古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:猪瀬直樹

 古村治彦です。

 

 舛添要一東京都知事が、2015年6月15日に、東京都議会に対して、「2016年6月21日付で辞任したい」と申し出ました。ここ数カ月の舛添氏の政治資金の使い道に対する批判から、与党的立場である自民党と公明党を含む都議会の各会派は都知事に対する不信任案提出を決めていました。不信任案が可決されると、都知事は辞職するか、都議会を解散するかを選択し、決定しなくてはなりません。

 

 舛添氏に対するマスコミの報道と都議会における都議会議員の攻撃に対しては、「やり過ぎだ」「虐めだ」「法律に違反していないのにここまで攻撃するのは前近代的で、部族社会的だ(ここには一種の非西洋的な社会に対する蔑視が含まれていますが)」といった批判が行われています。

 

 今回の舛添氏の辞任騒動について、『ニューヨーク・タイムズ』紙が報道しました。それは以下のような記事です。

 

Tokyo Governor, Yoichi Masuzoe, Resigns Over Spending Scandal

By JONATHAN SOBLE

JUNE 15, 2016

http://www.nytimes.com/2016/06/16/world/asia/tokyo-governor-yoichi-masuzoe-resigns.html?ref=asia&_r=0

 

 記事のタイトルは「舛添要一東京都知事が政治資金支出スキャンダルで辞任」というものです。内容な今回の騒動の内容を客観的に報道しているものです。

 

 その内容を簡単に箇条書きでまとめます。

 

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・東京都知事舛添要一氏が水曜日(2016年6月15日)に辞意表明。政治活動のための資金を個人的な旅行や楽しみのために使ったことを認めた。これで人々の興奮と怒り(furor)を掻き立てた。

 

・ここ2年半で2人目の金銭を巡るスキャンダルで辞任する都知事となった。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催地東京にとっては痛手。

・ここ数カ月、舛添都知事の支出に関しては人々の怒りが醸成されてきた。都知事は今年のリオデジャネイロのオリンピックに出席できるまで都知事を続けさせてほしいと都議会に頼んだ。東京は次回の開催地として注目させるためだ。

 

・「私の懸念はオリンピックなのです」と語った。

 

・支持率の急落と政治的な同盟者の変心と離脱(defection)が辞任の最終的な決め手となった。

 

・舛添氏が自身と家族のために支出した金額は、現代の政治とカネを巡るスキャンダルの基準に照らし合わせてみると、巨額と言うには程遠い。レストランでの食事に数百ドル、ホテル滞在に数千ドルを支出した。

 

・舛添氏が雇った弁護士たちが支出を調査し、そこで、ここ数年の支出のうち、440万円(約4万1000ドル)が「不適切だが、違法ではない(inappropriate, but not illegal)」支出であることが分かった。舛添氏は謝罪し、支出に関して「いくつかの公私混同(some mixing of public and personal)」があったが、意図的にルールを破ったのではないと述べた。

 

・支出が少額であったことが彼の助けにならなかった。

 

・人々の怒りは深まった。今回のエピソードを象徴する言葉が「せこい」だ。せこいは「安い、小さい」を意味する。舛添氏が、少額の税金を納めている納税者と政治資金を寄付した人々のお金を温泉旅行に使ったことで、より人々の神経を逆なでしたと言えるだろう。それは、彼がそれらのお金を全てだまし取ったよりも怒りを掻き立てたと思われる。

 

 右寄りの政党である自由民主党所属の都議会議員である神林茂氏は、弁護士たちによる報告書が出た後、「私は怒っています。せこい、あまりにせこい」と述べた。自民党は舛添氏が政治家のキャリアの大部分を過ごした正当であり、都知事選挙で彼を応援した政党である。「せこい」という言葉は、今回のスキャンダルに言及する際に新聞やSNSで頻繁に使われた。

 

 弁護士たちが不適切な支出だと認めたものの中には、わずか数ドルの漫画本、上海の土産屋で買った絹の書道家用のローブが含まれていた。舛添氏は、政治活動にのみ支出されることを認められた彼の選挙組織にこれらの代金を付けていた。しかし、この法律の政治活動の定義は曖昧で、政治家たちは日常的に政治資金を自身の私的な支出に当てていると専門家たちは述べている。

 

