古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:北朝鮮

 古村治彦です。

 「韓国が核武装する」という話を聞いて、「そんな馬鹿なことはあり得ない」「アメリカが許すはずがない」という反応をする人たちがほとんどだろう。朴正熙大統領が最後暗殺されたのも核武装を目指した彼をアメリカが許さずに最後はCIAが殺害指令を出したからだという話もあるほどで、日本と同じくアメリカの属国である韓国の核武装は、日本がそうであるように許されるはずがないというのは常識的判断である。

 朝鮮半島の非核化はドナルド・トランプ政権時代に動くかに見えた。トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員化委員長が会談を行い、「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄、complete, verifiable, irreversible dismantlement)」で合意した。しかし、その後は何の進展もなかった。北朝鮮は核開発を進めている。旧ソ連時代からの関係でロシアが支援しているという話もある。

 北朝鮮がアメリカ本土を射程に収めるミサイルと核兵器を保有することになれば、「アメリカは本土攻撃を受けるリスクを冒してまで韓国を守ってくれるだろうか」という疑問が韓国側に生じてくるのは当然のことだ。特に現在のウクライナ戦争の状況を見れば、「アメリカはロシアの核攻撃を怖がってウクライナを本格的に防衛するということを行わない」ということになる。そうなれば韓国としては北朝鮮との対抗上、自国で核兵器を所有しなければならなくなると。

 朝鮮半島を西洋的な考えから見ればそういうことになるだろう。しかし、大前提として、北朝鮮の核兵器とミサイルは韓国向けに建造されたものではない。中国、ロシア、アメリカ、日本という大国の間で生きていくための抑止力である。北朝鮮のミサイルはアメリカと日本にだけ向いているのではない。ロシアと中国にだって向いている。勧告はそのことを知っている。「北朝鮮の核兵器」とは「朝鮮半島の朝鮮民族が持つ核兵器」である。韓国は自分たちで核兵器を開発して保有する必要はない。韓国が自国で核兵器を持ったとして、どこに照準を合わせるのか。北朝鮮ではあるまい。やはり中国、ロシア、アメリカ、日本ということになる。

 このようなことを書けば身もふたもないということになる。「韓国と北朝鮮が赤の他人で仇敵」ということであれば、韓国の核武装も現実味を帯びる。しかし、両国は共に言葉も同じ民族だ。そのことをよくよく考慮しなければならない。

 アメリカにとってそんな危険な状況を作り出すことは得策ではない。韓国は日本とは立場の違うアメリカにとっての属国である。韓国の核兵器とミサイルがアメリカに向かうということを起こしてはならない。だから、アメリカはそのようなことを許すことはない。しかし、このような議論が出てくるというのは、アメリカの信頼性が低下し、国力が減退し、衰退国家となっている証拠ということになる。

(貼り付けはじめ)

ワシントンは韓国に原爆を持たせる許可を与えるかもしれない(Washington Might Let South Korea Have the Bomb

-北朝鮮の核武装によりかつてタブーとされていた選択肢が考えられるようになっている。

ダグ・バンドウ筆

2023年1月17日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2023/01/17/us-south-korea-nuclear-weapons-denuclearization/

北朝鮮の核武装の野望を抑えようとするワシントンの試みは行き詰まりを見せている。北朝鮮は核保有国(nuclear state)である。北朝鮮の核兵器は規模と精巧さを増している。アメリカへの先制攻撃(preemptive strike)はできないだろうが、アメリカが韓国防衛に関与していることに対して報復することはできるようになるかもしれない。

このバランスの変化は、アメリカと韓国の間で核政策をめぐる深刻な議論を巻き起こしている。まず、北朝鮮が既に爆弾を持っているのに、非核化(denuclearization)、有名なCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄、complete, verifiable, irreversible dismantlement)を追求することに意味があるのかという疑問である。金正恩委員長に核廃棄を説得、もしくは強要できると考える楽観主義者たち(Panglossians)はまだ少数派である。ワシントンの公式政策は、北朝鮮を核保有国として断固として認めないが、現実はいずれ政策の後退を余儀なくされるかもしれない。

更に重要なことは、韓国のエスタブリッシュメント派がアメリカの核兵器を手に入れたい、あるいは少なくともそれに近づきたいと考えていることである。あるいは、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、ソウルが独自に核兵器を開発する可能性を示唆した。多くの韓国政府関係者は、半島に「戦略的資産(strategic assets)」を駐留させ、ヨーロッパのような「核の共有(nuclear-sharing)」を望んでいる。韓国の冷笑主義者、もしくはリアリストたちは、アメリカの関与の持続性と約束の誠実さを疑っており、自国(韓国)独自の核兵器を欲しがっている。アメリカの政策立案者の中には、その可能性に前向きな人もいるようだ。

北朝鮮の核戦力の増強は、朝鮮半島の安全保障の現状に脅威を与えている。1953年の米韓相互防衛条約(Mutual Defense Treaty)の批准(ratification)以来、アメリカは韓国の防衛を約束した。アメリカの責任は戦場に限られていたため、初期のころは比較的簡単に約束できた。朝鮮戦争(Korean War)は激烈で破壊的であったが、これまでの世界的な紛争と同様に、その暴力はアメリカ本土にはほぼ及ばなかった。そして最近まで、北朝鮮はアメリカや太平洋の領土にさえ到達する術を持たなかった。例えば、1953年に韓国の李承晩大統領(当時)が休戦協定への署名を拒否したにもかかわらず、半島統一(to unify the peninsula)のために戦わないという選択をしたように、アメリカは自国に有利なように政策を調整することが容易にできた。

しかしながら、ソウルの政策立案者たちは、通常兵器と核兵器の両方による拡大抑止力(extended deterrence)の実行可能性(viability)について、ますます神経質になっているように見える。昨年(2022年)、北は90回を超える弾道ミサイル(ballistic missiles)実験を行い、世界的な注目を浴びた。平壌は大陸間弾道ミサイル(intercontinental ballistic missiles)に核弾頭(nuclear warheads)を搭載し、アメリカの諸都市を危険に晒すことに精力的に取り組んできた。もし、金正恩がアメリカ本土に「炎と怒り(fire and fury)」をもたらすことができたら、ワシントンは韓国との約束を守れるだろうか?

