古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:民主党全国委員会

 古村治彦です。

 トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は民主党の中で「鬼っ子」「異端児」となっている。歯に衣着せぬ発言と大胆な行動で民主党主流派や正統派を苛立たせている。民主党指導部からの受けも悪い。地元ハワイ州の民主党指導部(日系人が多い)にも平気で喧嘩を売る。ハワイ州軍の少佐であり、イラクに2度派遣された従軍経験を持つ帰還軍人だ。この点に関しては彼女を批判する人々も頭を下げる。

 ギャバードはアメリカが外国に介入することに反対し、政権転覆のための戦争(regime change wars)をするべきではないと主張している。この点ではドナルド・トランプ大統領と考えは共通している。選挙戦直後の2016年11月21日にトランプはギャバード議員と会談を持った、ギャバード議員はトランプに対してシリアに対する関与の度合いを強めることに反対するという話をしたということだ。トランプはこの時にギャバードの政権入りを考えていたが実現しなかった。

 2016年の大統領選挙の時、ギャバードは民主党全国委員会の副委員長を務めていたが、民主党全国委員会の委員長デビー・ワッサーマン=シュルツをはじめ幹部たちがヒラリー・クリントンに有利になるように討論会などを設定することに抗議し副委員長を辞任し、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)支持を表明した。

 こうしたギャバードの行動は民主党主流派、そしてヒラリー・クリントンを激怒させた。そして、最近になってヒラリー・クリントンは報復として、「ギャバードがロシアからの支援を受けている、それはトランプ大統領をさせるためだ」という根拠のない攻撃を行った。これに対して、ギャバードは鮮やかに切り返し、ヒラリーを「民主党を悪くしている腐敗の権化(personification of the rot that has sickened the Democratic Party)」「戦争屋たちの女王(queen of warmongers)」と呼んで、人々の関心を集めることに成功した。

 ギャバードのヒラリー評は本質をズバリとついた素晴らしいものだ。そして、ヒラリーの攻撃を利用して、人々の関心を集めることに成功しているのも大きい。ヒラリーの発言については民主党主流派や主流メディアも対応に苦慮している。そもそもが根拠のない話であってそれをそのまま使う訳にはいかないので、メディアでは同じ内容をヒラリーの支援者が語っている形にして引用してギャバード攻撃を仕掛けているが、うまくいかない。また、「放っておけば自滅する候補者にスポットライトが浴びるようにしやがって、ヒラリーのバカが」という批判も出ているようだ。

 今回の騒動は民主党内部の腐敗や分断がこれからも進んでいくことを象徴している。これで大統領選挙には勝てないということになり、結果としてトランプ再選を望む外国を利することになる。こうした点に思いが至らずに、自分の復讐心だけで現在も余計な動きをしているヒラリーにはそもそも大統領になる資質はなかったということになる。

(貼り付けはじめ)

クリントンのギャバード攻撃は大統領選挙において深刻な火種になる(Clinton attacks on Gabbard become flashpoint in presidential race

ジョナサン・イーズリー筆

2019年10月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/466785-clinton-attacks-on-gabbard-become-flashpoint-in-presidential-race

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)の選挙運動が民主党予備選挙において火種となっている。ヒラリー・クリントン元国務長官は、ロシア政府がギャバードに対して2020年の本選挙でトランプを再選させるために第三党で出馬するように勧誘していると発言した。この発言の後、ギャバードが民主党にとっての火種となっている。

ギャバードは第三党の候補者として立候補することはないと明言した後、ヒラリー・クリントンに反撃をし、ヒラリーを「民主党を悪くしている腐敗の権化personification of the rot that has sickened the Democratic Party)」と呼んだ。

トランプ大統領は右派と左派の多くと一緒になってギャバードを擁護している。支持率が低い候補者であるギャバードに対して新しいアピールをする機会を与えることになり、このアピールは苦しい選挙運動を続けているギャバードにとって有効なものとなるだろう。

民主党員の中にはヒラリーの発言に苛立っている人がいる。こういった人々は、ギャバードはロシア政府のお気に入り、財産であることを示す証拠はないと主張している。また、自分たちはギャバードのことが気に入らないのに、2016年の大統領選挙民主党候補者ヒラリーが、そのままにしていれば消えていくはずのギャバードに人々の関心を集めさせていると非難している。

ギャバードは38歳の帰還軍人である。ギャバードはこれまでも民主党指導部を攻撃し、シリア大統領バシャール・アサドと会談を持ったこともあった。こうした行動で、民主党主流派と対立している。アサド大統領率いるシリア政府はロシア軍によって支えられている。

しかし、ギャバードに関心が集まるようにしてしまったことで、ヒラリー・クリントンは民主党内のエスタブリッシュメントと反主流派との間の亀裂を再び深めることになった。前回の大統領選挙民主党予備選挙で反主流派はバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出。無所属)をヒラリー・クリントンに負けない候補者にまで押し上げた。

民主党に政治献金を行っているある人物は次のように述べている。「ヒラリー・クリントンが2020年の大統領選挙に関してギャバードの名前を出すたびに私たちは恐怖感を持ってしまう。民主党員がお互いに戦い、今回の論争が古い傷を再び開けてしまえば、トランプ大統領を利するだけだ」。

ヒラリーの発言内容は民主党全国委員会を苦しい立場に追い込んでいる。民主党全国委員会は外国政府からの介入への懸念と予備選挙での中立性の維持との間でバランスを取ろうとしている。

ギャバードは民主党全国委員会が資金集めと世論調査の支持率の数字に関する参加条件を「不正に操作している(rigging)」と非難している。参加条件を意図的に厳しくすることで、彼女やその他の候補者たちが討論会に参加することを困難にさせていると主張している。