 舛添氏の公務での出張のコストも批判の対象となった。彼はロンドン、ニューヨーク、パリに大規模な職員グループを連れて出張した。飛行機はファーストクラス、滞在先のホテルは高級だった。彼は都庁のリムジンを使って昨年4月までに東京南西にある温泉に48回行ったことが報道された。

 

・ある時、「世界の主要都市のリーダーが二流のビジネスホテルに滞在できますか?」と述べた。オリンピック開催を控え、東京のブランドを高める必要があると彼は述べた。批判が高まるにつれ、舛添氏は悔悟の念を表明するようになったが、ダメージは大きかった。

 

・舛添氏は政治学者、テレビのコメンテイたーの後、政治の世界に入り、2000年代には厚生労働大臣を務めた。2014年には、政治資金スキャンダルで辞任した猪瀬直樹氏の後任の都知事に当選した。

 

 猪瀬氏は2013年12月に、選挙期間中に病院経営者から50万ドル以上のお金を借りたことを認めた。猪瀬氏は、このお金は政治に使う意図のないものであったと否定したが、批判者たちは、これは秘密の政治資金の寄付だと主張した。

 

・自由民主党を含む7会派は水曜日(6月15日)に舛添氏に対する不信任案を提出する準備をしていた。これが彼の辞任の後押しとなった。最近の各新聞の世論調査では、約75%の人々が舛添氏の辞任を望むという結果が出ていた。

 

・舛添氏の後任を決める選挙は7月31日か8月7日に行われると予想される。7月10日には参議院議員選挙もあり、政治的に忙しい日程となる。

 

・猪瀬氏と同じく、舛添氏はオリピックを支持しているが、膨れ上がるコストに歯止めをかけようとした。彼は、デザインのために予算を大幅に上回る建設費を必要とするメイン会場の予算支出の肩代わりを拒絶した。デザインはより安く済むものに変更された。

 

・彼は繰り返し納税者のお金を無駄に使わないと述べたが、これが彼に跳ね返ってくることになった。

 

=====

 

 このNYTの記事では、今回の騒動の経過と内容が良くまとまって紹介されています。NYT東京支局のジョナサン・ソーブル記者が執筆した記事ですが、彼の眼には、「せこい」という言葉が印象的だったようです。「せこい」という言葉は、私たち日本人は日常で使う言葉で、あまりいい意味では使いません。「けち」よりももっとお金に執着し、使い方がせせこましいという感じで使いますが、ソーブル記者は、「安い、小さい」という意味だと紹介しています。ちょっと翻訳しにくい言葉です。

 

 この記事の柱は、2本あって、1本目は、「せこい(=安い、小さい)」で表現されるものです。舛添氏の騒動では、約440万円が「不適切だが、違法ではない」支出という調査結果が出ました。この額が政治とおかけのスキャンダルではかなりの少額であるということ、その支出が数百円の漫画本やお土産のローブであったことを書いています。

 

そして、この金額の小ささがと支出内容の小ささが、少ない所得から必死になって税金を支払っている納税者をかえって怒らせたとあります。

 

 ここで読み取れるのは、前任者だった猪瀬直樹氏、その前の都知事であった石原慎太郎氏との対比です。「額の小ささ」「日常感あふれる使い道」に人々は怒りを募らせながら、石原慎太郎氏の尖閣諸島の途による購入で集めた寄付金や新銀行東京につぎ込んだお金などには怒りの矛先は向かわなかったということです。石原氏は「せこく」なかったがゆえに無駄遣いを許されたということができます。「人は小さな嘘は見破るが、大きな嘘は信じてしまう」ということの具体例です。

 

 記事では、政治資金規正法における政治活動の定義が曖昧なために、政治家たちは日常的に私的な支出も政治資金につけ回している、という専門家の主張を紹介しながら、政治資金規正法の不備を紹介しています。政治家にとっては便利な法律かもしれませんが、政治資金収支報告書を精査されてしまえば、何かしら不備やら私的な支出が見つかるようになっている現在の法律は、いつでも、政治家のスキャンダルを作り上げることが出来るようにしているとも言えます。

 

 この記事ではっきりと書かれているのは、舛添氏が東京オリンピックの膨れ上がるコストを肩代わりすることを拒否したという点です。2016年3月末に、森喜朗、遠藤俊明・オリンピック担当大臣、舛添都知事の間で、東京都が国立競技場建設費のうち500億円を支出することに合意したというニュースはありました。しかし、基本的に「納税者のお金は無駄に使わない」というのが舛添氏の姿勢ならば、これからどこまで膨れ上がるか分からないオリピックの経費の大いなる無駄遣いにとっては邪魔な存在であって、その存在を政治資金スキャンダルで葬ってしまおうという動きがあってもおかしくはありません。

