古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:民主党予備選挙

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙の有力候補者カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が選挙戦からの撤退を発表した。支持率が低迷し、政治献金も集まらない中で、資金がなくなって選挙戦が続けられないと発表した。
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 支持率ではトップ3に入る時期もあったが、7月以降は支持率下落が止まらず、第4位の位置をインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジに完全に奪われてしまっていた。挽回は不可能と判断し、早めに撤退ということになった。これで民主党の金城湯池であるカリフォルニア州から民主党所属の大統領が生まれる機会は失われた。民主党はアメリカ東西両海岸地区を支持基盤としているが、ロッキー山脈から西の各州の出身者が大統領になったことはない。共和党で言えばリチャード・ニクソン、ロナルド・レーガンがいるのに、民主党ではいないのだ。
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 カマラ・ハリスは最初から有力候補として捉えられていたが、自分の立場を明確にできなかったことが選挙戦撤退にまでつながってしまった。検察官、カリフォルニア州司法長官、連邦上院議員としての経歴、非白人のマイノリティとして生まれたが刻苦勉励で這い上がってきた努力と根性、才能といった点が強みとなるはずであった。

 しかし、ハリスはリベラル左派なのか、穏健中道派なのかが最後まではっきりしなかった。手をこまねいているうちに、他の候補者たちが独自の立場を確立していったが、ハリスは最後までどっちつかずの印象を与えるだけだった。

 ハリスはしかしながら、副大統領候補の有力候補となる。特にジョー・バイデン前副大統領とは親しい関係にあり、バイデンが大統領選挙の民主党指名候補になれば、バイデンから指名を受ける可能性がある。バイデンとならば考えを合わせてコンビとしてやっていけるだろう。私は以前から、ハリスがバイデンに副大統領候補になるだろうと書いている。私は、リベラル左派のエリザベス・ウォーレンとバーニー・サンダースが組み、一方、バイデンとハリスが組むという形になると考える。ハリスはまた大票田のカリフォルニア州を地盤としているので、彼女の動向、具体的には誰を推薦支持するかで、予備選挙の動きは大きく決まるように思う。そういった点で、ハリスは良い時期に選挙戦から撤退したと思う。ただ次があるかというとそれはないのではあるが、傷が浅いうちに撤退できたと思う。

 ハリスは他の撤退した候補者たちとは違い、これからも動向が注視される人物だ。選挙戦撤退してからの方が注目が集まるという変なことが起きるだろう。

(貼り付けはじめ)

カマラ・ハリスが大統領選挙から撤退(Kamala Harris drops out of presidential race

リード・ウィルソン、ジョナサン・イーズリー筆

2019年12月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/472820-kamala-harris-drops-out-of-presidential-race-reports

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は火曜日、民主党予備選挙の選挙運動を停止すると発表した。ハリスはひとたびライジングスターであったが、ここ数カ月は選挙戦の状況はどん底になっていた。彼女は政治的才能を維持可能な選挙運動に転換することができなかった。

ハリスが選挙戦に出馬した当初、有力候補と考えられていた。人々の関心を集める生い立ち、演説会など人々の前に姿を現す際の存在感、アメリカ国内最大でかつ最も豊かな州であるカリフォルニア州におけるしっかりした政治献金基盤といった点で有力候補だと考えられた。彼女は出身地のカリフォルニア州オークランドで出馬宣言を行うために集会を開いたがその時には数千人の人々が集まった。しかし、それから11か月後、ハリスは記者団に対して強力な選挙運動を続けるための財政力がなくなってしまったと語ることになった。

ハリスは声明の中で次のように書いている。「私は選挙運動について詳細に評価し、全ての角度から見るように努めた。そして、私の人生において最も厳しい決断を下すことにした。大統領選挙を続けるために必要な財政上の資源がなくなってしまった。私は大富豪ではない。私は自己資金で選挙運動を続けることはできない。選挙戦を続けていく中で、選挙資金集めがどんどん困難になっていった」。

ハリスは続けて「誠実であろうとするならば、私は自分ではできないと考えているのに、それを続けることができると私の支持者やヴォランティアの方々に言うことはできない」と書いている。

これまでの11カ月の選挙戦の中で、ハリスには、当時のバラク・オバマ連邦上院議員(イリノイ州選出、民主党)の辿ったコースである、州レヴェルの公職から連邦上院議員、そしてホワイトハウスへという道のりをたどるだろうと考えられる機会が何度かあった。彼女は若者とアフリカ系アメリカ人有権者が作ったオバマ連合(Obama’s coalition)を再び結集させたいと望んだ。ハリスは今回の予備選挙の候補者たちの中でも傑出した討論をリードする能力を持っていた。

