古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:副島隆彦

 古村治彦です。

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史』(秀和システム、2020年3月26日発売)をご紹介する。これは、アメリカ思想の歴史をユニテリアニズムから読み解くというものだ。

 以下に、まえがき、目次、あとがきを掲載する。

 是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史 フリーメイソン=ユニテリアンは悪魔ではなく正義の秘密結社だった!

(貼り付けはじめ)

  はじめに

 この本を読むと、あなたは、大きく歴史が分かるだろう。ヨーロッパとアメリカのこの500年間の歴史が、鷲づかみするように分かる。

 欧州と米国のこの500年間が、私たち人類(人間)の世界の歴史を引っ張ってきた。私たちは欧米白人の近代文明に引きずられて生きてきた。

 明治(1868年)からこっちの日本の知識層は、ヨーロッパの文物(ぶんぶつ)を取り込むことで必死だった。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの文学と思想を翻訳し輸入することに疲れ果てるほど全身全霊を打ち込んだ。

 ところが、アメリカの研究をほったらかした。アメリカはヨーロッパの後進国だろ、と軽く見た。そのことが、その後の日本の文化の成長に影を落とした。現在は、これほどに強くアメリカの影響と圧力を受けていながら。テレビのニューズはアメリカの表面を映すだけだ。

 ヨーロッパとアメリカの2つをガシッとつないで、私たちに大きく分からせてくれる本がない。粗(あら)っぽくていいから私たちは、欧と米を結合させて、大きくその全体像で理解したいのである。

 このことに私はずっと不満だった。だから、私はこの本で、まずヨーロッパの恐ろしい国王たちの姿を次々と印象深く描いた。私たちが名前ぐらいは知っている有名な王様と、政治家たち数十人に光(スポット)を当てて、どこまでも分かり易く、「ああ、そういうことだったのか」と読者に思ってもらえることを目指した。

 そして〝チューダー朝の恐ろしい王たち〟から逃げ出して北アメリカに渡って植民(コロナイズ)した、初期のプロテスタントたちを描くことから第1章を始める。

「本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史」なのである。冒頭のヨーロッパで断頭される王と王妃の絵、に戻って再度じっくり見てください。ここに凝縮される欧米白人500年の歴史の真実なのである。

 覆(おお)い隠されている事実がたくさんある。だから私たち日本人に大きな「ああ、本当はそういうことだったのか」の真実が伝わらないのだ。私は、一冊の本に書き込めるだけを書いてこの本に載せた。これでもかなり舌足(したた)らずだ。あんまりにも突拍子(とっぴょうし)もないことを、前後の脈絡(コンテクスト)なしで書くと、眉唾(まゆつば)ものだと思われるから、普通に知られている当たり前のことも、そば粉のつなぎのように、各所に入れてある。

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はじめに

第1章 17世紀の王殺し(レジサイド)とピューリタニズムの真実

  イギリスに戻って清教徒革命に参加したピルグリム・ファーザーズがいた

  「リパブリーク」(共和政)とは、王様の首を切り落とせ!ということ

  ユニテリアン=フリーメイソンがアメリカをつくった

  丘の上の町

  メソジストとはどういう宗派(セクト)か

  誰がアメリカ独立革命戦争の資金を出したか

  アメリカに渡ったキリスト教諸派のセクト分析

  「会衆派」がユニテリアンの隠れ蓑

  指導者がいない「会衆派」

  社会福祉の運動になっていったオランダ改革派

  本当はユニテリアンとカルヴァン派の間に激しい闘いがある

  バプテスト系の人たち

  「非戦」思想のメノナイトとクエーカー

  「ペンシルヴァニア・ダッチ」と呼ばれる人々のルーツ

第2章 アメリカ史を西欧近代の全体史から捉える

  全体像で捉える能力がない日本のアメリカ研究

  カルヴァン派とユニテリアンは対立した

  カルヴァン派はユダヤ思想戻り

  ピルグリム・ファーザーズという神話

  現代につながる王政廃止論

  ピューリタンの中心部分がユニテリアン

  アメリカ独立戦争を戦ったのはユニテリアン

  アメリカとフランスのリパブリカン同盟

  啓蒙思想としてはホッブズが一番正直

  「自由」とはユダヤ商人たちの行動

  ヴァイマールはユダヤ商人を入れて繁栄した

  なぜ「近代」がオランダから始まったか

  ゲーテ小論

  偉大な皇帝だったカール5世

  ブルボン朝の初代王、アンリ4世は賢く生き延びた苦労人

  男女の愛への讃歌が民衆に受けた

  「ケンカをやめよう」と言ったモンテーニュとモンテスキュー

第3章 アメリカから世界思想を作ったエマーソン

  すべての世界思想はエマーソンに流れ込み、エマーソンから流れ出した

  環境保護運動、ベジタリアン運動の祖もエマーソン

  エマーソンは過激な奴隷解放論者は容れなかった

  土地唯一課税の理論をつくったヘンリー・ジョージ

  社会主義思想までもユニテリアン=フリーメイソンから生まれた

  アメリカ独立戦争は成功した革命

自己啓発の生みの親までエマーソン

  日本にキリスト教を輸入した人々もユニテリアンだった

  ガンディ(ガンジー)の偉さは、イギリスに抵抗し、かつ日本に組しなかったこと

  チャンドラ・ボースの死の真実

 

第4章 フリーメイソン=ユニテリアンは正義の秘密結社だった

独立軍は弱かった

ユニテリアンとフリーメイソンは表裏一体

ハミルトンとジェファーソンの違い

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あとがき

 この本の最大の発見(のちのちの、私の業績)は、カルヴァン派(長老派)と呼ばれるキリスト教プロテスタントの大きな宗派(セクト)と、ユニテリアンの区別をつけたことだろう。どちらもピューリタンたち(清教徒革命)と言うけれど、どう違うのか。長いこと分からなかった。

 ようやく私は、この大きな謎を解いた。日本人としては初めてで、日本への初理解(初上陸)となる。カルヴァン派のすぐそばに居るのに、もっと先鋭な活動家たちで、革命(革新)運動(すなわち王政廃止論)の中心の者たちが、ユニテリアン派だったのである。つまり、ユニテリアンは、「神の存在を疑う(もう、これまで通り信じるわけにはゆかない)」すなわち、理神論 deism にまで到りついたヨーロッパの過激派たちだったのだ。

私はこの本を途中まで書いてきて、ようやく、この中心に横たわる疑問にはっきりと解答(ソルーション)を出すことができた。この本を書く途中で、私はこの疑問(謎)を佐藤優氏に「カルヴァン派とユニテリアンはどう違うのか」と執拗にぶつけた。彼の助言にも助けられて、それでようやく大きな解(根=こん。答)を得た。

 

 この本全体は、ユニテリアンという、キリスト教の一派なのだが、現在ではそこから追い出されたと言うか、かなり外(はず)れてしまった人々について書いた。ユニテリアンからヨーロッパの社会改善(改革)運動が生まれた。貧しい人々を救(たす)けようという社会福祉活動となり、そして社会主義者(ソシアリスト)の革命家(レヴォルーショナリー)の群れまでが生まれたのだ。マルクスとエンゲルスが「空想的(ユートピアン)」と呼んだ人々だけでなく、カール・マルクスたち過激思想家たち自身が、ユニテリアンから生まれ、派生したのである。

その100年前の、フランス革命の革命指導者(ロベスピエールらルソー主義者)もまた、全員ユニテリアン=フリーメイソンであった。そして、それと完全に同時代のアメリカ独立(革命)戦争(アメリカ建国)の指導者たち、フランクリン、ワシントン、ジェファーソンたちも全員ユニテリアン(フリーメイソンリー)である。そして何と、その150年前の1620年からの「メイフラワー号」のピルグリム・ファーザーズのアメリカへの初上陸の指導者たちも全員、ユニテリアンであった。驚くべき大きな真実である。

時代に先進する人たちを描くことがこの本の中心だ。ユニテリアン Unitarian とは何者か。この改革派知識人、活動家たちの動きが、欧米近代500年間の最先端での動きだったのだ。この「ユニテリアンをなんとか理解する」という太い一本の鉄棒をガツンと欧米の500年に突き刺すことで、欧米近代(モダン)の歴史の大きな真実をついに捜(さぐ)り出した。

アメリカの独立戦争(1776年、独立宣言。建国)、その150年前の アメリカ入植以来の話、そして現在から150年前の エマーソン(マルクスと同時代のアメリカ思想家)を中心に置いた。ヨーロッパ、とくにイギリス、フランス、ドイツをアメリカと連結させた。

日本で初めてここにユニテリアンという中心軸を一本通した。そうすることで大きな理解が、私の脳(頭)の中で出来上がった。岩穴を掘り進むように苦心して書いた。たいした知識もないのに、真っ暗闇の中で、私は自分の筆の鏨(たがね)(掘削道具)で掘って、ガツガツと書き進んだ。すべてを語り尽くさなければ気が済まない。

