古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:安倍晋三

 古村治彦です。

 

 『ニューヨーク・タイムズ』紙のウェッブサイト版の女性に関するページ「Women in the World(世界における女性たち)」に面白い記事が掲載されました。

 

 それは、「日本のファーストレイディーは、トランプとの会話を避けるために、英語がしゃべれないふりをしたのか?」というタイトルの記事です。記事の内容を以下にまとめてご紹介します。

 

(貼りつけはじめ)

 

Did Japan’s first lady pretend she doesn’t speak English to avoid talking to Trump?

 

2017/07/20

WITW Staff

http://nytlive.nytimes.com/womenintheworld/2017/07/20/did-japans-first-lady-pretend-she-doesnt-speak-english-to-avoid-talking-to-trump/

 

(貼りつけ終わり)

 

 ニューヨーク・タイムズ紙の政治記者マギー・ハーバーマンがドナルド・トランプ大統領にインタヴューを行い、その中で、先日のG20サミットの様子についてトランプが話をしました。G20サミットでは20各国の指導者たちと配偶者たちが集まり(40名)、その他にEUの最高幹部たちやIMFのラガルデ専務理事もいたので、50名ほどになった。世界各国からのメディアも来ていて、みんなでたくさんの写真を撮った。

 

 オペラを皆で見に行った、その後に夕食会となった。トランプ大統領の隣は、安倍昭恵夫人が座った。トランプ大統領は、「安倍首相も昭恵夫人も素晴らしい人たちだが、昭恵夫人は英語がしゃべれない」とインタヴューで述べています。ハーバーマン記者が「全く、ゼロ?」と驚くと、トランプ大統領は「ハローさえ言えないくらい」と答え、「その席にいるのは大変だったでしょう」とハーバーマン記者が質問し、「大変だった、だって、その席にどれくらい座っていたと思う?」とトランプ大統領は答え、「何時間もでしょう」とハーバーマン記者が言い、「1時間45分だった」とトランプ大統領が答えました。


donaldtrumpakieabeg20dinner001

 

 このインタヴューが出た後、昭恵夫人に対して、奇妙な評価が出てきました。昭恵夫人は先日の安倍首相の訪米に同行し、メラニア夫人と日本庭園を訪れたり、フロリダ州のマーアラゴ・リゾートで夫妻同士で夕食を楽しんだりしました。この時の様子は写真や映像に残されています。この時の様子から、「昭恵夫人が英語ができないというのはおかしい、この時にはちゃんと英語でコミュニケーションを取っている」ということになりました。

 

 そこで、アメリカ国内のフェミニストたちは、「昭恵夫人はトランプ大統領と話をしたくないために、英語ができないふりをした」という解釈をし、彼女は素晴らしいということになりました。

 

 私も昭恵夫人が聖心学園で教育を受けたという経歴を持っている以上、同世代の人々よりも英語や外国人に接する機会が多かったと考えますので、昭恵夫人が、「ハローも言えないほど」に英語ができないということは考えにくいと思います。また、立教大学大学院でミャンマーの教育に関する研究で修士号を取得し、ミャンマーも訪問していることを考えると(ミャンマーはイギリスの植民地であったことを考えると)、英語が全くできないというのはないと思います。

 安倍昭恵夫人が英語でスピーチを行っている映像も見ましたが、英語が全くできない人だとはとても思えませんでした。発音などは安倍首相よりも上手でした。あれだけきれいな発音なら、難しい議論はできないにしても、あいさつや楽しい会話はできると思います。


 

 しかし、G20の夕食会で、隣り合ったトランプ大統領と全く会話をしなかった、英語が出来ないふりをしたというのはおかしいと思います。また、彼女の人懐こい性格から考えて、たとえ言葉ができなくても、何とかコミュニケーションを取ろう、その場にいる人たちを楽しませようとするだろうことは容易に推測できます。

 

 ですから、昭恵夫人がトランプ大統領を約2時間もほったらかすということは考えにくいのです。しかし、実際にトランプ大統領はそう感じた、そして、彼女は英語ができないのだと考えたということです。

 

 なぜ昭恵夫人がトランプ大統領と話さなかったのか、ということが疑問として残ります。英語ができないからということはおそらく理由ではありません。それでは、フェミニストが言うように、女性蔑視をするトランプ大統領が嫌で話さなかったということがあるでしょうか。彼女は自分に批判的、敵対的な人たちとも話をしてきました。ですから、トランプ大統領が嫌いだから話さないということはないように思われます。

 

 昭恵夫人は2月以降、森友学園問題や秘書の業務に関して、大きな批判を受けてきました。そのために昭恵夫人の行動にメディアの関心も集まるようになりました。結果として、彼女の「天然」な行動も報道されるようになりました。

