古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:尖閣諸島



ダニエル・シュルマン
講談社
2015-11-25

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 これから少しずつ日常に戻って行けるように努力してまいります。さて、今回は、アメリカのケイトー研究所のカーペンター研究員の日本の安保法制に関する記事をご紹介します。少し古い記事ですが、アメリカの対外介入を嫌う人が考える、日本の進むべき道という内容になっています。

 

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ほんの少しの余計なおカネでかえって問題が悪化する:日本が直面する防衛ジレンマ(A Little More Money, A Lot More Problems: Japan's Defense Dilemma

 

日本政府は、危機が起きた場合にそれに対処するために必要な軍事力を整備することなしに地域におけるより積極的な役割を果たそうとしている

 

テッド・ガレン・カーペンター筆

2015年9月2日

『ナショナル・インタレスト』誌

http://nationalinterest.org/feature/little-more-money-lot-more-problems-japans-defense-dilemma-13759

 

日本の防衛省は防衛支出の大幅な増加を求めているということを最近のニュースは好感を持って伝えている。防衛省は東シナ海にある日本の領有する一群の島々の防衛を強化する目的で防衛増大を求めている。これらの島々は中国との間で厳しい領土争いを引き起こす原因となっている。予算の請求が示しているのは、日本政府が尖閣諸島(魚釣島)を巡る争いにおいて妥協をする意思を全く持っていないということだ。

 

 しかし、ニュースのあまり強調されない点が示しているのは、日本の領土を巡る主張を強化するために軍事力を増強しようと日本政府が真剣には考えていないということだ。防衛費の増加要求は前年比の僅か2.2%であり、これによって日本の年間の防衛予算は約423億800万ドルとなる。この数字は、中国の公式の防衛予算1450億ドルの3分の1以下である。中国の実際の防衛支出がこれだけであると信じている人はほとんどいない。米国防総省と民間のシンクタンク共同の試算では、中国の実際の防衛支出は年間1800億ドルかそれ以上であるという結果が出ている。

 

 日本政府は地政学的な野心を増しているが、軍事力をそこまで増強していないという危険な不均衡をこうした事実は例証している。日本政府は尖閣諸島(魚釣島)問題について強硬な姿勢を取っているだけでなく、安倍晋三政権は日本の平和憲法の第9条の「再解釈」に踏み込んでいる。この再解釈によって、日本が集団的な防衛努力が行えるようにしようとしている。憲法の再解釈はまた、日本の安全保障に対する脅威を構成するものは何かについての定義を拡大させている。

 これら全ての目的は、日本が東アジア地域の安全保障問題に関してより積極的な役割を果たすことが出来るようにすることだ。このような憲法に対するいかがわしい操作に加えて、安倍政権は中国の野心に懸念を持っている地域の国々と軍事面での協力関係を築きつつある。その一環として、ヴェトナムとフィリピンに武器を売却している。日本政府は、南シナ海における領有権問題に関与し始めている。日本の国益はこの地域では間接的なものに留まる。

 

 軍事ドクトリンの変化と様々な地政学的な主張は、国内での議論を読んでいる。批判者たちは、安倍首相の諸政策によって、日本が軍事衝突に巻き込まれる可能性が高まると憂慮している。日本の近隣諸国、特に中国と韓国もまた、20世紀前半に東アジア地域に大きな傷跡をもたらした日本の軍国主義の復活の可能性に懸念を持っている。この悲劇的な時期の日本の責任について日本の政治家たちはそれを認めることを躊躇している。それがさらに疑いと懸念を増大させている。

 

 結果的に、日本政府は諸政策の最悪の組み合わせを行おうとしている。日本政府は、危機が起きた場合にそれに対処するために必要な軍事力を整備することなしに地域におけるより積極的な役割を果たそうとしている。更に悪いことには、日本政府は、帝国時代が原因となる近隣諸国の持つ怒りと不安を払しょくすることなしに、より積極的な役割を果たそうとしている。

 

 日本の指導者たちはこれらのミスマッチを是正するために3つの段階を経る必要がある。1つ目の段階はドイツを真似て、帝国時代の日本政府の行動に対して真に無条件の謝罪を行うことだ。第二次世界大戦終結70周年に関する安倍首相の最新の談話を含むこれまでの発言は、あまりにも条件が付き過ぎており、ごまかしにさえ見える。

