古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:大統領国家安全保障問題担当補佐官

 古村治彦です。

 

 2018年3月22日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が4月9日付で、大統領国家安全保障問題担当補佐官にジョン・ボルトンを任命すると発表しました。現在のハーバート・R・マクマスター補佐官は辞任となります。マクマスター補佐官は現役の陸軍中将ですが、辞任に伴い、陸軍からも退役するということです。

johnbolton015

ジョン・ボルトン
 
hrmcmaster005
ハーバート・R・マクマスター

 2018年3月6日、ゲイリー・コーン国家経済会議委員長が辞任を発表しました。この時にメディアでは同じ日に、ジョン・ボルトンがホワイトハウスの大統領執務室でトランプ大統領と会談したというニュースも流れました。この時に既に今回のことは決まっていた可能性があります。

 

 ジョン・ボルトンはジョージ・W・ブッシュ政権時代に政権内の外交と軍事を牛耳ったネオコン派の一人です。トランプ大統領はブッシュ時代のイラク攻撃を批判していましたが、マイク・ポンぺオ国務長官、ジョン・ボルトン大統領国家安全保障問題担当補佐官という陣容を組みました。ポンぺオもまたネオコンに近い人物です。

 

 トランプ大統領はジェローム・パウエルFRB議長を起用し、アメリカ経済の引き締めを行おうとしています。その結果として過熱していた株価は調整され下がっていくことになるでしょう。実際にFFレートの利上げが発表され、NYダウは大幅に下げました。トランプ景気をひと段落させるにあたり、募る不満を対外関係に逸らせるということをトランプ大統領は考えているかもしれません。

 

 ポンぺオ国務長官、ボルトン大東両国家安全保障問題担当補佐官という布陣は北朝鮮に対して強硬な姿勢を取るということを鮮明に示しています。米軍による北朝鮮攻撃の可能性が高まりました。ジェイムズ・マティス国防長官は、北朝鮮攻撃と決まれば反対はしないでしょう。次はジョン・ケリー大統領首席補佐官の動向が注目されるところです。

 

(貼り付けはじめ)

 

諸問題についてのジョン・ボルトンの発言(John R. Bolton on the Issues

 

アシシュ・クマー・セン筆

2018年3月22日

「アトランティック・カウンシル」

 http://www.atlanticcouncil.org/blogs/new-atlanticist/john-r-bolton-on-the-issues

 

ドナルド・J・トランプ米国大統領は2018年3月22日に、4月9日付でジョン・ボルトンが次期大統領国家安全穂所問題担当補佐官に就任すると発表した。ここ数年の重要な外交政策問題に関してのボルトンの立場を彼の発言から見てみよう。

 

●北朝鮮について(On North Korea

 

・「北朝鮮の核兵器開発によって現在生じている事態に対して、アメリカが先制攻撃を行うことで対応することは完全に正当なことなのである」(2018年2月28日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙)

 

・「問題:北朝鮮の政権が現在嘘をついているとどのようにして知ることが出来るか? 答え:彼らの唇が動いていることで知ることが出来る。(訳者註:北朝鮮は嘘ばかりをついているという意味)」(2018年3月9日付フォックスニュース[テレビ番組]

 

●イランの核開発に関する合意について(On Iran nuclear deal

 

・「オバマ大統領が交渉して引き起こした外交上のワーテルローの戦いの結果(惨敗)はまだ癒されないだろう」

 

・「トランプ大統領はオバマ前大統領が結んだ合意を戦略的に大きな間違いだと正確に見破っている。しかし、トランプ大統領の周囲にいる補佐官たちはどうした訳だか、この合意から撤退しないように大統領を説得している」(2018年1月15日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙)

 

・「残された時間は大変に短いが、(イランの核開発施設)への攻撃はまだ成功できる可能性を残している。このような攻撃はイランに敵対している国々や勢力に対するアメリカの巨大な援助と共に実行されるべきだ。そして、こうした動きの目的はイラン政府の政権転覆(体制変更、regime change)だ」(2015年3月26日付『ニューヨーク・タイムズ』紙)

 

●アフガニスタンとパキスタンについて(On Afghanistan/Pakistan

 

・「アフガニスタンに関してはパキスタン次第で勝利もできるし、敗北をしてしまうこともある」(2017年8月21日付フォックスニュース[テレビ番組]

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)


Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 アメリカのシリアに対するミサイル攻撃と同時に、アメリカのマスコミで報道されているのは、国家安全保障会議(National Security Council、NSC)の再編成です。大統領首席ストラティジストのスティーヴン・バノンが最高会議の出席者から外され、大統領国家安全保障問題担当次席補佐官のK・T・マクファーランドが辞任を求められ、シンガポール大使へ転出という報道がなされています。

 

 国家安全保障会議は、アメリカの外交政策や軍事政策を決定する大統領直属の機関で、省庁間の縦割りを排する目的で創設されました。この会議を主宰する大統領国家安全保障問題担当補佐官は、補佐官(advisor)という肩書ですが、閣僚級の影響力を持っていて、大統領の側近中の側近ということになります。トランプ政権発足時には、マイク・フリンが補佐官でしたが、ロシアとの不適切な関係が指弾され、政権発足早々に辞任に追いこまれました。その後、現役の陸軍中将で米軍再編事業のトップであったH・R・マクマスターが補佐官に就任しました。

 

