古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:安倍晋三首相

 古村治彦です。

 

 今回は『フォーリン・ポリシー』誌に掲載された今回の総選挙と小池新党に関する記事をご紹介します。記事はまず、安倍晋三首相による衆議院解散について、支持率の回復と野党の分裂を理由として挙げています。次に、小池新党について、自公連立政権に挑戦するために立ち上げられたとしています。

 

 しかし、安倍首相と小池百合子都知事はほぼ同じだという記事では述べています。「小池氏が首相になっても安全保障と外交は変更がない」という、テンプル大学現代アジア研究所のロバート・ドゥジャリクの分析を記事では紹介しています。

 

 私も安倍首相と小池都知事がほぼ同じであるという点に同意です。そして、重要なのは、記事の中で筆者のタムキンが、「安倍首相と小池都知事がほぼ同じであるので、小池氏が首相になっても安全保障や外交政策で変化がない」ということをアメリカ政府は留意しておくべきだと述べている点です。アメリカの国益にかなっている安倍首相はそのまま続投になるだろうし、続投できずに、小池氏が首相になっても(そのためには小池氏が国会議員にならねばなりませんが)、アメリカは困らないということです。私の主張している「米政翼賛会」体制はまさにこのことです。

 

 私は今回の総選挙で、自公250、希望150、第三リベラル65となり、自公と希望にできるだけ穏健派・中道派、自民党保守本流のような人々が増えて、第三リベラルと合わせて160名程度にならないだろうかと考えています。希望の党は、既に「寛容さ」を脱ぎ捨て、公認を拒絶している民進党の前議員たちが出ているということです。となると、第三リベラルの数がもっと増えて欲しいと私は考えています。100というのは厳しい数字ですが、これに近づいて欲しいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

安倍首相は総選挙の前に日本の議会を解散(Abe Dissolves Japan’s Parliament Ahead of Snap Elections

 

エミリー・タムキン筆

2017年9月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/09/28/abe-dissolves-japans-parliament-ahead-of-snap-elections/

 

今週木曜日、日本の安倍晋三首相は日本の議会(衆議院)を解散した。これが解散総選挙の号砲となった。安倍首相は衆議院の人気の1年前に、「国難(national crisis)」を乗り越えるために議会を解散した。同時に、安倍首相は、スキャンダルが続いた夏が終わり、支持率が回復しつつあり、野党側が分裂しているように見えるこの時期に選挙で新しい委任を必要としているのだという結論に達した。

 

「のように見える」という言葉は重要な意味を持つ言葉だ。今週、東京都知事の小池百合子は新党「希望の党(Party of Hope)」を立ち上げ、日本政治を支配している自公連立政権に挑戦しようとしている。新党には安倍首相率いる自由民主党と野党である民進党からの離党者たちも参加している。小池氏は新党立ち上げについて「本当の意味で政治的しがらみのない改革勢力を必要としているからだ」と述べている。

 

フランス国際関係研究所のセリーヌ・パジョンは、小池氏の動きはゲームそのものを変化させてしまう可能性があると述べている。パジョンは「小池氏による新党立ち上げの前、野党側は混迷を極め、安倍首相の統治スタイルに対する不信任の声が高まっても安倍首相にダメージを与えることができなかった」と述べている。しかし、総選挙の投開票は2017年10月22日に予定され、希望の党が組織化し、候補者を立てるには数週間しか残されていない。希望の党にはまたきちんとした綱領(platform)が必要となる。パジョンは次のように語る。「希望の党は、反安倍姿勢を超えてきちんとした政治プロジェクトを持っているということを有権者に対して説得しなければならないだろう」。

 

このことは困難であろう。小池氏の発言のほとんどは安倍首相のスタイルと実質と同じであり、特に安倍首相の過半数の勢力を使って法律を強引に可決させる(railroad through legislation)という点は一致している。希望の党は日本の平和主義に対してリップサーヴィスをするにしても、彼女自身は現在の安倍首相と全く反対の存在ではないのだ。安倍首相は日本の平和主義に対して様々な変更を加えてきている。

 

テンプル大学現代アジア研究所のロバート・ドゥジャリクは、「政策に関しては、小池氏は安倍氏とは違わない」と述べた。これが意味するところは、小池氏が首相になっても、日本の国家安全保障と外交に関する政策には大きな転換はないということだ。これは、東アジア地域における恒常的な緊張関係と安全保障上の懸念が新しいレヴェルにまで増大しているこの時に、アメリカ政府が留意すべき点だ。

 

しかし、とにかく安倍首相は生き残るだろうとドゥジャリクは考えている。ドゥジャリクは本誌へのEメールの中で「小池氏は新党をスタートさせ、候補者たちを擁立するのに数週間しかない」と書いている。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






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 古村治彦です。

 

 今回はちょっとまとまりのない、分かりにくい日本関連の記事をご紹介します。

 

