古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:属国

 古村治彦です。

  『決定版 属国 日本論』(副島隆彦著、PHPエディターズグループ、2019年9月)が2019年9月22日に発売されます。本書は副島先生の主著である『属国 日本論』(1997年)に加筆訂正されたものです。以下にまえがき、目視、あとがきを貼り付けます。参考にして、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
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決定版 属国 日本論

 (貼り付けはじめ)

 

はじめに 

日本は、世界政治の現実からみるとアメリカ合衆国の属国である。私はこの冷酷な現実

認識からすべての話を始めることにしている。
 「日米対等」「イークオル・パートナー」「太平洋の架け橋」「世界で最も重要な二国間関

係」などと、米国から勝手に表面上だけおだてられ、いいように扱われてきたのが、戦後

75年間の日本の姿である。日本は、世界に200ほどある国の中の、主要な30カ国のうちの1国ではある。人口も1億2000万人いる。そしてアメリカ合衆国のアライ(ally、同盟国、友好国)」のひとつである。それ以上ではない。同盟国といえば聞こえはいいが、ソビエト・ロシアの崩壊(1991年12月)のあと世界覇権国であるアメリカが、同盟(アライ)国という言葉に対して持つ真の意味は、米国の言うことをきく国、つまり属国というものである。

 誰もがお茶を濁してこのように露骨に言わないだけのことである。

断っておくが、属国というのは植民地(コロニー)のことではない。朝貢国[ちょうこうこく]tributary State トリビュータリィ・ステイト)のことである。歴史上の類推でいえば、紀元後500年間の世界帝国であった西ローマの、属州(provincia  プロヴァンキア)のことである。中国歴代王朝(中華帝国)の用語でいえば、藩国(はんこく)、あるいは冊封国[さくほうこく](さっぽうこく)という。冊封国の王たちは、中国の歴代皇帝に朝見して、臣下の礼をとった。彼ら属国の代表たちを、皇帝[エンペラー]に対して、「王」あるいは「国王」という。従って、日本の天皇は、エンペラーと自称したが、本当は、王(キング)に過ぎない。 

室町時代に、足利幕府の武家政権は、明(みん)王朝から「日本国王」の称号を頂戴していた。中国からみれば、日本は属国であった。日本は、この事実に反発を感じて抵抗してきた国である。江戸時代には、属国である事実を、隠そうと努力した。

幕末に黒船来航によって、米国インド洋艦隊の提督マシュー・カルブレイス・ペリーの砲艦外交(ガンボートディプロマシー)で、無理やり国をこじあけられ、開国してからの、この160年間は、米国に軍事的、経済的、文化的に服属してきた。

シー・エムパイア(海洋帝国)としての米国と、友好関係を築き続けたことは、日本の近代化にとって幸運であった。ところが、日露戦争から太平洋戦争敗戦までの間に、国家に対する求心力が高まってくると、日本は西欧諸国と米国に反抗的になった。そして、東アジアにおける独自の地域覇権 regional hegemony(リージョナル・ヘジェモニー)を目指した。即ち「大東亜共栄圏」(ザ・グレート・イースト・エイシア・コプロスペリティ・スフィア)構想である。無謀にも世界の大勢を敵に回して戦いを挑み、案の定大敗北した。そしてその後、アメリカの属国として平和な75年があった。 

日本は、冷戦(ザ・コールド・ウォー)時代をソビエトと中国の共産主義に対する〝反共の防波堤〞の役割を東アジアで担い、〝吉田(茂)ドクトリン〞により軍事負担を免れ、上手に行動して、経済的繁栄を勝ち得た。

 私たちは、かつての東欧諸国が、1991年に崩壊するまで、ソビエト帝国(ソビエト連邦)の「衛星国(サテライト・ステイツ)」であると学校の教科書でも習った。では、日本はずっと米国の衛星国ではなかったのか。この疑問に対しては、私たちは目をつぶり、回答を先送りして生きてきた。

先の戦争で日本は米国に完膚なきまでに叩きのめされた。残虐な原子爆弾(アトミック・ボム)まで投下されて敗戦した。日本がポツダム宣言を受諾して無条件降伏したとき、世界中の人々は、日本国民が命乞いをした、と考えた。頭を下げ、生き延びさせてもらった、と。だが、私たち日本人はそうではない。あれはただの「終戦」だ、と思ってきた。このあと米国に屈服して生きてきた。

 米国からすれば、日本は東アジアの1国だ。中日韓鮮台の5カ国の中のひとつに過ぎない。米国の世界戦略からすれば、日本は韓国や北朝鮮や台湾と同じ意味しか持たない。

 米国は、表面だけは、「日米対等」を演出し、ふつうの日本国民に対しては優しい態度を取る。しかし一歩裏に回れば、外交交渉の席で、日本の政治家や官僚や財界人たちを、どなって脅し、「我々の言うことを聞け。もっと金を払え」と抑えつけている。この事実を一般の日本国民は、知らされていない。 