 それが、果たしてどれぐらいの意味を持つか。なんて、もう言ってられない。私は本当に、恐ろしい重要な真実がたくさん分かってきた。

この本は、人類史の全体像を縦、横、奥行きで立体化させて、つかまえようとしている。

その時、他の国(主要国)はどのように動いたか。その内部の対立はどうだったのか。この相互連関を書き並べる。登場人物は、その時代の王様と権力者たちだ。

彼ら西洋の王様の名前が次々にたくさん出てくると、日本人の読み手は混乱して、「訳(わけ)が分からん。イギリス国王ジョージ3世と言われてもなあ」となる。ここで私も苦しむ。ヨーロッパの王様の名前など、一読したぐらいでは誰も分からない。区別もつかない。だから私は今も苦しい。

それでも、どの国でも、その時の30年間の、一人の国王(権力者)のご乱行と事件の数々は、その国の人々には、自分の人生に関わる大変なことだったのだ。だが、次の時代の人々は、もうそれらを忘れ去る。そして、目の前の自分たちの事件と問題に翻弄され、振り回される。

 私は、ここに、新しい手法(文体=スタイル、あるいは文章の序列=オーダー)を作る技術での、革新(イノヴェイション)を、何としても発見し開発しなければならなかった。これが大変なことだ。

ほんの75年前の敗戦まで、日本人は、心底そして頭のてっぺんから昭和天皇のことを崇高なる現人神(あらひとがみ)であると信じ込んでいたのである。そして、1946年に、裕仁(ひろひと)天皇は、「(私も)人間(です)宣言」をしたのである。人間なんてこんなもので、わずか数十年で、集団的に、どんな思想にでも切り変わってゆく。愚かで弱い生き物なのだ。

 明治天皇絶対体制は、神国(しんこく)日本の伝統から作られたのではない。そうではなくて大英帝国(イギリス)が作ったのだ。自分たちの英国王は、神聖体(ホウリー・ボディ)であり、霊的(れいてき)存在である。そのように英国国教会(アングリカン・チャーチ)を創った(ヘンリー8世が1534年、ローマ・カトリック教会から分裂)時に出来た考え(思想)である。今、イギリスに労働党(レイバー・パーティ)を中心に「王政廃止論」が盛り上がっている。「自分たちのイギリスは、今も王と貴族たちを上に載せている、世界で一番遅れた国だ」とブツブツ言っている。こういう世界最先端の課題も日本人に教えなければ、私の役目は済まないのだ。

 こういう、過去と現在をグサグサと(縦横無尽に)縫い合わせる文体(スタイル)を、私は開発(開拓)しようとして必死なのである。

 一冊の本は、本当に分かりやすく、大きな柱に向かって全体を組み立てなければいけない。「ただの世界史の本」みたいなものを私が書くわけがない。それでは読者が喰いついてくれない。私が中公文庫の『世界の歴史』(30巻)のまとめ直しみたいなことをやっても、無意味だ。簡潔にたった一冊で、大きな流れをスパッと「ああ、そういうことだったのか」と、読み解いてみせることに意味がある。「お前の勝手な考え、思いつきに過ぎない」と言われても構わない。この出版不況のさ中で、出版社と書店がどんどん廃業、倒産、潰(つぶ)れている。大きな火の玉を投げつけなければ、お客様に対して失礼だ。書き手はもっともっと客(本の読者)に奉仕しなければいけない。

 

 最後に。この本もまた、本当にドイツ語とフランス語がスラスラと読めて書ける有能な編集者である小笠原豊樹氏との合作である。大きな思考(思想)の鉄骨は私が組み立てた。細かいあれこれの表記や事実関係の訂正は小笠原氏がやってくれた。この国は、出版社の編集者(エディター)たちの才能と苦心、労力に対してほとんど報いることのない、無惨な国である。

 これらの現実を、精一杯、全身で受け留めることだけして、我慢しながら、歯を喰いしばって、最高級知識を分かり易く知的国民にお裾分けする任務を、私は死ぬまで果たす。

 

 2020年3月5日

 

                                    副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)
amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側

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 古村治彦です。

 2020年3月7日に『経済学という人類を不幸にした学問』(副島隆彦著、日本文芸社、2020年3月)が発売にされます。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、手に取ってお読みください。
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経済学という人類を不幸にした学問: 人類を不幸にする巨大なインチキ

 よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき

アメリカ理論経済学が壊われつつある

 現代アメリカの経済学者の筆頭で、ノーベル経済学賞も受賞(2008年)したポール・クルーグマン教授(67歳)が、ついに自分の誤りを全体的に認めた。

 画期的なことである。クルーグマンの名前は日本でも知られている。金融・経済の本や雑誌を買って読む人たちなら知っている。彼が、アメリカ経済学を代表している人物だ。そのように日本の知識層と読書人の間でも認められている。

 そのクルーグマンが「自分たち(アメリカの主流派の)経済学者たちは、大きく間違っていた」と白状した。このことでアメリカ経済学界が、大きく揺れている。

 このことを露(あから)さまに書いた衝撃的な評論文で明らかとなった。それをマイケル・ハーシュという『フォーリン・ポリシー』誌の上級論説委員(オプ・エド・ページ・ライター)が書いた。

 『フォーリン・ポリシー』誌は、アメリカの外交専門誌である『フォーリン・アフェア』誌の、弟分のような高級言論誌である。

 2009年(リーマン・ショックのあと)、自分の誤りを認めたクルーグマンは、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』誌の記事で、次のように書いた。そのことを、マイケル・ハーシュは『フォーリン・ポリシー』誌(2019年10月22日号)で紹介している。

  『私たち経済学者は、自分たちが素晴らしく壮麗な数式で書いた経済学の論文を、真 

実であると、自分たちで信じ込んできた』

  “economists, as a group, mistook beauty, clad in impressive-looking mathematics, for   

truth.”

 このクルーグマンの文を、日本人に分かるように徹底的に意訳(いやく)(パラフレイズ)して、私が訳し直すと次のようになる。

   「私クルーグマンを含めた、アメリカ経済学者たちは、壮麗に美しく着飾った(高

度 で難解で高級な)数学の数式を使った多くの論文を発表してきた。それらを自分

たちだけで、認め合い、そしてそれがこの世の真理であると深く信じ込んできた。学会(学界)でこれらの論文を厳しく検証し合って切磋琢磨(せっさたくま)してきたのだから、これは真理だ、と自分たちで信じ込んでも構わない、と思い込んできた。

 それらの高等数学を多用した論文たちは、誰も疑うことができない、真理の体系であると、私たち理論経済学者は集団として、自分たちで勝手に信じ込んできた。

 ところが、これらの高等数式(を大量に使った論文)は真理ではなかった。現実の世界で起きていることと一致していなかった。現実のこの世は高等数式で表わされるようなものではなかった。私たちは大きく間違った。私たちの経済学は、現実の前でガラガラと崩れ落ちた。

 私たちは現実とぶつかって破産した」

 

と、クルーグマンは書いたのである。クルーグマンの弁明(べんめい)(言い訳[わけ])は続く。それを、本書の第1章からずっと英文の原文も付けて引用する。私がそれらを翻訳し解説し、そして論評(コメント)する。

 クルーグマン教授たちアメリカ経済学者(主流派)は、高等数学を駆使して、高級な数式を大量に使った難解な論文を次々と発表した。即ち、キリスト教の高位の宗教家、司教(ビショップ)、大司教(アーチビショップ)と同じである。

 例(たと)えば、ローマ・カトリック教会の総本山であるヴァチカンで上級ラテン語を書いて話せる者たちだけが、神(God、 Devin)について語ることができる、ということと同じである。上級ラテン語が出来ない者は、神について語ってはいけない。神について評論することや、批判の言葉を投げかけることもできない。お前たち、下々(しもじも)の一般の者たち(民衆、一切衆生[いっさいしゅじょう]、大衆)は、ただひたすら神と私たち(神官、高僧)の前に跪(ひざまず)き、祈りの言葉(呪文)を唱え、賛美歌を歌っていさえすればいい。それ以外の他の余計なことをするな。神と(その代理人である)私たち高位の宗教家(大司教、大司祭)の前に、跪いて、私たち高僧を拝みなさい。それ以外のことをお前たちはしてはならない。

 

 現代の(アメリカが中心の)理論(りろん)経済学は、誰も理解できないお経(きょう)である。

 ただひたすら、私たち(偉い経済学者)を信じよ。私たちの言うこと(書くこと)を信じよ。疑うな。どっぷりと私たちの言うことだけを信じよ。それでは盲従(もうじゅう)だ、と言わないで信じよ。信じる者は救われる。ただひたすら信じる者が、救済(きゅうさい)(サルヴェーション)される。

 疑うな。疑うな。ただひたすら私たちを信じよ。崇拝(すうはい)せよ。拝跪(はいき)せよ。

 私たちの前に土下座(どげざ)して、(もう、こうなったら神なんかよりも)私たち高僧を拝みなさい。

 高度で難解で高級な数式・数学の呪文(経文)を操(あやつ)る(唱[とな]える)ことができる私たち上級ラテン語(高級数学)を話すことができるアメリカの理論経済学者の書く数学的論文を、真理(真実)だと認めよ。

