古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:大統領選挙

 古村治彦です。

 アメリカ連邦議会は新しいセッション(第118期)が始まった。始まって早々、連邦下院では新議長選出を巡って大騒ぎとなったことは日本でも報道され、記憶に新しいところだ。前回のセッションまで連邦議会共和党の少数党(共和党)院内総務を務めてきたケヴィン・マッカーシーが新しい下院議長に選出されることは通常であれば当然のことであった。 

しかし、共和党内から造反議員が出て、何度も何度も否決され、15回目の投票でようやく過半数の得票となり、新議長に選出された。その過程で議場ではつかみ合いの喧嘩騒ぎも起きた。民主党側からは造反してマッカーシーの議長就任に賛成票を投じた議員は出なかったので、今回の騒動は共和党内部の争いということになった。

 マッカーシー議員は2014年から連邦下院共和党の最高幹部であり、2014年から2019年までは連邦下院多数党(共和党)院内総務、2019年から2023年まで少数党(共和党)院内総務を務めた。ドナルド・トランプ政権下では、連邦議会で過半数を失って少数党となった共和党を指揮し、トランプ大統領と協力して議会運営に当たった。トランプ派と目される人物の1人である。

 共和党内でマッカーシー議員の議長就任に抵抗したのは、フリーダム議連(Freedom Caucus)のメンバーたちである。フリーダム議連とはティーパーティー運動が源流の議員連盟であり、「保守系」もしくは「リバータリアン系」と評される議員たちの集まりだ。彼らの考えを簡単に述べれば「反福祉・反税金・反大きな政府」ということになる。彼らの資金源となっているのがコーク・インダストリーズという巨大企業を率いるチャールズ・コークだ。コーク一族の歴史と動きについては拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(講談社)を是非お読みいただきたい。

 簡単に言えば、フリーダム議連のパトロンであるチャールズ・コークは反ポピュリズム、反トランプの立場を取っている。トランプのポピュリズムは、彼から見れば「貧乏人にバラマキを約束している」ということになる。トランプ派と目されるマッカーシーの議長職就任を妨害したい、もしくはフリーダム議連が議会活動で有利になるような条件を受け入れさせたい、ということでフリーダム議連を使って妨害活動としい活動を行ったということになる。コークとフリーダム議連は共和党内部のエスタブリッシュメント派とも対立しており、フリーダム議連、エスタブリッシュメント派、トランプ派という形で共和党は分裂しているということになる。フリーダム議連とエスタブリッシュメント派が共同してトランプ派をけん制し、トランプの大統領選挙での復活を阻止したいという動きになっている。そのために、フロリダ州のロン・デサンティス知事やニッキー・ヘイリー元国連大使の名前を、2024年の大統領選挙の共和党側の有力候補として主流メディアは出している。

 2023年、2024年のアメリカは、2024年の大統領選挙に向けて政治の季節となる。共和党内部の争いはますます激化するだろう。

(貼り付けはじめ)

5つのポイント:マッカーシーは如何にして連邦下院議長職を勝ち取ったか(Five takeaways: How McCarthy won the Speakership

イアン・スワンソン筆

2023年1月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/3803662-five-takeaways-how-mccarthy-won-the-speakership/

ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)が新しい連邦下院議長に就任した。この1週間、議場では15回もの投票が行われ、党内分裂が誰の目にも明らかな異常事態となった。

しかし、この騒動は、マッカーシー議員が分裂した共和党をどのように統率していくのか、また、政府予算や国の債務上限(debt ceiling)引き上げの時期が来た時、国にとってどのような意味を持つのか、それらについて疑問が生じている。

ここでは、これまで誰も見たことのないような狂騒のうちに誕生した連邦下院議長選挙について5つのポイントを紹介する。

(1)マッカーシーは反対派をけん制する(McCarthy picks them off

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第118期連邦議会で連邦下院議長に選出されたケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)が人々の歓声に応える。2023年1月7日。

マッカーシーはこの1週間、民主、共和両党の有権者や批評家たちから、連邦下院で最も大きな丘を登る能力を疑問視され、次々と批判されてきた。

マッカーシーに対する反対派は動じる気配もなく、次々と票を失う中で、彼が必要な過半数を獲得できるのかどうか、多くの人が疑問に思った。

マッカーシーの戦術のいくつかは成功しなかったし、批判されるには理由があった。

2023年1月2日の非公開の会議で反対派に圧力をかけても誰も動かず、マッカーシー議員が批判派に対して議長の座を獲得するに決まっていると話すと、ローレン・ベイバート議員(コロラド州選出、共和党)が「くそ野郎!」と叫ぶなど激しい票読みの始まりとなった。

1回目の投票で19人の共和党所属の議員たちがマッカーシーに反対票を投じ、3回目の投票でバイロン・ドナルド連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)が反対者に加わり、その数は20人に膨れ上がった。

しかし、マッカーシーはこの間、実にたくましく対応しており、火曜日には「次から次へと投票がある中で戦うことを恐れていない」と発言していたが、その通りとなった。

マッカーシーは「戦う準備はできている」と公言し、週半ばには反対勢力との取引に向け、味方の議員たちとともに水面下で猛烈に働きかけた。その努力が実り、金曜日には、12回目の投票で反対派20人のうち13人が賛成に代わり、14回目の投票では更に1票が反対派から賛成に変わるという劇的な投票が行われた。 

その数時間後、連邦下院の議場で歴史的な前代未聞の瞬間が訪れた。

(2)マット・ゲーツが注目を集めた瞬間(Matt Gaetz gets his moment)

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2023年1月5日(木)、第118期議会の3日目に連邦下院民主党の議員たちと話すマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)

マッカーシーの政治的将来が、金曜深夜に近づくにつれ、マット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)の投票にかかるようになるとは、誰も予想しなかっただろう。

ゲーツ議員とマッカーシー議員との間の反目は、この1週間の投票の底流にあり、金曜日には、フロリダ州の共和党員であるゲーツは、マッカーシーを連邦下院議長職に就くために裏取引をしたと非難し、より個人的な反感が高まっているように見えた。

ゲーツはまた、「これは、計算し、集計し、絶対に回避できることをこの機関に課している人物の虚栄心の表れなのか?」と問いかけた。

しかし、マッカーシーは議長選挙で216票を確保し、あと1票で当選というところでゲーツの投票を待っていた。当時、マッカーシーが連邦下院で過半数を獲得するには217票が必要だった。

ゲーツは「賛否を示さない出席(present)」と発言した。結果として、マッカーシーが投票者の過半数を獲得するための基準を引き下がることになったが、ゲーツの投票では勝利するのに十分でなかった。

ゲーツと同席していたマッカーシーの信頼する盟友パトリック・マクヘンリー連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)を含む議場の共和党所属議員たちは、マッカーシーのマジックナンバーをまだ確保していないことにすぐには気づかず、立ち上がって拍手喝采を送った。

ゲーツは考えを変えなかった。ゲーツの投票は「賛意を示さない出席」だった。

当初、マッカーシーにとって完全な災難に見えたが、その味方は月曜日まで議会を閉会させる投票に動いた。しかし、その閉会投票が行われると、別の切り替えが行われた。どうやら、共和党側のマッカーシーを非難する最終グループの6人全員が「賛否を示さない出席」票を投じるという取引が成立したようだ。

マッカーシーと他の共和党議員たちは閉会日に票を入れ替え、新たに議長選の投票が行われ、マッカーシーは再び216票を獲得したが、今度はそれで十分であった。ゲーツをはじめとする4人の共和党議員がベイバート議員に加わって「賛否を示さない出席」票を投じたことで、マッカーシーが過半数を確保した。

ゲーツは政治的なショーマンであり、カメラに映る時間を多く獲得し、その中心的存在となった

(3)この人たちはどうやって付き合っていくんだろうか?(How are these people going to get along?

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2023年1月6日(金)に連邦下院議長選挙の14回目の投票が実施された後、マイケル・D・ロジャース連邦下院議員(アラバマ州選出、共和党)は、ローレン・ベイバート連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)とマット・ゲーツ連邦下院議員(フロリダ州選出、共和党)から引き離されている。

1枚の絵は1000の言葉に匹敵する(百聞は一見に如かず、Sometimes a picture is worth a thousand words)ということがある。

リチャード・ハドソン連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)がマイク・ロジャース連邦議員(アラバマ州選出、共和党)の体をつかまえている写真(片手を肩に、片手を顎に置き、レスリングに近い動き)は、そうした写真の1つである。

この時のロジャースは、ゲーツと現在の自身の投票について話し合うか、彼の首を絞めるかのどちらかに興味があるように見えた。

この100年間、連邦下院議長の投票では見られなかった光景に、多くの共和党員たちが互いにどれほど不満と疲れと苛立ちを感じていたかを示す象徴となった。

今、連邦下院共和党は僅かな差で、この違いを埋めて、彼らがやりたいこと、監視、支出削減、国境警備強化のための戦い、これら全て行うために協力しなければならない。

1月15日の投票でマッカーシーが新議長に決まった後、団結をするようにと訴えられていた。

しかし、この連邦下院議長選出の戦いは、今後、法案や規則をめぐって共和党内で更なる争いが起こることを予感させるものでもある。

今週、マッカーシーが強いられた屈辱や、ゲーツなどの議員たちの行動に見られた大義名分に対して怨嗟の声が上がるだろう。

マッカーシーがこの騒動をどう処理するかは今後直面する厳しい試練の一つになるだろう。

(4)マッカーシーは勝利を収めるために多くのことを諦めた(McCarthy gave up a lot to win

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2023年1月6日(金)、連邦下院議長選挙の14回目の投票中のケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)。

連邦下院議長の座を勝ち取るために、マッカーシーは多くのルール変更と反対派への譲歩を提示しなければならなかった。特に、新議長の投票を強制することができる議長退任動議を1人の議員が出すことができるようにすることが重要だった。

マッカーシーと提携する委員会は、共和党の予備選挙における委員会の役割を制限すると述べ、保守派議員たちは、議場に提出される全ての法案を審議する連邦下院規則委員会を含む、より多くの委員会の割り当てを受けることになる。

マッカーシーはまた、歳出法案を公開規則で審議することに同意したが、これは実質的に基本的な予算措置の可決を得ることをかなり難しくするものである。

今週マッカーシーに反対していた共和党議員の多くは、政府支出(国内支出と国防総省の予算の両方)の削減を望んでいる。今回の規則改正は、理論的には彼らにそれを実行する力を与えることになる。

この譲歩はマッカーシーの力を弱めることになりそうだが、彼は公の場で、この譲歩によって連邦下院議長が弱体化するとの見方を否定した。

(5)債務上限をめぐる戦いが注目の戦いだ(The debt ceiling fight is the battle to watch

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2023年1月5日(木)、ワシントンの連邦下院議会で10回目の投票中に、ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)と話すアンディ・ビグス連邦下院議員(アリゾナ州選出、共和党)(右)。

連邦政府は歳入を上回る支出をしているため、連邦議会は長年にわたり、社会保障や医療保険から軍事費まであらゆる資金を調達するために、国の借入限度額を定期的に引き上げる必要がある。

債務上限を引き上げること自体は、新たな連邦政府支出の増加や承認にはならないが、連邦政府がより多く支出することを可能にする。

もし、債務上限が引き上げられなければ、連邦政府は支払いをすることができない。

2011年には、当時のバラク・オバマ大統領と共和党が過半数を握る連邦下院が何とか合意に至るまで、政府はデフォルト(default、債務不履行)に近い危険な状態に陥った。