 1996年の4月の「米日安保共同宣言」がいい例だ。この時、「有事法制の整備」と、「米日防衛協力のガイドラインの見直し」と「物品・役務(えきむ)相互提供協定」が話し合われたとされている。その議題(アジェンダ)のすべては、米国の官僚が、協議の場に、まるで「天から降ってくるように」持ち出してくるものである。話し合いというのは名ばかりで、日本の政治家や官僚は、米国から出された要求にただ頷(うなず)くだけだ。

米日間の外交協議の場で、日本に主導権など一切ない。私たちの知らないところで、「次はこの議題について持ち帰って討議しなさい」と、日本は米国から次々と宿題を突きつけられる。彼らは、私たちに憲法を作って与えた。それから日本人に民主主義教育を施した。現在の私たち日本国民を作った。このように日本を枠にはめておきながら、その枠が米国自身の東アジア戦略に合わないと、今度は、あれこれ修正を迫ってくる。これが米日関係の真の姿である。

 日本は、輸出と輸入の4割を、米国に頼っている。日本は、経済的に米国に依存している。経済の生命線である、中東からのオイルの輸送ルートも、米軍の海洋支配力(シーレーン)に守られている。経済が何よりも重要だ。

 私たちは、伝統保守派の人々の、「NOといえるジャパン」、「米国は日本人に民族の名誉を返せ」、という反米主義の論調に、軽々と乗ってはいけない。しかしことさら卑屈になって米国に対して土下座外交をつづければいいということもない。今、大切なのは、日本が置かれている立場を明らかにすることだ。

 私が、本書で、世界帝国アメリカと言うとき、「帝国(エンパイア)」という概念は、「領域支配」を含まない、ということを理解してもらいたい。

 「帝国」というのは、例えば、高校・世界史地図帳の中に、ペルシア帝国の最大領土とか示して、世界地図上に赤色でベッタリと塗ってある。だが、実際の歴史上の帝国(覇権国)はあのようなものではない。属国の服属関係にもいろいろなものがある。完全に武力制圧された国から、政治的には独立したまま、経済交易だけ帝国に従属しているという場合もある。

従って一様に地図を赤色で塗りつぶしたような感覚で帝国というものをとらえてはならない。即ち、帝国とは領域支配を意味しない。このことは、『最後の遊牧帝国』(宮脇淳子著、1995年、講談社選書メチエ)を読むと分かる。

日本は独立国であって、アメリカの属国ではない、といきり立つ人々がおられるだろう。何故、そのようにいきり立つのか、何が不快なのかを、自分の内心に問うてみられるがよい。そうすれば、やはり、アメリカの日本に対する高圧的な支配者然とした態度に行きつく。私は、そこに出現する真実としての米日関係を、冷静に観察している。 

 法律的に立派な制度が完備している。だから日本は、独立国であって、他国のコントロールを受けていない。と強がりを言ってみても始まらない。現実に、日本はアメリカの世界戦略の中に組み込まれて生きていると言わざるを得ない。属国であるか否か、の細かい、政治学、歴史学、法律学上の考察についてこの本で論究する。ふつう日本人が考えているよりも、大きな視点から、この国を概観する。

 私が唱えている「属国 日本論」という言葉は、民族主義的あるいは右翼的な響きがあるので、誤解されやすい。私は伝統保守派からの視点から主張していない。保守思想であっても、私の保守主義(リバータリアニズムと言う)は、日本を外側に開いてゆく。世界の中のひとつの国として、世界資本主義に従い、経済的に繁栄してゆくことが何よりも大切だ、という立場である。日本の保守派は、民族優等の伝統保守派と、世界資本主義を支持するビジネスマンたちに体現される世界保守派に分裂している。私は後者である。 

 幕末、維新期に、はじめ尊王攘夷(そんのうじょうい)を唱えたはずの者たちが、コロリと開国派に態度を変えた。そして政治権力を握ったとたんにイギリスとアメリカに従属した。国難に際して訳も分からず、本能的に切実な排外主義(ショービニズム)である攘夷を唱えた。

 「この国は独立国ですから、どうぞ、お引き取り下さい。自分たちのことはなるべく自分たちでやります。できない分については、ご助力をお願いします」と、欧米列強(ヨーロピアン・パワーズ)に対して、静かに説くことのできる人物がいなかった。現在の状況も、あの当時とそっくりである。