 

(終わり)






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 古村治彦です。



 2013年12月19日、猪瀬直樹東京都知事が辞職を表明しました。これを受けて、今後行われる都知事選挙の候補者の名前が多く報道されています。「橋本聖子参議院議員(自民党)、小池百合子代議士(自民党)菅直人代議士・元首相(民主党)、蓮舫参議院議員(民主党)舛添要一元厚労相(民主党からの擁立の可能性)下村博文代議士・文部科学相(自民党)、丸川珠代参院議員(自民党)、片山さつき参院議員(自民党)、東国原英夫

代議士(日本維新の会を離党・辞職予定)、川淵三郎(首都大学東京理事長・日本サッカー協会最高顧問)」の名前が挙げられています。



 これから選挙が近づいていくにつれて、どんどん候補者が絞られていくでしょう。今まで挙げられた人々の多くが現職の国会議員や大臣であることを考えると、それらの職を擲って、都知事選挙に挑むとは考えにくいです。もし選挙に敗れたら無色になってしまうのですから。そこで、注目されるのは、川淵三郎氏です。川淵氏はサッカーのプロリーグであるJリーグの創設に関わり、チェアマンとなりました。チーム名に企業名をつけることを認めない姿勢を貫き、読売の渡邉恒雄氏(読売ヴェルディを認めるように主張しました)と対立しました。2002年から2008年まで日本サッカー協会日本サッカー協会会長(キャプテンと自称しました)を務めました。日本サッカーのプロ化、日本代表チームの強化(1998年のワールドカップ初出場から連続して本大会に出場できるほどになりました)に功績があった人物です。



 川淵氏は、猪瀬直樹氏の都知事選挙の選対本部長(実務に携わっていないでしょう)ということで、安倍晋三首相と石原慎太郎代議士(前東京都知事)との間で、有力な候補者であることが確認されています。川淵氏は、日本サッカー協会の重鎮であること、早稲田大学出身で文教族の大物政治家たち(森喜朗元首相や下村博文文科相など。早大雄弁会系は文教族になる人が多かった)との関係も深いこと、スポーツ関係に幅広い人脈がることなどから、東京オリンピックの開催準備には適した人物ということになると思います。



 2020年東京オリンピックの招致に関しては、内閣官房参与の平田竹男・早稲田大学スポーツ科学研究科教授がキーマンとなっています。平田教授は、1982年に横浜国立大学から通産省に入省し(同期に安倍晋三首相の政務秘書官である今井尚哉)、エネルギー畑を歩いた人物ですが、途中、日本サッカーのプロ化にかかわり、2002年には日本サッカー協会に転職し、専務理事となりました。そして、2006年からは早稲田大学教授となりました。平田氏の持つサッカー人脈(高円宮妃久子さまの招致活動への参加がその最たる例です)、エネルギー外交人脈が東京オリンピック誘致に貢献したことは自明のことですが、それが東京都知事の候補者にも及ぼうとしているのだろうと私は考えます。


 ここら辺の人脈関係については、来年1月に出版する『ハーヴァード大学の秘密』(PHP研究所)に書いております。

 川淵氏は権力志向が強い人物という評価があるところから、都知事という地位には興味があるのではないかと思います。川淵氏が自公の候補者ということになると、他の勢力には大きな脅威になることは間違いありません。川淵氏より知名度や実績が上の人物となるとなかなかいないのですから。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「川淵三郎氏で候補一致か 安倍首相と石原前都知事 都知事選で意見交換」



DAILY NOBORDER 1219()2253分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131219-00010003-noborder-pol&pos=1



猪瀬都知事が辞職を表明したことを受けて、各党・各会派は早速、次の都知事候補選びに入った。



「猪瀬都知事を作った人物に責任を取ってもらうのがいい」(自民党幹部)



党内のこうした声を受けて、自民幹部の一人は安倍首相の元を訪れ、石原慎太郎前都知事との接触を求めていたという。



実際に、猪瀬知事辞職の前日(18日)、安倍首相は、「日本維新の会」の石原代表らと官邸で昼食を取りながら後継知事について意見を交わしていた。



首相と前知事の二人が、次期都知事候補として意見を一致させたのが、猪瀬知事の選対本部長でもあった首都大学東京理事長で、日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎氏だった。



