古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:江田憲司



 
アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 本日、維新の党の新興役員会が開催され、橋下徹(大阪市長)・維新の党共同代表と松井一郎(大阪府知事)・同党幹事長が辞任する旨が発表されました。江田憲司衆議院議員が代表となり、幹事長には松野頼久衆議院議員が幹事長に就任することになりました。

 

 新聞報道によれば、国会議員団は両者の辞任を慰留し、統一地方選後への復帰という条件で、辞任を了承したということです。

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左から松井氏、橋下氏

 

 維新の党は先日の総選挙でも惨敗という程でなく、公示前の議席42議席を41議席と1議席減らしただけで(議員定数が5削減されたことも考えねばなりません)、選挙前の予想よりも善戦でした。近畿ブロックでは比例票で約200万票(全国で800万票)を獲得するなど、健闘していました。

 

 前回の選挙で戦った日本維新の会(大阪維新の会と石原慎太郎氏率いる太陽の党が合併)の時もそうでしたが、「維新」には、瀕死の政治家たちを蘇らせて、議席を得させる効果があるようです。その点では、維新のブランド力は侮ることができません。しかし、その求心力は落ちているといのが現状のようです。維新の党の国会議員団の顔ぶれを見てみると、元々は自民党だったり、民主党だったり、みんなの党だったりとデビューからずっと橋下氏と共に行動してきたという、大阪維新の会生え抜きという人は少ないのです。

 

 それでも橋下氏らオリジナルの大阪維新の会は危機感を持っているようです。大阪維新の会は地方選挙でも力に陰りが見え始めているようです。大阪市議会、大阪府議会、堺市議会などで大阪維新の会系の議員たちは過半数に届かず、大阪維新の会系対他の既存政党という構図になっているようです。大阪維新の会はいわば組織に喧嘩を売っていて、橋下氏の個人の魅力と発信力で選挙をやっていますから、橋下氏の神通力が落ちてしまえば、苦戦するのは当然です。

 

 今回の選挙でも維新の党は善戦しましたが、近畿圏で既存政党を大きく陵駕することができず、小選挙区での勝利も半減(前回が12→今回が5)となりました。これでは、橋下氏(バックにいる上山信一・竹中平蔵の慶應義塾大学SFCキャンパス教授陣と堺屋太一)が悲願としている大阪都構想を実現することは難しいと判断し、地元に専念するということになったようです。

 

 しかし、考えてみると、大阪都構想のような大きなアイディアを実現するためには、国のバックアップも必要です。維新の党の国会議員団は衆議院で41名、参議院で11名ですので、他党の協力がなければ難しい状況です。地元では自民党、公明党、民主党、共産党などが揃って反対という状況では、他党の執行部としても応援しにくいし、特に近畿圏出身の維新の党以外の国会議員たちは地元に配慮して応援できません。

 

 そうなると、大阪市議会、大阪府議会、他の地方自治体の議会や首長の圧倒的多数を大阪維新の会で押さえ、国(国会議員)に「民意」というプレッシャーを与えねばなりませんが、橋下氏の話題先行型の政治姿勢では今のところ、これも厳しいようです。

 

 橋下氏と松井氏が揃って党役職辞任となると、維新の党の3つのグループ(私は大阪ウィング、日本維新の会国会議員団系、結いの党系と呼んでいます)のうち、野党再編のキーマンである、江田憲司氏、松野頼久氏、柿沢未途といった人々が党の中心となります。実際に、江田氏が単独で代表、松野氏が幹事長、柿沢氏が政調会長、江田氏と出身が同じ(岡山県、東大法学部、官僚)の片山虎之助氏が総務会長と党の重要なポジションを大阪維新の会系以外が全て押さえることになります。

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左から江田氏、松野氏

 

 私は、今回の総選挙に橋下氏が出馬できなかったこと、大阪維新の会系の力が落ちたことから、橋下氏と松井氏が「名誉ある撤退」を選び、大阪に立て籠もる戦略に出たのだと思います。それで大阪都構想が実現するのかとなると、それも難しいと思います。

 

 大阪都構想が頓挫した場合、橋下氏は大阪市長を辞任し、政界から去るのではないかと思います。一方の松井氏は国政にも関心を持っているようですから、2016年の参議院議員選挙に出馬するのではないかと思います。しかし、それもその時までに維新の党が残っていて、大阪維新の会系の力がまだ健在であったらの話です。

 

 こうして見ると、大阪維新の会は地方政党であるべきだったのだろうと思います。国政への色気を出したために、大阪維新の会の独自色が薄まってしまい、中途半端になってしまいました。そして、国政政治家たちにうまく利用されてしまったというところもあります。橋下氏はとても威勢が良く、歯切れもよくて、頭の回転も速い人ですが、国政政治家の老練さにはコロッと騙されてしまったのかもしれません。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「維新の党:橋下代表、松井幹事長が辞任 「都構想に専心」」

 

毎日新聞 20141223日 2029分(最終更新 1223日 2104分)

http://mainichi.jp/select/news/20141224k0000m010057000c.html

 

 維新の党の橋下徹共同代表(大阪市長)は23日、東京都内で開かれた同党の執行役員会で「大阪都構想実現に専心したいのでいったん職を退きたい」と述べて共同代表の辞任を表明し、了承された。松井一郎幹事長(大阪府知事)も辞任した。衆院選での伸び悩みを受け、都構想の実現がかかる来春の統一地方選での大阪府議選、同市議選に集中せざるを得なくなった。

 

 両氏は統一選後に復帰する見通し。橋下氏は最高顧問、松井氏は顧問に就任する。江田憲司共同代表が代表になる。松井氏の後任の幹事長には松野頼久代表代行が就任する。

 

