古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:安倍晋三

 古村治彦です。

 

 安倍晋三首相は2019年4月26日にメラニア・トランプ大統領夫人のバースディーパーティーに出席し(おそらく昭恵夫人も)、翌日(2019年4月27日)にはドナルド・トランプ大統領とゴルフを行うという計画だそうです。もちろん首脳会談は行われるでしょうが、その時間はどれくらいあるのか、と疑問を持ってしまいます。1万キロを往復して、いったい何時間首脳会談が行われ、有益な話が出来るのだろうか、疑問です。


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 安倍晋三首相は、外国首脳との個人的な友情関係を外交の一つの重要な要素と位置付けているようですが、トランプ大統領には偏愛的なまでの努力を傾注しているようです。しかし、それがうまく機能しているのだろうかというと、そうではないというのが答えです。

 

 そもそも最高首脳の鶴の一声で外交方針が大転換するというのは、民主政治体制に即した動きではありませんし、個人的な関係で成果を得るというのはもちろん存在する方法ではありますが、それが常道、王道になってはいけません。個人の友情で国歌の方針がぶれるなどということはあってはならないことですし、民主国家同士なら尚更です。

 

 わざわざ喧嘩をする必要はありませんが、へいこらして、「仲良くしてください、何かあったらご憐憫の沙汰をお願いします」とやることは外交ではありません。トランプ大統領も世界各国の指導者たちと会って値踏みをしているでしょうが、安倍晋三という人物には「使い勝手の良い捨て駒」以上の評価はしていないでしょう。「ちょっと脅せば、何でも買うし、金も出す」というのは友人同士でもありません。

 

 そもそもが2016年の米大統領選挙で民主党のヒラリー・クリントンが勝利すると見越して、そちらの方ばかりに注意を向けていたために、番狂わせでトランプ大統領が当選してしまったことで、安倍首相と日本政府は大分慌てたようです。アメリカ国内、世界中でトランプ当選を予想していた人たちは少ないのですから、それ自体は責められませんが、その後の慌てぶりは酷いものでした。

 

 結果として、その慌てぶりをトランプ大統領側に利用されるような形になっています。やらなくても良いことをわざわざやって、自ら墓穴を掘っているようです。


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 それにしてもトランプ大統領に何とか取り入ろうとしている姿は見苦しい限りです。孫娘が日本大使館に来ると分かったら、慌てて、その女の子がお気に入りのピコ太郎を呼ぼうとして失敗したり、ほぼ成果がないのに北朝鮮との外交を理由にしてノーベル平和賞にトランプ大統領だけを推薦したり、そんなに阿諛追従をしなければならないのかと情けなくなるばかりです。


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 個人的な友情関係を外交に展開するということは、一歩間違えば、相手の侮蔑を買い、かえって舐められて終わりということになります。安倍首相が身をもって教えてくれるこの事実を日本はこれから教訓として活かしていかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

最高級ゴルフクラブと誕生日の豪華なパーティー:安倍首相のトランプ大統領の機嫌の取り方(Gold-plated golf clubs and birthday bashes: How Abe courts Trump

―他の世界の指導者よりも、その結果は複雑なものではあるが、日本の首相はドナルド・トランプ大統領との関係を近づけようと努めている。

 

エリアナ・ジョンソン筆

2019年4月17日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/story/2019/04/17/trump-shinzo-abe-melania-birthday-japan-1278635

 

日本では2019年5月1日に新しい新天皇が即位する。この時、日本の安倍晋三首相は少し時差ボケを感じているかもしれない。

 

現代の日本にとって最も重要な儀式の一つのわずか4日前、安倍首相は世界中ジェット飛行機で飛び回り、重要な使命のために日本に戻る計画になっている。天皇の即位はローマでの新法王の選挙と同じである。彼の旅の目的は、ドナルド・トランプ大統領との関係を維持するということだ。

 

安倍首相の36時間、6700マイルを越える旅の内容について、計画に詳しい2人の取材源は次のように語っている。2019年4月26日の金曜日にメラニア・トランプ大統領夫人の49回目の誕生日のお祝いに出席し、翌日には大統領とゴルフをプレーする。これは安倍首相がアメリカ合衆国大統領との関係を構築しようとしてきた長年の努力を象徴するものである。

 

安倍首相は2012年に首相に就任し、米日同盟関係を強化することを決意し、アメリカ大統領との個人的な友情関係を構築することが外交上の妥協を得るための方法だという確信を得た。2年以上にわたるご機嫌伺いの中で、安倍首相はトランプタワーで大統領選挙当選直後のトランプに面会した際に最高級のゴルフクラブを贈った。また最近では、トランプ大統領のツイッター上の投稿での情報でしかないが、安倍首相は北朝鮮との核兵器をめぐる外交交渉を理由にして大統領をノーベル平和賞に推薦したということだ。

 

これらの動きは、安倍首相とトランプとの関係において、安倍首相の方に大きな利害があることが反映している。彼が率いる島国である日本は台頭する中国からの防衛をアメリカに依存している。トランプが導入すると主張している自動車輸入への関税に恐怖し、鉄鋼とアルミニウムに既に課されている関税を撤回させようと努力している。

 

日本はアメリカとの貿易交渉を開始している。日本の代表団はワシントンに到着し、月曜日と火曜日にトランプ政権の通商代表ロバート・ライトハウザーと会談を持った。安倍首相はトランプからの関心を維持しようと努力を増大させている。トランプ大統領は5月と6月に続けて日本を訪問することで日本側の恩義に報いようという計画を立てている。日本政府の関係者たちは、気まぐれな大統領がどういった人々に依存しているのかということを理解し、接触しようと試みている。

 

東アジア専門家で政治学者でもあるワシントン・カレッジのアンドリュー・L・オロスは次のように語っている。「安倍首相の政策ティームは長い時間を割いてトランプ大統領の発言、ツイートも含めて言葉遣いを詳細に調べ上げている。政策ティームは、安倍首相と日本の代表団に対して話す際のポイントをトランプ大統領の言葉遣いを真似て指南している。これは、交渉の準備をする際に政策にかかわる問題のニュアンスや詳細について指南する従来のやり方は対照的なものである」。

 

安倍首相の目的の一部は経済的厄災を避けることだ。貿易に関する交渉、そして大統領が日本に自働車に関税をかけてダメージを与えるかどうかを決断することは、お友達関係を維持するか、壊すかの重要な問題となる。

 

戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当上級副所長で日本部長であるマイケル・グリーンは次のように語っている。「安倍首相の周辺が私に語っているのは、トランプ大統領が自動車関税を導入するなら、安倍首相は必ず反撃をするということだ。これについては日本側を非難できない。これまでトランプ大統領が日本にやってきたこととは異なり、これは日本に対する侮辱であり、日本にダメージを与えることである」。

 

日本にダメージを与える決断が行われることを防ぐ、加えてその他の政策目的を達成するために、安倍首相と安倍首相周辺は非公式のトランプ専門学者(Trumpologists)となっている。日本政府高官たちに実際に接触のあった学者たちによると、彼らはアメリカの学者たちに対して、トランプ大統領を喜ばせる最善の方法は何かを教えてくれるように依頼している、ということだ。学者たちから得た助言には以下のようなものがあった。トランプ大統領に最も近いアドヴァイザー陣の中にいる大統領の家族に接触する。

 