ハリスは堅実な選挙運動を展開した。カリフォルニア州に住むヴェテランのストラティジストを集めたブレイントラスを作った。ストラティジストたちはハリスのこれまでのキャリアで助言を与えてきた人々だった。また、カマラ・ハリスの妹マヤもこのブレイントラストに参加した。彼女は民主党系の政策専門家として実績を積んできた人物だ。ハリスはアイオワ州の活動家の中でも重要な人物たちからの推薦支持を得たし、全米で最初に党員集会が実施される重要なアイオワ州に多くのオーガナイザーを投入した。

民主党系のストラティジストであるが今回の大統領選挙には関与していないダグ・ソーネルは「ハリスは本当に素晴らしい選対を組んでいた。彼女のティームには本当に優秀で、才能あふれる人たちが揃っていた。彼女は本当に素晴らしいスタートを切った。しかし、それが彼女の選挙運動に対して常に高い基準を設定することにもなってしまった」。

しかし、ハリスは初期の熱狂を安定した支持に転換させることに苦闘した。他の候補者たちはイデオロギーな立場を明確にさせ、民主党予備選挙に参加予定の有権者たちにとっての重要な諸問題に対処するための計画を発表することで有権者の支持を集めようとしてきた。その中でハリスは自身の立場をはっきりさせず、選挙戦でのテーマと戦略を色々とつまみ食いしているように思われた。

他の候補者たちはアメリカの医療システムをどのように劇的に改善するかについて自身の立場を選択した。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)が連邦上院に「メディケア・フォ・オール」法案を提出した際、ハリスは共同提出者となったが、その後、共同提出を取り下げた。討論会の席上、ハリスは民主党内部の分裂線となっている医療システムについての自身の考えを明確にかつ簡潔に示すことができなかった。

ハリスは自分が持つ最善の2つの資産を利用する方法を見つけることができなかった。2つの資産とは、2020年の民主党全国大会に最大数の代議員を送り込む地盤としているカリフォルニア州と厳格な検察官だったという経歴だ。検察官としての経歴は討論会での激しいパフォーマンスと存在感に資するものだ。

討論会の席上、トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)はハリスのカリフォルニア州司法長官としての記録を激しく批判した。ギャバードはマイノリティと麻薬関連の微罪を犯した人々を過剰に収監したと批判した。ハリスはカリフォルニア州での世論調査で7月に1回だけトップに立った。

ハリスは自身の立場をどのように取るかについて議論を続けたが、他の候補者たちはハリスの周囲の堀を埋めていった。ハリスが取るべき立場を他の候補者たちが取るようになっていったのだ。ジョー・バイデン前副大統領は自分自身を、トランプ大統領を倒せる可能性が最も高い人物と位置付けた。エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は進歩主義派の代表として、諸政策を次々と発表している。インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは選挙戦の初期の段階で人々の支持を集めることが出来た時期を利用して自分自身を中道派の候補と位置付けた。

ハリスはこうした位置づけを試み、失敗した。

ソーネルは次のように述べている。「ハリスは彼女の選挙運動において自分自身の明確な性格付けをすることができなかった。他の候補者たちは自分の立場や立候補の理由を次々と変えていった。選挙戦当初からハリスは検察官としての経歴をどのようにして自分の強みとして利用するかということが分かっていないようだった」。

ハリスは選挙運動において上昇局面をつかむことに苦戦した。ハリスの最大の上昇局面は1回目の民主党討論会にバイデンと対峙した時だった。その後、ハリスは短期間ではあったが政治献金額を伸ばし、世論調査での支持率を上昇させた。しかし、そうした勢いを安定した支持に転換することに失敗した。

ハリスの世論調査での支持率の数字は第1回目の討論会の後に最高を記録した。しかし、その後は継続的に下落していった。8月になって全国規模とアイオワ州での世論調査で支持率が10%を割り、それ以降は回復しなかった。

ハリス選対はボルティモアに本部を置いていたが、選対内部で緊張関係が高まっていった。カマラ・ハリスの妹であり民主党系の政策専門家であるマヤ・ハリスが選対責任者フアン・ロドリゲスとスタッフの人事、支出、政策決定に関して衝突した。有力な支持者たちはカマラ・ハリスに対してロドリゲスを解雇し、コンサルタント・ティームの力を取り上げるように公の場で進言した。

ここ数週間、政治献金の集まりがスローダウンしたことを受けて、ハリスはアイオワ州に持てる力を注ぐと発表し、その他の早期に予備選挙が実施される各州の選挙スタッフを解雇していた。

ハリスは12月の民主党候補者討論会の2週間前に選挙戦を止めたということになる。候補者討論会は2019年12月19日にロサンゼルスで実施予定だ。ハリスは既に参加条件をクリアしていたし、スーパーPACはアイオワ州の各テレビ局の放送時間の購入を始めたばかりだった。

