古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:大統領

 古村治彦です。

 

 アメリカで行われた最新の世論調査の結果、調査対象の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた、ということです。59%が弾劾手続き開始に反対、35%が弾劾手続き開始に賛成、6%が分からないと答えたとそうです。

stateoftheunionaddressdonaldtrump002

 

 民主党支持者の66%、共和党支持者の6%、無党派の30%が弾劾手続き開始に賛成ということです。共和党支持者の6%という数字は分かりますが、民主党支持者の66%という数字は意外に低いなという印象です。前回ご紹介した別の世論調査の結果では、民主党支持者のトランプ大統領への不支持率は8割を超えていました。大統領を弾劾するということはそれだけ重いことであり、軽々に行うべきではないとアメリカ国民の多くが考えているのでしょう。

 

 年齢別では若い年齢層の人々の方がトランプ大統領弾劾手続き開始に賛成しているということです。それでも18歳から34歳までの人たちで42%ですし、それより上は3割台、65歳以上の人々では29%ですから、やはり全体として大統領を弾劾すべきではない、ということだと思います。

 

 連邦議会でも民主党執行部は慎重な姿勢を取っているようです。弾劾手続きを始めて、連邦上院で否決となれば、民主党側にダメージがありますし、決定的な証拠がない以上、感情的に「トランプ大統領は不適格だ」ということだけでは進められないということになります。連邦下院でも訴追決議が出来るかどうか、その過程で民主党内が分裂するということも考えられますので、どうしても慎重にならざるを得ません。

 

 ロシア疑惑の根本は、当時のトランプ陣営はロシアによる大統領選挙への介入があることを知っていたのか、依頼したのかということであって、更に言えば共謀したのか、という疑惑です。ロシアからすれば、民主党の候補者だったヒラリー・クリントンが大統領になればロシアに対して厳しい態度で臨んでくることは明らかでしたし、それを防ぐために何とかしてヒラリーを落選させねばならない、ということになります。そして、実際にヒラリーは落選しました。

 

 アメリカの複数の情報機関がロシアによる選挙介入があったという報告を出しているのは良いのですが、それではトランプ大統領がロシアに選挙介入を依頼したかどうか、一緒になって妨害活動を行ったのかどうか、ということが焦点になります。トランプの選挙陣営の幹部たちでロシア大使やロシア人と接触したという人たちが出たり、別の罪で有罪になったりした人たちが出て、話を複雑にしていますが、トランプ大統領自身が関与した決定的な証拠、ぐうの音も出ない証拠が出てくれば別ですが、そうでなければ弾劾は難しいということになります。

 

 弾劾の手続きは連邦下院が過半数で認めた場合には、訴追決議が可決ということになり、連邦上院で裁判が行われ、有罪かどうか決められます。裁判では、連邦下院議員の代表が検事役を務め、連邦上院議員が陪審員となります。裁判官は連邦最高裁判事です。連邦上院議員の3分の2以上の賛成があって弾劾決議ということになります。こうして見ると、弾劾まで至るのは大変なことだということが分かります。

 

 ロシア疑惑を別の角度から見ると、世界のデモクラシーのチャンピオンであるアメリカの国民がロシアの選挙介入にころっと騙されて、ロシアの思い通りの選挙結果を出したということです。世界中にデモクラシーのすばらしさを説き、世界中の国々がデモクラシーになれば万事解決、平和な世界になる、そのためにアメリカは特別な使命を与えられたのだ、などと威張っているアメリカ人が現代のデモクラシーの欠点を曝け出し、それにまんまと引っかかったということは、厳しい言い方をすればお笑い草ということになります。

 

 トランプ大統領が明日にも失職するのではないか、と日本でも専門家たちが嬉しそうに語っていましたが、トランプ大統領が選挙介入に同意し、依頼している音声録音記録でも出ない限りは、弾劾で失職ということはなさそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:アメリカ国民の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた(Poll: Majority of Americans says Trump should not be impeached

 

マイケル・バーク筆

2019年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/432683-poll-majority-of-americans-dont-believe-trump-should-be-impeached

 

キュニピアック大学の全国世論調査の結果が火曜日に発表された。世論調査対象者の過半数は、トランプ大統領が弾劾されるべきではないと考えていると答えた、ということだ。

 

調査対象となった有権者の59%が連邦議会はトランプ大統領に対する弾劾手続きを開始すべきではないと答え、35%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。残りの6%がトランプ大統領は弾劾されるべきかどうか分からないと答えた。

 

世論調査の結果は、トランプ大統領が弾劾されるべきかどうかについて党派性に沿って分裂していることが明らかになった。民主党支持と答えた調査対象の有権者の3分の2は連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。共和党支持の6%、無党派の30%が大害手続き開始を支持した。

 

より年齢の若い有権者たちは、連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。18歳から34歳の有権者の42%が弾劾手続き開始を支持した。

 

35歳から49歳までの人々の38%、50歳から64歳までの人々の36%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。65歳以上の人々の29%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。

 

ラシーダ・タリブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)とスティーヴ・コーエン(テネシー州選出、民主党)をはじめとする民主党所属の連邦議員たちはトランプ大統領の弾劾に賛成票を投じると表明している。大富豪の民主党の大口献金者トム・ステイヤーはトランプ大統領の弾劾を求めた。

 

しかし、連邦議会民主党執行部は弾劾に関する話を深刻化させないようにしている。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は先週、大統領の弾劾は「意見が分かれ、分裂を招く」問題だと発言した。

 

世論調査は2019年3月1日から4日にかけて、1120名の有権者へのインタヴューに実施された。誤差は3.4ポイントである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 南米大陸の北に位置するヴェネズエラは、ウーゴ・チャベス前大統領から引き継いだニコラス・マドゥロ現大統領が反米路線、社会主義を前政権に引き続いて採用しています。ヴェネズエラは豊富な石油埋蔵量に恵まれていますが、現在は経済状態が悪く、チャベス政権から続く路線に対する批判が国内にもあります。


nicolasmaduro005
ニコラス・マドゥロ

 

 アメリカの一部、共和党内のネオコン派と民主党内の人道的介入主義派としては、チャベス政権以来、ヴェネズエラの独裁政権を転覆させたい、というのが悲願になっています。自分たちの裏庭である中南米で、アメリカに逆らう、社会主義政権(これを独裁政権とレッテル貼りしています)を打倒したい、ということになります。


juanguaido005
フアン・グアイド

 

 ヴェネズエラでは反体制派の指導者であるフアン・グアイド(アメリカのワシントンDCにあるジョージワシントン大学卒業)が暫定大統領である、とアメリカをはじめ先進諸国が認め、分裂状態になっています。これは、アメリカお得意の「民主化(democratization)」「政権、政体の変更(regime change)」であり、「非民主的な政権の打倒(breakdown of nondemocratic regime)」から「民主政治への移行(democratic transition)」です。



 