 やるべきことは、米国という大国の内部の、思想勢力のことをもっと本気で本格的に研究することである。そして彼らの意図を見抜くことである。日本の知識層の人たちは、現代のアメリカの政治思想の大きさと強さを、ほとんど知らないまま生きてきた。アメリカ内部の、思想闘争の分析ができなければアメリカ帝国を理解したことにならない。私はすでにこの分野にも手をつけている。

===== 

目次

 

はじめに 5

第一部 属国日本論 日本の本当の姿

 

一、属国日本を検証する・・・24

 

日米対等は虚妄 24

なぜ真実を隠蔽するのか 27

米日安保共同宣言をめぐって 29

ナイとヴォーゲルは左遷された 31

ジョゼフ・ナイの前歴 32

北朝鮮核疑惑と韓半島情勢 35

スパイ衛星写真という切り札 39

TMD日本配備構想とは何か 42

日独の核保有を認める 48

何も知らされていない政治家たち 49

台湾海峡情勢の裏側 52

円安戻し政策(1995年7月)の舞台裏 54

敏腕リチャード・クーの〝日本情報〞 60

日航機墜落事故をめぐって 62

日本の空は米軍によって守られている 65

「ビンの栓」理論 69

何故、米国の製造メーカーを追及しないのか 72

エノラ・ゲイ号をめぐる対立 76

東アジア諸国とアメリカの軍事同盟 81

中東地域とアメリカ軍 89

伝統保守派と世界保守派 91

伝統保守派と世界保守派の分岐線 95

隠蔽するな、事態を語れ 101

 

補諭CIAからの自民党への資金援助問題・・・102

 

ダグラス・マッカーサー二世の拒絶と別ルート 102

なぜ、こんなにしてまでお金を必要としたか 106

今後も続く事実の判明 110

全てがうやむやにされてしまう 111

 

二、なぜ佐藤栄作元首相はノーベル平和賞を受賞したのか・・・119

1974年10月の奇妙な白け 119

世界的偉業に関与したという厳然たる事実 121

「メースB」の撤去は中国へのサインだった 123

20年後につながったニクソンの訪中 130

「天動説」のものには世界政治の「地動説」が視野に入らない 135

デタントの世界的流れの中に位置づけられた日本 139

「隣の小部屋」で交わした文書こそ核心部分 143

政府間経済交渉のはじまりとしての繊維交渉 150

「非核三原則」と「非核四政策」 155

ニクソンが立案し、キッシンジャーが動いた世界戦略の中で 160

 

第二部 世界覇権国(ヘジェモニック・ステイと)アメリカ

 

一、アメリカの世界政策とシンクタンクの実態・・・166

 

日本にない国家戦略研究所 167

政府から独立した研究機開 169

ネオ・コン=クローバリスト系かリバータリアン系か 171

明石特使の首を切ったカークパトリック 176

「安保共同宣言」とマイケル・グリーン 177

ケイトー研究所は温かだった 179

ヘリテイジ財団にみる草の根気風 181

セリッグ・ハリソンの北朝鮮、対日政策 185

研究者を束ねる「国務次官補」 187

グローバリスト官僚と戦後日本 188

 

二、世界を管理するグローバリスト官僚たち・・・192

 

「エイプリルはよくやった」 192

モーゲンソーの弟子たち 195

日本人の腹の底をのぞき込め 202

「戦後民主主義」の正体 208

グローバリスト包囲網 214

 

第三部 属国日本の近代史

 

一、幕末・明治期編・・・222

 

ペリー以来変わらぬアメリカの日本観 224

内部だけでの大騒動 228

変わることのない日本に対する基本認識 232

必要なアメリカ政治についての徹底的な研究 234

アメリカ主導からイギリス主導への移行 237

グラバーの役割とジャーディン・マセソン商会 239

長崎代理店・クラバー商会 242

五代友厚・ジョン万次郎・坂本龍馬の動き 248

アーネスト・サトウという日本研究戦略学者 253

意図的な『一外交官の見た明治維新』 254

サトウの本の出版は半世紀後 258

坂本龍馬とイギリス主導の薩長合作 265

ジョン万次郎という男 267

坂本龍馬の動きの背景 271

育てられた親イギリス派の日本人 275

兵器こそが薩長連合を成立させた 277

寺田屋と情報戦争 281

最終段階で切り捨てられた坂本龍馬 283

松陰の行動力こそ評価すべきだ 285

大村益次郎と後藤象二郎 287

伊藤らのイギリス再訪 292

 

二、敗戦まで・・・296

 