ギャバードは11月の討論会の参加条件をクリアしていない。それでも月曜日、ギャバードは11月の討論会の参加条件となっている4回の支持率に関して最初の1つをクリアしたと発表した。

民主党全国委員会は今回の論争についてのコメントを拒否している。しかし、討論会の参加条件を設定している。そして、多くの候補者が立候補している予備選挙をうまく管理しながら条件の透明性を確保していると主張している。

民主党全国委員会のある幹部は、民主党全国委員会はインターネットのネットワークの補強と民主党の候補者たちに関する偽情報を監視することに多額の資金を投入していると述べた。

しかし、ヒラリーの「ギャバードは意図していないだろうがロシアにとっての財産になっている」という当て擦り発言は、民主党幹部たちが私的な会話の中で話していたことを表に出すものとなった。

2016年の大統領選挙に関して民主党幹部たちが嫌な思いを今でも持っているのは、緑の党の候補者ジル・ステインが重要な各州でヒラリーに向かうはずの投票を奪った可能性が高いというものだ。

民主党の一部には、ギャバードは不穏な考えを持つ泡沫候補で全く見込みのない無謀な選挙戦を展開しているが、こうした彼女の行動は、親トランプ派のコメンテイターのマイク・サーモヴィッチや「クークラックスクラン」の元指導者デイヴィッド・デュークのような右派の物議をかもす人物たちからの支持を集めている、と考えている。

ギャバードはデュークから支援を受けているという指摘を否定している。しかし、彼女はフォックスニュースチャンネルに複数回出演し、タッカー・カールソンのインタヴューを受けており、こうした行動が民主党指導部を苛立たせている。

月曜日、トランプ大統領はギャバードを擁護した。

大統領は「(ヒラリーは)誰でもロシアのエージェントだと非難している。こうした人々は病気なのだ。何か悪いことがこうした人々の中で起こっている」と述べた。

ギャバードの支援者や協力者たちは、彼女の選挙運動が右派に向けてアピールするものではないと述べている。しかし、エスタブリッシュメントに対する攻撃と民主党正統派の考えからの逸脱は、トランプ支持者の一部を含むすべての場所の反主流派の共鳴を呼んでいる。

ギャバードの支援者たちはヒラリー・クリントンが組織化しているギャバードへの攻撃に怒っている。また、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ギャバードは右派からの支援を受けているとかロシア政府は積極的に彼女の選挙戦を支援していると当てこするヒラリー・クリントンの支援者や協力者の発言内容を引用することでギャバードに対する攻撃を支援する形になっている。

今週末に公表したヴィデオ映像の中で、ギャバードは「2016年の大統領選挙で私はバーニー・サンダースを推薦した。多くの人々がそんなことをしたらあなたの政治キャリアは終わることになると言った」と述べた。

「人々は次のように私に言った。“ヒラリーはこのことを決して忘れない。だから、彼女と彼女の富裕で力を持つ友人や協力者たちがあなたを破滅させることは間違いない。彼女の友人たちは政界やメディアに多くいる”と。選挙戦に出馬した初日から数えきれない程の、私に対する汚い言葉に満ちた攻撃が始まった。こうした攻撃をしている人たちは私の評価と私のこれまでの公務に傷をつけ破壊しようとしている。何故なら私がこうした人々の考えや行動に立ちはだかっているからだ」。

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の協力者たちはギャバードに対する攻撃に参加している。ハリスの検察官時代の仕事内容についてのギャバードの攻撃を増幅しているインターネット上での疑わしい行動が存在していると協力者たちは主張している。

ギャバード選対がロシアと協力していることを示す証拠は存在しない。また専門家たちは、インターネット上のロシアのボットを使った活動は、アメリカ国内の多くの組織や団体をより分断させることを目的にしていると指摘している。

ギャバードの擁護者たちは、ハリスからの攻撃は討論会での衝突から出たものだと見ているが、ヒラリー・クリントンからの攻撃は2016年にギャバードがサンダースの取り扱いに抗議して民主党の副委員長を辞任したことに対する報復だと主張している。

サンダースを支持している進歩主義派のストラティジストであるジョナサン・タシニは次のように述べている。「ヒラリー・クリントンからの攻撃は、赤狩りのマッカーシー時代の中傷と同じだ。ゴールドマンサックスにいる彼女の親友であり欺瞞のプロたちとシャルドネワインを飲みながら何の証拠もないところから中傷をあっという間に生み出す」。

タシニは続けて次のように述べている。「より皮肉なことは、もしある人物が外国政府から資金を受け取って財産のような存在になっているというならば、ヒラリー・クリントンこそがその人だということだ。ヒラリーの財産はサウジアラビアから数百万ドルを受け取っている。サウジアラビアの独裁者たちは女性を抑圧し、イエメンで一般市民たちに対して虐殺に近い戦争を実行している。こうしたことは彼女を困らせてはいないようだ」。

予備選挙候補者のうち、実業家アンドリュー・ヤン、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジはギャバードに対する攻撃には根拠がないとし、彼女を擁護している。

専門家や主流メディアに出ているニュースキャスターはヒラリーの発言内容について、敵意とより深い疑義をもって扱っている。

しかし、ヒラリーの協力者たちはある種の賭けに出ている。こうした人々は、ギャバードに対しての発言はギャバードが第三党の候補者として立候補することや別の候補者が当選した際に閣僚などになることを阻止するための試みなのだと主張している。

民主党系ストラティジストであるアダム・パークホーメンコは次のように述べている。「民主党全国委員会が何をしようがしまいが、トゥルシーと彼女のボットは不正に操作されているとか共同謀議だと叫び続けるのだ。シリアのアサド大統領を擁護する人々と同じ考え方なのだ。私が大変失望しているのはロシアの介入を否定する機会を与えられた候補者たちがそれに惨めに失敗していることだ」。