 

 第二段階としては、中国、韓国との間にある領土を巡る争いで、より怪獣的な姿勢を取ることだ。それぞれの国々の主張の法的正当性は、それぞれに後ろ暗いものだ。帝国主義時代の日本の侵略の被害者である両国に対して妥協することが、日本政府にとって建設的な姿勢ということになるだろう。たとえ、日本の主張が完全に正当性を持つにしても、である。より深刻ではない問題に関して進んで譲歩をすることで、より関係を築くことが出来るし、結果的に大きな利益を得ることになる。

 

 最後に、日本が地域においてより積極的な役割を果たすと決心する場合、安倍政権は、日本国民に対して、新しい方向性は保障されており、望ましいものだということを説得しなければならない。更には、そのような役割を果たすには、年間420億ドルという現在の防衛予算よりもかなり高いレヴェルの防衛支出が必要になる。これには国内の大きな支援が必要不可欠となる。

 

日本政府が現在進めている路線は日本の同盟国としてのアメリカにとって懸念すべき危険を生み出している。最悪のシナリオは、過度に硬直した挑発的な日本の地政学的戦略姿勢によって武力衝突が発生し、日本が自国だけでそれを処理できない、というものだ。アメリカはそうなれば、戦争に巻き込まれることになる。その相手は中国ということになるだろう。アメリカは自国の国益にとってあまり重要ではない問題を巡って中国と戦うことになる。このような危険が将来にわたって高まる前に、必要な建設的な政策について、アメリカの指導者たちは日本の指導者たちと胸襟を開いて話し合いを行うべきだ。

 

※テッド・ガレン・カーペンター:ケイトー研究所上級研究員。『ナショナル・インタレスト』誌外部編集委員。これまで国際問題に関して10冊の著作と600以上の記事を発表している。

 

(終わり)







野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 
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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





 

 古村治彦です。

 

 今回は少し遅くなりましたが、オバマ大統領のアジア歴訪に合わせてニューヨーク・タイムズ紙に掲載された、呉心伯(WU XINBO)復旦大学教授による、尖閣諸島問題についての論稿を掲載します。同じ日にマイケル・グリーン・ジョージタウン大学准教授の論稿が掲載されたので、対比となる論稿です。

 

 この論稿は中国の立場で書かれたもので、結論は「尖閣諸島は日米中が争う価値があるような重要な島々ではない。棚上げすべきだ」というものです。また、「アメリカが日本に軍事支援を行うと約束することで、日本がより攻撃的な姿勢を取るようなことにならないようにすべきだ」とも主張しています。

 

 マイケル・グリーンの論稿に比べて、大変に抑制的であり、現実的です。また、アメリカがこの尖閣諸島問題をもたらした要因であることが分かります。また、このブログでもご紹介しましたが、スティーヴン・ウォルト・ハーヴァード大学教授の論稿にもあるように、アジアの諸問題は結局米中問題なのです。日本は一つの駒に過ぎません。

 

 こうしたことをしっかりと理解することが現実的であり、重要であると私は考えます。

 

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①東シナ海に浮かぶ小さな群島の主権(sovereignty)を巡り中国と日本は争っている。この争いにおいてアメリカは不安定をもたらす要因となっている。アメリカ政府は1971年にこの群島の行政権を恣意的に日本に返還した。それだけではく、アメリカはこの小さな群島について日本との安全保障同盟が適用されると述べているために、日本政府は中国政府に対してより攻撃的な態度を取っている。

 

②日中両政府は、日本側が尖閣、釣魚島と呼ぶ小さな群島が誰に属するのかを合意できないでいたが、それを棚上げする(shelve)ことに同意した。このようなにして状況は数十年間にわたり忘れ去られた状態になっていた。

 

