古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:日本維新の会

  小池百合子東京都知事が公務でパリを訪問し帰国後に、希望の党の両院議員懇談会が開催されました。その場では今回の総選挙で当選した議員たちから小池氏の責任を問う声や代表辞任を求める声が出ました。そのほとんどが民進党出身の議員たちですから、「民進党の時もそうだったが、何かあると人のせいにする」というような批判が出ています。

 

 民進党出身者からすれば、民進党の看板では戦えないから、小池氏の人気に便乗して、民進党所属議員全員で出馬して頑張る、ということになっていたのに、それがご破算になってしまい、また、小池氏という数年前まで自民党の幹部議員として民進攻撃をし、自分たちは反対した実質改憲の安保法制を推進してきた人の下で戦うという苦渋の選択をしたのに、頼みの小池さんの人気が落ちてしまい、逆風まで吹くことになってしまった、ということで恨み言の一つでも言いたくなる気持ちは分かります。落選者はもっと言いたいことがあるでしょう。民進出身で当選してきた人たちはもともと地力があって、民進の看板でも当選できた可能性がある人たちが多いですから、「希望の党とは何だったのか」ということになります。

 

 そもそも今回の総選挙では、野党共闘で戦う準備が進められていました。その軍師は、自由党の小沢一郎共同代表でした。小沢一郎氏は、共産党も含めた野党共闘で安倍一強状態を打破するという「オリーブの木」構想を練りました。新潟では小沢氏に近い森裕子参議院議員をはじめ多くの方々が努力し、野党共闘が実現し、「新潟サプライズ」とも言うべき、野党側の勝利、自公側の敗北という結果が出ました。これが全国に拡大していれば、一強状態を崩すことは可能であったと思います。朝日新聞の報道では、野党共闘ができていれば約60の選挙区で結果が野党勝利になっていたという結果が出ています。しかし、野党共闘についていえば、希望の党が出てきたために、ご破算となりました。希望の党に関しては、小沢一郎氏も絡んでいたということでしたが、小沢氏が絡んでいて、こんな稚拙なことをするだろうか、野党共闘を崩すようなことをするだろうかと私はずっと疑問に思っています。民進党の前職を受け入れて立ち上げるところまでは話ができていたのに、それ以降、小池氏が出馬をして首相になるかどうかの決断を遅らせ、受け入れの民進前職の数を減らし、自由党系の人たちを冷遇、切り捨てた頃には、既に小沢氏は排除されていたのではないかと思います。

 

 これは私の勝手な考えですから笑って聞き流していただきたいのですが、小池氏は自公と野党側と両天秤をかけて、「どちらがより自分に有利な条件を出してくれるのか」ということを測っていたのではないかと思います。9月末の時点で敗北必至であった自公側は、野党分断という戦術の有効性を熟知していますから、小池氏にかなりいろいろな誘いをかけたと思います。「今のままなら小池さんが希望の党を率いて出てきたら、大勢力になる。そこで、安倍さんの改憲に協力してくれたら、ポスト安倍はあなたですよ。だけどそのためには民進党全員はまずいでしょうね。今ならずぶの素人新人でもあなたの勢いで通りますよ」くらいのことを言われてそれに乗ってしまったんでしょう。しかし、結局、失敗した、自公の口車に乗せられて失敗した、ということではないかと思います。これは私の想像ですから、「馬鹿な話だ」と笑って捨ててくださって構いません。

 

 こう書いては何ですが、各小選挙区でだいたい2万票あると言われている公明票を自民党が利用して勝利している、それならば、野党側は、多くいところで2万票、少なくとも1万票ある共産党の支持票を使わせてもらって、何とか自公に競り勝ちたい、これまでは非共産の野党と共産が協力してこなかったが、この枠組みが作れたら、自公に迫れるのではないかということだと思います。その成果はあったと思います。野党共闘は機能するということが証明されたと思います。

 

 しかし、希望の党を立ち上げた元民進メンバーたちは共産党との共闘に懐疑的、民進党の前原誠司代表も共産党となんか組めるか、という考えでした。今回の総選挙後、テレビに出た細野豪志氏や前原氏は共産党批判を展開しました。希望の党が野党共闘の枠組みを吹き飛ばして、いきなり野党第一党になろうとしたということです。しかも代表に小池百合子東京都知事を担いで、です。小池氏は2015年の安保法制、実質改憲の時は自民党所属の衆議院議員で、安保法制を推進した人物です。また、改憲に関しては安倍首相と同じ考えの人です。その人を支持するということは、実質改憲である安保法制に賛成し、この法律に合わせた憲法改悪に賛成するということになります。

 

 最近の世論調査を見ても、安倍首相が主張している改憲案に対して、賛成反対が拮抗しつつ、やや反対が多いという結果が出ています。そうなると、小池氏は改憲については安倍首相と考えが同じで協力できると述べているのですから、小池氏に対して反対する有権者の数は多くなります。確かに「排除」や「サラサラ」などの言葉や、小池氏のヘラヘラした態度が人々の反感を買ったということはあるでしょうが、これらだけが希望の党に逆風が吹いた理由ではなく、小池氏のこれまでの主張を人々が見聞きして、危険だ、安倍さんと一緒だということを認識したことも大きな理由となったと私は考えます。

 

 候補者がサインした政策協定書には、「2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること」と言った文言が見られます。第2条に関しては、「憲法違反である可能性がある安保法制を廃止も含めて見直す」野田から民進党と変わらない、ということになっています。しかし、民進党は「安保法制は憲法違反だ」と述べて反対したと思います。違憲の法律を「憲法にのっとり運用」するということができるのでしょうか。また、第4条の「憲法改正を支持し」とありますが、これはどういうことでしょうか。誰が主張する内容の憲法改正を支持するのでしょうか?小池氏は安倍首相と会見に関しては考えが同じですから、これについては、「小池氏が主張する、安倍首相と同じ内容の憲法改正の内容を支持する」と考えるのが自然です。これは民進党と同じことなのでしょうか。民進党は安倍晋三首相の下での会見は反対ではなかったでしょうか?

