古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:大統領

 古村治彦です。

 

 私は音楽に詳しい訳ではないですが、ビリー・ジョエル(Billy Joel)というアメリカの歌手(自分で作詞作曲もします)が好きです。ビリー・ジョエルは日本でも人気のある歌手で、日本公演があれば確実に東京ドームや大阪ドームでコンサートが開かれるほど、世界規模での人気アーティストです。

 

 私は高校生の時に、ビリー・ジョエルの「ストーム・フロント(Storm Front)」というアルバムを買って繰り返し聞いていました。聞いただけでは歌詞なんかわかりませんから歌詞カードを見ながら、歌詞カードについている日本語訳を見ながら聞いていました。どうしてあんなに何回も繰り返し聞いたのだろうと思うほど聞きました。そんなアルバムはいままでありません。

 


 このアルバム「ストーム・フロント」が発表されたのが1989年でした。このアルバムにはその時代の空気や雰囲気を反映した曲がいくつも収録されていました。ビリー・ジョエルがレニングラードを訪れ、同世代のロシア人男性と交流した経験を基にした曲、漁業で生計を立てている人々が住む町の様子や苦悩を描いた曲、彼が生まれてから1989年までに何が起きたかを出来事の名前を羅列する曲などがありました。アルバムを通じて、冷戦に勝利しながらも、深く傷ついたアメリカ、過去の栄光を懐かしく思い出す人々を感じることが出来ました。機会があれば、是非お聞きください。名盤です。

 




 ビリー・ジョエルはラヴソングでももちろん定評がありますが、その時代の空気や雰囲気を曲に反映させるという点でも天才的です。私は以下に貼り付けるニュースを読んで、ビリー・ジョエルのことを思い出しました。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ氏支持の客が機内で暴言、生涯搭乗禁止に 米デルタ

2016.11.29 Tue posted at 11:47 JST

http://www.cnn.co.jp/business/35092866.html?ref=yj

 

デルタは、機内で暴言を吐いた乗客を二度と搭乗させないと表明した

 

 

トランプ氏支持の乗客が暴言、生涯搭乗禁止に

ニューヨーク(CNNMoney) 米デルタ航空の旅客機内で、次期米大統領のドナルド・トランプ氏を支持する男性乗客が暴言を吐き、女性乗客を口汚い言葉でののしる騒ぎがあった。デルタ航空は28日、騒ぎを起こした男性乗客は二度と同航空の旅客機に搭乗させないと表明。同便に乗り合わせた乗客には全員に運賃を全額払い戻すと説明した。

 

騒ぎは22日、米ジョージア州アトランタ発ペンシルベニア州アレンタウン行きの国内便の機内で起きた。通路に立った男性乗客が「ドナルド・トランプ、ベイビー」と叫んで頭上で両手を打ち鳴らし、「その通り、この男は物事が分かっている」と言った後、1人の乗客を指さして「ここにヒラリー・b******sがいるぞ」と口汚い言葉で暴言を浴びせた。

 

この様子を撮影した動画がフェイスブックに掲載され、220万回以上再生されている。

デルタのエド・バスティアン最高経営責任者C(CEO)は28日、従業員宛ての通知でこの乗客を降ろさなかったのは誤りだったと述べ、「この人物は騒がしくて無礼で他の乗客に礼を失した」と指摘。乗員は男性から事情を聴いた上でそのまま搭乗させることに決めたものの、「もしこの映像の場面を直接目撃していれば、間違いなく男性を同機から降ろしていた。男性は二度とデルタ便には搭乗させない」と言明した。

 

バスティアン氏はさらに、「社会の緊張が高まっている今、私たちにはこれまで以上に機内および当社の施設内での礼節が求められる」と指摘している。

 

(貼り付け終わり)

 

 このニュースにペンシルヴァニア州アレンタウンという地名が出てきます。ペンシルヴァニア州と言えば、今回のアメリカ大統領選挙でドナルド・トランプが勝利した州であり、選挙のカギを握ると言われたラスト・ベルトに属しています。

 

 

 ビリー・ジョエルには1982年に「アレンタウン」という曲を発表しています。この曲は戦後アメリカの歴史をアレンタウンという実在の町に投影した曲です。この中で、アメリカが傷ついていく様子が歌われています。そして、「労働組合は何も助けてくれない」という内容の歌詞の一節もあります。

 