③しかし、日本政府は2012年9月に尖閣諸島を国有化するという決定を行った。これは、元東京都都知事で右翼政治家の石原慎太郎によって促進された動きであった。そして、それまで維持された状況が大きく変化し、眠った犬をそのままにしておくという二ちゅう両政府間の暗黙の理解が侵害された。中国としては強硬な対応を取る以外に選択肢はなかった。中国政府は釣魚島周辺の領海にパトロール船を送った。そして、主権が中国にあることを主張し続けることを目的に定期的にパトロールを行っている。

 

④アメリカは尖閣諸島を巡る主権の問題で日中どちらかの立場に立つべきではないし、仲介者の役割を果たそうとするべきでもない。アメリカ政府は、尖閣諸島の問題に関して、日本に対して軍事的な支援を行うと約束するべきではない。そのような約束を行えば、安倍政権は、アメリカの軍事的支援を白紙の小切手だと考えて、中国に対してより強硬な姿勢を取る可能性が高い。

 

⑤アメリカが行うことができる最も建設的なことは、日本政府を動かして、主権を巡る争いがあることを認めさせることだ。

 

⑥日中間の争いを解決するための、最も効率的なそして現実的な長期にわたる方法は、主権を巡る疑問を棚上げするというものだ。つまり、1970年代初めにそうしたように、日中両国は不同意があることに合意し、そのままの状態で置いておくようにすべきだ。

 

⑦釣魚島は、戦略的、経済的にはほとんど利用価値はない。世界第1位から第3位までの経済規模を誇る3か国が争う価値がある存在ではない。今こそ、箱の中に片づけて置いておく時だ。

 

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(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

The Opinion Pages | Op-Ed Contributor

 

America Should Step Back from the East China Sea Dispute

 

By WU XINBO APRIL 23, 2014

http://www.nytimes.com/2014/04/24/opinion/america-should-step-back-from-the-east-china-sea-dispute.html?action=click&contentCollection=Opinion&module=RelatedCoverage&region=Marginalia&pgtype=article

 

SHANGHAI — The United States has been a destabilizing force in the dispute between China and Japan over the sovereignty of a small chain of islands in the East China Sea. Not only did Washington create the problem in 1971 by arbitrarily returning the administrative rights of the islands to Japan, but America’s claim that its security alliance with Japan applies to the tiny islands has emboldened Tokyo to take a more aggressive stance toward Beijing.

 

A peaceful resolution of the issue ultimately depends on the willingness of the Japanese government to acknowledge the dispute and pursue more reconciliatory policies toward China. But a major factor is whether Washington will shift its strategy to help rein in Japan and adopt a more reasonable stance that accommodates Beijing’s concerns about its maritime interests and security environment.

 

When Chinese-Japanese relations moved toward normalization after Richard Nixon’s visit to China in 1972, Tokyo and Beijing agreed to shelve the disagreement over who owned the islands, called the Senkaku by Japan and the Diaoyu by China. The situation was largely ignored for decades.

 

But Tokyo’s decision to nationalize the islands in September 2012, prompted by the right-wing former governor of Tokyo, Shintaro Ishihara, was a major change to the status quo and a violation of the tacit understanding between Beijing and Tokyo to let sleeping dogs lie. China had no choice but to react strongly: Beijing sent its patrol boats to the territorial waters surrounding the Diaoyu and has since maintained regular patrols there aimed at asserting its claim to sovereignty.

 

Prime Minister Shinzo Abe of Japan, a tough-talking nationalist who’s been in office since December 2012, takes an uncompromising position and denies that there is any question over the islands’ sovereignty. This stance, coupled with a more active security policy and other confrontational policies toward China, shows how Japan has transformed under Mr. Abe into a more assertive power. This shift reminds Chinese people of Japanese aggression in the World War II era, which is a very sensitive issue in China.

 

The United States has acted as Japan’s enabler. Washington supports efforts in Tokyo to reinterpret the country’s post-World War II pacifist Constitution to allow the military to act in conjunction with allies beyond Japanese territory. Washington encourages Mr. Abe to pursue a more active and assertive security policy, including the buildup of the Japanese military, which may lead to a further strengthening of Japan’s already advanced air and naval forces. And Washington asserts that the United States-Japan security alliance applies to the East China Sea island dispute; the American military has intensified its cooperation with the Japanese military in the area.

