古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:岡田克也






アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

本日、2015年1月18日、海江田万里氏の辞任に伴う、民主党代表選挙の投開票が実施されました。立候補したのは、長妻昭元厚生労働大臣、細野豪志元民主党幹事長、岡田克也元民主党代表でした。1回目の投開票(党員・サポーター・地方議員票と国会議員・国政選挙立候補予定者票;国会議員のみ2ポイント)では過半数(ポイント制で760ポイントの過半数である381ポイント)を獲得した候補者はおらず、上位2名に入った細野氏と岡田氏の決選投票(国会議員132名+国政選挙立候補予定者1名)が行われ、岡田氏が逆転で代表に選ばれました。結果は以下の通りです。

dpjpresidentialelectionresults001

 

●第1回目の投開票

 

・長妻昭氏:党員サポーター・地方議員票:94ポイント+国会議員・立候補予定者:74ポイント(37名)⇒168ポイント

・細野豪志氏:202ポイント+96ポイント(48名)⇒298ポイント

・岡田克也氏:199ポイント+95ポイント(47名+1名:立候補予定者は1ポイント)⇒294ポイント

 

●決選投票

 

・細野豪志氏:120ポイント(60名)

・岡田克也氏:133ポイント(66名+1名)

・無効票:6票

 

 決選投票は国会議員と国政選挙立候補予定者1名の133名のうち、6名が無効票を投じ、立候補予定者が岡田氏に投票しました。細野氏は1回目よりも12名伸ばし、岡田氏は19名伸ばしました。無効票+両者が伸ばした分を足すとちょうど37となり、長妻氏に投票した国会議員票数と一致します。そして、以下の記事にあるように、赤松広隆前衆議院副議長が率いる旧社会党出身者グループである「サンクチュアリ」は岡田氏へと投票したことが明らかになっています。ここから、岡田氏へ投票した旧社会党出身者は19名ということが分かります。となると、残り18名に、大畠章宏前民主党幹事長が率いる旧鹿野道彦グループである「素交会」と棄権した6名が含まれるということになります。Wikipediaで調べてみると、素交会の所属の現役国会議員は12名です。となると、旧社会党系からの脱落者が6名出たということになります。下の記事によると、赤松氏は、「岡田氏の陣営とは事前に、決選投票となった場合には互いが連携することを決めていたとも明らかにした。その上で、長妻氏を支援していた国会議員のうち決選投票で岡田氏に投じたのは『最低でも25人』と語った」とあります。長妻氏を支持すると決めた「サンクチュアリ」と「素交会」では、「サンクチュアリ」は岡田氏陣営と、「素交会」は細野陣営と決選投票になった場合の取引ができていたのだろうと思います。

 

ここで良く分からないのが、「サンクチュアリ」と「素交会」の動きです。選挙では勝ち馬に乗るのが常道です。そこからすると、「2・3連合」を組む場合には、3位の勢力は全て2位を支援しなければいけません。3位につけた長妻氏の勢力が全て岡田氏支援に回れば、決選投票はもっと大差がついたでしょう。しかし、今回の代表選では、股裂き状態になりました。この股裂き状態がどうして起きたのかが疑問です。

 

 今回の代表選の大きな争点の一つは、野党再編になると私は思っていました。しかし、岡田氏が公開討論の場で、細野氏が昨年の総選挙での維新の党との連携の話を持ってきたことを暴露しました。野党再編に消極的な岡田氏は禁じ手を使ってまで自民党に対抗できる野党の結集を「邪魔」した格好になります。また、野党再編に消極的な、現状維持、「野党第一党でありさえすればよい」とする勢力が結集して岡田氏を代表に据えた訳ですが、この人たちの民主党に参加する前の所属政党が、奇しくも自民党、社会党(サンクチュアリ)、新党さきがけ(野田佳彦グループ:花斉会;前原誠司グループ:凌雲会;玄葉光一郎グループ:日本のグランド・デザイン」研究会)となりました。今回の代表選で勝利したのは、「現状維持を志向する、“民主党内55年体制”維持を目論む“自社さ政権”」的な勢力です。

 

 そして、この「城内平和」志向の勢力は結局、現在の巨大与党である自民党と公明党に対して、脅威を与えることはありません。そうなることで、かえって自公を利することになります。政治史的に言えば、55年体制下で、自民党と裏取引をして野党第一党の座を守っていた、社会党のようになってしまうでしょう。自公から社会保障などで多少の妥協を引き出して大喜びしてそれを喧伝するアホ野党に堕することになるでしょう。

 

 日本の不幸はまだしばらく続くことになりそうです。しかし、それでも私たちは、「よりましな」選択をしながら、粘り強く生き抜いていかねばなりません。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「<民主代表選>新代表に岡田氏選出 決選投票で細野氏制す」

 

毎日新聞 2015年1月18日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150118-00000030-mai-pol

 

 海江田万里代表の後任を選ぶ民主党代表選は18日、東京都内のホテルで開かれた臨時党大会で投開票され、岡田克也代表代行(61)が細野豪志元幹事長(43)と長妻昭元厚生労働相(54)を破って新代表に選出された。

 

 事前に行われた党員・サポーターと地方議員の投票結果は細野氏202ポイント、岡田氏199ポイント、長妻氏94ポイント。党所属の衆参両院議員と次期参院選の公認内定者の投票結果は細野氏96ポイント、岡田氏95ポイント、長妻氏74ポイント。合計で298ポイントを獲得した細野氏が1位、294ポイントの岡田氏が2位、168ポイントの長妻氏が3位となり、過半数を獲得した候補者がいなかったため、上位2氏が決選投票に進んだ。

