古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:激戦州

 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙の特徴といえば、有権者の総得票数で結果を決めるのではなく、各州に割り当てられた選挙人を取り合う形になっていることです。2000年の大統領選挙では、民主党のアル・ゴアが全米の総得票数では勝っていましたが、最後、フロリダ州で僅差で共和党のジョージ・W・ブッシュに敗れたために、大統領の座を逃したことがありました。選挙人制度は、各州の人々が自分たちの代表を決めて、その代表たちがワシントンDCまで出向いて、大統領決定を行うというシステムの名残です。昔のことですと、アメリカを横断するだけでも相当な時間とお金がかかり、各州の名士たちしか選挙人になれませんでしたし、識字率も低かったので、こういう制度ができました。

 

 今では各州の独自性を担保するという意味もあって選挙人を取り合う形で、しかも各州で1票でも多く勝った候補者が選挙人を総取りということになっています。「各州の代表」で、「我が●●州は共和党のドナルド・トランプ!」「我が●●州は民主党のヒラリー・クリントン!」ということになります。各州に割り当てられる選挙人の数は人口(下院議員の選挙区の数)に基づいて配分されていますので、各州で平等ではありません。

 

 さて、今回の大統領選挙では、激戦州として11の州が挙げられています。これらの州では、ドナルド・トランプ、ヒラリー・クリントンどちらとも相手に5ポイント差以上をつけられない、大変な接戦となっています。10ポイント以上の差をつけていると優位な州といえますが、一けた台になり、それが5ポイントを切ると逆転される可能性も見えてきます。

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 この接戦州でもいくつかの州はトランプ優位、またはヒラリー優位となっていますが、全体の傾向として、ヒラリーの方がお金と人材を投入していると言えます。選挙のヴォランティアが集まる選挙事務所(campaign field offices)の数、後は各州のテレビCMの放送枠への投入資金の金額では、ヒラリーが圧倒しています。人材と資金の面で大差をつけているのに、支持率で接戦となっているということは、ヒラリーは本質的に脆弱な候補者と言えます。トランプはその点で、効率よく戦っていると言えます。

 

 残り2カ月となり、これからラストスパートという時期、ますます目が離せなくなっています。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプが勝つか、クリントンが勝つか?11の州が選挙の帰趨を決める(Will Trump or Clinton win? The 11 states deciding the race

 

ニオール・ストレンジ筆

2016年9月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/294716-will-trump-or-clinton-win-the-11-states-deciding-the-race

 

投票日までの追い込みが始まり、ドナルド・トランプはヒラリーに付けられている差を縮めつつある。

 

最新のCNNORCの共同世論調査が火曜日の朝に発表され、それでは全国規模でトランプがヒラリーに2ポイントリードしているという結果が出た。この結果に民主党幹部に衝撃を与えた。リアルクリアポリティクスが出している各種世論調査の平均では、ヒラリーが3.3ポイントの差をつけているが、この差は最大の時と比べて半分になっている。

 

しかしながら、民主党大統領選挙候補ヒラリー・クリントンは大統領選挙で優位な立場に立ち、勝利を収める可能性が高い。その理由の一つとして、選挙の結果を決める激戦州での強さが挙げられる。

 

ヒラリーは、ジョージア州とアリゾナ州のような共和党の牙城で接戦を演じている。しかし、今回の選挙もまた、最近の複数回の大統領選挙の帰趨を決めた州によって結果が決まるだろう。

 

本誌は、11の激戦州それぞれで何が起きているかを見ていく。

 

(1)オハイオ州

 

トランプは、他の激戦州に比べてオハイオで優位に立っていることに安堵していることだろう。

 

火曜日(9月6日)に発表された、ワシントン・ポスト紙とサーヴェイ・モンキーによる全米50州を対象にした共同世論調査の結果によると、トランプはアイオワ州で3ポイントの差をつけてリードしている。エマーソン大学の世論調査では、引き分けという結果が出た。火曜日の午後に出された、リアルクリアポリティックスによる各種世論調査の平均では、ヒラリーが3.3ポイントの差をつけてリードしている。

 

オハイオ州の人口構成によって選挙の激戦化の説明が可能だ。出口調査の結果によると、2012年の選挙では、オハイオ州の有権者のうちヒスパニックは3%に過ぎなかった。大学卒業は40%に留まった。この数字は11の激戦州の中で最も低い。

 

これらの数字から、トランプの中核となるアピールは白人のブルーカラーに受けが良いので、オハイオはトランプのアピールが有効な土地ということになる。

 

ヒラリー選対は、オハイオ州で勝つために伝統的な戦術を採用している。最近のPBSのニュースアワーの分析によると、ヒラリー選対は、8月末までにオハイオ州に36カ所の選挙事務所を開設しており、一方のトランプは16カ所だ、ということだ。TV画面の上では、ヒラリーはトランプに比べて多額の資金を投入している。クリントン陣営は、2200万ドルを投入して、9月から11月までの放送枠を確保している。一方、トランプと支持者たちの投入額は200万ドル以下だ。この数字は、「アド・エイジ」が「カンター・メディア」傘下の「キャンペーン・メディア・アナリシス・グループ」の発表したデータを分析して得られたものだ。

 

フロリダ州

 

フロリダ州は激戦州の中で最も多い選挙人を擁している州だ。その数は29名だ。最近行われた4つの主要な会社や組織の世論調査の結果では、いずれもヒラリーがトランプを2ポイントリードしているという結果が出た。フロリダ州では、どちらの候補がトップに立っても相手に対して2ポイント以上の差をつけられないという状況が続いている。

 

フロリダ州は、選挙戦を戦ううえで、お金がかかる州となっている。アド・エイジとカンター・メディアの分析によると、ヒラリーと支持者たちは、テレビの放送枠確保のために3400万ドルを投じている、ということだ。

 

2012年のフロリダ州の有権者のうち、17%がヒスパニックだった。また、フロリダ州に多く住むキューバ系アメリカ人たちは伝統的に共和党を支持してきたが、その伝統も薄れつつある。しかし、多くの専門家たちの予想よりも、トランプにとって情勢は有利に展開している。

 

しかし、トランプの選挙運動は不活発で、これが彼の勝利を不意にしてしまうことはないだろうか?PBSの調査によると、8月末の時点で、トランプは州内に選挙事務所を1カ所しか設置していない。一方、ヒラリーは34か所設置している。

 

ヴァージニア州

 

激戦州の中で、ヴァージニア州は、ヒラリーが最強の州だ。ヴァージニア州は、選挙情勢地図の大変化を示す第一の具体例となっている。

 

ヴァージニア州は2008年まで共和党の金城湯池だった。2008年にオバマ大統領がヴァージニア州で勝利を収めたが、これは1964年にリンドン・ジョンソンが勝利を収めて以来のことだった。しかし、選挙結果予測サイト「ファイヴサーティーエイト」は、ヒラリーの勝利の確率を80%以上としている。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーは5ポイントの差をつけてトランプをリードしている。

 

ここで注目すべき事実がある。それは、アド・エイジによると、ヒラリー陣営もトランプ陣営もヴァージニア州では選挙CMを大々的に流す計画を持っていないということだ。

 