グリーンは、日本政府は当初、トランプ大統領の娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナーが中国の大富豪たちとクシュナー家の不動産ビジネスを通じて緊密な関係を持っていることで、地域のライヴァル国である中国がトランプ政権と緊密な関係を築くことを懸念していたと述べている。グリーンは次のように述べている。「日本政府関係者たちはニューヨークに在住する中国人の大富豪たちと不動産ビジネスを通じて大変に緊密になっていることを懸念していた。アメリカへの偏愛と戦略的な関心は、中国がトランプ政権にとって最大の関心を勝ち取ることを阻止するということにつながった」。あるホワイトハウス関係者は「ジャレッドは中国の大富豪たちと同様に多くの日本の大富豪たちとも親しい。彼との関係で彼の政府で行う仕事に何かしら影響を与えることが出来ると考えるのは馬鹿げている」と述べている。

 

トランプ大統領の周囲を喜ばせようとして、日本政府は、2017年にワシントンの日本大使館で催された桜まつりのお祝いに、エンターテイナーの「ピコ太郎」をわざわざ招待した。ピコ太郎はトランプの孫娘アラベラ・クシュナーのお気に入りであった。この催しにはイヴァンカと2人の子供も出席した。その中にはアラベラも含まれていた。ピコ太郎は渡米が出来ず、ヒットした歌をその場で披露することが出来なかったが、イヴァンカ・トランプとあるアラベラのために撮影したヴィデオ映像が流された。

 

日本の外交官たちは、トランプ大統領が2019年5月末に訪日し即位したばかりの新天皇と会見することになっているが、この時にホワイトハウスの高官たちとアメリカの学者たちにどうすれば大統領の印象に残るかということを問い合わせている。ちなみに天皇の即位は1989年以来のことだ。アイディアには以下のようなものがある。トランプ大統領夫妻を東京の中心部にある皇居でのお茶会に招待する、そして、天皇の神聖な邸宅である皇居に立ち入ることを許されている人はほぼいないが、トランプ大統領夫妻に対して、特別に内部を見学するツアーを行う。

 

6月末にG20先進国サミット年次総会が、安倍首相がホストとして大阪で開催される予定で、トランプはこの時に日本に戻る予定だ。

 

安倍首相の個人的な外交関係のモデルは、アジア、中東、ヨーロッパ各国の指導者たちの外交姿勢を反映している。指導者たちはトランプ大統領を追いかけ、深い個人的なつながりを構築し、それを外交につなげようとしている。このようにしてトランプ時代に形が変わった政治のやり方をやっていこうとしている。,個人的な関係と大袈裟な甘言が国益をめぐる戦略に組み込まれている。

 

これらの国々の間には競争心が存在する。トランプ大統領が日本を訪問する際、安倍首相と側近たちは地域のライヴァルである中国に勝ちたいと願っている。中国はトランプ大統領が大統領就任後初の外遊先として2017年に訪問した国だ。この時、習近平主席はトランプ大統領夫妻に紫禁城内部を案内した。その後、夫妻は一流の中国のオペラとアクロバットを鑑賞した。

 

ホワイトハウスに勤務していたある人物によると、中国訪問後にトランプ大統領は「私たちは中国を警戒する必要があるようだ」と述べたということだ。余り感動することがないトランプ大統領は中国で見た、中国の子供たちと中国の伝統衣装を着たパフォーマーたちによるオペラとパフォーマンスを見て驚いたようだ。アメリカにも同じくらいのものがあるはずだと大統領は考え、「そうだ、アメリカのロケッツ(Rockettes、訳者註;ニューヨークを拠点とするダンスティーム)みたいだ・・」とつぶやいた。

 

ここで出てくる疑問は、日本側はその努力に見合った見返りを得ているかどうか、ということだ。安倍首相を批判する人々は、安倍首相の阿諛追従は成果を生み出していないとこき下ろしている。トランプ大統領は2018年3月に数か国に対して鉄鋼とアルミニウムの輸出に関税をかける際に、日本を除外することを拒絶した。安倍首相と周辺の人々は、トランプ大統領が北朝鮮の指導者金正恩委員長との外交で手のひら返しに恐怖感を持っている。トランプ大統領は金委員著を「リトル・ロケットマン」と酷評していたのに「大変に頭の切れる」指導者と称賛するようになった。安倍首相率いる日本政府は、日本上空を通過するミサイルテストを複数回にわたって実行した金委員長に対して信頼感を持っていない。そして、金委員長が核兵器開発プログラムを放棄することを望んでいる。そして、日本の要求とは見合わない内容の合意をトランプ大統領が北朝鮮側と結ぶのではないかという恐怖心を持っている。

 

そのため、トランプ大統領が2019年2月に、安倍首相が金委員長との核兵器をめぐる外交を行ったことを理由にしてトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したことを発表した後、安倍首相はそのこと自体を否定しなかった。安倍首相は疑念を持った国会議員たちに対して、「トランプ大統領とは緊密に協力している」が、「そのことは事実ではない、とは言わない」と発言した。

 

安倍首相を擁護する人々は、トランプ大統領が行っていない行為について指摘している。2016年の大統領選挙期間中、トランプは日本が自国の防衛力の構築に失敗していると非難し、日本と韓国は核兵器の開発を考慮すべきだと提案した。

 

トランプは2016年3月に『ニューヨーク・タイムズ』紙とのインタヴューで次のように語った。「北朝鮮が頭を上げるたびに、日本からの救助要請を受ける。その他のあらゆる場所からも要請を受ける。そして、何かして下さいと言われる。しかし、いつか私たちには何もできない日が来るだろう」。

 

トランプ大統領は左派である韓国の文在寅大統領とはより冷たい関係になっている。トランプ大統領はオーヴァルオフィス(大統領執務室)から韓国を批判している。一方、日本に対しては国防費の増額の要求を止めている。

 

現代アジアを専門とするスタンフォード大学フーヴァー研究所研究員マイケル・オースリンは次のように語っている。「トランプ大統領は日本との同盟関係で日本側に対して更に予算を出すように求めたことはない。韓国との同盟に関してはそのように述べたことはあるが、日本に関してはない。従って、日本政府はトランプ大統領を伝統的な日米関係の枠組みの中に入れ込むことに成功しているのだ」。

 

オースリンは、2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝利して大統領になると予想してそのための準備をしており、クリントンのアドヴァイザーたちとの関係を構築しながら、トランプのティームは無視したために、トランプ勝利後は、最大限の両手を挙げての最大限の暖かい抱擁を行うしかなかった、と述べている。オースリンは、トランプが勝利したので、安倍首相は「行き着くところまで登るしか選択肢がなくなった」と述べている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 2019年2月27日から28日にかけてヴェトナムの首都ハノイでアメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員会員長の首脳会談が開催されました。昨年6月12日のシンガポールでの首脳会談に続く第2回目の会談でした。


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 今回の首脳会談では共同宣言に署名されることもなく、成果のないままに終了ということになりました。トランプ大統領は記者会見に応じ、これからも交渉を続けていくと述べました。それでもマスコミでは「物別れ」「決裂」という言葉が躍っています。

 

 前回の一回目の首脳会談では、共同宣言が出されました。その中には「トランプ大統領は朝鮮民主主義人民共和国に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた断固とした揺るぎない決意を確認した」という一節があり、これでアメリカは北朝鮮を攻撃しないとし、北朝鮮は非核化に向かって進むということになりました。

 

 アメリカとしては、攻撃しないという保証を与えたのだから、アメリカの意向通りの非核化を行うべきだと考えている一方で、北朝鮮は安全の保証だけではなく、経済発展に向けた動きもついでに確保しよう、非核化をできるだけ高く売りつけようという考えのようです。中国とロシアの後ろ盾もあり、経済制裁も効果を上げていない(密輸などで)中で、北朝鮮は焦る必要はない状況です。そうした中で、アメリカの意向通りには物事は進まなかったということでしょう。

