古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:徳間書店

 古村治彦です。

 

 今回は副島隆彦先生の最新刊『迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済』(徳間書店、2018年5月)をご紹介します。

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済

 

 今回の最新刊にも副島隆彦先生による大胆な予測がたくさんなされています。アメリカの北朝鮮爆撃、攻撃が終わって「戦争によって経済を刺激して好景気を作り出す」、戦争刺激経済(war economywar boosts economy)が創出されますが、それも続かずに、大暴落がやってくるということがこの本の最も重要な点になります。これは第一次世界大戦の後の動きと同じだということです。

 

 アメリカは考えてみれば、何年かおきに戦争をして経済を立て直し、また崩れるということを繰り返してきました。軍需産業が一大産業ともなっています。この事実を踏まえて、直近の動きを考えてみると、戦争刺激経済が発動されそうです。

 

 その他にも様々な予測や分析が掲載されています。是非手にとってご覧ください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

●これからの3年、さらに3年の6年間を予測する

 

 この本では、これからの3年、さらにそのあと3年、計6年を予測(予言)する。

 

 これからの日本及び世界の経済はどうなるか。私の予測、先見(せんけん)は、大きくP7の図のとおりだ。この本が出て近いうちに株式市場で2回ぐらい大きな山が来るだろう。なぜなら、株式の次の暴落に対してアメリカは戦争〝刺激(しげき)〟経済(War boosts Economy. ウォー・ブースト・エコノミー)でなんとかエンジンをブオブオと吹かして景気を上げようとするからだ。

 

 トランプは「北朝鮮の金正恩に会う」と言ったが、この米朝の話し合いは、短時間でだめになるだろう。世の中に不安感が広がる。それで投資家も心配して、NYダウと日経平均はだーっと1回落ちる。1000ドル、2000ドル落ちる。日経平均も1000円、2000円ぐらい平気で落ちる。

 

 トランプは、ここで戦争(せんそう)によって経済を刺激する、押し上げるまさしくWar boosts economy.(ウォー・ブースト・エコノミー)を仕掛ける。戦争刺激経済とは、まさしく、「米軍による北朝鮮への爆撃」のことだ。戦争で経済を刺激する、のである。景気の落ち込みから脱出するためのアメリカの手口だ。これで、北朝鮮爆撃のあと、「アメリカは勝った!」で安心感が広がり急激に株価がハネ上がる。それに連れて日経平均も、どーんとハネ上がる。

 

 ところが、少しすると、また、ドドドと下がってゆく。こういう動きを2回、3回金融市場は繰り返すだろう。私はこのように予言する。

 

 この「ウォー・ブースト・エコノミー」、すなわち、戦争で経済を押し上げる。経済を政治(=軍事)の力でブーストboostする、押し上げる。この“War boosts economy.”という言葉の意味を、私がここまで易(やさ)しく説明しても、それでもまだ分からない人は、それは私、副島隆彦の本のこれまでの熱心な読者では無い。

 

 欧米では、これを簡単に「ウォー・エコノミー」と言う。このコトバの意味を頭のいい高校生でも知っている。ところが、日本(人)では相当の高学歴の金融専門家や、英語ペラペラのトレイダー(ファンド・マネージャー)たちでも、知らない。分からない。日本人は「ウォー(ブースト)エコノミー」と「ウォー・タイム・エコノミー」(戦時()経済。戦争中(ちゅう)の経済)の区別がつかない。その違いが分からない。私は、この10年、自分の本で、ずっとこの「ウォー・エコノミー」、戦争経済のことをあちこちで書いてきた。だが、ほとんど誰も理解してくれなかった。それでわざと間(あいだ)に「ブースト」を入れてより正確な英文にすることで戦争〝刺激〟経済と表記することにした。これで何とか日本人に分かる。分かってもらえるだろう。ヤレヤレだ。戦争を煽ることで景気、経済を押し上げる。それが「戦争(刺激)経済(ウォー・エコノミー)」だ。

 

 ダメ押しをする。欧米白人社会では、頭のいい高校生でも知っている、この war economy 「戦争経済」を、日本では、経済学部を出た市場関係者や、経済学者でも知らない。それどころか、実は政治学の学者や政治評論家たちも知らない。即ち日本ではまだ誰も知らない。

 

