古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:徳田毅




 古村治彦です。



 今日は、徳洲会事件の影響について考えたことを書きたいと思います。徳洲会事件は、現在、猪瀬直樹都知事の現金授受(貸し借りと知事側は主張)にスポットライトがあてられている状態です。しかし、鹿児島生まれの私としては、逮捕された徳洲会関係者が起訴され、裁判で有罪になった場合、連座制が適用されて、徳田毅代議士(鹿児島二区選出、自民党を離党)が失職する(辞職まではいかないのではと個人的には思います)ことにも関心があります。



 そのように思いながら、ネットで産経新聞の以下の記事を見つけました。大変長い記事ですが、状況が分かるので是非読んでいただきたいと思います。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「安倍政権を悩ます「徳洲会補選」 消費増税後初の国政選挙に?」



2013年11月24日 産経新聞

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1124/san_131124_3698317976.html

 

 医療法人「徳洲会」グループをめぐる公職選挙法違反事件が予想以上に安倍晋三政権に重くのしかかっている。渦中の徳田毅衆院議員(42)=自民党離党、鹿児島2区=が失職あるいは辞職し、補欠選挙が来年4月に行われることは不可避とみられるからだ。補選となれば消費税率の5%から8%への引き上げ後、初の国政選挙となる。自民党は「徳洲会後遺症」と「消費増税」という二つの十字架を背負いながら“負けられない戦(いくさ)”に臨まざるを得ないのだ。



 東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年12月の衆院選で公選法が禁じる運動員買収をしていたとして、自民党公認候補で当選した徳田毅衆院議員の姉で、徳洲会の関連会社社長だった越沢徳美(なるみ)容疑者(50)、スターン美千代容疑者(46)とグループ幹部ら計6人を同法違反容疑で逮捕した。



 捜査当局は、不正を主導したのは徳田議員の父で元衆院議員の徳洲会創設者、虎雄前理事長(75)とみているが、病気療養中のため在宅で容疑者として調べを進めている。



 今後の焦点は、徳田議員の刑事責任が及ぶか否かに移っている。



 しかし違法な報酬を受け取って選挙運動に従事した傘下病院などの職員は563人、不支給の総額は1億4750万円相当に上るとされ、公選法違反の買収事件としては空前規模である。



 国会議員には不逮捕特権があり、原則として国会会期中は逮捕されないが、徳田氏は自身の関与のあるなしにかかわらず、まず議員辞職して責任を明らかにするのが政治家のとるべき道だろう。



 しかし仮に徳田氏に刑事責任が及ばないにしても、「自分はシロだ」として議員の職に居座り続けることもできまい。公選法の規定によると、候補者の父母や兄弟など親族が買収の罪で禁錮以上の刑が確定したら連座制により当選無効となる。2人の姉が逮捕された徳田氏が早晩、失職を余儀なくされるのは必至とみられるからだ。



 徳洲会の公選法違反事件のダメージを最小限に食い止めるべく自民党は14日、持ち回りの党紀委員会(中曽根弘文委員長)で、徳田議員の離党を了承した。とはいえ「これで一件落着」といくわけがない。おそらく半年以内に当該選挙区の補選が待ち受けているのである。



 公選法によれば、投票日に特に定めがなく、9月16日から翌年3月15日に欠員などで補選を行う事由が生じた場合、当該期間直後の4月の第4日曜日に投票となる。従ってカレンダーに目をやれば、「徳洲会補選」の投票が来年4月27日に実施されることは永田町では既定路線になりつつある。



 しかし、その補選が安倍政権にとっては厄介(やっかい)極まりない戦いなりそうな気配だ。



 内閣支持率は「アベノミクス」への期待感や野党のふがいなさなどがあいまって約60%の安定高値を維持しており、本来なら自民党が“横綱相撲”で受けて立つ選挙になってもおかしくない。だが、そうは問屋が卸してくれない。