ウクライナはアメリカの条約上の同盟国ではないが、それでもこうした懸念は強まっている。ジョー・バイデン政権はロシアのエスカレーション、特にモスクワの核兵器使用の可能性に懸念を示しているが、高度化する兵器移転(arms transfers)を止めるのではなく、減速させている。結果として、北朝鮮がロシアと同様の(ロシアよりも規模が小さいのではあるが)核兵器能力を持つ場合のアメリカの対応に対する疑問を生じさせる。

尹大統領は次のように説明した。「拡大抑止力と呼ばれるものは、アメリカが全て面倒を見るから心配するなということでもあった。しかし、今はそれだけでは国民を納得させるのは難しい」。尹大統領は、アメリカの核兵器の使用について、ソウルが手を貸す考えを示した。大統領は「核兵器はアメリカのものだが、計画や情報の共有、演習、訓練はアメリカと米国が共同で行うべきだ」と述べた。

これは合理的な懸念である。もちろん、アメリカの政府当局者たちは、韓国に対する深くかつ永遠の関与を表明することで韓国側の懸念に応えた。ホワイトハウスは2022年5月、韓米同盟について「磐石な基盤(rock solid foundation)」と形容した。バイデン政権は更に、バイデン大統領訪韓を次のように称賛した。「ジョー・バイデン大統領は、核、通常兵器、ミサイル防衛能力を含むアメリカの防衛能力の全範囲を使用して、韓国に対するアメリカの拡大抑止の約束を確認する」と述べた。

しかしながら、一般的な保証はほとんど意味をなさない。ウクライナ人は、キエフがソ連時代の核兵器を放棄することと引き換えに提示された、歯切れの悪い、内容があいまいな1994年のブダペスト・メモランダムについて覚えている。

将来、米韓両軍が北上し、北朝鮮が最後通牒(ultimatum)を出し、同盟諸国軍が北朝鮮の領土から撤退しなければ、あるいはワシントンが紛争から完全に撤退しなければ、アメリカ本土を核攻撃すると脅している紛争を想像してみるといい。ワシントンの視点に立てば、韓国にはアメリカの多くの都市と何百万人ものアメリカ人を犠牲にする価値のあるものは何もないだろう。未来のアメリカ大統領ならどうするだろうか?

だからこそ、独立した抑止力に対する韓国の強力な後押しがある。国民の支持も強い。しかし、ほとんどの人は避けられない複雑な事態を考慮していないのではないだろう。現在、レ任浩永(イム・ホヨン)退役陸軍大将や国会議員の趙慶泰(チョ・ギョンテ)など、この考えを推し進めようとしている人物もいる。既に述べたように尹大統領も可能性を示唆している。しかし、ソウルの公式政策は一般的にワシントンから兵器を提供されることを望んでいる。

ワシントンは韓国製の原子爆弾については徹頭徹尾反対している。その理由の1つは、原則としての核不拡散(nonproliferation in principle)に忠実であることだ。また、通常は明言されないが、友好諸国間での核の独占を維持することで、アメリカのアジアにおける優位性(America’s Asian predominance)を維持したいとの考えもある。

しかし、この政策的な難問については、一部の人々の考えを変えつつあるようだ。例えば、フーヴァー研究所のマイケル・オースリンは早くからこの問題を提起している。彼は次のように書いている。「金正恩がいわれのない核攻撃を行うとは考えにくいが、経験豊富な韓国ウオッチャーたちは、戦争が起きれば負けが明らかになった時点で、間違いなく核兵器を使用すると私は考えている。このようなリスクが高まるにつれ、アメリカは韓国との数十年にわたる同盟関係を見直すことを避けられなくなるだろう。ワシントンが韓国を助けると約束し続けるだけで、アメリカの民間人に対する脅威はグロテスクなまでに拡大するだろう」。

オハイオ州選出の連邦下院議員を長年務めたスティーヴ・シャボットは最近、「ワシントンが 日本と韓国の両方と核兵器プログラム自体を検討するための話し合いに入るべきだ」という驚くべき提案を行った。彼は、この道を進む必要がないことを望むが、「韓国と話すだけでも中国の注意を引くことができ、もしかしたら彼ら(中国)は初めて北朝鮮を抑制するために積極的に行動するかもしれない」と主張した。

かつて、私を含む一部の専門家は、少なくともこのような議論を始める理由として、この可能性を提示していた。しかし、北朝鮮の核兵器が増え続けている現状では、北朝鮮の核武装を阻止するタイミングはほぼ確実に過ぎている。仮に北京がその気になったとしても、パンドラの箱に詰め物をするようなものだ。いずれにせよ、中国は以前にも増して国境の安定を維持することに関心を持ち、アメリカが軍事封じ込め(military containment)だけでなく経済的封じ込め(economic containment)に動いた後は、アメリカに便宜を図ることには以前に比べて関心が薄くなっている。

その場合、シャボットの主張は明白な疑問をもたらすだろう。アメリカは同盟諸国の核兵器製造を容認するのか? 特に岸田文雄内閣は軍事費の大幅増を約束しており、同時に2050年までに約2000万人(約17%)の日本の人口が減少すると予想され、大規模な軍備を整えることが難しくなっているため、韓国の原爆は日本国内で議論を引き起こすことは必至であろう。

拡大抑止を止めれば、金正恩がアメリカ本土を人質(hostage)に取ることはできなくなる。北朝鮮以外の国にも利点がある。北京は、軍事的に領有権を主張する際に、これまでとは異なるリスク計算に直面することになる。台湾への核技術移転も考えられる。ただし、中国のアメリカへの先制攻撃を防ぐために、アメリカが直接兵器を台湾に提供しなければならなくなるかもしれない。

しかしながら、このような政策の欠点も明らかである。核兵器が増えれば、事故(accidents)や漏えい(leaks)、脅威(threats)の機会が増え、戦争が起きれば事態が悪化する可能性がある。中国は核開発を加速させることで対抗するかもしれない。北朝鮮は、核兵器の制限に関する交渉に消極的になるだろうが、いずれにしても交渉には応じないかもしれない。アメリカが核武装した北朝鮮と対峙することを望まないのであれば、核武装したイランやロシアと戦争するリスクを冒すだろうか。他の同盟諸国も核武装の選択肢を検討するかもしれない。

しかし、友好諸国への核拡散(friendly proliferation)を許す、あるいは助長する可能性はもはや否定できない。特に韓国は、ワシントンの承認なしに核武装を進めることを決定する可能性がある。もしアメリカがイスラエルへの制裁を望まず、インドとパキスタンへの処罰を諦め、北朝鮮を阻止できなかったら、ソウルやおそらく東京の核開発を阻止できるのだろうか? そうすることの代償は見合うのだろうか? そうすることは可能なのだろうか? アメリカは、特に中国を封じ込めようとしている間は、同盟を解消したり、制裁を課したりすることはないだろう。

長年にわたり、同盟諸国の核武装を認めることは考えられなかった。それゆえ、韓国と台湾の核開発に対してアメリカは圧力をかけてきた。しかし、それは北朝鮮が実質的な核保有国になる前のことである。アジアにおける拡大抑止力は、アメリカ国民にとってそれほどリスクにはならない。韓国のために全てを賭ける覚悟がない限り、アメリカの政策立案者たちは、これまで考えられなかったようなこと、つまり韓国の各爆弾所有について考えなければならない。

