古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:弾劾

 古村治彦です。

 2020年2月4日のアメリカ連邦議会議場での一般教書演説ではドナルド・トランプ大統領とナンシー・ペロシ連邦下院議長の場外戦が話題となっている。トランプ大統領がペロシ議長との握手を無視し、ペロシ議長は演説直後にトランプ大統領から渡された演説原稿を引き裂いた。
2020stateoftheunionaddressdonaldtrump

 一般教書演説の翌日、連邦上院でトランプ大統領について出されていた弾劾(impeachment)訴追について無罪評決が出された。公務員の弾劾について簡単に説明すると、連邦下院は検察官の役割を果たし、調査をした上で、弾劾訴追をするかどうかを評決で決める。過半数以上の評決となれば弾劾訴追となる。連邦上院は裁判官役となり、連邦上院議員に対して、下院側の代理人と訴追対象者の弁護人がそれぞれの正当性を主張する裁判が実施され、最終的に連邦上院議員の評決で結果が決まる。弾劾には3分の2以上の賛成投票が必要である。アメリカ連邦上院の定員は100名であり、3分の2以上、67票以上の賛成票が必要となる。

 今回のドナルド・トランプ大統領に対する弾劾訴追は大きく2つの訴追内容に分かれており、一つは「権力の濫用(abuse of power)」、もう一つは「議会の行動に対する妨害(obstruction of Congress)」だった。権力の濫用については以下のような内容であった。トランプ大統領が昨年、ウクライナ大統領に対して、ウクライナ国内におけるジョー・バイデン前副大統領と息子ハンター・バイデンの行動などに関して調査を行うように要求し、応じるように圧力をかけるためにアメリカ政府からウクライナ政府への支援を一時的に差し止めた、これは自身の大統領選挙再選を有利にするために政敵を追い落とすために権力を濫用した、というものだ。

 議会に対する妨害は、連邦下院が訴追について調査を行う際に、ホワイトハウスは連邦下院への書類提出を拒否し、またホワイトハウスに勤務している人物たちに対して議会からの召喚に応じないように求めた。これが連邦下院の調査を妨害しているということになり、訴追内容に加えられた。

 今回の連邦上院での評決は、党派の区別に沿ったものとなった。共和党側が53議席を持っており、民主党側は47議席を持っている。権力の濫用については有罪47票、無罪53票となり、無罪となった。議会への妨害は有罪48票、無罪52票となり、無罪となった。共和党のミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出)が権力の濫用については無罪、議会への妨害については有罪に投票したために、2つの訴追内容それぞれで評決数に違いが出た。ロムニー議員はトランプ大統領に批判的な議員であり、共和党内穏健派、「ロックフェラー・リパブリカン」の系譜に連なる人物だ。トランプ大統領が再選を果たし、二期目となったら、その4年間でどういう動きをするかは不確定だが、トランプ大統領の意向に反する行動を多くとることになるのではないかと思う。共和党内部にいる反トランプ派はいくつかのグループに分かれているが、それらを糾合して指導的な立場につくのではないかと私は予想している。
mittromney102

 トランプ大統領に対する弾劾訴追は無罪評決で終わることは容易に予想された。大統領選挙の年に現職の大統領を失職させることを共和党がする訳がないからだ。そして予想通りの結果となった。弾劾の訴追内容も無理筋ということもあった。

 アメリカでは共和党が優勢な州をレッド・ステイト、民主党が優勢な州をブルー・ステイトと呼ぶ。それぞれの色は両党のシンボルカラーから来ている。連邦上院は全米50州から2名ずつ出ている。人口、州の広さなどは関係ない。カリフォルニア州のような巨大な州も2名、ヴァーモント州のような小さな州でも2名である。一方、連邦下院議員の選挙区はだいたい同じ人口になるように区分けされる。カリフォルニア州は多くの連邦下院議員を出し、人口が少ない州は少なくなる。レッド・ステイトはアメリカ内陸部や南部、ブルー・ステイトは東西沿岸部に位置する。州の数では互角、ややレッド・ステイトが多い。そうなると、自然と連邦上院では共和党が優位ということになる。しかし、「人ではなく土地を代表する連邦上院」という伝統は崩れないだろう。