 アレンタウンに30年以上にわたって渦巻いた怒りや悲しみがドナルド・トランプ勝利を実現させたということが言えます。そして、その怒りや悲しみを30年以上前に既にビリー・ジョエルが捉えていた、ということになります。まさに詩人は時代を反映し、時代を超えていくものだと実感します。

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22




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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期大統領についてのヘンリー・キッシンジャーの評価についての記事をご紹介します。トランプについてはどのような外交を展開するのか未知数であるというのが一般的な評価で、それが不安をもたらしています。

 


 選挙期間中にイラク戦争には反対だったと語り、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を批判し、バラク・オバマ大統領とヒラリー・クリントン前国務長官がIS(イスラム国)を生み出したと斬り捨てています。自分はISを退治することができるが、それは自分を支持する米軍の将軍たちの献策を受け入れるからだとも発言していますが、米軍を中東に派遣する感じはありません。ロシアと関係を改善させたいとし、中国は不公正な貿易を行っていると、1980年代に日本に向けたような批判を行い、台湾を重視するかのような姿勢を取っています。

 

 トランプはめちゃくちゃなことを言っているように見えます。ISをやっつけると言いながら、米軍を出さないということは矛盾しているように見えます。台湾を重視するというのは、中国との軋轢を生み出し、現状では大事にされる台湾も困った立場に追い込まれてしまうことになります。

 

 ヘンリー・キッシンジャーはテレビ番組に出演し、トランプはこれまでの大統領とは違うので、違うアプローチから何か素晴らしいものが出てくる可能性があると発言しました。あくまで、可能性であって、出てこないこともあるということを言いたいようですが、これまでとは違った大統領であり、外交政策も違ったものとなり、それで何か素晴らしいものが生まれて、歴史に名前を残す大統領になるかもしれない、というのがキッシンジャーの評価です。

 

 キッシンジャーは国際関係の学問的潮流で言えば、リアリズム、リアリストに属する人です。アメリカの国益を第一に、理想を追わず、敵とでも手を結ぶということを実践してきた人です。そして、現在は、中国という新興大国を敵にすることなく、G2体制という米中による国際管理体制構築を主張しています。

 

 トランプは国際問題解決優先主義(アイソレーショニズム)であり、アメリカの理想を広めることや人道的な理由から海外に軍隊に出すようなことは反対しています。こうした点では、ビル・クリントン政権、ジョージ・W・ブッシュ政権、バラク・オバマ政権と、濃淡の差はありますが、理想主義に分類される人道的介入主義とネオコンサヴァティヴィズムの人々が外交政策を担当した政権が続いた時期とは違う外交が展開されることになるでしょう。キッシンジャーもこの点を言っているものと思われます。

 

 アメリカの国内問題解決優先主義とは具体的には、すっかりくたびれてしまった社会資本の改善があると思います。アメリカに行って、アメリカの社会資本、インフラは日本よりも劣っているなと思われた人も多くいらっしゃると思います。高速道路はただだけど、路面がデコボコだったとか、都市部でもいきなり停電が起きて何時間も復旧しないとかそういう経験をした方も多いと思います。トランプはこの社会資本の改善や修繕も公約に掲げています。しかし、そうなると、彼の減税政策と矛盾してしまうことになります。

 

 そこで、トランプとしては民間活力活用(民活、Public Private Partnership、PPP)を利用するということになるでしょう。しかし、アメリカ国内だけではどうしようもありません。そこで外国からの資本投資を受け入れたいという考えも持っているでしょう。台湾に肩入れをして、中国を刺激しているのは、台湾と中国を競わせて、アメリカに対する資本投資を刺激しているようにも見えます。私たちの日常生活でも、何かを買う場合には、どこの店が安いかを探したり、複数の店に行って、「あそこはいくらだったからこれくらいに負けて欲しい」などと交渉したりということはやることです。

 

 ヘンリー・キッシンジャーはトランプ当選以降、中国とロシアを訪問し、習近平国家主席とウラジミール・プーティン大統領と会談しています。彼が米中露の関係を保つスタビライザーの役割を果たしています。2020年までにトランプがキッシンジャーという安定装置を使いながら、どのように外交政策を展開していくのか、注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

キッシンジャー:「トランプの外交政策のアプローチから“何か素晴らしい”ものが出てくる可能性がある」(Kissinger: 'Something Remarkable' Could Emerge From Trump's Approach to Foreign Policy