 マドゥロ大統領はアメリカのABCテレビとの単独インタヴューに応じ、その中で、「トランプ大統領を取り巻いて助言をしている中に悪い人間たちがいる」と述べ、4名の名前を挙げました。ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官、エリオット・エイブラムス国務省ヴェネズエラ問題担当特別代表、マイク・ポンぺオ国務長官、マイク・ペンス副大統領です。この4人組はネオコン派です。

 

 マドゥロ大統領は、トランプ大統領を非難するのではなく、トランプ大統領の周りにいるネオコン派が悪いのだ(彼らを周囲に置くという決定はトランプ大統領がしているのですが)、ということで、トランプ大統領と彼を選んだアメリカ国民を責めてはいないという論法です。

 

 トランプ大統領は政府機能一時閉鎖、それを引き起こした国境の壁建設予算要求、一般教書演説の遅れての実施、更には国家非常事態宣言、ロシアゲート疑惑と国内では厳しい問題を抱えています。そこで外交に目を向け、そこで得点をすると考えるのは自然です。

 

 しかし、北朝鮮との非核化交渉は進展せず、中国との貿易交渉もうまくいかない(期限を延長しました)、となると、ヴェネズエラ問題は超党派で支持を得やすい問題となります。

 

 ボルトンは記者たちの取材を受ける際に、わざとらくしメモパッドに「ヴェネズエラにアメリカ軍5000名を送る」と書いて、それを写真に撮影させました。そうやって脅しをかけています。

 

 ヴェネズエラでマドゥロ大統領を追い落とし、アメリカの息がかかったグアイドを大統領に据えて、親米国にしてしまう、というのは甘美なシナリオに見えるでしょう。しかし、アラブの春の失敗、イラクやアフガニスタンでの状況などを批判して大統領になったトランプ大統領が、このシナリオに乗ってヴェネズエラに介入するのは危険であり、アメリカとヴェネズエラにとって不幸です。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヴェネズエラのマドゥロ大統領は、トランプ大統領を取り巻く「悪い」人々を恐れていると発言(Venezuela's Maduro says he fears 'bad' people around Trump

 

タル・アクセルロッド筆

2019年2月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/latino/431751-venezuelas-maduro-says-he-fears-bad-people-around-trump

 

ヴェネズエラ大統領ニコラス・マドゥロは、トランプ大統領は「悪い」政治高官たちに取り囲まれている、この人物たちがヴェネズエラ国内の政治上、人道上の危機が起きている間に、トランプ大統領に助言を行っている、と発言した。

 

マドゥロはABCとの独占インタヴューの中で、「私は彼の周囲にいる人々に危険を感じている」と述べた。

 

マドゥロは次のように述べた。「トランプ大統領を取り巻きヴェネズエラ政治について彼に助言を行っているこれらの人々は悪い人間たちだと思う。トランプ大統領は“待て待て、ヴェネズエラの立場に立って何が起きているかを見守らねばならない”と注意をしなければならない。そして彼の政治姿勢を変更しなければならない」。

 

トランプ政権は、マドゥロを辞任させ、アメリカとその他の大国がヴェネズエラの暫定大統領として認めた反対勢力の指導者フアン・グアイドに権力を掌握させるために経済制裁を強めた。マドゥロの発言はこのアメリカ政府の決定の翌日に行われた。今年初め、マドゥロは第2期目の大統領(任期は6年間)就任の宣誓を行ったが、アメリカはマドゥロが当選した選挙結果は正当ではない、無効だと宣言した。

 

路上における暴力的なデモに発展したヴェネズエラの指導者の地位をめぐる戦いについて、ホワイトハウスは平和的な解決を求めた。しかしながら、トランプ大統領はマドゥロを権力の座から追放するために軍事力を行使するという手段を選択肢から除外していない。

 

マドゥロは、トランプ政権の幹部たちの名前を挙げ、この人々がトランプ大統領に誤った助言を行っていると非難した。マドゥロは国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトン、国務省のヴェネズエラ問題のキーパーソン(訳者註:ヴェネズエラ問題担当特別代表)であるエリオット・エイブラムス、前CIA長官で現在は国務長官を務めるマイク・ポンぺオ、副大統領マイク・ペンスの名前を挙げた。

 

「ジョン・ボルトンは過激派で冷戦の専門家だ。エリオット・エイブラムスは嘘つきで中央アメリカと世界を舞台にして武器と麻薬の密輸を行い、アメリカに戦争をもたらした。私はマイク・ポンぺオを恐れている。CIAの工作員で、冷戦時代から続く伝統的な諜報活動のやり方を時代遅れのものにした。私はマイク・ペンスを恐れている。世界政治の何たるかを知らず、ラテンアメリカ政治について全くの無知だ」。

 

マドゥロは辞任する意思など全くないとし、自分はヴェネズエラ軍を監督下に置いていると述べた。軍隊の掌握は指導者の地位をめぐる戦いにとって重要な要素となる。国際社会との関係断絶の規模が拡大する中で、ヴェネズエラ国内で正式に指導者の地位を守るためには軍隊の掌握が不可欠となる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 いよいよ本日2019年2月27日から明日にかけて、ヴェトナムのハノイでドナルド・トランプ米大統領と金正恩北朝鮮国務委員会委員長との2度目の首脳会談が行われます。何か具体的な成果、非核化に向けたロードマップが出るのかどうか不明ですが、期待は低いものです。ただ、こうして首脳会談が継続されているということは、その間は何事も起きない、というだけのことですが、それが重要なのでしょう。

 

 北朝鮮の後ろには中国、更にはロシアがいるのですから、北朝鮮としては強気で出られますし、できるだけたくさんの好条件を獲得しようと駆け引きをしてくる、アメリカは攻撃をしないということを言ってしまっているので、なかなかうまくいかないということになります。トランプ大統領はWTOやNAFTAに関して、アメリカの交渉者たちが全くダメだったと批判してきましたが、アメリカは超大国であるがゆえに、交渉がうまくいかないということもあるのでしょう。

 

 トランプ大統領は中国との交渉と同意の期限を3月1日にまでとし、それ以降は中国からの輸入品にかける関税率を10%から25%に引き上げるとしていましたが、この期限を延長しました。関税率を引き上げれば必然的に、中国からの輸入品を使ったアメリカで販売される物品の価格は上がります。そうなれば企業の売り上げは落ちるでしょうし、人々の不満が大きくなります。物価が上がらずに給料だけが上がる、物価上昇率よりも狭量の増加率の方が高い、というのが理想ですが、そうはうまくはいきません。

 

 中国との貿易戦争は、1980年代の日本との貿易戦争の時のようにはうまくいきません。アメリカの属国である日本との貿易戦争は言ってみれば、最後は恫喝で解決が出来るものでしたが、中国に対しては、恫喝など効果はありません。

 