※ダグ・バンドウ:ケイト―研究所上級研究員。ロナルド・レーガン大統領の特別補佐官を務めた。複数の著作があり、最新作は『仕掛け線:変化した世界における韓国とアメリカ外交政策(Tripwire: Korea and U.S. Foreign Policy in a Changed World)』である。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 「日本はアメリカ様が中国、ロシア、北朝鮮に対抗する際の礎石(cornerstone)でございますので、いかようにもお使いくださいませ」と岸田文雄首相がホワイトハウスにまで伺候して、ジョー・バイデン米大統領に尻尾を振りに行った。属国日本の奴隷頭、アメリカ様にお取次ぎをする現地人の代表が日本国首相である。バイデンにとって日本の岸田文雄首相とウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は共に、対中、対ロシアのための「礎石」と表向きには言うだろうが、本音を言えば「捨石(sacrificed stone)」である。バイデン大統領に「肩を抱かれて」何かを囁かれるのは、属国の奴隷頭にとっては「厚遇」ということになるようだ。

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 「中国の脅威に対抗する」というお題目を唱えながら、日本は軍拡の途を走らされることになった。世界を見てみれば、西側世界(the West)と呼ばれる、西側先進諸国が異口同音に「ロシア・中国・北朝鮮の脅威」を声高に叫ぶようになり、軍拡、軍事費増大の大義名分にしている。日本の動きもその一環でしかない。西側諸国だ、先進諸国だと威張ってみても、その実態はアメリカの属国の集まりで、奴隷たち(各国の国民)の待遇が多少違う程度のことだ。日本が最低ランクの扱われ方をしている。岸田内閣を取り仕切っている木原誠二内閣官房副長官が不良を気取る中学生のように、やさぐれてしまうのは無理のないところだ(あれで咥えタバコでもしていたらもっと良かったが)。

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 私たちは日本の現状をまずは正しく理解することだ。「日本は立派な国だ」という考えを捨てて、情勢を見てみることだ(生活レヴェルでそういう考えを持つのはまだ良いけれど)。そして、西側諸国だ、立派だ立派だという掛け声に騙されないこと、惑わされないことだ。「日本がアメリカの手先、先兵となって、中国やロシアとぶつかるように仕向けられて、人命が損なわれ、生活にも大きな悪影響が出るのではないか」という視点を持つことが重要だ。

 同盟関係は相手を利用するためのものだ。最近やけに日本を持ち上げるような言説が見られ、ヨーロッパの国々と軍事関連で関係を深めているなぁと少し勘の鋭い人々なら気づいているだろう。これは危険な兆候である。日本の国益のためには戦争を起こさないこと、戦争に巻き込まれないことが何よりも重要だ。

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日本は東京を中国、ロシアに対する安全保障の米国の基軸として売り込む(Japan sells Tokyo as US linchpin of security against China, Russia

ラウラ・ケリー筆

2023年1月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/international/3812858-japan-sells-tokyo-as-us-linchpin-of-security-against-china-russia/

日本の岸田文雄首相がジョー・バイデン大統領を訪問したのは、東京が東半球の安全保障の基軸(linchpin)であり、中国や北朝鮮の侵略に対する防波堤(bulwark)であることを売り込むためであった。

これは、島国である日本にとって歴史的な大きな変化の一部であり、第二次世界大戦後に自らに定めた平和主義政策(pacifist policy)を後退させ、軍備を拡大することに関与するようになった。

日本はまた、ウクライナ戦争でロシアに対する制裁に加わったが、キエフに決定的な援助は行っていない。

米外交問題評議会アジア太平洋研究部門上級研究員シーラ・スミスは、「日本は、戦後の自国の軍事に関してためらいを持つ(hesitancy about its military)という型から本当に抜け出した」と述べている。

スミスは更に「ある意味で、国家運営の矢の一つとして軍事力の必要性をためらわない新しい日本が世界の舞台に出ているのだ」と語った。

金曜日にホワイトハウスの大統領執務室において、バイデン大統領は、岸田首相のワシントン訪問を日米同盟にとって「非常に重要な瞬間(remarkable moment)」であると述べた。 

バイデン大統領は「これほどまでに日米両国が緊密な関係にあった時期はなかったと思う」と述べた。

バイデンは続けて「はっきりさせておきたい。アメリカは日米同盟に、そしてより重要なことは、日本の防衛に、完全に、徹底的に、完全に関与する」と語った。

岸田首相は金曜日、日米両国は「最近の歴史の中で最も困難で複雑な安全保障環境に直面している」と述べた。

今後5年間で防衛費を倍増させるという日本の言質(commitment)は、ワシントンで広く歓迎され、東京はバイデン政権から具体的な利益を得て歩んでいる。

バイデン政権の複数の高官は、高度な情報収集や監視などの能力向上で日本駐留のアメリカ軍を強化すると述べた。日米両国はまた、宇宙やサイバーセキュリティをカヴァーするために相互防衛(mutual defense)の約束を拡大している。

また、バイデン政権は、東京が飛来するミサイルによる攻撃から自国を守り、北朝鮮や中国などの侵略者に対して攻撃を仕掛けることができるよう、反撃能力(counterstrike capabilities)を開発するという日本の決断を支持している。

日本は、中国の軍拡を東京への脅威と認識し、ロシアのウクライナ侵攻がインド太平洋地域に波及する可能性があると見ている。

日本政府は2022年12月に発表した国家防衛戦略で、「ロシアのウクライナへの侵攻が証明するように、日本もメンバーである国際社会は深刻な課題に直面しており、新たな危機に陥っている」と書いている。

この国家防衛戦略では続けて、「将来、インド太平洋地域、特に東アジア地域で、戦後の安定した国際秩序の基盤を揺るがすような重大な出来事が起こる可能性を排除することはできない」とも付け加えられている。

日本はアメリカとヨーロッパの対ロシア制裁に加わり、キエフに人道的・防衛的支援を送ってきた。

2022年6月にマドリッドで開催されたNATO首脳会議では、日本を招待するという前例のない異例の措置が取られた。

新アメリカ安全保障センターのインド太平洋安全保障プログラム上級研究員のジェイコブ・ストークスは、日本の防衛政策と日米同盟において「極めて重要な時期(an incredibly important time)」であると語っている。

ストークスは「北東アジアにおける安全保障環境が非常に厳しくなっていることを反映し、日本のアプローチに根本的な変化が起きている。もちろん、中国からの挑戦もあるが、北朝鮮やロシアからの脅威も存在する」と述べた。

ストークスは「アメリカの戦略的観点からすると、日本はこの地域との関わりにおいて、まさに礎石(cornerstone)の国である。また、インド太平洋地域におけるアメリカの最も重要な国家関係を持つ国が日本であることは間違いない」と述べた。

