古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:日本文芸社

 古村治彦です。

 

 本ブログでもご紹介しました、副島先生と佐藤先生の4冊目の対談本を読みました。読後感は、一言で、面白かった、しかし、その通りになると大変だ、というものです。

 

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 世界政治 裏側の真実


 佐藤先生は副島先生がドナルド・トランプの米大統領当選予測を讃えています。佐藤先生は自分で「トランプが当選すると断言できなかったのは勇気がなかったからだ」と述べています。私もこのブログで、「ヒラリーが当選する可能性が高いが、トランプが当選するならこのシナリオ」という言い方で、くどくどと書き、なぜ失敗したのかということも書きましたが、佐藤先生のように「勇気がなかった」という明快なことは言えませんでした。この明快さは、佐藤先生の素晴らしさであろうと思いました。

 

 興味深いのは北朝鮮問題についてです。佐藤先生はアメリカと北朝鮮との間で何らかの合意ができて、北朝鮮の体制保障がなされるという考えで、副島先生は2018年4月にアメリカが北朝鮮を空爆してミサイル基地などを破壊、その後、中国の人民解放軍が北朝鮮を攻撃して占領して、金正日の長男・金正男(マレーシアで殺害された)の長男である金ハンソルが政権を樹立する、そのあと、人民解放軍は撤退すると「予言」しています。

 

 副島先生は、世界は、中国、ロシア、アメリカの「ヤルタ2.0」に向かっているという分析をしています。ドナルド・トランプ大統領の出現は、戦後のヤルタ体制(1945年2月、フランクリン・D・ルーズヴェルト米大統領、ウィンストン・チャーチル英首相、ヨシフ・スターリンソ連首相が会談を持ち、戦後体制について決定した)が70年経過して、中国が台頭し、ロシアが復活する中で、アメリカの一極(unilateral)体制が終焉に向かっていることを示すものだと述べています。「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」「アメリカ・ファースト(America First)」というスローガンをトランプ大統領は掲げましたが、トランプ大統領はアイソレーショニズム(Isolationism、国内問題解決優先主義)で、世界の警察官や管理をやるつもりはありません。中国(習近平国家主席)、ロシア(ウラジミール・プーティン大統領)と協調しながら世界の諸問題に対処していくという姿勢です。

 

 副島先生も指摘し、私もなるほどなぁと思ったのは、中東を席巻しているISに対する佐藤先生の分析です。佐藤先生は、ISを過去に存在した「コミンテルン」のようなものだと喝破しています。ISはイスラム革命を、コミンテルンは共産革命を世界に輸出することを志向している点で共通している、と述べています。ISは様々な理由を持つ自殺志願者(経済的に苦しい、家族関係がうまくいかない、学業がうまくいかない)をリクルートして、テロリストに仕立て上げ(テロリストになる訓練はそんなにいらない)、自爆テロを行わせる(周囲を巻き込む自殺=ジハード、となって天国に行く、という構図)という手法を採用しているので、自殺志願者対策を行うことがIS対策に有効だと主張しています。

 

最近、神奈川県で大量殺人を行ったとされる容疑者が逮捕されました。9名がこの1人の人物によって殺害されたという容疑です。そのほとんどは自殺願望を持ち、その自殺願望を利用されて、容疑者に殺害されたのではないかと見られています。日本における自殺者の数は約3万人と言われています。ISが日本人をリクルートすることは難しいでしょうが、自殺を実行する人とそこまで至らない人たちの数を考えると、日本国内における自殺志願者対策も日本社会の安定化にとって重要だと考えます。

 

 この本には収録されていませんが、両先生の「猫論」に私は興味があります。「狂犬」副島隆彦と「忍者」佐藤優の共通点は、猫をかわいがっている点です。両先生がどうして猫が好きなのか、猫という生物をどのようにとらえているのか、ということを知りたいと思います。

 

 2017年11月3日に東京の八重洲ブックセンターで『』発刊記念の対談イヴェントが開催されましたので、私も出席してきました。その感想については、「副島隆彦の学問道場」内の「重たい掲示板」に掲載しましので、お読みください。