2012年の有権者のうち、黒人が占める割合は20%だ。黒人はトランプをほとんど支持していないことは各種世論調査で明らかになっている。トランプを支持していないもう1つのグループである大卒者は、2012年の選挙で54%を占めている。これは11の激戦州の中で最も高い数字となっている。

 

ノースカロライナ州

 

ノースカロライナ州は南部の性質の変化を示す具体例となっている。ヒラリーはノースカロライナ州でトランプを僅差でリードしている。ヒラリーがノースカロライナ州で接戦を演じていることに関しては言うべきことがたくさんある。2008年、オバマ大統領は約30年ぶりにノースカロライナ州で民主党候補者として勝利を収めたが、2012年には敗北を喫した。

 

現在のところ、リアルクリアポリティックスの平均の数字では、ヒラリーは僅差でリードしているという状況だ。しかし、ヒラリーは州内に30カ所の選挙事務所を開設しているが、トランプは今のところ開設しているかどうか不明だ。ヒラリーと支持者たちは1600万ドルを投入して放送枠を確保しているが、トランプが投じているのはわずか100万ドルだ。

 

ヒラリーにとって心強いのは、11の激戦州の中で、ノースカロライナ州の有権者のうちで黒人が占める割合がいちばん高く、2012年背の選挙では23%であったということだ。

 

ペンシルヴァニア州

 

トランプ選対はこれまでペンシルヴァニア州での勝利について語ってきた。しかし、今のところ、その可能性は低い。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーは6ポイント以上の差をつけてリードしている。

 

1988年以降、共和党は、ペンシルヴァニア州をひっくり返して、共和党が勝利できるようにしようと努力してきたが、いつも今一歩のところで涙を呑んでいる。

 

2012年の総得票数において、約20%は非白人からの投票だった。共和党は、トランプが大都市フィラデルフィア郊外に住む穏健な有権者たちからの支持を得ることに苦労するだろうという懸念を持っている。

 

アド・エイジによると、ヒラリーとヒラリー支持の各グループは、9月から11月にかけて1800万ドル以上を投入して放送枠を確保している。一方、トランプはわずか100万ドルを投入しているだけだ。

 

コロラド州

 

コロラド州ではヒラリーが優勢だ。ヒラリーがコロラド州で優勢であるという事実は、人種多様性(白人の割合の低下)を増しつつあるアメリカの将来に対する共和党の一部の恐怖感を象徴している。

 

リアルクリアポリティックスの平均ではヒラリーが11ポイントの差をつけてリードしている。ファイヴサーティーエイトの「世論調査のみ」の予測では、ヒラリー勝利の確率は75%となっている。

 

この2つの数字はヒラリーの強さを説明する要素になっている。これらの数字以外にも、2012年の大統領選挙では有権者の14%がヒスパニックであったこと、49%が大卒者であったことも要素として挙げられる。これら2つの数字はアメリカ全体の平均よりも高く、これら2つのグループに対してトランプのアピールは奏功していない。

 

ウィスコンシン州

 

ウィスコンシン州を獲得することはトランプにとって大きな前進となるだろう。1984年にロナルド・レーガン大統領が地滑り的大勝利で再選を決め、その時に勝ってから、共和党は勝てないままできた。しかし、これまでと比べて、トランプはとてもよくやっている。最新のワシントン・ポスト紙の世論調査では、トランプはヒラリーを2ポイント差まで追い上げている。その他2つの最新の世論調査の結果では、ヒラリーのリードはそれぞれ3ポイントと5ポイントだった。トランプに有利な要素が1つある。それは、2012年の選挙でウィスコンシン州の有権者の86%を白人が占めたということだ。大卒者の割合は激戦州の中で最も低い42%だった。

 

ミシガン州

 

ミシガン州は、トランプの対ラストベルト戦略の限界を示している州だ。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーが7ポイント以上の差をつけてリードしている。ファイヴサーティーエイトの予測では、ヒラリー勝利の確率は約75%だ。それでもトランプにはまだ希望が残されている。最近のワシントン・ポスト紙の世論調査では、ヒラリーのリードは2ポイントに縮まっている。トランプと支持者たちは、選挙CMの放送枠に対して一定の資金を投入している。しかし、PBSによると、ヒラリー選対は23カ所の選挙事務所を設置しているが、トランプが選挙事務所を設置しているかどうかは不明だ。

 

ネヴァダ州

 

2012年の選挙ではネヴァダ州の有権者のうち、19%がヒスパニックだった。ヒスパニックの間でトランプの支持率は低いが、それでもトランプはネヴァダ州で接戦を演じている。リアルクリアポリティックスの平均では、ヒラリーは2.3ポイントという僅差でトランプをリードしている。特筆すべきは、トランプは選挙事務所の数でヒラリーと均衡しているということだ。PBSによると、両陣営共に6カ所の選挙事務所を設置している、ということだ。

 

アイオワ州

 

アイオワ州は、激戦州の中で唯一、リアルクリアポリティックスの平均で、トランプがリードしている州だ。火曜日の午後に出た最新の平均では、トランプが1ポイント弱リードしている。2012年の総得票数のうち、93%が白人からの投票であった。また、歴史的にヒラリーにとっては鬼門とも言える州である。2008年大統領選挙の民主党予備選挙で、アイオワ州の党員集会(予備選挙)でヒラリーは3番手に沈んだ。今年初めの党員集会(予備選挙)では、ヒラリーは、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を僅差で降した。

 

ニューハンプシャー州

 

ヒラリーは、ニューハンプシャーで強さを発揮している。有権者における白人の割合はアイオワ州と変わらないが、ニューハンプシャーではヒラリーが優位だ。ヒラリーはリアルクリアポリティックスの平均では9ポイントリードしている。アイオワ州との違いは、ニューハンプシャー州の社会の雰囲気が違うことが原因だ。ニューハンプシャー州の共和党は、アイオワ州の共和党に比べて、リバータリアンに近い。PBSによると、ヒラリーは17の選挙事務所を設置しているが、トランプは1カ所だ。アド・エイジによると、ヒラリーと支持者たちはボストンまで含めて、700万ドルを投じて放送枠を確保しているが、トランプは放送枠を買い取っていないということだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 少し古い記事になりますが、以下に、民主党のヒラリー・クリントンが共和党支持者の獲得を目指しているという記事を掲載します。

 

 今週になって、トランプがこれまでのやり方を変えた(pivot)したことで、トランプの支持率が少し持ち直すと思われますが、共和党全国大会以降、失言が続いて支持率が下がり、激戦州でも軒並みヒラリーが優位となった上に、2000年以降、常に共和党が勝ってきたレッド・ステイト(共和党が優位な州)の中でも、アリゾナ州とジョージア州でヒラリーがリードするという展開になっていきました。

 

 ヒラリー陣営は、レッド・ステイトへも積極的に浸透を図っているようです。ここまでされてしまうと、選対内部で内紛があり、選挙運動がめちゃくちゃだったトランプ陣営は押されてしまうのは当然です。しかし、ケリアン・コンウェイを登用して、トランプ選対は体制を立て直しつつあります。