スーパーPACは火曜日、放送時間の購入と保持のキャンセルを開始した。

ライヴァルや支持者たちはハリスが選挙戦からの撤退を発表した後で、彼女に賛辞を贈った。

アイオワ州メイソンシティでの選挙集会に参加直後、バイデンは「彼女は一流の知識人であり、一流の候補者であり、本物の闘士だった。私は彼女の選挙戦撤退について複雑な感情になっている。そのような感情になっているのは彼女が首尾一貫した人物であり、才能に溢れた人物だからだ」と語った。

ハリスは選挙戦から撤退したが、国政レヴェルでの存在感がなくなるということではない。彼女は副大統領候補の有力候補と見られている。スーパーチューズデーの時にカリフォルニア州で予備選挙が実施されるが、それまでにハリスの支持を得たいとどの候補者も望むことだろう。

民主党全国委員会の委員でカリフォルニア州出身のボブ・マルホランドは次のように述べた。「カリフォルニア州民はハリス上院議員を誇りに思うだろう。他の候補者たちにとってカリフォルニア州で支持を伸ばすことは難しい。ハリス議員にとって全国規模で支持を伸ばすことは難しかったが彼女はよく戦った。今回はうまくいかなかったということだ」。マルホランドはハリスの党指名獲得への支持を表明していた。

ハリスはトップ集団の候補者としては初めての脱落者となった。また今週になって3人目の脱落者ともなった。今週はモンタナ州知事スティーヴ・ブロック(民主党)とジョー・セスタク元連邦下院議員(ペンシルヴァニア州選出、民主党)が選挙戦からの撤退を表明している。ハリスの連邦上院議員の任期は2022年までとなっている。

火曜日、ハリスが選挙戦撤退を発表した直後、カリフォルニア大学バークリー校政治研究所が『ロサンゼルス・タイムズ』紙に発表した世論調査の結果では、カリフォルニア州在住の民主党支持の有権者の61%がハリスは選挙運動を止めるべきだと答えた。

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ハリスの選挙戦からの撤退を受けてのギャバードの発言:「私は彼女のアメリカ国民に奉仕したいという真摯な思いを尊敬します」(Gabbard on Harris leaving race: 'I respect her sincere desire to serve the American people'

レイチェル・フラジン筆

2019年12月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/472847-tulsi-gabbard-responds-to-kamala-harris-leaving-race-i-respect-her-sincere

大統領選挙民主党予備選挙候補者トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)が、カマラ・ハリス連邦上院議員が火曜日に大統領選挙からの撤退を発表したことを受け、「ハリスのアメリカ国民に奉仕したいという真摯な思い」を尊敬すると述べた。

ギャバードとハリスは選挙戦でやり合っていた。ギャバードはツイッター上で「選挙戦を懸命に戦ったカマラ・ハリス、彼女のご家族、支持者に心からの敬意を表します」と書いた。

ギャバードは続けて「私たちはいくつかの問題で同意できなかったのですが、私を含む多くの人々は彼女のアメリカ国民に奉仕したいという真摯な思いを尊敬することでは一致しています。私は、アメリカが直面する諸問題について対処するために共に働くことを希望しています」と書いた。

ハリスは火曜日、多くの人物が立候補している大統領選挙民主党予備選挙からの撤退を発表した。ここ最近、ハリスは世論調査の支持率の数字と政治献金額の減少に直面していた。

ハリスは声明の中で「選挙運動を続けるために飛鳥な財政的資源がなくなってしまった」と書いている。

ハリスとギャバードはお互いを批判し合っていた。ギャバードは今年初め、「ハリスにはアメリカ軍の最高司令官の資格はない。彼女には外交政策分野での経験がなく、激しい気性で大統領に向かない」と述べた。

ギャバードはハリスのカリフォルニア州司法長官としての記録を批判した。

一方、ハリスはギャバードがフォックスニュースに出演したことを攻撃し、トランプの元首席戦略官のステイ―ヴ・バノンと仲が良いことを非難した。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 少し古い記事だが、ジョー・バイデンが民主党の指名を受けて大統領候補となる場合に副大統領候補として指名する可能性のある女性の名前を4名挙げた。この時はまだカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が選挙戦からの撤退を表明していなかったために名前は入っていないが、私がこれまで何度も書いてきているように、ハリスも副大統領候補の有力候補者だ。

 バイデンが名前を挙げた人々について簡単に見ていく。サリー・イエイツは連邦検察官として昇進を重ね、2015年には司法副長官となった。アメリカの内閣は長官(Secretary)で構成されるが、司法長官の英語名は「United States Attorney General」であり、より正確に訳すと、アメリカ合衆国総検察官長ということになる。アメリカ連邦最高裁判所に訴追される案件について指揮を執る、もしくは対処することが根幹の仕事だ。

イエイツはトランプ政権成立後も司法長官代行として司法省に残っていたが、トランプ大統領によるイスラム教国出身者のアメリカ入国制限に対して「合法とは言えないのではないか」と発言したことで解任された。
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イエイツ