 政策協定書の文言については、小池氏と民進出身者両方が合意できる内容になっている、ということですが、そもそも、安倍氏の改憲と同じ考えで、かつ実質改憲である安保法制に賛成した小池氏と、それらに反対した民進党出身の人々との間で「合意」できる内容の文書というのは、「こうも読める、ああも読める」という霞が関文学のようなものです。頭の良い官僚や法曹関係出身の民進系の人が、ナイフのように切れ味鋭い頭脳で、「こうも読めるから民進党の時と同じ内容です」と言ったところで、「それじゃ、小池さんは考えを変えて民進党の政策を支持することになったんですか?」ということになります。「憲法改正を支持し」という文言で人質に取られても、「いやこれは決して憲法を変えることを意味しない」と言うでしょう。そういうところが有権者の支持を失った理由であると思います。

 

 希望の党に関しては、小池氏が後ろに下がって、民進党右派の人々が国会では主導権を握ることになるでしょうし、安保法制や改憲については小池氏よりも慎重な姿勢を取ると思います。そうなれば、より積極的な野党連携も可能であると思います。また、これから、日本の各政党がどのように動くかをこれからしっかりと見ていかねばならないと思います。

 

 これから、各政党、各政治家がどのように行動するかを自分ができる範囲で監視することが重要です。安倍一強状態を作り出したのは野党に責任がありますが、同時に私たち有権者にも責任があります。製造責任というか、そういうものがあると思います。

 

 衆議院は解散がありますが、参議院は3年おきに選挙があります。次は2019年です。国政に自分の考えを反映させるには次の2019年ということになります。長いようで短いものです。ですから、この時まで何が起きているか、何が自分の考えと違うかということを考えておくと、次の機会に投票しやすくなります。

 

「俺が投票に行くくらいに政治に関心を持たせろ(俺は投票に行っていない)」という芸能人がいました。彼は逆説的に政治に関心を持ってもらおうとしているのだという解釈をする人もいました。そうかもしれませんが、投票に行っていないということは実質的には与党支持、自公支持であることを述べていることと同じです。投票しないで野党支持ということはできないので、それだけでも与党に有利です。「持たせろ」という言葉は、お客様、消費者様の目線があります。「お客様は神様だろ、だから無理なことをしろ」と言っているのと同じです。デモクラシーにはお客様は想定されていません。政治家になろうとする人もそうではない有権者も参加者です。

 

 お客様の立ち位置を取ることで、自分が決めたくない、責任を取りたくないという気持ちがあるのだろうと思います。「お客様デモクラシー」になれば政治家は喜ぶでしょう。「お客様は何もしなくて結構ですよ、私たちでやりますから」ということになって、監視がなくなってやりたい放題、それでも選挙には通って議員の地位を確保できるということになります。そうなればお客様が一番損をするということになります。

 

 デモクラシーとはかくも難しい制度なのかということを改めて認識しています。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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 古村治彦です。

 

 2017年10月22日の投開票日まであとわずかとなってきました。現在のところ、自公連立政権が勝利する、ということになりそうですが、まだ分かりません。そもそも自公連立政権の勝利とは何か、ということになりますが、だいぶトーンが楽観的になっているようです。安倍氏の側近である萩生田光一幹事長代行の発言を見ると、9月末の段階では、大量に議席を失っても過半数であれば、「勝利」だと言っていました。下に掲載した新聞記事をご覧ください

 

(貼り付けはじめ)

 

●「勝敗ライン「自公過半数」=萩生田氏」

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092400282&g=pol

 

 自民党の萩生田光一幹事長代行は24日のNHK番組で、次期衆院選の勝敗ラインについて、「自民、公明両党で過半数をしっかり超えていく」と述べた。自公両党は現在、衆院で3分の2を超える議席を占めている。

 この後、萩生田氏は東京都内で記者団に「今これだけの勢力を持って国民の負託をいただいているのに大きく減っていいとは毛頭考えていない。全員当選に向けて努力する」とも語った。(2017/09/24-12:49

 

(貼り付け終わり)

 

 しかし、このような弱気な発言は選挙情勢の好転で引っ込んでしまいました。下に張り付けた記事にあるように、「絶対安定多数が勝敗ライン」ということになりました。これは衆議院で261議席を獲得するということを意味します。過半数は233ですから、弱気の時に比べて30以上上積みした数字です。本当はもっと獲得できるが、用心して低めにラインを設定して、それでも261議席以上ということにしているのでしょう。絶対安定多数とは、国会の各委員会で自公が委員長を全て取って、なおかつ委員の数が過半数になる状態です。

 

「与党で絶対安定多数」が目標=自民幹部【17衆院選】

10/17() 0:11配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000000-jij-pol

 

 自民党の萩生田光一幹事長代行は16日のBS日テレの番組で、衆院選の目標議席について「絶対安定多数は欲しいのが正直なところだ」と述べ、自民、公明の与党で261議席の確保を目指す考えを示した。絶対安定多数は常任委員長ポストを占め、かつ委員数でも野党を上回る議席数。安倍晋三首相は、与党で過半数(233議席)を勝敗ラインに掲げている。

 

(貼り付け終わり)

 

 安倍首相が続投ということになると、自民党と公明党は9条改憲を本格的に始動させることになるようです。今回の総選挙で、憲法改正云々を最大の争点にせず、消費税増税と北朝鮮問題を強調してきたはずですが、自民党と公明党は9条改憲を狙っています。選挙で強調しなかった部分を、「選挙で勝利したから」という理由で強引に推し進めてくる、いつものやり方です。しかも、選挙で勝てそうだからとコソコソと話を出してくるというのは、責任ある与党のやり方とは思えません。火事場泥棒そのものです。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「自民「9条改正」案、秋に提示か 衆院選の堅調報道受け」

 

10/17() 7:45配信 朝日新聞デジタル

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171017-00000008-asahi-pol

 

 自民、公明両党で300議席をうかがう――朝日新聞をはじめ報道各社が実施した衆院選の情勢調査結果が出た。自民党内では結果を受け、秋に臨時国会を召集し、党として憲法9条の改正原案を示す案が早くも浮上。安倍晋三首相も選挙後の改憲議論を見据え、布石を打ち始めた。

 

 情勢調査で自民党の堅調ぶりが伝わって以降、党憲法改正推進本部の幹部の間では、選挙後に首相指名を行う特別国会の閉幕後、改めて臨時国会を召集し、自民党の9条改正原案を示す案が浮上。幹部の一人は「我々の考え方、議論の方向性を示せるかどうかだ」と語る。

 

 安倍首相は憲法改正について、街頭演説でほとんど触れていない。だが、今回は自らが提案した「自衛隊明記」など改憲4項目を公約に盛り込み、テレビ出演では自衛隊を明記することについて党内の意見は「まとまっている」と強調。衆院選公示翌日には、テレビ番組で自民党の高村正彦副総裁について、「任期の間は務めてもらう」と表明した。衆院選に立候補しなかった高村氏を来年9月の任期まで引き続き副総裁として遇し、改憲に向けた党内外の調整役として、議論を加速させる考えだ。