次に債務上限を引き上げなければならないのは今年8月である。どのようになるかは誰にも分からないが、今後数カ月、ワシントンやウォール街では多くの神経がすり減ることになりそうだ。

今週、マッカーシーの議長選に反対していた共和党側議員の1人であるラルフ・ノーマン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は水曜日、「マッカーシーは債務上限を引き上げるより、連邦政府を閉鎖することを望んでいるのだろうか?」と語った。ノーマンは更に「これは交渉の余地がない」とも述べた。

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マッカーシーの譲歩による連邦下院議長職獲得は驚きとなった(McCarthy concessions to win Speakership raise eyebrows

マイク・リリス、マイケル・シュニール、アル・ウィーヴァ―筆

2023年1月7日

『ザ・ヒル』

https://thehill.com/homenews/house/3803315-mccarthy-concessions-to-win-speakership-raise-eyebrows/

ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)は、歴史的な投票失敗の週を経て、議長の当選に必要な支持を得るために、反対派からの一連の要求に屈することを余儀なくされた。

ほとんどの共和党連邦議員たちはマッカーシーの譲歩の重要性を軽視しているが、この変更はマッカーシー自身の指導力を犠牲にして一般議員に権限を与えるものであり、連邦下院の統治機能を麻痺させかねないという懸念も出てきている。

特に、1人の議員が下院議長を追放するプロセスを開始できるようにする今回の変更は、保守派の強硬派グループがマッカーシーに圧力をかけて重要な必須法案を維持するために繰り返し使用することを恐れている民主、共和両党の議員に胸焼けを与えている。

その結果、連邦政府が閉鎖され、債務不履行に陥り、連邦下院の事業が急停止するリスクが高まると彼らは言う。

ドン・ベーコン連邦下院議員(ネブラスカ州選出、共和党)は、「これは恐ろしい決断だ」と述べた。

ベーコン議員は「1人でも議場から退席の動きを推し進めればまたやることになる。毎週こんなことをするのはいかがなものか?」と、マッカーシーの下院議員当選を数日遅らせた内部抗争を引き合いに出してこのように語った。ベーコン議員は「こういう人が何人かいると将来的にそうなるのではないかと思う。連邦下院議長が弱体化し、最小会派が強化されることになるのだ」と語った。

マッカーシーの保守派の批判者たちの中には、国の債務上限(連邦政府が債務を支払うためにお金を借りることを認める)を引き上げるいかなる動きも、社会保障やメディケアなどの国の権利プログラムの削減を伴わなければならないと要求している者もいる。そして、新しい連邦下院規則パッケージの条項では、債務上限引き上げについて別途投票を行うことが義務付けられている。

チップ・ロイ議員(テキサス州選出)は、木曜日に連邦議会議事堂で記者団に対して、「債務上限引き上げには具体的な支出制限が必要だと考えている」と語った。

マッカーシーの反対派で、今回の譲歩で最終的に支持に回ったスコット・ペリー連邦下院議員(ペンシルヴァニア州選出、共和党)も「何事もなく進められる債務上限引き上げはありえない、それは間違いない」と述べた。

この要求は、民主党側の議員たちからの反発を招いた。民主党議員たちは、国のセーフティネット・プログラムを守りたいが、マッカーシーが保守派の意向に従えば、連邦債務不履行のリスクが高まることを恐れているのだ。

民主党側のある議員は、「もし彼らが債務上限を設定したら私たちは終わりだ」と述べた。

今週の長丁場の交渉を通じて、中道派の共和党所属の議員たちにとってもう1つの大きな懸念は、保守派が小委員会の権限を自分たちのものにしようとすることで、この案は既に小委員会の席についている議員たちを激怒させた。

ベーコンはこれを「成功の見込みがない(non-starter)」だと形容した。特に小委員会の委員になるために努力してきた穏健派共和党員の間で怒りが広がっている。

ベーコンは次のように語った。「連邦下院議長職やそのようなものについて話すのであれば、彼らはまだそれを獲得しなければならない状況にあるのだ。私はそれを獲得していないにもかかわらず指導的役割を担わせるという、最も小さな議連に対するアファーマティブ・アクション同様だと考えている。私たちは共和党側の実力を基礎にしたシステム(merit-based system)を信じている」。

2013年から連邦下院議員を務めているアン・ワグナー議員(ミズーリ州選出、共和党)は、連邦下院議長職の「年功序列プロセス(seniority process)」だと強調した。

「誰もが年功序列のプロセスを経て、両委員会の役職や議長職などを獲得していかなければならないのだ」とワグナー議員は語った。

共和党が第118期連邦議会の開幕に際して採用したその他の変更点は、それほど議論の余地のないものである。その中には、全下院議員の任期制限を設けるための議場投票の保証、修正案の公開手続き、連邦政府機関に対する新たな権限を議会に与えるいわゆるホルマンルールの採用、議場に入る前に議員が法案を読むために丸3日間を必要とする72時間ルールなどが含まれる。

これらの変更は、全て過去の時点で採用されている。そして、ほとんどの共和党側議員たちは、マッカーシーが議員職の見返りに多くを捧げ過ぎたという説を否定している。

マージョリー・テイラー・グリーン連邦下院議員(ジョージア州選出、共和党は)「そのようには感がない」と語った。グリーンは下院議長選でマッカーシーの最も有力な支持者の1人となった。

キャシー・マクモリス・ロジャーズ連邦議員(ワシントン州選出、ワシントン州選出)は、「これらの譲歩は私たちの話し合いで合意されたものであり、最終的には、より国民主導の立法過程につながると信じている。これは、より多くの権力と意思決定を議員に取り戻すことだ」と述べた。

ダン・クレンショー連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)は、最初の規則パッケージの最小値である1人制と5人制の違いはほとんどないと述べ、1人制の空転動議についての懸念さえも軽視した。

クレンショー議員は「皆さん方はもう5人制で合意したのだろう。5人制と1人制で一体何が違うのか? 説明責任の問題だ。だから、みんなチームとして働こう、それが最善だ」と述べた。

マッカーシー自身も瀬戸際の交渉を擁護し、この重要な譲歩が彼を「弱い議長」にすることはないと断言している。

木曜日の夜、マッカーシー議員は記者団に対して、「これを恐れていたら、より弱い議長になるだけだ」と語った。「私は弱い議長になどならない」とも述べた。

マッカーシー議員は更に「前の議長を除いてはいつもそうだ。私はそれが結構なことだと思う」と付け加えて述べた。

しかし、民主党側は、カリフォルニア州選出の共和党議員であるマッカーシーが共和党右派対して提案したことは、彼の権威を低下させ、安定した統治を損なうと警鐘を鳴らしている。

前回と前々回の議会で下院議長として一人退席ルールを撤廃したナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は、その復活を「馬鹿げたことだ」と評した。

前多数党(民主党)院内総務のステニー・ホイヤー議員(メリーランド州選出、民主党)は、この協定は共和党の極右勢力にあまりにも大きな力を与えるものだと述べた。

ホイヤ―議員は次のように述べた。「彼は私が予想した以上のものを与えたと思う。この協定は、共和党の小さな、意志を持った一派、共和党の否定的な一派、ほぼ一様に妨害的な一派に、彼らが持つべき以上の権威を与えることになると思う」。

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「クラブ・フォ・グロース」とコークはフリーダム議連に資金提供(Club for Growth and Koch nurtured Freedom Caucus

アイザック・アーンスドーフ筆

2015年10月22日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/story/2015/10/freedom-caucus-koch-club-growth-214973

最近、連邦下院をひっくり返した連邦下院保守派の反逆派の背後には、共和党の極右からおなじみの寄付者たちが何人か立っている。それが「クラブ・フォ・グロース(Club for Growth)」 とコーク・インダストリーズ(Koch Industries)だ。

非営利団体「センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックス(Center for Responsive PoliticsCRP)」と共同で行った本誌の分析によると、これらの強力な外部勢力は、ジョン・ベイナー連邦下院議長を追い出し、ケヴィン・マッカーシーが後継になることを阻止した共和党内グループである「連邦下院フリーダム連盟(House Freedom Caucus)」のメンバー37人の政治キャリアを育むのに一役買ってきた。

この分析によると、フリーダム議連のメンバーは、銀行や自動車ディーラーなど、伝統的に共和党候補を支持している業界から強い支持を受けてきた。しかし、議連のメンバー数は、共和党の重要な勢力として台頭し、時には保守的な原則をめぐって指導部と衝突する外部団体の影響力を示すものでもある。

各議員が報告した選挙運動およびリーダーシップPACへの寄付の金額を基に分析したところ、10万人の会員を持つ自由企業体制擁護団体「クラブ・フォ・グロース(Club for Growth)」の寄付額は177万ドルで、各議員が集めた総額1億7500万ドルの約1%に相当することが分かった。このクラブは、11人の議連メンバーにとって最大の寄付者であり、他のどの寄付者よりも多くのメンバーが寄付を受けた。

クラブ・フォ・グロースの広報担当者ダグ・サクトルベンは、本紙の取材に対して、最近の連邦下院での共和党指導部の混乱について、フリーダム議連に責任はないと述べた。サクトルベン「私たちの問題は、フリーダム議連の問題ではない。彼らは、選挙で訴えたことや有権者が投票したことを守っている。問題なのは、エスタブリッシュメントと指導部だ」と発言した。

指導者争いの中で、クラブはベイナー議員傘下のPACから「自分たちの信じる原則を守るために」攻撃を受けている保守派議員たちへの支援を公に表明していた。

カンザス州ウィチタに本社がある石油・ガス複合企業のコーク・インダストリーズは、現在フリーダム議連と提携しているメンバーたちに長期にわたり、総額で59万9400ドルを献金してきた。同社のPACとコーク社の従業員からの個人献金を合わせると、カンザス州選出のティム・ヒュールスカンプ連邦下院議員にとっての第2位の献金者となった。しかし、今回の分析では、フリーダム議連メンバーへの全体では2番目に大きな寄付をするのに十分な資金をばらまいていることが分かった。今回の分析では、コーク兄弟が築き上げた政治団体の幅広いネットワークはカヴァー仕切れておらず、これらはまとめて共和党候補への主要な資金源として発展してきた。

コーク PACのスポークスマンであるケネス・P・スペインは、同団体はフリーダム議連だけでなく、たくさんの共和党所属の議員たちに寄付していると述べた。CRPがまとめたデータによると、2014年のサイクルで1080万ドルを寄付していた。

この1カ月間、宮廷内の陰謀(palace intrigue)の中で、メンバーの名前を秘密にしているフリーダム議連は、党のどの派閥、グループが連邦下院指導部を支配するかをめぐる争いで影響力のある勢力として浮上してきた。連邦下院議長候補と目されているポール・ライアン連邦下院議員は、フリーダム議連が賛同し、ベイナー議員に対して脅した手続き上の戦術を諦めることに同意する場合のみ、連邦下院議長の座を望むと述べた。

共和党内部のエスタブリッシュメント派は、フリーダム議連が共和党のビジネス界の同盟者を軽視し、ひいては党の資金調達と多数派拡大への努力を軽視していると見て、不満を募らせている。しかし、クラブ・フォ・グロースやコーク・インダストリーズのような反体制的な資金提供者たちとの結びつきは、この集団がそれなりの資金基盤を持っていることを示唆している。