 そうなると、アメリカにとって麻薬のような奥の手が出てきます。それは、独裁者に苦しむ人々を助ける、というものです。その対象が現在はヴェネズエラということになります。ヴェネズエラに対して強硬な姿勢を取り続けるとそれだけで称賛される、という状態で、アメリカは全く変わらない、学ばない、進歩がないと思わせられます。ここに社会主義に対する言葉を入れると完璧で、社会主義は20世紀に人々の支持を失い、アメリカ型のデモクラシーと資本主義が勝利したはずなのに、やっぱり困ったら社会主義攻撃を行うのです。今年の一般教書演説でも唐突に社会主義という言葉がトランプ大統領の口から出て来て、批判が展開されましたが、これがかえって、アメリカはよほど困っているんだろう、アメリカ国内に社会主義を求める声(その内容は他の先進諸国で既に導入されているもの)が大きくなっているんだろうということを印象付けてしまうものでした。

 

 トランプ大統領は国内政治でうまくいっていないので、外交面で成果を出す、中国との交渉がうまくいけば経済も上向くということになります。しかし、それは逆に見れば、中国に譲ってもらって成立するもので、アメリカの国力と威信の低下を印象付けるものです。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は外交政策に目を向けさせようと新たな動きを起こしている(Trump seeks new momentum with pivot to foreign policy

 

ブレット・サミュエルズ筆

2019年2月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/430847-trump-seeks-new-momentum-with-pivot-to-foreign-policy

 

トランプ大統領は自身の任期の中で最も厳しい状況に陥っているが、これからの数週間で外交政策の面で新たな動きを起こし、好意的な報道がなされるように仕向けるための機会がやってくる。

 

トランプ大統領は来週北朝鮮の最高指導者金正恩と会談を持つ予定となっている。これは昨年6月にシンガポールで開催された金委員長との歴史的な会談に続くもので、シンガポールでの米朝首脳会談はトランプ大統領にとって大統領在任中のハイライトとなるものだ。

 

それとは別に、トランプは中国との貿易交渉で合意するための期限である3月1日に直面している。これがうまくいかなければ中国からの輸入にかける関税を大幅に引き上げることになる。現在、米中間の緊張は高まるという危険な状態が続いている。別の局面では、ヴェネズエラ政府が西側からの支援物資の国内受け入れを禁止しているが、トランプ大統領はこれを止めさせようと圧力をかけている。ホワイトハウスは国際舞台でヴェネズエラに対する攻勢を強めている。

 

報道の対象が変化することはトランプ大統領にとっては歓迎すべきことである。国内状況に目を向けてみれば、2019年という年は政府機能の一部閉鎖が続いている状況で始まり、そのために一般教書演説の実施も遅れ、大統領に対する支持率も低下してしまった。

 

一週間前、トランプ大統領は国境地帯に関する非常事態宣言をめぐる争いを終結させたが、それは政治的な後代を印象付け、共和党内の分裂をもたらした。トランプは国境の壁建設のために連邦議会に要求していた予算額の一部しか獲得できなかった。そこで更に予算を獲得するために非常事態宣言を行った。非常事態宣言をめぐる争いは法廷に持ち込まれようとしている。

 

トランプ大統領は連邦議会、特に民主党が過半数を握っている連邦下院によって動きを封じられてしまっている。そうした中で、外交政策に関してはより自由にできる行動範囲が遺されている。まずは2019年2月27日と28日にヴェトナムのハノイで金委員長との2度目の首脳会談がそれである。

 

トランプ大統領は首脳会談について自信を示しているが、何が期待できるかを具体的に述べている訳ではない。昨年のシンガポールでの首脳会談の後に具体的な進展はほぼなかった。トランプ大統領は、今回の会談の成功について昨年の会談の時と同じ内容を挙げている。

 

水曜日、トランプ大統領はオーストリア首相との会談を行い、その中で記者団に対して次のように述べた。「私たちは金委員長と2日間にわたって会談を持つ。私たちは多くの成果を上げることが出来ると考えている。私たちは最初の会談をうまくスタートさせることが出来た。その線に沿って会談を継続させることが出来ると思う。今回が最後の会談になるということはないし、私たちの間の関係は強固だと考えている」。

 

この前日、トランプ大統領は記者団に対して、最終目標は朝鮮半島の非核化であるが、その実現を「急がない」と述べた。

 

「アームズ・コントロール・アソシエーション」の上級部長ダリル・キンボールは、来週の会談で非核化に向けたより具体的なロードマップが出てくるようにする必要があると述べている。

 

キンボールは次のように述べた。「北朝鮮のミサイル開発プログラムの停止と放棄のための外交的な合意が形成される機会は永遠に存在し続ける訳ではない。今回の会談は、トランプ大統領が二国間の進む方向を正しいものへと設定するための最後のそして最良の機会となるだろう」。

 

朝鮮半島の非核化というトランプ大統領の目標は彼の政権第一期目の中間で具体的に姿を現したもので、貿易に関する合意内容を改善するという公約は選挙戦の時期に既に発表していたものであった。

 

米中両国は3月1日までに包括的な貿易に関する合意に達しなければ、中国からアメリカへの輸入品に欠ける関税を10%から25%に引き上げることになる。しかし、多くのことをなすためには残された時間が少なすぎる。特に、トランプ大統領は合意に署名する段階になる前に中国の習近平国家主席と会談を行いたいという主張を行っているが、これは難しい。

 

トランプ大統領はここ数週間、最終的な合意に達するという楽観的な姿勢を保ってきた。両国の交渉者たちは木曜日にワシントンDCで会談を持つ予定になっている。大統領はまた、交渉の期限を延長しても良いという考えも示唆している。火曜日には3月1日の期限は「絶対的なものではない」と発言した。

 

トランプ大統領の非公式の経済アドヴァイザーであり、ヘリテージ財団の上級研究員も務めているスティーヴン・ムーアは本誌の取材に対して、中国との合意に成功することは、トランプ大統領が選挙公約を果たすことであり、それによって経済に対する人々の信頼を高め、結果として2020年の米大統領選挙での勝利をもたらすだろうと述べた。

 

本誌に論説を寄稿しているムーアは「中国との貿易交渉はトランプ大統領が大統領になるにあたって最もこだわっているものだ」と述べた。

 

ムーアは更に、「中国との貿易交渉をうまく行い、合意に達したら、それ以外のこともうまくいくと思う」とも述べている。

 

トランプ大統領は中国と北朝鮮については注意深く待ち、観察をしなければならない。一方、ヴェネズエラに対する姿勢に関しては超党派の称賛を集めている。トランプ大統領は、反政府派の指導者フアン・グアイドをヴェネズエラの正統な指導者だと認め、ニコラス・マドゥロ大統領を辞任させようと圧力をかけている。

 

トランプ大統領は月曜日、舞網市内で演説を行い、その中で社会主義を非難し、マドゥロに対して権力に拘泥しないようにと警告を発した。

 