 

 これに対し、公明党の山口那津男代表は「国民の理解の成熟がなければ、発議して信を問うのは時期尚早になる」と慎重姿勢だ。希望の党の小池百合子代表も首相提案に基づく自衛隊明記は「大いに疑問がある」としている。立憲民主党や共産党、社民党は首相提案を批判しており、各党の獲得議席によって、9条改正をめぐる議論の展開は大きく変わる可能性がある。

 

(貼り付け終わり)

 

 情けないことには、下の記事にありますように、憲法9条の変更に関して、安倍首相は、「安保法制ができたからアメリカがせっつかなくなったので、必要ないのですよ」と政治ジャーナリストの田原総一朗氏に語ったということです。そもそも安倍首相の改憲論はアメリカからせっつかれてのことで、彼には何の教示も考えもないことを示しています。改憲派の人々は以下の記事を読んでもまだ安倍首相のような情けない人物が日本のリーダーたるべきと考えるのでしょうか。正々堂々と主張し、虚心坦懐に話し合い、真摯な姿勢で人々に語り掛け納得してもらう、これがリーダーだと思いますが、安倍首相にはこれらの要素は一切ないと断言したいと思います。このようなリーダーは日本の憲政史上でも稀な存在であると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「争点・衆院選2017/1(その2止) 9条か、他のテーマか 安倍改憲、狙いは変転 選挙結果でリセットも」

 

毎日新聞20171012日 東京朝刊

http://mainichi.jp/senkyo/articles/20171012/ddm/003/010/039000c

 

 「いよいよ憲法改正ですね」。昨年8月31日、首相官邸の首相執務室で安倍晋三首相と向き合ったジャーナリストの田原総一朗氏が水を向けた。その1カ月前の参院選で自民党は圧勝し、与党に日本維新の会などを加えた改憲勢力が衆参両院で改憲発議に必要な3分の2を超えていた。

 

 宿願の改憲へ環境が整ったはずなのに、首相からは意外な言葉が返ってきた。

 

 「大きな声では言えませんが、改憲する必要はなくなったんです」。首相が言うには、従来の米国は「集団的自衛権を日本が行使できないから日米同盟がうまくいかない」と不満を示していた。だが、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法が2015年9月に成立したことで「決めたら米国は何も言わなくなった。満足したんだ」。

 

 首相の改憲論の源流は祖父で元首相の岸信介にあるとされる。岸は1960年の日米安全保障条約改定の際に首相を辞任した。晩年の岸に二十数回インタビューした原彬久東京国際大名誉教授は「岸は、改憲で集団的自衛権(の行使)を認めてから、真の意味での相互防衛条約になる日米安保改定をもう一度やりたかった。それが岸が目指した真の独立だ」と話す。

 

 安保条約改定には至っていないが、日米防衛指針(ガイドライン)改定や安保法などにより在日米軍と自衛隊の役割分担は進んでいる。祖父の目標に近づいた首相だが、改憲をあきらめたわけではなかった。

 

 首相は田原氏に次の一手を明かした。「憲法学者の7割近くが『自衛隊は違憲』と言っている。だから9条に自衛隊を認める言葉を入れたらどうかと思う」。首相は今年5月3日、この自衛隊明記案を提起した。

 

 自民党が12年にまとめた憲法改正草案は、憲法9条2項(戦力不保持)を削除して「国防軍」の保持を盛り込む内容で、2項削除を支持する側には首相提案への反発も根強い。

 

 首相は5月22日夜、3人の国際政治学者を首相公邸に招き、フランス料理とワインでもてなした。その席で三浦瑠麗東京大政策ビジョン研究センター講師が「私たちの世代の責任として9条2項は削除すべきだ」と主張したが、首相は「公明党を通らない。不可能だ」と取り合わなかった。

 

 公明党は過去に、憲法9条1項(戦争放棄)と2項を堅持したうえで自衛隊の存在を書き加える「加憲」を主張したことがある。首相はこれなら公明党の理解を得られると考えたが、公明党は安保法の制定によって「9条加憲の必要はなくなった」とのスタンスだ。

 

 押しつけ憲法観で首相と通じる希望の党の小池百合子代表も「大いに疑問がある」と対決姿勢をとる。ただ、同党は候補者に対し、報道各社のアンケートで「自衛隊の役割を明記する9条改正」について聞かれたら「賛成」と答えるよう指導している。9条加憲に協力する余地もありそうだ。

 

 安倍首相が政権に返り咲いて最初に掲げた改憲項目は、改憲発議の要件を衆参両院の過半数に引き下げる96条改正だった。それが批判を浴びると、大規模災害や有事の特例を定める緊急事態条項に移り、最近は教育無償化と9条加憲だ。その都度、維新や公明党に秋波を送ってきたが、発議できる見通しは立たない。

 

 集団的自衛権の行使容認という祖父から引き継いだ念願の一部を達成した今、首相の頭にあるのは「現行憲法初の改正」という実績づくりなのかもしれない。

 

 「安倍改憲」に反対してきた民進党が事実上解党し、憲法改正に積極的な希望の党が誕生したことにより、衆院選後は改憲論議の加速も予想される。選挙結果次第では9条論議がリセットされ、希望の党などが主張するテーマに論点が移る可能性もある。【野口武則】

 

 希望の党の小池百合子代表は政界入りの理由を「湾岸戦争の頃の国会の動きをキャスターとして伝えながら、これはアカンと。憲法改正の必要性を痛感したから」(2013年、保守系雑誌のインタビュー)と語る。本来は自民党憲法改正草案に近い9条改正の立場とみられるが、今回の衆院選では「9条に絞って議論すると、それだけで時間が費やされる」とこだわらない。

 

 希望の党の衆院選公約には知る権利、地方自治の分権に加え、「原発ゼロ」の憲法明記や1院制による議員定数削減まで盛り込まれ、検討テーマは多様だ。

 

 自民党は「自衛隊の明記、教育無償化・充実強化、緊急事態対応、参院の合区解消」の4項目を公約に明記し、「初めての憲法改正を目指す」とした。ただ、自衛隊の明記などには党内に異論もあり、「党内外の十分な議論を踏まえ」との条件を付けている。

 

 公明党は自衛隊明記について「理解できないわけではないが、多くの国民は憲法違反の存在とは考えていない」と否定的な見解を公約の末尾に特記した。

 