 私たち(僧侶、数学者、理論物理学者、理論経済学者)に対して疑念を抱くな。このことで議論をするな。私たちに論争を吹きかけるな。お前たち生来(せいらい)頭の悪い者は、どうせ何も考えないのだから、私たちの言うことを聞け。素直に従え。超(ちょう)高等数学を自在に取り扱って、流麗高雅(りゅうれいこうが)な論文(お経、経典)を編み出すことのできる私たちを、神聖な霊体(れいたい)(聖霊、ホウリー・スピリット)だと分かってすすんで騙(だま)されて信従(しんじゅう)せよ。

 我らは神(真理、正義)の代理人なり。我らが吐くコトバは、神のコトバなり。我らは神なり。我らを試(ため)すな、我らを疑うな。我らアメリカ数理経済学者は偉大なり。我らは超能力(験[げん]。霊験[れいげん]あらたか)の保有者なり。我らの超(ちょう)能力は、学問の伝道という荘厳な建物(大伽藍[だいがらん])の中で唱えられ、編(あ)み出された。それ故に、キラキラと輝き、流麗(りゅうれい)、耽美(たんび)、法悦(ほうえつ)(エクスタシー)なり。

 私、副島隆彦はこの本を出したあと、ようやく「経済学の終わり」という本を書く気になった。経済学の終わりは、この本が書き上がって、出版されたあと、さらに思考を積み上げてから書く。待っていてください。

 この本が世に出て、何とかうまくいったかな、と見定めた上で書き上げる。今のところは、私の頭の中にいろいろの部分と材料が散らばっているだけだ。

 私がこの40年に読みためて、かき集めた学問の断片(フラグメント)、立体的に組み立てて「経済学の終わり」本は出来上がるだろう。

2020年2月 

副島隆彦

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『経済学という人類を不幸にした学問』 目次

 

まえがき アメリカ理論経済学が壊れつつある―2

 

第1章 クルーグマンは何を間違ったのか ハーシュ論文から解説するクルーグマン教授の反省点

世界に衝撃を与えたクルーグマン教授の白状―16

自由貿易(フリートレイド)礼賛が起こしたハイパー(超)グローバリゼーション―23

トランプ大統領をクルーグマンが誕生させた!?-29

 

第2章 経済学の数式はすべて「YM」である 理論経済学はどのようにして生まれたか

たった1行で解ける経済学の秘密―38

数式を初めて使ったアルフレッド・マーシャル―44

アーヴィング・フィッシャーの貨幣数量説―51

ケインズだけが欧米経済学の神髄である―64

ヒックスからアメリカ経済学の暴走が始まったー71

インチキ学問に成り果てた経済学―86

ケインズにマルクスを合体させた理論で中国は大成功―94

トマ・ピケティの法則もM>(大なり)Yなのである―109

 

第3章 アメリカ経済学者たちの迷走 “1990年コンセンサス”で有頂天になったアメリカの貿易戦略

超(ちょう)グローバリゼーションでアメリカは社会崩壊(ディストラクション)した―120

自由貿易への妄信から起きた収入格差(貧富の差)―125

トランプ政権で復活した保護貿易主義―132

米中貿易戦争の原因は2000年から始まった―136

“1990年コンセンサス”とは何か―148

ネオ・リベラル派を疑った戦略的貿易主義者たち―164

世界に蔓延するスウェット・ショップ(奴隷工場)経済―178

中国の巨大化を生んだ2000年のWTO中国加盟―189

労働市場は調整されず。スティグリッツの反省―194

 

第4章 人類を不幸にした経済学の正体 クルーグマンは白状した

自分の間違いを認めたクルーグマン―206

市場経済化による中国と途上国からの貿易急増―218

輸入急増で向けられた日本への欲しい怒り―224

保護貿易への舵切りで大きな社会崩壊が起きる―235

 

第5章 経済政策なきこれからの世界 経済学はすでに死んでいる

もう経済学では対応できない先進国経済―246

MMT理論では世界経済は生き延びられない―254

経済学者たちを裏で操る世界権力者たち―260

 

あとがき―275

 

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あとがき

 アメリカ経済学(理論[りろん]経済学)は、本当に終わったようだ。大失敗をして学問(サイエンス)として滅びかかっている。まずアメリカで、そしてヨーロッパでも。それから、アメリカさまの忠実な子分をやり続けている日本の経済学者(官庁エコノミストを含む)も。
 なぜなら、現実の世界のこの30年間(1990年から)の実態経済と金融市場の予測で、この人たちは大外(はず)れ、大間違いを犯した。そして学問そのものも大失敗している。

 この本は今、経済学が学問として死につつある、ということを日本国民に知らせる本だ。

 私は「真実暴(あば)き系言論人」と、自分を呼んでいる。大きな枠組みの中の隠されている真実だけにしか興味はない。私は金融、経済の本もずっと書いてきた。この23年間、年2冊書いてきた。だから金融、経済の本だけで50冊ぐらいになる。

 私がなぜ、この時期に『経済学という人類を不幸にした学問』という本を書いたのか。やはりそれは私が金融、経済の本を書くことで、投資家や自分の資産を増やしたい、守りたいという人たちのことを本気で思ってきたからだ。
 この実績の上にこの本ができた。私は10年間ぐらい前から、もうわかっていた。アメリカの理論(りろん)経済学という学問は死につつある、と。私は、2008年9月15日に勃発したリーマン・ショックも予言して当てた。それらの本が証拠で残っている。

 

 経済学はもう死んでいる。それでも若い人たちの一部は大学の経済学部に行って、偉い人になりたいと思って行く。経営者になってお金儲けをして金持ちになりたいから経済学部を選んだ。でもどうせ、ほとんどなれない。

 経済学部と法学部を出た人間は大企業が雇う。大企業は文学部を出た人間は雇わない。これは世の中のルールで決まっている。中堅企業は文学部も雇う。そうしないと人材が集まらないから。地方公務員でも上級職はそうだ。

 私の大学時代(早稲田大学法学部)の友達はクラスの2人が三井物産に行った。1人が裁判官になって、2人ぐらいが弁護士になっている。早稲田大学の法学部はそんな感じだ。

 本当は、みんな学生時代に勉強なんかしていない。ガリ勉組(ぐみ)は国家試験受験組(ぐみ)だけだ。授業にもろくに出ていない。期末試験だけ受けて大学を卒業した。だから私たち日本人のほとんどは、日本アルバイト学部部活(ぶかつ)学科かコンパ学科卒業だ。

 私の同級生はあとは銀行員か地方公務員だ。埼玉県庁上級職とか。こういうのが全国にゴロゴロいる。そして民間の大企業にゆく。大企業に入らないと、先々、自分のサラリーマン人生が不安定で、心配だからだ。だが、大企業も、今はちっとも安心できなくなった。いつ倒産するか、吸収合併されるか分からなくなった。そしてみんな停年退職した。今は年金暮らしだろう。

 

 東大の経済学部に行った者たちは、卒業して警察官僚になる。あるいは財務省に一応、入るけれども、すぐに防衛省に出される。財務省事務官の肩書きで、防衛省のしみったれたお金の計算係をやっている。だから亀井静香氏のような東大経済学部を出た人が、公安警察(政治警察)になる。それでもトップ(本省[ほんしょう]部長級)から上はほとんど東大法学部だ。

 法学部出(で)が経済学部出(で)を押さえ付けて、日本の官僚制(かんりょうせい)のヒエラルキー(英語ならハイアラーキー。位階[いかい]の秩序)はできている。全ての学歴差別はここから始まる。公務員の学歴差別が一番ヒドい。わざと高卒者たちを採用して自分たちの子飼(こが)いか奴隷にしている。

 財務省は東大法学部ということになっている。いまは、もう早稲田と京大と大阪大学もいることはいると思う。神戸大とかも。大蔵(財務)官僚に旧七帝大出がどれぐらい残っているかわからない。財務省は、年に22、23人、採(と)る。その22、23人で競争させて、トップ4、5人だけがエリートだ。あとは落ちこぼれだ。40代で、さっさとどこかに出されて、もういない。要らない。他の主要省庁(政策[せいさく]立案官庁。現場[げんば]の仕事はやらない)も似たような感じだ。

 それが現実の世の中というものだ。私は本当のことを書いて伝えたい。

 「それはお前の偏見だ。うそだ。勝手に思い込んでいるだけだ。上級公務員(官僚)の世界はそんなものではない」と言うなら言え。反論しろ。私はそれにちゃんと答える。

 

 経済学がどんなにインチキ学問で、ウソ八百かというのがバレつつある。

 実際にリーマン・ショックからあと、欧米世界でボロボロに打ち破れてきた。インフレ・ターゲッティング理論(インタゲ論)あるいはリフレ(リインフレーション)理論といって、今も量的緩和(りょうてきかんわ)(easying money[イージング・マネー])といって、ジャブジャブ・マネーをいっぱい刷って「無理やり目標値2%のインフレを作ろう」と目的に向かって爆走している。