 

 ここまでのところ、選挙資金、人員、選挙運動の熱心さではヒラリーが圧倒しています。しかし、彼女が投入しているリソースから考えて、支持率は低いと言わざるを得ません。コストパフォーマンスが悪いのです。ヒラリーを民主党史上最弱の候補者と言う人たちが民主党支持者の中にもいるので、このコストパフォーマンスの悪さは当然なのかもしれません。

 

 トランプは十分に巻き返す余地がありますが、まずは足場を固め、ヒラリーの共和党支持層への浸透を防ぐことが必要になります。そして、討論会が始まる9月には反転攻勢を始めることが出来るかがポイントになると思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

クリントン選対が共和党員に対する勧誘の動きを公に(Clinton Campaign Makes Republican Recruiting Effort Official

 

モリー・オトゥール筆

2016年8月10日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/08/10/clinton-campaign-makes-republican-recruiting-effort-official/?utm_content=buffer06f25&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

ヒラリー・クリントン選対は水曜日(2016年8月10日)、共和党員で共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに反対し、民主党の候補者ヒラリーを支持する人たちが出続けていることを受けて、彼らへの働きかけを公に強め始めた。

 

「トゥゲザー・フォ・アメリカ」というスローガンを使い始めたことは、ヒラリー・クリントン前国務長官の自信を示すものである。この動きは、共和党と無党派に向けて非公然に支持を訴えてきたことを正式に訴え始めたのだ。

 

ヒラリーは、水曜日の午後、アイオワでの集会で演説し、その中で「これは通常の選挙ではない」と語った。そして、共和党からの離脱者や「我が国を第一に考えたいと思う人なら誰でも」歓迎するとした。

 

ヒラリーは「ドナルド・トランプは共和党の価値観を代表していないだけでなく、私たちアメリカ人の価値観を代表していない」と述べた。

 

ヒラリー選対が発表した文書によると、共和党の大物50名がヒラリー支持を表明している。その中には3名の元閣僚、20名の現職・元職の連邦議会議員、元大使、元米軍幹部、共和党が政権を握っていた当時の政府高官、実業界のリーダーたちが含まれている。

 

共和党や無所属の中の大物には、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ、ジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領国家安全処方問題担当補佐官を務めたブレント・スコウクロフトがヒラリーを支持していることは既に知られている。水曜日になって、国家情報局長官だったジョン・ネグロポンテ、元商務長官でケロッグ社の会長兼最高経営責任者カルロス・ガティレス、ヒューレット・パッカード社の会長兼最高経営責任者メグ・ウィットマンといった人々もクリントン支持を表明したことが明らかになった。

 

彼らは、メイン州選出の連邦上院議員スーザン・コリンズとイリノイ州選出の連邦下院議員アダム・キンジンガーのような、最近になってトランプに激しく反発している共和党の指導者たちの隊列に参加している。水曜日、民主党の副大統領候補で現在は無所属となっているジョー・リーバーマン前連邦上院議員がヒラリー支持を表明した。

 

共和党予備選挙中や、トランプが予想外に共和党候補者になった後に起きた様々な「ネヴァー・トランプ」活動は収まらなかった。それは、トランプが自分たちの選択肢になるとは考えられなかったからだ。

 

しかし、トランプの過激な言葉遣いや突飛な政策志向についての懸念が高まっている。反対に、ヒラリーに対する信頼やトランプに対する選択肢はヒラリーしかないという考えが広がっている。そうした中で、 トランプではなくヒラリーを公然と支持する共和党員が増え続けている。

 

ヒラリー陣営は、トランプはアメリカを分裂させ、危険なので、アメリカ大統領にふさわしくないと強調している。月曜日、50名の共和党系の国家安全保障・外交政策の専門家たちが、トランプには投票しないとする公開書簡を発表した。この動きをヒラリー陣営は把握していたが、協働してはいない。

 

「トランプはアメリカの国家安全保障と福利を危機に晒すだろう」と書いている。しかし、彼らはヒラリーに投票すると公然とは言っていない。

 

ヒラリー陣営による「トゥゲザー・フォ・アメリカ」のスタートは、タイミングよく出された強烈なパンチとなった。共和党大統領選挙候補者トランプは、先月の共和党全国大会以降、世論調査の数字を落とし続けている。主要な激戦州の共和党支持の有権者たちの支持を落とし、全国規模の世論調査でもヒラリーにリードを許している。

 

共和党内の最重要人物であるコンドリーザ・ライス、コリン・パウエル両元国務長官は、これまで大統領選挙について何も言及していない。

 

どれだけの共和党員が反対党の候補者に投票するかははっきりしない。また、ヒラリー陣営の試みが、反エスタブリッシュメントで熱心なトランプ支持者たちの考えを変えることが出来るかははっきりしていない。しかし、ヒラリー選対の委員長ジョン・ポデスタは、共和党員の中からヒラリー支持が出ている動きは、無党派や穏健派の有権者たちが「自分たちの代弁者はトランプではなく、ヒラリーだ」と考えていることを示す兆候だと述べている。

 

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クリントンはユタ州の新聞の論説ページでモルモン教徒にアピール(Clinton makes appeal to Mormon voters in Utah paper op-ed

 

リサ・へーゲン筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/290990-clinton-makes-appeal-to-mormon-voters-in-utah-paper-op-ed

 

ヒラリー・クリントンは、教会が所有しているユタ州の新聞の論説ページに自ら文章を投稿し、モルモン教徒の有権者たちにアピールを行っている。

 

『デザート・ニュース』紙の論説ページに掲載した文章の中で、民主党の大統領選挙候補者ヒラリーは、世界における信教の自由のために彼女がこれまでどのような闘いをしてきたかを書いている。

 

ヒラリーは次のように書いている。「私は長年にわたり、信教の自由のために戦い続けてきた。国務長官として、私は世界各地の宗教的少数者たち、エジプトのキリスト教コプト派からチベットの仏教徒まで、彼らを守ることを外交政策の基本とした。」

 

ヒラリーがこのような論稿をユタ州の新聞に掲載したのは、民主党側がユタ州のような伝統的に共和党が強い「レッド・ステイト」での情勢を楽観視していることを示している。各種世論調査の結果によると、ヒラリーとドナルド・トランプが接戦を展開していること、共和党が強い州ではあるが、トランプの人気は低いままであることが明らかになっている。

 

ヒラリーは論説の中で、モルモン教徒でユタ出身の政府関係者たちと仕事をしてきたと強調した。

 

ヒラリーは、論説の中で、「私は、元ユタ州知事で駐中国大使を務めたジョン・ハンツマンと一緒になって、政府からの弾圧を受けている中国のキリスト教徒たちと連帯した」と書いている。

 

ヒラリーはまた、2012年の共和党大統領選挙候補者でモルモン教徒のミット・ロムニーがトランプのイスラム教徒の入国禁止について懸念を持っていることを強調し、ユタ州知事ケーリー・ハーバートが「宗教弾圧とテロリズムから逃れてきたシリア難民たちに対して温かい歓迎」をしたことを称賛した。

