古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:民主党全国大会

 古村治彦です。

 CNNの最新の全国規模での世論調査の結果が発表され、6月の調査に比べて、バイデンが支持を落とし、トランプが支持を上げたということになった。それでもバイデンはトランプに4ポイントの差をつけてリードしている。全体的な傾向として、バイデン支持が下がり、トランプ支持が上がっている。それでもこれは現段階の数字であって、スナップショットのようなものだ。選挙は寒くなり始める11月の頭に実施される。半袖で十分な時期の数字は当てにならない。

 今回の結果で興味深いのは、男性有権者、そして、35歳から64歳の有権者の間でトランプが支持を伸ばしたという点だ。これは経済を重視している有権者はトランプ支持になるということだ。男性は就業している、もしくは失業中という人がほとんどだろう(主夫という人も一定数いるだろうが)。この人たちは生活のため、家族のためにお金を稼いでこなければならない。そのためには経済、ということになる。また、同様のことは、35歳から64歳の有権者にも当てはまる。日本語で言えば働き盛り、家族もおり、こちらもまた経済に関心が高くなるだろう。

 あくまで現時点での話であるし、世論調査の結果が当てにならない(大づかみの流れは分かるけれども)、となれば取り上げるほどのことではないが、アメリカで経済は重要な選挙の争点になるということがここから分かる。その時に、「経済のことならトランプ」ということになるならば、バイデンは厳しい戦いということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

最新の世論調査の結果によると、バイデンのトランプ大統領に対するリードが小さくなっている(Biden's lead over Trump narrows in new national poll

レベッカ・クレア―筆

2020年8月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/512264-bidens-lead-over-trump-narrows-in-new-national-poll

民主党の大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデンがトランプ大統領につけている差が先月に比べて小さくなっていることが新しい全国規模の世論調査で明らかになった。

バイデンはトランプにわずか4ポイントの差をつけてリードしている。日曜日に発表されたCNNの最新の世論調査の結果では、バイデンの支持率は50%、トランプ大統領の支持率は46%だった。これは6月にCNNが実施した世論調査の結果に比べて大きな変化を示している。6月の段階では、民主党のバイデンはトランプ大統領に14ポイントの差をつけてリードしていた。バイデンの支持率は55%、トランプ大統領の支持率は41%だった。

有権者の中で動きがあったのは男性の間であった。今回のCNNの調査によると、6月の段階では支持は二分されていたが、今回の調査では、トランプ支持が56%、バイデン支持が40%となった。また、35歳から64歳までの有権者は、6月の段階ではバイデン支持が多かったが、今回はトランプ大統領支持に傾いた。

今年6月、無党派の間で、バイデンの支持率は52%で、トランプの支持率は41%だった。しかし、CNNの最新の調査では、バイデンの支持率は46%、トランプ大統領の支持率は45%で、無党派はほぼ二分されている。

しかし、トランプ支持と答えた有権者は考えを変える可能性があるとも答えた。今回の世論調査の結果によると、トランプ支持と答えた有権者の12%が選挙の投開票日の前までに考えを変える可能性が高いと答え、バイデン支持者の7%が同様に答えた。

今回の全国規模の世論調査の結果は月曜日から開催される民主党全国大会の直前に発表された。今回のヴァーチャルのプログラムの一環として幅広い民主党員が演説を行う予定になっている。今回の全国大会で前副大統領バイデンが党の大統領選挙候補者指名を行う。

NBCニュース・『ウォールストリート・ジャーナル』紙の共同世論調査を含む、その他の各種世論調査の結果は日曜日の午前中に発表された。それらによると、バイデンのトランプ大統領に対するリードは拡大している。主要な激戦諸州での最近の世論調査の結果では、バイデンがトランプ大統領に対してリードしている。

今回の世論調査はCNNSSRSに依頼して実施された。SSRSは独立系の調査会社である。今回の調査は8月12日から15日まで、1108名を対象に実施された。誤差は3.7ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 2020年アメリカ大統領選挙民主党予備選挙はアイオワ州の党員集会からいよいよ実際の投開票が始まった。アイオワ州では党員集会の最初と最後で2回誰を支持するかの集計を取り、スマートフォンのアプリで民主党のアイオワ州党本部に報告することになっていたが、このアプリが使いにくいものであったために、集計は大いに遅れ、結果は最終的に2020年2月10日に発表される予定だ。

 アイオワ州の党大会の暫定的な結果としては、1位にインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、2位にバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)、3位にエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、4位にジョー・バイデン前副大統領、5位にエイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)となった。ブティジェッジとサンダースの得票率の差は0.1%と大接戦となった。これまでの世論調査では、バイデンが1位か2位に入っていたのに、4位に沈んだことが衝撃的だった。

 今年に入ってから全国的な世論調査の結果で、バーニー・サンダースの勢いが出てきたことはこのブログをお読みの皆さん方には既に当たり前の知識となっているはずだ。今、日本のメディアでいかにもびっくりしたようにアイオワ州での結果を報道しているが、このブログや私のツイッターを読んでおられる方々には「何をいまさら」という内容だ。

 民主党内部でサンダースの勢いを警戒している人々がいる。それは民主党エスタブリッシュメント派、主流派と呼ばれる人々だ。ワシントンの政治にどっぷりとつかった政治家や民主党全国委員会の幹部などだ。昔風に言えば、パーティー・ボス(party boss)だ。民主党は昔から「ボス政治」が盛んだった。人々に利益を与え、その見返りに地位を得る、というポークバレル・ポリティックス(pork barrel politics)をやってきた。

 民主党の「ボス政治」の証拠、名残りが「特別代議員(superdelegates)」という存在だ。「代議員」というのは民主党全国大会(Democratic Convention)に出席して党の意思決定に参加する人々のことだ。最大の決定事項は党の大統領選挙本選挙候補者を指名することだ。民主党は全米各州や自治領に人口に応じて全部で3977名の宣誓済み代議員(pledged delegates)を配分している。今回のアイオワ州には41名の代議員が配分されており、得票率に応じて予備選挙の候補者に配分される。最終的な結果はまだだが、ブティジェッジには13名か14名、サンダースには12名、ウォーレンには8名、バイデンには6名、クロウブッシャーには1名の代議員が配分される。この大議員たちは全国大会でそれぞれの候補者に投票する。

 特別代議員は連邦議会議員や州知事、民主党全国委員会の幹部など771名だ。この人々は全国大会に出席して、自分の意志で支持する候補者に投票することができる。自分の選挙区や州の予備選挙の結果に縛られることはない。この特別代議員制度は共和党にもあったが2012年の選挙から廃止している。
2016nationaldemocraticconvention006