 前日の一般教書演説、そしてトランプ大統領弾劾訴追無罪評決によって、アメリカの党派対立は激しさを増していることは改めて印象付けられた。そして、そのまま選挙戦は激しいものとなっていくだろう。今年アメリカは政治のお祭りの年となる。

(貼り付けはじめ)

連邦上院は弾劾の条項についてトランプ大統領に無罪評決(Senate votes to acquit Trump on articles of impeachment

ジョーデイン・カーニー筆

2020年2月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/senate/481670-senate-votes-to-acquit-trump-on-articles-of-impeachment

水曜日、連邦上院は、権力の濫用(abuse of power)とウクライナとの取引について連邦議会の調査への妨害(obstruction of Congress)という容疑についてのドナルド・トランプ大統領に対する弾劾(impeachment)について、無罪評決を行った。これによってワシントンを数カ月支配した大きな物語は終焉を迎えた。

連邦上院の評決結果は、権力の濫用に関しては48対52、議会に対する妨害に関しては47対53となった。トランプ大統領に対して有罪評決し、失職させるには3分の2以上の賛成投票が必要であり、それには遠く及ばなかった。

しかし、トランプ大統領と連邦上院多数党(共和党)院内総務(Senate Majority)ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出)は共和党を団結させようと努力した。その努力に対して、一撃が加えられた。2012年の大統領選挙で共和党大統領選挙の候補だった共和党所属のミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出)は投票の2時間前に、権力濫用については有罪に投票し、議会に対する妨害については無罪に投票すると表明した。

ロムニーは連邦上院議場での演説の中で次のように述べた。「アメリカ合衆国憲法が連邦上院議員に課している、解答を要する重要な疑問は、トランプ大統領が極端に酷い行動をして、それが犯罪行為と不品行のレヴェルにまで達しているかどうか、というものです。そうです、大統領はそのような行動を取りました。大統領は人々の信頼を乱用し傷つけたたこと(訳者註:アレクサンダー・ハミルトンの言葉)に関しては有罪です」。

共和党側はここ数カ月民主党側から無罪に投票する議員が出ると予測していた。しかし、この予測は外れた。民主党所属の側からトランプ大統領に無罪投票をした議員は出なかった。ダグ・ジョーンズ連邦上院議員(アラバマ州選出、民主党)、ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)、クリステン・シネマ連邦上院議員(アリゾナ州選出、民主党)は無罪投票する可能性があると見られていたが、全員が水曜日午前に有罪に投票すると発表した。

トランプ大統領はアメリカ史上、3人目の弾劾にかけられた大統領となった。そして、弾劾の評決を受けた後に再選を目指す初めての大統領になった。連邦議会が上下両院それぞれ過半数を占めている政党が異なる中で弾劾の手続きが取られたのは史上初のことであった。また、3度の大統領弾劾の機会の中で、最も党派性の争いが強く、刺刺しい状況が作り出された。

容疑に関する条項が連邦下院で可決されたのは2019年12月だった。この際、2人の民主党所属の連邦下院議員、コリン・ピーターソン議員(ミネソタ州選出)とジェファーソン・ヴァン・ドリュー議員(ニュージャージー州選出)は否決に投票した。一方、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙に出馬しているトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出)は「出席しているが棄権(present)」と投票した。共和党所属の連邦下院議員でトランプ大統領への弾劾に投票する議員は出なかった。そして、ヴァン・ドリュー議員は共和党に所属すると発表した。

水曜日の連邦上院での投票は、トランプ大統領の弁護団と連邦下院の代理人たちがそれぞれの主張の正当性を連邦上院議員たちとアメリカ国民に向けて主張し続けた数週間に及ぶ弾劾裁判の終わりを意味した。