 本当は、この「インフレ目標値2%」というのは、経済成長率2%というのと同じ意味だ。元祖は本書に出てくる“マネタリスト”のミルトン・フリードマンが“マーシャルのk”を、「歴史的に2%ぐらいだ」として定めたものだ。

 しかし人口的人為的にインフレにはできはしない。無理やり、お金をいっぱい刷って世の中に回せば必ず景気は回復する、と言い続け、今もやり続けている。もう他にやることがない。漫才か漫画の世界である。

 親分のアメリカがこれをやっている。柄の悪い商売人のトランプ大統領が「カネ(お札)をバラ撒け。金利をゼロにしろ。それで株を吊(つ)り上げろ。そうしたら景気がいいように見える。それでいいんだ。国民なんか騙(だま)せばいいんだ」とやっている。日本もそれに従っている。

 

 だからこの本の冒頭から載せたとおり、ポール・クルーグマン教授が、「私を含めて馬鹿でした」と大反省をした。

 「馬鹿でした」を英語では”We are wrong.”「ウィー・アー・ロング」という。「私たちアメリカを代表する経済学者が、現実の世界を理解できずに、自分たちの勝手な高級理論ばっかり(しかも数式だらけで)作って、それで大失敗しました」と白状した。そういう時代が来たのである。

 クルーグマンが自分の考えをwrong(ロング)(1.不正 2.間違い 3.誤り 4.不適切 5.故障 6.不具合 7.劣等 8.悪事 9.不法行為)だと認めた。この内容の評論記事がアメリカの一流評論誌に出た。それを第1章と第3章でずっと英語原文と照らし合わせながら私が詳しく説明した。第4章に、クルーグマン自身の「私は間違っていた」と学界に発表した論文をそのまま載せた。

 

 私が、この「経済学はインチキ学問だ」という本を書こうと思って、さる大手の経済誌の編集長経験者に助言を求めた。

 私のような専門外(がい)で、小室直樹(こむろなおき)先生から少し経済学を習った程度で、こんな本を書けるのか、と自分でも相当躊躇(ちゅうちょ)していた。そして質問した。

 私 「今(2019年時点)の日本の経済学者たちは、何をしているのですか」

 A氏 「何もやっていませんよ。学内論文を書くだけでしょう。あとは政権(政府)にくっ付いて(審議会の委員になって)お金儲けですよ(役人<官僚>のいいなりで何も発言しません。嫌われると損だから)。自分の財産(高層鉄筋住宅[タワー・レジデンス]2戸とか)を増やそうと考えているだけです」

 政府委員で1回出席すると報酬5万円だ。これが有ると、テレビに出たり、あちこち講演会(1回100万円)の依頼が来る。

 私 「今の経済学界の最先端のテーマは何ですか」

 A氏 「もうマクロ経済学はやりません。マクロは滅びましたね。今はアメリカではミクロ(企業行動の経済学)と、会計学(アカウンティング)をやっています。もうマクロ経済政策なんか(破綻[はたん]したので)やりません」と。

 A氏は、この時今も一番定評のあるグレゴリー・マンキューの分厚い『経済学』の最新版の日本語訳本を、私にくれようとしたが、私は「そんな本は読めないので、いただけません」と丁重(ていちょう)に断った。代わりに同席した編集者が貰(もら)った。

 私はそんな本は、どうせ、アメリカ人くささ満点の宗教イデオロギーだから、読んでも意味が分からないから読まない。

 

 この本の著者である私は大学の経済学部を出ていない。それなのに、こんな経済学についての本を書いた。私が出たのは、前記したとおり法学部である。それなのに、私は金融・経済の本をこの23年間でもう50冊くらい書いた。若い頃外資系(イギリス)の銀行員をしていた。それで金融市場というのが、どういうものか、なんとなく分かった。

 私は法律学についての本も既に20年前に書いている。弁護士になった畏友(いゆう)と2人で書いた『法律学の正体(しょうたい)』(洋泉社 1991年刊)と、『裁判の秘密』(同上 1997年刊)と、それをリメイクした『裁判のカラクリ』(講談社 2000年刊)である。

 だから私は、法(律)学とは、いったいどういう学問かについても、大きな真実を暴き立てて書いている。今からでもこれらの本をアマゾンででも探して読んで下さい。近いうちに復刊します。

 法学(レヒトレーレ)(法律学[ゲゼッツ])というのは何か。ズバリと本当のことを書く。法学あるいは法律学とは、官僚(裁判官を含む)たちが、国民を自分たちのいいように切り殺すための刃物(はもの)のことを言う。

 この世の正義(ジャスティス)を実現するのが法学(及び裁判[ジャッジ])だ、というのは国民騙(だま)しのウソっぱち(虚言[きょげん])である。人間騙(だま)しの最たるものだ。2番目に、法律(法学)というのは、官僚たちが、自分たちを政治家というゴロツキ集団から自衛(じえい)するために、わざと複雑怪奇にして、山ほど作るワケの分からない細かい作文(条文[じょうぶん])のことを言う。

 政権(せいけん)政治家は、職制上、官制上、自分たち官僚のクビを切る権限を握(にぎ)っている。だから、官僚(という国家暴力団)は、団結して複雑な細かい法律の山を作って、政治家(権力者)という別の暴力団組織から自分たちを防御する。

 これが、私の「法学部とは何か」本のエッセンス(抜粋、神髄[しんずい])だ。そして私は、アメリカの現代の政治思想各流派(セクト)の研究を30年、やった。だから、その次に「経済学とは何か」を、私は書く運命にあったのだ。それを本書の第2章で、赤裸々(せきらら)に描いた。

 さあ、私のこの経済学(の)解体新書を、経済学出(で)の人たちがどのように読むか。「お前の書いていることは、専門外の素人が書いている戯言(ざれごと)だ」と、私に堂々と名乗って書いてくる人と、私は本気で相撲(すもう)を取るだろう。

 相撲というのは相(あ)い撲(なぐ)るという漢字でできている。伝統を重んじる神事(しんじ)奉納のための国技(こくぎ)だ、などという取って付けたような飾り言葉は、私には通用しない。言論(書き物、著作)で30年間、闘いの連続だった私の人生に生傷(なまきず)が一つ増える程度のことだ。

 念のため、ここに書いておかなければならないことがある。

 この本の冒頭から前記のポール・クルーグマン批判の最新のアメリカ評論文と、クルーグマン自身の論文の英語原文を載せた。これは著作権法(ちょさくけんほう)(そのまま国際条約である)に違反していない、ということを断り書きしておく。そして言論及び表現の自由(フリーダム・オブ・エクスプレッション)(日本国憲法第24条)によって私はこの評論の本を書いた。

 この本は、その主要な中身(内容)である評論の対象として、クルーグマン批判の英文とクルーグマン自身の文を、徹底的に解剖するように細かく取り扱って、書かなければ済まない。だから著作権法第32条に定める引用権(いんようけん)(right to quote [ライトトゥクオート])を主張する。原文を引用して、それに忠実に大量の評論(コメント)を加えた。

 そして個別、具体的に、詳細に、私(副島隆彦)の意見、考え、分析(アナリシス)、評価判断(エヴァリエイション)を加えている。これは日本の裁判の実例(判例[はんれい])でも、「フェアコメント(適正な論評)の法理」と呼ばれていて、アメリカの法律学を輸入して、「適切に引用した文に対して評言(コメント)をしていれば引用権として認められる」となっている。

 

 私は、この本の読者諸氏に、これらの英語原文も読んでもらいたい。

 

 チラチラでいいから、要所、要所で英文と照らし合わせて、自分の頭(能力)の英文読解力に応じて(人それぞれだ)、「なるほどなあ。副島は、この英文をこのように訳したのか。そして私たち日本人読書人階級(ブックリーディング・クラス)の人間に対して、正確な知識と理解を希望しているのだ」と分かってくれるだろう。

 私には知ったかぶりはない。英文を読む、というのは、日本の知識階級にとって、今でも大変な作業だ。しかも小説程度ではない高級で高品質な知的な英文を読解することは未(いま)だに難業(なんぎょう)である。だから欧米で定評、評判を取った本が日本語に翻訳されて出版されることは、私たちには有り難いことだ。

 ところが多くの翻訳本が英文の原文とあまりに切断されて、日本語訳文だけが勝手な寸(すん)足らずの理解でひとり歩きしてきた。この日本文化の劣勢の現実を、私は苦々(にがにが)しく思いながら、この50年間を生きてきた。皆んな、分かったふりはやめた方いい。なるべく英語の原文に戻って読解すべきだ。

 だから私は、敢えて英語原文も要所要所に載せた。私の訳文と解説文(公正な論評[フェアコメント])だけでは、読者の理解がいい加減になる、と考えたからだ。それと、私(副島隆彦)が自分勝手な歪曲、偏向した訳文と解説をしているのではない、ことを証明したいからだ。