2016年民主党全国大会
 2016年の大統領選挙民主党予備選挙はヒラリー・クリントン元国務長官とバーニー・サンダースの一騎討となった。最終的にはヒラリーが勝利した。この時の予備選挙では、特別代議員と宣誓済み代議員が一緒に投票する形で会った。そうなると、特別代議員で既に数百票の差をつけていたヒラリーの勝利は確実なものと決まっていた。これについて、おかしいではないか、特別代議員の影響力が強すぎるということで大きな非難、抗議が起きた。
2016nationaldemocraticconventionprotest001

広義の様子
 今回の予備選挙のルールは2018年に決定された。特別代議員を廃止するのではなく、影響力を弱めるということになった。これは民主党主流派が自分たちの力をどうしても温存しておきたいという意向が強く働いた結果だ。しかし、そのためにルールが複雑なものとなってしまった。

 今年の民主党全国大会では、全米に配分された宣誓済み代議員3979名の過半数1990名以上を獲得した候補者が党の指名候補となる。党全国大会までに予備選挙の投開票は全て終わっているので、その時点で1990名以上の宣誓済み代議員を獲得している候補者は自動的に党の指名候補となる。

 宣誓済み代議員2268名(全宣誓済み代議員の約57%)と超過半数を得ている候補者がいる場合には、特別代議員も宣誓済み代議員と一緒に投票できるが、結果は既に超過半数2268名(過半数は1990名)を得ている候補者の勝利であるので、特別代議員の投票が結果に影響を与えることはできない。

 今回の宣誓済み代議員1886名から2267名を獲得した候補者が出た場合、特別代議員は1回目の投票には参加できない。そして、宣誓済み代議員たちだけによる投票の結果で候補者が決まる。従って、1886名以上の宣誓済み代議員を獲得した候補者が勝利者となる。特別代議員は投票結果に影響を与えることはできない。

 「ブローカー全国大会(brokered convention)」の状態となる場合はどの候補者も宣誓済み代議員1885名を獲得できない場合だ。この場合はまず全国大会で1回目の投票が実施される。そして、1885名以上の宣誓済み代議員獲得候補者が出ないとなり、2回目の投票が実施されることになる。この時は特別代議員が投票に参加できることになる。特別代議員も入っての東京となると、投票総数4750となり、過半数は2376となる。競争的全国大会状態となると、過半数2376に達するまで投票が実施される。

 長々と書いたが、今回の民主党全国大会ではブローカー全国大会の状態にならない限り、特別代議員が影響力を行使することはできない。

 現在の勢いでサンダースが1886名以上の宣誓済み代議員を獲得するとなると、主流派が推しているバイデンは勝利できないということになる。また、誰も1885名以上の宣誓済み代議員を獲得した候補者が出ない場合でも、進歩主義派のサンダースが2位、ウォーレンが3位となった場合には2,3位連合を組むことでサンダース勝利が近づく。中道派はバイデンに一本化できるかどうかが焦点となる。そこで重要なのがこのブログでもお知らせしてきたマイケル・ブルームバーグの動きだ。
 そこで、民主党の一部で、ルールを変更すべきだという主張が出ているそうだ。2018年に決めたルールを実際に選挙が始まって変えようというのはあまりにご都合主義だ。しかし、それほどにサンダースの勢いが高まっているということを示している。

 民主党主流派は今回の選挙では一時的に特別代議員の影響力を弱めておいて、次回はまた特別代議員の影響力を高めようともしている。

 民主党内部は深刻な分裂を抱えながら大統領選挙を戦う。この分裂は修復がかなり難しいように思われる。

(貼り付けはじめ)

民主党全国委員会の複数のメンバーが民主党全国大会においてサンダースの党指名候補獲得を阻止すべくルール変更を話し合った(DNC members discuss rules change to stop Sanders at convention

―このよう話し合いがなされているというのは、予備選挙の投開票が始まる直前においてヴァ-モント州選出連邦上院議員の勢いが上がっていることについて懸念が広がっていることを示している。

デイヴィッド・サイダース筆

2020年1月31日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2020/01/31/dnc-superdelegates-110083

アイオワ州デモイン発。民主党全国委員会の少数のメンバーが私的に集まって、「バーニー・サンダースの大統領選挙運動の勢いを弱める、もしくは民主党全国大会において1回回の投票で党の指名候補が決まらないようにする」ことに関する計画への支持を集めようと動き始めている。

民主党全国委員会の幹部会の休憩時間、電話やEメールを通じて、6名ほどの民主党全国委員会のメンバーたちが、いわゆるスーパーデレゲイト(特別代議員、superdelegates)が民主党全国大会において1回目の投票から参加できるようにするルールの変更を行う可能性について議論した。このようなルール変更が行われた場合、民主党全国委員会のメンバー、党所属の連邦議員、また民主党の幹部たちの持つ、党の指名候補選びへの影響力が増大することになる。現在のルールでは、スーパーデレゲイトたちは、民主党全国大会の1回目の投票で党の指名候補が決定されない場合に、投票に参加ができるようになっている。

ある民主党全国委員会のメンバーが先週、民主党全国委員会のテネシー州代表メンバーであるウイリアム・オーウェンにEメールを送ってきた。オーウェン自身はルール変更を支持していない。Eメールには「私たちはルールの変更をすべきだと確信しています。ルール変更に関しては他のメンバーからも賛成の意見を聞いています」。

オーウェンはメッセージを送ってきたメンバーの名前を明らかにすることは拒否したが、このメンバーは更に「ルール変更を実際に行うことは難しいと思います。私たちはルール変更のための会議を開くか、全国大会の場で決めるかすべきです」と書いていると述べた。

ルール変更の支持者たちは、ルール変更を行うのに十分な支持を集めることはできないと認識している。しかし、こうしたルール変更に関する会話は、民主党エスタブリッシュメント派の多くがアイオワ州党員集会を前にして大きな不安と怒りを感じていることを示している。

サンダースは支持率を伸ばし、一方でバイデンは全国レヴェルではリードを維持している。しかし、少なくとも3名の候補者たちは有力だと見られている。現在の候補者たちの数とそれぞれの勢いから、民主党全国大会においては、1回目の投票で党の指名候補が決まらずに2回目の投票が必要となると見込まれている。