 

 また、安倍首相の訪米では、安倍首相自身はお酒を飲まないが、昭恵夫人はお酒をたしなむので、トランプ大統領夫妻との夕食の席上、一人でワインを飲み過ぎて、周囲をあきれさせたということも報道されました。緊張状態で、自分が頑張らねばと思うと、アルコールが回ってしまって、いつもよりも酔ってしまうのが速くなるということもあったとは思いますが、外交上の礼を失する行動であったということも言われました。また、昭恵夫人は誰に対しても物怖じしませんから、トランプ大統領に何かとんでもないことを言う可能性を周囲は心配したでしょう。

 

 従って、今回は昭恵夫人には特に厳しく、いつものように振る舞うのではなく、おとなしく、目立たないようにするよう、という注意がなされていたのでしょう。そして、その注意を忠実に守ろうとして、トランプ大統領をほおっておくということになったのだと思います。こう考えると、昭恵夫人は非常に不器用なように感じられます。

 

 しかし、もしこれが計算でなされたのだとすると大変な策士であると言わねばなりません。注意をした人々に対してやり返してやろう、鼻を明かしてやろうということで、わざとトランプ大統領を無視するような行動を取ったということになれば、大変な計算です。「私を押さえつけようとするなら、それに従いますよ」ということで、徹底的におとなしく、やり過ぎなほどにおとなしくして、かえって問題になるということになれば、今度は、おとなしくするように注意した人たちに「どうしてそういうことを言ったのだ」という批判が向かいます。

 

 「おとなしくしてほしい」という注意を逆手にとっての報復、ということになると、これはこれで大変なことです。

 

 真相が何かは分かりません。


 しかし、トランプ攻撃のために何でも使われるものだなぁと感心させられます。

 

(終わり)




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 2017年6月15日に改正組織的犯罪処罰法が成立しました。共謀罪(conspiracy)に関する法律で、277の行為がこの行為で犯罪行為として処罰されます。政府と与党(自民党と公明党)は2000年の国連のパレルモ条約批准のためには、共謀罪が必要であり、かつ、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催のために、テロ防止のためにこの法律が必要だと主張し、最後は、参議院委員会での採決を省略し、本会議で直接採決するという方法で可決しました。

 

 今回の法律改正・共謀罪については以下の本を読むことで理解ができます。


kyoubouzainonanigamondaika001

共謀罪の何が問題か (岩波ブックレット)

snowdennihonhenokeikoku001
スノーデン 日本への警告 (集英社新書)

 今回の法律改正は、①2000年の国連の組織犯罪に関する条約批准、②2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催のために必要であったということになっています。しかし、2000年の条約(パレルモ条約)は、国際的に活動する組織犯罪、具体的にはマフィアを対象としています。そして、金銭的利益、物質的利益を違法な手段で得ることを防止しようというものです。対テロリズムということは、2001年9月11日の同時多発テロ事件以降、世界的な潮流になりましたが、2000年の段階では国際的組織犯罪、具体的にはマフィアによる麻薬、武器、人身の取引とマネーロンダリングの方が問題でした。

 

 2000年のパレルモ条約は組織犯罪、具体的にはマフィアに対するものですが、日本で言えば、やはり暴力団ということになるでしょう。暴力団対策法施行後、暴力団の構成員の数は減少し、利益も落ちている、そのために最大勢力の山口組も分裂している、ということは報道されています。暴力団の実態については分かりにくいところがありますが、衰退傾向にあることは間違いありません。また、組織犯罪ということで言えば、左右の過激派も思い浮かびますが、彼らに大規模なテロ攻撃を行う力があるでしょうか。また、対テロリズムで言えば、既に多くの法律があります。1970年代以降の左右の過激派のテロリズムによって、この時代から既にテロリズムを防ぐ法律はあります。時代に合わせた改正と運用の改善で十分対処できます。暴力団と左右の過激派の力の衰退が顕著な日本では共謀罪は必要ありません。

 

 今回の巨棒材法案の成立は、国連の条約を使って、警察力を強化し、盗聴やおとり捜査、潜入捜査など捜査方法の拡大を行おうという世界的な流れの一端にあります。国連としては、自分たちを利用してプライヴァシー権などの市民的自由が制限されることについては困惑していると言えます。また、世界各国の官僚、特に治安関係者は、連帯して、捜査手法の拡大や権限の拡大、捜査対象の拡大を目指していると言えます。組織犯罪といえば、マネーロンダリングが付き物ですが、国境を超えて動き回るお金の動きを補足したい、止めたい、そうしておいて税金でがっぽり獲りたいという財務関係者の意図もあるでしょう。

 