 

 それでも交渉は続けるということですし、交渉が続いている状況で、一回目の共同宣言の効力があるうちは、アメリカにとってはミサイルが飛んでこないということであり、北朝鮮にとってはアメリカから攻撃されないということで、この宙ぶらりんの状態はお互いに望ましいということになります。

 

 金正恩委員長が不機嫌なままで会場を去ったという報道が少しに気になります。笑顔がなくて外見上が不機嫌に見えたという印象論の報道ならまだ良いのですが、会談の席上でのトランプ大統領の発言のために不機嫌になったということなら問題です。私が懸念しているのは、現在の外交、安全保障を司っているアメリカの政府高官がそろいもそろってネオコン派であるという点です。

 

 そうした中で、トランプ大統領がアメリカによる北朝鮮攻撃、体制転換、政権交代などについて口を滑らせてぽろっとでも発言すれば、北朝鮮にしてみれば到底受け入れがたいことになります。

 

 日本政府について考えてみると、今回紹介している記事の内容から考えると、何も合意が出来なくてホッとしているということになるでしょう。日本が置き去りにされて、米朝が何か氏からの合意や進展をしてしまうということは、日本にとっては困ってしまう事態です。日本はアメリカとの関係に依存し過ぎているのに、アメリカは気まぐれで日本の利益を考えない行動をするということになったら、日本は損ばかりをしてしまうということになります。


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 また、日本が過度にアメリカ依存をしているということで、対中、対露、対北朝鮮についてはフリーハンドで動くことはできません。一方でアメリカはいざとなれば日本のことなど考慮しないということは可能です。日本は東アジア地域の大国ではありますが、北朝鮮をめぐる問題に関してはサイドラインに立たされたまま、ということになっています。

 

 北朝鮮も日本に関しては重視していないので、日本からの働き掛けもうまくいっていないのが現状です。

 

 こうして見ると、下に紹介した記事にあるように、日本政府にとっては今回の会談で何も成果が出なかったということは、「日本にとって何も悪いことが起きなかった」ということになり、胸をなでおろしているということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

ハノイでの首脳会談で日本政府ははじき出されたと感じている(Hanoi Summit Has Tokyo Feeling Left Out

―日本はアメリカと北朝鮮が合意に至る中で、日本の利益が無視されるのではないかと懸念を持っている

 

ロビー・グラマー筆

2019年2月26日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2019/02/26/hanoi-summit-has-tokyo-feeling-left-out-japan-north-korea-shinzo-abe-kim-jong-un-nuclear-deal-trump-asia-security-denuclearization/

 

2018年9月、国連総会の席上、日本の安倍晋三首相は、北朝鮮との「相互不信の硬い殻を打ち破る」用意があり、北朝鮮の最高指導者金正恩国務委員会委員長との首脳会談を行う用意があると宣言した。

 

しかしそれ以降、アメリカと北朝鮮、韓国と北朝鮮、中国と北朝鮮といくつもの首脳会談が次々と開催される中で、日本はサイドラインから眺めることしかできず、ドナルド・トランプ米大統領が日本政府に相談することなく、北朝鮮と合意を結ぶのではないかという懸念を持ち続けている。

 

長年にわたり北朝鮮に対して強硬姿勢を保持してきた当の安倍首相は北朝鮮の金委員長との首脳会談を開くことができないままでいる。これはトランプ大統領が今週金委員長との2度目の会談を準備している中で、日本が不安定な立場に立っており、日本政府もそのことを認識していると専門家や日本政府高官たちは述べている。

 

ある日本政府高官は匿名で取材に応じ、「日本では、何か良いことが起きることを希望するよりも、何も悪いことが起きないことを人々は望んでいる」と発言した。

 

ヴェトナムでの首脳会談において、トランプ大統領と金委員長は非核化について北朝鮮による譲歩の可能性について議論することになるだろう。アメリカの同盟諸国は、金委員長がうまく立ち回り、トランプ大統領を出し抜き、政治上のまたPR上の勝利を勝ち取るのではないかという懸念を持っている。アメリカのマイク・ポンぺオ国務長官もまたこうした懸念を持っていると報じられている。大きな懸念としては、北朝鮮政府が非核化のための真のステップから外れるために自分たちの主張に固執するのではないかというものだ。アメリカの各情報機関のトップたちは、北朝鮮が核兵器プログラムを放棄したくないと考え、昨年シンガポールで開催されたトランプ・金会談以降の複数回の実務者協議は中断し、停滞しているのが現状だと発言している。

 

韓国では文在寅大統領は、南北関係を修復するために、金委員長の関係をこれまでになく強めている。文大統領と金委員長との間の一対一の会談は複数回開かれ、多くの場合、最後は両者が抱き合い、笑い合う様子を写真撮影することで終了している。

 

一方、北朝鮮政府は日本政府からの外交的な接触に対して反応をしていない状況下で、日本は韓国政府かアメリカ政府を通じて、トップレヴェルの関与を確保しなければならない。そのために、安倍首相は気まぐれな北朝鮮の最高指導者と向こう見ずで自由気ままなアメリカ大統領の間に挟まれ、身動きが出来ないようになっている。現在のアメリカ大統領は原稿通りに発言しないことと補佐官たちの助言を無視することを好む。

 

専門家の中には、北朝鮮は安倍首相と関与することを拒絶しているが、安倍首相がトランプ大統領と個人的な関係を持っているので、日本は外交上、強い立場にあると主張している人々もいる。しかし、安倍首相はハノイの首脳会談をサイドラインから眺めることを強いられている。

 

ヘリテージ財団研究員でCIA韓国部の副部長を務めたブルース・クリングナーは、「日本政府の高官たちと話をすると、彼らは懸念を感じ、孤立感を持っていることが分かる」と述べた。クリングナーは更に、トランプ大統領について、「日本政府高官たちは良くないサプライズが起きることを憂慮している」とも述べた。

 

トランプ大統領に対して日本政府高官が懸念を持つのはそれだけの理由があるからだ。

 

2018年の第一回目の米朝首脳会談の後、トランプ大統領は一方的に韓国との共同軍事演習の一部を修了すると発表した。これは同盟諸国と国防省内部に大きな衝撃を与えた。

 

2018年12月、トランプ大統領は、アメリカ軍のシリアからの完全撤退とアフガニスタンからの大幅な撤退を決断したと発表して、アメリカの同盟諸国を再び驚かせた。シリアからアメリカ軍を全員引き揚げさせるという決断(これは現在再考中ではある)によって、国防長官だったジェイムズ・マティスと対イスラム国特使だったブレット・マガークは辞任した。

 

ブルッキングス研究所の朝鮮半島研究部門の責任者ジュン・パクは、シリアとアフガニスタンに関する予想外の発表は東アジア全域を駆け巡り、アメリカの同盟諸国の神経を逆なでした、と述べている。パクは、東アジア地域のアメリカの同盟諸国に残されたものは、「不安定と不信感、不平不満の複雑に絡んだ状態である。これらはトランプ大統領の予測不可能性が原因の一部であると思う」と述べている。

 

中国の軍事的脅威が高まり、北朝鮮が核兵器とミサイル開発を放棄しない状況下で、それらに対処するために、日本はアメリカとの同盟関係に大きくい依存し続けている。日本の平和主義憲法は第二次世界大戦後に制定されたが、これは、純粋な防衛行動のみに軍事力を使用すると制限している。安倍政権は憲法の改定と日本の自衛隊を完全な軍隊にすることを推進中だ。

 