月曜日のアイオワ州での党員集会でサンダースが勝利を収め、これ以降も支持を伸ばし続ける場合、全国大会において多数の宣誓済み代議員(pledged delegates)を獲得しているという想定も可能となる。しかし、サンダースは、1回目の投票で過半数を獲得し、党の指名候補となるには不十分な数しか獲得できないだろうと考えられている。サンダースと同じ進歩主義派のエリザベス・ウォーレンが獲得宣誓済み代議員数で2位か3位で民主党全国大会に臨む場合、サンダースとウォーレンの獲得代位議員数を合計すると、トップを上回る可能性もある。

2回目の投票になってスーパーデレゲイトは自分たちが支持する候補者に投票することになる。そうなれば形勢を逆転できる(訳者註:サンダースではなくバイデンを党の指名候補に選ぶことができる)であろうが、民主党員の多くは、そのような結果になれば、党の指名候補になった人物の本選挙での戦いの邪魔となる反乱がおきるかもしれないと懸念している。

ルール変更に関する会話は、サンダースが予備選挙で勢いを増している中で行われた。しかし、民主党全国委員会の中で具体的に話が進んでいるものではない。

サウスカロライナ州出身の民主党全国委員会元委員長ドン・ファウラーは「民主党全国大会の場で今回の候補者選びの過程に関するルールの変更について会話がなされたそうです。しかし、それは正式なものではなくて気軽なものだった。私も少し参加しましたよ」と述べている。ファウラーは2018年に民主党全国委員会が最終決定された、スーパーデレゲイトが党の大統領選挙指名候補選びの過程において持っている力を削ぐことに反対した人物だ。ファウラーは続けて「しかし、はっきりさせておきたいのは、私は2020年の党の全国大会の場でそのようなルール変更をしようと試みる勢力には加担していません」と述べた。

ファウラーは更に次のように語った。「民主党全国委員会の席上でルールを決めるにあたり私たちの主張は通りませんでした。それで私たちがルール変更に関して今回の全国大会の場で争いを起こそうとするのは誠意ある態度ではないと思います」。彼は、そのようなことをすれば、「民主党全国大会の歴史の中で最も忌むべき戦い」が展開される結果になってしまうだろう、と述べた。

ファウラーは会話に参加したメンバーの名前を明かすことを拒絶した。そして、民主党全国委員会はルール変更に関する考えを却下した。

民主党全国委員会の広報担当デイヴィッド・バーグスタインはEメールを通じた取材に対して次のように答えた。「現在の民主党全国委員会委員長トム・ペレズは、あらゆる手段を講じて、自動的に決定される代議員(スーパーデレゲイト)ではなく、民主党の指名候補が予備選挙の投票を通じて選ばれた宣誓済み代議員によってえらばれるようになるよう戦いました。民主党全国委員会は今回のルール改正を満場一致で可決しました。現在のルールは私たちの党をより強くし、党の指名を受けた候補者が、党を支える支持者の方々から全面的な支援を受けられるようにするものです」。

どの候補者も代議員の過半数を獲得しない全国大会になってスーパーデレゲイト、現在は「自動代議員」と呼ばれる代議員2回目の投票ができるようにした。これはスーパーデレゲイトの力を削ぐ決定だ。この決定がなされるまでに2016年の大統領選挙から2年刊を費やした。2016年の大統領選挙の民主党全国大会で、スーパーデレゲイトの圧倒的多数がヒラリー・クリントンを支持したことに、サンダース支持者たちは激怒した。

2018年のルール変更は民主党左派にとっては大きな勝利だったと見られている。この当時、代議員制度の改革を「歴史的な」事業と位置付けていた。一方、民主党内の進歩主義派と穏健派の多くは、党の権力の集中化に疑問を持つ若い有権者たちに自分たちの主張を声高にアピールしていた。

会話の中で他のメンバーに対してルール変更を主張した民主党全国委員会のあるメンバーは、今週の試みについて「厳しい戦い」だと形容した。

しかし、このメンバーは名前を明らかにすることは拒絶しているが、この人物は党の全国大会は「党の最高の意思決定機関であり、党の全国大会は望むことはなんでもできるのです」と述べた。

この人物は更に「民主党全国委員会のメンバーは予備選挙でも1回目の投票をすることができないんですよ。サンダース氏が勢いを増している状況が続けば、全国大会でどのようなパニックが起きるかを見ることになります」と述べた。

ミルウォーキーで今年開催される民主党全国大会の後でルールの改正が行われる可能性は高い。これは今年の党の指名候補選びのためではないが、2024年の党の指名候補選びのためである。

前述のファウラーは「今回の民主党全国大会の後、ルール改正が行われることが予期されます。古いルールが採用されるようにする努力がなされるでしょう。古いルールについて関心を持つ人はたくさんいます」と述べた。

この記事が出された後、ペレズはツイッター上で次のように書いた。「そんなことは絶対にない。私たちは権力を草の根の人々に戻すようにしてきた。私たちは民主党全国委員会が決めたルールに従っていく。それを変えるようなことはしない。ルールを変更することはない」。

サンダース陣営の上級顧問ジェフ・ウィーヴァ―はEメールの中で、「民主党が数年をかけて実施してきた党指名候補決定の過程について述べるならば、改革を実施しようとしてこなかったことが深刻な間違いなのである」と述べた。

2016年の予備選挙の後にスーパーデレゲイトの力を弱める動きに強く反対した人々の多くも現在のルールを変更することに関心を持っていない。

民主党全国員会の元委員長ドナ・ブラジルは民主党ルール・内規委員会での議論について次のように述べた。「私がついた側は議論に負けました。せっかく治った傷口を再び開くようなことは賢いことではないと考えています」。

ブラジルは次のように語った。「2024年までに、2016年の大統領選挙の後がそうであったように、昔のような公平なゲームになるようにルールは変更されることになるでしょう。しかし現在のところは、現在のプロセスに私たちは満足すべきなのです」。

オーウェンもまたスーパーデレゲイトの影響力の削減に反対した。しかし、オーウェンは金曜日に「ルールに関するいかなる変更もルール変更に投票した人々の横っ面を張り倒す」ようなものだと述べた。

オーウェンは次のように語った。「私は、私たちのティームを勝たせたいと考えています。ティームを勝たせる方法は分裂ではなく、団結です」。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2016年8月9日、ウィキリークスがインターネットのSNSサーヴィスであるツイッター上で、「セス・リッチ殺人事件」の情報提供者に20000ドルを提供するというツイート(つぶやき、書き込み)を行いました。


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 セス・リッチ殺人事件とは、2016年7月11日午前4時20分頃に、民主党全国委員会のスタッフであったセス・リッチ(27歳、白人男性)が複数回の銃撃を受け、病院に運ばれたがすぐに死亡が確認された事件です。犯人はいまだに捕まっていません。