 このような必要のない法律を作って、人々を縛る方向に進むというのは、世界的に官僚組織の連帯と強化が共通の認識として行われているということでもあります。また、日本の保守を自称する人々は、これを利用して自分たちに反対する人々を弾圧したいということも考えているでしょう。

 

 平成版の治安維持法でもある悪法は撤廃されねばなりません。

 

(貼りつけはじめ)

 

日本は「暴力的な」「欠陥のある」反テロ法を可決(Japan Just Passed a ‘Brutal,’ ‘Defective’ Anti-Terror Law

 

ベンサニー・アレン=エイブラヒマン筆

2017年6月16日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/06/16/japan-just-passed-a-brutal-defective-anti-terror-law/

 

2001年9月11日の攻撃以降、テロリズムの恐ろしい幻影のために、アメリカ、フランス、イギリスといった民主政治体制国家において、政府による捜査、収監、その他の手段を拡大することを認める法律が可決されてきた。そして、3度の失敗の後、日本の国会議員たちは上記の国々と同じ本能に従うことになった。一方、市民的自由を求める人々や野党議員たちは非難の声をあげている。

 

国会議員たちがほとんど行われてこなかったメカニズムを用いて反テロ法案を通常の手続きを迂回して国会で可決した木曜日、多くの人々が東京で反対の声をあげていた。新しい法律は犯罪と考えられる数百の行動をリストにしている。その中には共謀が含まれている。しかし、『ガーディアン』紙によると、リストの中には、テロリズムと関係のない行動も含まれている様であり、その中には公的な場での抗議活動も含まれている。

 

法案の支持者たちは正当化のために様々な説明をしている。法案の示している様々な手段は、組織犯罪を対象にしているもので、2000年の国連条約を批准する義務を遂行するためのものであり、2020年に東京で開催されるオリンピックを安全に行うために必要なのだと主張している。

 

法案可決後、安倍晋三首相は「東京オリンピック・パラリンピックまで3年しかない。従って、私は組織犯罪に関する条約を一刻も早く批准したい。そうすることで、私たちはテロリズム防止のために国際社会としっかりと協力できる」と述べた。

 

しかし、抵抗は強力だ。野党の指導者である村田蓮舫は法律を「暴力的」だと非難している。反対する人々の中には、盗聴やそのほかの手段を拡散させるだろうと懸念を持っている人々もいる。

 

今年5月、東京の上智大学の政治学者である中野晃一は『ニューヨーク・タイムズ』紙の取材に対して次のように述べた。「市民社会の動きが鈍い国において、更なる自己検閲を生み出すことになるだろう」。

 

法律は国際的な批判も受けている。プライヴァシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・カナタチは5月に安倍首相に書簡を送り、その中で、「法律はプライヴァシー権と表現の自由の制限を助長する」ものになる可能性が高いと警告を発した。カナタチは法案を「欠陥のある法律」と批判した。

 

ボストンを拠点とする犯罪学教授ニコス・パソスは、国連の国際的組織犯罪条約の起草に貢献した人物だ。安倍首相は法律がこの条約を批准することを目的にしていると主張している。パソスは6月13日に『ジャパン・タイムズ』紙とのインタヴューに応じ、その中で、条約はテロリズムと戦うためのより締め付けの厳しい法律を必要としてはいないと述べた。パソスは、条約は「イデオロギーによって引き起こされた犯罪」を除外するという含意を持っていたと述べている。

 

東アジアの民主国家の中で言論の自由を制限しようという動きが続いており、今回のことが初めてのことではない。表現の自由に関する国連特別報告者デイヴィッド・ケイは木曜日に発表した報告書の中で、人々による開かれが議論と出版の自由が日本では制限されつつあると警告を発した。ケイは、メディアによる自主検閲と歴史教科書における日本の戦時中の犯罪行為に関する議論の欠如を例として挙げている。

 

2010年以降、安倍首相は日本の伝統的に防御に徹してきた軍事力の使命を拡大させてきた。彼はまた、日本の平和主義的憲法の改定を目指している。これは今のところ成功してはいない。

 

=====

 

市民的自由に対する懸念の中日本は「暴力的な」対テロ法を可決(Japan passes 'brutal' counter-terror law despite fears over civil liberties

 

国連の専門家を含む批判者たちがCritics including UN expert fear legislation passed by Abe government could target ordinary citizens and deter grassroots opposition to government policies

 

ジャスティン・マカリー・ロイター通信(東京発)

2017年6月15日

『ザ・ガーディアン』紙

https://www.theguardian.com/world/2017/jun/15/japan-passes-brutal-new-terror-law-which-opponents-fear-will-quash-freedoms

 

日本は議論が分かれていた法律を可決した、法律はテロリズムやそのほかの重大な犯罪のための共謀を対象とするものだ。これに対して、国連が法律は市民的自由を損なうために使用できる可能性があるという懸念を表明した。こうした中で法律は成立した。