 マクマスターは「居抜き」で補佐官に就任したわけですが、少しずつ独自色を出しつつあるようです。NSCの再編もその一環で、フリン時代(ほぼありませんでしたが)の人々を転出させて、自分の影響力下にある人々をスタッフに登用するということになりそうです。

 

 マクマスターはバノンのNSCからの排除に関して自分の関与をしていますが、おそらくマクマスターの進言もあり、NSC再編の一環で排除が決定されたものと思います。

 

K・T・マクファーランドの転出は、重要な出来事になると思います。マクファーランドは、これまでの共和党政権でアナリストとして力を発揮してきましたし、ヘンリー・キッシンジャーの側近、片腕としても知られています。マクファーランドを政権中枢から排除するというのは、キッシンジャーの影響力を減少させることになります。

 

 すでにご紹介していますが、先週の米中首脳会談の根回しは昨年12月から始められ、トランプ大統領の上級顧問である、義理の息子ジャレッド・クシュナーがキッシンジャーの支援と助言を受けて中国側と人脈作りを行い、首脳会談にまで漕ぎ着けました。

 

 クシュナーが穏健派を代表し、キッシンジャーの助言を受けながら政権内で行動するということになると、マクファーランドまではいらない、キッシンジャー系が多過ぎるということになって、それで転出という話になっているのもかもしれません。

 

 政権内部の再編成で、マクマスターの顔を立てつつ、バランスを取る作業をしているということになるのではないかと考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

マクマスターは国家安全保障会議からのバノンの排除を否定(McMaster downplays removal of Bannon from role on NSC

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2017年4月9日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/328026-mcmaster-downplays-removal-of-bannon-from-role-on-nsc

 

大統領国家安全保障問題担当補佐官H・R・マクマスターは日曜日にテレビ番組に出演し、マクマスター自身が大統領首席ストラティジストであるスティーヴン・バノンの国家安全保障会議(NSC)における役割を奪ったということを否定した。

 

マクマスターは、「フォックス・ニュース・サンデー」に出演した。その中で、バノンのNSCにおける役割を剥奪したのはどうしてかと質問され、「今回のことは言われているほど重大なことではないのですよ」と答えた。

 

マクマスターは「大統領がやったことは、NSCの常任出席者の件について言いますと、NSCの全ての会議に出席する常任出席者を明確にして、アメリカ国民の長期的な利益に基づいて助言を与える人を明確にすることであったと思いますよ」と述べた。

 

マクマスターは、「大統領は望む相手ならどんな人からでも助言を得ることができる」と述べた。

 

マクマスターは「大統領は実際にそうしていますしね」と語った。

 

マクマスターは更に次のように語った。「大統領は政策決定や政策決定を行った際のリスクや機会について、信頼する様々な人々に質問しています。その中にはスティーヴ・バノンも含まれています。こうしたやり方は何も変わっていないんですよ」。

 

NSCの中で一介の政治顧問が重要な役割を果たすのは不適切だと考えるかどうかと質問され、マクマスターは「大統領がそうした役割を果たしてほしいと思う人が誰でもそうした役割を果たすこと」は適切だと答えた。

 

マクマスターは「スティーヴ・バノンは様々な問題について大統領に助言を与えていますし、これからもそれは続くでしょう」と発言した。

 

トランプ大統領は先週、NSCにおけるバノンの役割を剥奪した。マクマスターがこの決定を行い、トランプが承認したという報道がなされた。

 

バノンは今年1月、NSC最高会議の常任出席者に昇格させられたが、この措置は多くの批判を浴びた。

 

土曜日の各紙の報道では、バノンは政権内で孤立を深めており、彼自身が協力的なアプローチを取ることができないので、首席ストラティジストから更迭される可能性もあるということであった。

 

=====

 

大統領国家安全保障問題担当次席補佐官K・T・マクファーランドが辞任(Deputy national security adviser K.T. McFarland to leave post: report

 

ポーリナ・フィロジ筆

2017年4月9日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/328009-deputy-national-security-adviser-kt-mcfarland-asked-to-step-down

 

大統領国家安全保障問題担当次席補佐官K・T・マクファーランドは、トランプ政権の再編成の過程で、辞任を要請されている、と報じられている。

 

マクファーランドは、国家安全保障会議での仕事を始めて3カ月もしないで、駐シンガポール米国大使への就任が予定することになる、と日曜日に『ブルームバーグ』誌が初めて報じた。

 

マクファーランドは、これから2週間は今の地位に留まるだろうとも報じられた。

 

先週、大統領首席ストラティジストであるスティーヴン・バノンが国家安全保障会議の常任出席者から外されたが、これに続いて、マクファーランドへの辞任要請の動きが続くことになった。

 

マクファーランドはフォックス・ニュースの国家安全保障問題担当アナリストを務め、これまで3つの共和党政権でもアナリストを務めた。そして、トランプによって大統領国家安全保障問題担当次席補佐官に起用された。

 

『ニューヨーク・タイムズ』紙は2月、大統領国家安全保障問題担当補佐官マイケル・フリンの辞任を受けて、マクファーランドも辞任するだろうと報じた。

 

しかし、マクファーランドは本誌に対して、大統領の要請を受けて、政権内に留まると答えていた。

 

「私は大統領に会ったばかりで、政権内に留まるように言われました。私はとても興奮しています」と2月に語っていた。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

このページのトップヘ