投票直前に議席などを整理すると、共和党側は過半数53議席を持ち、弾劾を目指す民主党側は67票の有罪投票が必要であった。これは少数の態度を決めていない民主・共和両党に属する上院議員たちが弾劾を決することになり、11月の選挙を前にして有権者の利益になることを示していた。

マコーネル上院議員は投票が終了した直後に勝利宣言を行った。そして、弾劾について民主党側が犯した「巨大な政治的な誤り」と評した。

記者会見の席上、マコーネル議員は記者団に対して次のように述べた。「現在、トランプ大統領は就任して以降、最高の支持率を記録しています。弾劾裁判が開始される前に比べて、共和党側の議員たちの選挙に向けた状況はより良くなっています」。

ロムニー議員の投票について質問され、多数党(共和党)連邦院内総務であるマコーネル議員は渋々とではあるが、「私は驚き失望しました」と発言した。しかし、ロムニー議員がほとんどの場合党の方針に従った投票を行っているとも述べた。

弾劾裁判はドラマなしでは終わらなかった。先週まで連邦議会では、証言者についての重要な投票をめぐり激しい怒りが渦巻くことになった。

共和党側は前任の国家安全保障問題担当大統領補佐官ジョン・ボルトンを証人として召喚するかについて集中的な審議に直面した。ボルトンが出版予定の回想録『それが起きた部屋』の中で、トランプ大統領がウクライナ向け支援を利用して、2020年米大統領選挙民主党予備選挙の候補者となっているジョン・ボルトン前副大統領と彼の息子ハンター・バイデンについての捜査を行うように圧力をかけたと主張している、と『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

ロムニー議員は投票の前にボルトンからの証言を聞きたいと考えていたと述べていた。その理由を「ボルトンが嫌疑の内容に新たなものを加えることができ、大統領の行為に関する合理的な疑いを提示でき、その結果として弾劾に賛成投票を行うという厳しい責務を私自身が果たさなくて済むと考えた」としていた。

激しいぶつかり合いの中で、トランプ大統領の弾劾訴追の基礎となった諸事実については真剣に争われることはなかった。トランプ大統領と大統領の周辺人物たちは、まずハンター・バイデンについて、そして2016年の米大統領選挙にロシア政府ではなく、ウクライナ政府が介入したという説を暴くことについて調査を開始するようにウクライナ政府に圧力をかけた。

同時に、トランプ政権は数百万ドル規模のウクライナへの支援を一時的に遅らせた。ウクライナは同国の東部に対するロシアによる侵略と戦っている。

しかし、トランプ大統領に対する早々の無罪評決は木曜日の夜には期待通りの場所に収まることになった。ラマー・アレクサンダー連邦上院議員(テネシー州選出、共和党)は新しい証言者からの聞き取りに対して賛成票を投じないと発言した。これは民主党側が続けていた新しい証言者に証言させるために4名の共和党所属の議員から賛成票を得ようとしていた努力に対する打撃となった。

アレクサンダー議員は、共和党側の主張とは矛盾していたが、トランプ大統領は「不適切な」行為に関わったが、弾劾されるべき行為ではなかったと発言した。リサ・マコウスキー連邦上院議員(アラスカ州選出、共和党)はトランプ大統領の行為を「恥ずべきもので間違ったもの」と述べた。スーザン・コリンズ連邦上院議員(メイン州選出、共和党)はトランプ大統領が「思慮が足りないままで判断」をしたと述べた。

マイク・ペンス副大統領は水曜日午前に放映されたフォックスニュースとのインタヴューの中で次のように述べた。「私たちはアメリカ合衆国連邦上院において党派性に影響されない投票がなされることを期待しています。連邦下院で党派性に影響されない唯一の投票は弾劾に反対するものであるはずでした。本日、連邦上院で党派性に影響されない投票がなされることを期待しています」。