岸田首相は、フランス、イタリア、イギリス、カナダのG7諸国を訪問して、5カ国訪問の最終目的地としてワシントンに到着した。

日本は2023年にG7の議長国を務め、2024年5月に広島で首脳会談を主催する予定だ。広島は、アメリカによる最初の原爆投下の場所だ。日本はまた、2024年1月の国連安保理の議長国でもある。国連安全保障理事会の非常任理事国であり、議長国として2年間の任期を務めている。

東京はこれら2つの場所を利用して、核兵器の軍縮(disarmament)と不拡散(nonproliferation)を求める声を高めたい意向だ。こうした動きは、ロシアのウラジミール・プーティン大統領がウクライナで核兵器を使用すると脅し、中国が核兵器の備蓄を増やし、北朝鮮が核兵器実験の可能性の下地を作っている状況の中でそれに対処するためだ。

外交問題評議会のスミスは「日本は、核軍縮と核兵器使用のリスクを軽減する必要性を強く感じている」と述べている。

東京はこの主張と軍拡(military expansion)の追求のバランスを取っている。水曜日にイギリスと防衛協定に調印し、アメリカとヨーロッパの同盟諸国が定義する「ルールに基づく(rule-based)」国際・経済秩序の防衛と完全に連携している。

スミスは続けて「インド太平洋地域の同盟国、とりわけ日本が、ヨーロッパの同盟諸国とこれまでとは全く異なる形で連携していることは、興味深い認識だと思う。そしてそれは、やはりプーティンのせいだ」と語った。

スミスは「日本が先頭になって、ヨーロッパの同盟諸国とインド太平洋の同盟諸国から、戦後秩序に対する挑戦の瞬間であるという、非常に似たような言葉が出てくるようになった」と述べた。

バイデン政権と日本が完全に一致していない分野の一つは、日本が地域貿易協定(正式名称は環太平洋パートナーシップに関する包括的および進歩的協定[Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership]CPTPP)に参加することを求めたのに、アメリカが応じないことである。

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は金曜日に、「CPTPPに関しては、私たちが検討しているオプションではない」と語った。ジャン=ピエール報道官は、アメリカは2022年5月に開始されたイニシアチヴであるインド太平洋経済枠組(Indo-Pacific Economic Framework)に焦点を当てていると述べた。

CPTPPは、オバマ政権時代の環太平洋パートナーシップ(Trans Pacific PartnershipTPP)の加盟11カ国によって形成された自由貿易協定である。ドナルド・トランプ前米大統領は2017年の就任初日にTPPからアメリカを離脱させた。

イギリスはCPTPPへの参加を目前にしており、中国と台湾はともに加盟を申請している。スミスは、「日本はCPTPPへの加盟を追求する中国に対する防波堤として、アメリカの加盟を強く望んでいる」と述べた。

スミスは次のように述べている。「中国は、その経済力を使って、CPTPPの他の加盟諸国に対して、中国を参加させるのも悪くないと説得し始めるのではないかという懸念が存在する。そして、この地域が求めているのは、カウンターバランス(counterbalance)だと私は考えている。人々は口に出しては言わないかもしれないが、アメリカの中国に対するカウンターバランスは、まさにこのことなのである」。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 アメリカは冷戦期以降、世界において、2つの大きな地域的非常事態(two major regional contingencytwo-MRC)に即応できるようにする戦略を採用している。簡単に言えば、世界のどこかで2つの大きな戦争が起きてもそれらに対応し、2つの戦争を同時に戦って勝つことができるようにするというものだ。下記の論稿では、「アメリカ軍は連戦気においては、2つの大きな戦争と1つの小さな戦争を同時に戦って勝てると主張していた」ということだ。そのためにアメリカ軍の能力を常に世界最大、最強にしていくということがこれまで当たり前だった。

 しかし、ドナルド・トランプ前大統領が当選して風向きが変わった。世界各地に駐留するアメリカ軍の撤退とNATOをはじめとする同盟諸国の防衛費の引き上げを求める流れになった。「もうアメリカはそこまでのことはできない」ということになった。日本の防衛予算をGDP2%まで上昇させよ(これまでは1%以内ということになってきた)という動きはこのアメリカの動きに連動している。トランプ政権がこうした要求を出して、バイデン政権になっても継続している。アメリカにしてみれば、軍需産業の売上が上がることだし、結構なことだということになる。

 アメリカ軍は既に2つの大きな戦争を同時に戦うことはできない。第二次世界大戦の時のようにヨーロッパとアジアで物量と大量の兵員で押し込んで敵を屈服させるということはできない。1つの戦争だけならばまだ戦えるが、それも厳しいということになる。現在のウクライナ戦争は、アメリカの戦費と武器によって戦われているものであり、アメリカ・ウクライナ連合軍と言っても良いだろうが、国土が荒廃し、将兵がどんどん死んでいくというのはウクライナばかりだ。武器がどんどん消費され儲かるのは軍需産業ということになる。ただ、アメリカ軍は自軍の貯蔵から武器を供与しているが、その補充が間に合っていないということが起きているようだ。

 アメリカ軍が懸念すべき地域としては、東アジア(中国と台湾、朝鮮半島)、中東(イランとイスラエル)、ウクライナ(対ロシア)がある。これらの地域で危機が起きた場合に、アメリカ軍は即応することはできないと下記論稿で述べられている。そのため、同盟諸国に対し防衛費の増額を求めている。そうした中で、ウクライナ戦争が起きた。これを「渡りに船」と各国は防衛費を増額している。防衛費ということになると、不思議なことにジャンジャンお手盛り、「財源は?」などと言う質問ができないようになっている。これは多くの国でも起きている。

 これだけでもアメリカ一極集中の時代は終わりということになる。他の国を巻き込むということになる。日本はどこまでお付き合いするかを決めておかねば、いつの間にか最前線でアメリカの武器を持って、日本の防衛以外の外国での戦争を戦わされることになっている可能性もある。そうした馬鹿げたことにならないように願うばかりだが、どうも雲行きは怪しい。

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アメリカは4正面戦争を戦うことが可能なのだろうか? それは現在では不可能だ(Could the US fight a four-front war? Not today

レオナード・ホックバーグ、マイケル・ホックバーグ筆

2021年6月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/national-security/556666-could-the-us-fight-a-four-front-war-not-today/

ジョー・バイデン大統領がイラン核合意の再交渉を模索する一方で、イランのテロリストの代理人であるハマスが、アメリカの同盟国であるイスラエルに戦争を仕掛けてきた。民主党の一部の進歩主義的な人々が、政治的正しさという祭壇の上でイスラエルを犠牲にすることを主張しても、外交政策の専門家たちは、アメリカが信頼性を保つために同盟諸国を守る必要があることを認識している。ハマスの抑制と引き換えに核交渉でイランをなだめる試みは、チグリス・ユーフラテス川流域からシリア、レバノン、ガザを通る三日月地帯の支配を目指すイランの長期戦略に資することになる。