ステイシー・エイブラムスは2018年の中間選挙の際に、ジョージア州知事選挙に出馬し、共和党の候補者ブライアン・ケンプと大接戦を演じて惜敗した。ジョージア州は共和党が強いレッドステイトであり、黒人女性エイブラムスが白人男性ケンプに迫れるとは誰も考えていなかった。エイブラムスはバーニー・サンダースやバラク・オバマの推薦支持を得ていたことも接戦を演じる理由になった。エイブラムスはややリベラルではあるが左派まではいかない人物であり、今年に入って副大統領候補に最適の人物という評判も出ている。
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エイブラムス

ジーン・シャヒーンとマギー・ハッサンは共にニューハンプシャー州選出の連邦上院議員だ。シャヒーンはニューハンプシャー州知事を3期務めた実績がある。シャヒーンは2003年のイラク戦争を支持したことからも分かる通り、ヒラリー派である。マギー・ハッサンはシャヒーンの次のニューハンプシャー州知事を務めた人物だ。ハッサンはややリベラルというくらいの人物だ。
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シャヒーン
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ハッサン

12月に入り、カマラ・ハリスという絶好の副大統領候補の有力者が出てきた。しかし、知名度だけで副大統領候補が選ばれることはない。選挙戦略として、どの地方に重点を置くかということも重要な要素となる。アメリカ両沿岸部にあるブルーステイト(民主党が強い州)はこれまで以上にテコ入れをする必要はない。民主党にとって問題はアメリカ南部と中西部をどうするかということだ。中西部はバイデン自身の力で何とかなるとすると、南部が重要ということになる。ここでいくつかの州で共和党を崩せれば勝利はぐっと近づく。

サリー・イエイツはジョージア州で生まれ育ち、連邦検察官としてジョージア州で働いている。また、ステイシー・エイブラムスはジョージア州知事選挙で活躍したし、それまでにもジョージア州議会議員を務めた実績を持つ。南部を何とかしたいということならばこの2人が副大統領候補ということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

バイデンは副大統領候補に指名する可能性がある4名の女性を明らかに(Biden reveals four women he could pick as his running mate

マリナ・ピトフスキー筆

2019年11月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/471810-biden-reveals-four-women-he-could-pick-as-his-running-mate

アメリカ大統領選挙民主党予備選挙の有力候補ジョー・バイデンは自分が民主党の指名を勝ち得た場合に副大統領候補に指名する可能性のある4名の女性の名前を示唆した。

金曜日の夜にタウンホール形式で開かれた集会において、バイデンは副大統領候補について質問され、「あなたがなってくれますか?」と冗談めかして答えたと『USAトゥディ』紙は報じた。

バイデンは個別の名前を明らかにしなかったが、複数の人物たちには資格があると述べた。バイデンは「解任された司法副長官」と述べ、サリー・イエイツ(Sally Yates、1960年―、59歳)前司法副長官に言及した。また、「ジョージア州知事になるべきであった女性」と述べ、ステイシー・エイブラムス(Stacey Abrams、1973年―、45歳)、「ニューハンプシャー州選出の2人の連邦上院議員」と述べ、ジーン・シャヒーン(Jeanne Shaheen、1947年―、72歳)(民主党)とマギー・ハッサン(Maggie Hassan、1958年―、61歳)(民主党)に言及した。

イエイツは2017年にトランプ大統領によって解任された。イエイツはトランプ政権が設定した旅行禁止を擁護することを拒絶し解任された。イエイツは短期間だが司法長官代理も務めた。

元ジョージア州議会議員を務めたエイブラムスは、2018年の州知事選挙で共和党のブライアン・ケンプを僅差で追いつめた人物だ。今月初め、エイブラムスはアイオワ大学で講演し、その中で副大統領候補に指名されることは「とても嬉しい」ことだと述べた。

バイデンはオバマ政権で副大統領を務めていた時期についても議論した。USAトゥディ紙は、バイデンは副大統領候補を指名する際に最重要の要素は「哲学的に」同調できることだと述べたと報じた。

バイデンは「私とオバマ大統領は哲学的に合意していたし、全ての問題について戦略的にも同調していた。戦術に関しては時に合意できないこともあった。副大統領は閣議で大統領に反対することもできない」と述べた。