 日本維新の会は「教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置」が3本柱。公約には「国民の生命・財産を守るための9条改正」も記した。安倍晋三首相との一致点を探ることも可能な書きぶりの一方、幅広いテーマで希望の党と連携することもできそうだ。

 

 立憲民主党は公約に「安保法制を前提とした9条改悪に反対」と明記したうえで「解散権の制約や知る権利などの憲法論議を進める」とした。同党の枝野幸男代表は今回の衆院解散を批判し、「首相が自由に議会を解散できるのは先進国では少数派だ」として解散権の制約を主張する。

 

 共産、社民両党は改憲自体に反対している。

 

(貼り付け終わり)

 

 今回の選挙で奇妙なことは、選挙では自公が勝利をおさめそうですが、安倍氏の続投を望む雰囲気でないということです。以下の新聞記事にありますように、安倍氏続投を望まない人が約半数で臨む人々よりも多いという世論調査の結果が出ています。安倍政権の支持率は、森友学園小学校・加計学園岡山理科大学獣医学部問題で、大きく低下しています。自民党・安倍内閣としては、野党にごたごたを「起こさせて」、漁夫の利で、選挙で「勝利して」、「スキャンダルを国民は重要視していない、安倍内閣は信任されたのだ、首相は続投だ」ということにしたいのでしょう。この点で、小池氏と前原氏の希望の党創設と民進党の「排除されながらの」一部合流という茶番は自公連立政権を利するものとなります。

 

 私は小沢一郎代議士と前原誠司代議士は「小異を捨てて大同につく」ということで、野党再編の計画を立てて、それに人気のあった小池百合子都知事を巻き込もうとしたのだろうと思います。小池氏の人気を利用しようとしたのだろうと思います。小池氏側はただ利用されるほどのお人よしではないでしょうから、2人の誘いを受けて、国政における勢力を一気に増やして、あわよくば首相を目指す、ということを考えたと思います。そこで、自分とは考えが合わない民進議員の一部を切り捨て、その分を希望の党プロパーで埋め合わせて、150議席から200議席を獲得して、首相を目指すということになったと思います。こうして、主に前原氏が小池氏と交渉したのだと思いますが、前原氏が手玉に取られてしまって、計画は崩壊してしまったのだろうと思います。

 

 いまや立憲民主党が支持率で希望の党を抜いたという話も出ています。話は変わりますが、安倍首相が関西で阪神タイガースの名前を演説の中で出して、「私はここにいる間は阪神ファンだ。阪神は負けても名前を変えない」と発言したことについて、タイガースファンである私としては強烈な違和感を覚えました。関西にいるときだけタイガースファンだ、などと言って喜ぶ人が多いとは思えません。そして、タイガースの歴史を自身の知識として振り返って、あることに思い至りました。このことについては安倍首相に感謝しています。

 

 日本プロ野球が2リーグ分立する際に、タイガースは、パシフィックリーグの毎日オリオンズに選手を大量に引き抜かれました。別当薫や土井垣武といった強力打線を支えたスター選手が高額の年俸にも誘われて、ティームを離脱しました。ダイナマイト打線とまで評されたタイガースは瓦解してしまいました。しかし、初代ミスタータイガース(闘将・景浦將を初代とすれば二代目)、藤村富美男はタイガースに残りました。そして、戦力低下したティームを鼓舞し、強力巨人に立ち向かい、ホームランを量産しました。タイガースファンは、藤村を讃えました。その中には、上岡龍太郎少年もいました。私は上岡龍太郎がこの時のことを語り、「藤村は男だと思った」と語ったシーンをテレビで見て、少年タイガースファンとして、感動したことを覚えています。私は今回の野党のごたごたの中で、藤村となったのは立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代議士だと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「毎日新聞調査:「安倍首相続投望まず」47%」

 

20171016 235分 毎日新聞

http://news.livedoor.com/article/detail/13752483/

 

 毎日新聞が13~15日に実施した特別世論調査で、衆院選後も安倍晋三首相が首相を続けた方がよいと思うかを聞いたところ、「よいとは思わない」が47%で、「よいと思う」の37%を上回った。

 

 今回の情勢調査で自民党は300議席を超える可能性があるという結果が出たが、首相の人気とは必ずしも合致していない。

 

 安倍首相の続投を「よいとは思わない」は立憲民主支持層で89%、希望支持層で80%、共産支持層で88%に上った。「支持政党はない」と答えた無党派層でも「よいとは思わない」(59%)が「よいと思う」(25%)を大きく上回った。

 

 逆に自民支持層では「よいと思う」が76%に達した。公明支持層も57%が続投を望んでおり、与党支持層と野党支持層で結果が分かれた。

 

 「よいとは思わない」と答えた人の比例代表の投票先は、立憲民主党が26%で最も多く、希望の党20%▽共産党11%--などとなった。首相に批判的な層の投票先が野党各党に分散していることがうかがえる。自民党も12%あった。

 

 一方、「よいと思う」と答えた人の61%は自民党を挙げた。

 

 主な政党支持率は、自民29%▽立憲10%▽希望9%▽公明5%▽共産4%▽維新3%▽社民1%--など。無党派層は28%だった。

 

 無党派層の比例代表の投票先は、自民16%、立憲15%、希望11%の順になった。【吉永康朗】

 

調査の方法

 

 13~15日の3日間、全国289小選挙区ごとにコンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法を使いJNNと協力して実施した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。全国の有権者7万3087人から回答を得た。

 

(貼り付け終わり)

 

 安倍首相の続投を望まないが、自公が選挙で勝利する、ということになるのはおかしいようにも思いますが、日本は議院内閣制であって、大統領制ではないので、国民が安倍首相の続投を望まなくても、彼に不信任の投票をすることはできません。あくまで自分の住む小選挙区の候補者に一票、比例に一票ということになります。

 

 安倍首相を支持し、自民党を支持するならば、投票は簡単で、小選挙区で自民党もしくは公明党の候補者に、比例でも同じように自民党か公明党に入れれば済みます。しかし、自民党は支持するが、安倍首相の続投は望まないという場合は難しくなります。この場合には小選挙区では自公の候補者に入れて、比例で別の党、できれば、立憲民主か共産党、もしくは社民党に入れるべきではないかと考えます。自民党が議席を伸ばせばそれは安倍首相続投ということになります。自民党支持だけど安倍首相続投は困るという方は、このように比例で自公以外の政党に入れると、自公の議席の伸びを抑制することができます。そうすれば、安倍首相の続投に対して反対の意思表示となりますし、うまくいけば、議席が伸びずに、安倍首相の責任論ということになります。