 

ヒラリーは、モルモン教会の指導者であり、シスターのローズマリー・M・ウィクソンの言葉「個人として私たちは強い。神と一緒ならば、私たちを止めることなどできない」を引用している。

 

この論説について最初に報道したのは『バズフィード』だった。

 

ヒラリーの論説が発表されたのは、夫ビル・クリントン元大統領が資金集めのためにユタ州のパーク・シティを訪れる1日前であった。ビル・クリントンがユタ州で人々の前に姿を現すかどうかははっきりしない。

 

トランプは、モルモン教徒初の主要政党の大統領選挙候補者となったロムニーを激しく批判してきた。ユタ州の総人口のうち、末日聖徒イエス・キリスト教会の信者が占める割合は60%だ。彼らの圧倒的多数が共和党に投票してきた。ユタ州の共和党予備選挙では、トランプは3位に終わり、得票率は14%に留まった。

 

52年間も民主党が勝ったことがないユタ州でヒラリーが勝利を得るには長い道のりが待っている。しかし、ユタ州の政治関係者たちは、今年の大統領選挙は前例のないものであるので、接戦となるだろうと予測している。

 

新聞の編集兼発行人のポール・エドワーズは、バズフィードの取材に対して、「クリントン、トランプ両陣営に連絡を取って、今年の選挙にあたってユタ州の有権者たちに訴える機会を提供しますと伝えました」と答えた。エドワーズによれば、彼はトランプ陣営に数回連絡を取ったのだが、何も返答がないということだ。

 

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「クリントン・リパブリカン」は2016年の流行語(Clinton Republicans a 2016 trend

 

エイミー・パーネス筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/290923-clinton-republicans-are-2016-trend

 

 

「クリントン・リパブリカンズ(ヒラリーを支持する共和党員)」に会ってみよう。

 

30年前にレーガン・デモクラッツ(レーガンを支持する民主党員)が出現し、ロナルド・レーガンのホワイトハウスへの道をきれいに舗装したように、今回の大統領選挙では、支持する政党とは反対の候補者を応援する人々が出現している。

 

彼らは民主党の候補者ヒラリー・クリントンを助けている。

 

共和党からヒラリー支持を表明する人々が次々と出てきている状況は、ヒラリー陣営を勢いづけ、共和党内部の分裂の深刻さに人々の関心を集めている。

 

スーパーPAC「レディ・フォ・ヒラリー」の創設者アダム・パークホメンコは先週末、ツイッターに次のように投稿した。「“レーガン・デモクラット”という言葉を覚えている?最近になって“クリントン・リパブリカン”について多く聞くようになった」。

 

ヒラリーを支持する共和党員たちには、共和党の大口献金者であり、IT企業の最高幹部であったメグ・ホイットマン、元ミシガン州知事ウィリアム・ミリケン、MGM社の最高経営責任者で共和党の大口献金者であったハリー・スローン、引退を表明している連邦下院議員リチャード・ハンナ(ニューヨーク州選出、共和党)が含まれている。

 

あるヒラリーの側近は、共和党員が次々とヒラリー支持を表明することで、ドミノ効果が起き、更なる幹部クラスの共和党員のヒラリー支持表明を行いやすくし、それに拍車をかけることになると述べている。

 

ヒラリーに近いある人物によると、共和党員でヒラリーを支持する人たち(「避難民たち」)は、ヒラリーに対する好意でそうしていると言うよりも、トランプに対する嫌悪感によってヒラリー支持に回っている、ということだ。

 

この人物は、「私たちは何もする必要がない。ドナルド・トランプが私たちのために働いてくれているのだから」と語っている。

 

ヒラリーはこの状況をうまく利用しようとしている。

 

民主党全国大会において、ヒラリーは共和党のテーマや価値観を強調した。

 

ヒラリーは次のように語っている。「私たちは世界で最強の軍隊を持っている。最も革新的な企業家、自由と平等、正義と機会といった最も永続的な価値観も持っている。私たちはこのような言葉を口にできることを誇りに思うべきだ。こうした言葉を聞いているとき、その人はアメリカについて聞いているのだ」。

 

クリントン陣営は、共和党政権時代に閣僚を務めた大物たちと保守派の論客たちによるトランプの批判の言説を集めたコマーシャルを放送している。これは、共和党支持の有権者の支持を得ようとする試みだ。

 

最近のある演説の中で、ヒラリーは、トランプが大統領に「不適格」で、核兵器のボタンを預けられるほどの信頼は出来ないと述べた。

 

共和党ストラティジストであるロン・ボンジェーンはトランプ支持を表明していないが、熱烈な共和党支持者たちがヒラリーの支持をするようなことはないだろうと語った。しかし、ボンジェーンは、トランプの出現で共和党が狂わされてしまったとも語っている。

 

ボンジェーンは「トランプは大統領になってしっかりと仕事をするということを人々に信じさせることが出来ていない」と語った。

 

しかし、ボンジェーンをはじめとする共和党員たちは、トランプがヒラリー支持を表明する共和党員の出現と流出を止めることが出来るとも考えている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「トランプが方針を正しい方向に向け直し、共和党内部の内輪もめやゴールド・スターを授与された戦死した兵士の家族に対する批判ではなく、ヒラリーに対する批判に集中したら、共和党員の中で、トランプを支持しようという人たちも出てくるだろう」。

 

過去にも、共和党員が民主党の大統領選挙候補者に投票したことがあった。

 

コリン・パウエル元国務長官は2008年の大統領選挙で、共和党の候補者であったジョン・マケイン連邦上院議員(アリゾナ州選出、共和党)ではなく、民主党の候補者バラク・オバマを支持した。

 

また、元マサチューセッツ州知事ウィリアム・ウェルドは、今回の大統領選挙では、リバータリアン党の副大統領候補となっている。

 

ヒラリーは今回の民主党予備選挙で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)からの挑戦を受けたので、ヒラリーは左旋回した。しかし、彼女は中道派であるという評価を受け、連邦議会で共和党所属の議員たちと協力してきた歴史を持つ。

 

外交政策と国家安全保障に関する諸問題について、ヒラリーはタカ派と目されている。彼女はイラク戦争を支持した。ヒラリーは、オバマ政権内で、リビアとシリアに対して軍事行動をとるように訴え続けた。

 

ヒラリーのこのような姿勢は共和党支持の有権者にとって魅力的なものとなる可能性がある。トランプはこれまで、ジョージ・W・ブッシュ前大統領を含む共和党の外交政策に関する指導者たちに対して批判を展開してきたが、それを気に入らない有権者たちもいる。

 

しかしながら、歴史家たちは、どれだけの共和と員が船から逃げ出すか、そして、ヒラリーがどれだけの期間彼らの支持を維持できるのかはっきりしないと述べている。

 

ヒラリーを支持する共和党員の多くは、民主党が好きだからではなく、トランプが嫌いだからヒラリー支持になっているという事実がある。

 

プリストン大学教授で、歴史学と公共問題を専門とするジュリアン・ジージラーは「私たちは大きな転換が起きるのを見ることだろう」と語っている。

 