 今回の記事では、日本が初めて軍事衛星を打ち上げたことで、「日本の積極的平和主義」は進められているということを述べています。記事には、ワシントンにあるCSIS(戦略国際問題研究所)の日本部長ザック・クーパーが登場しています。クーパーは、スタンフォード大学卒、修士号と博士号はプリンストン大学というエリートです。日本部長をしていますが、博士論文(“Tides of Fortune: The Rise and Decline of Great Militaries”)の指導教授はアーロン・フリードバーグです。CSISの日本部長ということで、マイケル・グリーンCSIS副理事長の部下ということになります。クーパーは、「日本が積極的な平和主義を追求しているのは、平和主義的な姿勢を維持するためである。また、日本は“普通の国”になろうとしているのだ」と説明しています。

 

 日本では大きすぎる問題のためにかえって論じられることがはばかられてしまう天皇の退位と譲位についてですが、今上天皇の姿勢を「積極的平和主義」と対比させて描いているところは、外側からの目の方が重要な点を掴みやすいものなのだと感じました。

 

(貼りつけはじめ)

 

日本にとって、新しい軍事衛星が後になって新しい天皇になるかもしれない(For Japan, a New Military Satellite and, Maybe Later, a New Emperor

 

エミリー・タムキン筆

2017年1月24日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/01/24/for-japan-a-new-military-satellite-and-maybe-later-a-new-emperor/

 

日本の戦後の平和主義のゆっくりとしたしかし確固とした変化が火曜日に促進された。この日、日本政府は初めての軍事通信衛星を打ち上げた。

 

現在、日本の自衛隊が使用している非軍事用の衛星に代わる3つの軍事衛星の最初の衛星であるきらめき2号が打ち上げられた。新しい衛星は、高速の高性能の通信能力を持ち、自然災害に対してより効果的にかつ効率的に監視を行えるようになるが、それは同時に増大しつつある安全保障上の挑戦に対する対応もできるようになる。

 

アジア地域のアメリカの同盟諸国はアメリカの後退について懸念を持っている。一方、日本の政治家たちは、南シナ海と東シナ海における中国の攻撃的な姿勢と核兵器10発を製作できるだけのプルトニウムを持つと考えられている北朝鮮に備えようとしている。より良い通信能力を獲得することで、日本の軍事力は増強されることになるだろう。日本の自衛隊は現在海外での活動を認められているが、軍事衛星によって海外における平和維持活動に貢献することになる。

 

CSISの日本部長であるザック・クーパーは、新しい衛星群は再軍備を意味するものではないと本誌の取材に対して述べている。クーパーは、「日本は、憲法が認めた、積極的な平和主義を追求しているのであって、攻撃的な軍事増強を行っているのではない。日本はより“普通の国”に戻ろうとしているのだ」と語っている。

 

日本の安倍晋三首相が行っている積極的平和主義に向けた動きはこれだけに留まらない。2016年12月、日本政府は海上保安庁の予算を2100億円(18億ドル)に増額し、新たに5隻の巡視船と200名以上の要員の増加を決めた。また同時期、日本は5年連続で防衛予算を増加させ、総額は440億ドルに達している。

 

クーパーは、「アジア各国、特に中国が防衛予算を増額させることで、日本の防衛力の増大も阻害されている」と語った。火曜日、高分3号SAR衛星が実働を始めた。この衛星によって、領土紛争が起きている地域での様々な活動を監視することができる。クーパーは、「数隻の巡視船の投入と予算の微増は、周辺地域の安定が危機に直面している中で、平和主義的な姿勢を維持し続けるための方策に過ぎない」と述べた。

 

実際のところ、東シナ海で日本と領有権を争っている岩礁である尖閣諸島(中国では魚釣島)を包囲している。中国政府は南シナ海の大部分の領有を主張している。 ドナルド・トランプ米大統領とレックス・ティラーソン国務長官は、もし必要となれば武力を使ってでもこれらの地域のアメリカの国益を守るという強迫的な言辞を使って、中国に対して強硬姿勢を取っている。トランプ政権の強硬な姿勢について、日本では紛争に巻き込まれるのではないかという懸念を持つ人々が出ている。

 

トランプ政権は日本と協力することに特に関心を持っていないのではないかという懸念を持っている人々がいる。大統領になっての最初の行動として、トランプはアメリカのTPPからの脱退に署名した。TPPは多国間の貿易協定で、日本の安倍首相とアメリカのバラク・オバマ前大統領が主導してきた。

 

日本では政治の面で大きな変化が起きる可能性がある。月曜日、政府の審議会は、日本の国会に対して、今上天皇の退位を認める答申を出した。現在83歳になる今上天皇が息子である56歳の皇太子徳仁親王に天皇の地位を譲ることになる。現在までの2世紀の中で、日本の天皇が上位を行うのは初めてとなる。

 

付言すると、クェーカー教徒によって教育された今上天皇の天皇在位期間は、1989年に始まったのだが、この期間の多くの期間で、激戦地や戦争の爪痕を残す場所を訪問することで特徴づけられている。今上天皇はアジアにおける戦禍を目撃し続けてきた。日本の軍事力を整備した平和主義が追求されているが、皇太子がこの立場を取らねばならないということではない。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)








アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


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