 徳田議員の父親、虎雄氏も自由連合時代、中選挙区制で唯一の1人区だった奄美群島区で、自民党の保岡興治衆院議員と何度も激しい選挙戦を繰り広げた。「保徳戦争」「ハブとマングースの戦い」などとたとえられうえに死人が出るとまで言われ、選挙違反の摘発も

枚挙にいとまがない。文字通り「死闘」の連続だった。



 徳田氏が地盤とする奄美群島を中心とした当該選挙区はそんな土地柄、土壌ゆえに「有権者にとって衆院選は数年に1度の大イベント、お祭りだった。4月に補選が実施されれば地元の関心や熱気はこれまでの選挙より冷めるのは言うまでもない」と選挙事情通は指摘する。



 とはいえ、安倍政権が10月に消費税率の3ポイント引き上げを決定し、そして来年4月1日にそれが実施されてから初めて行われるであろう国政選挙である。



 現に補選となれば、多くのメディアは「消費増税に対する民意を図る試金石」などとはやし立て、再来年10月の消費税10%への再引き上げの是非を争点化することが十分予想される。野党が「消費増税」の一点を突いてくることも想像に難くない。自民党関係者はこう語る。



 「補選になった場合、政権に与える勝敗の影響は限りなく大きい。消費増税に対する世論の反発が全国に波及する恐れがある。絶対に落とせない選挙になる」



 アベノミクスへの国民の期待値は高いが、景気回復や雇用、賃上げが政権のシナリオ通り進まなければ、支持率は急降下する。先行きの期待感をあおりにあおってきた分、反動は大きく、そこに消費税アップの生活苦が重なれば、国民の失望が怒りに変わりかねない。



 前出の自民党関係者は「来年4月の選挙はタイミング的に『凶』と出る要因ばかりだ。これまで自身の『強運』の助けもあって政権を順調に運営してきた安倍首相にとって、それこそ運の尽きとなる可能性がある」と懸念を抱く。



 さらに自民党にとって難題なのは、徳田氏の威光や影響がどっぷり根付いている選挙区で、“徳田色”を払拭(ふっしょく)した「クリーンな候補者」を見いだせるかどうかだ。



 昨年末の衆院選で渦中の徳田氏は、民主党前職の打越明司氏にダブルスコア以上の大差で圧勝した。しかし、むろん補選となれば、これまでカネにモノを言わせた徳田陣営による「徳洲会式選挙戦略」は過去のものとなる。



 まさか政権党が「不戦敗」というわけにはいかないし、いかなる逆風でも勝てる候補者の擁立作業は一筋縄ではいかないだろう。



 ただでさえ4月以降、首長選挙で自民党推薦候補がきびすを接するように敗北している。静岡県知事選、名古屋、川崎、さいたま、福島の各市長選…。それぞれ地方の特性や野党との相乗りしたケースのマイナス要因など考慮すべき事情はあろうし、中央政界の状況が

首長選に必ずしも直結するものではない。



 ただ自民党内から「7月の参院選では勝利しているのに、首長選で敗れるのは、政権についたおごりや慢心が出ているのではないか」(中堅議員)という声が一部で出ているのも事実だ。



 まだ「徳洲会補選」が決まったわけではない。仮に確定しても、過去に例を見ない大規模な公選法違反事件を受けた選挙という“特殊事情”から、「負けてやむなし」と予防線を張る動きが自民党内に出てくるかもしれない。



 しかし、その勝敗はやはり、その後の政権運営の行方を少なからず左右するため、安倍政権が「4月決戦」を見据え、経済指標や景気動向、そして野党の出方にことさら神経質になっているのは確かだ。たかが補選、されど補選なのである。(高木桂一)



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 この新聞記事にあるように、来年4月に徳田氏の失職による鹿児島第二区の補欠選挙が行われる可能性が大変高くなっています。来年4月というのは消費税の税率が現行の5%から8%に引き上げられる時期でもあり、補選で自民党の苦戦が予想される、と記者は書いています。自民党、安倍政権贔屓の産経新聞ですから、それはさすがにご心配なんでしょうねと、皮肉の一つも言いたくなります。