 江田氏は慰留したが、橋下氏らの意志が固いため、辞任が一時的であることを前提に了承した。松井氏は役員会後、記者団に「大阪都構想は維新の一番中心の政策。最も大事な統一選に専念したい」と説明した。

 

 維新は大阪府議会、市議会ともに過半数を割っている。橋下氏らは都構想実現のため、来春の府市議選での過半数獲得を目指す考えだ。

 

 しかし先の衆院選で大阪の小選挙区で維新が勝利したのは5選挙区にとどまった。2012年衆院選での日本維新の会の12からは半減以下。府市議選での過半数獲得は容易ではないとの見方も強い。

 

 維新の看板である都構想が実現の見通しを失えば、橋下氏はもちろん、維新自体も求心力を失って解体に向かいかねない。橋下、松井両氏の辞任は、足元が崩れるなか、生き残りになりふりをかまっていられなくなったためだ。国政で影響力を発揮することで都構想実現につなげようとしたかつての戦略は破綻した。

 

 橋下氏が退くことで、江田氏の党内での影響力が増す可能性もある。政調会長には江田氏に近い柿沢未途氏が就任する。野党再編を巡っても、民主党の労組系議員を激しく攻撃してきた橋下氏に比べれば江田氏のほうが進めやすいとの見方もある。

 

 ただ、江田氏は記者団に対し「今後も橋下、松井両氏の意見を聞きながら党運営を進めることに変わりはない」と強調した。【葛西大博、熊谷豪】

 

 

●「維新、橋下共同代表が辞任 松井幹事長も、大阪都構想に専念」

 

東京新聞 20141223 1822

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014122301001681.html

 

 維新の党の橋下徹共同代表(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)は23日、東京都内で開かれた党執行役員会で役職を辞任する意向を伝え、了承された。「大阪都」構想の実現に向け、来年4月の統一地方選で行われる大阪府議・市議選への対応に専念する。

 

 橋下氏は最高顧問に、松井氏は顧問に就く。代表は江田憲司共同代表が単独で、幹事長は松野頼久代表代行がそれぞれ務めることも決まった。

 

 橋下氏は執行役員会で「当面の間、党の役職を離れたい」と述べた。国会議員団側は両氏に、統一地方選後に復職するよう強く要請した。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 2014年12月14日の総選挙の結果、民主党は公示前の62議席から73議席へと議席を増加させました。しかし、代表の海江田万里氏が小選挙区で落選し、比例復活もできなかったために、党代表を辞任すると発表したことを受け、2015年1月18日に代表選挙を行うと発表されました。海江田氏が落選していなかったらどうだったか分かりませんが、勝敗ラインを100議席としていましたので、それに届かなかった場合には責任論が出て、民主党の伝統芸能であるお家騒動が起きたことでしょう。

 

 下に貼り付けた新聞記事によると、細野豪志元幹事長が代表選挙への立候補を正式に表明し、岡田克也元代表を推す声も多いということです。前原誠司元代表も出馬に意欲を持っているという報道もあります。岡田氏と前原氏、共に代表を経験しており、政権を担った時に共に外相を務めましたが、やや賞味期限切れという印象が残ります。

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細野豪志 

 

 今回の党代表選挙では、民主党の再建が先だとする「再建」と野党再編に向けて動いていくべきだとする「再編」の2つの考えがあるということです。岡田氏は「再建」派からの支持が多く、細野氏は「再編」派だと言われています。そして、前原氏も「再編」派なのですが、前原氏は維新の党の橋下徹共同代表(現・大阪市長)と親しく、連携を模索しているという報道がなされています。まとめるとこういうことになります。

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岡田氏(左)と前原氏(真ん中)

・細野豪志(元幹事長):維新との連携・合併まで視野に入れた野党再編派

・前原誠司(元代表):維新(橋下徹氏)との連携を深める野党再編派

・岡田克也(元代表):民主党の勢力回復を優先する民主党再建派(海江田執行部副代表で、国政選挙を担当し、野党共闘を行った)

 

 私は、重要になるのは、①民主党内でもう一度政権を担う気概が出てくるのか、②医師の党がどうなるのかということがポイントになると思います。

 

 民主党は今回の総選挙で議席を増やしましたが、二桁台に留まりました。これは2009年からの2012年まで与党であった時に、菅直人、野田佳彦両氏を総理大臣にして、結局財務省にだまされて消費税増税を行い、「国民の生活が第一」というスローガンをこそこそと隠してしまったことに対する怒りと失望がまだ国民の側にあり、「とてもじゃないが民主党には入れられない」「自民党が巨大与党であり続けるのはまずいから、仕方なく、涙を呑んで、鼻をつまんで、煮え湯を飲む思いで、嫌々民主党に投票する」という人たちが多く、民主党への積極的な支持は戻っていません。

 

 そうした中で、現状をどう考えるかですが、「とりあえず党勢は少し回復したし、野党第一党であることには変わりない。来年の地方選挙で頑張れば、2016年の参議院選挙でそこまで負けないだろう」という弛緩した雰囲気が民主党を覆っているのではないかと思います。「党勢は少し回復したとは言え、このままでは政権を担うところまではとても届かない」という危機感がそこまでないように見えます。しかし、これは大変危険な兆候です。

 

 1955年からの55年体制下、日本社会党がまさにそうでした。「昔はうちも与党になって総理大臣も出たんだよ」「野党第一党として自民党に対峙している」「改憲を阻止できるだけの議席は確保している」ということを正当化の道具にして、怠惰と安寧に阿り、結果は党を滅ぼすことになりました。もちろん、民主党に日本社会党出身の議員たちが多く参加したのは、こうしたぬるま湯ではいけないということで参加したと思いますが、人間は悲しいもので、やすきにつく、怠惰になるという歴史は繰り返されるようです。

