古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:小野寺五典



ダニエル・シュルマン
講談社
2015-07-29

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




 

 古村治彦です。

 

 アメリカの外交専門誌『フォーリン・ポリシー』誌に小野寺五典代議士(自民党)・元防衛大臣(第二次安倍内閣、2012―2014年)のインタヴュー記事が掲載されましたので、ご紹介します。

 

 小野寺議員が韓国について懸念を持っていること、そして日本の防衛関係者たちがアメリカの無人戦闘機(ドローン)グローバル・ホークの導入を目指していることが分かります。

 

==========

 

「日本は独力で平和を守り、維持できない(‘Japan Alone Cannot Guard or Sustain Peace’)」

―フォーリン・ポリシー誌は日本の元防衛大臣と中国の平和的台頭に対峙するための日本国憲法の再解釈について語った

 

アイザック・ストーン・フィッシュ(Issac Stone Fish

2015年6月16日

『フォーリン・ポリシー(Foreign Policy)』誌

http://foreignpolicy.com/2015/06/16/japan-alone-cannot-guard-or-sustain-peace-defense-minister-itsunori-onodera/

 

朝鮮半島での動乱について語る際、多くの人々は北朝鮮に言及するが、韓国に言及する人は少ない。

 

 しかし、2014年9月まで防衛大臣を務めた小野寺五典は、韓国政府の北朝鮮に対する「挑発的な」行動について懸念を持っている。

itsunorionodera001
 

 日本の国会議員である小野寺は、日本の防衛政策に深く関与している。その中には、日本国憲法の再解釈を巡る議論も含まれている。日本国憲法の再解釈が可決されれば、日本はより行動的な軍隊を派遣することが出来るようになる。

 

 6月15日、国会内の彼の事務所で、『フォーリン・ポリシー』誌のアイザック・ストーン・フィッシュが小野寺にインタヴューを行い、日本のドローン使用、朝鮮半島における緊張、中国が平和的に台頭すると確信しているかどうかについて質問した。

 

 インタヴューは通訳を介して行われた。そして、インタヴュー内容を明確にするために編集し、要約を施している。

 

 フォーリン・ポリシー誌:この5月、金正恩が国防部長を粛正した。貴方は、北朝鮮の不安定さについて懸念を持っているか?

 

 小野寺五典:金正恩は最近も北朝鮮の防衛に関わる幹部たちを粛正していると私は聞いている。状況を判断するのは難しい。こうした行動が金正恩の権力基盤を強化するのか、それとも北朝鮮の軍部内部に不安定さが存在するのでこうした出来事が起きたのか、判断できない。

 

 しかし、私が懸念を持っているのは、韓国から北朝鮮に対してのやや挑発的な態度である。

 

 韓国の朴槿惠大統領は現在、北朝鮮を標的にするミサイル発射テストの実施を考え、そのための調査を行っている。これは最近の新しい動きである。私たちの懸念は、これが北朝鮮に対する挑発にならないかということであり、挑発にならないように願っている。

 

 韓国国内における混乱と人々の不満からの反政府行動もあり、朴大統領の支持率は低下し続けている。私は朴大統領が強制的な手段に訴えないことを願うばかりだ。

 

フォーリン・ポリシー誌:憲法の再解釈に関する国会における議論の最新の内容について教えて欲しい。

 

小野寺五典:日本は単独で平和を守り、維持することはできない。従って、平和を維持する目的のために、私たちはアメリカとの同盟関係を深化させている。同誌に他国との友好関係を強化している。

 

 アメリカとの間には安全保障条約があり、アメリカは日本を日本とともに共同防衛する責任を負っている。

 

 その前提条件として、当然のことながら、日本の自衛隊は日本を防衛しなくてはならない。しかし、現在の法制上では、日本の自衛隊は日本を防衛するアメリカ海軍に対して十分な防衛を与えることはできない。

 