 鹿児島第二区という選挙区は、地図で見ても分かるように、鹿児島県薩摩半島南部の各自治体と奄美群島が一緒になった選挙区です。鹿児島では「本土」と「離島(シマ)」という言い方をしますが、文化や風習がだいぶ異なります。農業が盛んな地域ではありますが、本土とシマでは作られる作物が違います。ですから、この選挙区はかなり多様性がある、悪く言ってしまえば分裂気味の選挙区と言えるでしょう。


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 この選挙区からこれまで代議士になったのは、徳田虎雄氏、園田修光氏、徳田毅氏、打越明司氏です。このうち、徳田親子は選挙に出られないといすると、園田氏と打越氏、そして新顔ということになります。小選挙区制が導入されて以降、小選挙区で民主党や共産党が勝利を得たことはありません。2009年に民主党が大勝した時の選挙でも、徳田毅氏が小選挙区で勝利し、民主党から出馬した打越明司氏は比例復活当選を果たしたくらいで、保守的な選挙風土と言えましょう。



 打越氏は、鹿児島ラ・サール高校から九州大学を卒業し、松下政経塾に進んだ人物です。一期生ということで、民主党の野田佳彦前首相とは同期の間柄です。長らく自民党所属の県議会議員を務めていました。その後、国政を目指して自民党を離党し、民主党に所属し、国政に挑戦し、2009年には比例復活を果たしましたが、2012年の選挙では敗れてしまいました。もし補選が行われた場合、出馬するのか微妙なところです。



 園田修光氏は県立錦江湾高校から日本大学を卒業した人物です。1996年の選挙では、自民党の公認候補として徳田虎雄氏を破って鹿児島第二区から国政の場に出ましたが、その後、徳田家に苦杯を飲まされてきました。そして、徳田毅氏が自民党に入党したことで、徳田氏の支援に回りました。2012年の総選挙では、徳田毅氏の選対本部長を務めました。



 打越氏は温泉で有名な指宿、園田氏は鹿児島市南部の谷山地区(元々は谷山市という別の地方自治体でしたが鹿児島市と合併しました)をそれぞれ地盤としています。鹿児島二区は先ほど書きましたように、離島部と薩摩半島南部が一緒になっています。薩摩半島南部の人々からすれば、補選が行われる場合、「奄美ではなく自分たちが代表を出すチャンス」と捉えることになるでしょう。



 そのため、本土の人々は、できれば本土系の人を勝てる公算の高い自民党には公認して欲しいと考えるでしょう。そうなった場合、奄美系は無所属でも奄美の利益代表的な人物を出すこともあり得ますので、自民党としては頭が痛いところです。



 本土とシマの両方をある程度納得させる人物ということになれば、私は園田氏であろうと考えます。園田氏は2012年の総選挙で徳田毅氏の選対本部長を務めましたが、今回逮捕されていません。これからの捜査の行方もありますが、徳洲会事件の力点が徳洲会と徳田毅氏の選挙違反から猪瀬氏の方に移っている以上、園田氏は逮捕を免かれるでしょう。



 園田氏は徳田氏の選挙を支援しました。そういう人物が徳田氏の代わりに選挙に出るとなれば、奄美の人々もある程度納得できるでしょうし、本土系の人物も納得できるのではないかと考えます。



 勘ぐったことを言えば、園田氏は次の補選のために逮捕されずに残された人材なのだと言うことも可能なのではないかと思います。



(終わり)


 


 


 


 


 


 


 


 



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 古村治彦です。

 今回は、鹿児島第二選挙区から選出されている徳田毅(2013年11月13日までは自民党所属、当選3回)のニュースについて取り上げたいと思います。本日、徳田毅代議士は、所属していた自由民主党を離党しました。これは、徳田氏の親族と医療法人「徳洲会」グループの幹部たちが公職選挙法違反容疑で逮捕されたことを受けてのことです。以下の新聞記事はそのことを伝える内容になっています。