トランプ大統領は水曜日の午後に連邦上院での投票結果について演説を行うと見られている。昨晩の連邦上下両院合同の議場で行った一般教書演説では弾劾について触れなかった。

弾劾訴追の第一条項では、トランプ大統領が「自身の職務の権力を行使」して「2020年の米大統領選挙への外国政府の介入を、相手方の利益を用いて誘導しようとした」と糾弾している。

この条項には次のように書かれていた。「彼(訳者註:トランプ大統領)は、ウクライナ政府に対して、自身の再選にとって利益となるであろうが政敵となる人物の選挙戦の行方にマイなしの影響を与えることになるであろう、捜査を行うと公式に発表するように、相手方の利益をちらつかせて迫った。そして大統領選挙に影響を与えた」。

ホワイトハウスの弁護団は裁判の間繰り返しトランプ大統領がウクライナに対する援助を遅らせたのは汚職に対する懸念があったこと、そして外国の負担分担への懸念があったことが理由だったと主張してきた。

トランプの弁護士ジェイ・セクロウは水曜の評決の直後に勝利宣言を行い、ロムニー上院議員に関しての質問を無視した。

セクロウは「私たちは結果について大変喜んでいます。私たちが勝利を得たことを喜んでいます。そして、アメリカが勝利を得たことを喜んでいます」と述べた。

ロムニー議員について質問されたが、セクロウは次のように語った。「大統領は全ての容疑に関して無罪となりました。私たちはその他のことについて何も懸念を持っていません。私はその質問について答えません。私の答えは、大統領は勝利した、それだけです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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 古村治彦です。

 

 このブログで何度もご紹介したトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は歯に衣着せぬ発言で、民主党主流派や指導部、左派からも批判されることがあります。今回は、「ドナルド・トランプ大統領弾劾はすべきではない、アメリカの分裂を深めてしまう」と発言したそうです。


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 現在、連邦下院民主党の議員たちがトランプ大統領弾劾手続きを取るように求めています。弾劾手続きは連邦下院の過半数の賛成で訴追が決定され、連邦上院が弾劾裁判所の役割を果たします。連邦最高裁判所長官が裁判長となり裁判が行われ、連邦上位の3分の2(67名)以上の賛成で弾劾が成立し、大統領は罷免となります。これまで弾劾裁判にかけられたのはアンドリュー・ジャクソン(第17代)とビル・クリントン(第42代)の2人ですが、どちらも罷免までには至りませんでした。

 

 トランプ大統領には大統領選挙当選のためにロシアの選挙介入を依頼したのではないかというロシア疑惑があり、ロバート・ムラー特別検察官の捜査でも灰色の結果であったために、トランプ大統領の弾劾論が今でも残っています。


donaldtrump108

 

 連邦下院は民主党が過半数を握っていますから、訴追の決定はできるでしょうが、連邦上院は共和党が過半数を握っていますし、3分の2の賛成というハードルは高いので、トランプ大統領の弾劾が現実的なものとはならないでしょう。また、連邦下院民主党指導部は弾劾に消極的であり、これが民主党内部の対立を招いています。連邦下院民主党指導部は大統領選挙まで弾劾に関する調査を引き延ばす考えのようです。

 

 トゥルシー・ギャバードは、弾劾はアメリカ国民の中にある分裂をさらに深めるとして、大統領選挙でトランプ大統領を落選させることが重要だと述べています。これまでも歴史を見ても、弾劾が成立することはかなり難しいと言えます。トランプ大統領が何か重大な犯罪をしていてそれが隠されていたのに大統領期間中に証拠付きで発覚するというくらいのことならば弾劾は成立するでしょうが、現実的ではありません。

 

 大統領選挙のサイクルが始まっていますから、こちらに注力して、トランプ大統領を選挙で落選させる、ということの方が現実的でかつ、国民にとって民主的な手続きで指導者を交代させたということが重要なのだと思います。弾劾手続きは憲法に規定があるのですからもちろん民主的ですが、今のところは現実的ではないとなると、大統領選挙こそが重要になってきます。