 実際、アメリカ海軍の船舶が攻撃されたとして、公海上でこの船舶を防衛することは集団的自衛権の行動であると見なされるであろう。

 

 そして、ある国がアメリカを攻撃し、日本の領空城を越えてアメリカに向けてミサイルを発射した場合、現在の法制上では、このミサイルに対して日本は反撃を加えることはできない。

 

 アメリカ海軍の船舶に対する攻撃が日本の安全保障に重大な結果をもたらすような場合にのみ、日本は集団的自衛権を行使することになるだろう。こうした制限された条件と状況の下でのみ、だ。

 

フォーリン・ポリシー誌:6月14日、私は国会の外に多くの人々が集まり、安倍晋三首相と彼の憲法改正計画に抗議している様子を見た。アメリカ政府は日本政府がこの憲法再解釈計画を可決できないのではないかと考えるべきだろうか?

 

小野寺五典:この法案がある程度の時期を経て可決されることに何の問題もないと私は考えている。安倍首相が述べているように、この夏までに法案が可決されると私は確信している。遅くとも8月末までには可決される見込みだ。しかし、もしかしたら9月にまでずれ込む可能性もある。

 

フォーリン・ポリシー誌:日本が憲法改正に成功すれば、日本は中東地域においてアメリカを助けることが出来ると言えるか?

 

小野寺五典:憲法の再解釈によって、アメリカの中東での活動を日本が実質的に助けることが出来るようになると考えない方が良い。

 

フォーリン・ポリシー誌:外交儀礼として、日本政府は中国政府に対して憲法改正について連絡をしているのか?

 

小野寺五典:外交レヴェルで、日本政府は近隣諸国に説明をしており、その中には中国も含まれていると聞いている。

 

フォーリン・ポリシー誌:現在の日中関係は冷戦状態、もしくは冷戦状態に入る危険性を持っていると考えるか?

 

小野寺五典:その答えはノーだ。私は現在の状況を冷戦状態とは言えないと思う。しかし、日本だけではなく、他の複数の東南アジア諸国も中国の行動を注意深く監視している。

 

フォーリン・ポリシー誌:中国は「平和的な台頭」と「協調的な社会」を主張しているが、他の近隣諸国は中国を信用していると思うか?日本政府は中国を信用しているのか?

 

小野寺五典:他の近隣諸国も日本も中国を信用してはいないと思う。しかしながら、どの国も経済面においては中国と友好関係を築きたいと考えていると思う。

 

フォーリン・ポリシー誌:2013年9月に私たちは話し合ったが、それ以降、尖閣諸島を巡る状況は悪化しているのか、それとも改善しているのか?

 

小野寺五典:あの時点以降、何も変わっていない。中国の一般の船舶が複数回日本の領海内に入ってきてはいるが、中国海軍との間で事件は起きていない。

 

フォーリン・ポリシー誌:日本は現在、尖閣諸島のパトロールにドローンを使用しているか?

 

小野寺五典:最近、調査と監視を目的として普通の飛行機を使用している。現在のところ、日本が尖閣諸島のパトロールのためにドローンを使う計画を持っていないと思う。

 

 しかし、日本はドローンを有効に使用する意図は持っている。現在アメリカが使用している「グローバル・ホーク」を将来は導入することになるだろう。グローバル・ホークはより広い地域の調査とパトロールを行う際に有効である。

 

フォーリン・ポリシー誌:現在、中国は尖閣諸島のパトロールでドローンを使用しているのか?