 

 自公以外の支持者の方は、今回は野党が分立して難しい選択を迫られることになりました。自民党に近い考えの希望の党や日本維新の会を支持する方はそれぞれに投票されればよいかと思います。ただ、現在、どちらの党も勢いが振るわないという世論調査の結果も出ています。希望の党では、結局、選挙区を変えなかった民進党に所属していた前職が自力で当選することがほとんどで、希望の党プロパーの候補者たちは厳しいと思われます。それでもそれぞれの小選挙区における候補者の方の考えや個性を考えて、是々非々で投票されることになるのではないかと思います。しかし、小池百合子都知事の考えが全て通るようなことはもう起きないでしょうし、神通力と幻想がなくなった小池氏に対しては強烈な巻き返しもあるでしょうから、希望の党は選挙後に瓦解することもあると思います。そこを視野に入れての投票行動をお願いしたいと思います。

 

 もともとの野党共闘の枠組みに近い、立憲民主、共産、社民の支持者の方は、小選挙区のこれらの党の候補者がいる場合にはその候補者に、比例でもこの中のいずれかの党に投票されることになるでしょう。その場合には、共産党に入れることで、共産党の共闘に対する貢献に報いることができるでしょう。私は比例では社民党に投票することを考えています。小選挙区には立憲民主の候補者がいるのでこの人物に投票します。立憲民主、共産、社民の共闘野党が大きく勢力を伸ばせるよう、投票してくださるようにお願い申し上げます。

 

 

 今週末の日本列島には台風が近づき、全国的に雨模様だということです。そうなると投票率が低下してしまいます。今回の選挙もまた大変重要ですから、お天気とお時間が許す方はぜひ期日前投票をご利用になるようにお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「期日前投票者数が、過去最高に。どうしてこんなに増えた?」

 

5日間で4107108人。有権者の3.86%にあたる人が期日前投票をしました。

 

20171017 0924 JST | 更新 20171017 0924 JST

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/16/early-voting_a_23245370/

 

朝日新聞社提供

 

 総務省は16日、衆院選の期日前投票(小選挙区)について、公示翌日の11日から15日までの5日間の中間状況を発表した。投票者は410万7108人で、有権者(9日時点)の3・86%にあたる。投票者、割合ともに、衆院選で期日前投票が導入された2005年以降で最も高かった。

 

 期日前投票の期間は、公示翌日から原則として投票日前日の午後8時まで。開始5日間の状況は、前回の14年衆院選と比べて投票者で約140万7千人増、有権者に占める割合で1・26ポイント増となっている。

 

 すべての都道府県で投票者が増えた。増加率が最も大きかったのは福井県の2・37倍で、新潟、島根、岐阜、茨城の4県でも2倍を超えた。同省は「制度が浸透してきたのに加え、駅前や商業施設など人が集まりやすい場所に期日前投票所が設置されたことが要因」とみている。

 

(朝日新聞デジタル 20171016 2040)

 

(貼り付け終わり)

 

 最後に、私はどなたがどの政党、どの候補者に投票されてもそれを罵倒したり、馬鹿にしたりはしません。投票されるという行為自体が民主政治体制(デモクラシー)を支える最も重要な要素であって、参政権を行使されたことで、民主国家・日本を構成されるにふさわしい方だと思うからです。それぞれが判断されたことですから、それを罵倒したり、馬鹿にしたりは私にはできません。

 

 国民の多くが安倍首相の続投に反対している状況で、自公連立政権が勝利するということは、非常に奇妙なことですが、政治制度と選挙制度を考えるとこのようなことが起きるのだろうと思います。ですから、私たちは、自分たちの意思をよりダイレクトに反映させるために、戦略的な投票をする、そのために考えなければならないということになります。一人ひとりが考えて投票することが日本のデモクラシーを発展させることになると考えます。

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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古村治彦です。

今回の総選挙について、現在の時点での結果予想が出ました。自公が堅調、希望不振、立憲民主に勢いというところです。

 

自公は公示前の勢力が325議席でしたから、300議席をうかがう勢いとなると、290議席台ということになります。減少する議席数は30から35ほどということになります。公明はいつも手堅いので、そんなに大きな増減はないでしょうから、自公枠組みでの結果は、自民党の結果が大きく左右します。

 

先週は、自公連立が過半数割れ、公明党が自民党から離れて希望の党と連立を組むという話も出ていました。そのシナリオを書いているのが、小沢一郎代議士だという話もまことにしやかに話されていました。しかし、小沢氏は希望の党の結党について、話を聞いて、「これなら反安倍の議員を当選させることができる」と思ったが、それ以上はかかわっていないのではないかと私は考えます。前原誠司・民主党代表はもっと深くかかわり、希望の党結党メンバーの元民進党議員たちに騙されてしまったのではないかと考えます。希望の党と民進党の混乱については、選挙後に関係者が虚心坦懐に証言をすることが日本政治のためであると考えます。

 

希望の党は現有勢力からあまり伸びがないという予想結果が出ています。先週の予想結果では100議席という予想が複数のメディアで出ていました。それが60前後ということになるという厳しい結果が出ました。希望の党が立憲民主党と共倒れをするような立候補者の立て方をしたことがやはり大きいと思います。また、比例で希望に入れた場合に、好ましくない人物が議員になってしまうという警戒感も大きいと思います。新党でこれだけ風が吹かない新党も珍しいです。2014年の日本未来の党を思い出します。今の状況では、希望の党は、自民党をアシストするために結成されたということ以上の役割を今回の選挙で果たせないということになります。

 

立憲民主党は倍増ということですが、元が小さい政党ですから、増えても30台ということだと言われています。これからの更なる伸びが期待できると思いますが、30台後半から40に近づけることもできると思います。

 

共産党は野党共闘の枠組みを尊重して、候補者調整に一番貢献があったわけですから、やはり比例でいつもは共産党以外に入れている人たちに向けて、一種の抵抗感、躊躇をなくすようにできれば、これから更なる上積みが期待できると思います。

 

日本維新の会は大阪でもだいぶ苦戦しているようだという話を聞きました。小選挙区で希望の党の立候補者がいないにもかかわらず苦戦となると、現有維持から微増が精いっぱいのところでしょう。関東では好ましくない人物が比例で当選してしまうことのないようにしてもらいたいと願うばかりです。国会にこれ以上、品位を落とす暴言議員は必要ありません。維新は自民や希望との差別化がうまくいっていないのではないかと思います。社民党は小選挙区1、比例1を何とか確保したいところです。