 

These policies suggest that the United States, while claiming to be neutral, not only supports the Japanese position over the islands but, more importantly, prods Japan to be more aggressive toward China. Beijing feels pressure to sustain, and even step up, its patrols in the East China Sea so as to resist the combined American-Japanese power.

 

The immediate concern, before any long-lasting peace is addressed, is to prevent a minor clash from spiraling out of control. Beijing and Tokyo should give their patrol boats strict guidelines on how to avoid provoking each other. The Chinese and Japanese coast guards should establish a hotline and maintain close contact, so as to avert misjudgment and escalation when an incidental conflict threatens to occur. The two countries should strictly prohibit their citizens from landing on the islands as such actions would certainly invite like reactions from the other side.

 

Washington is the key to helping establish the environment for a long-term agreement, which ultimately Japan and China have to reach on their own. In this case, for the United States, it is a matter of inaction, rather than action. Washington can help by avoiding a direct role in the dispute. It should not take sides on the sovereignty issue, nor attempt to serve as an arbitrator. Washington should refrain from pledging overt military support to Japan as the Abe administration may regard such support as a blank check to take an even stronger position against China.

 

The most constructive thing the United States could do is to use its sway to get Tokyo to officially acknowledge the sovereignty dispute.

 

The most efficient and realistic long-term way to solve the conflict is to reach an agreement that simply puts the sovereignty question aside. In other words, as they did in the early 1970s, China and Japan should agree to disagree, and carry on.

 

Japan should take the first step and acknowledge that the sovereignty of the islands is in dispute. Were Tokyo to take this leap, Beijing could then suggest shelving the disagreement altogether. To maintain this status going forward, Beijing and Tokyo could establish a “Three No” formula: no entry into the disputed waters, no landings on the islands, and no flight over them.

 

President Obama’s visit to Tokyo this week is an opportunity to set an agreement in motion. Short of encouraging words from Mr. Obama, a Chinese-Japanese standoff in the East China Sea is likely to continue, undermining regional stability and constraining United States-China relations.

 

The Diaoyu Islands, which are of little real strategic or economic use, are hardly worth disrupting relations among the world’s three largest economies. It is time to put the issue back into a box.

 

Wu Xinbo  is director of the Center for American Studies, Fudan University, China. He is a contributor to “Debating China: The U.S.-China Relationship in Ten Conversations.”

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)





 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


 

 古村治彦です。

 

 オバマ米大統領のアジア歴訪(日本、韓国、マレーシア、フィリピン)に合わせて、NYTに、尖閣問題に関する論稿が掲載されました。マイケル・グリーンとジョージタウン大学准教授と呉心伯復旦大学教授がそれぞれ日本と中国の立場から主張を行っています。

 

 これからマイケル・グリーン教授の論稿のポイントをいくつか紹介したいと思います。マイケル・グリーン教授の言いたいことは、「中国はアジア地域で脅威となっているので、日米で緊密な協力関係を築いて、対処しなくてはならない」というものです。しかし、その対処は、外交と対話を通じてということで、オバマ大統領の見解とほぼ同じです。

 

 私は、アメリカ(とそれに追従する日本)の論理に関しては危険を感じています。外交と対話での問題解決を主張しながら、尖閣諸島の主権(sovereignty)を巡る争いと解決にアメリカは関与しないとし、同時に日米安保条約第5条の適用(必ずしも米軍の出動があるとは書いていない)に関して述べているという非常に複雑な論理があります。

 

 こうなると、中国からすれば、主権問題解決のために、沿岸警備隊の艦船などを派遣して、中国の領土であることもアピールし続けるという行動を取ることになり、偶発的な衝突が起きる可能性が出てきます。

 

 また、2012年に行われた尖閣国有化によって中国は態度をますます硬化させましたが、これも元はと言えば、当時の石原慎太郎東京都知事が、アメリカの首都ワシントンDCにあるシンクタンク「ヘリテージ財団」での都による尖閣購入が原因です。表立ったアメリカの関与があったか分かりませんが、日中間で話し合いすらできないようにさせられて、アメリカにとっては日本をかませ犬、番犬として中国と対立させ続けることができるようになりました。

 