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 民主党全国大会開催を数週間後に控えた時期での殺人事件であり、大会開催直前に民主党全国委員会のEメールがウィキリークスによってリークされ、民主党全国委員会委員長のデビー・ワッサーマン=シュルツが辞任に追い込まれました。また、予備選挙で不公平な取り扱いがあったとして、ヒラリー・クリントンと争ったバーニー・サンダース連邦上院議員の支持者たちが全国大会期間中に激しい抗議活動を行いました。

 

 インターネット上では、民主党全国委員会のEメールを流出させたのは、セス・リッチだったのではないかという疑惑がささやかれ、これは政治的な動機による殺人事件だという主張もなされています。

 

 警察は物盗りによる犯行であったと発表しています。しかし、何も盗まれたものはないということも発表しています。しかし、事件の捜査については固く口を閉ざしています。

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 殺人事件が起きたのは、ワシントン市内北部のブルーミングデール地区で、近くには、黒人が学生ンほとんどを占めるハワード大学があります。地下鉄の駅から1キロほどの場所で犯行が行われたようです。アメリカの首都ワシントンでも治安の悪い地区はありますが、ブルーミングデール地区ではそのようなことは少なく、殺人事件は周囲500メートルに限って言うと2016年になって初めて発生したそうです。ただ、最近建設現場が出来て、その近くを通る時に強盗事件が発生するようになっていたという話もあります。

 

 被害者セス・リッチが実際に民主党全国委員会のEメールを盗み出して、リークしたという証拠はありません。殺害された日時はリークよりも前です。ですから、リークがなされた後に犯人探しがありそれでセス・リッチが犯人だと分かって殺害された、というストーリーにはなりません。

 

 リークよりも前に殺害されたということになると、リッチがEメールを盗み出してリークするということが既に分かっていて犯行に及んだということになります。情報漏洩者に制裁を加えるということはあるかもしれませんが、殺害するというところまで進むものなのだろうかという疑念は残ります。彼が盗み出したEメールの内容は「ヒラリーを勝たせたい」という民主党全国委員会委員長ワッサーマン=シュルツやその他のスタッフのEメールの内容であって、ヒラリーが書いたものではありません。

 

 もしかしたらリッチはもっと重要な内容のEメールを盗み出したということもあるかもしれません。それで口封じのために殺害したということもあるかもしれませんが、民主党全国委員会の一スタッフがヒラリーのEメールを盗み出すことが可能なのだろうかという疑問も残ります。

 

 ウィキリークスはヒラリーを大統領選挙で落選させようとしていることは明らかです。トランプは失言続き(だとするマスコミの連日の報道のせい)で支持率をだいぶ落としていますが、彼の政策や外交姿勢を見ると、ヒラリーよりはよほどましです。今回のこの懸賞金提供もそうした動きの一環であると思います。また、たとえセス・リッチ殺人事件が物盗りが殺人にまで発展してしまった政治とは関係のないが痛ましい事件だったとしても、民主党側にはのどに刺さった小骨のような神経戦を仕掛けることが出来る訳です。この事件を取り上げられることで、民主党にとっては神経に触られて不快な思いになるからです。

 

 大統領選挙が盛り上がっていく中で、様々なアクターたちの動きから目を離せなくなっています。

 

(記事貼り付けはじめ)

 

WikiLeaks offers $20K for info on DNC staffer's killing

 

By Jesse Byrnes - 08/09/16 02:55 PM EDT

http://thehill.com/homenews/news/290885-wikileaks-offers-20k-for-info-on-dnc-staffers-killing

 

WikiLeaks announced Tuesday on Twitter that it was offering $20,000 for information leading to a conviction in last month's shooting death of Democratic National Committee (DNC) staffer Seth Rich.

 

Police say Rich, 27, was shot multiple times at around 4:19 a.m. Sunday, July 10, while walking to his apartment in the Northwest Washington, D.C., neighborhood of Bloomingdale.

 

At the time, police say they believed Rich could have been killed in an attempted robbery, though nothing was stolen.

 

The WikiLeaks announcement, however, appears to be related to unsubstantiated conspiracy theories that Rich’s death could have been politically motivated.

 

WikiLeaks is offering the reward more than two weeks after the group published thousands of internal DNC emails on the eve of the party's national convention, which caused an uproar among supporters of Bernie Sanders and forced Chairwoman Debbie Wasserman Schultz to step down.

 

The anti-secrecy organization has been accused of having an agenda against Democratic presidential nominee Hillary Clinton, who has long been a target of conspiracy theories related to the death of onetime White House aide Vince Foster.

 

Police in Washington have been tight-lipped about the Rich investigation but have suggested they believed the crime was a robbery.

 

Just last week, D.C. Police Chief Cathy Lanier said it was possible that Rich was killed in an attempted robbery. She spoke at an event with Rich’s mother, and both made a plea for tips that might help solve the case.

 

There have been 77 homicides in Washington in 2016, though Rich’s death is the only one recorded in the last year within 1,500 feet of where he was killed.

 

Fifty-one violent crimes have been recorded by D.C. police in that area in the last year, however, including 19 robberies with guns and 10 assaults with a dangerous weapon, according to the police crime map.

 

After Rich’s killing, neighbors told Fox 5 that violence in the area had recently spiked, especially in a nearby construction zone.

 

One Howard University student said he had been the victim of an armed robbery just a week before Rich’s death, according to the Fox 5 report.

 

I was walking through this construction area, and as soon as I got into the construction area, there was a spotter that walked past me on my left,” Brandon Alexander told the television station. “As soon as he passed me on my left, the shooter came out of basically the construction area with a gun, put it to my face and basically took everything I had.”

 

D.C. police are offering their own $25,000 reward for information leading to the arrest and conviction of anyone responsible for the shooting death of the DNC staffer.

 

Police said in a press release at the time that patrols heard gunshots around 4:20 a.m. and found Rich suffering from multiple gunshot wounds. He was pronounced dead later that morning.

 

=====

 

July 11, 2016, 02:02 pm

DNC staffer shot and killed in DC

By Rebecca Savransky

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/287238-dnc-staffer-shot-and-killed-in-northwest-dc

 

 

A staffer with the Democratic National Committee (DNC) was shot to death in Washington, D.C., over the weekend.

 

Seth Conrad Rich, 27, was shot multiple times on the 2100 block of Flagler Place NW, located in the Bloomingdale neighborhood of D.C., NBC Washington reported. Rich was taken to a hospital, where he was pronounced dead.