 

 最後に。この本は、私と編集者の、苦心惨憺(さんたん)から生まれた・・・。

 ・・・それでもこうやって本は出来た。私は思いの丈(たけ)を書き散らした。あとは読者が決めてくれ、だ。値踏(ねぶ)み(価値判断)するのは読者(になってくれそうな)お客さまだ。

 価値(かち)と価格(かかく)の関係はいくら勉強してもやっぱり難(むずか)しい。「価値(ヴァリュー)(V)が価格(プライス)(P)を決める」という表現(言い回し)が経済学に有る。これを「変数である価値(V)が、同じく変数である価格(P)を決める」とも言う。そして「価格(P)は、価値(V)の関数(ファンクション)である」と言う。したがって

P=aVaは比例定数)

である。このように数式(公式)では書く。

 

 ああ、この本には、本当に苦労した。私の血と汗の労働が、この本に投入され結晶した。一緒に全力で疾走してくれた編集者の水波康氏に感謝します。

 

2020年2月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界hongkongmap001

 2019年7月29日の昼過ぎに香港に向かった。香港では香港島西部にある地下鉄の西営盤駅近くのホテルに投宿した。何となくだが深圳から香港に移ると少しホッとするところがある。ホテルにはスマホが置かれており、ご自由にお使いください、とあった。このスマホを使ってもいいし、自分のスマホのためのwi-fiにも使えた。
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 香港では通常の観光もそこそこにデモが行われていた場所に向かった。香港島の中心部にある中環(Central、セントラル)から金鐘(Admiralty、アドミラルティ)にかけては金融街で世界各国の銀行や証券会社が支社を置いている。従って、欧米からの駐在員たちも多くおり、デモ隊はここを中心にしてデモをしていた。香港大学からも地下鉄ですぐに行けるということも利点であり、世界各国のメディアに注目を集めることができるという計算もあったようだ。また、香港の立法院や中国人民解放軍の本部も置かれている。
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立法院
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中国人民解放軍本部
 私たちが香港に滞在した7月末の段階では、デモが過激化する前
で、まだまだ落ち着いていた。ただ、街のあちこちに8月5日にジェネラル・ストライキを行おうという呼びかけのポスターやチラシが貼ってあった。デモがこれから過激化していくだろうと考えられた。
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上から読んでも横から読んでも香港と加油(頑張れ)

 ホテルでシンガポールのテレビ局のニュースを見ていたら(英語での放送なので分かりやすい)、香港の地下鉄でのデモ隊と警察の衝突について放映されていた。地下鉄が動かない、プラットフォームには乗客があふれかえっていた。市民へのインタヴューで、ある男性は本を片手に「今日は本を読みたいと思っていたので、ゆっくり本を読んでいる」と答えて、間接的にデモを支持する発言をしていた。しかし、もちろん怒っている人たちもいた。

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 デモに関する落書きには「Be Water(水のようになれ)」という言葉が散見された。これは、香港が生んだ映画界のレジェンドであるブルース・リーの言葉だ。水は変幻自在に形を変える。静かな時は鏡のようにもなるし、荒れ狂う時には大地を削り、生物の命を奪う。戦国武将の斎藤道三の旗印も水であったことはよく知られている。ブルース・リーは今でも香港の人々に親しまれているということが分かるし、逆にブルース・リーよりも更に香港映画を世界に広めたジャッキー・チェンは大陸側にすり寄ってすっかり人気がなくなっているということが推察される。
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 デモに関しての私見を述べる。中国は外国から食い物にされてきた苦い歴史がある。アヘン戦争(1840―1842年)とその後の南京条約(1842年)によって国の一部が外国の植民地となり、国の富が吸い取られるという苦難を味わった。私は毛沢東が中国共産党を率いて日中戦争、国共内戦を戦い勝利できたのは、彼が自主独立(外国勢力に頼らない)ということを訴えたからだと思う(実態はアメリカからの支援で勝利をした訳だが)。外国からの支援、武器や資金の援助を受けてしまえば、その外国の意向を無視できない。中国の近代化のために、外国に頼ろうとした人たちは最終的にはうまくいかなった。これを敷衍すれば、香港の学生デモは外国に頼ろうとしている時点で、多くの中国人からの支持を得られないのではないかと私は思う。

 観光はそこそこにと決めていたが、九龍半島に渡り、リッツカールトンホテルに行って、香港市街を眺めながら、紅茶を飲んだ。シンガポールのTWGの紅茶が出され、大変においしかった。100階からの眺めも素晴らしかった。
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 リッツカールトンホテルの下に、中国の高速鉄道の駅である香港西九龍駅がある。この西九龍駅からは中国各地に向けての高速鉄道が出ている。
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 中国のホテルではフロントでも英語が通じにくかったが、香港のホテルはさすがにどこでも英語は通じた。しかし、香港市街の小さな食堂やコンビニでは英語が通じないことが多かった。これは意外であった。

 また、香港では反大陸、反中国中央政府、反中国共産党の気風が強いようだと感じた。大陸側ではウイチャットペイとアリペイでの決済が既に支配的であるのに、香港では今でも現金が通じた。ある人に聞いたら、大陸で使われているようなものを遣えるかという意識が香港の人々の間にあるらしい。また、中国語(普通語)を話すのも疎まれるようだ。同行したK氏(日本人)がタクシーやレストランで話すと、「あなたは外国人なんだから下手でも片言でも英語を使った方が良い、変に中国語を使うべきではない」と忠告されたということだ。中年以上は広東語を話しており、中国語は下手だということだ。抑揚や発音がうまくないのだそうだ。それでも若い人たちは学校教育を通じて普通語を話せるようになっているようだ。

 「場(トポス)」としての香港についての報告としては小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っている: アングラ経済の人類学』が興味深い。

 深圳と香港に行き、日本にはない活力を感じた。「最前線」にいるという感覚は日本では感じることはない。この感覚を味わうだけでも中国を訪問する意義はある。日本は閉鎖された沈みゆく船だ。そのことに気づかされる。それだけでも大きな収穫となる。

 

 以下に、『全体主義中国がアメリカを打ち倒すーディストピアに向かう世界』のまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。是非お読みください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

まえがき   副島隆彦

 

中国は表紙に打ち込んだとおり明らかに全 トータリタリアニズム 体主義国家である。

その別名が「共産中国(きょうさんちゅうごく)」である。みんなに嫌われるはずだ。だが、今後、世界中がどんどん中国のようになる。

 

世界中のすべての国が、中国化するのである。その代表的な具体例かつ証拠は、監視カメラ(CCTV [シーシーティブイ]。今はコミュニティ・サーキットTV[ティビー]と呼ぶ)が、街中のあらゆるところに取り付けられていることだ。アメリカも、ヨーロッパも、日本だって監視カメラだらけの国になっている。

 

中国では監視カメラによる民衆の動きの把握のことを 天 てんもう 網(ティエン・ワン)と言う。「天網恢恢疎にして漏らさず」の天網である。

私は最近、中国に香港から入って 深圳(しんせん)に行った。この中国のITハイテクの最先端の都市を調査してきた。あれこれもの凄(すご)い発展ぶりだなと、思った。それを後(あと)の方で報告する。中国にまったく行きもしないで、中国の悪口ばかり言っている(書いている)人たちは、お願いですから、せめて北京と上海に行ってください。安いホテル代込み10万円で行けます。エクスペディアなどネットで安くで予約するといい。

 中国は国民の生活を監視している国になってしまっている。もうすぐ監視カメラが中国全土に 6 億台取り付けられるそうだ。中国国民14億人の2人に1台の割合だ。まさか個人の家の中までは取り付けられないだろうが、それだって分からない。中国のすべての都市の街路には、既に付いている。

 ところが、これらの中国製の監視カメラ会社に、最初に技術を開発して売ったのは、日本の大手電機会社である。ニコンとキヤノンとパナソニックとソニーが、この公共空間のカメラの技術を一番先に開発した。日本がいまもドイツ(カールツァイスとライカ)にも負けないで、世界一の技術力を誇っているのは、この分野である。専門技術でいえば、フィルムとフィルターとレンズの技術である。ハッセルブラッド社(スウェーデン)は、DJI(中国のドローンの最大手)が買収した。

 あとのほうで載せるが(P61)、キヤノンの御手洗富士夫(みたらいふじお)会長の発言で、「キヤノンは監視カメラで未来を切り開く」と最近堂々と日経新聞に出ていた。

 中国だけが国民を徹底的に監視しようとしている国家なのではない。米、欧、日の先進国も監視国家だ。それに続く新興国も、「国民を監視する国家」になっていくのである。すなわち中国が先導して、他の国々もそれに追随する。これからの人類がたどるのは、このディストピア(幻滅の国。絶望郷[ぜつぼうきょう] 。監視国家)への道である。中国だけがますますひどい国になるのではない。ディストピア(dystopia)はユートピア(utopia、理想郷[りそうきょう])の反対語(アントニム)である。 