 

※アドレスは以下の通りです↓

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/

 

 『世界政治 裏側の真実 インテリジェンスとコンスピラシー』をまだお読みではない方には是非お読みいただけますようにお願い申し上げます。

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 前回に続いて、『トランプ大統領とアメリカの真実』を皆様にお読みいただきたく、ご紹介いたします。

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 ドナルド・トランプがアメリカの二大政党の一つ、共和党の予備選挙を勝ち抜き、アメリカ大統領選挙の本選挙の候補者になるなんて誰が予想できただろう。私は、政界や財界に人脈を持つ、ジェブ・ブッシュが共和党の大統領選挙候補者になるだろうが、本選挙では、ヒラリー・クリントンに負けてしまうだろう、そして、ヒラリー・クリントンが大統領になると考えていた。民主党ではヒラリー以外には、有名な候補者はいなかった。現職のジョー・バイデン副大統領が予備選挙に出ないと表明した時点で、2016年のアメリカ大統領選挙は、ヒラリーが楽に圧勝する、そういうシナリオで展開すると考えた。

 しかし、2015年後半からトランプの勢いが加速していった。彼は「イスラム教徒の入国を禁止しろ」「アメリカとメキシコの間の国境線にメキシコの負担で壁を作れ」と叫んだ。「こんなことを言ったらダメだ」と思った。
「こんな差別感丸出しのことを言ったら有権者から総スカンを食うはずだ」と私は考えた。しかし、トランプ支持は
どんどん拡大していった。トランプを支持しているのはどんな人たちなのか、とアメリカのマスコミは調査を行った。そして、「テキサス州を除く南部から東部沿岸部の衰退しつつある工業地帯に住む、学歴が高くない白人男性」がトランプを支持している、ということが明らかになった。そして、あれよあれよというまに、共和党の予備選挙で並み居るライヴァルたちを打ち倒した。私は、自分の人間観の甘さと先入観を反省した。

 イギリスのEU離脱といい、トランプといい、「怒れる白人たちの反乱」と言える。

 トランプ支持が根強いのは、「彼がワシントンに、そしてアメリカ政治に、アメリカ経済に“チェインジ(Change)”
をもたらしてくれる」と多くの有権者が考えているからだ。あれ、と思った。どこかできいたことがあるぞ、と。「チェインジ(Change)」「イエス・ウイ・キャン(Yes, Wew can)」のスローガンで大統領選挙を勝ち上がった人物が既にいる。日本に住む私たちも好感をもって迎えた、バラク・オバマ現大統領だ。人々は、黒人のオバマが変革をもたらすとして熱狂した。この時に民主党予備選挙で圧倒的に有利だったはずのヒラリーは、一敗地にまみれた。

 新しい人物が大統領になるとき、アメリカの有権者は「変化」を求める。既成の体制を壊して、何か全く別の新しいものが出てきてほしいと願う。2008年に無名のオバマがヒラリーを倒したときから、「外国を助けるのをやめたい、アメリカ国内が大変なのに、外国まで戦争をしに行ってお金ばっかり使ってどうする」という考えが広がっていった。これが「アメリカ・ファースト!」となった。「アメリカ国内の様々な問題を解決することを優先しよう、一番最初にやろう」ということだ。この流れの中に、つまり、トランプの方がオバマの後釜にふさわしいとも言えるのだ。

 本書『トランプ大統領とアメリカの真実』は、アメリカ政治“今”“最前線”を知るために最適に一冊だ。

 トランプが何かパッと出てきたように、またアメリカ国民がふざけているかのように、日本人には見えているかもしれない。しかし、トランプが共和党の大統領選挙候補者になるには、その背景がある。それはとても重層的だ。

 その幾重にも積み重なったアメリカの「今」を俯瞰(空の上)から、水平(地上)のレヴェルまで、あらゆる要素で説明している。アメリカ白人たちの持つ危機感、アメリカの政治思想上の戦い(ややハイブラウな)、トランプという人物のこれまでの人生などが網羅されている。