 

 決選投票は国会議員と公認内定者によって行われ、岡田氏が133ポイントを獲得し、細野氏の120ポイントを上回った。

 

 

●「民主代表選 赤松氏らのグループは決選投票で岡田氏」

 

産経新聞 2015年1月18日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150118-00000551-san-pol

 

 民主党の赤松広隆前衆院副議長は18日、党代表選の決選投票で赤松氏らの旧社会党系グループは岡田克也氏に入れたことを明らかにした。赤松氏らのグループは長妻昭・元厚生労働相を支援していた。

 

 赤松氏は臨時党大会が開かれた都内のホテルで記者団に対し、集団的自衛権や原発再稼働という政策面や党運営のあり方で岡田氏に決めたとした。

 

 また、岡田氏の陣営とは事前に、決選投票となった場合には互いが連携することを決めていたとも明らかにした。その上で、長妻氏を支援していた国会議員のうち決選投票で岡田氏に投じたのは「最低でも25人」と語った。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2015年1月18日に民主党代表選が行われます。今回の代表選には、細野豪志元民主党幹事長、岡田克也元民主党代表、長妻昭元厚生労働大臣が立候補しています。現在、3名で舌戦を展開していますが、岡田氏が勇み足をしてしまったことはこのブログの記事でもご紹介しました。

dpjpresidentialelection002
 

 

 代表選挙が近づき、新聞などでは情勢分析、それぞれの陣営の分析が行われています。下の記事を読む限りでは、細野氏は自分が長を務める「自誓会」、長島昭久代議士が率いる「国軸の会」、前原誠司元民主党代表が率いる「凌雲会」の一部から支援を受けているようです。岡田氏は自分でグループを持っている訳ではありませんが、野田佳彦元首相が率いる「花斉会」と玄葉光一郎元外務大臣が率いる「日本のグランド・デザイン研究会」、民社党系の議員で構成している「民社協会」が応援しています。長妻氏には赤松広隆前衆議院副議長を長とする旧社会党系議員たちの「サンクチュアリ」と大畠章宏前民主党幹事長率いる「素交会」がついています。素交会は鹿野道彦氏を中心とする農業に強い議員たちの集まりでしたが、鹿野氏が落選している状況で大畠氏が代表になっています。

 

 立候補者3名のそれぞれの応援団にはマイナス要素が存在します。

 

 細野氏陣営で一番足を引っ張っているのは、長島昭久氏です。長島氏が応援すればするほど、細野氏にはマイナスになってしまいます(慶應義塾大学応援指導部出身の長島氏には大変申し訳ない言い方になってしまいますが)。長島氏は簡単に言うと、第二自民党志向であり、昔の民社党的な(自民党よりも右寄りで核武装論すら唱えたし、またアメリカからCIAを通じて資金提供を受けていた)ものを目指している人です。

 

長島氏は安倍晋三首相の民主党内の応援団であり、はっきり言って、自民党にいた方が自然な人です。長島氏と国軸という言葉については、アルルの男・ヒロシこと中田安彦氏のブログ記事を参考にしてください。一言で言って、こんなネトウヨ御用達のような神社に嬉々として参拝しているようでは、安倍政権との対決などと言うことは望むべくもありません。アドレスは以下の通りです。彼が応援すればするほど、「細野氏は安倍氏との違いはなく、結局アメリカの手先でしかないのではないか」と思われてしまい、リベラルを軸にすることで自民党、安倍政権との相違点を鮮明にしなければならない時に、このような印象を持たれてしまうのはマイナスです。

※(「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報 」→

http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/archives/40249915.html
 

中田氏の最新刊も是非どうぞ
 

 岡田氏の場合は、民主党政権時代に大失敗をしてしまった野田氏と玄葉氏の松下政経塾先輩後輩コンビが応援していることが大きなマイナスです。両氏ともに松下政経塾時代には創設者の松下幸之助氏の「無税国家論」の薫陶を受けたはずなのに(玄葉氏は松下氏に触発された論文を書いているほどです)、財務省にコロッと騙されてしまって、現在の悲惨な政治状況を生み出してしまいました。彼らが出てくると、いやぁな感じを受けてしまいます。

 

 長妻氏はリベラルの姿勢を鮮明にしています。この点で、安倍自民党との違いを鮮明にできる人です。しかし、問題は、素交会です。素交会がリベラルだとは私も不勉強で知りませんでしたが(皮肉ですよ)、彼らのハイライトは野田佳彦氏を代表に選ぶ時に、ポストをちらつかされて間違った選択をしてしまい、結果として民主党の退廃と現在のひっ迫した政治状況を生み出しました。彼らにはポストを巡る取引しか頭にないのでしょう。現在の状況では長妻氏は3位となる公算が高く、そうなると細野、岡田両氏の決選投票ということになるでしょうが、素交会は既にポストを巡る裏取引をしているのではないだろうかと私は疑っています。彼らがまた目先のポストのために日本の政治にマイナスな行動を取ることがないように祈るばかりです。

 

 今回の民主党代表選挙は、「よりましな」候補者を選ぶ選挙ということになると思います。その時に判断材料になるとすれば、それは民主党を、そして現在の状況をこれほど酷いことにしてしまった人たちが応援している人たちには投票しない、そして自民党との違いを鮮明にできる人に投票すべきだということになると思います。そして、私は更に「民主党を分裂させ、小沢一郎氏とその支持者たちを切り捨てることにどれほど“貢献”したのか」ということも材料になると思います。そうしたことを加味すると、私には投票権がありませんが、①長妻昭氏、②細野豪志氏、③岡田克也氏となります。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「民主代表選、国会議員票は3氏に分散…読売調査」