アメリカ商工会議所(UCC)は、この強力な勢力を排除するため、予備選挙の挑戦者を支援すると宣言している。

ベイナーのスタッフからロビイストに転身したある人物は次のように述べている。「昔は、党組織や経済界がもっと大きな影響力を持っていた。今、フリーダム議連は、ワシントンのグループは自分たちに献金しないと言って、ワシントン以外からもっと金を集められる。経済界は、この人たちと話をして、関係を構築する方法を考えるべきだ。今、彼らは共和党の未来を担っているように見えるからだ」。

業種別では、フリーダム連邦の寄付者の7%が退職者、次いで医療従事者(5%)と分析されている。

『ポリティコ』誌とCRPの分析によると、このブロックで最も資金調達に成功したのはニューメキシコ州のスティーヴ・ピアース連邦下院議員で、キャリアを通じて1690万ドル(クラブ・フォ・グロースから34万7867ドル、コーク・インダストリーズから86000ドルを含む)を稼ぎ、現職下院議員の中で38位にランクされた。ニュージャージー州のスコット・ギャレット連邦下院議員は1360万ドル(コーク・インダストリーズから7万2500ドルを含む)で69位と続く。

この分析は、選挙運動へのハードマネーによる寄付のみを対象としており、これらのレースにおける候補者の賛否を問わない独立した支出は反映されていない。

フリーダム議連への献金者の上位5位は、アメリカ銀行協会、全米自動車販売店協会(連邦議会への寄付額ではトップクラス)、エヴリ・リパブリカン・イズ・クルーシャルPACEvery Republican is Crucial PACERICPAC)で、エリック・カンター連邦下院多数派(共和党)院内総務がヴァージニア州選出のデイヴ・ブラット連邦下院に失脚させられる前に協力していた諸団体である。

アメリカ銀行協会の連邦議会関係・政治問題担当のジェームズ・バレンティン執行副会長は次のように述べている。「アメリカ銀行協会は、新人議員から議会指導部、その間にいる全ての議員に至るまで、通路の両側の議員たち(民主、共和党両党)と協力してきた長い歴史がある。これらの議員の中には、偶然にも、全米の銀行にとって重要な数々の施策を支持している議員たちもいる」。

ケネス・P・ヴォーゲルはこの記事の作成に貢献した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 中間選挙で民主党が予想よりも負けなかったことを受けて、現職のジョー・バイデン大統領は2期目を目指し、2024年の大統領選挙に立候補することを表明した。このまま無事に進めば、民主党の大統領選挙候補者はジョー・バイデンということになる。予備選挙は実施され、立候補者が出るかもしれないが、バイデンの候補者指名は確実だ。

しかし、バイデンは1942年生まれの80歳で、現職大統領としては史上最高齢となっている。2年の2024年には82歳となり、2期目の4年の任期を務めれば86歳で退任ということになる。任期途中に何かが起こり、バイデンが退任すれば、副大統領であるカマラ・ハリスが昇格し、残りの任期を務めることになる。直近で何かが起きてバイデンが退任すればハリスが大統領になり、2024年の大統領選挙はハリスが現職大統領として大統領選挙に臨むことになる。しかし、退任の時期によっては、民主党予備選挙に対抗馬が出てくる可能性もある。

そこで古い記事になって恐縮だが、バイデンが大統領選挙に出なければ民主党の予備選挙に立候補する可能性がある人物たちをまとめた記事をご紹介する。この記事の「バイデンが2024年の選挙に出ない」という前提が崩れてしまったが、民主党内でどのような人物たちが人気であり、有力であるかを知ることはアメリカ政治を理解する上で重要だ。

 民主党の有力候補者たちは40、50代の若い世代が出ている。このブログでも何度もご紹介したピート・ブティジェッジ運輸長官は40歳になったばかりで、州知事2人は50代でこれから複数回大統領選挙出馬を狙える立場にある。若さで言えばアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員であるが、彼女はまだ30代前半で2年後にようやく大統領選挙立候補可能年齢となる。知名度は高く、連邦議会でも積極的に働いているが、経験がまだ浅いということになる。前回、前々回の大統領選挙に出馬したバーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン両連邦上院議員は高齢であり、これからの出馬の可能性は低いだろう。若い人材が出てくるということは民主党にとっては良いことである。

 イデオロギーで見れば、急進派、進歩主義派ではやはり党内をまとめるのが難しいとみられるだろう。そうなればアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員やバーニー・サンダース上院議員は一部から熱狂的な支持を受けるだろうが、党の候補者指名を受けることは難しいだろう。

 2024年の大統領選挙は現職のジョー・バイデン大統領(民主党)とドナルド・トランプ前大統領(共和党)の戦いということになるだろう。しかし、アメリカ政治はこれからも続いていく。若い人物たちを見ていくことも重要だ。

(貼り付けはじめ)

バイデンが出馬しないとなると、大統領選挙に出馬する可能性が高い7名の民主党員たち(The seven Democrats most likely to run for president — if Biden bows out

エイミー・パーネス筆

2022年9月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3658507-the-seven-democrats-most-likely-to-run-for-president-if-biden-bows-out/

ジョー・バイデン大統領が今週、大統領選挙に再び出馬するかどうかは「まだ分からない」と発言したことで、2024年のホワイトハウスの主を決める大統領選挙に別の候補を立てるかどうかについて、民主党に関する話題がより広範に拡大している。

バイデンが再出馬しない場合、多くの民主党員が大統領選の海に足を踏み入れることが予想される。しかし、カマラ・ハリス副大統領でさえ、そのような状況では決定的な有力候補とは見なされていないと多くの民主党員は非公式に認めている。

ある民主党の有力献金者は「明確な候補者がいる訳でもなく、新星が出ている訳でもない」と語っている。

ここで、最も話題を集め、最も信頼されているのは誰なのかを考えてみよう。

(1)   カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領

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7月に暗殺された日本の元首相安倍晋三の葬儀出席のために東京に向かうアメリカ代表団を率いる前に副大統領官邸の外で待つカマラ・ハリス副大統領。

57歳になるハリスは副大統領としての毀誉褒貶が多い任期中に支持率の低下を経験しているが、2024年の大統領選挙でバイデン以外の候補者となるとトップに名前が出てくる存在だ。

ストラティジストたちは、バイデンをホワイトハウスに押し上げた黒人女性たちに対して、党の候補者としてハリス以外の他の誰かに投票するように説得するのは難しいだろうと言う。

あるストラティジストが指摘しているように、「アメリカ南部で勝利を収めることなしに党の候補者指名を勝ち取ることはできない」ということになる。

政権発足後の1年間は、失言やスタッフの相次ぐ離職などでハリスは大きな話題となったが、現在は副大統領としての役割に慣れてきた。

彼女はまた、女性の権利を彼女の課題の1つに挙げている。これは、妊娠中絶の権利に関する「ロウ対ウェイド」判決を覆した連邦最高裁判所の判決が影響し続けているため、民主党支持者の彼女の政治的展望を助けている。

(2)ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)運輸長官

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デトロイトでの北米国際自動車ジョーで演説をするピート・ブティジェッジ運輸長官。

2020年大統領選挙立候補以来、ブティジェッジ運輸長官は民主党内で人気の人物となっている。彼は無名な立場から評価を上昇させて、人々を驚かせた。

ブティジェッジの現在の役割は、人気のあるインフラプロジェクトについてアピールするために全国を回ることだ。それは、この先の彼を助けることができる唯一の方策だ。

先月、40歳になったばかりのブティジェッジはフロリダ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州、オハイオ州の各州を訪れたばかりだ。今月初めの鉄道ストライキで有権者から打撃を受ける可能性もあったが、バイデンの深夜介入により、そのような事態にはならず、民主党有権者に対するブティジェッジの地位は固まった。

(3)グレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer)ミシガン州知事

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デトロイトでの北米国際自動車ショーで演説するグレッチェン・ウィットマー州知事。

上記2人はバイデン政権において、バイデンに対抗する有力者として名前が挙がるトップ2だ。

この2人に次いで有力なのが2人の知事である。

1人目はミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーだ。ウィットマーはバイデンの副大統領の有力候補として多くの人々に知られている。

現在51歳のウィットマーは州知事選挙での再選を目指している中で、民主党関係者の注目を集めている。

今週、『デトロイト・フリー・プレス』紙の世論調査で、彼女は共和党の対立候補チューダー・ディクソンに対して16ポイントのリードをつけた。

ウィットマーは、特に中絶の権利を守ることを強調している。最近のイヴェントで、彼女はこの闘いにおける自分の役割を強調した。

CNNによると、「ミシガン州が中絶可能な州であり続ける唯一の理由は、私の拒否権と訴訟のおかげだ」と彼女は語ったということだ。この発言は、ウィットマーがミシガン州の中絶禁止を阻止するために起こした訴訟のことを指している。

彼女は、6月に「ロウ対ウェイド」判決が連邦最高裁で覆される前から訴訟を起こしていたことをよく指摘するが、これは今後、確実に支持層にアピールする動きとなるであろう。

(4)ゲヴィン・ニューサム(Gavin Newsom)カリフォルニア州知事

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ニューヨーク市で開催されたクリントン・グローバル・イニシアチブで講演するカリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム。

民主党が共和党と対決できる指導者を渇望していた時期、カリフォルニア州知事ゲヴィン・ニューサムは戦いを挑むように見えた。

54歳のニューサム知事は7月、フロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)に直接戦いを挑み、フロリダ州知事とその保守文化を非難する広告をフロリダ州内に拡散し、大きな話題となった。

ニューサムは、州内で放映されたフォックス・ニューズ内の番組のスポットCMの中で「自由、それはあなたの州で攻撃を受けている。共和党の指導者たちは、書籍を禁止し、投票を難しくし、教室での発言を制限し、女性や医師まで犯罪者にしようとしている」と述べた。

今月初め、ミシシッピ州、テキサス州、インディアナ州、オクラホマ州など保守的な州で、ニューサムは広告塔を立て、積極的な姿勢を続けている。彼のメッセージはどんなものか? カリフォルニア州では中絶はまだ合法であるということだ。

あるストラティジストは「彼はまだ証明することがたくさんあるが、彼は確かに民主党内の注目を集めている」と述べている。

(5)エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)

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連邦上院銀行委員会の年次ウォール街監視公聴会で、ゼール(Zelle)について証人に質問するエリザベス・ウォーレン議員(マサチューセッツ州選出、民主党)。

かつて大統領選挙のホープだったウォーレンは、2024年の選挙の1つである、自分自身の連邦上院議員再選を念頭に置いていると明言している。

しかし、バイデンが再出馬しないことを決めた場合、彼女の居場所はあるだろうと言う民主党関係者は多くいる。

73歳のウォーレンは、気候変動、中絶の権利、銃の安全性など、民主党にとって重要な問題のために、連邦議会においてトップの支持者であり続けている。

しかし、次の大統領選挙について聞かれると、彼女は一貫して言及を拒否している。

ウォーレンはこの夏、『アクシオス』誌に次のように語った。「2024年という数字に固執するのは止めなければならない。もし2024年のことばかりに気を取られて、2022年のビジネスに注意を払わなかったら、2022年の私たちを苦しめるだけではなく、2024年には背後から噛み付かれることになる」。

(6)バーニー・サンダース(Bernie Sanders)連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)

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バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出)は、ジョー・バイデン大統領との会談後、ワシントンのホワイトハウスのウエストウィングの外で記者団と話した後に更に振り向いて話している。