アメリカとの同盟に大きく依存しているということは、日本はアメリカ大統領の気まぐれの影響を受けてしまうということになる。現在のトランプ大統領は伝統的な同盟諸国との関係性の構造をはねつけ、これまでのアメリカの国際問題へのかかわりに疑問を呈している。

 

トランプ大統領が金委員長と合意に達することで、アメリカに対する脅威をなくす一方で、東アジア地位の同盟諸国を見捨てるのではないかというのが日本政府内に広がっている恐怖感だ、と日経新聞コメンテイターの秋田浩之と述べている。考えられる合意内容として、北朝鮮の長距離大陸間弾頭ミサイル開発に制限を加えながら、完全な非核化を行わず、アメリカ本土には脅威ではないが日本にとっては脅威となる短距離、中距離ミサイル開発も阻止しないというものがある。秋田は「これは日本にとって悪夢のようなシナリオだ」と述べている。

 

ランド研究所の研究員ナオト・アオキはハノイでの合意内容によって、日本の置かれている不安定な立場はより厳しいものとなるだろう、と述べている。トランプ・金会談の結果の一つの可能性として考えられる内容は、アメリカの交渉担当者たちが外交関係正常化に向けたステップの中で北朝鮮に、完全な大使館機能を備えてはいない連絡事務所を設置することを提案するということだ。東アジア地域の他の主要なプレイヤーであるロシアと中国は平壌に大使館を置いている。韓国は昨年9月に北朝鮮に連絡事務所を設置している。

 

青木は「アメリカが連絡事務所を設置するとなると、日本は東アジア地域で北朝鮮との間に、二国間で利用される存在もしくは外交チャンネルを持たない唯一の主要国となる」と発言している。

 

日本政府高官や専門家たちによれば、日本は複数回にわたり北朝鮮に接触を図った。2018年の国連総会の非公式な場面での接触や、2018年8月の東南アジア諸国連合の会合での日本の河野太郎外相と北朝鮮の李容浩外相との会談が 行われた。また、両国の情報機関の間で交渉が行われたとも報じられている。

 

青木は、これらの交渉や会談では「何も実質的な」ことには結びつかなかったようだ、と述べている。

 

外交評議会(CFR)のシーラ・スミスをはじめとする一部の専門家たちは、ハノイでのトランプ・金会談に至る過程で日本は孤立しているという考えに反論している。スミスは、トランプとポンぺオが東京を訪問したこと、北朝鮮との交渉について調整を行うために両者が安倍首相や河野外相と電話会談を行っていることを指摘している。

 

別の日本政府高官は匿名で、「非核化問題について私たちはアメリカと全面的に協調している」と述べている。

 

スミスは、2017年に北朝鮮が日本を飛び越えるミサイル実験を行った後、安倍政権は国連を含む、国際的な反応を引き出すために効果的に活動した、と述べている。スミスは「日本は国際的な舞台で活発な活動を続けている」と述べている。

 

しかし、トランプ大統領と安倍首相との個人的な友情がハノイでトランプが行う交渉に影響を及ぼすかどうかは不明確だ。秋田は、「(安倍首相の)個人的な関係が、日本にとって好ましくない妥協をトランプ氏が行わないようにするだけの効力を持つのかどうかは分からない」と述べている。

 

安倍首相は金委員長との直接の会談の際には、1970年代から1980年代にかけて拉致された日本国民について話をしなければならないと一貫して主張している。北朝鮮は17名の日本国民を拉致したことを正式に認めた。しかし、実際の数は不明確だ。日本人拉致問題は日本の外交問題の中で政治的に最も重要でかつ感情的に緊張をはらんでいるものだ。この問題に対する最後の大きな進展は2002年に起きた。この時、北朝鮮は拉致を認め、5名の拉致被害者を解放した。残る12名の運命については不明確なままであった。この人々が生存しているのかどうかも含めて不明確なままであった。しかし、拉致問題解決に向けて進展することは、北朝鮮国内で唯一求められている経済発展への道を開くことでもあるのだ。

 

安倍首相は日本史上4番目に長い在任期間を誇る首相である。彼は自身の政治キャリアを通じて拉致問題を主眼にしてきた。安倍首相は自身の外交政策上の成果を確固としたものにするために拉致問題を一気に全面解決したいと表明している。しかし、複数の日本政府高官たちは、アメリカ政府か韓国政府の仲介があっても問題解決は難しいと諦めている。

 

戦略国際問題研究所(CSIS)の北東アジア担当研究員のスー・ミー・テリーは、北朝鮮から見れば、拉致問題は、韓国やアメリカとの関係改善と比べて、取るに足らないものであると述べている。彼女は「関係改善に向かっている中で、拉致問題は現在のところ、金委員長にとって重要度の高い問題ではない」と述べている。

 

CFRのスミスは、安倍首相と金委員長との会談が行われる場合には、これらの実質的な諸問題についても話し合われなければならない、と述べた。

 

スミスは「そうでなければ首脳会談とは言えない。また、単なる写真撮影の機会でもいけない」と述べた。

 

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 古村治彦です。

 

 今回は、ドナルド・トランプ大統領が、大口献金者であるシェルドン・アデルソンのために日本でのカジノ建設に関して、安倍晋三首相に「厳命」したという報道が出たことに関して、記事をご紹介します。

 

 日本ではIR法案が可決し、カジノ建設が本格化することになりました。カジノの本場ラスヴェガスでカジノを運営している各企業も日本でのカジノ建設、運営のために熱し選を送っています。日本政府からの免許取得のために競争状態になっているようです。

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安倍首相とトランプ大統領
 

 ここで重要になってくるのが、ドナルド・トランプ大統領との近さということになります。そこで出てくるのが、シェルドン・アデルソンと彼が率いるラスヴェガス・サンズです。アメリカで出た報道によると、トランプ大統領が安倍首相との首脳会談の席上で、カジノ建設に関して、LVSからの免許申請についてしっかりと考慮して欲しいと述べたということです。現職の大統領が自分の後援者のために首脳会談の席を利用した、ということになります。

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ドナルド・トランプとシェルドン・アデルソン
 

 IR法案とトランプ、シェルドン・アデルソンについてはこれまでにも何度かこのブログでも取り上げましたが、これほど具体的に、トランプが露骨に日本でのカジノ建設でシェルドン・アデルソン率いるラスヴェガス・サンズ(LVS)が有利になるように働きかけを行っていたとはと少し驚いています。

 

 今年6月にシンガポールで行われたドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談で、その前夜、金委員長がシンガポールを散策したことが話題になりました。この時、金委員長が訪問したホテルが、LVSが運営するマリーナベイサンズでした。アデルソンはシンガポールのマリーナベイサンズが日本のIRのひな型となる、具体例になると発言していますが、そこを金委員長が訪問したということはそれだけで大きな意味があります。金委員長がトランプ大統領の意向を受けたのか、忖度したのかは分かりませんが、大きな宣伝効果になったでしょうし、それ以上のこともあったでしょう。北朝鮮でのカジノ建設ということも視野に入っているでしょう。

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マリーナベイサンズ訪問中の金正恩
 

 以下の記事に書かれているように、アデルソンは日本との関係も深いようです。孫正義氏との関係もあるようです。

 

 トランプ大統領が首脳会談で、商談のようなことを行うというのは、彼の真骨頂でしょう。アメリカ大統領の力を持って「厳命」されれば、LVSに日本でのカジノ建設・運営の免許はスムーズに出されるでしょう。そして、東京・お台場に「○○(トーキョーベイのような言葉)・サンズ」というホテルが出来るでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は日本の安倍首相に対して、自身の大口献金者アデルソンのカジノ建設新設について考慮するように要請した(Trump told Japan’s Abe to consider donor Adelson’s casino bid: report