 「寝た子を起こす」ことになってしまったのは、こうした複雑な現実を無視した論理性があるのだろうと思います。お互いに触らないようにしよう、時期が来るまで待とうという知恵が論理性の前に保護されてしまったのはかえすがえすも残念です。

 

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①日米両政府は日中間の緊張を減らすためにより協力することができるが、根本的な問題は、中国が海洋で国境を接している近隣諸国に対して強制力を使うというパターンの存在である。

 

②日本は中国が歴史的な経緯に基づいて尖閣諸島の領有権を主張しているのは歴史修正主義だと主張している。日本は、中国政府が1971年以前に尖閣諸島の主権について何も主張しなかったと主張している。中国側は、2012年に民間の土地所有者(日本人)から尖閣諸島に属するいくつかの島々を日本政府が買い上げたことによって、1970年代から続いてきた、「尖閣諸島を巡る争いは棚上げ(to set the dispute aside)」という日中両国間の暗黙の取り決めを破ったと主張している。

 

③インドやフィリピンの海洋国家は、日中両国間の摩擦を大きな関心と懸念を持って観察している。中国は、中央軍事委員会が5年前に承認した「近海ドクトリン」に基づいた戦術を使って、これらの海洋国に対して、日本に対してと同じような圧力をかけている。「近海ドクトリン」の目的は、東シナ海と南シナ海を中国がコントロールできるようにするというものだ。

 

④より根本的な疑問は、「中国が拡大を続ける経済力と軍事力を国際的な規範やアメリカの力に対する敬意を払うことなしにただ国益追求だけに使うのかどうか」というものだ。

 

⑤日米中は東シナ海での偶発的な衝突を避けるという点で利益が一致している。しかし、最悪の事態は、アメリカ政府が、中国からの圧力を受けて、日本政府に圧力をかけて中国との間で妥協を成立させるというものだ。

 

⑥アメリカの基本線は、アメリカは尖閣諸島を巡る争いを解決するということではなく、将来の西太平洋における力と秩序の構造に関する問題を解決するということである。漁業、天然ガス、ナショナリズムといった個別の問題を解決することではない。ウラジミール・プーチン大統領率いるロシアはウクライナで騒動を起こしているが、それと同じくらいに中国もアジア地域を騒がせている。中国はアジアにおけるアメリカが支持する現状の構造とアメリカと諸国の同盟関係がどれだけ強靭な耐久性を持っているのかテストしているところなのである。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

The Opinion Pages | Op-Ed Contributor

Negotiating Asia’s Troubled Waters

 

New York Times

 

By MICHAEL J. GREENAPRIL 23, 2014

http://www.nytimes.com/2014/04/24/opinion/negotiating-asias-troubled-waters.html?action=click&contentCollection=Opinion&module=RelatedCoverage&region=Marginalia&pgtype=article

 

WASHINGTON — The mounting tensions between Tokyo and Beijing over the small chain of islands in the East China Sea called the Senkaku by Japan and the Diaoyu by China have profound implications for United States interests and the future of Asia.

 

Both Tokyo and Washington can do more to reduce tensions, but the fundamental problem is China’s pattern of coercion against neighbors along its maritime borders. Any American plan to ease the strain between Japan and China should convince Beijing that coercion will no longer work — but that dialogue and confidence building measures might.

 

The competing Japanese and Chinese claims to the islands, which are under Japanese control, are rooted in obscure historical documents and verbal understandings. Japan argues that China’s historical claims to the islands are revisionist, noting that Chinese officials never asserted sovereignty over the islands before 1971. Chinese officials say that by purchasing several of the islands in 2012 from private Japanese landowners, the Japanese government broke a tacit bilateral agreement dating from the 1970s to set the dispute aside.

 

Yet while each side says the other broke the status quo, China has been pressing its claim by increasing maritime patrols in the waters around the islands, embargoing strategic metal exports to Japan (in violation of international agreements), and expanding military operations around — and even through — the Japanese archipelago.