トランプ大統領は「私たちは権力の平和的な移行を求めているが、全ての手段を有している」と述べた。

 

マドゥロが国境を閉鎖している状況で、いつ、どのようにして食料や医薬品をヴェネズエラ国内に運び入れることが出来るのかは明確になっていない。しかし、トランプ大統領の強硬な姿勢は国内外で多くの支持を集めている。

 

コロンビア大統領イヴァン・ドゥケは、ヴェネズエラ国内でグアイドを支持する諸勢力の結集が進んでいることを称賛し、アメリカをはじめとする諸外国がヴェネズエラに対して人道援助をする際に、コロンビアがそうした援助物資を受け取り、ヴェネズエラに仲介、つなぐことを約束した。

 

ドゥケ大統領は先週ホワイトハウスを訪問し、その際、次のように述べた。「ヴェネズエラ国民に悪影響を及ぼしている暴力的な独裁政治を終わらせるために協力したいと思う。外交上の封鎖策はこれまでにないほどの成果を上げていることを嬉しく思う。ヴェネズエラの独裁政治の残された日はほぼないと私は考えている」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領がアメリカ・メキシコ国境に沿って壁を建設するために国家非常事態宣言を行いました。それに対し、連邦下院民主党では反対決議を可決させ、宣言の無効化を行おうとしています。ナンシー・ペロシ連邦下院議長が連邦下院議員全員に対して書簡を送り、決議案に賛成するように求めるという異例の動きに出ました。

nancypelosi099

 

 決議案は既に準備されています。提出者は、ホアキン・カストロ連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)です。ホアキン・カストロ議員は、2020年米大統領選挙民主党予備選挙に出馬表明したフリアン・カストロ前住宅・都市開発長官(オバマ政権)・元サンアントニオ市長の双子の兄弟です。また、連邦議会の米日議連の会長として、来日し、安倍晋三首相とも会談を行ったことがあります。

joaquincastroabeshinzo005

 

 この決議案は連邦下院では2週間ほどで可決することになるでしょう。そして、連邦上院に送られるでしょう。連邦上院で可決するかが焦点ですが、連邦上院は共和党が過半数を握っており、連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は大統領の非常事態宣言を支持しましたので、連邦上院での可決は難しいでしょう。そもそも連邦上院で審議されるのかどうかを微妙です。

 

 民主党側としては、立法府と司法(裁判所)で、トランプ大統領の非常事態宣言と国境の壁建設に対抗するという戦術を取ることになるようです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ペロシが連邦議員たちに非常事態宣言に反対する決議案への賛成を求める(Pelosi asks members to support resolution against emergency declaration

 

ラファエル・バーナル筆

2019年2月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/latino/430884-pelosi-asks-members-to-support-resolution-against-emergency-declaration

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は水曜日、連邦議員たちに書簡を送り、トランプ大統領の国境に関する非常事態宣言を無効化するための決議への署名を求めた。

 

決議案は、連邦議会ヒスパニック系議員連盟(CHS)会長のホアキン・カストロ連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)が提案したもので、金曜日に議会に提出される予定だ。

 

ペロシ議長は「親愛なる同僚議員各位へ」と題された書簡の中で、「大統領は自身が憲法の定める立法プロセスで手にすることが出来なかったものを手にしようとして法の定める制限を超えることを決断した。これは憲法を侵害するものであり、無効化されねばならない」と書いている。

 

ペロシは連邦下院の民主、共和両党に所属している議員たちに書簡を送ったが、これは通常では行われない行動である。

 

ペロシ議長は、カストロが提案した決議案を可決に向けて迅速に動かすとも述べた。決議案は15日以内に提案され、それから3日以内に連邦下院の議場に回され審議されることになる。ペロシ議長は連邦下院で決議案が可決したら連邦上院でも決議案の審議をすぐに行うように希望していると書簡の中で述べている。

 

先月、トランプ大統領は政府機能の閉鎖を避けるための予算案に署名した。しかし、大統領は連邦議会が予算をつけなかった国境の壁建設のための予算を確保するために非常事態宣言を行った。この動きに対して、民主党は激しい批判を行った。また、共和党の中には、これは大統領の権力を逸脱するものだと考える人たちも存在する。

 

ペロシ議長は書簡の中で、連邦議員は立法の力を守るための責務を負っていると訴えた。

 

ロイター通信の報道によると、カストロの決議案には既に90名以上が賛成しており、民主党が過半数を握る中で、決議案の可決に十分な賛成票が見込まれている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 

 先週末、ドナルド・トランプ大統領は国家非常事態宣言に署名しました。これは、トランプ大統領自身が公約として掲げてきたアメリカ・メキシコ国境に沿って、壁を建設するための予算を捻出するためのものです。この国家非常事態宣言に関しては、民主、共和両党から合法性や実行についての疑義や批判が出ています。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設のために57億ドルの予算を要求しました。昨年の中間選挙の結果、連邦上院では共和党、連邦下院では民主党がそれぞれ過半数を握りました。そして、連邦上院では57億ドルの予算を認める内容の予算案が可決され、連邦下院に送られ否決され、一方、連邦下院では57億ドルの予算を含まない予算案が可決され、連邦上院に送られ否決されるということが起きました。その結果、2018年12月末から今年の1月末まで35日に渡り、政府機能の約4分の1が閉鎖となり、数百万の連邦政府職員が無給状態となりました。

 

 その後、3週間のつなぎ予算が成立しましたが、その期限が2019年2月16日までとなっていました。そこを過ぎても妥協が成立しなければ、再び政府機能閉鎖ということになるところでした。しかし、連邦議会では国境における物理的な障壁建設のために13億7500万ドルの予算を認めることで妥協が成立し、予算案が連邦上下両院で可決され、大統領の許に送られました。それにトランプ大統領が署名して予算は成立し、政府機能閉鎖は回避されることになりました。焦点は57億ドルにかなり足りない予算案に大統領が署名するかどうかでしたが、トランプ大統領の出した結論は、この予算案には署名する、加えて、国家非常事態宣言も行う(宣言書に署名する)というものでした。

 

 連邦議会民主、共和両党では、それぞれ連邦上院議員1名と連邦下院議員1名、計4名を両党の代表者として出して交渉を行い、2019年2月11日の夜に妥協が成立しました。焦点は予算の規模もそうでしたが、連邦移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッド数でした。このベッド数が多ければ、誰でも彼でも捕まえることが出来るが、収容数に制限があれば、より重大な人たちだけを捕まえることになる、活動を制限することが出来る、ということで、民主、共和両党はここで争っていましたが、ある意味では玉虫色の妥協で、どのようにも解釈できるような条項で折り合ったようです。

 

 トランプ大統領は国境の壁建設に57億ドルを要求していましたが、認められたのは13億7500万ドルでした。トランプ大統領はこの予算案に署名をすることに同意したので、これを受け入れたということになります。その上で、国家非常事態宣言に署名したので、足りない分をこの宣言を利用して、予算の付け替えなどで賄おうとしていることになります。これに対して、議会の役割を無視する暴挙だ、悪しき前例になるという批判が共和党からも出ています。