バイデンは「私たちは議論をしたこともあった。裏では怒鳴り合ったりもした。しかし、私たちは常にお互いに信頼し合っていた」とも述べた。

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 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙はバイデンのリードは変わらない状況だ。しかし、トップ3名による接戦となっており、サンダースとウォーレンの動き次第ではバイデンがトップから落ちるということも考えられる。全体的に支持率が伸びやなんでいる中で、ピート・ブティジェッジとマイケル・ブルームバーグが支持率を伸ばしている。しかし、バイデン、サンダース、ウォーレンのトップ3にははるかに及ばない。
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 マイケル・ブルームバーグはこれから莫大な資金を投入して宣伝活動を行うようだが、これが果たしてどれほど効果があるのかは疑問だ。「金持ちのリベラル」というのは「偽善者」と同じ意味と捉え、また、民主党から共和党、また民主党へ戻ってきたという動き方を嫌う有権者もいる。トップ3の中に入っていくことは難しい。

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 ブルームバーグが支持を伸ばすと割を食うのは穏健中道派のバイデンであって、そうなれば相対的にサンダースとウォーレンに有利に働くことになる。最終的にサンダースとウォーレンのどちらかが選挙戦を諦めてどちらかの支持に回るということになればリベラル左派の一本化となり、単純計算ではバイデンを上回ることになる。

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 民主党内部の分裂傾向は2016年の大統領選挙から継続中であり、党内をまとめて大統領選挙で勝利を収めるだけの人材がいない。また、名前が挙がる人々が軒並み70代ということで、どうしても健康不安が取り沙汰されるし、フレッシュさを感じないということになる。

 こうなれば、ドナルド・トランプ大統領の再選可能性はぐっと高まる。民主党内部でつぶし合って疲弊してくれればそれでよい、それを見物している(時々油をかけて勢いをつけさせる)、ということになる。2008年、2012年の大統領選挙で、バラク・オバマに負けた共和党もそういう状況だった。

(貼り付けはじめ)

世論調査:バイデンは全国規模の世論調査でサンダースに9ポイントをリードしている(Poll: Biden holds 9-point lead over Sanders nationally

マーティン・ジョンソン筆

2019年11月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/472082-poll-biden-holds-9-point-lead-over-sanders-nationally

毎週発表される「モーニング・コンサルト」社の世論調査で、ジョー・バイデン前副大統領は全国規模でバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に対して9ポイントをリードしている。

バイデンの支持率は30%、サンダースは21%、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は15%となった。

トップ3名以外に支持率2桁を獲得した候補者はいなかった。

前回のモーニング・コンサルト社の世論調査では、バイデンの支持率は32%、サンダースは20%、ウォーレンは17%だった。

ウォーレンの支持率は最近になって伸びが鈍化している。10月20日のモーニング・コンサルト社の世論調査でウォーレンはバイデンに続く第2位となり支持率は21%だった。

世論調査には早期に予備選挙と党員集会が実施されるアイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州の各州のデータも含まれている。各州の世論調査の結果では予備選挙は接戦になっており、バイデンの支持率は26%、サンダースは23%、ウォーレンは18%だった。

今回の世論調査は2019年11月21日から24日にかけて8102名の登録済有権者を対象に実施された。早期に予備選挙が実施される各州の対象者はより少ない372名だった。全国規模の世論調査の誤差は1ポイント、早期に予備選挙が実施される各州の世論調査の誤差は5ポイントだ。

(貼り付け終わり)

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 マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長がアメリカ大統領選挙民主党予備選挙に正式に出馬することを発表した。ブルームバーグは、金融情報を取り扱う通信社ブルームバーグを一台メディア会社に育て上げた大立者で、2002年から13年までニューヨーク市長を務めた。所属政党も何度か変えており、2001年までは民主党、その後、2002年から2007年までは共和党、その後は無所属、そして2018年から民主党としている。民主党だと右派となり、共和党では穏健リベラル派(ロックフェラー・リパブリカンと呼ばれる)となる。民主党と共和党がごちゃ混ぜになったような人物だ。

 また、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官やハンク(ヘンリー)・ポールソン元財務長官に近い人物であり、リアリスト(イデオロギーではなく国益重視で戦争をできるだけ避けようとする)系として中国に接する態度を取っている。こうした点からもドナルド・トランプ政権に対して危機感を持っているものと考えられる。

 ブルームバーグは「民主党は左に寄り過ぎている」という批判を前々から繰り返している。それで大統領選挙民主党予備選挙に立候補するのではないかと取り沙汰されてきた。今年初めには出馬はしないと発表していた。しかし、本選挙まで1年を切った段階で正式出馬となった。

 マイケル・ブルームバーグの資産は2019年度発表によると541億ドル、約5兆9000億円で、全米で第8位にランクされる。ドナルド・トランプ大統領の資産は31億ドル、約3400億円だ。文字通りマイケル・ブルームバーグの資産は桁違いだ。その資産の一部を使って大統領選挙のかかる費用を全て賄うと明言している。これは政治献金を持って誰かのひも付きにはならない、ということである。民主党全国委員会は候補者討論会の参加条件に政治献金者数を設定している。政治献金を受けないということになれば、ブルームバーグは討論会に参加できない。そうなると全国放送の討論会でアピールすことができないということになる。