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ギャバードはクリントンに対して「戦争屋たちの女王」と反撃(Gabbard hits back at 'queen of warmongers' Clinton

マーティー・ジョンソン筆

2019年10月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/466524-gabbard-hits-back-at-queen-of-warmongers-clinton

アメリカ大統領選挙民主党予備選挙候補者トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は金曜日、2016年大統領選挙民主党指名候補ヒラリー・クリントンが「ギャバードは2020年の大統領選挙でロシアのお気に入り」という示唆をしたことに対して反論し、ヒラリーのことを「民主党を悪くしている腐敗の権化(personification of the rot that has sickened the Democratic Party)」と呼んだ。

ヒラリー・クリントンはポッドキャスト番組「キャンペーンHQ」に出演し、司会のデイヴィッド・プロウフに対して「彼女はロシア人のお気に入りだ。これまでロシア人たちは多くのサイトとSNS上のボットを作り、彼女を支援している」と述べた。プロウフは2008年の大統領選挙でバラク・オバマ陣営の選対責任者を務めた人物だ。

元ファーストレイディーにしてニューヨーク州選出の連邦上ン議員でもあったヒラリーはギャバードの名前を出さなかったが、彼女の発言がギャバードを指していたのは明白だ。ギャバードはこれまでにもロシアにとっての財産であるとか手駒であるという非難を繰り返し否定してきた。

一連のツイートの中で、ギャバードはヒラリー・クリントンを攻撃し、ヒラリーを民主党エスタブリッシュメントの「腐敗の具現化」と呼んだ。

ギャバードは「私が大統領選挙に立候補表明した初日から、私の評判を貶めるための組織だった運動が展開されてきた」と述べた。

ギャバードはヒラリーに対して「私の評判を落とす運動の裏に誰がいるのか、そして何故そのようなことをするのかということが不思議で仕方がなかった。今はっきりと分かった。常にあなたがいたのだ」と述べた。
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ギャバードは更に「私と攻撃したいなら大統領選挙に参加してからする」ようにと発言した。

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ギャバードはハワイ州軍の一員であり、イラクに従軍した帰還軍人である。正解事情に精通している人々は、ギャバードの選挙運動はロシアが作成したSNS上のボットやインターネット上の「荒らし」行為によって支援されていることに懸念を持っている。

ギャバードは反エスタブリッシュメント的な外交政策の立場を堅持し発言を行い、人々を驚かせている。特に政権転覆戦争へのアメリカへの関与に対する非難と2017年にシリア大統領バシャール・アサドとの会談は人々を大いに驚かせている。

ギャバ―ドのツイッター上でのヒラリー・クリントンへの攻撃は他の候補者であるコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)の言葉を失わせる程のものであった。


「リアルクリアポリティックス」の世論調査の平均支持率によると、ギャバードは全国規模では1.2%を記録している。今週のオハイオ州での討論会では支持率下位の候補者であった。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。 

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙に立候補しているトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)が10月15日に開催される候補者討論会への参加をボイコットする可能性について言及した。9月の討論会には参加条件をクリアできずに登壇できなかったギャバードだが、10月は条件をクリアし登壇できることになっている。討論会に参加できない、しないということは、有権者へのアピールという面から大きな痛手となる。
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 現在、アメリカ政治の中で大きな話題になっているのはウクライナ疑惑であり、マスコミもそちらを中心に報道している。そうなると、民主党予備選挙に使われる時間と労力は少なくなり、有力候補の動向が報道されるだけで、その他の候補者のことはまず報道されない。

 ギャバードとしては、討論会の参加条件がどんどん厳しくなっていく中で、そのような条件設定をするのはおかしいと攻撃するのは当然だ。また、このようにして民主党全国委員会に噛みつくことで、民主党支持者の中で反主流派を応援したいと考える支持者へのアピールということも考えているだろう。民主党予備選挙についての報道が減る中で、このような捨て身の行動をすることで、報道されることになり、存在感を示すこともできる。

 民主党全国委員会はどうしても主流派の組織となり、反主流派からは公平とは言えない運営をすると見られている。2016年の予備選挙ではヒラリー・クリントン元国務長官に有利になるように動いていた。当時、副委員長を務めていたギャバードは抗議のために辞任し、ヒラリーの対抗馬となったバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を応援した。

 このような実態を良く知っているギャバードが討論会参加条件について疑義を呈するのは当然だ。また、彼女にしてみれば選挙戦を続けられるかどうかの重要な要素ということもあり、必死に動いているということでもある。

 とかく日本では、規則だからルールだから諦めろ、従え、規則やルールを疑うな、批判するなという事なかれ主義と自分を主流派においての上から目線での発言が多く出る。しかし、「ジタバタして最後まで粘る、戦う」という姿勢がなければ、このような権威盲従的な姿勢では、ハッと気づいた時には、最終的には自分たちが追い込まれてどうしようもない状況に陥ってしまう。日本人の過剰な権威盲従的姿勢からすれば、ギャバードの姿勢はとても受け入れられず、和を乱す不埒な存在ということになるだろう。しかし、これくらいの「突んがった姿勢」でなければ、2年おきの下院議員選挙で4回も勝てはしない。

 また、こうした姿勢を容認するスペースがあるという点で、アメリカは日本よりも優れているということになる。

(貼り付けはじめ)

ギャバードの討論会ボイコット:「我が国の民主政治体制に対する深刻な脅威だ」(Gabbard on possible debate boycott: 'There is a very serious threat to our Democracy'

テス・ボン筆

2019年10月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/rising/465397-gabbard-on-possible-boycott-of-october-debate-there-is-a-very-serious-threat-to