地政学的分析の祖といわれるハルフォード・マッキンダーは、『民主政治体制の理想と現実』(1919年)の中で、スエズ運河を支配するイギリスにとって聖なる土地が重要であることを強調した。また、地政学的な観点から、シベリアに鉄道を敷設すれば、ランドパワーが単独または同盟を組んでユーラシア大陸に資源を動員し、シーパワーの覇権に対抗することができることを強調した。2度の世界大戦とその後の冷戦は、マッキンダーの言う「ハートランド」を支配しようとする勢力が、ユーラシア大陸沿岸の国民国家を支配することを阻止するために行われたのである。

今日、マッキンダーの地政学的悪夢が現実のものとなりつつあるように思われる。ロシア、中国、イランという3つの独裁政権が北朝鮮などと連携してマッキンダーのハートランドを占め、ヨーロッパ、インド、極東の自由主義的民主制体制諸国家に大きな影響力を行使している。中国は、「一帯一路」構想の一環として、ユーラシア大陸を経済的、文化的、軍事的に結びつけている。この脅威の領土的範囲は、西はバルト海と黒海から、南シナ海、台湾海峡、東シナ海、ベーリング海にまで及んでいる。

アメリカと同盟諸国は、ユーラシア大陸の環太平洋地域周辺にある複数の紛争地点に直面している。ロシアはクリミア征服を強化するため、ウクライナに脅威を与え続けている。アメリカはウクライナが核兵器を放棄した際、1994年のブダペスト・メモランダムでウクライナの領土保全を保証した。ロシアはその保証の価値の低さを雄弁に物語っている。一方、ロシアはNATO加盟国であるバルト3国(エストニア、ラトヴィア、リトアニア)にも脅威を与えている。NATO加盟国への侵攻が成功すればアメリカの信用は失墜する。

中国は、香港が独立を保ってきた「一国二制度」の原則を否定し、習近平指導者は、必要なら武力で台湾を中国に編入すると宣言している。中国は、台湾を侵略または封鎖する能力を構築しており、先端エレクトロニクスや半導体を台湾に依存し、太平洋における中国の野心を封じ込める港としてアメリカを脅かしている。東シナ海では、中国は日本の尖閣諸島の領有権を主張し、南シナ海では、重要な航路の主権を主張するために人工島を建設している。中国は現在、全ての海洋近隣諸国を脅かしており、ブータンやインドなど陸地の近隣諸国への侵略を始めている。チベットと香港は征服され、占領された領土である。

ならず者的な独裁体制諸国家は脅威を増している。イランはイエメンの反政府勢力フーシを支援し、ペルシア湾岸諸国とイラクのシーア派の不満を煽り、ヒズボラを通じてレバノンとシリアを支配し、ホルムズ湾を通る船舶を脅している。北朝鮮は韓国に対して通常兵器の脅威を与え、その核開発計画はアメリカを標的としている。

上海協力機構(SCO)は、中国が主導し、ロシアが追随する同盟であり、マッキンダーのハートランドを占める独裁的な大国の多くを結び付けている。アメリカはこの30年ほどで初めて、中国という独裁的な競争者と敵対することになった。中国の軍事費は指数関数的な上昇を続けているが、NATOの防衛費は横ばいである。敵の裏庭で戦争をして勝つには、敵が最も強く、私たちが最も弱いところで戦うことが必要である。

冷戦の最盛期、アメリカは2つの大きな戦争と1つの小さな戦争を戦うことができると主張していた。しかし、その軍事力は、敵対国の軍事力に比べ、徐々に低下している。軍事力の低下を示す一つの重要な指標は、アメリカの海軍艦隊の規模である。レーガン政権時代、米国は600隻の海軍を維持することを目指した。レーガン政権時代、アメリカは600隻の海軍を維持しようとしたが、それ以来、アメリカの海軍艦隊の規模は劇的に縮小している。セス・クロプシーによれば、今日、「アメリカ海軍は101隻の艦船を世界中に展開している。アメリカ海軍の艦隊全体では297隻に過ぎない」という。中国沿岸の課題に対応するための艦艇はもちろん、ユーラシア大陸の複数の紛争地点での侵略を抑止するための艦艇も十分ではない。近い将来、中国が台湾への侵攻を表明しているにもかかわらず、アメリカはアジア太平洋地域の第7艦隊の一部として配備された空母を持たなくなるだろう。

アメリカが直面する危機を評価する上で、国家安全保障の専門家たちはアメリカに敵対する国々が協調して行動する可能性を考慮しなければならない。もしアメリカと同盟諸国が、ウクライナ、台湾、イスラエルに対する4正面同時戦争に直面し、さらに北朝鮮が韓国を攻撃し、核抑止力を活用し、イランがホルムズ海峡を封鎖したらどうだろう。このような攻撃は、おそらくアメリカの金融・物理インフラへのサイバー攻撃と組み合わされるだろう。

アメリカはこのような同時多発的な挑戦に対応する軍事能力を有しているのだろうか? 同盟諸国を守り、条約上の約束を守るために核兵器を使用する準備はできているのだろうか? 厳しい選択を迫られた場合、アメリカはこれらの紛争のどれを優先させるか? 多面戦争を回避するためには、アメリカは同時に複数の場所で通常兵器を使った紛争を戦い、勝利する準備を整え、同盟国の自衛能力を強化するために投資しなければならない。

アメリカの国家安全保障分野のアナリストたちは、あまりにも長い間、マッキンダーの悪夢を生み出してきた地政学を無視してきた。権威主義的な諸大国は、共通の大義を見出し、行動を調整するという強い歴史を持っている。独裁者たちは、立法府の議論なしに決定を下すという贅沢さと呪いを持っている。もしアメリカが、中国、ロシア、イラン、北朝鮮という独裁諸国家枢軸による協調行動を抑止できなければ、これらの大国は必ずや共通の原因を見つけ、多面的な戦争に発展するだろう。

※レオナード・ホックバーグ:「マッキンダー・フォーラム・US」のコーディネイター。外交政策研究所上級研究員。スタンフォード大学をはじめ複数の高等教育機関で教鞭を執った退職教授。彼はまたフーヴァー研究所研究員に任命された。彼は、「ストラットフォー」の前身「ストラティジック・フォーキャスティング・Inc」を共同創設した。

※マイケル・ホックバーグ:物理学者。半導体製造分野と電気通信分野で4つの成功したスタートアップ企業を創設した元大学教授。それらの企業の中には2019年にシスコが買収したラクステラ、2020年にノキアに買収されたエレニオンがある。シンガポール(NRF Fellowship) aとアメリカ(PECASE)で若手科学者にとっての最高賞を受賞。

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※6月28日には、副島先生のウクライナ戦争に関する最新分析『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープ・ステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』が発売になります。