 

読売新聞 111()151分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150111-00050062-yom-pol

 

 読売新聞社が民主党代表選(18日投開票)に向けて実施した党所属国会議員132人の動向調査で、細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行、長妻昭元厚生労働相の3氏とも過半数に届いておらず、支持が分散傾向にあることが明らかになった。

 

 各陣営は、1回目の投票で過半数に届く候補がいない場合の上位2人による決選投票も想定し、終盤戦の戦略を練る構えだ。

 

■細野陣営

 

 動向調査では、細野氏は自らのグループ(14人)のほか、長島昭久元防衛副大臣グループ(7人)の支持を固め、前原誠司元代表グループ(約20人)の一部からも支援を受ける。松本剛明元外相や羽田雄一郎参院幹事長らも支持している。

 

 最も若い候補である細野氏は世代交代による党の刷新を訴える。10日に大阪市内で党が主催した候補者集会では「過去と明確に決別し、新しい出発を切らない限り、民主党の考え方は実現できない」と強調した。衆院当選2~6回の中堅・若手議員らの多くは細野氏に流れた。

 

■岡田陣営

 

 岡田氏は、民主党政権時代に中枢を担った「6人衆」の野田佳彦前首相、玄葉光一郎前外相、安住淳元財務相、枝野幸男幹事長の支持を得た。野田、玄葉両グループ(いずれも約10人)の大半をまとめたほか、前原グループや旧民社党系グループ(約15人)からも半数近い支持を得ている。

 

 3候補の中で唯一、代表経験のある岡田氏は、政権時代に外相や副総理を務めた実績をアピールする。岡田氏は10日の候補者集会では「野党第1党のリーダーは国会で堂々と渡り合わなければいけない。私は自信がある」と述べた。

 

■長妻陣営

 

 長妻氏は、赤松広隆前衆院副議長ら旧社会党系グループ(約15人)、大畠章宏前幹事長グループ(約15人)を中心に支持を集めた。参院議員からの支持が多く、日教組や自治労など官公労系の議員も目立つ。

 

 長妻氏は、集団的自衛権行使に反対を表明するなど、リベラル色を強調し、保守的な岡田、細野両氏との違いを打ち出している。10日には「自民党に歯止めをかけられる大きな野党が渇望されている」と安倍内閣への対決姿勢を強調した。

 

 細野、岡田両氏による決選投票になった場合、党員・サポーターらは投票できないため、1回目の投票で長妻氏を支持した議員が、どちらに投票するかが勝敗を左右しそうだ。

 

 岡田氏よりも保守色が強い細野氏と、リベラルを掲げる長妻氏とでは政策面で距離があり、支持議員の考え方も大きく異なる。さらに、細野氏が野党再編を巡り維新の党側から分党の申し出があったと発言し、その後、撤回したことが、国会議員票に影響を与えかねないと懸念する向きもある。

 

 細野陣営関係者は「決選投票は不利だろう。1回目の投票で過半数を得られるよう、党員・サポーター票の上積みを目指す」と語る。

 

 一方、岡田陣営は今後、決選投票になることを見越し、長妻氏に接近することを検討している。陣営からは「候補者集会の討論などで、長妻氏と政策面で同調できる部分を強調していくべきだ」との声も出ている。

 

 

●「岡田氏と細野氏、支持ほぼ並ぶ…民主代表選」

 

読売新聞 112()929分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150111-00050117-yom-pol

 

 読売新聞社の全国世論調査で、民主党代表選(18日投開票)について聞いたところ、次の代表にふさわしい人は、岡田克也代表代行が32%、細野豪志元幹事長が30%となり、両氏がほぼ並んだ。

 

 長妻昭元厚生労働相は16%だった。

 

 ただ、民主支持層に限ると、岡田氏が45%で、細野氏の31%、長妻氏の19%をリードしている。

 

 自民党に対抗するため、多くの野党が一つの政党に「まとまった方がよい」と思う人は52%で、前回調査(昨年12月24~25日)から4ポイント低下。「そうは思わない」は40%で4ポイント上昇した。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)







メルトダウン 金融溶解
トーマス・ウッズ
成甲書房
2009-07-31
 






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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2015年1月18日に民主党代表選が行われます。岡田克也元代表、細野豪志元幹事長、長妻昭元厚生労働相の3氏が立候補しています。岡田氏と細野氏が激しく競り合い、長妻氏が追いかける展開となっています。全員が民主党の再建を掲げていますが、岡田氏は野党再編には消極的、細野氏は逆に積極的(維新の党の江田憲司代表と松野頼久幹事長と連携)とされ、長妻氏はリベラル派の結集と立憲主義を訴えています。

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 私は長妻昭氏が自民党との相違を最も明らかにできる候補者であると考えていますが、あの党内のお荷物である鹿野グループ(素交会)の支援を受けているという点でマイナスです。彼らが今頃になって「リベラルでござい」などという顔をして表舞台に出てくるのは滑稽で憐れですらあります。財務省に騙された野田佳彦氏に騙された二重のアホたちが選挙で大量落選したのに今回の選挙でまた復活してきているのを見ると虫唾が走ります。しかし、選挙は数であり、勢力ですから長妻氏を立てて、2位・3位連合を狙うか、勝ち馬に乗るかして復権を狙うというのは合理的な判断だと思います。