―シェルドン・アデルソン率いるラスヴェガス・サンズは日本でのカジノ建設を巡り同業他社と競争している。

 

『マーケット・ウォッチ』誌

2018年10月10日

https://www.marketwatch.com/story/trump-told-japans-abe-to-consider-donor-adelsons-casino-bid-report-2018-10-10?link=sfmw_fb

 

ドナルド・トランプ大統領は、昨年日本の首相と会談を行った際に、大富豪の大口献金者のビジネス上の利益に関してロビー活動を行ったという報道がなされた。

 

トランプ大統領は日本の安倍晋三首相と2017年2月にフロリダで会談を行った。その際、トランプ大統領は安倍首相に対して、「シェルドン・アデルソンが経営する会社からのカジノ建設申請についてしっかりと考慮して欲しい」と語った、と『プロプブリカ』誌が水曜日に匿名の取材源の話を基に報道した。

 

トランプ大統領が外国の首脳に対して直接自身の大口献金者の個人的なビジネスの利益について話をするというのは長年の規範を破るものだと報じられている。

 

アデルソン率いるラスヴェガス・サンズ(LVS)と各ライヴァル企業は、日本でカジノを建設するための限られた数の免許をめぐって競争を続けている。日本はカジノを合法化する動きの中にある。カジノ業界から見ると、日本は世界で最後の手つかずの市場ということになる。日本市場は年間250億ドルを生み出す可能性があると見られている。

 

プロパブリカ誌は、トランプはLVS以外にも少なくとももう一つのカジノ会社について言及したと報じているが、それはMGM・リーゾツ・インターナショナル(MGM)であったという説と、ウィン・リゾーツ(WYNN)であったという説に分かれている。ウィン・リゾーツはこちらもトランプの大口献金者だったスティーヴ・ウィンが2017年まで経営していたが、2018年2月にCEOと会長職を辞任した。日本政府高官は、トランプがカジノについて切り出したことに驚き、うまく答えることが出来なかった、と報じられている。

 

LVSCEOであり会長であるアデルソンと彼の妻は大統領選挙の際にトランプに2000万ドルを献金した。更にはトランプの大統領就任の際のイヴェントに500万ドルを出した。

 

ホワイトハウスとLVSにコメントを求めたが、反応はなかった。

 

LVSの株価は水曜日、1.6%下落し、MGM・インターナショナルの株価は1.1%下落し、ウィン・リゾーツの株価は横ばいであった。

 

=====

 

ラスヴェガス・サンズは日本との関係をカジノ建設の免許を得るための財産だと考えている(Las Vegas Sands sees Japan relationship as asset for possible casino license

 

『ラスヴェガス・レヴュー・ジャーナル』誌

2018年7月25日

https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/las-vegas-sands-sees-japan-relationship-as-asset-for-possible-casino-license/

 

ラスヴェガス・サンズ(LVSCEOのシェルドン・アデルソンは水曜日、日本と数十年にわたり関係を持っており、日本のカジノ建設を巡る競争で、LVSは優位な立場にあると述べた。

 

LVSの第二四半期の利益発表の席上、アデルソンはウォール街のアナリストたちに対して、「日本の関係者、ビジネス関係者、銀行など全ての人々が、LVSは日本においてリードしている立場にあると言っている。その理由として彼らは私のバックグラウンドがあると言っている」と述べた。

 

金曜日、統合型リゾートの一部として3つのカジノを建設することを認める法律を国会が可決した。これによって、日本は世界で最大のギャンブル市場となるであろう。専門家たちは、2020年代半ばには、年間210億ドルを生み出すギャンブル市場になるだろうと予測している。

 

この法律の可決後すぐに、ラスヴェガス・サンズ、ウィン・リゾーツ、MGMリゾーツ・インターナショナルとシーザース・エンターテインメントは、日本でのカジノ経営の免許取得を目指すと発表した。

 

ラスヴェガスを本拠とするLVSが日本で免許が取得できるのかという質問に対して、アデルソンは、自分が日本でComdex(国際的なコンピューター製品の展示会)を開催したことに注意して欲しいと述べた。アデルソンは後にComdexを日本のソフトバンクに8億ドルで売却した。

 

アデルソンはまた、1980年代に東京近郊の千葉市長がアデルソンを訪問し、幕張メッセのデザインについて議論したことがあると述べた。

 

利益発表の席上、LVSがシンガポールにおいて統合型リゾートを成功させていることを強調し、これが「大規模統合型リゾートに関する法律を作ろうとしている日本にとって、強力な具体例」となる、日本の政府当局への後押しとなると述べた。

 

日本はマカオに次いでアジア第2位の巨大市場になるであろう。ここに参入することで、ラスヴェガスを拠点とする複数のカジノ運営会社は成長し続けることになる。

 

LVSの今年の第二四半期の純利益は6億7600万ドルで、前年比5.8%増となった。これは、マカオへの訪問者数が増加したことになる。

 

アデルソンは更に、マカオで運営しているホテルの客室の稼働率は、今年の第二四半期において平均で94%に達しており、記録的に高い数字となっていると述べた。

 

マカオでのビジネスの成長は、一般的な客よりもより富裕なギャンブル愛好者たちの数が増えていることによる、とLVSの幹部は述べている。

 

利益発表の席上、アデルソンと最高執行役員(COO)のロバート・ゴールドスタインは、「大変に富裕な」客の多くは、香港と広東省以外から来ており、滞在日数も長い、と述べた。

 

政府の統計によると、昨年、広東省以外からの客数は17%増加し、中国全土からの客数も12%増加した、ということである。

 

ゴールドスタインは次のように語った。「私たちは今年以降もビジネスを成長させるために必要な重要な要素を見つけたと確信している。私たちは強気に攻勢をかけるつもりだ」。

 

LVSの経営陣は、LVSは現在、マカオに所有しているホテルの改修のために資金を投入している、それは、「大変に富裕な」客層を獲得するためだ、と語っている。ヴェネティアン・マカオは今年初めに改修を完了した。一方、パリジャン・マカオの改修は継続中だ。

 

アデルソンは次のように語った。「私たちはマカオへの投資を続けていくつもりだ。なぜなら私たちはマカオ市場に対して長期にわたる、ゆるぎない関与を続けていくだからだ」。

 

LVSの株価は今年の第二四半期の純利益を発表した後に下落した。それはウォール街の専門家たちの予測を下回ったからだ。LVSの一株当たりの利益は70セントであったが、アナリストたちの予測は80セントであった。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 国連総会に伴い、安倍晋三首相がニューヨークを訪問、アメリカのドナルド・トランプ大統領と首脳会談を行いました。焦点は貿易赤字問題。簡単に言うと、アメリカは現状の対日貿易赤字状態を何とかしたい、減らしたい、日本は現状からあまり変更を加えたくないということになります。

 

 1980年代、私が子供の頃、日米貿易戦争などと呼ばれ、対日貿易赤字に業を煮やしたアメリカは厳しい要求をしていました。子供なのでよく分からなかったのですが、「日本が自動車やテレビを作って、それをたくさん輸出するんだけど、アメリカからは何も買わないのでアメリカが怒っている」という程度の理解でした。

 

 さて、その頃に比べて、日米の貿易関係はどうなっているかと言うと、アメリカの貿易赤字の額で言えば、中国やメキシコの方が大きくなっています。中国は年間で約38兆円も黒字(アメリカからすれば赤字)なので何ともすさまじいものです。貿易額の合計で言えば、中国とメキシコが群を抜いています。日本は対アジアでの貿易が活発になっているようです。