 

キャシー・バーク筆

2016年12月18日

『ニューズマックス』誌

http://www.newsmax.com/Newsfront/henry-kissinger-trump-opportunity-stay-focused/2016/12/18/id/764532/

 

元国務長官で人々の尊敬を集める共和党系の政治学者ヘンリー・キッシンジャーは、ドナルド・トランプ次期大統領の外交政策から「何か素晴らしい」ものが出てくる可能性があり、トランプは「熟慮をした大統領」として歴史に名前を残す機会を持つであろうと述べた。

 

日曜日に放送されたテレビ番組「フェイス・ザ・ネイション」のインタヴューの中で、キッシンジャーは「トランプに対して大きな信頼を持っている。彼はアメリカの状況を分析し、戦略を作り、共和党指導部に打ち勝とうとしている」と述べた。

 

キッシンジャーは次のように述べた。「トランプが大統領選挙候補者になるまで、彼を大統領選挙候補者として考えたことはなかった。彼が大統領選挙候補者として出てきたとき、私はこれを過渡的な現象だと考えた。しかし、今はトランプがこれまで培った技能を国際的な状況に応用することが彼の挑戦なのだと理解している」。

 

キッシンジャーは、「外交・国際関係分野において、トランプは諸外国がこれまでみたことがなかった現象なのだ」と語った。

 

キッシンジャーは、「トランプが大統領に当選したことは諸外国にとってショックな経験である。同時に、トランプが歴史上に思慮深い大統領として名前を残す機会と可能性があると私は考えている」とも語った。

 

キッシンジャーは更に次のように述べた。「トランプはこれまでの大統領が発してこなかった疑問を呈する大統領になる。その質問は素晴らしい何かになるであろうと思われるし、そうなれば新しい大統領の姿を見せることになるだろう。私は必ずそうなるとは言わない。私は彼にはそうなる大いなる機会があると言いたい」。

 

キッシンジャーはまたトランプに対する助言として次のように述べた。「集中して、自分が達成しなければならない基本的なことを明確にせよ」。

 

「最も大変なことは日常の諸問題と根本的な諸問題を区別することだ。根本的な諸問題は長期にわたって影響を残すものだ。また、些細な諸問題で官僚たちとの戦いで消耗しないようにすることだ。」

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22








 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ次期大統領は、アメリカ国内の各分野のリーティング・カンパニーの経営者たちを集めて、「戦略・政策フォーラム(Strategic and Policy Forum)」を作るようです。このフォーラムは、トランプ大統領に対して、経済政策を実施するに当たり、参加者たちの知識と経験に基づいて提言を行うことを目的としています。


 以下の記事にもありますが、「ブレイントラスト」とも言うべき存在です。戦前のフランクリン・D・ルーズヴェルト大統領がブレイントラストを重用し、それを真似て、日本でも近衛文麿が有識者たちを集めたのが昭和研究会です。近いところでは、中曽根康弘元首相は有識者たちを重用し、内閣に次々と審議会を設置し、彼らを登用しました。その結果、「審議会政治」と揶揄されました。

 

 トランプは幅広い人材をこのフォーラムに結集しようとしています。トランプを支持しなかった、IT系の新進気鋭の創業者、経営者たちとも会談し、この戦略・政策フォーラムに参加してもらうことになっているようです。

 

 トランプはアメリカ国内に雇用を生み出し、自分を支持した人々に職を与えようとしています。そのために、アメリカの各企業と協力しようとしています。IT系企業は大統領選挙期間中、全体としてヒラリー支持、反トランプ姿勢を示してきましたが、いつまでも対決姿勢を取っていても仕方がありません。トランプが行おうとしているポピュリズムにおいては、雇用を作れる企業が必要ですから、彼らと協力していく姿勢を示しているのに、それをむげに断ることはできないでしょう。

 

そして、トランプは、ポピュリズムを体現し、「人民の友(プブリコラ、Publicola)」になろうとしています。そのために、幅広い人々を結集させようとしています。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプが、エロン・マスクとウーバー社最高経営責任者を顧問ティームに指名(Trump names Elon Musk, Uber CEO to advisory team

 

アリ・ブレランド筆

2016年12月14日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/technology/310321-trump-names-elon-musk-uber-ceo-to-advisory-team

 

トランプの政権移行ティームは水曜日、テスラ社・スペースX社の最高経営責任者エロン・マスクは、ドナルド・トランプ次期大統領の顧問ティームに参加することになると発表した。