 民主党予備選挙の立候補者たちの政治献金は一番多いサンダースでも70億円程度、トランプ大統領が150億円程度だ。サンダースやトランプが集めた額も政治資金としては多額であるが、こんなものは6兆円近い資産を持っているブルームバーグからすれば大した金額にはならない。
※予備選挙の政治献金についての記事へはhttp://suinikki.blog.jp/archives/80414558.htmlからどうぞ。

ブルームバーグは既に3700万ドル分、約40億円分の全国のテレビCM枠を買い取っている。金さえあれば討論会に参加しなくてもアピールはできるということになる。他の立候補者たちが今年になって集めた政治献金の額を上回るような額をポンと出している。これではたまらない。だから「金持ちは政治に関わるな」という批判が出てくる。

 現在、予備選挙の有力候補者たちが70代ばかりなので年齢批判は候補者たちからは出ていないが、「またジジイが出るのか」という批判は出ている。民主党内の人材不足が露呈している。

 ブルームバーグは民主党中道穏健派の救世主となるかというとそうはならないだろう。既にバイデンとブティジェッジが地歩を固めている。また、大金持ちの道楽という捉えられ方をすれば支持は伸びない。トランプを倒せるかということになると、これも難しい。2016年の大統領選挙でブルームバーグが共和党から出ていればあるいはということもあったかもしれないが、今更言っても遅い。ブルームバーグが民主党予備選挙を勝ち抜いてトランプと戦い、トランプを倒すという可能性は今のところ低い。

(貼り付けはじめ)

ブルームバーグは大統領選挙出馬を正式に発表(Bloomberg officially announces he's entering presidential race

ジャスティヌ・コールマン筆

2019年11月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/471827-bloomberg-drops-first-tv-ad-announcing-presidential-run

元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは日曜日、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙への出馬を正式に発表した。

ブルームバーグは声明の中で次のように述べている。「私たちはトランプ大統領の思慮のかけらのない、倫理に逸脱した行為を更に4年も甘受することはできない。彼自身が私たちの国と私たちの共有する価値観にとって存在に関わる脅威となっている。彼が二期目の当選を果たしたら、私たちは彼が与える損害から回復することはできないかもしれない」。

ブルームバーグは声明の中で、雇用創出、適切な医療、銃による暴力の根絶、気候変動との戦い、移民制度の改善、「私のような」富裕層への税率引き上げに特に言及した。

ブルームバーグはまた、選挙運動では政治献金を受け取らず、自己資金だけで運営するとも述べた。

ここ数週間、ブルームバーグは選挙戦に出馬するのかどうか取り沙汰されてきた。出馬発表の少し前にブルームバーグ陣営は初めてのテレビCMを放映した。ABCニュースは、ブルームバーグ陣営は土曜日の夜にフロリダ州タラハシーでテレビCMを放映したと報じた。

ブルームバーグ陣営は3150万ドル分のCM枠を買い取っており、今回の60秒CMはその一部であった。このCMはトランプ大統領を直接攻撃するものだった。そのCMは、「ブルームバーグは、アメリカを再構築し、アメリカ人を規定する夢への信頼を回復し、富裕層が更に税金を支払い、中間層が公平な富を受け取るようにし、“トランプを引き継ぐ”」という内容であった。

このCMは「アメリカの再構築」というタイトルだ。このCMはブルームバーグを「雇用の創出者」「指導者」「問題の解決者」と呼び、「911事件の焼け跡から」ニューヨーク市を復活させた3期連続で務めた市長と描写した。

「アドヴァタイジング・アナリティカ」社は土曜日本紙に対して、ブルームバーグ陣営は数百万ドル規模の資金を投入し、98の地方と全国規模のケーブルテレビでCMを放送する予定であることを認めた。出馬発表後の第1週でこれほどの規模の資金を投入し、CMを放映する候補者は今回の予備選挙ではいなかった。ブルームバーグのCMを撮影したのは「カンター・CMAG」社で、12月2日までのホリディ・シーズンの週末に放映される予定だ。

CMAG社はABCニュースの取材に対してカリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州、テキサス州、イリノイ州といった各州で3700万ドル分のCM枠を購入した。そのうちに2930万ドル分は地方の放送枠だ、と答えた。

今年の初め、ブルームバーグは民主党予備選挙出馬を取り止めた。この時は、ジョー・バイデン前副大統領が予備選挙でトップに立つという情勢で出馬しないという決断をしたと発表した。

ここ数週間、各種世論調査の結果から見ると、バイデンがトップで走り続けることも怪しくなってきている。こういう状況下で、もしかしたらトランプを倒せない候補者が党の指名を得るのではないかということで民主党内の不満が増大している。