 

与党である自民党と連立相手は、議事堂の外で多くの人々が反対する中、参議院で法案を可決した。

 

法案の採決は人々からの反対が強まる中で3度も延期された。そして、国連の専門家が「欠陥のある」法律だと述べた後に採決された。国連の専門家の発言に対して、日本の安倍晋三首相は怒りを持って対応した。

 

日本政府の高官たちは、法律が世界規模の組織犯罪2000年の国連条約の批准に必要だ、2019年のラグビーのワールドカップ、続く年のオリンピックの開催の純部のために、日本の対テロリズム対策の改善が必要だと主張している。

 

安倍首相は記者団に対して次のように述べた。「東京オリンピック・パラリンピックまで3年しかないので、組織犯罪に関する条約を速やかに批准したい。そうすることでテロリズムを防ぐために国際社会と協力できる。これが法律を成立させた理由だ」。

 

法律は共謀と277の「深刻な犯罪」を犯罪化するだろう。

 

しかし、日本弁護士会とその他の批判者たちは、法律が対象としている行為の中には、テロリズムや組織犯罪と関係がないものも含まれていると指摘している。それらにはアパートの建設に反対するための座り込みや音楽のコピーがある。

 

反対者たちはこの法律が安倍首相の国家機関の力を拡大させようというより広範な目的の一部だと考えており、政府は否定しているが、一般市民が標的とされるのではないかと恐れている。

 

野党民進党の党首である村田蓮舫は、安倍政権は「暴力的な」法律を通して思想の自由を脅かそうとしていると述べた。

 

批判者たちは、法律が合法的な盗聴の拡大と裁判所が警察の捜査力の制限を躊躇することで、政府の政策に対する草の根の反対を押さえることになると主張している。

 

法律の成立をスピードアップしようとして、連立与党はこれまでに例のない、反対の多い方法を採用した。それは参議院の委員会での採決を省略して、直接参議院本会議での採決を行うというものであった。

 

プライヴァシー権に関する国連特別報告者ジョセフ・カナタチは、先月安倍首相に書簡を送った。その中で、首相に対して、法律は「プライヴァシー権と表現の自由に対する制限をもたらす」リスクがあることを明らかにするように求めた。

 

安倍首相はカナタチの法案に対する評価を「著しくバランスを欠いた」ものと評し、カナタチの行為は「客観的な専門家のそれとは言い難い」と述べた。

 

カナタチは木曜日、日本政府は「欠陥のある法律」を可決するために、「恐怖心理」を利用したと述べた。

 

カナタチは更に次のように述べた。「日本はプライヴァシー保護を改善する必要がある。まして今回の法律が成立するならなおのことだ」。

 

共謀についての情報を集めるには、警察の捜査能力の拡大が必要であり、この法律は日本版の「思想警察」を生み出すことになると批判者たちは述べている。日本の思想警察は、第二次世界大戦前と戦時中、公共の秩序に対する脅威と見なされた政治グループを捜査するための広範な力を持っていた。

 

共同通信は先月世論調査を実施した。その結果は、法案について有権者は割れており、支持は39.9%、反対は41.4%であった。

 

国会議事堂前には推定5000名の人々が集まり、デモを行った。彼らは新しい法律を「専制的」であり、日本を「監視社会」にすることを防ごうと訴えた。

 

共同通信の取材に対して、54歳の女性ミユキ・マスヤマは次のように答えた。「平和なデモがテロリズムと見なされて禁止されてしまうかもしれません。私たちの表現の自由が脅威にさらされているのです」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 加計(かけ)学園岡山理科大学獣医学部新設が連日国会で取り上げられています。愛媛県今治市に開学予定の岡山理科大学獣医学部をめぐり、安倍晋三首相と加計孝太郎・加計学園理事長がアメリカ留学時代以来の友人関係で、便宜が図られたのではないかという疑惑が出ています。

 

 現在の加計孝太郎理事長の息子が鹿児島大学農学部の卒業で、現在、鹿児島大学と山口大学共同で設立し運営している研究科(大学院)で博士号取得を目指して勉学に励んでいるという話があり、孝太郎氏が鹿児島大学農学部を訪問した際に、「この程度の施設で良いなら自分たちでもできる」と考えたという報道がなされています。また、「博士号を取得する息子へのご褒美としての獣医学部じゃないか」という半分やっかみの声も存在します。

 