世界覇権をめぐるイギリスとアメリカの対立 299

イギリスを優先するかアメリカとの同盟に入るかの選択 300

不平等条約の改正について 303

「ザ・グレート・ゲーム」について 304

ユーラシア大陸のヘリの国として 305

中央アジアをめぐるイギリスとロシアの闘い 307

間宮林蔵とシーボルト 312

日本の新興資本家たちの苛酷な農業経営 314

決定的に針路を誤った中国進出 318

居留民の過去問題 321

アジアを舞台とした情報戦と人物たち 325

中国人脈のアメリカ人とは 326

マッカーシー旋風はアメリカ国内の恐怖感の表れ 329

ゾルゲ事件をめぐって 334

国家戦略を立案する人材を欠いた日本 340

世界的視点を持っていた吉田茂 343

 

決定版を出すにあたって 345

 

あとがき 357

 

=====

あとがき

日本の戦後の立志伝(りっしでん)中の実業家たちは、商店街の小さな個人商店から身を起こした。そして30年間かけて大企業に成長した。私も自分の思想と言論を、ささやかな個人営業から始める。私の思想と言論に注目してくださる少数の優れた人々の理解と支持に支えられて、着実に自分の足元を固めながら一歩ずつ進んでゆく。

一過性のテレビ文化人活動などに魅(ひ)かれることはない。阿呆どもは時間がたてばどうせ消えていなくなる。

私の言論と思想の構えを、秩序破壊的で、攻撃的で真実暴露の、危険な言論だ、と直観的に毛嫌いして避ける人々がいる。この種の自己保身優先で、組織や集団内の立ち回りだ

けが上手な人種とは、私は、終生(しゅうせい)、相容れない。この本質的に小心者で、他者へのレッテル貼りと噂話だけが得意な人間たちもどうせ消えていなくなる。

私は、ひたすら大きな諸事実、大きな真実を、明瞭に指摘して、自分の言論の活路を見つける。日本国内だけでしか通用しない国内言論は、もうやめにすべきだ。私は、この『属国 日本論』という、およそ生来の保守派の温厚な人々だけでなく、ソビエト崩壊(1991年12月、もう28年前だ)以降、本当は元(もと)左翼なのに、「真性保守」を名乗る者たち、全てから目をそむけられる本を書いて、微塵(みじん)たりとも動じない。私は、外側(すなわち世界)から、冷酷に見られた日本の本当の姿を昂然(こうぜん)と指摘しないわけにはゆかない。

日本が優秀な国民からなる大国だ、というのは噓である。

日本は、他の国々と同様に、世界覇権国(ヘジェモニック・ステイト)アメリカ合衆国の属国(トリビュータリイ・ステイト)のひとつに過ぎない。私の属国研究の結果からは、ドイツどころか、イギリスもフランスさえも、第2次大戦後はアメリカの属国になっている。内部に多くの難問を抱えていようとも、とにかくアメリカが今のところは世界帝国である。言うことを聞かねば周辺国は生き延びられない。

フランス現代思想(サルトルからフーコーまで)も、ドイツ文化マルクス主義哲学(ベンヤミンからハーバマスまで)も大方、雲散霧消した。あれらに入れあげた常に遅れた西ヨーロッパかぶれの知識人だった人々は消滅してしまった。

 日本法制史学者の斎川眞(さいかわまこと)氏が一言うごとく、「東アジアは、とにかく、自大(じだい)主義で、かつ事大(じだい)主義」なのである。「夜郎自大(やろうじだい)で、何でもかんでも、自分のことを大変、力のあるすばらしい国だ、と考えないと気がすまない人々と、その歴史」なのである。全ては劣等感の裏がえしである。

日本だけでなく東アジア地域(リージョン)全体が、ずっとそうらしい。冷静に、冷酷に、自分をみつめることができない。ソビエト・ロシアが崩壊したとき、私たちの周りの余計な壁がパタパタと倒れた。左翼勢力は衰退した。だが同時に、伝統保守派の勝利もない。どちらもその本性(ほんせい)は、反米(反アメリカ)民族主義か、アメリカの手先集団である

民族主義(ナショナリズム)というのは、それぞれの国民[ネイション](あるいは民族[フォルクス])の自己愛感情ということではない。民族主義とは、世界帝国の属国[プロヴァンス](属州)に、各々(それぞれ)発生する防衛感情のことである。だから民族主義者(ナショナリスト)というのは、帝国と厳しい交渉を続けることを運命とする属国の国王(民族指導者)のことである。

日本は世界の大勢が命じる価値観、すなわち、世界普遍価値に従って生きてゆくしかない。世界資本主義に従って、更に経済的繁栄を守ってゆくべきである。政治はそれにつき従うものである。世界普遍価値が、日本に強く改革を要求して世界基準(ワールド・ヴァリューズ)に従った国になれ、と要求するのならば、それに従うしかない。しかし、この7(世界普遍価値)に対する、残りの3の民族固有価値(ナショナリスティック・ヴァリューズ)で、アメリカの理不尽な日本支配と闘わなければならない。「73(しちさん)の構え」である。 