 

 菅直人氏に功績があるとすれば、2003年に代表であった時に小沢一郎氏が率いる自由党と合併をする決断をしたことです(その裏には鳩山由紀夫氏の動きがありました)。これによって、異分子を入れることで、化学反応が起きて、民主党の体質は強化されました。それを面白く思わない人間たちが最終的には民主党を駄目にしてしまったのですが、民主党はこの時のような決断をして、党を再び活性化させるべきです。

 

 具体的には、細野氏を代表に据えて、維新の党の江田憲司、松野頼久両氏との交渉を始め、何からの形で融合を図るべきです。細野氏、江田氏、松野氏は政界再編を目指して、2013年に「既得権益を打破する会」を設立しています。ここでその人脈を活かすべきです。

 

 維新の党は、私の考えでは、「大阪ウィング」(橋下徹)、「日本維新の会国会議員団」(松野頼久)、「結いの党」(江田憲司)の3つのグループの寄り合い所帯です。この3つのグループのうち、松野氏と江田氏が率いるグループは国会議員たちばかりです。そうなると、選挙となれば、橋下氏個人の風頼み、しかも関西限定となると、やはり民主党の組織に頼る方が良いと考えるでしょう。結局、橋下氏対松野・江田氏ということになり、解党ということになるでしょう。橋下氏は安倍晋三氏を応援する「ゆ」党(野党でも与党でもない)ですから、自民党に対抗するための軸にはなりませんし、そのための新勢力に入るべきでもありません。大阪維新の会に戻ればよいのだろうと思います。そして、野党結集軸には「立憲主義」を守ることを掲げて戦いを挑むべきだと思います。

 

 私の同僚、中田安彦氏が書いていたことですが、細野氏は人脈が広く、自民党の二階俊博氏や野中広務氏の系列ともつながりが深いのだそうです。こうした人々を通じて、中国の最高指導者層とも関係を保っているということです。

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野中氏(真ん中)と細野氏

 また、細野氏自身はアメリカ留学などの経験はないですが、江田憲司氏は、ハーヴァード大学留学を経験し、留学時の寮のルームメイトはマイケル・フロマン米国通商代表であり、フロマンはオバマ大統領とハーヴァード大学のロースクールで一緒に法学雑誌の編集をしていた友人です。松野氏は、震災後に立ち上げられた、「国難対処のために行動する『民主・自民』中堅若手議員連合」(民自連)に参加し、マイケル・グリーンやリチャード・アーミテージとも会談を持っています。この民自連には、自民党からは菅義偉、河野太郎、岩屋毅、梶山弘志、平将明、民主党からは、樽床伸二(落選中)、松野頼久(維新の党)、長島昭久、笠浩史が参加していました。こうした人脈に関することは、拙著『アメリカ政治の秘密』『ハーヴァード大学の秘密』、そしてこのブログでも繰り返し書いてきました。是非お読みください。

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民事連の会合の様子

細野氏は、アメリカにとっても中国にとっても納得できる存在であると思いますし、ポスト安倍氏という点でも、有力候補になると思います。

 この文章は本日(2014年12月19日)の午後に書いていたのですが、細野氏が正式に党首選への立候補を表明したというニュースが入ってきました。新聞記事によると、細野氏は民主党の政権与党時代を「失敗」と断じ、先日の総選挙の結果も「完全なる敗北」であったと発言したそうです。また、「民主党の自主再建を実現する」と述べて、維新の党の江田氏からの新党設立への呼びかけに応じない考えを示したとのことです。
 
 この新聞記事は自民党の機関紙に等しい産経新聞(総選挙の結果予想を自民党単独で3分の2だと嬉々として報道した「をめでたき」自称・全国紙)の記事ですから、読者による読み解きが必要となります。民主党は今の状況では野党再編の軸にはなれません。議席数が多いだけのことです。ここで重要なのは、細野氏が現在の幹部たちに喧嘩を売りつつ、議員と党員の支持を幅広く集めようとしているところです。岡田氏。前原氏といった最高幹部連中に「あんたらの出る幕じゃない」と切り捨て、比例復活組の某N島議員のように、負け惜しみと強弁を繰り返す人に「俺たちは負けたんだ、お前は選挙に強いはずだったのにな。だからしばらく黙っとけよ」と切り付け、それでも、「民主党を再建します」と発言して、議員と党員たちの支持を得ようとしているのだと思います。

 
 維新の党は41議席を獲得しました。何の組織もなくて、橋下代表の人気や個々の努力で維新は現有議席をほぼ守りました。民主党は一部で安倍政権に対する批判票の受け皿にはなりましたが、その役割を共産党に奪われ、あれだけの組織がありながら勝ち切れませんでした。このような脆弱な野党第一党では、野党再編の軸にすらなれないというのが細野氏と周辺の考えなのでしょう。私は、いずれ野党再編はあると思いますが、それは2016年の参議院議員選挙のあたりではないかと思います。

 私の考えでは、民主党を残すが、55年体制時の社会党のようになって、自民党の一人勝ち、万年与党化を許すか、野党再編から野党再建に向けて動くか、今が重要なターニングポイントです。ここで、安倍自民党と「立憲主義」で対抗すべきだと思います。歴史を振り返ってみれば、大正時代に、「藩閥打破、憲政擁護」を掲げての大正デモクラシーがありました。立憲政友会(尾崎行雄)と立憲国民党(犬養毅)が桂太郎(長州出身)を倒すことに成功しました。ここで、民主党を残すかどうか、ということよりも、民主党を利用して、立憲主義を守り、「平成の時代の大正デモクラシー」を起こすべきだと私は考えます。そのためには国会論戦と選挙を通じて、自民党と会え晋三首相を追い詰めるしかありません。