民主党の連邦議員の中には、ヴァーモント州選出の連邦上院議員が再び大統領選挙に打って出るのは難しいと考えている人もいる。

結局のところ、サンダースは現在81歳で、もし当選すれば任期終了時には90歳近くとなる。

しかし、サンダースは2016年に初めてホワイトハウスに立候補して以来、民主党の主役になったので、出馬の可能性を否定することはできない。そして、もし彼が出馬すれば、間違いなく支持を得られるだろう。

学生ローンや気候変動など、支持層にとって重要な議論がある時はいつでも、サンダースはその中心にいるとあるストラティジストは指摘している。

(7)アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)連邦下院議員(ニューヨーク州選出)

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民主党の大統領候補バーニー・サンダース上院議員の選挙演説会に参加するアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員(ニューヨーク州選出、民主党)。

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は

民主党の中で「AOC」と知られるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスほど、台頭している人物は存在しない。

そして、ほとんどのストラティジストは、ニューヨーク出身のこの連邦下院議員がまだ大統領選に出馬するとは思っていないが、民主党が人材不足だと訴える時、彼女の名前は常に挙がってくる。

彼女についてストラティジストたちが話す際に出てくる最も多い質問は、アメリカ大統領選挙に立候補できる年齢になるのかというものだ。この質問の答えは、2024年大統領選挙の1か月前に彼女は35歳になる、というものだ。

彼女の年齢は別にして、もう1つ当然のように出てくる疑問は、オカシオ=コルテスの政治がリベラル過ぎるために民主党の予備選挙もしくは本選挙で勝利をすることができるだろうかというものだ。

2020年、ウォーレンとサンダースは結局、バイデンに敗れた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 先日、アメリカの中間選挙が終わった。アメリカ政治はこれから2024年大統領選挙に向かって進んでいく。このブログの読者の方々には当たり前の知識であるが、アメリカ大統領選挙はまず民主、共和両党の候補者を決める予備選挙(primary)が実施され、候補者が決定してから、本選挙(general election)が行われる。予備選挙は選挙年の2月頭のアイオワ州での党員集会(Caucus)から始まり、6月まで続く。その間に大統領選挙候補者が決まり、7月の全国大会で正式決定となる。そして、11月に本選挙が実施される。予備選挙に向けた選挙運動は選挙年の前年から始まる。非常に長丁場の戦いということになる。

 民主党は現職のジョー・バイデンが2期目に向けて立候補表明を行った。現在のところ、有力な対抗馬による立候補表明はない。共和党はバイデンに挑戦する候補者選びということになる。2016年の大統領選挙で当選し、2020年に敗れたドナルド・トランプ前大統領が大統領選挙への立候補を表明した。これから共和党の予備選挙は盛り上がっていくだろう。このブログで何度もご紹介しているが、現在のところ、各種世論調査の結果を見ると、トランプが一番人気だ。その他の立候補が見込まれる有力な人物たちに大きなリードを保っている。

 それでも2024年米大統領選挙共和党予備選挙に挑戦する可能性が高い人物たちについて知っておくことは重要だ。中間選挙で共和党が予想よりも結果が振るわなかったのはトランプの神通力が落ちたからだという主張が出ている。そういう主張とセットで、では誰が2024年大統領選挙の候補者に望ましいのかということはなしになる。トランプとは距離を置いている保守派や穏健派の人物たちの名前が取りざたされているが、一つ言えることは若い、フレッシュな名前は出ていないということだ。トランプ政権出身者3人の名前が挙がっている。また、州知事の名前が3人上がっているが、共和党で成功した大統領というのは州知事出身が多い。最近ではロナルド・レーガン、ジョージ・W・ブッシュ(息子)の名前が挙げられる。

 こうした人々の中から予備選挙に立候補する人たちが出てくるだろう。現在のところ、フロリダ州知事のロン・デサンティスがトランプにとっての有力な対抗馬ということになっている。アメリカ国内政治においてラティーノ系の存在感が増していること、大統領選挙において激戦州であるフロリダ州の確保が重要であることから、デサンティスの名前が挙がっている。デサンティスの知名度拡大や実績のアピールがこれから全国的に進められるかどうかがカギとなるが、共和党支持有権者たちへのトランプの影響力を上回ることは非常に困難な試みということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

2024年にトランプに挑戦する可能性が高い7人の共和党の政治家たち(Seven Republicans most likely to challenge Trump in 2024

キャロライン・ヴァキール筆

2022年11月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3745399-seven-republicans-most-likely-to-challenge-trump-in-2024/

2024年にドナルド・トランプ前大統領に対抗することを決意するだろう新星や注目すべき声はどれなのか、多くの共和党の政治家たちに注目が集まっている。

トランプは今月初め、ホワイトハウスへの3度目の出馬を正式に表明した。しかし、共和党の中間選挙の結果では、トランプが支持した候補者たちがそれぞれの選挙戦で苦戦し、ゴールラインを越えられなかった。この結果は、他の共和党の政治家たちの大統領選挙への出馬を後押しするものとなった。

これからは、次の選挙サイクルで前大統領に挑戦する可能性が最も高い7人の共和党の政治家たちについて見てみよう。

(1)フロリダ州知事ロン・デサンティス(Florida Gov. Ron DeSantis (R))
rondesantis521

デサンティスは中間選挙前から2024年大統領選挙の挑戦者と目されていたが、共和党候補としてフロリダ州で民主党のチャーリー・クリストに19ポイントの差をつけて再選を決めたことで、共和党にとって総じて厳しい選挙戦の中の明るい兆しとなった。

フロリダ州知事デサンティスは、新型コロナウイルス規制をめぐってジョー・バイデン政権と対立し、ディズニーなどの企業に対して文化闘争を煽ったことで知られている。デサンティスは2024年に出馬するかどうかについての質問は避けてきた。しかし、週末、彼の発言は、彼が立候補を躊躇しないことを示唆した。

デサンティス氏は土曜日に共和党ユダヤ連合の会合に出席し次のように述べた。「このような時代には、勝利に代わるものはない。フロリダにいる私たちは光だ。自由はフロリダが先導して支配する。私たちは4年間で誰もが想像していた以上のことを成し遂げたが、これだけは言える。まだまだやることはたくさんあるし、私はまだ戦い始めたばかりだ」。

共和党はデサンティスが知事再選に成功したことで浮かれていると述べる一方で、共和党系のストラティジストでトランプ陣営に参加した経験を持つブライアン・セトチックは、「州議会で共和党が過半数を握っているので、デサンティス知事には有利に働く」と指摘する。それは、デサンティス知事にとって予備選挙や総選挙で有利になる法案を通そうとして、それが可能だからだ。

(2)ニッキー・ヘイリー元米国連大使(Former U.N. ambassador Nikki Haley
nikkihaley521

ヘイリーは2024年の大統領選挙を目指すという意向をちらつかせ、ニューハンプシャー州連邦上院選挙の共和党候補のドン・ボルドゥックやジョージア州知事のブライアン・ケンプ(共和党)などの候補のために遊説するなど、中間選挙期間中に存在感をはっきりと示している。

ヘイリー氏は共和党ユダヤ人連合で「そして、もしバイデンがイランとの核開発合意に復帰することに成功したら、私はあなたに約束する。私は以前にも言った。次の大統領は就任初日にそれを破砕するだろう」と発言し拍手喝采を浴びた。

元国連大使で、サウスカロライナ州知事を2期務めたヘイリーは、その素晴らしい経歴を共和党内で称賛を浴びている。しかし、党員の中には、トランプの2024年の大統領選挙への立候補が、ヘイリーやトランプの政権で働き、「トランプに近い」と見なされかねない候補者の見通しを複雑にしていると指摘する者もいる。

共和党系のストラティジストであるスコット・ジェニングスは次のように語った。「それは、これらのトランプに使い候補の一部が抱える問題だ。マイク・ポンペオやマイク・ペンスたちがそうだが、この人たちの何人かはトランプ政権にいた人たちだ。つまり、トランプを支持した有権者たちは2024年もトランプを選ぶことができる訳だが、自分を選ぶなどとどうして考えることができるのか?」と語った。

ヘイリーは以前、トランプが2024年に立候補しても出馬しないと発言し、2021年にAP通信に「トランプ前大統領と相談する」と語っていた。しかし、ヘイリーが出馬の可能性を示唆しているので、彼女がその計画に固執しない可能性がある。

(3)マイク・ペンス前米副大統領(Former Vice President Pence
mikepence521

ペンスは、アイオワ州やニューハンプシャー州を訪問していることから、2024年のホワイトハウスを目指すのではという憶測が出ている。新しい回顧録の刊行は、彼の政治的将来についての質問をさらに増やし、彼は次に来るかもしれないことについて、ちらりとほのめかした。

共和党系のストラティジストであるソウル・アヌジスは「副大統領としてトランプ政権の一員として何をしたか、何を決定したかという記録をもとに出馬することができる。しかし同時に、『私はより優しく、よりソフトで、より穏やかな大統領候補だ』と言うこともできる」と語った。

アヌジスは、2021年1月6日の連邦議事堂暴動後のペンスとトランプの対立が、党内の一部の議員が前副大統領を支持するかどうかを複雑にするかもしれないが、共和党内主流派の活動家の間ではそれほど大きな要因にはならないかもしれないと示唆した。

(4)マイク・ポンぺオ元米国務長官(Former Secretary of State Mike Pompeo
mikepompeo521

カンザス州選出連邦下院議員、トランプ政権下のCIA長官、国務長官を務めたポンペオは、大統領就任に向けた野望を予告し、前の上司であるトランプを間接的に非難することに躊躇していない。ヘイリーと同様、ポンぺオ前国務長官は外交政策の経験を持ってホワイトハウスを目指す戦いに臨むことになる。

セトチックは、「ポンペオは確かに大統領仕の事にふさわしい人物であるが、彼には以前から資金調達基盤と選挙基盤もない」と述べた。

「ポンぺオは現代の政治に必要な“その要素”を持っているかどうか分からない」と続けて述べた。

(5)ヴァージニア州知事グレン・ヤングキン(Virginia Gov. Glenn Youngkin (R)
glennyoungkin521

ヤングキンは2021年、ヴァージニア州知事選でテリー・マコーリフ前知事(民主党)に勝利し、共和党として10年以上ぶりに知事の座を赤にひっくり返したことで注目を浴びた。プライベート・エクイティの経営者出身で、知事選に出馬した際、文化戦争、とりわけ批判的人種理論(critical race theoryCRT)にも足を踏み入れたが、中間選挙では、党内の異なる連合間の統合者として自己投影することも目指した。

アリゾナ州のカリ・レイク、ウィスコンシン州のティム・ミシェルズ、ネバダ州のジョー・ロンバードといった共和党の知事選挙候補者たちと共に選挙戦を繰り広げた。ヤングキンは先月、CNNの「ステイト・オブ・ザ・ユニオン」に出演し、「共和党は、全ての点で意見が一致しないからといって、人を避けたり排除したりしない政党でなければならないと思う」と述べた。

アヌジスは、「ヤングキンは、まだ紫や青に傾いているような、典型的なスイングステートで勝利した、堅実な保守派だ。彼は、保守的なメッセージを、エッジの効いた、対立的なものにすることなく、また、対立的で論争の的になるような問題を取り上げながら、穏やかに自分の意見伝えることができることを示した」と述べた。