 人類が自分の未来を、盲目的、直線的かつ貪欲に突き進む結果、世界はこのあと、いよいよ中国のようになっていく。中国の悪口を言っていればいいのではない。

 国民生活が、権力者や支配者によって徹底的に監視され、統制される政治体制のことを全体主義(totalitarianism トーリタリアニズム)という。この全体主義という言葉を広めたのはドイツ人の女性思想家のハンナ・アーレン人である。彼女が、1951年に書いた『全体主義の起源』で、ソビエト体制を批判した時に使われた言葉である。このコトバの生みの親は、イタリア知識人のジョバンニ・アメンドラである。

 世界がやがて中国のようになっていく、という課題は、私が急に言い出したことではない。すでに感覚の鋭い言論人や知識人たちによって「世界は中国化する」という本も出ている

 もう 20 年前からイギリスのロンドンは、すべての街 ストリート 路に監視カメラが設置されていたことで有名だ。今の日本も主要な生活道路のほとんどにまで、監視カメラが設置されている。このことを日本国民は知らされていない。新宿や池袋のような繁華街だけが、カメラで監視されているのではない。 

 民衆の往来、行き来を、政府や取り締まり当局(警察)がずっと撮影して、画像を保存している国が立派な国であるはずがない。だが、どこの国の警察官僚も、必ずこういうことをやる。官僚(上級公務員)というのは、本性(ほんせい)からしてそういう連中だ。

 これは人類にとっては悲しむべき間違った方向である。科学技術(テクノロジー)の進歩が、コンピューターや通信機器(スマホ他)の異常な発達とともに、こういう監視技術を最高度に発達させた。この監視システムを維持するために、一体どれほどの警察公務員が新たに採用され続けているかについて、誰も関心を払わない。

 それにしても、全 トータリタリアニズム 体主義は強いなあ。世界大恐慌が襲いかかったとき、中国はシャッタード・アイランド(バターンと金融市場を閉じる)ので、ビクともしない。

=====

目次

まえがき 3

 

第1章 中国のディストピア化を追いかける世界

中国は巨大成長したという事実は否定できない 18

世界の知識人が描いてきたディストピア像 22

左右のどっちからも嫌われるのが一番いい 30

全体主義中国を徹底的に叩く 33

ディストピア映画の歴史的系譜 40

 

第2章 貿易戦争から金融戦争へと移り変わった

〝卑屈〟なテンセントが金融戦争に勝利する 52

銀行消滅とCCTV 59

銀行の別名は「信用」 69

アリババはNY市場から締め出されるのか? 70

中国のネット世代と実質的なデモクラシー 75

ファーウェイはアメリカのいじめに負けなかった 82

アメリカと中国の睨み合いは続く 87

中国人は国有企業が嫌い、民間企業大好き 90

半導体製造の切り札、紫光集団 96

 

第3章 中国は最早アメリカとの力相撲を恐れない

中国の技術泥棒を引っ張った「千人計画」 104

結局中国を一致団結させてしまったアメリカのミス 109

米中IT戦争と日本の半導体潰しの意外な共通点 112

サムスンを育てたのはインテル 117

新たな火種となったレアアース 120

 

第4章 中国にすり寄る 韓国、北朝鮮と台湾を巡るつばぜり合い

北朝鮮と韓国による「高麗連邦」の誕生 130

GSOMIA破棄問題で嫌韓が高まった本当の意味 132

アメリカが韓国を切ったのではなく、韓国がアメリカを切った 135

香港問題は台湾問題である 139

2020台湾総統選とテリー・ゴウの動き 142

韓国瑜はアメリカの回し者だった 145

中国は民主化するのか? 150

台湾の中国化とシーレーン問題 152

中国人はヒラリー・クリントンのことが大嫌い 154

もうアメリカの圧力などなくなってしまった 160

警戒の目はファーウェイの海底ケーブルに 164

 

第5章 中国の膨張を招き込んだアメリカの弱体化

腰砕けとなったペンス副大統領 170

「外国にいる米軍の兵隊たちは国に帰って、ゆっくり休め」 174

米中貿易戦争は、今年中に表面上は静かになる 177

イレイン・チャオはチャイナ・ロビー代表で政権ナンバー 3 180

EVの天下を取る中国にひれ伏すマスク 187

 

第6章 アフリカと中央アジアに広がる チャイナネットワーク

アフリカの一帯一路戦略 204

次の世界の中心は中央アジアになる 213

中国はアメリカからアフガンを任された 219

 

第7章 ディストピア中国の不穏な未来

新疆ウイグル問題の真実 224

私は見た、深圳の現実を 236

華強北と中国のジャイアント・ベイビーたち 238

ドローンの恐るべきパワー 248

デジタル人民元の脅威 250

 

あとがき 252

=====

あとがき   副島隆彦

 

この本『全体主義(トータリリアニズム)の中国がアメリカを打ち倒す││ディストピアに向かう世界』は、世界最大の牢獄国家、中国についての、私の 11 冊目の本である。

英文の書名は、“Totalitarian China will finish of America(トータリタリアン・チャイナ・ウィル・フィニッシュ・オフ・アメリカ)”である。このfinish off(フィニッシュ・オフ)という動詞は、「とどめを刺す、息の根をとめる」という強い意味だ。

 

『あと 5 年で中国が世界を制覇する』(2009年刊)という本も、私は書いている。この本は反共(はんきょう)右翼の人々から激しく嫌われた。「何を言うか。中国は暴動が起きて、中国共産党は潰(つぶ)れるのだ」と、彼らは、私の本に最大限の悪罵(あくば)を投げた。それで、現実の世界の動きは、その後どうですか。

 

人も国家も、より強い者に虐(いじ)められながら、這い上がってゆく途中は、善であり、正義である。より強い国の支配の下(もと)で、苦心惨憺(さんたん)しながら勝ち上がってゆく。

しかし、一旦(いったん)、勝者になったら正義[ジャスティス]justice)から 悪[イーヴォ]evil)に転化する。中国が、アメリカ合衆国を打ち負かして世界覇権(はけん)国(ヘジェモニック・ステイト)になったら、その時、巨大な悪[イーヴォ]evil)になるのである。それまであと5年だ。

人も国家も、そして企業も、2番手に付けて1番手(先頭、支配者[ガリバー])の真似をしながら必死で喰い下がっているときが、一番美しい。これまでの40年間(鄧小平[とうしょうへい]の「改革改放宣言」1978年12月18日。 40周年を中国は祝った)、私は、アメリカ帝国の後塵(こうじん)を拝しながら、蔑(さげす)まれながら、泥だらけの極貧(ごくひん)の中から、着実に勝ち上(のぼ)ってきた中国を頼もしく、美しいと思ってきた。

 

この11月20日に北京で、〝世界皇帝代理〞のヘンリー・キッシンジャーが心配した。これに対して、翌日即座に、習近平は、「心配しないで下さい。中国は世界覇権(hegemony、ヘジェモニー。ドイツ語ならヘゲモニー)を求めません(私たちは、これまでにいろいろ苦労して、人類史を学びましたから)」と発言した。

これが一番大きな処(ところ)から見た、今の世界だ。日本という小ぢんまりとした国で世界普遍価値(world values、ワールド・ヴァリューズ)を理解しようとして、私は、独立知識人として(本書第1章を参照のこと)、孤軍奮闘して来た。

 

 本書は書名が決まったのが11月11日。体調不良の中で、2週間で作り上げた。だが手抜きはない。いつもながらの全力投球だ。私の地獄の踏破行(とうはこう)に同行して、命懸けの鎖場(くさりば)にも付き合ってくれたビジネス社大森勇輝編集長に記して感謝します。

 

2019年12月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

(終わり)

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 古村治彦です。 

 2019年7月27日から31日にかけて中国の深圳と香港を訪問した。副島隆彦先生の調査旅行に同行した。調査旅行の結果は『全体主義中国がアメリカを打ち倒すーディストピアに向かう世界』(副島隆彦著、ビジネス社、2019年12月21日)として結実した。私たちが訪問したのは地図の通りだ。

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『全体主義中国がアメリカを打ち倒す』から

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

 本のタイトルにあるディストピアとは技術が進み、生活全般が豊かに便利になるが、技術の進歩を利用して、政府や権力者が人々を監視したり、コントロールしたりする、一枚めくると非常に怖い世界ということになる。SF小説などのテーマとしてこれまで長く取り上げられている。ディストピア小説としては、ジョージ・オーウェルの『一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)』、アーサー・ケストラーの『真昼の暗黒 (岩波文庫)』、オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)』が挙げられる。

 私たちは2019年7月27日に日本を午前早くに出発し、昼頃に香港国際空港に到着した。空港では日本人で中国語が堪能のK氏と合流した。空港でK氏が予約していた自動車(運転手付き)に乗り、深圳に向かった。香港と深圳の間に広がる湾にかかっている深港西部通道を通り、数十分で深圳に到着した。香港からは鉄道でも深圳に向かうことができるが、自動車で深港西部通道を使った方が早く便利だそうだ。