 

ウーバー社最高経営責任者トラヴィス・カラニックとペプシ社最高経営責任者インドラ・ヌーイもまたトランプ次期大統領の戦略・政策フォーラムに参加することになるだろう。

 

トランプは水曜日にマスクを含むIT業界の指導者たちとトランプ・タワーで会談を持ったがそれに先立って、上記の発表がトランプの政権移行ティームからなされた。

 

会談にはその他にも重要な人々の参加が予想された。フェイスブックのシェリル・サンドバーグ、グーグル社の親会社アルファベット社のエリック・シュミット、ラリー・ペイジ、アマゾン社創業者で『ワシントン・ポスト』紙を所有しているジェフ・ベゾスが出席する予定だ。ウーバー社の代表は会談に参加しない見通しだ。

 

ウーバー社のカラニックは声明の中で、「私は次期大統領と協力できることを楽しみにしている。フォーラムは、私たちの乗客、ドライヴァー、私たちがビジネスを展開している450以上の都市に影響を与える諸問題に関わることになる」と述べた。

 

マスク、カラニック、ヌーイはトランプ次期大統領の戦略・政策フォーラムに参加するが、このフォーラムには、既に13名のメンバーが参加することになっている。フォーラムのメンバーは、「大統領と頻繁に会談し、大統領が彼の経済政策を実行する際に彼らの特別な経験と知識を共有する」ことになる。

 

戦略・政策フォーラムの議長はブラックストーン社の最高経営責任者であり、共同創業者であるスティーヴン・A・シュワーツマンだ。ブラックストーン社は、世界最大の投資ファンド運用会社である。

 

トランプは声明の中で、「アメリカには、世界の中で最も創造性と活力を持つ企業が存在する。本日、フォーラムに参加する創業者でもある最高経営責任者は、それぞれの分野でトップを走る人々だ」と述べた。

 

トランプは続けて、「私の政権は民間部門と協力し、ビジネス環境を改善し、シリコンヴァレーからアメリカの中西部まで新たな雇用を生み出すために、ビジネス環境を魅力的なものとする」とも述べた。

 

=====

 

トランプの戦略ブレイントラストはオバマ政権の政策と親和性を持ち、中道派の人々が集まっている(Trump’s Strategic Braintrust Sounds Sort of Obama-Friendly and Centrist

 

エミリー・タムキン筆

2016年12月2日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/02/trumps-strategic-braintrust-sounds-sort-of-obama-friendly-and-centrist/

 

金曜日、トランプ政権移行ティームは、世界各国の権威主義的な独裁者たちからの電話が相次いでいるという発表の合間に、大統領戦略・政策フォーラムの創設を発表した。このフォーラムは「大統領と頻繁に面会し、参加者の特別な経験と知識を共有し、大統領が、雇用を回復し、“アメリカを再び偉大にする”ための計画に活かすために召集されることになる」ものだ。

 

一見したところ、白人の超富豪たちの集まりを創設することは、大富豪たちが数多く登用される政権と同様に、トランプがポピュリズムにのっとった主張を維持し続けるためには最善の方法のように思われる。

 

このフォーラムには、ジェネラル・モータース社の会長兼最高経営責任者メアリー・バラが参加している。GMは、エリート層が好む電気自動車開発に多額の予算と人材を投じてきた。

 

クリーヴランド・クリニック会長のトビー・コスグローヴも参加している。コスグローヴはオバマケアを撤回する必要を認めないと発言したことがある人物だ。

 

ウォルマート社の会長兼最高経営責任者ダグ・マクミロンもフォーラムに参加している。ウォルマートはエネルギー効率向上と気候変動でオバマ政権を支援し協力してきたし、大企業の中で最も環境対策を進めている存在だ。

 

ボーイング社会長、社長、最高経営責任者を歴任したW・ジェイムズ・(ジム)・マクナーニーも参加している。ボーイングは、イランとの間で航空機売却契約を結んだ。オバマ政権下でのイランとの核開発に関する合意から利益を受けた企業である。このイランとの合意が変更されることを望まないだろう。ボーイングは、世界規模の資材調達網を邪魔されないこと、アジア向けの輸出を促進することを求めている。これは、オバマ大統領が主張してきたが、今や実現は厳しいものとなっている環太平洋経済協力協定(TPP)を下支えするものだ。