 人口減少時代、ペットの数は少なくなるでしょうし、家畜管理や食品衛生の分野の獣医師数は不足している訳ではないという主張から、日本獣医師会は新規の獣医学部開設には反対していましたが、岡山理科大学獣医学部は定員120名で開設ということになりました。これまで全国の国公立私立各大学獣医学部の定員合計が約1,000名でしたので、その1割以上の大きな定員の新しい学部が新たに誕生することになりました。獣医師の需要と供給のバランスに大きな影響を与えることになるでしょう。ペットの減少の上に、供給過多になれば、当然のことですが、小さくなるパイを分け合う獣医師の数は増えていきますから、取り分は小さくなります。

 

 また、これまで試験で一定の水準以上の学力を持つ学生を選抜することで、学生の質を確保してきましたが、これまで不合格となってきた学力の学生を受け入れるということになると、教育が難しくなるという可能性があります。

 

 山本幸三地方創生担当大臣は、獣医師教育の質が下がっており、競争のために新しい学部の開設は必要だと述べましたが、どのような根拠でそのようなことを述べたのか分かりません。

 

 日本の地方自治体では、大学を誘致して若い人を呼んできて地域を活性化させようという考えを持つところが多くあります。そのために土地取得などで便宜を図るということをやっています。

 

獣医師の仕事は地方と都市両方にありますが、今治市にあるキャンパスで学んだ人々(1学年120名)のうち、今治市にそのまま残ることができる人はほとんどいないでしょう。今治市と今治市の周辺にそれだけの獣医師を必要とする仕事はないでしょう。仕事を求めて日本全国に散らばるでしょうし、自分の出身地に戻る人もいるでしょう。

 

 地方私立大学は今、学生の確保に四苦八苦しています。医師、看護師、薬剤師、教師などの資格が取得できる学部の学生確保は大丈夫なようですが、それ以外の学部は厳しい状況にあります。ですから、こうした学部を持っている地方私立大学は大丈夫でしょうが、文系学部しかないような地方私立大学は厳しい状況に置かれています。

 

 岡山理科大学獣医学部に関しても、学生の確保については懸念が持たれていたことが報道されています。国家資格である獣医師免許が取得できる学部でも実は厳しいということが分かります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「<加計学園>獣医学部 内閣府「学生が集まるのか」懸念示す」

 

6/13() 7:30配信 毎日新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170613-00000008-mai-soci

 

 ◇今治市議会の資料で分かる

 

 安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」が愛媛県今治市で獣医学部を新設する計画を巡り、内閣府が昨年2月の時点で「学生が集まるのか」と懸念を示していたことが、今治市議会の資料で分かった。ところが、競合する大学もある中、内閣府はその後も市側と連携しながら2018年4月開学を推し進めていた経緯が浮かび、野党側は加計学園を前提に手続きを進めていたとして批判を強めている。【松井豊、小林祥晃、遠藤拓】

 

 毎日新聞が入手した資料によると、昨年2月9日に市議4人が内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(現審議官)らと国会内で面会。内閣府側から「(市の)新設大学への財政支援による今後の財政悪化や、人口減少により学生が本当に集まるのか」との指摘を受けたとされる。ところが、昨年3月8日の市議会本会議では菅良二市長が「最速で平成30(18)年4月の開学となれば大変ありがたい」と表明。同4月21日に市議会特別委の協議会で配布された資料のスケジュール表にも「最速でH30・4開学(予定)」と書かれている。

 

 さらに、情報公開条例に基づき開示された市の資料では、市が特区に指定される以前の15年4月2日の時点で、市の担当課長らが獣医師養成系大学の設置に関する協議のため首相官邸と内閣府を訪問したことも判明。今月8日の参院農林水産委員会で自由党の森裕子氏が資料に基づき事実関係をただしたが、萩生田光一官房副長官は「記録が保存されていないため確認できなかった」と答弁。藤原氏も「自分が会ったかどうかも含めて市との面談は確認できていない」とし、森氏は「これで公正に加計学園が選ばれたなんて国民が納得するのか」と批判した。

 

 獣医学部新設を巡っては、京都産業大も京都府内での新設を希望していたが、京都府側は「18年4月開学」について内閣府が昨年11月18日に公式に発表して初めて把握し、準備が間に合わないとして見送った経緯がある。特区を担当する山本幸三地方創生担当相は国会で「(開学時期を)事前に今治市に対しても、京都府に対しても一切申し上げていない」と答弁している。

 

(貼り付け終わり)

 

 地方自治体は若者を地元に呼び込みたいということで、大学の開学や新しい学部の開設を求め、そのために多額の公費(税金)を投入するということをしています。そして、地方私立大学はそうした優遇措置があるのなら、ということで開学、開設を行うという形になっています。しかし、そこには理念であるとか、社会に奉仕するための目標というものは存在しません。安易な人集めと税制の優遇で利益が合致した、ということでしかありません。こうして見ると、教育、特に高等教育は何も神聖なものではなく、学生(生徒)を人質にした商売でしかないということが明らかになります。