 

 連邦上院の多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は国家非常事態宣言に慎重な姿勢でしたが、宣言前日に連邦上院の議場でトランプ大統領が宣言を行うとマコーネル自身に伝えたこと、そして宣言を支持することを表明し、流れが出来ました。連邦上院共和党は壁建設の予算を盛り込んだ予算案を連邦上院で可決させていたのですから、それは理解できます。

 

 トランプ大統領の国家非常事態宣言で事態がどう動くかはこれから注意を要する動きです。

 

(貼り付けはじめ)

 

連邦議員たちは政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合理に達した(Lawmakers reach agreement 'in principle' to avert shutdown

 

ジョーダン・カーニー筆

2019年2月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/429525-lawmakers-reach-agreement-in-principle-to-avert-shutdown  

 

月曜日夜、連邦議員たちは今週土曜日に迫った二度目の一部政府機能閉鎖を避けるために「原則として」合意に達したと発言した。

 

リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は「素晴らしい夜になった。私たちは、国土安全保障省に関する法案、その他の6つの法案に関して原則として合意に達した」と述べた。

 

パトリック・リーヒー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)、ニタ・ロウリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、ケイ・グランガー連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)といった連邦上院と下院の歳出委員会の幹部メンバーがシェルビーと同席して交渉し、シェルビーは合意に達したことを発表した。

 

状況の打開は4名の中核となる連邦議員たちが、同委に達するために月曜日の夜に3度の交渉を持った後に訪れた。それまでにも週末に期日が迫った政府機能の一部閉鎖を避けるために交渉が続けられていた。

 

交渉役となった議員たちは、火曜日までに法案を提出することを目指すスタッフと詳細について話すことはせずに、大枠について交渉を行った。ロウリーは法案について希望を持っている、水曜日には「素晴らしい成果」を発表できると述べていた。

 

ある連邦議会関係者は本誌の取材に対して、法案には物理的な障壁のために13億7500万ドルの予算が含まれていると述べた。この金額は2018年度予算と同額ということになる。この人物は、一時的な合意内容には、コンクリート製の壁の使用を禁じるという一項が入っているということだ。しかし、連邦議会の幹部スタッフたちは、これによってリオグランデ渓谷のアメリカ・メキシコ国境に新たに約55マイル(約80キロ) の障壁を建設 するための予算になると述べている。

 

交渉役の議員たちが動意に達することが可能となれば、月曜日午前の段階で2つの重要な問題で民主、共和両党が分裂していた状態からのUターンということになる。その2つの問題とは、アメリカ・メキシコ国境に沿っての物理的な障壁の建設と移民関税捜査局(ICE)の収容センターのベッドをめぐる問題であった。

 

民主党側はトランプ政権が「重大な犯罪者たち」に注力させるようにするためにICEの収容センターのベッド数に上限を設け、その上限はオバマ政権時代に設定された数と同等とすることを提案した。交渉役の議員たちはICEをめぐる争いを解決せずに、ひとまず棚上げすることにした。

 

シェルビーは「私たちは原則論について協議した。そうすることで事態を打開できると考えた」と述べた。

 

民主党側は国境から離れたアメリカ国内のICEの収容センターのベッド数を16500床に制限するという要求を取り下げた。

 

月曜日の夜、ICEに関するその他の詳細に関しては、はっきりとした取り決めはなく、どうともとれるような複雑な内容になっており、これが同意にとってのハードルとなる兆候もあった。

 

ある連邦議会スタッフは、合意ではICEの収容センターのベッド数を40520床にすることが含まれていると述べた。しかし、連邦議会の幹部級のスタッフたちは、一時的な合意には、「トランプ大統領が要求している52000床を設置できるようにする柔軟な条項が入っている」とも述べている。

 

シェルビーは、合意にはアメリカ・メキシコ国境に沿った物理的な障壁のための予算も含まれていると述べた。しかし、その金額、更には連邦上院が最初に可決した予算案に含まれていた16億ドルという金額よりも多いのかどうか、ということについては明言を避けた。

 

トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境の壁建設に57億ドルの予算を要求してきた。しかし、17名の連邦議員からなるグループは先週、国境警備関連予算で13億ドルと20億ドルという2つの主張があり、この違いをできるだけ狭めるために交渉を行っていた。

 

月曜日の夜、連邦議員たちは妥協を成立させた両党の執行部を支持すると述べた。

 

リーヒーは「私たちの中で、自分が得たいものすべてを得た人間は誰一人としていない。しかし、私たちはアメリカ合衆国にとって最善のものを得ようとしている」と述べた。

 

リーヒーは「私たち4名が合意をもたらせなければ、現在の議会で合意に達することはできなかったであろう」と述べた。

 

交渉では、災害支援に関しては最終合意に至らなかった。この点に関しては、民主、共和両党が別々に発表することになるが、7つの遺された歳出予算法案は今回のパッケージに含まれることになった。

 

連邦議会では土曜日の時点で、2019年度の予算案について7つの法案を可決し、トランプ大統領の許に届けた。これは連邦議会の予算の約25%をカヴァーするものだ。その中には国土安全保障省の予算も含まれている。

 

合意は月曜日の夜に成立した。それでもスケジュールはタイトなままだ。期限までに予算案を連邦議会で可決してトランプ大統領の許に届けねばならない。

 

しかし、シェルビーは金曜日の夜に交渉が妥結しなかったことを重視してはいなかった。記者団に対して、今週末からの政府機能の一部閉鎖は起きないだろうと考えていると述べた。

 

トランプ大統領は先月、3週間の一時的解決案に署名することに同意した。これによって、アメリカ史上最長となった予算執行停止を終わらせることが出来た。連邦議員たちは、二度目の政府機能の一部閉鎖を望んでいない。

 

月曜日の夜の状況打開を促したものについて問われ、シェルビーは、週末に交渉が平行線のままでは再び政府機能閉鎖にまで至ってしまうという恐怖感が大きくなっていたことが理由だと答えた。

 

シェルビーは次のように述べた。「私たち全員は協力しなければならないというより大きな席に無我あることを認識している。政府機能閉鎖がまた起きるかどうかは分からない。一つ言えることは、政府機能閉鎖が起きるかもしれないということが、私たちを協力することに駆り立てているということだ」。

 

状況打開へと事態が急変する兆候を見せたのは月曜日の夜で、シェルビーとリーヒーが一緒に記者団の前に立ち、合意まであと一歩のところまで来ており、火曜日になる前には交渉を終わらせることが出来ると述べた。

 

シェルビーは記者団に対して「私たちは合意に向けて話し合っている」と述べた。

 