 

Maritime states from India to the Philippines are watching the friction between China and Japan with great concern. Beijing has used similar pressure tactics in disputes with those countries since the Central Military Commission approved a “Near Sea Doctrine” five years ago with the aim of asserting greater control over the waters of the East and South China Seas. The doctrine includes not only the sea, but also the air, as Beijing demonstrated last November when it announced an Air Defense Identification Zone over a range of small islands and waters in the East China Sea administered by Japan and South Korea.

 

Thus the issue at stake is not just the conflict between Japan and China over islets, but the more fundamental question of whether China will use its growing economic and military power to assert its interests without respect to international norms — or to American power.

 

The Obama administration has reiterated that the 1960 U.S.-Japan security treaty covers islands, like the ones in the East China Sea, even though Washington has not taken a position on the underlying sovereignty question.

 

All of the parties have an interest in avoiding an accidental conflict in the East China Sea. But the worst thing Washington could do is push Tokyo to compromise with Beijing in the face of Chinese pressure.

 

The Obama administration did just that with Manila two years ago, and the results were a setback for Washington.

 

At that time, China was also using expanded maritime patrols and mercantile embargoes to compel Manila to compromise in a dispute over the Scarborough Shoal in the Philippine Sea. As the possibility of a clash mounted because Manila insisted on protecting its traditional control of the suddenly contested waters, the Obama administration got nervous and brokered a deal in which both sides would pull back their ships.

 

After a brief withdrawal, China’s maritime forces rushed back in to take control, blocking not only the Philippines’ small navy, but also local fishermen whose families have made their livings around the shoals for generations. Manila has taken the issue to the International Court of Justice and Mr. Obama will announce a new security cooperation and access agreement when he visits the Philippines next week, but China has no intention of accepting the court’s arbitration, and Beijing considers the episode a victory.

 

The United States must not make the same mistake of being overly even-handed in the East China Sea dispute, where the stakes are higher. The best way to avoid an accidental military confrontation would be for China to accept Prime Minister Shinzo Abe’s offer for open dialogue with President Xi Jinping, and the Japanese government’s proposal for military-to-military confidence-building talks, improved communications channels for ships and planes, and activation of a hotline.

 

China has refused all of these overtures. Instead, Beijing has engaged in a propaganda campaign designed to demonize the Japanese prime minister as a militarist — he increased Japan’s defense spending 0.8 percent — and has argued that Mr. Abe must fundamentally change his attitude before there can be a summit meeting between the two leaders.

 

Meanwhile, the People’s Liberation Army has resisted Japanese confidence-building proposals, viewing military tensions and uncertainty as means to force compromise on underlying disputes.

 

Mr. Obama should make Chinese acceptance of these proposals the centerpiece of his public and private discussions about the island standoff when he is in Asia this week and next.

 

At their talks in Tokyo, Mr. Obama and Mr. Abe should also reiterate their intention to finalize new guidelines for bilateral defense cooperation by the end of the year, which would send a strong signal to potential adversaries that the United States and Japan will be ready to stand side-by-side in any regional crisis and that any efforts to isolate Japan from the United States will fail.

 

At the same time, Mr. Obama and Mr. Abe need to talk about measures that will reassure China and offer potential off-ramps to the crisis.

 

One would be to push for resumption of earlier discussions between China and Japan on joint development of resources in the East China Sea. Another would be for Mr. Abe to take advantage of a slight decrease in Chinese operations around the islands this year to see if Beijing might agree to longer-term arrangements accompanied by more open communication and transparency. Any small opening is worth exploring.

 

The bottom line is that the United States is not going to resolve the underlying dispute over the islands, which is about the future structure of power and order in the Western Pacific and not just fish, gas or nationalism. Though nowhere near as brazen as President Vladimir V. Putin of Russia in the Ukraine, China is testing the durability of the American-backed status quo and United States alliances in Asia. This line of thinking in Beijing about the region will not disappear overnight, but if the United States is credibly engaged with allies and partners to dissuade any use of coercion, there will be room for confidence-building measures that reduce tensions and buy time for later diplomatic resolutions. Japan has useful proposals on the table, and deserves international support.

 

Michael J. Green is senior vice president for Asia and Japan Chair at the Center for Strategic and International Studies and associate professor at Georgetown University. He is a contributor to “Debating China: The U.S.-China Relationship in Ten Conversations.”

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








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