 

希望の党で当選してくる人たちのほとんどは、民進党の前職だった人たちでしょう。彼らについては、やはりこれからも希望の党でやっていくのかどうか、をよく考えてもらいたいと思います。現在、希望の党で出ていることは決してプラス要因ではないのですから、それで小選挙区で勝ち抜いてきた人たちは、希望の党に対していろいろと注文を付けることができるし、場合によっては離党することだって考えられるでしょう。

 

今回、安倍首相に退陣してもらう機会でもあるわけですから、自民党の議席を大幅に減らすことが重要ですが、問題は希望の党がそれを促進しているどころか、邪魔をしているということです。安倍首相に退陣してもらいたい人たちは、それぞれの選挙区の立候補者をよく見て、どのような選択が安倍首相退陣につながるのかということを考えつつ、安倍氏のエピゴーネンになるような人たちは国会に出さないという、アクロバティックな方法を考えねばなりません。しかし、それは意外に難しいことではないと思います。

 

また、選挙は最後の最後まで分からないと言いますし、勝ち馬に乗る「バンドワゴニング」が起きるか、判官びいきの「アンダードッグ」が起きるか、あと10日間で分かりません。

 

これから自民党の議席数を少しでも削り取り、立憲民主党の議席数を増やしてほしいというのが私の希望です。野党の立憲勢力の議席を150議席に近づけてもらいたいと思います。改憲のための大政翼賛会、米政翼賛会の結成を阻止するために。しかし、今回の世論調査の結果ではそれはかなり困難なことだと思われます。アメリカのジャパン・ハンドラーズによる、日本の野党勢力殺し、リベラル殺しのシナリオがうまく働ているという感じです。私がこれまでに書いてきましたように、小池百合子東京都知事はその手駒の一つだと考えねばならないと思います。

 

はっきり申し上げて、小池百合子氏を担ぎ上げた人々の思惑は大きく外れ、逆回転が起きて自分たちが苦しむ結果になっています。そのために日本政治は大きな困難を迎えようとしています。私たちは現在の状況をしっかり目撃し、記憶し、間違いを正していく、という作業をずっと続けていかねばなりません。それこそが日本のデモクラシーを生き延びさせる確実な方法であると考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「衆院選序盤情勢 自公300議席うかがう 立憲民主、倍増も 希望、伸び悩み」

 

産経新聞 10/12() 7:55配信 産経新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171012-00000054-san-pol

 

 産経新聞社は11日、第48回衆院選(22日投開票)について全国の総支局の取材に共同通信社の電話世論調査の結果などを加味し、選挙戦の序盤情勢を探った。自民党は選挙区、比例代表で優位に立ち、連立を組む公明党と合わせ300議席をうかがう勢いだ。過半数(233議席)を超える235人を擁立した小池百合子代表(東京都知事)率いる希望の党は伸び悩み、100議席に届かない公算が大きい。

20171012kakutokuyosou001

 

                   ◇

 

 安倍晋三首相(自民党総裁)は自民、公明両党で過半数の獲得を勝敗ラインに掲げている。序盤情勢では自民党は単独で過半数に届き、絶対安定多数(261議席)を上回る勢いだ。絶対安定多数は常任委員長ポストを占め、委員数でも野党を上回る議席を確保し、国会運営が安定する。公明党は公示前勢力を維持する見通しだ。

 

 公示前は57議席だった希望の党は60議席前後にとどまるとみられる。小池氏は政権選択選挙を掲げ、民進党前職を含め多くの候補者を擁立したが、選挙区、比例ともに勢いがみられない。小池氏の不出馬に加え、党として首相候補を示していないことが影響した可能性がある。東京と大阪で希望の党と候補者をすみ分けた日本維新の会は、関西圏を中心に議席を獲得し、公示前の14議席から微増となる見込みだ。

 

 枝野幸男代表が立ち上げた立憲民主党は公示前の16議席から倍増の勢いとなっている。民進党から分裂した立憲民主党は護憲色が強く、安全保障関連法を「違憲」とする共産党が競合する選挙区で候補者を取り下げたことも追い風になっているとみられる。

 

 一方、共産党は公示前の21議席の維持が難しい情勢で、社民党は公示前の2議席を維持する見通しだ。

 

 ただ、共同通信の調査では投票先を「決めていない」との回答が選挙区で54・4%、比例代表で47・2%に上った。無党派層の多くが投票先を決めていないとみられ、投開票日に向けて情勢が変化する余地も残っている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2017年10月22日の解散総選挙の投開票に向け、日本政治の動きは加速度を増しています。小池百合子東京都知事が「希望の党」という新党を立ち上げ、総選挙に臨むということを発表し、それに向けて保守派を中心に現職・元職の議員たちが集まり始めています。自民党や民進党からの離党者がこれからも出続けるでしょう。公明党の山口那津男代表は、小池都知事の動きに批判的ですが、公明党は都議選以降、小池都知事にコケにされ、なぶられています。自民党は一部に歓迎ムードがあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「小池氏「日本をリセット」=希望の党、国会議員14人と旗揚げ【17衆院選】」

 

時事通信 (2017/09/27-11:26

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017092700560&g=pol

 

 新党「希望の党」は27日午前、東京都内のホテルで結党の記者会見を開いた。代表に就いた小池百合子都知事は「しがらみのない政治、大胆な改革を築く。日本をリセットするために希望の党を立ち上げる」と宣言。知事職は続投し、今回の衆院選には出馬しない考えを明言した。会見には、若狭勝衆院議員、細野豪志元環境相ら結党に参画した国会議員14人が同席した。

 

小池氏記者会見要旨

 

 小池氏は「今こそ、しがらみのない政治を大胆に行っていかなければならない」と強調。「北朝鮮情勢がこういう中で政治空白があっていいはずがない」と述べた上で、「安倍晋三首相が(衆院)解散をうたっている。であるならば改革のチャンスだ」として、全国規模で候補を擁立する意向を示した。週内にも1次公認を発表する。

 

 小池氏は「改革する精神のベースにあるのは保守の精神だ。寛容な改革の精神に燃えた新しい政党だ」とも語った。衆院選後の特別国会で行われる首相指名選挙への対応については「戦いが終わったときに考える」と述べるにとどめた。

 

 将来の国政復帰の可能性に関しては「今は、この選挙で仲間の候補者が1人でも多く当選するために頑張っていきたい」と含みを持たせた。 

 

 会見では綱領を発表。「寛容な改革保守政党」「平和主義の下、現実的な外交・安全保障政策を展開」「情報公開を徹底」などが盛り込まれた。小池氏以外の党役職は現時点で決まっていない。