 どうしても「2兆円(200億ドル)分ぐらいミサイルや爆弾を使ってくれ」と、アメリカの軍需産業界が要求している。「政府がそうしてくれないと、兵器が売れなくて在庫が溜()まって仕方がない」と軍需(=国防)産業の親分たちが言う。レイセオンとロッキード・マーチン・マリエッタとボーイング社などである。日本で言えば三菱重工や川崎重工である。そうやって国防産業が政府に泣きつくのである。トランプ大統領は、このことを重々分かっている。トランプという人はビジネスマン(商売人)であるから、企業経営者たちの苦労が死ぬほど分かっている人だ。だから北朝鮮はウォー・エコノミーの問題なのだ。北朝鮮問題とは独裁者の国からの核ミサイルの取り除き、廃棄のことだけではない。アメリカの軍需産業(ミリタリー・インダストリー)のために兵器の消費がどうしても必要なのだ。これが戦争経済だ。第2章でさらに説明する。

 

●北朝鮮爆撃で株価の大変動が起きる

 

 株価が上下に動くことを、ボラティリティ(変動率)という。戦争はこの株価のボラティリティを激しく上下に大きく拡大させる。この価格の変動率(ボラティリティ)は、資金運用者と投資家にとっては、たいへん有難い重要な仕掛けだ。投資の基本は、買ったら売り、売ったら買い戻す、である。安値で買って価格が上がったら売って利益を取る。あるいは、下落相場なら、(先(さき)(もの)での売りならば)借りてきた株を先(さき)()で高値で売っておいて、暴落したあと安値で買い戻す。そして利益を取る。これしかない。そのためには、業界全体にある程度のボラティリティがなければいけない。無風状態で値動きなしが何カ月も続くのが、一番イヤなのだ。

 

 だから、ここから先、しばらくの間、株価の急上昇と暴落が何回か繰り返されるだろう。暴落したらその時、サッと買う。そのあと暴騰が来る。ここで迷わずサッと売る。ここで売れないでじっと持っていると、大損する。なぜなら、また暴落するからだ。また安値、底値でサッと買う。秋までに、こういう動きが3回ぐらいあって繰り返すだろう。

 

 第一次世界大戦(1914─1918)の時にも、これとまったく同じ暴騰と暴落があった。その時、日本は日露戦争(1904─1905)に勝利したあとで、世界の5大国入りして帝国(エムパイア)になっていた。日本は第一次大戦の戦争前景気で、1回おおいに盛り上がって、その後、ばたーんと落ちた。このあと戦争が終わったようだ、ということで、またドーッと株(景気)が上がった。ところが、暫(しばら)くしたら、またドーッと落ちた。1920年から〝戦争景気〟のあとの長い不況が来た。これと同じことがまた世界で起きようとしているのである。

 

第一次大戦(WWI)(ザ・ファースト・ワールドウォー)は、1918年12月に終わり、1919年から、講和(平和交渉)(ピーストークス)のためのベルサイユ会議が始まる。このあと1920年に入るとドーッと落ちた。この時、日本の鈴木商店(三井物産の前身)、そして台湾銀行が倒産した。鈴木商店は、今の総合商社の先駆けで、戦争景気で、スエズ運河に、鈴木商店の商船(輸送船)がズラリと並んでいたのである。鈴木商店が日本を代表する大商社だった。

 

 天才経済学者のケインズさえ、この時、投資で大失敗した。大戦後の1920年から後の4、5年は苦戦した。だから迫りくる〝第二次朝鮮戦争〟の前後にも大きな変動が来る。ただし、今回は期間が半年ぐらいなので短い。だからそのあとの数年(3年、さらに3年)の動きを読まなければいけない。

 

=====

 

迫りくる大暴落と戦争(ウォー・)〝刺激(ブースト・)〟経済(エコノミー)──[目次]

 

まえがき─3

これからの3年、さらに3年の6年間を予測する─3

北朝鮮爆撃で株価の大変動が起きる─8

 

第1章 緩和バブルとともに沈みゆくドル

 

パウエル新FRB議長はがむしゃらに利上げする─24

NYダウの暴落で「適温相場」の嘘がバレた─35

VIX指数を買っていたファンドが踏み上げをくらった─44

フラッシュ・クラッシュが暴落を誘発した─45

米長期金利の上昇は国債バブルの崩壊を意味する─54

バーゼルⅢで日本は米国債を買わされる─70

黒田日銀も出口戦略で金利をつけたい─74

パウエルFRB議長は、グリーンスパンの真似をする─79

あと6年で「ドル覇権体制」はめでたく崩壊する─83

巨大IT企業の肥大した株価が調整される─84

 