 トランプはアメリカのテレビ番組(リアリティ・ショーと呼ばれる)で、経営者として応募してきた人たちに「お前はクビだ」という決め台詞で人気が出た。しかし、彼はこの決め台詞を言う前に、その人たちに、どういう点が良くて、どういう点が改善点で、ということをきちんと説明していた。そうしなければ、ただの暴君である。この部分があって「だから、君はここにふさわしくない」となって、「お前はクビだ」ということになった。この前段階はあまり注目されないが、ここで彼の経営者としての手腕と人を見る観察眼の確かさが発揮された。

 トランプの経営者としての手腕が2000年代にテレビ番組を通じてアメリカに浸透していった。そして、今回の大統領選挙だ。自分の力で1兆円もの資産を築き上げたような叩き上げの経営者・資産家がアメリカ大統領に出馬したことは過去に例がない。「多くの人々の雇用を自分の力で生み出した経営者」という、アメリカ人が賞賛し、ロールモデルするタイプはこれまで政治家を支援することはあっても自分が政治家になることはなかった。

 オバマ大統領が「黒人初」の大統領という形容詞がつくのと同じく、トランプが「経営者・資産家初の」大統領と
なるその一歩前まで来ている。

 現在、10ほどある激戦州(Battleground States、Swing States)の世論調査では、ヒラリーとトランプは互角である。これらの激戦州の動向いかんでは、トランプ大統領の誕生の可能性は高まる。

 アメリカが世界に提示した、ドナルド・トランプとトランプ現象、これを理解せずして、時代の空気を理解することはできない。

 そのための最良の一冊となることは間違いない。

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 古村治彦です。

 

 副島隆彦先生の最新刊『トランプ大統領とアメリカの真実』(日本文芸社、2016年7月)が発売となります。

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 今回の副島先生の最新刊は、先生の専門であるアメリカ政治の最新分析です。

 

 今年2016年は新しい大統領が誕生するアメリカの大統領選挙の年です。民主党はヒラリー・クリントン、共和党はドナルド・トランプがそれぞれ候補者に内定しています。現在までの各種世論調査の結果ではヒラリーがやや優勢ですが、全く予断を許さない状況です。

 

 本書をお読みいただき、今回の大統領選挙とアメリカ政治の理解を深めていただけますように、宜しくお願い申し上げます。


=====

 

はじめに──「次はトランプ」だ


「次の米大統領はトランプで決まりだ」と、私はこの2016年5月
22日に決めた。

 

私の政治分析に基づくこの予測(予言)は、この本が出る7月の初めでもまだ誰も公言できないことだ。


私の専門は、現在のアメリカ政治思想の諸流派の研究である。


「トランプが当選する」と私は誰よりも早く決心して書いた。

 

私が主宰するインターネット上のサイトである「副島隆彦の学問道場」に書いて載せた。それはなぜか?


このあと7月
18日の共和党の党大会で、ドナルド・トランプが党の候補者としての指名を獲得する。

 

そして、そのあとの11月8日の本選挙までさらに3カ月ある。


その間にトランプがどのように勝ち進むか。

 

この本を読めば、「トランプ勝利に至り着くアメリカ政治の真実」が大きくわかる。


なぜ「トランプで決まり」なのかの理由説明を次の第1章でする。

 

なぜ私が、トランプが民主党の候補者であるヒラリー・ロッダム・クリントンを打ち負かして当選勝利すると断言するか、わかるだろう。


そしてトランプが来年2017年1月
20日(と決まっている)に、アメリカ合衆国の第45代大統領に就任する。


そうなると「トランプ大統領の時代」が来年(2017年)からほぼ確実に始まる。それは世界に大きな影響を与える。

 

当然、あれこれ日本にも大きな変化が現れ、打撃を与える。その中心は、本書第4章で説明するトランプ発言の「日本からの米軍撤退」問題である。


帝国の軍隊は
70年も外国(即ち日本)に居座ったら、「もう帰ろう」で撤退するものなのである。そのとき日本はどうするか、どうなるかだ。


思い起こせば、今から8年前の2008年の米大統領選挙で、「次はオバマという黒人だ。ヒラリーは負ける」と一番乗りで予言した。

 