 

 小池氏の旗揚げ会見を受け、民進党などを離党して新党から衆院選への出馬を目指す動きはさらに広がる可能性がある。

 

◇「希望の党」参加議員

 新党「希望の党」の結党記者会見に参加した国会議員14人は次の通り。(敬称略。丸数字は当選回数)

 【衆院】細野豪志=静岡5区(6松原仁=比例東京(6長島昭久=比例東京(5笠浩史=神奈川9区(5後藤祐一=神奈川16区(3福田峰之=比例南関東(3木内孝胤=比例東京(2鈴木義弘=比例北関東(2野間健=鹿児島3区(2若狭勝=東京10区(2横山博幸=比例四国(1

 【参院】行田邦子=埼玉(2中山恭子=比例(2松沢成文=神奈川(1

 

(貼り付け終わり)

 

 希望の党については、期待する声、疑う声、それぞれに出ていますが、私は本ブログの2017年8月7日付で、小池新党について書きました。基本的な理解はここをスタートにしています。是非お読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

20170807

「日本ファーストの会」は本当に「Japan First!」なのかhttp://suinikki.blog.jp/archives/71722807.html

 

(貼り付け終わり)

 

 現在の日本の政治状況の動きは急です。希望の党と民進党の合流という話が出てきました。民進党に関しては離党者が続出していましたから、「解党的出直し」で希望の党との合流という選択がなされることになりました。労組の連合は、民進党と自由党との合流を求めていましたから、民進党と自由党が希望の党に合流ということになるでしょう。そして、連合は民進党と希望の党の合流に賛成だということです。そうなると、自公の連立与党、日本維新の会の「ゆ党」、希望民進自由、共産、社民ということになります。維新は分裂して、議員たちは自公と希望にそれぞれ行くでしょうから、自公、希望、共産、社民ということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「民進・自由、合流へ調整=希望と連携模索―前原、小沢氏【17衆院選】」

 

9/27() 11:44配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170927-00000053-jij-pol

 

 民進党の前原誠司代表が26日に自由党の小沢一郎代表と会談し、衆院選前の両党合流へ調整する方向で合意したことが27日、分かった。関係者が明らかにした。両氏は合流後に小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」と選挙区の候補者調整に入りたい考え。ただ、民進党内には自由党との合併に反対論があり、前原氏の決断が焦点となる。

 

 関係者によると、連合の神津里季生会長も会談に同席。連合は合流を支持する見通しだ。

 

 一方、民進党の柚木道義衆院議員は大島敦幹事長と党本部で会い、衆院選で希望の党など自民党以外の政党との競合を避けるため、「発展的解党」を含めた新たな枠組みづくりが必要だとする申し入れ書を提出した。柚木氏によると、玉木雄一郎、小川淳也両衆院議員らも同じ考えだという。

 

 前原氏は野党連携の進め方を最終判断し、28日の党両院議員総会で提案する意向。ただ、党内がまとまるかは予断を許さず、前原氏が強引に合流を進めれば党分裂や解党につながる恐れもある。 

 

 一方、自民、公明両党幹部は同日午前、東京都内で会談した。10月の衆院選について、希望の党の旗揚げで「厳しい戦いになる」との認識で一致。安倍晋三首相が勝敗ラインに掲げた「与党過半数」獲得へ結束して臨むことを確認した。

 

 会合後、公明党の斉藤鉄夫選対委員長は記者団に、先の都議選で連携した小池氏との衆院選での選挙協力について、「自公で政権を共有することを国民に約束して選挙をするので、希望との協力はない」と語った。

 

 民進、共産など野党4党は国対委員長が会談。首相が臨時国会冒頭での衆院解散を表明したことに対し、代表質問や党首討論を実施するよう大島理森衆院議長に申し入れることで合意した。

 

(貼り付け終わり)

 

 希望の党が出てくるまでは、民進を中心に民進、共産、自由、社民の野党4とうの選挙協力という枠組みが議論されていましたが、希望の党が出てくることで、これはご破算となりました。そして、自公と反自公はそれぞれ反共産党という前提で二大政治グループ、疑似二大政党ということになります。社民はあまりにも小さい政党ですが、私は10月22日の選挙では比例では社民党に投票することも考えています。

 

 「希望の党によって、反自民、反安倍の野党勢力の結集ができた」と喜ぶことは私にはできません。それは、これは「米政翼賛会(べいせいよくさんかい、アメリカを第一に考える日本の根本的な政治システム)」体制の完成まであと一歩というところまで来ている、ということを現在の状況は示していると私は考えるからです。米政翼賛会というのは私の造語ですが、これは大政翼賛会の現代版です。また、小池氏が安倍晋三首相と同じ改憲論者であり、軍備増強主義者であるということも懸念を持っています。

 

 私は、ドナルド・トランプ政権下で駐日大使となったウィリアム・ハガティ―ジェイムズ・アワー―長島昭久―小池百合子―細野豪志というラインで現在の状況は作られていると考えています。この動きは「改憲を成功させて、日本の軍備増強、軍事費増大をして、アメリカから更なる武器を購入させる、軍事増強によって日本を東アジア地域の“棘”にして中国にけしかける、その間にアメリカは中国とは仲良くけんかをする」というアメリカの戦略を前提にしているものであると私は見ています。

 

 この米政翼賛会体制となれば、自公と希望の間に表面上は相違があっても根っこは同じですで、アメリカの利益が第一、ですから、大同団結、国益のために協力するということが容易にできるということになります。

 

 さらに私は、小池百合子東京都知事が一気に首相候補になったとも考えています。そして、小池氏が首相となる時には自公と希望の救国大連立が成立するのではないかと思います。そして、小池氏の次の首相、もしくは次の次の首相は小泉進次郎代議士ではないか、そういうシナリオ作りが進んでいるのではないかと思います。こうなれば、ジャパン・ハンドラーズのマイケル・グリーンは、大手を振って日本政治にますます介入し、吸血虫のように日本から血を吸い続けることができるでしょう。

 

 私はこれからの日本政治の進む方向に悲観的になっています。安倍首相を退陣にまで追い込むということは賛成ですが、その次に小池百合子氏が出てくるようでは結局同じではないか、と考えてしまうからです。私の悲観論が考えすぎの杞憂であればよいと思います。しかし、最悪のシナリオが待っているかもしれないということは言っておきたいと思います。