(6)メリーランド州知事ラリー・ホーガン(Maryland Gov. Larry Hogan (R)
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共和党支持者や関係者の多くは、中間選挙が党にとって不本意な結果をもたらすまでトランプ批判を避けてきたが、ホーガンはトランプ前大統領への不満を公にすることを避けてはこなかった。メリーランド州知事ホーガンは大統領選挙立候補を検討していることを明らかにしたが、共和党員の中には、彼のネヴァー・トランプ主義(never-Trumpism)が、トランプを支持する共和党内の集団に良い影響を与えるかどうか確信が持てない者もいるようだ。

ジェニングスは次のように語った。「もし、あなたがネヴァー・トランプ主義者であるならば、あなたが獲得しようとしている票は、トランプに2回投票した人たちからの票であることを忘れてはいけない。共和党の予備選挙では、一部の例外を除き、基本的に全員がトランプに2回投票しているのだから」。一方でホーガンが大統領選に出馬する権利を得たことにも言及した。

ジェニングスは続けて次のように述べた。「そういう有権者の多くは、トランプ時代にネヴァー・トランプ主義者が民主党を本質的に助けて溜飲を下げていたのだと考えている。トランプ支持者たちはネヴァー・トランプ派を何らかの形で煽る、対決しようとすると思う」。

(7)連邦上院議員テッド・クルーズ(テキサス州選出、共和党)(Sen. Ted Cruz (R-Texas)
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クルーズも大統領選挙への再挑戦の道を閉ざしてはいないが、2024年に連邦上院議員再選を目指すことを考えれば、その計算はより難しいものになるだろう。クルーズは議員再選を目指すと表明しているが、ホワイトハウスの野望がその計画を変更するかどうかは不明である。

共和党関係者たちは、クルーズが出馬を決めた場合、候補者としてのブランディングの方法を変えるかどうかに関心があると述べている。また、保守派としての素晴らしい実績はあるが、まだ顔と名前が十分に売れていないとの声もある。

セトチックは次のように語った。「彼の保守派としての実績は申し分ない。彼は優秀な男だ。保守派の資格は申し分ない。しかし、彼には好感度の問題があると思う。2016年に有権者が彼に特に好感を持ったとは思えない。あれから彼は進化したのか、それは重要な問題だ」。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2022年11月15日、ドナルド・トランプ前大統領が2024年の大統領選挙への立候補を表明した。大統領選挙は民主、共和両党の候補者を決める予備選挙(primary)と本選挙の2段階で実施され、トランプはまず共和党予備選挙での勝利を目指す。まだ候補者が揃ってはいないが、「どの候補者が共和党の指名候補としてふさわしいか」という各種世論調査の結果では、トランプが1位を維持している。2位には、今回のフロリダ州知事選挙で再選を果たしたロン・デサンティスがつけており、その差は縮まりつつあるが、それでもトランプが大きなリードを保っているのは間違いない。

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 また、ジョー・バイデン大統領も2024年の大統領選挙への立候補を表明した。民主党予備選挙にはバイデンに挑戦する候補者が出るかどうかだが、バーニー・サンダース連邦上院議員が対抗馬として出馬する可能性はある。しかし、これからバイデンにスキャンダルや健康問題がなければ、民主党の候補者となるだろう。バイデンの支持率下落はひと段落しており、世論調査の結果ではトランプと拮抗している状態にある。また、カマラ・ハリス副大統領が候補者となった場合ということでの世論調査も実施されているが、こちらはトランプがリードしているという結果が出ている。
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 今回の中間選挙で、共和党が予想よりも連邦議会での獲得議席数が少なかったということで、それはトランプの責任だ、トランプの勢いに陰りが出てきた、2024年の大統領選挙ではトランプ以外の候補者を共和党は選ぶべきだという主張が多く出ている。しかしながら、現在の共和党において、トランプ以上に全国的な政治的影響力と資金力を持っている人物は他に存在しない。もしいるならば、そろそろ名前が出てくる時期だが、今のところ、前述のフロリダ州のロン・デサンティス知事くらいのものだが、彼はまだ全国的な知名度と支持を得ているとは言えない。また、デサンティスがバイデンに打ち勝てるかどうかというのは厳しいのではないかと考えられる。エスタブリッシュメント派同士の戦いになれば、現職のバイデンの方が有利ということになる、

 こうして見ると、現在のところ、トランプ前大統領が2024年大統領選挙の共和党有力候補者であり、トランプを打ち倒せる存在ということになる。これから2024年11月までの2年間、大統領選挙の長丁場が始まる。こうして見ると、アメリカの政治は選挙が次から次へとやってくる。日本の選挙も大変だと言われるが、アメリカもまた過酷である。しかし、選挙こそは民主政治体制にとっての最重要な基盤ということになる。世界で最も力を持つ存在を選ぶ戦いはスタートした。

(貼り付けはじめ)

トランプが2024年大統領選挙出馬を受け共和党が分裂(Republicans divided as Trump kicks off 2024 bid

コール・フォルマー筆

2022年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3737570-republicans-divided-as-trump-kicks-off-2024-bid/

ドナルド・トランプ前大統領が3度目の大統領選出馬を表明したことに対し、共和党の有力者の反応は火曜日の夜、二分された。トランプを共和党の正当な指導者として歓迎する者もいれば、スポットライトから退くべきだと主張する者もいる。

トランプの盟友であるマージョリー・テイラー・グリーン議員(ジョージア州選出、共和党)は、マールアラゴのイヴェントでの正式発表前に前大統領の出馬を支持し、トランプが出馬の意向を公にした時点でこれまでの発言をリツイートした。

グリーンは「トランプ大統領を2024年の共和党の候補者として、私は全面的な支持と支援を送る」と書き、トランプが2度目の当選を果たした場合に「アメリカ・ファースト(America First)」を掲げると約束したヴェベントの映像をシェアした。

共和党所属の連邦下院議員であるトロイ・ネールズ(テキサス州選出)とアンディ・ビッグス(アリゾナ州選出)も前大統領を支持し、ネールズはトランプの演説映像をシェアし、「アメリカのカムバックはたった今、これから始まる」と書いた。

ビッグスは「トランプ大統領は共和党のリーダーだ。さあ、アメリカを再び偉大にしよう(Let’s Make America Great Again)」と述べた。

リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は、トランプへの全面的な支持を表明しなかったが、前大統領が発表で用いた政治戦略を称賛した。

グラハムは次のようにツイートした。「トランプ大統領がこの調子で一貫してメッセージを発信し続ければ、彼を打ち負かすのは難しいだろう。今夜の演説は、バイデン政権に対する彼の政策と結果を対比させ、予備選挙と総選挙での彼の勝利に向けた道筋を描いている」。

しかし、引退するメリーランド州のラリー・ホーガン知事やアーカンソー州のエイサ・ハッチンソン知事など他の共和党関係者は、トランプの立候補を否定し、2024年の大統領選挙で彼が共和党候補になれば失敗すると予測した。

ホーガンは「負け惜しみを言うのは愚かなだけでは済まない。民主党への贈り物となってしまう。今こそ、ページをめくる時だ」と書いた。

ハッチンソンは、次期大統領選挙の共和党候補には「もっと良い選択肢がある」と述べ、前大統領の人格を鋭く批判した。

ハッチンソンは「バイデンの失敗についてはトランプが正しいが、怒りを助長する自己中心的なメッセージは変わっていない。2022年にうまくいかなかったし、2024年にもうまくいかないだろう」と書いている。

共和党のエスタブリッシュメント派のメンバーたちは、先週の中間選挙をきっかけにトランプに対してやや冷めた態度を取っており、党員たちは赤い波を期待しいただけに失望している。

共和党の著名なジェブ・ブッシュ・ジュニアは、トランプを「弱い」と攻撃し、「#SleepyDonnie」(訳者註:眠たげなドニー[ドナルド・トランプ])というハッシュタグをつけた。

ブッシュは「ドナルドの演説はなんとも低エネルギーなものだった。新しいリーダーの時間だ!」と書き、「人々を団結させるリーダーシップを」と呼びかけた。

トランプ政権でスタッフを務めた、アリッサ・ファラ元ホワイトハウス戦略広報部長、サラ・マシューズ副報道官、ミック・マルバニー大統領首席補佐官らもトランプの大統領選挙出馬に疑問を投げかけている。

ファラはCNNに出演し、「これはまた、ある種のプロフェッショナルなものとして始まった。最初は台本通りだったが、その後、まったくの嘘を散りばめ、中国が中間選挙に関係しているかもしれないという陰謀(conspiracy)に手を染め、インターネットの暗い隅でさえ見たことがないようなことが話された」と述べた。

ファラは次のように続けた。「共和党の信頼できる人物は、今日のこの発表を望んでいなかったが、演説自体は脚光を浴びるだろう。私たちは今後2年間彼を取材することになるが、再び彼が大統領になる可能性はゼロではない」。

ファラはツイッターで、トランプについて「完全に大統領にふさわしくなく、民主政治体制に対して明確かつ現在の危険な存在だ」と述べた。

マシューズは、上司だった人物の演説について、「今まで聞いたトランプ大統領の演説の中で最もエネルギーがなく、元気のない演説の1つ」と評した。

「彼の演説は大統領選出馬を発表する時に望むものとはちょっと違った」と彼は続けた。

マルバニーはトランプの演説中に、「30分以上経ってもほとんど台本通りだ。2020年に彼が台本通りにやってくれていたら、彼は勝っていただろう」とコメントした。

マルバニーは「トランプがどれだけ長くそのようにおとなしい態度を続けられるかが興味深い。さすがに今夜だけということはないだろうが」と述べた。

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共和党が岐路に立つ中、2024年の選挙に飛び込んだトランプ(Trump jumps into 2024 race with GOP at crossroads

ブレット・サミュエルズ筆

2022年11月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3737617-trump-jumps-into-2024-race-with-gop-at-crossroads/

ドナルド・トランプ前大統領は、共和党が再び彼の背後に集結することを期待して、カムバックを目指している。一方で共和党の一部が、彼を3度目の大統領候補として指名することは、投票所での失敗を招くと懸念している。

トランプ前大統領は火曜日の夜、フロリダ州のマーアラゴの邸宅から2024年の大統領選挙キャンペーンの開始を発表し、バイデン大統領の下で国が無政府状態(anarchy)に陥ったと主張し、政権1期目の政策の成功を繰り返すことができると述べた。

しかし、2021年1月6日の暴動と2度目の弾劾という状況の中で、大統領の座から去って以来、共和党員の一部からトランプから離れるべきだという声が大きくなっている時に、彼は大統領選挙出馬を表明した。

トランプは、コロナウイルスの大流行が始まる前の好調な経済、貿易取引の手直し、アメリカを外国の紛争から遠ざけてきた国際関係への果敢な取り組みを、自分の新たな任期で努力すべき課題として指摘した。

しかし、トランプは、共和党の一部がトランプの成功する力について大きな疑念を抱いているがこれを無視し、新型コロナウイルス対応や1月6日の連邦議事堂での暴動における彼の役割について言及を避け、共和党の中間選挙の予想外の成績の責任を負わなかった。

トランプは「投票はもっと違うものになるだろう。2024年だ、皆さん、準備はできているだろう?」 と述べ拍手喝采を浴びた。そして、「私も準備ができている」と続けた。

共和党は、先週行われた中間選挙の余波を受け、大勝利が期待されたものの実現できなかった。連邦上院では民主党が過半数を維持し、連邦下院は共和党が期待されたより少ない差で過半数を奪還するようだ。