確かに、元Jリーグチェアマンでオリンピックを控える国際都市「東京の顔」としても申し分ない。



だが、不安も除去できなかったという。



「猪瀬知事が、行政経験のない政治のアマチュアだったということが今回の辞職劇ではっきりした。川淵氏も同じではないかという不安は拭えない。仮にそうなったとしても党として推すのは難しいのではないか」(同自民党幹部)



自民党内では他にも、橋本聖子参議院議員、小池百合子衆議院議員など女性議員を推す声も上がっている。



石破茂幹事長は、都知事選のタイムスケジュールを考えると「今年中の候補者決定が望ましい」と答えた。



時間はない。果たして、安倍政権は新しい「東京の顔」に意中の人物を据えられるのだろうか?



●「都知事選 民主に舛添氏擁立論、浮上 菅元首相や蓮舫氏…人材難深刻」



産経新聞 1220()755分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131220-00000115-san-pol



東京都知事選をめぐり、候補者探しに苦しんでいるのは民主党も一緒だ。浮上してくるのは菅直人元首相や蓮舫元行政刷新担当相といった毎度おなじみの顔ぶれで、人材難は深刻。こうした中、党内からは舛添要一元厚生労働相の擁立を求める声がにわかに浮上してきた。



「厚労相としての経験も十分ある。舛添さんにする可能性はある」



民主党都連幹部は19日、産経新聞の取材にこう語った。党勢が低迷し、かつこれ以上国会議員を減らすわけにはいかない党執行部は、党所属国会議員を擁立するのには否定的。党内で名前が取り沙汰される菅氏も同日、国会内で記者団に「地球が逆さに回ってもない」と出馬を否定した。



そこで白羽の矢が立ったのが知名度の高い舛添氏だ。19日に開いた幹部会では舛添氏に関し「特定秘密保護法についてはうちと近い」などの声が出た。



当の舛添氏は19日、都内で記者団に「いま充電中。何も決めていない。何も考えていない」と肯定も否定もせず、けむに巻いた。その上でエールを送った先は新党「結いの党」。「新党がいかに難しいかは、苦労したから分かる。15人いるなら頑張れば何かやれるかもしれない」と語り、民主党については「もっとしっかりしてもらわないと。ひどすぎる」とこき下ろした。



相思相愛にならない民主党と舛添氏。実は民主党は昨年12月の都知事選の際も舛添氏に出馬を要請したが、断られている。



「候補者を担ぐというより、そっと背中を押す程度になるだろう」と語るのはある幹部。無党派層がカギを握る「首都決戦」で、信頼を回復できていない民主党が前面に出るのは避けたい-。これこそが執行部の本音にほかならない。(坂井広志)



●「<都知事選>女性議員や閣僚浮上 候補選び本格化」



毎日新聞 1219()2341分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131219-00000150-mai-pol



東京都の猪瀬直樹知事の辞職表明を受け、与野党は19日、知事選へ候補者選定を本格化した。安倍晋三首相は自民党の石破茂幹事長に「行政手腕があり、勝てる候補」の人選を急ぐよう指示。民主党は、自公民3党の「相乗り」は困難との認識が大勢だ。政府・与党内では、複数の女性国会議員や現職閣僚らが浮上。ただ、最後に名乗りを上げる「後出しじゃんけん」が有利との見方もあり、情勢は混沌(こんとん)としている。【高橋恵子、飼手勇介、光田宗義】



自民党は都知事選の告示まで約1カ月という短期間で有権者への浸透を図ろうと、年内にも候補の人選を終えるのが基本戦略だ。都連会長の石原伸晃環境相は19日、河村建夫選対委員長と党本部で会談。都連は20日の役員会で人選を協議する。政府・自民党は今週末以降に、名前が取りざたされている「候補者候補」について独自の電話調査を行い、都民の志向を見極めたい考えだ。



自民都連や五輪関係者からは、東京五輪の準備を急ピッチで進める必要から、冬季五輪メダリストの橋本聖子参院議員(49)や、スポーツ担当の下村博文文部科学相(59)に出馬を求める動きがある。