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 私が拙著『アメリカ政治の秘密』『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』で取り上げたジョー・バイデン政権のキーパーソンであるジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官が中国の楊潔篪外交部長とルクセンブルクで4時間以上にわたり会談を持ったというニューズが報道された。このブログでも繰り返し紹介しているが、「西側世界対それ以外の世界(the West vs. the Rest)」という二分された世界において、米中はそれぞれの勢力のリーダーということになる。米中両国が世界を管理する「G2Group of Two)」体制が当面の世界の安定にとって重要である。

 バイデン政権の高官が会談の様子を述べているが、ジェイク・サリヴァンからは「台湾問題について、アメリカは“一つの中国”政策を維持すると繰り返し述べながら、中国の台湾に対する姿勢やウクライナ戦争に関する姿勢を批判した」ということだ。中国側からのリアクションについて言及はないが、相当激しい応酬が行われたことが予想される。

ウクライナ戦争は対ロシア封じ込めのためのEUNATOの東方拡大が招いた悲劇であるが、それを敷衍するならば、クアッド(Quad)やAUKUS(アメリカ、イギリス、オーストラリアの軍事同盟、日本は参加拒否)といった対中封じ込めの動きもまた悲劇を招く可能性がある。従って、ここはアメリカとしても慎重に事を運ばねばならないし、その点は中国も同様だ。あくまでも「米中間競争を管理する」ということでいかねばならない。

 日本はこの二つの勢力のはざまに位置する。両方と良好な関係を維持する必要がある。どちらかに偏る必要はないし、それは不可能だ。戦後から現在までアメリカの属国であるが、この状態でいることを当然のことと考えずに常にその先はどうなるかということを考えねばならないが、戦後世界体制が変化していく中で、これから先のことをより真剣に考えばならなくなるだろう。

(貼り付けはじめ)

ルクセンブルクでバイデン政権高官が4時間以上にわたり中国のトップ高官と会談(Biden official meets with China’s top diplomat for four hours in Luxembourg

モーガン・チャルファント筆

2022年6月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/defense/3521788-biden-official-meets-with-chinas-top-diplomat-for-four-hours-in-luxembourg/

国家安全保障問題担当大統領補佐官ジェイク・サリヴァンは月曜日、ルクセンブルクで4時間以上にわたって中国のトップ外交官である楊潔篪外交部長と会談を持った。バイデン政権のある幹部によると、両者は様々な議題について討論を行ったということだ。

バイデン政権幹部は会談について次のように語った。サリヴァンは、バイデン政権が「一つの中国」政策を堅持すると繰り返し述べた。また、中国の台湾海峡における「強制的かつ攻撃的な行動」についての懸念を表明した。更にはウクライナ戦争においてロシアを援助していることに対して警告を発した。

この高官は「両者は米中関係に対する評価を共有し、それぞれが両国の間の力学をどう見ているかについての意見交換も行った。この会談を率直で、深く、実質的で、生産的であった」と述べた。

サリヴァンはまた、最近のミサイル発射を受けて北朝鮮に新たな制裁を科すとした国連安全保障理事会でのアメリカの決議案に対して、中国が最近拒否権を行使したことについても懸念を表明した。

この高官は「ジェイクは北朝鮮に関しては米国と中国が協力すべき分野であることを明確にした」とも述べた。

今回の会談は、ロイド・オースティン国防長官がシンガポールで中国の魏鳳和国防部長と会談し、台湾に対する攻撃的な行動に対して北京に警告した数日後のことだった。

魏国防部長はその後、シンガポールで開催されたシャングリラ対話での公式発言でアメリカを批判し、アメリカが中国を「中傷」していると非難し、対立を避けるよう警告を発した。 

バイデン大統領は最近、大統領就任後初めてアジアを訪問し、インド太平洋地域におけるアメリカの経済的関与の指針となる新たな枠組を発表したが、これは中国の影響力拡大に対抗するための努力と広く受け止められている。

アジア諸国歴訪中、バイデンは台湾を軍事的に守ることを約束し、アメリカの政策転換を示唆した。しかし、ホワイトハウスはすぐにこれを明確に否定しようと躍起になった。

ホワイトハウスは、今回のサリヴァンと楊潔篪の会談を、米中間の競争を「責任を持って」管理するための政権の幅広い努力の一環と位置づけた。

ホワイトハウスは声明を発表し、その中で「サリヴァン氏は、米中間の競争を管理するために、開かれたコミュニケーションラインを維持することの重要性を強調した」と述べた。

サリヴァンが最後に楊潔篪と会談を持ったのは5月18日のことだった。両者は3月にもローマで会談し、サリヴァンは中国がウクライナ侵攻の初期にロシアと連携していることに懸念を示した。

3月の会談の前に、バイデン大統領と中国の習近平国家主席がヴェデオ会談を行い、アメリカ大統領は中国に対し、もしロシアを援助するようなことがあれば深刻な事態を招くことになると警告を発した。

ホワイトハウスが再びバイデン・習近平会談の計画を立てているかどうかは不明である。バイデン政権のある高官は、現時点では「具体的なことは何も計画していない」と答えたが、会談の可能性についてはドアを開けたままにしているとも語った。

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官はその後記者団に対し、バイデンと習近平の今後の会談は予定されていないと述べたが、バイデン政権は「中国との開かれたコミュニケーションラインを維持し続ける」とも述べた。

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※6月28日には、副島先生のウクライナ戦争に関する最新分析『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープ・ステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』が発売になります。


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。 

 今回、ドナルド・トランプ米大統領の外交交渉は全くうまくいっていない、成功していないということを取り上げている記事をご紹介したい。

 対中国、対イラン、対北朝鮮など、アメリカは国際的な諸問題に直面している。アメリカは、中国とは貿易戦争、イランと北朝鮮に対しては核開発、核兵器廃棄といった問題を抱えている。どれもこれもうまくいっていない。トランプ大統領が脅しをかけてみたり、すかしてみたり、良いことを言ってみたりと様々なことをやっているが、うまくいっていない。暗礁に乗り上げているという状況だ。

 トランプ大統領にとっては日本だけが唯一彼のいうことをほぼ受け入れてくれる国だ。防衛関連品を買えと言えば「はい、喜んで」と言い、トウモロコシがだぶついているので何とかしろと言えば、「是非買わせていただきます」となる。日本との場合は交渉ではなく、厳命、それですらなくて、指示、というくらいのことだ。

 ところが世界各国はそうはいかない。そして、それは、「トランプ大統領にはそもそも交渉術などないからだ」ということになる。トランプ大統領は不動産業で財を成し、自分の苗字「トランプ」をつけた高層ビルやホテル、リゾート施設をアメリカ国内外各地に持っている。自身が一代で今のトランプ・コーポレイションをここまでのグループにし、資産を築き上げた大富豪だ。それはトランプ大統領の実力、特に交渉力のおかげだと考えられている。しかし、長年トランプ大統領と一緒に仕事をしていた人物はそうではないと主張している。