 

Police patrolling the area heard gunshots at about 4:20 a.m. Sunday morning and responded to the incident. Police don't have any witnesses at the time, and they refused to comment on whether the shooting was related to recent robberies in the neighborhood.

 

DNC Chairwoman Debbie Wasserman Schultz in a statement commended Rich's work.

 

"Our hearts are broken with the loss of one of our DNC family members over the weekend. Seth Rich was a dedicated, selfless public servant who worked tirelessly to protect the most sacred right we share as Americans — the right to vote," the Florida congresswoman said in a statement issued to ABC News.

 

"He saw the great potential of our nation and believed that, together, we can make the world a better place. He was a joy to have as a member of our team and his talents, intelligence and enthusiasm will be deeply missed by the many friends, colleagues and coworkers who worked by his side in service to the highest ideals of our democracy."

 

Wasserman Schultz extended her condolences to the Rich's family.

 

"We will keep them in our thoughts and prayers," she said, "as we try to pick up the pieces and carry on the work that was important to Seth and to us."

 

(記事貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 2016年7月25日(日本時間だと26日)から民主党全国大会が始まりました。バーニー・サンダース支持者の野次とブーイングが響く中で、不穏な空気を伴いながら、演説が続きました。ミッシェル・オバマ大統領夫人、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員、バーニー・サンダース連邦上院議員が演説を行いましたが、この不穏な空気は払しょくされませんでした。ヒラリー・クリントン自身は姿を見せず、夫のビル・クリントン元大統領とティム・ケイン副大統領候補の姿がありました。

 

 これだけ不穏な空気になったのは、先週の金曜日にウィキリークスが、民主党全国委員会のEメール2万通をリークし、その中に、バーニー・サンダースの予備選挙での躍進を妨害したいという内容のものが含まれていたことが導火線になりました。サンダースの名前を出さないで、「候補者が困るような質問が出来ないか」といった内容のEメールがありました。こうしたEメール2万通は匿名の人物からウィキリークスに送られてきたということです。

 

 その中には、デビー・ワッサーマン=シュルツ民主党全国委員長(フロリダ州選出連邦下院議員)のEメールも含まれていました。彼女はヒラリーが勝つべきだという内容のEメールをヒラリー支持の全国委員会のスタッフに出していました。民主党全国委員会がヒラリーに肩入れをしているという非難は予備選挙中ずっとサンダース支持者たちから上がっていました。少なくとも公正中立であるべき予備選挙実施団体のトップがスタッフが、ヒラリーを支持していたということが明らかになって、サンダース支持者の怒りは頂点に達しました。

 

 ワッサーマン=シュルツは全国大会後の委員長辞任を発表しましたが、サンダース支持者はこれでは収まらないでしょう。民主党特有の制度である特別代議員制度の撤廃をはじめとする民主党内部の改革を求めるでしょう。そして、これが不十分に終わるなら、ヒラリーには投票しないということになり、ヒラリーの大統領選挙当選は危うくなります。

 

 民主党予備選挙は、伏兵のバーニー・サンダースが大躍進し、善戦し、ヒラリーを追い詰めました。サンダース支持者はヒラリーがイラク戦争に賛成したこと、国務長官時代にリビアのベンガジで失敗したことやISの台頭を許したことを批判してきました。これはトランプ支持者と同じ主張となります。ですから、彼らの中にはトランプへ投票する人たちも出てくるでしょう。もしくは第三党である緑の党のジル・スタインに投票する人が多くなるでしょう。共和党側で言えば、リバータリアン党のゲイリー・ジョンソンに投票する人たちが出てくるのと同じです。

 

 民主党としては、サンダース支持者に対して、改革を約束し、全国委員会の幹部スタッフを更迭するという低姿勢を見せながら、「皆さんはドナルド・トランプを勝たせて、大統領にしてもいいのですか」と訴えることしかできません。「ヒラリーとトランプでどちらがよりましですか」と彼らに聞くしかありません。しかし、彼らにとって恐ろしいことは、「ネオコンに近いヒラリーよりも、トランプの方がましだよ」と答える人たちが出てくるであろうということです。

 

 おそらく、サンダース支持者たちの過半数は、「トランプも酷いし、ヒラリーに入れるしかないか」といやいや、渋々、目に涙を浮かべながら、ヒラリーに投票するでしょう。

 

 私は「8対2」でヒラリー優勢だと考えてきましたが、2つ目のEメール問題で、「6対4」でヒラリーやや優勢の状況になったと考えています。トランプはここを先途と、サンダース支持者を対象に切り崩しの攻撃を行い、「サンダースと闘うはずだった、それならタフな闘いになっただろう。私はサンダースの敵ではない、サンダースの敵はヒラリーと民主党だ」「予備選挙自体が無効なのだから、ヒラリーを民主党の大統領選挙候補者としては認めない」という発言をするでしょう。

 

 民主党とヒラリーは防戦として、「差別主義者で生まれながらの金持ちであるトランプをあなたは支持するのですか」「女性を侮辱し続けてきたトランプを選ぶのか、女性でも大統領になれることを証明することに参加するのか、どちらですか」といった主張を行うでしょう。また、「人権抑圧国で、周辺国への侵略を行っているロシアに対してトランプは友好的だ。ヒラリーは厳しい態度で臨むと言っているので、このような謀略を仕掛けられたのだ。あなたは外国による選挙への介入を許しますか」という訴えも行うでしょう。

 

 私としては、民主党大会後の激戦州の世論調査の結果を注視したいと思います。その数字でまた私なりの予想を変えねばならないと思います。

 

=====

 

サンダースの支持者たちは、民主党全国委員会Eメールリーク事件で民主党の団結は崩れないと述べているが、抗議者たちはそうではないと叫んでいる(Sanders Backers Say DNC Leak Won’t Unravel Party Unity Bid — Protesters Say Otherwise

 

モーリー・オトゥール筆

2016年7月25日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/07/25/sanders-backers-say-dnc-leak-wont-unravel-party-unity-bid-protesters-say-otherwise/

 

フィラデルフィア発。民主党は、クリーヴランドで開催された共和党全国大会は決定的なものとなったと述べた。

 

 ヴァ―モント州選出連邦上院議員バーニー・サンダースの支持者たちは、ブーイングと「ノー」の叫び声の大合唱を行った。これは予備選挙で次点に終わったサンダースが彼が獲得した代議員たちに対してヒラリー・クリントンを支持し、ドナルド・トランプを倒すために団結して努力しようと述べた時に起きた。民主党全国大会を前にしてこのようなことが起きているのは前代未聞のことだ。フィラデルフィアでの民主党全国大会のテーマが「団結してより強く」であるのはあまりにも皮肉めいている。