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徳田毅代議士



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「徳田議員の姉ら6人逮捕 公選法違反容疑 連座制も視野」



朝日新聞電子版 201311121317

http://www.asahi.com/articles/TKY201311120067.html



 医療法人「徳洲会」グループをめぐる公職選挙法違反容疑事件で、東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年12月の衆院選で公選法が禁じる運動員買収をしていたとして、自民党の徳田毅(たけし)衆院議員(42)の姉で、徳洲会の関連会社社長だった越沢徳美(なるみ)容疑者(50)ら計6人を同法違反容疑で逮捕した。不正を主導したのは元衆院議員で徳洲会創設者の徳田虎雄・前理事長(75)とみているが、病気療養中のため、在宅で調べる。



 特捜部が越沢容疑者と、同じく毅議員の姉で関連会社社長だったスターン美千代(46)、警視庁がグループ幹部の石川一郎(58)、桶谷義一郎(69)、屋田正彦(69)、北口浩孝(53)の各容疑者をそれぞれ逮捕した。いずれも選挙運動に専従させたグループ職員に、事実上の報酬を支給した疑いがもたれている。



 公選法では、候補者の親族らが買収などの違反行為をし、有罪が確定すると、連座制によって候補者の当選は無効となる



●「自民、徳田毅衆院議員の離党届を受理」



日本経済新聞電子版 2013/11/14 18:44

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1402H_U3A111C1PP8000/



自民党は14日、持ち回りの党紀委員会を開き、医療法人の徳洲会グループの公職選挙法違反事件で親族らが逮捕された徳田毅衆院議員の離党を了承した。徳田氏は12日に石破茂幹事長と会って「これ以上党に迷惑をかけられない」と離党の意向を伝えていた。



(新聞記事転載貼り付け終わり)


 私は鹿児島県鹿児島市で生まれ、高校卒業まで生活しておりました。そのために鹿児島に関連するニュースには興味を持ちます。徳田氏の選出されている鹿児島第二区に含まれる地域は、親戚も多く住んでおり、関心があります。私なりに、といっても新聞やネットニュースを見て今回の事件について追いかけて、考えてみました。



 徳田氏は二世議員で、父親は徳田虎雄元代議士です。徳田虎雄氏は病院の全国チェーンである徳洲会の創業者として立志伝中の人物です。「生命だけは平等だ」という理念を掲げ、医師会や当時の厚生省と戦いながら病院を作った人物だと教えられました。徳洲とは、徳田氏の出身地である徳之島の別名です。私の父方のルーツは徳之島の隣にある沖永良部島ですが、沖州と呼びます。



 徳田虎雄氏は1983年に当時の奄美群島区から衆議院議員に立候補しました。当時の奄美群島区は保岡興治(やすおかおきはる)氏が父親以来の地盤を保っていたのですが、それに挑戦する形となりました。選挙戦は「保徳戦争」と呼ばれる程に激しいもので、常に両候補の陣営が衝突し合い、実際に暴力事件に発展することもたびたびありました。私は子供でしたが、ニュース番組で大人たちが役所におしかけ押し合いをしている映像を見た記憶があります。



そして、1983年、1986年の総選挙では保岡氏が僅差で当選しましたが、1990年の総選挙ではついに徳田氏が保岡氏を破るという結果になりました。1993年の総選挙では奄美群島区は鹿児島第一区に組み込まれていたために、保岡氏と徳田氏が二人とも当選しました。



 その後、1994年に公職選挙法が改正され、小選挙区制度が導入されることになり、奄美群島区は、薩摩半島の南部地域と一緒になり、鹿児島第二選挙区となりました。保岡氏は鹿児島市を中心とする鹿児島第一選挙区から立候補することになり、徳田氏はそのまま鹿児島第二区から立候補することになりました。1996年からは保徳戦争は終結することになります。