 

 現実的には岡田氏と細野氏の一騎打ちで、事前の調査では岡田氏がやや優勢ではないかという結果も出ているようですが、それも一部であって、激しく競い合っているようです。そのせいなのでしょうか、岡田氏は大きな利敵行為を働いてしまいました。3氏が集まっての公開討論会の席上、細野氏が今回の総選挙に関して失敗であったと述べたところ、総選挙時、国政選挙担当の代表代行であった岡田氏は、細野氏との会話の内容を明らかにして、維新の党との連携話があったことを暴露してしまったのです。

 

 代表選挙はたしかに選挙であって、勝ち負けがあることですから様々なやり方で相手をやっつけることは必要です。しかし、同じ党内でのことであり、選挙後も仲間としてやっていく訳ですから、そこまでのことはしないのが暗黙のルールであり、常識です。そんなことは政治家ではなくても分かることです。暴露合戦、批判合戦になってしまえば、党内、党外に「内輪もめをしている」という印象を与え、マイナスになってしまいます。政策論争で丁々発止ならまだしも、今回の岡田氏の発言はいただけません。世代交代(下からの突き上げ)に相当焦りがあったのだろうとは推察しますが、このセンスのなさと余裕のなさはそれだけでリーダー失格です。

 

 岡田氏は優秀であり、人格も立派で、1990年に初当選した自民党に残っていたら、今頃は総理総裁候補であったかもしれない人物です。民主党代表や外務大臣も歴任した政治家です。しかし、どうもセンスと余裕、人間味を感じさせないところがリーダーに不適格な感じがします。あまり欲をかかずに淡々としていればチャンスは巡ってくると思いますが、下からの突き上げにもう党内最古参となってしまっていて焦っているのでしょう。

 

 これは私の推測ですが、細野氏と維新の党の江田代表の連携も気に入らないのではないかと思います。岡田氏と江田氏は東京大学法学部と通産省の先輩後輩にあたりますし、ハーヴァード大学派遣も経験しているところまで一緒です。下に二人の経歴をまとめてみましたが、よく似ています。

 

岡田克也氏は1953年生まれ。1976年に東京大学法学部を卒業し、通商産業省(現経済産業省)に入省しました。1985年から1986年にかけてハーヴァード大学国際問題研究所研究員を務めました。ハーヴァード大学時代には『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者エズラ・F・ヴォーゲル教授の薫陶を受けたそうです。1990年から衆議院9期連続当選をしています。

 

江田憲司氏は1956年生まれ。1979年に東京大学法学部を卒業し、通商産業省(現経済産業省)に入省しました。1987年から1988年にかけてハーヴァード大学国際問題研究所研究員を務めました。ルームメイトがオバマ政権野マイケル・フロマン米国通商代表部代表です。フロマンはロースクールの学生で、ロースクールの雑誌編集でバラク・オバマ大統領と知り合いました。2000年に衆院選に出馬し落選してしまいました。2001年に初当選したが、2003年に再び落選してしまいました。2005年から連続当選で衆議院通算5期当選しています。

 

 岡田氏は江田氏が自分ではなく、細野氏と連携を構築しているのが気に入らないのではないかと思われます。これは私の勝手な推測ですが、岡田氏が政治家のセンスとは全く真逆の党内をぎくしゃくさせるような暴露を公の場でしてしまったのは、焦りと個人的な怒りがあり、判断を狂わせてしまったのではないかと私は推察しています。

 

 新代表を迎え撃つ自民党の幹部たちは「岡田氏の方がやりやすい」と話していると複数の関係者の方々から聞きました。岡田氏は想定外の手法を取ることはないので、行動を予想しやすく、対処しやすいと考えているのだということでした。その点で岡田氏は骨の髄まで官僚的な人なのだろうと思います。そして、彼が暴露合戦を行うことで、民主党のイメージが更に悪くなってしまいます。岡田氏が代表になろうとして禁じ手を行うことで、自民党を利することになるのです。

 

 そのようなことも気付けないような人が、自分の小さな利益実現のために大きな利敵行為をしてしまう人がリーダーになるようでは、日本の政界はまだまだ一強多弱時代が続いていくことになるでしょう。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「岡田氏また細野氏批判…代表選、泥仕合の様相」

 

読売新聞 20150110 1011

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150110-OYT1T50021.html

 

 民主党代表選(18日投開票)に立候補している岡田克也代表代行、細野豪志元幹事長、長妻昭元厚生労働相の3氏は9日、BSフジの番組に出演した。

 

 岡田氏が8日に続き、細野氏の言動を批判するなど、泥仕合の様相も呈してきた。

 

 岡田氏はこの中で、細野氏のグループ結成について、「自民党の派閥政治のようにならないことを祈りたい。私が代表になれば、どういう形で(グループ活動を)やるべきか、党の中の機関で議論していただきたい」と述べた。細野氏がグループのメンバーに対して財政的な支援を施す一方、他グループとの掛け持ちを認めないなど、自民党の派閥に倣った運営を行っていることを批判したものだ。

 

 岡田氏は8日の公開討論会に続き、細野氏が衆院選前に維新の党との合併を提案したとし、「説明すべきだ」と追及もした。

 

 これに対し、細野氏は、「排他的なグループではない。(維新との合流は)少しでも仲間をたくさん通すためにいろんな方法があるのではないかと話した」などと反論した。

 