 

(貼り付けはじめ)

 

ギャバード:弾劾はアメリカを分裂させるだけだろう(Gabbard: Impeachment would only tear US apart

 

ジョン・バウデン筆

2019年9月7日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/460398-gabbard-impeachment-would-only-tear-us-apart

 

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は最新のインタヴューの中で、民主党所属の連邦下院議員たちが行っているドナルド・トランプ大統領弾劾のための調査について、「大統領の弾劾はアメリカを更に分裂させるだけだ」と反対した。

 

ギャバードは「フルコート・プレス・ウィズ・グレタ・ヴァン・サスターン」に出演し、弾劾に対して断固とした態度を取ることを表明した。ギャバードは、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)やエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)のような他の大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちとは弾劾について考えを異にしている。

 

ギャバードは次のように語った。「私は弾劾を支持しません。私たちにとって何が我が国とアメリカ国民の利益のために最善のものは何かを考えることが重要なのです。弾劾を求め続けることは、我が国を更に分裂させることになると私は考えます」。

 

ギャバードは更に次のように述べた。「隠し立てせずにはっきり言います。私たちはドナルド・トランプを倒さねばなりません。しかし、私たちの国と私たちの未来のためには、この国の有権者たちが選挙を通じてトランプ大統領を倒すことが重要であり、私たちは大統領を倒すことになるだろうと私は確信しています」。

 

民主党所属の連邦下院議員132名は弾劾手続きの開始を求めているが、民主党エスタブリッシュメントに属する指導者たちは手続きを支持していない。その代表はナンシー・ペロシ連邦下院議長であり、彼女は大統領に対する調査を継続することを求めている。

 

2019年8月のマンモス大学の世論調査では、57%のアメリカ人がトランプ大統領は別の大統領に交代して欲しいと答えた。しかし、同時に弾劾手続きの開始を支持するのは3分の1だった。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカで行われた最新の世論調査の結果、調査対象の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた、ということです。59%が弾劾手続き開始に反対、35%が弾劾手続き開始に賛成、6%が分からないと答えたとそうです。

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 民主党支持者の66%、共和党支持者の6%、無党派の30%が弾劾手続き開始に賛成ということです。共和党支持者の6%という数字は分かりますが、民主党支持者の66%という数字は意外に低いなという印象です。前回ご紹介した別の世論調査の結果では、民主党支持者のトランプ大統領への不支持率は8割を超えていました。大統領を弾劾するということはそれだけ重いことであり、軽々に行うべきではないとアメリカ国民の多くが考えているのでしょう。

 

 年齢別では若い年齢層の人々の方がトランプ大統領弾劾手続き開始に賛成しているということです。それでも18歳から34歳までの人たちで42%ですし、それより上は3割台、65歳以上の人々では29%ですから、やはり全体として大統領を弾劾すべきではない、ということだと思います。

 

 連邦議会でも民主党執行部は慎重な姿勢を取っているようです。弾劾手続きを始めて、連邦上院で否決となれば、民主党側にダメージがありますし、決定的な証拠がない以上、感情的に「トランプ大統領は不適格だ」ということだけでは進められないということになります。連邦下院でも訴追決議が出来るかどうか、その過程で民主党内が分裂するということも考えられますので、どうしても慎重にならざるを得ません。

 

 ロシア疑惑の根本は、当時のトランプ陣営はロシアによる大統領選挙への介入があることを知っていたのか、依頼したのかということであって、更に言えば共謀したのか、という疑惑です。ロシアからすれば、民主党の候補者だったヒラリー・クリントンが大統領になればロシアに対して厳しい態度で臨んでくることは明らかでしたし、それを防ぐために何とかしてヒラリーを落選させねばならない、ということになります。そして、実際にヒラリーは落選しました。

 