 その頃、徳田氏は自民党に所属するも医師会の反対ですぐに離党を余儀なくされ、自身で政党「自由連合」を結成していました。そして、1996年の総選挙では、鹿児島第二区で自民党公認の園田修光氏と戦うことになります。そして、園田氏に敗れてしまいました。しかし、その後の2000年の総選挙からは徳田虎雄氏が、そして2005年からは徳田毅氏が議席を守ってきました。2000年、2003年、2005年と園田氏は徳田虎雄氏、毅氏に敗れました。そして徳田毅氏が自民党に入党したことで、2009年の選挙には立候補せずに、徳田氏を支援するということになりました。


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徳田毅代議士と園田修光氏(右側)


(新聞記事転載貼り付けはじめ)



徳洲新聞2012年(平成24年)12/31 月曜日 NO.858 過去のダイジェスト 

http://www.tokushukai.or.jp/media/news/shinbun858.html



●「第46回衆議院 議員総選挙 徳田たけし代議士が圧勝 鹿児島2区で3期連続当選」



16日に投開票が行われた第46回衆議院議員総選挙で、鹿児島2区から立候補した徳田たけし代議士(自民党)が再選を果たした。2005年、09年に次ぐ3期連続の当選。1116日の衆議院解散から1カ月間の短期決戦を制した徳田代議士は、「故郷をしっかりと守っていきます」と意気込みを語った。



6万4000票の大差で勝利



徳田たけし代議士は109744票を獲得。これは鹿児島2区の有効投票総数の3分の2に達する大量得票で、ライバル候補に約64000票もの大差をつけての圧勝となった。徳田代議士は奄美群島に加え、鹿児島本島の谷山・指宿地区でも着実に票を伸ばした。



前回総選挙でもライバル候補に約25000票の差をつけて当選した徳田代議士。今回は与党・民主党への失望感から、自民党有利という事前の予想があるなか、徳田代議士は気を緩めることなく選挙区を奔走した。



被災地の復興や日本経済の再生、TPP(環太平洋経済連携協定)反対など、自身の政策を粘り強く有権者に訴え続け、多数の支援者やボランティアの方々の協力も得て、3期連続当選を果たした。

..

総選挙の投開票が行われた16日─。午後8時の開票開始直後、テレビの選挙速報番組で徳田代議士の"当確"が伝えられると、鹿児島市卸本町にある選挙事務所は拍手と歓喜に沸き返った。事務所に詰めかけていた多くの支援者の方々は喜びを爆発させ、隣り合う人同士で握手を繰り返し、徳田代議士当選の喜びを分かち合った。



徳田代議士は当確が出るとすぐ、指宿市内の選挙事務所を訪れ万歳三唱。支援者の方々に感謝の言葉を述べた後、鹿児島市卸本町の選挙事務所に移動した。



午後9時頃に選挙事務所に到着すると、徳田代議士は待ち構えていた支援者の方々から拍手で歓迎を受けた。手をあげてこれに応えながら事務所に入ってきた徳田代議士は、支援者の方々に向かって両手を合わせ、感謝の気持ちを表した。徳田代議士は、園田修光・選挙対策本部長の音頭による万歳三唱を支援者の方々と行った。



このあとマイクを握った徳田代議士は開口一番、「感謝の一言です。皆さまのおかげで、これまでで一番素晴らしい選挙戦を行うことができました」と謝意を露わにした。



続けて今回の選挙戦での争点に言及し、「故郷に関わる大きな問題としてTPPがあります。TPPに参加した場合、故郷が、そして日本がどうなってしまうかを訴えました。『私たちはTPPに断固反対しなければならない。私たちこそが故郷を守っていかなければならない』。この大きな意思を鹿児島2区の皆様に示していただけました」と、徳田代議士は選挙区から大きな支持を得られた手応えを語った。



そのうえで、「この意思表示をしっかりと受け止め、これからもTPPは断固として阻止し、故郷を守っていきます」と強い決意を述べた。



また徳田代議士は、「日本は多くの国難に直面しています。なかでも優先して取り組まなければならない課題は、被災地の復興、経済の立て直し、外交・安全保障、社会保障などです。こうした問題に対する国民の皆様の期待に応えられるよう、結果を必ず出していく考えです」と抱負を語った。