 

 先週金曜日にリークされた20000通の民主党全国委員会のEメールは、2016年の米大統領選挙について影響を与えるためにロシアのハッカーたちによってリークされたと考えられている。サンダースの主要な支持者たちは、民主党全国委員会がサンダースに対して妨害活動をしていたことをEメールが示しているが、他のサンダース支持者たちがヒラリー・クリントンに投票することを妨げないと述べている。しかし、フィラデルフィアに集結しているサンダースが獲得した代議員と講義をしている人々は全く別のことを叫んでいる。

 

 サンダースは、民主党全国大会が開催されるスタジアムから数キロ離れた集会場に集まった彼が獲得した代議員たちに対して「今まさに、私たちはドナルド・トランプを打ち倒さねばならない」と語った。サンダースは月曜日の夜に民主党全国大会で基調演説を行う予定だ。サンダースは更に「私たちはヒラリー・クリントンとティム・ケインを当選させねばならない」とも述べた。

 

 サンダースが発言を続ける中で、集まった人々は「兄弟たち、姉妹たち、これが私たちの生きている現実世界だ」と叫んだ。

 

 現実世界は、ウィキリークスが民主党全国委員会のEメールをリークしたことによって衝撃を受けている。サンダースが彼の代議員たちを前に演説している最中に、民主党全国委員会のデビー・ワッサーマン=シュルツは『オーランド・サン・センティネル』紙の取材に対して、月曜日の午後に4日間にわたって行われる民主党全国大会の開会宣言を行う大役を辞退すると述べた。フロリダ州選出の連邦下院議員であるワッサーマン=シュルツは日曜日に、全国大会でのいくつかの仕事をこなした後に委員長職を辞任すると表明した。

 

 民主党全国委員会と独立系のアナリストたちは複数のハッカーに対するEメールのリークは、ロシア政府との関係があるのではないかと疑いを持ち調査を行っている。ここ数時起きていることはまさにロシア政府が意図したことであると彼らは考えている。民主党内部の亀裂がどんどん大きくなることでヒラリーへの支持は下がり、トランプにとっては大きな後押しとなる。トランプは共和党の大統領選挙候補者で、彼の選挙戦とビジネスはロシアに対して友好的であった。

 

 フィラデルフィアで抗議活動をする人たちを鎮める方法はない。また、全国大会会場で、ヒラリーと民主党全国委員会に対する反対を明確に記録に残すために候補者指名方法に関して動議を出す計画をサンダース派の代議員たちが出すことを止めることもできないだろう。彼らはヒラリーが不当に依怙贔屓をされて予備選挙に勝ったと不公平感を強めている。

 

 ジム・ゾグビーはサンダースの外交政策顧問であった。ゾグビーは、「民主党全国委員会はEメールのリークにおけるロシアの役割ばかりを強調しているが、銀行強盗をやった人物が、自分を警察に密告した人に文句を言っているようなものだ」と述べた。

 

 「これはよくある行動パターンだ。民主党全国委員会側はこれまで私を非難してばかりきたが、私はそんなバカなことはしてこなかった、他人に自分の間違いの原因を押し付けたりしなかった」と本誌の取材に対して答えた。集会所の外にはサンダース支持者が多数詰めかけていた。

 

 ゾグビーは、アラブ・アメリカン研究所の所長で、フィラデルフィアには特別代議員としてやって来た。また、民主党政策綱領作成委員会の委員であった。彼は長年にわたり、民主党全国委員会のメンバーだが、彼は、サンダースの支持者がヒラリー支持に移る純部は出来ていないと述べた。

 

 「彼らは民主党内のエスタブリッシュメントではない。何が起きるかは分からない」とゾグビーは述べた。

 

 ゾグビーは、サンダースとヒラリーの間には多くの問題で相違点があることは明らかで、これがサンダースの熱心な支持者たちを動かしているので、彼らがドナルド・トランプを倒すことに力を傾けるようには今のところなってはいない」と述べた。

 

 ジャスティン・モリットは月曜日に開催されたサンダースの代議員たちの集会に参加した。モリットはロビン・フッドの帽子をかぶり、自分がサンダースの代議員であることを示していた。彼はコネチカット州の労働組合活動家だ。彼は、サンダース支持者がヒラリー支持に合流できないのは、Eメールスキャンダルのせいではなく、彼女の外交政策がネオコンと同じであることだと述べた。

 

 モリットは「ロシア人を非難するのは簡単だが、今は冷戦下の1985年ではない」と本誌の取材に対して述べた。「問題はリークされたかどうかではなく、Eメールの中身だ。もっと大事なことは、彼女の外交政策だ。彼女の政策によって中東は不幸に見舞われた」とも語った。

 

 ホセ・ナヴァレットは学生で、パートタイム警察官候補生だ。彼はカリフォルニア州サンフェルナンドヴァリーからサンダースの代議員としてフィラデルフィアにやって来た。ナヴァレットは11月には第三党の候補者に投票すると述べた。

 

 ワッサーマン=シュルツが委員長を辞任するだけでは十分ではないとナヴァレットは述べた。

 

 「もし彼らがサンダース支持者の支持を得たいと思うのなら、民主党を本当に改革しなければならない」とナヴァレットは述べた。

 

 「私たちの目を開かせるために外国の力を使うのはどういうことだろう?私たちに何が起きているかを教えるのがロシア人だったのは悲しいことだ」とも述べた。

 

 しかし、サンダースの外交政策ティームのメンバーであったジョセフ・シリンショーンは、サンダースの支持者たちの態度に衝撃を受けていると述べた。シリンショーンは、サンダースがこれほど困らされ侮辱されている姿を見たことがなかったと本誌の取材に答えた。

 

 シリンショーンは、フィラデルフィアでは抗議活動をする人々は大声で叫ぶだろうと予想した。しかし、と彼は続けて、「彼らはサンダース支持者の大部分を代表する人たちではなく、大部分はヒラリー・クリントンが木曜日に指名受諾演説を行う前に既に、彼女を支持するだろう」と述べた。

 

 彼らは民主党全国委員会のEメールのリークにばかり関心を払い、ロシアが後ろについているハッカーたちがEメールをハッキングしたという疑惑には関心を払っていない、とシリンショーンは述べている。

 

 「これは前代未聞のことだ。1800年代初めのフランスのようだ。私たちは大統領選挙に対するあからさまな外国からの干渉が行われているのを目撃している。ロシアが何を望み、ドナルド・トランプが当選することが何を意味するのかについて全てのアメリカ国民に対して警報を発するべきだ」とシリンショーンは語った。