 アメリカの複数の情報機関がロシアによる選挙介入があったという報告を出しているのは良いのですが、それではトランプ大統領がロシアに選挙介入を依頼したかどうか、一緒になって妨害活動を行ったのかどうか、ということが焦点になります。トランプの選挙陣営の幹部たちでロシア大使やロシア人と接触したという人たちが出たり、別の罪で有罪になったりした人たちが出て、話を複雑にしていますが、トランプ大統領自身が関与した決定的な証拠、ぐうの音も出ない証拠が出てくれば別ですが、そうでなければ弾劾は難しいということになります。

 

 弾劾の手続きは連邦下院が過半数で認めた場合には、訴追決議が可決ということになり、連邦上院で裁判が行われ、有罪かどうか決められます。裁判では、連邦下院議員の代表が検事役を務め、連邦上院議員が陪審員となります。裁判官は連邦最高裁判事です。連邦上院議員の3分の2以上の賛成があって弾劾決議ということになります。こうして見ると、弾劾まで至るのは大変なことだということが分かります。

 

 ロシア疑惑を別の角度から見ると、世界のデモクラシーのチャンピオンであるアメリカの国民がロシアの選挙介入にころっと騙されて、ロシアの思い通りの選挙結果を出したということです。世界中にデモクラシーのすばらしさを説き、世界中の国々がデモクラシーになれば万事解決、平和な世界になる、そのためにアメリカは特別な使命を与えられたのだ、などと威張っているアメリカ人が現代のデモクラシーの欠点を曝け出し、それにまんまと引っかかったということは、厳しい言い方をすればお笑い草ということになります。

 

 トランプ大統領が明日にも失職するのではないか、と日本でも専門家たちが嬉しそうに語っていましたが、トランプ大統領が選挙介入に同意し、依頼している音声録音記録でも出ない限りは、弾劾で失職ということはなさそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:アメリカ国民の過半数がトランプ大統領は弾劾されるべきではないと答えた(Poll: Majority of Americans says Trump should not be impeached

 

マイケル・バーク筆

2019年3月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/432683-poll-majority-of-americans-dont-believe-trump-should-be-impeached

 

キュニピアック大学の全国世論調査の結果が火曜日に発表された。世論調査対象者の過半数は、トランプ大統領が弾劾されるべきではないと考えていると答えた、ということだ。

 

調査対象となった有権者の59%が連邦議会はトランプ大統領に対する弾劾手続きを開始すべきではないと答え、35%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。残りの6%がトランプ大統領は弾劾されるべきかどうか分からないと答えた。

 

世論調査の結果は、トランプ大統領が弾劾されるべきかどうかについて党派性に沿って分裂していることが明らかになった。民主党支持と答えた調査対象の有権者の3分の2は連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。共和党支持の6%、無党派の30%が大害手続き開始を支持した。

 

より年齢の若い有権者たちは、連邦議会が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。18歳から34歳の有権者の42%が弾劾手続き開始を支持した。

 

35歳から49歳までの人々の38%、50歳から64歳までの人々の36%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。65歳以上の人々の29%が弾劾手続きを開始すべきだと答えた。

 

ラシーダ・タリブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)とスティーヴ・コーエン(テネシー州選出、民主党)をはじめとする民主党所属の連邦議員たちはトランプ大統領の弾劾に賛成票を投じると表明している。大富豪の民主党の大口献金者トム・ステイヤーはトランプ大統領の弾劾を求めた。

 

しかし、連邦議会民主党執行部は弾劾に関する話を深刻化させないようにしている。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は先週、大統領の弾劾は「意見が分かれ、分裂を招く」問題だと発言した。

 

世論調査は2019年3月1日から4日にかけて、1120名の有権者へのインタヴューに実施された。誤差は3.4ポイントである。

 

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 古村治彦です。

 

 本ブログでも大統領選挙直前にご紹介した、「トランプ当選」を予測したアメリカン大学教授アラン・リクトマンの新たな発言をご紹介します。リクトマンは、今度は、トランプが弾劾を受けると述べました。