第2章 戦争(ウォー・)〝刺激(ブースト・)〟経済(エコノミー)しかなくなった

 

〝第二次〟朝鮮戦争が起きる─98

米軍の北朝鮮への爆撃は6月にある─100

金正恩はICBMの完成まで引き延ばし作戦をする─104

北朝鮮問題と中東問題は裏で密接につながっている─106

イランと北朝鮮は直結している─113

3年後から「ドル覇権」は崩壊に向かい、1ドル60円になる─115

だから3年待たないと金価格は上がってこない─119

あと6年でドルの終わりがくるから金を買っておきなさい─123

いよいよ人民元がこれから上がり出す─126

今のうちに人民元預金をするべきだ─130

 

第3章 金融市場で何が起きているのか

 

史上最大の大暴落のきっかけはフラッシュ・クラッシュだった─140

中国がシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の買収に動き始めた─145

ヨーロッパ発の金融規制で証券会社が潰される─149

ファイナンス理論どおりに整然と間違える─154

先物主導で暴落させられた─159

精緻なシステムも最終的には人間に壊される─163

日銀は目標とは逆の政策をやっている─165

アメリカは自分が生き残るためにヨーロッパを潰しにかかっている─168

ロボット・トレーディングを育てたのはシカゴのストライカー証券─170

日本の銀行を中国人が本格的に買い続けている─174

ユニクロ商法のそっくりさんも出てきた─176

次は日立が狙われている─181

お金の行き場がなくなったあと、戦争経済しか選択肢はなくなった─183

日本の生保が米国債30年物の償還でプレッシャーを受けている─184

ビットコイン取引のほとんどが日本からになっている─187

 

第4章 世界経済における巨大なマネーの秘密

 

複利で爆発的にお金が増えるのが資本主義だ!─190

利子こそが資本主義を回転させるエンジンである─191

貨幣乗数という資本主義のマジックが効かなくなった─196

投資の経済効果に注目したケインズの乗数効果─199

土地の値段が100倍にもなる時代があった─201

ジャブジャブ・マネーで麻痺している日本経済─207

マネーサプライが消えてなくなった─210

日本国債の買い取りでマネー・クリエイションしている─212

リチャード・ヴェルナーが日銀によるマネー創造の秘密を暴いた─213

ヴェルナーの本で、この30年の金融経済の全体の謎が解けた─216

グリーンスパンFRB議長はヴェルナーを無視した─221

イングランド銀行の理事がマネー・クリエイションを認め始めた─224

「リーマン・ショックの秘密」が見えてきた─227

 

第5章 経済学は死んでしまった

 

アメリカがヨーロッパ500年に挑戦したのが行動科学─234

株で儲かった喜びよりも、大損する恐怖を重視─238

今目の前にある1万ドルと3カ月後の2万ドル、どちらを取るか─241

経済学は身もふたもない学問に成り下がった─243

人間の能力は持って生まれた天性であり、人間は元々不平等だ─251

Y=C+Iという方程式が示す世界最高度の真実─253

 

あとがき─265

 

【巻末付録】戦争の陣太鼓が聞こえる軍需銘柄21─268

 

=====

 

あとがき

 

 こうやって私は、この本でこれからの世界の動きの「3年、さらに3年(合計6年間)」を予言した。自分が行った近(きん)未来予測(予言)をなんとか当ててみせる。ただしこの本は、金融、経済の本であるから、あまり政治の話は書かないようにした。それでもどうしても政治の話が入ってくる。

 

 政治(外交、軍事=安全保障を含む)と、金融・経済は、〝車の両輪〟であるから、片方だけを見るわけにはゆかない。両方を見てそれを総合する力があるから、私は金融評論業で生き延びているのだろう。

 

 第4章で、リチャード・ヴェルナー氏の『円の支配者』(2001年刊)を高く評価した。なぜならヴェルナー氏(現在、51歳)が、1995年に発見して、以来ずっと唱えている「先進国の中央銀行が、政府を助けるために、やってはいけない、銀行が持つ信用創造(力)(クレジット・クリエイション)を悪用してきた」理論は大きな真実を抉(えぐ)り出している。創造(クリエイテッド)マネーを大量に創(つく)って、それが、世界の金融・経済をおかしくしてきたのだ。彼らセントラル・バンカーたちがバブルを作り出し、破裂させ、そのために資金をショートさせた企業をたくさん倒産させて、世の中に多大な迷惑をかけてきた」理論は、2008年のリーマン・ショックをはっきりと予言していた。

