のようなもの 257

 

おわりに「破滅へと宿命づけられた東芝と日本の原子力開発」 259

 

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おわりに「破滅へと宿命づけられた東芝と日本の原子力開発」        相田英男

 

 東芝の不正会計問題は、2015年前半から始まった。それから2年経って巨大な総合電機会社の存続を揺るがすまで広がった。こんな事態を誰が予想しただろうか。


 問題が発覚した以降の東芝は、坂道をころがり落ちるように破滅へと向かった。1.虎の子メディカル事業のキヤノンへの売却。2.ウェスティングハウスのチャプター11(日本の産業再生法に当たる)手続の申請。3.本社の管理部門と研究開発部門以外の実働部隊のすべてを別会社へ分離。4.最大の稼ぎ頭であるフラッシュメモリー事業の売却準備。これらの強烈な企業リストラを進めざるを得ない状況に追い込まれた。


 東芝は日本を代表する名門企業である。それでも一民間会社に過ぎないから、経営判断を失敗すると破綻に至る。これはおかしな話ではない。しかし私が強く感じるのは、ここに至る道は、東芝内部の当事者たちの努力では変えられない運命だったということだ。確かに2006年のウェスティングハウス買収以降に起きた、いくつかの不幸な出来事が重なって引き金を弾いた。それでもそれ以外のいつかのタイミングで、東芝はこの結末を迎えざるを得なかった。東芝という会社が1939年に誕生した瞬間から、今の結末がビルトインされていた。私にはそのように思えてならない。


 東芝の破綻を招いた重要な要素として、マスコミの記事と数冊の出版物で語られたとおり西室、西田、佐々木ら歴代社長たちの間の醜い確執と、それを取巻く重役たち、社外取締役、監査法人のメンバーの無能さが挙げられるだろう。


 しかし、彼ら東芝内部の人物たちが危機的状況を変えようと、いかに努力しても、動かしようのない強力なバイアスが、外部から東芝には掛かっていたのだ。企業の技術者社員が日々の仕事をする際にも、同じ目に見えない強い思考のバイアスを受けてきた。これは評論家の副島隆彦氏が提唱した「属国・日本論」につながる問題である。本書の前半では、アメリカの属国である日本論を元に、今回の東芝事件について説明した。もっと具体的には、属国・日本論の元のモデルである「ビリヤード理論」によって、東芝が破綻に至った理由について解説した。


 これは定められた運命だった、と私が感じるもう1つの出来事は、やはり2011年の3・11福島第1原発事故である。福島原発事故の概要についての説明は最小限にとどめる。不要だろう。事故を起こした原発の所有者である東京電力は、日本国中から非難が浴びせられ、勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人の責任を追及する刑事裁判が、2016年6月末から始まった。


 しかし私は、福島原発の事故についての責任を、東電に対してのみ追及する風潮に、違和感をずっと感じている。東電と経済産業省(原子力委員会)と原発メーカーという原発推進派の責任は、確かに重い。しかし原発反対派も、これ見よがしに、「東電の経営陣は事故を当然ながら予見できていたはずだ」などと、声高に訴えることができるのか、という疑問が私の頭の中から消えない。この自己疑問に答えを出そうと私は福島事故の後から、戦後の日本が原子力を導入してきた歴史に関する文献を、少しずつ集めて読み込んだ。原発反対派に対する違和感を、福島事故が起こる前から私は感じていた。


 過去の文献を読み込んだ私の結論を簡単に言う。福島原発事故の責任は、東電だけでなく原発反対派にもある、ということだ。私の理解では、東電と同じくらい事故に対する責任が、原発反対派にもあると言わざるをえない。


 私がこんなことを主張しても、誰も相手にしないだろう。だが、私が本書で書いた真実を曲げることはできない。その証拠の1つが、今から53年前の1964年の衆議院科学技術振興委員会の議事録に、はっきりと記録されている。原発事故についての国会での審議の内容だ。この時も大きな事件が起きていた。反対派のメンバーは、反省などしなかった。事件そのものがなかったかのごとくその後も振るまい続けた。その結果が、53年後に福島原発のメルトダウン事故に繋がった。福島原発事故の原因は、50年前にビルトインされていたのである。


 本書の後半は、福島事故の引き金になったともいえる、53年前のこの「事件」の全貌と、それに至る戦後日本の原子力技術導入の歴史と人間模様について記した。この事件は、日本の原子力開発史上最も重要なイベントだったにもかかわらず、関係者とマスコミはほとんど取り上げなかった。体制派(原発推進派)と反対派の両方にとってあまりに都合が悪かったので、闇に葬って隠してしまった。ここまできたら、もうそうはいくか、である。


 私はこれまで重電会社の原子力に関する部門で、構造材料の強度の研究とそれの顕微鏡観察という材料分析を行ってきた。火力システムには直接関与しなかった。しかし、火力にも興味があったので、自分で勉強したり、電力会社の知人から話を聞いたりした。その知識を元にしてまとめたのが本書である。


 3・11以来、若い理科系の技術者たちの原子力開発への期待は薄れるばかりだ。しかし日本の原子力開発の過程で先人がやったことは、そこまで馬鹿でも無様でもない。困難に立ち向かい、砕け散りながらも、希望を繋ごうとした優れた者たちが、原子力ムラにもいた。この事実を、若い人に伝えることが私の願いである。この本に触れた若い人たちが、原子力を少しでも前向きに見てくれれば、私としてはとても嬉しい。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


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