金銭受領問題で傷ついた都のイメージ回復のため、首相官邸や都連幹部には「後任は女性がいい」との意見が多く、東京選出の丸川珠代参院議員(42)を推す声もある。小池百合子元防衛相(61)、片山さつき参院議員(54)らも取りざたされているが、19日に名乗りを上げた人はいなかった。



野党は、安倍政権の支持率が急落したことを踏まえ、都知事選を巻き返しの第一歩にしようと狙う。来年の通常国会で特定秘密保護法の廃止法案を提出する民主党は、19日午後に幹部が都知事選への対応を協議。大畠章宏幹事長は記者会見で「自公民3党で1人の候補を推すことは難しい」と相乗りを否定し、人選を急ぐ考えを示した。共産党は独自候補を擁立する構えだ。ただ、秘密保護法の国会審議などで内部が揺れた日本維新の会、みんなの党、結いの党などの対応は未定で、野党内の思惑は定まっていない。



過去の都知事選では知名度の高いタレント候補らに与野党の候補がたびたび敗れており、▽日本維新の会を離党した東国原英夫前衆院議員(56)▽7月に議員を引退した舛添要一元厚生労働相(65)--の動向に、各党は神経をとがらせている。東国原氏は19日、「現時点で(出馬の)計画はない」と述べるにとどめた。与党内では舛添氏を推す声があるほか、「勝てる候補に乗るべきだ」との声も漏れる。民主党幹部は「うちはいつも後出しじゃんけんでやられる」と警戒した。



(新聞記事転載貼り付け終わり)



(終わり)


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 古村治彦です。



 今日は、徳洲会事件の影響について考えたことを書きたいと思います。徳洲会事件は、現在、猪瀬直樹都知事の現金授受(貸し借りと知事側は主張)にスポットライトがあてられている状態です。しかし、鹿児島生まれの私としては、逮捕された徳洲会関係者が起訴され、裁判で有罪になった場合、連座制が適用されて、徳田毅代議士(鹿児島二区選出、自民党を離党)が失職する(辞職まではいかないのではと個人的には思います)ことにも関心があります。



 そのように思いながら、ネットで産経新聞の以下の記事を見つけました。大変長い記事ですが、状況が分かるので是非読んでいただきたいと思います。



(新聞記事転載貼り付けはじめ)



●「安倍政権を悩ます「徳洲会補選」 消費増税後初の国政選挙に?」



2013年11月24日 産経新聞

http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1124/san_131124_3698317976.html

 

 医療法人「徳洲会」グループをめぐる公職選挙法違反事件が予想以上に安倍晋三政権に重くのしかかっている。渦中の徳田毅衆院議員(42)=自民党離党、鹿児島2区=が失職あるいは辞職し、補欠選挙が来年4月に行われることは不可避とみられるからだ。補選となれば消費税率の5%から8%への引き上げ後、初の国政選挙となる。自民党は「徳洲会後遺症」と「消費増税」という二つの十字架を背負いながら“負けられない戦(いくさ)”に臨まざるを得ないのだ。



 東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年12月の衆院選で公選法が禁じる運動員買収をしていたとして、自民党公認候補で当選した徳田毅衆院議員の姉で、徳洲会の関連会社社長だった越沢徳美(なるみ)容疑者(50)、スターン美千代容疑者(46)とグループ幹部ら計6人を同法違反容疑で逮捕した。



 捜査当局は、不正を主導したのは徳田議員の父で元衆院議員の徳洲会創設者、虎雄前理事長(75)とみているが、病気療養中のため在宅で容疑者として調べを進めている。



 今後の焦点は、徳田議員の刑事責任が及ぶか否かに移っている。



 しかし違法な報酬を受け取って選挙運動に従事した傘下病院などの職員は563人、不支給の総額は1億4750万円相当に上るとされ、公選法違反の買収事件としては空前規模である。



 国会議員には不逮捕特権があり、原則として国会会期中は逮捕されないが、徳田氏は自身の関与のあるなしにかかわらず、まず議員辞職して責任を明らかにするのが政治家のとるべき道だろう。



 しかし仮に徳田氏に刑事責任が及ばないにしても、「自分はシロだ」として議員の職に居座り続けることもできまい。公選法の規定によると、候補者の父母や兄弟など親族が買収の罪で禁錮以上の刑が確定したら連座制により当選無効となる。2人の姉が逮捕された徳田氏が早晩、失職を余儀なくされるのは必至とみられるからだ。