こうした不満によって元ニューヨーク市長ブルームバーグが大統領選挙に資金を投入し始めているという噂が出ることになった。噂話で激戦州でトランプ大統領を批判するインターネット上のCMに1億ドルを投入しているというものが出たほどだ。ブルームバーグは木曜日に連邦選挙管理委員会に立候補届を正式に提出した。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)をはじめとする他の候補者たちはブルームバーグのCM枠買い取りと政治過程に影響を与えるために大量の資金を投入することを非難している。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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 民主党予備選挙は、左派のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が目立っている。一方、トップを走っているジョー・バイデン前副大統領は中道穏健派であり、アイオワ州でトップに立っているインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジもまた中道穏健派に分類されている。

 今回の大統領選挙民主党予備選挙で左派と中道穏健派の争点となっているのは、メディケア・フォ・オールだ。簡単に言うと、国民皆保険制度のために政府がすべてを取り仕切るようにすべきだという左派と、それはあまりにもアメリカの現実から外れているという中道派の争いだ。また、中道派は大学の学費無償化についても懐疑的だ。ブティジエッジは、大学に行かない人も多くいるのに無償化するのは不公平だと述べている。

 「民主党が全体的に左に寄り過ぎだ」「社会主義的すぎる」という批判は根強い。左派・進歩主義派のウォーレンとサンダースの支持率を合わせると35%から40%となる。左派や進歩主義派が過半数を占めている訳ではないが、かなりの支持を集めている。

 「しかしこれでは共和党支持者は仕方がないにしても、支持政党を持たない有権者にとってアピールしない、あまりにも急進的だ。そうなれば現職のトランプ大統領には勝てない」と批判が出ることになる。

トランプ大統領が共和党にしては過激なそして急進的な主張で接戦ながら当選したという事実(保護貿易や国債を発行してでもインフラ整備をやるというのは伝統的な主流派共和党勢力とは相いれない)は忘れられている。トランプ大統領は国内政策の面で左に寄せた。それで民主党を支持していた白人労働者たちの支持を得て当選できた。それならば民主党が大統領選挙で勝利するためには、その人たちからの支持を取り返さなければならない。

そこで民主党中道派であり主流派を代表するバイデンが出たところで勝てるのだろうか、ということになる。民主党内の声ではバイデンは当選可能性(electability)が高いということになる。しかし、彼が人口グループで言えば白人労働者、地域で言えば中西部の各州を取り返すだけのアピール力とパワーがあるのかというと、年齢や失言のことを考えると期待できないということなる。

そこで37歳のピート・ブティジェッジだということになる。ブティジエッジは性的少数者ということもありリベラルな装いができるが、本質は中道穏健派だ。オバマ前大統領も期待の若手ということで支持率を伸ばしつつある。しかし、国政レヴェルでの経験もなく、これからいろいろと批判に晒されていくことになる。そうしたことを乗り越えて、これから民主党の有力政治家となっていくだろうが、今回の大統領選挙には間に合わない。

民主党がホワイトハウスを奪還するのはしばらく先ということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

メモ:中道穏健派が民主党予備選挙のトーンを変化させる(The Memo: Centrists change tone of Democratic race

ニオール・スタンジ筆

2019年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/471010-the-memo-centrists-change-tone-of-democratic-race

中道左派がアメリカ大統領選挙民主党予備選挙で反撃しつつあるのだろうか?

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジはアイオワ州で支持率を伸ばしている。元マサチューセッツ州知事ディヴァル・パトリックが選挙戦に出馬し、大富豪で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグが出馬を検討中だ。バラク・オバマ前大統領も民主党に対してアメリカの有権者が全面的な変化を求めているという過大な判断をしないようにと警告を発している。

こうした動きは連続して起きており、予備選挙の雰囲気を変えつつある。予備選挙はこれまで進歩主義派のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の台頭が大きな話題となっており、またジョー・バイデン前副大統領が主張する中道派の諸政策は民主党の支持基盤の考えから外れているのではないかという疑問を多くの人々が持っていた。

金曜日、ワシントンを訪問したオバマ前大統領は次のように語った。「アメリカはこれまでと同様、革命などよりも改善により関心を抱く国だ。平均的なアメリカ国民は、私たちは現在のシステムを完全に破壊し、作り直す必要があるなどとは考えない」。

オバマ前大統領の介入は直接的なものではなかった。オバマは彼の行った改革が十分ではなく、もっとやれたのではないかと主張する人々には反対しなかったが、ウォーレンやバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)のような進歩主義派が主張する急進主義よりも漸進主義を支持する発言を行った。

予備選挙の情勢が流動的で、中道派が盛り返しているということを示しているのは、ウォーレンがメディケア・フォ・オール政策の実現を大統領就任後すぐに実行しないということを明確にしたことだ。ウォーレンは大統領に選ばれたら、メディケア・フォ・オールを就任3年目の終わりまでに成立させるつもりだと金曜日に発言した。