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は金曜日、来週の米大統領民主党予備選挙候補者討論会をボイコットするという脅しを続けている。ギャバードは、民主党全国委員会が設定した討論会参加条件は、「我が国の民主政治体制に対する深刻な脅威」だと述べている。

民主党予備選挙に立候補しているギャバードは、民主党全国委員会が設定した「信頼性の低い世論調査」と「恣意的な必要条件」を攻撃し、「予備選挙が開始される前に、自分たちで自分たちの気に入った形になる予備選挙を行おう」としていると非難した。

ギャバ―ドは有力候補たちの後塵を拝している。彼女は火曜日に開催予定の討論会を欠席することを考えている、その理由は参加条件などの規則が有権者から力を奪うものになっていると考えるからだと発言した。

ギャバードは「民主党全国委員会と委員会と密接な関係になる大企業メディアは、有権者が持っている責務としての選挙プロセスを有権者から奪おうとしている」と述べた。

民主党全国委員会は「ヒルTV」からのコメント要請に対して即座に対応しなかった。

ギャバードは木曜日、オハイオ州で開催される討論会に欠席する可能性に初めて言及した。 彼女はこれから数日で決断すると述べた。

民主党全国委員会は討論会に関する手続きなどについて擁護している。民主党全国委員会は、9月と10月の討論会の参加条件を発表したのは今年の5月であり、候補者たちには条件クリアのための時間を十分に与えたと述べている。民主党全国委員会のある幹部は、ギャバードの討論会に対するこれまでの様々な批判に対して、有力候補者たちに討論会参加条件クリアと準備のために十分な時間を与えないことは、党全体に「有害」なことになるだろうと述べた。

ギャバードは9月の討論会に参加できなかったが、10月の討論会の参加条件はクリアしている。候補者たちは火曜日に開催される討論会に参加するために、13万名以上の献金者を集め、全国規模の世論調査で支持率2%以上を4回以上記録しなければならない。ギャバードを含む12名の候補者たちが参加条件をクリアしている。

11月の討論会の参加条件は16万5000名以上の献金者を集め、全国規模の世論調査で3%以上の支持率を4回以上記録しなければならないというものだ。現在のところ、この参加条件をクリアしているのは8名だけだ。

ギャバ―ドは「ヒルTV」に出演し、インタヴューを受けた。彼女は火曜日の討論会をボイコットするかどうかについての決断は「注意深く」行うと述べた。彼女はボイコットの可能性について民主党全国委員会から直接何も言われていないとも述べた。

ギャバードは次のように語った。「私は支持者の方々から寄せられる意見を聞き続けている。そして、ボイコットいう決断をした場合の様々な影響について考え続けている。私が考えているのは、どのようにしたら変化をもたらすために影響を与えるにはどうしたらよいかというものだ」。

ギャバードは民主党全国委員会が設定した討論会参加条件についてこれまで批判してきた。ギャバードは透明性と公平性について民主党全国委員会に疑義を呈している。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2019年6月から民主党主催で、大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちによる討論会が実施されます。毎月1回のペースで来年4月まで続きます。それぞれの討論会は別々のテレビ局が司会者を出したり、場所を作ったりして中継するそうですが、フォックスニュースを中継から排除するという話も出ています。それでも恐らくは中継するテレビ局に選ばれるとは思います。

 


 2016年の大統領選挙民主党予備選挙は、民主党全国委員会のヒラリー贔屓が酷すぎて、結果として、かえってヒラリーの人気を落とすことになりました。「贔屓の引き倒し」という言葉通りになりました。民主党全国委員会委員長のデビー・ワシントン=シュルツ連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)の運営の酷さのために、ヒラリーが党の候補者指名を受ける民主党全国大会も大荒れで、結果として、ワッサーマン=シュルツは辞任に追い込まれました。

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 デビー・ワシントン=シュルツ


 今回は、オバマ政権の閣僚だったトム・ペレズが民主党全国委員会委員長となって、討論会の参加条件を2019年2月に決定しました。条件は2つあって、「(1)民主党全国委員会が承認する3つの世論調査の結果で1%以上の支持率を記録すること、(2)最低6万5000名の個人から献金を受けること、その際、献金者は20州以上からであること、この各州から最低200名以上の献金者があること」です。ただ人数を集めるだけではなく、全米各州から幅広い献金者を募れということになります。

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寄付を求めるトゥルシー・ギャバ―ドのSNSへの投稿 

 世論調査の結果で支持率1%以上という条件は簡単なようですが、無名の候補者にはなかなかハードルが高いものです。世論調査によっては候補者の選択肢に入らないことがありますし、入ってもゼロ表示となることがあります。今は人気が急上昇のピート・ブティジェッジも昨年末から2月くらいまでの世論調査ではゼロ表示が続きました。

 

 政治献金の条件を献金額ではなく、人数と州の数としたのは興味深いです。こちらに目が向くことで、誰がどのような人や組織から献金をもらっているか、を人々に関心を持つようになります。そうなると、ウォール街の金融業界から資金を得ている人々、カーステン・ギリブランドやコーリー・ブッカーには批判が高まるでしょう。

 

 討論会参加者を予想すると、人気トップ5のジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は参加確定でしょう。毎月1回のペースで開催される討論会に、自分から選挙戦から撤退しない限り、呼ばれ続けるでしょう。


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 既に条件を満たしている第2グループ、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(民主党)も参加できるでしょう。第2グループからは早い段階での撤退ということもあるでしょう。新顔のブティジェッジを入れれば視聴率も稼げるということで、テレビ局も呼びたいと考えていると思います。

 