 

(貼り付けはじめ)

 

■2017年のアメリカの貿易赤字上位5か国(アメリカからの輸出額―その国からの輸入額、概数)

 

    中国 1700億ドル 5200億ドル -3500億ドル(約38兆5000億円)

    メキシコ 2400億ドル 3200億ドル -800億ドル(約8兆8000億円)

    日本 690億ドル 1390億ドル -700億ドル(約7兆7000億円)

    ドイツ 535億ドル 1130億ドル -595億ドル(約6兆5500億円)

    イタリア 185億ドル 500億ドル -315億ドル(約3兆4700億円)

 

ソース:http://honkawa2.sakura.ne.jp/8782.html

 

■年別の貿易赤字のグラフ


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 ソース:http://honkawa2.sakura.ne.jp/8782.html

 

(貼り付け終わり)

 

対日赤字の約80%は自動車関連となっています。アメリカ側には、自動車こそはアメリカのお家芸、アメリカの自動車は世界一、だから日本で売れないのはおかしい、という意識があるかもしれませんが、今の日本でアメリカ車を積極的に買いたいという人は少数だと思います。日本で外国産車と言えば、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス、スウェーデンといったヨーロッパの国々の自動車となります。アメリカ車は、燃費が悪く、故障が多く、大型車ばかりで日本の狭い道にはそぐわないという考えが日本の消費者の側にあります。戦後しばらくアメリカ車は憧れの対象で、古い日本映画では主人公がアメリカ車を運転している場面が良く出てきます。しかし、私がアメリカで生活しての経験を踏まえて、アメリカの自動車を買うかと質問されればとノーと答えます。

 

 アメリカ側が日本側にいくら「アメリカ車を買え」と要求しても、それは理不尽な要求で、消費者の要求に沿った自動車づくりをしてからそのように言えということになります。アメリカでは景気が良くなっているということで、購買意欲が高まり、その購買意欲が、アメリカ車ではなく、日本車に向かっていることで、貿易赤字が増えているという側面があります。日本車は故障しにくく、大切に乗っていれば、中古車として売却する際には高い値段で売れるというのがアメリカ国内での常識ですから、お金があったら日本車を買うということになります。

 

ですから、アメリカとしては日本の自動車関連輸出に対して高関税をかけることで、アメリカ国内での日本車の売り上げを下げ、アメリカ車が競争できるようにするという動きに出ようといのが現在の状況です。今回の日米首脳会談では更なる関税はかからないということになりましたが、今後はどうなるか分かりません。日本の対米貿易黒字(アメリカの対日貿易赤字)の8割近くは自動車関連なのですから。

 

アメリカから日本への輸出、日本から見ればアメリカからの輸入の主要な品目を見てみると、化学品等(18.8%)、食料品・農水産物(18.6%)、航空機・同部品(12.6%)、光学機器・医療機器(10.9%)、一般機械(10.0%)となっています。食料品・農産物がやはり大きな割合を占めます。日本は稲作を守るために高い関税障壁を設けているように思われていますが、他国と比べても農産物や食料品にかかる関税は高くありません。食料自給率の低下は私が子供の頃から叫ばれていますが、既に低廉な外国産の食品が入っており、日本農業の拡大はなかなか難しい状況です。

 

 こうした自動車や農産物の交渉を日本側では「TAGTrade Agreements on Goods)」と呼んでいます。問題は、共同宣言で、TAGが終了後、更に貿易と投資について話し合いを行うという文言が入っていること、更にトランプ大統領が「日本側は更に防衛関連でアメリカからの購入を増やすと述べた」と主張していることです。

 

 今回はあまり大きな変更はなくて済みそうですが、アメリカは日本側に更なる過大な要求をしてくることは明らかなようです。属国・日本はそれでますます疲弊していきそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「日米貿易協議 通商交渉「新枠組み」 首脳会談で詰めへ」

 

毎日新聞2018925 2347(最終更新 926 0057)

https://mainichi.jp/articles/20180926/k00/00m/020/175000c

 

 【ニューヨーク中井正裕、清水憲司】日米両政府は25日、ニューヨークで第2回の閣僚級貿易協議(FFR)を行い、関税を含めた2国間の通商交渉入りについて協議した。貿易赤字削減を目指すトランプ米政権が米産品の輸入拡大などを強く求めているのに対し、日本政府は米国による自動車・同部品の輸入制限を回避したい考え。26日(日本時間27日未明)の日米首脳会談でも交渉入りについて議論した上で、合意文書の公表を目指す。

 

 茂木敏充経済再生担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が同市内のホテルで協議した。終了後、茂木氏は「議論のベースを日本から提案した。両国の貿易を促進する方策、枠組みについて基本的な認識は一致した」と語り、協議が前進していると強調。ただ、具体的な内容は明らかにせず、「個別項目は首脳会談で合意した上で発表したい」と語った。

 

 8月に開いた第1回FFRでは、米国が2国間の通商交渉を迫る一方、日本は米国に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への復帰を促し、議論は平行線に終わった。しかし、トランプ米大統領は2国間交渉を拒む日本に対し「米国と取引しなければ大問題になる」といらだちをみせ、自動車・同部品の輸入制限の発動をちらつかせるなど通商圧力を強めてきた。

 

 トランプ氏は9月23日の安倍晋三首相との夕食会でも通商問題に言及。26日の日米首脳会談で、トランプ氏が通商問題で具体的な成果を求めるのは必至の情勢だ。一方、国内経済への影響が大きい米国の自動車・同部品輸入制限を回避することは日本政府の最重要事項。今回の協議で茂木氏は車の輸入制限回避に向け、農産物など一定の分野での関税交渉入りなどを幅広く議論した模様だ。

 

 北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉では米国はメキシコに、通貨政策を制限しうる為替条項や、自動車の数量制限など自由貿易を制限する条項を認めさせた。2国間交渉は、幅広い通商分野をカバーする自由貿易協定(FTA)につながる可能性もある。日本には警戒感が残っているものの、トランプ氏の強い要請を踏まえ、2国間交渉は避けられないとの判断に傾いた。

 

 

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●「トランプ氏、安倍首相との友好関係「終わる」 米紙報道」

 

朝日新聞 ワシントン=土佐茂生2018971049

https://www.asahi.com/articles/ASL972C1VL97UHBI009.html

 

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは6日、トランプ大統領が同紙コラムニストとの電話で、日本との貿易赤字を問題視し、安倍晋三首相との友好関係が「終わる」と語ったと報じた。日米は今月25日に首脳会談を行う方向で調整しており、トランプ氏が日本に二国間の自由貿易協定(FTA)の締結など、厳しい態度で交渉に臨む可能性がある。

 

 コラムニストのジェームス・フリーマン氏はトランプ氏と電話した内容を踏まえ、同紙で「北米や欧州の友好国との交渉をまとめたとしても、貿易をめぐる不確実性は必ずしも終わらない。トランプ氏はなお、日本との貿易の条件で悩んでいる」と指摘した。

 

 トランプ氏は電話の中で安倍首相との良好な関係に触れた上で、貿易赤字の解消のために「日本がどれだけ(米国に)払わなければならないかを伝えた瞬間、(良好な関係は)終わる」と語ったという。

 

 両国政府は、安倍首相が自民党総裁選で3選された場合、国連総会に出席するのに合わせてニューヨークで首脳会談を行う方向だ。これに先立ち、閣僚級の通商協議「FFR」の2回目の会合も行う見通し。トランプ氏は11月の中間選挙を控え、日本との貿易赤字の解消も成果にしたい考えで、輸入車への高関税措置をちらつかせて、日本側に妥協を迫る可能性がある。(ワシントン=土佐茂生)