 

石油とエネルギー分野の専門家ダニエル・ヤーギンも参加している。ヤーギンはイラクに侵攻しても石油を手に入れることはできないということ、シェールガス採掘のための「水圧破砕採掘」革命(フラッキング・レヴォリューション)は、石炭産出地域を再びよみがえらせることはできないということを主張している。

 

このフォーラムが実際にどんな役割を果たすのか、そして本稿で取り上げた人々が次期大統領を中道に引っ張るかどうか(気候変動のような問題では左派の方向に引っ張るかどうか)、これからも注目していかねばならない。しかし、このフォーラムの参加者がオバマ大統領主催のホワイトハウスの夕食会に出席していても違和感を感じないのは確かなことだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 
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 古村治彦です。

 

 日本でも報道されていますが、ドナルド・トランプ次期大統領がソフトバンクの孫正義社長と会談を行いました。会談後、トランプはソフトバンクがアメリカ国内に500億ドル(約5兆5000億円)に投資し、5万人分の雇用を創出することに合意した、という内容のツイートを行いました。そして、「私たち(トランプ)が選挙で勝利しなければ、マサはこのようなことをすることはなかっただろうと語った」というツイートも行いました。


la-fi-tn-softbank-trump-20161206


trumpsonmasayoshitwitter001
 

 トランプとアメリカにとってはなんとも景気の良い話です。孫氏とソフトバンクにとってはどの様な利益がある話なのでしょうか。

 

 ソフトバンクは2012年にアメリカの携帯電話会社スプリント社を買収しました。そして、現在はその株式の80%を保有しています。アメリカの携帯電話業界は、ヴェライゾン社とATT社が2強であり、その次にT-モバイル社、そして、スプリント社が続くという状況になっています。2014年にはT-モバイルとの合併話もありましたが、T-モバイル側が難色を示し、合併は進みませんでした。

 

 今回の合意は、スプリント社とT-モバイル社との間の合併を進めるための布石ではないかと思います。「アメリカに資金と雇用をもたらす人物」である孫正義にはそれ相応の見返りを渡すということは、ビジネスマンであるトランプにしてみれば当然の思考となります。「あなたが当選しなければこのようなことはしなかっただろう」とまで言われれば尚更です。

 

 ソフトバンクのスプリント買収は、失敗だったという評価になっているそうですが、T-モバイルと合併が出来れば一発逆転ということになります。そのための5兆円は賢い投資ということになるのでしょう。

 

(貼りつけはじめ)

 

トランプがソフトバンクからの500億ドルの投資を発表(Trump announces $50B investment by SoftBank

 

アリ・ブレランド筆

2016年12月6日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/technology/309038-trump-announces-50b-investment-by-softbank

 

ドナルド・トランプ次期大統領は火曜日、日本のテクノロジー企業ソフトバンクは、アメリカに500億ドル(約5兆5000億円)に投資し、5万人の雇用を創出するだろうと発言した。

 

トランプは、ソフトバンクの創始者で最高経営責任者孫正義とニューヨークのトランプ・タワーで会談し、孫と合意したと発表した。

 

トランプは、「日本のマサ(ソフトバンク)はアメリカ国内に500億ドルを投資し、5万人分の雇用を創出することに合意した」「マサは私たち(トランプ)が選挙に勝利しなければこのようなことはしなかっただろうと述べた」とツイートした。

 

ソフトバンクは既に1000億ドル規模のテクノロジー向け投資ファンドの創設を計画している。

 

トランプは会談の後にトランプ・タワーのロビーに孫正義とともに姿を見せ、合意について発表し、孫正義を「テクノロジー産業における偉大な人物」と呼んだ。

 

会談の前、アナリストであるトモアキ・カワサキはブルームバーグ誌に対して、スプリント社とT-モバイル社の合併が実現する可能性があると語った。ソフトバンクはスプリント社の株式の80%を保有している。

 

カワサキは「トランプ次期政権はテレコミュニケーション分野の規制について、前政権とは違うアプローチを取る可能性がある。孫正義は以前、スプリント社は、アメリカ市場でトップ2と競争するためには、T-モバイル社との合併が必要だと語った」と述べた。

 