 第3グループは条件を満たしても1つだけ、もしくは数字が低いということで、呼ばれない可能性が出てくる人たちです。前コロラド州知事ジョン・ヒッケンルーパー(民主党)、ワシントン州知事ジェイ・インスリー(民主党)、実業家のアンドリュー・ヤン、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官(民主党)、トゥルシー・ギャバ―ド連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は呼ばれない可能性が高い人たちとなります。それ以外の人々も同様でしょう。

 

前回共和党が開催した、人気が低い候補者だけの討論会というのも1つのアイディアだとは思いますが、視聴者はかなり減ることは間違いないし、それではテレビも中継してくれないから、実施は難しいでしょう。インターネットでの中継ではどうしても届かない人々が出てくるでしょう。

 

 今年の討論会は一人の候補者に偏るということはないようで、その点では良いものとなりそうです。

 

(貼り付けはじめ)

 

民主党の候補者たちは2020年米大統領選挙民主党予備選挙の最初の複数回の討論会に参加するために何をしなければならないのか?(What do Democratic candidates need to make the first 2020 debates?

 

アレクサンドラ・デリア筆

2019年4月3日

PBS

https://www.pbs.org/newshour/politics/what-do-democratic-candidates-need-to-make-the-first-2020-debates?fbclid=IwAR2FFTYxOXn3u3PS3jLBedo_Wx1DBmMQp9ZQibsRToTAo_ghRMGU9HkB9jw

 

2020年の米大統領選挙民主党予備選挙の討論会の最初の数回の日時と場所が発表された。討論会は迫ってきている。2019年6月26日と27日にマイアミで、2019年7月30日にデトロイトで開催される。しかし、誰が壇上に立つのか?いつ立つのか?

 

2016年、共和党全国委員会は大統領選挙共和党予備選挙の候補者17名を世論調査のデータに基づいてランク付けし、上位の候補者たちと下位の候補者たちと分けて別々の討論会を開催した。しかし民主党全国委員会委員長トム・ペレズは2020年の予備選挙の討論会に向けて別のアプローチを採用している。

 

2019年2月、民主党全国委員会は1回目と2回目の討論会の参加条件を発表した。この時、ペレズ委員長は「開かれた、透明性の高い予備選挙のプロセス」を進めたいと述べた。ペレズ委員長は更に次のように述べた。「討論会に関する新しい基準によって、立候補者全てに対して討論会に参加する機会を掴めるようにできるだろう。そして、これまでのどの予備選挙よりも小口献金者が大きな影響を与えるようにできる」。

 

民主党全国委員会のルールでは、最初の2回の討論会に参加できる候補者の条件は次の2つのうちの1つである。

 

(1)民主党全国委員会が承認する3つの世論調査の結果で1%以上の支持率を記録すること。承認される世論調査は、予備選挙が早期に実施される各州、アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州もしくはネヴァダ州で実施される世論調査か、2019年1月から第1回目の討論会の2週間前(2019年6月前半)までに実施される全国規模の世論調査になるだろう。1回目の討論会の参加条件を満たすことが出来なかった候補者も2019年7月の2回目の討論会には参加条件を満たして参加できる可能性はある。

 

(2)最低6万5000名の個人から献金を受けること、その際最低200名上は20の別々の州に住む献金者であること。

 

討論会の登壇者は10名を超えないようにするはずだ。登壇者は条件を満たした人々の中から無作為に選ばれるだろう。最終的に20名以上の候補者たちが条件を満たすことになるだろう。そうなると、世論調査と献金に関する2つの条件を両方とも満たす候補者が討論会のメンバーに選ばれることになるだろう。最初の2回以降の討論会の参加条件はまだ発表されていない。従って、最初の2つの条件が維持されるのか、変更されるのかは明らかではない。

 

様々な背景を持つ候補者たちは2つの比較的狭い条件を満たすことが必要となる。ジョー・バイデン前副大統領が米大統領選挙民主党予備選挙の候補者になる場合、彼は、スピリチュアル・アドヴァイザーのマリアンヌ・ウィリアムソンと同じ条件を課されることになる。それでは、これらの条件を満たすために奔走しなければならないのは誰か?

 

複数の全国規模の世論調査で支持率5%以上を常に獲得している候補者4名は置いておこう。この人たちは討論会に出席できる可能性が極めて高い。その4名はバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)である。民主党全国委員会の定めた基準に対して他の候補者たちはどうであろうか?

 

●世論調査に関する条件を満たしているのは誰か?

 

民主党全国委員会が承認した3つの個別の世論調査で1%の支持率を獲得するという条件を満たしている候補者は既に数多く存在する。コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ、前コロラド州知事ジョン・ヒッケンルーパー、ワシントン州知事ジェイ・インスリー、実業家のアンドリュー・ヤンは既に条件を満たしている。

 

●世論調査に関する条件に足りていないのは誰か?

 

それは世論調査の選択肢に入れられていない候補者たちだ。立候補者の数はあまりに多いので、世論調査実施者たちの誰を入れるかの決定は大きな影響をもたらす。先週エマーソン大学が発表したアイオワ州での世論調査の場合、2人の候補者が漏れた。ジョン・ディレニー前連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)と前述のウィリアムソンだ。

 

マンモス大学世論調査研究所所長のパトリック・マレーは『ポリティコ』誌に次のように述べている。「世論調査で支持率1%と支持率0%を記録する候補者の間にある壁は、誰を選択肢に入れるかの世論調査実施者の決定に依っている。実施者の決定が大きく影響するということは世論調査結果に大きな負荷となってしまう」。

 

●小口献金者に関する条件で利益を得ているのは誰か?