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 昼過ぎに深圳西部にある地下鉄の后海駅近くのホテルに到着した。ホテルは日本からインターネットの予約サイトを使って予約したもので1泊1万円程度だったが、清潔で豪華な部屋に泊まることができた。夕方に近くの火鍋屋で食事を摂り、それからタクシーで深圳の電気街・「華強北(ファーチャンペイ)」に向かった。華強北は電気製品の卸や小売りをしている店が並んでいる場所だ。夜にかけてぶらぶらして、地下鉄を使ってホテルに帰った。

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 到着翌日の28日、私たちは運転手付きの自動車を雇って深圳を回った。まずは、ファーウェイ(華為技術、Huawei)の本社に向かった。ファーウェイの本社は深圳の北部に位置し、一つの街のように広大な地域を占めている。高い建物はない。なんでも高層ビルにしてエレベーターを使って上り下りをする、エレベーターを待つ時間がもったいないということで低層にしているという話だ。その一角にはファーウェイが経営するゲスト用のホテルまである。

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 ファーウェイの隣の街区には台湾のフォックスコン(鴻海科技集団、中国では富士康)の工場がある。近藤大介の『ファーウェイと米中5G戦争 (講談社+α新書)』によると、1980年代、ファーウェイの創業者・任正非(じんせいひ、Ren Zhengfei、1944年―、75歳)とフォックスコンの創業者・郭台銘(かく たいめい、Guo TaimingTerry Guo、1950年―、69歳)は、両者が30歳代の頃から知り合いで、1980年代から協力し合って会社を大きくしていったそうだ。
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 その後、深圳市内を回った。三和人力市場という場所には衝撃を受けた。ここは元々、日雇い労働者たちの街であり、日本語で言えば、ドヤとなる安価な簡易宿泊所が集まる場所だった。今では簡易宿泊所の1階にはコンピューターが所狭しと並べられて、インターネットゲーム(ネトゲ)ができるようになっている。それは何故かと言えば、全国から若者たちが集まって1日中インターネットゲームをしているからだ。簡易宿泊所(1泊数百円)に泊まりながら、ネトゲをしている。日本でも問題になった、ネトゲ廃人たちだ。
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 この街を歩き回っていると、この場所を取り仕切っているであろう中年女性が出て来て、私たちに「写真を撮るな、写真を撮るなら金を払え」と迫られて恐怖を感じた。インターネットゲームとゲームに耽溺する若者たちという人類の行き着く先が、地廻りが支配するような場所に存在している混沌が大変に印象的だった。
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 その後、テンセントや百度の本社を見て回り、また、福田地区にあるショッピングモールに向かった。ここには日本の無印良品が大型ショップとホテルを展開している。また、モールの中には日本食レストランを集めたフロアも設置されていた。こうして見ると、日本のソフトパワーというのも侮れないものがある。無印良品のショップには日本の商品が日本とほぼ同じ値段で売られていた。家族連れが楽しそうに歩いたり、ソファーに座っておしゃべりをしたりしていた。おしゃれな生活を総合的に提案という形なのだろう。このモールの駐車場や道路には高級外車がずらりと並んでいた。ここでのショッピングや食事を楽しむことが出来るのは金持ちに限られるだろう。

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 ホテルの近くにある地下鉄の駅周辺にある店で従業員募集のポスターが出ていた。そのいくつかを見てみると、普通のお店の従業員の賃金は月3000元前後のようだ。1元は15元から16元だから、日本円では5万円程度ということになる。店長クラスはその倍の6000元(約10万円)くらいだ。日本式のエステサロンだと店長は年間20万元(月1万6000元)と表示されていた。日本円だと300万円近くだ。
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 日本と比べて3分の1くらいだと言えるだろう。物価は中国の方が安いとは言え、大都市の深圳で月5万円で暮らすのは厳しい。福田地区のショッピングモールにある無印良品や日本食レストランで楽しむのは難しい。しかし、日本はこれからも給料が下がっていくことしか考えられないのに対し、中国はこれから伸びていくぞということを実感できるし、自分は自分の力で這い上がってやるという気概も強いので、若者たちは明るい。
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 私はスターバックスにも行ってみた。ここで驚いたのは、値段が日本と変わらないことだった。レシートの写真を見てもらえれば分かるが、アイスラテとトーストを頼んで55元、日本円で約800円だ。月5万円の給料でスターバックスに通うことは難しい。しかし、お客さんはこれから増えていくだろう。また、支払いの時に、現金を使ったのだが、店員がレジの下にある引き出しからビニールに包まれた現金を出してきて、面倒くさそうにお釣りを渡してきたことだ。中国本土ではスマホ決済が支配的になっており、アリペイ、ウィチャットペイという決済プラットフォームが利用されている。中国本土の銀行口座がなければ利用できず、外国人旅行者には利用できない。それなのに、旅行者である私たちが支払いをしようとすると面倒くさそうに取り扱われる。舌打ちをされる。中国国内に限定されているという点で、「ガラパゴスじゃないか」とも思うが、16億人が使うプラットフォームである。「大きすぎるガラパゴス」なのだ。

 2019年7月29日の午前中には再び電気街の「華強北」を訪問した。電気街を歩いてみて、日本の電機会社の存在下の低下を痛感した。私が20年前にアメリカに留学した際に、生活用品を整えるために地元の小売店「ベストバイ(Best Buy)」に向かった。この時には、テレビや冷蔵庫、掃除機などは日本の電機会社の製品が並んでいた。それが今では、何とも残念なことに日本の電機会社のロゴを見ることは少なかった。

 考えてみれば、スマートフォン(スマホ)に関しても日本は主役ではない。私たちがスマホに関して話題にする時、日本の家電メーカーの名前を口に出すことがあるだろうか。中国からはoppo(オッポ)や小米(シャオミー)といった聞き慣れない名前の会社が日本に展開しようとしている。格安で質の良いスマホを提供するということだ。日本が貧しくなっていること、かつ日本のモノづくりの地位の低下が示されている。前述の近藤氏が著書で述べているように、「日本は中国の下請け」となっているのだ。
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(続く)

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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界
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 古村治彦です。
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全体主義の中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『全体主義中国がアメリカを打ち倒すーーディストピアに向かう世界』(副島隆彦著、ビジネス社、2019年12月)を紹介する。

 今回の副島先生の調査旅行には私も同行した。香港から深圳に入る行程だった。深圳では中国の更なる勃興を体感し、香港では激化以前のデモを経験した。深圳ではドヤ街のような三和人力市場にある官位宿泊所付きのネットカフェで、インターネットゲームに没頭する若者たち(日本語で言えばネットゲーム廃人・ネトゲ廃人)の姿には衝撃を受けた。
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 また、深圳の街中には、ファーウェイ(深圳に本社がある)の協力もあり、最新の監視カメラ網が張り巡らされ、市役所では住民のデータ管理に最新の技術が導入されている。私たちがタクシーに乗るとすぐに運転手がシートベルトを着用するに注意した。これは私たちの安全を気遣ってのことではない。街中に張り巡らされたカメラにシートベルトをしていないことがすぐに映る、自動車のナンバープレートがすぐに解析され、運転手がすぐに分かり、同時に罰金が科される(アリペイやウィチャットペイから引き落とされるという話がある)。

 副島隆彦先生の鋭い観察眼を通した中国の最新の分析がなされている。下にまえがき、目次、あとがきを貼り付ける。

(貼り付けはじめ)

まえがき   副島隆彦

中国は表紙に打ち込んだとおり明らかに全 トータリタリアニズム 体主義国家である。

その別名が「共産中国(きょうさんちゅうごく)」である。みんなに嫌われるはずだ。だが、今後、世界中がどんどん中国のようになる。

 

世界中のすべての国が、中国化するのである。その代表的な具体例かつ証拠は、監視カメラ(CCTV [シーシーティブイ]。今はコミュニティ・サーキットTV[ティビー]と呼ぶ)が、街中のあらゆるところに取り付けられていることだ。アメリカも、ヨーロッパも、日本だって監視カメラだらけの国になっている。

 

中国では監視カメラによる民衆の動きの把握のことを 天 てんもう 網(ティエン・ワン)と言う。「天網恢恢疎にして漏らさず」の天網である。

私は最近、中国に香港から入って 深圳(しんせん)に行った。この中国のITハイテクの最先端の都市を調査してきた。あれこれもの凄(すご)い発展ぶりだなと、思った。それを後(あと)の方で報告する。中国にまったく行きもしないで、中国の悪口ばかり言っている(書いている)人たちは、お願いですから、せめて北京と上海に行ってください。安いホテル代込み10万円で行けます。エクスペディアなどネットで安くで予約するといい。

 中国は国民の生活を監視している国になってしまっている。もうすぐ監視カメラが中国全土に 6 億台取り付けられるそうだ。中国国民14億人の2人に1台の割合だ。まさか個人の家の中までは取り付けられないだろうが、それだって分からない。中国のすべての都市の街路には、既に付いている。