交渉役の議員たちが月曜日の夜に「原則として」同意に達したとは言え、政治的な地雷がまだ存在している。トランプ大統領が合意によって可決される法案に署名する前に、その地雷を爆発させないように民主、共和両党内それぞれで争いを起こさせないようにする必要がある。

 

民主党の進歩主義派の議員たちは物理的な障壁への予算案については採決を行わないように求める可能性が高い。一方、共和党保守派の議員たちは、ICEに対する制限となる可能性のある条項や国境地帯の安全対策にとっては生ぬるい内容だと考える内容については反対することになるだろう。

 

グラグナーは同意の内容が法案として連邦議会で可決されることに自信を示しつつ、「私たち全員は民主、共和両党をそれぞれ支持する有権者たちとそれぞれに属する連邦議員たちと話をして内容を理解してもらえると思う」と発言した。

 

合意が発表された段階では、トランプ大統領がそれを支持するのかどうかはっきりしなかった。

 

シェルビーは交渉期間中に大統領と直接話すことはなかったが、ホワイトハウスとは相談をしていた。大統領は木曜日から月曜日の夜まで国境地帯で選挙運動を行っていた。

 

シェルビーは、トランプ大統領が何を「行い、発言し、書くか」を予測できないとしながらも、大統領はシェルビーに対して、「立法で解決が出来るのであれば、それを進めて欲しい」と再三にわたって述べた、とも発言した。

 

連邦議会で合意が出来なければ、トランプ大統領はアメリカ・メキシコ国境に壁を建設するために国家非常事態を宣言するのではないかという流れになっている。ホワイトハウスのミック・マルヴァニー大統領首席補佐官は今週末、トランプ政権は壁建設のための予算を獲得するための方法を模索していると述べた。

 

マルヴァニーはテレビ番組「フォックスニース・サンディ」に出演し、次のように述べた。「私たちは皆さんが与えてくれるだけの資金を手にすることになる。そして、私たちは南部国境を固めるために、合法的に資金を探すことになる。しかし、連邦議会の強力があろうとなかろうと、壁建設を進めるだろう」。

 

考証に参加したある共和党所属の連邦議員は、障壁建設のための予算を確保するために、大統領令(executive action)を発令することになると確信していると述べた。

 

この議員は「大統領は、交渉の結果がどのようなことになっても、最終的に大統領令を発することになる考えらえる」と述べた。

 

=====

 

トランプ大統領は国境の状況に関する合意の成果である法案に署名し、国家非常事態を宣言する(Trump to sign border deal, declare national emergency

 

アレクサンダー・ボルトン筆

2019年2月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/430070-mcconnell-trump-to-sign-border-deal-declare-national-emergency  

 

トランプ大統領は故郷の壁建設を要求しているが、これに予算をつけるために国家非常事態宣言を行うだろう、と連邦上院多数派院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が木曜日、連邦上院議場で発言した。

 

木曜日の午後3時過ぎ、マコーネルは次のように発言した。「私はトランプ大統領と話す機会があり、ここで同僚議員の皆さんに申し上げたいが、彼は法案に署名する意思があることが分かった。大統領はまた署名すると同時に国家非常事態宣言を行うことになるだろう。私は国家非常事態宣言を支持するであろうことを示しておく」。

 

ホワイトハウスは、マコーネル議員の発言の数分後にサラ・ハッカビー・サンダース報道官からのEメールによる声明の形で、トランプ大統領が法案に署名する予定であることを認めた。

 

サンダースは声明の中で次のように述べた。「トランプ大統領は政府予算法案に署名することになる。そして、これまでも述べてきたように、大統領はもう一つの行政行動を行う予定でもある。その中には国家非常事態宣言も含まれる。これは国境における国家安全保障上、人道上の危機を止めることを確かなものとするためのものだ」。

 

サンダース報道官は加えて、トランプ大統領が「国境を守り、私たちの偉大な国を守るために、壁を建設するという彼の公約を果たすために動いている」とも述べた。この発言は、政府予算を巡る合意と法案への署名はアメリカ南部国境に沿って壁を建設するというトランプ大統領の公約が果たされていない、とする保守派からの批判に向けてのものである。

 

マコーネルは、これまでトランプ大統領に国家非常事態宣言を行わないようにと助言してきたと報じられてきたが、大統領の行動を支持することになると発言した。

 

連邦上院多数派院内総務マコーネルは、大統領が国境の障壁のための予算として連邦議会で妥協が成立した13億7500万ドルの予算案に署名することになると述べた。

 

『ワシントン・ポスト』紙は、今月初めに、マコーネルが非公式の場で、トランプ大統領に対して国境の壁建設の予算のための国家非常事態宣言を実施しないように、それは共和党内部からも反発が出るからと忠告した、と報じた。

 

しかし、共和党の指導者であるマコーネルは火曜日にトランプ大統領に対して、7つの予算法案からなる包括的な予算案に署名するように促した。この予算案ではトランプ大統領が壁建設のために要求していた57億ドルの一部しか支給されないことになっている。

 

マコーネルは記者団に対して、「私は、国境を守るための大統領の努力の一環として合法的に実施できる手段について、大統領はなんでも実施して良いと考えている。それで何か困るようなこともない」と述べた。

 

マコーネルのスタッフは、国家非常事態宣言が大統領側からの提案の中に合法的な方法として入っていたと明言した。しかし、トランプ政権は壁建設に向けた動きに介入がないために陣日をしているに過ぎないと明言していた。

 

連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は即座に、民主党側はトランプ大統領と戦うことを示唆した。

 

シューマーは「大統領が国家非常事態宣言を行うだろうという発言があった。私は大統領がそのようなことをしないことを願う。それは間違った行為だ」と述べた。

 

連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は共和党側に警告を発した。その中で、もしトランプ大統領が国境の壁建設のために国家非常事態宣言を行うならば、次に民主党から大統領が出る場合には、その大統領は銃による暴力について同じく国家非常事態宣言を行うことになるだろうと述べた。

 

ペロシは連邦議事堂の中で記者団に対して、「民主党から出た大統領も同じく国家非常事態宣言を行うことができる。それならば、現在トランプ大統領が実施しようとしていることが前例となる。これは共和党側にとって大いなる不安と混乱をもたらすことになる」と述べた。

 

ペロシは木曜日、トランプ大統領が行うであろう国家非常事態宣言に対して法的な手段で対抗する可能性を否定した。しかし、連邦下院多数党院内総務ステニィ・ホイヤー連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)は水曜日、民主党は法的手段で対抗することになると述べた。

 

サンダース報道官は木曜日、ホワイトハウスは国家非常事態宣言に対する民主党側からの法的手段での対抗に対する準備を済ませていると述べた。

 

サンダースは大統領執務室近くの彼女のオフィスの外で記者団に対して、「私たちは既に十分に準備している。しかし、その準備が実行に移されないことを願う。大統領は彼の責務を果たしている。連邦議会も自分たちの責務を果たして欲しい」と述べた。

 

連邦上院歳出委員会委員長リチャード・シェルビー連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)は、水曜日の夜にトランプ大統領と話した。シェルビーは国家非常事態宣言を支持すると述べた。

 

今週の火曜日と水曜日に明らかになったのは、トランプ大統領が予算の組み換えをしても、壁建設という彼の目標を達成するために十分な予算は獲得できないということであった。

 

共和党に属する連邦議員の中には、国防総省の麻薬防止プロジェクトから8億ドルを割くことはできると主張している人たちもいる。しかし、連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは匿名を条件に、この予算の2億ドル以上は現在実施されている麻薬防止作戦で既に費消されていることを明らかにした。

.