 長妻氏は「コメントしづらい」と述べるにとどめたが、陣営幹部は「内輪もめをしていたら民主党にとって命取りになる。融和の象徴という立場でやっていく」と語った。

 

 

●「「細野氏は維新との合併主張」 民主・岡田氏が会話暴露」


朝日新聞デジタル
18()2328分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150108-00000049-asahi-pol

 

 8日にあった民主党代表選の討論会で、岡田克也代表代行が、衆院解散直前の昨年11月、細野豪志元幹事長が「衆院だけでも、みんなの党や維新の党と合併するべきだ」と主張していたと明かした。細野氏が代表選で、維新との合流に否定的な立場をとることの矛盾点を突くために、やりとりを暴露した。

 

 岡田氏は「あの話はいったい何だったのか。政治家は自分の言葉に責任を持つべきだ」と追及。これに対し、細野氏は「残念だ。政治家同士のクローズの話だ」と語り、岡田氏の姿勢を批判した。

 

 さらに細野氏は「維新側から、関西(の候補者)を切り離すというサインがきていた」と述べ、維新との交渉まで踏み込んで打ち明けてしまった。結局、細野氏は同日夜、岐阜市内で「訂正したい。維新側から提案があったのではない。様々なやりとりの中でアイデアとして浮かんできた」と軌道修正した。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2014年12月14日の総選挙の結果、民主党は公示前の62議席から73議席へと議席を増加させました。しかし、代表の海江田万里氏が小選挙区で落選し、比例復活もできなかったために、党代表を辞任すると発表したことを受け、2015年1月18日に代表選挙を行うと発表されました。海江田氏が落選していなかったらどうだったか分かりませんが、勝敗ラインを100議席としていましたので、それに届かなかった場合には責任論が出て、民主党の伝統芸能であるお家騒動が起きたことでしょう。

 

 下に貼り付けた新聞記事によると、細野豪志元幹事長が代表選挙への立候補を正式に表明し、岡田克也元代表を推す声も多いということです。前原誠司元代表も出馬に意欲を持っているという報道もあります。岡田氏と前原氏、共に代表を経験しており、政権を担った時に共に外相を務めましたが、やや賞味期限切れという印象が残ります。

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細野豪志 

 

 今回の党代表選挙では、民主党の再建が先だとする「再建」と野党再編に向けて動いていくべきだとする「再編」の2つの考えがあるということです。岡田氏は「再建」派からの支持が多く、細野氏は「再編」派だと言われています。そして、前原氏も「再編」派なのですが、前原氏は維新の党の橋下徹共同代表(現・大阪市長)と親しく、連携を模索しているという報道がなされています。まとめるとこういうことになります。

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岡田氏(左)と前原氏(真ん中)

・細野豪志(元幹事長):維新との連携・合併まで視野に入れた野党再編派

・前原誠司(元代表):維新(橋下徹氏)との連携を深める野党再編派

・岡田克也(元代表):民主党の勢力回復を優先する民主党再建派(海江田執行部副代表で、国政選挙を担当し、野党共闘を行った)

 

 私は、重要になるのは、①民主党内でもう一度政権を担う気概が出てくるのか、②医師の党がどうなるのかということがポイントになると思います。

 

 民主党は今回の総選挙で議席を増やしましたが、二桁台に留まりました。これは2009年からの2012年まで与党であった時に、菅直人、野田佳彦両氏を総理大臣にして、結局財務省にだまされて消費税増税を行い、「国民の生活が第一」というスローガンをこそこそと隠してしまったことに対する怒りと失望がまだ国民の側にあり、「とてもじゃないが民主党には入れられない」「自民党が巨大与党であり続けるのはまずいから、仕方なく、涙を呑んで、鼻をつまんで、煮え湯を飲む思いで、嫌々民主党に投票する」という人たちが多く、民主党への積極的な支持は戻っていません。

 

 そうした中で、現状をどう考えるかですが、「とりあえず党勢は少し回復したし、野党第一党であることには変わりない。来年の地方選挙で頑張れば、2016年の参議院選挙でそこまで負けないだろう」という弛緩した雰囲気が民主党を覆っているのではないかと思います。「党勢は少し回復したとは言え、このままでは政権を担うところまではとても届かない」という危機感がそこまでないように見えます。しかし、これは大変危険な兆候です。

 

 1955年からの55年体制下、日本社会党がまさにそうでした。「昔はうちも与党になって総理大臣も出たんだよ」「野党第一党として自民党に対峙している」「改憲を阻止できるだけの議席は確保している」ということを正当化の道具にして、怠惰と安寧に阿り、結果は党を滅ぼすことになりました。もちろん、民主党に日本社会党出身の議員たちが多く参加したのは、こうしたぬるま湯ではいけないということで参加したと思いますが、人間は悲しいもので、やすきにつく、怠惰になるという歴史は繰り返されるようです。

 

 菅直人氏に功績があるとすれば、2003年に代表であった時に小沢一郎氏が率いる自由党と合併をする決断をしたことです(その裏には鳩山由紀夫氏の動きがありました)。これによって、異分子を入れることで、化学反応が起きて、民主党の体質は強化されました。それを面白く思わない人間たちが最終的には民主党を駄目にしてしまったのですが、民主党はこの時のような決断をして、党を再び活性化させるべきです。

 

 具体的には、細野氏を代表に据えて、維新の党の江田憲司、松野頼久両氏との交渉を始め、何からの形で融合を図るべきです。細野氏、江田氏、松野氏は政界再編を目指して、2013年に「既得権益を打破する会」を設立しています。ここでその人脈を活かすべきです。