 

 こうした商売が見込み通りに行けばいいですが、そうならないと破綻ということになります。一般的な企業であれば、清算や破産ということになります。しかし、学校の場合には、なかなかそうはいきません。特に多額のお金を投入した大学の場合は、大きな問題になります。そうした場合にとられる措置が「私立大学の公立化」です。以下の雑誌記事がその実態を伝えてくれています。是非お読みください。

 

※「地方の私大を公立化する「ウルトラC」の成否 大学、学生、自治体みんながハッピー?」(『AERA』誌 2016年12月13日)

http://toyokeizai.net/articles/-/149287

 

 雑誌記事によれば、山口県にある東京理科大学が設置した山口東京理科大学は、運営していた東京理科大学が学生数の減少などを理由に閉鎖するしかないと決定しました。それに対して、地元の山陽小野田市は、そうなると大きな責任問題になるということで、「公立化」することになりました。その結果、「山陽小野田市立山口東京理科大学」という何が何だか、という名前の大学になりました。また、教育県として名高い長野県では、3つの私立大学が公立化されたということです。

 

 公立大学になったので、国からの補助が多く出るようになり、結果として学費が下がり、「国公立」の仲間入りをしたことで、地方の国公立大学志向の学生たちが志望するようになり、競争率が数倍に跳ね上がる結果となりました。これは、山口理科大学にとっては素晴らしいことかもしれませんが、このような素晴らしい状況を生み出しているのは私たちの税金が投入されているからです。

 

少子化や格差の拡大で学生の確保が難しい地方私立大学で、苦渋の選択で閉鎖するところも出てくるでしょうが、公立化してもらえるところとそうではないところが出てくるのは不公平です。しかも、本当は閉鎖されるべき大学がゾンビのように税金で生き残るというのはおかしな話です。

 

 今回の岡山理科大学獣医学部新設をめぐるスキャンダルは、クローニー・キャピタリズム(お仲間優遇資本主義)としての面と、日本の高等教育が抱える問題を明らかにしたということが言えると思います。日本の高等教育を支えているのは、私立大学です。全国に約700ある大学・短期大学の中で、私立が占める割合は7割以上です。戦後の日本の高等教育を支えてきた私立大学ですが、今、少子化の時代を迎え、厳しい時代になっています。大都市圏にある有名私立大学でもそこまで深刻ではないですが問題はあるようです。

 

 日本のこれまでのキャッチアップ型の方向性が終わった中で、高等教育はどのような理念と目標を持って、社会に対する貢献を行っていくのかということが再考され、再構築されねばなりません。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 今回は、安倍首相による憲法変更に向けた動きに関する記事をご紹介します。世論調査では、憲法9条を変更すべきという考えの人とすべきではないという考えの人の割合が拮抗しつつ、わずかに変更すべきという人の割合が多いが、安倍晋三首相の下での変更に反対の人が半数を少し超える割合でいるということをまず紹介しています。

 

 憲法9条の変更は、大袈裟ではなく、「国論を二分する」大きな問題です。安倍首相は、憲法九条の第一項と第二項に変更を加えることなく、第三項に自衛隊の存在を明記するという方向での変更を考えていることを明らかにしました。しかし、これはかなりアクロバティックな、困難な作業になると思われます。もし第三項を加えるのなら、第一項、第二項に何らかの変更を加えねば成立させることはかなり難しいと思います。それでも日本のその世代最高の頭脳と努力体質を持つ官僚たちが集まって、知恵を絞って理屈を考え出すことでしょう。

 

安倍首相は、自衛隊が違憲の存在ではない、ということを明記する、違憲の存在であるという考えが出ないようにする、という主張を行っています。はっきり言って、実態は、国民の大部分は自衛隊を違憲ではないと考えているでしょう。しかし、自衛隊の専守防衛、自衛権のための存在であるとまでは認めても、自衛隊が他国で援助目的以外の活動を行うことには反対が多いでしょう。

 

 安倍首相は2020年には変更した憲法を施行したいと述べました。そのためには残された時間は大変短いものです。この期間に、国会での熟議、国民一人ひとりの考えの醸成、国民投票を行わねばなりません。そのためには、月並みな言い方ですが、私たちが自分の問題として、この時代に国民投票に参加できる年齢になっていたことの巡り合わせを噛み締めながら、よく考えてみることが必要となります。

 

 私は、憲法の変更は必要ではないと考えますし、現状以上に自衛隊がその役割拡大することも必要ではないと考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

日本は平和憲法の変更に向かっているのか?(Is Japan Moving to Revise Its Pacifist Constitution?