 

=====

 

●「米貿易赤字9年ぶり高水準 17年、対中国が過去最大」

 

日本経済新聞 2018/2/6 22:47

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26613280W8A200C1FF2000/

 

 【ワシントン=鳳山太成】米商務省が6日発表した2017年の貿易統計(通関ベース)によると、モノの貿易赤字は7962億ドル(約86兆8千億円)と前年比8.1%増えた。2008年以来、9年ぶりの大きさだ。全体の約半分を占める対中赤字が過去最大に膨らんだほか、対メキシコも増えた。対日赤字は横ばいだった。

 

 トランプ米大統領は米国人の雇用が外国に奪われたとして貿易赤字を敵視する。赤字削減を公約に掲げているが、政権発足1年目は赤字幅が広がる結果となった。中国などに一段と圧力をかけて通商摩擦が激しくなる可能性がある。

 

 米国のモノの貿易収支のうち、世界主要国の同時成長を受けて輸出が1兆5468億ドルと6.6%増えた。一方で堅調な米国経済を追い風に輸入も2兆3429億ドルと7%増えた。旺盛な個人消費を受けて部品を含む自動車や飲食料品の輸入が過去最高を記録した。企業の設備投資も堅調で、コンピューターや産業機械など資本財の輸入も大きく増えた。

 

 国際収支ベースでみたサービス収支は2440億ドルの大幅な黒字だった。モノとサービスを合わせた貿易収支は5660億ドルの赤字にとどまり、サービスで稼ぐ構造が続いている。

 

 米国のモノの貿易赤字で最も大きい対中赤字は3752億ドルと8.1%増えた。1月に発表された中国側の統計でも、米国の対中赤字は過去最高となった。トランプ氏は同月、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と電話で協議し、対中貿易赤字の拡大を「持続的ではない」と指摘し失望したと伝えている。トランプ氏は鉄鋼やアルミニウムへの輸入制限、知的財産の侵害への制裁措置を検討しており、赤字拡大を受けてさらに強硬姿勢に出る可能性がある。

 

 対日貿易赤字は横ばいの688億ドルだった。国別では3位で、前年の2位から1つ順位を下げた。米政権は日本の自動車貿易の非関税障壁などに不満を持っており、日米自由貿易協定(FTA)に関心を示す。環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰検討も表明し、日本を含む協定参加国の市場開放に向けた交渉に乗り出す考えをちらつかせている。

 

 中国と並んで貿易赤字が大きく広がったのがメキシコだ。10.4%増えて国別では前年の4位から2位に浮上した。トランプ氏はメキシコから自動車関連の輸出が増えてきたことに不満を抱いており、昨夏からカナダも含めた北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を進めている。米国は自動車貿易を中心に厳しい要求を続けそうだ。

 

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(終わり)

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 古村治彦です。

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 昨日、自由民主党の総裁選挙の投開票が実施されました。地方党員票405票、国会議員票405票の行方に注目が集まりました。事前の予想では、国会議員票は安倍晋三氏が8割を固め、更に支持を伸ばす(無派閥や自主投票の派閥を切り崩す)、石破氏は、50票は固めたので、上積みを目指す(できれば20票)、地方票では安倍陣営は、55%は取りたい(もともとは6割以降)とし、石破陣営は150票以上を取り、国会議員票と合わせて200票を目安としたいとしていました。

 

 9月20日午後に投開票が行われ、国会議員票は、安倍氏が329票(約81%)、石破氏が73票(18%)、地方票は、安倍氏が224票(約55%)、石破氏が181票(約45%)を獲得しました。合計は、安倍氏が553票(約68%)、石破氏が254票(約32%)、白票が3票(そのうちの1票は船田元衆議院議員と自ら公表)という結果になりました。

jimintousousaisen002
 

 この結果について、「安倍氏がダブルスコアで圧勝、石破氏が惨敗、接戦、前線なんてとんでもない」という主張や、「事前の予想よりも石破氏が善戦した。国会議員票は事前予測よりも20票程度増えているし(安倍陣営の出陣式に出た議員数よりも獲得票数は少ない)、地方票はダブルスコアの差ではなかった、200票が目安だったがそれを50以上超えた」という主張が出ています。

 

 安倍陣営としては、今期(2021年9月まで)が最後の任期となるため、できれば圧勝、トリプルスコアかそれ以上で勝利を収めたかったはずです。最後の任期ということで、安部氏の求心力はどうしても低下してしまいます。アメリカ大統領の場合も三選はできないために、二期目の後半は力を失います。これをレイムダック現象と言います。安倍氏にとって最後の残る影響力維持の手段は、後継者指名ということになります。これをうまく使ったのが中曽根康弘元首相です。竹下登、安倍慎太郎、宮澤喜一の「ニューリーダー」たちを競わせて政権を最後まで運営しました。

 

 選挙前から、細田派(安倍派)、麻生派、二階派、岸田派、石原派、竹下派の一部が安倍氏支持を表明したために、勝負の行方は動きようがありませんでした。岸田派を率いる岸田文雄政調会長が安部氏支持を表明するのかどうかが注目されましたが、岸田氏が安倍氏支持を表明したことで、勝負の大勢は決しました。竹下派は竹下亘氏が石破氏支持を表明しましたが、自主投票となったために、分裂状態となりました。

 

 今回の総裁選挙は自民党の派閥の変質が顕著に表れたことです。自民党の派閥と言えば、総理総裁を目指す大物議員が物心両面で子分となる議員たちの面倒を見るというものでした。また、派閥の中には次を狙う若手(プリンス)がおり、協力と対立を繰り返してきました。総裁選挙となれば、次を狙う、次の次を狙うという大派閥の合従連衡があり、ポストを狙う中間派の派閥が誰を支持するかで冷徹な分析を行うということがありました。しかし、現在の派閥の多くは総理総裁を目指さない人物が派閥の長を務め、次の次を目指すプリンス不在状態の派閥が多いというのが現在の状況です。これが安倍一強状態を生み出している原因の一つと言えます。

 

 今回の自民党総裁選挙について、私は1970年の佐藤栄作首相の自民党総裁選四選の故事を思い出していました。宏池会の前尾繁三郎は佐藤四選に協力する代わりに人事で優遇してもらうことを約束して、総裁選挙出馬見送り、佐藤支持に回りました。小派閥を率いる三木武夫は負けることが分かっていながら総裁選挙に出馬しました。結果は、佐藤が当選しましたが、三木も善戦となりました。結果として、前尾は約束を反故にされ、派閥内で不満が高まり、大平正芳に派閥の領袖の座を譲ることになりました。一方、三木武夫は存在感を増し、「三大角福中(三木武夫・大平正芳・田中角栄・福田赳夫・中曽根康弘)」の一角を占める存在になり、後に総理総裁となりました。岸田氏と石破氏の決断が後々どのような結果を生み出すのか興味深いところです。

 

 党員票に目を移すと、47都道府県の中で、山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島江、徳島、高知、宮崎で石破氏が安倍氏を上回る得票を得ました。これらの県からは石破氏を支持する代議士が出ていることもあって、このような結果になったものと思われます。議員票で安倍氏が329票(81%、国会議員329名)を得たことを考えると、この329名が必死になって働きかけをしていれば、地方票の55対45という割合は変えられた可能性があります。もしかすると、必死に働きかけを行ってこの数字まで持って行ったということも考えられます。そうなると、安倍陣営が「地方の反乱」と驚愕した理由は分かります。

 