 

 維新の党は、私の考えでは、「大阪ウィング」(橋下徹)、「日本維新の会国会議員団」(松野頼久)、「結いの党」(江田憲司)の3つのグループの寄り合い所帯です。この3つのグループのうち、松野氏と江田氏が率いるグループは国会議員たちばかりです。そうなると、選挙となれば、橋下氏個人の風頼み、しかも関西限定となると、やはり民主党の組織に頼る方が良いと考えるでしょう。結局、橋下氏対松野・江田氏ということになり、解党ということになるでしょう。橋下氏は安倍晋三氏を応援する「ゆ」党(野党でも与党でもない)ですから、自民党に対抗するための軸にはなりませんし、そのための新勢力に入るべきでもありません。大阪維新の会に戻ればよいのだろうと思います。そして、野党結集軸には「立憲主義」を守ることを掲げて戦いを挑むべきだと思います。

 

 私の同僚、中田安彦氏が書いていたことですが、細野氏は人脈が広く、自民党の二階俊博氏や野中広務氏の系列ともつながりが深いのだそうです。こうした人々を通じて、中国の最高指導者層とも関係を保っているということです。

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野中氏(真ん中)と細野氏

 また、細野氏自身はアメリカ留学などの経験はないですが、江田憲司氏は、ハーヴァード大学留学を経験し、留学時の寮のルームメイトはマイケル・フロマン米国通商代表であり、フロマンはオバマ大統領とハーヴァード大学のロースクールで一緒に法学雑誌の編集をしていた友人です。松野氏は、震災後に立ち上げられた、「国難対処のために行動する『民主・自民』中堅若手議員連合」(民自連)に参加し、マイケル・グリーンやリチャード・アーミテージとも会談を持っています。この民自連には、自民党からは菅義偉、河野太郎、岩屋毅、梶山弘志、平将明、民主党からは、樽床伸二(落選中)、松野頼久(維新の党)、長島昭久、笠浩史が参加していました。こうした人脈に関することは、拙著『アメリカ政治の秘密』『ハーヴァード大学の秘密』、そしてこのブログでも繰り返し書いてきました。是非お読みください。

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民事連の会合の様子

細野氏は、アメリカにとっても中国にとっても納得できる存在であると思いますし、ポスト安倍氏という点でも、有力候補になると思います。

 この文章は本日(2014年12月19日)の午後に書いていたのですが、細野氏が正式に党首選への立候補を表明したというニュースが入ってきました。新聞記事によると、細野氏は民主党の政権与党時代を「失敗」と断じ、先日の総選挙の結果も「完全なる敗北」であったと発言したそうです。また、「民主党の自主再建を実現する」と述べて、維新の党の江田氏からの新党設立への呼びかけに応じない考えを示したとのことです。
 
 この新聞記事は自民党の機関紙に等しい産経新聞(総選挙の結果予想を自民党単独で3分の2だと嬉々として報道した「をめでたき」自称・全国紙)の記事ですから、読者による読み解きが必要となります。民主党は今の状況では野党再編の軸にはなれません。議席数が多いだけのことです。ここで重要なのは、細野氏が現在の幹部たちに喧嘩を売りつつ、議員と党員の支持を幅広く集めようとしているところです。岡田氏。前原氏といった最高幹部連中に「あんたらの出る幕じゃない」と切り捨て、比例復活組の某N島議員のように、負け惜しみと強弁を繰り返す人に「俺たちは負けたんだ、お前は選挙に強いはずだったのにな。だからしばらく黙っとけよ」と切り付け、それでも、「民主党を再建します」と発言して、議員と党員たちの支持を得ようとしているのだと思います。

 
 維新の党は41議席を獲得しました。何の組織もなくて、橋下代表の人気や個々の努力で維新は現有議席をほぼ守りました。民主党は一部で安倍政権に対する批判票の受け皿にはなりましたが、その役割を共産党に奪われ、あれだけの組織がありながら勝ち切れませんでした。このような脆弱な野党第一党では、野党再編の軸にすらなれないというのが細野氏と周辺の考えなのでしょう。私は、いずれ野党再編はあると思いますが、それは2016年の参議院議員選挙のあたりではないかと思います。

 私の考えでは、民主党を残すが、55年体制時の社会党のようになって、自民党の一人勝ち、万年与党化を許すか、野党再編から野党再建に向けて動くか、今が重要なターニングポイントです。ここで、安倍自民党と「立憲主義」で対抗すべきだと思います。歴史を振り返ってみれば、大正時代に、「藩閥打破、憲政擁護」を掲げての大正デモクラシーがありました。立憲政友会(尾崎行雄)と立憲国民党(犬養毅)が桂太郎(長州出身)を倒すことに成功しました。ここで、民主党を残すかどうか、ということよりも、民主党を利用して、立憲主義を守り、「平成の時代の大正デモクラシー」を起こすべきだと私は考えます。そのためには国会論戦と選挙を通じて、自民党と会え晋三首相を追い詰めるしかありません。

 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141219-00000583-san-pol

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「細野氏、出馬を正式表明 民主党政権は「失敗」、野党再編応じず」

 

産経新聞 1219()1936分配信

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141219-00000583-san-pol

 

 民主党の細野豪志元幹事長は19日、国会内で記者会見を開き、党代表選(来年1月18日投開票)への出馬を正式に表明した。「民主党としての旗を掲げ直し、新民主党を再生していきたい」と決意を述べた。