 

エミリー・タムキン筆

2017年5月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/05/01/is-japan-moving-to-revise-its-pacifist-constitution/

 

日本の平和主義を打ち出した憲法は今週水曜日に70周年を迎えた。記念日を前に、日本国民が憲法の変更を望んでいるのかどうかを知るために郵送のアンケートが実施された。そして、日本国民の約半分がそれを望んでいるという結果が出た。

 

日本国民の半数近くが憲法変更を望んでいる。憲法9条は戦争放棄を規定している。調査対象の約49%が憲法9条を変更しなくてはならないと考えている一方で、47%は変更すべきではないと答えた。しかし、過半数は今すぐの変更を望んでいない。51%の人々は安倍晋三首相の下での憲法変更を望んでいない。安倍首相は月曜日、憲法の歴史的な変更を人々に訴えた。

 

 しかし、アンケートに答えた人々は全員、ほんの数年前とは軍事力との関係が大きく変化した国に既に暮らしている。憲法変更を行うことなしに、安倍晋三首相は、第二次世界大戦以降、日本の軍事力を縛ってきた制限を慎重に緩め、世界の安全保障に対してより大きな役割を果たそうとしてきた。

 

安倍首相は既に、憲法9条を破らない形で集団的自衛権の行使ができる諸法律を可決させた。そして武器輸出禁止を解除した。日本は、東南アジア諸国連合との更なる安全保障関係の強化を主導している。東南アジア諸国連合は中国についての懸念を募らせている。月曜日、日本政府は、日本の領海内を航行するアメリカの輸送艦一隻に同行させるために自衛隊が保有する最大級の戦艦一隻を派遣した。

 

アメリカン・エンタープライズ研究所のマイケル・オースリンは、「安倍首相は既に、日本を軍事と防衛を重視する“普通の国”にするという希望を叶えるために目的を達成した」と述べた。

 

カーネギー財団のジム・ショフは、しかし、安倍首相は、日本の安全保障関連のいくつかの法律の変更を憲法に成文化するために十分な支持を得るために努力を続けねばならない、と述べた。そのためには、変更された健保9条の内容がどのようなものとなるか、拘束を解かれた日本の軍隊がどのような形になるかということを人々が理解しなければならない。ショフは、これが「階段における次の大きなステップ」だと語る。

 

憲法の変更は議論の内容次第であるし、多くの国民の支持を必要とするのが現状だ。そして、日本を取り囲む変化し続ける環境を反映したものとなる。日本は一貫性のない北朝鮮、方向性を予測しがたい韓国、拡大を続ける中国に囲まれている。中国は南シナ海、そして日本により近い東シナ海で拡大を続けている。こうした状況に対処するために、日本の指導者たちはここ数年、アメリカとの関係を再検討しようとしている。彼らは、アメリカ政府への過度の依存は急激な変化についていけなくなる可能性があると懸念を持っている。

 

オースリンは、日本国民は現在も平和主義的なのだと語る。防衛力の向上は、世界へ、もしくはアジアへの介入の意欲を持っているということを意味するものではない。

 

このことを忘れて、日本の拘束を解かれた軍事力を介入主義的な政策に使おうとする指導者は、その地位を追われるという形で、人々から厳しい教えを受けることになるだろう。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 憲法記念日に日本会議が開催した集会に安倍晋三首相が自民党総裁の肩書でビデオメッセージを寄せました。この中で安倍首相は変更した日本国憲法を2020年に施行したいと述べました。

 

2019年に国民投票を行うことになるでしょう。そのためには、前段階として、国会の発議が必要となります。国会発議から国民投票までは3カ月から6カ月を必要とし、その間に賛成、反対の投票運動が行われます。国会の発議には衆議院、参議院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要となります。国会の発議のための真偽も必要となると、2018年の間に国会で改憲の発議の審議が始まることになるでしょう。改憲はまだ先の話という考えが頭の片隅にありましたが、いよいよ待ったなしという状況になってきました。

 

 私たちはこうした重要な状況の中で偶然にも生まれて、判断をするということになります。これは私たちの前の世代、過去の世代の先輩たち、そして未来の世代に対して、きちんと責任を果たさねばならないめぐりあわせになってしまったということになります。

 

 安倍晋三首相は憲法9条の変更を行う考えのようです。憲法9条に自衛隊の存在を書き込むことで、「自衛隊が違憲ではないか」という考えが存在できないようにするということのようです。

 

 日本国憲法第9条の1項は、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とあり、2項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」となっています。

 

 第2項の「前項の目的を達するために」という言葉を衆議院帝国憲法改正案委員小委員会の芦田均委員長が入れた(芦田修正)ために、個別自衛権のための防衛力、自衛戦力を保持することは可能になったという解釈がなされています。ですから、自衛隊の存在が合憲か、違憲かということは、難しい問題ですが、違憲ではないという判断を下すことができています。