私はその前年(2007年)にそのことを自分の本に書いた。


これを国家情報官である佐藤優氏が評価してくれて、「副島さんが誰よりも早かったですね。次はオバマだ、と決め打ちしましたからね」と、褒めてくれた。


私にとって評論家業(言論人)は、学者と違って、これからの近未来を予測しなければいけない。

 

「これから世界はどうなる。その次はこうなる。そのとき日本はこうなる」という冷酷な予想、予言(占い)までもやらなければいけない、と確信している。


私はこのように自分が言論予言者業をやり、予言をこれまでにたくさん当ててきた。その実績を誇りに思っている。今度も当ててみせる。

 

それでも私の「次はトランプだ」、「そしてアメリカはこうなる。世界はこうなる」が果して当たるか否かは、この本の読者になってくれる皆さんが冷静に判断する。


2016年6月 副島隆彦

 

=====

 

トランプ大統領とアメリカの真実 目次


はじめに
              1


1 トランプ大統領の誕生

トランプが次の大統領に決まった    18

トランプがキッシンジャー宅を訪問したことの重大さ              18

キッシンジャーは今も超大物である              28

〝ダビデ大王〟に捨てられたヒラリー           32

トランプの凄さとアメリカ国民の熱狂           34

「私は低学歴の人たちが好きだ」発言           34

ヒラリーのものまねでアメリカ国民の空気が変わった              35

トランプは「落ちこぼれの真実」を知っている           37

リバータリアニズムの3つの原理    39


2 トランプ旋風とアメリカ大統領選の行方


泡沫候補トランプは、なぜ指名を獲得できたのか
       44

トランプ現象の始まり       44

スーパーチューズデー(3月1日)からの快進撃            49

トランプ陣営は「非エリート集団」              54

叩かれても人気が衰えないトランプ              56

ポピュリズムの嵐が吹き荒れる       59

本音をズバズバ言う正直なトランプ              61

アメリカ民衆の〝言葉狩り〟に対する反感    65

トランプを支持する共和党政治家たち           69

トランプの移民差別発言は、なぜ支持されたか           73

トランプを支持する高卒の白人たち              73

もうすぐ白人層はアメリカ全人口の半分を切る           77

ヒスパニックをもう受け入れたくないアメリカ国民    81

マルコ・ルビオの失速       83

共和党本部の抵抗              86

予定どおり勝ち上がったヒラリー    89

なぜ〝サンダース現象〟が起きたのか           89

ベンガジ事件を逃げ切ったヒラリー。しかし……       92

ヒラリー派が起こした宮廷革命       97

ヒラリーの側近フーマ・アベディン              100

ヒラリーは〝ロックフェラー家の嫁〟           103

もうトランプをつぶせない              108


3 ドナルド・トランプとは何者か


〝不動産王〟トランプの誕生
           114

トランプの資金はどれぐらいあるか              114

ドイツ系移民のトランプ    120

フェリックス・ロハティーンのニューヨーク再建       126

世界中に広がるトランプ・ブランド              129

ニューヨークとつながるフロリダ    130

〝カジノ王〟トランプの栄光と転落              134

アトランティックシティで大成功したトランプ           134

スティーブ・ウィンとの対立           136

映画『カジノ』と日本人ギャンブラー柏木昭男           142

カジノ、プロレス、裏社会とのつながり       146

1990年に最初の破産    149

トランプの盟友カール・アイカーン              151

トランプ一家が支える政界への進出              154

トランプの3人の妻           154

最初の妻イヴァーナとの離婚の泥仕合           157

娘イヴァンカがトランプの後継者    159

ニューヨーク正統派ユダヤ人社会をまとめるクシュナー家       160

1988年から大統領選への野心を見せる    164

2012年大統領選では、オバマの出生証明書問題を追及       166