オハイオ大学の歴史学教授キャサリン・ジェリソンは、共和党員によるヒラリーへの支持は長く続かないだろうと予測している。

 

ジェリソンは次のように語っている。「今回の選挙ではそのような動きを見ることが出来るが、それが繰り返されることはないだろう。それは、共和党員のヒラリー支持は、ドナルド・トランプに反対する動きであるからだ」。

 

ボンジェーンはそもそも「クリントン・リパブリカン」という動きなど見ていないと述べている。

 

ボンジェーンは次のように語っている。「共和党員は、ヒラリーが素晴らしい大統領になるなどとは考えていないと思う。トランプから離れる共和党員たちは、自分が知らない悪魔よりも自分が知っている悪魔を選択するというだけのことだ」。

 

共和党政権で政府高官となった人々が次々とヒラリー支持を表明しているが、そうした人々に更に共和党の最高幹部クラスが続くのかどうかは明確ではない。特に元国務長官のコリン・パウエルやコンドリーザ・ライス、その他トランプ支持を表明していないビッグネームがどうするかははっきりしていない。

 

ジージラーは次のように語っている。「共和党の幹部クラスでヒラリーに投票すると表明する人々が続出しているが、党派性が強まっている現状で、どれほどの共和党員が民主党に投票するかははっきりしない。1980年代に比べて、有権者たちは姿勢を変えたがらない。従って、棄権するのではなくヒラリーに投票する共和党員がどれほど出るかははっきりしない」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





 
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古村治彦です。

 

 昨日もご紹介しましたが、各メディアや大学が行う世論調査では、ヒラリーがリードしており、ヒラリーが優勢となっている州を足すと、当選に必要な選挙人の数270名を超えてしまうという報道もなされています。

 

 今回もまた、現在伯仲となっている激戦州をトランプが全部獲得しても、ヒラリーには及ばないという選挙予測の結果が出ました。

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 選挙予測とは世論調査の結果を当てはめながら行うものです。この世論調査の数字ですが、統計学的には有意(意味がある)ものなのですが、だいたい同じ期間に同じような場所で世論調査を実施手も数字にばらつきが出ます。

 

 これまで見ていると、ラスムッセンという会社やロサンゼルス・タイムズ紙と南カリフォルニア大学の共同調査の場合には、トランプにとって良い数字が出ます。

 

 この世論調査の数字を全く無視して、バカにしてしまっては選挙戦の動向を掴むことが出来ません。しかし、あまり過信し過ぎることもまた、選挙戦の動向を見失うことになってしまいます。

 

 マスコミや大学が公表することを目的にして行う者とは別に政党や候補者が独自に行う世論調査がありますが、これは公表されることはありません。この数字がどのようなものなのか気になりますが、なにせ遠い日本にいて徒手空拳でやっているものですから、これらの数字を参考にするしかありません。


 下の記事にあるように、7月の民主、共和両党の全国大会終了後、トランプは度重なる失言で、支持率を大きく落とし、ぼろ負けという選挙予測がなされていました。ヒラリー・クリントンは民主党史上最弱の候補者なのに、それに負けてしまうとなると、史上最低の敗者ということになってしまいます。

 そこで、トランプ陣営は責任者を交代させましたが、これが奏功しています。スティーヴ・バノン、ケリアン・コンウェイのコンビがこれからトランプ陣営を建て直していくでしょう。そして、その裏に、ロバート・マーサーとリベカ・マーサ―親子がいるという構図です。

 これまでは素人が無手勝流でやってきて、予備選挙まではうまくいきましたが、それ以降、トランプをうまくコントロールすることが出来ずに、素人が行き当りばったりで選挙活動をしてきたという印象がトランプ陣営にはありました。そこに、テッド・クルーズを応援していた、エスタブリッシュメントのマーサー親子(コーク兄弟と同じくリバータリアンです)が、民主党のヒラリーを倒すために、陣営建て直しのために介入し、マーサー親子の息のかかったマスコミの寵児と選挙のヴェテランを責任者に据えたということになります。

 これから、トランプはシナリオ通りの役を演じる俳優に徹して、勝利を目指すことになるでしょう。彼がそれにどこまで耐えられるか分かりませんが、そうしなければ勝てないとなったら、腹をくくって、何でもやってやるという思い切りの良さと覚悟の潔さはトランプの真骨頂でしょう。勝利のために、自分と敵対し、自分も悪しざまに罵ってきたエスタブリッシュメントの人々の言うことを聞くという大きな決断をしたのですから。しかし、選挙や政治というのはつくづく他の社会活動は違うものなのだなと再認識させられます。

 

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クック・ポリティカル・レポート:トランプが激戦州(伯仲州)を全て獲得しても、それでもヒラリーに敗れる(Cook: Trump could sweep toss-up states and still lose to Clinton

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年8月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291762-cook-trump-could-sweep-toss-up-states-and-still-lose-to

 

クック・ポリティカル・レポートが月曜日に発表した、今回の大統領選挙の選挙人獲得予想によると、ドナルド・トランプは、11月に激戦州(伯仲州)で全て勝利を収めても、ヒラリー・クリントンに敗れるという結果が出た。

 

レポートでは、「大統領選挙の現在の情勢からすると、トランプが現在、激戦州(伯仲州)となっている州を全て獲得したとしても、当選に必要な270名の選挙人に2名足りない」と書かれている。

 

レポートでは続けて次のように書かれている。「8月中旬の時点で、ヒラリー・クリントンは21の州とワシントン・コロンビア特別区、更にメイン州の4名の選挙人の3名を、確実州、優位州、優勢州として押さえている。これらの合計が272名となり、当選のために必要な270名を2名超えている」。

一方、レポートではトランプについて次のように書いている。「ドナルド・トランプは22の州とネブラスカ州の5名のうちの4名を、確実州、優位州、優勢州として押さえている。これらの合計は190名となり、270名から80名足りない」。


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クック・ポリティカル・レポートでは、フロリダ州、アイオワ州、ネブラスカ州、メイン州の連邦下院議員選挙第2区、ネヴァダ州、ノースカロライナ州、そしてオハイオ州を激戦州(伯仲州)としている。これらの各州の合計は76名となる。

 

クック・ポリティカル・レポートは、いくつかの重要な州で、共和党大統領選挙候補者トランプが、民主党大統領選挙候補者ヒラリーに差をつけられているとし、トランプは世論調査でうまくいかずに劣勢になっていると報告している。

 

レポートでは次のように書かれている。「多くの専門家たちが、過去60年間の大統領選挙ので、各党の全国大会が終わってから2週間経った時点で、世論調査でリードしている候補者が最終的に勝利を収めていると指摘している」。

 

レポートでは次のように結論付けられている。「11月8日の投開票日まで84日残っている段階で、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを破って当選する可能性が極めて高いと私たちは考えている。その差についてはいまだに確定的なことは言えない」。

 

クック・ポリティカル・レポートは、アメリカ連邦議会、州知事、大統領選挙の分析を専門とする超党派のニューズレターである。


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トランプは負ける準備をしている?(Is Trump getting ready to lose?