党内の一部の有力者にとっては、この選挙は状況が大きく変化する変曲点(inflection point)の役割を果たした。多くの人がトランプ氏の名前をはっきりとは挙げなかったが、彼らのメッセージは明確だった。そのメッセージとは、「共和党はトランプをあらゆる活動の中心にすることから離れるか、それとも2024年に更に痛烈な敗北を喫するリスクを冒すかを選択できる」というものだ。

連邦上院少数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は火曜日、「無党派層や穏健派の間では、党の指導的立場にある人々の多くが、混乱や否定的な態度、過剰な攻撃に巻き込まれているという印象を持たれており、それが無党派層や穏健派の共和党支持者を怖がらせている」と述べた。

トランプと4年間一緒に仕事をしたマイク・ペンス前副大統領はシリウスXMに出演し、中間選挙で最も良い成績を収めた候補者は、インフレや犯罪などの大きな問題に対して前向きな解決策を提示し、一方で「前回の選挙について再び争うことに焦点を当てた候補者たちはそれほど良い成績を収めなかったと思う」と述べた。

ジョシュ・ホウリー連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)は、2022年の中間選挙をについて「私たちが知っている共和党の葬儀だ」と評した。

そして、2024年の共和党の大統領候補として、おそらくトランプの最大のライヴァルと見られているフロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は、多くの有権者の間でのバイデン大統領の不人気ぶりを共和党が活用することができなかったことに懸念を示した。

デサンティスは火曜日に「バイデンがホワイトハウスにいて、失敗を目の当たりにしても、無党派層が私たちの候補者に投票しなかった。これは問題だ」と述べた。

共和党の予想外の中間選挙での成績の責任の一部は、本選挙で敗北した連邦上院、連邦下院、州知事の候補者たちが予備選挙を通過するのに貢献したトランプにあるのだと主張する共和党の政治家や党員たちが存在する。

トランプは演説の中で中間選挙の結果に言及し、共和党が当然の批判に晒されていることを認めた。しかし、その批判は自分に向けられるべきものではないとトランプは述べた。

トランプが最も注目し、最も強力に推薦した候補者たちの多くが本選挙で敗退した。ペンシルヴァニア州連邦上院議員選挙と州知事選挙の候補者だったメフメト・オズとダグ・マストリアーノ、アリゾナ州連邦上院議員選挙と州知事選挙の候補者だったブレイク・マスターズとカリ・レイク、ミシガン州知事選挙候補者のテューダー・ディクソン、ウィスコンシン州知事選挙のティム・ミシェルズ、ニューハンプシャー州連邦上院選挙のドン・ボルドゥなどの名前が挙がる。

トランプは、共和党の劣勢を有権者のせいにして、バイデン政権の政策がいかに自分たち有権者の生活にとって悪いものかをまだ理解していないのだと示唆した。

トランプは「我が国の市民は、我が国が経験している痛みにまだ気づいていない。彼らはまだそれを感じていないのだ。しかし、彼らはすぐに感じるようになる。2024年までに、悲しいことだが状況はずっと悪くなり続け、何が起こったのかずっとはっきりと分かるようになるのは間違いない」と発言した。

中間選挙の結果を受けて、トランプの共和党内での影響力は、おそらくホワイトハウスを去った直後以来、最も不安定な状態にある。トランプが数ヶ月をかけて2020年の選挙をめぐって支持者たちを熱狂させ、16日の連邦議事堂での暴動で最高潮に達した後、多くの共和党員がトランプ氏と距離を置く準備を整えているように見える。

トランプへの批判は薄れ、共和党の多くは2年間トランプに忠実であったが、今問われているのは、保守派の一部の間では、重荷を背負うことなしに、トランプの政治ブランドを継承できる候補に移ろうという動きをトランプ前大統領が食い止めることができるかどうかという疑問が生じている。

ペンスは2024年の大統領選挙への立候補を考えていることを示唆しており、マイク・ポンペオ前国務長官も同様だ。両者とも、トランプの選挙戦開始が自身の決断に影響を与えることはないと述べている。

一方、デサンティスは、先週行われた再選を目指した知事選挙で地滑り的勝利を収め、フォックス・ニューズや『ニューヨーク・ポスト』紙から好意的に報道され、保守派の多くにとって一躍スターとなった。

中間選挙での支持に関して、トランプと対立した保守系団体の「クラブ・フォー・グロース」は、2024年の出馬表明前夜に世論調査を発表し、アイオワ州やニューハンプシャー州といった予備選挙が初期段階で実施される各州や、トランプの地元フロリダ州での一対一の勝負でデサンティスがトランプをリードしていることを明らかにした。

しかし、今週発表された『ポリティコ』誌・モーニング・コンサルト社の共同世論調査では、共和党員および共和党寄りの無党派層の47%が、もし今日大統領予備選挙が行われたらトランプを支持すると答えたのに対し、フロリダ州知事デサンティスを支持すると答えたのは33%で、トランプにより有利な結果となっている。

2015年以降、共和党はトランプのイメージに影響されて構成されてきた。トランプは、移民、国際的な同盟、貿易について、共和党が議論する方法を再形成した。彼は数多くの新しい有権者を取り込み、オハイオ州やフロリダ州といった州での共和党の優勢を強固にし、熱心な支持者を育て、党内で驚くほど高い支持層を形成した。

しかし、トランプは、予測不可能な行動、自分を批判したり反対したりする人々への絶え間ない個人攻撃、2020年の選挙が盗まれたというデマへの固執、ビジネス取引や機密文書の取り扱いをめぐる法的問題(後者は、火曜日の夜に出馬発表した場所の捜索にまでなった)により、無党派や穏健派の有権者をも遠ざけてきた。

火曜日の出馬表明演説は、共和党が当分の間トランプの政党であり続けるのか、それとも有権者が前進する準備ができたのかについて意思決定ための長いプロセスの始まりとなった。

トランプは、「これから始まる旅は簡単なものではない。この不正にまみれ腐敗したシステムに真に挑もうとする者は、少数の者しか理解できないような火の嵐に直面することになるだろう」と語った。

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トランプが2024年の大統領選挙出馬を表明(Trump announces 2024 run for president

マックス・グリーンウッド筆

2022年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3541693-trump-announces-2024-run-for-president/

フロリダ州パームビーチ発。共和党への影響力を疑問視されている中、ドナルド・トランプ前大統領は火曜日、2024年のホワイトハウスを目指す選挙への参戦を表明した。

中間選挙の結果が予想よりも悪く、共和党が長い間期待していた「赤い波」が起きず、結果として共和党内で非難合戦が繰り広げられた。そのわずか1週間後に、トランプはフロリダ州パームビーチの私邸兼クラブであるマーアラゴで待望のイヴェントを開催し、大統領選挙出馬を発表した。

金色に輝く舞踏場で12枚のアメリカ国旗に挟まれたトランプは、大統領執務室での記録を自慢し、しばしば誇張して、共和党が「議会を奪取した(taken over  Congress)」、ナンシー・ペロシ連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)を「解雇した(fired)」と主張し、共和党の中間選挙の成績を擁護するイヴェントの開始演説を行なった。

共和党の中間選挙の失敗について、トランプは「アメリカ国民が私たちの国が経験している痛みの全容と重大さにまだ気づいていない」と主張した。

トランプは次のように語った。「私たちは常に、これが終わりではないことを認識している。アメリカン・ドリームを救うための私たちの戦いの始まりに過ぎないのだ。アメリカを再び偉大で輝かしい国にするために(In order to make America great and glorious again)、私は今夜、大統領選挙への出馬を表明する」。

トランプ前大統領は火曜日、2020年にバイデン大統領に再選を阻止された後、カムバックする可能性を示唆していたが、それを実行に移した。落選して以来、トランプは、広範な選挙不正(voter fraud)と組織的不正行為(systemic irregularities)によってホワイトハウスでの2期目が奪われたという誤った主張に固執し続け、共和党内一部からは、これによって重要な中間選挙を犠牲にしたという主張が出ている。

火曜日に大統領選挙出馬を発表した際に、トランプは「中国が2020年の選挙に非常に積極的な役割を果たした可能性」を示唆した。また、選挙では紙の投票用紙のみを使用すべきであると主張し、期日前投票を廃止するよう求め、共和党の一部が期日前投票や郵送による投票を重視するよう最近求めていることについてけん制した。

火曜日に、トランプにとっての4回目となる大統領選挙の選挙戦がスタートした形になった。彼が真剣に政治家として出馬するのは今回が3回目だ。しかし、トランプは2015年に初めてホワイトハウスへの立候補を成功させた時とは全く異なる立場で2024年の選挙戦に臨むことになる。

トランプはもはや、アメリカ南部国境に「壁を作る(build the wall)」、ワシントンの「沼の水を抜いてきれいにする(drain the swamp)」という大げさで物議をかもす公約で共和党支持の有権者を獲得した実業家、リアリティ番組のスターにとどまらない存在となった。

多くのアメリカ人にとって、トランプは、人生のあらゆる面で勝者であるという自分の評判を保つため、政権の平和的な権力移譲を妨害しようとした政界の除け者(political pariah)である。

2020年の選挙での敗北をひっくり返そうとするトランプは、議会の調査の中心に置かれ、かつて彼の政治的知名度を高めるのに役立ったツイッターなど、最大のソーシャルメディアプラットフォームから疎外されている。

トランプは更に、彼自身のビジネスに関する調査から2021年1月6日の連邦議会議事堂での暴動における彼の役割に関する調査まで、複雑な法的脅威の網の中心にいることに認識している。8月には、機密文書に関する調査の一環として、FBI捜査官たちが南フロリダ州のマーアラゴの敷地に踏み込んだが、これは前例のない動きだ。

トランプはまた、弱体化した状態で選挙戦に臨んでいる。共和党は、2022年にいわゆる「赤い波」が来ると長い間期待していた。バイデンと民主党の議会支配に対する恨みが、共和党を多数派に押し上げると信じていたのだ。

しかし、今回の選挙では、かなり雲行きが怪しくなってきた。共和党は連邦下院では僅差で過半数を確保する構えだが、連邦上院では主導権を握る機会を逸した。この失敗は、多くの共和党員は、トランプの存在とトランプが共和党の予備選挙に繰り返し介入したことに起因すると考えている。

実際、アドヴァイザーの中には、中間選挙後、ある程度の時間が経過するまで出馬発表を延期するようトランプに促した者たちがいたとも伝えられている。

しかし、他のアメリカ人にとっては、トランプは不透明な連邦官僚制度をブルドーザーで破壊し、ますますグローバル化し相互接続が進む世界でアメリカの最善の利益を擁護しようとした先見の明がある人物であることに変わりはない。

そして実際、トランプが2024年の大統領選に向け、心機一転して新しい主張を行う兆しはない。火曜日に発表された彼の声明は、彼の政治キャリアを特徴づけてきたテーマと呼応している。バイデン政権下でアメリカは弱体化したと述べ、制御不能のインフレと移民に憤慨し、中国が再びアメリカを利用し始めたと主張した。

トランプは、自分の大統領時代にアメリカに「黄金時代(golden age)」をもたらしたとし、現在、アメリカは「衰退する国(a nation in decline)」になっていると述べた。