 トランプ大統領の交渉術は「こん棒で叩きまくる」ようなもので、一対一で脅しをかけまくるものだということだ。交渉事というのは相手にも利益が出るように落としどころを探るものだ。「ウィン・ウィン」関係を成立させるものだ。しかし、トランプ大統領の考えは「自分だけが勝つ、得をする」ということで、それはなぜかと問われた時に、「世界には無数の人間がいて、取引するのは1回限りだから」と答えたという。また、脅しだけでなく、お世辞を駆使することもあるということだ。

 トランプは大統領になってもこのビジネスにいそしんでいた時代の交渉術を使っている。脅しで入り、相手が強硬だとお世辞を駆使する、という1つのパターンになっている。パターンになっていると、相手はどう対処すればよいか分かる。だから、放っておかれるということになり、交渉が暗礁に乗り上げるということになる。

 トランプ大統領が当選して3年、最初は突拍子もないことをやるということで、戦々恐々としていたが、だんだんパターンが見切られてしまい、放置されてしまうということになっている。ただ、日本だけは真剣に付き合って、言うことを聞いている。

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トランプはどうして交渉を成立させることに失敗するのか(Why Trump Fails at Making Deals

―トランプ大統領は中国、イラン、北朝鮮、インド、最近ではデンマークといった国々との間での交渉に失敗している。彼を長く知っている人々は「現在のアメリカ大統領は実際には交渉能力の低いのだ」と述べているが、数々の失敗はそれを証明している。

マイケル・ハーシュ筆

2019年8月21日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2019/08/21/why-trump-cant-make-deals-international-negotiations/

これは彼のアピールの中核である。2015年に突然大統領選挙に出馬して以来、不動産王はアメリカの有権者たちの支持を勝ち取ろうとしてきた。有権者の多くがトランプ個人を嫌いでも支持せざるを得ないようにしてきた。トランプはこれまでずっと自分は交渉の達人であり、アメリカ国民のために多くの新しい合意を勝ち取ることが出来ると主張してきた。 

しかし、大統領選挙当選3周年が近づく中、トランプ大統領は国際的な交渉においてほとんど成果を挙げていないという証拠が山積みになっている。2018年にNAFTAの再編に合意して以来、中国、イラン、北朝鮮、その他の国々との最高レヴェルの交渉を再スタートさせるための彼の努力は全て暗礁に乗り上げている。今週、トランプ大統領は交渉が下手であることを再び見せつけてしまった。トランプ大統領はアメリカの親密な同盟国デンマーク訪問を中止した。デンマーク首相はトランプ大統領の盟友で、彼と同じく反移民の姿勢を取っている。しかし、トランプがグリーンランドの購入を提案し、デンマーク政府はグリーンランド売却を考慮することを拒絶したために、訪問が取りやめになった。技術的にはデンマークはグリーンランドをアメリカに売却することはできない。それはグリーンランドには自治政府があり、首相が選ばれているからだ。

トランプを長年見てきた多くの人々にとって、トランプが大統領になって外交交渉にことごとく失敗していることは、実業界での華々しいキャリアを実態以上に過剰に売り込んだことの結果でしかないということになる。トランプ・オーガナイゼーションで建築家として働いたアラン・ラピダスは「ドナルドの交渉能力は虚構でしかない」と述べた。ラピダスは十代の頃からトランプと知り合い、トランプが不動産業を家族でやっている頃から一緒に働いた人物だ。

ラピダスは本誌の取材に対して、「ドナルドの交渉術は絶叫と脅迫で構成されている。ドナルドには緻密さもないし、ユーモアのセンスもない。こん棒で殴りつける、殴りつける、殴りつける、これだけだ」と述べた。

ラピダスはトランプと彼の事業が交渉に成功したが、それはハーヴェイ・フリーマンやスーザン・ハイルブロンのような幹部社員の交渉能力や技術のおかげだと述べた。2人はトランプ・オーガナイゼーションのアトランティック・シティでの事業やリース事業のほとんどを管掌した。 ラピダスは「彼らは詳細な分析と資料の読み込みを全て行った。トランプがもしこの仕事をやらねばならなかったとしても、まずやらなかっただろう」と述べた。

トランプの仕事仲間や取引先だった人々は、トランプが交渉の席で銀行をやっつけていたと自慢しているのは話を盛り過ぎていると指摘している。その当時のトランプの会計責任者だったスティーヴン・ボレンバックの交渉術によって、トランプは1990年に9億ドルの負債を抱えて個人破産寸前まで追い込まれたが、うまく逃れることが出来たのだ、と彼らは述べている。

トランプの自伝作家で多くの機会でトランプにインタヴューをしてきたマイケル・ダントニオは、ラピダスの発言に同意している。ダントニオも大統領としての交渉術は彼が実業家であった時のものと何も変わらないと認めている。ダントニオは次のように述べている。「彼のスタイルは敵意むき出しで、交渉相手から可能な全ての妥協を引き出すためにいじめ同様の方法を採用する。そして自分の利益を最大化する。トランプが私に語ったところでは、相手と“ウィン・ウィン”ではなく、“私だけが勝つ”取引をすることにしか興味がないということだった。将来またビジネスをするかもしれないので相手に好意を見せるために、相手に何かしらの利益を与えたことはあったかと私が彼に質問したところ、答えは“ノー”だった。そして、世界にはこれだけたくさんの人間がいるのだから、取引は一度きりだ、と語った」。

会社相手ではなく国家相手の交渉をする際には状況は異なる。世界には一定数の国家が存在するだけだ。アメリカ大統領は諸大国と何度も何度も交渉し合意に達するという行為を繰り返すことになる。それは様々な分野で行われるものだが、あくまで友好的になされる。更に言えば、国家は企業のように競争をして負けたからといって退場することはできない。破産を申請することも簡単に解散することもできない。貿易関係においては、「私だけが勝つ」というゼロサムの結果は存在しない。

結局のところ、国の誇りというものが重要になる。交渉を成功させるには、相手方の顔を立てることも必要だ。世界各国の指導者たちは、ビジネス上の取引でやられてしまった人々のように、降伏することもこそこそ逃げ出すこともできない。トランプ大統領はこのような妥協を望まない姿勢を明確にしている。2018年のアメリカ・カナダ・メキシコの協定に関する話し合いで、大統領は義理の息子ジャレッド・クシュナーからの強い働きかけを受けて、カナダとメキシコにしぶしぶではあるが2、3の譲歩をしたと報じられた。の当時、アメリカ通商代表ロバート・ライトハイザーは「ジャレッドの働きかけがなければ、この協定は成立しなかっただろう」と記者団に語っている。

ダントニオは次のように語っている。「トランプ大統領は外交を行うこと、そして主権国家と交渉することの準備がそもそもできていないのだ。二国間もしくは多国間での利益を生み出すためのギヴ・アンド・テイクのやり方を彼は知らない。彼は自己中心的過ぎるために、自分とは異なる考えを持つ人々を敵と認識する。大統領は自分のいじめが通じない相手がいれば自分が攻撃されたと思い、彼の提案に対して自分の考えを述べるような人物には激怒するのだ」。