 

(終わり)







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 古村治彦です。

 

 今回は、ヒラリーとトランプ、どちらかが勝つかということについて、アメリカの記事を基にしながら、見ていきたいと思います。

 

 私は今のところ、「8対2」の割合で、ヒラリーが勝利を収めると考えます。もちろん11月までに、何か大きな事件やスキャンダルがあれば大きく変わりますが、今のところはヒラリー優勢だと思います。トランプが昨年出馬表明した段階ですと、「99対1」でヒラリーでしたから、トランプはかなり追い上げてきたということが出来ます。

 

 こう書くと、私がヒラリー支持だと受け止める方がいると思いますが、私はヒラリー支持でも、トランプ支持でもありません。どちらになっても、日本には厳しい状況になるのは変わらないと思います。日本へのあたりが表面上やわらかいか、の違いだけです。お金も取られて、兵隊も出させられる、そしてこれらのことが糊塗できなくなるまで、騙されつつづけるふりをしながら、日本国民の多くは、「仕方がない」と諦めながら、「野党がダメだから、仕方なく自民党を応援するしかない」と自分を騙しながら生きていくしかありません。

 

 映画『華氏911』で知られ、著書『アホで間抜けなアメリカ白人』で知られ、突撃取材で有名な映画監督のマイケル・ムーアが「大統領選挙はトランプが勝つだろう(残念ながら)」という予想をあるテレビ番組で述べました。その内容が、下に貼り付けた記事に詳細に説明されています。

 

 このテレビ番組は観客を入れて収録されたもので、コメディアンでリベラルな論客、政治討論番組の司会者でもあるビル・マーが司会だったので、観客たちはリベラル、反トランプの人々で、このムーアの発言に一斉にブーイングをしました。

 

 しかし、ムーアの発言は根拠があるものです。彼は、「怒れる白人有権者がトランプに投票する」し、「6月に行われたイギリスのEU脱退の是非を決める国民投票で脱退派が勝利をしたことの衝撃がある」と発言しています。アメリカの怒れる白人とイギリスでEU脱退に賛成した人々に共通するのは、「アメリカの没落と不法移民とに対する恐怖心」です。この不安や恐怖を拭い去ってくれる人物としてドナルド・トランプを選びました。

 

ムーアの説明で重要なのは、彼がアメリカ五大湖周辺のラストベルトの重要性を強調している点です。彼はラストベルトのミシガン州(自動車の都と呼ばれたデトロイトがあります)に住んでいます(ミシガン州立大学のスポーツキャップをいつもかぶっていて、トレードマークです)。ミシガン州は、激戦州(スイング・ステイト、バトルグラウンド・ステイトと呼ばれます)です。激戦州は他には、ウィスコンシン州、オハイオ州、ペンシルヴァニア州があります。

 

 ムーアの分析によれば、イギリスでEU脱退(Brexit)を決めたのは多くがイングランド中西部(ウェールズを含む)の地域です。ラストベルトがまさにイングランド中西部になるということです。上記の4州の選挙人の数は64名です。この4州をトランプが制した場合には勝利を収めることになります。

 

 2012年の米大統領選挙では、オバマ大統領が共和党のミット・ロムニーに126人の差で勝利を収めました。下に貼り付けた記事によると、この中には前述の4州での勝利も含まれていましたが、この4州全てをロムニーが制していたら、結果は270対268でロムニーの勝利でした。

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マイケル・ムーアの予言を基にした場合 

 

 更には、ムーアは「トランプはバカではない、人々の操り方をよく知っている。バカな人々が彼に操られている」と述べています。

 

 2016年7月21日(日本時間では22日)に4日間にわたって続いた共和党全国大会が終わりました。トランプは「法と秩序(Law and Order)」を強調し、ヒラリー・クリントンをベンガジ事件とEメール問題で激しく批判しました。この週末の世論調査でどんな数字が出てくるかが注目されます。「私は皆さんの声です、代弁者です(I am Your Voice)」「グローバリズムではなく、アメリカニズム、アメリカ・ファーストだ」という言葉がとても印象的で、内向き志向を示していますが、同時に中国やテロに対しては厳しい姿勢で臨むということも述べています。

 

共和党の政策綱領の中には、イスラエル・パレスチナ問題について、「二国共存による解決(two-state solution)」という言葉が入っていません。イスラエルに対してかなり肩入れした内容になっており、ここにネオコン(イスラエル・ロビー)の影響が見て取れます。ネオコンの主要な人物たちはトランプに対して不支持を表明していますが、アメリカ連邦上院でネオコンとして知られる、トム・コットンがトランプを支持しました。トランプが当選した場合に、どれだけネオコンが入り込んでくるのか、そしてそれをどれだけ抑えられるか、ということが注目です。

 

 トランプが自分の姿を投影しているロナルド・レーガン政権も選挙中は、リバータリアニズムを基礎にした政策を訴えていましたが、政権発足後にはネオコンが外交政策に影響を与えるようになり、減税と軍事力増強という相反する政策を実行したために、貿易赤字と財政赤字という双子の赤字を抱えることになりました。ソ連崩壊(冷戦の勝利)があっために、レーガンは偉大な大統領と呼ばれますが、トランプが目の前の敵であるテロ組織と中国を屈服させることはできません。

 

(インターネット記事貼り付けはじめ)

 

July 21, 2016, 02:06 pm

Michael Moore: Trump is going to win

By Joe Concha

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/288715-michael-moore-trump-is-going-to-win

 

The liberal filmmaker shared his presidential prediction at the Republican National Convention in Cleveland during a special edition of the longtime HBO political panel program "Real Time with Bill Maher."

 

"I'm sorry to have to be the buzzkill here so early on, but I think Trump is going to win. I'm sorry," the 62-year-old Moore proclaimed to gasps and boos from the progressive live audience. "Boo if you want."

 

Moore's rationale for a Trump victory includes angry white voters and the United Kingdom's vote to leave the European Union — known as Brexit — that sent shockwaves around the world in June.

 

"I live in Michigan. Let me tell you, it's going to be the Brexit strategy," Moore said.

 

"The middle of England is Michigan, Wisconsin, Ohio and Pennsylvania," he continued. "And Mitt Romney lost by 64 electoral votes. The total number of electoral votes in those states in the Rust Belt: 64. All [Trump] has to do is win those four states."

 

President Obama won by 126 electoral votes over Mitt Romney in 2012. But if the aforementioned four states and the 64 electoral votes that go with them collectively were to be flipped, Romney would have won that election 270-268.