 

ティモシー・スタンレー筆

2016年8月15日

CNN

http://edition.cnn.com/2016/08/15/opinions/is-trump-getting-ready-to-lose-stanley/index.html?iid=ob_article_organicsidebar_expansion

 

CNN発。ドナルド・トランプは負ける準備をしている最中だ。私は、彼が絶対に負けるとか、彼が密かに「もう終わった」と考えていると言いたい訳ではない。彼の言葉遣いは、彼の心理状態の変化を明確に反映してはいないと考えている。

 

つい最近まで、彼は「私は勝つ」と言っていた。それが、突然、彼は自分が勝利できないだろうと言い出し、その理由を挙げるようになっている。

 

理由その1:民主党側が不正をする。オハイオ州での遊説で、トランプは選挙自体が「捻じ曲げられている」と語った。ペンシルヴァニア州では、自分が負けるとすれば、民主党支持者たちが「1人で5回投票する」場合だけだと述べた。

 

トランプは、最初は本気で言ったのに、後にそれを皮肉だったと言い訳することで良く知られている。だから、彼がどれほど真剣に発言しているか、気を付けて見る必要がある。彼は、「私の考えでは、ペンシルヴァニアで私たちが負けるとするならば、それは不正が続けられた場合だけだ」と語っている。そこには皮肉や諧謔の兆候はない。

 

理由その2:マスコミがトランプを公正に扱っていない。トランプは、特にニューヨーク・タイムズ紙のトランプ選対全体が絶望感に包まれ、トランプは候補者として力不足だという記事について怒り狂っているようだ。

 

トランプはツイッター上で次のように不満を漏らしている。「ねじ曲がったヒラリー・クリントンはマスコミによって守られている。もし汚れきって腐敗し尽くしたマスコミが自分の姿を正直に報道し、言葉も正確に解釈して伝えていたら、今頃ヒラリーに20ポイントの差をつけて勝っていただろう」。

 

この時点で、私は筆を止めて笑ってしまうのだ。真面目にこんなことを言っているのだろうか?

 

反対のことこそが真実だ。マスコミがトランプについて報道することを止めていたら、トランプは20ポイントの差をつけて勝っていただろう。どうしてか?それは、ヒラリー・クリントンが1856年以降、最弱の大統領選挙候補者であるからだ。共和党の大統領選挙候補者がベンガジ事件の中心人物に勝てない唯一の理由は、候補者がドナルド・トランプであることだ。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは長年にわたり、スポットライトを浴びてきた。不動産開発からテレビ番組の企画出演まで、彼はトランプ帝国を築き上げてきた。

 

トランプの問題意識、彼が口にする問題は、多くの有権者が憂慮しているものであろう。従って、反エスタブリッシュメントであるトランプを候補者として選ぶというのは保守派にとってはそれだけの理由があったものと思われる。しかし、トランプは自爆している。彼は、人々の目から見て、本気なのか、「皮肉を言っている」のか分からない。

 

トランプが当選した場合に、彼のアホさからアメリカを守ってくれるであろう部下を選ぶ能力にも疑問符がつく。トランプ選対の責任者ポール・マナフォートは、ロシアとの「トラブルを引き起こす関係」(民主党)のために批判を受けている。これは、ニューヨーク・タイムズ紙が、マナフォートがウクライナの金権政治家たちからお金をもらっていたと示唆する記事を掲載した後から起きた。

 

マスコミは、ヒラリー・クリントンの難点よりもドナルド・トランプの難点をより多く報道しているように見えるだろう。しかし、トランプには規律が欠け、判断力も悪いために、それが報道するネタとなってしまうのだ。数千人が集まる集会で主人公にカメラを向け、発言を録音するのは、「腐りきった主流」マスコミの偏りのためではない。それがジャーナリズムなのだ。

 

しかし、トランプは「集会はいつ大入り満員、大盛り上がりだ(訳注。YUGEと書かれている。これはトランプがhuge[巨大な]yugeと発音している)」と述べている。実際にそうなのだ。いつもそうなのだ。

 

しかし、思い出してもらいたい。1984年の投開票日の数日前に、民主党大統領選挙候補者であったウォルター・モンデールはニューヨークに10万人を集めた。モンデールは、世論調査の結果について言及し、彼のファンたちはブーイングをした。集会に集まった人の数で見れば、モンデールが勝者のはずだった!しかし、それから数日後、モンデールは、ニューヨーク州でロナルド・レーガンに54%対46%で負け、全国では59%対41%で敗北した。トランプ陣営はマスコミの偏りに照準を定めている。

 

群衆は鏡のようなものだ。候補者たちは群衆の中に投影される自分の姿を見る。候補者たちは群衆たちの希望を映し、群衆の中に映される自分のイメージに対して恋に落ちる。彼のファンであるマイク・ハッカビーとのインタヴューの中で、トランプはテレビカメラが彼の顔ばかりを映して、集会の大きさを映そうとしないと不満を述べた。彼は見られ方に異常な「関心」を持っている。

 

トランプは支持者たちと本物の関係を築いているということは恐らく真実だろう。しかし、彼らは、トランプの選挙運動が家でニュースを見ている普通の有権者たちにアピールしていると考えることで、現実から目を背け、騙し合いをしている。彼らは、世論調査でトランプの数字が低いことを納得できる唯一の説明である「民主党とマスコミが選挙を盗むために協力し合っているのだ」を言い合うことで、お互いに現実から目を背けている。

 

敗北を知りながら、それに目を伏せるだけが方法ではない。候補者は禅のような方法で敗北を受け止めることができる。モンデールは実際には、民主党全国大会開催時までに既に自分が選挙に敗れるだろうことは知っていた。そして、彼は実際の勝利ではなく、女性を副大統領候補に選ぶことで、道徳的な勝利を目指すことにした。ジョージ・HW・ブッシュは、1988年の共和党大会の時点では、マイケル・デュカキスに大きくリードされていた。そこで、ブッシュは、自分の身を彼の選対幹部たちに預けることに合意し、民主党側の弱点を執拗に攻める攻撃的な選挙戦を展開した。ブッシュは容易に勝利を収めることが出来た。規律を導入することで物事は良い方向に進むのだ。

 

トランプの選対幹部は、ニューヨーク・タイムズ紙は「ゴミだ」と語った。

 

対照的に、ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプが「陰鬱で、冷静さを保てない」状態になり、妥協を拒んでおり、「自分の本能ママにやることがよほど良いとぶつぶつ言っている」最中だと報じた。この記事の内容は、トランプの頑固さについての他の記事内容とも合致しているし、公の場での彼の怒りっぽい振舞いとも一致する。

 

こうしたことは全て、人々の最大の懸念に集約される。それは「トランプが大統領にふさわしい気質を持っていない」ということだ。トランプはプレッシャーがかかる状況で冷静さを欠き、予備選挙と本選挙では選挙運動のやり方が異なることを再認識する知性にかけているのだ。

 