 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141219-00000583-san-pol

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「細野氏、出馬を正式表明 民主党政権は「失敗」、野党再編応じず」

 

産経新聞 1219()1936分配信

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141219-00000583-san-pol

 

 民主党の細野豪志元幹事長は19日、国会内で記者会見を開き、党代表選(来年1月18日投開票)への出馬を正式に表明した。「民主党としての旗を掲げ直し、新民主党を再生していきたい」と決意を述べた。

 

 細野氏は会見で、安倍晋三政権で「立憲主義が危機的な状況に立たされている」と批判。「国民が選択できる政権の枠組みが風前のともしびだ。民主党の再生なくして政権交代の枠組みはない」と述べ、政権交代可能な政党にするための出馬だと強調した。

 

 細野氏は民主党政権を「失敗」と断じた上で、「再起を期した今回の衆院選も完全なる敗北だった」と語り、党の抜本的な改革の必要性に言及。野党再編については「自主再建を実現していきたい」と訴え、野党再編による新党を目指す維新の党の江田憲司共同代表らの呼びかけには応じない考えを示した。


●「民主党:代表選 細野・岡田両氏を軸 維新との関係が焦点」

 

毎日新聞 20141217日 2125分(最終更新 1217日 2300分)

http://mainichi.jp/select/news/20141218k0000m010106000c.html

 

 民主党が来月18日の代表選実施を決めたことを受け、各グループが相次いで会合を開くなど代表選に向けた動きが本格化した。17日に出馬を表明した細野豪志元幹事長は知名度があり、発信力強化への期待が高い。代表経験者で政策にも強い岡田克也代表代行を推す声も強く、両氏を軸に党内の多数派工作が活発化しそうだ。

 

 代表選は、党立て直しに向け、維新の党との関係を中心に野党再編への対応が焦点となる。新代表の任期は2017年9月末までのため、来春の統一地方選だけでなく、16年参院選も含めた「党の顔」にふさわしいかもテーマだ。ベテランか中堅・若手かの世代問題も注目を集める。

 

 細野氏は17日、野党再編について「まず民主党の旗を鮮明にした上で、その旗の下で(同調する)野党のメンバーの結集を目指すべきだ」と述べ、野党再編に意欲を示した。海江田万里代表が野党再編に慎重姿勢を崩さなかったことに、党内の一部には根強い不満がある。細野氏は現執行部への批判票も狙う。

 

 一方、現執行部に属する岡田氏は17日、代表選に名前が挙がっていることについて「光栄なことだ」と記者団に述べるにとどめた。細野氏と比べ、野党再編に慎重とされる。連合出身議員が多く、維新との再編に警戒感を抱く参院側を中心に支持を集めるとみられる。ただ、岡田氏は衆院選では維新とも選挙区調整を積極的に進めた。細野氏との違いはそれほど大きくないという見方もある。

 

 前原誠司元代表のグループは17日、東京都内で会合を開き、対応を協議した。前原氏は会合後、「まったく白紙だ」と述べた。ただ、出馬を促す声が複数あったと紹介し「どうすれば党が再生できるか仲間と相談し決めたい」とも語った。その後、前原氏は細野氏や長島昭久元副防衛相、松本剛明元外相と会談した。

 

 若手に推す声がある玉木雄一郎政調副会長は国会内で当選3回以下の若手議員の会合に出席した。玉木氏は記者団に「若手も党再生に中核的な役割を果たさなければならない」と述べた。馬淵澄夫選対委員長は記者団に「準備と覚悟はできているが、現在は白紙だ」と語った。

 

 このほか、大畠章宏前幹事長のグループや旧社会党系議員らで作るグループも相次いで会合を開いた。【高橋恵子、村尾哲】

 

 

●「細野豪志氏、民主党代表選への立候補を表明 野党再編に言及」

 

朝日新聞デジタル              |  執筆者:       奈良部健、安倍龍太郎

投稿日: 20141218 0912 JST 更新: 20141218 0912 JST

http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/17/goshi-hosono-runs-for-dpj-leader_n_6344496.html

 

民主党は17日の両院議員総会で、代表選の日程を来年1月7日告示、18日投開票と決めた。代表選に向けた動きが本格化し、細野豪志元幹事長(43)が立候補を表明した。党内には岡田克也代表代行(61)を本命視する見方が強く、前原誠司元代表(52)も意欲を示す。党内の各グループは多数派工作に着手した。

 

細野氏は17日、記者団に「安倍政権に対抗しうる勢力がいまの国会にない。民主党の旗を鮮明にしたい」と立候補を表明した。19日に記者会見を開いて具体的な政策を表明する。それに先だって自らが率いる派閥「自誓会」の会合を国会内で開き、笠浩史元文部科学副大臣、階猛元総務政務官ら約10人が参加した。

 

今回の代表選は党再生を民主中心の「自主再建」で進めるのか、新党を含めた他の野党勢力との「再編」を目指すかが争点になる。再編派の細野氏は「結集できるメンバーが野党の中にいれば、結集を目指す」とも語った。

 

再編派からは、維新の党の橋下徹代表と近い前原氏もグループの所属議員約10人を集めた。夜には、自身に近い議員と協議。周辺は「前原氏は立候補の意思があるが、グループ内にも異論がある」と述べ、立候補できるかどうかは不透明だ。

 

一方、自主再建派の筆頭格と目される岡田氏はこの日、記者団から候補として名前があがっていることを問われ「光栄なことだ」と述べるにとどめた。重鎮議員は「自主再建派はみんな岡田氏だろう。数が多い」と語り、再建派の議員たちが推すとみている。