 

 安倍首相は自衛隊の存在を憲法9条に書き込むと言っていますが、彼が狙っているのは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という部分の変更だと思います。自衛隊を自衛のための戦力であり、かつこれを戦争に用いない(戦争はできないのだから)、国際問題の解決には使用しない、という現在の状況を大きく変更することは必要ありません。

 

 しかし、アメリカからの日本に対する「応分」の安全保障の負担、ということを考えると、自衛隊の海外派遣において、より積極的なアメリカに対する「貢献」を行うためには、上記の部分が邪魔になります。ですから、自衛隊の存在を書き込むというとにかこつけて、この部分の変更を行うであろうということは容易に想像できます。

 

 あと、私が気になったのは、安倍首相が2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催について、「日本人共通の大きな目標」と述べている点です。私は東京オリンピック・パラリンピックの現状での開催には反対です。ですから、開催に関して、法律を犯してまで反対することはしませんが、積極的に協力することはありません。従って、少なくとも私にとっては、東京オリンピック・パラリンピック開催は「日本人共通の大きな目標」ではありません。

 

 近代的な民主政治国家においては国家目標に反対する自由は保障されていますし、全員が一致して同じ方向に向かうことを強制されることはありません。ですから、私は近代的な民主政治体制を採用している日本に住む国民として、反対の意見を表明します。もちろん、オリンピック・パラリンピックに向けて努力している方々の努力を蔑ろにするつもりはありません、某元総理大臣をはじめとする無能な最高幹部、選手を蔑ろにしている競技団体のたち以外は、ですが。

 

 オリンピック・パラリンピックは都市開催が原則であり、過度なナショナリズムを煽るようなことに利用されるべきではありません。戦前のベルリン・オリンピックがナチスに利用されたことを考えると、「日本人共通の目標」という言葉は大変危険であると言わざるを得ません。

 

 安倍首相は、2020年を自分の政治人生のハイライト、花道にするつもりです。日本国憲法の改変と東京オリンピック・パラリンピックの開催を花道に引退するつもりでしょう。これらができれば日本の歴史に名前を残す大政治家となると考えていることでしょう。大叔父である佐藤栄作元首相のように、ノーベル平和賞までも狙えるとも思っているでしょう。

 

 安倍首相は1964年の東京オリンピックのことを念頭に置いて2020年の東京オリンピック・パラリンピックについて語っています。しかし、私は現在状況を考えると、2020年の東京オリンピック・パラリンピック前の状況は、1940年の幻となった東京オリンピックの頃の方がよく似ているのではないかと考えます。国民生活の苦しさ、ナショナリズムと排外主義、政党の堕落といった点は同じではないかと思います。ですから、2020年は安倍さん個人にとっては輝かしい未来が待っていると思えるかもしれませんが、残念ながら私にはそう思えないのです。

 

(貼りつけはじめ)

 

憲法改正「2020年に施行したい」 首相がメッセージ

 

朝日新聞デジタル 5/3() 14:17配信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170503-00000034-asahi-pol

 

 安倍晋三首相は3日、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。首相は改正項目として9条を挙げて「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」との考えを示した。

 

 18年秋の自民党総裁選での3選を前提に、自らの悲願である憲法改正の実現に意欲を示した。野党の反発は必至だ。

 

 首相がメッセージを寄せたのは、日本会議が主導する美しい日本の憲法をつくる国民の会などの改憲集会。

 

 首相はメッセージで「憲法改正は自民党の立党以来の党是」とした上で、「憲法を改正するか否かは最終的には国民投票だが、発議は国会にしかできない。私たち国会議員は大きな責任をかみしめるべきだ」と強調。20年に東京五輪・パラリンピックが開催されることについて「日本人共通の大きな目標。新しく生まれ変わった日本がしっかり動き出す年」として20年に改正憲法の施行を目指す考えを示した。

 

 憲法9条について、首相は「多くの憲法学者や政党には自衛隊を違憲とする議論が今なお存在する。あまりにも無責任だ」として、自衛隊の根拠規定を9条に追加すべきとの考えを強調。さらに「改憲勢力」と位置づける日本維新の会が改正項目に掲げる教育無償化についても「一億総活躍社会を実現する上で教育が果たすべき役割は極めて大きい」と前向きな姿勢を示した。

 

 首相のメッセージに対して、米ハワイ・ホノルルを訪問中の自民党の二階俊博幹事長は2日午後(日本時間3日午後)、「総理がそういうことを熱烈に希望しているなら、安倍内閣を支持している以上、積極的に支持、協力していくことが当然ではないか」と同行記者団に語った。(藤原慎一、ホノルル=山岸一生)

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)






このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

このページのトップヘ