 

ヤンやブティジェッジのような若くてカリスマ性を持つ候補者たちは世論調査に関する条件よりも前に、献金に関する条件を満たしている。両者は熱心なインターネットでのフォロワー(「ヤン・ギャング」と呼ばれる人々など)とメディア露出のおかげで献金を順調に集めている。以前の選挙での献金者名簿を持っているがまだ働きかけを行っていない、支持率が低い候補者たちにとっては、献金に関する条件は小口献金者の

 For lower-tier candidates who did not start out with a phonebook of donors from previous elections, these qualities have helped lead to high volumes of small-dollar supporters. ギリブランドのような候補者は献金者数の条件に届いていない。ニューヨーク州選出の連邦上院議員ギリブランドは前回の連邦上院議員選挙の際に集めた資金がまだ1030万ドル(約11億円)も残っているが、献金者数が足りないのだ。

 

●誰が小口献金者からの支持を構築するのに苦労しているのか?

 

民主党全国委員会委員長であるペレズは、小口献金者、草の根の献金に関する条件が討論会を実施するための「もう一つの道筋」だと考えている。しかし、世論調査の支持率の数字で既に条件を満たしている複数の候補者たちは草の根の支援を積極的に求めている。そうした候補者にはオバマ政権の閣僚だったフリアン・カストロ、ギリブランド連邦上院議員、インスリー・ワシントン州知事、ディレニー前連邦下院議員がいる。

 

バイデンと長年にわたり民主党のために政治献金を続けた実業家で、前ヴァージニア州知事のテリー・マコーリフのような人々は、選挙戦出馬を表明すれば多額の献金をしてくれる人物の名簿を持っている。しかし、初期の段階ではそういったものは、民主党全国委員会が草の根の支援を重視しているので、大して重要ではないということになる。一部には、バイデンは、サンダースやオロークと同程度の草の根支援を受けられるのかどうかを疑問視する声もある。

 

政治献金の額などについてはもうすぐ明らかになる。連邦選挙管理委員会に対する政治献金報告書の提出は2019年4月中旬だ。火曜日の時点で、複数の候補者が期日前に献金額を発表している。サンダースは2019年第一四半期で1800万ドル、ハリスは1200万ドルの献金を受けていると発表した。オロークは水曜日に占拠選出馬を表明してから18日間で940万ドルの献金を受けたと発表した。

 

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 古村治彦です。

 

 昨年の大統領選挙で民主党は負けるべくして負けた、ということを暴露した民主党全国委員会前暫定委員長ドナ・ブラジルですが、さらにメディアに出て、ヒラリー選対に対する攻撃を強めています。ヒラリー選対のスタッフだった94名が公開書簡で、ブラジルを批判したことに対して、テレビ番組のインタヴューで、彼らに対して「地獄に落ちろ」と言い、「カルト集団のようであった」と発言しています。

 

 ブラジルは、民主党の大統領選挙予備選挙がヒラリーに有利になるように捻じ曲げられていたわけではない、民主党全国委員会が独自に行動することが出来ないように、ヒラリー選対、ヒラリーの資金集め団体との間で合意がなされていたと述べています。ブラジルは、ヒラリーを批判しているわけではない、ということを述べています。

 

 しかし、ブラジルの前任の民主党全国委員会委員長だったデビー・ワッサーマン=シュルツやスタッフが、「ヒラリーを勝たせるためにはどうしたらよいか」ということを話し合うためにEメールをやり取りしていたことは暴露されていますから、民主党全国委員会がヒラリー贔屓をしていたことは明らかです。

 

 ブラジルの発言から見て、ヒラリー選対に関しては、ヒラリー本人の問題もさることながら、選対に集まった幹部たちの傲慢ぶりが相当問題になっていたのだろうと思います。現在の日本の状況にも似ています。自分たちが強いと考えて、周囲を威圧する、やりたいようにやる、というのは安倍晋三首相と側近たちのやり方と同じです。そして、周囲がその威圧に恐れをなして、忖度を始める、というところまでそっくりなのだろうと思います。

 

 しかし、傲慢さはいつか敗北を招き入れます。ヒラリーもそうでしたが、安倍首相も最後の大事な場面で敗北し、99勝しながら最後の1敗のためにすべてを失う、と状況になるのではないかと思います。

 

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ブラジルから批判者たちに対して:「地獄に落ちろ」(Brazile to critics: 'Go to hell'

 

マロリー・シェルボーン筆

2017年11月5日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/358823-brazile-to-critics-go-to-hell

 

民主党全国委員会(DNC)前暫定委員長ドナ・ブラジルは、彼女が民主党全国委員長だった時代に見つけた諸問題について沈黙を守るように求めた人々に対して次のように語った。「地獄に落ちろ」。

 

ブラジルは、ABCの「ディス・ウィーク」に出演し、司会者ジョージ・ステファノポロスに対して次のように語った。「ジョージ、私に黙っていろと言っている人間たちは、数か月前に、ヒラリーに黙っていろと言ったんです。あの人たちに言いたいことがあるかですって?地獄に落ちろ、よ。私は自分の話をこれからもしていきます」。

 

ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対、民主党全国委員会、ヒラリーの資金集め委員会連合である「ヒラリー・フォ・アメリカ(HFA)」との間の合意について、著書の中で書き、それからの引用が記事となり、合意内容が紹介された。ブラジルは、ヒラリー選対が「民主党の財政、戦略、集めた資金すべてをコントロール」するようになったと主張している。ブラジルは、合意が署名されたのが2015年8月であったと述べている。これはヒラリーが民主党の大統領選挙候補指名を受けるほぼ1年前のことだった。ブラジルは記事が出た後、テレビ番組に出演し発言を行った。

 

ブラジルは、ヒラリー選対とヒラリーの資金集め委員会連合であるHFAについて次のように書いている。「HFAと財政的な合意は違法ではなかったが、非倫理的だと思われる」。