 

大畠章宏前幹事長のグループ9人は国会内で会合を開き、自主再建を目指す代表を推す考えで一致した。ただ、「(代表経験者ら)昔の顔ばかりではなく、いろんな人が出た方がいい」(篠原孝衆院議員)との意見も出た。岡田氏が衆院選で維新の党と候補者の一本化を進めたことから、閣僚経験者からは「失敗に終わり、その戦犯だ」との声もある。

 

一方、党中央代表選挙管理委員会は、代表選立候補には国会議員20人以上の推薦が必要だと決めた。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)









 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 このところ、アメリカ政治物の翻訳が忙しく、国内政局に関して見落としていたり、考えたことをかけなかったりでフラストレーションが溜まっています。

 

 今回は、維新の党(Japan Innovation Party)について書いてみたいと思います。維新の党は2014年9月21日、日本維新の会と結の党が合併し、誕生しました。国会議員数50名以上を誇る政党です。維新という名前が付き、共同代表に橋下徹大阪市長、幹事長には松井一郎大阪府知事、代表代行に松野頼久氏が就任したことで、日本維新の会が優位な合併だと思われています。

 

 橋下氏は大阪維新の会と、石原慎太郎氏が率いていた太陽の党の合併で日本維新の会を設立しました。しかし、結の党との統一会派づくりから合併に関して、意見を異にし、石原氏らが次世代の党を結党して、党を出ていきました。そして、江田氏らを迎え入れました。

 

 思えば、橋下氏は、国政政治家に利用され続けている、そんな感じです。石原氏とヴェテラン政治家は太陽の党を作りましたが、選挙互助会にもならないような状況で、どうしようもない時に、うまく橋下氏を抱き込んで、日本維新の会を設立し、うまく選挙を乗り越え、ゾンビのように復活し、利用し終わったとばかりに、出ていきました。

 

 江田氏ら結の党の面々も同じように、ある種の「維新」ブランドを利用しようとしているのは、確かです。合併は日本維新の会優位と見えますが、共同代表には江田憲司氏、総務会長には片山虎之助氏、政調会長には、柿沢未途氏がそれぞれ就任しました。実際に党の政策を決定していく実務権力は結の党側が押さえています。松野氏は日本維新の会途中参加組ですし、そこまで日本維新の会大阪ウィングに忠誠心があると思えません。「利用してやろう」という感じなのだと思います。

 

 片山虎之助氏は、太陽の党から日本維新の会に合流し、次世代の党には行かずに、維新の党に入りました。ですから結の党系ではないように思われますが、江田氏とは岡山県出身、東大法学部の先輩後輩、キャリア官僚の先輩後輩という共通点があります。また、江田氏は故橋本龍太郎元首相の秘書官を務めましたが、片山氏へ政界進出を勧めたのが橋本氏であり、片山氏は長く橋本派(旧竹下派)に所属しました。こうして見ると、片山氏は江田氏に近い人物です。

 

 維新の党は、日本維新の党の時もあった、大阪ウィングと東京ウィング(国会議員団)に分かれ、主導権がどちらにあるのか分からない状況から、やがて結の党側に移っていくことが考えられます。

 

 民主党代表の海江田万里氏と江田氏の階段で、海江田氏が「国会のことは江田氏と話していく」と語ったことに触れ、橋下氏が「江田氏には殴り返して欲しい」と言ったという記事が出ました。これは、海江田氏の失言ではありますが、中央政界では、橋下氏はもうそれくらい気を遣わなくてもよい存在になってしまったということを意味しています。また、昔の橋下氏であれば「殴り返して欲しい」なんてまどろっこしいことなど言わなかったでしょう。それほどに存在感と影響力を失っているのです。

 

 江田氏は共同代表なのですから、国会議員50名を実際に率いて国会にいる訳です。その存在感は大きくなっていくでしょう。そして、民主党の海江田代表と生活の党野沢一郎代表らと手を携えて、野党再建に動いていくでしょう。私が拙著『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所、2014年)で書きましたように、江田憲司氏はハーヴァード大学での研究員としての体験があり、アメリカには幅広い人脈があります。そして、細野豪志、松野頼久と共に野党再建に向けたキーマンです。これから維新の党に注目していきたいと思います。

 そして、橋下氏が如何に国政政治家とアメリカに利用されて、政治家としての力を抽出させられて捨てられていくのかという姿を見ていきたいと思います。 

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「維新の党:結党大会…53人スタート、野党再編目指す」

 

毎日新聞 20140921日 2153分(最終更新 0921日 2209分)

http://mainichi.jp/select/news/20140922k0000m010064000c.html

 

 日本維新の会と結いの党は21日、新党「維新の党」の結党大会を東京都内のホテルで開いた。維新の橋下徹代表(大阪市長)と結いの江田憲司代表がともに共同代表に就任。衆院42人、参院11人の国会議員計53人が参加し、民主党に次ぐ野党第2党となる。党綱領で「政権担当可能な一大勢力の形成」をうたい、民主党やみんなの党の一部を巻き込んだ野党再編を目指す。【葛西大博、熊谷豪】

 

 橋下氏は結党大会で「安倍政権に緊張感を持ってもらうには、きちんとした野党をつくる必要がある」と強調。江田氏も「民主党、みんなの党、どこの政党でも基本政策の一致を前提にどんどん糾合していかなければならない」と述べた。

 

 新党の主要幹部は日本維新側が占め、幹事長に同党幹事長の松井一郎・大阪府知事が就いたほか、代表代行に松野頼久氏、総務会長には片山虎之助氏が就いた。

 