しかし、連邦上院共和党はここ数週間、国家非常事態宣言は長期にわたる法廷闘争の対象となり、上訴されるか、連邦最高裁で判決が下されるまで、連邦判事によって国家非常事態宣言の効力が停止される可能性が高いこと憂慮してきた。

 

国家非常事態宣言を行うことでトランプ大統領が不信任決議の対象となる。不信任決議には連邦上下両院の可決とトランプ大統領の署名が必要となる。

 

連邦下院民主党は現在連邦下院で過半数を握っている。連邦下院民主党は下院で不信任決議を可決させると見られる。そして、連邦上院少数党院内総務シューマーはその重大性から、連邦上院で不信任決議案の採決を行わせることが出来る。

 

マコーネルは、連邦上院で大統領に対する不信任案を過半数で可決して大統領の許に送ることを自分が阻止できるかどうかについて確固とした地震と見通しはないと表明した。しかし、マコーネルは大統領が不信任に対して署名を拒絶できるために必要な34名の反対を集めることは可能だと自信を示した。

 

マコーネルは2月5日に、国家非常事態宣言の可能性について問われ、次のように発言した。「国家非常事態宣言について異なった様々な意見が存在することは承知している。トランプ大統領が国家非常事態宣言へと向かうならば、私たちはそれについて徹底的に議論する

 

マコーネルは「トランプ大統領は不信任への署名を拒絶することでとにかく勝利を得ることが出来るだろう。そして、そのために十分な反対票を獲得できるだろう。大統領は国家非常事態宣言に関して最終的に勝利を収めることが可能である」と述べた。

 

木曜日の午後、ホワイトハウスは共和党所属の連邦議員たちを宙ぶらりんの状態に置いた。大統領の法律顧問たちが1000ページ以上になる法案について徹底的に調べ上げた。

 

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は本誌の取材ちゅう、事態が遅れていることについて問われ、「私たちは法案についてじっくりと調べているところだ。私たちが法案を受け取ったのは午前1時で、1000ページ以上ある。大統領が決断を下したら、即座に皆さんにお知らせする」と答えた。

 

ミック・マルヴァニー大統領首席補佐官代行は日曜日、トランプ大統領は国境の壁建設のために利用可能な財源から予算を廻ることになるだろうと述べた。国境の壁建設は、2018年12月から2019年1月まで35日間続いた政府機能閉鎖の焦点となった。

 

マルヴァニーは「フォックスニュース・サンディ」に出演し、「私たちは皆さんから与えられている予算の中からできるだけ多くの金額を壁建設に回すつもりだ。そうしておいてから、どこか合法的にお金を回せるところはないかを探すことになる。これは南部国境地帯の安全を守るためだ。しかし、どちらにしても、連邦議会の賛成があろうがなかろうが、壁を建設することになる」と述べた。

 

マルヴァニーはトランプ大統領の壁建設の要求に言及し、「私たちの要求している総額は57億ドルだ」と述べた。

 

木曜日、連邦議会が可決した予算案に含まれていたのは、半額以下の13億7500万ドルであった。残りの40億ドル以上は大統領が持つ予算の組み換え権限 を使用するか、国家非常事態宣言を行うかで持ってくることになる。

 

連邦上院共和党は国家非常事態宣言を支持するかどうかは、宣言がどのように構築されているかによると表明している。

 

シェルビーはトランプ大統領による国家非常事態宣言について質問された際、「大統領は国家非常事態を宣言する憲法上の力を持っている」と述べた。

 

国家非常事態宣言を支持するかどうか質問され、シェルビーは「支持することになるだろうが、内容を見なくてはいけない」と答えた。

 

シェルビーは「私たちは国境を固めねばならないと考える」と付け加えた。

 

共和党所属の連邦議員たちの中には、トランプ大統領の計画に対する懸念を即座に表明した人々がいる。しかし、そんな議員たちもトランプ大統領に対する不信任決議案に賛成するか、反対するかについては明言を避けている。

 

ジョーン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は次のように述べた。「私は、非常事態を宣言することに関し、前例として与える影響と実行するうえでの様々な困難について懸念を持っている。裁判が起こされ、予算の執行が停止されてしまうと、問題解決のための現実的な方法ということにはならない」。

 

スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)は、国家非常事態宣言は「法廷での闘争が起きてしまうだろうし、憲法上疑義がある」と述べた。

 

コリンズは「国家非常事態宣言は連邦議会の役割と歳出決定プロセスを侵害するもので、素晴らしい政策とは言えない」と述べた。

 

連邦上院国防委員会の共和党側メンバーたちは、国家非常事態宣言を出して国境の壁を建設する際に、その予算として、軍事関連建設プロジェクトの予算が回される可能性が高いことに懸念を表明している。

 

連邦上院国防委員会の共和党側のあるメンバーは次のように述べた。「ここで国家非常事態宣言するなど間違った考えだ。それは間違った前例を残してしまうことになるからだ。ここで起きる可能性が高いのは、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を持ってくるということだ。これは米軍の計画や装備に大きな影響を及ぼすことになる」。

 

連邦上院国防委員会委員長ジェイムズ・インホフェ連邦上院議員(オクラホマ州選出、共和党)は、トランプ大統領が軍事関連建設プロジェクトから予算を移行させないことを保証する内容の書簡を発表すれば、トランプ大統領は国家非常事態宣言に対するより大きな支持を獲得できるだろうと発言した。

 

=====

 

トランプ大統領が国境の状況に関し国家非常事態を宣言(Trump declares national emergency at border

 

ジョーダン・ファビアン筆

2019年2月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/430092-trump-signs-emergency-declaration-for-border

 

金曜日、トランプ大統領は議会を迂回し、約80億ドルを南部国境の障壁建設に回すために、国家非常事態を宣言した。これは、大統領の長年の公約であった壁建設に向けた大きな一歩であるが、重大な政治的、法的リスクを伴うものである。

 

トランプ大統領は、宣言に署名した直後にローズガーデンにおいて、まとまりのない、即興の演説を行い、その中で宣言に署名を行ったことを表明した。トランプ大統領の今回の行動は、連邦議員たちと諸団体と法廷において憲法をめぐる戦いを引き起こすことになるだろう。こうした人々は大統領が自身に与えられた権限を踏み越えたと主張している。