 

 弾劾(impeachment)とは、特別な身分を持つ公務員を他の統治機関などがその飛行などを理由にして審議し、罷免したり処罰したりすることです。弾劾は、日本では三権分立において、国会が裁判官を弾劾することができます。三権分立の制度で、チェック・アンド・バランスの一つの手法となっています。

 

 アメリカの場合は、大統領、副大統領を含むすべての文官公務員が反逆罪や収賄罪をはじめとする犯罪行為について弾劾の対象となります。連邦裁判官も含まれまる。裁判官が含まれるのは日本と一緒です。ここで述べられる弾劾は、連邦議会が大統領に行う弾劾です。大統領が犯罪行為を行った疑いがある場合、連邦下院で審議し、過半数の賛成で連邦上院への訴追が決定されます。そして、連邦上院で3分の2以上の賛成で弾劾が成立します。弾劾が成立すると、大統領職を罷免されます。これまで大統領で弾劾され、罷免された人はいません。

 

 アラン・リクトマンの記事では、トランプを弾劾するのは「彼ら」だと述べています。ここで言う「彼ら」とは、ワシントンのエスタブリッシュメントたちです。エスタブリッシュメントたちにしてみれば、今回、ホワイトハウス、連邦上院、連邦下院全てを共和党が制することが出来ました。そして、その勢いを与えてくれたドナルド・トランプを何とか引きずりおろしたいということを考えているのだと思います。マイク・ペンスは共和党政治家ですから、いざとなれば、ポスト・トランプとして動けるようにしていると思います。政権移行ティームはペンスがリードしているそうですから、人材も含めてペンスの意向が大きく影響するものと思います。

 

 トランプがワシントンに行けば、どれほどの邪魔や妨害を受けるか、ということは今から大変懸念されます。結局、ワシントンのエスタブリッシュメントにからめとられてしまうかどうか、レーガンのように結局ネオコン派の台頭を許し、彼らに牛耳られてしまうのかどうか、これから注目されるところです。

 

(貼りつけはじめ)

 

トランプ勝利を予測した歴史家がトランプは弾劾されると語る(Historian who predicted Trump's win says he'll be impeached

 

ブルック・シーペル筆

2016年11月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/305606-historian-who-predicted-trumps-win-says-hell-be-impeached

 

ドナルド・トランプの当選を予測した政治史学者でアメリカン大学名誉教授が新たな賭けを行った。今度のものは、「トランプは弾劾されるだろう」というものだ。

 

アラン・リクトマン教授は金曜日、『ワシントン・ポスト』紙に取材に対して次のように語った。「私は別の予測をしたいと思う。これはシステムを基礎にしたものではなく、私の直感だ。彼らは大統領としてのトランプを望んでいない、それは彼らがトランプをコントロールできないからだ。トランプは予測不可能だ。彼らはペンスを代わりにしたいと思っている。ペンスは道から外れない保守派で、コントロール可能な共和党政治家だ。私は、トランプが弾劾される材料を彼が与えることになると確信を持っている。国家安全保障を危険に晒した、もしくは私腹を肥やしたという理由で弾劾されると思う」。

 

リクトマンはトランプが弾劾されると最初に予測した人物ではない。ユタ大学法科大学院教授クリストファー・ルイス・ピーターソンは23ページの論稿を発表し、その中で、連邦議会がトランプを弾劾することについてその法的理由となる材料を説明している。金曜日、ドキュメンタリー映画監督マイケル・ムーアはMSNBCの記者たちに対して、トランプは弾劾されるか、任期終了前に辞任することになると予言している。

 

これまで、アメリカ大統領で弾劾を受け有罪宣告されて、罷免された大統領は存在しない。アンドリュー・ジョンソンとビル・クリントンは弾劾を受けたが、連邦上院で無罪判決を受けた。リチャード・ニクソンは弾劾を受ける前に辞任した。

 

(貼りつけ終わり)

 

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