 結い側からは、柿沢未途氏を政調会長に起用。みんなの党に離党届を提出した大熊利昭衆院議員の入党も承認され、計53人でのスタートになる。

 

 結党大会で発表した党綱領では、統治機構改革で「この国のかたち」を変える▽「保守VSリベラル」を超えて改革勢力を結集する−−などと明記。道州制導入など65項目の基本政策を発表したが、消費税率10%への引き上げや、原発再稼働の是非に関する意見集約は間に合わなかった。

 

 法的には結いを解散し、日本維新を残す形を取る。新党の名称など総務相への届け出は22日に行う。

 

●「「海江田氏に殴られたから、殴り返して」橋下氏」

 

20141010 0729

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20141010-OYT1T50027.html

 

 維新の党の橋下共同代表は9日、民主、維新両党の共闘をめぐり、民主党の海江田代表から「大阪軽視」の侮辱的な発言を受けたとして、大阪市役所で記者団に怒りをあらわにした。

 

 8日夜の維新の党執行役員会では、橋下氏が江田共同代表に「海江田氏に大阪サイドは殴られたのだから、殴り返してほしい」と伝えたことも明らかにした。

 

 橋下氏が問題視したのは、海江田氏の「国会のことは江田氏と話をすればいい」という記者会見での発言。橋下氏は「公党の代表と幹事長をないがしろにする発言。海江田氏が政治というものを心得ているのか疑問だ」とまくし立てた。

 

 橋下氏は、次期衆院選での民主党との選挙協力に否定的で、国会議員主導で進む「民維共闘」をけん制したとの見方もある。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 古村治彦です。

 

 2014年に入ってからの日本政治における大きなニュースの一つが、みんなの党代表である渡辺喜美代議士(栃木三区、当選6回)のDHC社会長からの8億円の借り入れ問題です。この借りたお金がみんなの党の選挙資金として、政治資金として使われたのに、政治資金収支報告書に記載されていなかったということが問題視されています。最新のニュースでは、渡辺氏は、違法性はなく、国会議員やみんなの党の代表を辞任する考えはないと主張しています。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●「「法的に問題なし」渡辺氏、説明文を役員会で配布 本人は欠席」

 

2014年4月1日 MSN産経ニュース

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140401/stt14040112470002-n1.htm

 

 化粧品販売会社会長からの8億円借入金問題を抱えるみんなの党の渡辺喜美代表は1日、定例の党役員会を体調不良を理由に欠席した。代わりに「あくまで個人的に借りたものだ」と従来の主張を繰り返す説明文を配布した。党幹部から代表辞任論が出る中、「法的には何の問題もない」とも記し、理解を求めた。

 

 渡辺氏は説明文で「借入分を含む私の個人財産から党にお貸しし、選挙費用を含む党の活動費用とした分は、党の収支報告書にきちんと出ている」として、党を経由することで一部を選挙費用に充てたことを認めた。残りは個人の政治活動や議員活動の費用で、「公職選挙法及び政治資金規正法に報告の制度はない」と違法性を否定した。具体的な使途については言及しなかった。

 

 一方、8億円の借入問題が会長による週刊誌での「告発」で発覚した経緯について、結いの党の江田憲司代表の名前を挙げ、野党再編を目指す勢力による「馴染みの週刊誌を利用した策略」と指摘し、徹底抗戦の姿勢を明確にした。

 

 

●「8億円、渡辺氏「法的問題ない」 党役員会に文書、続投意欲」

 

2014年4月1日 47ニュース

http://www.47news.jp/CN/201404/CN2014040101001673.html

 

 みんなの党の渡辺喜美代表は1日午前、国会内で開かれた党役員会を欠席し、その代わりに8億円借り入れ問題をめぐり「法的には何の問題もない」とする文書を提出し続投に意欲を示した。文書を託された浅尾慶一郎幹事長が各役員に配布し、欠席理由について「声が出ないため欠席すると電話で連絡があった」と述べた。

 

 渡辺氏は文書で、8億円を個人的な借金と重ねて説明。「借り入れ分を含む財産を個人の政治活動に支出しても報告の制度はない。法律違反のような報道は大変遺憾だ」と主張。「ここで負けたら国を動かすムーブメントはついえる。今後も党の主張を展開し政策の実現に努める」と表明した。

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

 渡辺氏は今回の事件について、みんなの党から分裂した、結の党の代表である江田憲司氏を名指しで批判し、また、日本維新の会に対しても批判的な厳を述べているということです。「野党再編に慎重な自分がいなくなれば、みんなの党も含めて野党再編が進むから、そういう動きを進めたい結の党や日本維新の会が仕掛けた謀略だ」というのが渡辺氏の主張です。

 

 事件の当事者である渡辺氏の感触はそれを尊重するとして、外部から見ているとそれとは違った考えもまた起こります。事件の当事者は以外と事件の全貌は見えないものです。そこで差し出がましいとは思いますが、私の考えをここで述べたいと思います。

 

 私は、渡辺氏は身内に刺されたのだろうと思います。身内というのは、みんなの党に残っている議員たちです。具体的に誰がということは分かりません。これは一種のクーデターだと思います。

 

 そして、それはどうして起きたかというと、安倍晋三首相がみんなの党に対して使った「責任野党」という言葉がヒントになると思います。渡辺氏は安倍晋三首相が前回首相を務めた時に、金融担当、規制改革担当の国務大臣を務めています。頑迷な官僚組織に立ち向かう改革者というイメージもあって、大変な人気でした。しかし、その後、離党しました。

 