 

 細野氏は会見で、安倍晋三政権で「立憲主義が危機的な状況に立たされている」と批判。「国民が選択できる政権の枠組みが風前のともしびだ。民主党の再生なくして政権交代の枠組みはない」と述べ、政権交代可能な政党にするための出馬だと強調した。

 

 細野氏は民主党政権を「失敗」と断じた上で、「再起を期した今回の衆院選も完全なる敗北だった」と語り、党の抜本的な改革の必要性に言及。野党再編については「自主再建を実現していきたい」と訴え、野党再編による新党を目指す維新の党の江田憲司共同代表らの呼びかけには応じない考えを示した。


●「民主党:代表選 細野・岡田両氏を軸 維新との関係が焦点」

 

毎日新聞 20141217日 2125分(最終更新 1217日 2300分)

http://mainichi.jp/select/news/20141218k0000m010106000c.html

 

 民主党が来月18日の代表選実施を決めたことを受け、各グループが相次いで会合を開くなど代表選に向けた動きが本格化した。17日に出馬を表明した細野豪志元幹事長は知名度があり、発信力強化への期待が高い。代表経験者で政策にも強い岡田克也代表代行を推す声も強く、両氏を軸に党内の多数派工作が活発化しそうだ。

 

 代表選は、党立て直しに向け、維新の党との関係を中心に野党再編への対応が焦点となる。新代表の任期は2017年9月末までのため、来春の統一地方選だけでなく、16年参院選も含めた「党の顔」にふさわしいかもテーマだ。ベテランか中堅・若手かの世代問題も注目を集める。

 

 細野氏は17日、野党再編について「まず民主党の旗を鮮明にした上で、その旗の下で(同調する)野党のメンバーの結集を目指すべきだ」と述べ、野党再編に意欲を示した。海江田万里代表が野党再編に慎重姿勢を崩さなかったことに、党内の一部には根強い不満がある。細野氏は現執行部への批判票も狙う。

 

 一方、現執行部に属する岡田氏は17日、代表選に名前が挙がっていることについて「光栄なことだ」と記者団に述べるにとどめた。細野氏と比べ、野党再編に慎重とされる。連合出身議員が多く、維新との再編に警戒感を抱く参院側を中心に支持を集めるとみられる。ただ、岡田氏は衆院選では維新とも選挙区調整を積極的に進めた。細野氏との違いはそれほど大きくないという見方もある。

 

 前原誠司元代表のグループは17日、東京都内で会合を開き、対応を協議した。前原氏は会合後、「まったく白紙だ」と述べた。ただ、出馬を促す声が複数あったと紹介し「どうすれば党が再生できるか仲間と相談し決めたい」とも語った。その後、前原氏は細野氏や長島昭久元副防衛相、松本剛明元外相と会談した。

 

 若手に推す声がある玉木雄一郎政調副会長は国会内で当選3回以下の若手議員の会合に出席した。玉木氏は記者団に「若手も党再生に中核的な役割を果たさなければならない」と述べた。馬淵澄夫選対委員長は記者団に「準備と覚悟はできているが、現在は白紙だ」と語った。

 

 このほか、大畠章宏前幹事長のグループや旧社会党系議員らで作るグループも相次いで会合を開いた。【高橋恵子、村尾哲】

 

 

●「細野豪志氏、民主党代表選への立候補を表明 野党再編に言及」

 

朝日新聞デジタル              |  執筆者:       奈良部健、安倍龍太郎

投稿日: 20141218 0912 JST 更新: 20141218 0912 JST

http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/17/goshi-hosono-runs-for-dpj-leader_n_6344496.html

 

民主党は17日の両院議員総会で、代表選の日程を来年1月7日告示、18日投開票と決めた。代表選に向けた動きが本格化し、細野豪志元幹事長(43)が立候補を表明した。党内には岡田克也代表代行(61)を本命視する見方が強く、前原誠司元代表(52)も意欲を示す。党内の各グループは多数派工作に着手した。

 

細野氏は17日、記者団に「安倍政権に対抗しうる勢力がいまの国会にない。民主党の旗を鮮明にしたい」と立候補を表明した。19日に記者会見を開いて具体的な政策を表明する。それに先だって自らが率いる派閥「自誓会」の会合を国会内で開き、笠浩史元文部科学副大臣、階猛元総務政務官ら約10人が参加した。

 

今回の代表選は党再生を民主中心の「自主再建」で進めるのか、新党を含めた他の野党勢力との「再編」を目指すかが争点になる。再編派の細野氏は「結集できるメンバーが野党の中にいれば、結集を目指す」とも語った。

 

再編派からは、維新の党の橋下徹代表と近い前原氏もグループの所属議員約10人を集めた。夜には、自身に近い議員と協議。周辺は「前原氏は立候補の意思があるが、グループ内にも異論がある」と述べ、立候補できるかどうかは不透明だ。

 

一方、自主再建派の筆頭格と目される岡田氏はこの日、記者団から候補として名前があがっていることを問われ「光栄なことだ」と述べるにとどめた。重鎮議員は「自主再建派はみんな岡田氏だろう。数が多い」と語り、再建派の議員たちが推すとみている。

 

大畠章宏前幹事長のグループ9人は国会内で会合を開き、自主再建を目指す代表を推す考えで一致した。ただ、「(代表経験者ら)昔の顔ばかりではなく、いろんな人が出た方がいい」(篠原孝衆院議員)との意見も出た。岡田氏が衆院選で維新の党と候補者の一本化を進めたことから、閣僚経験者からは「失敗に終わり、その戦犯だ」との声もある。