 

Earlier in the day, Moore was much more pointed in his backhanded praise of Trump.

 

"He knows how to manipulate a dumbed-down population," he said at a press conference.

 

"The population of schools has been wrecked, and the news media is just insipid and stupid and doesn't give the people the facts about what's going on," he explained, calling American voters, "easily manipulated."

 

 "He's [Trump's] not as stupid as he looks. You should take it very seriously," the director of "Fahrenheit 911" and "Roger and Me" warned. "He knows the manipulation that's going on here, and the use of propaganda and the way he's doing it is just brilliant in the way that he is succeeding and has succeeded."

 

According to the RealClearPolitics average, Hillary Clinton and Donald Trump are in a statistical dead heat nationally with 109 days to go until Election Day. Clinton's lead is down to 2.7 points, within the margin of error.

 

(インターネット記事貼り付け終わり)

 

 次にご紹介するのは、私が知りたいと思っていた、統計上の資料がふんだんに使われている記事です。ニューヨーク・タイムズ紙が、全米50州+ワシントンDCのこれまでの大統領選挙での結果や世論調査からヒラリーが勝つ確率は74%だということを述べています。私がこのブログでも何回も書いていますが、アメリカでは共和党が確実に勝つ州と民主党が確実に勝つ州がはっきり分かれるようになってきました。ジョージ・W・ブッシュ前大統領の頃から、「レッド・ステイト(共和党が強い州)」と「ブルー・ステイト(民主党が強い州)」がある程度固定化され、それに分類されない「スイング・ステイト、バトルグラウンド・ステイト(激戦州)」の取り合いが大統領選挙の帰趨を決めることになりました。赤と青でオセロゲームをやっている感じです。


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青がヒラリー、赤がトランプ(NYタイムズから)


 アメリカ大統領選挙の特徴は、単純に得票数で結果が決まるのではなく、各州に割り当てられた選挙人を取り合って、その合計数で結果が決まるというものです、選挙人の数は州の人口に沿って割り当てられており、最大の州は55名のカリフォルニア、最少の州は3名のノースダコタやサウスダコタです。その州で投票の過半数を取れば、選挙人は勝者が総取りとなり、得票数に応じて配分ということではありません(いくつかの州で配分にする動きが出ています)。

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青が民主党が強い、赤は共和党が強い、真ん中は激戦州(NYタイムズから。州の数は赤が多いが、選挙人の数は青が多い) 

 

 今回の大統領選挙の副大統領候補選びで見えてくるのは、ヒラリー、トランプ両陣営の思惑です。ヒラリーはティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出)を選び、トランプはマイク・ペンスインディアナ州知事を選びました。民主党側は、ティム・ケインが地盤とするヴァージニアは激戦州ですが、アメリカ南部の「入り口」であるヴァージニア州とできれば、まだ何とかなりそうなノースカロライナ州を逆転させたいとおもっているようです。共和党側は、前述したように、ラストベルト、五大湖周辺部の64名を取りに行って、勝利に結び付けたい、また、ペンスは最近まで6期連邦下院議員を務めていたので、中央政界でも顔が利くので疎遠なトランプの助けになるという思惑があります。

 

 私がだいたい考えていたようなことがこの記事では書かれています。トランプがラストベルト4州で全勝すれば勝利となりますが、ここの出身者を民主党側が選ばなかったというのは、彼らは恐らく独自の世論調査をやっているでしょうが、「4つ全部落とすことはないし、1州くらいは落としても何とかなるし、それどころか、4つ落とすことはない」という手ごたえをつかんでいるのだろうと思います。トランプ側はここを崩さないと勝利はないので勝負をかけてきたということだと思いますが、4つを逆転するためには、ヒラリー側に相当な失態やスキャンダルが起きなければ厳しいです。


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ヒラリーが何人の選挙人を獲得して勝利するかの確率が固いかを1人毎に示しているグラグ(NYタイムズから。538名中347名を獲得して勝利というパーセンテージが高い)
 

 まだヒラリーとトランプの直接対決前ですので、どうなるか分かりませんが、今のところの状況では「8対2」でヒラリーが優勢だと私は考えています。私が今のところ考えている結果予想は次の図の通りです。

 

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(新聞記事転載貼りつけはじめ)

 

Who Will Be President?

 

By JOSH KATZ  UPDATED July 21, 2016

Last updated Thursday, July 21 at 8:08 PM ET

http://www.nytimes.com/interactive/2016/upshot/presidential-polls-forecast.html?src=twr&smid=tw-nytimes&smtyp=cur&_r=1

 

Hillary Clinton has about a 74% chance of winning the presidency.

 

 

The Upshot’s elections model suggests that Hillary Clinton is favored to win the presidency, based on the latest state and national polls. A victory by Mr. Trump remains quite possible: Mrs. Clinton’s chance of losing is about the same probability that an N.B.A. player will miss a free throw.

 

From now until Election Day, we’ll update our estimates with each new poll, as well as collect the ratings of other news organizations. You can chart different paths to victory below. Here’s how our estimates have changed over time:

 

 

State-by-State Probabilities

 

To forecast each party’s chance of winning the presidency, our model calculates win probabilities for each state. In addition to the latest state polls, our forecast incorporates a state’s past election results and national polling.

 

The table below shows our model’s estimate for Democrats and Republicans in all 50 states and Washington, D.C. We have put the states into five groups based on their voting history relative to the nation since 2004.

 

Our estimates in states that tend to vote ...

 

 

How Other Forecasts Compare

 

The New York Times is one of many news organizations to publish election ratings or forecasts. Some, like FiveThirtyEight or the Princeton Election Consortium, use statistical models, as The Times does; others, like the Cook Political Report, rely on reporting and knowledgeable experts’ opinions. PredictWise uses information from betting markets.

 

We compile and standardize these ratings every day into one scoreboard for comparison. First, every organization’s estimate for who will win the presidency:

 

 

Which Outcomes Are Most Likely

 

Some combinations of electoral votes are much more common than others. The chart below shows the estimated likelihood of each outcome.

 

 

Donald Trump’s Difficult Path to the White House

 

The interactive diagram below illustrates Mr. Trump’s challenging path to the presidency. Here, we assume Mrs. Clinton and Mr. Trump will win the states where we believe they are most strongly favored, and we let you control the outcome of the 10 most competitive states. Above all, this diagram illustrates how important Florida is to Mr. Trump. It is extremely difficult for him to win without it.

 

Select a winner in the most competitive states below to see either candidate’s paths to victory.

 

(新聞記事転載貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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