発表の後、スプリント社の株価は2%上昇した。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 昨日、ニューヨーク・タイムズ紙が、以下のような報道を行いました。先月、安倍晋三首相が世界の首脳に先駆けてドナルド・トランプ次期米大統領と会談を行いました。この時、トランプの娘イヴァンカとイヴァンカの夫ジャレッド・クシュナーも同席していました。この会談の時、イヴァンカが経営する企業が日本企業と契約締結の最終段階にあった、これは、利益の衝突に関わる可能性がある、というものです。ここで出てくる日本企業とは、サンエー・インターナショナルという会社で、私は女性のファッションに疎いものですから知らなかったのですが、多くの人気ブランドを展開するファッション界の大企業だということです。ニューヨーク・タイムズが問題にしているのは、サンエー・インターナショナルの筆頭株主の筆頭株主が日本政府系の日本開発銀行であるという点です。

 

 ニューヨーク・タイムズの筋立てですと、「安倍晋三首相はトランプとの会談を希望していた→何かつてを探す→イヴァンカと契約締結寸前の日本企業がある→この会社の大株主は日本政府系の日本開発銀行だ→この会社に契約を結んでもらうことの代りにイヴァンカに口をきいてもらって首脳会談実現」となった可能性があり、これが利益の衝突問題に関わる可能性があるというものです。

 

 今回のニューヨーク・タイムズの記事の内容は、ちょっと回り道が過ぎる筋立てだと思いますし、安倍首相とトランプ次期大統領の会談実現は、ニューヨークのアジア・ソサエティやトランプ政権のウィルバー・ロス商務長官の線から実現したと言われていますから、イヴァンカの線ということはないでしょう。

 

 しかし、イヴァンカとドナルド・ジュニア、エリックの3人の子供たちがこれからトランプ・オーガナイゼ―ションの各企業の経営や統轄を行っていかねばならないということになれば、父ドナルドが大統領にいる間は、この利益の衝突問題は常につつかれることになるでしょう。ですから、慎重を期して、「そこまでやらなくても」と言われるほどに、区別をはっきりつけるか、ビジネスからきっぱり手を引いて、父のサポート役としてホワイトハウスに入るが政策形成にはかかわらない、という形にしないと(しかし、これでも日本的に言えば側用人政治と言われてしまうでしょう)、トランプ政権のためにならないでしょう。

 

 現在、3人の子供たちは政権移行ティームに参加していますが、まぁここまでは良いとして、1月の新政権発足時には、政権内のポストに就かないようにするということが、トランプ政権のためになることだと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

イヴァンカはトランプと安倍の会談時に日本企業とビジネス契約を結びつつあった(Ivanka was finalizing Japanese business deal at time of Trump, Abe meeting: report

 

ブルック・シーペル筆

2016年12月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/in-the-know/in-the-know/308712-ivanka-was-finalizing-deal-with-japanese-apparel-giant-when-she

 

次期大統領の娘イヴァンカ・トランプは、ドナルド・トランプが日本の安倍晋三首相と会談し、そこに同席していたが、この時、日本のある企業とビジネス契約を締結寸前であった、と報じられた。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙はイヴァンカが首脳会談に同席した同時期、東京で別の話し合いが続けられていたと報じた。イヴァンカが経営するファッション企業が日本のサンエー・インターナショナルとライセンス契約を結ぶための話し合いを行っていた。サンエー・インターナショナルの最大の株主は日本政府所有の企業(訳者註:日本開発銀行)だ。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、契約締結に向けては2年間の交渉が続けられたということだ。トランプ・タワーでの議論の中で、イヴァンカのビジネスについても話されたのかどうかについては報告されていない。しかし、同紙は、状況から見て、父ドナルド・トランプが行わないと誓約した、利益の衝突に抵触する可能性があると主張している。

 

先週、トランプは「国家運営に全精力を注力するために私の築き上げたビジネスから全て手を引く」とし、その期日を12月15日とした。トランプは、「ビジネスから手を引くことは大変に重要だ。それは、私が展開している様々なビジネスと大統領力の間で利益の衝突を起こさないためだ」と書いている。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は記事の中で利益の衝突について言及しており、「トランプの3人の子供たちは政権移行ティームに参加しているが、彼らのこれまでのビジネスの歴史を調べてみると、トランプ一族、トランプのビジネス、トランプの政治が如何に深く関連し合っているかが分かる。トランプ氏とトランプ企業グループの経営に参加している子供たちの間に壁を作るという主張にどれほどの意味があるかということに重大な疑問は残る」と主張している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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