 この本の英文のタイトルは、表紙に打ち込んだ、『猿の惑星に生まれて』`Born on the Planet of the Apes'「ボーン・オン・ザ・プラネット・オブ・ジ・エイプス」である。このタイトルを一目しただけで、欧米の知識階層の人々ならば破顔一笑して、瞬時に意味を理解してくれる。

私の思想と言論は、自力で英語文献を読み込んだ以外は、先生(メンター)である小室直樹(こむろなおき)氏に多くを負っている。小室直樹を、東京大学学長にして、社会科学(ソシアル・サイエンス)の何たるかを講義させつづけたら、日本に2000人の秀れた、世界で通用する社会科学者[ソシアル・サイエンティスト](政治学者、経済学者、社会学者)が育ったはずなのである。日本国は人材育成の点で、決定的な間違いを犯している

日本に、金融危機が、1998年から襲いかかった。アメリカは、「日本に対して、直

接の大銀行たちの乗っ取り占領計画に着手した。1998年10月に、橋本龍太郎政権を脅して圧し切り、外為法(がいためほう)の全面改正(いわゆる〝金融ビッグバン〞)をやらせた。これで日本国内への外資の導入が一気に始まった。日本の大銀行、証券会社、生命保険会社が次々に乗っ取られていった。

 その代表が、長銀[ちょうぎん](長期信用銀行。現[げん]新生銀行)のリップルウッドホールディングズという、ニューヨークの金融ユダヤ人の頭目たちによる、強制買収であった。日本はアメリカの〝金融属国〞にされた。唱い文句は、「金融自由化」だったのに、実際に行われているのは「金融統制」である。

 そして、もうひとつは、安全保障(軍事)の問題である。我々日本人は、日本に5万7000人いる駐留米軍(このうち2万7000人が沖縄にいる)に、撤退(ウイズドロー)してもらいたいのか、それとも、このまま駐留して日本を守ってもらいたいのか。この一番、簡素でストレートな問題に、はっきり答えようとしない。だが、米軍は自分たちの都合で、日本から撤退する時は、する。

 日本は、属国としてアメリカの政治力に屈服している。この事実をはっきりと認めるところから、全てが始まる。この大前提に立って、重厚に練られた国家戦略(ナショナル・ストラテジー)を自分たちの手で、なんとか編み出して、築いてゆくのである。

 本書で指摘したとおり、日本人は、敗戦後75年間、アメリカのネオ・コン=グローバリストと、ニュー・ディーラー(初期グローバリスト)に、うまく飼い殺しにされつづけた。自分たちの頭で、自分たちのことを考える能力を奪われて来た。ネオ・コン派という狂暴な知識人集団のために暴走国家になっているアメリカ帝国につき従っている。

私が、要約して言えるのは次のとおりだ。

「日本は、あと、しばらくはアメリカの保護の下で生きてゆくしかない。しかしなるべくなら自立して自分の力でやれるだけのことはやりたい。従って、駐留米軍には撤退していただきたい。安全保障の点で、実際のところ日本は自力で防衛する力が足りない。この足りない分については助力をお願いしたい。その分の費用については、細かく計算した上で、お支払いする。それ以上の、無理な要求はしないでいただきたい」

このように、冷静沈着に、アメリカ側に言えるようになるべきだ。無闇といきがったり、反対に自己卑下せずに、正直に現実を見極めて、淡々と話せる国民になるべきだ。きわめて幼稚な理論に聞こえるが、これ以外の、どんな態度のとり方があるというのか。日本が世界から尊敬される国になるためには、この程度の、簡潔明瞭さと、正直さを持つべきだ。

この『決定版 属国 日本論』を出すにあたって、PHPエディターズグループの大久

保達也編集長の尽力に預かった。記して感謝します。炎暑の夏が過ぎてゆく。

 

2019年8月

副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

  


 今回は少し古い本になりますが、『エコノミック・ヒットマン』という本を皆様にご紹介します。ヒットマンというと、大変物騒な単語ですが、エコノミック・ヒットマンという言葉について、著者ジョン・パーキンスは次のように書いています。

(引用はじめ)

 

 エコノミック・ヒットマン(EHM)とは、世界中の国々を騙して莫大な金をかすめとる、きわめて高収入の職業だ。彼らは世界銀行や米国国際開発庁(USAID)など国際「援助」組織の資金を、巨大企業の金庫や、天然資源の利権を牛耳っている富裕な一族の懐へと注ぎこむ。その道具に使われるのは、不正な財務収支報告書や、選挙の裏工作、賄賂、脅し、女、そして殺人だ。彼らは帝国の成立とともに古代から暗躍していたが、グローバル化が進む現代では、その存在は質量ともに驚くべき次元に到達している(1ページ)

(引用終わり)