 徳洲会の公選法違反事件のダメージを最小限に食い止めるべく自民党は14日、持ち回りの党紀委員会(中曽根弘文委員長)で、徳田議員の離党を了承した。とはいえ「これで一件落着」といくわけがない。おそらく半年以内に当該選挙区の補選が待ち受けているのである。



 公選法によれば、投票日に特に定めがなく、9月16日から翌年3月15日に欠員などで補選を行う事由が生じた場合、当該期間直後の4月の第4日曜日に投票となる。従ってカレンダーに目をやれば、「徳洲会補選」の投票が来年4月27日に実施されることは永田町では既定路線になりつつある。



 しかし、その補選が安倍政権にとっては厄介(やっかい)極まりない戦いなりそうな気配だ。



 内閣支持率は「アベノミクス」への期待感や野党のふがいなさなどがあいまって約60%の安定高値を維持しており、本来なら自民党が“横綱相撲”で受けて立つ選挙になってもおかしくない。だが、そうは問屋が卸してくれない。



 徳田議員の父親、虎雄氏も自由連合時代、中選挙区制で唯一の1人区だった奄美群島区で、自民党の保岡興治衆院議員と何度も激しい選挙戦を繰り広げた。「保徳戦争」「ハブとマングースの戦い」などとたとえられうえに死人が出るとまで言われ、選挙違反の摘発も

枚挙にいとまがない。文字通り「死闘」の連続だった。



 徳田氏が地盤とする奄美群島を中心とした当該選挙区はそんな土地柄、土壌ゆえに「有権者にとって衆院選は数年に1度の大イベント、お祭りだった。4月に補選が実施されれば地元の関心や熱気はこれまでの選挙より冷めるのは言うまでもない」と選挙事情通は指摘する。



 とはいえ、安倍政権が10月に消費税率の3ポイント引き上げを決定し、そして来年4月1日にそれが実施されてから初めて行われるであろう国政選挙である。



 現に補選となれば、多くのメディアは「消費増税に対する民意を図る試金石」などとはやし立て、再来年10月の消費税10%への再引き上げの是非を争点化することが十分予想される。野党が「消費増税」の一点を突いてくることも想像に難くない。自民党関係者はこう語る。



 「補選になった場合、政権に与える勝敗の影響は限りなく大きい。消費増税に対する世論の反発が全国に波及する恐れがある。絶対に落とせない選挙になる」



 アベノミクスへの国民の期待値は高いが、景気回復や雇用、賃上げが政権のシナリオ通り進まなければ、支持率は急降下する。先行きの期待感をあおりにあおってきた分、反動は大きく、そこに消費税アップの生活苦が重なれば、国民の失望が怒りに変わりかねない。



 前出の自民党関係者は「来年4月の選挙はタイミング的に『凶』と出る要因ばかりだ。これまで自身の『強運』の助けもあって政権を順調に運営してきた安倍首相にとって、それこそ運の尽きとなる可能性がある」と懸念を抱く。



 さらに自民党にとって難題なのは、徳田氏の威光や影響がどっぷり根付いている選挙区で、“徳田色”を払拭(ふっしょく)した「クリーンな候補者」を見いだせるかどうかだ。



 昨年末の衆院選で渦中の徳田氏は、民主党前職の打越明司氏にダブルスコア以上の大差で圧勝した。しかし、むろん補選となれば、これまでカネにモノを言わせた徳田陣営による「徳洲会式選挙戦略」は過去のものとなる。



 まさか政権党が「不戦敗」というわけにはいかないし、いかなる逆風でも勝てる候補者の擁立作業は一筋縄ではいかないだろう。



 ただでさえ4月以降、首長選挙で自民党推薦候補がきびすを接するように敗北している。静岡県知事選、名古屋、川崎、さいたま、福島の各市長選…。それぞれ地方の特性や野党との相乗りしたケースのマイナス要因など考慮すべき事情はあろうし、中央政界の状況が

首長選に必ずしも直結するものではない。



 ただ自民党内から「7月の参院選では勝利しているのに、首長選で敗れるのは、政権についたおごりや慢心が出ているのではないか」(中堅議員)という声が一部で出ているのも事実だ。