トランプは次のように語った。「私たちのリーダーシップの下で、私たちのアメリカは偉大で輝かしい国だった。この時のアメリカは皆さん方がかなり長い期間見聞きしたことがないものだった。今、私たちのアメリカは衰退し続けている。失敗した国(a failing nation)となっている。何百万人ものアメリカ国民にとって、ジョー・バイデン政権下の過去2年間は、苦痛と苦難と絶望の時となった」。

しかしながら、トランプの演説は普段の激しい暴言に比べると控えめな時もあった。2020年の選挙が自分に不利になるように操作されているという彼の誤った主張について長々と話すことはなく、中間選挙の成績が振るわなかった共和党を前にして冷静さを演出しようとした。

枕の販売で有名になった超保守的な実業家マイク・リンデルのような強固な政治的同盟者を含む支持者の群衆を前に、トランプは1時間以上演説を行った。それでも、時折、聴衆が熱狂的でないように見えることがあった。トランプは演説中、拍手やチャントを引き出したが、大規模な集会の騒々しい雰囲気に比べれば、控えめな反応が多かった。

全く予想外という訳ではないが、2024年の大統領選挙へのトランプの参戦表明は異例のタイミングとなった。

中間選挙は終了したものの、ジョージア州の連邦上院議員選挙の決選投票までまだ3週間あり、共和党の中にはトランプ大統領の出馬が同州の選挙戦に与える影響を危惧する者もいる。

また、トランプは現在のところ共和党で最も人気のある人物であり続けているが、彼が7年前に始めた政治運動の旗手兼指導者として最適かどうかという疑問も出ている。

トランプは依然として多くの有権者の間で不人気だ。2022年の中間選挙の出口調査では、トランプは、好感度が水面下に深く沈んでいるバイデンよりも人気がないことが明らかになった。火曜日に発表された『ポリティコ』誌・モーニング・コンサルト社共同の世論調査では、有権者の65%が、トランプが再びホワイトハウスに立候補すべきだとは考えていないことが分かった。

初期の世論調査では、トランプ氏は2024年の共和党大統領選の最有力候補とされていた。しかし、フロリダ州のロン・デサンティス知事を筆頭に、他の候補者が追い上げている兆しもある。トランプの長年の盟友であるデサンティス知事をホワイトハウスの最有力候補と見る共和党所属の連邦議員の数は増えている。

デサンティスは大統領選への野心を抱いているという考えを否定しているが、2024年の立候補を直接否定はしていない。中間選挙で19ポイントの差をつけて地滑り的勝利を収め、2期目の知事の任期を担当することになったことが、大統領選出馬の論拠が強まっている

複数の共和党員やストラティジストは、アメリカ全土の共和党員の間でデサンティスの知名度が高まっていることが、トランプがこれほど早く選挙戦に飛び込むことを決めた理由の1つかもしれないと分析している。

スタートしたばかりの2024年の大統領選挙レースの力学について率直に話すために匿名を要求したある共和党の大口献金者は「大統領は先手を打ちたいのだ」と述べている。彼は続けて「毎日、自分の存在意義が少しずつ失われていることをトランプは知っているのだろう。彼の考えは 他の誰かが来る前に、自分を売り込むことだ」とも語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 今年2022年はアメリカでは中間選挙(連邦上院の一部・連邦下院の全議席・州知事の一部)が実施される。ジョー・バイデン政権と民主党が過半数を握っている上下両院の仕事ぶりに対する、「中間試験」が実施される。現在のところ、民主党が上下両院で過半数を失う見通しとなっている。バイデン大統領の仕事ぶりに対しては、低い支持率となっている。

 2024年には大統領選挙が実施される。現在のバイデン大統領の低支持率のため、「2024年大統領選挙にバイデンは出られない、バイデンは出るべきではない」という考えが広まっている。そうした中で、2024年の大統領選挙で、「ヒラリー・クリントンが出るべきだ」という声も上がっているようだ。また、「バイデンが出るならば共和党のリズ・チェイニーを副大統領にして超党派の政権を目指すべきだ」「とりあえず民主党と共和党の連合政権を目指すべきだ」という考えが出ている。以下の記事にあるように、『ニューヨーク・タイムズ』紙の著名なコラムニストであるトーマス・フリードマンがこのような考えを述べている。

 二大政党制であるアメリカで、民主党と共和党が連合を組んだら誰と戦うのかということが問題になる。第三党もあるにはあるが、その勢力は吹けば飛ぶようなものだ。民主党と共和党が連合政府となれば実質的には一党独裁と変わらない。トーマス・フリードマンはそこまでおかしくなっているのかと驚くばかりだ。
joebidenlizcheney505

リズ・チェイニーとグータッチをするバイデン
 しかし、トランプ対反トランプということならば戦いになる。ポピュリズム対エスタブリッシュメントとの戦いとも言い換えることができる。しかしそうなれば、現在の民主、共和の二大政党制の枠組みは変更しなければおかしなことになる。「人民の生活が一番党(America First Party)」対「ワシントンのエスタブリッシュメントが一番党(Washington DC First Party)」とでもしなければならない。

 「バイデンでは勝てない」「トランプが再び出てきて勝利してしまう」という恐怖感が、民主党内を支配しているようだ。今年の中間選挙において上下両院で民主党が過半数を失えば、政権運営はますます厳しくなるばかりで、バイデンの年齢も考えると2024年の大統領選挙は別の人でということになるのは自然だ。しかし、副大統領であるカマラ・ハリスの評価も低いままということになると、「ここはやっぱりヒラリーで」という考えが出てくる。しかし、それは時計の針を強引に戻すようなものだ。

 そこで出てくるのが「トランプの当選を阻止する」ということに主眼を置いた、ワシントンDCのエスタブリッシュメント連合である「民主党のバイデン大統領と共和党のリズ・チェイニー副大統領」の超党派政権の発足ということだ。リズ・チェイニーが反トランプの旗頭であることはこのブログでも再三ご紹介した。「民主政治体制を守るため」と言いながら、このような民主政治体制を愚弄するような馬鹿げた考えが出てくるというのは、アメリカの断末魔を聞いているかのようだ。

 そして、ドナルド・トランプ前大統領の影響力の大きさに驚くばかりだ。中間選挙での共和党側議員たちの構成もどうなるのか、という点にも注目していかねばならない。

(貼り付けはじめ)

ヒラリーが2024年に?戦いということを考えるならば、ヒラリーが民主党側にとって最高の希望ということになるかもしれない(Hillary 2024? Given the competition, she may be the Dems' best hope

ジョー・コンチャ筆

2021年12月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/585843-hillary-2024-given-the-competition-she-may-be-the-dems-best-hope

来たる2024年に行われるホワイトハウスの主の座をめぐるレースは再戦という形になる可能性がある。しかし、私たちは「バイデン対トランプ・ラウンド2」について話しているのではない(なんてことだ)。

そうではなくて、2016年の大統領選挙民主党候補だったヒラリー・クリントンが、80代になるジョー・バイデン大統領が2期目を目指さないことを決めた場合、有力な候補者を探さなければならないが、その選考の過程で興味深い存在となる。このように考えられる理由は何か?IアンドITIPPによる世論調査の結果によると、バイデンに2期目も大統領を務めて欲しいと考える有権者は22%しかいなかった。民主党支持者に限って言えば、バイデン大統領の2期目に向けた出馬を望む有権者はわずか36%で、「他の誰か」と名付けられた、ある大物候補は44%の支持を得て1位になっている。

民主党のベンチは、最近のニューヨーク・ジェッツ並に厳しい状況になっている。カマラ・ハリス副大統領はどうだろうか?USAトゥディ紙の世論調査によると、彼女の支持率は28%だった。アンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事はどうだろうか?彼はもう知事の座から追い落とされ、徹底的に痛めつけられた。ギャビン・ニューサム州知事(カリフォルニア州選出、民主党)はどうだろうか?彼は今年(2021年)初めにリコール選挙の対象となり、民主党が圧倒的に優位なカリフォルニア州で州知事の座から追放されるのを避けるために、多くの時間と資源を選挙対策に費やさなければならなかった。

ピート・ブティジェッジ運輸長官はどうだろうか?40歳になったばかりで、政治家としての経歴における知識と経験不足が指摘されている。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)はどうだろうか?エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はどうだろうか?コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)はどうだろうか?

こうした人々が選択肢の中に入るのなら、ヒラリーが入らないということがあるだろうか?ヒラリーは現在74歳だ。バイデンに比べれば、まるで若返りの泉に浸かっているようなものだ。そして彼女は、5年経った今でも、実際にドナルド・トランプに負けたことに呆然としている。実際、ヒラリーは自分が負けた理由や、どうせ選挙はトランプとロシアに盗まれたのだ、とずっとぶつぶつと文句を言っている。この敗北を素直に受け入れていない点ではヒラリーとトランプと変わらないようだ。このような発言はトランプにとっては受け入れがたいのだが、ヒラリー(あるいはステイシー・エイブラムス)がやればOKなのだ。不公平な感じであるが、ルールはルールだ。

トランプがホワイトハウスを奪還する可能性について、ヒラリー・クリントンは最近になって次のような警告を発した。「私たちは、これらの嘘や虚偽情報、法の支配や制度を弱体化させる組織的な努力に屈するのか、それとも立ち向かうのか?」。

そうなのだ、これは現実的な可能性を持っているのだ。最近実施された複数の世論調査の結果によると、「2024年の大統領選挙でトランプ対バイデンとなったらどちらを支持するか?」という仮説的な質問について、トランプがバイデンを上回っている。昨年(2020年)のアメリカ大統領選挙で民主党候補者だったジョー・バイデンがアメリカ史上最多の得票数8100万票をかくとくしたことを考えると、この結果は驚くべきものだ。

ヒラリーが2024年大統領選挙に出馬するかもしれない可能性を示すもう一つの兆候は、2016年に読むはずだった勝利演説を読むという彼女の奇妙な決定の形で現れている。これは「マスタークラス」というヴィデオ配信の一部で行われた。それは、読者である皆さん方が今までに見たこともないような、最もぞっとするようなものだった。

元大統領夫人(ファーストレディ)、連邦上院議員、国務長官を務め、民主党大統領選挙候補となった人物が、選挙の敗北演説を読んだ。もちろん、もし私が『ニューヨーク・タイムズ』紙から85%の確率で当選すると言われた選挙で、一度も公職に就いたことのない人物に負けたとしたら、私だって納得して受け入れられないだろう。

しかし、いずれは、5年以上経ったヒラリーが、気品を示すと思う人もいるだろう。謙虚さとある程度の成熟を示すことになるだろうと。そして、もうこのことについて頻繁に話すことはないだろう。

その代わりに、ヒラリーはまだ前面に立っている。5年前に読むはずだった勝利演説を読む敗北候補、それがヒラリーだ。敗北した大統領選挙候補がこんなことをしたことがあるのかと聞かれたら 答えはノーだ。

2016年大統領選挙以来、ヒラリーは、女性差別、性差別、有権者ID法、バーニー・サンダース、前FBI長官ジェームズ・コミー、マット・ラウアー、その他数十の要因とともに、敗因を非難している。(彼女はウィスコンシン州での選挙活動を怠ったことや、“私は彼女と共にある(I'm With Her)”が掴み所のない選挙スローガンであったことは取り上げていない)

ヒラリーの行動は、白昼公の場所で5年間公開セラピーを続けているようなものだ。そして、まともな世界なら、こんな演説を読んだ彼女は失笑されたことだろう。しかし、これはむしろ、クリントンというブランドに対する欲求がまだあるかどうかを確かめるための試運転のように感じられた。