 

昨年秋の中間選挙の前から政治問題として重視してきた貿易、中国、シリア、そして、移民のキャラヴァンといったテーマについて長々と話した後、「私は国家非常事態宣言の署名を行った」と発言した。

 

トランプ大統領は国家非常事態宣言を正当化する必要から、「これは素晴らしいことだ。なぜなら、我が国は麻薬、ギャング、人々の侵入に晒されているからだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、今回の行為が連邦レヴェルの裁判所への提訴という挑戦を受けることになるだろうが、自分は最終的に勝利するという予測を述べた。

 

トランプ大統領は、アメリカ南部国境には緊急を要する事態は存在しないとする批判者たちの主張をとらえ、「危機的な状況でなければ壁建設に長い時間をかけても良い。国家非常事態宣言も必要ではなかったかもしれないが、壁建設を迅速に行う必要がある」と述べた。

 

連邦議会民主党のトップである、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と連邦上院少数派院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、国家非常事態宣言を覆すために、「全ての使用可能な手段」を使うことになるだろうと述べた。

 

ペロシとチューマーは共同の宣言の中で次のように述べた。「トランプ大統領の法律を無視した国家非常事態宣言は存在しない危機に関する宣言であり、我が国の剣法に対する重大な侵害であって、アメリカの安全を低下させるものだ。トランプ大統領は法の適用範囲外の、法の上位に存在するのではない。連邦議会は大統領が合衆国憲法をずたずたに切り裂くことを容認できない」。

トランプ大統領はこれとは別に連邦議会で可決された法案に署名した。これで政府に予算が付き、土曜日から始まることになっていた新たな政府機能閉鎖も阻止することが出来る。

 

しかし、この法案では、大統領が壁建設の予算として要求している57億ドルにはとても足りない額しか予算がついていない。トランプ大統領は追加の国境警備予算を獲得するために連邦議員たちと協力するために努力したが、「壁建設に関しては、議員たちは予算をケチるのだ」と述べた。

 

トランプ大統領は、「私は2020年の米大統領選挙に向けて、国境の壁に関しては多くのことを既に実行してきた」と述べた。新しいものを建設するのではなく、既に存在する構造物を修理したり、建て替えたりしてきた。

 

ホワイトハウスの複数の関係者によれば、トランプ大統領は軍事予算の中の建設関連の36億ドルを壁建設に振り向けることを計画している、ということだ。また、国防総省の麻薬阻止関連予算から25億ドル、財務省の没収財産基金から6億ドルを抽出し、振り向けるための大統領令(executive action)を発令することになる。

 

複数の政府関係者は、最終目標は国境線に沿って約234マイル(約375キロ)の障壁を建設することで、その中には柱の入った形の壁も含まれる。

 

ある政権幹部は、どの軍事関連の建設計画が影響を受けるかは明らかにしなかったが、予算は「優先度の低い建設計画」から振り向けられるだろうと述べた。その具体的な内容は、既存の構造物の改修や修理ということになり、洪水抑制プロジェクトや軍事上の計画に影響を与えるプロジェクトからではない。災害救援基金にも手を付けないだろう。

 

民主、共和両党所属の連邦議員たちは、トランプ大統領の国家非常事態宣言の決断を批判した。それでも連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は大統領の行為に対して支持を表明した。

 

マコーネルは金曜日、トランプの決断について、「民主党が国益に対して党派色の強い邪魔をしたことに対する、予想可能で理解できる結果」となったと述べ、国境の状況改善のために更なる予算をつけることを認めるように連邦議員たちに求めた。

 

しかし、連邦下院民主党は対抗して大統領の宣言を阻止することになる法案を提出する計画を持っている。共和党所属の連邦議員がこの法案に賛成するとなると、連邦議会の両院で法案が可決され、大統領の許に回されることになる。

 

この状況になれば、大統領は大統領として法案に拒否権を発動することになり、そうなれば、2020年の大統領選挙や連邦議員選挙などに向かう中で、共和党内部をさらに分裂させることにつながってしまう。

 

民主党とリベラル派の諸団体は宣言を阻止するために連邦裁判所に提訴する計画を持っているとも述べている。

 

ペロシ議長はフロリダ州パークランドで起きた学校での銃乱射事件の1周年となった木曜日、トランプ大統領が国家非常事態宣言を行う場合、次の大統領は銃に対する国家非常事態宣言を行うことが出来るような道が開かれる、と述べた。このようなシナリオについて、共和党所属の連邦議員の中に懸念を持っている人たちが存在する。

 

ペロシ議長は連邦議事堂で記者団に対して、「民主党から出る大統領も同様に国家非常事態宣言を行うことが可能だ。従って、トランプ大統領が残した前例によって、共和党側に深刻な懸念と困惑がもたらされる」と述べた。

 

マルコ・ルビオ連邦上院議員(フロリダ州選出、共和党)は木曜日、同様の警告を行った。ルビオは「将来の大統領がグリーン・ニューディールを強引に導入するために同じ戦術を使う可能性がある」と述べた。

 

ルビオは次のように述べた。「何か決定的な声明を出す前に、私は大統領が今回の非常事態宣言を正当化するために依拠する法律上、もしくは憲法上の力は何なのかを示すことを待ちたいと思う。しかし、彼が示すものを私が支持することになるという点については疑念を持っている」。

 

トランプ大統領による発表の前に、大統領首席補佐官代行を務めているミック・マルヴァニーは記者団を前にして、民主党側が述べている「民主党から出る大統領は気候変動や銃暴力といった問題について国家非常事態宣言を行うことが可能になる」と主張に対して反論を行った。マルヴァニーは「今回のトランプ大統領の国家非常事態宣言は何からの新たな前例というものではない。そして、民主党側の主張は間違っている」と述べた。

 

マルヴァニーは「国家非常事態宣言は法によって大統領に与えられた権限である。大統領が自分を望むものを手にすることが出来ず、それで魔法の杖を振ってお金を出現させるといった類のものではない」と述べた。

 

トランプ大統領が予算案法案に署名するという決断を下したことで、大統領の壁建設予算要求のためにもう一度政府機能が閉鎖されるのではないかという不安が支配した3週間が終わることを示している。

 

トランプ大統領は2019年1月25日に35日間続いた政府機能閉鎖を解除した。政府機能閉鎖は大統領の支持率にマイナスの影響が出て、結果として壁建設の予算を獲得することも出来なかった。

 

超党派の連邦議員たちは数週間かけて壁の建設予算13億7500万ドルを含む提案に合意するに至った。しかし、この金額はトランプ大統領が要求している57億ドルのほんの一部にしかならないものである。

 

トランプ大統領が妥協を受け入れたということは、2016年の大統領選挙で「自分には交渉技術がある」と売り込んでいたトランプ自身にとっての敗北を意味する。そして、アメリカ政府が分裂している状況下で、民主党の影響力が増大していることを示すものである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