 まだ「徳洲会補選」が決まったわけではない。仮に確定しても、過去に例を見ない大規模な公選法違反事件を受けた選挙という“特殊事情”から、「負けてやむなし」と予防線を張る動きが自民党内に出てくるかもしれない。



 しかし、その勝敗はやはり、その後の政権運営の行方を少なからず左右するため、安倍政権が「4月決戦」を見据え、経済指標や景気動向、そして野党の出方にことさら神経質になっているのは確かだ。たかが補選、されど補選なのである。(高木桂一)



(新聞記事転載貼り付け終わり)



 この新聞記事にあるように、来年4月に徳田氏の失職による鹿児島第二区の補欠選挙が行われる可能性が大変高くなっています。来年4月というのは消費税の税率が現行の5%から8%に引き上げられる時期でもあり、補選で自民党の苦戦が予想される、と記者は書いています。自民党、安倍政権贔屓の産経新聞ですから、それはさすがにご心配なんでしょうねと、皮肉の一つも言いたくなります。



 鹿児島第二区という選挙区は、地図で見ても分かるように、鹿児島県薩摩半島南部の各自治体と奄美群島が一緒になった選挙区です。鹿児島では「本土」と「離島(シマ)」という言い方をしますが、文化や風習がだいぶ異なります。農業が盛んな地域ではありますが、本土とシマでは作られる作物が違います。ですから、この選挙区はかなり多様性がある、悪く言ってしまえば分裂気味の選挙区と言えるでしょう。


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 この選挙区からこれまで代議士になったのは、徳田虎雄氏、園田修光氏、徳田毅氏、打越明司氏です。このうち、徳田親子は選挙に出られないといすると、園田氏と打越氏、そして新顔ということになります。小選挙区制が導入されて以降、小選挙区で民主党や共産党が勝利を得たことはありません。2009年に民主党が大勝した時の選挙でも、徳田毅氏が小選挙区で勝利し、民主党から出馬した打越明司氏は比例復活当選を果たしたくらいで、保守的な選挙風土と言えましょう。



 打越氏は、鹿児島ラ・サール高校から九州大学を卒業し、松下政経塾に進んだ人物です。一期生ということで、民主党の野田佳彦前首相とは同期の間柄です。長らく自民党所属の県議会議員を務めていました。その後、国政を目指して自民党を離党し、民主党に所属し、国政に挑戦し、2009年には比例復活を果たしましたが、2012年の選挙では敗れてしまいました。もし補選が行われた場合、出馬するのか微妙なところです。



 園田修光氏は県立錦江湾高校から日本大学を卒業した人物です。1996年の選挙では、自民党の公認候補として徳田虎雄氏を破って鹿児島第二区から国政の場に出ましたが、その後、徳田家に苦杯を飲まされてきました。そして、徳田毅氏が自民党に入党したことで、徳田氏の支援に回りました。2012年の総選挙では、徳田毅氏の選対本部長を務めました。



 打越氏は温泉で有名な指宿、園田氏は鹿児島市南部の谷山地区(元々は谷山市という別の地方自治体でしたが鹿児島市と合併しました)をそれぞれ地盤としています。鹿児島二区は先ほど書きましたように、離島部と薩摩半島南部が一緒になっています。薩摩半島南部の人々からすれば、補選が行われる場合、「奄美ではなく自分たちが代表を出すチャンス」と捉えることになるでしょう。



 そのため、本土の人々は、できれば本土系の人を勝てる公算の高い自民党には公認して欲しいと考えるでしょう。そうなった場合、奄美系は無所属でも奄美の利益代表的な人物を出すこともあり得ますので、自民党としては頭が痛いところです。



 本土とシマの両方をある程度納得させる人物ということになれば、私は園田氏であろうと考えます。園田氏は2012年の総選挙で徳田毅氏の選対本部長を務めましたが、今回逮捕されていません。これからの捜査の行方もありますが、徳洲会事件の力点が徳洲会と徳田毅氏の選挙違反から猪瀬氏の方に移っている以上、園田氏は逮捕を免かれるでしょう。



 園田氏は徳田氏の選挙を支援しました。そういう人物が徳田氏の代わりに選挙に出るとなれば、奄美の人々もある程度納得できるでしょうし、本土系の人物も納得できるのではないかと考えます。



 勘ぐったことを言えば、園田氏は次の補選のために逮捕されずに残された人材なのだと言うことも可能なのではないかと思います。



(終わり)


 


 


 


 


 


 


 


 



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