 2009年の選挙では徳田毅氏の応援のために保岡興治氏と園田修光が奄美を訪問するということもあり、かつての仇敵同士が手を取り合うシーンが見られました。2012年の総選挙で徳田毅氏が3回目の当選を飾るのですが、園田氏が徳田陣営の選挙対策本部長として選挙に中心的に関わっていました。そのお返しなのか、翌年の2013年の参議院議員選挙では園田氏が全国比例区で立候補し、徳田氏が支援を行いました。しかし、園田氏は落選しました。



●「厚労相、徳洲会幹部と会食 5月 移植陳情、参院選も話題」



MSN産経ニュース 2013.11.8 07:10

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131108/crm13110807120002-n1.htm



 田村憲久・厚生労働相(48)が今年5月、医療法人徳洲会副理事長(当時)の鈴木隆夫氏ら徳洲会グループの最高幹部4人と東京・赤坂の料亭で会食していたことが7日、関係者の話で分かった。現職閣僚が監督業界に当たる医療法人の幹部らと料亭で会食するのは極めて異例だ。



 関係者によると、会食があったのは5月17日頃。徳洲会側からは、鈴木氏と特定医療法人沖縄徳洲会の安富祖久明副理事長、医療法人徳洲会の佐藤耕造専務理事ら4人が出席したという。



 徳洲会グループは当時、7月に控えた参院選に向けて全国の病院組織を使い、園田修光・元衆院議員(56)=自民党から比例全国区に出馬し落選=の支援活動を展開していた。会食の席で園田氏の選挙に向けた支援活動のことも話題になったという。



 鈴木氏は当時、徳洲会グループ創始者の徳田虎雄氏(75)に次ぐナンバー2で、虎雄氏の退任に伴い10月12日、医療法人徳洲会などの理事長に就任している。



 徳洲会は厚労省に修復腎(病腎)移植を先進医療として認定してもらうため再申請を準備しており、早期認定に向けた陳情活動の一環として田村氏に面会を求め、会食がセットされたという。



 修復腎移植は現在、保険適用外のため、高額に上る患者の自己負担額を病院側が肩代わりしてきた。厚労省による先進医療認定を受けると、入院費などが保険適用対象となるため、負担額が大幅軽減される。



 グループは、昨年11月の衆院解散後から投票日前日の12月15日まで、傘下の病院の職員を運動員として徳田毅衆院議員(42)=自民、鹿児島2区=陣営に派遣。欠勤にともなう給与減額分をボーナスで穴埋めするなどした公職選挙法違反の疑いが持たれている。東京地検特捜部はグループ東京本部を捜索した9月17日以降、鈴木氏からも任意で事情を聴くなどして捜査を進めている。



 田村氏の事務所は取材に対し、「捜査中のことでもあるので、回答は差し控えさせていただく」としている。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 私が疑問に思っているのは、園田修光氏は選対本部長を務めながら、逮捕されていないのはどうしてかということです。選対本部長が全ての仕事を取り仕切っている訳ではないにしても、何も知らない、なにも関与していないということがあるだろうか、と私は不思議に思っています。この疑問に対する自分なりの答えは「園田氏には累が及ばないようになっていて、園田氏が徳田氏の後釜になるのだろう」というものです。



 徳田氏の連座制による失職は可能性が大きくなっています。これから逮捕された6名の裁判が行われ、有罪が確定すれば徳田氏は代議士の身分を失ってしまいます。そうなれば、鹿児島第二区から立候補が考えられるのは、それぞれ代議士経験がある民主党の打越明司(野田佳彦元首相と松下政経塾第一期生で同期、県議時代は自民党所属)と自民党の園田氏ということになります。そのために園田氏にまで累が及ばないようになっているのだろうと私は考えています。



 そのように単純な話ではないのかもしれませんが、私が集められる範囲で得た誰でもアクセスできる情報を基にして考えたことは以上のようなものです。



(終わり)

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