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12





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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 このところ、アメリカ政治物の翻訳が忙しく、国内政局に関して見落としていたり、考えたことをかけなかったりでフラストレーションが溜まっています。

 

 今回は、維新の党(Japan Innovation Party)について書いてみたいと思います。維新の党は2014年9月21日、日本維新の会と結の党が合併し、誕生しました。国会議員数50名以上を誇る政党です。維新という名前が付き、共同代表に橋下徹大阪市長、幹事長には松井一郎大阪府知事、代表代行に松野頼久氏が就任したことで、日本維新の会が優位な合併だと思われています。

 

 橋下氏は大阪維新の会と、石原慎太郎氏が率いていた太陽の党の合併で日本維新の会を設立しました。しかし、結の党との統一会派づくりから合併に関して、意見を異にし、石原氏らが次世代の党を結党して、党を出ていきました。そして、江田氏らを迎え入れました。

 

 思えば、橋下氏は、国政政治家に利用され続けている、そんな感じです。石原氏とヴェテラン政治家は太陽の党を作りましたが、選挙互助会にもならないような状況で、どうしようもない時に、うまく橋下氏を抱き込んで、日本維新の会を設立し、うまく選挙を乗り越え、ゾンビのように復活し、利用し終わったとばかりに、出ていきました。

 

 江田氏ら結の党の面々も同じように、ある種の「維新」ブランドを利用しようとしているのは、確かです。合併は日本維新の会優位と見えますが、共同代表には江田憲司氏、総務会長には片山虎之助氏、政調会長には、柿沢未途氏がそれぞれ就任しました。実際に党の政策を決定していく実務権力は結の党側が押さえています。松野氏は日本維新の会途中参加組ですし、そこまで日本維新の会大阪ウィングに忠誠心があると思えません。「利用してやろう」という感じなのだと思います。

 

 片山虎之助氏は、太陽の党から日本維新の会に合流し、次世代の党には行かずに、維新の党に入りました。ですから結の党系ではないように思われますが、江田氏とは岡山県出身、東大法学部の先輩後輩、キャリア官僚の先輩後輩という共通点があります。また、江田氏は故橋本龍太郎元首相の秘書官を務めましたが、片山氏へ政界進出を勧めたのが橋本氏であり、片山氏は長く橋本派(旧竹下派)に所属しました。こうして見ると、片山氏は江田氏に近い人物です。

 

 維新の党は、日本維新の党の時もあった、大阪ウィングと東京ウィング(国会議員団)に分かれ、主導権がどちらにあるのか分からない状況から、やがて結の党側に移っていくことが考えられます。

 

 民主党代表の海江田万里氏と江田氏の階段で、海江田氏が「国会のことは江田氏と話していく」と語ったことに触れ、橋下氏が「江田氏には殴り返して欲しい」と言ったという記事が出ました。これは、海江田氏の失言ではありますが、中央政界では、橋下氏はもうそれくらい気を遣わなくてもよい存在になってしまったということを意味しています。また、昔の橋下氏であれば「殴り返して欲しい」なんてまどろっこしいことなど言わなかったでしょう。それほどに存在感と影響力を失っているのです。

 

 江田氏は共同代表なのですから、国会議員50名を実際に率いて国会にいる訳です。その存在感は大きくなっていくでしょう。そして、民主党の海江田代表と生活の党野沢一郎代表らと手を携えて、野党再建に動いていくでしょう。私が拙著『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所、2014年)で書きましたように、江田憲司氏はハーヴァード大学での研究員としての体験があり、アメリカには幅広い人脈があります。そして、細野豪志、松野頼久と共に野党再建に向けたキーマンです。これから維新の党に注目していきたいと思います。

 そして、橋下氏が如何に国政政治家とアメリカに利用されて、政治家としての力を抽出させられて捨てられていくのかという姿を見ていきたいと思います。 

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「維新の党:結党大会…53人スタート、野党再編目指す」

 

毎日新聞 20140921日 2153分(最終更新 0921日 2209分)

http://mainichi.jp/select/news/20140922k0000m010064000c.html

 

 日本維新の会と結いの党は21日、新党「維新の党」の結党大会を東京都内のホテルで開いた。維新の橋下徹代表(大阪市長)と結いの江田憲司代表がともに共同代表に就任。衆院42人、参院11人の国会議員計53人が参加し、民主党に次ぐ野党第2党となる。党綱領で「政権担当可能な一大勢力の形成」をうたい、民主党やみんなの党の一部を巻き込んだ野党再編を目指す。【葛西大博、熊谷豪】

 

 橋下氏は結党大会で「安倍政権に緊張感を持ってもらうには、きちんとした野党をつくる必要がある」と強調。江田氏も「民主党、みんなの党、どこの政党でも基本政策の一致を前提にどんどん糾合していかなければならない」と述べた。

 

 新党の主要幹部は日本維新側が占め、幹事長に同党幹事長の松井一郎・大阪府知事が就いたほか、代表代行に松野頼久氏、総務会長には片山虎之助氏が就いた。

 

 結い側からは、柿沢未途氏を政調会長に起用。みんなの党に離党届を提出した大熊利昭衆院議員の入党も承認され、計53人でのスタートになる。

 

 結党大会で発表した党綱領では、統治機構改革で「この国のかたち」を変える▽「保守VSリベラル」を超えて改革勢力を結集する−−などと明記。道州制導入など65項目の基本政策を発表したが、消費税率10%への引き上げや、原発再稼働の是非に関する意見集約は間に合わなかった。

 

 法的には結いを解散し、日本維新を残す形を取る。新党の名称など総務相への届け出は22日に行う。

 

●「「海江田氏に殴られたから、殴り返して」橋下氏」

 

20141010 0729

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141010-OYT1T50027.html

 

 維新の党の橋下共同代表は9日、民主、維新両党の共闘をめぐり、民主党の海江田代表から「大阪軽視」の侮辱的な発言を受けたとして、大阪市役所で記者団に怒りをあらわにした。

 

 8日夜の維新の党執行役員会では、橋下氏が江田共同代表に「海江田氏に大阪サイドは殴られたのだから、殴り返してほしい」と伝えたことも明らかにした。

 

 橋下氏が問題視したのは、海江田氏の「国会のことは江田氏と話をすればいい」という記者会見での発言。橋下氏は「公党の代表と幹事長をないがしろにする発言。海江田氏が政治というものを心得ているのか疑問だ」とまくし立てた。

 

 橋下氏は、次期衆院選での民主党との選挙協力に否定的で、国会議員主導で進む「民維共闘」をけん制したとの見方もある。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)








 

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