 ところが、これらの中国製の監視カメラ会社に、最初に技術を開発して売ったのは、日本の大手電機会社である。ニコンとキヤノンとパナソニックとソニーが、この公共空間のカメラの技術を一番先に開発した。日本がいまもドイツ(カールツァイスとライカ)にも負けないで、世界一の技術力を誇っているのは、この分野である。専門技術でいえば、フィルムとフィルターとレンズの技術である。ハッセルブラッド社(スウェーデン)は、DJI(中国のドローンの最大手)が買収した。

 あとのほうで載せるが(P61)、キヤノンの御手洗富士夫(みたらいふじお)会長の発言で、「キヤノンは監視カメラで未来を切り開く」と最近堂々と日経新聞に出ていた。

 中国だけが国民を徹底的に監視しようとしている国家なのではない。米、欧、日の先進国も監視国家だ。それに続く新興国も、「国民を監視する国家」になっていくのである。すなわち中国が先導して、他の国々もそれに追随する。これからの人類がたどるのは、このディストピア(幻滅の国。絶望郷[ぜつぼうきょう] 。監視国家)への道である。中国だけがますますひどい国になるのではない。ディストピア(dystopia)はユートピア(utopia、理想郷[りそうきょう])の反対語(アントニム)である。 

 人類が自分の未来を、盲目的、直線的かつ貪欲に突き進む結果、世界はこのあと、いよいよ中国のようになっていく。中国の悪口を言っていればいいのではない。

 国民生活が、権力者や支配者によって徹底的に監視され、統制される政治体制のことを全体主義(totalitarianism トーリタリアニズム)という。この全体主義という言葉を広めたのはドイツ人の女性思想家のハンナ・アーレン人である。彼女が、1951年に書いた『全体主義の起源』で、ソビエト体制を批判した時に使われた言葉である。このコトバの生みの親は、イタリア知識人のジョバンニ・アメンドラである。

 世界がやがて中国のようになっていく、という課題は、私が急に言い出したことではない。すでに感覚の鋭い言論人や知識人たちによって「世界は中国化する」という本も出ている

 もう 20 年前からイギリスのロンドンは、すべての街 ストリート 路に監視カメラが設置されていたことで有名だ。今の日本も主要な生活道路のほとんどにまで、監視カメラが設置されている。このことを日本国民は知らされていない。新宿や池袋のような繁華街だけが、カメラで監視されているのではない。 

 民衆の往来、行き来を、政府や取り締まり当局(警察)がずっと撮影して、画像を保存している国が立派な国であるはずがない。だが、どこの国の警察官僚も、必ずこういうことをやる。官僚(上級公務員)というのは、本性(ほんせい)からしてそういう連中だ。

 これは人類にとっては悲しむべき間違った方向である。科学技術(テクノロジー)の進歩が、コンピューターや通信機器(スマホ他)の異常な発達とともに、こういう監視技術を最高度に発達させた。この監視システムを維持するために、一体どれほどの警察公務員が新たに採用され続けているかについて、誰も関心を払わない。

 それにしても、全 トータリタリアニズム 体主義は強いなあ。世界大恐慌が襲いかかったとき、中国はシャッタード・アイランド(バターンと金融市場を閉じる)ので、ビクともしない。

=====

目次

まえがき 3

 

第1章 中国のディストピア化を追いかける世界

中国は巨大成長したという事実は否定できない 18

世界の知識人が描いてきたディストピア像 22

左右のどっちからも嫌われるのが一番いい 30

全体主義中国を徹底的に叩く 33

ディストピア映画の歴史的系譜 40

 

第2章 貿易戦争から金融戦争へと移り変わった

〝卑屈〟なテンセントが金融戦争に勝利する 52

銀行消滅とCCTV 59

銀行の別名は「信用」 69

アリババはNY市場から締め出されるのか? 70

中国のネット世代と実質的なデモクラシー 75

ファーウェイはアメリカのいじめに負けなかった 82

アメリカと中国の睨み合いは続く 87

中国人は国有企業が嫌い、民間企業大好き 90

半導体製造の切り札、紫光集団 96

 

第3章 中国は最早アメリカとの力相撲を恐れない

中国の技術泥棒を引っ張った「千人計画」 104

結局中国を一致団結させてしまったアメリカのミス 109

米中IT戦争と日本の半導体潰しの意外な共通点 112

サムスンを育てたのはインテル 117

新たな火種となったレアアース 120

 

第4章 中国にすり寄る 韓国、北朝鮮と台湾を巡るつばぜり合い

北朝鮮と韓国による「高麗連邦」の誕生 130

GSOMIA破棄問題で嫌韓が高まった本当の意味 132

アメリカが韓国を切ったのではなく、韓国がアメリカを切った 135

香港問題は台湾問題である 139

2020台湾総統選とテリー・ゴウの動き 142

韓国瑜はアメリカの回し者だった 145

中国は民主化するのか? 150

台湾の中国化とシーレーン問題 152

中国人はヒラリー・クリントンのことが大嫌い 154

もうアメリカの圧力などなくなってしまった 160

警戒の目はファーウェイの海底ケーブルに 164

 

第5章 中国の膨張を招き込んだアメリカの弱体化

腰砕けとなったペンス副大統領 170

「外国にいる米軍の兵隊たちは国に帰って、ゆっくり休め」 174

米中貿易戦争は、今年中に表面上は静かになる 177

イレイン・チャオはチャイナ・ロビー代表で政権ナンバー 3 180

EVの天下を取る中国にひれ伏すマスク 187

 

第6章 アフリカと中央アジアに広がる チャイナネットワーク

アフリカの一帯一路戦略 204

次の世界の中心は中央アジアになる 213

中国はアメリカからアフガンを任された 219

 

第7章 ディストピア中国の不穏な未来

新疆ウイグル問題の真実 224

私は見た、深圳の現実を 236

華強北と中国のジャイアント・ベイビーたち 238

ドローンの恐るべきパワー 248

デジタル人民元の脅威 250

 

あとがき 252

=====

あとがき   副島隆彦

この本『全体主義(トータリリアニズム)の中国がアメリカを打ち倒す││ディストピアに向かう世界』は、世界最大の牢獄国家、中国についての、私の 11 冊目の本である。

英文の書名は、“Totalitarian China will finish of America(トータリタリアン・チャイナ・ウィル・フィニッシュ・オフ・アメリカ)”である。このfinish off(フィニッシュ・オフ)という動詞は、「とどめを刺す、息の根をとめる」という強い意味だ。

 

『あと 5 年で中国が世界を制覇する』(2009年刊)という本も、私は書いている。この本は反共(はんきょう)右翼の人々から激しく嫌われた。「何を言うか。中国は暴動が起きて、中国共産党は潰(つぶ)れるのだ」と、彼らは、私の本に最大限の悪罵(あくば)を投げた。それで、現実の世界の動きは、その後どうですか。

 

人も国家も、より強い者に虐(いじ)められながら、這い上がってゆく途中は、善であり、正義である。より強い国の支配の下(もと)で、苦心惨憺(さんたん)しながら勝ち上がってゆく。

しかし、一旦(いったん)、勝者になったら正義[ジャスティス]justice)から 悪[イーヴォ]evil)に転化する。中国が、アメリカ合衆国を打ち負かして世界覇権(はけん)国(ヘジェモニック・ステイト)になったら、その時、巨大な悪[イーヴォ]evil)になるのである。それまであと5年だ。

人も国家も、そして企業も、2番手に付けて1番手(先頭、支配者[ガリバー])の真似をしながら必死で喰い下がっているときが、一番美しい。これまでの40年間(鄧小平[とうしょうへい]の「改革改放宣言」1978年12月18日。 40周年を中国は祝った)、私は、アメリカ帝国の後塵(こうじん)を拝しながら、蔑(さげす)まれながら、泥だらけの極貧(ごくひん)の中から、着実に勝ち上(のぼ)ってきた中国を頼もしく、美しいと思ってきた。

 

この11月20日に北京で、〝世界皇帝代理〞のヘンリー・キッシンジャーが心配した。これに対して、翌日即座に、習近平は、「心配しないで下さい。中国は世界覇権(hegemony、ヘジェモニー。ドイツ語ならヘゲモニー)を求めません(私たちは、これまでにいろいろ苦労して、人類史を学びましたから)」と発言した。

これが一番大きな処(ところ)から見た、今の世界だ。日本という小ぢんまりとした国で世界普遍価値(world values、ワールド・ヴァリューズ)を理解しようとして、私は、独立知識人として(本書第1章を参照のこと)、孤軍奮闘して来た。

 

 本書は書名が決まったのが11月11日。体調不良の中で、2週間で作り上げた。だが手抜きはない。いつもながらの全力投球だ。私の地獄の踏破行(とうはこう)に同行して、命懸けの鎖場(くさりば)にも付き合ってくれたビジネス社大森勇輝編集長に記して感謝します。

 

2019年12月

 

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

(終わり)

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