 今回の結果は、安倍氏にとって良かった点もあります。石破氏が善戦したことで、ポスト安倍の競争は厳しいものとなります。今の時点では、石破氏が一番手となります。ポスト安倍を目指して今回は出馬しなかった岸田氏は石破氏の後塵を拝することになります。そうなると、岸田氏にとっては、安倍氏からの後継指名が必要となります。安倍氏から後継指名を得るためには忠勤に励む必要があります。安倍氏は政権の基盤を固めるために、今回の石破氏の善戦を利用することが出来ます。


japanesepoliticsschedule001

 

 安倍政権の期限が最長で2021年9月までとなりました。この3年間で、改憲が最大のテーマとなります。改憲に関しては協力体制と共に日程も重要になってきます。日程がきつい、余裕がない中で、国民投票を実施することはかなり難しいことになりそうです。安倍政権下での改憲は厳しいということになります。99勝しながら最後の大事な戦いで負けてすべてを失ってしまった項羽のようになることもあるでしょう。憲政史上、最長の期間首相を務めながら、自身が掲げた最大のテーマを実現できなかった首相として退任してもらうことを私は個人的に望んでいます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●改憲、険しい道のり=首相本腰も日程窮屈-自民総裁選

 

2018920日 時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092000718&g=pol

 

 自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相は、任期中の憲法改正実現に本腰を入れる構えだ。秋の臨時国会で9条に自衛隊を明記する自民党の条文案を提示し、国会での改憲論議を軌道に乗せたい考えだが、来年は参院選や天皇陛下退位など大型行事が目白押し。国会発議と国民投票を行うには日程が窮屈な上に、他党との協議も難航が予想される。国民的な議論が深まっているわけでもなく、道のりは険しい。

 

 「総裁選の最大の争点だった。結果が出た以上、大きな方針に向かって一致結束して進んでいかなければならない」。首相は20日の新総裁記者会見でこう語り、改めて改憲案提出を目指す考えを示した。

 

 首相は昨年5月、改正憲法の2020年施行を目指すと表明し、党憲法改正推進本部に改憲案のとりまとめを指示。同本部は今年3月、自衛隊の根拠規定追加を柱とする4項目の改憲案について一任を取り付けた。だが、森友・加計学園問題など一連の政権不祥事に野党が抵抗を強め、通常国会では論議は進まなかった。

 

 首相は総裁選で、改憲への機運を高めるため、自衛隊をめぐる違憲論争に「終止符を打とう」などと再三訴えた。改憲を3期目の主要課題に掲げ、求心力を維持する思惑もある。首相と連携する麻生派が8月、来年夏の参院選までの国民投票実施を提言したのもその一環とみられる。

 

 ただ、首相は総裁選で石破茂元幹事長の善戦を許した。石破氏は記者団に、改憲について「スケジュール感ありきでなく丁寧に説明すべきだ」と注文を付けており、条文案提出をにらんだ駆け引きが展開されそうだ。

 

 来年は4月に統一地方選と天皇退位、夏に参院選、10月には消費税増税が予定されている。国民投票には発議から60~180日以内に行うとの規定があるが、3月までは19年度予算案の審議が優先され、改憲論議に求められる「静かな環境」を確保しにくい。参院選の結果、自民、公明両党に日本維新の会などを加えた改憲勢力が発議に必要な3分の2を割り込めば、状況は一層厳しくなる。

 

 首相としては野党第1党の協力も得て進めたい考えだが、立憲民主党の枝野幸男代表は「安倍政権での改憲は阻止する」と公言している。公明党の山口那津男代表も19日の記者会見で「各種世論調査では優先順位は高くない」と慎重姿勢を示した。(2018/09/20-21:05

 

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●「安倍首相、伸び悩んだ党員票 自民幹部「地方の反乱だ」」

 

与党担当キャップ・佐藤徳仁20189201529

https://www.asahi.com/articles/ASL9N4G34L9NUTFK00T.html?ref=yahoo

 

 自民党総裁選は、安倍晋三首相が石破茂・元幹事長を破り、連続3選を果たした。しかし、国会議員票で8割の支持を得ながら、世論に近いとされる全国の党員らの支持が5割半ばにとどまった。首相陣営から聞こえるのは歓声ではなく、驚き、当惑だ。

 

 今回の総裁選では、派閥がこぞって首相支持を表明し、2012年の政権復帰後に進んだ「安倍一色」に染まる党内状況を反映する展開をたどった。首相陣営は当初、党員票でも国会議員票に匹敵する7割以上の得票を目指した。

 

 ところが、7日の告示以降は、「石破氏が6年前に獲得した55%は超えたい」(陣営事務総長の甘利明・元経済再生相)と予防線を張るようになった。6年前の総裁選は安倍、石破両氏を含む5氏による争いだったため、一騎打ちとなった今回とは比較にならない。55%はかなり低めの目標と受け止められたが、結果はその55%をわずかに上回ったに過ぎなかった。

 

 首相陣営からは「ショックだ」「参院選が心配だ」との声が相次ぎ、自民党幹部は「地方の反乱だ」と語った。

 

 8割を超えた国会議員票でも、両陣営ともに50票台とみてきた石破氏が73票を獲得。表向きは首相支持を表明しながら、逆の投票行動を取った議員が複数いることをうかがわせる結果となった。

 

 来年に統一地方選と参院選を控えるなか、首相の評価をめぐる国会議員と党員の意識のズレは、今後の政権運営の大きな不安定要素となり得る。首相が手にした新たな3年間は、波乱含みのスタートとなる。(与党担当キャップ・佐藤徳仁)

 

=====

 

●「安倍氏、東京・大阪などで上回る 地方票の開票結果」

 

20189201600分 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASL9N546XL9NUTFK01M.html?ref=yahoo

 

 自民党総裁選で地方票の開票の結果、石破茂・元幹事長の得票が安倍晋三首相を上回ったのは山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島根、徳島、高知、宮崎の10県だった。一方、安倍氏は政権幹部の地元である福岡や神奈川、和歌山のほか、東京、大阪などで石破氏を上回った。

 

      安倍晋三氏   石破茂氏

 

北海道   11711   9819

 

青森県    3480   2517

 

岩手県    2568   2170

 

宮城県    4299   3301

 

秋田県    3229   2843

 

山形県    3172   4402

 

福島県    5209   4368

 

茨城県    9927  13951

 

栃木県    6257   5124

 

群馬県    6802   7847

 

埼玉県   12177  10257

 

千葉県    9131   8238

 

東京都   33351  24110

 

神奈川県  20901  13371

 

新潟県    8880   7384

 

富山県    9452  10685

 

石川県    9161   4936

 

福井県    4786   2791

 

山梨県    6902   5310

 

長野県    5406   5391

 

岐阜県   10955   9630

 

静岡県    9410   6916

 

愛知県   14611  12122

 

三重県    3437   4194

 

滋賀県    4056   2991

 

京都府    5073   3807

 

大阪府   11813   7620

 

兵庫県    8193   7063

 

奈良県    3332   1674

 

和歌山県   8698   2003

 

鳥取県     421   7933

 

島根県    2257   7748

 

岡山県    7060   5218

 

広島県   15095   6171

 

山口県   12488   1760

 

徳島県    2925   3963

 

香川県    6752   4783

 

愛媛県    6945   5581

 

高知県    1499   3778

 

福岡県   10442   5883

 

佐賀県    3343   3149

 

長崎県    7167   4704

 

熊本県    6143   5011

 

大分県    5768   3542

 

宮崎県    3112   4380

 

鹿児島県   5938   4478

 

沖縄県    1753   1086

 

計    355487 286003

 

(自民党本部の発表による)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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