 

ブラジルの暴露は、民主党内部に混乱を引き起こした。そして、論争を引き起こす諸問題を再燃刺させた。昨年の民主党予備選挙ではヒラリー・クリントンとバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)との間で戦われたが、その公平性について疑問が出ていた。

 

日曜日のテレビ出演の中で、ブラジルはどうして自分が沈黙を保ったままでストーリーを語らないほうが良かったと言われねばならないのか、と反論した。

 

「私はヒラリーに雇用されているわけではないのよ、ジョージ。私は自分の国アメリカのことを心配しています。民主政治体制について心配しています。私は“地獄に落ちろ”と言いますよ。それは、私のストーリーを語れるのは私しかいないのだから」とブラジルは語った。

 

ヒラリー選対のスタッフだった人々はブラジルの暴露に対して反撃し、「私たちは、ブラジルが著書の中で描いた選対の様子が自分たちの選対の様子であることを認識していない」と述べている。

 

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ブラジル:ヒラリー選対は「カルト集団」だった(Brazile: Clinton campaign was a 'cult'

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2017年11月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/news/359367-brazile-clinton-campaign-was-a-cult

 

民主党全国委員会(DNC)前暫定委員長ドナ・ブラジルは新しいインタヴューの中で、2016年の大統領選挙のヒラリー・クリントン選対は「カルト集団」のようだったと述べた。

 

ドナ・ブラジルは水曜日にMSNBCの「モーニング・ジョー」に出演した。司会者ジョー・スカーボローは、2016年の大統領選挙でドナルド・トランプが勝利を収めた理由として、ヒラリー選対が間違いを犯したこと、ジェイムズ・コミーFBI前長官、ロシアからの影響を挙げた。

 

スカーボローは、「これらの理由が全てあっても、接戦にすらならずにヒラリーが勝利するはずであったと思います」と述べた。

 

そして、スカーボローは次のように質問した。「ヒラリーたちはどうして負けたのでしょうね?結局のところ、傲慢だったということなのかでしょうか?」。

 

ブラジルは次のように述べた。「ヒラリー選対はカルト集団だったんです。カルト集団のように感じました。彼らの中に入っていくことはできませんでした」。

 

ブラジルは自分のことを「草の根のオーガナイザー」であると述べた。

 

「私は、人々が生活し、働き、楽しみ、祈る場所に入っていく方法を知っています」とブラジルは述べた。

 

「私自身に資金と人材を持たなければ、候補者を助けることはできません。党が集めた資金と人材を使うことが出来なければ何も出来ません」とブラジルは続けて述べた。

 

今月に入って受けた別のインタヴューの中で、ブラジルは、2016年の大統領選挙の民主党予備選挙が捻じ曲げられていたことを示す「証拠は見つけられなかった」と述べた。

 

「私が見つけることが出来たと述べたのは、民主党全国委員会が自分たちの作戦を実行することを妨げる内容のメモでした。癌だけど致命的なものではないでした」とブラジルは述べた。

 

ブラジルの著作からの引用が記事として紹介されて以降、ブラジルのメディア出演と過激な発言が続いている。ブラジルは著書の中で、ヒラリー選対、民主党全国委員会、ヒラリーの資金集め委員会連合の間で、選対が「民主党の財政、戦略、集めた資金すべてをコントロールする」という合意が成立し、その内容を記したメモを発見した、と書いている。

 

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野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


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 古村治彦です。

 

 前回、掲載した民主党全国委員会暫定委員長を務めたドナ・ブラジルの最新刊に関する報道が続いているようです。今度は『ワシントン・ポスト』紙が発売前の本を手に入れ、記事にしています。

 

 本の中で、ブラジルは民主党全国委員会委員長の権限として、大統領候補をヒラリー・クリントンからジョー・バイデンに交代させることを考慮したと書いているということです。その理由として、ヒラリーは熱意を持っていたが、選対幹部に熱意はなかった、また、ヒラリー選対の幹部たちが自分(ブラジル)を奴隷のように扱い、敬意を払わなかったということを挙げています。

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ドナ・ブラジル 

 ブラジルは、ヒラリー・クリントン勝利のために民主党予備選挙を捻じ曲げたデビー・ワッサーマン=シュルツの後任として暫定委員長となりました。ブラジルは民主党全国委員会について調査をし、ヒラリー・クリントンが有利になるようにしていた証拠を発見し、また、ヒラリー選対からは奴隷のように扱われたということを暴露しています。また、ヒラリーでは労働者階級から投票を期待できない(民主党の本来の支持基盤であるはずなのに)、ということをブラジルが認識していたということも分かりました。

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 私は民主党内部がここまでボロボロで、ヒラリー選対がそこまで腐っていたのかということに今更ながらに驚きを隠せません。ブラジルという人物は立派な人で、立派な民主党員であるのに、敬意も払わらずに、傲慢であったということは問題ですし、ヒラリー選対が口では綺麗ごとを述べながら、一番身近な黒人女性であるブラジルに「自分を鞭で打たれる奴隷少女のように扱うな」と言わせてしまうところに馬鹿らしい矛盾があり、ヒラリー陣営は敗れるべくして敗れたのだということが改めて明らかになりました。

 

 ブラジルはヒラリーに対して、というよりも選対幹部たちに対して批判的です。彼らはアメリカの一流大学を卒業した、若くて優秀な人々でした。しかし、彼らは選挙において必要な熱意や人間を遇する方法を知らなかったためにヒラリー落選という結果をもたらしてしまいました。