 

エコノミック・ヒットマンとは、発展途上国に入り込み、そこで経済近代化計画を売り込みながら、実際には途上国から利益を搾り取るための存在で、経済アナリストやコンサルタントをしています。ヒットマンですが、彼らは実際の武器を振り回すわけではありません。彼らが使うのは経済統計や経済モデル、プレゼンの資料などです。

 

彼らはアメリカの大企業に雇われ、でっち上げの経済近代化計画を発展途上国に持掛け、それを導入させ、結果として、アメリカの大企業に大きな利権をもたらします。その国の人々が豊かになることには関心がありません(表向きは「皆さんのお為ですよ」と笑顔を振りまきますが)。

 

 エコノミック・ヒットマンの裏に気付く発展途上国のリーダーがやはり出てくるのですが、こうしたリーダーたちは、謎の死を遂げたり、政治的に失脚したりします。これを行うのが「ジャッカル」と呼ばれる人たちで、CIAの特殊工作員です。そして、このジャッカルでも手におえない場合は、アメリカ軍がその国を攻撃するということになります。パナマのマニュエル・ノリエガ将軍がその具体例です。

 

 著者のパーキンスはひょんなことからエコノミック・ヒットマンの道に入り、大成功を収めますが、自分のやっていることに疑問が生じ、30代には引退することになりますが、その後もコンサルタントや顧問という形でエコノミック・ヒットマンの世界に関わることになりました。

 

 彼の物語を荒唐無稽の話と切り捨てることも可能です。しかし、南米で1970年代に生まれた「従属理論(Dependency Theory)」や、イマニュエル・ウォーラスティンの「世界システム論(World Systems Theory)」は、こうした現実を説明するための理論です。「発展途上国はどうして発展途上国のままなのか、資源もあって、国民も決して怠惰という訳ではないのに」という疑問に対して、「それは先進諸国が発展党上告をそのままにして利権を貪りたいからだ」ということが答えになります。また、こうした発展途上国には、国内に先進諸国の利権に奉仕する人々が出てきます。こうした人々は「買弁(comprador)」と呼ばれます。こうしたことは、2012年5月に私が出しました『アメリカ政治の秘密』(PHP研究所)でも詳しく説明しています。

 

 『エコノミック・ヒットマン』では、世界覇権国・世界帝国のアメリカと発展途上国の関係について上記の諸理論でも説明される事象の実際面が詳しく描かれています。それでは、アメリカと日本の関係はどうでしょうか。大きく言えば、「日本はアメリカの属国(client state)である」という点では、この本に出てくるパナマ、エクアドル、インドネシアなどと構造は変わりません。

 

 「日米関係だけは別だ。世界で最も緊密で平等な同盟関係だ」と考え、沖縄やアメリカ国債の問題などが見えない方々には、この本の話は荒唐無稽なおとぎ話ということになるでしょう。

 

(終わり)






 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-11-25



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 今回は最近、インターネット上で見つけた2つの新聞記事を皆様にご紹介したいと思います。1つ目の西日本新聞の記事は秀逸な内容です。評価の高い学術的な研究の結果を用いて、落ち着いた筆致で、岸信介元首相(安倍晋三首相の祖父)がいかにして、ファシスト・A級戦犯からデモクラシーと資本主義の擁護者としてアメリカに「飼いならされ(tamed)」て、「傘下に収められ(cultivated)」ていったかを書いています。このような記事は全国紙で掲載されることはないでしょう。東京新聞(中日新聞)や西日本新聞など、いわゆる地方ブロック紙や地方紙が現在のこうした状況に抵抗して頑張っています。戦前、戦中で言えば信濃毎日新聞の桐生悠々や毎日新聞の新名丈夫を思い出します。

 

 記事の中に出てくる東京国際大名誉教授の原彬久の「独立のために従属」という発言が、属国である日本の悲哀を端的に表現しています。

 

 さて、岸信介の孫である安倍晋三が現在の日本の首相ですが、現状は「独立のための従属」なのか「従属のための更なる従属」なのか、分からないことになっています。岸信介が行った日米安全保障条約の改定後、日本は「独立」を勝ち取ったと言えるでしょうか。確かに日本は独立国です、形の上では。しかし、その実態はどうでしょう。もはや「従属のための更なる従属」という状況だと私は考えます。

 

 在日米軍のリラックスのための「遊興費」を含む「思いやり予算(Host Nation’s Support)」は年間1900億円になります。日本側はこれを少しでも減らしたいとして交渉していますが、アメリカ側がこんなおいしい話を「分かりました」と言って受け入れてくれる訳がありません。そもそもが米軍が地上戦で「奪い取った」沖縄は彼ら、特に米海兵隊にしてみれば「戦利品」です。そして、日本全体がアメリカの「戦利品」なのです。