カマラ・ハリスはバイデンのプランBとなるはずだった。彼女は我が国の歴史上初の女性大統領になるよう仕向けられるはずだった。しかし、ハリス副大統領にとってはうまくいっていない。ハリスは既に、世論調査の支持率の数字が低いおかげで、政府高官たちが驚くべき速さで離反している。

ヒラリー・クリントンは、「女性初の大統領」という称号が自分にとって生まれながらの権利であると常に考えていたようだ。そして、ジョー・バイデンが出馬するかどうかにかかわらず、民主党側の人材がいかに哀れであるかを考えると、彼女は、夫があれほど威信を傷つけた米国大統領職を勝ち取るための2度目のチャンスを得ることができるかもしれないのだ。

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ヒラリー・クリントンが2024年大統領選挙でトランプが再び出馬するだろうと予測(Clinton predicts Trump will run again in 2024

マウリーン・ブレスリン筆

2021年12月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/media/585518-clinton-predicts-trump-will-run-again-in-2024

元米国国務長官で2016年大統領選挙民主党候補だったヒラリー・クリントンは、トランプ前大統領が2024年にもう一度大統領の座を狙うとの見方を示し、彼が再び当選した場合、アメリカの民主政治体制の「終焉を迎える可能性がある」と述べた。

クリントンは、NBCのテレビ番組「サンデー・トゥデイ」で放送された、NBCのウィリー・ガイストとのインタビューでこのように述べ、更に「私は賭け事はしないのだが、もし賭け事をする人間ならば、現在の時点では、トランプが再出馬すると言うだろう」とも述べた。

ヒラリーは更に「トランプが準備をしているように見える。そして、彼がこれまで起こしたことの責任を取らないとなれば、また同じことを繰り返すことになる」とも述べた。

ヒラリーはまた、共和党がトランプという「煽動政治家(デマゴーグ)」に乗っ取られていると批判し、彼女の元同僚である共和党議員たちが「選挙に通って議員を続けるために、自分たちの信念を壁にかけてしまっている」と述べた。 "オフィスに入るときに背骨を壁に掛けている

ヒラリー・クリントンは、トランプが再び大統領になる場合、それは民主政治体制にとっての重要な「分岐点」となるだろうと予測した。

ヒラリーは次のように述べた。「民主政治体制の終焉になるだろうと考えている。あまり過激なことを言うつもりはないが、今が分岐点になり得ることを理解してもらいたい。もし、トランプ自身や彼のような人物が再び大統領に選ばれ、彼の言いなりになる議会を持ったとしたら、皆さんはそれがアメリカ、私たちの国だなどとは考えないだろう」。

ヒラリーは、2016年の大統領選挙で敗北を喫したことについて「責任と罪悪感を持つ瞬間があった」とも述べた。

ヒラリーは次のように語った。「私は人々に警告を発しようとしていた。これは本当に危険なことなのだと訴えようとした。トランプが同盟を結んでいる人たち、彼らが言っていること、彼がするかもしれないことは本当に危険なのだと。ジム・コミーと大統領選挙の10日前に彼が行った決定がなければ、私は勝利していただろうと今でも考えている」。

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ヒラリー・クリントンが2016年大統領選挙で読むはずだった勝利演説を初めて公の場で読み上げる(Hillary Clinton publicly reads her 2016 victory speech for the first time

2021年12月10日

ロイター通信

https://www.reuters.com/markets/rates-bonds/hillary-clinton-publicly-reads-her-2016-victory-speech-first-time-2021-12-10/

2021年12月10日付(ロイター通信)。ヒラリー・クリントンは、2016年大統領選挙でドナルド・トランプ前米大統領に勝利した場合に行うはずだった勝利演説を初めて公の場で読み上げた。

前米国務長官であり大統領夫人を務めたヒラリーが立ち直り力(レジリエンス、resilience)について行う「マスタークラス」というヴィデオ配信での授業において、勝利演説の一部を朗読したと、ヴィデオ配信「マスタークラス」は木曜日にプレスリリースで発表した。

「この授業では、2016年の大統領選挙に勝っていたら行いたいと思っていた勝利演説を皆さんと共有したいと思います。これを通じて私の最も公的な敗北の1つに正面から向き合おうと思います 」と、「NBCトゥディ」のトークショーのウェブサイトにあるヴィデオのナレーションでクリントンは言った。

ヴィデオ映像で、クリントンが原稿を開き、団結の重要性に触れた演説の抜粋を読み上げた。

「アメリカ国民の皆さん、今日、皆さんは全世界にメッセージを送りました.私たちは、お互いの違いによってのみ定義されることはなく、“私たち対彼ら”という分断の国でもありません。アメリカン・ドリームは全ての人にとって十分な大きさです」と彼女は読んだ。

そして、ヒラリーは、米国初の女性大統領となった彼女の勝利が、「アメリカと世界にとって画期的な出来事であった」と演説の中で指摘した。

勝利演説には、「私は、女性が選挙権を持つ前に生まれた女性に会ったことがあります。なぜ女性が大統領になったことがないのか、理解できない少年少女に会ったこともあります」と書かれている。

演説には、「私の勝利は、全てのアメリカ人、男性、女性、少年、少女の勝利です。なぜなら、私たちの国が再び証明したように、天井がないとき、空は無限大だからです」と書かれている。

亡き母の過酷な幼少期や、過去に戻れるなら勝利のために何を言ったかなどを話す際に、ヒラリーは涙ぐんでしまった。ヒラリーの母ドロシー・ハウエル・ローダムは2011年に92歳で死去した。

ヒラリーは「私の夢は、彼女のところに行き、“私を見て、私の話を聞いて。あなたは生き残り、自分の良い家庭を持ち、3人の子供を持つことができた”と言うことです」と語った。

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バイデンが2024年の大統領選挙でハリスが副大統領候補になると発言(Biden says Harris will be his running mate in 2024

アレックス・ガンギターノ筆

2022年1月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/590487-biden-says-harris-will-his-running-mate-in-2024?utm_source=thehill&utm_medium=widgets&utm_campaign=es_recommended_content

バイデン大統領は水曜日、2024年大統領選挙でハリス副大統領が自分の伴走者(副大統領候補)になると明確に述べた。これは彼が出馬することを示している。

バイデンは、ハリスの投票権法案に関する活動に満足しているか、また、彼女が伴走者になることを約束できるかという質問に対して、「両方の質問に対する答えは、はい、そうですとなる」と答えた。

バイデンは、ホワイトハウスでの2回目の単独記者会見で、自分の答えについて追加の説明をしたいかと聞かれ、「その必要はない」と答えた。

「彼女は私の伴走者になる。そして第二に、私が担当させたのだが、彼女は良い仕事をしていると思う」とバイデンは述べ、ハリスが投票権法案について主導していることに言及した。

記者会見のタイミングは、水曜日に投票権に関する法案を推進する連邦上院の民主党議員たちが、投票権に関する法案を可決するためにフィリバスターを変更することを支持するよう同僚に最終的な嘆願を行ったのと一致する。

ハリスは、月曜日のマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーを記念して、投票権に関する法案を可決することによって公民権の巨人の遺産を尊重するよう議員に促した。

先週、ハリスは2024年大統領選挙で大統領選挙候補者として出馬するかどうかに関する質問について全く気にしないと述べた。そして、こうした質問は「ワシントンD.C.のような場所でよくある評論やゴシップの一部」とも述べた。

「バイデンは2024年にリズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)を副大統領候補に据えて、超党派の大統領選を行うべきだ」という『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムが発した提案について、NBCのクレイグ・メルヴィンから質問された。ハリスはその記事を読んでいないと述べ、「私はこのような問題についての高級なゴシップには本当に関心がない」と付け加えた。

しかし、ハリスは先月(2021年12月)、『ウォールストリート・ジャーナル』紙の取材に対し、バイデンと2024年の選挙戦について議論したことなどないと述べ、2024年大統領選挙民主党候補指名に関する憶測に拍車をかけた。

バイデンと側近たちはこれまで繰り返し、バイデンが2024年の大統領選挙に、2期目を目指して出馬する計画だと述べてきた。しかし、彼の年齢が79歳であること、そして最近の世論調査での支持率が下落し続けていることから、将来の計画について常に疑義が出ているのが現状だ。

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『ニューヨーク・タイムズ』紙コラムニストが2024年大統領選挙でバイデン・チェイニーのコンビを主張(NYT columnist floats Biden-Cheney ticket in 2024

ドミニク・マストランジェロ筆

2022年1月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/media/589363-nyt-columnist-floats-biden-cheney-ticket-in-2024

『ニューヨーク・タイムズ』紙のあるコラムニストが、2024年大統領選挙で、バイデン大統領が共和党のリズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)と組んで超党派の態勢で大統領選を戦うことを提案している。

コラムニストのトーマス・フリードマンは木曜日のコラムで次のように書いている。「これが民主政治体制への脅威を打ち倒すための民主的な方法である。この方法を採用しないことは、民主政治体制の滅亡につながる道だ。これがかなり実現不可能な内容だということを私はちゃんと分かっている。アメリカは議会制度の柔軟性を持っておらず、また比例代表システムを採用していない。しかしそれでも、私はこの方法を提案する価値があると思う。現状は、前例のないほど民主政治体制の崩壊に近づいているのだ」。

フリードマンは、最近、多様な国民連合政府が発足したイスラエル・パレスチナの舞台を、米国も見習うべきなのかと考えたと書いている。

「2024年にアメリカが必要としているのは、ジョー・バイデンとリズ・チェイニーというチケットなのか?あるいは、ジョー・バイデンとリサ・マコウスキー、カマラ・ハリスとミット・ロムニー、ステイシー・エイブラムスとリズ・チェイニー、エイミー・クロブシャーとリズ・チェイニーか?あるいは他の組み合わせでもいい」とフリードマンは書いている。

チェイニーは、2021年1月6日のアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件以降、トランプ前大統領とその同盟者たちを批判する代表的な人物として登場した。チェイニーは、襲撃事件を調査する議会特別委員会で共に務める民主党議員たちと同様に、2020年の大統領選挙の完全性に関してトランプが繰り返した虚偽の主張が襲撃事件を引き起こし、選挙に対する国民の信頼を脅かし続け、政治暴力のリスクを高めていると述べている。

政治学者のスティーブン・レヴィツキーはフリードマンに次のように語った。「民主党とのイスラエル型の連合の一部として、リズ・チェイニーについて話す用意があるべきだ。今、最優先の目標はただ一つ、民主主義体制を守ることだ」。

レヴィツキーは続けて次のように述べた。「普通の選挙と同じように扱えば、我々の民主政治体制はコイントス(coin flip)の確率で生き残ることができる。そのような確率は、私は実行したくありません。これは、普通の「ロバ対ゾウ(共和党対民主党)」の選挙ではないことを、国民とエスタブリッシュメントに伝える必要がある。これは民主政治体制対権威主義支持者の選挙なのだ」。

フリードマンは、バイデンが定期的にフォローしているとされるメディアの人物の一人であると言われている。フリードマンは昨年夏、中東のイスラエル人とパレスチナ人の対立をうまく和らげることができれば、大統領はノーベル平和賞を受賞する可能性があると書いている。

フリードマン氏のコラムは、2024年の大統領選挙にヒラリー・クリントン前国務長官が出馬するという「もっともらしい」シナリオを示唆する『ウォールストリート・ジャーナル』紙の論説が広く共有されたのと同日に掲載された。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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