 

小野寺五典:そうした動きが起きているというサインがあると私は聞いている。しかし、詳細については聞いていない。

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 
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 古村治彦です。


 今回は、米国防総省(U.S. Department of Defense)の発表した声明をご紹介します。年末にチャック・ヘーゲル米国防長官と小野寺五典防衛大臣との間での電話会談がキャンセルになりました。しかし、年が明けてさっそく会談が行われたようです。


 国防総省としては、「沖縄駐留アメリカ軍の再編」が重要な問題であり、そのことで、一歩「前進」となる辺野古沖埋め立てをまず歓迎しているのは当然のことです。それでも、近隣諸国との関係を改善することを求めることでバランスを取っています。


 アメリカとしては、「日米で共通の目的であるアジア(東アジア)地域の平和と安定」のために、日本が更なる努力をすることを期待し、日米同盟の強化、日米防衛ガイドラインの見直しを続けるとこの声明の中で表明しています。


 この日米同盟の強化、そして防衛ガイドラインの見直しというところが重要です。アメリカが求める「アジア地域の平和と安定」のために、日本に更なる「貢献」を求めるというのは字面だけなら結構なことです。


 しかし、そのために、日本がいかなる「前進」や「変革」を求められるのか、ということが問題です。その究極的な目標は憲法改正であり、日米共同運用性(interoperability)の強化という名の自衛隊の米軍下請化であると私は考えます。


 アメリカとしては、現在の段階で日中韓の間で直接的な大規模衝突は望んでいないでしょう。しかし、この多国間関係を管理することは難しいし、「想定外」のことが起これば、直接的な衝突にまで発展することもあります。


このたとえが適切かどうかは分かりませんが、国際関係は、原子炉内の温度管理に似ていると私は考えます。平常時であれば、温度管理はうまくでき、うまく操作し電気を作ることができますで。しかし、一朝「想定外」のことが起きた場合、原子炉内の温度管理は難しく、溶解(メルトダウン)にまで事態が悪化してしまうことは、これまでの原発の事故で起きたことです。


 大きく見れば、2014年に国際関係において大きなシフトが起きることは考えにくいし、現在のままで状況はだらだら続いていくと思います。日本にはフラストレーションがたまることばかりであると思います。ここで事態を急激に変えたいとして、「短気」や「驕り」、「自暴自棄」を起こしてしまうのは得策ではありません。事態をうまく管理するためには、そして忍耐力が必要な「自重」と「対話」が得策であると思います。迂遠ではありますが、これが一番の方法であると私は考えています。


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http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=121431


ニュース


アメリカ軍報道サービス


ヘーゲル国防長官は、普天間基地移設を巡る努力に対して、日本の防衛大臣に謝意を示す

Secretary Thanks Japan's Defense Minister for Futenma Efforts


2014年1月4日付ワシントン発。チャック・ヘーゲル米国防長官は本日、日本の小野寺五典防衛大臣に対して、日本の沖縄にある海兵隊の普天間飛行場の移設のために、キャンプ・シュワブー辺野古の埋め立て許可申請に認可を与えるにあたり、日本政府が行った努力に謝意を示した。


両国の防衛分野の指導者2人の間で電話会談が行われた。会談の内容は要約され、国防総省の報道官であるジョン・カービー米海軍少将が声明として発表した。この声明の中で、カービー少将は、新しい施設(辺野古)について、「沖縄駐留アメリカ軍の再編において重要な、必要不可欠な要素である」と呼んだ。


カービー少将は、ヘーゲル長官が日米両国で日米地位協定に環境関連問題を追加することで交渉を進めていくことで合意に達したことの重要性を指摘した、と述べた。


加えて、カービー少将は、ヘーゲル長官と小野寺大臣は、2013年10月に発表されたイニシアティヴの実行について議論したと述べた。そのイニシアティヴには、TPY-2ミサイル防衛レーダーの日本に対する第二機配備と日米防衛ガイドラインの将来に向けての見直しが含まれていた。日米防衛ガイドラインの見直しにおいて、二国間が透明性を確保しながら交渉を行う重要性を確認した。


ヘーゲル長官は、「近隣諸国との関係を改善し、地域の平和と安定という日米共通の目的を達成するために手段を取ることが重要だと力説した。ヘーゲル長官は、21世紀における安全保障問題に対処するために日米同盟を強化するために二国間で議論を続けていくことを楽しみにしていると語った」と述べた。


(終わり)




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