 

 先月、安保法制が成立しました。これによってお金だけでなく、自衛隊もアメリカに「貢がれる」ことになりました。「従属のための更なる従属」という状況はこれからも続いていきます。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「「岸信介を傘下に納めた」日米双方の思惑が築いた蜜月関係」

 

西日本新聞 1012()830分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151012-00010001-nishinp-pol&p=1

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151012-00010001-nishinp-pol&p=2

 

 憲法改正を目指し、対米自立を望んだ岸信介元首相は、首相に就任する前から米国の冷戦戦略に取り込まれていた―。そんな認識を示す文書を、日米外交に深く携わった元米国務次官補が残していた。孫の安倍晋三首相の政治姿勢にも強い影響を与えた岸氏だが、背景を探ると、もう一つの顔が浮かび上がった。

 

 文書はワシントン近郊のジョージタウン大図書館にあった。戦前戦後に在日米大使館で勤務し、1960年の日米安保条約改定時には極東担当の国務次官補を務めたグラハム・パーソンズ氏の文書コレクション。パーソンズ氏は、退官後の80年代前半に書いたとみられる未刊行の自伝で、岸氏に関してこう語っていた。

 

 「戦犯(容疑者)だった岸氏は50年代半ば、大使館のわれわれによって傘下に納まった。その後、(自民)党総裁になり、信頼に足る忠実な協力者となった」(「傘下に納まった」の原文は「cultivate」。和訳は文書を見つけたオーストラリア国立大のテッサ・モーリス・スズキ教授と吉見俊哉東大大学院教授の共著「天皇とアメリカ」=2010年刊から)

 

 63年の同僚宛ての手紙にも「われわれは54年、岸を傘下に納めた」。そこには有望な政治家と見なす岸氏を取り込んだ、との視点が鮮明にうかがえる。

 

 55年の保守合同で自民党が誕生する直前の混乱期。保守派リーダーの一人だった岸氏は、米国とどうつながっていたのだろうか。

 

 保守合同前夜の195579日午後、東京の在日米大使館。当時の民主党幹事長だった岸信介元首相は、大使館のジョージ・モーガン参事官に招かれた。「キングサイズのスコッチ・アンド・ソーダ」を片手に約3時間半。モーガン氏の質問に冗舌に答える岸氏の姿があった。

 

 膨大な米公文書の調査などを基に戦後の日米関係を米国側の視点で描いた「『日米関係』とは何だったのか」の著者、米アリゾナ大のマイケル・シャラー教授(68)が90年代に見つけた大使館から本国への報告文書には、その時の様子が詳しく記録されている。

 民主、自由両党の合同はまだ時期が公になっていなかった。民主党を主導する岸氏は、合同が11月ごろになるとの見通し、新党首選びの状況、憲法改正や積極的な反共外交政策の採用、再軍備促進といった新党の政策などについて情報を「提供」(シャラー氏)。社会党の動向に関する推察も伝えた。いずれも米国側が欲していたとみられる。

 

岸氏こそ米国の政策に合致

 

 岸氏は戦前、在日米大使だったジョセフ・グルー元国務次官とじっこんだった。同氏が日本で立ち上げたロビー団体の米誌東京支局長は、民主党幹事長時代の岸氏の英会話の家庭教師。支局長らは米政府に日本の政治状況などを報告、岸氏を売り込んでいたという。

 

 50年代、反共のとりでとして日本に安定した保守政権の誕生を望む米国の思惑をよそに、5412月に退陣した吉田茂首相の後を継ぐ鳩山一郎、石橋湛山両氏はそれぞれソ連との国交回復、日中関係改善を志向。もともと反共・反ソで保守合同の強力な推進者、岸氏こそ米国の対日政策に合致する政治家だった。ロビー団体の人脈などを通じて、米国は岸氏をさらに「磨いた」とシャラー氏は語る。

 

 シャラー氏によると、50年代半ば、在日米大使館員が岸氏と会ったり、酒を飲みに行ったりしたとの記述も文書に散見された。岸氏がモーガン氏と会った当時の首席公使が、岸氏を「傘下に納めた」と記したグラハム・パーソンズ氏。大使館と岸氏とは深い結びつきができていたとみられる。

 

蜜月関係が権力へ導いた

 

 シャラー氏は「岸氏は米国に取り込まれたというより、むしろ積極的に取り入ろうとしていたと私は考える」。日米安保条約の不平等性の解消を目指した岸氏だが、「米国の信頼を得なければ、それは成し遂げられないし、信頼されれば国内での自身の政治力も増すという計算もあっただろう」とみる。

 

 55年、鳩山政権からの条約改定申し入れを一蹴した米国は、57年の岸政権からの交渉提起には応じ、60年に改定は実現した。

 