ローリング・ストーンズに反撃したトランプ              167


4 アメリカのアイソレーショニストとポピュリストたち


トランプ大統領で日米同盟はどうなるか
       172

駐留米軍の撤退と日本の核保有を容認するトランプ    172

集団的自衛権の真実           180

米海兵隊はやがて沖縄からグアムへ移転する              183

日本は核武装をしてはいけない       186

駐留米軍経費と米国債       188

トランプ外交政策の基本はアイソレーショニズム       191

「アメリカ・ファースト!」という言葉の真の意味    191

チャールズ・リンドバーグの思想    198

ポピュリズム政治家トランプは、なぜ生まれたのか    204

ヒューイ・ロングと田中角栄           204

自由銀鋳造運動を唱道したウィリアム・ジェニングズ・ブライアン       209

アメリカのグローバリズムの始まり              213

ポピュリズムの嵐が荒れ狂うとき    215

反財閥を唱えたカフリン神父           218

KKKの思想の本質           219

白人保守層に支持されたジョージ・ウォーレス           223


5 リバータリアニズムとアメリカ政治思想


トランプを応援するアメリカ思想派閥
           228

アメリカの政治思想の見取り図──共和党7派と民主党4派    228

宗教右派を味方につけたトランプ    229

リバータリアニズム勢力とトランプ              234

アメリカの保守本流思想    236

ネオコンの正体はトロツカイト(トロツキー主義者)              239

リバータリアンたちが応援していた初期レーガン政権              241

今のネオコンは第3世代    244

強力な民主党ネオリベラル派           246

リバータリアン運動を乗り越えたトランプ    248

リバータリアンの資金源コーク兄弟              248

愛国右翼のジョン・バーチ協会       251

トランプとコーク兄弟の意地の張り合い       252

予備選で敗退したランド・ポール    254

2020年大統領選を狙うポール・ライアン              255

トランプに遅れてしまったリバータリアン運動           258


6 ヒラリーなら第3次世界大戦になる


サンダース現象から見えてくる大きな戦争
    262

〝大きな戦争〟への下層白人たちの危機感    262

女たちは息子や恋人が戦場に送られると感じている    265

米大統領選の裏側に貼りつく真実    266

アメリカと中東問題の闇    268

軍人たちはネオコンが大嫌い           268

IS(イスラム国)にどう立ち向かうか       270

ヒラリーが大統領になったら           274

トランプ大統領はフォートノックス基地に乗り込む    274

アメリカが抱える大借金    277

戦争を起こして帳簿を焼き尽くす    279

おわりに              281

トランプ大統領選挙日々の記録   110

ドナルド・トランプの人生の軌跡    284

 

=====

 

おわりに


果して私の予測(予言)どおりにトランプが勝って、トランプ米新大統領が来年誕生するか。


これは私にとっても賭けである。

 

思い出せば、私はこれまでに20ぐらいの言論の賭けをやってきた。あまり外れたとは思わない。今度も当ててみせる。
 

私は自分のドナルド・トランプ本を書き上げたが、トランプについて、1つだけ気になることがある。それは何か。

 

私がトランプの演説とテレビ・インタヴューをインターネットを通して見ていて思うのだが。トランプの表情をじっと見ていると、彼が時々、ペロッと舌を出すことがある。いや、ペロッという感じで、自分の干いた唇を舐める感じで舌を出す。


どうもあの感じには、何か一瞬いやな気になる。あのトランプのペロッと舌が出る感じは、トカゲかヘビか、ワニの舌の感じだ。

 

私はこうやって何でも食べてしまうゾー。また獲物をペロリと食べちゃった、という感じである。

これは相当に気持ちの悪いものであって、私はトランプという希代の交渉ごとと駆け引きの天才で、アメリカ大統領にまで成り上がろうという人物の独特の仕草を映像で見ていてゾクッとした。

 

私はトランプが嫌いでない。好きである。私はアメリカ人のこの自力で這い上がった大実業家のドナルド・トランプという男と、遠く日本にいる自分が同時代人(コンテンポラリー・マン)として同じ時代を生きたことを嬉しく思う。

 