 安倍晋三首相が再登板となった昨年以降、みんなの党の立場は、安倍晋三首相が「責任野党」という言葉で表現するものとなりました。審議に応じ、最後には自民党や内閣の意向に沿う形で賛成する、というのが彼らの立場でした。「閣外協力」に近い立場と言えるでしょう。

 

 しかし、この「責任野党」という言葉は曲者です。なぜなら、「責任」を果たしても何の「報酬」も得られないからです。公明党のように与党となれば、大臣や副大臣、大臣政務官のポストや国会での委員会のポスト、予算における自党の主張の反映といったことが期待できます。

 

 しかし、「責任」だけは背負わされて、野党の立場ということになると、そういった旨味はありません。実態は与党と同じなのに、建前は野党となれば、与党としての旨味はなく、野党としては、反自民勢力の受け皿になることもできません。言ってみれば、「埋没」するしかないのです。

 

 それでは、みんなの党が自民党と連立を組めるのか、最終的には自民党と合流できるのかということになると、その最大の障害は渡辺喜美氏ということになるでしょう。渡辺氏としては、自民党、特に安倍首相にすり寄っておこうということだったと思いますが、安倍氏や自民党側は、連立を組んでいる訳ではないのですから利用するだけのことです。

 

 私は、昨年(2013年)12月にみんなの党と結の党の分裂の時に、みんなの党に残った人々は、おそらく「連立与党入り」、もしくは「自民党との合流」を希望として持っていたのだろうと思います。しかし、渡辺氏が代表でいて世話になる限り、そうした希望がいつ叶うか分かりません。

 

 そこえ、身内からのクーデターが起きたのだと思います。これは私の建てた仮説ですから間違っているかもしれませんし、また当たっているかもしれません。こうした考えもできますよということで書きました。「信じるか、信じないか、貴方次第です」。

 

(終わり)



 

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 本日(2013年12月8日)、みんなの党の江田憲司前幹事長(衆院神奈川8区選出)がみんなの党を離党して、新党を結成する意向を明らかにしました。みんなの党内部の路線対立、渡辺喜美代表と江田氏との間の確執は修復不可能な状態で、いつ分裂するかという状態でした。ですから、今回の分裂は既に織り込み済みといった雰囲気があります。


 江田憲司代議士、日本維新の会の松野頼久代議士、民主党の細野豪志代議士を中心とした「既得権益を打破する会」という政党横断的な勉強会が1週間ほど前に結成されています。2013年12月2日付江田けんじウェブサイト「「既得権益を打破する会」設立へ・・・規制改革と地域主権で共生社会を実現する!」(http://www.eda-k.net/column/week/2013/12/20131202a.html)にアップされた文章よると、呼びかけ人は、「【民主】細野豪志・松本剛明・笠浩史・階猛(今後増える可能性あり)、【維新】松野頼久・石関貴史・馬場伸幸・小熊慎司・遠藤敬・東国原英夫、【みんな】江田憲司・柴田巧・青柳陽一郎・井坂信彦・井出庸生・小池政就・畠中光成・林宙紀、【無所属】柿沢未途」といった人々です。新党のコアメンバーはこのうち、特定秘密保護法案に反対、もしくは棄権した人々になると思われます。


 民主党現職からすぐに離党者が出るとは思えませんが、前職で離党した人々からは参加者が出るものと思われます。既に離党している山口壮代議士も新党に参加する可能性があると私は考えています。


 新党参加者や新党に近い人々の顔ぶれは、アメリカのネオコン派とはつながらない、別の流れにつながる人々であることは予想されます。新党の代表になる江田氏は、通産官僚時代にハーヴァード大学ウェザーヘッド国際問題研究所にフェローとして在籍しました。その時のルームメイトがマイケル・フロマン米通商代表部(USTR)代表です。フロマンはUSTR代表になる前はバラク・オバマ大統領の副補佐官を務めていました。彼はオバマ政権では米韓FTAやTPPといった経済、通商問題を担当しています。フロマンはハーヴァード大学ロースクール(法科大学院)出身ですが、オバマ大統領とはその時の同級生です。ですから、江田氏の動きは、フロマンの意向もあるのではないかと私は考えています。


 オバマ大統領が安倍晋三首相を嫌っているという話はだいぶ広まってきました。ネオコン派に連なる安倍首相に関しては、コントロールが効かなくなるのではないかという懸念をオバマ大統領やアメリカ側は持っているのではないかと思われます。2012年の総選挙、そして2013年の参議院議員選挙で、アメリカ側は、独立志向の民主党を懲らしめたという構図になるのですが、薬が効きすぎて、自民党独裁を許すようになり、ブレーキを掛ける存在がなくなってしまいました。


 そこで、アメリカ側としては、自民党とは別の勢力を日本の成果に作る必要に迫られました。それは自民党よりもナショナリスティックではなく、同時に少しリベラルで都市住民に受け入れられるような勢力になると言えるでしょう。キャロライン・ケネディ米駐日大使の最近の動きを見ていても、自民党や自民党を支持する勢力ではない、アメリカとつながりがある新興勢力をアメリカ側は支持しているように見えます。


 自民党に対抗する勢力もまたアメリカとつながっていなければならないというのは属国の悲哀そのものです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)


●「江田氏「国民本位の政党つくる」=9日にみんな離党」


時事通信 2013年12月8日

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013120800060&rel=y&g=pol


 みんなの党の江田憲司前幹事長(衆院神奈川8区)は8日、東京都内で講演し、「みんなの党はもう限界だ。一強多弱といわれる政治状況を打破し、国民本位のまっとうな政党をつくっていこう」と述べ、離党して新党を結成する意向を表明した。この後、記者団に離党届提出は9日になると説明した。一方、渡辺喜美代表は「新党準備は反党行為だ。党を出ていってもらう」と都内で記者団に語り、慰留しない考えを示した。