 

一方、党中央代表選挙管理委員会は、代表選立候補には国会議員20人以上の推薦が必要だと決めた。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 来週、2014年9月16日に民主党の執行部の入れ替えが行われるようです。幹事長には枝野幸男氏、選対委員長には岡田克也氏がそれぞれ就任する予定だそうです。

 

 代表経験もあり、副総理、外相を務めた岡田氏が今さら選対委員長というのは不思議ですが、これはまだ野心があり、地方選挙での勝利を積み重ねて、ポスト海江田狙い、あわよくば総選挙で勝利しての総理就任を目指しているということでしょう。民主党内部では、若手、中堅がこの前の選挙で落選しているために、人材が払底していますが、ベテランがまだ現場に出るというのは、世代交代を阻止するための動きだと思われます。

 


 また、民主党執行部は野党再編の一環として、生活の党との連携を進めていますが、枝野氏や岡田氏が執行部入りすることで、この動きも鈍化すると思われます。

 

 海江田万里代表は挙党態勢を確立するために、海江田執行部に対して反対する動きをしていた人々を執行部に取り込んで、責任を共有させようとしているのだと思います。

 

 しかし、挙党態勢というのは代表の力が強い時には効力を発揮すると思いますが、逆に言うと、反乱分子を執行部に招き入れてしまうということになります。

 


 枝野氏や岡田氏にしてみれば、無役でただ執行部に文句を言っているだけでは、野党にいる以上、何の展望も開けません。ただ不平不満を述べているだけのことです。それなら、

執行部に入った方が良いということになります。

 

 そこで綱引きが起きる訳ですが、恐らく、海江田氏が思う通りにはならないでしょう。リベラルの旗で自民党との対立軸を明らかにするというところまではお互いに共通の利益になるから大丈夫でしょう。

 

 そして、自民党に対抗できるだけの状況になってきたら、執行部の中の反海江田の面々は、海江田降ろしを始めて、自分たちが実権を握り、あわよくば政権交代、自分たちが権力を握るということになるでしょう。

 

 海江田執行部に反対していた人々は、ずっと民主党で馬齢を重ねてきた無能な人々ですが、小沢一郎氏をうまく引き込んで、民主党を強化し、政権交代を実現し、自分たちは権力を握りました。他の人たちの力を利用して、棚から牡丹餅で生きてきた人たちです。

 

 今回も少し情勢が変わってきたということを敏感に感じ取り、執行部に入って、うまくいけば苦労せずに権力の座に戻れるかもしれないという計算が合ったことは明らかです。

 

 挙党態勢なんて響きはカッコいいですが、実態はそんなものではないかと思います。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

民主、挙党態勢アピール 幹事長に枝野氏 選対委員長は岡田氏で調整

 

MSN産経ニュース 2014年9月12日

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140912/stt14091221380016-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140912/stt14091221380016-n2.htm

 

 民主党の海江田万里代表が党役員人事で枝野幸男元官房長官を幹事長に充てることが12日、分かった。枝野氏が同日、海江田氏の要請を受諾した。松原仁国対委員長ら執行部の大半を入れ替え、選挙対策責任者には岡田克也前副総理で調整している。党勢の低迷が続く中、要職を歴任した実力者を幹部に据えることで挙党態勢をアピールする狙いがある。

 

 党の新人事案は、16日に盛岡市で行う常任幹事会で提示され、その後の両院議員総会で了承される見通しだ。

 

 枝野氏は12日夜、さいたま市での自身の会合で「民主党が立ち直るための役に立ちたい」と抱負を語った。枝野氏は民主党政権で中核を担った「6人衆」の一員。4年ぶり2回目の幹事長となる。

 

 代表経験者の岡田氏が選対責任者に就けば異例のことだが、来春の統一地方選で党勢を盛り返し、その後の国政選挙につなげるためには岡田氏が適任と判断したもようだ。このため、従来の「選対委員長」ではなく、権限を強化した「選対本部長」とする案も検討している。ただ、岡田氏については参院を中心に反発の声が上がっている。

 

 海江田氏は、大畠章宏幹事長の続投を検討したが、大畠氏が辞意をみせていたことから断念。その後、3日の自民党人事を見極めた上で民主党役員人事に着手する考えを示していた。自民党が前総裁で衆院当選11回の谷垣禎一幹事長、衆院当選10回の二階俊博総務会長という布陣になったことから、海江田氏も重厚な態勢で対抗することにした。

 

枝野氏は党憲法総合調査会会長として3月に集団的自衛権の行使容認に否定的な党見解をまとめた。海江田氏は集団的自衛権の行使容認に反対を打ち出しており、リベラル色が強まる可能性がある。

 

 一方、前原誠司前国家戦略担当相や細野豪志前幹事長ら党内の保守系議員は、集団的自衛権の行使容認を前提とした「安全保障基本法」の制定を求める動きを強めてきた。ただ、執行部の了承なしに法案を出すことはできないため、保守系からは「枝野氏の幹事長起用は障害になりかねない」との懸念があがっている。

 

 枝野氏は、衆院埼玉5区選出で当選7回。平成22年6月の菅直人政権発足に伴い党幹事長に就任したが、同年7月の参院選で民主党は敗北、枝野氏も同年9月に辞任した。その後、官房長官や経済産業相などを歴任した。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)








 

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