 

 この違法な、創造(クリエイテッド)マネーは、私もまた自分の金融本でこの10年使い続けてきたジャブジャブ・マネー(金融緩(かん)()政策で人工的に作られたマネー。Q(キュー)(イー)=量的緩和)であった。

 

 そして、ヴェルナーと私は、今も共に「次の大きな株の大暴落、金融崩れは、大恐慌へとつながる」と予測、予言する。

 

 それは、1991年(今から27年前)に崩壊したソビエト共産主義(コミュニズム)に続いて起きるであろうアメリカ資本主義(キャピタリズム)の崩壊だ。エ、まさか、そんな。資本主義は、イデオロギーや宗教ではなくて、客観的実在(オブジェクティヴ・イグジステンス)だよ、壊れるわけはないよ、と、必ず起こる反論に対しても、私は明確な答えをそろそろ準備し、提出しなければいけない時代が到来したのである。

 

 資本主義(の社会、国家)が倒れたあと、一体、人類に次に何の制度、体制がやってくるのか? カール・マルクスとジョン・メイナード・ケインズ卿に続く、人類の大天才が現れなければ、その姿は明らかにならない。だが、資本主義までもが滅ぶ、そして全く新しい時代が人類に到来することが強く予想されるのである。ゼロ金利と、マイナス成長と、銀行消滅のコトバにその予兆が見られる。

 

 この本も、またしても徳間書店学芸編集部の力石幸一氏と、延々とおしゃべりしながら出来た。記して感謝する。

 

2018年4月   

副島隆彦 

 

(貼り付け終わり)


※2018年6月17日(日)に副島隆彦の学問道場定例会(講演会)が開催されます。定例会出席のお申し込みは以下のアドレスでお願いいたします↓
http://snsi-j.jp/kouen/kouen.html

 

(終わり)

 

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今の巨大中国は日本が作った



 

shinjitsunosaigoutakamori001
(仮)真実の西郷隆盛

 

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(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2015年4月25日に副島隆彦先生の最新刊『「熱狂なき株高」で踊らされる日本』(徳間書店、2015年)が発売されます。待望の経済に関する新刊です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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 また、2015年5月31日(日)に副島隆彦を囲む会主催の講演会が開催されます。こちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。

  

※講演会の申し込みはこちらからどうぞ。


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「熱狂なき株高」で踊らされる日本──目次

 

まえがき─3

 

1    金と現金以外は信用するな!

 

国家が相場操縦して株価を吊り上げる動きは止まらない─12

金投資は初めての人は今すぐ買いなさい。もう買っている人はまだ待ちなさい─17

 

2    国家は株も土地も吊り上げる

今年1年は政府主導の強気の相場が続く─26

日本政府が「5頭のクジラ」を使って株の爆買いを始めた─28

株を買うのはGPIFだけではない─37

台湾人が日本の不動産を爆買いしているが、2020年までには売り払う─50

戦争の危機が迫る日本で東京オリンピックの中止もありうる─54

日本の不動産で値段が上がっているのは「3A1R」だけだ─58

富裕層が資産の再評価をやっている─62

政治と経済は貸借を取り合って、バランスする─66

日経平均株価は2万2000円まではいくだろう─72

 

3    世界から金利がなくなった

アメリカは金利を上げると一気に逆回転するから上げられない─84

黒田日銀総裁が「国債暴落」の不規則発言をした─87

世界中の金利が低下する異常事態になっている─93

ユーロはデフレに陥って衰退に向かう─104

アメリカの金融・財政は舵取り能力を失っている─108

ドル円の相場は120円がしばらく続く─112

NY金は1200ドルが抵抗線である─114

中国が金の値決めに参加することが決まった─116

イギリスが中国と組むと決めた─126

AIIB(アジアインフラ投資銀行)は大きな世界覇権移行の始まりだ─131

 

4    日本はますます貧乏国家にさせられる

名だたるヘッジファンドがどんどん潰れている─154

売り仕掛けのヘッジファンドが次々に潰れ、日本から撤退を始めた─155

1億円の投資信託が9割方まで回復している─161

またしても日本の米国債買いが始まった─166

コーポレートガバナンス・コードで日本企業の内部留保を吐き出させる─170

社外取締役に入る会計士たちが企業財務を丸裸にする─174

ROEを高くさせて日本企業のキャッシュを流出させる─176

ゴールドマンのキャシー松井がROEを言い出した─177

日本奪い取りの第三段階までもう来ている─181

日本はマイナス成長の衰退国家にさせられている─184

今の円安は日本の通貨の暴落だとなぜ言わないのか─188

 

