古村治彦です。
2023年12月27日に最新刊『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行しました。日本がアメリカの下請けで武器を製造するということは、私が本の中で予想していた通りの展開です。是非手に取ってお読みください。
岸田文雄と自民党をめぐっては、スキャンダルもあり、増税もあり、非常に厳しい状況になっている。それでも何とか予算を通すことができた。今年4月には、岸田首相は、国賓としてアメリカを訪問する。アメリカ連邦議会の上下両院合同会議で演説を行うことが決まっている。国賓待遇なので、ジョー・バイデン大統領主催の晩餐会や、岸田首相主催の答礼となる晩餐会もあるだろう。私の記憶では、連邦議事堂で演説を行った日本の首相は、故安倍晋三元首相以来だと思う。「属国」の首相に対して、これだけの「好待遇」をするということは、それ相応の「お土産」がいる。それが下記の記事にあるアメリカ向けの軍事装備部品の共同生産体制の強化、増産ということである。
ウクライナ戦争が開戦して2年以上経過し、状況はウクライナにとって不利になっている。アメリカをはじめとする西側諸国では、ウクライナに対する支援が厳しくなっている。最大の支援国であるアメリカでは、アメリカ連邦下院でウクライナ支援に反対する共和党強硬派がいる。大統領選挙の共和党候補者となること学実となっているドナルド・トランプも反対している。アメリカ国民の多くも「既に十分にしてやった」と考えている。これらのことは、『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』で詳しく書いている。
また、アメリカは工業生産力が落ちている中で、多くの武器をウクライナに送っているために、アメリカ軍の装備自体が足りなくなっているということは、2022年の段階で既に報じられている。工業生産力は中国、ドイツ、日本に劣っている。また、軍事用品は一般使用できないために、簡単に増産はできないし、雇用を増やすということもできない。そうした中で、アメリカとしては武器の生産に困っているという状況だ。そうした中で、便利使いされるのは日本だ。これらのことも私は『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』の中で予想していた。その通りになった。
アメリカで足りない武器を日本が代わりに作らせていただく、しかも日本のお金で、ということになる。これは「ウクライナ支援」という大義名分がつく。アメリカが武器とお金を渡してウクライナ人に戦わせるというのがウクライナ戦争の大きな構図であるが、ここに日本人がお金を出すということが加わる。
アメリカは「民主政治体制防衛のための武器庫(arsenal of democracy)」(フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領の言葉)という大義名分を守るために、属国・日本を使う。貧乏くじを引かされるのは日本ということはこれからもそうだったし、これからも続くだろう。
(貼り付けはじめ)
●「アメリカ向け装備部品増産へ、日米首脳会談で連携強化調整…日本がウクライナ支援を下支え」
2024/03/10 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240309-OYT1T50255/
日米両政府は4月に予定する首脳会談で、防衛装備品を巡る「共同生産体制の強化」について合意し、成果文書に明記する方向で調整に入った。ロシアによる侵略が続くウクライナ支援で米国の生産体制は
逼迫ひっぱく している。日本がウクライナ支援を下支えすることで日米同盟の結束を示し、抑止力維持にもつなげる狙いだ。
複数の日米両政府筋が明らかにした。米ワシントンで4月10日に行われる岸田首相とバイデン大統領との会談では、日米の防衛産業間の連携強化が主要なテーマとなる。米側には、ウクライナ支援の長期化などで砲弾やミサイルが在庫不足に陥りかねないとの危機感がある。
日本は昨年12月、防衛装備移転3原則と運用指針を改正した。これに合わせ、米国のミサイル不足を補うため、地対空誘導弾パトリオットミサイルの米国への輸出を決めた。
首脳会談では、こうした補完関係を加速させる方針を確認する見通しだ。覇権主義的な動きを強める中国もにらみ、装備品のサプライチェーン(供給網)を強化したいとの考えがある。
具体的には3原則と運用指針の改正で防衛装備品の部品輸出を幅広く認めたことを踏まえ、主に部品の生産拡大を想定しているとみられる。ウクライナで大量に消費されているりゅう弾砲の部品などが浮上しており、日米は今後、弾薬なども含めて対象とする装備品の特定を急ぐ。
日米両政府は日本企業が米軍装備品の整備や修理を定期的に行う事業の本格化も検討しており、首脳会談でも議題とする方向だ。
米海軍第7艦隊を中心に日本に前方配備された艦艇が対象候補に挙がっている。現在、大規模な整備は米本土で行われているが、日本で実施できれば、整備の際の運用休止期間の短縮や費用の抑制につながる。日本にとっては防衛生産・技術基盤の強化も期待できる。
艦艇に加え、最新鋭ステルス戦闘機「F35A」なども候補として浮上している。
ただ、日本政府内では、日本の艦艇整備拠点の受け入れ余地が少ないとの指摘もある。米議会では一連の事業を日本が行うことになれば米国の雇用に影響しかねないとの警戒感もあるとされ、慎重に詰める方針だ。
今回の首脳会談は国賓待遇で招かれて行うもので、首相は米議会の上下両院合同会議で演説する。
(貼り付け終わり)
(終わり)
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