「共同謀議があり、それが自分を邪魔する真犯人だ」と心底信じることで、候補者たちは修正することが出来なくなってしまう。どうしてそんなことが起きるのか?それは彼らが無意識で敗北を受け入れ、進んで炎の中に飛び込もうとしているからだ。 しかし、無意識のうちに敗北に向かうことで、トランプは11月8日の投開票日の後にアメリカにわなを仕掛けることになってしまう。トランプの支持者たちに選挙結果の正当性に疑問を持たせてしまうことになってしまう。

 

もしトランプが選挙に敗れたら、彼の支持者たちが民主的なプロセスに対する信頼を失う危険がある。そうなれば、アメリカ国内に辛辣さと無力感、分裂が広がるだろう。そして、そうなれば大規模な暴力が起きる可能性も高まる。

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙ですが、現在、全国世論調査では、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプを平均で5ポイントから6ポイントリードしている状態です。この数字はそんなに大きな差ではないように感じられますが、この数字以上に、トランプは苦戦を強いられています。

 

 アメリカの大統領選挙では各州+ワシントンDCに割り当てられた合計538名の選挙人を取り合う選挙になります。270名を取れば当選ということになります。この選挙人の取り方ですが、各州で投票が多かった候補者がその州の選挙人を総取りするという方式がほとんどです(そうではない州も2州あります)。選挙人は各州の人口を基にして割り当てられています。一番多い州はカリフォルニア州で55名、少ない州は3名というところが複数あります。簡単に言ってしまうと、選挙人が多い州だけを取れれば後の州は取れなくても勝ってしまうということになります。

 

 ここ最近のアメリカ大統領選挙では、レッド・ステイト(赤い州、共和党が強い州)、ブルー・ステイト(青い州、民主党が強い州)がはっきり出てきています。人口が多いアメリカ東部、西部の沿岸部の各州はブルー・ステイト、南部と内陸部の各州はレッド・ステイトとなっています。

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 現在の世論調査の状況では、ヒラリーが地滑り的な勝利を収める可能性が大きいです。いわゆるレッド・ステイトに分類されるアリゾナ州やジョージア州も現在ではヒラリーがリードしている世論調査の結果が出ていますので、これらの州でヒラリーが勝利を収めると、538名の選挙人のうち、400名に近い選挙人をヒラリーが獲得するという可能性も出てきます。

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 トランプ陣営としては、まずはレッド・ステイトを固めつつ、支持率で接戦を演じている激戦州のほぼ全てを獲得するという戦い方をしなくてはなりません。しかし、共和党内部で分裂が起きていますから、各州の共和党組織がトランプのためにどれだけ熱心に動くかは疑問です。一方、ヒラリーは、レッド・ステイトのうちで、トランプが弱いアリゾナ州やジョージア州、ユタ州で支持の拡大とトランプ忌避の雰囲気作りをしながら、ブルー・ステイトを固めていく、それで270名近くは確保していますから、こちらも激戦州の獲得に全力を挙げるということになりますが、資金力の面や党組織の面からもヒラリーが優勢だと考えられます。今のところ、「8対2」でヒラリーが優勢であると言えます。

 

 ただ、ヒラリーにはEメール問題と健康問題がどうしても付きまといます。これらがさく裂した場合には、ヒラリーはすぐに苦戦を強いられることになるでしょう。ところが、相手がトランプであるという点で救われているとも言えます。他の候補者であれば、ヒラリーは現在の時点で既に苦戦を強いられていた可能性があります。

 

 選挙投開票日まで残り80日ほどとなりました。選挙からますます目が離せなくなっています。

 

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これら3つの州の存在がトランプの勝利を不可能にしようとしている(These three states are making a Trump win basically impossible

 

アーロン・ブレイク筆

2016年8月12日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/12/these-three-states-are-making-a-trump-win-basically-impossible/?tid=sm_Fb

 

ドナルド・トランプの世論調査の悪夢が続いている。今週もまた数字がどんどん悪くなっていった。

 

金曜日(2016年8月12日)にNBCとマリスト大学による4つの州での共同世論調査の結果が新たに発表された。民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、共和党の候補者トランプに対して、フロリダ州では5ポイント、ノースカロライナでは9ポイント、コロラド州では14ポイント、ヴァージニア州では13ポイントのリードを保っている。これら4つの州は、最近の大統領選挙で激戦州であった。

 

実際のところ、コロラド州とヴァージニア州での数字を見る限り、現在のところ、トランプが当選することはかなり困難であると言わざるを得ない。なぜなら、コロラド州とヴァージニア州、更に二桁のポイントをつけられて負けているペンシルヴァニア州を落としてしまえば、選挙に当選することは不可能となるからだ。

 

全国世論調査の数字は上がったり下がったりが激しい。今週行われたいくつかの全国世論調査の数字では、トランプはヒラリーに対して逆転可能な数字でリードされているだけのことだ。しかし、全国世論調査の数字は問題ではないのだ。大事なのは選挙人なのだ。コロラド州、ヴァージニア州、ペンシルヴァニア州の世論調査の数字では、トランプの勝利はほぼ不可能なのだ。

 

ウェブサイト『リアル・クリア・ポリティックス』によると、ペンシルヴァニア州で行われた最新の4回の世論調査では、トランプは10から11ポイントの差をつけられて負けている。コロラド州での最新の3回の世論調査では、10から14ポントの差をつけられている。ヴァージニア州では、最新の2回の世論調査では二桁の差をつけられており、その前の2回の世論調査ではそれぞれ7ポイント、9ポイントをつけられていた。

 

ヒラリー選対とヒラリーを支持するスーパーPACは、コロラド州とヴァージニア州で大胆な宣伝を行っている。

 

しかし大事なことは、これら3つだけが重要な激戦州ではないということだ。トランプは勝利を得るためには、これら3つの州全てを勝たねばならない。最悪でも、2つを落としてしまってはダメなのだ。

 

民主党側は選挙人の数で既に優位に立っている。本紙のクリス・シリーザが書いているように、ヒラリーは勝利に必要な270名のうち、既に242名を固めている。これまでの6回の大統領選挙それぞれで民主党が勝利を収めた州のうち、19州を押さえたらと仮定すると、242という数字になる。この州の中にはペンシルヴァニア州も含まれている。 ヒラリーがこれら19州すべてで勝利し、更にフロリダ州で勝利を収めたら、当選、トランプは落選ということになる。

 

このシナリオでは、いつも激戦となるコロラド州とヴァージニア州、更にはニューメキシコ州を落としてもヒラリーの当選ということになる。ニューメキシコ州は今回の選挙では民主党がリードを保っているが、ここ20年ほどの間の大統領選挙では共和党が勝利を収めた。これら3つを全部落としてもヒラリーは勝ってしまうのだ。

 

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現在、トランプはフロリダ州では接戦に持ち込んでいる。最新の世論調査では引き分けとなっている。しかし、たとえフロリダ州で勝利を収めても、数字を落としているコロラド州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州で勝利を収めることはできない。これら3つの州とニューメキシコ州を落としたら、ヒラリーが獲得する選挙人は269名となり、勝利のためにはあと1名の獲得ということになる。

 

