古村治彦です。

 

 昨年から今年にかけて沖縄で頻発しているヘリコプターの事故について、海兵隊トップのロバート・ネラー大将は「昨年は酷い年だった」と述べています。昨年、航空機(ヘリコプターを含む)の機体を損傷する、もしくは乗員が死亡する事故が12件も発生したようです。これに対して、「酷い年だった」と述べています。

 

一方、沖縄で頻発している事故については、事故では誰も死んでいないし、機体に損傷もなかったと述べています。先日の松本文明代議士(前内閣府副大臣)の「何人死んだんだ?」というヤジと認識は全く同じです。「誰も死んでいないし、ヘリコプターの機体も損傷していないのだから文句を言うな」ということです。

 

 そして、事故の原因究明についても、原因究明をしても分からない部分があるとしています。事故の大部分は、ネラー大将は機体整備や部品の問題ではないとも述べています。

 

 統合参謀本部部長ケネス・マッキンゼー・ジュニア中将は、日本からのヘリコプターの飛行中止に対して、整備の過程で飛行させねばならないので、飛行を差し止めることはできないとしています。また、昨年から続発している事故についても、特別な懸念は存在しないとも述べています。

 

 米軍のトップは、誰も死ななかったし、機体も損傷しなかったのだから、大したことではないと述べています。しかし、事故が続発しているからアメリカのメディアも記者会見で質問している訳で、一般的な感覚で言えば、事故が短期間で続発しているのはおかしい、何か原因があるはずだということになります。アメリカのメディアは沖縄の人々の安全よりも、米軍のパイロットや兵士たちの安全により関心を持って質問をしているのでしょうが、現在の状況がおかしいと思うのが当然です。しかし、大したことではなかったし、ごちゃごちゃ言うな、どうせ原因が分からない事故もあるのだから、というのが米軍の姿勢です。

 

 米軍はあまり真剣に今回の事故を受け取っておらず、住民の不安などということも考慮に入れていないようです。私たちは、従属国日本の悲しい姿をこれからもずっと見続けることになるのでしょう。そしてより悲しいのは、こういう事故が起きた時、アメリカ軍の立場からしか考えられない「名誉アメリカ人」的日本人=買弁(comprador)が大道を闊歩し、日本を統治しているということです。

 

(貼り付けはじめ)

 

海兵隊トップ将官:米海兵隊は航空機に関する一連の事故があり「昨年は酷い年だった」と発言(Top officer: Marines 'had a horrible year' with aviation crashes

 

エレン・ミッチェル筆

2018年1月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/defense/370726-top-officer-marines-had-a-horrible-year-in-2017-with-aviation-crashes

 

米海兵隊の最高幹部は木曜日、米軍は、深刻な航空機の事故が続いたことについて、「昨年は酷い年でした」と述べた。

 

ロバート・ネラー大将は、今月になって続いて起こっているヘリコプターの緊急着陸に関して演説している中で、上記の発言を行った。一連の緊急着陸は整備上の問題として批判を受けている。

 

ネラー大将は、「昨年だけで、航空機の機体が損傷した、もしくは乗員が亡くなった航空機に関する事故が12件発生した」と述べた、

 

ネラー大将はワシントンで開かれた戦略国際問題研究所(CSIS)主催のイヴェントで演説し、「一連の事故の大多数は航空機の機材の状態で起きた事故ではありません。この件に関してはこのくらいにしておきます」と述べた。

 

彼の発言は、AH-1Z型ヴィパー・ヘリコプターが火曜日沖縄で緊急着陸した事故の後になされた。訓練中に警告サインが点灯し、パイロットは着陸を決断した。

 

緊急着陸は今月に入って既に3回発生している。1月6日と8日に海兵隊のヘリコプターによる緊急着陸が起きている。

 

「きわめて率直に申し上げれば、一連の緊急着陸は予防的な着陸でした。誰も傷つかず、飛行機(ヘリコプター)を損傷することもなかったのですから」とネラーは述べた。

 

一連の緊急着陸の前には、CH-53Eスーパースタリオンの窓が沖縄の小学校に落下するという事故も起きた。10月には別のスーパースタリオンが飛行中に火災が発生した後に緊急着陸するという事故もあった。

 

ネラーはこのような事故に対処し、海兵隊はパイロットの飛行時間を増加させる計画があり、平均の飛行時間を11時間から16時間に増やすと述べた。

 

ネラーは次のようにも発言した。「悲しいことだが、事故から学ぶこともあります。しかし、事故の中には、結局どうして起きたのかが分からないものも出てきてしまいます。重要なことは、更なる時間を投入することで、飛行時間を更に増加させることです」。

 

ネラーは「新しい機体を購入し、機材供給を合理化することで、航空機を更に飛行させて、飛行時間を増やすことが出来ます」と述べた。

 

一方、日本政府側は、全ての期待のチェックが終わるまで、ヴァイパーヘリコプターの飛行を差し止めるように米軍に求めている。

 

統合参謀本部部長ケネス・マッキンゼー・ジュニア中将は木曜日、アメリカの整備部隊は整備におけるチェック過程の一部としてヘリコプターを飛行させねばならないと述べた。

 

マッキンゼー中将は国防総省において毎週開催されるカメラが入った記者会見で記者たちに対して、「地上で航空機を整備するには限度がある」と述べた。

 

「一連の緊急着陸はより重大な事故が起きないために十分な警戒をした結果起きたもので、危険な飛行のために起きたものではない」とマッキンゼー中将は述べた。

 

マッキンゼー中将はまた、日本において続発している緊急着陸について「特別な懸念は存在しない」と述べた。マッキンゼーは「今回の緊急着陸が、事故が増加していること、もしくは異常な状態であることを示すという主張に同意する準備ができていない」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)