私は日本のトランプになりたかった。だが私にはあれだけの才能はない。私には自力で金持ちになる才能もなかった。

 

今やますます貧乏国になりつつある日本で、しょんぼりと生きていくしかない(コラ、トランプ。日本がこんなに貧乏なのはアメリカのせいもあるんだぞ)。


トランプが大統領になっている来年からあとも、私は日本にいて日本語で「私のトランプ大統領本」を次々と書いていけそうである。

 

しめしめである。


この本を書くと決めたのは、3月
22日であった。

 

それから、日本文芸社の水波康編集長とグラマラス・ヒッピーズの山根裕之氏にどれだけの迷惑をかけたことであったか。


「類似本、競争本に負けないだけの良い本が出来なかったら、私は怒り狂うからな」と訳のわからない怒鳴り声を何度、
おふたりに上げたことか。


ここまで来ると恥入るばかりだ。

 

その結果、神経を集中してかなり上等の本が出来たと自負している。記しておふたりに感謝します。


2016年6月 副島隆彦 

 

(終わり)
 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 

 今回は、2015年5月27日に発売となりました『崩れゆく世界 生き延びる知恵 国家と権力のウソに騙されない21世紀の読み解き方』(副島隆彦・佐藤優著、日本文芸社、2015年)を読みましたので、感想などを書きたいと思います。

 
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 このブログでも目次などは既にご紹介しました。著者2人が話している内容は多岐にわたります。安倍政権、イスラム国、ロシア、アメリカ、ピケティの『新・資本論』などについてです。読者は自分が興味や関心を持つ部分から読んでも良いかと思います。そこには、時間と空間を自由に行き来できる知識人が提供する極上の「世界の見方」が溢れています。

 

 私は本書の特徴を「アナロジー(analogy、類推)」だと考えます。このことは、佐藤優氏が前書きで書いています。アナロジーというのは、あることを理解するために、過去に起きた、似たようなことと比較することです。私が勉強した国際関係論(International Relations)でも良く使われる手法です。国際関係論の有名なアナロジーとしては「朝鮮戦争とヴェトナム戦争のアナロジー」というものがあります。

 

 しかし、このアナロジーはあることを理解しやすくしてくれる面はあるのですが、中途半端なアナロジーをすると害があるというマイナスもあります。私がアメリカ留学中に、アメリカのイラク侵攻がありました。この時、威勢の良い右翼系、ネオコン系メディアは、「この戦争はうまくいく、イラクは1945年以降の日本のようになるのだ。日本のようにアメリカと敵対していた非民主国家が民主国家となるのだ」と喧伝していました。しかし、実際にはうまくいきませんでした。

 

 このアナロジーを使いこなすためには多くの知識と要点や重要な要素を掴む眼力が必要です。これは生半の修行では身につきません。中途半端にやると怪我をする、俗諺に「生兵法は怪我のもと」とありますが、まさにそうなってしまうのです。

 

 著者2人の日本の戦後の過激な学生運動の知識、そこから生み出されたのが「イスラム国は過激派、特に革マル派のようなものだ」というアナロジーは驚かされるばかりの破壊力(人に一瞬にして理解させる力)を持ちます。

 

 この本のサブタイトルは「国家と権力のウソに騙されない21世紀の読み解き方」です。私は、読者がアナロジーの力を手に入れ、「待てよ、今政府がやろうとしていることは昔のあれと同じじゃないか」「今の状況はあの時とよく似ている」と考えることがこのサブタイトルの答えではないかと思います。このようにアナロジーを使って考えれば、「次に来ること」の見当が付けやすくなります。それが完全に当たらなくても、「身構え、準備する」ことが出来るだけも違います。

 

 この本をぜひ多くの方々にお読みいただきたいと思います。

 

※2015年5月31日に開催される副島隆彦を囲む会主催の講演会「副島隆彦が、今の重要な事を洗いざらい語ります」の会場でも本書『崩れゆく世界 生き延びる知恵』が発売される予定です。

 

※講演会の申し込みは、こちらからどうぞ。

 

(終わり)








 
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