古村治彦です。
先日、安倍晋三首相がフジテレビに出演した際に使った道具立てにアメリカでも興味を持たれているようです。そして、安倍首相の譬え話の空々しさについて以下の記事は言及されています。火事の煙については「生肉」ではなく、「キャンディー」だと言っています。
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安倍晋三は日本のテレビ番組に出演して自分の安全保障改革について紙の切り抜きを使う(Shinzo
Abe Uses Paper Cutouts to Sell His Security Reforms on Japanese TV)
エリアス・グロル筆
2015年7月23日
『フォーリン・ポリシー』誌
https://foreignpolicy.com/2015/07/23/shinzo-abe-uses-paper-cutouts-to-sell-his-security-reforms-on-japanese-tv/?utm_content=buffer26143&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer
「火事になった紙の家と日本とアメリカの消防士たちが救出に駆けつけている」。これは日本の首相である安倍晋三首相が今週テレビ番組出演の間に使った譬え話である。これは安倍首相が進めている日本の防衛に関する改革に対して懐疑的な日本の人々に説明するためのものであった。
安倍首相は日本の憲法を変え、軍事衝突が起きた場合に同盟諸国を助けに行けるようにしたいと望んでいる。しかし、日本国民の多くは第二次世界大戦後の日本の平和主義に基づいた政策を変更することに大変懐疑的になっている。その結果、安倍首相はここ数週間で、彼の改革法案が衆議院を通過した後に支持率が記録的に低下する様子を目撃してきた。そのため、安倍首相は、これまで使われたことのないような道具を使って自分の政策を人々に売り込むためにテレビ出演を続けた。
安倍の防衛政策改革の目的は、東アジアにおける日米共同の軍事作戦を実行するために、日本がアメリカと共同してより積極的な役割を果たせるようにすることである。中国は軍事力を増強し、南シナ海にあるいくつかの島々の領有権を主張している。一方、日本は中国が台頭することで脅威となっていることに対して抑止力とするために、日本の自衛隊をより攻撃的にしたいと望んでいる。
安倍首相は、現在の日本の政策の下では、日本の消防士たちは火事になったアメリカの家を助けに行くことが出来ず、ただ立ち尽くして家が焼けていくのを見守るしかできないと述べた。彼が提案した改革では、日本とアメリカはお互いがお互いを助けることが出来るようになると述べた。彼が使った紙の家から出ているキャンディーのような物体は火である。
この譬え話は公平に見て酷いものであった。安倍の進めている改革は火事との戦いとは何の関係もない。日本は中国とアメリカとの間に起きる軍事衝突に介入する能力を手に入れたいと望んでいる。この場合には、安倍首相が指し示したアメリカの家の敷地内にあるはなれではなく、出火しているアメリカの巡洋艦を使う方が譬え噺としてはより正確である。
そして、この政策が誰に対して行われるかについて疑問が出てきたが、安倍首相が使った道具で海賊の旗が示しているのは、ずばり中国である。
(終わり)