 一方でシャラー氏は、岸氏が首相就任後、米中央情報局(CIA)と秘密の資金提供の関係を結んだと著書で明記した。「権力の座に駆け上がる過程で米国と築いた濃密な関係が、資金提供の土壌になったのもまた事実だ」と指摘した。

 

岸氏の戦略「独立のために従属」

 

▼「岸信介証言録」などの著書がある原彬久・東京国際大名誉教授

 「cultivate」の意味について、私は「米国は自分たちの望む方向に動くように岸氏を取り込んだ」というニュアンスに受け取った。米国は岸氏を利用しようとしていた。彼らは岸氏を高く評価していたが、利害関係とは別のところで尊敬したり評価したりはしない。そんな生やさしい世界ではない。一方、岸氏も国内外の共産勢力と戦うため、米国を利用しようとしていた。だから米国の信頼を得るために情報を提供することもあろう。政治家として熟察し、いろんな計算の下で動いていたといえる。

 

 CIAから資金提供を受けることは道義的に問題ありだが、当時は革新勢力も旧ソ連から資金援助を受けていた。強力な保守政権を築き米国から何とかして自立したい、選挙で革新勢力に負けたくない、との思いから岸氏はきわどい政治判断をしたのではないか。

 

 逆説的な言い方だが、米国から独立するために従属する―というのが、皮肉にも岸氏の対米戦略だったと考える。

 

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●「「思いやり予算」の改定交渉、3回目も日米の溝埋まらず」

 

ロイター 2015/10/12 16:43 ロイター

http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151012-00000011-biz_reut-nb

 

[東京 12日 ロイター] - 在日米軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」の改定をめぐる日米交渉は、前週に開いた3回目の協議でも溝が埋まらなかった。不均衡とされてきた日米同盟間の軍事負担が、安全保障法制の成立で是正されるとの立場を取る日本は減額を求めているが、「リバランス(再均衡)」でアジアへの戦力集中を目指している米国との見解に距離があり、調整は難航している。 

 

5年に1度見直しが行われる同予算は、根拠となる特別協定が来年3月に改定期限を迎える。日米は今夏から見直し交渉を開始し、10月5日の週までに3回の協議を開いた。日本が来年度予算案を編成する12月末までに合意する必要があるが、日本の政府関係者は「全く折り合っていない」と話す。

 

日本が減額を求め、米国が反対する構図は5年前と同じだが、今回は今年4月の日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定で自衛隊の役割が拡大。9月の安全保障法制成立でその実効性が担保された点が異なる。日本の領域外で米軍が攻撃を受けた場合も自衛隊が防護や反撃ができるようになるほか、米軍に対する自衛隊の後方支援が地理的範囲、内容ともに広がる。

 

1960年に改定された日米安全保障条約は、5条で米国による日本の防衛義務を、6条で日本による基地の提供を定め、米国では片務的な同盟とみなす声が根強い。「米国が持っていた日本に対する不満が解消するレベルに近づく」と、別の日本の政府関係者は言う。「(思いやり予算の)改定協議につなげたい」と、同関係者は減額に期待を示す。

 

思いやり予算は年間およそ1900億円にのぼる。本来は米側が支払うべき在日基地で働く日本人従業員の給与の一部を、円高進行や日本の物価上昇、米財政の悪化を受け、1978年から日本が負担するようになったのが始まり。

 

現在は特別協定に基づく従業員の基本給、米軍の訓練移転費、光熱費に加え、協定外の従業員の福利費、施設整備費も日本が払っている。前回の改定では協定内の負担は減額されたが、その分が協定外で積み増され、全体として現状維持となった。

 

日本は今回、レストランやバーなど基地内の娯楽施設で働く従業員約5000人の給与負担を中心に減らし、整備費も抑えたい考え。

 

一方、世界的に国防費を削減する中で、アジアへのリバランスを進める米国は、イージス艦など日本に配備する装備を増やそうとしている。装備が増加すれば駐留費は膨らみ、米国は日本側が労務費を負担する従業員の上限数を引き上げたり、施設整備費の上積みなどを求めているもようだ。「互いに高い球を投げ合っている」と、日本の政府関係者は言う。

 

米軍駐留経費を含む日本の防衛予算5兆円は、新型輸送機オスプレイや次期戦闘機F35、無人偵察機グローバルホークといった武器の高額化で年々ひっ迫している。沖縄県の米軍普天間飛行場の辺野古移設工事が本格的に進めば、米軍再編関係費が現在の約1500億円から倍増するとの声もある。「交渉は厳しいだろうが、日本から折れるわけにはいかない」と、別の政府関係者は話している。

 

(梅川崇、久保信博 編集:田巻一彦)

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23




 

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