専門家たちの多くは、ウォーレンの動きは、「ウォーレンは一般選挙の有権者にとっては急進すぎる立場に立っている」と主張する人々に対する妥協だと思われている。急進的な立場に立っていることは大きな弱点となり、民主党員や支持者は予備選挙で有力なウォーレンがこれでは来年11月にトランプを倒せないと絶望的になっていると考える人たちも多い。

民主党系ストラティジストのジュリー・ロジンスキーは次のように語っている。「国民皆保険よりも自分の現在の医療保険を維持したいという人々が一定数いるということから、ウォーレンの国民皆保険制度の主張で有権者の支持を失うのではないかという懸念を持っている人々を宥めるための一つの方策としてすぐには導入しないと明言したのだと思う」。

ウォーレンとサンダースが、アイオワ州でのブティジェッジの台頭に懸念を持っていることは間違いない。アイオワ州ではリベラル派の活動家たちが党員集会をリードする州である。最近の2回の党員集会は共に激戦となり、2016年の時には最終的に党の指名候補となったヒラリー・クリントンに対してサンダースは肉薄し、2008年の時には当時連邦上院議員だったオバマがヒラリーを倒した。ヒラリーは3位に沈んだ。

『デモイン・レジスター』紙とCNNの共同世論調査の結果が土曜日に発表された。アイオワ州の党員集会参加予定者の25%がブティジェッジを大統領の代位市選択肢として挙げた。ブティジェッジから少し差があって第2位にウォーレンが入り16%、サンダースとバイデンは15%だった。

更に言うと、世論調査の結果からは、党員集会参加予定者たちはウォーレンやサンダースよりもブティジェッジとバイデンをより支持していることが分かる。

有権者の63%がブティジェッジの政治観は「大体正しい」と答え、バイデンに関しては55%がそのように答えた。ウォーレンとサンダースの数字はより低い。それぞれ48%と37%だった。

党員集会参加者の過半数にあたる53%がサンダースの政治観は「リベラルすぎる」と考え、ウォーレンについては38%がそのように考えている。

ブティジェッジはリアルクリアポリティックスが出しているアイオワ州での世論調査の平均でリードしている。

本紙の取材に応じた複数の民主党系ストラティジストは最新の世論調査の結果にとらわれ過ぎてはいけないと懸念を表明している。彼らは予備選挙の情勢が流動的だとしている。また、ブティジェッジはアイオワ州で重点的にテレビCMを放映していると指摘する人たちもいる。

ブティジェッジの台頭に疑念を持つ人々はまた、ブティジェッジはニューハンプシャー州の世論調査で支持率を上昇させているが、それでもトップ3の候補者たちから遠く置いて行かれている状態だと述べている。こうしたことは、民主党内において全国規模で親中道派の流れが起きているという考えに反していることを示している。

匿名のある民主党系ストラティジストは露骨に「アイオワ州でブティジェッジが大量リードしていると言うけど、彼の支持率はたったの25%だ!それで大量リードだなんだというのはジョークでしかないということになる」と述べた。

このストラティジストはまた次のように述べた。「民主党は進歩主義的な政党のままだと私は思う。また党は左側に動いている。しかし、左派に与しないというのならば、自分の主張を擁護できるようにならねばならない」。

進歩主義派の有権者は、メディアがブティジェッジに関心を持つこと、ブルームバーグとパトリックに出馬に関して報道をすることは、やり過ぎだと感じているようだ。

サンダースを支持している民主党系ストラティジストであるジョナサン・タシニは、白人が大多数を占めるアイオワ州での各種世論調査の結果は全国規模の民主党の流れを示しているという考えには「全く動揺しない」と述べている。

そして、タシニは続けて次のように述べた。「アイオワ州におけるこれまでの大統領選挙を振り返ってみれば、エネルギーを投入して世論調査の数字を上げる人々が出てくるのが通例だ。しかし、党員集会の人までにその勢いを維持できるかは分からない」。

また、タシニは左派の候補者たちに対する怒りの力を過小評価しないことが重要だとも述べている。

タシニは「政治献金者、専従党員、議員たちが属している中道穏健派のエスタブリッシュメントは進歩主義派の人々が民主党を指導して欲しくないと思っていることは間違いない。それは、進歩主義派がリードするようになると、エスタブリッシュメントの地位と立場、権力が脅かされると考えているからだ」と述べた。

他のストラティジストと同じくロジンスキーは、結論を出すには早すぎると述べている。

ロジンスキーは、民主党支持の有権者たちがたった一つの最重要の基準に合う候補者を探している、その基準とはトランプを倒せる能力だ、と述べている。

ロジンスキーは中道派の候補者たちを支持するのにイデオロギー上の理由は存在しないと述べた。

彼女は「中道派の支持にはイデオロギーではなく、当選可能性が基礎となっている」と述べた。

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