 江田氏は2014年から政党交付金を受給するため、年内の新党結成を目指す。これに関し、特定秘密保護法の採決で反対したみんなの井出庸生衆院議員(比例代表北陸信越ブロック)は8日、地元の会合で離党の意向を表明。井坂信彦衆院議員(同近畿ブロック)らも江田氏に同調する。また、先に離党した柿沢未途衆院議員も新党に参加する見通し。みんな内では渡辺氏の党運営に批判的な議員も多く、「離党者が10人を超えるのは確実」(党関係者)との見方が出ている。


 江田氏は講演で「小さく分かれていがみあっている野党が、政治理念と基本政策を軸に、自民党に対抗し得る勢力を結集しなければ、日本の民主主義は死んでしまう。捨て石となって再編をやる」と述べ、野党再編に強い意欲を示した。


 渡辺氏は記者団に、江田氏の離党届を受理するかどうかについて「いろんなケースがあり得る」と述べ、除名を含め厳しい処分を検討する考えを示した。また、比例代表選出議員が離党する場合には「議員辞職を勧告する」と語った。 


 これに先立つ都内での会合で、渡辺氏は「カネ(政党交付金)目当て、選挙区事情でできた新党が必ず失敗するのは歴史が証明している」と、江田氏らを強く批判した。(2013/12/08-18:25


●「路線対立、限界超える=渡辺代表、江田前幹事長ついに決別-みんな」


時事通信 2013年12月8日

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013120700420


 みんなの党の江田憲司前幹事長がついに離党を決意した。渡辺喜美代表とともに党の二枚看板として中心的役割を果たしてきたが、特定秘密保護法への対応を機に安倍政権に接近する渡辺氏と、野党勢力の結集を目指し、同法採決で造反した江田氏の路線対立は限界を超え、もはや同じ党にとどまることは不可能となった。


 渡辺、江田両氏は2009年の結党以来、党運営の主導権争いを繰り返してきた。12年衆院選、13年参院選を経て、自民・公明の巨大与党との向き合い方が課題となると、渡辺氏は「切り貼り新党は失敗する」として、みんなの存続を前提にした「政党ブロック」連合を提唱。野党再編に積極姿勢を示す江田氏を8月に幹事長から更迭した。11月に安倍晋三首相と会食した後は、秘密保護法の修正合意を主導し、集団的自衛権の行使容認も打ち出すなど、与党志向を鮮明にした。


 これに対し、江田氏は「自民党に対抗できる受け皿が必要」との判断から、新党結成も視野に、民主党の細野豪志前幹事長、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長らと10日に勉強会を始動させる。秘密保護法の衆院採決では党の賛成方針に反して退席。「脱官僚を標ぼうする党が官僚支配を助長する法案に賛成して良かったのか」などと、公然と渡辺氏批判を繰り返している。


 江田氏に近い議員らの間では「渡辺氏の『政権すり寄り』の姿勢は党の原点と懸け離れている」と不満が渦巻く。江田氏周辺は同調者が「十数人規模に上る」と強気で、14年から政党交付金を受給するため、政党要件の国会議員5人以上をクリアして年内に新党結成にこぎ着けたい考え。これに対し、渡辺氏サイドは離党者を最小限にとどめるため、9日にかけ懸命に切り崩しを進めるとみられる。(2013/12/08-02:32


●「「野党再編」乱れる思惑 既得権益打破する会設立も分裂含み」


産経新聞 2013年11月30日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131130-00000106-san-pol


 民主党の細野豪志前幹事長、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長、みんなの党の江田憲司前幹事長は29日、国会内で会合を開き、規制改革や地域主権に関する勉強会を12月10日に設立する方針を決めた。新党結成を含む野党再編の布石にする狙いがあるが、みんなは渡辺喜美代表が安倍晋三政権との連携強化を模索しており、分裂含みだ。再編をめぐる民主や維新との歯車がかみ合うのは難しそうだ。


  会合には3党と無所属の計16人が出席。勉強会は「既得権益を打破する会」という名称とし、細野、松野、江田3氏が共同代表に就任する。再編に向け、注目されるのがみんなの行方だ。会合で江田氏は「わが党の事情で遅くなった。私の不徳の致すところだ」と陳謝した。その「事情」とは渡辺、江田両氏の対立にほかならない。


  安倍政権との連携を模索する渡辺氏は29日の記者会見で、江田氏について「新党準備会合だとすれば反党行為だ。首謀者がポイントだ。遠心力は排除する」と語った。特定秘密保護法案の衆院採決で造反したことへの処分は、「除名」になる可能性も出てきた。


  これに対し、江田氏は会見で「勉強会が野党再編を目的にしているということはない」と強調。「公党の代表が遠心力とか排除とか言っちゃだめだ」と渡辺氏を批判した。江田氏に近い議員からは「処分を待たず離党して新党をつくるべきだ」との声が上がる。


  だが、仮に江田氏らが新党を結成したところで、他党も流動化しなければ再編は難しい。細野氏は来年4月に細野派を結成する意向で、海江田万里代表が辞任した場合に行われる次期代表選を見据えた行動との見方が強い。民主党が再編にどう向き合うかは、この代表選次第といえる。


  維新には、今回のように民主、みんなとの再編を模索する動きと、憲法改正を軸に自民党を巻き込む形での再編を狙う動きがある。だが、その方向性を詰めようとする雰囲気はない。


  勉強会発足は再編の「始まりの始まり」でしかなく、その行方も不透明だ。(村上智博、沢田大典)


(新聞記事転載貼り付け終わり)


(終わり)




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 古村治彦です。

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