従って、トランプ大統領は、こん棒で叩きまくるアプローチでは交渉相手によっては交渉が行き詰まり、交渉開始当初よりも交渉が進んでいる段階での方が、合意形成がより難しくなるというパターンが出来上がっていることに気付いている。トランプ大統領は中国と対峙するための12か国からなる環太平洋パートナーシップ協定から離脱した後で、トランプ大統領は彼の方か一方的に中国との貿易戦争を始めた。しかし、結果は、彼の習近平中国国家主席が企業向け補助金と知的財産権侵害の主要な問題に対して何の対策も取らないということであった。市場からは2年間の停滞は国際経済に脅威を与えるという警告が出ていた。トランプ大統領はオバマ政権下で結ばれたイランとの核開発をめぐる合意を「これまでで最悪の合意」と非難した。そして、イランに対する経済制裁を再開した。その中には、イラン外相モハマド・ジャヴァド・ザリフ個人に対する制裁も含まれていた。イランをめぐる情勢は先行きが見えない。トランプ大統領は北朝鮮の最高指導者金正恩と親しくなろうとし、アフガニスタンにおけるアメリカの状況を改善するためにカシミール地方をめぐるインドとパキスタンとの間を仲介しようと無様な提案を行った。これらもまた何も進んでいない。一つの局面では、トランプ大統領はもうすぐある程度の成功を収めることが出来るだろう。それはタリバンとの交渉だ。トランプ大統領は交渉に関しては特使であるザルメイ・ハリルザルドに任せきりだ。専門家の中には、トランプ大統領が公約しているアメリカ軍のアフガニスタンからの撤退は、タリバンに勝利をもたらすだけだと恐怖感を持っている人たちがいる。

トランプ大統領自身は何の心配もしていないふりを続け、ほとんどの問題に関しては解決を「急いでいない」と繰り返し述べている。それでも今週水曜日に記者団に対して中国に対して「私たちは勝利を収めつつある」と述べ、「私は選ばれた人間なのだ」という見当違いのアピールを行った。しかし、彼は2020年に迫った大統領選挙までの時間を浪費することになるだろう。

トランプ大統領は世界各国との交渉にことごとく失敗しているが、国内でも失敗を続けている。トランプ大統領の主要な公約である社会資本(インフラストラクチャー)、移民、医療制度について実質的な話し合いはこれまでなされていない。トランプ大統領は刑法改革法を成立させたが、これは民主党が訴えていた政策であり、こちらも義理の息子クシュナーの交渉術のおかげである。思い返してみれば、今年の1月、トランプ大統領は公約した国境の壁に関して、民主党に完全に屈服した。大統領自身が始めた政府機関の閉鎖が35日間に及んだ。大統領は最終的には連邦政府職員の給料を支払うための一時的な手段を採ることに合意したが、国境の壁への予算はつかなかった。

トランプの交渉スタイルは予測しやすいもので、ある一つのパターンが存在する。別のトランプ伝記作家グゥエンダ・ブレアはこれを「こん棒で殴りつけることと愛情を大袈裟に表現すること(love-bombing)」と呼んでいる。中国とイランに対しては次のようなパターンになる。中国の習近平国家主席とイランのハッサン・ロウハニ大統領に対しては降伏以外にはないというようなことを言っていた。これは両者にとっては不可能ではないにしても政治的に難しいことになる。トランプ大統領は同時にお世辞を言うことも忘れなかった。今週、トランプ大統領はツイッター上で「習近平は中国国民からの大いなる尊敬を集めている偉大な指導者だ」と書き、ロウハニ大統領に関しては別の観点から、「ロウハニ大統領はとても愛すべき人物だと思う」と書いている。

金正恩委員長との関係ではトランプ大統領は最初のうち脅しを繰り返した。ある時点では、当時のレックス・ティラーソン国務長官を北朝鮮との交渉をしようとして「時間を無駄にしている」と非難した。しかし同時にお世辞を繰り返すことも忘れなかった。そして、首脳会談や私的なメッセージの交換を行った。トランプ大統領は金委員長に「核兵器を放棄すれば北朝鮮はとても豊かな国になる」と請け合った。

しかし、トランプ大統領の広報外交(パブリック・ディプロマシー)も大臣レヴェルの交渉者たちの交渉も素晴らしい成果を上げることはできなかった。しかし、金委員長は別だ。一連の外交を通じて、金委員長はこれまでにない程の国際的な関心と認知を受け、彼自身の政権の正統性も認められた。

ブレアは次のように語っている。「中国やデンマークに対してのトランプ大統領のアプローチは古くからのドナルドのやり方だ。彼は自分ともう1人だけが部屋にいる形にしようとする。だから多国間の条件や会議を彼は嫌うのだ。彼は部屋の中に1人だけ入れて、その人に集中して脅しをかけたいのだ」。

ブレアは、グリーンランドをめぐる買い取り要請もトランプのキャリアでのやり方をそのまま使っているものだと述べている。「今起きていることは、ブランド確立ということなのだ。まず、トランプ・コーポレイションのブランド確立があった。それからカジノ、リアリティTV番組、と続き、今は大統領としてのブランド確立が行われているのだ。大統領としてのブランドを確立するためには、世界最大の島を買い取ること以上により良い方法はないではないか?」

ラピダスのトランプ家との家族ぐるみの付き合いはトランプ大統領の父フレッド・トランプにまで遡る。ラピダスはフレッドとも建築士として一緒に仕事をした。トランプ大統領のアプローチは自分の仕事仲間や取引先にとってはおなじみのもので驚きはないとしている。ラピダスは次のように述べている。「トランプ大統領のやり方は彼がビジネスをやっていた時と全く同じだ。彼がやっていることはその継続に過ぎない。とどまることを知らない嘘が続けられる。当時の私はそれを見ながら、なんだかかわいげを感じていた」。

ラピダスは、「トランプの交渉スタイルは、当時も今も、その場しのぎで何の明確な戦略などないのだ。私は、彼が頻繁に更新するツイッターを見てますますその思いを強めている」と述べている。ラピダスは、1980年代のアトランティック・シティでのカジノの件をめぐる裁判での審理のことをよく覚えている。トランプは出廷し宣誓をしたのち、カジノを建設した理由について嘘の証言をした。ラピダスは、何とか嘘を止めねばならないと感じたと述べている。

ラピダスは次のように語った。「その後で私はトランプに、何をやっているんだ、どうしてあんなことを言ったんだと食って掛かった。彼は“アラン、私はね、自分の言葉が口から出るまで私は何を言っているのか自分でも分からないんだよ”と言った。これがドナルド・トランプという人物なのだ」。

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決定版 属国 日本論

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