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そうなると、ヒラリーが勝利を収めるためには次の各州のうちの1つの州を獲得しなければならない。ネヴァダ州(選挙人6名)、アイオワ州(6名)、オハイオ州(18名)、ニューハンプシャー州(4名)、ノースカロライナ州(15名)だ。更に忘れてはならないのは、最新のNBCとマリスト大学の共同世論調査では、ノースカロライナ州ではヒラリーが9ポイントもリードしており、また、今週発表された別の世論調査によると、ニューハンプシャー州ではヒラリーが17(!)ポイントもリードしている。

 

ニューハンプシャー州をヒラリーが獲得し、更には、最新の世論調査で二桁の差をつけてリードしている激戦州全てでヒラリーが勝利をすると仮定すると、獲得する選挙人は273名となる。

 

繰り返しになるが、トランプが現在一桁のリードで負けている各州を全部獲得したとしても、彼は当選できないということは付け加えておく。

 
 20160812washingtonpostelectionmap003

 

選挙戦が進んでいく中で、フロリダ州での世論調査の数字は重要になっていく。そのように取り扱われるだろう。フロリダ州はトランプが勝利するためには絶対に落とせない州だ。

 

しかし、トランプがコロラド州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州で二桁の差やそれに近い大差をつけられたままであれば、フロリダ州を獲得しても意味はなくなってしまうのだ。

 

(終わり)





 
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 古村治彦です。

 

 今回は、アメリカ大統領選挙の本選挙について書きたいと思います。

 

 共和党はドナルド・トランプ、民主党はヒラリー・クリントンがそれぞれの党の大統領選挙の本選挙の候補者に内定しています。7月にそれぞれの塔が開く党大会で、正式に党の候補者に指名されます。この時までに、副大統領候補を決めることになります。

 

 アメリカ大統領選挙は、各州の人口に合わせて割り当てられた選挙人(Electorates)の取り合いとなります。1つの州で一番の得票を得た候補者がその選挙人を総取りします。これをウィナー・テイク・オールと言います。ネブラスカ州とメイン州だけは総取り方式ではありませんが、州に属さない首都ワシントンDCを含む他の州では総取りとなります。

 

 現在のアメリカでは、共和党が強い州は党のイメージカラーから「レッド・ステイト」、民主党が強い州は「ブルー・ステイト」と呼ばれています。大体これらの州が40ほどあって、固定化されています。レッド・ステイトはアメリカ中西部、農業が盛んな地方の州、ブルー・ステイトは、東海岸と西海岸の工業が発達した大都会を抱える州と言うことができます。人口で言えば、やはり大都市を抱える州が多くなり、選挙人の配分は多くなります。

 

 選挙人は全米で539名となりますので、過半数は270名となります。選挙人270名以上を獲得した候補者がアメリカの大統領となります。この選挙の動向を決めるが激戦州(Swing States)です。激戦州としては次の各州が挙げられます。

 

激戦州(Swing States

・フロリダ州:29名

・ジョージア州:16名

・ノースカロライナ州:15名

・ヴァージニア州:13名

・ペンシルヴァニア州:20名

・オハイオ州:18名

・ミシガン州:16名

・ウィスコンシン州:10名

・合計:139名


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 アメリカの政治情報サイト「リアルクリアポリティックス(Real Clear Politics)」では、現在の情勢を見やすい画像にして公開しています。この画像では、現在のところ、ヒラリーが優勢のようですが、灰色の激戦州の状況によってはこの数字が十分ひっくり返り、トランプが過半数の270名の選挙人を獲得する可能性があります。


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 激戦州の現在の動向を知りたくなるわけですが、昨日、マンモス・ユニヴァーシティの世論調査の結果が発表されました。この世論調査は、2016年6月15日から19日にかけて行われたものです。下記のアドレスに調査結果の詳細が書かれています。

 

http://www.monmouth.edu/assets/0/32212254770/32212254991/32212254992/32212254994/32212254995/30064771087/568faad2-81ab-4bd0-b373-8577326e76bd.pdf

 

 この世論調査では、前回2012年のアメリカ大統領選挙の結果で、民主党のオバマ、共和党のロムニーの差が7%以内だった州をマンモス・ユニヴァーシティは「激戦州(swing state)」と定義して世論調査結果を発表しています。激戦州として、コロラド州、フロリダ州、ルイジアナ州、ネヴァダ州、ニューハンプシャー州、ノースカロライナ州、オハイオ州、ペンシルヴァニア州、ヴァージニア州、ウィスコンシン州の10州が挙げられています。私がこの論稿で書いた激戦州とも符合します。2012年の選挙結果では、ロムニーがノースカロライナ州で勝利を収めましたが、それ以外の9州ではオバマが勝利を収めました。

 

 世論調査の結果では、激戦州では、「ヒラリー:47%対トランプ:39%」と言う結果が出ました。この数字は激戦州をすべて合わせた結果ですので、細かい数字でありませんが、大変参考になります。

 

 この世論調査では、「全てのイスラム教徒のアメリカ入国禁止を支持しますか」という質問には「支持:21%、不支持:70%」という結果が出ました。2015年12月の調査では「支持:26%、不支持:65%」という結果が出ていますから、不支持が伸びています。激戦州では「支持:14%、不支持:80%」となっています。

 

「西洋諸国に対するテロ攻撃を行った歴史を持つ国からの移民を禁止することを支持しますか」という質問には、「支持:34%、不支持:57%」となり、激戦州では、「支持:29%、不支持:63%」となりました。「オーランドの銃撃事件で使われたような攻撃力の高い武器の販売禁止を支持しますか」という質問の答えは「支持:52%、不支持:43%」となっています。激戦州では、「支持:55%、不支持:41%」となっています。

 

 本日、キュニピアック・ユニヴァーシティが激戦州のフロリダ州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州に限定した世論調査の結果を発表しました。皆考えることは同じで、民主党や共和党がもともと強い州に関してはよほどのことがない限り結果は変わりませんので、関心が低く、激戦州の動向が知りたいわけです。

 

https://www.qu.edu/images/polling/ps/ps06212016_Sfw34kbm.pdf

 

 この3州は激戦州の中でも選挙人の配分が多い州ですから、特に気になります。結果としてはフロリダ州では「ヒラリー:47%、対トランプ:39%」、オハイオ州では「ヒラリー:40%、対トランプ:40%」、ペンシルヴァニア州では「ヒラリー:42%、対トランプ:41%」ということで、大接戦であるということが分かります。


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 激戦州は北米大陸五大湖沿岸の工業地帯で、「ラスト・ベルト(Rust Belt)」と呼ばれる地域にあります。Rustは油汚れやさびを意味します。トランプが共和党予備選挙で勝利を収めたのは、南部の保守的な州と共に、このラスト・ベルトに住む大学教育を受けていない労働者階級の白人男性たちの支持を獲得したことが理由に挙げられます。ですから、激戦州=ラスト・ベルトでトランプが勝利を収めることは十分に可能となります。

 

 11月の本選挙まで約5か月もある段階での本選挙の予測をすることは不可能ですが、ヒラリーがかなりリードしていたはずの選挙で、トランプが肉薄し、接戦になっているということが分かります。

 

(終わり)







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