5    経済学はケインズに戻らなければならない

日本の経済政策の最高指導者はGPIFを牛耳る伊藤隆敏だ─192

インフレ・ターゲット論は方程式を逆転させる論理でできている─201

アメリカの意思に沿う政策理論をやりながらその自覚がない─218

通貨量と株価上昇だけで市場がコントロールできるのか─220

今こそケインズ、ヴォルテールに学ぶべきだ─222

古典派とケインジアンの戦いが今も続いている─229

合理的期待学派は狂信者たちである─234

現金や金を信じることをケインズから学んだ─241

「情報の非対称性」とは、始めから結果を知っている人間がいるということ─252

銀行の不良債権問題に蓋をし続けていることが致命傷になる─254

本当は、金融市場でクラウディング・アウトが起きている─260

 

6    ピケティの『21世紀の資本』はアパート経営の話だった

収入の20倍が資産価格になるという「副島隆彦の法則」─264

ピケティの資本主義の第一基本法則からあらゆる経済問題が解ける─281

経済学は数学と物理学から発生した学問である─285

「資産は所得(年収)の6倍だ」と言い切ったところがピケティのすごさ─295

労働所得と資本所得は7対3で決まっている─298

ピケティが結論で提案している富裕層課税は間違っている─304

 

 

あとがき─308

巻末付録 吊り上げ相場の注目株32銘柄─311

 

 

 

あとがき

 

 この本を書き上げる段になって、私はようやくはっきり分かった。

 

 アベノミクス(安倍首相の経済政策)というのは、株バブル(および国債バブル)と土地バブルの両方を起こすことだ。この資産バブルを人為的に作って、無理やりでも国民心理にインフレ期待の人工の波を起こして、人々がどんどん消費して贅沢品を買うように仕向ける。そうすることで、景気回復を達成するという計画である。すべてはアメリカの指図、命令のままに行われている。

 

 こんな当り前のことを私は今頃、遅れて分かった。だがここに到達するまでに私は激しく辛吟した。

 

 資産バブルが全国(いや世界中)に波及し、景気(経済)は必ず回復すると狂信して、政府自ら株の吊り上げと都心の土地の値段(地価)の吊り上げに狂奔している。

 

 しかし「2%のインフレ(にする)目標」は丸2年たったが達成しなかった。責任者たちの責任が問われている。

 

 私は、この本でアベ(ABE)ノミクス(Asset Bubble Economy)を創作して日本に押しつけたアメリカの経済学の理論家たちのおかしさを追跡してなんとか解明できた。

 

 それは、小室直樹先生の遺作となった4冊の経済学の本を、本気で読み直したからである。先生は大事なことをすべて書き遺してくれていた。先生の霊が私を導いた(第5章)。

 

 今の安倍政権の金融政策の何が間違っているかを、この本で大きく解明することができた。私の方も土壇場まで追いつめられたが、なんとか大きな謎解きをすることができた、と思っている。

 

 評判を取ったトマ(ス)・ピケティの大著『21世紀の資本(論)』からも私は巨大な真実を学んだ(第6章)。やはりこの本は大変な本である。ピケティ本は、今や幻想と虚栄の神殿と化したアメリカ経済学を根底から掘り崩す核爆弾級の破壊力を持つ本である。おそらく日本では、今のところ私だけがこのことに気づいている。今はもう多くは書けない。一点だけ書く。

 

 ストック(資産)とフロー(所得)において、フロー面(消費者物価、インフレ率、GDPギャップ、失業率などの指標)ばかりに囚われてきたアメリカ経済学界のオカシさを、フランス人のピケティは、正しく大きくストック面(土地住宅価格。即ち不動産資本)の重要性からはっきりとつかみ出した。おそらくピケティ本からの根源的攻撃を受けてアメリカ理論経済学は自滅に向かうだろう。それはアメリカ帝国の崩壊と軌を一にするものだ。

 

 この本を書くに当たって、共に難行苦行と言うか、延々と果てしなく議論してくれた徳間書店の力石幸一編集委員に深くお礼を申し上げる。

 

2015年4月

 

副島隆彦 

(終わり)










 

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