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ヒラリー選対 

 私はデイヴィッド・ハルバースタムの名著『ベスト・アンド・ブライテスト』を思い出します。この本は、アメリカ最高の頭脳がアメリカ政府に結集しながら、ヴェトナム戦争でアメリカは敗れてしまう、という内容です。エリートが陥りやすい落とし穴というものがあり、本来は労働者やマイノリティのために戦うべき民主党が、エリートたちのための党になってしまい、それが民主党の、ヒラリーの敗北をもたらしたということなのだろうと思います。ここから民主党が持ち直すには原点回帰ということしかないのだろうと思いますが、それが最も困難なことであろうと思います。

 

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ブラジルは、「2016年の大統領選挙候補者をヒラリー・クリントンからジョー・バイデンに交代することを考えた」と語る(Brazile says she considered swapping Clinton for Biden as 2016 nominee

 

マックス・グリーンウッド筆

2017年11月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/358775-brazile-says-she-considered-swapping-clinton-for-biden-as-2016-nominee

 

民主党全国委員会(DNC)暫定委員長を務めたドナ・ブラジルは、2016年の民主党の大統領選挙候補者指名を受けたヒラリー・クリントンの指名を取り下げ、ヒラリーの代わりに当時のジョー・バイデン副大統領を指名することを熟考したと発言した。

 

『ワシントン・ポスト』紙が土曜日に今度刊行されるブラジルの最新刊の一部について報道した。この記事の中で、ブラジルは著書で、民主党全国委員会暫定委員長の権限を行使して、労働者階級を熱狂させることができる候補者たち(大統領候補と副大統領候補)を立てることを考えた、と述懐していると報じられた。

 

ワシントン・ポスト紙によると、ブラジルが考えた大統領選挙候補者はバイデンで、副大統領候補はコーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)であったということだ。

 

しかし、最終的にブラジルはこのような変更をしないと決断した。それは、ブラジルが、二大政党で初めての大統領選挙候補者の選挙運動をひっくり返すことなどできないと考えたからだと語っている。

 

「私はヒラリーについて、そして彼女を誇りに思い、熱狂しているアメリカの女性全てについて思いをはせた。この人たちのためにそんなことはできなかった」とブラジルは著書の中で書いている。

 

ブラジルの回顧録『切り刻まれた傷:ドナルド・トランプをホワイトハウスに導いた割込みと崩壊のインサイドストーリー(Hacks: The Inside Story of the Break-ins and Breakdowns that Put Donald Trump in the White House)』は11月7日に発売される。この本の中で、ヒラリー選対は、ヒラリー・クリントン元国務長官を大統領に当選させるために必要な熱意に欠けていた、とブラジルは書いている。

 

ヒラリー・クリントン選対の上級幹部たちはブラジルに尊敬の態度を示さなかった、また、有権者の動員を促進するための必要な資金を民主党に供給することを拒否した、と民主党に長年属しているヴェテランのストラティジストであるとブラジルは述懐している。

 

ブラジルはヒラリーに対しておおむね好意的に書いている。しかし、ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対は、ヒラリーを当選させようとする熱意に欠け、ヒラリーを落選に導いた数多くの間違いを犯した、と書いている。ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対のニューヨーク市ブルックリンに構えた本部を「人が亡くなっていく」病院のようだ、と考えていた、とワシントン・ポスト紙は報じている。

 

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ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対が自分のことを「鞭を打たれる奴隷の少女」のように扱ったと批判(Brazile hit Clinton campaign for treating her like a ‘whipping girl’

 

マックス・グリーンウッド筆

2017年11月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/358777-brazile-hit-clinton-campaign-for-treating-her-like-a-whipping-girl

 

民主党全国委員会暫定委員長(DNC)を務めたドナ・ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対の幹部たちから奴隷のように扱われ、それに対して、あなたたちの「鞭を打たれれる奴隷の少女」のように扱われるためにここにいるのではない、と語ったと著書の中で書いている。

 

「ワシントン・ポスト」紙は土曜日、ブラジルの最新刊『切り刻まれた傷:ドナルド・トランプをホワイトハウスに導いた割込みと崩壊のインサイドストーリー(Hacks: The Inside Story of the Break-ins and Breakdowns that Put Donald Trump in the White House)』からの引用を記事にして報じた。ワシントン・ポスト紙は発売前の本を手に入れたということだ。

 

回顧録の中で、ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対の幹部チャーリー・ベイカー、マーロン・マーシャル、デニス・チェンとのやり取りを書いている。ブラジルは、ドラマ映画「それでも夜は明ける(12 Years a Slave)」に出てきた奴隷の少女のように扱われた、と述べている。

 

ブラジルは、「それでも夜は明ける(12 Years a Slave)」でルピタ・ニョンゴが演じたパッツィーを自分になぞらえた。そして、ヒラリー選対の幹部たちに対して次のように言ったと書いている。「私は“奴隷のパッツィー”ではないのよ。あなたたちは私を鞭打ち続けている。それに対して、出すと約束している資金を出さないし、私に仕事をさせない。私は、鞭を打たれる奴隷少女になるつもりはないの!」と言ったと書いている。

 

ワシントン・ポスト紙によると、ブラジルは著書の中で、ヒラリー・クリントンが意欲のある候補者であったが、ヒラリー選対には彼女を当選させるための必要な熱意と気持ちに欠けていたと書いている。

 

ブラジルは、ヒラリー選対が民主党全国委員会の行う有権者動員策に対する資金を提供せず、自分のことを尊敬もって扱わなかったと書いている。

 

ブラジルは著書の中で、彼女は怒りを感じながら、ヒラリー選対の幹部たちに対して、民主党全国委員会委員長の権限として、必要と感じたら候補者を後退させることもできるのだと述べたと書いている。ある時点で、ブラジルはヒラリー・クリントンと副大統領候補ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)を、ジョー・バイデン副大統領(当時)とコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)に交代させることを考慮したと書いている。

 

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